(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118395
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】注射器及び一体押子の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/315 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
A61M5/315 510
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091469
(22)【出願日】2023-06-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2023024052
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519449596
【氏名又は名称】アットドウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀剛
(72)【発明者】
【氏名】中道 聡
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066FF05
4C066GG15
4C066HH14
4C066HH17
4C066PP02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業効率を高めると共に被注射者の負担を軽減する注射器を提供すること。
【解決手段】筒状のシリンジ部10と、シリンジ部に組み込まれる一体押子20と、を有する注射器100。一体押子は、シリンジ部の内部に配置される軸部30と、シリンジ部の外部に配置される操作部50と、軸部と操作部とをつなぐ連結部とが一体成形されたものである。シリンジ部は、連結部をシリンジ部の延伸方向に案内する切欠き状のガイド部15を有する。軸部は棒状であり、操作部は平面視で延伸方向を長辺とする長方形状である。連結部は、軸部の後部と操作部の後部とに接続されている。ユーザは、シリンジ部側部の操作部を指先等でスライドさせることにより、軸部を延伸方向に移動させることができる。よって、注射に係る一連の作業の時間短縮と簡略化が実現され、液体等の吸引作業及び吐出作業の効率が高まり、吸引時又は吐出時の針先のぶれが抑制される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のシリンジ部と、
前記シリンジ部と組み合わせて用いられる一体押子と、を有し、
前記一体押子は、
前記シリンジ部の内部に配置される棒状の軸部と、前記シリンジ部の外部に配置される操作部と、前記軸部と前記操作部とをつなぐ連結部とが一体成形されたものであり、
前記シリンジ部は、
前記連結部を前記シリンジ部の延伸方向に案内する切欠き状のガイド部を有し、
前記操作部は、平面視で前記延伸方向を長辺とする長方形状であり、
前記連結部は、
前記軸部及び前記操作部それぞれの、前記シリンジ部における前記ガイド部側の部分に接続されている、注射器。
【請求項2】
前記一体押子は、
前記軸部と前記連結部と前記操作部との前記延伸方向における後端の位置が揃っている、請求項1に記載の注射器。
【請求項3】
前記一体押子は、
前記延伸方向の位置について、前記操作部の先端部分と前記軸部の先端部分とが重なっている、請求項1に記載の注射器。
【請求項4】
前記操作部は、
前記連結部に接続された支持部と、
前記支持部から前記延伸方向に沿って延びる主部とを有し、
前記主部は、前記延伸方向における中央に向けて徐々に高さが低くなっている、請求項1~3の何れか一項に記載の注射器。
【請求項5】
前記シリンジ部は、
筒状に延伸する外筒部と、
前記外筒部の後端に接続された板状のエッジ部と、を有し、
前記ガイド部のうち、前記エッジ部に位置する部分である出入ガイドの縦幅は、前記連結部の縦幅よりも設定長だけ長くなっている、請求項1~3の何れか一項に記載の注射器。
【請求項6】
請求項1に記載の一体押子を製造する方法であって、
前記一体押子を平面視での前記延伸方向に沿った断面で対称に分けたときの、一方の部材に対応する第1金型と、他方の部材に対応する第2金型とを合わせて閉じる型締め工程と、
前記第1金型と前記第2金型とにより形成される空洞に、加熱され溶融された樹脂を注入する樹脂注入工程と、
