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特開2024-118358情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118358
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20240823BHJP
   G06F 16/908 20190101ALI20240823BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06F16/908
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024732
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 知紘
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB02
5B175HA01
5B175HA02
(57)【要約】
【課題】利用者の評価をより適切に扱うことができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、推定部と、管理部とを備える。推定部は、評価対象に対して評価を行った利用者に関する情報に基づいて、評価対象を利用する前と後の利用者の感情の変遷を推定する。管理部は、推定部によって推定された利用者の感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、利用者による評価を示す情報を含む利用者評価情報に関連付けて管理する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象に対して評価を行った利用者に関する情報に基づいて、前記評価対象を利用する前と後の前記利用者の感情の変遷を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記利用者の前記感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、前記利用者による前記評価を示す情報を含む投稿評価情報に関連付けて管理する管理部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部によって推定された前記感情の変遷の態様毎に、前記評価に関する情報を含む評価情報を提供する提供部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部によって推定された前記感情の変遷の態様に基づいて、前記評価対象に対する評価を決定する決定部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
人に関する情報から前記人の感情を推定するように学習された学習モデルを用いて、前記評価対象を利用する前と後の前記利用者の感情を前記感情の変遷として推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記利用者の前記評価対象に対するレビューの情報に基づいて、前記評価対象の利用後の前記利用者の感情を推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、
前記評価対象に関する検索履歴の情報に基づいて、前記利用者の感情の変遷を推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、
前記検索履歴の情報に含まれる検索キーワードの情報に基づいて、前記利用者の感情の変遷を推定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、
前記利用者の生体情報を検出するセンサによって検出された情報に基づいて、前記利用者の感情の変遷を推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
評価対象に対して評価を行った利用者に関する情報に基づいて、前記評価対象を利用する前と後の前記利用者の感情の変遷を推定する推定工程と、
前記推定工程によって推定された前記利用者の前記感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、前記利用者による前記評価を示す情報を含む投稿評価情報に関連付けて管理する管理工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
評価対象に対して評価を行った利用者に関する情報に基づいて、前記評価対象を利用する前と後の前記利用者の感情の変遷を推定する推定手順と、
前記推定手順によって推定された前記利用者の前記感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、前記利用者による前記評価を示す情報を含む投稿評価情報に関連付けて管理する管理手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、評価の対象となる評価対象に対する利用者の評価を受け付ける技術が知られている。例えば、電子商取引サービスにおいて、利用者が購入した取引対象に対する利用者の評価を受け付ける技術が知られている。かかる評価は、例えば、他の利用者に公開されることで、他の利用者がその商品を購入するか否かの判断材料とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-063484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、評価対象に対する評価は、利用者の感情によって意味合いが異なる場合があり、このような場合、同じ評価であっても、実質的な評価が異なる可能性があり、同一のものとして各利用者の評価を扱うことが適さない場合がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の評価をより適切に扱うことができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、推定部と、管理部とを備える。推定部は、評価対象に対して評価を行った利用者に関する情報に基づいて、評価対象を利用する前と後の利用者の感情の変遷を推定する。管理部は、推定部によって推定された利用者の感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、利用者による評価を示す情報を含む利用者評価情報に関連付けて管理する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者の評価をより適切に扱うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る取引対象関連情報記憶部に記憶される取引対象関連情報テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による評価管理情報の更新処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、情報処理装置1によって実行される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、検索サービスおよび電子商取引サービスなどといった各種のオンラインサービスを各利用者Uに提供する。情報処理装置1は、利用者Uの端末装置2から送信される検索クエリを受け付け、受け付けた検索クエリに含まれる検索キーワードなどに基づく検索を行い、かかる検索の結果を端末装置2に送信することで、利用者Uに検索サービスを提供する。
【0012】
また、情報処理装置1は、電子商取引サービスにおいて、例えば、出品者から出品された取引対象の情報を利用者Uに提供し、利用者Uからの注文要求に応じて取引対象の売買処理を行う。
【0013】
取引対象は、例えば、商品、サービスなどである。商品は、例えば、工業製品などの動産または不動産である。サービスは、例えば、動画配信サービス、音楽配信サービス、オンラインゲーム提供サービス、旅客輸送サービス、宿泊サービス、メッサージサービス、清掃サービスなどの種々のサービスであるが、かかる例に限定されない。
【0014】
図1に示す例では、説明の便宜上、複数の利用者Uを利用者UAと利用者UBとに分け、複数の端末装置2を利用者UAの端末装置2Aと利用者UBの端末装置2Bとに分けて説明する。
【0015】
情報処理装置1は、利用者UAの端末装置2Aから送信される投稿情報を受け付ける(ステップS1)。投稿情報は、利用者UA(以下、投稿利用者と記載する場合がある)によって投稿される情報であり、電子商取引サービスにおいて投稿利用者が購入した取引対象である購入取引対象に対する評価を示す情報を含む投稿評価情報が含まれる。購入取引対象は、評価対象の一例である。
【0016】
投稿評価情報は、例えば、購入取引対象に対する評価値であって投稿利用者によって入力または選択された評価値を示す情報を含む。評価情報で示される評価値は、購入取引対象に対して1つの評価値であるが、評価項目毎の評価値であってもよい。評価項目は、例えば、購入取引対象がシャンプーである場合、例えば、使い心地、髪の仕上がり、泡立ち、クリーミーさなどであるが、かかる例に限定されない。
【0017】
投稿情報には、例えば、投稿評価情報に加えて、投稿利用者による購入取引対象に対するレビューの内容を示すレビュー情報などが含まれる。レビュー情報は、例えば、投稿利用者による購入取引対象に対するコメントの情報、投稿利用者によって撮像された購入取引対象の画像の情報などを含む。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、投稿利用者に関する情報である利用者情報を内部の記憶部または外部の情報処理装置などから取得する(ステップS2)。利用者情報は、利用前利用者情報と利用後利用者情報とを含む。利用前利用者情報は、投稿利用者による購入取引対象の利用前の投稿利用者に関する情報であり、例えば、投稿利用者による購入取引対象の購入前または入手前の予め定められた期間における投稿利用者に関する情報である。予め定められた期間は、例えば、購入取引対象毎または購入取引対象のカテゴリ毎に異なる期間である。
【0019】
利用後利用者情報は、投稿利用者による購入取引対象の利用後の投稿利用者に関する情報であり、例えば、投稿利用者が購入取引対象を購入または入手した後の期間であって予め定められた期間が経過した後の投稿利用者に関する情報である。予め定められた期間は、例えば、購入取引対象毎または購入取引対象のカテゴリ毎に異なる期間である。
【0020】
利用後利用者情報は、例えば、ステップS1において投稿情報が受け付けられたタイミングである投稿受け付けタイミングよりも前の投稿利用者に関する情報であってもよい。例えば、利用後利用者情報は、投稿利用者による購入取引対象の購入後または入手後から、投稿受け付けタイミングから予め定められた期間前までの期間における投稿利用者に関する情報である。ここでの予め定められた期間は、例えば、購入取引対象毎または購入取引対象のカテゴリ毎に異なる期間である。
【0021】
利用前利用者情報および利用後利用者情報の各々は、例えば、投稿利用者の行動履歴の情報である行動履歴情報、センサによって検出された投稿利用者の情報である検出履歴情報などを含むが、かかる例に限定されず、投稿利用者に関するその他の情報であってもよい。
