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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118390
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】コーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/46 20060101AFI20240823BHJP
   A47J 31/52 20060101ALI20240823BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20240823BHJP
   A47J 31/60 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
A47J31/46 115
A47J31/52
A47J31/40 102
A47J31/40 107
A47J31/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040203
(22)【出願日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】10-2023-0022013
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521340067
【氏名又は名称】株式会社B.L.I
【氏名又は名称原語表記】B.L.I. CO.,LTD
(71)【出願人】
【識別番号】511189492
【氏名又は名称】富士山の銘水株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122312
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 正優
(72)【発明者】
【氏名】ソ ギョンア
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA19
4B104AA20
4B104BA15
4B104BA18
4B104BA20
4B104BA21
4B104BA34
4B104BA35
4B104BA43
4B104BA81
4B104BA82
4B104CA02
4B104CA07
4B104CA11
4B104CA13
4B104CA24
4B104DA37
4B104DA44
4B104DA45
4B104DA54
4B104DA58
4B104EA33
4B104EA34
(57)【要約】
【課題】ユーザーの趣向によって水の量を容易に調節し、飲料の種類に合わせて水の温度を予め設定された適正な温度に迅速に自動的に調節するだけでなく、浄水機能を備えたコーヒーメーカーを提供する。
【解決手段】 コーヒー、紅茶及び緑茶を選択的に抽出するコーヒーメーカーは、制御パネルの裏面に配置され、原水ポンプ、流量センサー、流量調節バルブ、瞬間温水モジュール及び制御パネルと有無線通信で連結され、制御信号を送受信することによってユーザーの選択に合わせて飲料の出水量を段階別に自動的に調節し、ユーザーが選択した飲料によって飲料の出水温度を予め設定された温度に自動的に調節する制御部を含む。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー、紅茶及び緑茶を選択的に抽出するコーヒーメーカーであって、
飲料抽出用原水を貯蔵して供給する原水タンクと、
前記原水タンクから供給される原水を加圧した後で浄水用フィルターに供給する原水ポンプと、
前記原水ポンプから供給される原水をろ過させ、浄水を生成する浄水フィルターと、
前記浄水フィルターを経てろ過された浄水の流量を測定する流量センサーと、
前記流量センサーを経て供給される浄水の流量を調節する流量調節バルブと、
前記流量調節バルブを経て供給される浄水を加熱した後でコーヒーホルダーに供給する瞬間温水モジュールと、
前記瞬間温水モジュールによって加熱された温水を用いて飲料を抽出する前記コーヒーホルダーと、
前記コーヒーメーカーのハウジングの外側に配置され、操作ボタン及び表示パネルを含む制御パネルと、
