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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118189
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】流路切替機構および陰陽圧切替装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20240823BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20240823BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
F24F13/02 D
F24F7/06 C
F24F13/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024476
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】508322026
【氏名又は名称】妹川建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】妹川 一郎
(72)【発明者】
【氏名】妹川 信宏
【テーマコード(参考)】
3L058
3L080
3L081
【Fターム(参考)】
3L058BE08
3L058BG01
3L058BG03
3L080AA02
3L080AA03
3L080AA04
3L081AB02
3L081DA01
3L081HA08
(57)【要約】
【課題】省スペース化および簡易な構成を実現した流路切替機構、およびそれを用いた陰陽圧切替装置を提供する。
【解決手段】流路切替機構1は、複数の給気口11および複数の排気口12を有する筐体10と、筐体10内に設けられる隔壁30であり、筐体10内の空間を上下に、第1空間31と第2空間32とに仕切る隔壁30と、筐体10内に、開口する底面が給気口11または/および排気口12と接続するように設けられる円柱状または円錐状の中空の切り替え弁20であり、側面に空気が通過する開口部分21を備えた切り替え弁20とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給気口および複数の排気口を有する筐体と、
前記筐体内に設けられる隔壁であり、前記筐体内の空間を上下に、第1空間と第2空間とに仕切る隔壁と、
前記筐体内に、開口する底面が前記給気口または/および前記排気口と接続するように設けられる円柱状または円錐状の中空の切り替え弁であり、側面に空気が通過する開口部分を備えた切り替え弁とを含む流路切替機構。
【請求項2】
前記切り替え弁は、側面に前記隔壁と当接する止板を備え、軸方向を中心に回転することにより、前記開口部分のある位置が前記第1空間側または前記第2空間側に切り替わる請求項1に記載の流路切替機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載の流路切替機構を備え、
前記隔壁に設けられるフィルターと、
前記筐体内に設けられるファンとを有する陰陽圧切替装置。
【請求項4】
複数の前記給気口から流入し前記フィルターを通過した空気が、複数の前記排気口により多方向へ分岐して流出される請求項3に記載の陰陽圧切替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路切替機構およびこれを用いた陰陽圧切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の空調環境を適切に保つために空調風路等における空気の流れる方向を変える技術として、例えば、特許文献1,2に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、送風機回転方向を切り替えずに、小さなスペースで送風方向を切替えることを目的とした給排気口切替えユニットが記載されている。
この給排気口切替えユニットは、一部空間を隔壁に直交する仕切板で第一給排気口側と第二給排気口側とに隔絶し、仕切板によって隔絶された一部空間内に、仕切板を挟む一対のダンパを、一部空間に面する隔壁の縁部に揺動自在に取り付けている。また、一対のダンパのそれぞれを互いに反する方向に揺動させるダンパ用電動機を一対のダンパに連接し、一対のダンパが互いに反する方向に揺動することによって、第一チャンバーと第一給排気口とが通じている際には第二チャンバーと第二給排気口が通じ、第一チャンバーと第二給排気口とが通じている際には第二チャンバーと第一給排気口が通じるように構成されている。
【0004】
一方、特許文献2には、空調機器の流路切替装置が記載されている。
この空調機器の流路切替装置は、吹出口に接続されたダクト(4)を有しており、ダクトは、流路の途中から複数の流路に分岐された分岐ダクト(4a,4b)を有している(特許文献2の図1参照)。そして、ダクトの分岐点には、複数のルーバー(9A,9B)が異なる角度で並列に設けられており、この複数のルーバー(9A,9B)をモータ(11)で回動(回転)させて、流路の切替を行っている(特許文献2の図1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-300354号公報
