(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118202
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】充放電管理装置、充放電管理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240823BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20240823BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240823BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J7/34 J
H02J7/00 P
H02J13/00 301A
H02J13/00 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024502
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】500395897
【氏名又は名称】株式会社電巧社
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 勉
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064CB12
5G064DA11
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA05
5G503FA06
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】電力の融通を適切に行うことができる充放電管理装置を提供する。
【解決手段】充放電管理装置2は、所定の蓄電池を備える車両3が駐車可能な場所にかかるサーバである。この充放電管理装置2は、所定の場所に駐車した車両3について、少なくとも車両3が所定の場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、車両3が、次の移動が完了するまでに必要とする蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する充放電条件情報取得部31と、所定の場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する系統電力供給状態情報取得部35と、所定の場所に設置された固有発電設備7の発電状態情報を取得する発電状態情報取得部36と、充放電条件情報と、系統電力供給状態情報と、発電状態情報と、に基づいて、車両3が次に移動する時間までの蓄電池の充放電設定を出力する充放電設定出力部38と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の蓄電池を備える車両が駐車可能な場所にかかる充放電管理装置であって、
前記場所に駐車した前記車両について、少なくとも前記車両が前記場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、前記車両が、次の移動が完了するまでに必要とする前記蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する充放電条件情報取得手段と、
前記場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する系統電力供給状態情報取得手段と、
前記場所に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する発電状態情報取得手段と、
前記充放電条件情報と、前記系統電力供給状態情報と、前記発電状態情報と、に基づいて、前記車両が次に移動する時間までの前記蓄電池の充放電設定を出力する充放電設定出力手段と、を備える
充放電管理装置。
【請求項2】
前記充放電設定出力手段は、所定期間に駐車する複数の車両の前記充放電条件情報に基づいて、前記複数の車両の前記所定期間における前記充放電設定を出力する
請求項1に記載の充放電管理装置。
【請求項3】
前記充放電条件情報の変更を受け付ける充放電条件情報変更受付手段をさらに備え、
前記充放電設定出力手段は、変更後の前記充放電条件情報に基づいて前記充放電設定を出力する
請求項1に記載の充放電管理装置。
【請求項4】
前記充放電設定に基づく前記蓄電池の充放電記録を所定の記憶環境に出力する充放電記録出力手段をさらに備える
請求項1に記載の充放電管理装置。
【請求項5】
前記充放電条件情報取得手段は、前記蓄電池が充放電する場合の電力料金条件情報を含む前記充放電条件情報を取得し、
前記充放電設定出力手段は、前記電力料金条件情報に基づいて前記充放電設定を出力する
請求項1に記載の充放電管理装置。
【請求項6】
所定の蓄電池を備える車両が駐車可能な場所にかかる充放電管理方法であって、
前記場所に駐車した前記車両について、少なくとも前記車両が前記場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、前記車両が、次の移動が完了するまでに必要とする前記蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する充放電条件情報取得ステップと、
前記場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する系統電力供給状態情報取得ステップと、
前記場所に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する発電状態情報取得ステップと、
前記充放電条件情報と、前記系統電力供給状態情報と、前記発電状態情報と、に基づいて、前記車両が次に移動する時間までの前記蓄電池の充放電設定を出力する充放電設定出力ステップと、
を有する充放電管理方法。
【請求項7】
所定の蓄電池を備える車両が駐車可能な場所にかかる放充電管理装置を制御するコンピュータに、
前記場所に駐車した前記車両について、少なくとも前記車両が前記場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、前記車両が、次の移動が完了するまでに必要とする前記蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する充放電条件情報取得ステップと、
前記場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する系統電力供給状態情報取得ステップと、
前記場所に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する発電状態情報取得ステップと、
前記充放電条件情報と、前記系統電力供給状態情報と、前記発電状態情報と、に基づいて、前記車両が次に移動する時間までの前記蓄電池の充放電設定を出力する充放電設定出力ステップと、
を含む制御処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電管理装置、充放電管理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電池を適切に制御する技術が開示されている。例えば、特許文献1には、制御可能な蓄電池が頻繁かつ不確定に入れ替わり得る状況下でも、当該蓄電池を確実性高く利用することができる電力供給システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術にあっては、駐車場等の所定の場所に設置された太陽光発電等の固有の発電設備からの電力も加味して送配電網への逆潮流等の電力の融通することは実現できていなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、電力の融通を適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
