(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118410
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240823BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178781
(22)【出願日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】P 2023024749
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 道隆
(72)【発明者】
【氏名】上村 恭平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】温室効果ガスの削減を支援する情報処理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】管理サーバと、ユーザ端末とが信ネットワークを介して通信可能に接続される情報処理システムにおいて、管理サーバ2は、温室効果ガスの削減手段に関するソリューション情報を記憶するソリューション記憶部231と、ユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部232と、機械学習モデルを用いて、ユーザ情報に適したソリューション情報を検索する検索部213と、検索したソリューション情報をユーザに提供する提供部211と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室効果ガスの削減手段に関するソリューション情報を記憶するソリューション記憶部と、
ユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
機械学習モデルを用いて、前記ユーザ情報に適した前記ソリューション情報を検索する検索部と、
検索した前記ソリューション情報を前記ユーザに提供する提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記機械学習モデルは、前記ユーザ情報に含まれる第1の項目と前記ソリューション情報に含まれる第2の項目とをトレーニングデータとして作成されるものであり、
前記検索部は、前記機械学習モデルに対して、前記ユーザ情報記憶部に記憶される前記ユーザ情報に含まれる前記第1の項目を与えることにより前記第2の項目を推定し、推定した前記第2の項目に対応する前記ソリューション情報を前記ソリューション記憶部から検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記検索部は、大規模言語モデルを用いた生成器に対して、前記ユーザ情報に含まれる第1の項目と、当該項目について温室効果ガスの排出を抑制する手法を問い合わせる質問とを与えて回答を生成させ、前記生成器により生成された前記回答に類似する前記ソリューション情報をソリューション記憶部から検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
事業に関する活動量の種類を取得する入力部を備え、
前記検索部は、前記機械学習モデルを用いて、前記活動量の種類に適した前記ソリューション情報を検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記機械学習モデルは、前記種類と前記ソリューション情報に含まれる項目とをトレーニングデータとして作成されるものであり、
前記検索部は、前記機械学習モデルに対して、前記活動量の種類を与えることにより前記項目を推定し、推定した前記項目に対応する前記ソリューション情報を前記ソリューション記憶部から検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記検索部は、大規模言語モデルを用いた生成器に対して、前記種類と、前記種類に関して前記温室効果ガスの排出を抑制する手法を問い合わせる質問とを与えて回答を生成させ、前記生成器により生成された前記回答に類似する前記ソリューション情報をソリューション記憶部から検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
温室効果ガスの削減手段に関するソリューション情報を記憶するステップと、
ユーザに関するユーザ情報を記憶するステップと、
機械学習モデルを用いて、前記ユーザ情報に適した前記ソリューション情報を検索するステップと、
検索した前記ソリューション情報を前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
温室効果ガスの削減手段に関するソリューション情報を記憶するステップと、
ユーザに関するユーザ情報を記憶するステップと、
機械学習モデルを用いて、前記ユーザ情報に適した前記ソリューション情報を検索するステップと、
検索した前記ソリューション情報を前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素を削減するソリューションを導入することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
