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特開2024-118232情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118232
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240823BHJP
【FI】
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024563
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】岡 直哉
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555BE17
5E555DB41
5E555DB57
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】利用者が字幕付きの動画を視聴しやすくなること。
【解決手段】情報処理装置10は、取得部と動画像処理部と字幕処理部とを備える。取得部は、動画像情報と字幕情報とを取得する。動画像処理部は、取得部が取得した動画像情報に基づいて、仮想空間上の動画像オブジェクトとして配置して表示し、動画像オブジェクトを仮想空間上で再生する。字幕処理部は、動画像オブジェクトと対応する字幕情報を、動画像情報とは異なるオブジェクトとして配置して表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像情報と字幕情報とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記動画像情報に基づいて、仮想空間上の動画像オブジェクトとして配置して表示し、前記動画像オブジェクトを前記仮想空間上で再生する動画像処理部と、
前記動画像オブジェクトと対応する前記字幕情報を、前記動画像情報とは異なるオブジェクトとして配置して表示する字幕処理部とを備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記動画像情報と前記字幕情報とをそれぞれのファイルで取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記字幕処理部は、前記取得部が取得した前記動画像情報と前記字幕情報とが1つのファイルである場合には、前記字幕情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記動画像処理部は、字幕のない前記動画像オブジェクトを、前記仮想空間上に配置して表示し、再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
動画像情報と字幕情報とを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得した前記動画像情報に基づいて、仮想空間上の動画像オブジェクトとして配置して表示し、前記動画像オブジェクトを前記仮想空間上で再生する動画像処理工程と、
前記動画像オブジェクトと対応する前記字幕情報を、前記動画像情報とは異なるオブジェクトとして配置して表示する字幕処理工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
動画像情報と字幕情報とを取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得した前記動画像情報に基づいて、仮想空間上の動画像オブジェクトとして配置して表示し、前記動画像オブジェクトを前記仮想空間上で再生する動画像処理手順と、
前記動画像オブジェクトと対応する前記字幕情報を、前記動画像情報とは異なるオブジェクトとして配置して表示する字幕処理手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間(ゲーム)上のキャラクターの発言と対応した字幕を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-3221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、仮想空間上で、さらに動画像を配置して再生し、その動画像と対応する字幕表示を考慮していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、動画像情報と字幕情報とを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記動画像情報に基づいて、仮想空間上の動画像オブジェクトとして配置して表示し、前記動画像オブジェクトを前記仮想空間上で再生する動画像処理部と、前記動画像オブジェクトと対応する前記字幕情報を、前記動画像情報とは異なるオブジェクトとして配置して表示する字幕処理部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、利用者が字幕付きの動画を視聴しやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、ハードウェアの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0009】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、図1では、情報処理装置10が動画像端末100から動画像情報と字幕情報とを取得して、動画像情報と字幕情報とに基づいて、動画像オブジェクトと字幕オブジェクトを配置して表示し、表示した動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを利用者に配信する場合の情報処理の一例について説明する。
