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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118167
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】充電インレット組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20240823BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20240823BHJP
【FI】
H01R13/52 D
B60L53/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024444
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】表 恭平
【テーマコード(参考)】
5E087
5H125
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF07
5E087HH01
5E087HH02
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM05
5E087MM08
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR04
5E087RR12
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125DD02
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】充電インレット組立体の内側から外側への良好な排水性を維持しつつカバー部材からハウジング部材の内側への水や塵の侵入が抑制される充電インレット組立体を提供する。
【解決手段】
充電インレット組立体10は、ハウジング部材20と、カバー部材60とを備える。ハウジング部材20の円筒支持部24には、円筒支持部24の内周面24aと外周面24bとを貫通する開口部45が形成される。開口部45は、環状弾性部材51よりも端子2側の位置に形成される。カバー部材60は、開口部45よりも鉛直方向下方に位置し、カバー部材60の外側に開口する排水口67と、円筒支持部24の外周面24bの外側に位置し、開口部45と排水口67とを連接する排水誘導路Pと、を有する。開口部45と排水口67とは、鉛直方向からの平面視において、異なる位置に形成される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される充電インレット組立体であって、
端子と、
前記端子に接続される配線部材と、
前記配線部材に装着される環状弾性部材と、
前記端子を保持する端子保持部と、前記配線部材に装着される前記環状弾性部材を周方向から保持する円筒支持部と、を有するハウジング部材と、
前記ハウジング部材に固定され、前記配線部材および前記環状弾性部材を前記車両の内側からカバーするカバー部材と、を備え、
前記円筒支持部には、前記円筒支持部の内周面と外周面とを貫通する開口部が形成され、
前記開口部は、前記環状弾性部材よりも前記端子側の位置に形成され、
前記カバー部材は、前記開口部よりも鉛直方向下方に位置し、前記カバー部材の外側に開口する排水口と、前記円筒支持部の外周面の外側に位置し、前記開口部と前記排水口とを連接する排水誘導路と、を有し、
前記開口部と前記排水口とは、鉛直方向からの平面視において、異なる位置に形成される、
充電インレット組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の充電インレット組立体であって、
前記開口部の底面は、前記円筒支持部の外周面から外側に突出する方向に向かって水平または、徐々に下方に傾斜する平面により構成される、
充電インレット組立体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記排水誘導路は、前記円筒支持部の外周面に沿った形状に形成される、
充電インレット組立体。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記排水誘導路は、前記開口部と前記排水口との間に配置される仕切り壁により仕切られる、
充電インレット組立体。
【請求項5】
請求項4に記載の充電インレット組立体であって、
前記仕切り壁は、前記円筒支持部の外周面から前記カバー部材の内周面に至るまで延設される、
充電インレット組立体。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記配線部材は、並列する2本であり、
前記排水口は、対向する前記配線部材側に形成される、