前記第1金型と前記第2金型とを分離する型開き工程と、を有する製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体や気体を吸引又は吐出するために用いられる注射器及びこれに備わる一体押子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療等の現場では注射器が頻繁に使用されている。一般に注射器は、薬液を体内に注入したり、体液や血液等を体内から吸引するために用いられる(例えば特許文献1参照)。特許文献1のような従来の注射器は、シリンジに挿入されたプランジャを前後に動かすことで、プランジャの先端に固定されたガスケットを移動させ、液体の吸引又は吐出を行うよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の注射器を人体又は動物に用いる場合、ユーザは、エア抜き後にシリンジの先端側を持って血管や筋肉等に針を刺し、その後プランジャ側に持ち替えた上で液体の吸引又は吐出を行う必要がある。このように、従来の注射器を用いる場合、ユーザは、エア抜きから薬液の注入までの間、又は体液採取や採血等の場面において、シリンジの先端側と後端側との持ち替えが必要となるため、注射に係る一連の作業が煩雑となり、作業時間も長くなる。また、対象に針を刺した状態の注射器をユーザが持ち替える際、針先がぶれる恐れもあり、皮膚細胞組織の損傷や患者等の被注射者の痛みにも繋がり得る。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、作業効率を高めると共に被注射者の負担を軽減する注射器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る注射器は、筒状のシリンジ部と、シリンジ部と組み合わせて用いられる一体押子と、を有し、一体押子は、シリンジ部の内部に配置される棒状の軸部と、シリンジ部の外部に配置される操作部と、軸部と操作部とをつなぐ連結部とが一体成形されたものであり、シリンジ部は、連結部をシリンジ部の延伸方向に案内する切欠き状のガイド部を有し、操作部は、平面視で延伸方向を長辺とする長方形状であり、連結部は、軸部及び操作部それぞれの、シリンジ部におけるガイド部側の部分に接続されている。
【0007】
本発明の一態様に係る上記一体押子の製造方法は、該一体押子を平面視での延伸方向に沿った断面で対称に分けたときの、一方の部材に対応する第1金型と、他方の部材に対応する第2金型とを合わせて閉じる型締め工程と、第1金型と第2金型とにより形成される空洞に、加熱され溶融された樹脂を注入する樹脂注入工程と、第1金型と第2金型とを分離する型開き工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、軸部と連結部と操作部とからなる一体押子を有すると共に、一体押子の連結部を延伸方向に案内する切欠き状のガイド部をもつシリンジ部を有している。よって、ユーザは、操作部を指先等でスライドさせることにより、軸部を延伸方向に移動させ、液体の吸引又は吐出を行うことができる。したがって、注射に係る作業の効率を高めると共に被注射者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る注射器の全体的な構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図1の注射器の各構成部材を例示した分解側面図である。
【
図5】
図1の注射器において、シリンジ部の後端部に一体押子の連結部を挿入した状態例を示す説明図である。
【
図6】
図1の注射器につき、
図5の状態から一体押子をガイド部に沿って前方に移動させた状態例を示す説明図である。
【
図8】
図1の注射器の押出状態に対応する
図7と同様の概略断面図である。
【
図9】
図1の一体押子を製造するための一対の金型を例示した説明図である。
【
図10】
図1の一体押子の製造方法の各工程を例示したフローチャートである。
【
図11】本発明の実施の形態2に係る注射器の一体押子を例示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1~
図10を参照し、実施の形態1における注射器100の構成例について説明する。以降の各図では説明の便宜上、x軸方向を前後方向、y軸方向を左右方向、z軸方向を上下方向と定義する。各方向は、注射器100における各構成部材の向きや位置関係を示すために用いる。各図では煩雑さを避けるため、符号の一部を適宜省略する。
【0011】
まず、
図1~
図4に基づき、注射器100の全体的な構成例について説明する。
図1に示すように、注射器100は、筒状のシリンジ部10と、シリンジ部10と組み合わせて用いられる一体押子20と、ガスケット80と、を有している。シリンジ部10及び一体押子20はそれぞれ、樹脂等により形成される。
【0012】
シリンジ部10は、筒本体11と筒先部14とを有している。筒本体11は、一端に筒先部14が接続され、筒状に延伸する外筒部12と、外筒部12の他端に接続された板状のエッジ部13と、を有している。筒本体11は、外筒部12からエッジ部13に亘って形成された断面視円形状の軸穴1hを有している。軸穴1hの内径は、注射器100の用途等に合わせて設定される。軸穴1hは、一体押子20の軸部30の挿入用の穴である。軸穴1hのうち、エッジ部13で囲われた部分のことを出入穴3hという。各図に例示する外筒部12は、筒状に形成された側壁部12aと、環状に形成された先端部12bと、を有している。側壁部12aは、シリンジ部10に装着した一体押子20により挟まれる部分である壁頂部12tを有している(
