(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118340
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】変角平行光投光装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
G01N21/84 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024705
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】592004404
【氏名又は名称】中央精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】井上 信一
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 美範
(72)【発明者】
【氏名】星 武幸
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051AB02
2G051BA08
2G051BA10
2G051BA20
2G051BB07
2G051BB09
2G051BC01
(57)【要約】
【目的】 本発明は、物体の光学計測に用いる投光技術の変角平行光投光装置に関するものであり、複数の点光源を設けて、複数の角度の投光を同時に行ない、これら角度の異なる光を異なる(波長分布の)フィルタを介して投光し、対応するフィルタを介して計測することで、これら複数の角度の光を分離して計測することが可能となるのみならず、その計測を1度に行えることを目的とする。
【構成】 複数の位置の点光源Pを有する投光部1とコリメータレンズ2からなる投光側光学系Aを備えている平行光を投光する投光装置において,前記複数の点光源P,P,…が各々異なる波長分布であって、特に、前記点光源3つを備え,それぞれのカラーフィルタが色分解フィルタのRed,Green,Blueであること。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの点光源を備える投光部とコリメータレンズからなる投光側光学系を備え,平行光を投光する投光装置において,前記点光源の位置を制御する点光源位置制御手段を備えることを特徴とする変角平行光投光装置。
【請求項2】
複数の位置の点光源を有する投光部とコリメータレンズからなる投光側光学系を備え、平行光を投光する投光装置において,前記複数の位置の点光源のうちから一つの点光源を点灯させる点光源選択点灯手段を備えることを特徴とする変角平行光投光装置。
【請求項3】
複数の位置の点光源を有する投光部とコリメータレンズからなる投光側光学系を備え、平行光を投光する投光装置において,前記複数の点光源が各々異なる波長分布であることを特徴とする変角平行光投光装置。
【請求項4】
請求項3記載の変角平行光投光装置において、前記点光源3つを備え,それぞれのカラーフィルタが色分解フィルタのRed,Green,Blueであることを特徴とする変角平行光投光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の光学計測に用いる投光技術の変角平行光投光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の表面の計測、検査において、照明の条件は重要である。特に、正反射近傍の光沢や、表面の反射の違いによるキズの検出においては、その照明光の角度の選択が重要である。物体表面に対して均一な照明条件を得るために、このような照明では平行光の投光が広く用いられている。平行光を用いると、面に一様に、一定角度の投光が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-300085号公報
【特許文献2】実用新案登録第3115162号公報
【0004】
引用文献1の解決手段には、「ベース1に半円状の摺動ガイド13を固定し、摺動ガイド13上に摺動子33,43を摺動自在に取り付けて、その一方にデジタルカメラ31を固定し、他方に光源部41を固定する。そして、それら摺動子33,43にそれぞれ円弧ラック51,61を固定し、調節ツマミ81の操作により歯車52,62および円弧ラック51,61を介して摺動子33,43を移動させ、光源部41とデジタルカメラ31を互いに反対方向に同じ角度だけ回転させることができるようにする。」ことが記載されている。