所定の蓄電池を備える車両が駐車可能な場所にかかる充放電管理装置であって、
前記場所に駐車した前記車両について、少なくとも前記車両が前記場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、前記車両が、次の移動が完了するまでに必要とする前記蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する充放電条件情報取得手段と、
前記場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する系統電力供給状態情報取得手段と、
前記場所に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する発電状態情報取得手段と、
前記充放電条件情報と、前記系統電力供給状態情報と、前記発電状態情報と、に基づいて、前記車両が次に移動する時間までの前記蓄電池の充放電設定を出力する充放電設定出力手段と、を備える充放電管理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の充放電管理装置によれば、電力の融通を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】充放電管理システムの基本概念であるスマートグリッドの概略図である。
【
図2】充放電管理システムにおける情報及び充放電の管理を説明する概念図である。
【
図3】充放電管理システムの運用を説明する概念図である。
【
図5】充放電管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】充放電管理装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】充放電管理システムにおける充放電管理の動作を示すフローチャートである
【
図8】コントロールパネルを示す図であり、(A)はスタート表示を示し、(B)は常時利用する駐車場における駐車時の操作表示を示す。
【
図9】コントロールパネルを示す図であり、(A)は初めて利用する駐車場における駐車時の操作表示を示し、(B)は駐車時の確認表示を示す。
【
図10】コントロールパネルを示す図であり、(A)は出庫時の確認表示を示し、(B)は天候不順が予想される場合の確認表示を示す。
【
図11】コントロールパネルを示す図であり、(A)は電力逼迫が予想される場合の確認表示を示し、(B)は災害対策への協力依頼の確認表示を示す。
【
図12】充放電管理装置における各ステークホルダ向けインセンティブを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<概要>
本実施形態では、蓄電池を備える車両を用いて、固有の発電設備から供給された電力を一時的に蓄電する一方、複数の蓄電池間で電力を融通させることにより、発電された電力を効率よく蓄電することを可能とした充放電管理装置について説明する。
【0010】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る充放電管理装置を含む充放電管理システム1について詳細に説明する。
まず、
図1を用いて、充放電管理システム1の基本概念であるスマートグリッドについて説明する。
図1は、充放電管理システム1の基本概念であるスマートグリッドの概略図である。なお、
図1において、電気の流れを実線で示し、ガスの流れを破線で示す。
【0011】
スマートグリッドとは、供給者側の発送電グリッドと、需要者側の配電グリッドと、の双方から制御される次世代電力網を構成した電力供給システムのことである。
図1に示すように、発送電グリッドは、原子力発電所、水力発電所、火力発電所、ウインドファーム、メガソーラ、大規模工場などから構成される。配電グリッドは、熱電併給コジェネレーション、ショッピングセンターやコンビニエンスストアなどの店舗、戸建住戸(屋根置き太陽光+EV)、平面式駐車場、ビルなどの地下駐車場などから構成される。
熱電併給コジェネレーションとは、都市ガスやバイオガスなどを利用してエンジンなどで発電し、その際に生じる熱を回収するシステムであり、熱電併給コジェネレーションで回収された熱は、地域で共有される。なお、欧米では、地域新電力である配電事業者が配電グリッドを担当することで地産地消を行う事例が増加している。
【0012】
次に、
図2を用いて、充放電管理システム1におけるデータ及び充放電の管理について説明する。
図2は、充放電管理システム1における情報及び充放電の管理を説明する概念図である。
【0013】
図2に示すように、充放電管理システム1は、V2Gサービスセンタにより充放電情報及び利用者情報を管理し、V2G中央管理・企画センタにより充放電を管理する。V2Gサービスセンタは、コールセンタ、EV車の現在位置案内、V2G駐車場場所案内、サービス指令、メンテナンス提案、省エネ運転提案、運転指令センタ等の各機能を有しており、利用者情報及び充電情報を利用者に提供する。V2G中央管理・企画センタは、利用状況リアルタイム監視、短期(現在~5日)電力需給予測、VPP,DRコーディネートセンタ、短期~長期電源確保等の各機能を有しており、上記配電グリッドにおける充放電を管理する。また、V2Gサービスセンタ及びV2G中央管理・企画センタは、エネルギークラウド、EV発電・発電クラウドサービスに接続し、充放電情報、利用者情報及び充放電情報を管理する。さらに、V2Gサービスセンタ及びV2G中央管理・企画センタは相互に情報を交換することもできる。
【0014】
次に、
図3を用いて、充放電管理システム1の運用について説明する。
図3は、充放電管理システム1の運用を説明する概念図である。
充放電管理システム1は、日照、風況などの数日先までの天候予測に基づいて、各設置場所の発電量を予測することが必要であり、予測を常に修正して運用するものである。また、充放電管理システム1において、天気は、車の運転動向等に影響するので、天気によってグリッド需要が変化する。このため、充放電管理システム1においては、フローチャートにすべての処理ステップを定義することは困難である。一方、全国で共通して充放電管理システム1を動かすアルゴリズムを開発運用することが求められる。そこで、
図3に示すように、充放電管理システム1では、データをAIに学習させ、経験を積むことで予測のブラッシュアップを図る。
【0015】
次に、充放電管理装置における各ステークホルダ向けインセンティブを説明する。
図12は、充放電管理装置における各ステークホルダ向けインセンティブを示す表である。
図12に示されているように、本発明の充放電管理装置によれば、様々な営業形態及び契約内容に従って、放電を伴う時の充放電料金(インセンティブ原資)を設定することが可能であり、分配比率や経費についても任意に取り決めることが可能である。
【0016】
V2G契約をした場合には、契約駐車場以外への駐車については、同一のサービスを受けることができるが、駐車料金は個別駐車場の定めによるものとしてもよい。また、放電を伴うときの充放電料金に課せられる経費についても、個別駐車場の定める値を基本とすることができる。
【0017】