前記制御パネルの裏面に配置され、前記原水ポンプ、前記流量センサー、前記流量調節バルブ、前記瞬間温水モジュール及び前記制御パネルと有無線通信で連結され、制御信号を送受信することによってユーザーの選択に合わせて飲料の出水量を段階別に自動的に調節し、前記ユーザーが選択した飲料によって飲料の出水温度を予め設定された温度に自動的に調節する制御部と、
を含むことを特徴とする、コーヒーメーカー。
【請求項2】
前記瞬間温水モジュールは、互いに向き合って配置された2枚の面状発熱体の間に流路を配置したRuthenoxヒーターであって、
1,270Wの電力を加えることによって前記Ruthenoxヒーター内の流路を流動する浄水を加熱することを特徴とする、請求項1に記載のコーヒーメーカー。
【請求項3】
前記流量調節バルブと前記瞬間温水モジュールとを連結する流路には、前記瞬間温水モジュールで加熱された温水の逆流を防止するためのチェックバルブがさらに備えられ、
前記瞬間温水モジュールと前記コーヒーホルダーとを連結する流路には出水流路転換バルブがさらに備えられ、
前記出水流路転換バルブは、前記制御部によって制御される電動式三方バルブであることを特徴とする、請求項1に記載のコーヒーメーカー。
【請求項4】
前記出水流路転換バルブの一側に分岐される流路には、エアポンプがさらに連結され、飲料出水が完了した後、前記出水流路転換バルブから前記コーヒーホルダーを経て前記コーヒーホルダーの下面に形成されたコーヒー出水口に至る流路に残留する残水を除去するように圧縮空気を送出することを特徴とする、請求項3に記載のコーヒーメーカー。
【請求項5】
前記エアポンプにはエアドレンチューブが連結され、残水の除去後に残っている残圧を外部に排出させることを特徴とする、請求項4に記載のコーヒーメーカー。
【請求項6】
前記原水タンクは着脱式タンクで構成され、
前記原水タンクが装着される原水タンク収納部の上面には、前記原水タンクの重量を感知できる荷重センサーがさらに備えられ、
前記原水タンクの出水口から前記流量センサーの入水口までの流路には、原水又は浄水の水温を測定する温度センサーがさらに備えられることを特徴とする、請求項1に記載のコーヒーメーカー。
【請求項7】
前記コーヒーホルダーの内側には、飲料抽出用カプセル又はカートリッジを感知するカプセル感知センサーがさらに備えられ、
前記コーヒーホルダーの下部に形成されたコーヒー出水口の下方に出水口延長パイプが付加され、
前記出水口延長パイプの上端には、出水する飲料の温度を感知する温度センサーが配置され、
出水する飲料の温度が予め設定された温度より低い場合は、出水する飲料をさらに加熱するための面状発熱体が前記出水口延長パイプの内面に円筒状に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のコーヒーメーカー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒーメーカーに関し、より詳細には、ユーザーの趣向によって水の量を調節し、飲料の種類に合わせて水の温度を予め設定された適正な温度に自動的に調節する浄水機能を備えたコーヒーメーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーの飲用人口及び消費量が増加するにつれて、コーヒーメーカー又はコーヒーマシンと称される飲料抽出機の供給が増加している。
【0003】
これと関連して、大韓民国登録特許公報第10-1077204号(2011.10.27.公告)には「コーヒーマシン」が開示されているが、これは、コーヒー豆を圧着し、これに温水を通過させることによってコーヒー原液を抽出する原液抽出機10、常温の原水を加熱した後で前記原液抽出機10に供給する温水供給手段及び添加物供給手段を含んで構成される。
【0004】
また、大韓民国登録特許公報第10-1075791号(2011.10.20.公告)には「カプセル式コーヒーマシンの作動システム」が開示されているが、これは、水槽20、ポンプ50、ヒーター60及びコーヒー抽出装置30などを含んで構成される。
【0005】
上記のような従来技術においては、水をヒーターで加熱させ、生成した温水をコーヒー粉末やコーヒーカプセルに通過させることによってコーヒーを抽出する構成であって、ユーザーが手動で水の量を調節しながらコーヒーの濃度を調節しなければならないので、使用上の煩雑さがあり、コーヒーを適正な温度に正確に合わせたり、コーヒーの濃度をユーザーの趣向に合わせて正確に調節できないという問題があった。そして、従来技術においては、温水を生成するためのヒーターとして、通常、シースヒーター又はバンドヒーターを用いるので、最初の加熱時間が長くかかり、温度の調節が難しいという問題があり、水道水の飲用を憚る人々のためには、浄水器から浄水された水を供給したり、生水を供給しなければならないという不便さもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第10-1077204号
