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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118268
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】ボールねじ
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/24 20060101AFI20240823BHJP
   F16H 25/22 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
F16H25/24 K
F16H25/22 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024614
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】チハ リガ
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA21
3J062AA27
3J062AB22
3J062AC07
3J062BA16
3J062BA33
3J062CD06
3J062CD72
(57)【要約】
【課題】高速化に対応しつつ、発熱を効果的に抑制できるボールねじを提供する。
【解決手段】ボールねじは、外周ねじ溝が形成されたねじ軸と、内周ねじ溝が形成されたナットと、対向する外周ねじ溝と内周ねじ溝とにより形成される転動路内に収容される複数のボールと、転動路の一端側から他端側へとボールを戻すための循環部品と、を有し、循環部品が、ナットより高い熱伝導率を持つ材料から構成され、且つ少なくとも1ピッチ以上でナットを取り巻いている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周ねじ溝が形成されたねじ軸と、
内周ねじ溝が形成されたナットと、
対向する前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝とにより形成される転動路内に収容される複数のボールと、
前記転動路の一端側から他端側へと前記ボールを戻すための循環部品と、
を有し、
前記循環部品が、前記ナットより高い熱伝導率を持つ材料から構成され、且つ少なくとも1ピッチ以上で前記ナットを取り巻いている、
ことを特徴とするボールねじ。
【請求項2】
前記循環部品は、らせん状に前記ナットを取り巻く本体管と、一端が前記本体管の端部に整合し他端が前記ナットの前記転動路に連通する開口に挿入される端部管と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
【請求項3】
前記本体管の断面形状は円形である、
ことを特徴とする請求項2に記載のボールねじ。
【請求項4】
前記本体管は、前記ナットに近接する側に延在方向に沿ってスリットを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のボールねじ。
【請求項5】
前記本体管は、前記ナットから離間する側に延在方向に沿ってくぼみを有しており、前記本体管内を通過する前記ボールは、前記くぼみと線接触する、
ことを特徴とする請求項2に記載のボールねじ。
【請求項6】
前記本体管の軸線方向断面において、前記くぼみの曲率半径は前記ボールの外周の曲率変形に略等しい、
ことを特徴とする請求項5に記載のボールねじ。
【請求項7】
前記本体管は、前記ナットから離間している、
ことを特徴とする請求項2~請求項6のいずれか一項に記載のボールねじ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールねじは、螺旋溝を外周面に有する略円柱状のねじ軸と、ねじ軸の螺旋溝に対向する螺旋溝を内周面に有する略筒状のナットと、両螺旋溝により形成される螺旋状の負荷圏転動路内に転動自在に装填された複数のボールと、ボールを負荷圏転動路の一端から他端へと戻す循環部品と、を備えている。
【0003】
ナットに対してねじ軸を相対的に回転させると、ねじ軸とナットとの間に介在するボールが負荷圏転動路に沿って転がり運動する。負荷圏転動路の一端まで転がったボールは循環部品に進入し、戻し路を経由した後、負荷圏転動路の他端に戻る。これを繰り返すことで、負荷を受けるボールが摩擦によって発熱し、ボールねじの温度が上昇する。
【0004】
特に、工作機械、射出成形機、半導体素子製造装置等の精密送り機構として使用されるボールねじの温度が上昇して高温になると、ねじ軸やナットに熱変形が生じて、負荷圏転動路の断面形状が変化し、それによりボールの負荷分布異常や作動性の悪化が生じて、精密送り機構としての位置決め精度等に影響を及ぼす恐れがある。このため、ボールねじの温度を抑える工夫が必要とされている。
【0005】
これに対し、特許文献1によれば、ナット内に軸方向と径方向に冷却穴をあけ、その中に外部装置から冷却媒体を循環させてボールねじを冷却し、発熱を抑えることが提案されている。
【0006】
