(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118166
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】ピンチハンガー
(51)【国際特許分類】
D06F 57/00 20060101AFI20240823BHJP
D06F 55/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
D06F57/00 350
D06F55/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024442
(22)【出願日】2023-02-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】523060644
【氏名又は名称】三枝 実姫
(74)【代理人】
【識別番号】100155882
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100154678
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 博子
(72)【発明者】
【氏名】三枝 実姫
(57)【要約】
【課題】一度干した洗濯物をピンチから外すことなく傾きを直すことができるピンチハンガーを提供する。
【解決手段】
ピンチハンガー1は、縦方向Yに延びるとともに横方向Xに離間した一対のフレーム3a及び3bと、フレーム3a及び3bの間であって横方向Xに延びる複数のレール保持部5と、フレーム3a及び3bに取り付けられたワイヤー7と、ワイヤー7の先端に取り付けられたフック9と、を備える。一方のフレーム3aにはレール保持部5と連通する開口31が形成され、この開口31を蓋32で封鎖できるようにしている。レール保持部5は、横方向Xに延びるとともに縦方向Yに離間する一対の底部17を有する一対の底部17の間には横方向Xに延びるスペース19が形成される。底部17の上には、コンベア21がそれぞれ配置される。レール保持部5には、複数のピンチ11が固定されたレール13が挿入される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に延びる一対のフレームと、
前記フレームの間に横方向に延びる複数のレール保持部と、
前記横方向に延びるとともに前記レール保持部に保持され複数のピンチが固定されるレールと、を備えるピンチハンガーであって、
前記レール保持部は、前記縦方向に延びるスペースと、前記スペースを介して対向する一対の底部とを有し、
前記底部にはコンベアを介して前記レールが前記横方向に移動可能に載置され、
前記ピンチは前記スペースに位置することを特徴とするピンチハンガー。
【請求項2】
前記フレームは、前記レール保持部に連通する開口と、前記開口を封鎖可能な蓋と、を備え、
前記開口を介して前記レールが取り外し可能であることを特徴とする請求項1記載のピンチハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯物を干した後の傾きを直すことができるピンチハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示したようにピンチの間隔を自由に調節できるピンチハンガーが知られている。ピンチの間隔を調節することによってさまざまな洗濯物の大きさに対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記構造のピンチハンガーでは、干した洗濯物の重さの偏りによって全体が傾き、洗濯物同士の間隔が狭くなり乾きにくくなるという問題があった。傾いた状態を改善する場合には、一度干した洗濯物をピンチから外して干し直さなければならなかった。
【0005】
この発明は、一度干した洗濯物をピンチから外すことなく傾きを直すことができるピンチハンガーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のピンチハンガーは、縦方向に延びる一対のフレームと、前記フレームの間に横方向に延びる複数のレール保持部と、前記横方向に延びるとともに前記レール保持部に保持され複数のピンチが固定されるレールと、を備えるピンチハンガーであって、前記レール保持部は、前記縦方向に延びるスペースと、前記スペースを介して対向する一対の底部とを有し、前記底部にはコンベアを介して前記レールが前記横方向に移動可能に載置され、前記ピンチは前記スペースに位置することを特徴とする。
【0007】
前記フレームは、前記レール保持部に連通する開口と、前記開口を封鎖可能な蓋と、を備え、前記開口を介して前記レールが取り外し可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るピンチハンガーによれば、ピンチに取り付けた洗濯物をレールごと引き抜いて移動することができるので、一度ピンチハンガーに取り付けた洗濯物を取り外さず、傾いたピンチハンガーを直して略水平に保つことができ、洗濯物同士の間隔が近くなる心配も無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明によるピンチハンガーの斜視図である。
【
図2】
図1におけるピンチハンガーの部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1はこの発明の実施例であるピンチハンガー1の全体斜視図である。
図2は一方のフレーム3aの拡大平面図であって、蓋32を開けた状態を示す。
図3は一方のフレーム3aであって、レール13を外した状態を示す。
図4はレール保持部5にレール13を挿入した状態の断面図である。
【0011】
<ピンチハンガー1>
ピンチハンガー1は、縦方向Yに延びるとともに横方向Xに離間した一対のフレーム3a及び3bと、フレーム3a及び3bの間であって横方向Xに延びる複数のレール保持部5と、フレーム3a及び3bに取り付けられたワイヤー7と、ワイヤー7の先端に取り付けられたフック9と、を備える。この実施形態で四本のワイヤー7を用い、一端がピンチハンガー1の四隅近傍に接続され、他端がフック9に接続される。フック9は例えば物干し竿に引っ掛けることができる。洗濯物が干されていない状態でピンチハンガー1は略水平となるようにしている。
【0012】
<フレーム3a,3b>
一方のフレーム3aにはレール保持部5と連通する開口31が形成され、この開口31を蓋32で封鎖できるようにしている。
図2に示したように、蓋32を開けることによってレール保持部5に保持されたレール13が露出して、レール保持部5からレール13を引き抜くことができる。
この実施形態では、他方のフレーム3bには開口及び蓋は設けられていない。しかし、他方のフレーム3bにも、一方のフレーム3aと同様の開口及び蓋を設けるようにしても良い。
【0013】
<レール保持部5>
レール保持部5は、横方向Xに延びるとともに縦方向Yに離間する一対の底部17を有する。底部17は、一方のフレーム3aの一部によって形成される。一対の底部17の間には横方向Xに延びるスペース19が形成される。底部17の上には、コンベア21がそれぞれ配置される。コンベア21は、例えば横方向Xに複数のローラが並べられたローラコンベアとすることができる。このコンベア21によってレール13は横方向Xに容易に移動可能となる。
【0014】
<レール13>
レール保持部5には、複数のピンチ11が固定されたレール13が挿入される。レール13は、フレーム3に形成された開口31を介してレール保持部5に挿入可能とされる。レール13はレール保持部5と同様に横方向Xに延び、レール13の下部には複数のピンチ11が固定される。この実施例では1本のレールに3個のピンチ11が取り付けられる。
【0015】
このようなピンチハンガー1によれば、レール13に固定したピンチ11がスペース19に沿って横方向Xに移動することができ、洗濯物をピンチ11に取り付けた状態でもレール13をレール保持部5から引き抜くことができる。したがって、全ての洗濯物をピンチ11に取り付けた後、ピンチハンガー全体が傾いていた場合、ピンチ11から洗濯物を外さず、レール13ごと外して任意のレールと入れ替えることで洗濯物をピンチから外さずに傾きを小さくすることができる。その結果、洗濯物同士の間隔も狭くならず、効率的に乾かすことができる。
【0016】
レール保持部5にコンベア21を設けることによって、洗濯物をピンチ11に取り付けてレール13全体が重くなった場合でも、容易にレール13を引き抜くことができる。なお、この実施形態ではローラコンベアを用いているが、ベルトコンベア等の他のコンベアを用いることもできる。
【符号の説明】
【0017】
1 ピンチハンガー
3a フレーム
3b フレーム
5 レール保持部
7 ワイヤー
9 フック
11 ピンチ
13 レール
17 底部
19 スペース
21 コンベア
31 開口
32 蓋