図2及び
図3参照)。
【0013】
筒先部14は、注射針等(図示せず)が装着される部分である。各図では、ルアーチップ式の筒先部14を例示しているが、これに限らず、筒先部14は、ルアーロック式やルアーメタル式など種々の形式を採ることができる。エッジ部13は、外筒部12の後端部の強度を補うと共に、持ちやすさを高めるために機能する。エッジ部13は、ガイド部15の箇所が欠けた環状に形成されている。エッジ部13の厚みEは、例えば側壁部12aの厚みTよりも厚く設定され、操作に適した強度が得られる範囲で適宜変更可能である。シリンジ部10は、ユーザが内部の薬液等を視認できるよう、透明性を持つ樹脂により形成するとよい。
【0014】
図2に示すように、一体押子20は、シリンジ部10の内部に配置される棒状の軸部30と、シリンジ部10の外部に配置される操作部50と、軸部30と操作部50とをつなぐ連結部40とが一体成形されたものである。すなわち、一体押子20は、軸部30と連結部40と操作部50とにより側面視U字状に形成されている。なお
図1では、シリンジ部10の内部に配置される軸部30及びガスケット80を破線で示している。
【0015】
軸部30は、ガスケット80が連結されるもので、軸本体31と先端突起32とを有している。軸本体31は、棒状に形成され、後部に連結部40が接続されている。先端突起32は、軸本体31の前端面から延びており、ガスケット80の後端に設けられた連結溝(不図示)に嵌め込まれる。
図2では、ガスケット80の先端から連結部40の先端までの長さQを示すため、先端突起32に取り付けられたガスケット80を破線で例示している。軸部30の延伸方向の長さは、要求される可動域及び連結部40の延伸方向の長さP等に応じて設定される。
【0016】
ガスケット80は、シリンジ部10の内部に配置されるもので、ゴムなどの弾性材料により形成される。ガスケット80は、外筒部12の内面に密着するよう、円柱状に形成されている。ガスケット80の先端形状は、外筒部12の内部先端の形状に合わせられる。各図に例示するガスケット80は、前後の端部の径が、中央の端部の径よりも大きくなっている。軸本体31の外径は、ガスケット80の外径よりも幾分か短くなっている。ここで、ガスケット80の外径とは、ガスケット80のうちで最も太い部分の外径を指す。よって、ガスケット80を取り付けた一体押子20をシリンジ部10に組み込むと、ガスケット80の端部等の側面がシリンジ部10の内面に密着する。
【0017】
操作部50は、シリンジ部10の側面に対向配置される。本実施の形態1の操作部50は、平面視において、延伸方向を長辺とする長方形状となっている。操作部50は、断面視矩形状だけでなく、断面視円形状及び断面視楕円形状等の他、両サイドに多少の湾曲が施されていても、平面視で長方形状に視認される。各図の操作部50は、断面視において概ね矩形状で、各角が丸みを帯びており、先端はやや先細りとなっている。操作部50において、シリンジ部10と対向するよう配置される面を裏面5fとし、裏面5fとは反対側の面を操作面5gとする。操作部50の裏面5fは平坦となっている。操作部50は、裏面5fにおける後方に連結部40が接続されている。
【0018】
各図に例示する操作部50は、前方に配置された主部51と、後方に配置された支持部52と、を有している。連結部40は支持部52に接続されている。主部51は、支持部52から延伸方向に沿って延びている。主部51は、指での操作用に、延伸方向における中央に向けて徐々に高さが低くなっている。ここでの高さとは、上下方向の長さのことである。よって、主部51は、側面視で中央に向けて凹んだ形状となっている。支持部52は、操作の妨げとならないよう、主部51から後端に向けて上下方向の高さが徐々に低くなっている。もっとも、支持部52の形状は、各図の例に限定されない。
【0019】
操作部50は、操作性を高めるための1又は複数の凸部51pが操作面5gに設けられている。凸部51pの数及び配置は、各図の例に限らず、適宜変更可能である。もっとも、操作部50の操作面5gは、凸部51pの代わりに又は凸部51pと共に、ユーザの操作性を高める滑り止めが施されていてもよい。各図では、操作面5gが側面視で湾曲した形状の主部51を例示しているが、これに限定されない。例えば主部51は、操作面5gが側面視でV字状のものであってよい。主部51の操作面5gは、平坦に形成してもよいが、操作性向上の観点から、各図のように中央に向けて凹んだ形状の方が好ましい。
【0020】
