(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118229
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】丸ダクト接続構造
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
F24F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024555
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】591225394
【氏名又は名称】株式会社新富士空調
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】梶野 勇
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080AB02
3L080AB08
3L080AD01
(57)【要約】
【課題】 省スペース化や費用削減を可能にする丸ダクト接続構造を提供する。
【解決手段】 第2の丸ダクト2の外径が第1の丸ダクト1の内径よりもやや小さく設定され、第2の丸ダクト1の一端側2Aに外側に突出するストッパ21が設けられ、ストッパ21が第1の丸ダクト1の一端縁に当接するまで第2の丸ダクト2の一端側2Aを第1の丸ダクト1の一端側1Aに挿入することで、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2とが接続され、第2の丸ダクト2の反一端側を第1の丸ダクト1内に挿入することで、第2の丸ダクト2が第1の丸ダクト1内に収容される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の丸ダクトの内径よりも第2の丸ダクトの外径がやや小さく設定され、前記第2の丸ダクトの一端側に外側に突出するストッパが設けられ、
前記ストッパが前記第1の丸ダクトの一端縁に当接するまで前記第2の丸ダクトの一端側を前記第1の丸ダクトの一端側に挿入することで、前記第1の丸ダクトと前記第2の丸ダクトとが接続され、前記第2の丸ダクトの反一端側を前記第1の丸ダクト内に挿入することで、前記第2の丸ダクトが前記第1の丸ダクト内に収容される、
ことを特徴とする丸ダクト接続構造。
【請求項2】
前記第1の丸ダクトの他端側に、外径が前記第2の丸ダクトの内径よりもやや小さい挿入部が設けられ、
前記挿入部を前記第2の丸ダクトの他端側に挿入することで、前記第1の丸ダクトと前記第2の丸ダクトとが接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の丸ダクト接続構造。
【請求項3】
前記第2の丸ダクトの一端側の部材が外側に突出するように折り曲げられて前記ストッパが設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の丸ダクト接続構造。
【請求項4】
前記第1の丸ダクトの他端側が縮径されて前記挿入部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の丸ダクト接続構造。
【請求項5】
前記第1の丸ダクトと前記第2の丸ダクトは、帯状材が螺旋状に巻かれ隣接する側縁部同士がハゼ接合されたスパイラルダクトであり、ハゼ接合部が表面から突出している、
ことを特徴とする請求項1に記載の丸ダクト接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丸ダクト同士を接続するための丸ダクト接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、空調用の直管の丸ダクトとして、帯状材を螺旋状に巻いて隣接する側縁部同士をはぜ接合したスパイラルダクトが広く使用されている。このスパイラルダクトの板厚やはぜのピッチは、丸ダクトの呼び径(呼称寸法)や丸ダクト内にかかる圧力に応じて規定されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「標準ダクトテキスト」一般社団法人 全国ダクト工業団体連合会 編集発行、平成27年4月、p.43
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、呼び径が同じ複数の丸ダクトをトラックで運搬する場合、それぞれの丸ダクトを荷台にそのまま積載していた。同様に、呼び径が同じ複数の丸ダクトを建設現場に仮置きする(一時的に保管する)場合にも、それぞれの丸ダクトをそのまま平置き(寝かし置き)していた。このため、積載や仮置きなどに広い面積、容積を要するばかりでなく、運搬費用や保管費用がかさむ要因となっていた。しかも、近年、建設業界では、コストダウンや環境保全・省エネ化が強く意識されており、これらに対応可能な技術が求められている。
