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特開2024-118345推定装置、推定方法及び推定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118345
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法及び推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240823BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024710
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大迫 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】今田(渡邊) 仁美
(72)【発明者】
【氏名】須藤 岳
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】効率的に、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象の発生または達成態様を推定し、利用者に通知する。
【解決手段】本願に係る推定装置は、推定部が、事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定し、通知部が、推定結果に応じて事象の発生を通知することにより、慣習的なカテゴリ名、キーワード、人物名等によりふるい分けられた一般利用者向けの事象配信情報はなく、利用者ごとにカスタマイズされたタイムリーな事象配信情報について、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象の発生または達成態様を利用者に提供することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定する推定部と、
前記推定部による推定結果に応じて事象の発生を通知する通知部と
を有することを特徴とする推定装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記推定結果に応じて、前記事象に係る所定のタイミングで、前記事象の発生を通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、所定の方法で抽出された事象配信情報において、前記事象情報に含まれる所定の単語が、所定の出現態様で出現している場合に、当該所定の出現態様に対応して算出される所定の数値を前記事象情報が示す事象が生じる確度と推定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記事象情報に含まれる所定の単語について、所定の方法で抽出された事象配信情報における当該所定の単語の間の共起関係と距離とを用いて所定の方法で算出された数値に基づき、前記事象情報が示す事象が生じる確度を推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の推定装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記事象情報に含まれる所定の単語について、所定の方法で抽出された事象配信情報における当該所定の単語の間の共起関係と距離とを入力すると前記事象情報に含まれる当該所定の単語に係る事象が生じる確度に対応する数値を出力するモデルを用いて、前記事象情報が示す事象について、当該モデルにより算出された数値に基づき、前記事象情報が示す事象が生じる確度を推定する
ことを特徴とする請求項4に記載の推定装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記推定部による推定結果に応じて、前記事象情報が示す事象が発生したタイミングで、当該事象の発生を所定のプッシュ通知により通知する
ことを特徴とする請求項2に記載の推定装置。
【請求項7】
所定の情報配信リソース及びソーシャルメディアから所定の事象配信情報を取得する取得部
を有することを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項8】
前記取得部は、利用者が所定の方法で選択した所定の事象配信情報を取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の推定装置。
【請求項9】
前記取得部は、所定の方法で、所定の情報配信リソース及びソーシャルメディアから利用者とあらかじめ紐づく事象情報を取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の推定装置。
【請求項10】
所定の情報配信リソース及びソーシャルメディアから事象配信情報を受信する受信部
を有することを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項11】
所定の事象配信情報に係る所定の単語に関する情報と、前記事象情報が示す事象の発生または達成態様を推定するモデルと、所定の事象配信情報とを記憶する記憶部
を有することを特徴とする請求項3に記載の推定装置。
【請求項12】
前記通知部は、前記推定結果に応じて、前記事象情報が示す事象の発生を所定の方法で通知するとともに、当該事象に係る所定のメディア情報を通知する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の推定装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する推定方法であって、
事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定する推定工程と、
前記推定工程による推定結果に応じて事象の発生を通知する通知工程と
を含むことを特徴とする推定方法。
【請求項14】
事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定する推定手順と、
前記推定手順による推定結果に応じて事象の発生を通知する通知手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、推定方法及び推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国内外の政治、経済、紛争、スポーツ、芸能、医療等の事象に係る情報が絶え間なく配信され、情報配信サイト等を視聴する利用者にとって、フォローしたい事象に係るタイムリーな配信情報の視聴を逃してしまうことが多々あると考えらえる。従来、事象をフォローする場合、政治、経済、科学、スポーツ、エンターテインメント等、事象に係る配信情報に対応する慣習的なカテゴリ名、キーワード、人物名等を用いて、所定の事象に係る配信情報を取得、検索等するのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-296338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、情報配信サイト等を視聴する利用者は、慣習的なカテゴリ名、キーワード、人物名等によりふるい分けられた一般利用者向けの事象配信情報だけではなく、所定の事象に係る配信情報であって、利用者ごとにカスタマイズされたタイムリーな情報を取得したい場合がある。しかしながら、従来技術では、慣習的なカテゴリ名、キーワード、人物名等によりふるい分けられた事象配信情報が、利用者に対して大量に配信され、利用者がフォローしたい事象について、事象の検索に時間を費やすという問題があった。
