(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118204
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】印刷システム、情報処理装置およびジョブ設定方法
(51)【国際特許分類】
B65H 45/30 20060101AFI20240823BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B65H45/30
G03G15/00 445
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024505
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 和則
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072AA16
2H072AA22
2H072CA01
2H072GA01
2H072GA07
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC01
3F108BA03
3F108BB21
3F108CD07
(57)【要約】
【課題】版面などのシートよりも分厚いシートを表紙に用いて中綴じ印刷を行う場合に表紙の背の部分のトナー剥がれを抑制する。
【解決手段】印刷ジョブの設定に係るユーザの操作を受け付けて印刷ジョブに係る指示を行うドライバと、その指示に基づいて、表紙または合紙の少なくとも何れかを挿入し印刷する表紙/合紙印刷を行う印刷ユニットと、前記指示に基づいて、表紙を中折りして中折り印刷された他の用紙を挟んで冊子にする冊子作成処理を行う冊子作成ユニットと、前記指示に基づいて、中折りされる前の表紙の中折りされるべき位置に下処理として線状の曲がり目または折れ目を付ける処理を行う下処理ユニットと、を備える印刷システム。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブの設定に係るユーザの操作を受け付けて印刷ジョブに係る指示を行うドライバと、
前記指示に基づいて、表紙または合紙の少なくとも何れかを挿入し印刷する表紙/合紙印刷を行う印刷ユニットと、
前記指示に基づいて、前記表紙を中折りして中折り印刷された他の用紙を挟んで冊子にする冊子作成処理を行う冊子作成ユニットと、
前記指示に基づいて、前記中折りされる前の表紙の前記中折りされるべき位置に下処理として線状の曲がり目または折れ目を付ける処理を行う下処理ユニットと、
を備える印刷システム。
【請求項2】
前記下処理は、表紙以外の用紙には前記曲がり目または折れ目を付けないようにするものである請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷ユニット、前記冊子作成ユニットおよび前記下処理ユニットは、一体に構成され、または少なくとも何れかのユニットが他のユニットと接続されて動作する別体のユニットとして構成されている請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記下処理ユニットは、前記曲がり目または折り目をつける下処理と異なる処理を択一的に実行可能であり、
前記下処理ユニットが前記下処理と異なる処理を行うように設定されている場合、前記下処理ユニットと表紙/合紙印刷との組み合わせを受け付けないようにする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記下処理ユニットは、処理を行う表紙の一方の側から凸状部を有する部材を、他方の側から可撓性の部材を当て表裏を挟むことにより前記曲がり目または折り目を付けるものであって、
前記印刷ジョブは、前記下処理ユニットに1回以上前記表紙を挟む動作を行わせる請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記印刷ジョブは、前記下処理ユニットに前記表紙の中折り位置とその近傍の1以上の箇所に曲がり目または折り目を付ける動作を行わせる請求項4に記載の印刷システム。
【請求項7】
ユーザに操作画面を提供する操作部と、
前記表紙/合紙印刷と前記冊子作成処理の組み合わせが設定された場合、表紙のみに前記下処理ユニットによる下処理を行う旨のメッセージを前記操作部に表示させる通知制御部と、
をさらに備える請求項1に記載の印刷システム。
【請求項8】
印刷に用いる用紙が厚紙か否かを示す用紙種類であって、ユーザにより設定されるかまたは検出された用紙種類を格納する記憶部をさらに備え、
前記ドライバは、前記表紙/合紙印刷と前記冊子作成処理とが組み合わされた印刷ジョブにおいて、表紙に用いる用紙の用紙種類が厚紙の場合に限り、前記下処理ユニットに表紙に曲がり目または折れ目を付ける処理を行わせる請求項1に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記冊子作成ユニットによる冊子作成処理が、表紙および用紙を中折りするだけの処理と、表紙および用紙を中折りして中折りの部分をステープルする処理の何れかである請求項1に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記冊子作成ユニットが、表紙を含む用紙を中折りして綴じる中綴じユニット、または表紙以外の用紙を1組以上中折りし、1組以上の中折された用紙に中折りした表紙を付ける製本ユニットである請求項1に記載の印刷システム。
