(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118143
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/08 20060101AFI20240823BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20240823BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240823BHJP
H10B 41/50 20230101ALI20240823BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240823BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20240823BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G11C16/08 120
G11C16/04 170
G11C16/08 123
H10B41/27
H10B41/50
H10B43/27
H10B43/50
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024406
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 洋
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225BA08
5B225CA01
5B225CA04
5B225DA03
5B225DA09
5B225EA05
5B225EB10
5B225ED09
5B225FA02
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA02
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F101BA02
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】処理能力を向上する。
【解決手段】実施形態によれば、半導体記憶装置は、第1選択トランジスタST1と第1メモリセルMC0と第2選択トランジスタST2とが接続された第1ストリングNSと、第3選択トランジスタST1と第2メモリセルMC1と第4選択トランジスタST2とが接続された第2ストリングNSと、ワード線WLと、第1乃至第4選択ゲート線SGDa、SGSa、SGDb、SGSbと、第1及び第2ビット線BLa、BLbを含む。第1メモリセルの読み出し動作又はベリファイ動作において、ワード線の電圧の第1電圧VREADへの立ち上げの際に、第1ビット線に第2電圧VBLRDが印加され、第2ビット線に第2電圧より高い第3電圧VCHが印加される。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1選択トランジスタと第1メモリセルと第2選択トランジスタとが直列に接続された第1ストリングと、
第3選択トランジスタと第2メモリセルと第4選択トランジスタとが直列に接続された第2ストリングと、
前記第1メモリセルのゲート及び前記第2メモリセルのゲートに共通に接続されたワード線と、
前記第1選択トランジスタのゲートに接続された第1選択ゲート線と、
前記第2選択トランジスタのゲートに接続された第2選択ゲート線と、
前記第3選択トランジスタのゲートに接続された第3選択ゲート線と、
前記第4選択トランジスタのゲートに接続された第4選択ゲート線と、
前記第1選択トランジスタに接続された第1ビット線と、
前記第3選択トランジスタに接続された第2ビット線と
を備え、
前記第1メモリセルの読み出し動作又はベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の第1電圧への立ち上げの際に、前記第1ビット線に第2電圧が印加され、前記第2ビット線に前記第2電圧より高い第3電圧が印加される、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1メモリセルの前記読み出し動作又は前記ベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの際に、前記第1選択トランジスタ、前記第2選択トランジスタ、及び前記第3選択トランジスタはオン状態とされ、前記第4選択トランジスタはオフ状態とされ、
前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの後、前記第1メモリセルからのデータの読み出しの際に、前記第3選択トランジスタはオフ状態とされる、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1メモリセルの前記読み出し動作又は前記ベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの後、前記第1メモリセルからのデータの読み出しの際に、前記ワード線に前記第1電圧よりも低い読み出し電圧が印加される、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記ワード線、前記第1選択ゲート線、前記第2選択ゲート線、前記第3選択ゲート線、及び前記第4選択ゲート線がそれぞれ接続されたロウデコーダと、
前記第1ビット線及び前記第2ビット線がそれぞれ接続されたセンスアンプと
を更に備える、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
書き込み動作は、プログラム動作とプログラムベリファイ動作とを交互に繰り返すプログラムループを含み、
前記第1メモリセルの前記プログラム動作において、前記ワード線の電圧の第4電圧への立ち上げの際に、前記第1ビット線に第5電圧が印加され、前記第2ビット線に前記第5電圧よりも高い第6電圧が印加される、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1メモリセルの前記プログラム動作において、前記ワード線の電圧の前記第4電圧への前記立ち上げの際に、前記第1選択トランジスタ及び前記第3選択トランジスタはオン状態とされ、前記第2選択トランジスタ及び前記第4選択トランジスタはオフ状態とされる、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1メモリセルの前記プログラム動作において、前記ワード線の電圧の前記第4電圧への前記立ち上げの後、前記ワード線に前記第4電圧よりも高いプログラム電圧が印加される、
請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1メモリセルの前記プログラム動作において、前記ワード線に前記プログラム電圧が印加されている期間、前記第3選択トランジスタは、オフ状態とされる、
請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
第1選択トランジスタと第1メモリセルと第2選択トランジスタとが直列に接続された第1ストリングと、
第3選択トランジスタと第2メモリセルと第4選択トランジスタとが直列に接続された第2ストリングと、
前記第1メモリセルのゲート及び前記第2メモリセルのゲートに共通に接続されたワード線と、
前記第1選択トランジスタのゲートに接続された第1選択ゲート線と、
前記第2選択トランジスタのゲートに接続された第2選択ゲート線と、
前記第3選択トランジスタのゲートに接続された第3選択ゲート線と、
前記第4選択トランジスタのゲートに接続された第4選択ゲート線と、
前記第1選択トランジスタに接続された第1ビット線と、
前記第3選択トランジスタに接続された第2ビット線と、
前記第2選択トランジスタに接続された第1ソース線と、
前記第4選択トランジスタに接続された第2ソース線と
を備え、
前記第1メモリセルの読み出し動作又はベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の第1電圧への立ち上げの際に、前記第1ソース線に第2電圧が印加され、前記第2ソース線に前記第2電圧より高い第3電圧が印加される、
半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1メモリセルの前記読み出し動作又は前記ベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの際に、前記第1選択トランジスタ及び前記第3選択トランジスタはオフ状態とされ、前記第2選択トランジスタ及び前記第4選択トランジスタはオン状態とされ、
前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの後、前記第1メモリセルからのデータの読み出しの際に、前記第1選択トランジスタはオン状態とされ、前記第4選択トランジスタはオフ状態とされる、
請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1メモリセルの前記読み出し動作又は前記ベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの後、前記第1メモリセルからのデータの読み出しの際に、前記ワード線に前記第1電圧よりも低い読み出し電圧が印加される、
請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記ワード線、前記第1選択ゲート線、前記第2選択ゲート線、前記第3選択ゲート線、及び前記第4選択ゲート線がそれぞれ接続されたロウデコーダと、
前記第1ビット線及び前記第2ビット線がそれぞれ接続されたセンスアンプと、
前記第1ソース線及び前記第2ソース線がそれぞれ接続されたソース線ドライバと
を更に備える、
請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
書き込み動作は、プログラム動作とプログラムベリファイ動作とを交互に繰り返すプログラムループを含み、
前記第1メモリセルの前記プログラム動作において、前記ワード線の電圧の第4電圧への立ち上げの際に、前記第1ソース線に第5電圧が印加され、前記第2ソース線に前記第5電圧よりも高い第6電圧が印加される、
請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1メモリセルの前記プログラム動作において、前記ワード線の電圧の前記第4電圧への前記立ち上げの後、前記ワード線に前記第4電圧よりも高いプログラム電圧が印加される、
請求項13に記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記ワード線に前記プログラム電圧が印加されている期間、前記第2選択トランジスタ及び前記第4選択トランジスタは、オフ状態とされる、
請求項14に記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記第1メモリセルの前記読み出し動作又は前記ベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの際に、前記第1ビット線に第7電圧が印加され、前記第2ビット線に前記第7電圧より高い第8電圧が印加される、
請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記第1メモリセルの前記読み出し動作又は前記ベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの際に、前記第1選択トランジスタ、前記第2選択トランジスタ、前記第3選択トランジスタ、及び前記第4選択トランジスタはオン状態とされ、
前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの後、前記第1メモリセルからのデータの読み出しの際に、前記第2選択トランジスタ及び前記第4選択トランジスタはオフ状態とされる、
請求項16に記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記第1メモリセルの前記読み出し動作又は前記ベリファイ動作において、前記ワード線の電圧の前記第1電圧への前記立ち上げの後、前記第1メモリセルからのデータの読み出しの際に、前記ワード線に前記第1電圧よりも低い読み出し電圧が印加される、
請求項16に記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記ロウデコーダ及び前記センスアンプを含む回路チップと、
前記第1ストリングを含む第1アレイチップと、
前記第2ストリングを含む第2アレイチップと
を更に備え、
前記第1アレイチップの第1面に前記回路チップは貼り合わせられ、前記第1アレイチップの前記第1面と向かい合う第2面に前記第2アレイチップは貼り合わせられる、
請求項4または12に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置として、NAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第11189335号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0043868号明細書
【特許文献3】米国特許第11211328号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態では、処理能力を向上した半導体記憶装置を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体記憶装置は、第1選択トランジスタと第1メモリセルと第2選択トランジスタとが直列に接続された第1ストリングと、第3選択トランジスタと第2メモリセルと第4選択トランジスタとが直列に接続された第2ストリングと、第1メモリセルのゲート及び第2メモリセルのゲートに共通に接続されたワード線と、第1選択トランジスタのゲートに接続された第1選択ゲート線と、第2選択トランジスタのゲートに接続された第2選択ゲート線と、第3選択トランジスタのゲートに接続された第3選択ゲート線と、第4選択トランジスタのゲートに接続された第4選択ゲート線と、第1選択トランジスタに接続された第1ビット線と、第3選択トランジスタに接続された第2ビット線と、を含む。第1メモリセルの読み出し動作又はベリファイ動作において、ワード線の電圧の第1電圧への立ち上げの際に、第1ビット線に第2電圧が印加され、第2ビット線に第2電圧より高い第3電圧が印加される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの回路構成を示す平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの回路構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるアレイチップ10a及び10b並びに回路チップ20の配置を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイ11a及び11b並びに回路チップ20の配置を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイ11bのセル部及びWLSG接続部の平面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイ11aのセル部及びWLSG接続部の平面図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるデータレジスタ及びセンスアンプのブロック図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の備えるセンスアンプユニットの回路図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の読み出し動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
【
図15】
図15は、
図14の時刻t1~t2の期間におけるNANDストリングの状態を示す図である。
【
図16】
図16は、カップリング有無によるワード線WLの電圧上昇の違いを示す例図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係る半導体記憶装置のプログラム動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
【
図18】
図18は、
図17の時刻t0~t1の期間におけるNANDストリングの状態を示す図である。
【
図19】
図19は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図20】
図20は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの回路構成を示す平面図である。
【
図21】
図21は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の備えるメモリセルアレイの回路構成を示す斜視図である。
【
図22】
図22は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の備えるアレイチップ10a及び10b並びに回路チップ20の配置を示す断面図である。
【
図23】
図23は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の読み出し動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
【
図24】
図24は、
図23の時刻t1~t2の期間におけるメモリセルアレイ11bの1つのNANDストリングの状態を示す図である。
【
図25】
図25は、第2実施形態に係る半導体記憶装置のプログラム動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
【
図26】
図26は、