どのような二酸化炭素削減ソリューションがあるのかを把握することが難しい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの削減ソリューションを容易に把握して温室効果ガスの削減を支援することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、温室効果ガスの削減手段に関するソリューション情報を記憶するソリューション記憶部と、ユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部と、機械学習モデルを用いて、前記ユーザ情報に適した前記ソリューション情報を検索する検索部と、検索した前記ソリューション情報を前記ユーザに提供する提供部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、温室効果ガスの削減を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
温室効果ガスの削減手段に関するソリューション情報を記憶するソリューション記憶部と、
ユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
機械学習モデルを用いて、前記ユーザ情報に適した前記ソリューション情報を検索する検索部と、
検索した前記ソリューション情報を前記ユーザに提供する提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記機械学習モデルは、前記ユーザ情報に含まれる第1の項目と前記ソリューション情報に含まれる第2の項目とをトレーニングデータとして作成されるものであり、
前記検索部は、前記機械学習モデルに対して、前記ユーザ情報記憶部に記憶される前記ユーザ情報に含まれる前記第1の項目を与えることにより前記第2の項目を推定し、推定した前記第2の項目に対応する前記ソリューション情報を前記ソリューション記憶部から検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記検索部は、大規模言語モデルを用いた生成器に対して、前記ユーザ情報に含まれる第1の項目と、当該項目について温室効果ガスの排出を抑制する手法を問い合わせる質問とを与えて回答を生成させ、前記生成器により生成された前記回答に類似する前記ソリューション情報をソリューション記憶部から検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目1に記載の情報処理システムであって、
事業に関する活動量の種類を取得する入力部を備え、
前記検索部は、前記機械学習モデルを用いて、前記活動量の種類に適した前記ソリューション情報を検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目4に記載の情報処理システムであって、
前記機械学習モデルは、前記種類と前記ソリューション情報に含まれる項目とをトレーニングデータとして作成されるものであり、
前記検索部は、前記機械学習モデルに対して、前記活動量の種類を与えることにより前記項目を推定し、推定した前記項目に対応する前記ソリューション情報を前記ソリューション記憶部から検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
項目4に記載の情報処理システムであって、
前記検索部は、大規模言語モデルを用いた生成器に対して、前記種類と、前記種類に関して前記温室効果ガスの排出を抑制する手法を問い合わせる質問とを与えて回答を生成させ、前記生成器により生成された前記回答に類似する前記ソリューション情報をソリューション記憶部から検索すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目7]
温室効果ガスの削減手段に関するソリューション情報を記憶するステップと、
ユーザに関するユーザ情報を記憶するステップと、
機械学習モデルを用いて、前記ユーザ情報に適した前記ソリューション情報を検索するステップと、
検索した前記ソリューション情報を前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目8]
温室効果ガスの削減手段に関するソリューション情報を記憶するステップと、
ユーザに関するユーザ情報を記憶するステップと、
機械学習モデルを用いて、前記ユーザ情報に適した前記ソリューション情報を検索するステップと、
検索した前記ソリューション情報を前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなど)を排出する排出主体のユーザに対して、排出量の削減手段(ソリューションとも呼ばれる。)に関する情報(以下、ソリューション情報という。)を提供する。ソリューションに提供者(プロバイダ)がソリューション情報を登録しておき、ユーザはそのソリューション情報を閲覧することができる。ユーザは、ソリューションに関してプロバイダに連絡することもできる。
