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特開2024-118349情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118349
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240823BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024714
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹谷 奈翁美
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】ペットのトレーニングを適切に支援すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、推定部と、発生部とを備える。前記推定部は、カメラおよびマイクを含むセンサの信号からペットおよび飼い主の行動を推定する。前記発生部は、推定されたペットの行動が良い行動または悪い行動として規定された対象に合致した場合に、対応する音を発生する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラおよびマイクを含むセンサの信号からペットおよび飼い主の行動を推定する推定部と、
推定されたペットの行動が良い行動または悪い行動として規定された対象に合致した場合に、対応する音を発生する発生部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記音の発生の後の、推定された飼い主の行動が規定された対象に合致した場合に、対応するメッセージを表示する表示部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
カメラおよびマイクを含むセンサの信号からペットおよび飼い主の行動を推定する推定工程と、
推定されたペットの行動が良い行動または悪い行動として規定された対象に合致した場合に、対応する音を発生する発生工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
カメラおよびマイクを含むセンサの信号からペットおよび飼い主の行動を推定する推定手順と、
推定されたペットの行動が良い行動または悪い行動として規定された対象に合致した場合に、対応する音を発生する発生手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
犬等のペットを飼っている者は多く、ペットとの生活を適切に行っていくために必要な躾等のトレーニングに励む場合も多い。犬等のペットは飼い主の声に反応するため、声によるトレーニングが多く行われるが、人間の声は都度にトーンや声の出方によって均一ではなく、ペットにとって認識しづらく、トレーニングの効果が上がらない場合が多い。
【0003】
その点、クリッカと呼ばれる器具は、イルカのトレーニングに用いられていたものであるが、ボタン操作により均一なクリック音が鳴り、例えば、そのクリック音を褒める際に鳴らすことで、良い行動をしたことを認識させ、トレーニングの効果を高めることができる。
【0004】
一方、上述のクリッカと同様な効果を狙った電子ホイッスルが提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-252132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のクリッカや電子ホイッスルはペットが所定の行動を行ったタイミングで鳴らすことが重要であるが、一般の飼い主がそのタイミングを正確に知ることは難しく、適切なトレーニングが行えない場合が多い。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ペットのトレーニングを適切に支援することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る情報処理装置は、推定部と、発生部とを備える。前記推定部は、カメラおよびマイクを含むセンサの信号からペットおよび飼い主の行動を推定する。前記発生部は、推定されたペットの行動が良い行動または悪い行動として規定された対象に合致した場合に、対応する音を発生する。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の態様の1つによれば、ペットのトレーニングを適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、ペット行動判定対象記憶部に保持されるペット行動判定対象の例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャート(1)である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャート(2)である。
図6図6は、飼い主事後行動判定対象記憶部に保持される飼い主事後行動判定対象の例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャート(3)である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下に説明する実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
[1.情報処理の概要]
以下、図面を参照しつつ、実施形態に係る情報処理装置により実現される情報処理の一例を説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、ペット監視装置(情報処理装置)100と、情報端末装置(情報処理装置)200とを有する。なお、ペット監視装置100と情報端末装置200との両者でなく、いずれかのみでもよい。また、情報処理システム1は、図1に示す例に限られず、複数のペット監視装置100および複数の情報端末装置200を有していてもよい。