【0005】
本願は、上記に鑑み、事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定し、推定結果に応じて事象の発生を通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る推定装置は、事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定する推定部と、推定結果に応じて事象の発生を通知する通知部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、効率的に、事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定し、推定結果に応じて事象の発生を通知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定する推定処理の一例を示す図である。
図2図2は、事象配信情報から事象を抽出するための事象用語データの一例を示す図である。
図3図3は、事象情報が示す事象が生じる確度を推定する推定処理の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る推定装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る推定装置によって実行される、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定し、推定結果に応じて事象の発生を通知する処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、ハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る推定装置、推定方法及び推定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る推定装置、推定方法及び推定プログラムが限定されるものではない。1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下の説明および図面に記載される。また、1つまたは複数の実施形態の各々は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の1つまたは複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
〔1.推定処理について〕
まず、図1を参照して、実施形態に係る推定処理の一例について説明する。図1は、利用者端末装置10において起動されたスポーツ情報を提供するスポーツナビゲーション・アプリケーション(以下、スポーツナビ、スポーツナビアプリ、またはナビアプリとも表記する)の一例である。例えば、ナビアプリの編集部がピックアップした「編集部ピックアップ」における事象配信情報について、利用者がフォローしたい事象に係る配信情報がある場合、利用者は、各事象配信情報に対応したチェックボックスにチェックマークを付け、事象配信情報を選択する。推定装置100は、利用者が選択した事象配信情報を利用者端末装置10から取得する(ステップS11)。「編集部ピックアップ」における事象配信情報については、例えば、利用者によりピックアップされた所定の事象に係る語彙に基づき設定された事象配信情報であってもよい。また、例えば、利用者により入力されたフリーワードや他の利用者により入力されたフリーワードを用いて、事象配信について機械学習された事象配信情報であってもよい。推定装置100は、所定の事象配信リソース等から取得した事象配信情報と利用者端末装置10から取得した事象配信情報とから、所定の方法で、事象の発生または達成に係る事象情報を抽出する(ステップS12)。推定装置100は、「事象情報」として、事象の発生または達成に係る事象情報を利用者端末装置10に提供する(ステップS13)。「事象情報」について、利用者がフォローしたい事象に係る事象情報がある場合、利用者は、各事象情報に対応したチェックボックスにチェックマークを付け、事象情報をフォローする。推定装置100は、利用者がフォローした事象情報を利用者端末装置10から取得する(ステップS14)。推定装置100は、利用者によりフォローされた事象情報に含まれる事象について、所定の発生または達成態様を推定し、利用者がフォローした事象情報が示す事象が生じる確度を推定し(ステップS15)、事象が生じる確度に応じて、「マイトピックス」として、利用者に事象の発生または達成態様を利用者端末装置10に通知する(ステップS16)。
【0011】
図1に示すように、推定システム1には、利用者端末装置10~10と、推定装置100とが含まれる(nは任意の自然数)。明細書では、利用者端末装置10~10を区別する必要がない場合は、利用者端末装置10~10を「利用者端末装置10」と総称する。図1では図示していないが、推定システム1は、複数台の推定装置100を含んでもよい。
【0012】
利用者端末装置10は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末装置10は、スマートフォン、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット型PCを含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。
【0013】
図1の例では、利用者端末装置10は、情報配信サイト等を視聴する利用者によって利用されるクライアント装置である。図1の例では、利用者端末装置10は、スポーツナビゲーション・アプリケーションがインストールされたスマートフォンである。
【0014】
推定装置100は、事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定し、推定結果に応じて事象の発生を利用者端末装置10に通知する情報処理装置である。推定装置100は、サーバを含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。図1では図示していないが、推定装置100は、ネットワーク網を介して、有線又は無線により利用者端末装置10と通信を行う。また、図1では図示していないが、推定装置100は、事象情報配信を行う情報配信装置等と、ネットワーク網を介して、有線又は無線により通信を行う。情報配信装置等は複数台であってもよい。
【0015】