図25の時刻t0~t1の期間におけるNANDストリングの状態を示す図である。
【
図27】
図27は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体記憶装置の読み出し動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
【
図28】
図28は、
図27の時刻t1~t2の期間におけるメモリセルアレイ11bの1つのNANDストリングの状態を示す図である。
【
図29】
図29は、第2実施形態の第2変形例に係る半導体記憶装置のプログラム動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。重複説明は不要な場合には省略する場合がある。また、以下に示す各実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものである。実施形態の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。実施形態の技術的思想は、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。これら実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0008】
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
【0009】
1.1 構成
1.1.1 半導体記憶装置の全体構成
まず、
図1を参照して、半導体記憶装置1の全体構成の一例について説明する。
図1は、半導体記憶装置1の全体構成を示すブロック図である。なお、
図1では、各構成要素の接続の一部を矢印線により示しているが、構成要素間の接続はこれらに限定されない。
【0010】
半導体記憶装置1は、例えば、三次元積層型NAND型フラッシュメモリである。三次元積層型NAND型フラッシュメモリは、半導体基板上に三次元に配置された複数の不揮発性のメモリセルトランジスタを含む。
【0011】
図1に示すように、半導体記憶装置1は、複数のアレイチップ10と、回路チップ20とを含む。アレイチップ10は、不揮発性のメモリセルトランジスタのアレイが設けられたチップである。回路チップ20は、アレイチップ10を制御する回路が設けられたチップである。本実施形態の半導体記憶装置1は、複数のアレイチップ10と、回路チップ20とを貼り合わせた構造(以下、「貼合構造」とも表記する)を有する。なお、半導体記憶装置1は、貼合構造を有していなくてもよい。以下、アレイチップ10と回路チップ20とのいずれかを限定しない場合は、単に「チップ」と表記する。なお、半導体記憶装置1は、複数の回路チップ20を含んでいてもよい。
【0012】
図1の例では、半導体記憶装置1は、2つのアレイチップ10a及び10bを含む。なお、アレイチップ10の個数は、3個以上であってもよい。以下、アレイチップ10a及び10bのいずれかを限定しない場合は、アレイチップ10と表記する。
【0013】
アレイチップ10は、メモリセルアレイ11を含む。メモリセルアレイ11は、不揮発のメモリセルトランジスタが三次元に配列された領域である。以下、アレイチップ10aのメモリセルアレイ11を限定する場合は、「メモリセルアレイ11a」と表記する。アレイチップ10bのメモリセルアレイ11を限定する場合は、「メモリセルアレイ11b」と表記する。
【0014】
メモリセルアレイ11は、複数のブロックBLKを含む。
図1の例では、メモリセルアレイ11は、2つのブロックBLK0及びBLK1を含む。ブロックBLKは、例えば、一括してデータが消去される複数のメモリセルトランジスタの集合である。ブロックBLK内の複数のメモリセルトランジスタは、ロウ及びカラムに対応付けられる。本実施形態では、メモリセルアレイ11aの一部とメモリセルアレイ11bの一部とを合わせた領域に1つのブロックBLKが設けられる。すなわち、ブロックBLKは、メモリセルアレイ11aに設けられた複数のメモリセルトランジスタと、メモリセルアレイ11bに設けられた複数のメモリセルトランジスタとを含む。
【0015】
ブロックBLKは、複数のストリングユニットSUを含む。ストリングユニットSUは、例えば、書き込み動作または読み出し動作において、一括して選択される複数のNANDストリングの集合である。NANDストリングは、直接に接続された複数のメモリセルトランジスタを含む。なお、メモリセルアレイ11の回路構成の詳細については後述する。
図1の例では、各ブロックBLKは、4つのストリングユニットSU0、SU1、SU2、及びSU3を含む。例えば、メモリセルアレイ11a(アレイチップ10a)は、各ブロックBLKのストリングユニットSU0及びSU1を含む。メモリセルアレイ11b(アレイチップ10b)は、各ブロックのストリングユニットSU2及びストリングユニットSU3を含む。なお、メモリセルアレイ11a及びメモリセルアレイ11bに含まれるストリングユニットSUの配置は任意である。
【0016】
次に、回路チップ20について説明する。回路チップ20は、アドレスレジスタ21、コマンドレジスタ22、シーケンサ23、ロウドライバ24、ロウデコーダ25、センスアンプ26、データレジスタ27、カラムデコーダ28、及びソース線ドライバ29を含む。
【0017】
アドレスレジスタ21は、アドレス情報ADDを一時的に記憶するレジスタである。アドレスレジスタ21は、外部コントローラ(不図示)からアドレス情報ADDを受信する。例えば、アドレス情報ADDは、ロウアドレス及びカラムアドレスを含む。ロウアドレスは、メモリセルアレイ11のロウ方向の配線を指定するアドレスである。カラムアドレスは、メモリセルアレイ11のカラム方向の配線を指定するアドレスである。例えば、ロウアドレスは、ブロックアドレス及びページアドレスを含む。例えば、ブロックアドレスは、ブロックBLKの選択に使用される。以下、選択されたブロックBLKを「選択ブロックBLK」と表記する。また、選択されていないブロックBLKを「非選択ブロックBLK」と表記する。ページアドレスは、ワード線WLの選択に使用される。以下、選択されたワード線WLを「選択ワード線WL」と表記する。また、選択されていないワード線WLを「非選択ワード線WL」と表記する。カラムアドレスは、ビット線BLの選択に使用される。例えば、アドレスレジスタ21は、ロウドライバ24、ロウデコーダ25、及びカラムデコーダ28に接続される。例えば、アドレスレジスタ21は、ロウドライバ24に、ページアドレスを送信する。アドレスレジスタ21は、ロウデコーダ25に、ブロックアドレスを送信する。アドレスレジスタ21は、カラムデコーダ28に、カラムアドレスを送信する。
【0018】
コマンドレジスタ22は、コマンドCMDを一時的に記憶するレジスタである。コマンドレジスタ22は、外部コントローラからコマンドCMDを受信する。コマンドレジスタ22は、シーケンサ23に接続される。コマンドレジスタ22は、シーケンサ23に、コマンドCMDを送信する。
【0019】
シーケンサ23は、半導体記憶装置1全体を制御する回路である。シーケンサ23は、ロウドライバ24、ロウデコーダ25、センスアンプ26、データレジスタ27、カラムデコーダ28、及びソース線ドライバ29に接続される。そして、シーケンサ23は、ロウドライバ24、ロウデコーダ25、センスアンプ26、データレジスタ27、カラムデコーダ28、及びソース線ドライバ29を制御する。また、シーケンサ23は、コマンドCMD等に基づいて、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。より具体的には、シーケンサ23は、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作等を実行する。
【0020】
ロウドライバ24は、ロウデコーダ25に電圧を供給するドライバである。ロウドライバ24は、ロウデコーダ25に接続される。ロウドライバ24は、ロウアドレス(例えばページアドレス)に基づいて、ロウデコーダ25に電圧を供給する。
【0021】
ロウデコーダ25は、ロウアドレスのデコードを行う回路である。ロウデコーダ25は、ロウアドレス(例えばブロックアドレス)のデコード結果に基づいて、メモリセルアレイ11内のいずれかのブロックBLKを選択する。
【0022】
より具体的には、ロウデコーダ25は、複数のワード線WL並びに複数の選択ゲート線SGD及びSGSを介して、メモリセルアレイ11に接続される。ワード線WLは、メモリセルトランジスタの制御に用いられる配線である。選択ゲート線SGD及びSGSは、ストリングユニットSUの選択に用いられる配線である。ロウデコーダ25は、選択ブロックBLKに対応するワード線WL並びに選択ゲート線SGD及びSGSに、ロウドライバ24から供給された電圧を印加する。
【0023】
本実施形態では、メモリセルアレイ11aのワード線WLと、メモリセルアレイ11bのワード線WLとは、ロウデコーダ25に共通に接続される。メモリセルアレイ11aの選択ゲート線SGDaと、メモリセルアレイ11bの選択ゲート線SGDbとは、それぞれ独立して、ロウデコーダ25に接続される。メモリセルアレイ11aの選択ゲート線SGSaと、メモリセルアレイ11bの選択ゲート線SGSbとは、それぞれ独立して、ロウデコーダ25に接続される。すなわち、メモリセルアレイ11aの選択ゲート線SGDaと、メモリセルアレイ11bの選択ゲート線SGDbとは、電気的に接続されていない。同様に、メモリセルアレイ11aの選択ゲート線SGSaと、メモリセルアレイ11bの選択ゲート線SGSbとは、電気的に接続されていない。換言すれば、メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとは、ワード線WLを共有する。そして、メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとは、選択ゲート線SGD及びSGSを共有しない。以下、選択ゲート線SGDa及びSGDbのいずれかを限定しない場合、「選択ゲート線SGD」と表記する。また、選択ゲート線SGSa及びSGSbのいずれかを限定しない場合、「選択ゲート線SGS」と表記する。
【0024】
センスアンプ26は、データの書き込み及び読み出しを行う回路である。センスアンプ26は、読み出し動作時に、いずれかのブロックBLKのいずれかのストリングユニットSUから読み出されたデータをセンスする。また、センスアンプ26は、書き込み動作時に、対応するメモリセルアレイ11に、書き込みデータに応じた電圧を供給する。
【0025】
センスアンプ26は、複数のビット線BLを介して、メモリセルアレイ11に接続される。メモリセルアレイ11aのビット線BLaと、メモリセルアレイ11bのビット線BLbとは、それぞれ独立して、センスアンプ26に接続される。すなわち、メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとは、ビット線BLを共有しない。以下、ビット線BLa及びBLbのいずれかを限定しない場合、「ビット線BL」と表記する。
【0026】
データレジスタ27は、データDATを一時的に記憶するレジスタである。データレジスタ27は、外部コントローラとデータDATの送受信を行う。データレジスタ27は、センスアンプ26に接続される。データレジスタ27は、複数のラッチ回路を含む。各ラッチ回路は、データDAT(書き込みデータまたは読み出しデータ)を一時的に記憶する。
【0027】
カラムデコーダ28は、カラムアドレスのデコードを行う回路である。カラムデコーダ28は、データレジスタ27に接続される。カラムデコーダ28は、カラムアドレスのデコード結果に基づいて、データレジスタ27内のラッチ回路を選択する。
【0028】
ソース線ドライバ29は、メモリセルアレイ11のソース線SLに電圧を供給するドライバである。本実施形態では、メモリセルアレイ11aのソース線SLと、メモリセルアレイ11bのソース線SLとは、ソース線ドライバ29に共通に接続される。換言すれば、メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとは、ソース線SLを共有する。
【0029】
1.1.2 メモリセルアレイの回路構成
次に、
図2及び
図3を参照して、メモリセルアレイ11の回路構成の一例について説明する。
図2は、メモリセルアレイ11の回路構成を示す平面図である。
図3は、メモリセルアレイ11の回路構成を示す斜視図である。なお、
図2及び
図3の例は、ブロックBLK0の回路構成を示しているが、他のブロックBLKも同様である。以下、各アレイチップ10においてワード線WLが延伸する方向をX方向と表記する。X方向と交差し、ビット線BLが延伸する方向をY方向と表記する。X方向及びY方向と交差し、アレイチップ10a及び10b並びに回路チップ20が積層されている方向をZ方向と表記する。
【0030】
図2に示すように、例えば、ブロックBLK0は、4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。より具体的には、メモリセルアレイ11aは、ブロックBLK0のストリングユニットSU0及びSU1を含む。メモリセルアレイ11bは、ブロックBLK0のストリングユニットSU2及びSU3を含む。
【0031】
各ストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。
【0032】
NANDストリングNSは、複数のメモリセルトランジスタMC並びに選択トランジスタST1及びST2を含む。
図2の例では、NANDストリングNSは、5個のメモリセルトランジスタMC0~MC4を含む。なお、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMCの個数は、任意である。
【0033】
メモリセルトランジスタMCは、データを不揮発に記憶する。メモリセルトランジスタMCは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含む。メモリセルトランジスタMCは、MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)型であってもよいし、FG(Floating Gate)型であってもよい。MONOS型は、電荷蓄積層に絶縁層を用いる。FG型は、電荷蓄積層に導電体を用いる。以下では、メモリセルトランジスタMCがMONOS型である場合について説明する。
【0034】
選択トランジスタST1及びST2は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。以下、選択されたストリングユニットSUを「選択ストリングユニットSU」と表記する。また、選択されていないストリングユニットSUを「非選択ストリングユニットSU」と表記する。選択トランジスタST1及びST2の個数は任意である。選択トランジスタST1及びST2は、NANDストリングNSにそれぞれ1個以上含まれていればよい。
【0035】
各NANDストリングNS内のメモリセルトランジスタMC並びに選択トランジスタST1及びST2の電流経路は、直列に接続される。
図2の例では、紙面下側から上側に向かって、選択トランジスタST2、メモリセルトランジスタMC0~MC4、及び選択トランジスタST2の順に、各々の電流経路は、直列に接続される。すなわち、ソース線SLからにビット線BL向かって、選択トランジスタST2、メモリセルトランジスタMC0~MC4、及び選択トランジスタST1が、順に接続される。選択トランジスタST1のドレインは、いずれかのビット線BLに接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0036】
ブロックBLK内の複数のメモリセルトランジスタMC0~MC4の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL4に共通に接続される。ワード線WLは、メモリセルアレイ11aのメモリセルトランジスタMC及びメモリセルアレイ11bのメモリセルトランジスタMCに共通に接続される。すなわち、メモリセルアレイ11a(アレイチップ10a)とメモリセルアレイ11b(アレイチップ10b)とは、ワード線WLを共有する。
【0037】
図2の例では、メモリセルアレイ11aのストリングユニットSU0及びSU1並びにメモリセルアレイ11bのストリングユニットSU2及びSU3の複数のメモリセルトランジスタMC0は、ワード線WL0に共通に接続される。他のメモリセルトランジスタMC1~MC4も同様に、ワード線WL1~WL4にそれぞれ接続される。
【0038】
各ブロックBLKにおいて、ストリングユニットSU内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、1つの選択ゲート線SGDに共通に接続される。
図2の例では、ストリングユニットSU0内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGDa0に共通に接続される。同様に、ストリングユニットSU1内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGDa1に共通に接続される。ストリングユニットSU2内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGDb2に共通に接続される。ストリングユニットSU3内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGDb3に共通に接続される。
【0039】
各ブロックBLKにおいて、メモリセルアレイ11a(アレイチップ10a)の複数のストリングユニットSU内の複数の選択トランジスタST2のゲートは、1つの選択ゲート線SGSaに共通に接続される。同様に、メモリセルアレイ11b(アレイチップ10b)の複数のストリングユニットSU内の複数の選択トランジスタST2のゲートは、1つの選択ゲート線SGSbに共通に接続される。