充電インレット組立体。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記カバー部材は、樹脂製である、充電インレット組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電インレット組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載されるインレットを覆うカバー部材としてのグロメットの技術が開示されている。グロメットは、インレットのうち、車両の内側に露出する部分を全体的に覆う。また、グロメットは、インレットから引き出される配線部材の一部を覆う。グロメットには、配線部材の引出口も形成される。なお、特許文献1に記載のグロメットは、例えば、弾性が高いEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などのエラストマにより構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-136518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のグロメットは、インレットの内側に侵入する水を排水するための排水口を備える。このように排水口を備えると、グロメットの内側に水が溜まることが抑制される。また、特許文献1に記載のグロメットは、排水口からグロメット内の端子収容部への塵の侵入を抑制するために、グロメット側仕切りやハウジング側仕切りを備える。
【0005】
しかしながら、上述のようなグロメットは、端子収容部を含むハウジングの後方(車両の内側の部分)の全体を覆う構成である。したがって、車両の内側においてインレットの占領領域がグロメットの分だけ大きくなる。一方で、車両の小型化が望まれており、車両の内側の占領領域が小さいインレットが望まれている。
【0006】
そこで、本開示は、充電インレット組立体の内側から外側への良好な排水性を維持しつつカバー部材からハウジング部材の内側への水や塵の侵入が抑制され、かつ、小型化可能な充電インレット組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の充電インレット組立体は、車両に搭載される充電インレット組立体であって、端子と、前記端子に接続される配線部材と、前記配線部材に装着される環状弾性部材と、前記端子を保持する端子保持部と、前記配線部材に装着される前記環状弾性部材を周方向から保持する円筒支持部と、を有するハウジング部材と、前記ハウジング部材に固定され、前記配線部材および前記環状弾性部材を前記車両の内側からカバーするカバー部材と、を備え、前記円筒支持部には、前記円筒支持部の内周面と外周面とを貫通する開口部が形成され、前記開口部は、前記環状弾性部材よりも前記端子側の位置に形成され、前記カバー部材は、前記開口部よりも鉛直方向下方に位置し、前記カバー部材の外側に開口する排水口と、前記円筒支持部の外周面の外側に位置し、前記開口部と前記排水口とを連接する排水誘導路と、を有し、前記開口部と前記排水口とは、鉛直方向からの平面視において、異なる位置に形成される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の充電インレット組立体によると、充電インレット組立体の内側から外側への良好な排水性を維持しつつカバー部材からハウジング部材の内側への水や塵の侵入が抑制され、かつ、小型化可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、充電インレット組立体を示す側面図である。
図2図2は、ハウジング部材およびカバー部材を車両の内側から示す斜視図である。
図3図3は、ハウジング部材およびカバー部材を車両の外側から示す斜視図である。
図4図4は、ハウジング部材に対して環状弾性部材およびカバー部材を組み付ける状態を示す説明図である。
図5図5は、リテーナを上方から示す斜視図である。
図6図6は、リテーナを下方から示す斜視図である。
図7図7は、カバー部材を示す斜視図である。
図8図8は、リテーナとカバー部材とを下方から示す斜視図である。
図9図9は、カバー部材を中心とした部分の平面拡大図である。
図10図10は、カバー部材を中心とした部分の側面拡大図である。
図11図11は、充電インレット組立体を車両の内側から示す概略図である。
図12図12は、変形例の充電インレット組立体10を車両の内側から示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
【0011】
本開示の充電インレット組立体は、次の通りである。
【0012】
(1)車両に搭載される充電インレット組立体であって、端子と、前記端子に接続される配線部材と、前記配線部材に装着される環状弾性部材と、前記端子を保持する端子保持部と、前記配線部材に装着される前記環状弾性部材を周方向から保持する円筒支持部と、を有するハウジング部材と、前記ハウジング部材に固定され、前記配線部材および前記環状弾性部材を前記車両の内側からカバーするカバー部材と、を備え、前記円筒支持部には、前記円筒支持部の内周面と外周面とを貫通する開口部が形成され、前記開口部は、前記環状弾性部材よりも前記端子側の位置に形成され、前記カバー部材は、前記開口部よりも鉛直方向下方に位置し、前記カバー部材の外側に開口する排水口と、前記円筒支持部の外周面の外側に位置し、前記開口部と前記排水口とを連接する排水誘導路と、を有し、前記開口部と前記排水口とは、鉛直方向からの平面視において、異なる位置に形成される。これにより、充電インレット組立体の内側から外側への良好な排水性を維持しつつカバー部材からハウジング部材の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0013】
