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特開2024-118297自動取引装置及び自動取引装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118297
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】自動取引装置及び自動取引装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/60 20190101AFI20240823BHJP
   G06K 13/06 20060101ALI20240823BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G07D11/60
G06K13/06 B
G07F19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024650
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成田 裕一
【テーマコード(参考)】
3E141
5B023
【Fターム(参考)】
3E141AA03
3E141BA07
3E141DA06
3E141DA10
3E141FH05
3E141FJ09
5B023GA09
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させた自動取引装置及び自動取引装置の制御方法を提供する。
【解決手段】カードイメージ読取部23は、挿入されたICカードの表面画像を取得する。挿入方向判定部101は、カードイメージ読取部23により取得された表面画像を基に、第1ICカードの挿入向きを判定する。カード処理制御部102は、前記挿入向きが正しい向きの場合、第1ICカードのICチップへのアクセスをICリーダライタ部25に行わせる。エラー処理部104は、ICリーダライタ部25による第1ICカードのICチップへのアクセスでエラーが発生した場合、ICリーダライタ部25によるICチップへのアクセスでのエラー発生の連続回数である第1連続発生回数を算出し、第1連続発生回数が第1閾値以上の場合、アクセスエラーの発生を通知する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入された第1ICカードの表面画像を取得するカードイメージ読取部と、
ICカードが有するICチップにアクセスして、情報の読み取り又は書込みを行うICリーダライタ部と、
前記カードイメージ読取部により取得された前記表面画像を基に、前記第1ICカードの挿入向きを判定する挿入方向判定部と、
前記挿入方向判定部により判定された前記挿入向きが正しい向きの場合、前記第1ICカードのICチップへのアクセスを前記ICリーダライタ部に行わせるカード処理制御部と、
前記ICリーダライタ部による前記第1ICカードのICチップへのアクセスでエラーが発生した場合に、前記ICリーダライタ部によるICチップへのアクセスでのエラー発生の連続回数である第1連続発生回数を算出し、前記第1連続発生回数が第1閾値以上の場合、アクセスエラーの発生を通知するエラー処理部と
を備えたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記エラー処理部は、前記第1連続発生回数が複数回の場合、前記ICリーダライタ部による前記第1ICカードのICチップへのアクセスでのエラー発生の連続回数である第2連続発生回数を算出し、前記第2連続発生回数が第2閾値以上の場合、前記第1ICカードの異常の発生を通知することを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記第2連続発生回数が第2閾値以上の場合、前記第1ICカードを挿入した利用者に前記第1ICカードの異常の発生を通知するための画面を表示部に表示させる表示制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記カード処理制御部は、
前記ICリーダライタ部による前記第1ICカードのICチップへのアクセスが成功した場合、前記ICカードを基に取引処理を実行し、
前記ICリーダライタ部による前記第1ICカードのICチップへのアクセスでエラーが発生し、且つ、前記第1連続発生回数が第1閾値以上の場合、前記ICカードに磁気ストライプが設けられていれば、前記磁気ストライプを用いて前記取引処理を継続する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項5】
ICカードが有するICチップにアクセスして情報の読み取り又は書込みを行うICリーダライタ装置を有する自動取引装置の制御方法であって、
前記自動取引装置に
挿入された第1ICカードの表面画像を取得させ、
取得した前記表面画像を基に、前記第1ICカードの挿入向きを判定させ、
前記挿入向きが正しい向きの場合、前記ICリーダライタ装置に対して、前記第1ICカードのICチップへのアクセスを行わせ、
前記ICリーダライタ装置による前記第1ICカードのICチップへのアクセスでエラーが発生した場合に、前記ICリーダライタ装置によるICチップへのアクセスでのエラーの第1連続発生回数を算出させ、
前記第1連続発生回数が第1閾値以上の場合、アクセスエラーの発生を通知させる