【請求項11】
印刷ユニット、冊子作成ユニットおよび下処理ユニットを備えた画像形成装置に印刷ジョブを実行させるドライバがインストールされた情報処理装置であって、
前記ドライバは、印刷ジョブの設定に係る操作画面を表示させてユーザの操作を受け付け、印刷された用紙を前記冊子作成ユニットを用いて中折りする中折り印刷に係る設定と、表紙/合紙印刷に係る設定とを前記操作画面で受け付け、前記表紙/合紙印刷が選択された状態では前記下処理ユニットを用いて表紙に線状の曲がり目または折り目をつける下処理と前記中折り印刷とを組み合わせる設定を受け付けるが、前記表紙/合紙印刷が選択されない状態では前記下処理と前記中折り印刷とを組み合わせる設定を受け付けない情報処理装置。
【請求項12】
印刷ジョブの設定に係るユーザの操作を受け付けるステップと、
受け付けた設定に基づき印刷ユニットに、表紙または合紙の少なくとも何れかを挿入し印刷する表紙/合紙印刷を指示するステップと、
前記設定に基づき冊子作成ユニットに、前記表紙を中折りして中折り印刷された他の用紙を挟んで冊子を作成するように指示するステップと、
前記設定に基づき下処理ユニットに、前記中折りされる前の表紙の前記中折りされるべき位置に下処理として線状の曲がり目または折れ目を付ける処理を行うように指示するステップとを備えるジョブ設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設定に応じて表紙または合紙の少なくとも何れかを挿入する印刷と中綴じの印刷が設定可能な印刷システム、情報処理装置およびジョブ設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製本印刷を自動化する機能を備えた画像形成装置が登場している。複雑な仕上げ処理を伴う多量の印刷を短時間で行うものが市場に受け入れられている。そのような画像形成装置は、種々の周辺装置が接続されることもある。
例えば、搬送されたシートの第1面に筋状の折り溝を形成する折り溝形成手段と、折り溝形成手段により折り溝が形成されたシートを折り溝に沿って折る折り手段を備えるシート処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。製本処理の際、シート処理装置では、複数のシートを束状にまとめた後、シート束を中綴じし、中綴じしたシート束を中央部で2つ折りにする。この2つ折りの際、シート束の厚さによって折りが不十分であることがある。また、厚いシートを折った際には、背表紙にひび割れが生じる場合がある。このため、シート束を2つ折りする等の折り処理を行う前に、シートの折り部に予め筋状の溝である折り筋を入れるのが折り溝形成手段である。
特許文献1によれば、筋入れ処理されたシートが処理トレイへと搬送される際、シートは処理トレイ上の既積載シートと接触しながら搬送される。その場合、シートの第1面と反対側の第2面に、筋入れ処理に伴う凸部が形成され、処理トレイに搬送される際、シートに形成された凸部に次シートの先端が引っ掛かり、シートの整合不良や紙詰まりが発生する場合がある。その問題を解決するために、特許文献1では、筋入れ処理に伴って第2面に生じた凸部を潰す潰し手段を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、シート束が分厚すぎると中折りが不十分となるが、そのために各シートに折り溝を付けると別の弊害が生じる。しかし、通常の印刷シートは用紙が薄く、すべてのシートに折り溝を形成しなくとも中折りができる。また、中折りがうまくできない程の分厚さになると、中綴じの仕上がりが美しくなくなったり、中綴じが外れやすくなったりするといった別の問題が生じる。無理に中綴じをするよりも中綴じ以外のとじ方、例えば平綴じ、無線綴じなどにする方がうまくいく場合が多い。
【0005】
ただし、シート束がそれほど分厚いものでなくても、表紙に厚紙を用いた場合、印刷された表紙の背の部分や背と平(ひら)の間の曲げの部分のトナーが使用に伴って剥がれることがあるのを発明者は経験した。
本開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、分厚いシートを表紙に用いて表紙を中折りする印刷の場合に表紙の背の部分のトナー剥がれを抑制する手法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
