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特開2024-118296画像形成装置、装置調整方法および装置調整プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118296
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】画像形成装置、装置調整方法および装置調整プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240823BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240823BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20240823BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/14
B41J29/393 107
G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024649
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】内田 悠司
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS06
2C061KK18
2C061KK25
2C061KK28
2C061KK32
2H270KA49
2H270LA66
2H270LC10
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD14
2H270MC39
2H270MC55
2H270MD15
2H270MD27
2H270MH09
2H270MH16
2H270NB22
2H270NC07
2H270NE01
2H270NE08
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZD05
(57)【要約】
【課題】 連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さを短くすること。
【解決手段】 画像形成装置は、連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御部53と、記録媒体に形成された調整用画像を読み取る画像読取部55と、読み取られた調整用画像に基づいて設定値を補正する補正手部59と、を備え、画像形成制御部53は、調整用画像の画像形成が開始されてから画像読取手段により読み取られるまでの第1期間と調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の調整用画像を連続して形成する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御手段と、
記録媒体に形成された前記調整用画像を読み取る画像読取手段と、
読み取られた前記調整用画像に基づいて前記設定値を補正する補正手段と、を備え、
前記画像形成制御手段は、前記調整用画像の画像形成が開始されてから前記画像読取手段により読み取られるまでの第1期間と前記調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の前記調整用画像を連続して形成する、画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の調整用画像は、前記複数の調整用画像のうち他の調整用画像に対応する画像データに基づいて前記補正手段により補正される前の前記設定値で形成可能な画像であり、
前記画像形成制御手段は、前記第1期間より短い間隔で複数の前記調整用画像を連続して形成する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の調整用画像は、第1関連調整用画像と第2関連調整用画像とを含む関連セットを含み、
前記画像形成制御手段は、前記複数の調整用画像を連続して形成する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の調整用画像は、第1関連調整用画像と第2関連調整用画像を含む関連セットを含み、
前記第2関連調整用画像は、前記画像読取手段が記録媒体に形成された前記第1関連調整用画像を読み取ることにより出力する画像データに基づいて前記補正手段により補正された前記設定値で前記画像形成制御手段により形成される画像であり、
前記画像形成制御手段は、前記第1関連調整用画像と前記第2関連調整用画像との間に、前記補正手段が前記第1関連調整用画像に対応する画像データに基づいて補正した前記設定値を設定するまでの解析時間である第3期間と前記第1期間との和以上の間隔で前記第2関連調整用画像を形成する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の調整用画像は、前記関連セットに加えて別の調整用画像をさらに含み、
前記画像形成制御手段は、前記第1関連調整用画像の前、前記第1関連調整用画像の後、前記第2関連調整用画像の後のいずれかに連続して前記別の調整用画像を形成する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記別の調整用画像は、前記複数の調整用画像のうち他の調整用画像に対応する画像データに基づいて前記補正手段により補正される前の前記設定値で形成可能な画像である、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記関連セットは、第1関連セットと第2関連セットとを含み、
前記画像形成制御手段は、前記第1関連セットの前記第1関連調整用画像と前記第2関連調整用画像との間に前記第2関連セットの前記第1関連調整用画像を連続して形成する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記関連セットは、第1関連セットと第2関連セットとを含み、
前記画像形成制御手段は、前記第1関連セットの前記第2関連調整用画像の後に前記第1関連セットの前記第1関連調整用画像を連続して形成する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1期間は、前記画像読取手段が一の画像を読み取った後、次の画像を読み取り可能になるまでの準備時間を、さらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
回転軸回りを回転する無端の像担持体を含み、前記像担持体にトナー像を形成し、前記像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成手段と、
前記画像形成手段を制御して、複数の位置調整用画像にそれぞれ対応する複数のトナー像を前記像担持体に形成させるトナー像形成手段と、
前記像担持体に形成された前記トナー像の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出される前記複数のトナー像の位置に基づいて前記画像形成手段が画像を形成するために用いる位置調整用の設定値を補正する位置補正処理と、をさらに備え、
前記画像形成制御手段は、前記画像形成手段を制御して、前記トナー像形成手段により形成される前記複数の位置調整用画像の間に前記複数の調整用画像の少なくとも1つを形成させる、請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成制御手段は、前記複数の調整用画像を連続して画像形成する場合、前記複数の調整用画像とは異なる画像を形成する場合における記録媒体の搬送速度より遅い速度で記録媒体を搬送させる、請求項4~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置で実行される装置調整方法であって、
連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御ステップと、
記録媒体に形成された前記調整用画像を読み取る画像読取ステップと、
読み取られた前記調整用画像に基づいて前記設定値を補正する補正ステップと、を含み、
前記画像形成制御ステップは、前記調整用画像の画像形成が開始されてから前記画像読取ステップにおいて読み取られるまでの第1期間と前記調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の前記調整用画像を連続して形成するステップを含む、装置調整方法。
【請求項13】
画像形成装置を制御するコンピューターで実行される装置調整プログラムであって、
連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御ステップと、
記録媒体に形成された前記調整用画像を読み取る画像読取ステップと、
読み取られた前記調整用画像に基づいて前記設定値を補正する補正ステップと、を前記コンピューターに実行させ、
前記画像形成制御ステップは、前記調整用画像の画像形成が開始されてから前記画像読取ステップにおいて読み取られるまでの第1期間と前記調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の前記調整用画像を連続して形成するステップを含む、装置調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、装置調整方法および装置調整プログラムに関し、特に、連続した記録媒体にトナー像を形成する画像形成装置、その画像形成装置で実行される装置調整方法およびその装置調整方法を画像形成装置が備えるコンピューターに実行させる装置調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一方向に連続する用紙を軸心に巻き取ったロール紙に連続して画像を形成する画像形成装置が知られている。この画像形成装置において、用紙に形成される画像の画質を調整する調整処理が実行される。この調整処理が実行される場合、予め定められた調整用画像が画像形成装置により形成される。この場合、ロール紙の搬送と停止とを繰り返さなければならず、画像が形成されていない白紙の部分が発生する。この余白部分を短くすることが、用紙を有効に利用するために要求される。
【0003】
例えば、特開2014-52433号公報には、被印刷媒体を搬送路の上流側から下流側へ搬送する搬送部と、前記搬送路に配置され、トナー像を前記被印刷媒体に定着させる定着部と、前記搬送路における前記定着部より上流側に配置され、前記被印刷媒体に印刷されたマークを検出するセンサと、前記被印刷媒体への印刷中に印刷停止の指示を受けると、前記被印刷媒体に前記マークを印刷した後、前記搬送部による前記被印刷媒体の前記上流側から前記下流側への搬送を停止させ、前記搬送部により前記被印刷媒体を前記下流側から前記上流側に搬送し、前記被印刷媒体に印刷された前記マークの位置が前記センサに対応する位置を通過したら前記被印刷媒体の搬送を停止させ、印刷再開指示を受けると、前記被印刷媒体を停止させた戻し位置から前記搬送部により、前記被印刷媒体を前記下流側に搬送し、前記センサによる前記マークの検出に基づき、印刷のタイミングを制御する制御部と、を有することを特徴とする印刷装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、特開2014-52433号公報に記載の印刷装置は、印刷停止時に画像後端に目印(マーク)を印字し、次印刷時はマークを検知するまでロール紙を巻き戻す。このため、給紙側にマークを検知するためのセンサが必要となること、およびロール紙を巻き戻すために用紙搬送モータを逆回転させる機構が必要となることから、装置のコストがアップするといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-52433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さを短くすることが可能な画像形成装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さを短くすることが可能な装置調整方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さを短くすることが可能な装置調整プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、画像形成装置は、連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御手段と、記録媒体に形成された調整用画像を読み取る画像読取手段と、読み取られた調整用画像に基づいて設定値を補正する補正手段と、を備え、画像形成制御手段は、調整用画像の画像形成が開始されてから画像読取手段により読み取られるまでの第1期間と調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の調整用画像を連続して形成する。