【0014】
ペット監視装置100および情報端末装置200は、それぞれ有線または無線によりネットワークに接続されていてもよいし、ネットワーク接続のないスタンドアロンタイプであってもよい。ネットワークは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網、固定電話網等)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークは、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。ペット監視装置100および情報端末装置200は、ネットワーク接続される場合、ネットワークを通して相互に通信できる。
【0015】
ペット監視装置100は、自宅等に配置され、ペットPのいる環境の情報(画像、音声、温度、湿度等)を取得し、ペットPおよびサービス利用者Uの状態を監視する情報処理装置である。ペット監視装置100は、専用のコンピュータ装置のほか、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現される。
【0016】
情報端末装置200は、自宅やその他に散歩等において、ペットPの飼い主であるサービス利用者Uにより携帯される情報処理装置である。情報端末装置200は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現される。
【0017】
具体的な情報処理の内容としては、図1に示すように、ペット監視装置100および情報端末装置200は、カメラ、マイク、その他各種センサの情報からペット行動推定用AIモデルデータを用いてペットPおよび飼い主であるサービス利用者Uの行動を推定する(ステップS1)。推定の対象となる行動は、例えば、サービス利用者Uが「おすわり」を命じる行動と、ペットPがそれに従って「おすわり」をする行動等がある。飼い主の「おすわり」に従って「おすわり」をした場合は良い行動となり、従わなかった場合は悪い行動となる。これは飼い主のコマンドに従うかどうかというケースであるが、ペットPが自主的に望ましい行動をした場合も、良い行動となる。例えば、ごはんを置いた場合に、ペットPがふせをして待つ場合が良い行動となる(その後、飼い主の「よし」の合図で食べることを許可)。また、ドアチャイムが鳴った場合に飼い主の前でふせまたはおすわりをすることも良い行動となる(その後に飼い主がなでてあげる)。その他に、トイレでない場所でのそそうや、散歩中の拾い食いや、家具を噛む等の行動は悪い行動になる。良い行動には、ペットPが可愛い顔をした場合も含まれる。
【0018】
なお、自宅等における図ではサービス利用者Uが省略されているが、カメラの視野にサービス利用者Uの全部や一部が入っている場合が多い。また、カメラの視野にサービス利用者Uが入っていなくても、サービス利用者Uの声によりサービス利用者Uの行動は推定される。また、ペットPについても、常にカメラの視野に入っている必要はなく、吠え越えや鳴き声等により行動が推定される。
【0019】
ペット監視装置100および情報端末装置200は、ペットPが良いまたは悪い行動をしたと推定された場合、対応する所定の音等を出力する(ステップS2)。例えば、良い行動に対しては、褒めることを意味するクリック音を鳴らす。悪い行動に対しては、ペットPが嫌がる音を鳴らす。音に代え、または音に加えて、好きなまたは嫌がる匂い(例えば、ペットPが犬である場合には、お酢の匂い)を発生させることもできる。また、発生した音や匂い等に対するペットPの反応を自動的に推定し、またはサービス利用者Uから入力させることで、ペットPの反応を学習させ、発生する音や匂い等を変えることもできる。
【0020】
一般にペットのトレーニングのためには、例えば、良い行動をしたときにはクリック音を鳴らし、即座に飼い主が褒めたりおやつをあげたりというご褒美を与える必要がある。これによって、クリック音が良い行動と対応付けられる。クリック音等の発生は飼い主であるサービス利用者Uにご褒美を与えるタイミングを知らせるものでもあるが、それを失念してしまう場合もある。このような飼い主の事後の行動も支援の対象とする場合、ペット監視装置100および情報端末装置200は、ペットPの行動に対する飼い主であるサービス利用者Uの行動について、所定のメッセージを表示等する(ステップS3)。例えば、クリック音が鳴った直後に褒めてあげれば、「適切な行動です」等を表示し、褒めるのを忘れた場合には「ペットが良い行動をした場合、褒めてあげてください」といったメッセージを表示する。
【0021】
また、ペット監視装置100および情報端末装置200は、サービス利用者Uのボタン操作等によって所定の音等を出力する(ステップS4)。そもそも飼い主であるサービス利用者Uが適切なタイミングでクリック音等を鳴らすことを支援するものであるため、鳴らすタイミングを理解してきたサービス利用者Uの操作によりクリック音等を鳴らすことができる。
【0022】
[2.情報処理装置の構成]
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置(ペット監視装置100、情報端末装置200)の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【0023】
(ペット監視装置100、情報端末装置200)
図2に示すように、ペット監視装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを備える。情報端末装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230とを備える。なお、図2は、ペット監視装置100および情報端末装置200の構成例を示すものであり、図2に示す形態には限られず、図2に示す以外の他の機能部を備える形態であってもよい。
【0024】
(通信部130、230)