図2の例では、ストリングユニットSU0及びSU1内の複数の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGDaに共通に接続される。同様に、ストリングユニットSU2及びSU3内の複数の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGDbに共通に接続される。すなわち、メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとは、選択ゲート線SGSを共有しない。なお、選択ゲート線SGDと同様に、ストリングユニットSU毎に、選択ゲート線SGSが設けられてもよい。
【0040】
ワード線WL0~WL4、並びに選択ゲート線SGDa0、SGDa1、SGDb2、SGDb3、SGSa、及びSGSbは、ロウデコーダ25にそれぞれ接続される。
【0041】
メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとは、異なるビット線BLに接続される。より具体的には、メモリセルアレイ11aの各ストリングユニットSU内の複数の選択トランジスタST1のドレインは、それぞれ異なるビット線BLaに接続される。同様に、メモリセルアレイ11bの各ストリングユニットSU内の複数の選択トランジスタST1のドレインは、それぞれ異なるビット線BLbに接続される。
【0042】
図2の例では、メモリセルアレイ11aのストリングユニットSU0は、N+1個(Nは0以上の整数)のNANDストリングNSを含む。すなわち、ストリングユニットSU0は、N+1個の選択トランジスタST1を含む。ストリングユニットSU0内のN+1個の選択トランジスタST1のドレインは、N+1本のビット線BLa0~BLaNにそれぞれ接続される。メモリセルアレイ11aのストリングユニットSU1も同様である。すなわち、ストリングユニットSU0とストリングユニットSU1とは、ビット線BLaを共有する。
【0043】
また、メモリセルアレイ11bのストリングユニットSU2は、N+1個のNANDストリングNSを含む。すなわち、ストリングユニットSU2は、N+1個の選択トランジスタST1を含む。ストリングユニットSU2内のN+1個の選択トランジスタST1のドレインは、N+1本のビット線BLb0~BLbNにそれぞれ接続される。メモリセルアレイ11bのストリングユニットSU3も同様である。すなわち、ストリングユニットSU2とストリングユニットSU3とは、ビット線BLbを共有する。
【0044】
ビット線BLa0~BLaN及びBLb0~BLbNは、センスアンプ26にそれぞれ接続される。
【0045】
ソース線SLは、例えば、メモリセルアレイ11a及び11bの複数のブロックBLK間で共有される。
【0046】
以下、1つのストリングユニットSU内で、1つのワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMCの集合は、「セルユニットCU」と表記する。例えば、メモリセルトランジスタMCが1ビットデータを記憶可能なSLC(Single Level Cell)である場合、セルユニットCUの記憶容量は、「1ページデータ」として定義される。なお、メモリセルトランジスタMCが記憶可能なデータのビット数は、任意である。例えば、メモリセルトランジスタMCは、2ビットのデータを記憶可能なMLC(Multi Level Cell)であってもよいし、3ビットのデータを記憶可能なTLC(Triple Level Cell)であってもよいし、4ビットのデータを記憶可能なQLC(Quad Level Cell)であってもよいし、5ビットのデータを記憶可能なPLC(Penta Level Cell)であってもよい。メモリセルトランジスタMCが記憶するデータのビット数に基づいて、セルユニットCUは、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0047】
図3に示すように、Z方向において、メモリセルアレイ11bのブロックBLK0のアレイ領域(ストリングユニットSU2及びSU3)は、メモリセルアレイ11aのブロックBLK0のアレイ領域(ストリングユニットSU0及びSU1)の上方に配置される。すなわち、メモリセルアレイ11aのNANDストリングNSと、当該NANDストリングNSの上方に配置されたメモリセルアレイ11bのNANDストリングNSとは、同じブロックBLKに含まれる。
【0048】
図3の例では、1つのブロックBLKにおいて、X方向及びY方向に並んで配置された複数のメモリセルトランジスタMCは、1つのワード線WLに共通に接続される。メモリセルアレイ11aにおいて、Y方向に並んで配置されたNANDストリングNSは、ビット線BLaに共通に接続される。メモリセルアレイ11bにおいて、Y方向に並んで配置されたNANDストリングNSは、ビット線BLbに共通に接続される。メモリセルアレイ11a及び11bは、1つのソース線SLに共通に接続される。
【0049】
1.1.3 チップの配置
次に、
図4を参照して、各チップの配置の一例について説明する。
図4は、アレイチップ10a及び10b並びに回路チップ20の配置を示す断面図である。なお、
図4の例では、説明を簡略化するため、各々1つのワード線WL、選択ゲート線SGDa及びSGDb、選択ゲート線SGSa及びSGSb、ビット線BLa及びBLb、並びにソース線SLが示されている。
【0050】
以下、Z方向を限定する場合、アレイチップ10から回路チップ20に向かう方向をZ1方向と表記し、Z1方向に対向する方向をZ2方向と表記する。
【0051】
図4に示すように、Z2方向に向かって、回路チップ20の上にアレイチップ10aが貼り合わされている。そして、アレイチップ10aの上にアレイチップ10bが貼り合わされている。換言すれば、アレイチップ10aのZ1方向を向いた面に回路チップ20が貼り合わされている。そして、アレイチップ10aのZ2方向を向いた面にアレイチップ10bが貼り合わされている。すなわち、Z2方向に向かって、回路チップ20、アレイチップ10a、及びアレイチップ10bが順に積層(貼合)されている。
【0052】
回路チップ20の半導体基板200の上には、ロウデコーダ25、センスアンプ26、及びソース線ドライバ29が設けられている。
【0053】
アレイチップ10a及び10bには、メモリセルアレイ11a及び11bがそれぞれ設けられている。
【0054】
Z方向に並んで配置されたメモリセルアレイ11aの一部と、メモリセルアレイ11bの一部とにより、ブロックBLKが構成される。ワード線WLは、メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとで共有される。選択ゲート線SGDa及びSGSaは、メモリセルアレイ11aのメモリセルトランジスタMCに接続され、メモリセルアレイ11bのメモリセルトランジスタMCには接続されない。選択ゲート線SGDb及びSGSbは、メモリセルアレイ11bのメモリセルトランジスタMCに接続され、メモリセルアレイ11aのメモリセルトランジスタMCには接続されない。ソース線SLは、メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとで共有される。
【0055】
1.1.4 メモリセルアレイの配置
次に、
図5を参照して、メモリセルアレイ11の配置の一例について説明する。
図5は、メモリセルアレイ11a及び11b並びに回路チップ20の配置を示す斜視図である。なお、
図5の例では、説明を簡略化するため、各々1つのワード線WL、選択ゲート線SGDa及びSGDb、並びに選択ゲート線SGSa及びSGSbが示されている。また、ソース線SLは、省略されている。
【0056】
図5に示すように、メモリセルアレイ11a及び11bは、セル部、WLSG接続部、及びBL接続部をそれぞれ含む。
【0057】
セル部は、メモリセルトランジスタMCが配置される領域である。
【0058】
WLSG接続部は、メモリセルアレイ11内のワード線WL並びに選択ゲート線SGD及びSGSと、ロウデコーダ25と、を接続するコンタクトプラグ及び配線等が設けられる領域である。メモリセルアレイ11a及び11bのワード線WLは、各々のWLSG接続部を介して、回路チップ20のロウデコーダ25に共通に接続される。より具体的には、メモリセルアレイ11aに設けられたワード線WLは、メモリセルアレイ11aのWLSG接続部を介して、ロウデコーダ25に接続される。メモリセルアレイ11bに設けられたワード線WLは、メモリセルアレイ11aのWLSG接続部において、メモリセルアレイ11aに設けられたワード線WLに電気的に接続される。選択ゲート線SGDaは、メモリセルアレイ11aのWLSG接続部を介して、ロウデコーダ25に接続される。また、選択ゲート線SGDbは、メモリセルアレイ11bのWLSG接続部及びメモリセルアレイ11aのWLSG接続部を介して、ロウデコーダ25に接続される。同様に、選択ゲート線SGSaは、メモリセルアレイ11aのWLSG接続部を介して、ロウデコーダ25に接続される。また、選択ゲート線SGSbは、メモリセルアレイ11bのWLSG接続部及びメモリセルアレイ11aのWLSG接続部を介して、ロウデコーダ25に接続される。
【0059】
BL接続部は、複数のビット線BLと、センスアンプ26と、を接続するコンタクトプラグ及び配線等が設けられる領域である。ビット線BLaは、メモリセルアレイ11aのBL接続部を介して、センスアンプ26に接続される。また、ビット線BLbは、メモリセルアレイ11bのBL接続部及びメモリセルアレイ11aのBL接続部を介して、センスアンプ26に接続される。
【0060】
例えば、メモリセルアレイ11のX方向の端部に、WLSG接続部が設けられている。セル部は、例えば、Y方向に2つに分割されている。そして、Y方向に並ぶ2つのセル部の間に、BL接続部が設けられている。なお、セル部、WLSG接続部、及びBL接続部の配置は、任意である。例えば、メモリセルアレイ11のY方向の端部にBL接続部が設けられてもよい。また、1つまたは複数のビット線BLを単位とした複数のBL接続部が設けられてもよい。この場合、セル部の中に点在するように、複数のBL接続部が配置されてもよい。例えば、メモリセルアレイ11のX方向の両端に、WLSG接続部が設けられてもよい。また、セル部がX方向に2つに分割され、X方向に並ぶ2つのセル部の間にWLSG接続部が設けられてもよい。
【0061】
メモリセルアレイ11内の各ビット線BLは、Y方向に延伸する。Y方向に並ぶ2つのセル部は、ビット線BLを共有する。例えば、メモリセルアレイ11bのビット線BLb0~BLb3の各々は、メモリセルアレイ11bのBL接続部において、Z方向に延伸するコンタクトプラグに接続される。そして、コンタクトプラグは、メモリセルアレイ11aのBL接続部を通過して、センスアンプ26に接続される。
【0062】
例えば、メモリセルアレイ11aのビット線BLa0~BLa3の各々は、メモリセルアレイ11aのBL接続部において、Z方向に延伸するコンタクトプラグに接続される。そして、ビット線BLa0~BLa3の各々は、コンタクトプラグを介してセンスアンプ26に接続される。
図5の例では、ビット線BLa0~BLa3の各々は、BL接続部において、ビット線BLb0~BLb3に接続されたコンタクトプラグをそれぞれ迂回するように、配置されている。なお、ビット線BLのレイアウトは、任意である。
【0063】
1.1.5 セル部及びWLSG接続部の平面構成
次に、
図6及び
図7を参照して、セル部及びWLSG接続部の構成の一例について説明する。
図6は、メモリセルアレイ11bのセル部及びWLSG接続部の平面図である。
図7は、メモリセルアレイ11aのセル部及びWLSG接続部の平面図である。なお、
図6及び
図7の例は、メモリセルアレイ11のX方向の両端に、WLSG接続部が設けられている場合を示している。更に、
図6及び
図7の例は、説明を簡略化するため、各メモリセルアレイ11の1つのセル部が4つのブロックBLK0~BLK3を含み且つ各ブロックBLKが1つのストリングユニットSUを含む場合を示している。また、
図6及び
図7の例では、絶縁層が省略されている。
【0064】
まず、メモリセルアレイ11bのセル部及びWLSG接続部の平面構成について説明する。
【0065】
図6に示すように、4つのブロックBLK0~BLK3が、紙面上側から下側に向かって、Y方向に並んで配置されている。各ブロックBLKでは、複数の配線層102が、Z方向に離間して積層されている。
図6の例では、7層の配線層102が積層されている。各配線層102は、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL4、及び選択ゲート線SGDとしてそれぞれ機能する。各配線層102は、X方向に延伸する。各配線層102のY方向を向いた2つの側面にはスリットSLTがそれぞれ設けられている。スリットSLTは、X方向及びZ方向に延伸する。スリットSLTは、配線層102をブロックBLK毎に分離する。
【0066】
セル部には、複数のメモリピラーMPが設けられている。メモリピラーMPは、NANDストリングNSに対応する。メモリピラーMPの構造の詳細については後述する。メモリピラーMPは、略円柱形状を有し、Z方向に延伸する。メモリピラーMPは、Z方向に積層された複数の配線層102を貫通(通過)する。
【0067】
図6の例では、ブロックBLK内の複数のメモリピラーMPは、X方向に向かって2列に千鳥配置されている。なお、メモリピラーMPの配列は任意に設計可能である。メモリピラーMPの配列は、例えば、8列以上の千鳥配置であってもよい。また、メモリピラーMPの配列は、千鳥配置でなくてもよい。
【0068】
メモリピラーMPの上方には、複数のビット線BLbがX方向に並んで配置されている。ビット線BLbは、Y方向に延伸する。各ブロックBLKのメモリピラーMPは、いずれかのビット線BLbと、電気的に接続されている。
【0069】
メモリセルアレイ11bのWLSG接続部は、CP1領域を含む。
図6の例では、ブロックBLK0及びBLK2の場合、紙面左側のWLSG接続部にCP1領域が設けられている。ブロックBLK1及びBLK3の場合、紙面右側のWLSG接続部にCP1領域が設けられている。
【0070】
CP1領域は、複数のコンタクトプラグCP1が設けられている領域である。コンタクトプラグCP1は、Z方向に延伸する。コンタクトプラグCP1は、Z方向に離間して積層された配線層102のいずれか1つと電気的に接続される。そして、コンタクトプラグCP1は、他の配線層102とは電気的に接続されない。
図6の例では、1つのCP1領域内に7個のコンタクトプラグCP1が設けられている。7個のコンタクトプラグCP1は、Z方向に離間して積層された7層の配線層102にそれぞれ接続される。以下、ワード線WL0に対応する配線層102に接続されるコンタクトプラグCP1を限定する場合、「コンタクトプラグCP1_w0」と表記する。ワード線WL1に対応する配線層102に接続されるコンタクトプラグCP1を限定する場合、「コンタクトプラグCP1_w1」と表記する。ワード線WL2に対応する配線層102に接続されるコンタクトプラグCP1を限定する場合、「コンタクトプラグCP1_w2」と表記する。ワード線WL3に対応する配線層102に接続されるコンタクトプラグCP1を限定する場合、「コンタクトプラグCP1_w3」と表記する。ワード線WL4に対応する配線層102に接続されるコンタクトプラグCP1を限定する場合、「コンタクトプラグCP1_w4」と表記する。選択ゲート線SGDに対応する配線層102に接続されるコンタクトプラグCP1を限定する場合、「コンタクトプラグCP1_d」と表記する。選択ゲート線SGSに対応する配線層102に接続されるコンタクトプラグCP1を限定する場合、「コンタクトプラグCP1_s」と表記する。
図6の例では、メモリセルアレイ11bのX方向の端部からセル部に向かって、コンタクトプラグCP1_s、CP1_w0、CP1_w1、CP1_w2、CP1_w3、CP1_w4、CP1_dが順に配置されている。なお、各CP1領域におけるコンタクトプラグCP1の配置は、任意である。例えば、コンタクトプラグCP1の配置は、X方向に沿って2列に配置されてもよい。
【0071】
コンタクトプラグCP1の上には、配線層111が設けられている。配線層111は、コンタクトプラグCP1との接続位置からY方向に隣り合うブロックBLKまで延伸する。より具体的には、ブロックBLK0のコンタクトプラグCP1の上に設けられた配線層111は、ブロックBLK1まで延伸する。ブロックBLK1のコンタクトプラグCP1の上に設けられた配線層111は、ブロックBLK0まで延伸する。ブロックBLK2のコンタクトプラグCP1の上に設けられた配線層111は、ブロックBLK3まで延伸する。ブロックBLK3のコンタクトプラグCP1の上に設けられた配線層111は、ブロックBLK2まで延伸する。
【0072】
配線層111の端部の上方には、電極パッドPDが設けられている。より具体的には、配線層111の一方の端部は、コンタクトプラグCP1に接続され、他方の端部は、電極パッドPDに電気的に接続される。電極パッドPDは、他のチップとの電気的接続に用いられる。
【0073】
次に、メモリセルアレイ11aの平面構成について説明する。以下では、メモリセルアレイ11bの平面構成と異なる点を中心に説明する。
【0074】
図7に示すように、セル部の構成は、メモリセルアレイ11bと同様である。メモリピラーMPの上方には、複数のビット線BLaがX方向に並んで配置されている。ビット線BLaは、Y方向に延伸する。各ブロックBLKのメモリピラーMPは、いずれかのビット線BLaと、電気的に接続される。
【0075】
メモリセルアレイ11aのWLSG接続部は、CP1領域及びCP2領域を含む。
図7の例では、ブロックBLK0及びBLK2の場合、紙面左側のWLSG接続部にCP1領域が設けられ、紙面右側のWLSG接続部にCP2領域が設けられている。ブロックBLK1及びBLK3の場合、紙面右側のWLSG接続部にCP1領域が設けられ、紙面左側のWLSG接続部にCP2領域が設けられている。
【0076】
CP1領域におけるコンタクトプラグCP1の配置は、メモリセルアレイ11bと同様である。例えば、メモリセルアレイ11aのCP1領域は、Z方向において、メモリセルアレイ11bのCP1領域の上方に配置される。例えば、メモリセルアレイ11aのコンタクトプラグCP1_sは、Z方向において、メモリセルアレイ11bのコンタクトプラグCP1_sの上方に配置される。他のコンタクトプラグCP1_w0、CP1_w1、CP1_w2、CP1_w3、CP1_w4、及びCP1_dも同様である。