ことを特徴とする自動取引装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置及び自動取引装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関の店舗には、入金取引、出金取引、振込取引等の取引を行う自動取引装置が設置されている。自動取引装置には、例えば、現金自動預払機(Automated Teller Machine:ATM)等が存在する。自動取引装置は、利用者による操作に応じて、その利用者が要求する各種の取引を処理する。これらの取引の際には、金融機関が発行した通帳やキャッシュカード等の取引カード、または通帳と取引カードの双方が用いられる。
【0003】
従来、クレジットカードやキャッシュカード等の取引カードには、カード番号が記録されており、クレジット決済や銀行取引処理を行う場合には、決済端末装置や自動取引装置がこのカードに記録したカード番号を読み取るとともに、利用者により入力された暗証番号の認証処理を行っていた。最近では、この種の金融取引用のカードとしてICチップを搭載したIC(Integrated Circuit)カードが広く普及している。
【0004】
自動取引装置においてICカードによる取引を行う際に、ICカードやカードリードユニットが埃や油脂などで汚損している場合、ICカードの情報を読み取ることが困難となる場合がある。その際には、以下のような作業が行われてきた。ICカードの汚損の場合には、ICカードを返却して顧客にICカードの表面を拭いてもらい、ATMにICカードを再挿入してもらう。また、カードリードユニットの汚損の場合には、現地に派遣された保守作業員等が、カードリードユニットを清掃する。このように、ICカードの取引における不具合に対しては、不具合の原因に対応して対処方法がいくつか存在する。
【0005】
なお、ICカードを用いた自動取引装置の故障原因の切り分けについて、センターサーバが、利用者からの問い合わせを受けて、自動取引装置を異状診断モードに変更し、ICカードの情報を読み出してICカードが故障か否かを判定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-220064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の自動取引装置では、不具合の原因がICカードの汚損といったICカード側の問題なのか、ICカードの読取機構等の自動取引装置のハードウェア側の問題なのかの切り分けを自動で行うことは困難であった。そのため、ICカードの取引においてエラーが発生した場合、現状では、ICカードを返却して利用者に取引を再度行わせる方法が一般的である。また、ICカード通信エラーが、ホスト送受信前で発生した場合、自動取引装置はエラー休止とはならないため、埃や汚れの詰まり等が要因でのICカード接点部異常等のハード側の異常傾向が気づかれないことが多い。例えば、カードユニットのIC接点部が異常状態であるにも関わらず、自動取引装置がハード異常と判定されずに動作し続けた事象がある。このように、不具合の原因がICカード側の異常なのか、自動取引装置側の異常なのかの切り分けが難しく、自動取引装置の利便性を向上させることは困難であった。
【0008】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、利便性を向上させた自動取引装置及び自動取引装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の開示する自動取引装置及び自動取引装置の制御方法の一つの態様において、カードイメージ読取部は、挿入された第1ICカードの表面画像を取得する。ICリーダライタ部は、ICカードが有するICチップにアクセスして、情報の読み取り又は書込みを行う。挿入方向判定部は、前記カードイメージ読取部により取得された前記表面画像を基に、前記第1ICカードの挿入向きを判定する。カード処理制御部は、前記挿入方向判定部により判定された前記挿入向きが正しい向きの場合、前記第1ICカードのICチップへのアクセスを前記ICリーダライタ部に行わせる。エラー処理部は、前記ICリーダライタ部による前記第1ICカードのICチップへのアクセスでエラーが発生した場合に、前記ICリーダライタ部によるICチップへのアクセスでのエラーの連続回数である第1連続発生回数を算出し、前記第1連続発生回数が第1閾値以上の場合、アクセスエラーの発生を通知する。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、本発明は、自動取引装置の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、自動取引装置の外観及び自動取引システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、自動取引装置の内部の構造の一部を示す図である。
図3図3は、カードユニットの概要を示す図である。
図4図4は、実施例に係る自動取引装置のブロック図である。
図5図5は、カード挿入向き判定方法の一例を説明するための図である。
図6図6は、ICチップの画像比較によるカード挿入向き判定方法を説明するための図である。
図7図7は、アクセスエラー履歴の一例を示す図である。
図8図8は、カード異常通知付返却画面の一例の図である。
図9図9は、実施例1に係る自動取引装置によるICカード取引の処理のフローチャートである。
図10図10は、自動取引装置によるアクセスエラー処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示する自動取引装置及び自動取引装置の制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する自動取引装置及び自動取引装置の制御方法が限定されるものではない。
【実施例0013】
図1は、自動取引装置の外観及び自動取引システムの概略構成を示す図である。自動取引システム1は、自動取引装置10及び監視装置2を有する。自動取引装置10は、ネットワークを介して監視装置2と接続される。