【特許文献2】大韓民国登録特許公報第10-1075791号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであって、ユーザーの趣向によって水の量を容易に調節し、飲料の種類に合わせて水の温度を予め設定された適正な温度に迅速に自動的に調節するだけでなく、浄水機能を備えたコーヒーメーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコーヒーメーカーは、次のような特徴を有する。
コーヒー、紅茶及び緑茶を選択的に抽出するコーヒーメーカーであって、飲料抽出用原水を貯蔵して供給する原水タンク10;前記原水タンク10から供給される原水を加圧した後で浄水用フィルターに供給する原水ポンプ20;前記原水ポンプ20から供給される原水をろ過させ、浄水を生成する浄水フィルター30;前記浄水フィルター30を経てろ過された浄水の流量を測定する流量センサー50;前記流量センサー50を経て供給される浄水の流量を調節する流量調節バルブ60;前記流量調節バルブ60を経て供給される浄水を加熱した後でコーヒーホルダー100に供給する瞬間温水モジュール80;前記瞬間温水モジュール80によって加熱された温水を用いて飲料を抽出するコーヒーホルダー100;前記コーヒーメーカーのハウジングの外側に配置され、操作ボタン及び表示パネルを含む制御パネル160;及び前記制御パネル160の裏面に配置され、前記原水ポンプ20、流量センサー50、流量調節バルブ60、瞬間温水モジュール80、及び制御パネル160と有無線通信で連結され、制御信号を送受信することによって、ユーザーの選択に合わせて飲料の出水量を段階別に自動的に調節し、ユーザーが選択した飲料によって飲料の出水温度を予め設定された温度に自動的に調節する制御部150;を含むことを特徴とする。
【0009】
前記瞬間温水モジュール80は、互いに向き合って配置された2枚の面状発熱体の間に流路を配置したRuthenoxヒーターであって、1,270Wの電力を加えることによって、前記Ruthenoxヒーター内の流路を流動する浄水を加熱することを特徴とする。
【0010】
前記流量調節バルブ60と瞬間温水モジュール80とを連結する流路には、前記瞬間温水モジュール80で加熱された温水の逆流を防止するためのチェックバルブ70がさらに備えられ、前記瞬間温水モジュール80とコーヒーホルダー100とを連結する流路には出水流路転換バルブ90がさらに備えられ、前記出水流路転換バルブ90は、前記制御部150によって制御される電動式三方バルブであることを特徴とする。
【0011】
前記出水流路転換バルブ90の一側に分岐される流路にはエアポンプ130がさらに連結され、飲料の出水が完了した後、前記出水流路転換バルブ90から前記コーヒーホルダー100を経て前記コーヒーホルダー100の下面に形成されたコーヒー出水口110に至る流路に残留する残水を除去するように圧縮空気を送出することを特徴とする。
【0012】
前記エアポンプ130にはエアドレンチューブ140が連結され、残水の除去後に残っている残圧を外部に排出させることを特徴とする。
【0013】
前記原水タンク10は着脱式タンクで構成され、前記原水タンク10が装着される原水タンク収納部の上面には、前記原水タンク10の重量を感知できる荷重センサーがさらに備えられ、前記原水タンク10の出水口から前記流量センサー50の入水口までの流路には、原水又は浄水の水温を測定する温度センサーがさらに備えられることを特徴とする。
【0014】