【0012】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末1は、ユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0014】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0016】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、ソリューション記憶部231と、ユーザ情報記憶部232と、提供部211と、入力部212と、検索部213と、ユーザ情報送信部214と、請求処理部215と、を備える。
【0017】
<記憶部>
ソリューション記憶部231は、ソリューション情報を記憶する。ソリューション記憶部231は、削減手段を提供するプロバイダを特定するプロバイダ特定情報(プロバイダID)に対応付けてソリューション情報を記憶することができる。本実施形態では、ソリューション情報に、ソリューションを特定するための情報(ソリューションID)、プロバイダID、ソリューション名、ソリューション説明、価格、削減量、導入条件が含まれうる。ソリューション名は、削減手段(ソリューション)の名称である。ソリューション説明は、ソリューションについての説明であり、例えば、テキストデータや画像データ、音声データなどを含めることができる。価格は、ユーザがソリューションを採用する際に係る金額を決定するための情報でよい。価格として、ソリューションの提供単位に係る単価を設定するようにしてもよいし、標準的な導入コストの概算値を設定するようにしてもよい。価格は、価格帯など範囲により特定するようにしてもよい。削減量は、ソリューションの導入により期待される温室効果ガスの削減量を示す情報であり得る。削減量として、ソリューションを導入した場合に削減される温室効果ガスの1社あたりの標準的な量を設定してもよいし、装置を導入した場合の1台当たりの削減量の標準値としてもよいし、各種の活動量に応じて削減量を計算する関数であってもよい。また、当該ソリューションを利用する場合の排出原単位(一次データ)であってもよい。導入条件には、ソリューションを導入する排出主体に対する条件を設定することができる。導入条件には、例えば、ソリューションの対象となる事業や活動の内容や活動量などを指定することができる。ソリューション情報には、ソリューションにより温室効果ガスの抑制が期待される活動量の種類を含めることができる。
【0018】
ユーザ情報記憶部232は、ユーザ(排出主体)に関する情報(以下、ユーザ情報という。)を記憶する。ユーザ情報には、ユーザ(又は排出主体)を特定する情報(ユーザID)、ユーザ(又は排出主体)の名称(ユーザ名)、排出主体の行っている事業に関する情報(事業情報)、当該事業に関して用いている設備に関する情報(設備情報)などを含めることができる。ユーザ情報には、排出主体の直接的又は間接的な温室効果ガスの排出量を計算するための活動量の種類(例えば、製造に用いるエネルギー、製品の部材、廃棄物等)を特定する情報(例えば、電気料金の費目名、部材の型番、廃棄物の処理手段名など)を含めることもできる。
【0019】
<機能部>
提供部211は、ユーザにソリューション情報を提供する。提供部211は、ユーザ端末1からのリクエストに応じてソリューション情報を提供することができる。提供部211は、例えば、ソリューション記憶部231に記憶されているソリューション情報の全部又は一部を読み出して、ユーザ端末1に送信することができる。提供部211は、例えば、ソリューション情報のソリューション名やソリューション説明、価格、削減量などを描画するための画面情報(例えば、HTMLなどにより記述することができる。)を作成し、画面情報をユーザ端末1に送信することができる。提供部211は、例えば、管理サーバ2が、排出主体の排出量を計算したり、管理したりしているような場合に、排出量の出力とともに、ソリューション情報を表示するようにしてもよい。
【0020】
入力部212は、ユーザからソリューション情報を特定するソリューション特定情報(例えばソリューションID)の入力を受け付けることができる。提供部211は、受け付けたソリューションIDが示すソリューション情報をソリューション記憶部231から読み出してユーザ端末1に送信することができる。例えば、提供部211がソリューション名の一覧を表示し、入力部212が、一覧からソリューションの指定を受け付け、提供部211が、指定されたソリューションに係るソリューション情報を提供することができる。
【0021】
入力部212は、ユーザからソリューションに関するキーワードの入力を受け付けることができる。
【0022】
検索部213は、ソリューション情報を検索する。提供部211は、検索部213が検索したソリューション情報をユーザに提供する(ユーザ端末1に送信する)ことができる。
【0023】
検索部213は、入力部212が受け付けたキーワードにマッチするソリューション情報をソリューション記憶部231から検索することができる。検索部213は、例えば、キーワードがソリューション名、ソリューション説明、導入条件などに含まれるソリューション情報を検索することができる。検索部213は、検索結果をユーザに提供(例えばユーザ端末1に送信)することができる。
【0024】