(2)(1)の充電インレット組立体であって、前記開口部の底面は、前記円筒支持部の外周面から外側に突出する方向に向かって水平または、徐々に下方に傾斜する平面により構成されてもよい。これにより、水が良好に底面を通過する排水性が維持されつつ、底面により開口部への水や塵の侵入が抑制される。
【0014】
(3)(1)または(2)の充電インレット組立体であって、前記排水誘導路は、前記円筒支持部の外周面に沿った形状に形成されてもよい。これにより、排水誘導路が複雑化した排水経路を有しながら、カバー部材の形状および大きさが簡潔化される。
【0015】
(4)(1)ないし(3)のいずれか一つの充電インレット組立体であって、前記排水誘導路は、前記開口部と前記排水口との間に配置される仕切り壁により仕切られてもよい。これにより、排水口から侵入する水や塵の仕切り壁よりも開口部側への侵入が抑制される。このため、排水口から開口部への水や塵の侵入が抑制される。
【0016】
(5)(4)の充電インレット組立体であって、前記仕切り壁は、前記円筒支持部の外周面から前記カバー部材の内周面に至るまで延設されてもよい。これにより、排水口から開口部への水や塵の侵入が効果的に抑制される。
【0017】
(6)(1)ないし(5)のいずれか一つの充電インレット組立体であって、前記配線部材は、並列する2本であり、前記排水口は、対向する前記配線部材側に形成されてもよい。これにより、2つの排水口からの排水がカバー部材の中央部に集束する。したがって、排水口からの排水がカバー部材の外側での散乱が抑制される。
【0018】
(7)(1)ないし(6)のいずれか一つの充電インレット組立体であって、前記カバー部材は、樹脂製である。これにより、弾性変形し難い樹脂製のカバー部材であっても、複雑化された排水経路を有することから、カバー部材と円筒支持部との間への水や塵の侵入が抑制される。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の充電インレット組立体の具体例を、以下の図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
以下、本開示にかかる充電インレット組立体について説明する。
【0021】
<実施形態>
<充電インレット組立体10>
図1は、充電インレット組立体10を示す側面図である。
【0022】
充電インレット組立体10は、車両に搭載される。車両は、蓄電装置及びモータを備える電動車両である。車両は、蓄電装置の電力でモータを駆動することによって走行する。車両は、駆動源としてモータのみを備える電気自動車であってもよいし、モータとエンジンとを備えるハイブリッド車両であってもよい。車両における蓄電装置は、外部の充電スタンドから供給される電力によって充電される。充電インレット組立体10は、例えば、車両におけるボディの外面に設けられたインレット取付部80に取付けられる。図1には、インレット取付部80の一例が示されている。インレット取付部80は、例えば、ボディをなすパネル82の一部が車両の内側に凹む凹状に形成される。インレット取付部80のうち底部のパネル82には貫通孔84が形成される。充電インレット組立体10の一部は、パネル82よりも車両の内側に配置され、他の一部は貫通孔84を貫通する。
【0023】
充電インレット組立体10は、端子2と、配線部材50と、配線部材50に装着される環状弾性部材51と、ハウジング部材20と、カバー部材60とを備える。ハウジング部材20は、外部充電コネクタが挿し込まれて電気的に接続されることが可能に構成される。外部充電コネクタは、例えば、充電スタンドから延びる充電ケーブルのコネクタである。ハウジング部材20は、外部充電コネクタとの接続部分(端子2)を保持する(図3および図5参照)。接続部分(端子2)は、外部充電コネクタが挿し込まれて電気的に接続される部分である。
【0024】
配線部材50は、ハウジング部材20から延びる。配線部材50は、ハウジング部材20に保持される端子2と電気的に接続される。配線部材50は、充電スタンドからの電力を車両の蓄電装置に向けて送る。また、配線部材50は、車両の内側方向に引き出される。配線部材50においてハウジング部材20から引き出される引出方向は、ハウジング部材20に保持される端子2の長手方向(車両の内外方向)と同一方向である。なお、配線部材50の引出方向は、端子2の長手方向に交差(直交)する方向でもよい。
【0025】
カバー部材60は、ハウジング部材20に固定される。具体的には、カバー部材60は、ハウジング部材20の円筒支持部24に嵌合される。そして、カバー部材60は、配線部材50および環状弾性部材51を車両の内側からカバーする。カバー部材60には、ハウジング部材20(リテーナ40)との係合部65及び引出口としての開口68が形成されている。配線部材50において、端子2との接続部分から開口68までの部分は、円筒支持部24とカバー部材60の内部に収納されている。また、配線部材50は、開口68を通じて、カバー部材60の外に延び出ている。配線部材50が、ハウジング部材20からカバー部材60の内側に延び、カバー部材60の開口68を通じてカバー部材60の外に延び出ている。カバー部材60は、パネル82よりも車両の内側において、ハウジング部材20及び配線部材50の保護、具体的には、カバー部材60の内部への水や塵の侵入の抑制を行う。なお、本実施形態においては、2本の並列する配線部材50をそれぞれ覆うカバー部61が連結するカバー部材60が採用される。
【0026】