【0005】
引用文献1の表面性状測定装置では、入射角および受光角を多様に変更でき、その調整を無段階に簡単に行えるため、測定対象物の種類に応じて最適な角度で測定することができるが、摺動ガイド13及び動子33,43を摺動自在に構成されているため、装置が大がかりとなり、移動性にも無理があるのみならず、高価とならざるを得ないという不都合が生じている。
【0006】
また、引用文献2の解決手段には、「少なくとも一つの所定の第一立体角にして検査すべき表面に放射する少なくとも一つの第一照射装置と、輻射を位置分解して検出することができ、少なくとも一つの所定の第二立体角にして前記表面に対して配置されていて、前記表面に照射され、この表面から戻って来る輻射を捕捉する少なくとも一つの第一検出装置と、を備えた、光表面特性を検査する装置において、前記照射装置および/または前記検出装置を配置している状態の少なくとも一つの立体角が可変できるようになっており、前記照射装置と前記検出装置が少なくとも一部光反射特性を保有する一つの空間の中に配置されている、ことを特徴とする装置。」が記載されている。
【0007】
引用文献2でも、引用文献2でも、照射装置15,19、検出装置13,14,16,17,18の少なくとも一つは半円形状の案内装置51,52を適宜摺動させることで任意の角度を得ることができるが、装置が大がかりとなり、移動性にも無理があるのみならず、高価とならざるを得ないという不都合が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
引用文献1及び2に示すように、投光角度を変えて計測したい場合、投光装置全体を移動させる必要があり、これは装置的に大がかりとなる。特に、重量があり大きな投光装置を微小角度移動させることは装置面、費用面から課題であった。さらに、複数角度の条件での投光・計測を一度に計測する技術は待望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく実験及び考察を繰り返したところ、コリメータ光学系の平行光に対する焦点位置は平行光の角度に規定されるため、投光装置としてのコリメータでは光源位置を制御することで投光される平行光の角度を変えることができることに気がついた。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
【0010】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、一つの点光源を備える投光部とコリメータレンズからなる投光側光学系を備え,平行光を投光する投光装置において,前記点光源の位置を制御する点光源位置制御手段を備えることを特徴とする変角平行光投光装置としたことにより、前記欠点を解消した。
【0011】
請求項2の発明を、複数の位置の点光源を有する投光部とコリメータレンズからなる投光側光学系を備え、平行光を投光する投光装置において,前記複数の位置の点光源のうちから一つの点光源を点灯させる点光源選択点灯手段を備えることを特徴とする変角平行光投光装置としたことにより、前記欠点を解消した。
【0012】
請求項3の発明では、複数の位置の点光源を有する投光部とコリメータレンズからなる投光側光学系を備え、平行光を投光する投光装置において,前記複数の点光源が各々異なる波長分布であることを特徴とする変角平行光投光装置としたことにより、前記欠点を解消した。
【0013】
請求項4の発明では、請求項3記載の変角平行光投光装置において、前記点光源3つを備え,それぞれのカラーフィルタが色分解フィルタのRed,Green,Blueであることを特徴とする変角平行光投光装置としたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、投光装置の異なる点光源の位置として投光する平行光の角度を変化できる。投光装置全体の移動に比べて、点光源は小さく位置制御が容易であり、従って精度の高い投光角度制御が容易に安価に可能となる。
【0015】
また、投光装置が複数の点光源を有することにより、複数の角度の投光を同時に行うことができる。これら角度の異なる光を異なる(波長分布の)フィルタを介して投光し、対応するフィルタを介して計測することで、これら複数の角度の光を分離して計測することが可能となる。これは従来、複数の角度で順次行っていた計測を1度に行うことを可能とする。
【0016】