図1の例では、推定装置100は、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定し、推定結果に応じて事象の発生を利用者端末装置10に通知する。まず、推定装置100は、図1では図示していないが、事象情報配信を行う情報配信装置等から、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等からの事象配信情報を取得する。また、推定装置100は、ナビアプリの編集部がピックアップした「編集部ピックアップ」における複数の事象配信情報について、利用者がフォローしたい事象に係る配信情報がある場合、利用者によりチェックマークされた事象配信情報を利用者端末装置10から取得する(ステップS11)。利用者によりチェックマークされない場合には、推定装置100は、利用者端末装置10から事象配信情報を取得しなくてよい。
【0016】
次に、推定装置100は、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等から取得した事象配信情報について所定のトレンド、速報、新着情報分析等を行い、その結果に基づき、事象配信情報から、所定の発生または達成態様が見込まれる事象を抽出し(ステップS12)、「事象情報」として、所定の発生または達成態様が見込まれる事象に係る情報を利用者端末装置10に提供する(ステップS13)。また、推定装置100は、利用者によりチェックマークされた事象配信情報を利用者端末装置10から取得した場合、その事象が、所定の発生または達成態様が見込まれる事象であるか否かを、上記と同様に分析、抽出等を行い(ステップS12)、所定の発生または達成態様が見込まれる事象である場合、「事象情報」として、所定の発生または達成態様が見込まれる事象に係る情報を利用者端末装置10に提供する(ステップS13)。「事象情報」については、他の利用者により設定されている回数が多い事象に係る情報でもよく、利用者の行動履歴(例えば、閲覧履歴、コメント履歴、クリック履歴、購買履歴等)や利用者の属性情報(例えば、居住・通勤・通学地域、性別、年齢等)から推測される事象に係る情報であってもよい。また、これらを組み合わせて推測される事象に係る情報であってもよい。また、所定の協調フィルタリングを用いてレコメンドされる事象に係る情報であってもよい。
【0017】
利用者が、「事象情報」において、事象情報にチェックマークを付け、フォローした場合、推定装置100は、利用者によりチェックマークされた事象情報を利用者端末装置10から取得し、利用者と事象情報を紐付ける(ステップS14)。事象情報については、推定装置100が提供する他に、利用者自身が、利用者端末装置10において、ナビアプリを介して、所定の方法で入力、設定し、自己フォローしてもよい。
【0018】
推定装置100は、利用者にフォローされ、紐付けられている事象情報について、事象の発生または達成態様について、事象情報が示す事象が生じる確度を推定し(ステップS15)、事象情報が示す事象が生じる確度に基づいて、フォローされた事象情報が示す事象の発生または達成態様に係る情報を、「マイトピックス」として利用者端末装置10に通知する(ステップS16)。
【0019】
図1の例では、利用者端末装置10における「編集部ピックアップ」において、「全豪1回戦NR他」、「全豪1回戦女子シングルス」、「AS山初日から負けなし9連勝」等の事象配信情報が提供される。利用者が、例えば、「編集部ピックアップ」において、「ノーヒッターの競演」、「NH vs SB(SPP ドーム)」にチェックマークを付け、選択すると、推定装置100は、チェックマークされた事象配信情報を利用者端末装置10から取得する(ステップS11)。推定装置100は、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等から取得した事象配信情報と、利用者端末装置10から取得した事象配信情報とについて所定のトレンド、速報、新着情報分析等を行い、その結果に基づき、事象配信情報から、所定の発生または達成態様が見込まれる事象を抽出し(ステップS12)、例えば、「SOがあとN本で記録達成!」、「PONがノーヒットノーランしそうです!」、「桜が開花しそうです!」、「SPランド入場者数1000万人!」等を利用者端末装置10に提供する(ステップS13)。利用者が、例えば、「事象情報」において、「PONがノーヒットノーランしそうです!」にチェックマークを付け、フォローすると、推定装置100は、チェックマークされた事象情報を利用者端末装置10から取得する(ステップS14)。推定装置100は、利用者がフォローすることにより利用者に紐づけた事象情報と、利用者端末装置10から取得した事象配信情報と、所定の情報配信リソース等から取得した事象配信情報とを用いて、所定の推定方法で、利用者によりフォローされた事象情報が示す事象について、所定の発生または達成態様が見込まれるか否かを推定する(ステップS15)。所定の発生または達成態様が見込まれる場合、所定の発生または達成態様が見込まれる確度に基づいて、推定装置100は、例えば、「SB 0―1 NH PONが6回裏、7回裏、ノーヒット投球」という事象の発生を利用者端末装置10に通知する(ステップS16)。
【0020】
ここで、利用者がフォローすることにより利用者に紐付けられた事象情報に基づく、所定の発生または達成態様が見込まれる事象の推定方法について説明する。例えば、利用者にフォローされ、紐付けられた事象情報は、1個とする。まず、推定装置100は、所定の形態素解析ツール(例えば、MECAB、JUMAN、JANOME等)を用いて、事象情報について、例えば、利用者がフォローした事象情報に含まれる名詞を抽出する。名詞には、選手名、監督名等の人名やチーム名等が含まれ得る。
【0021】
次に、推定装置100は、利用者がフォローした事象情報に係る名詞が、所定の事象カテゴリのうちの、どの種目事象に係る用語に該当するかを、図2の例で示すような事象用語データ記憶部121に記憶された事象用語を参照して判別する。例えば、推定装置100が、利用者がフォローした事象情報に係る名詞が、スポーツカテゴリにおける野球事象に係ると判別した場合、推定装置100は、利用者に選択された事象配信情報と、利用者が事象情報をフォローした時を基準として所定期間内に作成または公開された、所定の情報配信リソース等から取得した事象配信情報とから、野球事象に係る用語が含まれている事象配信情報を、所定の形態素解析ツールを用いて抽出する。例えば、推定装置100は、利用者に選択された事象配信情報と、利用者が事象情報をフォローした時を基準として所定期間内に作成または公開された、所定の情報配信リソース等から取得した事象配信情報とから、所定の形態素解析ツールを用いて名詞を抽出し、抽出した名詞について、野球事象に係る用語が所定回数以上、出現するか否か、または所定の解析方法により、野球事象に係る事象配信情報であるか否かを推定し、野球事象に係る事象配信情報を抽出する。所定の情報配信リソース等において、事象配信情報が事象ごとに分別されている場合は、推定装置100は、事象配信情報の抽出処理をしなくてもよい。
【0022】
次に、推定装置100は、抽出した事象配信情報において、事象配信情報に含まれている事象情報に係る名詞の出現態様を取得する。事象情報に係る名詞に、選手名、監督名等の人名やチーム名等が含まれる場合、推定装置100は、人名やチーム名の出現態様を取得する。推定装置100は、出現態様に基づき、単語(名詞)間の所定の共起関係と位置関係を取得する。