本開示において、車両の内外方向(車両の幅方向)が、ハウジング部材20がパネル82の貫通孔84を貫通する方向に平行な方向とされる。ハウジング部材20と外部充電コネクタとは、車両の内外方向に平行な方向に接続される。図1において、例えば、上下方向が鉛直方向である。
【0027】
図2は、ハウジング部材20およびカバー部材60を車両の内側から示す斜視図である。図3は、ハウジング部材20およびカバー部材60を車両の外側から示す斜視図である。図4は、ハウジング部材20に対して環状弾性部材51およびカバー部材60を組み付ける状態を示す説明図である。
【0028】
図4に示すように、充電インレット組立体10は、ハウジング部材20から引き出される配線部材50に対して環状弾性部材51が装着されて構成される。図4の矢印Aで示すように、環状弾性部材51は、ハウジング部材20における円筒支持部24の内周面24aと配線部材50との間に嵌め込まれる。このようにして、環状弾性部材51は、配線部材50に装着される。なお、環状弾性部材51の無負荷状態の外径は、円筒支持部24の内周面24aの径よりも大きい。環状弾性部材51が配線部材50に装着されるとき、環状弾性部材51が弾性変形しながら円筒支持部24の内周面24aと配線部材50との間に圧入される。このようにして、環状弾性部材51が圧縮状態で配線部材50に対して装着される。環状弾性部材51が配線部材50に装着されると、環状弾性部材51が円筒支持部24の内周面24aに対して密接する。これにより、環状弾性部材51と配線部材50との間、および環状弾性部材51と円筒支持部24との間への水や塵の侵入が抑制される。
【0029】
また、充電インレット組立体10は、環状弾性部材51が配線部材50に装着された後、図4の矢印Bで示すように、円筒支持部24に対してカバー部材60が嵌合される。このようにして、ハウジング部材20とカバー部材60とが固定される。カバー部材60は、後に詳細に説明する押え部70を備える。この押え部70により、環状弾性部材51が押され、環状弾性部材51の抜けが防止される。
【0030】
また、円筒支持部24の外周面24bには、後に説明するカバー部材60の係合溝71と係合する突起部46が形成されている。突起部46は、円筒支持部24の延設方向に沿って平板状に形成される。突起部46がカバー部材60の係合溝71に挿入されることにより、円筒支持部24に対するカバー部材60の周方向への回転が抑制される。
【0031】
<ハウジング部材20(ハウジング本体30およびリテーナ40)>
図5は、リテーナ40を上方から示す斜視図である。図6は、リテーナ40を下方から示す斜視図である。
【0032】
ハウジング部材20は、端子保持部22と、円筒支持部24とを有する。端子保持部22は、端子2を保持する(図1および図3参照)。また、円筒支持部24は、端子保持部22の延長上に位置する(図1参照)。円筒支持部24は、車両の内側方向に突出する。本実施形態においては、ハウジング部材20は、2つの端子保持部22を備える。2つの端子保持部22は、鉛直方向に水平な方向において並列する。なお、端子保持部22の数は2つに限定されない。例えば、2本の電力線と接続する端子2を保持するための端子保持部22と、複数本の信号線と接続する端子を保持するための端子保持部とが備えられてもよい。
【0033】
本実施形態においては、ハウジング部材20は、ハウジング本体30と、リテーナ40とを備える。ハウジング本体30およびリテーナ40は、例えば、樹脂製である。また、ハウジング本体30およびリテーナ40は、例えば、射出成形により形成される。ハウジング本体30は、パネル82に取り付けられるパネル取付部31と、端子2が挿入される端子保持部22と、端子保持部22の周囲を囲む周壁部33とを有するなお、本実施形態のように、ハウジング部材20がハウジング本体30とリテーナ40とを備える構成に限定されない。ハウジング本体30とリテーナ40との各構成を含む一体物のハウジング部材20であってもよい。
【0034】
パネル取付部31は、貫通孔84よりも大きい板状体で形成される。パネル取付部31の四隅にはネジ挿通穴31aが形成される。ネジ挿通穴31aに挿通されたネジがパネル82に羅合されることにより、ハウジング本体30とパネル82とが固定される。
【0035】
端子保持部22は、パネル取付部31から車両の内側および外側の両方に突出する。端子保持部22は、円筒状に形成される。端子保持部22は、車両の内外両方向に開口する。これにより、外部コネクタが充電インレット組立体10に挿入されるときに、端子保持部22に保持される端子2と外部コネクタとが接続される。また、端子保持部22に挿入される端子2を介して、外部コネクタと配線部材50とが電気的に接続される。
【0036】
周壁部33は、端子保持部22の周囲を円筒状に取り囲む。周壁部33の外周面上には、複数の突起部34が形成される。突起部34は、後に説明するリテーナ40の係合部43と係合する。これにより、ハウジング本体30とリテーナ40とが固定される。
【0037】
図2および図4に示すように、リテーナ40は、車両の内側からハウジング本体30に固定される。リテーナ40は、ハウジング本体係合部41と、円筒支持部24とを備える。
【0038】