前記コーヒーホルダー100の内側には、飲料抽出用カプセル又はカートリッジを感知するカプセル感知センサーがさらに備えられ、前記コーヒーホルダー100の下部に形成されたコーヒー出水口110の下方に出水口延長パイプが付加され、前記出水口延長パイプの上端には、出水する飲料の温度を感知する温度センサーが配置され、出水する飲料の温度が予め設定された温度より低い場合は、出水する飲料をさらに加熱するための面状発熱体が前記出水口延長パイプの内面に円筒状に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるコーヒーメーカーは、コーヒー、紅茶、及び緑茶を選択的に抽出し、飲料抽出用水として浄水フィルターを経てろ過された浄水を提供し、瞬間温水モジュールとしてRuthenoxヒーターを適用することによって、加熱待機時間を短縮するだけでなく、ユーザーの選択に合わせて飲料の出水量を段階別に自動的に調節し、ユーザーが選択した飲料によって飲料の出水温度を予め設定された温度に自動的に調節するコーヒーメーカーを提供するので、ユーザーの便宜性が向上する効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術によるコーヒーマシンの流路構成を示した展開図である。
図2】従来技術によるカプセル式コーヒーマシンの構成図である。
図3】本発明によるコーヒーメーカーの外観斜視図である。
図4】本発明によるコーヒーメーカーの主要構成を示すためにハウジングを除去した状態を示した部分斜視図である。
図5】本発明によるコーヒーメーカーの主要構成を示すためにハウジング及び原水タンクを除去した状態を示した左側部分斜視図である。
図6】本発明によるコーヒーメーカーの主要構成を示したブロック図である。
図7】本発明によるコーヒーメーカーの制御パネルの構成を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態に係るコーヒーメーカーに対して詳細に説明する。従来の周知の事項に対する説明は、本発明の要旨を明確にするために省略・簡単にする。
【0018】
本発明のコーヒーメーカーにおいては、図3に示したように、スタンド型ハウジングの上部に制御パネル160が配置され、ハウジングの正面中央部には凹溝部が形成され、前記凹溝部の底面には、出水するコーヒーを受けるためのカップが載置されるカップ載置台120が形成され、前記凹溝部の上面には、コーヒーカプセルを収容し、温水を通過させることによってコーヒーを抽出するコーヒーホルダー100が装着され、前記コーヒーホルダーの下側には、抽出されたコーヒーがコーヒーホルダー100の外部に出水するコーヒー出水口110が形成される。
【0019】
そして、前記ハウジングの内側には、図4図6に示したように、飲料抽出用原水を貯蔵して供給する原水タンク10、前記原水タンク10から供給される原水を加圧した後で浄水用フィルターに供給する原水ポンプ20、前記原水ポンプ20から供給される原水をろ過させ、浄水を生成する浄水フィルター30、前記浄水フィルター30を経てろ過された浄水の流量を測定する流量センサー50、前記流量センサー50を経て供給される浄水の流量を調節する流量調節バルブ60、前記流量調節バルブ60を経て供給される浄水を加熱した後で前記コーヒーホルダー100に供給する瞬間温水モジュール80が配置され、前記制御パネル160の裏面には、当該コーヒーメーカーの各部の動作を制御する制御部150が装着される。
【0020】
本発明のコーヒーメーカーの構成を各構成要素別に説明すると、次の通りである。
まず、前記制御パネル160の上面と同一平面をなすハウジングの上面に開閉可能にカバーが装着され、前記カバーの内側には、前記原水タンク10が着脱可能に装着される原水タンク収納部が設置される。
【0021】
前記原水タンク10は、図4に示したように、上面に開閉型開閉蓋が装着された原水注入口が備えられた筒状の容器であって、その底面には、当該原水タンク10に貯蔵された原水が外部に出水する出水口が形成され、前記出水口には、前記原水タンク10内に貯蔵された原水の出水を遮断又は許容する開閉バルブが設置される。前記開閉バルブは、前記着脱式原水タンク10がコーヒーメーカーの原水タンク収納部から分離された状態ではコイルスプリングの弾性力によってバルブ体がバルブシートに密着することによって流路が閉鎖され、原水の出水が遮断される一方で、前記着脱式原水タンク10がコーヒーメーカーの原水タンク収納部に装着されると、前記バルブ体の底面中央部から垂直下方に延長されて形成された棒型バルブロッドの下端面が、前記コーヒーメーカーの内部に設置されたバルブ開放突起によって上側に押されることによって前記バルブ体が前記バルブシートから離隔し、流路が開放され、原水が出水する構造で形成される。
【0022】