本実施形態において通信部130、230は必須ではないが、通信部130、230によりペット監視装置100と情報端末装置200との間で通信を行うことで、ペットおよび飼い主の行動についての情報の共有が可能となり、学習による最適化等に利用することができる。
【0025】
通信部130、230は、例えば、ネットワークと有線または無線で接続され、ネットワークを介して、他の装置との間で情報の送受信を行う。通信部130、230は、例えば、NIC(Network Interface Card)やアンテナなどによって実現される。ネットワークは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網や固定電話網など)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0026】
(記憶部120、220)
記憶部120、220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部120、220は、制御部110、210の各部により実行される情報処理を実現するためのプログラムおよびデータを記憶する。
【0027】
図2に示すように、記憶部120は、画像一次記憶部121と、音声一次記憶部122と、その他センサ信号一次記憶部123と、ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部124と、飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部125と、ペット行動判定対象記憶部126と、ペット行動一次記憶部127と、飼い主事後行動判定対象記憶部128と、飼い主事後行動一次記憶部129とを有する。記憶部220は、画像一次記憶部221と、音声一次記憶部222と、その他センサ信号一次記憶部223と、ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部224と、飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部225と、ペット行動判定対象記憶部226と、ペット行動一次記憶部227と、飼い主事後行動判定対象記憶部228と、飼い主事後行動一次記憶部229とを有する。
【0028】
(画像一次記憶部121、221)
画像一次記憶部121、221は、カメラにより取得された画像データを行動の推定が終わるまで一時的に記憶する。
【0029】
(音声一次記憶部122、222)
音声一次記憶部122、222は、マイクにより取得された音声データを行動の推定が終わるまで一時的に記憶する。
【0030】
(その他センサ信号一次記憶部123、223)
その他センサ信号一次記憶部123、223は、その他各種センサにより取得された各種センサデータを行動の推定が終わるまで一時的に記憶する。
【0031】
(ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部124、224)
ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部124、224は、カメラ、マイク、その他各種センサの情報からペットPの行動を推定するための、学習済のペット行動推定用AIモデルデータを記憶する。ペット行動推定用AIモデルデータはアプリケーションの一部として提供されるか、適時にクラウドサーバ等から提供される。また、ペット行動推定用AIモデルデータは適時にクラウドサーバ等により更新され、最新の状態とされる。
【0032】
(飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部125、225)
飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部125、225は、カメラ、マイク、その他各種センサの情報から飼い主であるサービス利用者Uの行動を推定するための、学習済の飼い主行動推定用AIモデルデータを記憶する。飼い主行動推定用AIモデルデータはアプリケーションの一部として提供されるか、適時にクラウドサーバ等から提供される。また、飼い主行動推定用AIモデルデータは適時にクラウドサーバ等により更新され、最新の状態とされる。
【0033】
(ペット行動判定対象記憶部126、226)
ペット行動判定対象記憶部126、226は、音等を発するトリガとなるペットPの良い行動または悪い行動を記憶する。図3は、ペット行動判定対象記憶部126、226に保持されるペット行動判定対象の例を示す図であり、行動『飼い主の「おすわり」に従った』が「良い行動」であり、クリック音を出力することが登録されている。また、行動『飼い主の「おすわり」に従わなかった』が「悪い行動」であり、不快音を出力することが登録されている。
【0034】
(ペット行動一次記憶部127、227)
図2に戻り、ペット行動一次記憶部127、227は、推定されたペットPの行動を一時的に記憶する。
【0035】
(飼い主事後行動判定対象記憶部128、228)
飼い主事後行動判定対象記憶部128、228は、ペットPの良い行動または悪い行動に対してクリック音等が出力された後の、メッセージ等の出力の対象となる飼い主の事後の行動を記憶する。図6は、飼い主事後行動判定対象記憶部128、228に保持される飼い主事後行動判定対象の例を示す図であり、行動「ペットの良い行動に対してクリック音を発生させた後にほめた」は良い行動であり、出力として「適切な行動です」のメッセージを表示することが登録されている。また、行動「ペットの良い行動に対してクリック音を発生させた後にほめなかった」は悪い行動であり、出力として「ペットの良い行動に対してクリック音を発生させた後にほめるべきです」のメッセージを表示することが登録されている。
【0036】
(飼い主事後行動一次記憶部129、229)
飼い主事後行動一次記憶部129、229は、推定された飼い主の事後の行動(クリック音等が発せられた後の行動)を一時的に記憶する。
【0037】
(制御部110、210)