ハウジング本体係合部41は、円筒状に形成される。ハウジング本体係合部41は、ハウジング本体30の周壁部33の外周に嵌合する。このような構成により、周壁部33とハウジング本体係合部41とで、端子保持部22の周囲が取り囲まれる。ハウジング本体係合部41は、外周面上に、周壁部33に形成される突起部34に係合する係合部43を備える。係合部43は、外周面の周方向に間隔をおいて車両の内外方向に延びる一対の脚部43aと、脚部43aの端部同士を繋ぐ連結部43bとを備える。脚部43aと連結部43bとに囲まれる空間に突起部34が係合することにより、ハウジング本体30とリテーナ40とが固定される。なお、樹脂により形成される脚部43aが弾性変形することにより、連結部43bが突起部34を乗り越えて、突起部34と係合部43とが係合される。
【0039】
円筒支持部24は、端子2に接続される配線部材50の一部の周囲を覆う。本実施形態においては、配線部材50は、端子2の長手方向と同一方向に、接続金具52を介して接続される。円筒支持部24には、配線部材50を引き出す引出口44と、円筒支持部24の周方向において内周面24aと外周面24bとを貫通する開口部45が形成される。円筒支持部24の内周面24aは、配線部材50の周方向の形状に適応した形状(配線部材50に沿った略円筒状)に形成される。本実施形態においては、円筒支持部24の内周面24aが、配線部材50に装着される環状弾性部材51と密接するように形成される。環状弾性部材51は、例えば、ゴム、柔軟な樹脂材料により形成される。環状弾性部材51は、配線部材50の振動を吸収する。また、円筒支持部24の内周面24aと環状弾性部材51とが密接することから、円筒支持部24と環状弾性部材51との間からの水や塵の侵入が抑制される。
【0040】
開口部45は、環状弾性部材51よりも端子2側の位置に形成される。このため、車両の外側から端子保持部22を介して円筒支持部24内に侵入する水が開口部45から排水される。本実施形態においては、開口部45の下部には、底面45aが配置される。開口部45は、円筒支持部24の外周面24bから外側に突出する平面により構成される。この平面は、水平な平面である。これにより、円筒支持部24の内周面24aに溜まった水が開口部45を介して円筒支持部24の外側に排水されながら、円筒支持部24の外側の水や塵は底面45aにより円筒支持部24の内側に侵入することが抑制される。なお、開口部45の底面45aは水平な平面で構成されることに限定されない。開口部45の底面45aが、外周面24bから円筒支持部24の外側方向に向かって徐々に下方に傾斜する平面により構成されてもよい。この場合には、円筒支持部24の内周面24aに溜まった水が傾斜する平面により速やかに外側に排出される。
【0041】
また、本実施形態においては、開口部45は、底面45aの他、上面45b、カバー部材側側面45cに囲まれる。またさらに、開口部45は、カバー受け部47にも囲まれる。つまり、開口部45は、底面45a、上面45b、カバー部材側側面45c、およびカバー受け部47に囲まれる。このように開口部45の周囲全体が面に囲まれることにより、開口部45の外側から内側への水や塵の侵入が抑制される。なお、上面45bおよびカバー部材側側面45cもまた平面である。また、カバー部材側側面45cは、底面45aの端縁と上面45bの端縁とを連結する平面である。
【0042】
円筒支持部24の外周面24bには、開口部45よりも車両の外側方向にカバー部材60を受けるカバー受け部47が形成される。カバー受け部47は、カバー部材60の係合部65の端縁(延出部65a)と当接する。カバー受け部47と係合部65の延出部65aとが当接することにより、リテーナ40とカバー部材60との隙間内への水や塵の侵入が抑制される。円筒支持部24とカバー部材60との間には、少なくとも底面45a、上面45b、カバー部材側側面45cのカバー部材60方向へ突出する分だけの隙間が形成される。また、この隙間の一部が後に説明する排水誘導路Pの一部を構成する。
【0043】
また、円筒支持部24の外周面24bには、開口部45よりも下方にカバー部材60の内側と当接する仕切り壁48も形成される。仕切り壁48は、仕切り壁48は、円筒支持部24の外周面24bからカバー部材60の内周面61aに至るまで延設される、仕切り壁48が円筒支持部24の外周面24bからカバー部材60の内周面61aまで仕切るので、水や塵が開口部45まで侵入することが抑制される。
【0044】
仕切り壁48は、例えば平板状に形成される。また、本実施形態においては、1つの仕切り壁48が形成されるが、2つ以上の複数の仕切り壁48が形成されてもよい。仕切り壁48は、例えば、カバー受け部47と連接される。仕切り壁48は、配線部材50の配線方向において、カバー部材60の端部までの間に隙間が形成される程度の長さで形成される。なお、カバー部材60との間での隙間の大きさは、例えば、円筒支持部24に溜まった水が円筒支持部24の内側から外側へ排出される程度である。また、カバー部材60との間での隙間の大きさは、例えば、円筒支持部24の外側から内側への水や塵の侵入が抑制される程度である。
【0045】
<カバー部材60>
図7は、カバー部材60を示す斜視図である。
【0046】
カバー部材60は、ハウジング部材20の一部(主に円筒支持部24)を車両の内側からカバーする。カバー部材60は例えば樹脂製である。カバー部材60は、2つのカバー部61を備える。2つのカバー部61は、連結部69により連結される。2つのカバー部61と連結部69とは同一の樹脂および同一の金型により形成される。それぞれのカバー部61は、円筒支持部24と環状弾性部材51とを覆う。カバー部61は、係合部65と、上部カバー部64と、下部カバー部66と、溝部62と、排水口67と、開口68と、押え部70と、係合溝71とを備える。なお、2つのカバー部61と連結部69とが同一の樹脂および同一の金型により形成される構成に限定されない。2つのカバー部61がそれぞれ別個に形成されてもよい。また、連結部69が備えられず、個々のカバー部61がそれぞれの円筒支持部24に係合される構成でもよい。