【0023】
次に、推定装置100は、抽出した事象配信情報において、例えば、事象情報に含まれている名詞の共起頻度と共起する単語(名詞)間の距離とを用いて、所定の方法で算出した数値が、所定の閾値以上かつ最大値となる出現態様で、事象情報に含まれている単語が出現している事象配信情報を特定する。推定装置100は、特定された事象配信情報の所定の見出し、または事象配信情報の所定の冒頭部分等を、所定の発生もしくは達成態様が見込まれる、または発生もしくは達成された事象に係る情報として、図1の例における「マイトピックス」として利用者端末装置10に通知する。事象配信情報の所定の見出しまたは事象配信情報の所定の冒頭部分は、事象配信情報の内容に即しており、事象に係る情報が明確に記載されていると考えられるからである。
【0024】
推定装置100は、特定された事象配信情報から、上記の方法とは異なる所定の方法で、所定の発生もしくは達成態様が見込まれる、または発生もしくは達成された事象に係る情報を抽出してもよい。例えば、推定装置100は、特定された事象配信情報について、事象情報に含まれている単語の共起関係の出現位置等に基づき、所定の方法で、所定の発生もしくは達成態様が見込まれる、または発生もしくは達成された事象に係る情報を抽出してもよい。
【0025】
〔2.事象用語について〕
推定装置100は、最新のトレンド事象に係る情報の検索、収集等に対応できるようにするため、所定の事象カテゴリと、カテゴリ毎の種目事象について、予め、自身が所有する事象用語データ記憶部121に記憶しておく。また、推定装置100は、自身が所有する以外の所定の事象用語データベースを利用してもよい。推定装置100は、図2に示すような事象用語データ記憶部121に記憶されている事象用語を、所定の形態素解析ツールが備えている辞書に、所定の方法で追加して使用してもよい。事象用語データ記憶部121に記憶された事象用語データについては、事象別に公開されている汎用データベースを組み合わせたものでもよい。事象用語データ記憶部121において、例えば、事象カテゴリがスポーツ事象の場合、種目事象として、野球事象、サッカー事象、バスケットボール事象等が含まれる。例えば、野球事象の場合、インフィールドフライ、スコアリングポジション、タイムリーヒット等の事象用語が含まれる。また、例えば、サッカー事象の場合、アウェー、アウトスイング、アシスト等の事象用語が含まれる。また、例えば、バスケット事象の場合、アウェイ、アドバンテージ、ウィング等の事象用語が含まれる。
【0026】
例えば、野球事象の場合、「ノーヒットノーラン」は、「ノーノー」と表現されることもあることから、事象用語データ記憶部121において、事象用語について、{ノーヒットノーラン、ノーノー}とし、どちらの表現でも、推定装置100が事象を抽出できるようにする。
【0027】
事象用語データ記憶部121には、上述したスポーツ事象だけでなく、例えば、国内外の政治、経済、紛争、芸能、医療等に係る事象用語について、予め記憶させておく。事象用語データ記憶部121に、予め記憶されていない事象用語については、所定のトレンド分析等の方法で分析されたトレンド傾向に合わせて、適宜、追加していくようにしてもよい。
【0028】
推定装置100は、事象用語データ記憶部121を参照して、事象情報から事象用語を抽出する。一般に、所定の形態素解析ツールでは、所定の頻度で、ソーシャルメディアのトレンド分析等で出現した語彙を辞書に追加しているが、トレンド分析等に出現しない場合であっても、所定の事象に特化された俗称、略語等について、所定の情報配信リソース等から抽出できるように、推定装置100は、事象用語データ記憶部121を備えて補完する。
【0029】
〔3.種目事象の推定について〕
推定装置100は、所定の形態素解析ツールにより抽出された名詞について、事象用語データ記憶部121に記憶されている事象用語のうち、どの事象用語に該当するか判別し、どの種目事象に属するか判定する。利用者がフォローした事象情報が、例えば、「PONがノーヒットノーランしそうです!」とする。事象情報において抽出される単語(名詞)は、「PON」、「ノーヒットノーラン」で、PONは選手名である。推定装置100は、事象用語データ記憶部121に記憶されている事象用語を参照し、これらの名詞が所属する種目事象について、野球事象であると判定する。
【0030】
〔4.事象情報について〕
推定装置100は、所定の情報配信リソース等から取得した事象配信情報から、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象を、所定のトレンド、速報、新着情報分析等の方法で抽出し、「事象情報」において、所定の発生または達成態様が見込まれる事象に係る情報として利用者端末装置10に提供する。事象情報について、利用者自身が、利用者端末装置10から、ナビアプリにおいて、所定の方法で、入力、設定し、自己フォローしたものであってもよい。所定の発生または達成態様が見込まれる事象に係る事象情報とは、例えば、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等で所定の回数以上、所定の発生または達成態様が見込まれる事象として、発信等されている事象情報である。所定の発生態様が見込まれる事象に係る情報とは、例えば、「桜前線が東京まで来た」、「稲穂が実り始めた」、「台風THが発生」等であり、所定の達成態様が見込まれる事象に係る情報とは、例えば、「SOがN本安打」、「AS山初日から負けなし9連勝」、「NK平均が年初来高値」、「TDL入場者数が1000万人」等である。また、推定装置100は、ソーシャルメディア等から提供される所定のトレンド分析等を利用して、所定の発生または達成態様が見込まれる事象に係る情報を抽出し、事象情報として利用者端末装置10に提供してもよい。
【0031】
〔5.事象が生じる確度の推定について〕
図3を参照して、事象が生じる確度の推定について、説明する。利用者がフォローした事象情報が、例えば、「PONがノーヒットノーランしそうです!」とする。まず。推定装置100は、「PONがノーヒットノーランしそうです!」から、所定の形態素解析ツールを用いて、事象情報に係る所定の単語(名詞)として、単語1「PON」、単語2「ノーヒットノーラン」を抽出する(ステップS31)。ここでは、所定の単語を2個、抽出しているが、推定装置100は、事象情報によって、それ以上の個数の所定の単語を抽出してもよい。
【0032】
次に、推定装置100は、利用者が事象情報をフォローした時を基準として、所定期間内に作成されたナビアプリに掲載若しくは未掲載の事象配信情報、または所定の情報配信リソース等から取得された事象配信情報について、所定の形態素解析ツールを用いて、「PONがノーヒットノーランしそうです!」が示す事象に係る単語1「PON」、単語2「ノーヒットノーラン」が含まれている事象配信情報を抽出する(ステップS32)。推定装置100は、抽出した事象配信情報において、「PON」、「ノーヒットノーラン」の単語の組について、「PON」、「ノーヒットノーラン」の共起頻度と、「PON」、「ノーヒットノーラン」間の距離とを用いて、所定の方法で算出した数値を、所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度に対応する数値として、「PONがノーヒットノーランしそうです!」が示す事象が生じる確度を推定する。