【0022】
行動履歴情報は、検索クエリ履歴情報、閲覧履歴情報、購入履歴情報、レビュー履歴情報などを含む。検索クエリ履歴情報は、情報処理装置1などが提供する検索サービスにおいて投稿利用者が検索に用いた検索キーワードを含む検索クエリの履歴の情報を含む。
【0023】
閲覧履歴情報は、情報処理装置1などが提供するオンラインサービスにおいて投稿利用者が閲覧した取引対象などの情報を含む。購入履歴情報は、オンラインサービスにおいて投稿利用者が購入した取引対象などの情報を含む。
【0024】
移動履歴情報は、投稿利用者の移動履歴の情報を含み、投稿利用者の移動履歴の情報は、例えば、投稿利用者の位置を示す情報と、その位置に投稿利用者があるときの日時を示す情報とを含む位置情報の履歴を示す情報である。
【0025】
検出履歴情報は、投稿利用者の状態履歴の情報であり、例えば、投稿利用者の生体情報を検出する生体センサによって検出された情報を含む。生体センサは、例えば、投稿利用者の心拍を検出するセンサ、投稿利用者の脈拍を検出するセンサ、投稿利用者の血圧を検出するセンサ、投稿利用者の瞳孔反応を検出するセンサ、投稿利用者の脳波を検出するセンサ、投稿利用者の血中酸素濃度を検出するセンサなどである。
【0026】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS2で取得した利用者情報に基づいて、投稿利用者が購入取引対象を利用する前と後の投稿利用者の感情の変遷を推定する(ステップS3)。
【0027】
例えば、情報処理装置1は、ステップS2で取得した利用者情報に含まれる利用前利用者情報に基づいて、投稿利用者が購入取引対象を利用する前の投稿利用者の感情を推定する。投稿利用者が購入取引対象を利用する前とは、例えば、投稿利用者が購入取引対象を利用する前の期間である利用前期間である。
【0028】
利用前期間は、例えば、投稿利用者が購入取引対象を購入または入手する前の予め定められた期間であるが、投稿利用者が購入取引対象を利用する前の予め定められた期間であってもよく、その他の期間であってもよい。
【0029】
また、情報処理装置1は、ステップS2で取得した利用者情報に含まれる利用後利用者情報に基づいて、投稿利用者が購入取引対象を利用した後の投稿利用者の感情を推定する。投稿利用者が購入取引対象を利用した後とは、投稿利用者が購入取引対象を利用した後の期間である利用後期間である。
【0030】
利用後期間は、例えば、投稿利用者が購入取引対象を購入または入手してから予め定められた期間が経過した後の期間、または投稿受け付けタイミングから予め定められた期間前までの期間であるが、かかる例に限定されない。
【0031】
情報処理装置1は、人に関する情報である人情報から人の感情を推定するように学習された学習モデルを用いて、購入取引対象を利用する前と後の投稿利用者の感情を推定する。人情報は、上述した利用者情報と同様の情報であり、例えば、人の行動履歴の情報である行動履歴情報、センサによって検出された人の状態履歴の情報である検出履歴情報などを含む。
【0032】
情報処理装置1は、例えば、人の感情とかかる人の行動や状態との関係を学習した学習モデルを上述した学習モデルとして作成する。例えば、情報処理装置1は、人の感情の種別を示す情報と、かかる人の行動や状態に関する情報である人情報から得られる複数の情報とをそれぞれ複数含むデータセットを用いて、上述した学習モデルを作成することができる。
【0033】
感情の種別は、例えば、感情が情動であれば、期待、怒り、恐れ、喜び、悲しみなどであり、感情が気分であれば、期待、爽快、憂鬱などであるが、かかる例に限定されず、上述した各種別を複数段階に区分けしたものであってもよい。また、感情の種別は、情動の種別および気分の種別の組み合わせであってもよい。
【0034】
学習モデルは、例えば、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)、ランダムフォレスト、回帰モデル、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。例えば、学習モデルは、単純マルコフ過程(マルコフモデル)などであってもよい。なお、学習モデルで用いられる情報は、次元削減された情報であってもよく、この場合、上述した利用者情報や人情報は、次元削減された情報であってもよく、学習モデルに入力するまえに次元削減を行ってもよい。
【0035】
情報処理装置1は、例えば、ステップS2で取得した利用前利用者情報から得られる複数の情報を学習モデルに入力し、学習モデルから出力される感情の種別の情報に基づいて、購入取引対象を利用する前の投稿利用者の感情を推定する。
【0036】
また、情報処理装置1は、例えば、ステップS2で取得した利用後利用者情報から得られる複数の情報を学習モデルに入力し、学習モデルから出力される感情の種別の情報に基づいて、購入取引対象を利用した後の投稿利用者の感情を推定する。
【0037】
学習モデルから出力される感情の種別の情報は、例えば、学習モデルから出力される感情の種別を示す情報または学習モデルから出力される感情の種別毎のスコアを示す情報である。学習モデルの出力が感情の種別毎のスコアを示す情報である場合、情報処理装置1は、例えば、スコアが最も高い種別の感情やスコアが閾値以上の種別の感情を、投稿利用者の感情として推定する。
【0038】
学習モデルにおける特徴量として用いられる情報は、例えば、検出履歴情報や行動履歴情報などから得られる情報である。例えば、学習モデルにおける特徴量として用いられる情報は、検出履歴情報に含まれる生体情報、検索クエリ履歴情報から得られるキーワード情報、閲覧履歴情報から得られる閲覧数情報、購入履歴情報から得られる購入数情報、レビュー履歴情報から得られるレビューワード情報などである。
【0039】
生体情報は、例えば、単位期間当たりの投稿利用者の生体情報であり、心拍、脈拍、血圧、血中酸素濃度などの平均値、最大値、または最小値の情報、予め定められた瞳孔反応の出現回数の情報、特定の脳波の出現回数の情報などであるが、かかる例に限定されない。生体情報は、投稿利用者の購入取引対象に対する感情に直接または間接的に関係する場合があり、情報処理装置1は、生体情報を投稿利用者の感情の推定に用いることで、投稿利用者の感情を精度よく推定することができる。
【0040】
キーワード情報は、例えば、購入取引対象に関する検索キーワードの情報を含む。購入取引対象に関する検索キーワードの情報は、例えば、投稿利用者による第1検索キーワードの使用数の情報と投稿利用者による第2検索キーワード毎の使用数の情報を含む。
【0041】
第1検索キーワードは、例えば、購入取引対象の名称、型番、またはJAN(Japanese Article Number)コードなどのように購入取引対象を特定するキーワードである。第2検索キーワードは、第1検索キーワードと同時期に用いられる検索キーワードであって第2検索キーワードである。
【0042】
第2検索キーワードは、例えば、第1検索キーワードと共に同一の検索クエリに含まれる検索キーワード、または利用者Uの端末装置2によって第1検索キーワードを含む検索クエリが送信された前後の予め定められた時間内に同一の利用者Uの端末装置2によって送信された検索クエリに含まれる検索キーワードなどである。
【0043】
利用前期間において、第1検索キーワードの使用数が多い場合や使用数が多い第2検索キーワードがポジティブなワードである場合、投稿利用者の購入取引対象に対する期待が高い場合が多いと思われる。また、利用後期間において、使用数が多い第2検索キーワードがネガティブなワードが多い場合、投稿利用者にとって投稿取引対象が期待外れである場合が多いと思われる。
【0044】
このように、第1検索キーワードや第2検索キーワードは、投稿利用者の購入取引対象に対する感情に直接または間接的に関係する場合があり、情報処理装置1は、第1検索キーワードの利用数や第2検索キーワードの利用数を投稿利用者の感情の推定に用いることで、投稿利用者の感情を精度よく推定することができる。
【0045】
閲覧数情報は、投稿利用者による取引対象毎の閲覧数の情報、投稿利用者によって閲覧された取引対象のカテゴリ毎の閲覧数の情報などを含むが、かかる例に限定されない。例えば、閲覧数情報は、投稿利用者による取引対象に関するコンテンツ(例えば、Q&Aサイトのコンテンツ)の閲覧数の情報などが含まれてもよく、その他の情報が含まれてもよい。
【0046】
購入数情報は、電子商取引サービスなどにおいて投稿利用者が購入した取引対象の数の情報などの情報を含む。例えば、購入履歴情報は、投稿利用者による取引対象毎の購入数、投稿利用者によって購入された取引対象のカテゴリ毎の購入数の情報などを含むが、かかる例に限定されない。
【0047】
閲覧数情報や購入数情報は、投稿利用者の購入取引対象に対する感情に直接または間接的に関係する場合があり、情報処理装置1は、閲覧数情報や購入数情報を投稿利用者の感情の推定に用いることで、投稿利用者の感情を精度よく推定することができる。
【0048】
レビューワード情報は、購入取引対象に対する投稿利用者のレビュー内容を示すレビュー情報から得られる情報を含む。レビュー情報から得られる情報は、例えば、予め定められたワード毎の出現数などである。予め定められたワードは、例えば、人の感情を直接または間接的に表すワードであり、予め定められた種類のワードである。
【0049】
なお、上述した例では、情報処理装置1は、検出履歴情報や行動履歴情報などから、生体情報、キーワード情報、閲覧数情報、購入数情報、レビューワード情報などを得るための処理を行うが、かかる例に限定されない。例えば、生体情報、キーワード情報、閲覧数情報、購入数情報、レビューワード情報などは、ステップS1で取得される検出履歴情報や行動履歴情報に含まれる情報であってもよい。
【0050】
情報処理装置1は、利用前利用者情報に含まれる複数の情報を学習モデルに入力し、学習モデルから出力される感情の種別の情報に基づいて、購入取引対象を利用する前の投稿利用者の感情を推定する。以下において、購入取引対象を利用する前の投稿利用者の感情を利用前感情と記載する場合がある。
【0051】
また、情報処理装置1は、利用後利用者情報に含まれる複数の情報を学習モデルに入力し、学習モデルから出力される感情の種別の情報に基づいて、購入取引対象を利用した後の投稿利用者の感情を推定する。以下において、購入取引対象を利用した後の投稿利用者の感情を利用後感情と記載する場合がある。
【0052】
学習モデルから出力される感情の種別の情報は、例えば、学習モデルから出力される感情の種別を示す情報または学習モデルから出力される感情の種別毎のスコアを示す情報である。学習モデルの出力が感情の種別毎のスコアを示す情報である場合、情報処理装置1は、例えば、スコアが最も高い種別の感情やスコアが閾値以上の種別の感情を、投稿利用者の感情として推定する。
【0053】
なお、上述した例では、情報処理装置1は、学習モデルを用いて、購入取引対象を利用する前と後との投稿利用者の感情を推定するが、学習モデルを用いずに、ルールベースで購入取引対象を利用する前と後との投稿利用者の感情を推定することもできる。
【0054】
例えば、情報処理装置1は、心拍、脈拍、血圧、血中酸素濃度などの平均値、最大値、または最小値、予め定められた瞳孔反応の出現回数、特定の脳波の出現回数、第1検索キーワードの使用数、第2検索キーワード毎の使用数、取引対象毎の閲覧数、カテゴリ毎の閲覧数、取引対象毎の購入数、カテゴリ毎の購入数、レビューにおける各特定ワードの数のうちの2以上を感情の種類毎に異なる重み付け加算した結果である加算結果のうち最も大きな加算結果に対応する感情または閾値以上の加算結果に対応する感情を、投稿利用者の感情を推定することもできる。