【0010】
この発明の他の局面によれば、装置調整方法は、画像形成装置で実行される装置調整方法であって、連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御ステップと、記録媒体に形成された調整用画像を読み取る画像読取ステップと、読み取られた調整用画像に基づいて設定値を補正する補正ステップと、を含み、画像形成制御ステップは、調整用画像の画像形成が開始されてから画像読取ステップにおいて読み取られるまでの第1期間と調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の調整用画像を連続して形成するステップを含む。
【0011】
この発明のさらに他の局面によれば、装置調整プログラムは、画像形成装置を制御するコンピューターで実行される装置調整プログラムであって、連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御ステップと、記録媒体に形成された調整用画像を読み取る画像読取ステップと、読み取られた調整用画像に基づいて設定値を補正する補正ステップと、をコンピューターに実行させ、画像形成制御ステップは、調整用画像の画像形成が開始されてから画像読取ステップにおいて読み取られるまでの第1期間と調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の調整用画像を連続して形成するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置の内部の構成の概略の一例を示す図である。
図2】2つの調整用画像を用いた調整処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。
図3】本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図4】本実施の形態における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図5】装置調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】単独連続処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】読取設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】単独セットを用いた単独連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。
図9】関連連続処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】関連セットを用いた関連連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。
図11】複数関連連続処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
図12】2つの関連セットを用いた複数関連連続処理におけるロール紙の長さの一例を示す第1のチャート図である。
図13】変形例における複数関連連続処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】変形例における複数関連連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。
図15】複合連続処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16】複合連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。
図17】第2の本実施の形態における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図18】第2の実施の形態における装置調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図19】第2の実施の形態における単独セットを用いた単独連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について、図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置の内部の構成の概略の一例を示す図である。図1においては、本発明の説明に必要とされる部材を記載しており、本発明の画像形成装置は図1に示す例に限定されない。図1を参照して、画像形成装置100は、画像形成部11と、給紙部13と、検査部15と、巻取部17と、を備える。給紙部13は、画像形成部11の前段に配置され、検査部15は、画像形成部11の後段に配置され、巻取部17は、検査部15の後段に所定の距離を隔てて配置される。
【0015】
給紙部13は、ロール紙Rを収容する筐体を有し、筐体内部を外部に開放する開口である排出口が筐体に形成されている。給紙部13は、筐体内に収容されたロール紙Rを排出口から送り出す。巻取部17は、給紙部13と同じサイズの収容量の筐体を有し、筐体の内部を外部に開放する開口である受入口が筐体に形成されている。巻取部17は、給紙部13から送り出されたロール紙Rを受入口で受け入れ、受け入られたロール紙を巻き取る。給紙部13から送り出されたロール紙Rは巻取部17に向かって、図1中に矢印で示す搬送方向に搬送される。
【0016】
ロール紙Rが給紙部13と巻取部17との間を搬送される間に、画像形成部11および検査部15を、この順に通過する。ロール紙Rが画像形成部11を通過する間に、画像形成部11により画像が形成される。また、ロール紙Rが検査部15を通過する間に、ロール紙Rに画像形成部11により形成された画像が読み取られる。検査部15は、光電変換素子であるCCD16を備え、CCD16を制御して、ロール紙Rに形成された画像を読み取る。巻取部17によって巻き取られたロール紙Rは、後処理装置(図示略)によって、処理される。後処理装置は、例えば、ロール紙Rに形成されたラベル画像やパッケージ画像などを型抜きする。
【0017】
画像形成部11は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトにそれぞれ対応する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wを含む。ここで、“Y”、“M”、“C”、“K”および“W”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。以下、説明のために、ロール紙Rの搬送方向に直交する水平方向を前後方向という。また、背面から正面に向かう方向を前方といい、正面から背面に向かう方向を後方という。
【0018】
画像形成ユニット20Yは、現像器21Yと、像担持体である感光体ドラム22Yと、トナーボトル30Yが着脱可能なボトル収納部31Yと、トナー収容部32Yと、を含む。
【0019】
ボトル収納部31Y、トナー収容部32Yおよび現像器21Yは、この順にトナーが搬送される経路上に配置される。トナー収容部32Yは、現像器21Yの直前に配置される。トナー収容部32Yから現像器21Yには、トナー搬送路を介して、トナーが供給される。
【0020】
ボトル収納部31Yは、トナーボトル30Yを収納可能な内部空間を有する。ボトル収納部31Yは、前方側の側面に内部空間を外部に開放する開口を有する。トナーボトル30Yは、ボトル収納部31Yに着脱可能である。トナーボトル30Yは、水平の状態で、ボトル収納部31Yの前方の開口からボトル収納部31Yの内部空間に向けて挿入される。トナーボトル30Yがさらに進入すると、ボトルモータの回転軸と係合する。トナーボトル30Yは、内周面に中心線を中心に螺旋状に延びる凸部が形成されている。このため、ボトルモータ42Yが回転すると、トナーボトル30Yが回転する。トナーボトル30Yが回転すると、トナーボトル30Y内のトナーは凸部によって中心線に沿って搬送され、トナーボトル30Yの外部に排出される。トナーボトル30Yから排出されたトナーは、搬送経路を介してトナー収容部32Yに搬送される。
【0021】
トナー収容部32Yは、トナーを収容する内部空間を有する筐体を有する。筐体は、一方向に角筒状に延び、長手方向が水平かつ前後方向と平行に配置される。トナー収容部32Yの筐体に収容されたトナーは、底部に設けられたスクリューにより現像器21Yに搬送される。
【0022】
本実施の形態において、トナー収容部32Yが収容可能なトナー容量は、現像器21Yが収容可能なトナー容量以上である。トナー容量は、内部空間に収容可能なトナーの重量である。このため、現像器21Yにおいてトナーが急激に消費される場合でも、現像器21Yに適切な量のトナーを供給することができ、現像器21Y内のトナー濃度を一定に維持することができる。トナー収容部32Yが収容可能な第1のトナー容量は、トナーボトル30Yに収容可能な第2のトナー容量の1割以上である。
【0023】
現像器21Yは、現像ローラ25Yを含む、現像ローラ25Yは、マグネットローラが内蔵されており、現像器21Yに収納された帯電したトナーを磁力の作用で保持する。感光体ドラム22Yは、円筒形状を有し、感光体ドラム22Yの周辺に、帯電ローラ23Y、露光装置24Y、現像ローラ25Y、1次転写ローラ26Yが、感光体ドラム22Yの回転方向に沿って順に配置される。
【0024】
感光体ドラム22Yは、その表面が帯電ローラ23Yによって帯電された後、露光装置24Yが発光するレーザー光が照射される。露光装置24Yは、感光体ドラム22Yの表面の画像対応部を露光して静電潜像を形成する。これにより、感光体ドラム22Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器21Yが、感光体ドラム22Yに形成された静電潜像をトナーで現像する。具体的には、感光体ドラム22Yに形成された静電潜像上に現像ローラ25Yが保持するトナーが電界力の作用で載せられることにより、トナー像が感光体ドラム22Yに形成される。感光体ドラム22Y上に形成されたトナー像は、像担持体である中間転写ベルト29上に1次転写ローラ26Yにより電界力の作用で転写される。
【0025】
中間転写ベルト29は、駆動ローラR1と従動ローラR2とにより弛まないように懸架されている。駆動ローラR1が図1中で時計回りに回転すると、中間転写ベルト29が所定の速度で図中時計回りに回転する。中間転写ベルト29の回転に伴って、従動ローラR2が、時計回りに回転する。
【0026】
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wが、この順に中間転写ベルト29上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wそれぞれが、中間転写ベルト29上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト29に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトのトナー像が中間転写ベルト29上に重畳される。
【0027】
中間転写ベルト29に形成されたトナー像は、2次転写ローラR3によって電界力の作用でロール紙Rに転写される。トナー像が転写されたロール紙Rは、定着ローラ対R4に搬送され、加熱および加圧される。これにより、トナーが溶かされてロール紙Rに定着する。
【0028】
画像形成ユニット20Wと従動ローラR2との間にIDCセンサ35が配置される。IDCセンサ35は、反射型の光学センサであり、光を照射する発光部と、発光部から照射した光を受光する受光部とを有する。発光部が中間転写ベルト29に向けて照射した光は、中間転写ベルト29で反射し、その反射光の一部が受光部で受光される。IDCセンサは、中間転写ベルト29に形成されたトナー像を検出する。また、受光部は、特定の複数の波長の光を受光可能である。このため、IDCセンサは、CMYKWそれぞれのトナー像の有無を検出する。
【0029】
画像形成部11は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K、20Wの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。
【0030】