印刷ジョブの設定に係るユーザの操作を受け付けて印刷ジョブに係る指示を行うドライバと、前記指示に基づいて、表紙または合紙の少なくとも何れかを挿入し印刷する表紙/合紙印刷を行う印刷ユニットと、前記指示に基づいて、前記表紙を中折りして中折り印刷された他の用紙を挟んで冊子にする冊子作成処理を行う冊子作成ユニットと、前記指示に基づいて、前記中折りされる前の表紙の前記中折りされるべき位置に下処理として線状の曲がり目または折れ目を付ける処理を行う下処理ユニットと、を備える印刷システムを提供する。
【0007】
また、異なる観点から本開示は、
印刷ユニット、冊子作成ユニットおよび下処理ユニットを備えた画像形成装置に印刷ジョブを実行させるドライバがインストールされた情報処理装置であって、印刷された用紙を前記冊子作成ユニットを用いて中折りする中折り印刷に係る設定と、表紙/合紙印刷に係る設定とを前記操作画面で受け付け、前記表紙/合紙印刷が選択された状態では前記下処理ユニットを用いて表紙に線状の曲がり目または折り目をつける下処理と前記中折り印刷とを組み合わせる設定を受け付けるが、前記表紙/合紙印刷が選択されない状態では前記下処理と前記中折り印刷とを組み合わせる設定を受け付けない情報処理装置を提供する。
【0008】
さらに、異なる観点から本開示は、
印刷ジョブの設定に係るユーザの操作を受け付けるステップと、受け付けた設定に基づき印刷ユニットに、表紙または合紙の少なくとも何れかを挿入し印刷する表紙/合紙印刷を指示するステップと、前記設定に基づき冊子作成ユニットに、前記表紙を中折りして中折り印刷された他の用紙を挟んで冊子を作成するように指示するステップと、前記設定に基づき下処理ユニットに、前記中折りされる前の表紙の前記中折りされるべき位置に下処理として線状の曲がり目または折れ目を付ける処理を行うように指示するステップとを備えるジョブ設定方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示による印刷システムにおいて、ドライバは表紙の中折り位置に下処理として線状の曲がり目または折れ目を付ける処理を下処理ユニットに行わせるので、分厚いシートを表紙に用いて中綴じ印刷を行う場合に表紙の背の部分のトナー剥がれを抑制できる。
本開示による情報処理装置およびジョブ設定方法も同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示に係る印刷ユニット、中綴じユニットおよび下処理ユニットを備えて印刷ジョブを実行する装置の一例として正面の斜め左側から見た複合機の外観を示す説明図である。
【
図2】
図1に示す複合機およびその複合機と通信可能な情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す複合機で作成された中綴じの冊子の例を示す斜視図である。
【
図4A】本開示に係る中綴じされた冊子の、綴じ方を示す断面図である。
【
図4B】本開示に係る平綴じされた冊子の、綴じ方を示す断面図である。
【
図4C】本開示に係る平綴じされた冊子の、
図4Bと異なる綴じ方を示す断面図である。
【
図5】本開示において表紙/合紙および中綴じが組み合わされた場合の印刷の流れを示す説明図である。
【
図6】
図1に示す下処理ユニットが用紙に折り目を付ける動作を示す説明図である。
【
図7】
図2のPC操作部に表示されるプリンタドライバ画面のステープルの設定項目に係る選択肢の例を示す説明図である。
【
図8】
図2のPC操作部に表示されるプリンタドライバ画面のパンチの設定項目に係る選択肢の例を示す説明図である。
【
図9】
図2のPC操作部に表示されるプリンタドライバ画面のパンチの設定項目に係る選択肢の
図8と異なる例を示す説明図である。
【
図10】
図2のPC操作部に表示されるプリンタドライバ画面の挿入機能の設定項目に係る選択肢を示す説明図である。
【
図11】
図2のPC操作部に表示される表紙/合紙の詳細設定画面の例を示す説明図である。
【
図12】
図2のPC操作部に表示される中綴じと多穴パンチ/折り目の設定が組み合わされた状態の例を示す説明図である。
【
図13】
図12のプリンタドライバ画面で、インフォメーションアイコンが操作された場合に表示するメッセージの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、本開示を限定するものと解されるべきではない。
図1は、本開示に係る印刷ユニット、中綴じユニットおよび下処理ユニットを備えて印刷ジョブを実行する画像形成装置の一例として正面の斜め左側から見た複合機の外観を示す説明図である。
図2は、
図1に示す複合機およびその複合機と通信可能な情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示す複合機100は、主装置としての印刷ユニット200に周辺装置が接続されたものである。印刷ユニット200は、原稿送り装置169、本体給紙トレイ159、画像を形成するエンジン部260および操作部240を備えている。
正面から見て印刷ユニット200の右側に、大容量給紙トレイ160、手差しトレイ161および搬送ユニット162が連結されている。正面から見て印刷ユニット200の左側に、カール矯正ユニット164、インサータ165、下処理ユニット167および冊子作成ユニット168としてのサドルフィニッシャが連結されている。