一方、前記原水タンク収納部の上面には、前記原水タンク10の重量を感知できる荷重センサーが配置される。前記荷重センサーとしてはロードセル(load cell)を適用して原水タンク10の重量を計測し、その結果を制御部150に伝送することによって、原水タンク10内に貯蔵された原水の量を把握し、原水を補充するようにユーザーに告知できるようにする。
【0023】
また、前記原水タンク10の出水口から出水した原水は、自重によって落下し、前記原水タンク10の下側に配置された原水ポンプ20に入水して加圧され、前記原水ポンプ20によって加圧された原水は、前記原水ポンプ20より上側に配置された浄水フィルター30に供給されるが、前記原水ポンプ20としては、ダイヤフラムポンプ(Diaphragm Pump)を適用する。
【0024】
このように、本発明は、原水ポンプ20の加圧力で原水を浄水フィルター30に移動及びろ過させる構造であって、ユーザーが出水するときのみに原水ポンプ20が動作するので、供給水圧を遮断するバルブが必要でない。
【0025】
前記浄水フィルター30は、その上面が前記着脱式原水タンク10の上面と同一の高さで配置される円筒状のフィルターであって、その下面中央には原水入水口が形成され、前記入水口の内側には、同心円状に配置される出水口が形成される。
【0026】
そして、前記原水ポンプ20から出水した原水は、前記浄水フィルター30の入水口に流入し、前記浄水フィルター30のハウジング内に内蔵されたカーボンフィルター及び中空糸膜フィルターを経てろ過された後、前記浄水フィルター30の出水口を介して浄水が出水する。
【0027】
前記浄水フィルター30の出水口には、入水流路転換バルブ40が配置され得るが、前記入水流路転換バルブ40は、電動式三方バルブ(3way valve)で構成され、瞬間温水モジュール80及びコーヒーホルダー100などを経てコーヒーなどの飲料を抽出して供給する飲料供給流路、及びホットタンク又はコールドタンクなどを経て温水、常温水又は冷水の形態で浄水を供給する浄水供給流路にそれぞれ配置された開閉バルブを択一的に開放することによって、選択された流路にのみ浄水を供給するように動作する。すなわち、コーヒーなどの飲料の出水時には前記飲料供給流路側のバルブを開放し、前記浄水供給流路側のバルブを閉鎖することによって飲料供給流路にのみ浄水を供給し、浄水の出水時には前記浄水供給流路側のバルブを開放し、前記飲料供給流路側のバルブを閉鎖することによって前記浄水供給流路にのみ浄水を供給する。
【0028】
ただし、前記入水流路転換バルブ40は、コーヒーメーカーと浄水器を兼用する場合にのみ必要であり、コーヒーメーカー専用で用いる場合には必須構成でないので省略可能である。
【0029】
一方、前記原水タンク10の出水口から前記入水流路転換バルブ40の出水口までの流路には、原水又は浄水の水温を測定する一つの温度センサーが配置される。
【0030】
前記入水流路転換バルブ40を経た浄水は、流量センサー50を経ながら浄水の量が測定された後で流量調節バルブ60に移動するが、前記流量調節バルブ60は、前記温度センサーによって感知された原水又は浄水の水温、選択された飲料の種類及び濃度(コーヒー出水口の出水量)によってバルブの開放量を調節する。このとき、浄水の温度は、通常、本発明のコーヒーメーカーが室内に設置されることを勘案して25℃と仮定し、前記バルブの開放量調節に用いることもできる。
【0031】
前記流量調節バルブ60を経ながら水量が調節された浄水は、瞬間温水モジュール80に供給され、瞬間温水モジュール80を経ながら加熱されるが、前記流量調節バルブ60と前記瞬間温水モジュール80との間の流路には、瞬間温水モジュール80で加熱された温水の逆流を防止するためのチェックバルブ70が設置される。
【0032】
前記瞬間温水モジュール80は、Ruthenoxヒーターを適用した加熱モジュールであって、互いに向き合って配置された2枚の長方形の面状発熱体の間に流路を配置し、前記2枚の長方形の面状発熱体のうちいずれか一つの下側コーナーに入水配管を連結し、前記入水配管の連結位置と対角線上に対向する位置に出水配管を連結して構成し、1,270Wの電力を加えて発熱させることによって、前記Ruthenoxヒーター内の流路を流動する浄水を瞬間的に加熱し、所定の目標温度に加熱された温水を供給するが、前記Ruthenoxヒーター内の流路にも、水温を感知する温度センサーを配置する。
【0033】