【0055】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS3で推定した投稿利用者の感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、投稿利用者による購入取引対象に対する評価を示す情報を含む投稿評価情報に関連付けて内部の記憶部に記憶させることによって、評価管理情報を管理する(ステップS4)。評価管理情報は、感情変遷情報と投稿評価情報とを含み且つこれらが関連付けられた情報を含む。
【0056】
投稿評価情報に対する感情変遷情報の関連付けは、感情変遷情報と投稿評価情報との投稿利用者毎の関連付けであってもよく、対応する感情変遷情報の種類への投稿評価情報の関連付けであってもよい。
【0057】
感情変遷情報の種類は、利用前感情から利用後感情への変遷の態様の種類であり、利用前感情と利用後感情との組み合わせで表される。例えば、感情変遷情報は、「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」、「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」などの種類で表される。
【0058】
ステップS4において、情報処理装置1は、例えば、感情変遷情報と投稿評価情報とを関連付けた投稿評価情報毎の情報を評価管理情報の一部または全部として内部の記憶部に記憶させたり、投稿評価情報を対応する感情変遷情報の種類に関連付けた感情変遷情報の種類毎の情報を評価管理情報の一部または全部として内部の記憶部に記憶させたりすることができる。
【0059】
情報処理装置1は、ステップS1~S4の処理を繰り返し行って評価管理情報の更新を繰り返し行う。これにより、情報処理装置1において、複数の投稿利用者の各々の購入取引対象に対する評価を示す情報が感情変遷情報に関連付けて管理される。
【0060】
つづいて、情報処理装置1は、購入取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を購入取引対象毎に生成する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、ステップS3によって推定した各投稿利用者の感情の変遷の態様毎に、購入取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を購入取引対象毎に生成する。以下において、感情の変遷の態様を感情変遷態様と記載する場合がある。
【0061】
例えば、感情変遷態様が「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価は、感情変遷態様が「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価よりも低い場合が多い。このように、感情変遷態様の種類によって、購入取引対象に対する評価の傾向が異なる。
【0062】
そこで、情報処理装置1は、上述したように、投稿利用者の感情変遷態様毎に、購入取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を生成する。購入取引対象に対する評価に関する情報は、例えば、購入取引対象に対して1つの評価値を示す情報である。
【0063】
例えば、情報処理装置1は、感情変遷態様が「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価値の平均値を感情変遷態様「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」での総合評価値とする。そして、情報処理装置1は、かかる総合評価値の情報を感情変遷態様「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」での購入取引対象に対する評価に関する情報として扱う。
【0064】
また、情報処理装置1は、感情変遷態様が「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価値の平均値を感情変遷態様「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」での総合評価値とする。そして、情報処理装置1は、かかる総合評価値の情報を感情変遷態様「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」での購入取引対象に対する評価に関する情報として扱う。
【0065】
また、情報処理装置1は、投稿利用者の利用前感情毎に購入取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を生成することもできる。例えば、情報処理装置1は、利用前感情が「期待」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価値の平均値を利用前感情「期待」での総合評価値とする。そして、情報処理装置1は、かかる総合評価値の情報を利用前感情「期待」での購入取引対象に対する評価に関する情報として扱う。
【0066】
また、情報処理装置1は、利用前感情が「期待なし」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価値の平均値を利用前感情「期待なし」での総合評価値とする。そして、情報処理装置1は、かかる総合評価値の情報を利用前感情「期待なし」での購入取引対象に対する評価に関する情報として扱う。
【0067】
また、情報処理装置1は、複数の投稿利用者による購入取引対象に対する評価値の平均値を基準評価値とし、かかる基準評価値と感情変遷態様毎の評価値または利用前感情毎の評価値とに基づいて、総合評価値を算出することもできる。
【0068】
例えば、情報処理装置1は、感情変遷態様の出現割合を感情変遷態様毎に算出する。そして、情報処理装置1は、出現割合が閾値以下の感情変遷態様を除いた複数の感情変遷態様の投稿利用者の評価値の平均値を総合評価値としたり、出現割合が低い順にm(mは2以上の整数)番目までの感情変遷態様を除いた複数の感情変遷態様の投稿利用者の評価値の平均値を総合評価値としたりする。
【0069】
また、情報処理装置1は、感情変遷態様の出現割合に応じた調整値で、感情変遷態様毎の評価値の平均値を調整することができる。例えば、情報処理装置1は、出現割合が少ない感情変遷態様ほど調整値を大きくする。
【0070】
また、情報処理装置1は、感情変遷態様毎の評価値の傾向や利用前感情毎の評価値の傾向を判定することができる。感情変遷態様毎の評価値の傾向とは、どのような感情変遷態様であれば評価値が基準評価値からどのように変わりやすいかを示し、利用前感情毎の評価値の傾向は、例えば、どのような利用前感情であれば評価値が基準評価値からどのように変わりやすいかを示す。
【0071】
例えば、情報処理装置1は、感情変遷態様毎の評価値の平均値を算出し、感情変遷態様毎の評価値の平均値と基準評価値との差異である第1評価値差を算出することができる。感情変遷態様毎の第1評価値差によって、どのような感情変遷態様であれば評価値が基準評価値からどのように変わりやすいかを把握することができる。
【0072】
また、情報処理装置1は、感情変遷態様毎の第1評価値差に基づいて、感情変遷態様毎の評価値の平均値を調整することができる。例えば、情報処理装置1は、出現割合が最も多い感情変遷態様の第1評価値差が第1閾値Th1以下である場合、出現割合が最も多い感情変遷態様の評価値の平均値を増加させる調整を行う。また、情報処理装置1は、例えば、出現割合が最も多い感情変遷態様の第1評価値差が第2閾値Th2以上である場合、出現割合が最も多い感情変遷態様の評価値の平均値を減少させる調整を行う。
【0073】
また、情報処理装置1は、利用前感情毎の評価値の平均値を算出し、利用前感情毎の評価値の平均値と基準評価値との差異である第2評価値差を算出することもできる。利用前感情毎の第2評価値差によって、どのような利用前感情であれば評価値が基準評価値からどのように変わりやすいかを把握することができる。
【0074】
また、情報処理装置1は、利用前感情毎の第2評価値差に基づいて、利用前感情毎の評価値の平均値を調整することができる。例えば、情報処理装置1は、出現割合が最も多い利用前感情の第2評価値差が第3閾値Th3以下である場合、出現割合が最も多い利用前感情の評価値の平均値を増加させる調整を行う。また、情報処理装置1は、例えば、出現割合が最も多い利用前感情の第1評価値差が第4閾値Th4以上である場合、出現割合が最も多い利用前感情の評価値の平均値を減少させる調整を行う。
【0075】
また、情報処理装置1は、例えば、感情変遷態様と評価値との関係を感情変遷態様毎に学習した学習モデルである第1推定モデルを作成し、作成した第1推定モデルを用いて第1評価値差を推定することもできる。第1推定モデルは、例えば、取引対象毎のモデルであるが、取引対象のカテゴリ毎のモデルであってもよく、すべての取引対象に共通のモデルであってもよい。また、情報処理装置1は、さらに投稿利用者の属性毎の第1推定モデルを作成することもできる。
【0076】
また、情報処理装置1は、例えば、利用前感情と評価値との関係を利用前感情毎に学習した学習モデルである第2推定モデルを作成し、作成した第2推定モデルを用いて第2評価値差を推定することもできる。第2推定モデルは、例えば、取引対象毎のモデルであるが、取引対象のカテゴリ毎のモデルであってもよく、すべての取引対象に共通のモデルであってもよい。また、情報処理装置1は、さらに投稿利用者の属性毎の第2推定モデルを作成することもできる。
【0077】
また、情報処理装置1は、例えば、感情変遷態様毎の総合評価値を示す情報や利用前感情毎の総合評価値を示す情報を含む評価情報を購入取引対象毎に生成することもできる。この場合、情報処理装置1は、例えば、感情変遷態様と投稿利用者の属性との組み合わせ毎の総合評価値を示す情報を含む評価情報を生成したり、利用前感情報と投稿利用者の属性との組み合わせ毎の総合評価値を示す情報を含む評価情報を生成したりすることができる。
【0078】
また、情報処理装置1は、第1評価値差や第2評価値差の大きさが大きいほど、評価情報に含まれるレビュー内容の表現を緩和した表現に変更したり、評価情報に注釈を追加したりすることができる。また、情報処理装置1は、感情変遷態様毎の出現割合を示す情報を注釈として追加したり、利用前感情毎の出現割合を示す情報を注釈として追加したりすることもできる。
【0079】
つづいて、情報処理装置1は、例えば、利用者UBの端末装置2Bから送信される情報送信要求を受け付ける(ステップS6)。以下において、情報送信要求元となる利用者UBを要求利用者と記載する場合がある。
【0080】
情報処理装置1は、ステップS6において情報送信要求を受け付けた場合、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報を含む提供情報を要求利用者の端末装置2Bに送信することで、評価情報を含む提供情報を要求利用者に提供する(ステップS7)。以下において、情報提供要求で特定される取引対象を要求取引対象と記載する場合がある。
【0081】