【0010】
図1に示す例において、情報処理装置10は、動画像端末100から動画像情報と字幕情報とを取得して、動画像情報と字幕情報とに基づき、処理を行う情報処理装置であり、コンピュータやクラウドシステム等により実現される。
【0011】
利用者端末20は、ブラウザに表示されるウェブページやアプリに表示されるコンテンツを閲覧する利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末20は、デスクトップ型PC(Personal Computer)やノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assisitant)等である。また、利用者端末20は、利用者による操作に従って情報処理装置10から配信内容を取得し、取得した配信内容を所定の表示枠に表示する。
【0012】
動画像端末100は、動画像主によって利用される情報処理装置である。例えば、動画像端末100は、デスクトップ型PCや、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機やPDA等である。また、動画像端末100は、動画像主による操作に従って、動画像と音声を含む動画像情報と、字幕情報とを情報処理装置10に入稿する。
【0013】
以下、図1を用いて、情報処理装置10の処理の一例の概要を流れに沿って説明する。
【0014】
情報処理装置10は、動画像端末100から動画像情報と字幕情報とを取得する(ステップS11)。
【0015】
続いて、情報処理装置10は、取得した動画像情報と字幕情報とに基づき、各種処理を行う(ステップS12)。例えば、情報処理装置10は、動画像オブジェクトの配置や表示、再生、字幕オブジェクトの配置や表示タイミングの調整等の処理を行う。
【0016】
最後に、情報処理装置10は、処理を行った動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを利用者端末20へ配信する(ステップS13)。利用者は、利用者端末20から仮想空間上へ自己を示すアバターを使用してアクセスすることで、情報処理装置10が配信する動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを視聴することができる(ステップS14)。
【0017】
ここで、仮想空間は、他の利用者もアクセス可能な仮想空間であることが好ましい。また、仮想空間は、情報処理装置10が提供してもよいし、図示しない他の情報処理装置が、仮想空間を提供して、情報処理装置10が処理した映像と合成してもよい。
【0018】
利用者は、アバターを予め作成しておくことが好ましいが、仮想空間上に初めてアクセスする際に作成してもよい。アバターの作成は、予め仮想空間上に用意されたアバターを選択することで作成してもよいし、利用者が自分で作成してもよい。
【0019】
このようにして、情報処理装置10は、利用者へ動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを配信する。その結果、利用者が仮想空間上へアクセスすることで、情報処理装置10が配信する動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを視聴できる。
【0020】
〔2.情報処理装置10の構成〕
次に、図2を参照し、図1に示した情報処理装置10の構成を説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。また、情報処理装置10と利用者端末20はネットワークを介して有線又は無線により互いに通信可能に接続される。
【0021】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ネットワークと有線又は無線で接続され、ネットワークを介して、動画像端末100や利用者端末20との間で情報の送受信を行う。
【0022】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部13は、制御部12による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、動画像情報記憶部13aと字幕情報記憶部13bとを有する。さらに、必要に応じて、仮想空間記憶部13cを有していてもよい。
【0023】
動画像情報記憶部13aは、取得部12aによって取得された動画像情報を記憶する。例えば、動画像情報記憶部13aは、動画像情報として、動画像やインターネットサイトのページなどを記憶する。動画像は、ニュースに関する動画像であることが好ましいが、ニュースに関する動画像に限定されず、競技(スポーツ、囲碁将棋などの対局、eスポーツ、競馬、競艇等)、天気予報、災害情報、ライブカメラの動画像、ゲーム等の仮想空間の動画像や個人が投稿した動画像等であってもよい。すなわち、動画像は、特定のテーマであればよい。
【0024】
字幕情報記憶部13bは、取得部12aによって取得された字幕情報を記憶する。例えば、字幕情報記憶部13bは、後述する字幕処理部12cによって処理された字幕を記憶する。
【0025】
仮想空間記憶部13cは、仮想空間に関する情報を記憶する。例えば、仮想空間記憶部13cは、仮想空間に関する情報として、仮想空間にアクセスした利用者が交流できる環境の情報を記憶する。なお、仮想空間に関する情報は、例えば、あらかじめ外部から入力されていてもよいし、通信部11を介してネットワークから入手してもよい。
【0026】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。制御部12は、取得部12aと、動画像処理部12bと、字幕処理部12cと、判定部12dとを有する。
【0027】