連結部40は、軸部30のガスケット80とは反対側の部分、つまり軸部30の後部に接続されている。軸部30のガスケット80とは反対側は、シリンジ部10におけるガイド部15側(シリンジ部10における一体押子20の挿入側)、つまりx軸負側と等しい。また、連結部40は、操作部50の、シリンジ部10におけるガイド部15側の部分、つまり操作部50の後部に接続されている。各図の連結部40は、直方体状に形成され、軸部30の側面における後方と、操作部50の裏面5fにおける後方とに接続されている。本実施の形態1の一体押子20は、軸部30と連結部40と操作部50との延伸方向における後端の位置が揃っている。各図に例示する一体押子20は、軸部30の後端面と連結部40の後端面と操作部50の後端面とが面一となっている。もっとも、一体押子20は、連結部40の後端面が軸部30及び操作部50の後端面よりも内側に位置する構造など、各部材の後端面が揃っていなくてもよい。連結部40は、外側に湾曲したR形状の前端面4aを有している。もっとも、前端面4aは平坦なものであってよい。
【0021】
図1~
図4に示すように、シリンジ部10は、連結部40を延伸方向に案内する切欠き状のガイド部15を有している。シリンジ部10において、壁頂部12tとガイド部15とは、延伸方向に沿って並んでいる。なお
図4では、実際には視認できない連結部40を破線で示している。ガイド部15は、平面視長方形状に形成されたスリット状の開口であり、シリンジ部10の後部から連結部40を挿入できるよう後端が開放されている。ガイド部15の各側面15sは、延伸方向に平行となっている。ガイド部15は、連結部40を延伸方向に沿って安定的に移動させるものである。以降、ガイド部15の後端、つまりガイド部15のうちエッジ部13に位置する部分を出入ガイド15kという。
【0022】
ガイド部15の横幅Wは、連結部40の横幅Vよりも若干長くなっている。横幅Wと横幅Vとの差は、連結部40のガイド部15内での摺動性を損なわない範囲で極力小さくするとよい。連結部40の縦幅Dは、側壁部12aの厚みTよりも若干長くなっている。連結部40の縦幅Dは、連結部40の、軸部30側の端部から操作部50側の端部までの距離に相当する。よって、軸部30の上端と操作部50の裏面5fとの間の距離、つまり軸部30と操作部50との間の間隙Kの長さdは、側壁部12aの厚みTよりも若干長くなる。したがって、ユーザがシリンジ部10の後端から一体押子20を挿入すると、側壁部12aの壁頂部12tが一体押子20の間隙Kに円滑に侵入する。すなわち、一体押子20は、左右方向の動きがガイド部15により制限され、上下方向の動きが軸部30(ガスケット80)と操作部50とにより制限される。そのため、ユーザは、シリンジ部10と組み合わせた一体押子20を安定的にスライドさせることができる。
【0023】
外筒部12の長さX、壁頂部12tの長さL、及びガイド部15の長さGは、投与したい薬液の量、吸引したい液量、ユーザの指のストローク等をもとに決めるとよい。特にガイド部15の長さGは、連結部40の可動範囲、つまりガスケット80の可動範囲に直結する。各図のガイド部15は、外筒部12の中程の位置からエッジ部13に亘って形成されている。ガイド部15の長さGは、連結部40の必要十分な可動範囲が確保されていれば、あとは操作性等の観点から決めるとよい。壁頂部12tの長さLは、先端部12bの内面からガイド部15の先端15aまでの距離である。
【0024】
注射器100は、壁頂部12tの長さLが、ガスケット80の先端から連結部40の先端までの長さQよりも若干短くなるようにするとよい。そうすれば、一体押子20を前方にスライドさせたとき、ガスケット80が先端部12b内面に確実に接触するため、筒本体11内の液体等を出しきることができる。もっとも、製造上可能であれば、注射器100は、長さLと長さQとが等しくなるようにしてもよい。連結部40の長さPは、軸部30及び操作部50との固定強度、及びガイド部15内での連結部40の安定摺動性等を考慮して設定される。連結部40の長さPは、軸部30及び操作部50との固定強度確保の観点から、軸部30の長さの1/8以上にするとよく、連結部40の可動範囲確保の観点から、軸部30の長さの1/2以下にするとよく、1/3以下がより好ましい。操作部50の長さNは、ユーザによる操作容易性、及び一体押子20の安定摺動性等を考慮して設定される。
【0025】
次に、
図5及び
図6に基づき、エッジ部13の形状及びこれに関連する部材について説明する。エッジ部13は、一体押子20がシリンジ部10に出し入れされる際、連結部40の出入口となる挿入ゲート13gを有している。挿入ゲート13gは、出入ガイド15kを挟んで配置された一対のゲート部3gを有している。ガイド部15の各側面15sは、ゲート部3gの箇所の上下方向の長さTsの方が、側壁部12aの箇所の上下方向の長さ(厚みTに対応)よりも長くなっている。長さTsは、出入ガイド15kの上下方向の長さに相当し、以降、出入ガイド15kの縦幅Tsともいう。
【0026】
出入ガイド15kの縦幅Tsは、連結部40の縦幅Dよりも設定長だけ長くなっている(