下処理ユニット167は、下処理として表紙に折り目を付けるだけでなく、2穴パンチや多穴パンチの処理も可能であるが、それらの処理は択一的に実行可能である。
【0013】
印刷ユニット200は、原稿の画像を読み取るスキャナ部250および画像を形成するエンジン部260を備える。
また、複合機100の動作および処理を制御する制御部210を備える。制御部210は、ハードウェアとしてはプロセッサを中心に入出力回路やタイマ回路などの回路で構成される。
さらに、印刷ユニット200は、RAMおよび不揮発メモリで構成される記憶部230を備える。
また、印刷ユニット200は、情報処理装置300など外部の機器と通信する通信回路270およびユーザーインターフェースに係る操作部240を備える。
【0014】
制御部210のプロセッサは、記憶部230に予め格納された制御プログラムを実行することにより、
図2に示す操作制御部212、ジョブ制御部213、周辺装置制御部215、画像制御部220およびジョブ設定部214としての機能を実現する。さらに、通知制御部231の何れかの機能を実現してもよい。
操作制御部212は、操作部240に操作画面を表示させ、操作画面に対して行われるユーザの操作を認識して操作に応じた処理を行う。
ジョブ制御部213は、例えばスキャナ部250やエンジン部260を用いたジョブの実行を制御する。ジョブ制御部213は、本開示に係る印刷ジョブの実行を制御する。
【0015】
周辺装置制御部215は、印刷ユニット200に接続された大容量給紙トレイ160をはじめ、下処理ユニット167、冊子作成ユニット168としてのサドルフィニッシャなどの周辺装置を制御する。
画像制御部220は、スキャナ部250が読み取る原稿の画像を処理する。また、印刷データを処理してエンジン部260に印刷させるべき画像データを生成する。印刷データは、例えばプリントジョブの場合、情報処理装置300から通信回路270を介して受信する。また例えばコピージョブの場合、スキャナ部250が読み取って画像制御部220が生成する。
【0016】
図2に示す情報処理装置300は、複合機100と通信可能な外部の機器であり、複合機100が実行すべきジョブのユーザによる設定を受け付けて複合機100に送るものである。
図2では、情報処理装置300の具体的な態様の一例としてPC(パーソナルコンピュータ)を想定している。しかし、情報処理装置300はPCに限るものでなく、例えばスマートフォンやタブレット端末などであってもよい。
図2に示す情報処理装置300は、PC制御部310、PC記憶部330、PC操作部340およびネットワーク通信部370を備える。
PC制御部310は、ハードウェアとしてはプロセッサを中心とする回路で構成され、PC記憶部330に格納されたオペレーションシステムやアプリ、ドライバ等のプログラムを実行する。
さらに、情報処理装置300は、RAMおよび不揮発メモリで構成されるPC記憶部330を備える。PC記憶部330は、上述したオペレーションシステムやアプリ等のプログラムやデータを格納する。
また、情報処理装置300は、複合機100など外部の機器と通信するネットワーク通信部370およびユーザーインターフェースに係るPC操作部340を備える。
【0017】
PC制御部310のプロセッサは、PC記憶部330に格納されたプログラムを実行することにより、複合機100に実行させるジョブに係るユーザの操作を受け付ける。また、プリンタドライバやスキャナドライバとしての処理を実行する。そして、
図2に示すPC操作制御部312およびPCジョブ設定部314としての機能を実現する。
PC操作部340は、PC操作部340に操作画面を表示させ、操作画面に対して行われるユーザの操作を認識して操作に応じた処理を行う。
PCジョブ設定部314はドライバであって、例えばスキャナドライバとしてスキャナ部250を用いたジョブの実行を制御する。また、プリンタドライバとしてエンジン部260を用いたジョブの実行を制御する。ジョブ制御部213は、本開示に係る印刷ジョブの実行を制御する。PC操作部340は、PC操作部340にスキャナ部250を用いたスキャンジョブに関する操作画面(スキャナドライバ画面)を表示させてユーザの操作を受け付ける。また、エンジン部260を用いたプリントジョブに関しPC操作部340にプリンタドライバの操作画面(プリンタドライバ画面)を表示させてユーザの操作を受け付ける。それらの操作画面(スキャナドライバ画面やプリンタドライバ画面)は、PCジョブ設定部314により提供される。
【0018】
この明細書において印刷ジョブは、印刷に係るジョブの総称であって上述のプリントジョブおよびコピージョブは印刷ジョブに含まれる。ジョブ設定部は、複合機100に実行させるべきジョブの設定を行う。
上述のプリントジョブの場合、
図2に示す情報処理装置300がプリントジョブに係るユーザによる設定を受け付ける。よって、プリントジョブの場合、本開示によるジョブ設定部は情報処理装置300にドライバとして存在し、上述のPCジョブ設定部314がそのドライバに相当する。これを本開示の基本の態様(実施形態1)とする。