【0014】
監視装置2は、ネットワーク上に存在する1つ又は複数の自動取引装置10を管理する。そして、監視装置2は、各自動取引装置10からの利用者の操作情報を受信して、利用者の認証処理や取引許可判定処理を行って応答を返す。
【0015】
例えば、監視装置2は、ネットワークを介して自動取引装置10から連続アクセスエラーの発生通知を受信する。そして、監視装置2は、受信した連続アクセスエラーの発生通知から、送信元の自動取引装置10におけるハードウェアの異常発生の可能性を管理者に通知する。
【0016】
自動取引装置10は、例えば、自動預け払い機(ATM)等である。自動取引装置10は、図1に示すように、通帳挿入/排出口12、カード挿入/排出口13、硬貨入出金口14、紙幣入出金口15、ハンドセット16及び表示/操作部11を有する。
【0017】
通帳挿入/排出口12は、通帳記帳などの通帳を用いた取引の際に、利用者が通帳を挿入するための口であり、且つ、取引の処理完了後に通帳を輩出して利用者に返却するための口である。カード挿入/排出口13は、カードを用いた取引の際に、利用者がカードを挿入するための口であり、且つ、取引の処理完了後にカードを排出して利用者に返却するための口である。硬貨入出金口14は、硬貨を用いた取引を行う際の、利用者による硬貨の入金又は利用者に対する硬貨の出金を行うための口である。紙幣入出金口15は、紙幣を用いた取引を行う際の、利用者による紙幣の入金又は利用者に対する紙幣の出金を行うための口である。ハンドセット16は、インターホンを兼用する。ハンドセット16を用いて、利用者は、窓口係員と会話をすることが可能である。ハンドセット16は、自動取引装置10に設けられなくてもよい。表示/操作部11は、例えば、タッチパネルを有する。表示/操作部11は、利用者による金額などの入力操作を受け付ける。また、表示/操作部11は、利用者に対して利用案内などの画面や後方確認のための映像を表示する。
【0018】
図2は、自動取引装置の内部の構造の一部を示す図である。図2では、自動取引装置10の上部の構造を示した。また、図3は、カードユニットの概要を示す図である。
【0019】
自動取引装置10は、図2に示すように、カード挿入/排出口13から繋がる位置に、カードユニット20を有する。カードユニット20は、挿入された取引カードの取り込み、搬送、情報の読み取り及び排出等を行う。他にも、自動取引装置10は、レシートの処理機構や紙幣やコイン等を蓄積するカセットを有する。
【0020】
カードユニット20は、図2及び図3に示すように、カード残留検知部21、MS(Magnetic Stripe:磁気ストライプ)リード部22、カードイメージ読取部23、退避部24、ICリーダライタ部25、搬送機構26、紙カード印字部27及びカードリジェクト部28を有する。
【0021】
搬送機構26は、カード挿入/排出口13から内部に延びる取引カードの搬送経路を有する。搬送機構26は、カード挿入/排出口13から挿入された取引カードの搬送経路を用いた自動取引装置10の内部の所定位置への搬送及び内部に取り込まれた取引カードの搬送経路を用いたカード挿入/排出口13への返送及びカード挿入/排出口13からの排出を行う。
【0022】
カード残留検知部21は、搬送経路上のカード挿入/排出口13の近傍に配置される。カード残留検知部21は、カード挿入/排出口13に挿入された取引カードのカード挿入/排出口13付近への残置を検知する。カード残留検知部21は、検知結果を自動取引装置10の制御部100へ送信する。カード残留検知部21により取引カードが検知されると、搬送機構26は、カード挿入/排出口13に挿入されたカードを自動取引装置10の内部に取り込む。
【0023】
MSリード部22は、取引カードに磁気ストライプが設けられている場合に、磁気ストライプからカード情報を読み取る。カード情報には、銀行番号、支店番号及び口座番号などが含まれる。また、カード情報には、カードの機能として有効な機能を示す有効性コードが含まれる。有効性コードは、取引カードにICチップが搭載されているか否かの情報を含む。
【0024】
カードイメージ読取部23は、取引カードの表面であるカードエンボスに対してイメージスキャンを行いカードエンボスの画像データを取得する。
【0025】
退避部24は、搬送機構26が有する搬送経路のうちMSリード部22の後で分岐した一方の経路の奥に配置される。退避部24は、搬送機構26により一方の経路に送られたICカードを取り込む。そして、退避部24は、ICカードを所定の位置に配置する。
【0026】
ICリーダライタ部25は、退避部24における所定の位置に配置されたICカードに搭載されたICチップの情報を読み取る。例えば、接触型ICカードの場合、ICリーダライタ部25は、IC接点をICチップに接触させる。次に、ICリーダライタ部25は、ICチップに対してIC活性化依頼を送信して活性化させる。そして、ICリーダライタ部25は、活性化したICチップに対して、ICアクセス依頼を行い、ICチップとの通信を確立してICチップに格納された情報を読み取る。
【0027】
ここで、IC活性化依頼やICアクセス依頼を行った際にエラーが発生した場合、ICリーダライタ部25は、IC活性化エラーや通信エラーを出力する。例えば、接触型ICカードであれば、ICリーダライタ部25が有するIC接点が汚れている等によりエラーが発生する可能性がある。
【0028】
紙カード印字部27は、退避部24に繋がる経路とは別のICカード以外の取引カードが運ばれる搬送経路上に配置される。紙カード印字部27は、送られてきた取引カードが紙カードの場合、その取引カードに対して印字を行う。
【0029】