【特許文献2】実開昭59-029644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、空調風路等における空気の流れる方向を変える技術において求められているものは、省スペース化であったり、簡易な構成だったりする。そうすると、特許文献1に記載の給排気口切替えユニットは、ダンパ用電動機を用いて給排気口を切り替えるものであるため、給電が必要になる、騒音が発生する、複雑な構成となる、などといった課題がある。また、特許文献2に記載の空調機器の流路切替装置も、ダクト内に複数のルーバーが異なる角度で並列に設けられている複雑な構成となっており、かつモータを用いるものであるため、上記課題に加えて、省スペース化を図ることは難しい。
【0007】
よって、本発明は、省スペース化および簡易な構成を実現した流路切替機構、およびそれを用いた陰陽圧切替装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る流路切替機構は、複数の給気口および複数の排気口を有する筐体と、筐体内に設けられる隔壁であり、筐体内の空間を上下に、第1空間と第2空間とに仕切る隔壁と、筐体内に、開口する底面が給気口または/および排気口と接続するように設けられる円柱状または円錐状の中空の切り替え弁であり、側面に空気が通過する開口部分を備えた切り替え弁とを含む。
これにより、給気口から流入した空気は、当該給気口と接続される切り替え弁の底面から側面に設けられた開口部分を介して、第1空間または第2空間へと流れる。そして、第1空間または第2空間に流れ込んだ空気は、排気口と接続される切り替え弁の側面に設けられた開口部分から底面を介して、当該排気口から排出される。
【0009】
また、切り替え弁は、側面に隔壁と当接する止板を備え、軸方向を中心に回転することにより、開口部分のある位置が第1空間側または第2空間側に切り替わる構成であることが望ましい。
これにより、切り替え弁を回転させることで、当該切り替え弁の開口部分が第1空間側に位置するか、第2空間側に位置するかを変えることができるため、給気口として使っていた口を排気口に変えたり、排気口として使っていた口を給気口に変えたりすることができる。
【0010】
なお、本発明に係る陰陽圧切替装置は、前述した流路切替機構を備え、隔壁に設けられるフィルターと、筐体内に設けられるファンとを有する。
特に、陰陽圧切替装置は、複数の給気口から流入しフィルターを通過した空気が、複数の排気口により多方向へ分岐して流出される構成であることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る流路切替機構は、かかる構成により、給気口から流入した空気は、当該給気口と接続される切り替え弁の底面から側面に設けられた開口部分を介して、第1空間または第2空間へと流れる。そして、第1空間または第2空間に流れ込んだ空気は、排気口と接続される切り替え弁の側面に設けられた開口部分から底面を介して、当該排気口から排出される。よって、例えば冷たい空気であれば、第一空間(上)に空気を流入させて第二空間(下)から当該空気が排出されるように、空調機(ダクト)と複数の給気口との接続構成を実現することができる。また、例えば暖かい空気であれば、その逆の構成とすることができる。
【0012】
また、切り替え弁は、側面に隔壁と当接する止板を備え、軸方向を中心に回転することにより、開口部分のある位置が第1空間側または第2空間側に切り替わる構成にすることによって、切り替え弁を回転させることで、当該切り替え弁の開口部分が第1空間側に位置するか、第2空間側に位置するかを変えることができるため、給気口として使っていた口を排気口に変えたり、排気口として使っていた口を給気口に変えたりすることができる。よって、切り替え弁を回転させるという簡易な操作で、筐体内へ流入した空気の排出先や筐体内へ流入する空気の流入元を任意に切り替えることができる。
【0013】
なお、本発明に係る陰陽圧切替装置によれば、後述するように、例えば病院など陽圧が求められる部屋と陰圧が求められる部屋が存在する施設において、有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る流路切替機構の概略構成図であり、(A)は全体図、(B)は一部拡大図である。
図2】本発明の実施の形態に係る切り替え弁を説明するための図である。
図3】本発明の別の実施の形態に係る流路切替機構の概略構成図である。
図4】本発明の別の実施の形態に係る流路切替機構の概略構成図である。
図5】本発明の実施の形態に係る陰陽圧切替装置の概略構成図である。
図6】本発明の実施の形態に係る陰陽圧切替装置の動作を説明するための図である。
図7】本発明の実施の形態に係る陰陽圧切替装置の設置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の内容に限定されない。
【0016】
[流路切替機構]
図1は、本発明の実施の形態に係る流路切替機構の概略構成図であり、(A)はその全体図、(B)は図1の破線四角枠部分の一部拡大図である。
図1に示すように、流路切替機構1は、複数の給気口11および複数の排気口12を有する筐体10を含む。筐体10は直方体であり、高さは、天井裏の梁や床下などに収まるようなサイズ(例えば100mm~700mm程度)であることが望ましい。
【0017】