【0019】
一方、上述のコピージョブについては、操作部240を介して制御部210がコピージョブに係るユーザによる設定を受け付ける。よって、コピージョブの場合、本開示によるジョブ設定部は印刷ユニット200に存在し、上述のジョブ設定部214がそれに相当する。上述の実施形態1に対してこれを本開示の実施形態2とする。
実施形態1と実施形態2は、ジョブの種類、ジョブ設定部の所在、指示を受け付ける操作部の違いはあるものの、処理の流れは対応しているので以下の説明では実施形態1のプリントジョブについて述べることとする。当業者であれば、その説明を実施形態2に適用することは容易であろう。
なお、
図1および
図2は、周辺装置としての冊子作成ユニット168および下処理ユニット167が主装置としての印刷ユニット200に接続される態様であるが、それらが一つの装置として構成されてもよい。
この態様によれば、ジョブ設定装置は印刷ユニット、冊子作成ユニットおよび下処理ユニットが一体に構成された装置であるか、別体のユニットとして構成された装置であるかにかかわらず、印刷ジョブを指示することができる。
【0020】
≪表紙の背部分のトナー剥がれおよび冊子の綴じ方≫
処理の詳細を述べる前に、本開示が解決しようとする課題に係る中折り(中綴じ)の背の部分のトナー剥がれについて述べておく。
図3は、複合機100で作成された中綴じの冊子500の例を示す斜視図である。重ねて中折りされたシート束の背部分502にステープル503が打たれたものである。重ねて中折りされた冊子500の外側は、表紙501である。表紙501に厚紙が用いられ、その背部分502を含む領域に印刷がされた場合、表紙501が中折りされて背部分502が曲がる際に表面のトナーが部分的に剥がれ落ちたり、トナー層にひび割れが生じたりする。それが、この明細書でいうトナー剥がれである。特に、表紙501に地色や画像をのせるために印刷された背部分502の全面にトナー層が形成される場合、トナー剥がれが生じやすい傾向にある。
【0021】
図1の説明で、冊子作成ユニット168は、具体的にはサドルフィニッシャであると述べた。サドルフィニッシャは、中綴じの冊子を作成するための画像形成装置の周辺装置として広く普及している。しかし、本開示の本質はサドルフィニッシャに限るものでない。
中綴じは冊子の綴じ方の代表的なものであるが、中綴じの他にも平綴じ、無線綴じなどが知られている。
【0022】
図4Aは、中綴じされた冊子500の綴じ方を示す断面図である。中綴じは、表紙と表紙以外の用紙をすべて積み上げて背部分となる中央にステープルを打ち、中折をする綴じ方である。ステープル503は2カ所に打たれることが多いが、背部分502の長さに応じて例えば3カ所にステープル503が打たれることもある。
図4Aに示すように、打たれたステープル503は、表紙501の背部分502に露出する。表紙501の背部分は冊子の厚みに応じて曲がる。
図4Aは、背部分を円弧で描いているが、実際にはステープル503が露出する稜線の部分が尖る場合が多い。トナー剥がれは、稜線の部分や、背部分502とその両側に連なる平坦な部分(平、ヒラと呼ばれる)との境目などに生じやすい。
【0023】
それに対して平綴じは、中折りされた表紙以外の用紙が何組かが積なった状態の束にステープル503が打たれたものである。
図4Bは、中折りされた用紙が、複数枚の用紙からなる平綴じの例を示している。
図4Cは、中折りされた用紙が1枚の用紙からなる平綴じの例を示している。
図4Bおよび
図4Cのステープル503の何れも、ステープル503は、背部分502でなく背部分502に近い平(ヒラ)の部分に露出する。表紙501は、ステープルが打たれた用紙の束の背部分502に糊付けされて、用紙束を覆う。
【0024】
図4Bおよび
図4Cに示すように、平綴じは、表紙以外の用紙束にステープルが打たれる。それに対して無線綴じは、
図4Cと同様に中折りされた用紙と表紙とを背部分502で糊付けする綴じ方である。ステープル503に代えて糊が各用紙を結合する。
平綴じや無線綴じの場合も、表紙501は中折りされて背部分502が曲がる。表紙501が曲がる部分で、中綴じの場合と同様にトナーが部分的に剥がれ落ちたり、トナー層にひび割れが生じたりする。
なお、中綴じ以外の綴じ方の例として平綴じ、無線綴じの例を述べたが、それらの綴じ方に限定することを意図するものでなく、中綴じ以外の冊子の綴じ方にも本開示が適用可能であることを示すことを意図するものである。
平綴じ、無線綴じや他の綴じ方も製本機械で実施されているものであり、
図1および
図2に示す冊子作成ユニット168に適用可能である。なお、冊子作成ユニット168が中折された用紙にステープルを打つことを前提に上記の中綴じ印刷について説明し以下も同様であるが、本開示の範囲には、冊子作成ユニット168が中折りまでを行いステープルを打たない態様も含まれ、それらを総称して中折り印刷としている。
【0025】
≪下処理ユニットによる折り目付け処理≫
本開示に係る下処理ユニットが表紙に折り目を付ける処理について述べる。
図5は、本開示においてドライバであるPCジョブ設定部314が表紙/合紙および中綴じが組み合わされた印刷ジョブを指示した場合の印刷ジョブの流れを示す説明図である。