また、一般駐車場の駐車容量の一部を会社やマンション住人に優先契約した場合に、契約台数を上回る駐車台数となったときは、一般駐車の取引が適用されてもよい。駐車場事業者主体の経験と判断で、優先契約台数が見込めない場合には、事業主体の判断で一般車への転用を行うことができ、また、契約台数内で駐車要求があって転用が明らかになった場合には、事業主体は契約条件のまま駐車を認めることもできる。
【0018】
<システム構成>
次に、
図4を用いて、充放電管理システム1の構成について説明する。
図4は、充放電管理システム1の構成図である。
図4に示す充放電管理システム1は、電気自動車(EV:Electric Vehicle)等の車両3によるV2G(Vehicle-to-Grid)を利用したシステムである。V2Gとは、需要者側の車両を蓄電池として活用した技術である。このV2Gは、電気自動車を供給者側の発送電グリッドに接続して、電力の融通を実現する。また、V2Gは、インターネット回線等の通信手段を利用してデータのやり取りを行う。
【0019】
具体的に、充放電管理システム1は、充放電管理装置2と、車両3と、一般駐車場管理サーバ4と、マンション等駐車場管理サーバ5と、発送電グリッド(送配電網)6と、固有発電設備(固有の発電設備)7と、アグリゲート事業者端末8と、管理者端末9と、等を備える。
【0020】
充放電管理装置2は、所定の蓄電池を備える車両3が駐車可能な場所(所定の場所)にかかるサーバである。この充放電管理装置2は、インターネットに接続されており、車両3、一般駐車場管理サーバ4、マンション等駐車場管理サーバ5、発送電グリッド6、固有発電設備7、アグリゲート事業者端末8、及び管理者端末9の各々との間で通信を行う。これにより、充放電管理装置2は、車両3、一般駐車場管理サーバ4、マンション等駐車場管理サーバ5、発送電グリッド6、固有発電設備7、アグリゲート事業者端末8、及び管理者端末9の各々へのデータの送信、並びに、車両3、一般駐車場管理サーバ4、マンション等駐車場管理サーバ5、発送電グリッド6、固有発電設備7、アグリゲート事業者端末8、及び管理者端末9の各々が出力したデータの受信が可能となる。
【0021】
車両3は、蓄電池を有する電気自動車(EV)等であり、この蓄電池に電力を充放電することができる。この車両3は、当該車両3に組み込まれた端末(例えば、カーナビゲーション・システム)又は当該車両3に紐づいた端末(例えば、スマートフォン)を介してインターネットに接続されており、充放電管理装置2との間で通信を行う。これにより、車両3は、充放電管理装置2へのデータの送信、及び充放電管理装置2が出力したデータの受信が可能となる。
【0022】
一般駐車場管理サーバ4は、一般駐車場の駐車管理を行うサーバである。この一般駐車場管理サーバ4は、インターネットに接続されており、充放電管理装置2との間で通信を行う。これにより、一般駐車場管理サーバ4は、充放電管理装置2へのデータの送信、及び充放電管理装置2が出力したデータの受信が可能となる。
【0023】
マンション等駐車場管理サーバ5は、マンション等の駐車場の駐車管理を行うサーバである。このマンション等駐車場管理サーバ5は、インターネットに接続されており、充放電管理装置2との間で通信を行う。これにより、マンション等駐車場管理サーバ5は、充放電管理装置2へのデータの送信、及び充放電管理装置2が出力したデータの受信が可能となる。
【0024】
発送電グリッド6は、発電された電力を需要先まで送るための送配電系統である。この発送電グリッド6は、インターネットに接続されており、充放電管理装置2との間で通信を行う。これにより、発送電グリッド6は、充放電管理装置2へのデータの送信、及び充放電管理装置2が出力したデータの受信が可能となる。
【0025】
固有発電設備7は、例えば、太陽光発電設備であり、本実施形態においては、蓄電池を有する車両3が駐車可能な場所と隣接して設置されている。この固有発電設備7は、インターネットに接続されており、充放電管理装置2との間で通信を行う。これにより、固有発電設備7は、充放電管理装置2へのデータの送信、及び充放電管理装置2が出力したデータの受信が可能となる。
【0026】
アグリゲート事業者端末8は、アグリゲート事業者が使用する端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末である。このアグリゲート事業者端末8は、インターネットに接続されており、充放電管理装置2との間で通信を行う。これにより、アグリゲート事業者端末8は、充放電管理装置2へのデータの入力、及び充放電管理装置2が出力したデータの受信が可能となる。
【0027】
管理者端末9は、充放電管理システム1の管理者が使用する端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末である。この管理者端末9は、インターネットに接続されており、充放電管理装置2との間で通信を行う。これにより、管理者端末9は、充放電管理装置2へのデータの送信、及び充放電管理装置2が出力したデータの受信が可能となる。具体的に、管理者端末9は、充放電管理装置2の充放電設定出力部38が出力した充放電設定を受信する。
【0028】
<ハードウェア構成>
次に、
図5を用いて、充放電管理装置2のハードウェア構成について説明する。
図5は、充放電管理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5に示すように、充放電管理装置2は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0029】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上で必要なデータ等が適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0030】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ、プリンタ等で構成され、音声データ及びテキストデータ等の出力情報を出力する。出力部16が例えばプリンタ等であれば、出力情報を印刷することもできる。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを介して他の対象(例えば、
図4の車両3、発送電グリッド6、固有発電設備7、アグリゲート事業者端末8、管理者端末9等)との間で相互に通信を行う。
【0031】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等によりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0032】
<機能構成>
次に、
図6を用いて、充放電管理装置2の機能的構成について説明する。
図6は、充放電管理装置2の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、充放電管理装置2は、充放電条件情報取得部31と、充放電条件情報変更受付部32と、一般駐車場管理情報取得部33と、マンション等駐車場管理情報取得部34と、系統電力供給状態情報取得部35と、発電状態情報取得部36と、アグリゲーション情報取得部37と、充放電設定出力部38と、充放電記録出力部39と、を備える。
【0033】
充放電管理装置2の記憶部18の一領域には、充放電条件情報DB41と、充電状態情報DB42と、系統電力供給状態情報DB43と、発電状態情報DB44と、充放電記録情報DB45と、が設けられている。
【0034】