カードリジェクト部28は、取引カードを返却する機構である。カードリジェクト部28は、取引カードを保持しておき、その取引カードについての処理完了後に取引カードを、搬送機構26を用いて返却させる。
【0030】
本実施例に係る自動取引装置10は、以上に説明したカードユニット20によるICカードの読み取りにおいてエラーが発生した場合に、ICカード側のエラーであるか、自動取引装置10のハードウェア側のエラーであるかを判定する。そして、自動取引装置10は、自己のハードウェア側のエラーの場合、自己のハードウェアにおける異常の発生を監視装置2へ通知する。以下に、自動取引装置10によるICカード読取の異常検知及び通知の詳細について説明する。
【0031】
図4は、実施例に係る自動取引装置のブロック図である。図4に示すように、実施例に係る自動取引装置10は、表示/操作部11、通知部17、カードユニット20及び制御部100を有する。図4では、ICカード読み取りに関する機能を記載して、他の機能は省略した。
【0032】
通知部17は、監視装置2と通信を行う。通知部17は、ネットワークに接続される通信インタフェースを有する。
【0033】
制御部100は、自動取引装置10の動作全体を統括制御する。制御部100は、プロセッサやメモリなどにより実現される。制御部100は、挿入方向判定部101、カード処理制御部102、表示制御部103、エラー処理部104及び情報管理部105を有する。
【0034】
カード処理制御部102は、利用者が自動取引装置10の前面に位置すると、カード吸入待ち依頼をカードユニット20に送信する。ICカードが挿入されると、カード処理制御部102は、カード挿入/排出口13へのICカードの挿入検知の通知をカード残留検知部21から受けて、ICカードが挿入されたことを確認する。
【0035】
その後、ICカードに磁気ストライプが付いている場合、カード処理制御部102は、カードの磁気ストライプに登録されたカード情報をMSリード部22から取得する。この際、カード処理制御部102は、取得したカード情報のうちの有効性コードからICカードか否かを判定する。カードがICカードの場合、カード処理制御部102は、ICカードの挿入向きの判定を挿入方向判定部101に指示する。その後、カード処理制御部102は、ICカードの挿入向きの判定結果を挿入方向判定部101から受ける。
【0036】
挿入向きが正しくない場合、カード処理制御部102は、ICカードの返却処理をカードユニット20に実行させる。これに対して、挿入向きが正しい場合、カード処理制御部102は、ICカードが退避部24に格納されるまで待機する。そして、ICカードが退避部24に運ばれ所定の位置に載置されると、カード処理制御部102は、ICアクセス依頼をカードユニット20へ送信する。ICリーダライタ部25によるICカード上のICチップへのアクセスが成功すると、カード処理制御部102は、ICカードに関する処理を継続する。
【0037】
これに対して、ICリーダライタ部25によるICカード上のICチップへのアクセスが失敗すると、カード処理制御部102は、アクセスエラーの通知をICリーダライタ部25から受ける。そして、カード処理制御部102は、アクセスエラー処理の実施をエラー処理部104に指示する。その後、カード処理制御部102は、エラー処理の完了の通知をエラー処理部104から受信すると、カード返却依頼をカードユニット20に送信する。
【0038】
また、カード処理制御部102は、エラー処理部104からのICカードの異常の発生の通知の有無により、ICカードに異常が発生したか否かを判定する。本実施例では、ICカードの異常の発生の通知は、ICカードに登録されたカード要因フラグの値により行われる。そして、ICカードに異常が無ければ、カード処理制御部102は、カード返却画面の表示を表示制御部103に指示する。一方、ICカードに異常が発生した場合、カード処理制御部102は、ICカードの異常の発生の通知を付加したICカード異常通知付返却画面の表示を表示制御部103に指示する。次に、カード処理制御部102は、ICカードに登録されたカード要因フラグをリセットする。
【0039】
さらに、カード処理制御部102は、今回のICカードの処理においてアクセスエラーが発生したか否かを示す情報を情報管理部105へ送信する。その後、カード処理制御部102は、ICカードに関する処理を終了して、顧客待ち状態へと移行する。
【0040】
挿入方向判定部101は、ICカードの挿入向きの判定の指示をカード処理制御部102から受ける。そして、挿入方向判定部101は、カードエンボスを撮影した画像データをカードイメージ読取部23から取得する。次に、挿入方向判定部101は、取得した画像データを用いてICカードの挿入向きが正しいか否かを判定する。その後、挿入方向判定部101は、ICカードの挿入方向の判定結果をカード処理制御部102へ通知する。
【0041】
図5は、カード挿入向き判定方法の一例を説明するための図である。例えば、挿入方向判定部101は、比較対象となるICカードのフォーマット画像201を保持する。フォーマット画像201は、ICカードのエンボスのフォーマットである。例えば、フォーマット画像201は、カード全体に対するICチップの位置等が規定されてもよい。そして、挿入方向判定部101は、保持するフォーマット画像201とカードイメージ読取部23から取得した画像データ203とを比較して、画像データ203がフォーマット画像201で示されるフォーマットを満たすかを確認する。
【0042】
例えば、挿入方向判定部101は、カード全体に対するICチップの位置が適切であるか等を確認する。そして、状態202に示されるように画像データ203がフォーマット画像201で示させるフォーマットを満たす場合、挿入方向判定部101は、ICカードの挿入向きが正しいと判定する。