情報処理装置1は、要求利用者の情報である要求利用者情報に基づいて、要求利用者の現在の感情を推定することができる。要求利用者情報は、例えば、現在から予め定められた期間前までの期間における要求利用者の情報である。
【0082】
要求利用者情報は、上述した利用者情報や人情報と同様の情報であり、例えば、要求利用者の行動履歴の情報である行動履歴情報、センサによって検出された要求利用者の状態履歴の情報である検出履歴情報などを含む。
【0083】
情報処理装置1は、例えば、要求利用者情報から得られる複数の情報を上述した学習モデルに入力し、学習モデルから出力される感情の種別の情報に基づいて、要求利用者の現在の感情を推定することができる。
【0084】
要求利用者の現在の感情に対応する評価情報は、例えば、要求利用者の現在の感情が「期待」である場合、感情変遷態様が「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である投稿利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報である。
【0085】
これにより、情報処理装置1は、要求取引対象に対して期待を持っている要求利用者に対して、同様の感情を持って要求取引対象を購入した利用者Uによる評価を示す情報を提供することができ、要求利用者に対して、より適切な評価情報を提供することができる。
【0086】
また、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報は、例えば、要求利用者の現在の感情が「期待なし」である場合、感情変遷態様が「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である投稿利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報である。
【0087】
これにより、情報処理装置1は、要求取引対象に対して期待を持っていない要求利用者に対して、同様の感情を持って要求取引対象を購入した利用者Uによる評価を示す情報を提供することができ、要求利用者に対して、より適切な評価情報を提供することができる。
【0088】
また、情報処理装置1は、要求利用者による過去の取引対象の利用前後の感情の変遷の傾向である感情変遷傾向に応じた評価情報を要求利用者に提供することもできる。例えば、情報処理装置1は、要求利用者による過去の取引対象の利用前後の感情の変遷の情報に基づいて、要求利用者の感情変遷傾向を判定する。そして、情報処理装置1は、判定した感情変遷傾向が一致または類似する感情変遷傾向の投稿利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報を、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報として要求利用者に提供する。
【0089】
感情変遷傾向は、例えば、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷、利用者Uの過去の感情変遷における上位からn(nは2以上の整数)番目までの感情変遷、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷の割合、利用者Uの過去の感情変遷における上位からn番目までの感情変遷の割合などであるが、かかる例に限定されない。
【0090】
感情変遷傾向が一致するとは、例えば、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷、または利用者Uの過去の感情変遷における上位からn番目までの感情変遷などが一致することである。また、感情変遷傾向が類似するとは、例えば、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷の割合、利用者Uの過去の感情変遷における上位からn番目までの感情変遷の割合などが類似することである。
【0091】
なお、情報処理装置1は、要求利用者の感情変遷傾向と一致または類似する感情変遷傾向の投稿利用者であって要求利用者と属性が一致または類似する投稿利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報を、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報として要求利用者に提供する。
【0092】
また、感情変遷傾向は、取引対象のカテゴリ毎の感情変遷傾向であってもよい。情報処理装置1は、要求取引対象のカテゴリにおいて要求利用者の感情変遷傾向と一致または類似する感情変遷傾向の投稿利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報を、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報として要求利用者に提供する。
【0093】
このように、情報処理装置1は、評価対象に対して評価を行った利用者Uに関する情報に基づいて、評価対象を利用する前と後の利用者Uの感情の変遷を推定する。そして、情報処理装置1は、推定した利用者Uの感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、利用者Uによる評価を示す情報を含む利用者評価情報に関連付けて管理する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの評価をより適切に扱うことができる。
【0094】
以下、このような処理を行う情報処理装置1および端末装置2を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0095】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の端末装置2とを含む。
【0096】
複数の端末装置2は、互いに異なる利用者Uによって用いられる。端末装置2は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、ウェアラブルデバイスである。ウェアラブルデバイスは、例えば、スマートグラス、またはスマートウォッチなどであるが、かかる例に限定されない。
【0097】
情報処理装置1と複数の端末装置2とは、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1が複数含まれてもよい。
【0098】
ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)およびLTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの移動体通信網などを含む。
【0099】
端末装置2は、移動体通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0100】
〔3.情報処理装置1の構成〕
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0101】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、端末装置2などとの間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0102】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部11は、利用者情報記憶部20と、取引対象関連情報記憶部21とを有する。
【0103】
〔3.2.1.利用者情報記憶部20〕
利用者情報記憶部20は、利用者Uに関する各種の情報を記憶する。図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
【0104】
図4に示す例では、利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報テーブルは、「利用者ID(Identifier)」、「属性情報」、および「履歴情報」といった項目の情報を含む。
【0105】
「利用者ID」は、利用者Uを識別する識別子であり、利用者U毎に付される情報である。「属性情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの属性を示す属性情報である。利用者Uの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などの複数の属性項目を含む。
【0106】
サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などに関する複数の属性項目を含む。例えば、サイコグラフィック属性における複数の属性項目の各々は、車、服、旅行、ゲーム、キャンプ、バイク、電車、家電、またはパソコンなどといった利用者Uの興味関心を有する対象である。
【0107】
「履歴情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの購入履歴情報、検索履歴情報、閲覧履歴情報、感情履歴情報、移動履歴情報、および生体情報履歴情報などを含む。
【0108】
購入履歴情報には、オンライン、実店舗、または実施設などにおいて利用者Uが購入した取引対象の情報が含まれる。取引対象は、商品、サービスなどである。例えば、購入履歴情報には、利用者Uが購入した取引対象の名称、カテゴリ、購入日時、入手日時などの情報が、利用者Uの購入毎に含まれる。
【0109】
また、検索履歴情報には、例えば、検索サイトでのコンテンツ(例えば、ウェブコンテンツ)の検索履歴の情報、各種のサイト(例えば、ウェブサイト)でのコンテンツの検索履歴の情報などが含まれる。例えば、検索履歴情報には、利用者Uが検索したコンテンツの名称、カテゴリ、検索日時などを示す情報、または利用者Uが検索に用いた検索クエリに含まれる検索キーワードおよび検索日時などを示す情報などが、利用者Uの検索毎に含まれる。
【0110】
閲覧履歴情報は、利用者Uのコンテンツ(例えば、ウェブコンテンツ)の閲覧履歴の情報である。例えば、閲覧履歴情報には、利用者Uが閲覧したコンテンツの名称、カテゴリ、閲覧日時などの情報が、利用者Uの閲覧毎に含まれる。
【0111】
移動履歴情報には、例えば、利用者Uの位置を示す情報とその位置に利用者Uがいるときの日時の情報が含まれる。なお、移動履歴情報には、単位時間における利用者Uの移動態様(例えば、移動、滞在など)、移動範囲、移動距離などを示す情報が単位時間毎に含まれてもよい。また、移動履歴情報には、利用者Uの移動態様が滞在である場合、単位時間において利用者Uが滞在した場所(例えば、自宅、職場、飲食店など)の種別を示す情報などが単位時間毎に含まれてもよい。
【0112】
生体情報履歴情報は、利用者Uの生体情報の履歴の情報である。生体情報は、例えば、利用者Uの生体情報を検出するセンサによって検出された情報である。例えば、生体情報履歴情報には、利用者Uの心拍、脈拍、血圧、瞳孔反応、脳波、および血中酸素濃度などのうちの1つ以上、およびその検出日時などの情報が含まれる。
【0113】
感情履歴情報は、利用者Uの感情情報の履歴の情報である。感情情報には、取引対象の利用前と後の利用者Uの感情の情報が含まれる。感情の情報は、例えば、感情の種別を示す情報である。
【0114】