充放電条件情報取得部31は、所定の場所に駐車した車両3について、当該車両3から、少なくも車両3が所定の場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、車両3が、次の移動が完了するまでに必要とする蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する。また、充放電条件情報取得部31は、蓄電池が充放電する場合の電力料金条件情報を含む充放電条件情報を取得する。この充放電条件情報取得部31は、車両3から取得した充放電条件情報を充放電条件情報DB41に入力する。
【0035】
充放電条件情報変更受付部32は、所定の場所に駐車した車両3について、当該車両3から、充放電条件情報の変更を受け付ける。この充放電条件情報変更受付部32は、受け付けた充放電条件情報を充放電条件情報DB41に入力する。
【0036】
一般駐車場管理情報取得部33は、一般駐車場に駐車した車両3について、一般駐車場管理サーバ4から、少なくとも車両3が一般駐車場内に駐車する時間に関する情報と、一般駐車場内に駐車した車両3の充放電状態に関する情報とを含む充電状態情報を取得する。この一般駐車場管理情報取得部33は、一般駐車場内で車両3が駐車する際の充電状態情報を充電状態情報DB42に入力する。
【0037】
マンション等駐車場管理情報取得部34は、マンション等の駐車場に駐車した車両3について、マンション等駐車場管理サーバ5から、少なくとも車両3がマンション等の駐車場内に駐車する時間に関する情報と、一般駐車場内に駐車した車両3の充放電状態に関する情報とを含む充電状態情報を取得する。このマンション等駐車場管理情報取得部34は、マンション等の駐車場内で車両3が駐車する際の充電状態情報を充電状態情報DB42に入力する。
【0038】
系統電力供給状態情報取得部35は、所定の場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する。この系統電力供給状態情報取得部35は、送配電網から取得した系統電力供給状態情報を系統電力供給状態情報DB43に入力する。
本実施形態における送配電網としては、発送電グリッド6等が挙げられる。
【0039】
発電状態情報取得部36は、所定の場所に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する。この発電状態情報取得部36は、固有の発電設備から取得した発電状態情報を発電状態情報DB44に入力する。
本実施形態における固有の発電設備としては、固有発電設備7等が挙げられる。
【0040】
アグリゲーション情報取得部37は、電力の需要バランスをとりまとめ、効果的かつ安定的に電力エネルギーを提供するアグリゲーション情報を取得する。このアグリゲーション情報取得部37は、提供されたアグリゲーション情報を発電状態情報DB44に入力する。
【0041】
充放電設定出力部38は、充放電条件情報と、充電状態情報と、発電状態情報と、に基づいて、車両3が次に移動する時間までの蓄電池の充放電設定を出力する。充放電条件情報は、充放電条件情報DB41から取得する。充電状態情報は、充電状態情報DB42から取得する。発電状態情報は発電状態情報DB44から取得する。
【0042】
また、充放電設定出力部38は、所定期間に駐車する複数の車両3の充放電条件情報に基づいて、複数の車両3の所定期間における充放電設定を出力する。また、充放電設定出力部38は、充放電条件情報変更受付部32が充放電条件情報の変更を受け付けた場合には、変更後の充放電条件情報に基づいて充放電設定を出力する。また、充放電設定出力部38は、蓄電池が充放電する場合の電力料金条件情報に基づいて充放電設定を出力する。充放電設定出力部38が出力する充放電設定は、管理者端末9に入力される。
【0043】
充放電記録出力部39は、所定の場所に駐車した車両3について、当該車両3から、充放電設定に基づく蓄電池の充放電記録を所定の安全な記憶環境に出力する。本実施形態における所定の記憶環境としては、充放電記録情報DB45等が挙げられる。具体的には、この充放電記録出力部39は、車両3から取得した蓄電池の充放電記録を充放電記録情報DB45に出力する。
【0044】
充放電条件情報DB41は、車両3から充放電条件情報取得部31が取得した充放電条件情報を記憶する。この充放電条件情報DB41は、車両3から充放電条件情報変更受付部32が充放電条件情報を受け付けた場合には、変更後の充放電条件情報として記憶する。充放電条件情報は、充放電設定出力部38に利用される。
充電状態情報DB42は、一般駐車場管理情報取得部33が取得した一般駐車場管理情報を記憶する。また、充電状態情報DB42は、マンション等駐車場管理情報取得部34が取得したマンション等駐車場管理情報を記憶する。充電状態情報は、充放電設定出力部38に利用される。
【0045】
系統電力供給状態情報DB43は、発送電グリッド6から系統電力供給状態情報取得部35が取得した系統電力供給状態情報を記憶する。系統電力供給状態情報は、充放電設定出力部38に利用される。
【0046】
発電状態情報DB44は、固有発電設備7から発電状態情報取得部36が取得した発電状態情報を記憶する。発電状態情報は、充放電設定出力部38に利用される。
【0047】
充放電記録情報DB45は、例えば、ブロックチェーン等の所定の記憶環境である。この充放電記録情報DB45は、車両3から充放電記録出力部39が取得した蓄電池の充放電記録を記憶する。蓄電池の充放電記録は、充放電記録情報DB45にログとして蓄積される。
【0048】
<処理内容>
次に、
図7を用いて、充放電管理の流れについて説明する。
図7は、充放電管理システムにおける充放電管理の動作を示すフローチャートである。このフローチャートを参照して説明する処理は、一例であり、動作の順序、動作の省略、追加及び動作の変更等を行ってもよい。
【0049】
ステップS1において、蓄電池を有する車両は、固有の発電設備を備えた駐車場に駐車する。すると、ステップS2において、充放電条件情報取得部31は、この車両の駐車予定時間と、蓄電池の充電量についての情報を取得する。蓄電池の充電量が十分でない場合には、処理をステップS3に進める(ステップS2;No)。一方、蓄電池の充電量が十分である場合には、処理をステップS9に進める(ステップS2;Yes)。
【0050】
ステップS3において、系統電力供給状態情報取得部35は、この駐車場に接続された系統電力供給状態情報を取得する。続いて、ステップS4において、発電状態情報取得部36は、この駐車場に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する。ステップS5において、ステップS3で取得された系統電力供給状態情報と、ステップS4で取得された発電状態情報とに基づいて、車両の蓄電池への電力の供給元を決定する。この電力供給元の決定は、電力料金や送電距離等を考慮してもよい。次いで、ステップS6において、ステップS5で決定された電力供給元から車両の蓄電池へ電力を供給する。
【0051】
次に、ステップS7において、充放電設定出力部38は、充放電条件情報と、系統電力供給状態情報と、発電状態情報とに基づいて、車両が次に移動する時間までの蓄電池の充放電設定を出力する。そして、ステップS8において、充放電記録出力部39は、ステップS6で出力された充放電設定に基づいて蓄電池の充放電記録を充放電記録情報DB45に出力する。充放電記録を出力した後に、処理をステップS9に進める。
【0052】
ステップS9において、車両が次に移動するまでの時間に余裕がある場合には、他の蓄電池を有する車両へ電力を融通し得るかを選択する。他の車両へ電力を融通する場合には、処理をステップS10に進める(ステップS9;Yes)。一方、他の車両へ電力を融通しない場合には、処理をステップS11に進める(ステップS9;No)。