制御部110、210は、ペット監視装置100および情報端末装置200をそれぞれ制御するコントローラ(controller)である。制御部110、210は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、ペット監視装置100および情報端末装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、情報処理プログラム)がRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部110、210は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。
【0038】
図2に示すように、制御部110は、画像処理部111と、音声処理部112と、その他各種センサ信号処理部113と、ペット行動推定部114と、飼い主行動推定部115と、所定音等発生部116と、所定メセージ出力部117とを有する。制御部210は、画像処理部211と、音声処理部212と、その他各種センサ信号処理部213と、ペット行動推定部214と、飼い主行動推定部215と、所定音等発生部216と、所定メセージ出力部217とを有する。制御部110、210は、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部110、210の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部110、210が有する各部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0039】
(画像処理部111、211)
画像処理部111、211は、画像一次記憶部121、221に一次記憶された画像データを推定に適した形に整形する等の画像処理を行う。
【0040】
(音声処理部112、212)
音声処理部112、212は、音声一次記憶部122、222に一次記憶された音声データを推定に適した形に整形する等の音声処理を行う。
【0041】
(その他各種センサ信号処理部113、213)
その他各種センサ信号処理部113、213は、その他センサ信号一次記憶部123、223に一次記憶された各種センサデータを推定に適した形に整形する等の処理を行う。
【0042】
(ペット行動推定部114、214)
ペット行動推定部114、214は、画像一次記憶部121、221の画像データ、音声一次記憶部122、222の音声データ、その他センサ信号一次記憶部123、223の各種センサデータから、ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部124のペット行動推定用AIモデルデータに基づいてペットPの行動を推定する。
【0043】
(飼い主行動推定部115、215)
飼い主行動推定部115、215は、画像一次記憶部121、221の画像データ、音声一次記憶部122、222の音声データ、その他センサ信号一次記憶部123、223の各種センサデータから、飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部125の飼い主行動推定用AIモデルデータに基づいて飼い主であるサービス利用者Uの行動を推定する。
【0044】
(所定音等発生部116、216)
所定音等発生部116、216は、ペット行動推定部114、214および飼い主行動推定部115、215により推定されたペットの行動が良い行動または悪い行動としてペット行動判定対象記憶部126、226に規定された対象に合致した場合に、対応する音等を発生する。音以外には、匂い等が含まれる。
【0045】
(所定メセージ出力部117、217)
所定メセージ出力部117、217は、ペット行動推定部114、214および飼い主行動推定部115、215により推定された、音等の発生の後の飼い主の行動が飼い主事後行動判定対象記憶部128、228に規定された対象に合致した場合に、対応するメッセージを表示する。
【0046】
[3.処理手順]
以下、図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置(ペット監視装置100、情報端末装置200)による処理手順について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理手順は、ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210により実行される。
【0047】
図4において、ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、カメラ、マイク、その他各種センサからの信号を取得し(ステップS11)、取得された信号から、ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部124、224のペット行動推定用AIモデルデータを用いてペットPの行動を推定し(ステップS12)、飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部125、225の飼い主行動推定用AIモデルデータを用いて飼い主であるサービス利用者Uの行動を推定する(ステップS13)。なお、推定されるペットPの行動には、飼い主であるサービス利用者Uの行動が含まれる場合があるため、ペットPとサービス利用者Uの両者の行動を推定している。例えば、『飼い主の「おすわり」に従った』というペットPの行動には、飼い主が「おすわり」をしたという行動が前提として含まれている。
【0048】
次いで、ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、推定されたペットPの行動がペット行動判定対象記憶部126、226に登録された対象に合致するか否か判断する(ステップS14)。ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、ペットPの行動が対象に合致しないと判断した場合(ステップS14のNo)、カメラ、マイク、その他各種センサからの信号の取得(ステップS11)から処理を繰り返す。