前記瞬間温水モジュール80から出水した温水は、出水流路転換バルブ90を経てコーヒーホルダー100に供給されるが、前記コーヒーホルダー100は、温水が通過する流路内にコーヒー、紅茶又は緑茶などの飲料カプセル又はカートリッジが収容されるように構成され、コーヒーなどの飲料を抽出することができ、コーヒーホルダー100の内側には、前記飲料抽出用カプセル又はカートリッジを感知できるカプセル感知センサーをさらに含むことができ、その下部には、コーヒーなどの飲料が出水するコーヒー出水口110が形成される。
【0034】
また、前記コーヒー出水口110の下方に出水口延長パイプがさらに配置され得るが、前記出水口延長パイプの上端には、出水する飲料の温度を感知する温度センサーが配置されてもよく、出水する飲料の温度が所定の温度より低い場合は、出水する飲料をさらに加熱するための面状発熱体が前記出水口延長パイプの内面に円筒状に配置されてもよい。
【0035】
一方、前記出水流路転換バルブ90は、前記瞬間温水モジュール80から温水が入水する流路、前記コーヒーホルダー100に温水が出水する流路及びエア供給流路とそれぞれ連結される電動式三方バルブであって、前記エア供給流路はエアポンプ130と連結され、前記エアポンプ130から供給された圧縮空気を前記コーヒーホルダー100側の流路に排出させ、コーヒーなどの飲料の出水が終了した後、前記出水流路転換バルブ90及びコーヒーホルダー100などの内部に残っている水分を除去することによって、飲料の出水後にコーヒー出水口110からの残水の落水を最小化する。
【0036】
そして、前記エアポンプ130にはエアドレンチューブ140が連結され、全ての動作が完了した後にも残っている残圧を外部に排出させる。
【0037】
また、前記コーヒー出水口110の直下方には、飲料を収容するカップが載置されるカップ載置台120が形成され、前記カップ載置台120の上面から所定距離だけ離隔した位置には、前記カップ載置台120に載置されたカップを感知するカップ感知センサー121が付着し、前記カップ感知センサー121としては、発光部及び受光部からなるフォトセンサーが適用され得る。
【0038】
そして、前記制御パネル160は、図7に示したように、ユーザーが操作命令を入力する飲料選択ボタン161、前記飲料選択ボタン161によって選択された飲料を表示する飲料表示灯162、抽出される飲料の量を調節する出水量調節ボタン163、及び前記出水量調節ボタン163の操作によって選択された飲料の出水量を表示する出水量表示灯164を含んで構成される。
【0039】
前記飲料選択ボタン161は、コーヒー(Coffee)、紅茶(Tea)及び緑茶(Green Tea)ボタンで構成され、ユーザーが一つを選択できるようにし、前記出水量調節ボタン163は、出水量が最も少ない1段階から出水量が最も多い7段階までで構成され、ユーザーの趣向によって調節できるようにし、これに限定するのではなく、出水量を最小3段階以上に調節するように構成すればよい。
【0040】
そして、前記制御パネル160は、ユーザーに注意事項などの必要な事項を告知するためのLEDパネルなどの表示パネル及びスピーカーをさらに含むことができる。
【0041】
一方、前記制御部150は、MPU(micro processor unit)、通信部及びメモリを含んで構成され、前記原水ポンプ20、入水流路転換バルブ40、流量センサー50、流量調節バルブ60、瞬間温水モジュール80、出水流路転換バルブ90、エアポンプ130、制御パネル160及びその他の各種センサーと有無線通信で連結され、制御信号を送受信することによってコーヒーメーカーの動作を制御する。
【0042】
前記制御部150は、メモリに貯蔵された次のような基本設定値を用いてコーヒーメーカーの各部を制御する。
【0043】
本発明のコーヒーメーカーで抽出可能な飲料は、コーヒー、紅茶、及び緑茶であって、前記コーヒーは、カプセル式コーヒー及びレギュラーコーヒーで、前記レギュラーコーヒーは、前記コーヒーホルダー100に収容される1回用フィルターを用いてコーヒー粉末から抽出するコーヒーを意味する。
【0044】
前記飲料別出水量は、飲料の種類と関係なく同一に設定するが、最小70mlから最大200mlまでの出水量を7段階に設定し、ユーザーが選択できるようにし、これに限定するのではなく、ユーザーの趣向に合わせて飲料の出水量を3段階~7段階のうちいずれか一つの段階に異ならせて設定することができ、各段階別飲料の出水量及び出水方式は、次の<表1>及び<表2>の通りである。
【0045】
<表1>コーヒーの出水量及び出水方式
【表1】
【0046】