図5参照)。つまり、厚みT、縦幅D、縦幅Tsは、この順で長くなっている(T<D<Ts)。設定長は、出入ガイド15kの縦幅Tsと連結部40の縦幅Dとの差分である。設定長は、ユーザが一体押子20における連結部40の箇所をシリンジ部10に挿入する際、一定程度の力を要し、かつ一度通過した連結部40の後退がエッジ部13で妨げられるよう設定される。例えば、シリンジ部10の内径が5mm程度で、外径が7mm程度の場合、設定長は、0.1mm~0.7mm程度にするとよく、0.2mm~0.5mm程度にするとより好ましい。設定長は、注射器100の各構成部材のサイズに合わせて適宜変更するとよい。
【0027】
ユーザは、シリンジ部10に一体押子20を装着する際、まずシリンジ部10の後端に一体押子20を配置し、出入穴3hからガスケット80付きの軸部30を挿入し、ガスケット80及び軸部30を軸穴1hに挿入する(
図6の破線矢印(1)参照)。そして、連結部40の前端面4aがエッジ部13に当たると、ユーザは、縦幅Tsの方が縦幅Dよりも長いため、押す力を一定程度強めて連結部40及びその近傍を挿入ゲート13gに通過させる。その際、一体押子20は、
図5の白抜き矢印の方向に持ち上がり、ゲート部3g下端の角が軸部30の側面に当たった状態で、連結部40の全域がエッジ部13を超えるまでシリンジ部10に圧入される(
図6の破線矢印(2)参照)。なお、ゲート部3g下端の角には丸みを持たせてもよい。ユーザは、連結部40の全域がエッジ部13を超えると、一体押子20を所望の位置まで移動させる(
図6の破線矢印(3)参照)。
【0028】
挿入ゲート13gの各ゲート部3gはそれぞれ、上部に、上面が平らな平坦部3mと、平坦部3mから立ち上がる段状の段部3nと、を有している。平坦部3mは、シリンジ部10に一体押子20を出し入れする際、操作部50の裏面5fを沿わせる部分である。段部3nは、平坦部3mの外側に位置し、シリンジ部10に一体押子20を出し入れする際、操作部50の出入りを側方から支持する。一方の段部3nの立上り箇所から他方の段部3nの立上り箇所までの距離は、操作部50の横幅Mと概ね等しくなっている。各図では丸みを帯びた段部3nを例示している。もっとも、エッジ部13の形状は、各図の例に限らず、種々の形状を採ることができる。挿入ゲート13gの各ゲート部3gは段部3nを有しなくてもよく、この場合、平坦部3mの左右方向の長さは特に限定されない。
【0029】
続いて、
図7及び
図8に基づき、注射器100の取扱い方法の一例について説明する。筒先部14には注射針が取り付けられているものとする。ユーザが、シリンジ部10の後端に一体押子20を配置し、出入穴3hからシリンジ部10の内部にガスケット80付きの軸部30を挿入して前方に移動させた後、出入ガイド15kから連結部40を挿入することにより注射器100が使用可能な状態となる。
【0030】
先端部12bとガスケット80との間の領域Sは、一体押子20の後端面とエッジ部13の前端面とが面一の状態で実質最大となる。ただし、注射器100は、
図7のように、一体押子20とエッジ部13との間の距離Rがある程度確保された状態で余力を持って使用するとよい。また、注射器100は、領域Sの密閉性が確保された状態で使用される。すなわち、注射器100は、ガスケット80がガイド部15の先端15aよりも前方に位置している範囲内で使用される。
図7のように、所望の容量分の領域Sと距離Rとが確保された状態を引込状態という。
【0031】
液体又は気体を吸引する場合、ユーザは、
図8のような押出状態の注射器100を用いる。
図8には、ガスケット80が筒本体11の先端部に接触し、連結部40がガイド部15の先端15a近傍に位置する状態を示している。例えば薬液等を吸引する場合、ユーザは、注射器100のシリンジ部10を握り、バイアルやアンプルなどに注射針の針先を挿入した後、指先等で操作部50を後方にスライドさせる。これにより、薬液等が領域S(
図7参照)に吸引される。採血や体液採取等の場合も同様、ユーザは、人体等に注射針の針先を刺し、指先等で操作部50を後方にスライドさせて、血液等を領域Sに吸引する。
【0032】
一方、液体又は気体を吐出する場合、ユーザは、
図7のような引込状態の注射器100を用いる。領域Sには、事前に吸引され又は充填された液体等が入っている。例えば薬液やワクチン等を注射する場合、ユーザは、注射器100のシリンジ部10を握り、人体等に注射針の針先を刺し、指先等で操作部50を操作して一体押子20を前方にスライドさせ、薬液等を注射針から吐出させる。
【0033】
このように、連結部40がガイド部15に入ると、連結部40の両側面が、対向するガイド部15の各側面15sによって挟まれ、左右方向の移動が制限される。よって、ユーザは、操作部50の操作面5gに指を当て、操作部50を前後にスライドさせることで、ガスケット80をスムーズに移動させ、液体や気体の吸引又は吐出を行うことができる。さらに、一体押子20の摺動時には、壁頂部12tが軸部30と操作部50とで挟まれるため、操作上の安定性及び信頼性が高まる。
【0034】
次に