【0049】
ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、ペットPの行動が対象に合致したと判断した場合(ステップS14のYes)、ペット行動判定対象記憶部126、226に登録された行動の対象に応じた音等を出力する(ステップS15)。
【0050】
ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、電源のオフ(OFF)等やアプリケーションの終了等による処理終了であるか否か判断し(ステップS16)、終了でない場合(ステップS16のNo)はカメラ、マイク、その他各種センサからの信号の取得(ステップS11)から処理を繰り返し、処理終了の場合(ステップS16のYes)は処理を終了する。
【0051】
図5は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートであり、サービス利用者Uのボタン操作等によって所定の音等を出力する処理である。図5において、ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、飼い主であるサービス利用者Uから音等の出力の指示があるのを待機し(ステップS21)、指示があった場合(ステップS21のYes)、音等を出力する(ステップS22)。
【0052】
ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、電源のオフ(OFF)等やアプリケーションの終了等による処理終了であるか否か判断し(ステップS23)、終了でない場合(ステップS23のNo)は飼い主であるサービス利用者Uから音等の出力の指示があるのを待機し(ステップS21)、処理終了の場合(ステップS23のYes)は処理を終了する。
【0053】
図7は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順の一例を示すフローチャートであり、クリック音等の出力の後の飼い主の行動についても監視・支援を行う場合の処理例である。
【0054】
図7においてペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、カメラ、マイク、その他各種センサからの信号を取得し(ステップS31)、取得された信号から、ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部124、224のペット行動推定用AIモデルデータを用いてペットPの行動を推定し(ステップS32)、飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部125、225の飼い主行動推定用AIモデルデータを用いて飼い主であるサービス利用者Uの行動を推定する(ステップS33)。
【0055】
次いで、ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、推定されたペットPの行動がペット行動判定対象記憶部126、226に登録された対象に合致するか否か判断する(ステップS34)。ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、ペットPの行動が対象に合致しないと判断した場合(ステップS34のNo)、カメラ、マイク、その他各種センサからの信号の取得(ステップS31)から処理を繰り返す。
【0056】
ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、ペットPの行動が対象に合致したと判断した場合(ステップS34のYes)、行動の対象に応じた音等を出力する(ステップS35)。
【0057】
次いで、ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、推定された飼い主であるサービス利用者Uの事後の行動が飼い主事後行動判定対象記憶部128、228に登録された対象に合致するか否か判断する(ステップS36)。ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、後の行動が対象に合致しないと判断した場合(ステップS36のNo)、カメラ、マイク、その他各種センサからの信号の取得(ステップS31)から処理を繰り返す。
【0058】
ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、後の行動が対象に合致すると判断した場合(ステップS36のYes)、飼い主事後行動判定対象記憶部128、228に登録された行動の対象に応じたメッセージ等を出力する(ステップS37)。
【0059】
ペット監視装置100の制御部110または情報端末装置200の制御部210は、電源のオフ(OFF)等やアプリケーションの終了等による処理終了であるか否か判断し(ステップS38)、終了でない場合(ステップS38のNo)はカメラ、マイク、その他各種センサからの信号の取得(ステップS31)から処理を繰り返し、処理終了の場合(ステップS38のYes)は処理を終了する。
【0060】
[4.ハードウェア構成]
実施形態に係る情報処理装置(ペット監視装置100、情報端末装置200)は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0061】
コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、SSD/HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、メディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0062】
CPU1100は、ROM1300、RAM1200またはSSD/HDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。
【0063】