ここで、画像形成部11が画像の形成を開始してから検査部15によりロール紙Rに形成された画像が読み取られるまでの読取搬送期間(第1期間)にロール紙Rが搬送される距離を第1搬送距離L1とする。また、ロール紙Rに形成された画像が検査部15により読み取られてから検査部15の外部に搬送されるまでの停止位置搬送期間(第2期間)にロール紙Rが搬送される距離を第2搬送距離L2とする。第1搬送距離L1は、図1に点線で示される距離に相当する。具体的には、第1搬送距離L1は、中間転写ベルト29の1次転写ローラ26Yと2次転写ローラR3との間の長さと、2次転写ローラR3と検査部15が備えるCCD16との間の距離との和である。第2搬送距離L2は、図1に太い実線で示される距離に相当する。具体的には、第2搬送距離L2は、検査部15が備えるCCD16と巻取部17の筐体に形成された受入口との間の距離である。
【0031】
また、画像形成部11が単位時間当たりに画像を形成する長さが画像形成速度として予め定められている。給紙部13が停止した状態からロール紙Rの搬送速度が画像形成速度になるまでの速度安定化期間が予め定められている。さらに、補正部が画像データを解析する時間が解析期間として予め定められている。
【0032】
画像形成部11は、予め設定された設定値に従ってロール紙Rに画像を形成する。設定値は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれに対して複数ある。また、設定値は、例えば、画像の濃度ムラや画像のグラデーションを定める。このため、画像形成部11に設定される設定値を調整するために、調整処理が実行される。調整処理は、画像形成部11をメンテナンスした後、業務の開始時点などの画像形成部11が所定時間停止した後など、画像形成部11で形成される画像の色が変動することが予想される場合に実行される。
【0033】
調整処理は、濃度ムラや画像のグラデーション等の調整の対象に対応して複数の種類があり、調整用画像は、複数の種類の調整処理にそれぞれ対応して1以上が予め準備されている。調整処理は、予め定められた調整用画像をロール紙Rに形成する処理と、ロール紙Rに形成された画像を検査部15で読み取る処理と、検査部15により読み取られた調整用画像の画像データに基づいて、画像形成に用いられる設定値を補正する解析処理と、を含む。このため、調整用画像ごとに調整処理を実行する場合、調整用画像に対して速度安定化期間、第1期間、第2期間および解析期間が必要になる。
【0034】
図2は、2つの調整用画像を用いた調整処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。ここでは、調整用画像A1を用いた調整処理と、調整用画像A2を用いた調整処理とが実行される場合が例に示される。横軸は、調整処理が開始されてから搬送されるロール紙Rの長さを示す。
【0035】
図2を参照して、速度安定化期間に相当する速度安定化距離分のロール紙Rが搬送される。その後、調整用画像A1を形成する期間に相当する調整用画像A1の長さ分のロール紙Rが搬送される。そして、読取搬送期間に相当する第1搬送距離L1分のロール紙Rが搬送される。さらに、調整用画像A1が検査部15により読み取られてから巻取部17の受入口まで搬送される停止位置搬送期間に相当する第2搬送距離L2分のロール紙Rが搬送される。停止位置送期間が開始する時点において、検査部15による調整用画像A1の読取が完了しているので、調整用画像A1を読み取って得られる画像データを解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。解析処理とロール紙Rの搬送とは並行して実行される。ここでは、速度安定化距離を4m、調整用画像A1の長さを0.5m、第1搬送距離L1を3.5m、第2搬送距離を2mとしている。また、解析処理を実行している間に搬送されるロール紙の長さを0.7mとしており、第2搬送距離L2より短い。この例の場合、調整用画像A1を用いた調整処理によりロール紙Rが10m搬送される。調整用画像A2の長さを調整用画像A1と同じ長さ0.5mとする場合、調整用画像A2を用いた調整処理によりロール紙Rが10m搬送される。
【0036】
調整用画像A1の長さが0.5mであるのに対して、調整用画像A1を用いた調整処理が実行される場合に、10m分のロール紙Rが搬送され、そのうち9.5mが白紙である。同様に、調整用画像A2の長さが0.5mであるのに対して、調整用画像A2を用いた調整処理が実行される場合に、10m分のロール紙Rが搬送され、そのうち9.5mが白紙である。
【0037】
図3は、本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、画像形成装置100は、メイン回路110と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。メイン回路110および操作パネル160は、画像形成部11に設置される。
【0038】
メイン回路110は、画像形成装置100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、画像形成部11、給紙部13、検査部15、巻取部17および操作パネル160と接続され、画像形成装置100の全体を制御する。
【0039】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0040】
操作パネル160は、画像形成部11の筐体の上部に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0041】
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
【0042】
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
【0043】
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。
【0044】
通信I/F部112は、画像形成装置100をネットワークに接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0045】
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)118A、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD-ROM118AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行してもよい。
【0046】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行してもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0047】
図4は、本実施の形態における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、画像形成装置100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された装置調整プログラムを実行することにより、CPU111で実現される機能である。図4を参照して、CPU111は、調整指示受付部51と、画像形成制御部53と、画像読取部55と、補正部59と、を含む。
【0048】
調整指示受付部51は、ユーザーが操作部163に入力する調整指示を受け付ける。調整指示は、調整処理の対象を特定する処理特定情報を含む。調整処理の対象を特定する処理特定情報は、複数の調整用画像のうちの1以上を特定する情報である。調整指示受付部51は、調整指示を受けるけることに応じて、処理特定情報を画像形成制御部53に出力する。
【0049】
複数の調整用画像は、HDD115に予め記憶されている。複数の調整用画像は、他の調整用画像を用いた調整処理により補正された後の設定値を用いて画像形成部11が画像形成可能な関連調整用画像と、他の調整用画像を用いた調整処理により補正される前の設定値を用いて画像形成部11が画像形成可能な単独調整用画像とを含む。関連調整用画像は、他の関連調整用画像と関連付けられ、画像形成する順番が定まっている。このため、複数の関連調整用画像を含む関連セットが予め定められている。関連セットにおいては、それに含まれる複数の関連調整用画像について、それぞれを画像形成する順番が定められている。関連セットは、処理特定情報に対して1以上が定められている。
【0050】
一方、単独調整用画像は、1つの場合もあれば、複数の場合もある。ここでは、1以上の単独調整用画像を含む単独セットが予め定められている場合を例に説明する。単独セットは、処理特定情報に対して1以上が定められている。
【0051】
画像形成制御部53は、調整指示受付部51から処理特定情報が入力されることに応じて、画像形成部11を制御して、処理特定情報で特定される複数の調整用画像を形成させる。画像形成制御部53は、調整指示受付部51から複数の処理特定情報が入力される場合がある。画像形成制御部53は、複数の処理特定情報でそれぞれ特定される複数の調整用画像を画像形成部11に画像形成させる。
【0052】
画像形成制御部53は、関連セット読出部61と、調整用画像形成部63と、単独セット読出部65と、を含む。関連セット読出部61は、処理特定情報が関連セットを示す場合、HDD115に記憶されている複数の調整用画像のうちからその関連セットに含まれる複数の関連調整用画像を読出し、読み出された複数の関連調整用画像とその順番とを調整用画像形成部63に出力する。
【0053】
単独セット読出部65は、処理特定情報が単独セットを示す場合、HDD115に記憶されている複数の調整用画像のうちからその単独セットに含まれる1以上の単独調整用画像を読出し、読み出された1以上の単独調整用画像を調整用画像形成部63に出力する。
【0054】
調整用画像形成部63は、単独セット読出部65から複数の単独調整用画像が入力される場合、関連セット読出部61から複数の関連セットが入力される場合、単独セット読出部65から1以上の単独調整用画像が入力され、かつ関連セット読出部61から1以上の関連セットが入力される場合がある。調整用画像形成部63は、複数の調整用画像を画像形成する順番および/または間隔を決定する。
【0055】
画像形成制御部53は、調整用画像形成部63により決定された順番および間隔で複数の調整用画像を画像形成部11に画像形成させる。画像形成制御部53は、調整用画像形成部63により決定された順番および間隔を画像読取部55に出力する。
【0056】
画像読取部55は、検査部15を制御して、画像形成制御部53から入力される複数の調整用画像の順番および間隔に従って、ロール紙Rに形成された調整用画像を検査部15に読み取らせ、調整用画像に対応する画像データを取得する。画像読取部55は、検査部15から取得された画像データを補正部59に出力する。
【0057】
補正部59は、画像データを解析し、設定値を決定する。補正部59は、決定された設定値で、それまでに設定されていた設定値を更新する。
【0058】
図5は、装置調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。装置調整処理は、画像形成装置100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された装置調整プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0059】
図5を参照して、画像形成装置100が備えるCPU111は、調整指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。調整指示が受け付けられるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、調整指示が受け付けられたならば(ステップS01でYES)、処理はステップS02に進む。
【0060】
ステップS02においては、画像形成速度になるまで白紙が搬送され、処理はステップS03に進む。CPU111は、給紙部13を制御して、ロール紙Rの搬送を開始させ、搬送速度が画像形成速度になるまで白紙を搬送させる。
【0061】
ステップS03においては、調整指示内容によって処理が分岐する。調整指示内容が単独セットのみを示す処理特定情報を含むならば処理はステップS05に進む。調整指示内容が関連セットのみを示す処理特定情報を含むならば処理はステップS06に進む。調整指示内容が関連セットと単独セットとを含む複合セットを示す処理特定情報を含むならば処理はステップS08に進む。ステップS04においては、指示内容が単数の関連セットを含むならば処理はステップS06に進むが、複数の関連セットを含むならば処理はステップS07に進む。
【0062】