【0005】
そこで本発明は、省スペース化や費用削減を可能にする丸ダクト接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、第1の丸ダクトの内径よりも第2の丸ダクトの外径がやや小さく設定され、前記第2の丸ダクトの一端側に外側に突出するストッパが設けられ、前記ストッパが前記第1の丸ダクトの一端縁に当接するまで前記第2の丸ダクトの一端側を前記第1の丸ダクトの一端側に挿入することで、前記第1の丸ダクトと前記第2の丸ダクトとが接続され、前記第2の丸ダクトの反一端側を前記第1の丸ダクト内に挿入することで、前記第2の丸ダクトが前記第1の丸ダクト内に収容される、ことを特徴とする丸ダクト接続構造である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の丸ダクト接続構造において、前記第1の丸ダクトの他端側に、外径が前記第2の丸ダクトの内径よりもやや小さい挿入部が設けられ、前記挿入部を前記第2の丸ダクトの他端側に挿入することで、前記第1の丸ダクトと前記第2の丸ダクトとが接続される、ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の丸ダクト接続構造において、前記第2の丸ダクトの一端側の部材が外側に突出するように折り曲げられて前記ストッパが設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の丸ダクト接続構造において、前記第1の丸ダクトの他端側が縮径されて前記挿入部が設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の丸ダクト接続構造において、前記第1の丸ダクトと前記第2の丸ダクトは、帯状材が螺旋状に巻かれ隣接する側縁部同士がハゼ接合されたスパイラルダクトであり、ハゼ接合部が表面から突出している、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、第2の丸ダクトの反一端側を第1の丸ダクト内に挿入することで、第2の丸ダクトを第1の丸ダクト内に収容できるため、第1の丸ダクトと第2の丸ダクトを積載したり仮置きしたりするスペースを削減することが可能となる。その結果、運搬費用・運搬エネルギーや保管費用などを削減することが可能となる。例えば、工場から出荷する際のトラック数を略半減することが可能となり、環境保全に貢献することが可能となる。
【0012】
また、第2の丸ダクトの一端側を第1の丸ダクトの一端側に挿入するだけで、第1の丸ダクトと第2の丸ダクトとを接続することができ、接続に要する労力や時間を削減することが可能となる。
【0013】
しかも、第2の丸ダクトを第1の丸ダクトに挿入できる程度に第2の丸ダクトの外径が第1の丸ダクトの内径よりもやや小さく設定されているだけであり、第1の丸ダクトと第2の丸ダクトとの内径をほぼ同寸法にすることが可能となる。この結果、第1の丸ダクトと第2の丸ダクトを同じ呼び径(呼称寸法)の丸ダクトとして扱うことが可能となり、呼び径が同じ複数の丸ダクトを積載したり仮置きしたりする際にも、省スペース化や費用削減を図ることが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、第1の丸ダクトの挿入部を第2の丸ダクトの他端側に挿入するだけで、第1の丸ダクトと第2の丸ダクトとを接続することができ、接続に要する労力や時間を削減することが可能となる。しかも、第2の丸ダクトの一端側を第1の丸ダクトの一端側に挿入し、第1の丸ダクトの挿入部・他端側を第2の丸ダクトの他端側に挿入する、という工程・作業を繰り返すことで、第1の丸ダクトと第2の丸ダクトを任意の数だけ連続的に接続することが可能となり、敷設したい所望・任意のダクト長に対応することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、第2の丸ダクトの部材が折り曲げられて一体的にストッパが設けられているため、ストッパを別体に設ける場合に比べて、製造コストを削減したり取り扱いを容易にしたり、あるいは、ストッパの強度を高めることが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、第1の丸ダクトの他端側が縮径されて一体的に挿入部が設けられているため、挿入部を別体に設ける場合に比べて、製造コストを削減したり取り扱いを容易にしたり、あるいは、挿入部の強度を高めることが可能となる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、スパイラルダクトである第1の丸ダクトと第2の丸ダクトのハゼ接合部が、ともに表面から突出しているため、一方のハゼ接合部が表面から突出し他方のハゼ接合部が内面から突出する場合に比べて、美観が良好になる。さらに、丸ダクト内を流れる粉塵がハゼ接合部に滞留・堆積することがなく、丸ダクト内の清浄度を高く維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】この発明の実施の形態に係る丸ダクト接続構造を示す概略斜視図である。