【0043】
他にも、挿入方向判定部101は、予め登録された既存のICチップの画像と画像データに含まれるICチップの画像とを比較して一致性のチェックを行い、一致した場合にICカードの挿入向きが正しいと判定してもよい。
【0044】
図6は、ICチップの画像比較によるカード挿入向き判定方法を説明するための図である。例えば、挿入方向判定部101は、ICチップ画像212に示すような既存の4種類のICチップの画像を保持する。そして、挿入方向判定部101は、カードエンボスの画像データから取得したICチップ画像211が、ICチップ画像212に含まれる既存のICチップの画像のいずれかと一致するか否かを判定する。ICチップ画像211がICチップ画像212のうちのいずれかに一致する場合、挿入方向判定部101は、ICカードの挿入向きが正しいと判定する。
【0045】
より具体的には、挿入方向判定部101は、ICチップの形状が一致するか否かで一致性のチェックを行うことが可能である。他にも、挿入方向判定部101は、金、銀、場ラジウムの色が存在するか否かでICチップの色の一致を判定して一致性のチェックを行うことが可能である。
【0046】
図4に戻って説明を続ける。情報管理部105は、エラー処理部104によりアクセスエラーが連続で発生する毎に順次情報が追加されるアクセスエラーの連続発生を示すアクセスエラー履歴を保持する。図7は、アクセスエラー履歴の一例を示す図である。本実施例では、情報管理部105は、自動取引装置10におけるアクセスエラーの連続発生を示す装置アクセスエラー履歴221を有する。さらに、情報管理部105は、アクセスエラーが発生したICカード毎に、自動取引装置10における同一カードでのアクセスエラーの連続発生を示すカードアクセスエラー履歴222を有する。情報管理部105は、カードアクセスエラー履歴222を、例えば、画像データに紐づけて保持しても良いし、画像データから得られる口座番号などの一意の値に紐づけて保持してもよい。
【0047】
また、情報管理部105は、毎回のICカードの処理におけるアクセスエラーの発生の有無を示す情報をカード処理制御部102から受信する。そして、情報管理部105は、過去のICカードの処理においてアクセスエラーが発生したか否かを示すアクセス履歴情報を蓄積する。
【0048】
エラー処理部104は、ICリーダライタ部25によるICカード上のICチップへのアクセスが失敗した場合、アクセスエラー処理の実施の指示をカード処理制御部102から受ける。次に、エラー処理部104は、カードエンボスを撮影した画像データをカードイメージ読取部23から取得する。そして、エラー処理部104は、自動取引装置10におけるアクセスエラーの連続発生を示す装置アクセスエラー履歴221を情報管理部105から取得する。また、エラー処理部104は、画像データに対応するカードアクセスエラー履歴222を情報管理部105から取得する。さらに、エラー処理部104は、アクセス履歴情報を情報管理部105から取得する。
【0049】
エラー処理部104は、自動取引装置10におけるハードウェア側の異常と判定するためのアクセスエラーの連続発生のハードウェア異常判定閾値を予め有する。例えば、エラー処理部104は、ハードウェア異常判定閾値として10回を保持する。また、エラー処理部104は、ICカード側で異常が発生したと判定するための同じICカードでのアクセスエラーの連続発生のカード異常判定閾値を予め有する。例えば、エラー処理部104は、カード異常判定閾値として3回を保持する。
【0050】
エラー処理部104は、アクセス履歴情報から前回取引でアクセスエラーが発生したか否かを判定する。前回取引でアクセスエラーが発生していない場合、エラー処理部104は、装置アクセスエラー履歴221をクリアしたうえで今回のアクセスエラーの情報を登録して、装置アクセスエラー履歴221を初期化する。また、エラー処理部104は、カードアクセスエラー履歴222をクリアしたうえで今回のアクセスエラーの情報を登録して、カードアクセスエラー履歴222を初期化する。
【0051】
これに対して、前回取引でアクセスエラーが発生している場合、エラー処理部104は、装置アクセスエラー履歴221に新たに今回のアクセスエラーを登録してアクセスエラーの連続発生件数をインクリメントする。
【0052】
また、エラー処理部104は、取得したカードアクセスエラー履歴222が、処理中のICカードと同一カードのアクセスエラーの履歴であるか否かを判定する。カードアクセスエラー履歴222が処理中のICカードと同一カードのアクセスエラーの履歴であれば、エラー処理部104は、カードアクセスエラー履歴222に新たに今回のアクセスエラーを登録してアクセスエラーの連続発生件数をインクリメントする。
【0053】
これに対して、カードアクセスエラー履歴222が処理中のICカードと同一カードのアクセスエラーの履歴でなければ、エラー処理部104は、カードアクセスエラー履歴222をクリアしたうえで今回のアクセスエラーの情報を登録して、カードアクセスエラー履歴222を初期化する。
【0054】
次に、エラー処理部104は、更新した装置アクセスエラー履歴221及びカードアクセスエラー履歴222を情報管理部105へ送信して保持する情報を更新させることで、アクセスエラー履歴の情報を退避させる。
【0055】
次に、エラー処理部104は、自動取引装置10におけるアクセスエラーの連続発生件数を装置アクセスエラー履歴221から取得する。そして、エラー処理部104は、自動取引装置10におけるアクセスエラーの連続発生件数がハードウェア異常判定閾値以上か否かを判定する。自装置におけるアクセスエラーの連続発生件数がハードウェア異常判定閾値以上であれば、エラー処理部104は、カードユニット20の保守が必要と判定して、自動取引装置10のハードウェア側の異常の発生を通知部17に通知する。