ステップS05においては、単独連続処理が実行され、処理はステップS09に進む。ステップS06においては、関連連続処理が実行され、処理はステップS09に進む。ステップS07においては、複数関連連続処理が実行され、処理はステップS09に進む。ステップS08においては、複合連続処理が実行され、処理はステップS09に進む。単独連続処理、関連連続処理、複数関連連続処理および複合連続処理それぞれの詳細は後述する。
【0063】
ステップS09においては、停止位置まで白紙が搬送され、処理は終了する。ロール紙Rに最後に形成された調整用画像が検査部15により読み取られてから巻取部17の受入口まで搬送される停止位置搬送期間に相当する第2搬送距離L2分のロール紙Rが搬送される。
【0064】
図6は、単独連続処理の流れの一例を示すフローチャートである。単独連続処理は、装置調整処理のステップS05において実行される処理である。図6を参照して、単独調整用画像の画像形成が開始され(ステップS11)、処理はステップS12に進む。
【0065】
ステップS12においては、単独調整用画像の画像形成が終了したか否かが判断される。単独調整用画像の画像形成が終了するまで待機状態となり(ステップS12でNO)、単独調整用画像の画像形成が終了したならば(ステップS12でYES)、処理はステップS13に進む。
【0066】
ステップS13においては、次に画像形成の対象となる単独調整用画像が存在するか否かが判断される。そのような単独調整用画像が存在するならば処理はステップS11に戻るが、存在しなければ処理は終了する。
【0067】
図7は、読取設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。読取設定処理は、画像形成装置100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された読取設定プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。読取設定プログラムは、装置調整プログラムの一部である。
【0068】
図7を参照して、画像形成装置100が備えるCPU111は、調整用画像の読取が終了したか否かを判断する。CPU111は、検査部15を制御して、ロール紙Rに形成された調整用画像を読み取らせ、検査部15から調整用画像を読み取って得られる画像データを取得する場合に、調整用画像の読取が終了したと判断する。調整用画像の読取が終了するまで待機状態となり(ステップS61でNO)、調整用画像の読取が終了したならば(ステップS61でYES)、処理はステップS62に進む。
【0069】
ステップS62においては、画像データが解析され、処理はステップS63に進む。画像データの解析により、調整用画像に対応する設定値として、新たな設定値が決定される。ステップS63においては、ステップS62において決定された新たな設定値が設定され、処理はステップS64に進む。
【0070】
ステップS64においては、調整用画像の種類によって処理は分岐する。調整用画像が関連調整用画像ならば処理はステップS65に進むが、調整用画像が単独調整用画像ならば処理はステップS61に戻る。ステップS65においては、完了フラグがONに設定され、処理はステップS61に戻る。完了フラグは、関連調整用画像の読取が終了し、設定値の更新が完了したことを示すフラグである。
【0071】
図8は、単独連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。ここでは、単独連続処理において、第1単独調整用画像A1と第2単独調整用画像A2とを含む単独セットを用いる場合を例に説明する。
【0072】
図8を参照して、横軸は、調整処理が開始されてから搬送されるロール紙Rの長さを示し、第1段に画像形成処理のチャートを示し、第2段に第1単独調整用画像A1に対する読取および解析処理のチャートを示し、第3段に第2単独調整用画像A2に対する読取および解析処理のチャートを示す。
【0073】
第1段に示されるように、速度安定化期間に相当する速度安定化距離分のロール紙Rが搬送される。その後、第1単独調整用画像A1が形成され、続いて第2単独調整用画像が形成される。第1単独調整用画像A1および第2単独調整用画像A2が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第1単独調整用画像A1の長さおよび第2単独調整用画像A2の長さにそれぞれ相当する。ここでは、単独調整用画像A1の長さおよび第2単独調整用画像A2の長さそれぞれを0.5mとしている。
【0074】
第2段に示されるように、第1単独調整用画像A1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第1単独調整用画像A1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第1単独調整用画像A1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第1単独調整用画像A1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第1単独調整用画像A1の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0075】
また、第3段に示されるように、第2単独調整用画像A2の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第2単独調整用画像A2が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第2単独調整用画像A2に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。
【0076】
第1段に示されるように、ロール紙Rの第2単独調整用画像A2が形成された部分が検査部15を通過した後に、第2単独調整用画像A2が検査部15により読み取られてから巻取部17の受入口まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、停止位置搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第2搬送距離L2である。ここでは、第2搬送距離L2を2Mとしている。
【0077】
第3段に示されるように、ロール紙Rの第2単独調整用画像A2が形成された部分が検査部15まで搬送されると、第2単独調整用画像A2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第2単独調整用画像A2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。このため、第2単独調整用画像A2の解析処理は、停止一搬送期間に実行される。
【0078】
単独セットを用いた単独連続処理においては、速度安定化距離(4M)、第1単独調整用画像A1の長さ(0.5M)、第2単独調整用画像A2の長さ(0.5M)、第2単独調整用画像A2に対する第1搬送距離L1(3.5M)、第2搬送距離L2(2M)の和である10.5M分のロール紙Rが搬送される。このため、ロール紙Rで画像が形成されていない白紙部分の長さは、9.5Mとなる。
【0079】
図9は、関連連続処理の流れの一例を示すフローチャートである。関連連続処理は、装置調整処理のステップS06において実行される処理である。図9を参照して、CPU111は、完了フラグをONに設定し(ステップS21)、処理をステップS22に進める。ステップS22においては、関連調整用画像の画像形成を開始し、処理をステップS23に進める。複数の関連調整用画像のうち順番が最も前から順に画像形成する。
【0080】
ステップS23においては、完了フラグをOFFに設定し、処理をステップS24に進める。ステップS24においては、次に画像形成の対象となる関連調整用画像が存在するか否かが判断される。画像形成の対象となる関連調整用画像が存在するならば処理はステップS25に進むが、そうでなければ処理は装置調整処理に戻る。
【0081】
ステップS25においては、完了フラグがONか否かが判断される。完了フラグがONでなければ待機状態となり(ステップS25でNO)、完了フラグがONならば処理はステップS22に戻る。完了フラグは、ステップS22において画像形成が開始された関連調整用画像が上述した読取設定処理により読取が完了した後にOFFに設定される。
【0082】
図10は、関連連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。ここでは、関連連続処理において、第1関連調整用画像B1と第2関連調整用画像B2とを含む関連セットを用いる場合を例に説明する。第2関連調整用画像B2を用いた調整処理は、第1関連調整用画像B1を用いた調整処理が終了した後に実行される。
【0083】
図10を参照して、横軸は、関連調整処理が開始されてから搬送されるロール紙Rの長さを示し、第1段に画像形成処理のチャートを示し、第2段に第1関連調整用画像B1に対する読取および解析処理のチャートを示し、第3段に第2関連調整用画像B2に対する読取および解析処理のチャートを示す。
【0084】
第1段に示されるように、速度安定化期間に相当する速度安定化距離分のロール紙Rが搬送される。その後、第1関連調整用画像B1が形成される。第1関連調整用画像B1が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第1関連調整用画像B1の長さに相当する。ここでは、第1関連調整用画像B1の長さを0.5mとしている。
【0085】
第2段に示されるように、第1関連調整用画像B1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第1関連調整用画像B1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第1関連調整用画像B1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第1関連調整用画像B1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第1関連調整用画像B1の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0086】
第1段に示されるように、第1関連調整用画像B1が解析されて、設定値が補正されると、
第2関連調整用画像B2が形成される。第2関連調整用画像B2が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第2関連調整用画像B2の長さに相当する。ここでは、第2関連調整用画像B2の長さを0.5mとしている。
【0087】
第3段に示されるように、第2関連調整用画像B2の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第2関連調整用画像B2が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第2関連調整用画像B2に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。
【0088】
第1段に示されるように、ロール紙Rの第2関連調整用画像B2が形成された部分が検査部15まで搬送された後に、第2関連調整用画像B2が検査部15により読み取られてから巻取部17の受入口まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、停止位置搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第2搬送距離L2である。ここでは、第2搬送距離L2を2Mとしている。
【0089】
第3段に示されるように、ロール紙Rの第2関連調整用画像B2が形成された部分が検査部15まで搬送されると、第2関連調整用画像B2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。このため、第2関連調整用画像B2の解析処理は、停止一搬送期間に実行される。
【0090】
関連セットを用いた関連連続処理においては、速度安定化距離(4M)、第1関連調整用画像B1の長さ(0.5M)、第1関連調整用画像B1に対する第1搬送距離L1(3.5M)、第1関連調整用画像B1に対する解析処理を実行している間に搬送されるロール紙Rの長さ(0.7M)、第2関連調整用画像B2の長さ(0.5M)、第2関連調整用画像B2に対する第1搬送距離L1(3.5M)および第2搬送距離L2(2M)の和である14.7M分のロール紙Rが搬送される。このため、ロール紙Rで画像が形成されていない白紙部分の長さは13.7Mとなる。
【0091】
図11は、複数関連連続処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。複数関連連続処理は、装置調整処理のステップS07において実行される処理である。