【0033】
推定装置100は、抽出した事象配信情報から、所定の方法で算出した数値が所定の閾値以上かつ最大値である事象配信情報を、さらに抽出する(ステップS33)。指定装置100は、例えば、抽出された事象配信情報の「PON」、「ノーヒットノーラン」が含まれる見出し部分、または「PON」、「ノーヒットノーラン」が含まれる所定の冒頭部分等を、「PON」に係る「ノーヒットノーラン」の達成が見込まれる、または達成された事象に係る情報として推定する。単語の共起頻度と単語間距離とを用いて、所定の方法で算出した数値が所定の閾値以上かつ最大値である事象配信情報が複数ある場合、推定装置100は、例えば、最新の事象配信情報の「PON」、「ノーヒットノーラン」が含まれる見出し部分、または「PON」、「ノーヒットノーラン」が含まれる所定の冒頭部分等を「PON」に係る「ノーヒットノーラン」の達成が見込まれる、または達成された事象に係る情報として推定する。最新の事象配信情報の見出しに、「PON」、「ノーヒットノーラン」の文字が含まれている場合には、推定装置100は、その事象配信情報の見出し部分を、「PON」に係る「ノーヒットノーラン」の達成が見込まれる、または達成された事象に係る情報として推定する。
【0034】
推定装置100は、国内外の政治、経済、紛争、芸能、医療等に係る事象に係る配信情報から、事象情報が示す事象が生じる確度を推定するモデルを用いてもよい。例えば、モデルとは、事象情報に含まれる所定の単語(名詞)について、事象配信情報において、それらの単語の共起頻度と単語間距離とを用いて所定の計算式で算出した数値が、それらの単語に係る事象であって、所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度に対応する数値であるとして、事象情報が示す事象が生じる確度を推定するモデルである。ここで、利用者端末装置10に提供される「事象情報」において、所定の発生または達成態様が見込まれる事象に係る情報は、短文であり、抽出される所定の単語(名詞)の数も限られ、単語間距離も小さいと想定される。したがって、推定装置100は、例えば、共起する単語の共起頻度が高く、単語間距離が小さい場合、所定の計算式で算出される数値が大きくなるような特徴を有するモデルを用いる。このモデルにおいて、推定装置100は、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度について、所定の計算式で算出される数値が所定の閾値以上であれば大きいと推定する。また、推定装置100は、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度について、所定の計算式で算出される数値が所定の閾値未満であれば小さいと推定する。
【0035】
「事象情報」において、複数の事象情報が含まれている場合、推定装置100は、各事象情報について、上述した手順で、事象の発生もしくは達成態様が見込まれる、または発生もしくは達成された事象に係る情報を推定する。また、複数の事象情報が含まれている場合、推定装置100は、複数の事象情報を組み合わせて、所定の発生もしくは事象の達成態様が見込まれる、または発生もしくは達成された事象に係る情報を推定してもよい。
【0036】
〔6.事象の発生の通知について〕
推定装置100は、利用者にフォローされ、紐付けられている事象情報について、所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度に基づいて推定された、事象情報が示す事象の発生または達成態様に係る情報を、利用者端末装置10に通知する。
【0037】
推定装置100は、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度に基づいて、事象に係る所定のタイミングで、事象情報が示す事象の発生または達成態様に係る情報を、利用者端末装置10に通知する。例えば、推定装置100は、事象情報についての事象の達成が見込まれる、または達成された情報を、事象の達成が見込まれる、または達成されたタイミングで、利用者端末装置10に通知する。また、推定装置100は、利用者端末装置10がナビアプリを起動しているか否かにかかわらず、所定のプッシュ通知により、事象情報についての事象の達成が見込まれる、または達成された情報を、事象の達成が見込まれる、または達成されたタイミングで、利用者端末装置10に通知してもよい。
【0038】
推定装置100は、所定の達成が見込まれる、または達成されたと推定された事象に係る情報とともに、その事象に係る情報の引用元である事象配信情報のテキスト情報または映像情報等を、利用者端末装置10に通知してもよい。また、推定装置100は、所定の発生もしくは達成態様が見込まれる、または発生もしくは達成されたと推定された事象に係る情報とともに、その事象に係るイベント情報、メディア配信情報等の付加情報を、利用者端末装置10に通知してもよい。
【0039】
「事象情報」において、複数の事象情報が含まれている場合、推定装置100は、各事象情報について、事象の発生もしくは達成態様が見込まれる、または発生もしくは達成されたと推定された情報を、利用者端末装置10に通知する。また、複数の事象情報が含まれている場合、推定装置100は、複数の事象情報を組み合わせて、所定の発生もしくは事象の達成態様が見込まれる、または発生もしくは達成されたと推定された情報を、利用者端末装置10に通知してもよい。
【0040】
推定装置100は、利用者が、予め忌避事象用語を所定の方法で設定している場合、その忌避事象用語が含まれている事象配信情報を取得対象としなくてよい。具体的には、推定装置100は、その事象配信情報において、事象情報に含まれている名詞の出現態様を取得しなくてよい。忌避事象とは、例えば、利用者が個人的に忌避している情報や利用者が個人的に忌避している反社会的事象等である。
【0041】
〔7.推定装置の構成〕
次に、図4を参照して、実施形態に係る推定装置100の構成例について説明する。図4は、実施形態に係る推定装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、推定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、推定装置100は、推定装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0042】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワーク網と有線又は無線により接続され、ネットワーク網を介して、利用者端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0043】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、事象用語データ記憶部121と、事象推定モデル記憶部122と、事象配信情報記憶部123とを有する。
【0044】
(事象用語データ記憶部121)
事象用語データ記憶部121は、事象用語を記憶する。図2は、実施形態に係る事象用語データ記憶部121が記憶しているデータの一例を示す図である。