図9及び
図10を参照し、一体押子20の製造に用いる金型、及び一体押子20の製造方法の一例について説明する。一体押子20は、3Dプリンタ等を用いて形成してもよいが、量産する場合は射出成形が好適である。
図9には、射出成形機(不図示)で用いる一対の金型60を例示している。一対の金型60は、一体押子20を平面視での延伸方向に沿った断面で対称に分けたときの、一方の部材に対応する第1金型61と、他方の部材に対応する第2金型62と、により構成されている。
【0035】
第1金型61は、一体押子20を左右対称に分けたときの、左側の部材の外形に合わせた型面61fを有している。第2金型62は、一体押子20を左右対称に分けたときの、右側の部材の外形に合わせた型面62fを有している。
図9では、実際には外から視認できない型面61f及び型面62fを破線で示している。一対の金型60は、第1金型61の型面61fと、第2金型62の型面62fとを対向させ、第1金型61と第2金型62とを合わせ密封して用いる。射出成形機において、第1金型61と第2金型62とは、何れか一方が固定側、他方が可動側となる。
【0036】
一対の金型60は、成形品の取出しが容易となるよう、抜き勾配等が考慮されて設計されている。本実施の形態1の一体押子20は、一対の金型60からの抜け易さを考慮し、操作部50の裏面5fが平坦となっており、各凸部51pは、左右方向に沿って延びている。一体押子20の全体が丸みを帯びていることや、連結部40の前端面4aが外側に湾曲していることも、一体押子20の一対の金型60からの外し易さに繋がっている。
【0037】
続いて
図10のフローチャートに基づき、一体押子20の製造方法に係る各工程について説明する。まず射出成形機は、第1金型61と第2金型62とを合わせて閉じる。そして射出成型機は、閉じた一対の金型60を両サイド(左右)から圧力をかけて締め付ける。このとき、一対の金型60の内側には、第1金型61の型面61fと第2金型62の型面62fとにより、一体押子20同様の外形の空洞が形成される(ステップS101:型締め工程)。
【0038】
次いで射出成形機は、第1金型61と第2金型62とにより形成される空洞に、加熱され溶融された樹脂を注入する(ステップS102:樹脂注入工程)。次に射出成形機は、一対の金型60に両サイドから一定の圧力をかけたまま、一対の金型60を冷却し、内部の樹脂を固化する(ステップS103:固化工程)。続いて射出成形機は、一対の金型60を開く。つまり射出成形機は、第1金型61及び第2金型62のうちの可動側の金型を動かし、第1金型61と第2金型62とを分離する。これにより一体押子20は、可動側の金型に残る(ステップS104:型開き工程)。そして、射出成形機又はユーザは、可動側の金型から一体押子20を取り出す(ステップS105:取出し工程)。
【0039】
注射器100の製造方法は、一体押子20の製造に係る上記各工程の他、シリンジ部10の製造に係る各工程と、一体押子20にガスケット80を取り付ける工程と、シリンジ部10に一体押子20を組み込む工程と、を含む。シリンジ部10は、3Dプリンタ等を用いて形成してもよいが、量産する場合は、一体押子20と同様、射出成形により形成するとよい。
【0040】
以上のように、本実施の形態1の注射器100は、筒状のシリンジ部10と、軸部30と連結部40と操作部50とが一体成形された一体押子20と、を有している。シリンジ部10は、連結部40を延伸方向に案内する切欠き状のガイド部15を有している。よって、ユーザは、操作部50を指先等でスライドさせることにより、軸部30に取り付けられたガスケット80を延伸方向に移動させ、液体の吸引又は吐出を行うことができるため、注射に係る作業の効率化が実現可能となる。すなわち、対象に針を刺してから体液等を吸引するまで、又は薬液等を投与するまで、更には薬液等を吸引し対象に針を刺してから薬液等を投与するまでの一連の作業時間が短縮され、作業効率の向上を図ることができる。特に、注射に係る作業を繰り返し行う場合は、大幅に時間を短縮できる。操作部50は、従来の注射器のプランジャよりも針先に近いシリンジ部10に対向配置され、操作時の持ち替えも要しないため、吸引時又は吐出時の針先のぶれを抑制することができ、被注射者の負担を軽減することができる。
【0041】
また、軸部30は、棒状のものであり、操作部50は、平面視で延伸方向を長辺とする長方形状である。そして、連結部40は、軸部30及び操作部50それぞれの、シリンジ部10におけるガイド部15側の部分に接続されている。つまり、連結部40は、軸部30の後部及び操作部50の後部に接続されている。したがって、ガスケット80が壁頂部12tの下部に位置する状態での一体押子20の可動範囲が確保され、液体や気体の吸引又は吐出を好適に行うことができる。操作部50の形状について、平面視長方形状には、断面視矩形状、断面視円形状、断面視楕円形状等の他、両サイドに多少の湾曲が施されたもの、角に丸みを帯びたものも等も含まれる。
【0042】