【
図2】この発明の実施の形態に係る第1の丸ダクトを示す正面図である。
【
図3】この発明の実施の形態に係る第2の丸ダクトを示す正面図である。
【
図4】
図3の第2の丸ダクトの一端側を
図2の第1の丸ダクトの一端側に挿入した状態を示す正面図である。
【
図5】
図2の第1の丸ダクトの挿入部を
図3の第2の丸ダクトの他端側に挿入した状態を示す正面図である。
【
図6】
図3の第2の丸ダクトの本体部を
図2の第1の丸ダクトの本体部に挿入した状態を示す正面図である。
【
図7】
図2の第1の丸ダクトの挿入部の溝部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0020】
図1~
図8は、この発明の実施の形態を示し、
図1は、この実施の形態に係る丸ダクト接続構造を示す概略斜視図である。この丸ダクト接続構造は、ほぼ同径の(数mm違いの)第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2とを接続するための構造であり、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2は、対となって使用されたりするペア丸ダクトである。
【0021】
ここで、この実施の形態では、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2がともにスパイラルダクトの場合について説明するが、スパイラルダクト以外のダクトにも適用できることは勿論である。すなわち、この実施の形態では、帯状材が螺旋状に巻かれ隣接する側縁部同士がハゼ接合されたスパイラルダクトであり、ハゼ接合部1a、2aが表面から突出している。また、丸ダクト1、2の内面は、平滑で(凹凸がなく)ハゼ接合部1a、2aの線だけが現れている。
【0022】
第1の丸ダクト1は、
図2に示すように、内径D12が所望の直径に設定され、この内径D12にハゼ接合部1aの厚みを加えた直径が外径D11となっている。例えば、呼び径(内径基準の呼称寸法)がφ200mmの場合、内径D12がφ200mm、外径D11がφ204mmとなっている。
【0023】
この第1の丸ダクト1の一端側1Aに、後述するように、第2の丸ダクト2の一端側2Aが挿入され、第1の丸ダクト1の他端側1Bに、挿入部11が設けられている。この挿入部11は、その外径D13が第2の丸ダクト2の内径D22よりもやや小さく設定・形成され、後述するように、第2の丸ダクト2の他端側2Bにガタなく(直径で2mm程度の隙間で)挿入できるようになっている。例えば、上記のような外径D11、内径D12に対して、挿入部11の外径D13がφ192mmとなっている。
【0024】
また、挿入部11は、第1の丸ダクト1の他端側1Bが縮径されて形成されている。すなわち、
図7に示すように、中心側に略U字状に窪み軸方向に延びる溝部11aが、周方向に複数形成されることで他端側1Bが縮径されて、挿入部1が第1の丸ダクト1に一体的に形成されている。
【0025】
この挿入部11の軸方向の長さL11は、挿入部11が第2の丸ダクト2の他端側2Bに挿入されることで、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2とが安定・強固に接続されるように設定されている。そして、挿入部11以外の部分が、第1の丸ダクト1の本体部1Cとなり、後述するように、第2の丸ダクト2の本体部2Cを収容可能となっている。
【0026】
第2の丸ダクト2は、
図3に示すように、外径D21が第1の丸ダクト1の内径D12よりもやや小さく設定され、後述するように、第1の丸ダクト1の本体部1Cに第2の丸ダクト2をガタなく(直径で2mm程度の隙間で)挿入できるようになっている。例えば、上記のように、第1の丸ダクト1の内径D12がφ200mmに対して、第2の丸ダクト2の外径D21がφ198mmに設定されている。そして、第2の丸ダクト2の内径D22は、外径D21からハゼ接合部2aの厚みを減算した直径となっている。例えば、外径D21がφ198mmの場合、内径D22がφ194mmに設定されている。
【0027】
この第2の丸ダクト2の一端側2Aには、外側に突出するストッパ21が設けられている。このストッパ21は、第2の丸ダクト2の周方向にリング状に延び、この実施の形態では、第2の丸ダクト2と一体的に形成されている。すなわち、
図8に示すように、第2の丸ダクト2の一端側2Aの部材が、2つ折りになって外側に略垂直に突出するように折り曲げられて形成されている。
【0028】