【0045】
事象用語データ記憶部121において、例えば、事象カテゴリがスポーツ事象の場合、種目事象として、野球事象、サッカー事象、バスケットボール事象等が含まれる。例えば、事象用語データ記憶部121において、野球事象の場合、インフィールドフライ、スコアリングポジション、タイムリーヒット等の事象用語が含まれる。また、例えば、サッカー事象の場合、アウェー、アウトスイング、アシスト、ドーハの悲劇等の事象用語が含まれる。また、例えば、事象用語データ記憶部121において、バスケット事象の場合、アウェイ、アドバンテージ、ウィング等の事象用語が含まれる。
【0046】
事象用語データ記憶部121には、上述したスポーツ事象だけでなく、例えば、国内外の政治、経済、紛争、芸能、医療等に係る事象用語について、予め記憶させておく。事象用語データ記憶部121に、予め記憶されていない事象用語については、トレンド傾向等に合わせて、適宜、追加していくようにしてもよい。また、推定装置100は、事象用語データ記憶部121とともに、または事象用語データ記憶部121の代わりに、事象別に編集されている所定の特徴語データベース等を用いてもよい。
【0047】
(事象推定モデル記憶部122)
事象推定モデル記憶部122は、政治、経済、紛争、芸能、医療等に係る事象に係る配信情報から、事象情報が示す事象が生じる確度を推定するモデルを記憶する。例えば、事象推定モデル記憶部122は、事象情報に含まれる単語(名詞)であって、共起する単語の共起頻度と単語間距離とを用いて、所定の計算式で算出した数値に基づき、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度を推定するモデルを記憶する。具体的には、事象推定モデル記憶部122は、共起する単語の共起頻度と単語間距離とを用いて、所定の方法で算出した数値に基づき、事象情報が示す事象であって、所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度を推定するための計算式、計算式に用いるパラメータ等を記憶する。
【0048】
(事象配信情報記憶部123)
事象配信情報記憶部123は、情報配信装置等からの事象配信情報と、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等からの所定のトレンド分析等に係る情報とを記憶する。また、利用者端末装置10から利用者がフォローした事象情報を記憶する。
【0049】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、推定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(推定プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0050】
制御部130は、図4に示すように、取得部131と、受信部132と、推定部133と、通知部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0051】
(取得部131)
取得部131は、以下で説明される受信部132によって受信された所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等の事象配信情報を取得する。また、取得部131は、「編集部ピックアップ」における事象配信情報について、受信部132によって受信された、利用者が選択した事象配信情報を取得する。さらに、取得部131は、「事象情報」における事象情報について、受信部132によって受信された、利用者がフォローした事象情報を取得する。取得部131は、所定の情報配信リソース等から取得した事象配信情報と、利用者が選択した事象配信情報と、利用者がフォローした事象情報とを、事象配信情報記憶部123に格納してもよい。
【0052】
また、取得部131は、事象推定モデル記憶部121から、所定の事象カテゴリと、カテゴリ毎の種目事象に係る事象用語を取得する。取得部131は、推定装置100が所有する以外の所定の外部事象用語データベースや所定の特徴語データベース等から、事象用語を取得してもよい。取得部131は、所定の外部事象用語データベースや所定の特徴語データベース等から取得した事象用語や特徴語を事象用語データ記憶部121に格納してもよい。
【0053】
さらに、取得部131は、受信部132によって受信された、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等から所定のトレンド、速報、新着情報分析等に係る情報を取得してもよい。取得部131は、取得した所定のトレンド、速報、新着情報分析等に係る情報を事象配信情報記憶部123に格納してもよい。
【0054】
取得部131は、事象推定モデル記憶部122から、事象推定モデルを取得する。例えば、取得部131は、所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度を算出するモデル計算式、モデル計算式に用いるパラメータ等を取得する。また、取得部131は、所定の記憶装置から、事象推定モデルに係るモデルデータを取得してもよい。例えば、取得部131は、事象推定モデルに係るモデル計算式、パラメータ等のモデルデータを取得する。さらに、取得部131は、取得した事象推定モデルに係るモデルデータを事象推定モデル記憶部122に格納してもよい。例えば、取得部131は、事象推定モデルに係るモデル計算式、パラメータ等のモデルデータを事象推定モデル記憶部122に格納する。
【0055】
(受信部132)
受信部132は、事象情報配信を行う情報配信装置等から事象配信情報を受信する。例えば、受信部132は、事象情報配信を行う情報配信装置等から、国内外の政治、経済、紛争、スポーツ、芸能、医療等の事象に係る配信情報を受信する。また、受信部132は、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等の事象配信情報を受信する。例えば、受信部132は、情報配信リソース、ソーシャルメディア等から提供される所定のトレンド分析等に係る情報を受信する。受信部132は、受信された、情報配信装置等からの事象配信情報、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等からの所定のトレンド分析等に係る情報を事象配信情報記憶部123に格納してもよい。
【0056】
受信部132は、利用者が選択した事象配信情報を利用者端末装置10から受信する。受信部132は、利用者が、「編集部ピックアップ」における事象配信情報にチェックマークを付け、選択した場合に、利用者が選択した事象配信情報を、利用者端末装置10から受信する。また、例えば、受信部132は、利用者が、「事象情報」における事象情報にチェックマークを付け、フォローした場合に、利用者がフォローした事象情報を利用者端末装置10から受信する。受信部132は、受信した、利用者端末装置10からの情報を事象配信情報記憶部123に格納してもよい。
【0057】