【0077】
CP2領域は、複数のコンタクトプラグCP2が設けられている領域である。コンタクトプラグCP2は、Z方向に延伸する。コンタクトプラグCP2は、他のアレイチップ10との電気的接続に用いられる。例えば、メモリセルアレイ11aのコンタクトプラグCP2は、Z方向において、メモリセルアレイ11bのコンタクトプラグCP1に電気的に接続された電極パッドPDの上方に配置される。コンタクトプラグCP2は、メモリセルアレイ11aを貫通する。コンタクトプラグCP2は、メモリセルアレイ11aの配線層102とは電気的に接続されない。コンタクトプラグCP2は、
図6を用いて説明したアレイチップ10bの電極パッドPD及び配線層111を介して、メモリセルアレイ11bのコンタクトプラグCP1と電気的に接続される。
【0078】
より具体的には、例えば、ブロックBLK0のCP2領域に設けられたコンタクトプラグCP2は、メモリセルアレイ11bのブロックBLK1のCP1領域に設けられたコンタクトプラグCP1に電気的に接続される。ブロックBLK1のCP2領域に設けられたコンタクトプラグCP2は、メモリセルアレイ11bのブロックBLK0のCP1領域に設けられたコンタクトプラグCP1に電気的に接続される。ブロックBLK2のCP2領域に設けられたコンタクトプラグCP2は、メモリセルアレイ11bのブロックBLK3のCP1領域に設けられたコンタクトプラグCP1に電気的に接続される。ブロックBLK3のCP2領域に設けられたコンタクトプラグCP2は、メモリセルアレイ11bのブロックBLK2のCP1領域に設けられたコンタクトプラグCP1に電気的に接続される。
【0079】
図7の例では、1つのCP2領域内に7個のコンタクトプラグCP2が設けられる。7個のコンタクトプラグCP2は、メモリセルアレイ11bの1つのCP1領域内の7個のコンタクトプラグCP1にそれぞれ対応する。以下、メモリセルアレイ11bのコンタクトプラグCP1_w0、CP1_w1、CP1_w2、CP1_w3、及びCP1_w4にそれぞれ接続されるコンタクトプラグCP2を限定する場合、コンタクトプラグCP2_w0、CP2_w1、CP2_w2、CP2_w3、CP2_w4とそれぞれ表記する。メモリセルアレイ11bのコンタクトプラグCP1_d及びCP1_sにそれぞれ接続されるコンタクトプラグCP2を限定する場合、コンタクトプラグCP2_d及びCP2_sとそれぞれ表記する。
【0080】
コンタクトプラグCP1及びCP2の上には、配線層111がそれぞれ設けられている。コンタクトプラグCP1_w0~CP1_w4は、配線層111を介して、隣り合うブロックBLKのコンタクトプラグCP2_w0~CP2_w4とそれぞれ接続される。また、コンタクトプラグCP1_dとコンタクトプラグCP2_dとの上には、それぞれ異なる配線層111が設けられている。すなわち、コンタクトプラグCP1_dと、コンタクトプラグCP2_dとは、電気的に接続されない。同様に、コンタクトプラグCP1_sとコンタクトプラグCP2_sとの上には、それぞれ異なる配線層111が設けられている。すなわち、コンタクトプラグCP1_sと、コンタクトプラグCP2_sとは、電気的に接続されない。
【0081】
より具体的には、例えば、ブロックBLK0に設けられたコンタクトプラグCP1_w0~CP1_w4は、ブロックBLK1に設けられたコンタクトプラグCP2_w0~CP2_w4とそれぞれ電気的に接続される。ブロックBLK1に設けられたコンタクトプラグCP1_w0~CP1_w4は、ブロックBLK0に設けられたコンタクトプラグCP2_w0~CP2_w4とそれぞれ電気的に接続される。ブロックBLK2に設けられたコンタクトプラグCP1_w0~CP1_w4は、ブロックBLK3に設けられたコンタクトプラグCP2_w0~CP2_w4とそれぞれ電気的に接続される。ブロックBLK3に設けられたコンタクトプラグCP1_w0~CP1_w4は、ブロックBLK2に設けられたコンタクトプラグCP2_w0~CP2_w4とそれぞれ電気的に接続される。
【0082】
すなわち、メモリセルアレイ11aのブロックBLK0のワード線WL0~WL4は、メモリセルアレイ11bのブロックBLK0のワード線WL0~WL4とそれぞれ電気的に接続される。そして、メモリセルアレイ11aのブロックBLK0の選択ゲート線SGDa及びSGSaは、メモリセルアレイ11bのブロックBLK0の選択ゲート線SGDb及びSGSbと電気的に接続されない。他のブロックBLKも同様である。
【0083】
メモリセルアレイ11bと同様に、配線層111の上方には、電極パッドPDが設けられる。配線層111は、電極パッドPDに電気的に接続される。
【0084】
1.1.6 セル部及びWLSG接続部の断面構成
次に、セル部及びWLSG接続部の断面構成について説明する。
【0085】
1.1.6.1 WLSG接続部の構成
まず、
図8を参照して、WLSG接続部の構成の一例について説明する。
図8は、
図6及び
図7のA1-A2線に沿った断面図である。
【0086】
図8に示すように、半導体記憶装置1は、アレイチップ10a及び10bと回路チップ20とが貼り合された貼合構造を有する。各々のチップは、各々のチップに設けられた電極パッドPDを介して、互いに電気的に接続される。
【0087】
まず、アレイチップ10aの内部構成について説明する。
【0088】
アレイチップ10aは、メモリセルアレイ11aと、他のチップに接続するための各種配線層とを含む。
【0089】
アレイチップ10aは、絶縁層101、105、107、110、115、及び117、配線層102、104、111、及び113、半導体層103、並びに導電体106、108、109、112、114、116、及び118を含む。
【0090】
メモリセルアレイ11a内では、複数の絶縁層101と複数の配線層102とが、1層ずつ交互に積層されている。
図8の例では、選択ゲート線SGSa、ワード線WL0~WL4、及び選択ゲート線SGDaとして機能する7層の配線層102が、Z1方向に向かって順に積層されている。以下、ワード線WL0、WL1、WL2、WL3、及びWL4としてそれぞれ機能する配線層102を限定する場合は、配線層102_w0、102_w1、102_w2、102_w3、及び102_w4とそれぞれ表記する。選択ゲート線SGD及びSGSとしてそれぞれ機能する配線層102を限定する場合は、配線層102_d及び102_sとそれぞれ表記する。すなわち、Z1方向に向かって、配線層102_s、102_w0、102_w1、102_w2、102_w3、102_w4、102_dが、離間して積層されている。
【0091】
絶縁層101は、例えば、酸化シリコン(SiO)を含み得る。配線層102は、導電性材料を含む。導電性材料は、金属材料、n型半導体、またはp型半導体を含み得る。配線層102の導電性材料として、例えば、窒化チタン(TiN)/タングステン(W)の積層構造が用いられる。この場合、TiNは、Wを覆うように形成される。なお、配線層102は、酸化アルミニウム(AlO)等の高誘電率材料を含み得る。この場合、高誘電率材料は、導電性材料を覆うように形成され得る。
【0092】
複数の配線層102は、X方向に延伸するスリットSLTにより、ブロックBLK毎に分離されている。スリットSLT内は、絶縁層105により埋め込まれている。絶縁層105は、SiOを含み得る。
【0093】
Z2方向において、配線層102_sの上方に、半導体層103が設けられている。配線層102と半導体層103との間には、絶縁層101が設けられている。半導体層103は、ソース線SLとして機能する。Z2方向において、半導体層103の上に、配線層104が設けられている。配線層104は、半導体層103と他のチップとを電気的に接続するための配線層として用いられる。配線層104は、導電性材料を含む。導電性材料は、金属材料、n型半導体、またはp型半導体を含み得る。
【0094】
各配線層102のZ1方向を向いた面上にコンタクトプラグCP1が設けられている。コンタクトプラグCP1は、例えば、円柱形状を有する。コンタクトプラグCP1は、導電体106及び絶縁層107を含む。導電体106は、例えば、円柱形状を有する。導電体106の一端は、いずれかの配線層102に接する。絶縁層107は、導電体106の側面(外周)を覆うように設けられている。絶縁層107は、例えば、円筒形状を有する。絶縁層107により導電体106の側面は、他の配線層102と電気的に接続されない。導電体106は、W、Cu(銅)、またはAl(アルミニウム)等を含み得る。絶縁層107は、SiOを含み得る。
【0095】
図8の例では、Z1方向において、配線層102_w4の上に、コンタクトプラグCP1_w4が設けられている。コンタクトプラグCP1_w4は、配線層102_dを通過(貫通)する。コンタクトプラグCP1_w4は、配線層102_w4と電気的に接続され、配線層102_dとは電気的に接続されない。
【0096】
コンタクトプラグCP2は複数の配線層102を貫通する。コンタクトプラグCP2は、例えば、円柱形状を有する。コンタクトプラグCP2は、導電体109及び絶縁層110を含む。導電体109は、例えば、円柱形状を有する。絶縁層110は、導電体109の側面(外周)を覆うように設けられている。絶縁層110は、例えば、円筒形状を有する。絶縁層110により導電体109は、配線層102とは電気的に接続されない。
【0097】
コンタクトプラグCP2が設けられるCP2領域には、半導体層103及び配線層104が設けられていない。そして、Z2方向において、配線層102_sの上方に、導電体108が設けられている。配線層102と導電体108との間には、絶縁層101が設けられている。導電体108は、コンタクトプラグCP2の一端に接する(電気的に接続される)。
【0098】
Z1方向において、配線層102_dの上方に、配線層111が設けられている。配線層111は、Y方向に延伸する。配線層102と配線層111との間には、絶縁層101が設けられている。配線層111は、導電性材料を含む。導電性材料は、W、CuまたはAl等を含み得る。
【0099】
例えば、配線層111は、ワード線WLとして機能する配線層102に接続されたコンタクトプラグCP1のZ1方向の端部と、Y方向に隣り合うブロックBLKに設けられたコンタクトプラグCP2のZ1方向の端部とを(電気的に)接続する。配線層111に接続されるコンタクトプラグCP1及びCP2は、Y方向に沿って並んで配置されている。
図8の例では、ブロックBLK0とBLK1とを跨ぐように配置された配線層111に、ブロックBLK0に設けられたコンタクトプラグCP1_w4とブロックBLK1に設けられたコンタクトプラグCP2_w4とが接続されている。また、ブロックBLK2とBLK3とを跨ぐように配置された配線層111に、ブロックBLK2に設けられたコンタクトプラグCP1_w4とブロックBLK3に設けられたコンタクトプラグCP2_w4とが接続されている。
【0100】
Z1方向において、配線層111の上に導電体112が設けられている。導電体112は、例えば、円柱形状を有する。導電体112は、コンタクトプラグCP3として機能する。導電体112は、W、Al、またはCu等の金属材料を含み得る。
【0101】
Z1方向において、コンタクトプラグCP3の上に配線層113が設けられている。配線層113は、W、Al、またはCu等の金属材料を含み得る。
【0102】
Z1方向において、配線層113の上に導電体114が設けられている。導電体114は、例えば、円柱形状を有する。導電体114は、コンタクトプラグCP4として機能する。導電体114は、W、Al、またはCu等の金属材料を含み得る。
【0103】
Z1方向において、絶縁層101の上に、絶縁層115が設けられている。絶縁層115は、SiOを含み得る。
【0104】
絶縁層115と同層には、複数の導電体116が設けられている。導電体116は、電極パッドPDとして機能する。例えば、1つのコンタクトプラグCP4の上に、1つの導電体116が設けられている。導電体116は、Cuを含み得る。なお、
図8の例では、導電体116と配線層111との間に、1層の配線層113が設けられている場合について説明したが、これに限定されない。導電体116と配線層111との間に設けられる配線層の層数は、任意である。
【0105】
Z2方向において、配線層104、絶縁層101、及び導電体108の上に、絶縁層117が設けられている。絶縁層117は、SiOを含み得る。
【0106】
絶縁層117と同層には、複数の導電体118が設けられている。導電体118は電極パッドPDとして機能する。例えば、1つの導電体108の上に、1つの導電体118が設けられている。導電体118は、Cuを含み得る。
【0107】
次に、アレイチップ10bの内部構成について説明する。以下では、アレイチップ10aと異なる点を中心に説明する。
【0108】
アレイチップ10bでは、アレイチップ10aの構成で説明したコンタクトプラグCP2、導電体108、及び導電体118が廃されている。他の構成は、アレイチップ10aと同様である。アレイチップ10bの導電体116は、アレイチップ10aの導電体118と接する(貼り合わされる)。
【0109】
例えば、メモリセルアレイ11bのワード線WLとして機能する配線層102は、アレイチップ10bのコンタクトプラグCP1、配線層111、コンタクトプラグCP3、配線層113、コンタクトプラグCP4、及び導電体116と、アレイチップ10aの導電体118、導電体108、コンタクトプラグCP2、配線層111、及びコンタクトプラグCP1とを介して、メモリセルアレイ11aのワード線WLとして機能する配線層102に電気的に接続される。
【0110】
図8の例では、メモリセルアレイ11bのブロックBLK0の配線層102_w4と、メモリセルアレイ11aのブロックBLK0の配線層102_w4とが、電気的に接続されている。換言すれば、メモリセルアレイ11bのワード線WL4と、Z1方向において上方に配置されたメモリセルアレイ11aのワード線WL4とが、電気的に接続されている。このとき、メモリセルアレイ11bのコンタクトプラグCP1_w4と、Z1方向において上方に配置されたメモリセルアレイ11aのコンタクトプラグCP1_w4とが、電気的に接続されている。他のワード線WLも同様である。なお、メモリセルアレイ11b内に、コンタクトプラグCP2及び導電体108が設けられていてもよい。
【0111】
次に、回路チップ20について説明する。
【0112】
回路チップ20は、複数のトランジスタTrと、各種配線層とを含む。複数のトランジスタTrは、アドレスレジスタ21、コマンドレジスタ22、シーケンサ23、ロウドライバ24、ロウデコーダ25、センスアンプ26、データレジスタ27、カラムデコーダ28、及びソース線ドライバ29等に用いられる。
【0113】
より具体的には、回路チップ20は、絶縁層201、202、及び209、ゲート電極203、導電体204、206、208、及び210、並びに配線層205及び207を含む。
【0114】
半導体基板200の表面近傍には、素子分離領域が設けられている。素子分離領域は、例えば、半導体基板200の表面近傍に設けられたn型ウェル領域とp型ウェル領域とを電気的に分離する。素子分離領域内は、絶縁層201により埋め込まれている。絶縁層201は、SiOを含み得る。
【0115】
半導体基板200の上には、絶縁層202が設けられている。絶縁層202は、SiOを含み得る。
【0116】
トランジスタTrは、半導体基板200上に設けられた図示せぬゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極203、半導体基板200に形成された図示せぬソース及びドレインを含む。ソース及びドレインは、導電体204を介して、配線層205に電気的にそれぞれ接続される。導電体204は、Z2方向に延伸する。導電体204は、コンタクトプラグとして機能する。配線層205上には、導電体206が設けられる。導電体206は、Z2方向に延伸する。導電体206は、コンタクトプラグとして機能する。導電体206の上には、配線層207が設けられている。配線層207の上には、導電体208が設けられている。導電体208は、Z2方向に延伸する。導電体208は、コンタクトプラグとして機能する。配線層205及び207は、導電性材料により構成される。導電体204、206、及び208、並びに配線層205及び207は、金属材料、p型半導体、またはn型半導体を含み得る。なお、回路チップ20に設けられる配線層の層数は、任意である。
【0117】
Z2方向において、絶縁層202の上には、絶縁層209が設けられている。絶縁層209は、SiOを含み得る。
【0118】
絶縁層209と同層には、複数の導電体210が設けられている。導電体210は、電極パッドPDとして機能する。例えば、1つの導電体208の上に、1つの導電体210が設けられている。導電体210は、Cu等の金属材料を含み得る。回路チップ20の導電体210は、アレイチップ10aの導電体116と接する(電気的に接続される)。
【0119】
1.1.6.2 CP1領域の構成
次に、
図9を参照して、CP1領域の構成の一例について説明する。
図9は、
図6及び
図7のB1-B2線に沿った断面図である。以下では、コンタクトプラグCP1の構成に着目して説明する。
【0120】
図9に示すように、メモリセルアレイ11a及び11bには、コンタクトプラグCP1_s、CP1_w0~CP1_w4、及びCP1_dが、それぞれ設けられている。
図9の例では、紙面右側から左側に向かって、コンタクトプラグCP1_s、CP1_w0~CP1_w4、及びCP1_dが順に配置されている。コンタクトプラグCP1_s、CP1_w0~CP1_w4、及びCP1_dの一端は、配線層102_s、102_w0~102_w4、及び102_dにそれぞれ接する(電気的に接続される)。また、コンタクトプラグCP1_s、CP1_w0~CP1_w4、及びCP1_dの他端は、それぞれ異なる配線層111に接する(電気的に接続される)。このため、コンタクトプラグCP1_s、CP1_w0~CP1_w4、及びCP1_dのZ方向の長さは、それぞれ異なる。
【0121】