【0056】
次に、エラー処理部104は、処理中のICカードと同一のカードについてのアクセスエラーの連続発生件数をカードアクセスエラー履歴222から取得する。そして、エラー処理部104は、処理中のICカードと同一のカードについてのアクセスエラーの連続発生件数がカード異常判定閾値以上か否かを判定する。処理中のICカードと同一のカードについてのアクセスエラーの連続発生件数がカード異常判定閾値以上であれば、エラー処理部104は、ICカードの媒体異常の可能性があると判定して、ICカード側の異常の発生を通知部17に通知する。さらに、エラー処理部104は、処理中のICカードにおいて、カードに異常が発生したことを示す情報であるカード要因フラグをオンに設定する。
【0057】
エラー処理部104は、自装置におけるアクセスエラーの連続発生件数及び処理中のICカードと同一のカードについてのアクセスエラーの連続発生件数の判定終了後に、エラー処理の完了をカード処理制御部102に通知する。
【0058】
表示制御部103は、ICカードに異常の発生の有無の情報とともにカード返却画面の表示の指示をカード処理制御部102から受ける。ICカードに異常が発生していない場合、表示制御部103は、カード返却画面を表示/操作部11に表示させる。
【0059】
また、ICカードに異常が発生した場合、表示制御部103は、カード返却画面にカードの異常の発生の通知を付加したカード異常通知付返却画面を表示/操作部11に表示させる。図8は、カード異常通知付返却画面の一例の図である。例えば、表示制御部103は、図8に示すような画面230をカード異常通知付返却画面として表示/操作部11に表示させる。これにより、利用者は、自分のICカードが壊れている可能性を把握でき、迅速に対処することが可能となる。
【0060】
通知部17は、自動取引装置10のハードウェア側の異常の発生の通知をエラー処理部104から受ける。そして、通知部17は、自動取引装置10のハードウェア側の異常の発生の通知を監視装置2へ送信する。管理者は、監視装置2に送信された自動取引装置10のハードウェア側の異常の発生の通知を確認することで、カードユニット20の保守が必要と判断して、保守要員を自動取引装置10に向かわせる等の保守対応を行うことができる。
【0061】
また、通知部17は、ICカード側の異常の発生の通知をエラー処理部104から受ける。そして、通知部17は、ICカード側の異常の発生の通知を監視装置2へ送信する。管理者は、監視装置2に送信されたICカード側の異常の発生の通知を確認することで、自動取引装置10のハードウェアの故障の可能性は低いと判断することができる。
【0062】
図9は、実施例1に係る自動取引装置によるICカード取引の処理のフローチャートである。次に、図9を参照して、実施例に係る自動取引装置10によるICカード取引の処理の流れを説明する。図9では、制御部100で行われる処理のフローとカードユニット20で行われる処理のフロートを並べて記載し、両者の間での通信を破線矢印で示した。
【0063】
制御部100のカード処理制御部102は、利用者が自動取引装置10の前面に位置すると、カード吸入待ち依頼をカードユニット20に送信する(ステップS1)。
【0064】
カードユニット20は、制御部100からのカード吸入待ち依頼を受けて、カード吸入待ちの状態となる(ステップS101)。
【0065】
その後、カードユニット20のカード残留検知部21は、カード挿入/排出口13から挿入されたICカードを検知する(ステップS102)。そして、カード残留検知部21は、ICカードの検知を制御部100に通知する。
【0066】
次に、カードユニット20のMSリード部22は、ICカードに磁気ストライプが付いていれば、磁気ストライプに登録されたカード情報を磁気ストライプから読み取り取得する(ステップS103)。そして、MSリード部22は、取得したカード情報を制御部100へ送信する。
【0067】
次に、カードユニット20のカードイメージ読取部23は、ICカードをイメージスキャンしてカードエンボスの画像データを取得する(ステップS104)。カードイメージ読取部23は、ICカードのカードエンボスの画像データを制御部100へ送信する。
【0068】
制御部100の挿入方向判定部101は、カードエンボスを撮影した画像データをカードイメージ読取部23から取得する。次に、挿入方向判定部101は、取得した画像データを用いてICカードの挿入向きが正しいか否かを判定する挿入方向判定を実施する(ステップS2)。その後、挿入方向判定部101は、ICカードの挿入方向の判定結果をカード処理制御部102へ通知する。
【0069】
制御部100のカード処理制御部102は、ICカードの挿入向きの判定結果を挿入方向判定部101から取得する。そして、カード処理制御部102は、判定結果に基づいてICカードの挿入向きが正しいか否かを判定する(ステップS3)。挿入向きが正しくない場合(ステップS3:否定)、カード処理制御部102は、ステップS8へ進む。
【0070】
これに対して、挿入向きが正しい場合(ステップS3:肯定)、カード処理制御部102は、ICカードが退避部24に格納されると、ICアクセス依頼をカードユニット20へ送信する(ステップS4)。
【0071】
カードユニット20のICリーダライタ部25は、ICカードアクセス依頼を受けて、ICカードアクセスを実行する(ステップS105)。具体的には、ICリーダライタ部25は、IC接点をICチップに接触させる。次に、ICリーダライタ部25は、ICチップに対してIC活性化依頼を送信して活性化させる。そして、ICリーダライタ部25は、活性化したICチップに対して、ICアクセス依頼を行い、ICチップとの通信を確立してICチップに格納された情報を読み取る。