また、検索部213は、例えば、ユーザ情報記憶部232に記憶されているユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に適したソリューション情報を検索することができる。
【0025】
検索部213は、例えば、ユーザ情報に含まれる項目(事業情報や設備情報、活動量の種類を特定する情報など)と、当該ユーザ(の事業)に適したソリューションを示すソリューション情報又はソリューション情報に含まれる項目(ソリューションIDやソリューション名など)とをトレーニングデータとして作成される機械学習モデル(連続値の予測を行う回帰モデル又は与えられたクラスごとにデータを識別する判別モデル)に対してユーザ情報を与えることにより、ソリューション情報又はソリューション情報に含まれる項目を推定することができる。検索部213は、推定したソリューション情報又は推定した項目に対応するソリューション情報をソリューション記憶部231から取得することができる。この場合、管理サーバ2は機械学習モデルを記憶する機械学習モデル記憶部を備えることができる。また、学習モデルを備える外部のコンピュータがAPIを提供する場合には、検索部213は、当該APIに対して活動量の種類を与えて推定結果を取得するようにしてもよい。
【0026】
また、検索部213は、例えば、大規模言語モデル(LLM)を用いた生成器(管理サーバ2が備えていてもよいし、外部サーバが提供する生成AIのAPIを利用するようにしてもよい。)に対して、ユーザ情報に含まれる事業情報及び/又は設備情報と、当該事業情報及び/又は設備情報において温室効果ガスの排出を抑制する手法を問い合わせる質問とを与えて回答を生成させる処理をし、大規模言語モデル(LLM)を用いた生成器により生成された回答に類似又は適合するソリューション情報をソリューション記憶部231から検索することができる。回答とソリューション情報との類似度(適合度)は、例えば、ソリューション情報に含まれるソリューション名及び/又はソリューション説明と、回答とをそれぞれベクトル化し、その距離を計算して、距離が近いほど類似度が大きくなるように評価することができる。
【0027】
また、入力部212が、ユーザ(又は排出主体)の事業に関する活動量及び当該活動量の種類を取得し、検索部213は、当該活動量の種類に適したソリューション情報を決定するようにしてもよい。
【0028】
ソリューション情報に、ソリューションにより温室効果ガスの排出量の抑制が期待される活動量の種類が含まれる場合には、検索部213は、入力部212が受け付けた活動量の種類に対応するソリューション情報をソリューション情報記憶部231から検索することができる。検索部213は、例えば、入力部212が受け付けた活動量の種類と一致し又は類似する種類を含むソリューション情報を検索することができる。
【0029】
また、検索部213は、例えば、活動量の種類と、当該活動量に適したソリューションを示すソリューション情報又はソリューション情報に含まれる項目(ソリューションIDやソリューション名など)とをトレーニングデータとして機械学習により作成された学習モデルに対して、受け付けた活動量の種類を与えることにより、ソリューション情報又はソリューション情報に含まれる項目を推定することができる。検索部213は、推定したソリューション情報又は推定した項目に対応するソリューション情報をソリューション記憶部231から取得することができる。この場合、管理サーバ2は学習モデルを記憶する学習モデルを備えることができる。また、学習モデルを備える外部のコンピュータがAPIを提供する場合には、検索部213は、当該APIに対して活動量の種類を与えて推定結果を取得するようにしてもよい。
【0030】
さらに、検索部213は、ソリューション情報及び活動量に基づいて、当該活動量の種類に係る温室効果ガスの排出量を計算し、排出量に応じてユーザに適したソリューション情報を決定することができる。例えば、ソリューション情報に排出原単位が含まれている場合には、活動量に排出原単位を乗じて排出量を計算することができる。検索部213は、複数のソリューション情報が検索される場合に、排出量の小さい順に所定数のソリューション情報をユーザに提案することができる。また、入力部212が、活動量及び活動量の種類とともに、排出量の入力も受け付けるようにし、計算された排出量が、受け付けた排出量よりも少なくなるソリューション情報のみを提案するようにしてもよい。
【0031】
また、検索部213は、例えば、大規模言語モデルを用いた生成器に対して、活動量の種類と、活動量の種類に関して温室効果ガスの排出を抑制する手法を問い合わせる質問とを与えて回答を生成させ、大規模言語モデルを用いた生成器により生成させた回答に類似又は適合するソリューション情報を検索することができる。
【0032】
ユーザ情報送信部214は、ユーザ情報をプロバイダに提供する。ユーザ情報送信部214は、ユーザから指定されたソリューションのプロバイダに対して、当該ユーザのユーザ情報を提供することができる。ユーザ情報送信部214は、例えば、ユーザ端末1からソリューションIDを受信した場合に、受信したソリューションIDに対応するソリューション情報をソリューション記憶部231から取得し、取得したソリューション情報に含まれるプロバイダIDが示すプロバイダに対して、当該ユーザに対応するユーザ情報を送信することができる。ユーザ情報の送信先は、例えば、管理サーバ2が、プロバイダ情報記憶部を備えるようにし、プロバイダIDに対応付けて、プロバイダの連絡先(メールアドレスやメッセージの送信先アドレスなど)を管理することができる。