また、特許文献2によれば、ナット本体外部に冷却ファンを装着し、空冷または外部から冷却ファンに冷却媒体を供給し、ナット部の発熱を抑えることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-24876号公報
【特許文献2】特許第2541167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ナットに冷却媒体を循環させるため軸方向に細長い穴を穿設する必要があり、その加工の手間がかかる。特に、軸方向寸法が長いナットほど、この冷却用穴を長くする必要があり、それに応じて加工コストが増加する。また、外部の冷却液を供給するためのシステムと配管等を構築する必要もあり、それによりボールねじを使用する装置全体の高コスト化を招き、また構築の手間も掛かる。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術では、ナットとその循環部品以外に、冷却ファン、冷却筒体、スリット、ジャケットなど多数の付属部品が必要であり、ボールねじに必要な部品点数が増え、組立手間やコストが増えることが想定される。さらには、外部から冷却筒体に冷却媒体を流す供給システムも必要となり、ボールねじを使用する装置全体の高コスト化は避けられない。
【0010】
加えて、特許文献1及び特許文献2の技術では、ナット本体を冷却することによりボールねじの冷却効果が得られるとされているが、ボールねじの発熱源であるボールを直接的に冷却していないため、発熱抑制の効果は限定的である。
【0011】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、高速化に対応しつつ、発熱を効果的に抑制できるボールねじを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のボールねじは、
外周ねじ溝が形成されたねじ軸と、
内周ねじ溝が形成されたナットと、
対向する前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝とにより形成される転動路内に収容される複数のボールと、
前記転動路の一端側から他端側へと前記ボールを戻すための循環部品と、を有し、
前記循環部品が、前記ナットより高い熱伝導率を持つ材料から構成され、且つ少なくとも1ピッチ以上で前記ナットを取り巻いている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高速化に対応しつつ、発熱を効果的に抑制できるボールねじを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態にかかるボールねじの上面図である。
図2図2は、本実施形態のボールねじをフランジとは反対側の端部から軸線方向に見た図である。
図3図3は、本実施形態のボールねじの斜視図である。
図4図4は、本実施形態のボールねじを分解して示す図である。
図5図5は、本実施形態のリターンチューブ単体の分解斜視図である。
図6図6は、リターンチューブの止め具周辺を拡大して示す斜視図である。
図7図7は、第1の変形例にかかるリターンチューブの本体管を示す斜視図である。
図8図8は、第1の変形例にかかる本体管の延在方向直交断面である。
図9図9は、第2の変形例にかかるリターンチューブの本体管の延在方向直交断面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るボールねじの実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態のボールねじは、特に、電動式射出成形機の駆動装置、電動式プレス機の駆動装置、工作機械等に好適に用いられる。
【0016】
図1は、本発明の実施形態にかかるボールねじの上面図である。図2は、本実施形態のボールねじをフランジとは反対側の端部から軸線方向に見た図である。図3は、本実施形態のボールねじの斜視図である。図4は、本実施形態のボールを分解して示す図である。図5は、リターンチューブ単体の分解斜視図である。図6は、リターンチューブの止め具周辺を拡大して示す斜視図である。
【0017】
ボールねじは、外周ねじ溝11が外周に形成されたねじ軸10と、内周ねじ溝35(図4)が内周に形成されたナット30と、対向する外周ねじ溝11と内周ねじ溝35とにより形成される転動路内に収容される複数のボール(不図示)と、ボールを転動路の一端から他端へと戻す循環部品であるリターンチューブ40と、を備えている。
【0018】
ナット30のフランジ31を除く外周面には、軸線に平行な平面部32が形成されている。平面部32には、4つ(図4では2つのみ図示)のねじ穴32aが形成されている。また、ナット30は、ねじ穴32aの近傍においてリターンチューブ40の両端部が挿入される第1開口33と第2開口34とを有する。第1開口33は、ナット30とねじ軸10との間の転動路の一端に連通し、第2開口34は転動路の他端に連通する。
【0019】
リターンチューブ40は、断面がボール径よりわずかに大きな円形状を有し、リターンチューブ40内を転動する際にボールがリターンチューブ40から負荷を受けないようになっている。リターンチューブ40は、本体管41と、本体管41の一端に接続された第1端部管42と、本体管41の他端に接続された第2端部管43と、からなる。