【0053】
ステップS10において、車両の蓄電池に蓄電されている電力を他の車両の蓄電池に融通する。他の車両へ電力を融通した後に、処理をステップS11に進める。
ステップS11において、蓄電池を有する車両は、駐車場から出庫するかを選択する。車両が出庫する場合には、充放電管理の動作が終了する。一方、車両が出庫せずに駐車場内に留まる場合には、ステップS2に戻り、車両の駐車予定時間と、蓄電池の充電量についての情報を取得する工程から繰り返す。
【0054】
<具体例>
次に、本実施形態の充放電管理装置2を含む充放電管理システム1を利用する際の利用者の手続き及び操作について説明する。
本実施形態の充放電管理装置2を含む充放電管理システム1を利用するにあたっては、利用者はまず事前登録を行う必要がある。この事前登録としては、利用希望者は、駐車場に設置されているコントロールパネル51(
図8乃至
図11参照)又はホームページで、「住所、氏名、年齢、連絡先電話番号、免許証番号等の基本情報」と、「車の種別、ナンバーといった車情報」に加え、「一日の概略走行距離」、「主として何時に入庫し何時に出庫するか」、「一週間での運転パターン」、「最低維持したい充電量または走行距離」、「EV間での電力融通参加への了解、余剰充電量での電気取引の了解の確認」及び「料金引き落とし口座情報」を入力する。これら情報に基づいて、銀行等の了解を得て、カードを作成し、申請者に送付し、以降の利用を可能とする。取引内容は、パスワードや本人確認の上、いつでも確認可能とする。このような事前登録を済ませることにより、本実施形態の充放電管理システムを利用することができるようになる。
【0055】
次に、
図8乃至
図11を用いて、本実施形態の充放電管理装置2を含む充放電管理システム1を利用する際のコントロールパネル51の操作について説明する。
図8乃至
図11は、それぞれ、コントロールパネル51を示す図である。
図8(A)はスタート表示を示す。
図8(B)は常時利用する駐車場における駐車時の操作表示を示す。
図9(A)は初めて利用する駐車場における駐車時の操作表示を示す。
図9(B)は駐車時の確認表示を示す。
図10(A)は出庫時の確認表示を示す。
図10(B)は天候不順が予想される場合の確認表示を示す。
図11(A)は電力逼迫が予想される場合の確認表示を示す。
図11(B)は災害対策への協力依頼の確認表示を示す。
【0056】
図8乃至
図11に示すように、駐車場に設置されているコントロールパネル51の下方には、カード挿入口52と、レシート排出口53と、が設けられている。カード挿入口52には、駐車カード(会員カード)、クレジットカード、ポイントカード等のカードが挿入される。カードが挿入されたカード挿入口52からは、コントロールパネル51における所定の操作後に、当該カード挿入口52に挿入されたカードが排出される。レシート排出口53からは、コントロールパネル51における所定の操作後に、レシートが排出される。
【0057】
図8(A)に示すように、コントロールパネル51のスタート表示には、「当駐車場兼EV充電所をご利用ありがとうございます。当社は脱炭素を目標に発電コストの低い再生可能エネルギーを充電の主電源としています。これらの電源は変動が多いのですが、駐車中のEVに充電し、EV同士で融通し合うことで安定化します。あるいは電力不足時に、余裕がある充電電力を電力系統に流して、電気料金収入が得られれば、お客様に還元します。ご了解いただけましたら、駐車カードを挿入してください。出庫はボタンを押してください。」との説明文が表示される。
【0058】
このコントロールパネル51のスタート表示には、さらに、出庫ボタン54と、了解ボタン55と、が表示される。出庫ボタン54は、カード挿入口52に駐車カードが挿入された後にタッチされることで選択される。この出庫ボタン54は、出庫時にタッチされる。出庫ボタン54が選択されることで、スタート表示から出庫時の確認表示(
図10(A)参照)に遷移する。了解ボタン55は、カード挿入口52に駐車カードが挿入された後にタッチされることで選択される。この了解ボタン55は、駐車時にタッチされる。了解ボタン55が選択されることで、スタート表示から駐車時の操作表示(
図8(B)及び
図9(A)参照)に遷移する。
【0059】
図8(B)に示すように、常時利用する駐車場に設置されているコントロールパネル51の駐車時の操作表示には、「お客様のご利用実績から見ますと出庫は・・・頃でよろしいでしょうか。変更はホームページで何回でも可能です。(充電の都合上早めにご変更願います。)」との説明文が表示される。
【0060】
この説明文の途中には、セル56と、スピンボタン57と、セル58と、スピンボタン59と、が表示される。セル56には、ユーザの利用実績に基づいて、「本日」、「1日後」、「2日後」、・・・等のいずれかが表示される。このセル56の表示は、その右わきのスピンボタン57の操作によって切り替えられる。スピンボタン57は、「▲」及び「▼」から構成され、タッチされることで選択される。このスピンボタン57は、「▲」が選択されることでセル56の表示を一日ずつ遅らせ、「▼」が選択されることでセル56の表示を一日ずつ早める。セル58には、ユーザの利用実績に基づいて、・・・「18時」、「19時」、「20時」、・・・等のいずれかが表示される。このセル58の表示は、その右わきのスピンボタン59の操作によって切り替えられる。スピンボタン59は、「▲」及び「▼」から構成され、タッチされることで選択される。このスピンボタン59は、「▲」が選択されることでセル58の表示を一時間ずつ遅らせ、「▼」が選択されることでセル58の表示を一日ずつ早める。
【0061】
このコントロールパネル51の駐車時の操作表示には、さらに、了解ボタン60が表示される。了解ボタン60は、タッチされることで選択される。この了解ボタン60は、選択されることで、駐車時の操作表示から駐車時の確認表示(
図9(B)参照)に遷移する。
【0062】
図9(A)に示すように、初めて利用する駐車場に設置されているコントロールパネル51の駐車時の操作表示には、「お客様は初めてのご利用です。出庫予定を入れてください。・・・頃でよろしいでしょうか。変更はホームページで何回でも可能です。充電量の変更もできます。(充電の都合上早めにご変更願います。)」との説明文が表示される。
【0063】
この説明文の途中には、セル61と、スピンボタン62と、セル63と、スピンボタン64と、が表示される。セル61には、初期値として、「本日」、「1日後」、「2日後」、・・・等のいずれかが表示される。このセル61の表示は、その右わきのスピンボタン62の操作によって切り替えられる。スピンボタン62は、「▲」及び「▼」から構成され、タッチされることで選択される。このスピンボタン62は、「▲」が選択されることでセル61の表示を一日ずつ遅らせ、「▼」が選択されることでセル61の表示を一日ずつ早める。セル63には、初期値として、・・・「11時」、「12時」、「13時」、・・・等のいずれかが表示される。このセル63の表示は、その右わきのスピンボタン64の操作によって切り替えられる。スピンボタン64は、「▲」及び「▼」から構成され、タッチされることで選択される。このスピンボタン64は、「▲」が選択されることでセル63の表示を一時間ずつ遅らせ、「▼」が選択されることでセル63の表示を一日ずつ早める。
【0064】
このコントロールパネル51の駐車時の操作表示には、さらに、了解ボタン65が表示される。了解ボタン65は、タッチされることで選択される。この了解ボタン65は、選択されることで、駐車時の操作表示から駐車時の確認表示(
図9(B)参照)に遷移する。
【0065】