図5で、3つの鎖線枠は、PCジョブ設定部314からの印刷ジョブの指示を受けた際に印刷ユニット200、下処理ユニット167および冊子作成ユニット168が行う処理を示している。右側の鎖線枠から順に、印刷ユニット200が行う処理、下処理ユニット167が行う処理、冊子作成ユニット168としてのサドルフィニッシャが行う処理である。
【0026】
P
1~P
Nは、それぞれの用紙を示している。P
1~P
N-1は表紙以外の用紙であり、P
Nは表紙である。PCジョブ設定部314が指示する表紙/合紙の設定は、表紙以外の用紙を大容量給紙トレイ160から給紙し、表紙を手差しトレイ161から給紙するものであったとする。また、表紙のオモテ側に印刷を行うものであったとする。
印刷ユニット200は、P
1~P
N-1の各用紙を大容量給紙トレイ160から順次給紙し、表裏に印刷を行う。最後に、P
N(表紙)を手差しトレイ161から給紙してそのオモテ側に印刷を行う。P
Nは、
図3に示す冊子500に仕上がった状態で、表紙501に対応する用紙であり、オモテ側は表紙501の表裏両面のうち冊子500の外側に露出する面である。一例で、大容量給紙トレイ160から給紙される用紙の坪量(1平方メートル当たりの重量)は60g/m
2の普通紙であり、手差しトレイ161から給紙される用紙の坪量は、110g/m
2の厚紙である。
【0027】
下処理ユニット167は、表紙以外のP1~PN-1の各用紙は通過させるだけで何も処理を行わない。PN(表紙)については、中折りされる位置またはその近くの背の部分に折り目を付ける。
この態様によれば、下処理ユニットは中折りの前に表紙の中折り位置とその近くに曲がり目または折り目を付けておくことができる。
【0028】
図6は、下処理ユニット167が表紙501に折り目を付ける動作を示す説明図である。
図6に示すように、下処理ユニット167は、複数の搬送ローラ172が並ぶU字型の搬送路171を有する。U字型の搬送路171の底部を挟んで、凸状部175を有する押圧部材176と、受け部材177が配置されている。凸状部175を含む押圧部材176は、例えば鋼製の硬質な部材からなり、
図6に不図示の偏心カムとバネ等により上下方向に移動可能である(
図6の矢印参照)。U字型の搬送路171の底部を挟んで対向する受け部材177は、ゴム等の可撓性の部材からなり、位置は固定されている。
【0029】
周辺装置制御部215は、印刷ユニット200からの表紙501を搬送路171へ導く。中央部が凸状部175の下を通過する位置(
図6に示す表紙501参照)にきたことを
図6に不図示のセンサーで検出すると、表紙501の搬送を一旦止めて押圧部材176を降下させて、表紙501を介して押圧部材176に押圧する。このようにして表紙501を押圧部材176と受け部材177で挟んで線状の曲がり目または折り目を付ける。その後、押圧部材176を上昇させて表紙501の搬送を再開する。
【0030】
なお、表紙501を押圧部材176と受け部材177で挟む動作は1回に限らず複数回行ってもよい。例えば、表紙が非常に分厚い用紙の場合に有効である。また、表紙501を押圧部材176と受け部材177で挟む位置は1カ所だけでなく複数個所回行う態様もあり得る。冊子が分厚い場合に有効である。
この態様によれば、下処理ユニットは表紙の表裏を1回以上挟む動作によって中折りの前に表紙に線状の曲がり目または折り目を付けておくことができる。また、この態様によれば、下処理ユニットは中折りの前に表紙の中折り位置とその近くの1以上の箇所に線状の曲がり目または折り目を付けておくことができる。
【0031】
図5の説明に戻り、冊子作成ユニット168としてのサドルフィニッシャは、下処理ユニット167からP
1~P
Nの各用紙を順次受け取ると、それの用紙を積み重ねて揃えた後に、中央の2カ所にステープル503を打って中折りする。そして、
図5に示す中綴じの冊子500を得る。
【0032】
以上に述べた実施形態において、表紙501は厚紙であるが、それ以外の用紙は表紙501よりも薄い普通紙である。この態様によれば、下処理ユニット167は、表紙以外の用紙には折り目を付けないので、特許文献1に記載のように筋入れ処理に伴う凸部が形成されることがなく、形成された凸部によるシートの整合不良や紙詰まり等の弊害が生じない。よって、その凸部を潰す潰し手段を設ける必要がない。一方、厚紙を用いる表紙には予め折り目を付ける下処理を行う。下処理を行うと、サドルフィニッシャによる中折りと合わせて2度にわたり背部分502が曲げられることになる。下処理を行わずサドルフィニッシャで一気に中折りされる場合に比べて、表紙501を曲げる際に背部分502に形成されたトナー層にかかるストレスが緩和される。従って、背部分502のトナー剥がれが抑制される。
【0033】
≪ドライバであるPCジョブ設定部によって提供される操作画面≫
続いて、本開示において、印刷ジョブの設定に係るユーザの操作を受け付けジョブ設定部の具体例を、プリントジョブを例に述べる。
図7~