【0092】
図11を参照して、CPU111は、第1関連セットに対して、関連連続処理を開始し(ステップS31)、処理をステップS32に進める。関連連続処理は、図9に示した処理である。
【0093】
ステップS32においては、第1関連セットの第1番目の関連調整用画像の画像形成が終了した否かが判断される。第1関連セットの第1番目の関連調整用画像の画像形成が終了するまで待機状態となり(ステップS32でNO)、画像形成が終了したならば(ステップS32でYES)、処理はステップS33に進む。
【0094】
ステップS33においては、第2関連セットに対する関連連続処理が開始され、処理はステップS34に進む。関連連続処理は、図9に示した処理である。
【0095】
ステップS34においては、第1関連セットに対する関連連続処理が終了したか否かが判断される。第1関連セットに対する関連連続処理が終了したならば処理はステップS35に進むが、そうでなければ処理はステップS36に進む。ステップS35においては、第2関連セットに対する関連連続処理が終了したか否かが判断される。第2関連セットに対する関連連続処理が終了したならば処理は装置調整処理に戻るが、そうでなければ待機状態となる。
【0096】
ステップS36においては、第2関連セットに対する関連連続処理が終了したか否かが判断される。第2関連セットに対する関連連続処理が終了したならば処理はステップS37に進むが、そうでなければ処理はステップS34に戻る。ステップS37においては、第1関連セットに対する関連連続処理が終了したか否かが判断される。第1関連セットに対する関連連続処理が終了したならば処理は装置調整処理に戻るが、そうでなければ待機状態となる。
【0097】
図12は、2つの関連セットを用いた複数関連連続処理におけるロール紙の長さの一例を示す第1のチャート図である。ここでは、第1関連セットと第2関連セットを用いた調整処理とが実行される場合が例に示される。第1関連セットは、第1関連調整用画像B1および第2関連調整用画像B2を含む。第2関連調整用画像B2を用いた調整処理は、第1関連調整用画像B1を用いた調整処理が終了した後に実行される。第2関連セットは、第3関連調整用画像C1および第4関連調整用画像C2を含む。第4関連調整用画像C2を用いた調整処理は、第3関連調整用画像C1を用いた調整処理が終了した後に実行される。
【0098】
図12を参照して、横軸は、2つの関連セットを用いた関連調整処理が開始されてから搬送されるロール紙Rの長さを示し、第1段に画像形成処理のチャートを示し、第2段に第1関連セットに対する読取および解析処理のチャートを示し、第3段に第2関連セットに対する読取および解析処理のチャートを示す。
【0099】
第1段に示されるように、速度安定化期間に相当する速度安定化距離分のロール紙Rが搬送される。その後、第1セットの第1関連調整用画像B1が形成され、続いて、第2セットの第3関連調整用画像C1が形成される。第1関連調整用画像B1および第3関連調整用画像C1が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第1関連調整用画像B1および第3関連調整用画像C1の長さにそれぞれ相当する。ここでは、第1関連調整用画像B1および第3関連調整用画像C1それぞれの長さを0.5mとしている。
【0100】
第2段に示されるように、第1関連調整用画像B1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第1関連調整用画像B1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第1関連調整用画像B1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第1関連調整用画像B1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第1関連調整用画像B1の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0101】
第3段に示されるように、第3関連調整用画像C1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第3関連調整用画像C1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第3関連調整用画像C1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第3関連調整用画像C1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第3関連調整用画像C1の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0102】
第1段に示されるように、第1関連調整用画像B1が解析されて、設定値が補正されると、第2関連調整用画像B2が形成される。第2関連調整用画像B2が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第2関連調整用画像B2の長さに相当する。ここでは、第2関連調整用画像B2の長さを0.5mとしている。また、第3関連調整用画像C1が解析されて、設定値が補正されると、第4関連調整用画像C2が形成される。第4関連調整用画像C2が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第4関連調整用画像C2の長さに相当する。ここでは、第4関連調整用画像C2の長さを0.5mとしている。
【0103】
第3段に示されるように、第4関連調整用画像C2の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第4関連調整用画像C2が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第4関連調整用画像C2に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第4関連調整用画像C2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第4関連調整用画像C2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0104】
第1段に示されるように、第4関連調整用画像C2が形成された部分が検査部15まで搬送された後に、第4関連調整用画像C2が検査部15により読み取られてから巻取部17の受入口まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、停止位置搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第2搬送距離L2である。解析処理は、停止一搬送期間に実行される。
【0105】
第3段に示されるように、ロール紙Rの第4関連調整用画像C2が形成された部分が検査部15まで搬送されると、第4関連調整用画像C2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第4関連調整用画像C2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。このため、第4関連調整用画像C2の解析処理は、停止一搬送期間に実行される。
【0106】
2つの関連セットを用いた複数関連連続処理においては、速度安定化距離(4M)、第1関連セットの第1関連調整用画像B1の長さ(0.5M)、第2関連セットの第3関連調整用画像C1の長さ(0.5M)、第2関連セットの第3関連調整用画像C1に対する第1搬送距離L1(3.5M)、第2関連セットの第3関連調整用画像C1に対する解析処理を実行している間に搬送されるロール紙Rの長さ(0.7M)、第2関連セットの第4関連調整用画像C2の長さ(0.5M)、第2関連セットの第4関連調整用画像C2に対する第1搬送距離L1(3.5M)および第2搬送距離L2(2M)の和である15.2M分のロール紙Rが搬送される。このため、ロール紙Rで画像が形成されていない白紙部分の長さは13.2Mとなる。
【0107】
<複数関連連続処理の変形例>
図13は、変形例における複数関連連続処理の流れの一例を示すフローチャートである。変形例における複数関連連続処理は、装置調整処理のステップS07において実行される処理である。
【0108】
図13を参照して、CPU111は、第1関連セットに対して、関連連続処理を開始し(ステップS31)、処理をステップS32Aに進める。関連連続処理は、図9に示した処理である。
【0109】
ステップS32Aにおいては、第1関連セットに対する関連連続処理が終了したか否かが判断される。第1関連セットに対する関連連続処理が終了するまで待機状態となり(ステップS32AでNO)、第1関連セットに対する関連連続処理が終了したならば処理はステップS33に進む。
【0110】
ステップS33においては、第2関連セットに対する関連連続処理が開始され、処理はステップS34Aに進む。関連連続処理は、図9に示した処理である。
【0111】
ステップS34Aにおいては、第2関連セットに対する関連連続処理が終了したか否かが判断される。第2関連セットに対する関連連続処理が終了するまで待機状態となり(ステップS34AでNO)、第2関連セットに対する関連連続処理が終了したならば処理は装置調整処理に戻る。
【0112】
図14は、変形例における2つの関連セットを用いた複数関連連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。ここでは、第1関連セットと第2関連セットとを用いた調整処理とが実行される場合が例に示される。第1関連セットは、第1関連調整用画像B1および第2関連調整用画像B2を含む。第2関連調整用画像B2を用いた調整処理は、第1関連調整用画像B1を用いた調整処理が終了した後に実行される。第2関連セットは、第3関連調整用画像C1および第4関連調整用画像C2を含む。第4関連調整用画像C2を用いた調整処理は、第3関連調整用画像C1を用いた調整処理が終了した後に実行される。
【0113】
図14を参照して、横軸は、2つの関連セットを用いた関連調整処理が開始されてから搬送されるロール紙Rの長さを示し、第1段に画像形成処理のチャートを示し、第2段に第1関連セットに対する読取および解析処理のチャートを示し、第3段に第2関連セットに対する読取および解析処理のチャートを示す。
【0114】
第1段に示されるように、速度安定化期間に相当する速度安定化距離分のロール紙Rが搬送される。その後、第1セットの第1関連調整用画像B1が形成される。第1関連調整用画像B1が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第1関連調整用画像B1の長さに相当する。ここでは、第1関連調整用画像B1の長さを0.5mとしている。
【0115】
第2段に示されるように、第1関連セットの第1関連調整用画像B1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第1関連調整用画像B1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第1関連調整用画像B1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第1関連調整用画像B1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第1関連調整用画像B1の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0116】
第1段に示されるように、第1関連調整用画像B1が解析されて、設定値が補正されると、第2関連調整用画像B2が形成され、続いて、第3関連調整用画像C1が形成される。第2関連調整用画像B2および第3関連調整用画像C1が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第2関連調整用画像B2および第3関連調整用画像C1の長さにそれぞれ相当する。ここでは、第2関連調整用画像B2および第3関連調整用画像C1それぞれの長さを0.5mとしている。
【0117】
第2段に示されるように、第2関連調整用画像B2の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第2関連調整用画像B2が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第2関連調整用画像B2に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第2関連調整用画像B2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第2関連調整用画像B2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0118】