【0047】
係合部65は、カバー部材60の車両の外側方向の端縁に位置する。係合部65はカバー部材60の端縁から円筒支持部24の外周面方向に向かう延出部65aを有する。延出部65aの先端が円筒支持部24の外周面24bと当接することにより、ハウジング部材20とカバー部材60とが嵌合される。また、延出部65aは、円筒支持部24の延設方向に対して垂直な方向に延出する。延出部65aは、円筒支持部24のカバー受け部47と当接する。
【0048】
上部カバー部64は、円筒支持部24の上部をカバーする。上部カバー部64は、円筒支持部24の上部に沿った形状で形成される。上部カバー部64の内周面は、円筒支持部24の上部よりも大きい形状で形成される。上部カバー部64の内周面は、例えば円筒支持部24の上部の外周面と相似形状で形成される。上部カバー部64の端縁は、円筒支持部24の外周面方向へ延設される係合部65が円筒支持部24の上部に当接する。下部カバー部66は、円筒支持部24の下部において、2つの並列する円筒支持部24の互いに離間する側から互いに対向する側に向かうまでの間をカバーする。下部カバー部66には、互いに対向する側に排水口67が形成される。下部カバー部66は、排水口67に至るまで、円筒支持部24の周囲をカバーする。下部カバー部66は、円筒支持部24の下部に沿った形状であり、上部カバー部64よりもさらに大きい形状で形成される。下部カバー部66の内周面は、開口部45から排出される排水の排水誘導路として機能する。したがって、下部カバー部66の内周面と円筒支持部24の外周面との間に水が流れるのに十分な空間が形成される程度に、下部カバー部66の内周面の大きさが設定されることが好ましい。下部カバー部66に形成される係合溝71に突起部46が挿入される。これにより、ハウジング部材20に対してカバー部材60が回転することによる位置ずれが抑制される。
【0049】
溝部62は、下部カバー部66に円筒支持部24の延設方向に沿って形成される。溝部62は、円筒支持部24の外周面24bに形成される仕切り壁48と係合する。溝部62に仕切り壁48が嵌合することにより、仕切り壁48が円筒支持部24の外周面24bとカバー部材60の内周面63まで仕切ることができる。これにより、水や塵が開口部45まで侵入することが抑制される。
【0050】
排水口67は、開口部45よりも鉛直方向下方に位置する。排水口67は、カバー部材60の外側に開口する。本実施形態においては、排水口67は、カバー部材60の車両の内側を向く面にも開口している。また、排水口67は、対向する配線部材50側に形成される。これにより、排水口67からの排水が2本の並列する配線部材50の間に集まる。このため、カバー部材60の外側へ排水された後も、排水がまとまって流れる。また、排水口67が、対向する配線部材50側に形成され、排水誘導路Pが対向する配線部材50と離間する側に形成される。排水誘導路Pが対向する配線部材50側に形成される場合には、排水誘導路Pの配置される分だけ配線部材50同士の距離も離間する。これに対し、本実施形態においては、排水誘導路Pが対向する配線部材50と離間する側に配置されるので、その分だけ配線部材50同士の距離が近接する。したがって、連結部69が小型化できる。これにより、カバー部材60全体としても小型化できる。
【0051】
開口68は、カバー部材60の車両の内側を向く面に形成される。開口68は、配線部材50の径よりも大きい径で形成される。開口68から、配線部材50が延出される。開口68は、カバー部材60の円筒支持部24の延設方向において車両の内側に位置する端縁から延設される押え部70の先端によって形成される。
【0052】
押え部70は、配線部材50と円筒支持部24との間に配置される環状弾性部材51を車両の内側から押える。押え部70は、環状弾性部材51の車両の内側を向く端面を押える。押え部70は、環状弾性部材51の端面の全周を押える。このような押え部70により、配線部材50から環状弾性部材51の抜けが防止される。なお、押え部70が環状弾性部材51の端面の全周を押える構成に限定されない。押え部70は環状弾性部材51の端面の一部を押える構成であってもよい。
【0053】
係合溝71は、上述のとおり、突起部46と係合する。突起部46と係合溝71とが係合することにより、円筒支持部24に対するカバー部材60の周方向への回転が抑制される。
【0054】
<排水誘導路P>
図8は、リテーナ40とカバー部材60とを下方から示す斜視図である。図9は、カバー部材60を中心とした部分の平面拡大図である。図10は、カバー部材60を中心とした部分の側面拡大図である。図11は、充電インレット組立体10を車両の内側から示す概略図である。図9および図10においては、開口部45と排水口67との配置関係が示される。図8ないし図11において、排水誘導路Pの流路がともに図示される。図11においては、開口部45と排水口67との配置関係を示しており、環状弾性部材51等は省略する。
【0055】
充電インレット組立体10は、内側に侵入した水を外側に排水するための排水誘導路Pを有する。排水誘導路Pは、円筒支持部24の外周面24bの外側に位置する。また、排水誘導路Pは、開口部45と排水口67とを連接する。