図9(B)に示すように、コントロールパネル51の駐車時の確認表示には、「充電ケーブルを接続いただき、ドアロックを確認願います。いってらっしゃいませ。」との説明文が表示される。
【0066】
図10(A)に示すように、コントロールパネル51の出庫時の確認表示には、「本日の料金は駐車・・・円 充電・・・円 放電+・・・円 合計・・・円でした。以上の金額をカードで決済させていただきます。領収書をお取りください。ご了解いただきましたら充電プラグを外し、格納して出車願います。ありがとうございました。」との説明文が表示される。説明文中の各金額には、実績に基づいた値が表示される。
【0067】
このコントロールパネル51の出庫時の確認表示には、さらに、了解ボタン66が表示される。了解ボタン66は、カード挿入口52に駐車カードが挿入された後にタッチされることで選択される。この了解ボタン66は、精算時にタッチされる。了解ボタン66が選択されることで、レシート排出口53からレシートが排出される。
【0068】
図10(B)に示すように、駐車時に天候不順が予想される場合のコントロールパネル51の確認表示には、「明日以降の数日天候不順が予想され電力料金が上がりそうです。それに備えて充電量を増やすことを推奨します。よろしいでしょうか。」との説明文が表示される。このコントロールパネル51の確認表示には、さらに、いいえボタン67と、了解ボタン68と、が表示される。いいえボタン67は、タッチされることで選択される。このいいえボタン67が選択されることで、充電量を増やすとの提案が却下される。了解ボタン68は、タッチされることで選択される。この了解ボタン68が選択されることで、充電量を増やすとの提案が受け付けられる。
【0069】
図11(A)に示すように、駐車時に電力逼迫が予想される場合のコントロールパネル51の確認表示には、「国全体の電力逼迫が予想されています。お車の充電量に余裕がありましたら、電力を送電することで逼迫を緩和できます。ご協力いただけますでしょうか。送電した電力量に応じた協力金をお支払いします。」及び「残量・・・まで協力」との説明文が表示される。
【0070】
説明文の途中には、セル69と、スピンボタン70と、が表示される。セル69には、ユーザの利用実績に基づいて、又は、初期値として、「□□kWh」と表示される。このセル69の表示は、その右わきのスピンボタン70の操作によって切り替えられる。スピンボタン70は、「▲」及び「▼」から構成され、タッチされることで選択される。このスピンボタン70は、「▲」が選択されることでセル69の表示を1kWhずつ増加させ、「▼」が選択されることでセル69の表示を1kWhずつ減少させる。
【0071】
このコントロールパネル51の確認表示には、さらに、いいえボタン71と、了解ボタン72と、が表示される。いいえボタン71は、タッチされることで選択される。このいいえボタン71が選択されることで、電力供給協力の依頼が却下される。了解ボタン72は、タッチされることで選択される。この了解ボタン72が選択されることで、セル69に表示されている残量までの協力依頼が受け付けられる。
【0072】
図11(B)に示すように、災害対策への協力依頼をする場合のコントロールパネル51の確認表示には、「災害対策にご協力いただけますか?お車の充電電力で電欠自動車の充電、最低限の照明、救命活動用の電源や、携帯電話の充電などにご協力いただけますでしょうか。これはボランティア活動です。ご協力をお願いします。」及び「残量・・・まで協力」との説明文が表示される。
【0073】
説明文の途中には、セル73と、スピンボタン74と、が表示される。セル73には、ユーザの利用実績に基づいて、又は、初期値として、「□□kWh」と表示される。このセル73の表示は、その右わきのスピンボタン74の操作によって切り替えられる。スピンボタン74は、「▲」及び「▼」から構成され、タッチされることで選択される。このスピンボタン74は、「▲」が選択されることでセル73の表示を1kWhずつ増加させ、「▼」が選択されることでセル73の表示を1kWhずつ減少させる。
【0074】
このコントロールパネル51の確認表示には、さらに、いいえボタン75と、了解ボタン76と、が表示される。いいえボタン75は、タッチされることで選択される。このいいえボタン75が選択されることで、災害対策への協力依頼が却下される。了解ボタン76は、タッチされることで選択される。この了解ボタン76が選択されることで、セル73に表示されている残量までの協力依頼が受け付けられる。
【0075】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、電力の融通を適切に行うことができる。
また、充放電管理装置によれば、所定期間において同時に駐車する複数の車両の蓄電池間で電力の融通を実現することができる。
また、充放電管理装置によれば、車両のユーザの予定が変わった場合においても対応できる。
また、充放電管理装置によれば、例えばブロックチェーン等の所定の記憶環境に蓄電池の充放電記録を出力することで、充放電記録が安全に管理されるので、出力された蓄電池の充放電記録に基づいて、売電を含む電力料金の決済を行うことができる。
また、充放電管理装置によれば、車両のユーザが受け入れ可能な電力料金条件の範囲で電力の融通を実現することができる。
【0076】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0077】
(変形例)
以下、本実施形態の充放電管理装置を含む充放電管理システムにおける季節ごとの対応、運営パターン、投資効率とスタートアップに必要なこと、及び、EV同士での電力のやりとりについて説明する。まず、V2Gの季節ごとの対応の概要について説明する。
春は、おおむね晴天の日が多く日照時間も長い。気温も低いので太陽光発電では好調な発電となる。一方、ゴールデンウィークなどで休業する会社、事業所が多く、電力需要が減るので再生可能エネルギーの相場価格は低下する。場合によっては発電抑制となることもあるため、これら再生可能エネルギーを購入し、安く充電することが可能となる。一方では行楽、旅行も多くなるので、EVの充電需要は増加する。電力の需給バランスを維持するために、「余剰」ともいえる再生可能エネルギーを利用することは、脱炭素化に十分寄与するものである。充電所は混雑することが多いので補充電モードで時間を制限し回転を速めることも必要となる。
【0078】
春の終わりから初夏にかけて、梅雨期となる。太陽光の場合は日照不足となるとともに気温の上昇で、発電量は低下する。この時期には好天時の再生可能エネルギーで数日分の蓄電を行うことが優先となる。日照が少ない日に、駐車・充電しようという車には、先に充電した再生可能エネルギー由来の電力を融通することで充電コストを抑えることができる。夏になるとともに冷房需要の増加等で電力逼迫の恐れがあるが、EV充放電電力をグリッドに流すことで補うことが可能となる。このような電池発電は電力需要緩和ということで、従来の揚水発電に相当し、それよりもきめ細かい対応ができる。EV充放電を電力貯蔵と考え、再生可能エネルギー発電所からの電力購入には託送料金がかからないという政策が期待されている。蓄電池にストレスを与えないよう浅い充放電を実施するとよい。
【0079】
秋は、春と同じように好天が多く、太陽光では発電量が増加する。一方では台風などによる災害も多い時期である。災害が予想される時期には駐車中のEVに十分充電させておき、車の所有者に利便を与えることが重要だが、災害対策のための非常用電源として利用することも、災害対策に有効であるので、EV所有者の了解を得て、対応することが好ましい。
【0080】