取得部12aは、動画像情報と字幕情報とを取得する。取得部12aは、動画像情報と字幕情報とそれぞれのファイルとして取得することが好ましいが、1つのファイルとして取得してもよい。そして、取得部12aは、取得した動画像情報を動画像情報記憶部13aに格納し、取得した字幕情報を字幕情報記憶部13bに格納する。なお、取得部12aは、少なくとも動画像情報を取得する。
【0028】
動画像処理部12bは、取得部12aによって取得された動画像情報を処理する。例えば、動画像処理部12bは、動画像情報記憶部13aに格納された動画像情報を処理する。
【0029】
具体的には、動画像処理部12bは、動画像情報に基づいて、動画像を仮想空間上のオブジェクト(動画像オブジェクト)として配置して表示し、再生する。また、動画像処理部12bは、字幕のない動画像を動画像オブジェクトとして配置して表示し、再生する。例えば、動画像処理部12bは、動画像オブジェクトを仮想空間上にウィンドウで配置して表示し、再生する。また、動画像処理部12bは、動画像オブジェクトの配置や表示サイズを調整してもよい。なお、動画像処理部12bは、動画像オブジェクトの周囲に接する枠を表示してもよい。動画像オブジェクトの枠は、動画像オブジェクトの状態(ライブもしくは録画、最大化・最小化、閉じる)を示し、本実施形態においては、「LIVE」と表示される。動画像オブジェクトの枠は、動画像端末100から取得部12aが取得してもよい。動画像オブジェクトの枠は、なくてもよく、この場合には、動画像オブジェクトの状態は、動画像オブジェクトの端部に表示される。
【0030】
字幕処理部12cは、取得部12aによって取得された字幕情報を処理する。例えば、字幕処理部12cは、字幕情報記憶部13bに格納された字幕情報を処理する。
【0031】
具体的には、字幕処理部12cは、字幕情報に基づいて、動画像オブジェクトと対応する字幕を、動画像とは異なるオブジェクト(字幕オブジェクト)として仮想空間上に配置して表示する。例えば、字幕処理部12cは、字幕が動画像オブジェクトよりも外側下部であって、利用者端末20の画面の一番手前側(利用者側)に重畳するように配置して表示する。また、字幕処理部12cは、字幕の配置や表示サイズ、表示タイミングを調整してもよい。また、例えば、動画像情報と字幕情報とを含んだ1つのファイルを取得部12aが取得した場合には、字幕情報を抽出して、抽出した字幕情報を処理する。なお、字幕処理部12cが字幕情報を抽出する方法は、例えば、各種抽出技術や光学文字認識(Optical Character Recognition(Reader))のような公知技術であってよい。なお、字幕には、話者の発言内容以外の内容を含んでもよい。例えば、字幕の内容は、動画像オブジェクトに映っている人物のプロフィールや、競技の場合には、試合の経過等のテロップを含んでもよく、限定されない。なお、この場合、発言内容とテロップとを、それぞれ、発言オブジェクトとテロップオブジェクトとして、字幕オブジェクトに含むことが好ましい。このようにすることで、発言内容(発煙オブジェクト)とテロップ(テロップオブジェクト)とのいずれかのみを表示することも可能となる。
【0032】
また、字幕処理部12cは、字幕を作成して配置し、表示してもよい。字幕処理部12cは、取得部12aが取得したファイルに字幕情報がない場合や、字幕情報があっても、字幕情報が一部欠落している場合には、その時に取得部12aが取得した動画像ファイルと対応する字幕を必要に応じて新たに作成して配置し、表示する。また、字幕処理部12cは、動画像端末100から英語や中国語などの外国語が発話される動画像情報を取得した場合に、その外国語の字幕に限られず、翻訳した字幕を作成して配置し、表示してもよい。例えば字幕処理部12cは、外国語が発話される動画像情報に対して、日本語に翻訳した字幕を表示してもよい。なお、字幕に表示する言語は、利用者の母国語に合わせて利用者が設定してもよい。例えば、日本語の動画像オブジェクトである場合には、字幕を利用者が英語や中国語等の言語に設定してもよい。このようにして、字幕処理部12cは、取得部12aが取得した字幕情報を字幕オブジェクトとして処理するため、利用者が、情報処理装置10が配信する内容を視聴しやすくなる。言語翻訳にも対応することにより、利用者は、母国語でない言語の内容についても視聴できる。
【0033】
判定部12dは、取得部12aが動画像情報と字幕情報とを取得したかを判定する。また、判定部12dは、取得部12aが取得したファイルが別のファイルであるかを判定する。例えば、判定部12dは、取得部12aが取得したファイルが動画像情報と字幕情報とが別のファイルであるかを判定する。判定部12dは、取得部12aが取得した1つファイル内に動画像情報と字幕情報とが含まれているかを判定する。
【0034】
〔3.情報処理の具体例〕
続いて、図3を参照し、実施形態に係る情報処理の具体例について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。以下では、情報処理装置10の取得処理及び動画像情報と字幕情報との処理、配信処理の具体例について説明する。
【0035】
図3に示す例では、動画像オブジェクトは、日本人男性が、身体を左右に向けながら、「現在、E国とF国の関係は、」と日本語で発話するライブのシーンを示す。なお、動画像オブジェクトは、録画であってもよい。
【0036】
まず、情報処理装置10は、動画像情報と字幕情報とを取得する。そして、情報処理装置10は、動画像情報に基づいて、仮想空間上の動画像オブジェクトとして配置して表示し、再生する。すると、男性が、身体を左右に向けながら発話する字幕のない動画像オブジェクトが再生される。
【0037】
情報処理装置10は、字幕情報に基づいて、動画像と対応する字幕を、動画像とは異なる字幕オブジェクトとして、仮想空間上に重畳するように配置して表示する。字幕オブジェクトの処理は、動画像オブジェクトの再生前(動画像オブジェクトを配置して表示するのと同時)であっても再生後であってもよい。動画像オブジェクトが再生されると、「現在、E国とF国の関係は、」という内容の字幕オブジェクトが表示される。