より具体的には、コンタクトプラグCP1_sは、6層の配線層102_w0~102_w4及び102_dを貫通する。コンタクトプラグCP1_sのZ2方向の端部は、配線層102_sに電気的に接続される。コンタクトプラグCP1_sは、6層の配線層102_w0~102_w4及び102_dとは電気的に接続されない。
【0122】
コンタクトプラグCP1_w0は、5層の配線層102_w1~102_w4及び102_dを貫通する。コンタクトプラグCP1_w0のZ2方向の端部は、配線層102_w0に電気的に接続される。コンタクトプラグCP1_w0は、5層の配線層102_w1~102_w4及び102_dとは電気的に接続されない。
【0123】
コンタクトプラグCP1_w1は、4層の配線層102_w2~102_w4及び102_dを貫通する。コンタクトプラグCP1_w1のZ2方向の端部は、配線層102_w1に電気的に接続される。コンタクトプラグCP1_w1は、4層の配線層102_w2~102_w4及び102_dとは電気的に接続されない。
【0124】
コンタクトプラグCP1_w2は、3層の配線層102_w3、102_w4、及び102_dを貫通する。コンタクトプラグCP1_w2のZ2方向の端部は、配線層102_w2に電気的に接続される。コンタクトプラグCP1_w2は、3層の配線層102_w3、102_w4、及び102_dとは電気的に接続されない。
【0125】
コンタクトプラグCP1_w3は、2層の配線層102_w4及び102_dを貫通する。コンタクトプラグCP1_w3のZ2方向の端部は、配線層102_w3に電気的に接続される。コンタクトプラグCP1_w3は、2層の配線層102_w4及び102_dとは電気的に接続されない。
【0126】
コンタクトプラグCP1_w4は、配線層102_dを貫通する。コンタクトプラグCP1_w4のZ2方向の端部は、配線層102_w4に電気的に接続される。コンタクトプラグCP1_w4は、配線層102_dとは電気的に接続されない。
【0127】
コンタクトプラグCP1_dのZ2方向の端部は、配線層102_dに電気的に接続される。メモリセルアレイ11aにおいて、コンタクトプラグCP1_dが接続された配線層111は、コンタクトプラグCP2_dとは電気的に接続されない。Z1方向に沿って、コンタクトプラグCP1_d及びCP1_sの上には、配線層111、導電体112(コンタクトプラグCP3)、配線層113、導電体114(コンタクトプラグCP4)、導電体116(電極パッドPD)がそれぞれ配置されている。
【0128】
1.1.6.3 CP2領域の構成
次に、
図10を参照して、CP2領域の構成の一例について説明する。
図10は、
図6及び
図7のC1-C2線に沿った断面図である。以下では、コンタクトプラグCP2の構成に着目して説明する。
【0129】
図10に示すように、アレイチップ10aには、コンタクトプラグCP2_s、CP2_w0~CP2_w4、及びCP2_dが設けられている。
図10の例では、紙面右側から左側に向かって、コンタクトプラグCP2_s、CP2_w0~CP2_w4、及びCP2_dが順に配置されている。コンタクトプラグCP2_s、CP2_w0~CP2_w4、及びCP2_dは、概略同じ形状(同じ長さ)を有する。コンタクトプラグCP2_s、CP2_w0~CP2_w4、及びCP2_dは、7層の配線層102_s、102_w0~102_w4、及び102_dを貫通する。コンタクトプラグCP2_s、CP2_w0~CP2_w4、及びCP2_dは、7層の配線層102_s、102_w0~102_w4、及び102_dとは電気的に接続されない。コンタクトプラグCP2_s、CP2_w0~CP2_w4、及びCP2_dの一端は、それぞれ異なる導電体108に接続される。コンタクトプラグCP2_s、CP2_w0~CP2_w4、及びCP2_dの他端は、それぞれ異なる配線層111に接続される。コンタクトプラグCP2_w0~CP2_w4が接続された配線層111は、コンタクトプラグCP1_w0~CP1_w4にそれぞれ接続される。コンタクトプラグCP2_dが接続された配線層111は、コンタクトプラグCP1_dに電気的に接続されない。同様に、コンタクトプラグCP2_sが接続された配線層111は、コンタクトプラグCP1_sに電気的に接続されない。Z1方向に沿って、各コンタクトプラグCP2の上には、配線層111、導電体112(コンタクトプラグCP3)、配線層113、導電体114(コンタクトプラグCP4)、導電体116(電極パッドPD)が配置されている。
【0130】
1.1.6.4 セル部の構成
次に、
図11を参照して、セル部の構成の一例について説明する。
図11は、
図6及び
図7のD1-D2線に沿った断面図である。以下では、メモリピラーMP及びビット線BLの構成に着目して説明する。
【0131】
図11に示すように、アレイチップ10a及び10bには、複数のメモリピラーMPがそれぞれ設けられている。
【0132】
メモリピラーMPは、複数の配線層102を貫通する。メモリピラーMPは、Z方向に延伸する。メモリピラーMPのZ2方向の端部は、半導体層103に接する。Z1方向において、メモリピラーMPの端部の上には、導電体126が設けられている。例えば、導電体126は、略円柱形状を有する。導電体126は、コンタクトプラグCP5として機能する。導電体126の上には、導電体127が設けられている。例えば、導電体127は、略円柱形状を有する。導電体127は、コンタクトプラグCP6として機能する。Z1方向において、メモリピラーMPの上方には、複数の配線層128が設けられている。配線層128は、Y方向に延伸する。複数の配線層128は、X方向に並んで配置されている。メモリセルアレイ11aの配線層128は、ビット線BLaとして機能する。メモリセルアレイ11bの配線層128は、ビット線BLbとして機能する。配線層128は、コンタクトプラグCP5及びCP6を介して、いずれかのメモリピラーMPに電気的に接続される。
【0133】
導電体126及び127並びに配線層128は、W、Al、またはCu等の金属材料を含み得る。
【0134】
次に、メモリピラーMPの内部構成について説明する。
【0135】
メモリピラーMPは、ブロック絶縁膜120、電荷蓄積層121、トンネル絶縁膜122、半導体層123、コア層124、及びキャップ層125を含む。
【0136】
より具体的には、複数の配線層102を貫通するホールMHが設けられている。ホールMHは、メモリピラーMPに対応する。ホールMHのZ2方向の端部は、半導体層103に達する。ホールMHの側面には、外側から順に、ブロック絶縁膜120、電荷蓄積層121、及びトンネル絶縁膜122が積層されている。例えば、ホールMHが円筒形状の場合、ブロック絶縁膜120、電荷蓄積層121、及びトンネル絶縁膜122は、それぞれ円筒形状を有する。トンネル絶縁膜122の側面に接するように半導体層123が設けられている。半導体層123のZ2方向の端部は、半導体層103に接する。半導体層123は、メモリセルトランジスタMC並びに選択トランジスタST1及びST2のチャネルが形成される領域である。よって、半導体層123は、選択トランジスタST2、メモリセルトランジスタMC0~MC4、及び選択トランジスタST1の電流経路を接続する信号線として機能する。半導体層123の内部は、コア層124により埋め込まれている。半導体層123及びコア層124のZ1方向の端部の上には、側面がトンネル絶縁膜122に接するキャップ層125が設けられている。すなわち、メモリピラーMPは、複数の配線層102の内部を通過し、Z方向に延伸する半導体層123を含む。
【0137】
ブロック絶縁膜120、トンネル絶縁膜122、及びコア層124は、SiOを含み得る。電荷蓄積層121は、窒化シリコン(SiN)を含み得る。半導体層123及びキャップ層125は、例えば、ポリシリコンを含み得る。
【0138】
メモリピラーMPと、配線層102_w0~102_w4とがそれぞれ組み合わされることにより、メモリセルトランジスタMC0~MC4が構成される。同様に、メモリピラーMPと、配線層102_dとが組み合わされることにより、選択トランジスタST1が構成される。メモリピラーMPと、配線層102_sとが組み合わされることにより、選択トランジスタST2が構成される。
【0139】
1.1.7 データレジスタ及びセンスアンプの構成
次に、
図12を参照して、データレジスタ27及びセンスアンプ26の構成の一例について説明する。
図12は、データレジスタ27及びセンスアンプ26のブロック図である。
【0140】
図12に示すように、センスアンプ26は、一組のビット線BLa及びBLb毎に設けられた複数のセンスアンプユニットSAUを含む。より具体的には、例えば、メモリセルアレイ11aのビット線BLa0と、メモリセルアレイ11bのビット線BLa0の組に対応したセンスアンプユニットSAUが設けられる。同様に、メモリセルアレイ11aのビット線BLaNと、メモリセルアレイ11bのビット線BLbNの組に対応したセンスアンプユニットSAUが設けられる。すなわち、N+1個のビット線BLa及びBLbの組に対して、N+1個のセンスアンプユニットSAUが設けられる。
【0141】
データレジスタ27は、例えば、センスアンプユニットSAU毎に設けられた複数のラッチ回路XDLを含む。ラッチ回路XDLは、読み出しデータ及び書き込みデータを一時的に記憶する。ラッチ回路XDLは、外部コントローラとセンスアンプユニットSAUとの間のデータの入出力に用いられる。各ラッチ回路XDLは、バスDBUSを介して、対応するセンスアンプユニットSAUに接続されている。なお、1つのラッチ回路XDLに、複数のセンスアンプユニットSAUが接続されていてもよい。
【0142】
次に、センスアンプユニットSAUの内部構成について説明する。センスアンプユニットSAUは、例えば、BLフックアップ回路BLHU、センス回路SA、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLを含む。センス回路SA、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLは、バスLBUSに共通に接続されている。換言すれば、ラッチ回路XDL、センス回路SA、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLは、互いにデータを送受信可能なように接続されている。
【0143】
BLフックアップ回路BLHUは、ビット線BLとセンス回路SAとを接続する回路である。BLフックアップ回路BLHUには、ビット線BLa及びBLbが接続される。BLフックアップ回路BLHUは、ノードBLIを介して、センス回路SAに接続される。
【0144】
センス回路SAは、読み出し動作時には、対応するビット線BLに読み出されたデータをセンスし、読み出しデータが“0”データであるか“1”データであるかを判定する。また、センス回路SAは、書き込み動作時には、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLのいずれかに記憶されたデータに基づいてビット線BLに電圧を印加する。
【0145】
ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLは、読み出しデータ及び書き込みデータを一時的に記憶する。例えば、読み出し動作時には、センス回路SAからラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLのいずれかにデータが転送され得る。また、書き込み動作時には、ラッチ回路XDLからラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLのいずれかにデータが転送され得る。
【0146】
なお、センスアンプユニットSAUの構成はこれに限定されず、種々変更が可能である。例えば、センスアンプユニットSAUが備えるラッチ回路の個数は、1つのメモリセルトランジスタMCが記憶可能なデータのビット数に基づいて設計され得る。
【0147】
1.1.8 センスアンプユニットの回路構成
次に、
図13を参照して、センスアンプユニットSAUの回路構成の一例について説明する。
図13は、センスアンプユニットSAUの回路図である。本実施形態のセンスアンプユニットSAUは、ノードSENからビット線BLに流れる電流をセンスする。なお、
図13に示す例では、説明を簡略化するため、ラッチ回路ADL、BDL、及びCDLは、共通する1つの回路図に示されている。ラッチ回路ADL、BDL、及びCDLの回路構成は、ラッチ回路SDL及びTDLと同様である。なお、以下の説明において、トランジスタのソースまたはドレインの一方を「トランジスタの一端」と表記し、ソースまたはドレインの他方を「トランジスタの他端」と表記する。
【0148】
図13に示すように、センスアンプユニットSAUは、BLフックアップ回路BLHU、センス回路SA、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDL、LBUSプリチャージ回路LBPC、並びにDBUSスイッチ回路DBSWを含む。
【0149】
1.1.8.1 BLフックアップ回路の構成
まず、BLフックアップ回路BLHUの構成について説明する。BLフックアップ回路BLHUは、高耐圧nチャネルMOSトランジスタTHN1~THN4を含む。
【0150】
トランジスタTHN1の一端は、ビット線BLaに接続される。トランジスタTHN1の他端は、ノードBLBIASに接続される。ノードBLBIASには、バイアス電圧が印加される。トランジスタTHN1のゲートには、信号BIASaが入力される。信号BIASaは、ビット線BLaとノードBLBIASとの電気的接続を制御する信号である。ビット線BLaとノードBLBIASとを電気的に接続する場合、信号BIASaには、トランジスタTN1をオン状態にするHigh(“H”)レベルの電圧が印加される。
【0151】
トランジスタTHN2の一端は、ビット線BLaに接続される。トランジスタTHN2の他端は、ノードBLIに接続される。トランジスタTHN2のゲートには、信号BLSaが入力される。信号BLSaは、ビット線BLaとノードBLIとの電気的接続を制御する信号である。ビット線BLaとセンス回路SAとを電気的に接続する場合、信号BLSaには、トランジスタTN2をオン状態にする“H”レベルの電圧が印加される。
【0152】
例えば、読み出し動作及び書き込み動作において、メモリセルアレイ11aが選択されている場合、すなわち、ビット線BLaが選択されている場合、トランジスタTHN1はオフ状態とされ、トランジスタTHN2はオン状態とされる。また、メモリセルアレイ11aが非選択である場合、すなわち、ビット線BLaが非選択である場合、トランジスタTHN1はオン状態とされ、トランジスタTHN2はオフ状態とされる。
【0153】
トランジスタTHN3の一端は、ビット線BLbに接続される。トランジスタTHN3の他端は、ノードBLBIASに接続される。トランジスタTHN3のゲートには、信号BIASbが入力される。信号BIASbは、ビット線BLbとノードBLBIASとの電気的接続を制御する信号である。ビット線BLbとノードBLBIASとを電気的に接続する場合、信号BIASbには、トランジスタTN3をオン状態にする“H”レベルの電圧が印加される。
【0154】
トランジスタTHN4の一端は、ビット線BLbに接続される。トランジスタTHN4の他端は、ノードBLIに接続される。トランジスタTHN4のゲートには、信号BLSbが入力される。信号BLSbは、ビット線BLbとノードBLIとの電気的接続を制御する信号である。ビット線BLbとセンス回路SAとを電気的に接続する場合、信号BLSbには、トランジスタTHN4をオン状態にする“H”レベルの電圧が印加される。
【0155】
例えば、読み出し動作及び書き込み動作において、メモリセルアレイ11bが選択されている場合、すなわち、ビット線BLbが選択されている場合、トランジスタTHN3はオフ状態とされ、トランジスタTHN4はオン状態とされる。また、メモリセルアレイ11bが非選択である場合、すなわち、ビット線BLbが非選択である場合、トランジスタTHN3はオン状態とされ、トランジスタTHN4はオフ状態とされる。
【0156】
例えば、BLフックアップ回路BLHUは、シーケンサ23から、信号BIASa、BIASb、BLSa、及びBLSbを受信する。
【0157】
1.1.8.2 センス回路の構成
次に、センス回路SAの構成について説明する。センス回路SAは、低耐圧pチャネルMOSトランジスタTP1、低耐圧nチャネルMOSトランジスタTN1~TN11、及び容量素子CAを含む。
【0158】
トランジスタTP1の一端には、電圧VDDSAが印加される。電圧VDDSAは、センス回路SAの電源電圧である。トランジスタTP1の他端は、ノードND1に接続される。トランジスタTP1のゲートは、ノードINV_Sに接続される。ノードINV_Sは、ラッチ回路SDLにおいてデータ(反転データ)を記憶可能なノードである。ノードINV_SがLow(“L”)レベルである場合、トランジスタTP1は、オン状態にされる。
【0159】
トランジスタTN1の一端は、ノードND1に接続される。トランジスタTN1の他端は、ノードSRCGNDに接続される。ノードSRCGNDには、例えば、接地電圧VSS等が印加される。トランジスタTN1のゲートは、ノードINV_Sに接続される。ノードINV_Sが“H”レベルである場合に、トランジスタTN1は、オン状態とされる。従って、ノードINV_Sの論理レベルに基づいて、トランジスタTP1及びTN1の一方がオン状態とされ、他方がオフ状態とされる。換言すれば、ラッチ回路SDLが記憶するデータに基づいて、ノードND1に電圧VDDSAまたはノードSRCGNDの電圧が印加され得る。
【0160】
トランジスタTN2の一端は、ノードND1に接続される。トランジスタTN2の他端は、ノードSCOMに接続される。トランジスタTN2のゲートには、信号BLXが入力される。信号BLXが“H”レベルである場合に、トランジスタTN2は、オン状態とされる。
【0161】
トランジスタTN3の一端は、ノードBLIに接続される。トランジスタTN3の他端は、ノードSCOMに接続される。トランジスタTN3のゲートには、信号BLCが入力される。トランジスタTN3は、信号BLCの電圧に基づいて、ノードBLIに印加する電圧をクランプするクランプトランジスタとして機能し得る。