特に、キズの検出のように、不規則な現象の計測では最適な投光の角度が未知の場合が多い。本発明による複数の投光角度では、左右、上下からというような、方向の違いも組み込めるため、見逃しの少ない検出が一度の計測で可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(A)は本発明の第1実施形態の概要の平面略図、(B)は(A)の投光側光学系箇所の動作状態図である。
【
図2】(A)は本発明の別の第1実施形態の概要の平面略図、(B)は(A)の投光側光学系箇所の動作状態図である。
【
図3】(A)は本発明の第1実施形態の主要構成部材の動作状態の簡略斜視図、(B)は本発明の第1実施形態の別の主要構成部材の動作状態の簡略斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の主要構成部材において、点光源を3つとした動作状態の簡略斜視図である。
【
図5】3つの点光源から投光されコリメータレンズを省略して平行光として落射された簡略斜視図。
【
図6】本発明の第1実施形態の概要であって、受光側にテレセントリック光学系が介在された平面略図である。
【
図7】本発明の第2実施形態の概要であって、受光側にテレセントリック光学系が介在された平面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[本発明の第1実施形態]
第1実施形態では、少なくとも2色のカラーとしてフィルタ13(
図1では省いているが
図6及び
図7に一部参考)が用いられている。
図6及び
図7でのフィルタ13は解りやすさのため1箇所のみであり、他は省いている。
【0019】
図1に示したものは、投光装置の簡易平面図であって、第1実施形態の変角投光装置は、投光側光学系Aと、ハーフミラー3と、測定する試料(サンプル)9と受光測定部4とを備えている。投光側光学系Aは、複数の点光源Pのそれぞれ異なる角度(変角)なる平行光nを生成し、該平行光n,n,‥‥を、前記試料9の表面に落射し、該試料9の表面状態を受光測定部4にて当該落射箇所(光量分布を含む)を測定するように構成されている。
【0020】
前記投光側光学系Aは、
図1では、採光部1として、光源部10と出射側の小孔板11からなる1つの点光源Pとコリメータレンズ2とが備えられている。前記小孔板11にはフィルタ13が必要に応じて設けられている。
【0021】
[第1実施形態及びその動作説明]
本発明の第1実施形態での投光及び落射の動作状態について説明する。
点光源位置制御手段81によって、1つの点光源Pが異なる位置となるように制御され、中心点光源P0の基本光軸x方向に対して立体角Δθとなるように自在に位置変更できるように構成されている(
図1参照)。
【0022】
前記点光源位置制御手段81は、ベース上に図示しないステージ、送りねじ及びパルスモータなどが設けられ、前記ステージ上の点光源Pの位置を送りねじ及びパルスモータによる。前記パルスモータの代わりに、手動によって送りねじを回転させるように構成することもある。
【0023】
前記点光源Pは、前記小孔板11に設けられた1つの小孔と光源部10とで構成されているが、本件の明細書に基づく平面図では前記小孔板11の適所に黒丸のみで描かれている。白丸箇所は変わる仮想位置を表現している〔
図1(B)〕。
【0024】
また、前記コリメータレンズ2と前記点光源Pとの距離は焦点距離fとなるようにして構成されている。前記小孔板11の中心の中心点光源P0の位置から距離dだけ移動したときには、
距離d=ftan(Δθ)となるように構成されている〔
図1(B)参照〕。
【0025】
前記点光源Pは、前記光源部(ハロゲンランプ、キノセンランプ、タングステンランプ、発光ダイオード又は半導体レーザ等)10と前記小孔板11の小孔とからなるように構成されており、具体的な表現としては、
図1では、中心点光源P0と第1点光源P1とから構成されている。
図2(A)及び(B)では、本発明の別の第1実施形態の変角投光装置であって、投光側光学系Aと、ハーフミラー3と、測定する試料とで構成されている。第1点光源P1と中心点光源P0として2つの第2点光源P2と中心点光源P0との構成されている。
図2では、図示しないが点光源Pが3つ以上の場合もある。
【0026】
図2の場合には、点光源選択点灯手段82が設けられている。具体的には、前記複数(3つ以上もある)の位置の点光源Pのうちから複数の2つ又は3つの点光源Pを点灯させるような点光源選択点灯手段82を備える構成とされることもある。このように構成されることで、試料9の目的に応じた異なる波長分布のカラーフィルタ付きの点光源Pを選択できる。