また、ストッパ21の外径D23は、後述するようにして第2の丸ダクト2の一端側2Aを第1の丸ダクト1の一端側1Aに挿入した際に、ストッパ21が第1の丸ダクト1の一端縁1A1に当接して、挿入量が規制されるように設定されている。例えば、第1の丸ダクト1の外径D11がφ204mmに対して、ストッパ21の外径D23がφ208mmに設定されている。
【0029】
さらに、第2の丸ダクト2の一端側2Aの端縁からストッパ21までの長さL21、つまり、第2の丸ダクト2の一端側2Aの挿入量は、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2とが安定・強固に接続されるように設定されている。そして、一端側2Aおよびストッパ21以外の部分が、第2の丸ダクト2の本体部2Cとなり、後述するように、第1の丸ダクト1の本体部1Cに収容可能となっている。
【0030】
ここで、この実施の形態では、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2の全長がほぼ同寸法で、第1の丸ダクト1の本体部1Cと第2の丸ダクト2の本体部2Cの長さもほぼ同寸法となっている。
【0031】
このような構成の第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2によって、次のような丸ダクト接続構造が形成・構成される。まず、
図4に示すように、ストッパ21が第1の丸ダクト1の一端縁1A1に当接するまで第2の丸ダクト2の一端側2Aを第1の丸ダクト1の一端側1Aに挿入することで、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2とが接続される。さらに、
図5に示すように、第1の丸ダクト1の挿入部11を第2の丸ダクト2の他端側2Bに挿入することで、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2とが接続される。
【0032】
つまり、第1の丸ダクト1の一端側1Aと第2の丸ダクト2の一端側2A、および、第1の丸ダクト1の他端側1B(挿入部11)と第2の丸ダクト2の他端側2Bの両方において、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2による接続構造が形成可能となる。このため、第1の丸ダクト1の一端側1Aと第2の丸ダクト2の一端側2Aを接続し、さらに、その第2の丸ダクト2の他端側2Bと次の第1の丸ダクト1の他端側1Bを接続する、という工程・作業を繰り返すことで、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2を任意の数だけ連続的に接続することが可能となる。
【0033】
また、
図6に示すように、第2の丸ダクト2の本体部2C(反一端側)を第1の丸ダクト1の本体部1Cに挿入することで、第2の丸ダクト2が第1の丸ダクト1内に収容される。この時、ストッパ21が第1の丸ダクト1の一端縁1A1に当接して、第2の丸ダクト2の一端側2Aが第1の丸ダクト1の一端側1Aから突出する。そして、このような収容状態で第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2を一体的に運搬したり、保管したりすることが可能となる。
【0034】
このように、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2がペア丸ダクトとして設置・使用されたり、運搬、保管されたりする。
【0035】
以上のように、この丸ダクト接続構造・ペア丸ダクトによれば、第2の丸ダクト2の本体部2Cを第1の丸ダクト1の本体部1Cに挿入することで、第2の丸ダクト2を第1の丸ダクト1内に収容できるため、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2を積載したり仮置きしたりするスペースを削減することが可能となる。その結果、運搬費用・運搬エネルギーや保管費用などを削減することが可能となる。例えば、工場から出荷する際のトラック数を略半減することが可能となり、環境保全に貢献することが可能となる。
【0036】
ところで、例えば、φ200mmの丸ダクトのなかにφ150mmの丸ダクトを挿入、収容することもできるが、φ200mmのなかでφ150mmがガタついてしまい、安定、安全に運搬することができない。これに対して、この実施の形態では、第2の丸ダクト2の外径D21が第1の丸ダクト1の内径D12よりもやや小さいだけであり、第1の丸ダクト1の本体部1Cに第2の丸ダクト2の本体部2Cをガタなく挿入、収容できるため、安定、安全に運搬することが可能となる。
【0037】