<表2>紅茶及び緑茶の出水量及び出水方式
【表2】
【0047】
一方、前記表の「出水方式」において、出水の中間に出水を「オフ(OFF)」にする理由は、飲料抽出用粉末が温水によって凝り固まり、飲料の抽出が不良になることを防止するためである。特に、レギュラーコーヒーの場合は、コーヒー粉末が容易に凝り固まるので、出水を2回以上断続することによって、コーヒー粉末に供給される温水を撹乱させたときにコーヒーの抽出が円滑になる。
【0048】
コーヒー出水口110から出水する飲料の温度は、前記段階別出水量とは関係なく、カプセル式コーヒー及びレギュラーコーヒーの場合は81℃~85℃、紅茶の場合は83℃~87℃、緑茶の場合は72℃~77℃が目標温度として設定され、このために、瞬間温水モジュール80の温度及び流量調節バルブの開放量は、次の<表3>及び<表4>のように設定される。
【0049】
<表3>コーヒーの抽出時における瞬間温水モジュールの目標温度及び流量調節バルブの制御
【表3】
【0050】
<表4>紅茶及び緑茶の抽出時における瞬間温水モジュールの目標温度及び流量調節バルブの制御
【表4】
【0051】
このとき、前記<表3>及び<表4>の「モード」は、直前の飲料抽出時に前記目標温度に加熱されていた瞬間温水モジュール80内の温水の水温が時間の経過とともに低下するが、飲料選択ボタン161の入力時、瞬間温水モジュール内の温度が60℃以上である場合は「モード1」、60℃未満である場合は「モード2」と区分し、目標温度を異ならせて設定したものである。
【0052】
また、前記「目標温度への到達時の制御」は、瞬間温水モジュール80内の温度が目標温度に到逹して出水することによって、新たに流入する浄水を加熱し、当該目標温度を持続的に維持するために加熱する時間の比率を意味する。すなわち、瞬間温水モジュール80であるRuthenoxヒーターの面状発熱体に対する通電時間を前記<表3>及び<表4>の「目標温度への到達時の制御」に記載の比率で制御するが、前記通電時間を10ms(ミリ秒)単位で分割して通電を実施し、50%は、10ms通電及び10ms中断過程を繰り返すことによってRuthenoxヒーターの全体の作動時間のうち50%を通電させることを意味する。
【0053】
これは、飲料選択ボタン161を選択して入力した初期には、Ruthenoxヒーター内の流路に存在していた温水を加熱するものであって、短時間内に目標温度に加熱して供給し、その後、新たに供給される常温の浄水は、Ruthenoxヒーターの加熱容量及びコーヒー出水口110の出水量を考慮して流量調節バルブ60の開放量及びRuthenoxヒーターの通電時間を制御することによって、目標とする温度及び水量の温水を連続して供給するものである。
【0054】
このようなコーヒーメーカーは、次のように制御及び動作する。
(1)コーヒーメーカーの初期準備セッティングは、次のように進行される。
【0055】
(i)コーヒーメーカーに電源を印加し、初期給水を実行する。
初期給水の未実施状態で、3個の飲料選択ボタン161のうち一つのボタンを3秒以上押すと、「初期給水モード実行の漏れ警告」メッセージが出力される。
【0056】
(ii)初期給水が完了した状態で、図7(a)に示したように、3個の飲料選択ボタン161のうち一つのボタンを3秒以上押す。
【0057】
(iii)図7(b)に示したように、3個の飲料表示灯が同時に赤色に点滅し、瞬間温水モジュールの初期準備セッティングが進行される。
【0058】
このとき、原水ポンプ20、入水流路転換バルブ40及び流量調節バルブ60の動作は「オン(ON)」になり、前記原水ポンプ20から130ccが出水し、コーヒー出水口110からは40cc以内で出水しながらカップ載置台120の下側の水受けトレイ(図示せず)に貯蔵され、残りは、瞬間温水モジュール80を含むコーヒーメーカー内部の流路に残るようになる。
【0059】
(iv)瞬間温水モジュールの初期準備セッティングが完了すると、図7(c)に示したように、3個の飲料表示灯と1段階~7段階の出水量表示灯が全て緑色に点灯する。
【0060】
原水ポンプ20から前記130ccの水の出水が完了すると、原水ポンプ20、入水流路転換バルブ40及び流量調節バルブ60の動作は「オフ」になる。
【0061】
(2)コーヒーメーカーの飲料出水は、次のように制御及び動作する。
【0062】
(i)水の量(出水量)は、出水量調節ボタン163の「+」ボタン及び「-」ボタンを用いて1段階乃至7段階のうち所望の段階を選択する。