【0162】
トランジスタTN4の一端は、ノードSCOMに接続される。トランジスタTN4の他端は、ノードSENに接続される。トランジスタTN4のゲートには、信号XXLが入力される。信号XXLが“H”レベルである場合に、トランジスタTN4は、オン状態とされる。
【0163】
トランジスタTN5の一端は、ノードSCOMに接続される。トランジスタTN5の他端は、ノードSRCGNDに接続される。トランジスタTN5のゲートには、信号NLOが入力される。信号NLOが“H”レベルである場合に、トランジスタTN5は、オン状態とされる。
【0164】
トランジスタTN6の一端には、電圧VDDSAが印加される。トランジスタTN6の他端は、ノードSENに接続される。トランジスタTN6のゲートには、信号SPCが入力される。信号SPCが“H”レベルである場合に、トランジスタTN6は、オン状態とされる。例えば、トランジスタTN6は、ノードSENの充電に用いられる。
【0165】
トランジスタTN7の一端は、ノードSENに接続される。トランジスタTN7の他端は、バスLBUSに接続される。トランジスタTN7のゲートには、信号BLQが入力される。信号BLQが“H”レベルである場合に、トランジスタTN7は、オン状態とされる。トランジスタTN7は、バスLBUSとノードSENとを電気的に接続する場合に、オン状態とされる。
【0166】
トランジスタTN8の一端は、バスLBUSに接続される。トランジスタTN8の他端は、トランジスタTN9の一端に接続される。トランジスタTN8のゲートには、信号STBが入力される。信号STBがアサートされると、センス回路SAは、ノードSENの電圧を判定する。すなわち、センス回路SAは、選択されたメモリセルトランジスタMCに記憶されたデータを判定する。より具体的には、トランジスタTN8は、“H”レベルの信号STBが入力されると、オン状態とされる。この間、トランジスタTN9がオン状態である場合、バスLBUSは、トランジスタTN8及びTN9を介して、放電される。また、トランジスタTN9がオフ状態である場合、バスLBUSは、トランジスタTN8及びTN9を介して、放電されない。バスLBUSの電圧に基づいたデータは、バスLBUSを共有するラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びTDLのいずれかに記憶される。
【0167】
トランジスタTN9の他端には、クロック信号CLKが入力される。トランジスタTN9のゲートは、ノードSENに接続される。トランジスタTN9は、ノードSENの電圧をセンスするセンストランジスタとして機能する。例えば、ノードSENの電圧がトランジスタTN9の閾値電圧以上である場合、トランジスタTN9は、オン状態とされる。また、ノードSENの電圧がトランジスタTN9の閾値電圧未満である場合、トランジスタTN9は、オフ状態とされる。
【0168】
容量素子CAの一方の電極は、ノードSENに接続される。容量素子CAの他方の電極にはクロック信号CLKが入力される。
【0169】
トランジスタTN10の一端は、ノードSENに接続される。トランジスタTN10の他端は、トランジスタTN11の一端に接続される。トランジスタTN10のゲートには、信号LSLが入力される。信号LSLが“H”レベルである場合に、トランジスタTN10は、オン状態とされる。
【0170】
トランジスタTN11の他端には、電圧VSSが印加される。トランジスタTN11のゲートは、バスLBUSに接続される。
【0171】
例えば、センス回路SAは、シーケンサ23から、信号BLX、BLC、XXL、NLO、SPC、BLQ、STB、及びLSLを受信する。
【0172】
1.1.8.3 ラッチ回路SDLの構成
次に、ラッチ回路SDLの構成について説明する。ラッチ回路SDLは、低耐圧pチャネルMOSトランジスタTP21~TP24及び低耐圧nチャネルMOSトランジスタTN21~TN24を含む。
【0173】
トランジスタTP21の一端には、電圧VDDSAが印加される。トランジスタTP21の他端は、トランジスタTP22の一端に接続される。トランジスタTP21のゲートには、信号SLLが入力される。
【0174】
トランジスタTP22の他端は、トランジスタTN22の一端に接続される。トランジスタTP22のゲートは、ノードINV_Sに接続される。
【0175】
トランジスタTP23の一端には、電圧VDDSAが印加される。トランジスタTP23の他端は、トランジスタTP24の一端に接続される。トランジスタTP23のゲートには、信号SLIが入力される。
【0176】
トランジスタTP24の他端は、トランジスタTN23の一端に接続される。トランジスタTP24のゲートは、ノードLAT_Sに接続される。
【0177】
トランジスタTN21の一端は、ノードLAT_Sに接続される。トランジスタTN21の他端は、バスLBUSに接続される。トランジスタTN21のゲートには、信号STLが入力される。
【0178】
トランジスタTN22の他端は、接地される(接地電圧VSSが印加される)。トランジスタTN22のゲートは、ノードINV_Sに接続される。
【0179】
トランジスタTN23の他端は、接地される。トランジスタTN23のゲートは、ノードLAT_Sに接続される。
【0180】
トランジスタTN24の一端は、ノードINV_Sに接続される。トランジスタTN24の他端は、バスLBUSに接続される。トランジスタTN24のゲートには、信号STIが入力される。
【0181】
ラッチ回路SDLは、ノードLAT_Sにおいて、データを記憶する。また、ラッチ回路SDLは、ノードINV_Sにおいて、ノードLAT_Sに記憶されたデータの反転データを記憶する。例えば、ラッチ回路SDLが“1”データを記憶している場合、ノードINV_Sには、“L”レベルの電圧(電圧VSS)が印加される。また、ラッチ回路SDLが“0”データを記憶している場合、ノードINV_Sには、“H”レベルの電圧(電圧VDDSA)が印加される。
【0182】
例えば、ラッチ回路SDLは、シーケンサ23から、信号SLL、SLI、STL、及びSTIを受信する。
【0183】
1.1.8.4 ラッチ回路TDLの構成
次に、ラッチ回路TDLの構成について説明する。ラッチ回路TDLは、低耐圧pチャネルMOSトランジスタTP31~TP34及び低耐圧nチャネルMOSトランジスタTN31~TN34を含む。
【0184】
トランジスタTP31の一端には、電圧VDDSAが印加される。トランジスタTP31の他端は、トランジスタTP32の一端に接続される。トランジスタTP31のゲートには、信号TLLが入力される。
【0185】
トランジスタTP32の他端は、トランジスタTN32の一端に接続される。トランジスタTP32のゲートは、ノードINV_Tに接続される。
【0186】
トランジスタTP33の一端には、電圧VDDSAが印加される。トランジスタTP33の他端は、トランジスタTP34の一端に接続される。トランジスタTP33のゲートには、信号TLIが入力される。
【0187】
トランジスタTP34の他端は、トランジスタTN33の一端に接続される。トランジスタTP34のゲートは、ノードLAT_Tに接続される。
【0188】
トランジスタTN31の一端は、ノードLAT_Tに接続される。トランジスタTN31の他端は、バスLBUSに接続される。トランジスタTN31のゲートには、信号TTLが入力される。
【0189】
トランジスタTN32の他端は、接地される(接地電圧VSSが印加される)。トランジスタTN32のゲートは、ノードINV_Tに接続される。
【0190】
トランジスタTN33の他端は、接地される。トランジスタTN33のゲートは、ノードLAT_Tに接続される。
【0191】
トランジスタTN34の一端は、ノードINV_Tに接続される。トランジスタTN34の他端は、バスLBUSに接続される。トランジスタTN34のゲートには、信号TTIが入力される。
【0192】
ラッチ回路TDLは、ノードLAT_Tにおいて、データを記憶する。また、ラッチ回路TDLは、ノードINV_Tにおいて、ノードLAT_Tに記憶されたデータの反転データを記憶する。例えば、ラッチ回路TDLが“1”データを記憶している場合、ノードINV_Tには、“L”レベルの電圧(電圧VSS)が印加される。また、ラッチ回路TDLが“0”データを記憶している場合、ノードINV_Tには、“H”レベルの電圧(電圧VDDSA)が印加される。
【0193】
例えば、ラッチ回路TDLは、シーケンサ23から、信号TLL、TLI、TTL、及びTTIを受信する。
【0194】
1.1.8.5 ラッチ回路ADL、BDL、CDLの構成
次に、ラッチ回路ADL、BDL、及びCDLの構成について簡略に説明する。ラッチ回路ADL、BDL、及びCDLの構成は、ラッチ回路SDL及びTDLと同様である。例えば、信号SLLに相当する信号*LL、信号SLIに相当する信号*LI、信号STLに相当する信号*TL、信号STIに相当する信号*TI、ノードLAT_Sに相当するノードLAT_*、及びノードINV_Sに相当するノードINV_*において、ラッチ回路ADLの場合、*に“A”を記載することにより、ラッチ回路ADLが構成される。すなわち、信号ALL、ALI、ATL、及びATI、並びにノードLAT_A及びINV_Aが記載される。同様に、ラッチ回路BDLの場合、*に“B”を記載する。ラッチ回路CDLの場合、*に“C”を記載する。
【0195】
1.1.8.6 LBUSプリチャージ回路の構成
次に、LBUSプリチャージ回路LBPCについて説明する。LBUSプリチャージ回路LBPCは、バスLBUSの充電回路である。LBUSプリチャージ回路LBPCは、低耐圧nチャネルMOSトランジスタTN41を含む。トランジスタTN41の一端には、電圧VDDSAが印加される。トランジスタTN41の他端は、バスLBUSに接続される。トランジスタTN41のゲートには、信号LPCが入力される。LBUSプリチャージ回路LBPCは、例えば、読み出し動作において、バスLBUSにセンス回路SAのセンス結果を転送する前に、バスLBUSをプリチャージする。
【0196】
例えば、LBUSプリチャージ回路LBPCは、シーケンサ23から、信号LPCを受信する。
【0197】
1.1.8.7 DBUSスイッチ回路の構成
次に、DBUSスイッチ回路DBSWについて説明する。DBUSスイッチ回路DBSWは、センスアンプユニットSAUとバスDBUSとを接続する回路である。換言すれば、DBUSスイッチ回路DBSWは、センスアンプユニットSAUとラッチ回路XDLとを接続する。DBUSスイッチ回路DBSWは、低耐圧nチャネルMOSトランジスタTN42を含む。トランジスタTN42の一端は、バスLBUSに接続される。トランジスタTN42の他端は、バスDBUSに接続される。トランジスタTN42のゲートには、信号DSWが入力される。
【0198】
例えば、DBUSスイッチ回路DBSWは、シーケンサ23から、信号DSWを受信する。
【0199】
1.2 読み出し動作
次に、読み出し動作について説明する。以下では、説明を簡略化するため、メモリセルトランジスタMCが1ビットのデータ記憶可能なSLCである場合について説明する。SLCの閾値電圧は、離散的な2つの閾値電圧分布のいずれかに含まれる値を取る。以下では、電荷蓄積層から電荷が引き抜かれることによりデータが消去された状態を“1”データと定義する。他方で、電荷蓄積層に電荷が注入されて、データが書き込まれた状態を“0”データと定義する。よって、“1”データを保持するメモリセルトランジスタMCの閾値電圧は、“0”データを保持するメモリセルトランジスタMCの閾値電圧よりも低い。
【0200】
1.2.1 読み出し動作のタイミングチャート
次に、
図14~
図16を参照して、読み出し動作のタイミングチャートの一例について説明する。
図14は、読み出し動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
図14の例は、メモリセルアレイ11aのいずれかのセルユニットCUのデータを読み出す場合を示している。
図15は、
図14の時刻t1~t2の期間におけるNANDストリングNSの状態を示す図である。
図16は、カップリング有無によるワード線WLの電圧上昇の違いを示す例図である。以下、読み出し対象のセルユニットCUを含むストリングユニットSUを「選択ストリングユニットSU」と表記する。読み出し対象のセルユニットCUを含まないストリングユニットSUを「非選択ストリングユニットSU」と表記する。選択ストリングユニットSUを含むメモリセルアレイ11を「選択メモリセルアレイ11」と表記する。選択ストリングユニットSUを含まないメモリセルアレイ11を「非選択メモリセルアレイ11」と表記する。また、選択メモリセルアレイ11に接続されたビット線BLを「選択ビット線BL」と表記する。非選択メモリセルアレイ11に接続されたビット線BLを「非選択ビット線BL」と表記する。
【0201】
図14に示すように、時刻t0~t3の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち上げが実行される。すなわち、時刻t0~t3の期間に、ワード線WL及びビット線BLが充電される。
【0202】
時刻t0において、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSaには、“H”レベルの電圧として、電圧VBLSが印加される。これにより、トランジスタTHN2はオン状態とされ、選択ビット線BLaは、センス回路SAと電気的に接続される。また、信号BIASbには、“H”レベルの電圧として、電圧VBIASが印加される。これにより、トランジスタTHN3はオン状態とされ、非選択ビット線BLbは、ノードBLBIASと電気的に接続される。
【0203】
時刻t0~t1の期間に、ソース線ドライバ29は、ソース線SLの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。電圧VSRCは、電圧VSSよりも高い電圧である。同様に、センスアンプ26は、ビット線BLa及びBLbの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。
【0204】
時刻t1~t2の期間に、センスアンプ26は、選択ビット線BLaの電圧を電圧VBLRDまで昇圧する。電圧VBLRDは、データ読み出し時に選択ビット線BLに印加される電圧である。電圧VBLRDは、電圧VSRCよりも高い電圧である。また、センスアンプ26は、非選択ビット線BLbの電圧を電圧VCHまで昇圧する。電圧VCHは、電圧VBLRDよりも高い電圧である。
【0205】
時刻t0~t2の期間に、ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGDa及びSGDbの電圧を電圧VSSから電圧VSGDonまで昇圧する。電圧VSGDonは、電圧VSSよりも高い電圧である。電圧VSGDonが印加された選択トランジスタST1は、オン状態とされる。ロウデコーダ25は、選択メモリセルアレイ11aの選択ゲート線SGSaの電圧を電圧VSSから電圧VSGSonまで昇圧する。電圧VSGSonは、電圧VSSよりも高い電圧である。電圧VSGSonが印加された選択トランジスタST2はオン状態とされる。電圧VSGSonは、電圧VSGDonと同じ電圧値であってもよいし、異なる電圧値であってもよい。ロウデコーダ25は、非選択メモリセルアレイ11bの選択ゲート線SGSbの電圧を電圧VSSから電圧VSGSoffまで昇圧する。電圧VSGSoffは、電圧VSSよりも高く、電圧VSGSonよりも低い電圧である。電圧VSGSoffが印加された選択トランジスタST2はオフ状態とされる。これにより、
図15に示すように、選択メモリセルアレイ11aの選択トランジスタST1及びST2はオン状態とされる。他方で、非選択メモリセルアレイ11bの選択トランジスタST1はオン状態とされ、選択トランジスタST2はオフ状態とされる。選択メモリセルアレイ11aの各NANDストリングNSのチャネル電位は、電圧VBLRDまで昇圧される。また、非選択メモリセルアレイ11bの各NANDストリングNSのチャネル電位は、電圧VCHまで昇圧される。非選択メモリセルアレイ11bのNANDストリングNSのチャネル電位は、選択メモリセルアレイ11aのNANDストリングNSのチャネル電位よりも高い。
【0206】
この状態において、ロウデコーダ25は、ワード線WLの電圧を電圧VSSから電圧VREADまで昇圧する。メモリセルトランジスタMCは、ゲートに電圧VREADを印加されると、記憶しているデータによらずにオン状態とされる。このとき、ワード線WLの電圧は、非選択ビット線BLbから電圧VCHを印加された非選択メモリセルアレイ11bのチャネルとの容量カップリングにより昇圧速度が上昇する。
図16に示すように、例えば、カップリング無しの場合、ワード線WLを電圧VREADまで昇圧する期間は、時刻t0~t2’の期間tRP2である。これに対し、カップリング有りの場合、ワード線WLを電圧VREADまで昇圧する期間は、時刻t0~t2の期間tRP1に短縮される。
【0207】
図14に示すように、時刻t3~t4の期間は、データの読み出し期間である。
【0208】
時刻t3において、ロウデコーダ25は、選択メモリセルアレイ11aの非選択ストリングユニットSUに対応する選択ゲート線SGDa、及び非選択メモリセルアレイ11bの選択ゲート線SGDbに、電圧VSGDoffを印加する。電圧VSGDoffは、電圧VSSよりも高く、電圧VSGDonよりも低い電圧である。電圧VSGDoffが印加された選択トランジスタST1はオフ状態とされる。これにより、選択メモリセルアレイ11aの非選択ストリングユニットSUの選択トランジスタST1、及び非選択メモリセルアレイ11bの選択トランジスタST1は、オフ状態とされる。ロウデコーダ25は、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGRVを印加する。電圧VCGRVは、電圧VSGDonよりも低い電圧である。電圧VCRGVは、メモリセルトランジスタMCの閾値電圧分布に基づく。例えば、読み出し対象のメモリセルトランジスタMCが、“1”データを記憶する場合(消去状態である場合)、メモリセルトランジスタMCは、オン状態とされる。また、読み出し対象のメモリセルトランジスタMCが、“0”データを記憶する場合(書き込み状態である場合)、メモリセルトランジスタMCは、オフ状態とされる。