給気口11の先には、ダクト(フレキシブルダクト)を介して、流入する空気を送り出す空調機やAC(エアーコンディショナー)などが繋がれる。また、排気口12の先は、排出した空気の送り出し先が選択され、ダクトを介して屋内排気されたり、屋外排気されたりする。
【0018】
また、筐体10内には、隔壁(上下仕切り板)30が設けられている。隔壁30は、筐体10内の空間を上下に(第1空間31と第2空間32とに)仕切るものである(図1(B)参照)。
【0019】
さらに、筐体10内には、給気口11や排気口12と接続するように、切り替え弁20が設けられている。筐体10や切り替え弁20は、鉄やアルミニウムなどといった金属製、または樹脂製のものである。
なお、図2は、本発明の実施の形態に係る切り替え弁を説明するための図である。以下、図1,2を用いて切り替え弁20について説明する。
【0020】
切り替え弁20は、軸方向に伸びる円柱状または円錐状の中空のものである。そして、切り替え弁20は、その形状が円柱状である場合は両方の底面が開口しており、円錐状である場合は底面が開口している。さらに、切り替え弁20は、その側面に空気が通過する開口部分21を備えている。
ここで、図1(B)は、切り替え弁20が円柱状の形状である例を示している。この例に基づいて説明すると、円柱状の側面の一部(本実施の形態においては、半分(180度))が開いている(側面が無い)構造となっている。そして、その他の部分は側面が残っている。以下、この部分を側面部分22と言う。
【0021】
また、図1(B)に示すように、切り替え弁20は、側面に、隔壁30と当接する止板20Sを備えている。この止板20Sが隔壁30と当接することにより、切り替え弁20の開口部分21は第1空間31側に位置することになる。一方、側面部分22は第2空間32側に位置することになる。
そのため、図1(B)に示す給気口11から流入した空気は、開口部分21があるため第1空間へは流れるが、側面部分22があるため第2空間32へは流れない。
【0022】
ここで、図1(A)に示すように、筐体10は複数の給気口11および複数の排気口12を有しており、それぞれに切り替え弁20が設けられている。そして、排気口12と接続する切り替え弁20には、図1(B)に示す切り替え弁20とは反対の構成、つまり開口部分21が第2空間32側に位置しており、側面部分22が第1空間31に位置しているものがある。そのため、第1空間31にある空気が、切り替え弁20の開口した底面(図1(A)の破線丸枠参照)から第2空間32へ移動し、このような構成(開口部分21が第2空間32側に位置しており、側面部分22が第1空間31に位置している構成)の切り替え弁20が接続されている排気口12から、空気が排出される。
【0023】
なお、切り替え弁20は、その形状が円柱状または円錐状であるため、軸方向を中心に回転することができる(図1(B)参照)。そのため、切り替え弁20を、軸方法を中心に180度回転させることで、開口部分21のある位置を、第2空間32側に切り替えることができる。
【0024】
このような切り替えは、手動や自動(例えば、モーターなど)で行うことができる。また、切り替え弁20と隔壁30を溶接したり、切り替え弁20と隔壁30を一体成型したりすることにより、開口部分21や側面部分22のある位置を固定させることもできる。
【0025】
また、切り替え弁20の構成は、適宜設計変更可能である。例えば、切り替え弁20の形状が円柱状である場合、図1(A)に示す流路切替機構1の中央部分にある給気口11と排気口12が向かい合って位置しているような構成の場合、図2(A)に示すように、給気口11に接続される切り替え弁20と排気口12に接続される切り替え弁20とを一体成型することができる。
【0026】
さらに、図2(B)に示すように、切り替え弁20の開口部分21や側面部分22の形状や面積などは適宜変えることができる。その他、図2(C)に示すように、切り替え弁20の形状が円錐状である場合、向かい合って設けられる切り替え弁20同士を一体成型することができたり、図2(D)に示すように、止板12Sの形状や面積なども適宜変えたりすることができる。
【0027】
特に、切り替え弁20の形状が円錐状である場合、筐体10内を流れる空気の抵抗を減らすことができる。筐体10内を流れる空気の抵抗(要するに、障害物)が減ることで、流路切替機構1は、流出した空気をスムーズに排出することができる。
【0028】
[別の実施の形態]
図3,4は、本発明の別の実施の形態に係る流路切替機構の概略構成図である。なお、図3,4において、実線矢印は筐体10の上側(第1空間31)を流れる空気を示しており、破線矢印は筐体10の下側(第2空間32)を流れる空気を示している。
【0029】
図3に示すように、流路切替機構1は、給気口11や排気口12の一部に切り替え弁20を設けない構成とすることもできる。また、図1に示す例と比較しても分かるように、流路切替機構1は、給気口11や排気口12の数や比率、および切り替え弁20の形状などを適宜設計変更することができる。また、用途に応じて、筐体10内や切り替え弁20内には逆流防止弁を設けることもできる。
【0030】
また、図4に示すように、給気口11や排気口12の出入口が向かい合っていない構成(切り替え弁20同士が一体成型されておらず、単独で設けられている構成)とすることもできる。
【0031】