【0027】
図3に示したものは、投光装置の簡易平面図であって、さらに別の第1実施形態の変角投光装置であり、第1点光源P1,第2点光源P2,第3点光源P3との投光の動作状態として構成されている。仮想中心点光源Pzについては、立体角Δθの表示のために必要なため記載しておく。また、
図3では、3色のカラーとしてフィルタ13が用いられている(図示省略)。
【0028】
前記点光源Pの中心点光源P0の基本光軸x方向に直交する方向に表面検査用の試料(サンプル)9が着脱自在となるような支持部91が図示しない前記ベース上に設けられている。このように直交するには、ハーフミラー3が前記試料9と前記コリメータレンズ2との間の前記ベース上に取り付けられている。前記ハーフミラー3は、投光側光学系Aと受光側測定部4との共用部品でもある。
【0029】
前記点光源Pの中心点光源P0の基本光軸x方向に直交する方向であって、前記サンプル9が存在する反対側となる位置には、受光測定部4が前記ベース上に配置されている。ハーフミラー3を介していながら、前記サンプル9に対して法線方向(直角方法)からの受光できる構成とされている。直交方向からの受光ゆえに高精度にての撮像ができる。前記受光測定部4は、カメラレンズ41とカメラ部42とイメージセンサ43とで構成されている。
【0030】
[本発明の別の第1実施形態及びその動作説明]
図2(A),(B)に示すように、点光源Pは、2つ又はそれ以上として構成され、中心点光源P0と第1点光源P1が使用されている。それぞれの点光源Pは、適正な焦点距離fのコリメータレンズ2を介して平行光nとなる。具体的には、中心点光源P0からは中心光線n0,第1点光源P1からは第1光線n1がΔθなる立体角なる変角を有する平行光がそれぞれ照射されて、ハーフミラー3を介して、試料9の表面には、P0落射とP1落射とが位置ずれして現れる。
【0031】
特に、
図2(A)に示すように、前記点光源選択点灯手段82が設けられて、所望の点光源Pが選択されて変角として落射される。その変角とは、中心光線n0(中央の線分)に対して、中心点光源P0から離れた距離dなる位置の第n光線との立体角Δθを指すものである。
【0032】
該P0落射とP1落射とを、反対側の受光側測定部4のカメラ部42にて受光する。この場合の該カメラ部42では、P0落射とP1落射をと2色の異なるカラー画像として受光して、このそれぞれの画像を分析して前記試料9の表面状態を測定したり、表面の傷等の状態を測定できるものである。該試料9の測定では、表面状態の測定には、種々の光線(赤外線等)が測定目的に応じて使われるものである。
【0033】
図3(A)及び(B)に示した例は、点光源Pは、2つとして構成され、中心点光源P0と第1点光源P1又は中心点光源P0と第2点光源P2が使用されている。この場合の第2点光源P2による変角としての立体角Δθは、前記第1点光源P1の場合と同一であって、その構成及び動作については、
図2(A)と同一であるため、説明は省略する。なお、中心点光源P0を入れたのは立体角Δθを表示させるためである。
【0034】
[第1実施形態の変形例及びその動作説明]
図4に示した例は、第1実施形態の変形例であり、点光源Pは、3つとして構成され、中心点光源P0は存在せず、この無い場合をあえて仮想中心点光源Pzとして書いておき、立体角Δθ表現のために記載しておく。この場合の仮想中心点光源Pzを中心として同一距離となる正三角となる位置に、第1点光源P1,第2点光源P2,第3点光源P3として同一角度の立体角Δθとして複数小孔板12を介して照射されている。
【0035】
図4の投光及び落射の動作状態について説明すると、第1点光源P1からは第1光線n1,第2点光源P2からは第2光線n2,第3点光源P3からは第3光線n3がそれぞれΔθなる立体角なる変角を有してコリメータレンズ2を介して平行光がそれぞれ照射される。つまり、第1光線n1(中央の線分)には、第1平行光線n11,第2光線n2(中央の線分)には、第2平行光線n22,第3点光源P3(中央の線分)には、第3平行光線n33がそれぞれ前記試料9に向かって照射され、ハーフミラー3を介して、試料9の表面には、落射P11,落射P22,落射P33とがそれぞれ位置ずれして表示される。
【0036】
このとき、前記仮想中心点光源Pzから照射されたと仮定すると、試料9には、落射Pzzが現れ、この周囲に異なる3つの落射P11,P22,P33が表現される。このとき、前記試料9位置とは反対側の受光側測定部4のカメラ部42の内容によって動作が異なる。
【0037】