【0209】
時刻t3~t4の期間に、センスアンプ26は、読み出し対象のセルユニットCUのデータを読み出す。
【0210】
時刻t4~t5の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち下げが実行される。より具体的には、ロウデコーダ25は、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGDa、SGDb、SGSa、及びSGSbに電圧VSSを印加する。ソース線ドライバ29は、ソース線SLに、電圧VSSを印加する。センスアンプ26は、ビット線BLa及びBLbに電圧VSSを印加する。また、センスアンプ26は、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSa及びBIASbに、電圧VSSを印加する。これにより、トランジスタTHN2及びTHN3は、オフ状態とされる。
【0211】
1.3 書き込み動作
次に、書き込み動作について説明する。書き込み動作は、プログラム動作とプログラムベリファイ動作とを含む。
【0212】
プログラム動作は、電荷蓄積層に電子を注入することにより閾値電圧を上昇させる(または、電荷蓄積層に電子をほとんど注入させないことで閾値電圧を維持させる)動作のことである。プログラム動作では、センスアンプユニットSAUに記憶された書き込みデータに基づいて、メモリセルトランジスタMCは、プログラム対象またはプログラム禁止に設定される。書き込み目標のステートの閾値電圧に到達していないメモリセルトランジスタMCは、プログラム対象に設定される。また、書き込み目標のステートの閾値電圧に到達しているメモリセルトランジスタMCは、プログラム禁止に設定される。
【0213】
プログラムベリファイ動作は、プログラム動作の後、データを読み出し、メモリセルトランジスタMCの閾値電圧が目標とするターゲットレベル(書き込み目標のステート)に達したか否かを判定する動作である。以下、メモリセルトランジスタMCの閾値電圧がターゲットレベルに達している場合を、「ベリファイをパスした」と表記し、ターゲットレベルまで達していない場合を、「ベリファイをフェイルした」と表記する。より具体的には、例えば、プログラムベリファイ動作において、読み出されたデータのフェイルビット数が予め設定された基準値以上である場合、「ベリファイをフェイルした」と判定される。そして、プログラム動作とプログラムベリファイ動作との組み合わせ(以下、「プログラムループ」と呼ぶ)を繰り返すことで、メモリセルトランジスタMCの閾値電圧がターゲットレベルまで上昇される。プログラムベリファイ動作のタイミングチャートは、
図14~
図16を用いて説明した読み出し動作のタイミングチャートと同じである。目標とするターゲットレベルに基づいて、読み出し電圧VCGRVが設定される。
【0214】
1.3.1 プログラム動作のタイミングチャート
次に、
図17及び
図18を参照して、プログラム動作のタイミングチャートの一例について説明する。
図17は、プログラム動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
図18は、
図17の時刻t0~t1の期間におけるNANDストリングNSの状態を示す図である。
図17の例は、メモリセルアレイ11aのいずれかのセルユニットCUにデータを書き込む場合を示している。なお、
図17の例は、書き込み動作においてワード線WL0、WL1、…と順に選択される場合のプログラム動作のタイミングチャートの一例を示している。換言すれば、
図17の例は、ソース線SL側のメモリセルトランジスタMC0から順に書き込み動作が実行される場合のプログラム動作のタイミングチャートの一例を示している。例えば、
図2に示すメモリセルアレイ11の回路構成であれば、メモリセルトランジスタMC0からメモリセルトランジスタMC4に向かって順に書き込み動作が実行される。
【0215】
図17に示すように、時刻t0~t2の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち上げが実行される。すなわち、時刻t0~t2の期間に、ワード線WL及びビット線BLが充電される。
【0216】
時刻t0において、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSaには、“H”レベルの電圧として、電圧VBLSが印加される。これにより、トランジスタTHN2はオン状態とされ、選択ビット線BLaは、センス回路SAと電気的に接続される。また、信号BIASbには、“H”レベルの電圧として、電圧VBIASが印加される。これにより、トランジスタTHN3はオン状態とされ、非選択ビット線BLbは、ノードBLBIASと電気的に接続される。
【0217】
時刻t0~t1の期間に、ソース線ドライバ29は、ソース線SLの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。
【0218】
選択メモリセルアレイ11aにおいて、ラッチ回路SDLに“0”データが記憶されている場合、センスアンプ26は、“0”データに対応するビット線BLaに、電圧VSSを印加する。他方で、選択メモリセルアレイ11aにおいて、ラッチ回路SDLに“1”データが記憶されている場合、センスアンプ26は、“1”データに対応するビット線BLaに、電圧VBLPGを印加する。電圧VBLPGは、電圧VSSよりも高い電圧である。電圧VBLPGの電圧値は、電圧VCHと同じ電圧値であってもよい。また、非選択メモリセルアレイ11bにおいて、センスアンプ26は、非選択ビット線BLbに電圧VCHを印加する。
【0219】
ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGDa及びSGDbの電圧を電圧VSSから電圧VSGDonまで昇圧する。また、ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGSa及びSGSbの電圧を電圧VSSから電圧VSGSoffまで昇圧する。これにより、
図18に示すように、メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST1はオン状態とされる。他方で、メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST2はオフ状態とされる。選択メモリセルアレイ11aの各NANDストリングNSのチャネルには、電圧VBLPGまたは電圧VSSが印加される。また、非選択メモリセルアレイ11bの各NANDストリングNSのチャネル電位は、電圧VCHまで昇圧される。非選択メモリセルアレイ11bのNANDストリングNSのチャネル電位は、選択メモリセルアレイ11aのNANDストリングNSのチャネル電位よりも高い。
【0220】
この状態において、ロウデコーダ25は、ワード線WLの電圧を電圧VSSから電圧VPREまで昇圧する。電圧VPREは、電圧VSSよりも高い電圧である。メモリセルトランジスタMCは、ゲートに電圧VPREを印加されると、記憶しているデータによらずにオン状態とされる。このとき、読み出し動作と同様に、ワード線WLの電圧は、非選択ビット線BLbから電圧VCHを印加された非選択メモリセルアレイ11bのチャネルとの容量カップリングにより昇圧速度が上昇する。
【0221】
図17に示すように、時刻t2~t4の期間、メモリセルトランジスタMCにデータが書き込まれる。
【0222】
時刻t2において、ロウデコーダ25は、選択ブロックBLKの非選択ワード線WL及び選択ワード線WLに電圧VPASSを印加する。電圧VPASSは、電圧VPREよりも高い電圧である。ロウデコーダ25は、選択メモリセルアレイ11aにおいて、非選択ストリングユニットSUaに対応する選択ゲート線SGDaに、電圧VSGDoffを印加する。また、ロウデコーダ25は、非選択メモリセルアレイ11bにおいて、選択ゲート線SGDbに、電圧VSGDoffを印加する。これにより、電圧VSGDoffを印加された選択トランジスタST1は、オフ状態とされる。
【0223】
時刻t3において、ロウデコーダ25は、選択ワード線WLにプログラム電圧VPGMを印加する。選択ワード線WLに電圧VPGMが印加されると、選択ワード線WLに接続され且つ“0”データ書き込みに対応するビット線BLaに接続されたメモリセルトランジスタMCの閾値電圧が上昇する。また、選択ワード線WLに接続され且つ“1”データ書き込み(プログラム禁止)のビット線BLbに接続されたメモリセルトランジスタMCの閾値電圧の上昇は、セルフブースト技術等によって抑制される。
【0224】
時刻t4~t5の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち下げが実行される。より具体的には、ロウデコーダ25は、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGDa、SGDb、SGSa、及びSGSbに電圧VSSを印加する。ソース線ドライバ29は、ソース線SLに、電圧VSSを印加する。センスアンプ26は、ビット線BLa及びBLbに電圧VSSを印加する。また、センスアンプ26は、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSa及びBIASbに、電圧VSSを印加する。これにより、トランジスタTHN2及びTHN3は、オフ状態とされる。
【0225】
1.4 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、半導体記憶装置は、処理能力を向上できる。本効果につき詳述する。
【0226】
例えば、半導体記憶装置を高集積化するために、複数のメモリセルアレイ(アレイチップ)を積層する方法が知られている。この場合、ロウデコーダに接続されるワード線WLの本数の増加を抑制するため、各メモリセルアレイのワード線WLは、共有され得る。例えば、読み出し動作においてワード線WLを充電する際、非選択ストリングユニットSUにおけるディスターブを抑制するため、選択トランジスタST1及びST2は、オン状態とされる。但し、非選択ストリングユニットSUの選択トランジスタST1及びST2がオン状態であると、NANDストリングNSのチャネル容量が、ワード線WL充電の容量負荷となる。このため、ワード線WLの電圧の昇圧速度が遅くなる。また、ワード線WLを充電するための消費電流が増加する。
【0227】
これに対し、本実施形態に係る構成であれば、読み出し動作においてワード線WLを充電する(立ち上げる)際、これにより、非選択メモリセルアレイ11のNANDストリングNSのチャネル電位を、選択メモリセルアレイ11のNANDストリングNSのチャネル電位より高くできる。具体的には、非選択メモリセルアレイ11の選択トランジスタST1をオン状態にし、選択トランジスタST2をオフ状態にできる。この状態において、非選択ビット線BLに、選択ビット線BLより高い電圧VCHを印加することができる。これにより、非選択メモリセルアレイのNANDストリングNSのチャネル電位を電圧VCHまで上昇させることができる。非選択メモリセルアレイ11のNANDストリングNSのチャネルとワード線WLとの容量カップリングにより、ワード線WLの電圧の昇圧速度を上昇させることができる。この結果、ワード線WLの充電期間を短縮できる。よって、半導体記憶装置の処理能力を向上できる。
【0228】
更に、本実施形態に係る構成であれば、非選択メモリセルアレイ11のNANDストリングNSのチャネルとワード線WLとの容量カップリングにより、ワード線WLの昇圧をアシストすることにより、ワード線WLを充電する際の消費電流を低減できる。よって、半導体記憶装置の消費電力を低減できる。
【0229】
更に、本実施形態に係る構成であれば、プログラム動作においてワード線WLを充電する(立ち上げる)際、読み出し動作と同様に、非選択メモリセルアレイ11のチャネルとワード線WLとの容量カップリングにより、ワード線WLの電圧の昇圧速度を上昇させることができる。
【0230】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる半導体記憶装置1の構成、並びに読み出し動作及び書き込み動作について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0231】
2.1 構成
2.1.1 半導体記憶装置の全体構成
まず、
図19を参照して、半導体記憶装置1の全体構成の一例について説明する。
図19は、半導体記憶装置1の全体構成を示すブロック図である。なお、
図19では、各構成要素の接続の一部を矢印線により示しているが、構成要素間の接続はこれらに限定されない。
【0232】
図19に示すように、本実施形態では、メモリセルアレイ11aのソース線SLaと、メモリセルアレイ11bのソース線SLbとは、それぞれ独立して、ソース線ドライバ29に接続される。他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0233】
2.1.2 メモリセルアレイの回路構成
次に、
図20及び
図21を参照して、メモリセルアレイ11の回路構成の一例について説明する。
図20は、メモリセルアレイ11の回路構成を示す平面図である。
図21は、メモリセルアレイ11の回路構成を示す斜視図である。なお、
図20及び
図21の例は、ブロックBLK0の回路構成を示しているが、他のブロックBLKも同様である。
【0234】
図20及び
図21に示すように、メモリセルアレイ11a(アレイチップ10a)の複数のブロックBLKの複数のストリングユニットSUは、1つのソース線SLaに共通に接続される。すなわち、メモリセルアレイ11a内の複数の選択トランジスタST2のソースは、1つのソース線SLaに共通に接続される。同様に、メモリセルアレイ11b(アレイチップ10b)の複数のブロックBLKの複数のストリングユニットSUは、1つのソース線SLbに共通に接続される。すなわち、メモリセルアレイ11b内の複数の選択トランジスタST2のソースは、1つのソース線SLbに共通に接続される。
【0235】
2.1.3 チップの配置
次に、
図22を参照して、各チップの配置の一例について説明する。
図22は、アレイチップ10a及び10b並びに回路チップ20の配置を示す断面図である。なお、
図22の例では、説明を簡略化するため、各々1つのワード線WL、選択ゲート線SGDa及びSGDb、選択ゲート線SGSa及びSGSb、ビット線BLa及びBLb、並びにソース線SLa及びSLbが示されている。
【0236】
図22に示すように、ソース線SLaは、メモリセルアレイ11aに接続され、メモリセルアレイ11bには接続されない。ソース線SLbは、メモリセルアレイ11bに接続され、メモリセルアレイ11aには接続されない。
【0237】
2.2 読み出し動作のタイミングチャート
次に
図23及び
図24を参照して、読み出し動作のタイミングチャートの一例について説明する。
図23は、読み出し動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
図23の例は、メモリセルアレイ11aのいずれかのセルユニットCUのデータを読み出す場合を示している。
図24は、
図23の時刻t1~t2の期間におけるNANDストリングNSの状態を示す図である。以下、選択メモリセルアレイ11に接続されたソース線SLを「選択ソース線SL」と表記する。非選択メモリセルアレイ11に接続されたソース線SLを「非選択ソース線SL」と表記する。
【0238】
図23に示すように、時刻t0~t3の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち上げが実行される。すなわち、時刻t0~t3の期間に、ワード線WL及びビット線BLが充電される。
【0239】
時刻t0において、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSaには、“H”レベルの電圧として、電圧VBLSが印加される。これにより、トランジスタTHN2はオン状態とされ、選択ビット線BLaは、センス回路SAと電気的に接続される。
【0240】
時刻t0~t1の期間に、ソース線ドライバ29は、ソース線SLa及びSLbの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。センスアンプ26は、選択ビット線BLaの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。
【0241】
時刻t1~t2の期間に、ソース線ドライバ29は、非選択ソース線SLbの電圧を電圧VCHまで昇圧する。センスアンプ26は、選択ビット線BLaの電圧を電圧VBLRDまで昇圧する。
【0242】
時刻t0~t2の期間に、ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGDa及びSGDbの電圧を電圧VSSから電圧VSGDoffまで昇圧する。また、ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGSa及びSGSbの電圧を電圧VSSから電圧VSGSonまで昇圧する。これにより、
図24に示すように、メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST1は、オフ状態とされる。メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST2は、オン状態とされる。選択メモリセルアレイ11aの各NANDストリングNSのチャネル電位は、電圧VSRCまで昇圧される。また、非選択メモリセルアレイ11bの各NANDストリングNSのチャネル電位は、電圧VCHまで昇圧される。
【0243】
この状態において、ロウデコーダ25は、ワード線WLの電圧を電圧VSSから電圧VREADまで昇圧する。このとき、ワード線WLの電圧は、非選択ソース線SLbから電圧VCHを印加された非選択メモリセルアレイ11bのチャネルとの容量カップリングにより昇圧速度が上昇する。