RAM1200またはSSD/HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信網)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワーク(通信網)Nを介して他の機器へ送信する。
【0064】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイ1610、カメラ1620、マイク1630、スピーカ1640、その他各種センサ(照度センサ、近接センサ、方位センサ、姿勢センサ、温度センサ、湿度センサ、心拍センサ等)1650、外部入出力装置(ディスプレイ、プリンタ、キーボード、マウス等)等を制御する。なお、装置のタイプにより、内蔵される入出力装置や外部接続される入出力装置は異なる。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0065】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0066】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置(ペット監視装置100、情報端末装置200)として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部110、210の機能を実現する。また、SSD/HDD1400には、記憶部120、220内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワーク(通信網)Nを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0067】
[5.その他]
上述した実施形態および変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
上述の実施形態および変形例において、ペット監視装置100または情報端末装置200による情報処理方法を実現するために、ペット監視装置100または情報端末装置200が有する制御部110または制御部210の各部に対応する処理機能は、ペット監視装置100または情報端末装置200に予めインストールされている提供プログラムに対するアドオンとして実現してもよいし、軽量なプログラミング言語などを用いて、専用の提供プログラムとして柔軟に記述することにより実現されてもよい。
【0069】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0070】
また、上述の実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0071】
[6.効果]
上述の実施形態に係るペット監視装置100(情報処理装置)および情報端末装置200(情報処理装置)は、ペット行動推定部114、214および飼い主行動推定部115、215と、所定音等発生部116、216とを備える。ペット行動推定部114、214および飼い主行動推定部115、215は、カメラおよびマイクを含むセンサの信号からペットPおよび飼い主であるサービス利用者Uの行動を推定する。所定音等発生部116、216は、推定されたペットPの行動が良い行動または悪い行動として規定された対象に合致した場合に、対応する音を発生する。
【0072】
このようにして、実施形態に係るペット監視装置100(情報処理装置)および情報端末装置200(情報処理装置)は、ペットPの良い行動または悪い行動に対応して自動的にクリック音等が出力されるため、飼い主であるサービス利用者Uはクリック音等を自ら発生させる必要がなく、その後に褒めたりおやつをあげたりすればよいため、ペットのトレーニングを適切に支援することができる。
【0073】
また、実施形態に係るペット監視装置100(情報処理装置)および情報端末装置200(情報処理装置)は、クリック音の発生の後の、推定された飼い主の行動が規定された対象に合致した場合に、対応するメッセージを表示する所定メセージ出力部117、217を備える。これにより、飼い主であるサービス利用者Uが褒めたりおやつをあげたりする行動を失念していることを知らせ、適正な訓練に誘導することができる。
【0074】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0075】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理システム
100 ペット監視装置
110 制御部
111 画像処理部
112 音声処理部
113 その他各種センサ信号処理部
114 ペット行動推定部
115 飼い主行動推定部
116 所定音等発生部
117 所定メセージ出力部
120 記憶部
121 画像一次記憶部
122 音声一次記憶部
123 その他センサ信号一次記憶部
124 ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部
125 飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部
126 ペット行動判定対象記憶部
127 ペット行動一次記憶部
128 飼い主事後行動判定対象記憶部
129 飼い主事後行動一次記憶部
130 通信部
200 情報端末装置
210 制御部
211 画像処理部
212 音声処理部
213 その他各種センサ信号処理部
214 ペット行動推定部
215 飼い主行動推定部
216 所定音等発生部
217 所定メセージ出力部
220 記憶部
221 画像一次記憶部
222 音声一次記憶部
223 その他センサ信号一次記憶部
224 ペット行動推定用AIモデルデータ記憶部
225 飼い主行動推定用AIモデルデータ記憶部
226 ペット行動判定対象記憶部
227 ペット行動一次記憶部
228 飼い主事後行動判定対象記憶部
229 飼い主事後行動一次記憶部
230 通信部
U サービス利用者
P ペット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8