冬は、国内地域によって再生可能エネルギー発電に差異が生じる。雪の多い地域では太陽光発電の電力量が減少する一方、太平洋側では日照がよい。ただし、太陽高度が低くなり、昼間時間も短くなるので、発電量自体は減少する。夏と同じように好天時に充電を多く行い、電力逼迫に備えたいが、地域によっては再生可能エネルギー電力の調達が難しいケースも想定される。このようなときの対応として、遠隔地の太陽光や風力等の電気を購入することが必要だが、託送料金が問題となる。上述したように、EV電池の充電は、電力貯蔵と考え、託送料金の減免の政策が期待されている。
【0081】
次に、V2Gの運営パターンについて説明する。
[ガソリンスタンド事業転換]
脱炭素を考えると石油燃料車からEVへの転換は必須であり、ガソリンの需要が減って従来のガソリンスタンドは長期的には減ることになる。その対策として、EV用急速充電器を備えて充電スタンドに転換するという考えがあるが、次のような点が課題となっている。
【0082】
(1)充電時間が長いこと
ガソリン車などの給油時間は数分ですむが、EVでは急速充電器でも約30分かかる。しかも30分というのは標準値で、冬や夏には時間が増加する。走行後蓄電池が高温であるとさらに増加して、30分でも目標の80%充電に至らないケースも多い。このため、充電所に数台の高速充電器スタンドが設置されているだけでは充電待ち行列ができてしまい、待ち行列の最後尾に並び直すといった時間ロスが避けられない。
【0083】
(2)急速充電器が高価であること
急速充電器は、その充電容量(30分で何kWか)の値によるが、一基数百万円から1千万円ともいわれ、フル回転しても1基当たりの充電数は、一日で20台程度となる。これでは相当高額な料金設定としないと償却ができない。
【0084】
(3)売価設定に難
石油の場合の価格設定は元売りからの仕入れ価格にそれなりのマージンを乗せて営業できていたが、電気では一般事業者や家庭では30円/kWhとなっている(今後さらに値上がり傾向)。一般家庭で普通充電した場合の電気代30円/kWhが目安となり、より高い価格設定は受け入れがたいことになる。
【0085】
(4)使用電力量が多く、受電設備費がかさむこと
高価な急速充電器を設備して電力会社との契約電力が50kW以上となると高圧受電が要求され、設備費がかさむ。急速充電は電力変動が大きく、基本料金負担が増大する。また、周囲へのフリッカ障害等も懸念される。また、保守保安を電気保安協会などに委託する必要があり、経費がかさむ。
【0086】
本発明の提案のように、簡易な立体駐車場にEV用普通充電器(EV-PCS)を設置して駐車場兼EV充電所とし、商店やマンション住人の車を利用して充電電力を確保することが再生可能エネルギーを主体とした解決策となると考える。あるいは、後述する施設等に充電所設置し、運営を行うことにより収益を得る方策もあると考える。これらにおいては、EVの点検・整備といったサービスも必要となる。
【0087】
[デパート、ショッピングモール、遊園地、遊戯施設]
これらの業種では広大な無料駐車場を整備している所が多いが、その一角において本発明を用いた充電所を設置することで、施設内で過ごしている間に安価に充電できる利益を客に与えることができる。普通充電なので時間がかかるが、その間にショッピングや遊戯施設、映画鑑賞、食事等で過ごすようになり、客の滞在時間がのび、消費金額の増大が期待できる。施設内だけでなく、近隣の名所や商店街への巡回も許可すれば、地域経済にも寄与することができる。駐車中の蓄電池電力も自施設の運用に一部充てることができれば、経費的な利益が得られ、客には出庫時に提供してもらった電力量に応じた、クーポンやポイントを付与することで、再訪を誘うこともできる。
【0088】
[空港等の駐車場]
空路、海路あるいはバス旅行などで数日にわたり車を駐車する需要は多い。このようなときにEVを本発明を用いた充電所に預かり、所有者の了解を得て、蓄電放電を行うことができれば広域的な電力需要の平準化に大きく寄与できる。利用者には出庫時に充放電(多くが放電)に伴う利益を還元する。
【0089】
[工場など企業]
社用車や通勤用車の駐車場を保持している企業は多い。ここにも本発明を用いた充電所を設置する。社用車の使用頻度はそれほど多くなければ、日中の安価な再エネ電力あるいは自社屋上や空き地に設置した自家使用太陽光発電電力で充電し、電気料金の高い時間である朝や夕方以降の電力として利用すれば、経費の節減とすることも可能である。付加的に再生可能エネルギー100%(RE100)企業として認定されるというメリットも生じる。
【0090】
[その他]
カーリース業やレンタカー業、運送業等々でも同様な効果が期待できる。救急車、消防車など、平常であれば待機している時間が長い用途においても効果が期待できる。
【0091】
次に、投資効率とスタートアップに必要なことについて説明する。
例として、小規模な土地に49kWの太陽光発電所を設置し、そこに10台のEV-PCSを設置したケースについて説明する。太陽光モジュールは過積載率1.4倍強として70kWとする。現下の野立て太陽光の概略原価はモジュール1kW当たり170,000円と考えると11,900,000円となる。これに加えてEV-PCSの価格と工事費で700,000円/台とすると、18,900,000円の初期投資が必要となる。
【0092】
駐車中のEVは50kWhの蓄電池を搭載していて、この電池で30%電池残量まで300kmの走行ができ、車の平均走行距離を1週当たり300km走行とすると、必要充電量は50kWh×70%=35kWh、電池効率とPCS効率を合わせて90%とすると35kWh/90%≒38.9kWhと計算される。充電は週に1回5時間程度となるが、運用上は毎日補充電することで、EV-PCSの回転率を上げることができる。一週間では60台程度のEVに充電できると考える。充電単価はkWh20円という割安設定とすると、38.9kWh×20円×60台=46,680円が週間収入となる。年間52週とすると年間収入は2,427,360円と計算される。初期投資額18,900,000円を2,427,360円で割ると、7.8年という期間になり、投資としての側面から見てもかなりの魅力を有している。
【0093】
ここで、夕方から朝方までの電力単価の高い時間帯で駐車しているEV10台が、その充電電池量から10kWhを単価50円でグリッドに平均的に週3日程度逆潮できるとすると、年間で50円×10kWh×10台×3日×52週=780,000円の収入増となり、18,900,000円÷(2,427,360+780,000)円/年=5.9年と計算され、より有利な結果となる。
【0094】
この試算では、駐車場所に自前で太陽光発電所を設置するという前提で行っているが、卸電力市場では、太陽光や風力の価格は急速に低下しているので、市場からこれら安価な電気を調達できれば、太陽光発電設備の投資費用を除外できるので、投資効果は高まるものと考えられる。
【0095】
日本ではEVの普及速度が欧米や中国に比べて遅いと言われている。本発明の前提は、EV-PCSに接続されるEVの台数が多いことを前提としているが、EVの台数が少ないと収入が期待通りとならない。初期的な段階では、駐車場運営者自体で社用車をEVに切り替える等で実証モデルでの検証をし、その実績を公表宣伝する必要があるものと考える。
【0096】
次に、充放電管理システム1におけるEV同士での電力のやりとり(融通)について説明する。
EV自体の普通充電システム(AC200V)が双方向(系統からEV電池に充電もできるし、EV電池から系統へ放電できる)機能を有し、その制御はEV-PCS(蓄電池用パワーコンディショナー)側のAC電圧あるいは電圧位相によって行うことができることを前提とする。
【0097】