受信部132は、所定の記憶装置から、事象推定モデルに係るモデルデータを受信してもよい。例えば、受信部132は、所定の記憶装置から、事象推定モデルに係るモデル計算式、パラメータ等を受信する。受信部132は、受信された所定の記憶装置からの事象推定モデルに係るモデルデータを事象推定モデル記憶部122に格納してもよい。
【0058】
(推定部133)
推定部133は、事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定する。例えば、事象情報に含まれる単語(名詞)について、共起する単語の共起頻度と単語間距離とを用いて、所定の計算式で算出した数値が、所定の閾値以上かつ最大値となる出現態様で、所定の情報配信リソースから抽出した事象配信情報において出現している場合、推定部133は、算出した数値について、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度に対応する数値として、事象情報が示す事象が生じる確度を推定する。利用者端末装置10に提供される「事象情報」において、所定の発生または達成態様が見込まれる事象に係る情報は、短文であることが想定され、抽出される名詞の数も数個であり、名詞間距離も小さいと考えられる。推定部133は、共起する単語の共起頻度が高く、単語間距離が小さい場合、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる確度は大きいと推定する。具体的には、推定部133は、所定の計算式で算出される数値が所定の閾値以上であれば、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる確度は大きいと推定する。また、推定部133は、共起する単語の共起頻度が低く、単語間距離が大きい場合、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる確度は小さいと推定する。具体的には、推定部133は、所定の計算式で算出される数値が所定の閾値未満であれば、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる確度は小さいと推定する。
【0059】
推定部133は、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じるか否かを推定するモデルを用いて、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定してもよい。具体的には、推定装置133は、事象情報に含まれる単語(名詞)について、事象配信情報における、単語の共起頻度と単語間距離とをパラメータに含む所定のモデル計算式を用いて算出した数値を、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度に対応する数値として、事象情報が示す事象が生じる確度を推定する。
【0060】
(通知部134)
通知部134は、推定部133により推定された、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度に応じて事象の発生を、利用者端末装置10に通知する。
【0061】
「事象情報」において、複数の事象情報が含まれている場合、例えば、通知部134は、推定部133により推定された、各事象情報についての事象の達成が見込まれる、または達成された最新情報を、利用者端末装置10に通知する。また、複数の事象情報が含まれている場合、例えば、通知部134は、推定部133により推定された、複数の事象情報を組み合わせて、事象の達成が見込まれる、または達成された最新情報を、利用者端末装置10に通知する。
【0062】
単語の共起頻度と単語間距離とを用いて、所定の方法で算出した数値が所定の閾値以上かつ最大値である事象配信情報が複数あると推定部133により指定された場合、例えば、通知部134は、最新の事象配信情報の見出し部分、または所定の冒頭部分等を利用者端末装置10に通知する。
【0063】
通知部134は、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定部133が推定した推定結果に応じて、事象に係る所定のタイミングで、事象の発生を通知する。例えば、通知部134は、事象情報についての事象の達成が見込まれる、または達成された情報を、事象の達成が見込まれる、または達成されたタイミングで、利用者端末装置10に通知する。また、通知部134は、利用者端末装置10がナビアプリを起動しているか否かにかかわらず、所定のプッシュ通知により、事象情報についての事象の達成が見込まれる、または達成された情報を、事象の達成が見込まれる、または達成されたタイミングで、利用者端末装置10に通知してもよい。
【0064】
〔8.推定処理のフロー〕
次に、実施形態に係る推定装置100による推定処理の手順について説明する。
【0065】
図5は、実施形態に係る推定装置100によって実行される、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定するための処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
図5に示すように、一実施形態では、はじめに、推定装置100は、所定の情報配信リソース、ソーシャルメディア等の事象配信情報を、情報配信装置等から取得する。また、推定装置100は、利用者が選択した事象配信情報を、利用者端末装置10から取得する(ステップS101)。
【0067】
次いで、推定装置100は、所定の事象配信リソース等から取得した事象配信情報と利用者端末装置10から取得した事象配信情報とから、所定の事象について、所定の方法で、事象の発生または達成に係る事象情報を抽出する(ステップS102)。例えば、推定装置100は、所定の情報配信リソース等から取得した事象配信情報から、所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象を、所定のトレンド、速報、新着情報分析等の方法で抽出する。
【0068】
次いで、推定装置100は、事象の発生または達成に係る事象情報を、利用者端末装置10に提供する(ステップS103)。例えば、推定装置100は、抽出された所定の事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象に係る事象情報を利用者端末装置10に提供する。
【0069】
次いで、推定装置100は、利用者がフォローした事象情報を、利用者端末装置10から取得する(ステップS104)。例えば、推定装置100は、利用者が事象情報をフォローした場合、利用者がフォローした事象情報を利用者端末装置10から取得する。利用者が、複数の事象情報をフォローした場合、利用者がフォローした複数の事象情報を利用者端末装置10から取得してもよい。
【0070】
次いで、推定装置100は、利用者によりフォローされた事象情報に含まれる事象について、所定の発生または達成態様を推定し、利用者がフォローした事象情報が示す事象が生じる確度を推定する(ステップS105)。例えば、推定装置100は、事象情報に含まれる単語(名詞)について、共起する単語の共起頻度と単語間距離とを用いて、所定の方法で算出した数値が、所定の閾値以上かつ最大値となる出現態様で、事象情報に含まれる単語が事象配信情報において出現している場合、算出した数値について、事象情報が示す事象について所定の発生または達成態様が見込まれる事象が生じる確度に対応する数値として、事象情報が示す事象が生じる確度を推定する。