【0063】
このとき、出水量表示灯164は、選択された段階とそれ以下の段階に該当する全てのLEDが緑色に点灯する。
【0064】
(ii)カプセル式コーヒー、紅茶及び緑茶などの飲料の選択時には、3個の飲料選択ボタン161のうち該当する飲料のボタンを3秒以上押す。ただし、レギュラーコーヒーは、アンロックボタン(UNLOCK BUTTON)を2秒押し、アンロックLED(UNLOCK LED)がオレンジ色に点灯すると、前記3個の飲料選択ボタン161のうち「コーヒーボタン」を3秒以上押して選択する。
【0065】
このとき、制御部150は、荷重センサーを通じて原水タンク10に貯蔵された原水が不足するかどうかを確認し、前記カプセル感知センサーを通じて前記コーヒーホルダー100内にコーヒーカプセルなどの飲料カプセル又はカートリッジが収納されたかどうかを確認し、前記カップ感知センサー121を通じてカップ載置台120に抽出される飲料を受けるためのカップが載置されているかどうかを確認し、前記各確認事項が充足されないと、その結果を表示パネルに表示し、警告音を発生させる動作を実行することができる。
【0066】
(iii)飲料が選択されると、図7(d)に示したように、選択した水の量(出水量)を表示する出水量表示灯と選択した飲料の飲料表示灯のみが緑色に点滅し、飲料の出水が進行され、出水動作のうち出水量表示灯のLEDは、出水する水の量に合わせて段階的に下落する。
【0067】
このとき、原水ポンプ20、入水流路転換バルブ40及び流量調節バルブ60の動作は「オン」になり、1秒後に瞬間温水モジュール80及び出水流路転換バルブ90の動作が「オン」になる。
【0068】
また、飲料の出水動作中にコーヒー出水口110への出水が「オフ」になる間には、原水ポンプ20及びエアポンプ130の動作は「オフ」になり、入水流路転換バルブ40、流量調節バルブ60、瞬間温水モジュール80、及び出水流路転換バルブ90は「オン」状態を維持する。
【0069】
(iv)出水が完了すると、3個の飲料表示灯162と出水量表示灯164の全ての段階が緑色に点灯し、その後、5分間別途のボタン入力がないと消灯する。
【0070】
出水が完了すると、原水ポンプ20及び瞬間温水モジュール80の動作は即時に「オフ」になり、入水流路転換バルブ40及び流量調節バルブ60の動作は、12秒後に「オフ」になり、出水流路転換バルブ90の動作は、エアポンプ130と連結されるように「オン」になり、エアポンプ130は、7秒後に「オン」になり、5秒間作動することによって出水流路転換バルブ90及びコーヒー出水口110の周辺流路の残水を除去する。
【0071】
(v)飲料表示灯162及び出水量表示灯164が消灯した状態で3個の飲料選択ボタン161のうちいずれか一つを3秒以上押すと、3個の飲料表示灯162と以前に選択した出水量表示灯164の段階が緑色に点灯し、飲料抽出を実行する準備が完了したことを表示する。
【0072】
(vi)24時間にわたって飲料の出水命令がない状態で3個の飲料選択ボタン161のうちいずれか一つを3秒以上押すと、3個の飲料表示灯162が同時に赤色に点滅し、浄水40ccのドレンを行い、ドレンが完了すると、3個の飲料表示灯162と以前に選択した段階の出水量表示灯164が緑色に点灯する。
【0073】
本発明は、上述した特定の好適な実施形態に限定されなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱しない限り、該当発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変形実施が可能であることは当然であり、そのような変更は、特許請求の範囲に記載の範囲内にある。
【符号の説明】
【0074】
10 原水タンク
20 原水ポンプ
30 浄水フィルター
40 入水流路転換バルブ
50 流量センサー
60 流量調節バルブ
70 チェックバルブ
80 瞬間温水モジュール
90 出水流路転換バルブ
100 コーヒーホルダー
110 コーヒー出水口
120 カップ載置台
121 カップ感知センサー
130 エアポンプ
140 エアドレンチューブ
150 制御部
160 制御パネル
161 飲料選択ボタン
162 飲料表示灯
163 出水量調節ボタン
164 出水量表示灯


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7