【0072】
カードユニット20のICリーダライタ部25は、ICカードアクセスにおいてIC活性化エラーやICチップとの通信エラー等のアクセスエラーが発生したか否かを判定する(ステップS106)。ICアクセスエラーが発生していない場合(ステップS106:否定)、カードユニット20は、ステップS107を行わずに処理を進める。
【0073】
これに対して、ICアクセスエラーが発生した場合(ステップS106:肯定)、カードユニット20のICリーダライタ部25は、アクセスエラー通知を制御部100へ送信する(ステップS107)。
【0074】
制御部100のカード処理制御部102は、アクセスエラー通知をICリーダライタ部25から受信したか否かを判定する(ステップS5)。
【0075】
アクセスエラー通知を受信していない場合(ステップS5:否定)、ICリーダライタ部25によるICチップへのアクセスが成功しているので、制御部100のカード処理制御部102は、取得したICカードに関する処理を実行する(ステップS6)。
【0076】
これに対して、アクセスエラー通知を受信した場合(ステップS5:肯定)、制御部100のカード処理制御部102は、アクセスエラー処理の実施をエラー処理部104に指示する。制御部100のエラー処理部104は、カード処理制御部102からの指示を受けて、アクセスエラー処理を実施する(ステップS7)。このアクセスエラー処理の流れの詳細については後で説明する。
【0077】
その後、制御部100のカード処理制御部102は、カード返却依頼をカードユニット20に送信する(ステップS8)。
【0078】
次に、制御部100のカード処理制御部102は、ICカードのカード要因フラグがエラー処理部104によりオンにされているか否かを判定する(ステップS9)。
【0079】
カード要因フラグがオンの場合(ステップS9:肯定)、制御部100のカード処理制御部102は、ICカードの処理においてアクセスエラーが発生した旨とともにカード返却画面の表示を表示制御部103に指示する。制御部100の表示制御部103は、カード処理制御部102からの指示を受けて、カード異常通知付返却画面を表示/操作部11に表示させる(ステップS10)。
【0080】
その後、制御部100のカード処理制御部102は、ICカードに登録されたカード要因フラグをリセットする(ステップS11)。
【0081】
これに対して、カード要因フラグがオフの場合(ステップS9:否定)、制御部100のカード処理制御部102は、カード返却画面の表示を表示制御部103に指示する。制御部100の表示制御部103は、カード処理制御部102からの指示を受けて、カード返却画面を表示/操作部11に表示させる(ステップS12)。
【0082】
カードユニット20の搬送機構26は、カード返却依頼を制御部100から受けて、ICカードの返却を行う(ステップS108)。
【0083】
その後、カードユニット20の搬送機構26は、カード返却完了を制御部100に通知する(ステップS109)。
【0084】
制御部100のカード処理制御部102は、カード返却完了の通知をカードユニット20から受ける。そして、カード処理制御部102は、今回のICカードの処理においてアクセスエラーが発生したか否かを示す情報を情報管理部105へ送信する。その後、カード処理制御部102は、ICカードに関する処理を終了して、顧客待ち状態へと移行する(ステップS13)。
【0085】
図10は、自動取引装置によるアクセスエラー処理のフローチャートである。次に、図10を参照して、本実施例に係る自動取引装置によるアクセスエラー処理の流れについては後で説明する。図10のフローで示した各処理は、図9のステップS7で実施される処理の一例にあたる。
【0086】
エラー処理部104は、装置アクセスエラー履歴221及び画像データに対応するカードアクセスエラー履歴222を情報管理部105から取得する。さらに、エラー処理部104は、アクセス履歴情報を情報管理部105から取得する。そして、エラー処理部104は、アクセス履歴情報から前回取引でアクセスエラーが発生したか否かを判定する(ステップS201)。
【0087】
自装置における前回取引でアクセスエラーが発生した場合(ステップS201:肯定)、エラー処理部104は、装置アクセスエラー履歴221に今回のアクセスエラーの情報を登録して、アクセスエラーの連続発生件数をインクリメントする(ステップS202)。また、エラー処理部104は、カードアクセスエラー履歴222が処理中のICカードと同一カードのアクセスエラーの履歴であれば、エラー処理部104は、カードアクセスエラー履歴222に新たに今回のアクセスエラーを登録してアクセスエラーの連続発生件数をインクリメントする。これに対して、カードアクセスエラー履歴222が処理中のICカードと同一カードのアクセスエラーの履歴でなければ、エラー処理部104は、カードアクセスエラー履歴222をクリアしたうえで今回のアクセスエラーの情報を登録して、カードアクセスエラー履歴222を初期化する。
【0088】
これに対して、自装置における前回取引でアクセスエラーが発生していない場合(ステップS201:否定)、エラー処理部104は、装置アクセスエラー履歴221をクリアしたうえで今回のアクセスエラーの情報を登録して、装置アクセスエラー履歴221を初期化する(ステップS203)。また、エラー処理部104は、カードアクセスエラー履歴222をクリアしたうえで今回のアクセスエラーの情報を登録して、カードアクセスエラー履歴222を初期化する。
【0089】
そして、エラー処理部104は、装置アクセスエラー履歴221及びカードアクセスエラー履歴222を情報管理部105へ送信して保持する情報を更新させることで、アクセスエラー履歴の情報を退避させる(ステップS204)。