【0020】
本体管41と、第1端部管42と、第2端部管43は、断面形状が互いに同一の円形状であって、ナット30よりも熱伝導率の高い材質で構成され、例えば銅、アルミニウム、真鍮、SPCC等の好ましくは共通する金属素材から形成されている。これにより、発熱したボールがリターンチューブ40内を通過する時に、リターンチューブ40を介して外部へ放熱しやすくしている。また、リターンチューブ40の内壁面に摩擦を低減できる固体潤滑コーティング処理、テフロン(登録商標)コーティング等の処理を実施し、ボール通過時の摩擦発熱を最小限にすることが望ましい。
【0021】
第1端部管42と第2端部管43は、それぞれ転動路側へ略90度に滑らかに曲がっており、その先端にタング部42aとタング部43aを突出して有する(図5参照)。タング部42aとタング部43aは、転動路からリターンチューブ40へボールを掬い上げ、またリターンチューブ40から転動路へとボールを戻す機能を有する。
【0022】
本体管41は、少なくとも1ピッチ以上のらせん形状を有し、本実施形態ではナット30から離間した状態で、ナット30を二巻きして取り巻いている。ここで、1ピッチとは、内周ねじ溝35の1ピッチに相当する長さをいう。
【0023】
本体管41の両端に、本体止め具51が取り付けられる。図6に示すように、本体止め具51は、矩形板状の基部51aと、基部51aに連設された半環状の下部51bと、下部51bとは別部品である半環状の上部51cと、からなる。基部51aの通し穴に挿通したボルトBTを、ナット30の平面部32のねじ穴32aに螺合させることによって、本体止め具51はナット30に固定される。また、下部51bに本体管41の端部を載置し、下部51bに対向して上方から上部51cを被せ、本体管41の両側において下部51bと上部51cとを小ねじBSを用いて締結することにより、本体管41は本体止め具51により把持される。
【0024】
第1端部管42と第2端部管43において、タング部42aとタング部43aとは反対側の端部に、端部止め具52がそれぞれ取り付けられる。図6に示すように、端部止め具52は、矩形板状の基部52aと、基部52aに連設された半環状の下部52bと、下部52bとは別部品である半環状の上部52cと、からなる。
【0025】
基部52aの通し穴に挿通したボルトBTを、ナット30の平面部32のねじ穴32aに螺合させることによって、端部止め具52はナット30に固定される。第1端部管42のタング部42aを備えた端部を第1開口33に挿入しつつ、下部52bに第1端部管42の端部を載置し、下部52bに対向して上方から上部52cを被せ、第1端部管42の両側において下部51bと上部51cとを小ねじBSを用いて締結することにより、第1端部管42は端部止め具52により把持される。
【0026】
同様に、第2端部管43のタング部43aを備えた端部を第2開口34に挿入しつつ、下部52bに第2端部管43の端部を載置し、下部52bに対向して上方から上部52cを被せ、第2端部管43の両側において下部51bと上部51cとを小ねじBSを用いて締結することにより、第2端部管43は端部止め具52により把持される。
【0027】
リターンチューブ40の組付順序を説明する。まず、第1端部管42をフランジ31側の第1開口33に挿入し、端部止め具52により第1端部管42をナット30に固定する。その後、らせん状の本体管41をフランジ31とは反対側の端部からナット30の外周に挿入する。さらに、一方の本体止め具51により、ナット30の外周に挿入した本体管41をナット30に固定すると、本体管41の一端と第1端部管42の端部とが端面中心を整合させた状態で設置される。なお、ボールねじへのボールの装填については、従来のコマ式ボールねじと同様な態様(例えば、特許第4222263号公報に記載の組立方法)で行うことができる。
【0028】
また、他方の本体止め具51により、本体管41の他端をナット30に固定する。その後、第2端部管43をフランジ31から離れた側の第2開口34に挿入し、端部止め具52により第2端部管43をナット30に固定することで、本体管41の他端と第2端部管43の端部とが端面中心を整合させた状態で設置される。これにより、第1端部管42と本体管41との間、また本体管41と第2端部管43との間で、ボールがスムーズに転動できるようになる。なお、本体管41の端部と、第1端部管42及び第2端部管43の端部のうち一方に凹部を設け、他方に凸部を設けて、該凸部と該凹部とを係合させることで、これらの端部を整合させてリターンチューブ40を形成してもよい。
【0029】
ナット30とねじ軸の間の転動路、及びリターンチューブ40で構成されるボール循環回路中のボール充填率は90%以上が望ましい。また、リターンチューブ40においてボール転動中に生じる千鳥現象を抑制するために、リターンチューブ40の内径はボール直径を超え、ボール直径の0.5mm以内であることが望ましい。
【0030】
(ボールねじの動作)
ナット30に対してねじ軸10を相対的に回転させると、ねじ軸10とナット30との間に介在するボールが負荷を受けつつ転動路に沿って転がり運動する。転動路の一端まで転がったボールは、リターンチューブ40に入って負荷を受けることなく転動し、転動路の他端に戻る。