感情の種別は、例えば、感情が情動であれば、怒り、恐れ、喜び、悲しみなどであり、感情が気分であれば、期待、爽快、憂鬱などであるが、かかる例に限定されず、上述した各種別を複数段階に区分けしたものであってもよい。また、感情の種別は、情動の種別および気分の種別の組み合わせであってもよい。
【0115】
なお、利用者情報には、利用者Uが購入取引対象の利用を開始した日時を示す情報である利用日時情報が含まれていてもよい。利用日時情報は、例えば、利用開始を示す情報である利用開始情報を出力することができる電子機器やアプリケーションプログラムなどが取引対象である場合、取引対象から外部の情報処理装置または情報処理装置1などに送信される利用開始情報に基づいて得られる情報である。
【0116】
〔3.2.2.取引対象関連情報記憶部21〕
取引対象関連情報記憶部21は、取引対象に関する情報である取引対象関連情報を記憶する。図5は、実施形態に係る取引対象関連情報記憶部21に記憶される取引対象関連情報テーブルの一例を示す図である。
【0117】
図5に示す例では、取引対象関連情報記憶部21に記憶される取引対象関連情報テーブルは、「取引対象ID」、「取引対象情報」、「投稿情報」、および「評価管理情報」といった項目の情報を含む。
【0118】
「取引対象ID」は、取引対象を識別する識別子であり、取引対象毎に付される情報である。「取引対象情報」は、「取引対象ID」に対応付けられた取引対象の情報であり、例えば、取引対象の名称、価格、スペック、詳細説明、画像などの情報を含む。
【0119】
「投稿情報」は、「取引対象ID」に対応付けられた取引対象に対して投稿利用者によって投稿された情報であり、例えば、「取引対象ID」に対応付けられた取引対象に対して投稿利用者が行った評価を示す投稿評価情報、「取引対象ID」に対応付けられた取引対象に対する投稿利用者によるレビューの内容を示すレビュー情報などを含む。
【0120】
投稿評価情報は、例えば、取引対象に対する評価値であって投稿利用者によって入力または選択された評価値を示す情報を含む。評価情報で示される評価値は、取引対象に対して1つの評価値であるが、評価項目毎の評価値であってもよい。評価項目は、例えば、取引対象がシャンプーである場合、例えば、使い心地、髪の仕上がり、泡立ち、クリーミーさなどであるが、かかる例に限定されない。
【0121】
レビュー情報は、例えば、投稿利用者による取引対象に対するコメントの情報、投稿利用者によって撮像された取引対象の画像の情報などを含む。なお、取引対象に対するコメントは、取引対象全体に対するコメントに加えて、評価項目毎のコメントを含んでいてもよい。
【0122】
「評価管理情報」は、「取引対象ID」に対応付けられた取引対象に対応する評価管理情報を含む。評価管理情報は、投稿評価情報に感情変遷情報が関連付けられた情報である。感情変遷情報は、処理部12によって推定された投稿利用者の感情の変遷を示す情報を含む。投稿評価情報は、投稿利用者が購入した取引対象である購入取引対象に対する評価を示す情報を含む。
【0123】
投稿評価情報に対する感情変遷情報の関連付けは、感情変遷情報と投稿評価情報との投稿利用者毎の関連付けであってもよく、感情変遷情報の種類への投稿評価情報の関連付けであってもよい。
【0124】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMなどを作業領域として実行されることにより実現される。
【0125】
また、処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)などの集積回路により実現されてもよい。
【0126】
図3に示すように、処理部12は、取得部30と、受付部31と、学習部32と、推定部33と、管理部34と、判定部35と、決定部36と、生成部37と、提供部38とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0127】
〔3.3.1.取得部30〕
取得部30は、種々の情報を取得する。例えば、取得部30は、外部の情報処理装置や端末装置2などから通信部10を介して種々の情報を取得し、取得した種々の情報を記憶部11に記憶させる。
【0128】
また、取得部30は、外部の情報処理装置や端末装置2などから通信部10を介して利用者Uの上述した属性情報や履歴情報などの一部または全部を取得し、取得した利用者Uの属性情報や履歴情報などの一部または全部を利用者情報記憶部20に記憶させる。
【0129】
また、取得部30は、記憶部11から各種の情報を取得する。例えば、取得部30は、利用者Uの情報である利用者情報を利用者情報記憶部20などから取得する。取得部30によって取得される利用者情報は、例えば、上述した属性情報および履歴情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0130】
取得部30は、例えば、受付部31によって投稿情報が受け付けられた場合などにおいて、投稿利用者に関する情報である利用者情報を取得する。受付部31によって投稿情報が受け付けられた場合に取得部30によって取得される利用者情報は、利用前利用者情報と利用後利用者情報とを含む。
【0131】
利用前利用者情報は、投稿利用者による購入取引対象の利用前の投稿利用者に関する情報であり、例えば、投稿利用者による購入取引対象の購入前または入手前の予め定められた期間における投稿利用者に関する情報である。予め定められた期間は、例えば、購入取引対象毎または購入取引対象のカテゴリ毎に異なる期間である。
【0132】
利用後利用者情報は、投稿利用者による購入取引対象の利用後の投稿利用者に関する情報であり、例えば、投稿利用者が購入取引対象を購入または入手した後の期間であって予め定められた期間が経過した後の投稿利用者に関する情報である。予め定められた期間は、例えば、購入取引対象毎または購入取引対象のカテゴリ毎に異なる期間である。
【0133】
利用後利用者情報は、例えば、受付部31によって投稿情報が受け付けられたタイミングである投稿受け付けタイミングよりも前の投稿利用者に関する情報であってもよい。例えば、利用後利用者情報は、投稿利用者による購入取引対象の購入後または入手後から、投稿受け付けタイミングから予め定められた期間前までの期間における投稿利用者に関する情報である。ここでの予め定められた期間は、例えば、購入取引対象毎または購入取引対象のカテゴリ毎に異なる期間である。
【0134】
利用前利用者情報および利用後利用者情報の各々は、例えば、投稿利用者の行動履歴の情報である行動履歴情報、センサによって検出された投稿利用者の情報である検出履歴情報などを含むが、かかる例に限定されず、投稿利用者に関するその他の情報であってもよい。
【0135】
行動履歴情報は、上述したように、検索クエリ履歴情報、閲覧履歴情報、購入履歴情報、レビュー履歴情報などを含む。検索クエリ履歴情報は、情報処理装置1などが提供する検索サービスにおいて投稿利用者が検索に用いた検索キーワードを含む検索クエリの履歴の情報を含む。検出履歴情報は、上述したように、投稿利用者の状態履歴の情報であり、例えば、投稿利用者の生体情報を検出する生体センサによって検出された情報を含む。
【0136】
また、取得部30は、取引対象に関する情報である取引対象関連情報を取引対象関連情報記憶部21などから取得する。取得部30によって取得される取引対象関連情報は、例えば、上述した取引対象情報、投稿情報、および評価管理情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0137】
〔3.3.2.受付部31〕
受付部31は、種々の情報や要求を受け付ける。例えば、受付部31は、外部の情報処理装置や端末装置2などから通信部10を介して情報や要求を受け付ける。
【0138】
例えば、受付部31は、利用者Uの端末装置2から送信される上述した投稿情報を受け付ける。受付部31は、受け付けた投稿情報を取引対象関連情報記憶部21に記憶させる。利用者Uは、端末装置2を操作することで、投稿利用者として、購入した取引対象である購入取引対象に関する評価情報やレビュー情報などを含む投稿情報を端末装置2から情報処理装置1に送信させることができる。
【0139】
また、受付部31は、利用者Uの端末装置2から送信される上述した情報提供要求を受け付ける。利用者Uは、端末装置2を操作することで、要求利用者として、所望する取引対象を特定する情報を含む情報提供要求を含む対を端末装置2から情報処理装置1に送信させることができる。
【0140】
〔3.3.3.学習部32〕
学習部32は、例えば、人に関する情報である人情報から人の感情を推定するように学習された学習モデルを作成する。人情報は、上述したように、例えば、人の行動履歴の情報である行動履歴情報、センサによって検出された人の状態履歴の情報である検出履歴情報などを含む。
【0141】
例えば、学習部32は、人の感情の種別を示す情報と、かかる人の行動や状態に関する情報である人情報から得られる複数の情報とをそれぞれ複数含むデータセットを用いて、上述した学習モデルを作成することができる。
【0142】
感情の種別は、例えば、感情が情動であれば、期待、怒り、恐れ、喜び、悲しみなどであり、感情が気分であれば、期待、爽快、憂鬱などであるが、かかる例に限定されず、上述した各種別を複数段階に区分けしたものであってもよい。また、感情の種別は、情動の種別および気分の種別の組み合わせであってもよい。
【0143】
学習モデルは、例えば、GBDT、ランダムフォレスト、回帰モデル、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。例えば、学習モデルは、単純マルコフ過程(マルコフモデル)などであってもよい。なお、学習モデルで用いられる情報は、次元削減された情報であってもよく、この場合、上述した利用者情報や人情報は、次元削減された情報であってもよく、学習モデルに入力するまえに次元削減を行ってもよい。
【0144】
学習部32は、例えば、取得部30によって取得される利用者情報から得られる複数の情報を学習モデルにおける特徴量として用いられる情報とする。学習部32は、取得部30によって取得される利用者情報から学習モデルにおける特徴量として用いられる情報を抽出する。学習部32は、抽出した複数の情報を用いて学習モデルを機械学習によって作成する。
【0145】
学習モデルにおける特徴量として用いられる情報は、例えば、検出履歴情報や行動履歴情報などから得られる情報である。例えば、学習モデルにおける特徴量として用いられる情報は、検出履歴情報に含まれる生体情報、検索クエリ履歴情報から得られるキーワード情報、閲覧履歴情報から得られる閲覧数情報、購入履歴情報から得られる購入数情報、レビュー履歴情報から得られるレビューワード情報などである。
【0146】
生体情報は、例えば、単位期間当たりの利用者Uの生体情報であり、心拍、脈拍、血圧、血中酸素濃度などの平均値、最大値、または最小値の情報、予め定められた瞳孔反応の出現回数の情報、特定の脳波の出現回数の情報などであるが、かかる例に限定されない。生体情報は、利用者Uの購入取引対象に対する感情に直接または間接的に関係する場合があり、情報処理装置1の処理部12は、生体情報を利用者Uの感情の推定に用いることで、利用者Uの感情を精度よく推定することができる。
【0147】
キーワード情報は、例えば、購入取引対象に関する検索キーワードの情報を含む。購入取引対象に関する検索キーワードの情報は、例えば、利用者Uによる第1検索キーワードの使用数の情報と利用者Uによる第2検索キーワード毎の使用数の情報を含む。
【0148】