また、φ200mmのなかに同じ長さ以下のφ150mmをそのまま挿入、収容する場合、φ200mmのなかにφ150mmの全長がすっぽり入ってしまい、φ200mmのなかにφ150mmがあるのかどうかを外観から判断することが容易ではない。このため、不用意にφ150mmが入ったφ200mmを持上げて、φ150mmを落としたり怪我をしたりするおそれがある。これに対して、この実施の形態では、第2の丸ダクト2の本体部2Cを第1の丸ダクト1の本体部1Cに挿入、収容しても、
図6に示すように、第2の丸ダクト2の一端側2Aが第1の丸ダクト1の一端側1Aから突出する。このため、第1の丸ダクト1に第2の丸ダクト2が収容されていることを外観から容易に判断することができ、不用意に第2の丸ダクト2を収容した第1の丸ダクト1を持上げて、第2の丸ダクト2を落としたり怪我をしたりするおそれがない。
【0038】
一方、第2の丸ダクト2の一端側2Aを第1の丸ダクト1の一端側1Aに挿入するだけで、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2とを接続することができ、接続に要する労力や時間を削減することが可能となる。
【0039】
しかも、第2の丸ダクト2を第1の丸ダクト1にガタなく(直径で2mm程度の隙間で)挿入できる程度に第2の丸ダクト2の外径D21が第1の丸ダクト1の内径D12よりもやや小さく設定されているだけであり、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2との内径をほぼ同寸法にすることが可能となる。つまり、第2の丸ダクト2の内径D22(例えば、φ194mm)を第1の丸ダクト1の内径D12(例えば、φ200mm)よりも数mm程度(10mm以下)小さくすればよい。
【0040】
このため、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2を同じ呼び径(呼称寸法)の丸ダクトとして扱うことが可能となる。例えば、従来から標準的な丸ダクトの呼び径として、φ150mm、φ200mmなどが使用されているが、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2を同じ呼び径φ200mmの丸ダクトとして扱うことが可能となる。この結果、呼び径が同じ複数の丸ダクトを積載したり仮置きしたりする際にも、省スペース化や費用削減を図ることが可能となる。
【0041】
また、第1の丸ダクト1の挿入部11を第2の丸ダクト2の他端側2Bに挿入するだけで、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2とを接続することができ、接続に要する労力や時間を削減することが可能となる。しかも、第2の丸ダクト1の一端側2Aを第1の丸ダクト1の一端側1Aに挿入し、第1の丸ダクト1の挿入部11・他端側1Bを第2の丸ダクト2の他端側2Bに挿入する、という工程・作業を繰り返すことで、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2を任意の数だけ連続的に接続することが可能となり、敷設したい所望・任意のダクト長に対応することが可能となる。
【0042】
一方、第2の丸ダクト2の部材が折り曲げられて一体的にストッパ21が設けられているため、ストッパ21を別体に設ける場合に比べて、製造コストを削減したり取り扱いを容易にしたり、あるいは、ストッパ21の強度を高めることが可能となる。
【0043】
同様に、第1の丸ダクト1の他端側1Bが縮径されて一体的に挿入部11が設けられているため、挿入部11を別体に設ける場合に比べて、製造コストを削減したり取り扱いを容易にしたり、あるいは、挿入部11の強度を高めることが可能となる。
【0044】
また、スパイラルダクトである第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2のハゼ接合部1a、2aが、ともに表面から突出しているため、一方のハゼ接合部1a、2aが表面から突出し他方のハゼ接合部1a、2aが内面から突出する場合に比べて、美観が良好になる。さらに、丸ダクト1、2内を流れる粉塵がハゼ接合部1a、2aに滞留・堆積することがなく、丸ダクト1、2内の清浄度を高く維持することが可能となる。
【0045】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、第2の丸ダクト2の一端側2Aの端縁からストッパ21までの長さL21が固定となっているが、ストッパ21を第2の丸ダクト2の任意の位置に外付け(後付け)可能なリングとしてもよい。これにより、第1の丸ダクト1と第2の丸ダクト2を接続した状態の全長を任意の長さに調整することが可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 第1の丸ダクト
1a ハゼ接合部
11 挿入部
11a 溝部
1A 一端側
1A1 一端縁
1B 他端側
1C 本体部
2 第2の丸ダクト
2a ハゼ接合部
21 ストッパ
2A 一端側
2B 他端側
2C 本体部(反一端側)