まず、カメラ部42にてRGB(Red,Green,Blue)成分を分解して計測できる構成の場合には、前記採光部1にカラーのフィルタ13が備えられなくても、前記RGB成分を分解して前記試料9の表面状態について前記受光測定部4にて正確に計測できる。
【0038】
また、前記カメラ部42にてRGB成分を分解できない構成である場合には、前記採光部1の複数小孔板12箇所に、異なる点光源Pの数に応じたフィルタ13が必要となる。これによって、前記カメラ部42においてフィルタ13に対応した個別の測定を介して正確に、試料9の表面状態の測定ができるものである。さらに、これらはPCを通じて画面にて確認できるように構成されている。
【0039】
実際には、
図5に示すように、複数小孔板12からの3つの点光源P1,P2,P3からの中心光線n1,n2,n3及び平行光を介して落射P11,P22,P33像が重なって表現される。この3つが重なった部位が重要な落射像となる。つまり、Red,Green,Blueの3つの点光源を1度に測定できる。
図3及び
図4では、点光源Pと隣接する点光源Pとの距離を大きくして、中心光線と平行光とが相互に重なりを防止して図解を解り易くしたものである。
【0040】
[第1実施形態の別の変形例]
図6に示した本発明の実施形態1の変角投光装置の変形例としたものである。特に、
図1の構成に近似しているが、前記受光測定部4の手前に、テレセントリック光学系7が設けられた構成あり、具体的には、前記ハーフミラー3と前記受光側測定部4との間に設けられて試料9につき、高精度の測定ができる。この
図6についての複数の点光源P、平行光n、落射についての説明は
図1乃至
図4と同様な内容であり、説明は省略した。
【0041】
[本発明の第2実施形態]
図7に示したものは、本発明の第2実施形態の変角投光装置の簡略平面図である。特に、基本光軸上にハーフミラーを使用しないタイプであり、試料9の表面線に対して直角な線分kに対して、投光側光学系Aの軸線と受光測定部4の軸線とが角度αになるようにして上側に投光側光学系Aが配置され、同等角αの下側には前記テレセントリック光学系7を介して受光側測定部4が設けられている。
【0042】
この場合であっても、複数の点光源Pを有し、該複数の点光源Pを固定している投光装置であっても、試料9の表面について高精度な測定ができる。特に、従来技術のように、投光側光学系Aの軸線と受光測定部4の軸線を相互に移動又は駆動しるようなことも一切無く、簡易且つ正確なる測定ができると共に安価に提供できる最大の利点がある。この
図5でも、動作及び効果については、
図1乃至
図4と同様であり、その説明を省略した。
【0043】
以上のように、基本的な構造としては、
図1に示すように、1つの点光源Pを備える投光部1とコリメータレンズ2からなる投光側光学系Aを備えられている。特に、前記投光部1が前記基本光軸xに直交する方向又はそれに近い方向の任意の方向に移動できる点光源位置制御手段81が設けられている。このようにして、1つの前記点光源P0を適宜移動させて停止させることで、コリメータ光学系の応用であって、その中心光線n0に平行光としての平行光線を得ることができる。なお、前記1つの点光源Pが小孔板11に設けられている。
【0044】
このような変角平行光投光装置が構成され、このときの立体角Δθにて試料9に落射され、この状態を受光側測定部4にて測定できるように構成されている。
この明細書において、点光源Pの大きさ及び形状については、1つの点光源Pの場合、10μmから200μmとして構成されている。実施例では、100μmを使用している。また、複数の点光源Pの場合は、100μmから2000μmであって、実施例では1000μmを使用している。なお、これらはコリメータレンズ2の焦点距離に関係している。
【0045】
前記複数小孔板12の小孔に対応している。これよりも小さくしたり、適宜大きくすることもあり、この値に制限されない。さらに、前記複数小孔板12の小孔の形状としては、真円状を成していることが多いが、楕円状や、長方形状を成す場合もある。さらに、異なる位置間の距離としては、数mmであっても、試料9には落射として確実に異なる表現として表示されるものであり、静止状態において複数の測定ができるという極めて多大なる効果を奏する。
【符号の説明】
【0046】
P…点光源、1…投光部、11…小孔板、12…複数小孔板、2…コリメータレンズ、
A…投光側光学系、81…点光源位置制御手段、82…点光源選択点灯手段、
13…フィルタ、3…ハーフミラー、4…受光測定部、9…試料(サンプル)。