第3段に示されるように、第3関連調整用画像C1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第3関連調整用画像C1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第3関連調整用画像C1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第3関連調整用画像C1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第3関連調整用画像C1の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0119】
第1段に示されるように、第3関連調整用画像C1が解析されて、設定値が補正されると、第4関連調整用画像C2が形成される。第4関連調整用画像C2が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第4関連調整用画像C2の長さに相当する。ここでは、第4関連調整用画像C2の長さを0.5mとしている。
【0120】
第3段に示されるように、第4関連調整用画像C2の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第4関連調整用画像C2が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第4関連調整用画像C2に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。
【0121】
第1段に示されるように、ロール紙Rの第4関連調整用画像C2が形成された部分が検査部15まで搬送された後に、第4関連調整用画像C2が検査部15により読み取られてから巻取部17の受入口まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、停止位置搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第2搬送距離L2である。解析処理は、停止一搬送期間に実行される。
【0122】
第3段に示されるように、ロール紙Rの第4関連調整用画像C2が形成された部分が検査部15まで搬送されると、第4関連調整用画像C2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第4関連調整用画像C2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。このため、第4関連調整用画像C2の解析処理は、停止一搬送期間に実行される。
【0123】
2つの関連セットを用いた変形例における複数関連連続処理においては、速度安定化距離(4M)、第1関連セットの第1関連調整用画像B1の長さ(0.5M)、第1関連セットの第1関連調整用画像B1に対する第1搬送距離L1(3.5M)、第1関連セットの第1関連調整用画像B1に対する解析処理を実行している間に搬送されるロール紙Rの長さ(0.7M)、第1関連セットの第2関連調整用画像B2の長さ(0.5M)、第2関連セットの第3関連調整用画像C1の長さ(0.5M)、第2関連セットの第3関連調整用画像C1に対する第1搬送距離L1(3.5M)、第2関連セットの第3関連調整用画像C1に対する第1搬送距離L1(3.5M)、第2関連セットの第3関連調整用画像C1に対する解析処理を実行している間に搬送されるロール紙Rの長さ(0.7M)、第2関連セットの第4関連調整用画像C2の長さ(0.5M)、第2関連セットの第4関連調整用画像C2に対する第1搬送距離L1(3.5M)および第2搬送距離L2(2M)の和である19.9M分のロール紙Rが搬送される。このため、ロール紙Rで画像が形成されていない白紙部分の長さは17.9Mとなる。
【0124】
図15は、複合連続処理の流れの一例を示すフローチャートである。複合連続処理は、装置調整処理のステップS08において実行される処理である。ここでは、関連セットがN(Nは2以上の整数)個の関連調整用画像を含む場合を例に説明する。図15を参照して、CPU111は、変数iに1を設定し(ステップS41)、処理をステップS42に進める。変数iは、関連セットに含まれる複数の関連調整用画像のうち処理対象となる関連調整用画像を特定する情報である。
【0125】
ステップS42においては、完了フラグがONに設定され、処理はステップS43に進む。ステップS43においては、調整処理の対象となる単独調整用画像が存在するか否かが判断される。そのような調整用画像が存在するならば処理はステップS44に進むが、存在しなければ処理はステップS46に進む。
【0126】
ステップS44においては、単独調整用画像の画像形成が開示され、処理はステップS45に進む。ステップS45においては、単独調整用画像の画像形成が終了したか否かが判断される。単独調整用画像の画像形成が終了するまで待機状態となり(ステップS45でNO)、単独調整用画像の画像形成が終了したならば(ステップS45でYES)、処理はステップS46に進む。
【0127】
ステップS46においては、完了フラグがONに設定されているか否かが判断される。完了フラグがONに設定されているならば完了フラグがONに設定されるまで待機状態となり(ステップS46でNO)、完了フラグがONに設定されているならば処理はステップS47に進む。
【0128】
ステップS47においては、関連セットの第i番目の関連調整用画像の画像形成が開始され、処理はステップS48に進む。ステップS48においては、完了フラグがOFFに設定され、処理はステップS49に進む。
【0129】
ステップS49においては、変数iがインクリメントされ、処理はステップS50に進む。ステップS50においては、変数iが定数Nと比較される。定数Nは、関連セットに含まれる複数の関連調整用画像の数である。変数iがNより大きいならば処理はステップS51に進むが、そうでなければ処理はステップS43に戻る。
【0130】
ステップS51においては、調整処理の対象となる単独調整用画像が存在するか否かが判断される。そのような調整用画像が存在するならば処理はステップS52に進むが、存在しなければ処理は装置調整処理に戻る。ステップS52においては、図7に示した単独連続処理が実行され、処理は装置調整処理に戻る。
【0131】
図16は、複合連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。ここでは、関連セットと単独セットを用いた複合連続処理が例に示される。関連セットは、第1関連調整用画像B1と第2関連調整用画像B2とを含む。単独セットは、第1単独調整用画像A1、第2単独調整用画像A2および第3単独調整用画像A3を含む。第2関連調整用画像B2を用いた調整処理は、第1関連調整用画像B1を用いた調整処理が終了した後に実行される。
【0132】
図16を参照して、横軸は、複合連続処理が開始されてから搬送されるロール紙Rの長さを示し、第1段に画像形成処理のチャートを示し、第2段に関連セットに対する読取設定処理のチャートを示し、第3段に第1単独調整用画像A1に対する読取設定処理のチャートを示し、第4段に第2単独調整用画像A2に対する読取設定処理のチャートを示し、第5段に第3単独調整用画像A3に対する読取設定処理のチャートを示す。
【0133】
第1段に示されるように、速度安定化期間に相当する速度安定化距離分のロール紙Rが搬送される。その後、第1単独調整用画像A1、第1関連調整用画像B1および第2単独調整用画像A2がこの順で連続して形成される。第1単独調整用画像A1、第1関連調整用画像B1および第2単独調整用画像A2が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第1単独調整用画像A1、第1関連調整用画像B1および第2単独調整用画像A2それぞれの長さに相当する。ここでは、第1単独調整用画像A1、第1関連調整用画像B1および第2単独調整用画像A2それぞれの長さを0.5mとしている。
【0134】
第2段に示されるように、第1関連調整用画像B1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第1関連調整用画像B1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第1関連調整用画像B1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第1関連調整用画像B1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第1関連調整用画像B1の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0135】
第3段に示されるように、第1単独調整用画像A1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第1単独調整用画像A1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第1単独調整用画像A1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第1単独調整用画像A1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第1単独調整用画像A1の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0136】
第4段に示されるように、第2単独調整用画像A2の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第2単独調整用画像A2が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第2単独調整用画像A2に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第2単独調整用画像A2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第2単独調整用画像A2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0137】
第1段に示されるように、第1関連調整用画像B1が解析されて、設定値が補正されると、第2関連調整用画像B2および第3単独調整用画像A3がこの順で連測して形成される。第2関連調整用画像B2および第3単独調整用画像A3が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第2関連調整用画像B2および第3単独調整用画像A3それぞれの長さに相当する。ここでは、第2関連調整用画像B2および第3単独調整用画像A3それぞれの長さを0.5mとしている。
【0138】
第2段に示されるように、第2関連調整用画像B2の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第2関連調整用画像B2が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第2関連調整用画像B2に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第2関連調整用画像B2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第2関連調整用画像B2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0139】
第5段に示されるように、第3単独調整用画像A3の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第3単独調整用画像A3が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第3単独調整用画像A3に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第3単独調整用画像A3を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第3単独調整用画像A3の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0140】