一体押子20は、軸部30と連結部40と操作部50との延伸方向における後端の位置を揃えると、取扱い上の利便性が高まり、一対の金型60からの抜け易さが向上する。もっとも、一体押子20は、連結部40の後端が、軸部30及び操作部50の後端よりも内側に入った形状を採ってもよい。一体押子20は、延伸方向の位置について、操作部50の先端部分と軸部30の先端部分とが重なるように構成してもよい。すなわち、一体押子20は、平面視において、操作部50の先端部分と軸部30の先端部分とが重なるようにしてもよい。そうすれば、液体等の押出し又は吸引に直接作用するガスケット80に、操作時の力点となる操作部50が近づくため、スライド操作に必要な力を軽減することができ、手振れ等を更に抑制することができる。加えて、壁頂部12tを挟持する間隙Kの長さを確保できるため、一体押子20のスライド動作の安定性を高めることができる。各図のように、平面視において、操作部50の先端がガスケット80と重なるようにすれば、特に吐出時の操作安定性を高めることができる。
【0043】
操作部50は、連結部40に接続された支持部52と、支持部52から延伸方向に沿って前方に延びる主部51とを有している。すなわち、ユーザが主に操作する主部51が針先側に近いため、操作の安定性を高めることができる。また、主部51は、延伸方向における中央に向けて徐々に高さが低くなっている。そのため、ユーザは自然に、吐出時には主部51前方に力を加え、吸引時には主部51後方に力を加えることになり、効率よく操作部50に力を加えることができるため、より軽い力で安定的に一体押子20のスライド操作を行うことができる。なお、主部51は、操作面5gが平坦な直方体状のものであってよい。操作部50は、支持部52を設けず、主部51だけで構成してもよい。この場合、一体押子20は、操作部50としての主部51の後部に連結部40が接続された形状となる。かかる構成において、操作部50は、操作面5gが平坦な直方体状にしてもよいが、延伸方向における中央に向けて徐々に高さが低くなるようにしてもよい。
【0044】
本実施の形態1の注射器100は、出入ガイド15kの縦幅Tsが、連結部40の縦幅Dよりも設定長だけ長くなっている。よって、一度入れた一体押子20がシリンジ部10から抜けにくくなるため、使用時におけるユーザの安心感を高めることができる。なお、シリンジ部10は、エッジ部13を設けずに構成してもよいが、強度確保や操作性向上等の観点からエッジ部13を設けた方がよい。
【0045】
実施の形態2.
図11を参照し、本発明の実施の形態2に係る注射器について説明する。本実施の形態2の注射器は、ガスケット80が不要な構成を採っているが、基本的な構成は実施の形態1の注射器と同様であるため、符号「100」を付し、実施の形態1と同等の構成部材には同一の符号を用いて説明は省略又は簡略化する。
【0046】
すなわち、実施の形態2の注射器100は、筒状のシリンジ部10と、シリンジ部10と組み合わせて用いられる一体押子120と、を有している。一体押子120は、シリンジ部10の内部に配置される棒状の軸部130と、シリンジ部10の外部に配置される操作部50と、軸部130と操作部50とをつなぐ連結部40とが一体成形されたものである。連結部40は、軸部130及び操作部50それぞれの後部に接続されている。
【0047】
軸部130は、軸本体31と前端部35とを有している。前端部35は、軸本体31の前端面から延伸方向に沿って延びている。
図11に例示する前端部35は、拡張部3pと接触部3sとを有している。拡張部3pは、軸本体31に接続されており、軸本体31側の面の半径よりも、接触部3s側の面の半径の方が長い円錐台状となっている。接触部3sは、拡張部3pから円柱状に延びている。接触部3sの延伸方向の長さは、拡張部3pの延伸方向の長さよりも短くなっている。
図11の長さQは、軸部130の先端から連結部40の先端まで長さであり、長さQと壁頂部12tの長さLとの関係は、実施の形態1と同様である。
【0048】
一体押子120は、シリンジ部10に組み込んだとき、接触部3sの側面がシリンジ部10の内面に接触する。すなわち、前端部35は、実施の形態1のガスケット80と同様に機能する。一体押子120の製造方法は、一体押子20の製造方法と同様である。つまり一体押子120は、3Dプリンタ等を用いて形成してもよいが、量産する場合は一体押子20と同様、第1金型61と第2金型62とを用いた射出成形により形成するとよい。シリンジ部10に一体押子120を装着する手法は、
図5及び
図6をもとに説明した一体押子20の装着手法と同様である。注射器100の取扱い方法も、実施の形態1と同様である。
【0049】