第1検索キーワードは、例えば、購入取引対象の名称、型番、またはJANコードなどのように購入取引対象を特定するキーワードである。第2検索キーワードは、第1検索キーワードと同時期に用いられる検索キーワードであって第2検索キーワードである。
【0149】
第2検索キーワードは、例えば、第1検索キーワードと共に同一の検索クエリに含まれる検索キーワード、または利用者Uの端末装置2によって第1検索キーワードを含む検索クエリが送信された前後の予め定められた時間内に同一の利用者Uの端末装置2によって送信された検索クエリに含まれる検索キーワードなどである。
【0150】
第1検索キーワードの使用数が多い場合や使用数が多い第2検索キーワードがポジティブなワードである場合、例えば、利用者Uの購入取引対象に対する期待などが高い場合が多いと思われる。また、使用数が多い第2検索キーワードがネガティブなワードが多い場合、例えば、利用者Uにとって購入取引対象が期待外れなどである場合が多いと思われる。
【0151】
このように、第1検索キーワードや第2検索キーワードは、利用者Uの購入取引対象に対する感情に直接または間接的に関係する場合があり、情報処理装置1の処理部12は、第1検索キーワードの利用数や第2検索キーワードの利用数を利用者Uの感情の推定に用いることで、利用者Uの感情を精度よく推定することができる。
【0152】
閲覧数情報は、利用者Uによる取引対象毎の閲覧数の情報、利用者Uによって閲覧された取引対象のカテゴリ毎の閲覧数の情報などを含むが、かかる例に限定されない。例えば、閲覧数情報は、利用者Uによる取引対象に関するコンテンツ(例えば、Q&Aサイトのコンテンツ)の閲覧数の情報などが含まれてもよく、その他の情報が含まれてもよい。
【0153】
購入数情報は、電子商取引サービスなどにおいて利用者Uが購入した取引対象などの情報を含む。例えば、購入履歴情報は、利用者Uによる取引対象毎の購入数、利用者Uによって購入された取引対象のカテゴリ毎の購入数の情報などを含むが、かかる例に限定されない。
【0154】
閲覧数情報や購入数情報は、利用者Uの購入取引対象に対する感情に直接または間接的に関係する場合があり、情報処理装置1の処理部12は、閲覧数情報や購入数情報を利用者Uの感情の推定に用いることで、利用者Uの感情を精度よく推定することができる。
【0155】
レビューワード情報は、購入取引対象に対する利用者Uのレビュー内容を示すレビュー情報から得られる情報を含む。レビュー情報から得られる情報は、例えば、予め定められたワード毎の出現数などである。予め定められたワードは、例えば、人の感情を直接または間接的に表すワードであり、予め定められた種類のワードである。
【0156】
なお、上述した例では、情報処理装置1の処理部12は、検出履歴情報や行動履歴情報などから、生体情報、キーワード情報、閲覧数情報、購入数情報、レビューワード情報などを得るための処理を行うが、かかる例に限定されない。
【0157】
例えば、生体情報、キーワード情報、閲覧数情報、購入数情報、レビューワード情報などは、利用者情報記憶部20に記憶され取得部30で取得される検出履歴情報や行動履歴情報に含まれる情報であってもよい。
【0158】
また、学習部32は、例えば、感情変遷態様と評価値との関係を感情変遷態様毎に学習した学習モデルである第1推定モデルを作成することもできる。第1推定モデルは、例えば、取引対象毎のモデルであるが、取引対象のカテゴリ毎のモデルであってもよく、すべての取引対象に共通のモデルであってもよい。また、学習部32は、さらに投稿利用者の属性毎の第1推定モデルを作成することもできる。
【0159】
また、学習部32は、例えば、利用前感情と評価値との関係を利用前感情毎に学習した学習モデルである第2推定モデルを作成することもできる。第2推定モデルは、例えば、取引対象毎のモデルであるが、取引対象のカテゴリ毎のモデルであってもよく、すべての取引対象に共通のモデルであってもよい。また、学習部32は、さらに投稿利用者の属性毎の第2推定モデルを作成することもできる。
【0160】
〔3.3.4.推定部33〕
推定部33は、評価対象に対して評価を行った利用者Uを対象利用者とし、かかる対象利用者に関する情報に基づいて、評価対象を利用する前と後の対象利用者の感情の変遷を推定する。推定部33は、例えば、人に関する情報から人の感情を推定するように学習部32によって学習された学習モデルを用いて、評価対象を利用する前と後の利用者Uの感情を感情の変遷として推定する。
【0161】
例えば、推定部33は、取得部30によって取得された利用前利用者情報に基づいて、投稿利用者が購入取引対象を利用する前の投稿利用者の感情を推定する。投稿利用者が購入取引対象を利用する前とは、例えば、投稿利用者が購入取引対象を利用する前の期間である利用前期間である。
【0162】
利用前期間は、例えば、投稿利用者が購入取引対象を購入または入手する前の予め定められた期間であるが、投稿利用者が購入取引対象を利用する前の予め定められた期間であってもよく、その他の期間であってもよい。
【0163】
例えば、推定部33は、取得部30によって取得された利用後利用者情報から得られる複数の情報を学習部32によって作成された学習モデルに入力し、学習モデルから出力される感情の種別の情報に基づいて、購入取引対象を利用した後の投稿利用者の感情を推定する。
【0164】
また、推定部33は、取得部30によって取得された利用後利用者情報に基づいて、投稿利用者が購入取引対象を利用した後の投稿利用者の感情を推定する。投稿利用者が購入取引対象を利用した後とは、投稿利用者が購入取引対象を利用した後の期間である利用後期間である。
【0165】
利用後期間は、例えば、投稿利用者が購入取引対象を購入または入手してから予め定められた期間が経過した後の期間、または投稿受け付けタイミングから予め定められた期間前までの期間であるが、かかる例に限定されない。
【0166】
例えば、推定部33は、取得部30によって取得された利用後利用者情報から得られる複数の情報を学習部32によって作成された学習モデルに入力し、学習モデルから出力される感情の種別の情報に基づいて、購入取引対象を利用した後の投稿利用者の感情を推定する。
【0167】
学習モデルから出力される感情の種別の情報は、例えば、学習モデルから出力される感情の種別を示す情報または学習モデルから出力される感情の種別毎のスコアを示す情報である。学習モデルの出力が感情の種別毎のスコアを示す情報である場合、推定部33は、例えば、スコアが最も高い種別の感情やスコアが閾値以上の種別の感情を、投稿利用者の感情として推定する。
【0168】
利用前利用者情報および利用後利用者情報の各々から得られる複数の情報は、学習モデルにおける特徴量として用いられる情報である。学習モデルにおける特徴量として用いられる情報は、上述したように、例えば、検出履歴情報や行動履歴情報などから得られる情報である。
【0169】
例えば、学習モデルにおける特徴量として用いられる情報は、上述したように、検出履歴情報に含まれる生体情報、検索クエリ履歴情報から得られるキーワード情報、閲覧履歴情報から得られる閲覧数情報、購入履歴情報から得られる購入数情報、レビュー履歴情報から得られるレビューワード情報などであるが、かかる例に限定されない。
【0170】
また、推定部33は、例えば、情報提供要求がある場合に、要求利用者の情報である要求利用者情報に基づいて、要求利用者の現在の感情を推定することができる。要求利用者情報は、例えば、現在から予め定められた期間前までの期間における要求利用者の情報である。
【0171】
要求利用者情報は、上述した利用者情報や人情報と同様の情報であり、例えば、要求利用者の行動履歴の情報である行動履歴情報、センサによって検出された要求利用者の状態履歴の情報である検出履歴情報などを含む。
【0172】
推定部33は、要求利用者情報から得られる複数の情報を学習部32によって作成された学習モデルに入力し、学習モデルから出力される感情の種別の情報に基づいて、要求利用者の現在の感情を推定する。
【0173】
なお、上述した例では、推定部33は、学習モデルを用いて、購入取引対象を利用する前と後との投稿利用者の感情を推定するが、学習モデルを用いずに、ルールベースで購入取引対象を利用する前と後との投稿利用者の感情を推定することもできる。
【0174】
例えば、推定部33は、心拍、脈拍、血圧、血中酸素濃度などの平均値、最大値、または最小値、予め定められた瞳孔反応の出現回数、特定の脳波の出現回数、第1検索キーワードの使用数、第2検索キーワード毎の使用数、取引対象毎の閲覧数、カテゴリ毎の閲覧数、取引対象毎の購入数、カテゴリ毎の購入数、レビューにおける各特定ワードの数のうちの2以上を感情の種類毎に異なる重み付け加算した結果である加算結果のうち最も大きな加算結果に対応する感情または閾値以上の加算結果に対応する感情を、投稿利用者の感情を推定することもできる。
【0175】
〔3.3.5.管理部34〕
管理部34は、推定部33によって推定された投稿利用者の感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、投稿利用者による評価を示す情報を含む投稿評価情報に関連付けて記憶部11に記憶させることによって、管理対象情報を管理する。管理対象情報は、投稿評価情報に感情変遷情報が関連付けられた情報を含む。
【0176】
投稿評価情報に対する感情変遷情報の関連付けは、感情変遷情報と投稿評価情報との投稿利用者毎の関連付けであってもよく、対応する感情変遷情報の種類への投稿評価情報の関連付けであってもよい。
【0177】
感情変遷情報の種類は、利用前感情から利用後感情への変遷の態様の種類であり、利用前感情と利用後感情との組み合わせで表される。例えば、感情変遷情報は、「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」、「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」などの種類で表される。
【0178】
管理部34は、例えば、感情変遷情報と投稿評価情報とを関連付けた投稿評価情報毎の情報を評価管理情報の一部または全部として内部の記憶部に記憶させたり、投稿評価情報を対応する感情変遷情報の種類に関連付けた感情変遷情報の種類毎の情報を評価管理情報の一部または全部として内部の記憶部に記憶させたりする。これにより、管理部34は、複数の投稿利用者の各々の購入取引対象に対する評価を示す情報が感情変遷情報に関連付けて管理することができる。
【0179】
〔3.3.6.判定部35〕
判定部35は、利用者Uによる過去の取引対象の利用前後の感情の変遷の傾向である感情変遷傾向を利用者U毎に判定する。例えば、判定部35は、要求利用者による過去の取引対象の利用前後の感情の変遷の傾向である感情変遷傾向を判定する。
【0180】
判定部35は、例えば、推定部33による推定結果または取得部30によって取得された利用者Uの感情の情報などに基づいて、利用者Uによる過去の取引対象の利用前後の感情の変遷を判定する。
【0181】
感情変遷傾向は、例えば、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷、利用者Uの過去の感情変遷における上位からn(nは2以上の整数)番目までの感情変遷、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷の割合、利用者Uの過去の感情変遷における上位からn番目までの感情変遷の割合などであるが、かかる例に限定されない。
【0182】