図4に示すような構成にすると、流れる空気を示す矢印からも分かるように、筐体10内(第1空間31、第2空間32)を流れる空気の抵抗を減らすことができる。
【0032】
このように、本発明の流路切替機構1は、簡易な構成で、天井裏の梁や床下などに収まる程度の省スペース化を実現し得るものである。そして、複数の給気口11のうち、任意の給気口11で取り入れた空気を任意の排気口12から排出することができるため、本発明の流路切替機構1が利用される部屋や建物などが求める空調環境に合うように、流路を形成することができる。
【0033】
特に、切り替え弁20を回転させることで、当該切り替え弁20の開口部分21が第1空間31側に位置するか、第2空間32側に位置するかを変えることができるため、給気口を排気口に変えたり、排気口を給気口に変えたりすること(切り替えること)ができる。よって、ある給気口に取り付けられたダクトから流入する空気を、任意の排気口へ(その排気口に繋がっているダクトの先へ)送り出すことができ、かつ、送り出し先を切り替えることができる。
【0034】
なお、本発明の流路切替機構1(筐体10)は、天井裏の梁や床下などに収めることができるように設計することができ、横置き可能な構成の他、縦置き可能な構成とすることもできる。
【0035】
[陰陽圧切替装置]
図5は、本発明の実施の形態に係る陰陽圧切替装置の概略構成図である。具体的には、図5(A)は、陰陽圧切替装置100の内部構成を説明するための概略斜視図であり、図5(B)は、陰陽圧切替装置100を概略断面図であり、空気の流れを説明するために矢印を付した図である。
図5に示すように、陰陽圧切替装置100は、流路切替機構1を備えており、かつ、隔壁30に設けられるフィルター110と、筐体10内に設けられるファン120とを有する。
【0036】
フィルター110は、例えば、エアフィルターである。フィルター110として、HEPAフィルターを採用すれば、空気中の0.3μm以上の粒子を捕集することができ、取り入れた空気を清浄することができる。
【0037】
また、図5に示すように、フィルター110は給気口に直接面しておらず、給気口から流入した空気が直接当たることはない。そのため、フィルター110の前(向かい合う面)に紫外線照射装置(図示せず)を設け、この紫外線照射装置からフィルター110に紫外線を照射して、菌やウイルスをさらに抑制することができる。
【0038】
なお、ファン120を設けることで、外部からの吸気および外部への排気を実現させ、かつ促進させることができる。
【0039】
図5(B)に示すように、給気口(図示せず)から切り替え弁20を介して流入した空気は、筐体10の上(第1空間31)からフィルター110を通って、筐体10の下(第2空間32)へ移動する。そして、空気は、第2空間32から切り替え弁20を介して排気口(図示せず)から排出される。
【0040】
また、図6は、本発明の実施の形態に係る陰陽圧切替装置の動作を説明するための図である。
図6に示すように、流路切替機構1により流入する空気の入口(給気口)と、流出する空気(フィルター110を通過した空気)の出口(排気口)を切り替えることができる。
【0041】
例えば、病院の手術室の空調は、清浄度の高い環境を維持し、術後感染を回避するための空間を作ることを目的としている。そのため、塵埃の流入防止目的に、手術室の気圧は陽圧(2.5Pa以上)に保たれている。
よって、本発明の陰陽圧切替装置100によれば、手術室内の気圧を屋外(手術室外)の気圧よりも高い状態にする必要があるため、給気口より手術室外の空気を取り入れて、フィルター110により清浄度を高めて、排気口より手術室内に送り出すことができる。
【0042】
その他、例えば同じ病院内においても、感染症対策が必要とされる部屋(例えば、陰圧感染隔離室)は陰圧であることが求められていたり、免疫の弱い患者(白血病や火傷など)の病室は、室内を陽圧にすることが求められていたりする。
【0043】
なお、図7は、本発明の実施の形態に係る陰陽圧切替装置の設置例を示す図である。
図7に示すように、給気口から流入してフィルター110を通過した空気が、複数の排気口により多方向へ分岐して流出させることができるため、陰陽圧切替装置100は、病院、老人ホーム、動物実験施設、災害時に設けられる医療施設や自衛隊が野営するテントなど、利用される施設が求める空調環境に合うべく、多種多様な構成とすることができる。
【0044】
さらに、陰陽圧切替装置100は、ユニット化して外置き装置として用いることができる他、天井裏、床下、または壁などに隠して設置するような使い方もすることができる。
【0045】
以上のように説明した流路切替機構の実施の形態はあくまで一例であり、例えば、本実施の形態において筐体10の形状は直方体であるが、それ以外の形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、本発明は、省スペース化および簡易な構成を実現した流路切替機構、およびそれを用いた陰陽圧切替装置として、病院など様々な施設で利用できるものであるため、産業上有用である。
【符号の説明】
【0047】
1 流路切替機構
10 筐体
11 給気口
12 排気口
20 切り替え弁
21 開口部分
22 側面部分
30 隔壁(上下仕切り板)
100 陰陽圧切替装置
110 フィルター
120 ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7