第1段に示されるように、ロール紙Rの第2関連調整用画像B2が形成された部分が検査部15まで搬送された後に、第2関連調整用画像B2が検査部15により読み取られてから巻取部17の受入口まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、停止位置搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第2搬送距離L2である。
【0141】
第2段に示されるように、ロール紙Rの第2関連調整用画像B2が形成された部分が検査部15まで搬送されると、第2関連調整用画像B2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第2関連調整用画像B2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。このため、第2関連調整用画像B2を解析する解析処理および第3単独調整用画像A3を解析する解析処理は、停止一搬送期間に実行される。
【0142】
関連セットと単独セットを用いた複合連続処理においては、速度安定化距離(4M)、第1単独調整用画像A1の長さ(0.5M)、第1関連調整用画像B1の長さ(0.5M)、第1関連調整用画像B1に対する第1搬送距離L1(3.5M)、第1関連調整用画像B1に対する解析処理を実行している間に搬送されるロール紙Rの長さ(0.7M)、第2関連調整用画像B2の長さ(0.5M)、第2関連調整用画像B2に対する第1搬送距離L1(3.5M)および第2搬送距離L2(2M)の和である15.2M分のロール紙Rが搬送される。このため、ロール紙Rで画像が形成されていない白紙部分の長さは12.7Mとなる。
【0143】
なお、複合連続処理において、関連セットと単一の単独調整用画像A1とが用いられる場合、単独調整用画像A1の後に連続して第1関連調整用画像B1を形成してもよい。この場合において複合処理において搬送されるロール紙Rの長さは、15.2mとなる。また、関連セットの第1関連調整用画像B1と第2関連調整用画像B2との間に1以上の単独調整用画像A1を画像形成してもよく、また、第2関連調整用画像B2の後に連続して単独調整用画像A1を画像形成してもよい。この場合において複合処理において搬送されるロール紙Rの長さは、14.7mとなる。
【0144】
<第2の実施の形態>
上述した実施の形態においては、調整処理として、調整用画像をロール紙Rに形成し、検査部15でロール紙Rに形成された調整用画像を読み取る場合を説明した。第2の実施の形態における画像形成装置は、この調整処理に加えて、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが中間転写ベルト29に形成するトナー像の位置を調整する位置調整処理を同時に実行する。
【0145】
図17は、第2の本実施の形態における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図17に示す機能が図4に示す機能と異なる点は、IDCセンサ制御部73および位置調整部75が追加された点、画像形成制御部53が画像形成制御部53Aに変更された点である。
【0146】
画像形成制御部53Aは、トナー像形成部71と、関連セット読出部61と、調整用画像形成部63Aと、単独セット読出部65と、を含む。関連セット読出部61および単独セット読出部65については、上述したのでここでは説明を繰り返さない。
【0147】
トナー像形成部71は、調整指示受付部51から位置調整指示が入力されることに応じて、画像形成部11を制御して、複数のレジスト画像を形成させる。複数のレジスト画像が中間転写ベルト29に転写される間隔は予め定められている。このため、トナー像形成部71は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを制御して、中間転写ベルト29の予め定められた位置にレジスト画像を形成させる。
【0148】
IDCセンサ制御部73は、IDCセンサ35を制御して、中間転写ベルト29に形成されたレジスト画像を読み取らせる。IDCセンサ制御部73は、複数のレジスト画像が形成された中間転写ベルト29における位置を特定し、特定された位置を示す位置情報を位置調整部75に出力する。
【0149】
位置調整部75は、位置調整部75から複数のレジスト画像それぞれの中間転写ベルト29上の位置を示す位置情報が入力される。位置調整部75は、複数のレジスト画像それぞれの位置情報に基づいて、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが中間転写ベルト29にトナー像を形成するタイミングを定める設定値を決定し、設定値を更新する。
【0150】
調整用画像形成部63Aは、複数の調整用画像を形成する順番を決定し、決定された順番で複数の調整用画像を形成する。具体的には、調整用画像形成部63Aは、複数のレジスト画像のうち連続する2つのレジスト画像の間に1以上の調整用画像が形成される順番を決定する。
【0151】
画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれがレジスト画像を中間転写ベルト29に形成する間、中間転写ベルト29がロール紙Rに接触するので、中間転写ベルト29の搬送に伴ってロール紙Rも搬送される。このため、第2の実施の形態における画像形成装置100は、連続する2つのレジスト画像の間に1以上の調整用画像を形成するので、ロール紙Rの白紙の状態で搬送される距離を少なくすることができる。
【0152】
図18は、第2の実施の形態における装置調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における装置調整処理は、画像形成装置100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された装置調整プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、調整用画像として、複数の単独調整用画像を含む単独セットを用いて調整処理が位置調整処置とともに実行される場合を例に説明する。
【0153】
図18を参照して、画像形成装置100が備えるCPU111は、調整指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS71)。調整指示が受け付けられるまで待機状態となり(ステップS71でNO)、調整指示が受け付けられたならば(ステップS71でYES)、処理はステップS72に進む。
【0154】
ステップS72においては、画像形成速度になるまで白紙が搬送され、処理はステップS73に進む。CPU111は、給紙部13を制御して、ロール紙Rの搬送を開始させ、搬送速度が画像形成速度になるまで白紙を搬送させる。
【0155】
ステップS73においては、レジスト画像の形成が開始され、処理はステップS74に進む。レジスト画像の形成の開始とともにタイマーがスタートする。ステップS74においては、変数rに周期が設定される。周期は、先のレジスト画像が形成されてから次のレジスト画像が形成されるまでの時間である。
【0156】
ステップS75においては、画像形成の対象となる調整用画像が存在するか否かが判断される。調整用画像が存在するならば処理はステップS76に進むが、そうでなければ処理はステップS80に進む。ステップS77においては、ステップS73において画像形成が開始されたレジスト画像の形成が終了したか否かが判断される。レジスト画像の形成が終了するまで待機状態となり(ステップS77でNO)、レジスト画像の形成が終了したならば(ステップS77でYES)、処理はステップS78に進む。ステップS78おいては、調整用画像の形成が開始され、処理はステップS79に進む。ステップS79においては、調整用画像の形成が終了したか否かが判断される。調整用画像の形成が終了するまで待機状態となり(ステップS79でNO)、調整用画像の形成が終了したならば(ステップS79でYES)、処理はステップS75に戻る。
【0157】
ステップS80においては、画像形成の対象となるレジスト画像が存在するか否かが判断される。画像形成の対象となるレジスト画像が存在するならば処理はステップS81に進むが、そうでなければ処理はステップS82に進む。ステップS81においては、タイマー値が変数r以上か否かが判断される。変数rにはステップS74において周期が設定されている。タイマー値が変数r以上になるまで待機状態となり(ステップS81でNO)、タイマー値が変数r以上になると処理はステップS73に戻る。
【0158】
ステップS82においては、画像形成の対象となる調整用画像が存在するか否かが判断される。画像形成の対象となる調整用画像が存在するならば処理はステップS83に進むが、そうでなければ処理はステップS84に進む。ステップS83においては、図6に示した単独連続処理が実行され、処理はステップS84に進む。
【0159】
ステップS84においては、停止位置まで白紙が搬送され、処理は終了する。ロール紙Rに最後に形成された画像が巻取部17の受入口まで搬送される期間に相当する第2搬送距離L2分のロール紙Rが搬送される。
【0160】
図19は、第2の実施の形態における単独セットを用いた単独連続処理におけるロール紙の長さの一例を示すチャート図である。単独セットは、第1単独調整用画像A1と第2単独調整用画像A2とを含む。
【0161】
図19を参照して、横軸は、調整処理が開始されてから搬送されるロール紙Rの長さを示し、第1段に画像形成処理のチャートを示し、第2段にレジスト画像の読取処理のチャートを示し、第3段に第1単独調整用画像A1に対する読取および解析処理のチャートを示し、第4段に第2単独調整用画像A2に対する読取設定処理のチャートを示す。
【0162】
第1段に示されるように、速度安定化期間に相当する速度安定化距離分のロール紙Rが搬送される。その後、第1番目のレジスト画像D1が形成され、続いて第1単独調整用画像が形成される。第1番目のレジスト画像D1が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第1番目のレジスト画像D1の長さに相当する。ここでは、第1番目のレジスト画像D1の長さを0.9mとしている。第1単独調整用画像A1が形成される間にロール紙Rの搬送距離は、第1単独調整用画像A1の長さに相当する。ここでは、単独調整用画像A1の長さを0.5mとしている。
【0163】
そして、第1番目のレジスト画像D1の形成が開始されてから所定の周期が経過すると第2番目のレジスト画像D2が形成され、続いて第1単独調整用画像が形成される。ここでは、1周期の間にロール紙Rの搬送距離は1.6Mとしている。
【0164】
第2段に示されるように、第1番目のレジスト画像D1の画像形成が終了すると、IDCセンサ35までレジスト画像D1が搬送される。また、第2番目のレジスト画像D2の画像形成が終了すると、IDCセンサ35までレジスト画像D2が搬送される。
【0165】
第3段に示されるように、第1単独調整用画像A1の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第1単独調整用画像A1が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第1単独調整用画像A1に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。その後、第1単独調整用画像A1を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。
【0166】
また、第4段に示されるように、第2単独調整用画像A2の画像形成が終了すると、ロール紙Rの第2単独調整用画像A2が形成された部分が検査部15まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、第2単独調整用画像A2に対する読取搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第1搬送距離L1である。
【0167】
第1段に示されるように、ロール紙Rの第2単独調整用画像A2が形成された部分が検査部15を通過した後に、第2単独調整用画像A2が検査部15により読み取られてから巻取部17の受入口まで搬送される。この間にロール紙Rが搬送される距離は、停止位置搬送期間にロール紙Rが搬送される距離に相当し、第2搬送距離L2である。ここでは、解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。
【0168】
第4段に示されるように、ロール紙Rの第2単独調整用画像A2が形成された部分が検査部15まで搬送されると、第2単独調整用画像A2を解析する解析処理が実行され、設定値が補正される。ここでは、第2単独調整用画像A2の解析処理の間におけるロール紙Rの搬送距離を0.7mとしている。このため、第2単独調整用画像A2の解析処理は、停止位置搬送期間に実行される。