感情変遷傾向は、取引対象のカテゴリ毎の感情変遷傾向であってもよい。この場合、判定部35は、例えば、推定部33による推定結果または取得部30によって取得された利用者Uの感情の情報などに基づいて、利用者Uによる過去の取引対象のカテゴリ毎の利用前後の感情の変遷を判定する。
【0183】
また、判定部35は、感情変遷態様毎の評価値の傾向や利用前感情毎の評価値の傾向を判定することができる。感情変遷態様毎の評価値の傾向とは、どのような感情変遷態様であれば評価値が基準評価値からどのように変わりやすいかを示し、利用前感情毎の評価値の傾向は、例えば、どのような利用前感情であれば評価値が基準評価値からどのように変わりやすいかを示す。
【0184】
例えば、判定部35は、複数の利用者Uによる取引対象に対する評価値の平均値を基準評価値として算出し、さらに、感情変遷態様毎の評価値の平均値と利用前感情毎の評価値の平均値とを算出する。
【0185】
そして、判定部35は、感情変遷態様毎の評価値の平均値と基準評価値との差異である第1評価値差を算出する。感情変遷態様毎の第1評価値差によって、どのような感情変遷態様であれば評価値が基準評価値からどのように変わりやすいかを把握することができる。
【0186】
また、判定部35は、利用前感情毎の評価値の平均値と基準評価値との差異である第2評価値差を算出する。利用前感情毎の第2評価値差によって、どのような利用前感情であれば評価値が基準評価値からどのように変わりやすいかを把握することができる。
【0187】
〔3.3.7.決定部36〕
決定部36は、評価対象に対する評価を決定する。例えば、決定部36は、推定部33によって推定された感情の変遷の態様に基づいて、評価対象に対する評価を決定する。
【0188】
決定部36は、利用者Uの感情変遷態様毎に、各取引対象に対する評価を決定することができる。例えば、決定部36は、感情変遷態様が「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価値の平均値を感情変遷態様「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」での総合評価値として決定する。そして、決定部36は、かかる総合評価値の情報を感情変遷態様「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」での購入取引対象に対する評価に関する情報として決定する。
【0189】
また、決定部36は、感情変遷態様が「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価値の平均値を感情変遷態様「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」での総合評価値として決定する。そして、決定部36は、かかる総合評価値の情報を感情変遷態様「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」での購入取引対象に対する評価に関する情報として決定する。
【0190】
また、決定部36は、投稿利用者の利用前感情毎に購入取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を生成することもできる。例えば、決定部36は、利用前感情が「期待」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価値の平均値を利用前感情「期待」での総合評価値として決定する。そして、決定部36は、かかる総合評価値の情報を利用前感情「期待」での購入取引対象に対する評価に関する情報として決定する。
【0191】
また、決定部36は、利用前感情が「期待なし」である投稿利用者の購入取引対象に対する評価値の平均値を利用前感情「期待なし」での総合評価値として決定する。そして、決定部36は、かかる総合評価値の情報を利用前感情「期待なし」での購入取引対象に対する評価に関する情報として決定する。
【0192】
また、決定部36は、複数の利用者Uによる取引対象に対する評価値の平均値を基準評価値とし、かかる基準評価値と感情変遷態様毎の評価値または利用前感情毎の評価値とに基づいて、総合評価値を算出することもできる。
【0193】
例えば、決定部36は、感情変遷態様毎の評価値の平均値を算出し、感情変遷態様毎の評価値の平均値と基準評価値との差異である第1評価値差を算出する。また、決定部36は、感情変遷態様の出現割合を感情変遷態様毎に算出する。
【0194】
そして、決定部36は、出現割合が閾値以下の感情変遷態様を除いた複数の感情変遷態様の利用者Uの評価値の平均値を総合評価値としたり、出現割合が低い順にm(mは2以上の整数)番目までの感情変遷態様を除いた複数の感情変遷態様の利用者Uの評価値の平均値を総合評価値としたりする。
【0195】
また、決定部36は、感情変遷態様の出現割合に応じた調整値で、感情変遷態様毎の評価値の平均値を調整することができる。例えば、情報処理装置1は、出現割合が少ない感情変遷態様ほど調整値を大きくすることもできる。
【0196】
また、決定部36は、複数の利用者Uによる取引対象に対する評価値の平均値を基準評価値として算出し、さらに、感情変遷態様毎の評価値の平均値と利用前感情毎の評価値の平均値とを算出する。そして、決定部36は、感情変遷態様毎の評価値の平均値と基準評価値との差異である第1評価値差を算出し、利用前感情毎の評価値の平均値と基準評価値との差異である第2評価値差を算出する。
【0197】
決定部36は、感情変遷態様毎の第1評価値差に基づいて、感情変遷態様毎の評価値の平均値を調整することができる。例えば、決定部36は、出現割合が最も多い感情変遷態様の第1評価値差が第1閾値Th1以下である場合、出現割合が最も多い感情変遷態様の評価値の平均値を増加させる調整を行う。また、決定部36は、例えば、出現割合が最も多い感情変遷態様の第1評価値差が第2閾値Th2以上である場合、出現割合が最も多い感情変遷態様の評価値の平均値を減少させる調整を行う。
【0198】
また、決定部36は、利用前感情毎の第2評価値差に基づいて、利用前感情毎の評価値の平均値を調整することができる。例えば、決定部36は、出現割合が最も多い利用前感情の第2評価値差が第3閾値Th3以下である場合、出現割合が最も多い利用前感情の評価値の平均値を増加させる調整を行う。また、決定部36は、例えば、出現割合が最も多い利用前感情の第1評価値差が第4閾値Th4以上である場合、出現割合が最も多い利用前感情の評価値の平均値を減少させる調整を行う。
【0199】
〔3.3.8.生成部37〕
生成部37は、取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を取引対象毎に生成する。
【0200】
例えば、生成部37は、推定部33によって推定された各利用者の感情変遷態様毎に、取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を取引対象毎に生成する。
【0201】
例えば、感情変遷態様が「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である利用者Uの取引対象に対する評価は、感情変遷態様が「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である利用者Uの取引対象に対する評価よりも低い場合が多い。このように、感情変遷態様の種類によって、取引対象に対する評価の傾向が異なる。
【0202】
そこで、生成部37は、利用者Uの感情変遷態様毎に取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を生成する。取引対象に対する評価に関する情報は、例えば、取引対象に対して1つの評価値を示す情報である。例えば、生成部37は、決定部36によって感情変遷態様毎に決定された総合評価値の情報を含む評価情報を感情変遷態様毎に生成する。
【0203】
また、生成部37は、利用者Uの利用前感情毎に取引対象に対する評価に関する情報を含む評価情報を生成する処理を取引対象毎に行う。例えば、生成部37は、利用前感情毎に決定部36によって決定された総合評価値の情報を含む評価情報を利用前感情毎に行う。
【0204】
また、生成部37は、例えば、感情変遷態様毎の総合評価値を示す情報や利用前感情毎の総合評価値を示す情報を含む評価情報を購入取引対象毎に生成することもできる。この場合、生成部37は、例えば、感情変遷態様と投稿利用者の属性との組み合わせ毎の総合評価値を示す情報を含む評価情報を生成したり、利用前感情報と投稿利用者の属性との組み合わせ毎の総合評価値を示す情報を含む評価情報を生成したりすることができる。
【0205】
また、生成部37は、第1評価値差や第2評価値差の大きさが大きいほど、評価情報に含まれるレビュー内容の表現を緩和した表現に変更したり、評価情報に注釈を追加したりすることができる。また、生成部37は、感情変遷態様毎の出現割合を示す情報を注釈として追加したり、利用前感情毎の出現割合を示す情報を注釈として注釈を追加したりすることもできる。
【0206】
〔3.3.9.提供部38〕
提供部38は、利用者Uに種々の情報を提供する。例えば、提供部38は、推定部33によって推定された前記感情の変遷の態様毎に、前記評価に関する情報を含む評価情報を提供する。
【0207】
例えば、提供部38は、生成部37によって生成された評価情報を含む提供情報を利用者Uの端末装置2に通信部10を介して送信することによって、提供情報を利用者Uに提供する。
【0208】
例えば、提供部38は、受付部31によって情報提供要求が受け付けられた場合に、情報提供要求元となる利用者Uである要求利用者の現在の感情に対応する評価情報を含む提供情報を要求利用者の端末装置2に送信することで、提供情報を要求利用者に提供する。
【0209】
提供部38は、例えば、受付部31によって受け付けられた情報提供要求で特定される取引対象である要求取引対象の評価情報であって生成部37によって生成された利用前感情毎の評価情報のうち、推定部33によって推定された要求利用者の現在の感情に対応する評価情報を含む提供情報を要求利用者に提供する。
【0210】
要求利用者の現在の感情に対応する評価情報は、例えば、要求利用者の現在の感情が「期待」である場合、感情変遷態様が「期待(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である利用者Uの要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報である。
【0211】
これにより、提供部38は、要求取引対象に対して期待を持っている要求利用者に対して、同様の感情を持って要求取引対象を購入した利用者Uによる評価を示す情報を提供することができ、要求利用者に対して、より適切な評価情報を提供することができる。
【0212】
また、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報は、例えば、要求利用者の現在の感情が「期待なし」である場合、感情変遷態様が「期待なし(利用前感情)⇒悲しみ(利用後感情)」である利用者Uの要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報である。
【0213】
これにより、提供部38は、要求取引対象に対して期待を持っていない要求利用者に対して、同様の感情を持って要求取引対象を購入した利用者Uによる評価を示す情報を提供することができ、要求利用者に対して、より適切な評価情報を提供することができる。