【0071】
次いで、推定装置100は、事象が生じる確度に応じて、事象の発生または達成態様を、利用者に通知する(ステップS106)。例えば、事象情報が複数の場合、推定装置100は、各事象情報について、事象が生じる確度に応じて事象の発生または達成態様を利用者端末装置10に通知する。また、例えば、事象情報が複数の場合、推定装置100は、複数の事象情報を組み合わせて、事象が生じる確度に応じて事象の発生または達成態様を利用者端末装置10に通知する。推定装置100は、利用者端末装置10がナビアプリを起動しているか否かにかかわらず、所定のプッシュ通知により、事象情報が示す事象が生じる確度に応じて事象の発生または達成態様を利用者端末装置10に通知してもよい。また、推定装置100は、事象の発生または達成態様の通知とともに、その事象に係るイベント情報、メディア配信情報等の付加情報を、利用者に通知してもよい。
【0072】
〔9.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0073】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0074】
例えば、図4に示した記憶部120の一部又は全部は、推定装置100によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、推定装置100は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0075】
上記実施形態において説明した各処理について、スポーツを対象として説明したが、スポーツに限定されることはなく、政治、経済、科学、医療、エンターテインメント等を対象としてもよい。
【0076】
〔10.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る推定装置100は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0077】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0078】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0079】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0080】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0081】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0082】
例えば、コンピュータ1000が推定装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。
【0083】
〔10.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る推定装置100は、推定部133と、通知部134とを有する。
【0084】
実施形態に係る推定装置100において、推定部133は、事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定する。また、通知部134は、推定部133による推定結果に応じて事象の発生を通知する。
【0085】
実施形態に係る推定装置100において、通知部134は、推定部133による推定結果に応じて、事象に係る所定のタイミングで、事象の発生を通知する。
【0086】
実施形態に係る推定装置100において、推定部133は、所定の方法で抽出された事象配信情報において、事象情報に含まれる所定の単語が、所定の出現態様で出現している場合に、所定の出現態様に対応して算出される所定の数値を事象情報が示す事象が生じる確度と推定する。
【0087】
実施形態に係る推定装置100において、推定部133は、事象情報に含まれる所定の単語について、所定の方法で抽出された事象配信情報における所定の単語の間の共起関係と距離とを用いて所定の方法で数値を算出し、算出された数値に基づき、事象情報が示す事象が生じる確度を推定する。
【0088】
実施形態に係る推定装置100において、推定部133は、事象情報に含まれる所定の単語について、所定の方法で抽出された事象配信情報における所定の単語の間の共起関係と距離とを入力すると事象情報に含まれる所定の単語に係る事象が生じる確度に対応する数値を出力するモデルを用いて、事象情報が示す事象について、モデルにより算出された数値に基づき、事象情報が示す事象が生じる確度を推定する。
【0089】
実施形態に係る推定装置100において、通知部134は、推定部133による推定結果に応じて、事象情報が示す事象が発生したタイミングで、事象の発生を所定のプッシュ通知により通知する。
【0090】
実施形態に係る推定装置100において、取得部131は、所定の情報配信リソース及びソーシャルメディアから所定の事象配信情報を取得する。
【0091】
実施形態に係る推定装置100において、取得部131は、利用者が所定の方法で選択した所定の事象配信情報を取得する。
【0092】
実施形態に係る推定装置100において、取得部131は、所定の方法で、所定の情報配信リソース及びソーシャルメディアから利用者とあらかじめ紐づく事象情報を取得する。
【0093】
実施形態に係る推定装置100において、受信部132は、所定の情報配信リソース及びソーシャルメディアから事象配信情報を受信する。
【0094】
実施形態に係る推定装置100において、記憶部120は、所定の事象配信情報に係る所定の単語に関する情報と、事象情報が示す事象を推定するモデルと、所定の事象配信情報とを記憶する。
【0095】
実施形態に係る推定装置100において、通知部134は、推定部133の推定結果に応じて、事象情報が示す事象の発生を所定の方法で通知するとともに、事象に係る所定のメディア情報を通知する。
【0096】
上述した各処理により、推定装置100は、効率的に、事象を示す事象情報であって、利用者とあらかじめ紐づく事象情報が示す事象が生じる確度を推定し、推定結果に応じて事象の発生を通知することができる。
【0097】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0098】
また、上述した推定装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0099】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0100】
1 推定システム
10 利用者端末装置
100 推定装置
110 通信部
120 記憶部
121 事象用語データ記憶部
122 事象推定モデル記憶部
123 事象配信情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受信部
133 推定部
134 通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6