【0169】
第2の実施の形態における単独セットを用いた単独連続処理においては、速度安定化距離(4m)、周期(1.6M)、第2番目のレジスト画像D1の長さ(0.9M)、第2単独調整用画像A2の長さ(0.5M)、第2単独調整用画像A2に対する第1搬送距離L1(3.5M)、第2搬送距離L2(2M)の和である12.5M分のロール紙Rが搬送される。このため、ロール紙Rで画像が形成されていない白紙部分の長さは、9.7Mとなる。
【0170】
なお、ここでは、単独セットの調整用画像をレジスト画像とともに順番を入れ換えて画像形成する場合を例に説明したが、関連セットの調整用画像とレジスト画像との組み合わせ、複数の単独セットの調整用画像とレジスト画像との組み合わせ、複数の関連セットの調整用画像とレジスト画像との組み合わせ、単独セットの調整用画像と関連セットの調整用画像とレジスト画像との組み合わせ、それぞれについて画像形成する順番を入れ換えて画像形成してもよい。
【0171】
<その他の実施の形態>
(1)複数の調整用画像の近傍に、調整用画像を識別するための識別情報の画像を形成してもよい。これにより、ロール紙Rに形成された調整用画像の近傍に識別情報の画像が形成されるので、ユーザーは、識別情報から調整用画像が対象とする設定値を知ることができる。このため、補正された設定値を容易に確認することができる。
【0172】
(2)検査部15が継続して読取可能な画像の長さが制限される場合がある。検査部15が画像を読み取って得られる画像データを出力する処理を実行するために、画像データのサイズが制限される場合がある。この場合、検査部15が一の画像を読み取った後、次の画像を読み取り可能になるまでの準備時間が必要になる。この場合、検査部15が画像を読み取る期間に準備時間が加算される。このため、上記の第1期間に、検査部15が一の画像を読み取った後、次の画像を読み取り可能になるまでの準備時間が加算される。
【0173】
(3) 第1の実施の形態および第2の実施の形態において、画像形成装置100が装置調整処理を実行する間におけるロール紙Rの搬送速度は、画像形成装置100が装置調整処理を実行しない間にロール紙を搬送する搬送速度よりも遅くしてもよい。この場合には、解析時間である第3期間の間に搬送されるロール紙Rの長さが短くなるので、ロール紙Rに画像が形成されない白紙の長さを短くすることができる。
【0174】
(4)上述した実施の形態においては、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置100について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、インクを吐出して画像を形成するインクジェットプリンタであってもよい。
【0175】
<実施の形態の総括>
(項1) 連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御手段と、
記録媒体に形成された前記調整用画像を読み取る画像読取手段と、
読み取られた前記調整用画像に基づいて前記設定値を補正する補正手段と、を備え、
前記画像形成制御手段は、前記調整用画像の画像形成が開始されてから前記画像読取手段により読み取られるまでの第1期間と前記調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の前記調整用画像を連続して形成する、画像形成装置。
【0176】
この局面に従えば、調整用画像の画像形成が開始されてから読み取られるまでの第1期間と調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の調整用画像が連続して形成される。このため、連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さを短くすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0177】
(項2) 前記複数の調整用画像は、前記複数の調整用画像のうち他の調整用画像に対応する画像データに基づいて前記補正手段により補正される前の前記設定値で形成可能な画像であり、
前記画像形成制御手段は、前記第1期間より短い間隔で複数の前記調整用画像を連続して形成する、項1に記載の画像形成装置。
【0178】
この局面に従えば、第1期間より短い間隔で複数の調整用画像が連続して画像形成される。このため、連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さをより短くすることができる。
【0179】
(項3) 前記複数の調整用画像は、第1関連調整用画像と第2関連調整用画像とを含む関連セットを含み、
前記画像形成制御手段は、前記複数の調整用画像を連続して形成する、項2に記載の画像形成装置。
【0180】
この局面に従えば、複数の調整用画像が連続して画像形成されるので、連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さをさらに短くすることができる。
【0181】
(項4) 前記複数の調整用画像は、第1関連調整用画像と第2関連調整用画像を含む関連セットを含み、
前記第2関連調整用画像は、前記画像読取手段が記録媒体に形成された前記第1関連調整用画像を読み取ることにより出力する画像データに基づいて前記補正手段により補正された前記設定値で前記画像形成制御手段により形成される画像であり、
前記画像形成制御手段は、前記第1関連調整用画像と前記第2関連調整用画像との間に、前記補正手段が前記第1関連調整用画像に対応する画像データに基づいて補正した前記設定値を設定するまでの解析時間である第3期間と前記第1期間との和以上の間隔で前記第2関連調整用画像を形成する、項1に記載の画像形成装置。
【0182】
この局面に従えば、第2関連調整用画像が、記録媒体に形成された第1関連調整用画像を読み取った画像データに基づいて補正された設定値で形成される画像の場合に、第1関連調整用画像と第2関連調整用画像との間に、第1関連調整用画像に対応する画像データに基づいて補正した設定値を設定するまでの解析時間である第3期間と第1期間との和以上の間隔で第2関連調整用画像が画像形成される。このため、第1関連調整用画像と第2関連調整用画像との間隔を最も短くできる。
【0183】
(項5) 前記複数の調整用画像は、前記関連セットに加えて別の調整用画像をさらに含み、
前記画像形成制御手段は、前記第1関連調整用画像の前、前記第1関連調整用画像の後、前記第2関連調整用画像の後のいずれかに連続して前記別の調整用画像を形成する、項4に記載の画像形成装置。
【0184】
この局面に従えば、第2関連調整用画像が、記録媒体に形成された第1関連調整用画像を読み取った画像データに基づいて補正された設定値で形成される画像の場合に、第1関連調整用画像の前、第1関連調整用画像の後、第2関連調整用画像の後のいずれかに連続して別の調整用画像が画像形成される。このため、このため、第1関連調整用画像と第2関連調整用画像との間隔を最も短くしつつ、白紙の部分を短くできる。
【0185】
(項6) 前記別の調整用画像は、前記複数の調整用画像のうち他の調整用画像に対応する画像データに基づいて前記補正手段により補正される前の前記設定値で形成可能な画像である、項5に記載の画像形成装置。
【0186】
(項7) 前記関連セットは、第1関連セットと第2関連セットとを含み、
前記画像形成制御手段は、前記第1関連セットの前記第1関連調整用画像と前記第2関連調整用画像との間に前記第2関連セットの前記第1関連調整用画像を連続して形成する、項4に記載の画像形成装置。
【0187】
(項8) 前記関連セットは、第1関連セットと第2関連セットとを含み、
前記画像形成制御手段は、前記第1関連セットの前記第2関連調整用画像の後に前記第1関連セットの前記第1関連調整用画像を連続して形成する、項4に記載の画像形成装置。
【0188】
(項9) 前記第1期間は、前記画像読取手段が一の画像を読み取った後、次の画像を読み取り可能になるまでの準備時間を、さらに含む、項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【0189】
(項10) 回転軸回りを回転する無端の像担持体を含み、前記像担持体にトナー像を形成し、前記像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成手段と、
前記画像形成手段を制御して、複数の位置調整用画像にそれぞれ対応する複数のトナー像を前記像担持体に形成させるトナー像形成手段と、
前記像担持体に形成された前記トナー像の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出される前記複数のトナー像の位置に基づいて前記画像形成手段が画像を形成するために用いる位置調整用の設定値を補正する位置補正処理と、をさらに備え、
前記画像形成制御手段は、前記画像形成手段を制御して、前記トナー像形成手段により形成される前記複数の位置調整用画像の間に前記複数の調整用画像の少なくとも1つを形成させる、項1~9のいずれかに記載の画像形成装置。
【0190】
この局面に従えば、複数の位置調整用画像の間に複数の調整用画像の少なくとも1つが形成されるので、2つの種類の調整用画像を用いた調整を同時に実行することで、連続する記録媒体に画像が形成されない白紙の長さを短くすることができる。
【0191】
(項11) 前記画像形成制御手段は、前記複数の調整用画像を連続して画像形成する場合、前記複数の調整用画像とは異なる画像を形成する場合における記録媒体の搬送速度より遅い速度で記録媒体を搬送させる、項4~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【0192】
この局面に従えば、解析時間である第3期間の間に搬送される記録媒体の長さが短くなるので、連続する記録媒体に画像が形成されない白紙の長さをより短くすることができる。
【0193】
(項12) 画像形成装置で実行される装置調整方法であって、
連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御ステップと、
記録媒体に形成された前記調整用画像を読み取る画像読取ステップと、
読み取られた前記調整用画像に基づいて前記設定値を補正する補正ステップと、を含み、
前記画像形成制御ステップは、前記調整用画像の画像形成が開始されてから前記画像読取ステップにおいて読み取られるまでの第1期間と前記調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の前記調整用画像を連続して形成するステップを含む、装置調整方法。
【0194】
この局面に従えば、連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さを短くすることが可能な装置調整方法を提供することができる。
【0195】
(項13) 画像形成装置を制御するコンピューターで実行される装置調整プログラムであって、
連続した記録媒体に設定値に従って複数の調整用画像を形成する画像形成制御ステップと、
記録媒体に形成された前記調整用画像を読み取る画像読取ステップと、
読み取られた前記調整用画像に基づいて前記設定値を補正する補正ステップと、を前記コンピューターに実行させ、
前記画像形成制御ステップは、前記調整用画像の画像形成が開始されてから前記画像読取ステップにおいて読み取られるまでの第1期間と前記調整用画像が読み取られてから装置の外部に排出されるまでの第2期間との和より短い間隔で複数の前記調整用画像を連続して形成するステップを含む、装置調整プログラム。
【0196】
この局面に従えば、連続した記録媒体に画像が形成されない部分の長さを短くすることが可能な装置調整プログラムを提供することができる。
【0197】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0198】
100 画像形成装置、111 CPU、11 画像形成部、13 給紙部、15 検査部、16 CCD、17 巻取部、20C 画像形成ユニット、20K 画像形成ユニット、20M 画像形成ユニット、20W 画像形成ユニット、20Y 画像形成ユニット、26Y 1次転写ローラ、29 中間転写ベルト、35 IDCセンサ、51 調整指示受付部、53,53A 画像形成制御部、55 画像読取部、59 補正部、61 関連セット読出部、63,63A 調整用画像形成部、65 単独セット読出部、71 トナー像形成部、73 IDCセンサ制御部、75 位置調整部、L1 第1搬送距離、L2 第2搬送距離。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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