EV-PCSは、放電させたいEVへのAC電圧をごくわずか低めに設定するか、位相をわずかにずらすことで放電を促す。同時にその放電先と決めたEVについている別のEV-PCSの受電電圧をわずかに低め、あるいは位相をずらすことで放電EV-PCSからの電力を受電する。複数のEV-PCSから複数のEV-PCSへの電力供給も同じ原理で可能である。
【0098】
メインコントローラは、放電する電力の値と時間当たり放電電流を放電群EV-PCS個々に伝え、充電側についても電力値と時間当たり充電電流を伝える。これらの値は合計して0でなければならない。放電側EV-PCS、充電側EV-PCSともに電流制御形圧電方式により所定の電流やりとりを行う。やりとりの必要がないEVのEV-PCSは、この間動作を停止する。
【0099】
電気のやりとりを正確に捕捉するため、検定付電力量計を装備し、その裏付けで計量値を把握し、充電料金のプラスマイナスを明確に計算する。EV同士で電力の受け渡し量が必要量に満たない場合は、電力グリッドから受電する。これも電圧または位相制御によって実行される。
【0100】
(その他)
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が充放電管理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0101】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0102】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0103】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0104】
換言すると、本発明が適用される充放電管理装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)本発明が適用される充放電管理装置は、所定の蓄電池を備える車両が駐車可能な場所にかかる充放電管理装置(例えば、
図6の充放電管理装置2)であって、前記場所に駐車した前記車両について、少なくとも前記車両が前記場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、前記車両が、次の移動が完了するまでに必要とする前記蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する充放電条件情報取得手段(例えば、
図6の充放電条件情報取得部31)と、前記場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する系統電力供給状態情報取得手段(例えば、
図6の系統電力供給状態情報取得部35)と、前記場所に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する発電状態情報取得手段(例えば、
図6の発電状態情報取得部36)と、前記充放電条件情報と、前記系統電力供給状態情報と、前記発電状態情報と、に基づいて、前記車両が次に移動する時間までの前記蓄電池の充放電設定を出力する充放電設定出力手段(例えば、
図6の充放電設定出力部38)と、を備える。
これにより、電力の融通を実現することができる。
【0105】
また、(2)前記充放電設定出力手段(例えば、
図6の充放電設定出力部38)は、所定期間に駐車する複数の車両の前記充放電条件情報に基づいて、前記複数の車両の前記所定期間における前記充放電設定を出力する。
これにより、所定期間において同時に駐車する複数の車両の蓄電池間で電力の融通を実現することができる。
【0106】
また、(3)前記充放電条件情報の変更を受け付ける充放電条件情報変更受付手段(例えば、
図6の充放電条件情報変更受付部32)をさらに備え、前記充放電設定出力手段(例えば、
図6の充放電設定出力部38)は、変更後の前記充放電条件情報に基づいて前記充放電設定を出力する。
これにより、車両のユーザの予定が変わった場合においても対応できる。
【0107】
また、(4)前記充放電設定に基づく前記蓄電池の充放電記録を所定の記憶環境に出力する充放電記録出力手段(例えば、
図6の充放電記録出力部39)をさらに備える。
これにより、例えばブロックチェーン等の所定の記憶環境に蓄電池の充放電記録を出力することで、充放電記録が安全に管理されるので、出力された蓄電池の充放電記録に基づいて、売電を含む電力料金の決済を行うことができる。
【0108】
また、(5)前記充放電条件情報取得手段(例えば、
図6の充放電条件情報取得部31)は、前記蓄電池が充放電する場合の電力料金条件情報を含む前記充放電条件情報を取得し、前記充放電設定出力手段(例えば、
図6の充放電設定出力部38)は、前記電力料金条件情報に基づいて前記充放電設定を出力する。
これにより、車両のユーザが受け入れ可能な電力料金条件の範囲で電力の融通を実現することができる。
【0109】
また、(6)本発明の充放電管理方法は、所定の蓄電池を備える車両が駐車可能な場所にかかる充放電管理方法であって、前記場所に駐車した前記車両について、少なくとも前記車両が前記場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、前記車両が、次の移動が完了するまでに必要とする前記蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する充放電条件情報取得ステップと、前記場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する系統電力供給状態情報取得ステップと、前記場所に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する発電状態情報取得ステップと、前記充放電条件情報と、前記系統電力供給状態情報と、前記発電状態情報と、に基づいて、前記車両が次に移動する時間までの前記蓄電池の充放電設定を出力する充放電設定出力ステップと、を有する。
これにより、電力の融通を実現することができる。
【0110】
また、(7)本発明が適用されるコンピュータプログラムは、所定の蓄電池を備える車両が駐車可能な場所にかかる充放電管理装置を制御するコンピュータに、前記場所に駐車した前記車両について、少なくとも前記車両が前記場所から次に移動するまでの時間に関する情報と、前記車両が、次の移動が完了するまでに必要とする前記蓄電池の充電量に関する情報と、を含む充放電条件情報を取得する充放電条件情報取得ステップと、前記場所において接続する送配電網による系統電力供給状態情報を取得する系統電力供給状態情報取得ステップと、前記場所に設置された固有の発電設備の発電状態情報を取得する発電状態情報取得ステップと、前記充放電条件情報と、前記系統電力供給状態情報と、前記発電状態情報と、に基づいて、前記車両が次に移動する時間までの前記蓄電池の充放電設定を出力する充放電設定出力ステップと、を含む制御処理を実行させる。
これにより、電力の融通を実現することができる。
【符号の説明】
【0111】
1:充放電管理システム、2:充放電管理装置、3:車両、4:一般駐車場管理サーバ、5:マンション等駐車場管理サーバ、6:発送電グリッド、7:固有発電設備、8:アグリゲーション事業者、9:管理者端末、11:CPU、18:記憶部、19:通信部、31:充放電条件情報取得部、32:充放電条件情報変更受付部、33:一般駐車場管理情報取得部、34:マンション等駐車場管理情報取得部、35:系統電力供給状態情報取得部、36:発電状態情報取得部、37:アグリゲーション情報取得部、38:充放電設定出力部、39:充放電記録出力部、41:充放電条件情報DB、42:充電状態情報DB、43:系統電力供給状態情報DB、44:発電状態情報DB、45:充放電記録情報DB