【0038】
最後に、情報処理装置10は、動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとの配置等を利用者端末20での表示に適合するように整え、通信部11を介して利用者端末20に配信する。利用者は、複数配信されているテーマのうちから、1つを選択し、自己を示すアバターを用いて、仮想空間上にアクセスすることで、情報処理装置10が配信した内容を視聴できる。また、仮想空間上において、利用者は、配信された内容について、他の利用者と意見交換をすることができる。例えば、図3に示す例では、意見交換は、国際情勢についての、国同士の関係改善や発展についての討論等が挙げられる。また、意見交換は、発話者(B教授)の発言と自己の考えとの相違、他の利用者の発言と自己の発言との同意点・矛盾点等のような個人の意見への発言であってもよい。
【0039】
〔4.処理手順〕
次に、図4を参照して情報処理装置10の処理について説明する。図4は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図4に示す例では、判定部12dは、動画像情報と字幕情報とを取得したかを判定する(ステップS101)。判定部12dは、動画像情報と字幕情報とを取得していない場合(ステップS101;No)、動画像情報と字幕情報とを取得するまで待機する。
【0040】
一方、判定部12dは、動画像情報と字幕情報とを取得した場合(ステップS101;Yes)、動画像情報と字幕情報とが別ファイルであるかを判定する(ステップS102)。字幕処理部12cは、動画像情報と字幕情報とが別ファイルでない場合(ステップS102;No)、字幕情報を抽出する(ステップS103)。
【0041】
一方、動画像処理部12bは、動画像情報と字幕情報とが別ファイルである場合(ステップS102;Yes)、動画像オブジェクトを配置して表示し、再生する(ステップS104)。字幕処理部12cは、動画像オブジェクトと対応する字幕オブジェクトを配置して表示する(ステップS105)。通信部11は、動画像オブジェクトと字幕オブジェクトを利用者端末20に配信する(ステップS106)。
【0042】
〔5.他の例〕
上述した情報処理装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の他の例について説明する。
【0043】
上記実施形態において、情報処理装置10は、視点を切り替えてもよい。例えば、情報処理装置10は、利用者の操作にしたがって、若しくは、配信内容に対応しながら視点を主観視点(仮想空間内の利用者のアバターの目線)や第三者視点(利用者の目線)に切り替えてもよい。
【0044】
また、上記実施形態において、情報処理装置10は、字幕や音声翻訳のオン・オフを行ってもよい。例えば、情報処理装置10は、メニューオブジェクトを予め準備し、メニューオブジェクトに字幕のオン・オフ、音声翻訳オン・オフのメニューを作成して表示する。情報処理装置10は、利用者が前述のメニューを操作することで、字幕や音声翻訳のオン・オフを行う。また、情報処理装置10は、字幕表示を利用者が自由に変更できるようにしてもよい。例えば、情報処理装置10は、利用者が字幕をオンにした場合には、利用者が字幕表示を変更できるメニューを更に表示してもよい。字幕表示を変更できるメニューは、字幕の枠・背景色の変更、枠・背景の有無、利用者の操作による字幕の移動、カスタム(字幕表示の、利用者端末20の画面の奥行方向を含む回転角度、文字の色やフォント、大きさの調整等)、変更リセット等を含む内容が挙げられる。利用者はこれらの中から1つ以上選択することや利用者の操作により字幕を選択して字幕を移動させることで、利用者の好みに適した字幕を配置して表示することが可能となる。
【0045】
また、上記実施形態において、情報処理装置10は、利用者の会話内容を字幕で表示してもよい。この場合、例えば、情報処理装置10は、会話内容をログとして記憶してもよく、字幕もしくは会話内容に基づいて、字幕表示がオンであっても不適切な発言内容の字幕を非表示にしたり、不適切な発言・行動を繰り返している利用者に対して、仮想空間へのアクセスの優先順位を下げたり、アクセスを禁止したりしてもよい。また、情報処理装置10は、字幕もしくは会話内容に基づいて、適切な発言をしている利用者に対して、仮想空間へのアクセスの優先順位をあげてもよい。さらに、情報処理装置10は、会話も翻訳してもよい。これにより、利用者は、外国語を使用する利用者とも意見交換を図ることが可能となる。
【0046】
また、上記実施形態において、情報処理装置10は、利用者がウェブ検索できるようにしてもよい。例えば、情報処理装置10は、字幕、会話内容のキーワード(図3の例では「E国」や経歴の「A大学」等)にリンクを設定し、利用者が、リンクが設定されたキーワードを選択することで、キーワードの付近に検索結果を表示する。情報処理装置10は、キーワードを利用者が調べられるようにストックできるようにしてもよい。この場合には、キーワードを選択することで、検索するタイミングを示すメニューを表示する。例えば、検索するタイミングを示すメニューとしては、「今すぐ検索する」、「後で調べる」という内容を表示する。そして、情報処理装置10は、利用者が選択したキーワードに対して、「後で調べる」を選んだ場合には、そのキーワードを順次メモ帳や表計算ソフトなどに自動で転記し、一覧として保存する。また、「後で調べる」を選んだ場合には、利用者がメモすることができるメモ欄を表示してもよい。なお、「今すぐ検索する」を選択した場合には、キーワードの付近に検索結果を表示する。このようにすることで、利用者は、気になるキーワードに対する知識を得やすくなる。また、すぐに検索できるようにすることで、すぐに調べることが可能となる。