以上のように、本実施の形態2の注射器100は、軸部130と連結部40と操作部50とが一体成形された一体押子120を有しており、シリンジ部10は、連結部40を延伸方向に案内する切欠き状のガイド部15を有している。よって、ユーザは、操作部50を指先等でスライドさせることにより、軸部30を延伸方向に移動させ、液体の吸引又は吐出を行うことができるため、注射に係る作業の効率化が実現可能となる。すなわち、対象に針を刺してから体液等を吸引するまで、又は薬液等を投与するまで、更には薬液等を吸引し対象に針を刺してから薬液等を投与するまでの一連の作業時間が短縮され、作業効率の向上を図ることができる。特に、注射に係る作業を繰り返し行う場合は、大幅に時間を短縮できる。操作部50は、従来の注射器のプランジャよりも針先に近いシリンジ部10に対向配置され、操作時の持ち替えも要しないため、吸引時又は吐出時の針先のぶれを抑制することができ、被注射者の負担を軽減することができる。
【0050】
また、注射器100は、ガスケット80が不要なため、部品点数を減らし、形状の簡素化を図ることができる。よって、一体押子120を射出成形する場合は、各金型それぞれの型面の形状を単純化できるため、一体押子120の金型からの取り外しが更に容易となる。ところで、微量の薬液等の吸引又は吐出用に、シリンジ部10の管径を小さくすると、軸部30も細くなるため、ガスケット80の取付けが困難となる。加えて、シリンジ部10内でのガスケット80の移動が円滑にいかない可能性もある。この点、一体押子120は、ガスケット80の代わりに前端部35を有していることから、ガスケット80の取付作業が不要となり、ガスケット80の抜け等の心配もなくなるため、作業性及び利便性の向上を図ることができる。前端部35は、各図のガスケット80と同様の形状、全域に亘って円柱状、又は軸本体31よりも細い円柱状もしくは円錐台状の拡張部3pと接触部3sとの組み合わせなど、種々の形状を採ってもよい。ただし、スライド操作の円滑性及び強度等の観点から、前端部35は、先端に向けて徐々に広がる拡張部3pと円柱状の接触部3sとにより構成した方がよい。他の効果等は、実施の形態1と同様である。
【0051】
上述した各実施の形態は、本発明に係る注射器及びその製造方法の一例であり、本発明の技術的範囲はこれらの態様に限定されない。例えば、シリンジ部10は、必ずしも全体が透明又は半透明である必要はなく、部分的に透明性を有するようにしてもよく、全体が不透明であってもよい。シリンジ部10は、側壁部12aの領域Sに対応する箇所に、内容量を示す目盛りを有していてもよい。ガイド部15は、エッジ部13の箇所の横幅Wが、外筒部12の箇所の横幅Wよりも所定の長さ短くなるようにしてもよい。このようにしても、一度入れた一体押子20又は一体押子120がシリンジ部10から抜けにくくなる。注射器100は、出入ガイド15kの縦幅Tsを連結部40の縦幅Dよりも長くする構成と、ガイド部15のエッジ部13の箇所を相対的に狭くする構成との双方を有していてもよく、何れか一方だけを有していてもよい。軸部30又は軸部130の長さと操作部50の長さとの関係は、各図の例に限らず、適宜変更することができる。例えば、一体押子20は、軸部30の先端よりも操作部50の先端の方が前方に位置していてもよい。一体押子120は、軸部130の先端よりも操作部50の先端の方が前方に位置していてもよい。一体押子20は、平面視において、操作部50の先端がガスケット80と重ならなくてもよい。一体押子120は、平面視において、操作部50の先端が前端部35と重ならなくてもよい。
【0052】
1h 軸穴、3g ゲート部、3h 出入穴、3m 平坦部、3n 段部、3p 拡張部、3s 接触部、4a 前端面、5f 裏面、5g 操作面、10 シリンジ部、11 筒本体、12 外筒部、12a 側壁部、12b 先端部、12t 壁頂部、13 エッジ部、13g 挿入ゲート、14 筒先部、15 ガイド部、15a 先端、15k 出入ガイド、15s 側面、20 一体押子、30、130 軸部、31 軸本体、32 先端突起、35 前端部、40 連結部、50 操作部、51 主部、51p 凸部、52 支持部、80 ガスケット、100 注射器、D 縦幅、E、T 厚み、K 間隙、M、V、W 横幅、R 距離、S 領域、d、G、L、N、P、Q、X 長さ、Ts 縦幅(長さ)。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のシリンジ部と、
前記シリンジ部と組み合わせて用いられる一体押子と、を有し、
前記一体押子は、
前記シリンジ部の内部に配置される棒状の軸部と、前記シリンジ部の外部に配置される操作部と、前記軸部と前記操作部とをつなぐ連結部とが一体成形されたものであり、
前記シリンジ部は、
筒状に延伸する外筒部と、
前記外筒部の後端に接続された板状のエッジ部と、
前記連結部を前記シリンジ部の延伸方向に案内する切欠き状のガイド部と、を有し、
前記操作部は、平面視で前記延伸方向を長辺とする長方形状であり、
前記連結部は、
前記軸部及び前記操作部それぞれの、前記シリンジ部における前記ガイド部側の部分に接続されており、
前記ガイド部のうち、前記エッジ部に位置する部分である出入ガイドの縦幅は、前記連結部の縦幅よりも設定長だけ長くなっている、注射器。