図12は、情報処理装置300のPCジョブ設定部314がPC操作部340に表示させる操作画面であって、プリンタドライバ画面の例を示す説明図である。
【0034】
図7に示す操作画面は、印刷設定に係る印刷設定画面の例である。印刷設定画面400の上部には、カテゴリ別に設定を分類した複数のタブ410が横並びに配置されている。印刷設定画面400に、すべてのタブを一度に表示しきれないので、左右両端のスクロールボタンを操作してタブをスクロールさせることができる。PCジョブ設定部314は、選択されたタブに応じた設定項目を中段の設定領域420に表示させる。
【0035】
図7は、[仕上げ]タブ412が選択された状態を示している。PCジョブ設定部314は、仕上げに係る設定項目を設定領域420に表示させる。表示される設定項目は、接続されている周辺機器の構成に応じて異なる。PCジョブ設定部314は、印刷設定画面400の下段の右側半分に、現在の機器構成を示すマシンイラスト432を表示させる。また、下段の左側半分に、設定された機能に応じた印刷の仕上がり状態を示すイラストと仕上げの設定に応じたアイコンを印刷イメージ431として表示させる。
【0036】
図1および
図2に示すように、仕上げに関する周辺装置として、下処理ユニット167および冊子作成ユニット168としてのサドルフィニッシャが接続されている。PCジョブ設定部314は、設定領域420の左側半分に、冊子作成ユニット168に係る設定項目としてステープル421とシフト排出423(
図12参照)、下処理ユニット167に係る設定項目としてパンチ/折り目422(
図8参照)を表示させる。また、設定領域420の右側半分に、冊子作成ユニット168の3つの排出先の何れに排出させるかの設定を表示させる。3つの排出先とは、
図1に示すように上段トレイ168U、下段トレイ168Dおよびサドルステッチトレイ168Sである。なお、中綴じを行う場合はサドルステッチトレイ168Sが排出先になる。
【0037】
それらの設定項目のうち、
図7は、ステープル421の設定項目の選択肢を示している。選択肢としては、1カ所綴じ、2カ所綴じ、中綴じおよび中綴じ(外折り)がある。それらの選択肢のうち本開示に関係するのは、中綴じである。
図7は、その中綴じが選択された状態を示している。
【0038】
図8は、
図7と同様に[仕上げ]タブ412が選択され、設定項目のうちパンチ/折り目422の選択肢を示している。この実施形態における下処理ユニット167は、折り目を付ける処理だけでなく、2穴パンチの穴あけ処理および多穴パンチの穴あけ処理が可能である。多穴パンチは、折り目と択一的な機能である。即ち、
図6に示す折り目付けのための押圧部材176を多穴パンチ用の押圧部材に交換することで、多穴パンチの穴あけ処理が可能になる。多穴パンチの他に、用紙を分離しやすくするミシン目をつけるための押圧部材が用意されており、押圧部材を交換することによってミシン目付けの処理が可能であってもよい。一方、2穴パンチは折り目付け/多穴パンチと併用可能である。
図6に図示していないが、押圧部材176の近くに2穴パンチをあける機構が設けられているので、両者の併用が可能である。
【0039】
なお、多穴パンチと折り目付けが独立した機構とすることは技術的に可能であり、そのような周辺装置を用意すれば、両者を併用することもできる。
図9は、多穴パンチと折り目付けが併用可能な周辺装置に対応したパンチ/折り目422の選択肢を示している。
以上、[仕上げ]タブ412が選択された状態での設定項目について述べた。
【0040】
図10は、印刷設定画面400の[挿入]タブ414が選択された状態での設定領域420の例を示している。
図10に示すように、PCジョブ設定部314は、[挿入]タブ414が選択された状態で設定項目として挿入機能424を表示させる。挿入機能424の選択肢として3つの選択肢がある。表紙/合紙、OHP合紙およびカーボンコピーである。それらの選択肢のうち本開示に関係するのは、表紙/合紙である。
図10は、その表紙/合紙が選択された状態を示している。PCジョブ設定部314は、表紙/合紙について詳細な設定を行うための[設定]キー425を挿入機能424の右隣に表示させる。
【0041】
図11は、[設定]キー425が操作された際にPCジョブ設定部314が表示させる詳細設定画面426の例を示している。
図11に示すように、詳細設定画面426で設定可能な表紙/合紙の設定項目として、給紙方法427、印刷方法428および挿入位置429を表示させる。給紙方法427は、表紙または合紙をどの給紙トレイから給紙するかの設定、および、表紙または合紙として給紙する用紙のタイプの設定を受け付ける項目である。印刷方法428は、表紙または合紙に印刷を行うか否か、印刷を行う場合は片面印刷か両面印刷かの設定を受け付ける項目である。挿入位置は、表紙または合紙を冊子のどの位置に挿入するかの設定を受け付ける項目である。
【0042】
中綴じとの組み合わせを行わない場合、
図11に示すように表紙(オモテ表紙)と裏表紙およびその他(即ち合紙)の選択肢がある。中綴じと組み合わせた場合は、表紙と裏表紙のいずれか一方のみを付けることはできないので、表紙と裏表紙の選択肢は統合されて一つの選択肢(表紙)になる。