【0047】
また、上記実施形態において、情報処理装置10は、吹き出しを字幕表示してもよい。例えば、情報処理装置10は、動画像オブジェクト内の人物の会話を吹き出しで表示する場合、その吹き出しを動画像オブジェクトよりも外側に表示してもよい。
【0048】
〔6.効果〕
前述してきたように、本実施形態に係る情報処理装置10は、動画像情報と字幕情報とを取得する取得部12aと、取得部が取得した動画像情報に基づいて、仮想空間上の動画像オブジェクトとして配置して表示し、動画像オブジェクトを仮想空間上で再生する動画像処理部12bと、動画像と対応する字幕情報を、動画像情報とは異なるオブジェクトとして配置して表示する字幕処理部12cとを備える。
【0049】
情報処理装置10は、動画像情報と字幕情報とに基づいて、仮想空間上に動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを配置して表示することにより、利用者は、仮想空間上にアクセスすることで、動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを視聴可能となる。したがって、情報処理装置10によれば、利用者が字幕付きの動画を視聴しやすくなるという効果を奏する。
【0050】
また、情報処理装置10の取得部12aは、動画像情報と字幕情報とをそれぞれのファイルで取得する。したがって、情報処理装置10は、動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを別々に処理することができ、利用者が字幕付きの動画を視聴しやすくなるという効果を奏する。
【0051】
また、情報処理装置10の字幕処理部12cは、取得部12aが取得した動画像情報と字幕情報とが1つのファイルである場合には、字幕情報を抽出する。したがって、情報処理装置10は、動画像オブジェクトと字幕オブジェクトとを別々に処理することができ、利用者は、字幕付きの動画を視聴しやすくなるという効果を奏する。
【0052】
また、情報処理装置10の動画像処理部12bは、仮想空間上に字幕のない動画像オブジェクトを配置して表示し、再生する。従って、利用者は、字幕付きの動画を視聴しやすくなるという効果を奏する。
【0053】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置10は、例えば図5に示すようなコンピュータ1000によって実現される。図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080が、バス1090により接続された形態を有する。
【0054】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0055】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等の演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。
【0056】
さらに、二次記憶装置1050は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Strage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0057】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェク、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。
【0058】
また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0059】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0060】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0061】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0062】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0063】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0064】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0065】
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0066】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0067】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0068】
例えば、上述した情報処理装置10は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0069】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0070】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段
」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0071】
10 情報処理装置
11 通信部
12 制御部
12a 取得部
12b 動画像処理部
12c 字幕処理部
12d 判定部
13 記憶部
13a 動画像情報記憶部
13b 字幕情報記憶部
13c 仮想空間記憶部
図1
図2
図3
図4
図5