【0090】
次に、エラー処理部104は、自動取引装置10におけるアクセスエラーの連続発生件数を装置アクセスエラー履歴221から取得する。そして、エラー処理部104は、自動取引装置10におけるアクセスエラーの連続発生件数がハードウェア異常判定閾値以上か否かを判定する(ステップS205)。自装置におけるアクセスエラーの連続発生件数がハードウェア異常判定閾値未満の場合(ステップS205:否定)、エラー処理部104は、ステップS207へ進む。
【0091】
これに対して、自装置におけるアクセスエラーの連続発生件数がハードウェア異常判定閾値以上の場合(ステップS205:肯定)、通知部108は、エラー処理部104から通知された自動取引装置10のハードウェア側の異常の発生を監視装置2へ送信する(ステップS206)。
【0092】
次に、エラー処理部104は、処理中のICカードと同一のカードについてのアクセスエラーの連続発生件数をカードアクセスエラー履歴222から取得する。そして、エラー処理部104は、処理中のICカードと同一のカードについてのアクセスエラーの連続発生件数がカード異常判定閾値以上か否かを判定する(ステップS207)。
【0093】
処理中のICカードと同一のカードについてのアクセスエラーの連続発生件数がカード異常判定閾値未満の場合(ステップS207:否定)、エラー処理部104は、アクセスエラー処理を終了する。
【0094】
これに対して、処理中のICカードと同一のカードについてのアクセスエラーの連続発生件数がカード異常判定閾値以上の場合(ステップS207:肯定)、エラー処理部104は、ICカード側の異常の発生を通知部17に通知する。通知部108は、ICカード側の異常の発生を監視装置2へ送信する(ステップS208)。
【0095】
その後、エラー処理部104は、処理中のICカードにおいて、カードに異常が発生したことを示す情報であるカード要因フラグをオンに設定する(ステップS209)。
【0096】
以上に説明したように、本実施例に係る自動取引装置は、ICカードの表面の画像を取得してその画像からカードの向きを判断する。これにより、磁気ストライプを有さないICカードであっても挿入向きの正誤を判定でき、ICチップへのアクセスを確実に行うことが可能となる。
【0097】
さらに、自動取引装置は、自装置でのICカードのアクセスエラーが連続して装置異常判定閾値以上発生した場合に、監視装置に異常の発生を通知する。さらに、自動取引装置は、同一のICカードでアクセスエラーが連続してカード異常判定閾値以上発生した場合に、監視装置にカード側の異常の発生を通知する。これにより、アクセスエラーが発生した場合に、管理者は、自動取引装置のハードウェア側で異常が発生した可能性を確認することができ、保守要員の派遣といった保守対応を迅速に行うことが可能となる。したがって、自動取引装置の利便性を向上させることが可能となる。
【実施例0098】
次に、実施例2について説明する。本実施例に係る自動取引装置は、自装置でのICカードのアクセスエラーが連続して装置異常判定閾値以上発生した場合に、その時点ではICカードを返却せずに、MS取引に切り替えて取引を継続させる。本実施例に係る自動取引装置も、図4のブロック図で表される。以下の説明では、実施例1と同様の各部の動作については説明を省略する。
【0099】
カード処理制御部102は、アクセスエラー処理の実施をエラー処理部104に指示する。その後、カード処理制御部102は、エラー処理部104によりエラー処理の完了の通知を受ける。この際、カード処理制御部102は、自動取引装置10でのアクセスエラーの連続生件数が装置異常判定閾値以上か否かの情報もエラー処理部104から取得する。
【0100】
そして、自動取引装置10でのアクセスエラーの連続生件数が装置異常判定閾値以上の場合、カード処理制御部102は、ICカードが磁気ストライプを有する場合、取引を磁気ストライプを用いたMS取引に切り替える。そして、カード処理制御部102は、挿入されたICカードに関する処理を、磁気ストライプを用いて実行する。その後、カード処理制御部102は、カード返却依頼をカードユニット20に送信する。
【0101】
また、カード処理制御部102は、自動取引装置10でのアクセスエラーの連続生件数が装置異常判定閾値以上且つ処理中のICカードでのアクセスエラーの連続発生件数がカード異常判定閾値未満の場合に、MS取引に切り替えてもよい。
【0102】
以上に説明したように、本実施例に係る自動取引装置は、自装置でのアクセスエラーの連続生件数が装置異常判定閾値以上の場合、自装置のハードウェア側のエラーであり、ICカードの異常ではないと判定して、磁気ストライプを用いて取引を継続する。これにより、利用者は取引を行える可能性が高くなる。また、取引が継続されることで、緊急の保守対応を抑止することができ、保守体制を緩和することができる。したがって、自動取引装置の利便性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0103】
1 自動取引システム
2 監視装置
10 自動取引装置
11 表示/操作部
12 通帳挿入/排出口
13 カード挿入/排出口
14 硬貨入出金口
15 紙幣入出金口
16 ハンドセット
17 通知部
20 カードユニット
21 カード残留検知部
22 MSリード部
23 カードイメージ読取部
24 退避部
25 ICリーダライタ部
26 搬送機構
27 紙カード印字部
28 カードリジェクト部
100 制御部
101 挿入方向判定部
102 カード処理制御部
103 表示制御部
104 エラー処理部
105 情報管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10