【0056】
本実施形態においては、排水誘導路Pは、カバー部材60の内周面61aにより形成される。より詳細には、カバー部材60の下部カバー部66の内周面が排水誘導路Pとなる。排水誘導路Pは、円筒支持部24の外周面24bに沿った形状に形成される。排水誘導路Pは、開口部45と排水口67との間に配置される仕切り壁48により仕切られる。
【0057】
図9に示すように、開口部45と排水口67とは、鉛直方向からの平面視において、異なる位置に形成される。本実施形態においては、開口部45と排水口67とは、円筒支持部24の延設方向にも異なる位置に形成され、かつ、延設方向および鉛直方向に垂直な方向にも異なる位置に形成される。このため、開口部45と排水口67とが平面視において同じ位置に形成される場合よりも、排水誘導路Pが複雑となる。これにより、排水口67から侵入する水や塵が排水誘導路Pを通過して開口部45にまで到達することが抑制される。なお、本実施形態においては、開口部45と排水口67とは、円筒支持部24の延設方向に、延設方向および鉛直方向に垂直な方向にも異なる位置に形成されるが、これに限定されない。開口部45と排水口67とは、円筒支持部24の延設方向、または、延設方向および鉛直方向に垂直な方向、のいずれか一方に異なる位置に形成されてもよい。
【0058】
また、本実施形態においては、図10に示すように、開口部45と排水口67とは、鉛直方向にも異なる位置に形成される。このため、排水口67から侵入する水や塵が開口部45に到達するためには鉛直上方に逆流することを要する。水や塵が鉛直上方に逆流することは困難である。したがって、このように開口部45と排水口67とが鉛直方向にも異なる位置に形成されることにより、水や塵が排水誘導路Pを通過して開口部45まで到達することがさらに抑制される。
【0059】
また、図9および図10に示すように、本実施形態においては、開口部45と排水口67との間に、仕切り壁48が備えられる。排水誘導路Pは、開口部45と排水口67との間に配置される仕切り壁48により仕切られる。
【0060】
図11に示すように、排水は、まず、開口部45からカバー部材60の内周面61aに沿って誘導される。その後、排水は、仕切り壁48により仕切り壁48を迂回するように誘導される。仕切り壁48は、上述のとおり、カバー受け部47まで延設されているため、排水は排水口67方向へ誘導される。仕切り壁48を迂回した排水は、排水口67へと誘導される。このようにして、排水がカバー部材60の外側へ排水される。
【0061】
上述の排水とは逆に、排水口67から侵入する水や塵は、まず、仕切り壁48により仕切り壁48よりも開口部45側への侵入を阻止される。仮に仕切り壁48を迂回して、仕切り壁48よりも開口部45側へ侵入する水や塵があったとしても、排水口67と平面視において異なる位置に配置される開口部45に到達するまでに距離を有する。また、排水溝67と開口部45とは鉛直方向にも異なる位置に配置される。このため、開口部45に到達するために、水や塵は上述の距離のある排水誘導路Pを鉛直上方へ逆流することを要する。さらに、このような逆流を達成した水や塵があったとしても、開口部45の底面45aおよびカバー部材側側面45cにより、水や塵の開口部45への侵入が阻止される。
【0062】
<効果等>
以上のように構成された充電インレット組立体10によると、車両に搭載される充電インレット組立体10であって、端子2と、端子2に接続される配線部材50と、配線部材50に装着される環状弾性部材51と、端子2を保持する端子保持部22と、配線部材50に装着される環状弾性部材51を周方向から保持する円筒支持部24と、を有するハウジング部材20と、ハウジング部材に固定され、配線部材50および環状弾性部材51を車両の内側からカバーするカバー部材60と、を備え、円筒支持部24には、円筒支持部24の内周面24aと外周面24bとを貫通する開口部45が形成され、開口部45は環状弾性部材51よりも端子2側の位置に形成され、カバー部材60は、開口部45よりも鉛直方向下方に位置し、カバー部材60の内周面61aと外周面61bとを貫通する排水口67と、円筒支持部24の外周面24bの外側に位置し、開口部45と排水口67とを連接する排水誘導路Pと、を有し、開口部45と排水口67とは、鉛直方向からの平面視において、異なる位置に形成される。
【0063】
このように、開口部45と排水口67とは、鉛直方向からの平面視において、異なる位置に形成されるので、同じ位置に形成される場合と比較して、排水誘導路Pの距離が延びる。また、排水口67は開口部45よりも鉛直方向下方に位置することにより、開口部45から排水口67への良好な排水性が維持される。さらに、排水口67から侵入する水や塵が開口部45に到達するためには、鉛直上方へ逆流しなければならず、水や塵が開口部45に到達することは困難である。これにより、排水口67から開口部45への水や塵の侵入が抑制される。また、このように、排水誘導路Pにより開口部45への水や塵の到達を抑制する構成は、ゴムリングなどで覆うなどの防水防塵構造が採用困難なプレス加工製の端子2が採用される場合に特に有効である。さらに、このように開口部45および排水口67が設けられることにより、端子2や端子保持部22に水が溜まることが抑制される。これにより、端子2同士の絶縁性能が損なわれることが抑制される。
【0064】