【0031】
本実施の形態によれば、リターンチューブ40がナット30よりも熱伝導率の高い材質で構成されるとともに、リターンチューブ40をらせん状に構成し、少なくとも1ピッチ(360度)以上の長さでナット30の外周を取り巻くように配置することによって、負荷圏である転動路内で発熱したボールが、非負荷圏であるリターンチューブ40内を通過するときにリターンチューブ40を介して外部に放熱するため、それによりボールを直接的に冷却することができる。冷却されたボールが転動路内に戻されると、ボールによって負荷圏にあるねじ軸10のねじ溝11やナット30のねじ溝が冷却され、転動路の断面形状の変形等が抑制されるため、高精度なボールねじの動作が確保される。
【0032】
また、通常の長さのリターンチューブを用いた場合に比べると、リターンチューブが長く、ボールの数が増大するため、各ボールが転動路からリターンチューブ40側に出た後、再度転動路に戻されるまでの時間が長い(非負荷圏いる時間が長い)、即ち、各ボールあたりの負荷を受ける(転動路に転動する)時間と負荷圏に入る回数が減る。これにより、ボールの摩耗度や疲労度が減少し耐久性を向上させることができる。本実施形態によれば、外部の冷却システムに頼らない、且つ部品点数を抑えるとともに組立が簡易で、長
寿命化且つ温度上昇を抑制できる冷却機能に優れるボールねじを提供することができる。
【0033】
(第1の変形例)
図7は、第1の変形例にかかるリターンチューブの本体管を示す斜視図である。図8は、第1の変形例の本体管の延在方向直交断面であり、ボールとともに示している。本体管41A以外の構成については、上述した実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
【0034】
本体管41Aは、図に示すように完全な筒状ではなく、ナット30(図3)の外周に近い側に延在方向全長にわたって等幅のスリット41Aaを有しており、すなわち本体管41Aの延在方向に直交する断面が一様なC字状である。このため、ボール20が通過する本体管41Aの内部は、スリット41Aaを通して外部と通気可能に連通する状態となる。スリット41Aaの幅はボール20の外径よりも狭いため、スリット41Aaからボール20が脱落することはない。本体管41Aは、上述した実施形態と同様に、第1端部管42及び第2端部管43と接続されてナット30に固定される。
【0035】
本変形例によれば、本体管41Aの内部がスリット41Aaを通して外部と通気可能に連通しているため、スリット41Aaを介して内部の熱が外部へと放出されやすく、それにより冷却効果をさらに高めることができる。本体管41Aを通過するボール20は、遠心力によりスリット41Aaから離間する側に付勢されるため、たとえばスリット41Aaのエッジ等により表面が傷つくことが抑制される。
【0036】
(第2の変形例)
図9は、第2の変形例にかかるリターンチューブの本体管の延在方向直交断面である。本体管41B以外の構成については、上述した実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
【0037】
本体管41Bは、その内周が図に示すように完全な円形断面ではなく、ナット30(図3)の外周から離間する側に、くぼみ41Baを延在方向全長にわたって有している。具体的には、本体管41Bの延在方向に直交する断面(図9)において、くぼみ41Ba以外の本体管41Bの内周曲率半径がAであるのに対し、くぼみ41Baの内周曲率半径は、ボール20の半径とほぼ同じB(<A)である。くぼみ41Ba以外の本体管41Bの内周と、くぼみ41Baとは滑らかに接続されていると好ましい。本体管41Bも、上述した実施形態と同様に、第1端部管42及び第2端部管43と接続されてナット30に固定される。なお、図9の延在方向直交断面において、くぼみ41Baは180度未満の角度範囲θ(くぼみ41Ba以外の本体管41Bの中心を基準とする)にわたって形成されると好ましい。
【0038】
本変形例によれば、本体管41Bを通過するボール20が、遠心力によりくぼみ41Baに向かって付勢され、くぼみ41Baに沿って転動する。くぼみ41Baの曲率変形Bがボール20の半径とほぼ同じであるから、転動するボール20はくぼみ41Baに対して、点接触ではなく線接触することとなる。それにより接触領域が増大することから、ボール20から本体管41Bへの放熱量が増大し、冷却効果をさらに高めることができる。
【0039】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の実施形態の任意の構成要素の変形が可能である。また、上述の実施形態において任意の構成要素の追加または省略が可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 ねじ軸
20 ボール
30 ナット
40 リターンチューブ
41,41A,41B 本体管
42 第1端部管
43 第2端部管
51 本体止め具
52 端部止め具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9