図12は、印刷設定画面400の[挿入]タブ414が選択された状態で、中綴じと多穴パンチ/折り目の組み合わせが設定された状態を示している。
PCジョブ設定部314は、表紙/合紙が選択され、かつ下処理ユニット167が折り目付けの下処理が可能な場合にのみ両者の組み合わせを許容する。
図5に示すような処理を行うためである。
【0043】
下処理ユニット167が折り目付けの処理ができない場合、つまり多穴パンチの穴あけの処理しかできない場合は、両者の組み合わせを許容しない。中綴じと多穴パンチを組み合わせる必要がないからである。同様に、中綴じと2穴パンチの組み合わせを許容しない。言い換えると、中綴じとパンチとは何れか一方のみの選択を許容する。
中綴じ印刷の中折り位置に他の処理、例えば多穴パンチやミシン目をあける必要はないところ、この態様によれば、誤った組み合わせを受け付けないようにできる。
【0044】
ただし、下処理ユニット167に装着された押圧部材176が多穴パンチ用のものか折り目付け用のものかをPCジョブ設定部314が認識する機能がなければ、そのような組み合わせ禁止の処理は実現できない。その場合、PCジョブ設定部314は、表紙/合紙が選択された状態でのみ中綴じと多穴パンチ/折り目の組み合わせを許容する。下処理ユニット167に多穴パンチ用の押圧部材176が装着されていたとしても、中綴じとの組み合わせを許容する。ただし、中綴じと2穴パンチとの組み合わせは許容しない。
【0045】
さらに、
図11に示す詳細設定画面426の給紙方法427で、用紙タイプとして厚紙が設定されていない場合、あるいは挿入位置429で表紙が設定されていない場合には、中綴じと多穴パンチ/折り目の組み合わせを許容しないようにしてもよい。これを基本の態様(実施形態1)と別の実施形態3とする。
【0046】
≪表紙/合紙と中綴じが組み合わされた場合の通知(実施形態4)≫
通知制御部231は、本開示における必須の構成要素ではないが、表紙/合紙印刷と前記中綴じの組み合わせが設定された場合に通知制御部231が、表紙のみに前記下処理ユニットによる下処理を行う旨のメッセージをユーザに通知してもよい。通知制御部231を備える態様を本開示における実施形態4とする。
【0047】
実施の形態4の場合、PCジョブ設定部314は
図12に示すようにパンチ/折り目422の項目名の隣にインフォメーションアイコン430を表示させる。ユーザがインフォメーションアイコン430を操作すると、それに応答してPCジョブ設定部314は
図13に示す説明表示画面401をPC操作部340にポップアップ表示させる。「多穴パンチによる処理は表紙にのみ実施されます。」との説明である。インフォメーションアイコン430は、設定項目の組み合わせによって使用できない機能や制限のある機能の説明を表示させるためのアイコンである。
この態様によれば、表紙/合紙印刷と前記冊子作成処理の組み合わせが設定された場合には表紙のみに下処理を行うことを確認的にユーザに知らせることができる。
【0048】
本開示には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれると解されるべきである。
前述した実施の形態の他にも、本開示についての種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。本開示に係る発明には、請求の範囲と均等の意味および本開示の範囲に属するすべての変形が含まれるべきである。
【符号の説明】
【0049】
100:複合機、 159:本体給紙トレイ、 160:大容量給紙トレイ、 161:手差しトレイ、 162:搬送ユニット、 164:カール矯正ユニット、 165:インサータ、 167:下処理ユニット、 168:冊子作成ユニット、 168D:下段トレイ、 168S:サドルステッチトレイ、 168U:上段トレイ、 169:原稿送り装置、 171:搬送路、 172:搬送ローラ、 175:凸状部、 176:押圧部材 、177:受け部材、 200:印刷ユニット、 210:制御部、 212:操作制御部、 213:ジョブ制御部、 214:ジョブ設定部、 215:周辺装置制御部、 220:画像制御部、 230:記憶部、 231:通知制御部、 240:操作部、 250:スキャナ部、 260:エンジン部、 270:通信回路、 300:情報処理装置、 310:PC制御部、 312:PC操作制御部、 314:PCジョブ設定部、 330:PC記憶部、 340:PC操作部、 370:ネットワーク通信部
400:印刷設定画面、 401:説明表示画面、 410:タブ、 412:[仕上げ]タブ、 414:[挿入]タブ、 420:設定領域、 421:ステープル、 422:パンチ/折り目、 423:シフト排出、 424:挿入機能、 425:[設定]キー、 426:詳細設定画面、 427:給紙方法、 428:印刷方法、 429:挿入位置、 430:インフォメーションアイコン、 431:印刷イメージ、 432:マシンイラスト
500:冊子、 501:表紙、 502:背部分、 503:ステープル