【0244】
図23に示すように、時刻t3~t4の期間は、データの読み出し期間である。
【0245】
時刻t3において、ロウデコーダ25は、選択メモリセルアレイ11aの選択ストリングユニットSUに対応する選択ゲート線SGDaに、電圧VSGDonを印加する。これにより、選択メモリセルアレイ11aの選択ストリングユニットSUの選択トランジスタST1は、オン状態とされる。ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGSbに電圧VSGSoffを印加する。これにより、非選択メモリセルアレイ11bの選択トランジスタST2は、オフ状態とされる。また、ロウデコーダ25は、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGRVを印加する。
【0246】
時刻t3~t4の期間に、センスアンプ26は、読み出し対象のセルユニットCUのデータを読み出す。
【0247】
時刻t4~t5の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち下げが実行される。より具体的には、ロウデコーダ25は、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGDa、SGDb、SGSa、及びSGSbに電圧VSSを印加する。ソース線ドライバ29は、ソース線SLa及びSLbに、電圧VSSを印加する。センスアンプ26は、ビット線BLa及びBLbに電圧VSSを印加する。また、センスアンプ26は、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSaに、電圧VSSを印加する。これにより、トランジスタTHN2は、オフ状態とされる。
【0248】
2.3 プログラム動作のタイミングチャート
次に、
図25及び
図26を参照して、プログラム動作のタイミングチャートの一例について説明する。
図25は、プログラム動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
図26は、
図25の時刻t0~t1の期間におけるNANDストリングNSの状態を示す図である。
図25の例は、メモリセルアレイ11aのいずれかのセルユニットCUにデータを書き込む場合を示している。
図25の例は、ビット線BL側のメモリセルトランジスタMCから順に書き込み動作が実行される場合のプログラム動作のタイミングチャートの一例を示している。例えば、
図20に示すメモリセルアレイの回路構成であれば、メモリセルトランジスタMC4からメモリセルトランジスタMC0に向かって順に書き込み動作が実行される。
【0249】
図25に示すように、時刻t0~t2の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち上げが実行される。すなわち、時刻t0~t2の期間に、ワード線WL及びビット線BLが充電される。
【0250】
時刻t0において、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSaには、“H”レベルの電圧として、電圧VBLSが印加される。これにより、トランジスタTHN2はオン状態とされ、選択ビット線BLaは、センス回路SAと電気的に接続される。また、信号BIASbには、“H”レベルの電圧として、電圧VBIASが印加される。これにより、トランジスタTHN3はオン状態とされ、非選択ビット線BLbは、ノードBLBIASと電気的に接続される。
【0251】
時刻t0~t1の期間に、ソース線ドライバ29は、選択ソース線SLaの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。また、ソース線ドライバ29は、非選択ソース線SLbの電圧を電圧VSSから電圧VCHまで昇圧する。
【0252】
選択メモリセルアレイ11aにおいて、ラッチ回路SDLに“0”データが記憶されている場合、センスアンプ26は、“0”データに対応するビット線BLaに、電圧VSSを印加する。他方で、選択メモリセルアレイ11aにおいて、ラッチ回路SDLに“1”データが記憶されている場合、センスアンプ26は、“1”データに対応するビット線BLaに、電圧VBLPGを印加する。
【0253】
ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGDa及びSGDbの電圧を電圧VSSから電圧VSGDoffまで昇圧する。また、ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGSa及びSGSbの電圧を電圧VSSから電圧VSGSonまで昇圧する。これにより、
図26に示すように、メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST1はオフ状態とされる。メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST2はオン状態とされる。選択メモリセルアレイ11aの各NANDストリングNSのチャネル電位は、電圧VSRCまで昇圧される。非選択メモリセルアレイ11bの各NANDストリングNSのチャネル電位は、電圧VCHまで昇圧される。
【0254】
この状態において、ロウデコーダ25は、ワード線WLの電圧を電圧VSSから電圧VPREまで昇圧する。このとき、ワード線WLの電圧は、非選択ソース線SLbから電圧VCHを印加された非選択メモリセルアレイ11bのチャネルとの容量カップリングにより昇圧速度が上昇する。
【0255】
図25に示すように、時刻t2~t4の期間、メモリセルトランジスタMCにデータが書き込まれる。
【0256】
時刻t2において、ロウデコーダ25は、選択ブロックBLKの非選択ワード線WL及び選択ワード線WLに電圧VPASSを印加する。ロウデコーダ25は、選択メモリセルアレイ11aにおいて、選択ストリングユニットSUaに対応する選択ゲート線SGDaに、電圧VSGDonを印加する。これにより、電圧VSGDonを印加された選択トランジスタST1は、オフ状態とされる。また、ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGSa及びSGSbに、電圧VSGSoffを印加する。これにより、メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST2は、オフ状態とされる。
【0257】
時刻t3において、ロウデコーダ25は、選択ワード線WLに電圧VPGMを印加する。
【0258】
時刻t4~t5の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち下げが実行される。より具体的には、ロウデコーダ25は、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGDa、SGDb、SGSa、及びSGSbに電圧VSSを印加する。ソース線ドライバ29は、ソース線SLに、電圧VSSを印加する。センスアンプ26は、ビット線BLa及びBLbに電圧VSSを印加する。また、センスアンプ26は、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSaに、電圧VSSを印加する。これにより、トランジスタTHN2は、オフ状態とされる。
【0259】
2.4 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、メモリセルアレイ11aとメモリセルアレイ11bとは、異なるソース線SLに接続される。このため、読み出し動作及び書き込み動作においてワード線WLを充電する(立ち上げる)際、非選択ソース線SLに電圧VCHを印加することができる。これにより、非選択メモリセルアレイのNANDストリングNSのチャネル電位を電圧VCHまで上昇させることができる。非選択メモリセルアレイ11のNANDストリングNSのチャネルとワード線WLとの容量カップリングにより、ワード線WLの電圧の昇圧速度を上昇させることができる。よって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0260】
2.5 変形例
次に、第2実施形態の2つの変形例について説明する。以下、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0261】
2.5.1 第1変形例
まず、
図27及び
図28を参照して、第1変形例について説明する。第1変形例では、読み出し動作において、非選択ビット線BL及び非選択ソース線SLの電圧に基づいて、非選択メモリセルアレイ11のチャネルとの容量カップリングによりワード線WLの昇圧速度を上昇させる場合について説明する。
図27は、読み出し動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
図28は、
図27の時刻t1~t2の期間におけるNANDストリングNSの状態を示す図である。
図27の例は、メモリセルアレイ11aのいずれかのセルユニットCUのデータを読み出す場合を示している。
【0262】
図27に示すように、時刻t0~t3の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち上げが実行される。すなわち、時刻t0~t3の期間に、ワード線WL及びビット線BLが充電される。
【0263】
時刻t0において、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSaには、“H”レベルの電圧として、電圧VBLSが印加される。これにより、トランジスタTHN2はオン状態とされ、選択ビット線BLaは、センス回路SAと電気的に接続される。また、信号BIASbには、“H”レベルの電圧として、電圧VBIASが印加される。これにより、トランジスタTHN3はオン状態とされ、非選択ビット線BLbは、ノードBLBIASと電気的に接続される。
【0264】
時刻t0~t1の期間に、ソース線ドライバ29は、ソース線SLa及びSLbの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。センスアンプ26は、ビット線BLa及びBLbの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。
【0265】
時刻t1~t2の期間に、ソース線ドライバ29は、非選択ソース線SLbの電圧を電圧VCHまで昇圧する。センスアンプ26は、選択ビット線BLaの電圧を電圧VBLRDまで昇圧する。また、センスアンプ26は、非選択ビット線BLbの電圧を電圧VCHまで昇圧する。
【0266】
時刻t0~t2の期間に、ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGDa及びSGDbの電圧を電圧VSSから電圧VSGDonまで昇圧する。また、ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGSa及びSGSbの電圧を電圧VSSから電圧VSGSonまで昇圧する。これにより、
図28に示すように、メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST1は、オン状態とされる。メモリセルアレイ11a及び11bの選択トランジスタST2は、オン状態とされる。選択メモリセルアレイ11aの各NANDストリングNSのチャネル電位は、電圧VBLRDまで昇圧される。また、非選択メモリセルアレイ11bの各NANDストリングNSのチャネル電位は、非選択ビット線BLb及び非選択ソース線SLbから印加された電圧VCHまで昇圧される。
【0267】
この状態において、ロウデコーダ25は、ワード線WLの電圧を電圧VSSから電圧VREADまで昇圧する。このとき、ワード線WLの電圧は、非選択ビット線BLb及び非選択ソース線SLbから電圧VCHを印加された非選択メモリセルアレイ11bのチャネルとの容量カップリングにより昇圧速度が上昇する。
【0268】
図27に示すように、時刻t3~t4の期間は、データの読み出し期間である。
【0269】
時刻t3において、ロウデコーダ25は、選択メモリセルアレイ11aの非選択ストリングユニットSUに対応する選択ゲート線SGDa、及び非選択メモリセルアレイ11bの選択ゲート線SGDbに、電圧VSGDoffを印加する。これにより、選択メモリセルアレイ11aの非選択ストリングユニットSUの選択トランジスタST1は、オフ状態とされる。これにより、選択メモリセルアレイ11aの非選択ストリングユニットSUの選択トランジスタST1、及び非選択メモリセルアレイ11bの選択トランジスタST1は、オフ状態とされる。ロウデコーダ25は、選択ゲート線SGSbに電圧VSGSoffを印加する。これにより、非選択メモリセルアレイ11bの選択トランジスタST2は、オフ状態とされる。また、ロウデコーダ25は、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGRVを印加する。
【0270】
時刻t3~t4の期間に、センスアンプ26は、読み出し対象のセルユニットCUのデータを読み出す。
【0271】
時刻t4~t5の期間に、ワード線WL及びビット線BLの立ち下げが実行される。より具体的には、ロウデコーダ25は、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGDa、SGDb、SGSa、及びSGSbに電圧VSSを印加する。ソース線ドライバ29は、ソース線SLa及びSLbに、電圧VSSを印加する。センスアンプ26は、ビット線BLa及びBLbに電圧VSSを印加する。また、センスアンプ26は、BLフックアップ回路BLHUの信号BLSa及びBIASbに、電圧VSSを印加する。これにより、トランジスタTHN2及びTHN3は、オフ状態とされる。
【0272】
2.5.2 第2変形例
次に、
図29を参照して、第2変形例について説明する。第2変形例では、書き込み動作において、第1実施形態と同様に、ソース線SL側のメモリセルトランジスタMC0から順に書き込み動作が実行される場合について説明する。
図29は、プログラム動作における各配線及び信号の電圧を示すタイミングチャートである。
図29の例は、メモリセルアレイ11aのいずれかのセルユニットCUにデータを書き込む場合を示している。
【0273】
図29に示すように、時刻t0~t1の期間に、ソース線ドライバ29は、選択ソース線SLaの電圧を電圧VSSから電圧VSRCまで昇圧する。また、ソース線ドライバ29は、非選択ソース線SLbの電圧を電圧VSSから電圧VCHまで昇圧する。その他の配線及び信号線の電圧は、第1実施形態の
図17と同様である。なお、ソース線ドライバ29は、非選択ソース線SLbに電圧VSRCを印加してもよい。
【0274】
2.5.3 第1変形例及び第2変形例に係る効果
第1変形例及び第2変形例に係る構成であれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0275】
3.その他
上記実施形態に係る半導体記憶装置は、第1選択トランジスタ(ST1)と第1メモリセル(MC0)と第2選択トランジスタ(ST2)とが直列に接続された第1ストリング(NS)と、第3選択トランジスタ(ST1)と第2メモリセル(MC0)と第4選択トランジスタ(ST2)とが直列に接続された第2ストリング(NS)と、第1メモリセルのゲート及び第2メモリセルのゲートに共通に接続されたワード線(WL)と、第1選択トランジスタのゲートに接続された第1選択ゲート線(SGDa)と、第2選択トランジスタのゲートに接続された第2選択ゲート線(SGSa)と、第3選択トランジスタのゲートに接続された第3選択ゲート線(SGDb)と、第4選択トランジスタのゲートに接続された第4選択ゲート線(SGSb)と、第1選択トランジスタに接続された第1ビット線(BLa)と、第3選択トランジスタに接続された第2ビット線(BLb)と、を含む。第1メモリセルの読み出し動作又はベリファイ動作において、ワード線の電圧の第1電圧(VREAD)への立ち上げの際に、第1ビット線に第2電圧(VBLRD)が印加され、第2ビット線に第2電圧より高い第3電圧(VCH)が印加される。
【0276】
上記実施形態を適用することにより、消費電流の増加を抑制できる半導体記憶装置を提供できる。
【0277】
更に、上記実施形態における「接続」とは、間に例えばトランジスタあるいは抵抗等、他の何かを介在させて間接的に接続されている状態も含む。
【0278】
実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【符号の説明】
【0279】
1…半導体記憶装置、10、10a、10b…アレイチップ、11、11a、11b…メモリセルアレイ、20…回路チップ、21…アドレスレジスタ、22…コマンドレジスタ、23…シーケンサ、24…ロウドライバ、25…ロウデコーダ、26…センスアンプ、27…データレジスタ、28…カラムデコーダ、29…ソース線ドライバ、101、105、107、110、115、117、201、202、209…絶縁層、102、104、111、113、128、205、207…配線層、103、123…半導体層、106、108、109、112、114、116、118、126、127、204、206、208、210…導電体、120…ブロック絶縁膜、121…電荷蓄積層、122…トンネル絶縁膜、124…コア層、125…キャップ層、200…半導体基板、203…ゲート電極、BLK、BLK0~BLK3…ブロック、BL、BLa、BLa0~BLaN、BLb、BLb0~BLbN…ビット線、CP1~CP6…コンタクトプラグ、MC、MC0~MC4…メモリセルトランジスタ、SGD、SGDa、SGDa0、SGDa1、SGDb、SGDb2、SGDb3…選択ゲート線、ST1、ST2…選択トランジスタ、SU、SU0~SU3…ストリングユニット、THN1~THN4…高耐圧nチャネルMOSトランジスタ、TN1~TN11、TN21~TN24、TN31~TN34、TN41、TN42…低耐圧nチャネルMOSトランジスタ、TP1、TP21~TP24、TP31~TP34…低耐圧pチャネルMOSトランジスタ、WL、WL0~WL4…ワード線