また、開口部45の底面45aは、円筒支持部24の外周面24bから外側に突出する方向に向かって水平の平面により構成される。このように、底面45aが水平の平面であるので、良好な排水性が維持されつつ、排水口67から開口部45への水や塵の侵入が抑制される。
【0065】
また、排水誘導路Pは、円筒支持部24の外周面24bに沿った形状に形成される。これにより、排水誘導路Pの距離が延びて水や塵が逆流し難い構成でありながら、カバー部材60が小型化可能である。また、排水誘導路Pが円筒支持部24の外周面24bに沿った形状であるので、開口部45から排水口67まで良好な排水性が維持される。
【0066】
また、排水誘導路Pは、開口部45と排水口67との間に配置される仕切り壁48により仕切られる。このように、開口部45と排水口67との間に仕切り壁48が配置されることから、排水口67から侵入する水や塵の仕切り壁48よりも開口部45側への侵入が抑制される。これにより、排水口67から開口部45への水や塵の侵入が抑制される。
【0067】
また、仕切り壁48は、円筒支持部24の外周面24bからカバー部材60の内周面61aに至るまで延設される。これにより、円筒支持部24からカバー部材60まで円筒支持部24の径方向に形成される隙間が小さくなる。したがって、円筒支持部24とカバー部材60との間を効果的に仕切る。これにより、排水口67から開口部45への水や塵の侵入が効果的に抑制される。
【0068】
また、配線部材50は、並列する2本であり、排水口67は、対向する配線部材50側に形成される。このように、排水口67が対向する配線部材50側に形成されるので、2つの排水口67が互いに近接する。これにより、2つの排水口67からの排水がカバー部材60の中央部に集まる。このため、カバー部材60の外側へ排水された後も、排水がまとまって流れる。また、排水口67が、対向する配線部材50側に形成され、排水誘導路Pが対向する配線部材50と離間する側に形成される。排水誘導路Pが対向する配線部材50側に形成される場合には、排水誘導路Pの配置される分だけ配線部材50同士の距離も離間する。これに対し、本実施形態においては、排水誘導路Pが対向する配線部材50と離間する側に配置されるので、その分だけ配線部材50同士の距離が近接する。したがって、連結部69が小型化できる。これにより、カバー部材60全体としても小型化できる。
【0069】
また、カバー部材60は、樹脂製である。このように、カバー部材60がゴム等よりも低弾性の樹脂製であるので、弾性変形し難い。このため、カバー部材60の円筒支持部24との当接部分での、カバー部材60と円筒支持部24との間の密接性が低い。このような樹脂製のカバー部材60であっても、複雑化された排水経路を有することから、カバー部材60と円筒支持部24との間への水や塵の侵入が抑制される。また、カバー部材60がゴム等の高弾性の材料により形成される場合、ハウジング部材20との結合部の密接性を高めるために結合部が引き延ばされながら係合する。これに対し、低弾性の樹脂製のカバー部材60が低弾性の樹脂製の場合、ハウジング部材20との結合部が引き延ばされることなく係合可能であるので、ハウジング部材20との係合作業性が高まる。
【0070】
<変形例>
図12は、変形例の充電インレット組立体10を車両の内側から示す概略図である。図12において、図11と同様に、排水誘導路Pの流路がともに図示される。また、図12においては図11と同様に、開口部45と排水口67との配置関係を示しており、環状弾性部材51等は省略する。
【0071】
図12に示す充電インレット組立体10の円筒支持部224の底面245aは、円筒支持部224の外周面224bから外側に突出する方向に向かって、徐々に下方に傾斜する平面である。
【0072】
このような底面245aによっても、開口部245から排水口67への良好な排水性が維持されつつ、排水口67から開口部245への水や塵の侵入が抑制される。
【0073】
また、上述の仕切り壁48は、円筒支持部24の外周面24bに形成される構成であるが、このような構成に限定されない。仕切り壁48がカバー部材60の内周面61aに形成されてもよい。
【0074】
なお、上記実施形態および変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜変更されることができる。
【符号の説明】
【0075】
2 端子
10 充電インレット組立体
20 ハウジング部材
22 端子保持部
24 円筒支持部
24a 内周面
24b 外周面
30 ハウジング本体
31 パネル取付部
31a ネジ挿通穴
33 周壁部
34 突起部
40 リテーナ
41 ハウジング本体係合部
43 係合部
43a 脚部
43b 連結部
44 引出口
45 開口部
45a 底面
45b 上面
45c カバー部材側側面
46 突起部
47 カバー受け部
48 仕切り壁
50 配線部材
51 環状弾性部材
52 接続金具
60 カバー部材
61 カバー部
61a 内周面
61b 外周面
62 溝部
63 内周面
64 上部カバー部
65 係合部
65a 延出部
66 下部カバー部
67 排水口
68 開口
69 連結部
70 押え部
71 係合溝
80 インレット取付部
82 パネル
84 貫通孔
224 円筒支持部
224b 外周面
245 開口部
245a 底面
A 矢印
B 矢印
P 排水誘導路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12