【0214】
また、提供部38は、要求利用者による過去の取引対象の利用前後の感情の変遷の傾向である感情変遷傾向に応じた評価情報を要求利用者に提供することもできる。提供部38は、例えば、判定部35によって判定された要求利用者の感情変遷傾向に基づいて、要求利用者の感情変遷傾向に応じた評価情報を要求利用者に提供する。
【0215】
例えば、提供部38は、要求利用者の感情変遷傾向が一致または類似する感情変遷傾向の利用者Uである対応利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報を、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報として要求利用者に提供する。対応利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価は、例えば、対応利用者の要求取引対象に対する評価値の平均値である。
【0216】
感情変遷傾向は、例えば、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷、利用者Uの過去の感情変遷における上位からn(nは2以上の整数)番目までの感情変遷、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷の割合、利用者Uの過去の感情変遷における上位からn番目までの感情変遷の割合などであるが、かかる例に限定されない。
【0217】
感情変遷傾向が一致するとは、例えば、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷、または利用者Uの過去の感情変遷における上位からn番目までの感情変遷などが一致することである。また、感情変遷傾向が類似するとは、例えば、利用者Uの過去の感情変遷において最も多い感情変遷の割合、利用者Uの過去の感情変遷における上位からn番目までの感情変遷の割合などが類似することである。
【0218】
なお、提供部38は、要求利用者の感情変遷傾向と一致または類似する感情変遷傾向の投稿利用者であって要求利用者と属性が一致または類似する投稿利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報を、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報として要求利用者に提供することもできる。
【0219】
また、感情変遷傾向は、取引対象のカテゴリ毎の感情変遷傾向であってもよい。この場合、提供部38は、要求取引対象のカテゴリにおいて要求利用者の感情変遷傾向と一致または類似する感情変遷傾向の利用者Uである投稿利用者の要求取引対象に対する評価値に基づく総合評価値を含む評価情報を、要求利用者の現在の感情に対応する評価情報として要求利用者に提供することができる。
【0220】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0221】
図6に示すように、情報処理装置1の処理部12は、端末装置2から送信された投稿情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。処理部12は、投稿情報を受け付けたと判定した場合(ステップS10:Yes)、受け付けた投稿情報を記憶部11に記憶させる(ステップS11)。
【0222】
つづいて、処理部12は、投稿情報の対象となる投稿取引対象を利用する前と後の投稿利用者の感情の変遷を推定する(ステップS12)。そして、処理部12は、投稿評価情報に感情変遷情報を関連付けた情報に基づいて、管理対象情報を更新する(ステップS13)。
【0223】
処理部12は、ステップS13の処理が終了した場合、または投稿情報を受け付けていないと判定した場合(ステップS10:No)、評価管理情報更新タイミングになったか否かを判定する(ステップS14)。処理部12は、評価管理情報更新タイミングになったと判定した場合(ステップS14:Yes)、評価管理情報の更新処理を開始する(ステップS15)。ステップS15の処理は、図7に示すステップS20~S22の処理であり、後で詳述する。
【0224】
処理部12は、ステップS16の処理が終了した場合、または評価管理情報更新タイミングになっていないと判定した場合(ステップS14:No)、端末装置2から送信された情報送信要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS16)。
【0225】
処理部12は、情報送信要求を受け付けたと判定した場合(ステップS16:Yes)、送信要求者の現在の感情を推定する(ステップS17)。そして、処理部12は、送信要求者の現在の感情に応じた評価情報を含む提案情報を提供する(ステップS18)。
【0226】
処理部12は、ステップS18の処理が終了した場合、または情報送信要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS16:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS19)。処理部12は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合、または情報処理装置1の不図示の操作部への操作によって終了操作が行われたと判定した場合に、動作終了タイミングになったと判定する。
【0227】
処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS19:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS19:Yes)、図6に示す処理を終了する。
【0228】
図7は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による評価管理情報の更新処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、処理部12は、記憶部11から評価管理情報を取得する(ステップS20)。
【0229】
つづいて、処理部12は、評価管理情報に基づいて、感情変遷態様毎の総合評価値を算出する(ステップS21)。そして、処理部12は、ステップS21で算出した感情変遷態様毎の総合評価値に基づいて、感情変遷態様毎の評価情報を生成して(ステップS22)、図7に示す処理を終了する。
【0230】
〔5.変形例〕
評価対象となる取引対象は、動画コンテンツ、音楽コンテンツ、試供品などであってもよく、この場合、取引対象の利用は、動画コンテンツの視聴、音楽コンテンツの視聴、試供品の使用などであってもよい。
【0231】
また、上述した利用者Uによる取引対象の利用前の感情は、利用者Uによる取引対象の利用前の感情の変遷を含んでいてもよい。
【0232】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。図8は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0233】
CPU81は、ROM83
またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0234】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0235】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0236】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0237】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0238】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0239】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0240】
例えば、上述した情報処理装置1は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0241】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0242】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、推定部33と、管理部34とを備える。推定部33は、評価対象に対して評価を行った利用者Uに関する情報に基づいて、評価対象を利用する前と後の利用者Uの感情の変遷を推定する。管理部34は、推定部33によって推定された利用者Uの感情の変遷を示す情報を含む感情変遷情報を、利用者Uによる評価を示す情報を含む利用者評価情報に関連付けて管理する。これにより、情報処理装置1は、利用者の評価をより適切に扱うことができる。
【0243】
また、情報処理装置1は、推定部33によって推定された感情の変遷の態様毎に、評価に関する情報を含む評価情報を提供する提供部38を備える。これにより、情報処理装置1は、利用者の評価をより適切に扱うことができる。
【0244】
また、情報処理装置1は、推定部33によって推定された感情の変遷の態様に基づいて、評価対象に対する評価を決定する決定部36を備える。これにより、情報処理装置1は、利用者の評価をより適切に扱うことができる。
【0245】
また、推定部33は、人に関する情報から人の感情を推定するように学習された学習モデルを用いて、評価対象を利用する前と後の利用者Uの感情を感情の変遷として推定する。これにより、情報処理装置1は、利用者の評価をより適切に扱うことができる。
【0246】
また、推定部33は、利用者Uの評価対象に対するレビューの情報に基づいて、評価対象の利用後の利用者Uの感情の変遷を推定する。これにより、情報処理装置1は、利用者の評価をより適切に扱うことができる。
【0247】
また、推定部33は、評価対象に関する検索履歴の情報に基づいて、利用者Uの感情の変遷を推定する。これにより、情報処理装置1は、利用者の評価をより適切に扱うことができる。
【0248】
また、推定部33は、検索履歴の情報に含まれる検索キーワードの情報に基づいて、利用者Uの感情の変遷を推定する。これにより、情報処理装置1は、利用者の評価をより適切に扱うことができる。
【0249】
また、推定部33は、利用者Uの生体情報を検出するセンサによって検出された情報に基づいて、利用者Uの感情を推定する。これにより、情報処理装置1は、利用者の評価をより適切に扱うことができる。
【0250】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0251】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0252】
1 情報処理装置
2,2A,2B 端末装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 利用者情報記憶部
21 取引対象関連情報記憶部
30 取得部
31 受付部
32 学習部
33 推定部
34 管理部
35 判定部
36 決定部
37 生成部
38 提供部
100 情報処理システム
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8