【0033】
請求処理部215は、ユーザ情報を提供したプロバイダに対して、紹介料を請求するための処理を行うことができる。請求処理部215はまた、ソリューション記憶部231に記憶されているソリューション情報に対応するプロバイダ特定情報により特定されるプロバイダに対して、掲載料を請求するための処理を行うこともできる。
【0034】
<動作>
図4は、管理サーバ2の動作を説明する図である。
【0035】
管理サーバ2は、ソリューション記憶部231からソリューション情報の全部又は一部を読み出し、読み出したソリューション情報に基づくソリューションの一覧をユーザ端末1に送信する(S301)。管理サーバ2は、例えば、ソリューション情報に含まれる導入条件を、アクセスしているユーザに対応するユーザ情報が満たすソリューション情報のみを読み出すことができる。ソリューションの一覧には、例えば、ソリューションIDとソリューション名とのリストを含めることができる。また、ソリューションの一覧には、ソリューション名に対応するソリューション説明の一部を加えることもできる。また、ソリューションの一覧に、ソリューション名に対応する価格を含めるようにしてもよい。ソリューションの一覧に、ソリューション名に対応する削減量を含めるようにしてもよい。ソリューションの一覧は、例えば、価格の順(例えば安い順)にソートして提供されてもよい。ソリューションの一覧は、例えば、削減量の順(例えば多い順)にソートして提供されてもよい。
【0036】
管理サーバ2は、ユーザ端末1からキーワードを受信した場合には(S302:YES)、キーワードにマッチするソリューション情報をソリューション記憶部231から検索して、検索したソリューション情報に基づくソリューションの一覧をユーザ端末1に送信することもできる(S303)。ユーザ端末1からキーワードを受信しなければ(S302:NO)、ステップS304に進む。
【0037】
管理サーバ2は、ユーザ端末1からソリューションの指定(例えば、ソリューションID)を受け付けた場合には(S304:YES)、指定されたソリューションIDに対応するソリューション情報をソリューション記憶部231から読み出し(S305)、ユーザ端末1のユーザに対応するユーザ情報をユーザ情報記憶部232から読み出し、ソリューション情報に含まれるプロバイダIDが示すプロバイダに対して、読み出したユーザ情報を提供することができる(S306)。ソリューションの指定を受け付けていなければ(S304:NO)、処理を終了する。
【0038】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、プロバイダの提供するソリューションをユーザに知らしめることができる。
【0039】
なお、管理サーバ2は、排出主体による排出量の可視化を行うことができる。管理サーバ2は、例えば、活動量と排出係数を取得して、活動量に排出係数を乗じて排出量を算出することができ、算出した排出量を、例えば、GHGプロトコルに規定されるスコープ及びカテゴリごとに集計し、集計結果を表示するための画面情報を作成して、ユーザ端末1に送信することができる。管理サーバ2は、集計結果とともに、ソリューションの一覧を表示させるように画面情報を作成することができる。
【0040】
また、オペレータが上記のような排出量の集計結果を分析し、この排出量を削減させるために適切と思われるソリューション(複数可)の指定を管理サーバ2に入力するようにし、ユーザ端末1に対して、オペレータが選定したソリューション情報を送信することができる。
【0041】
ソリューション情報に、掲載日を含めるようにしてもよい。管理サーバ2は、掲載日の順にソリューションの一覧をソートすることができる。
【0042】
ソリューション情報に、最終更新日時を含めるようにしてもよい。管理サーバ2は、最終更新日時が所定期間内のものについて、優先的にソリューションのリストに含めるようにすることができる。
【0043】
管理サーバ2は、ソリューション情報に、当該ソリューション情報をユーザが閲覧した閲覧数を含めることができる。管理サーバ2は、例えば、ソリューションの一覧をユーザ端末1に送信したときに、一覧に含めたソリューションに係るソリューション情報に含まれる閲覧数をインクリメントすることができる。管理サーバ2は、例えば、ユーザからソリューションが指定された場合に、指定されたソリューションに対応するソリューション情報の閲覧数をインクリメントすることができる。管理サーバ2は、閲覧数の多い又は少ない順に所定数のソリューション情報を読み出して、ソリューション一覧を作成することができる。例えば、「現在XX人のユーザが閲覧しています」というような表示を行ってもよい。管理サーバ2は、ソリューションの一覧に、ソリューション情報の閲覧数を含めるようにしてもよい。
【0044】
管理サーバ2は、ソリューションに対する申込数を管理するようにしてもよい。管理サーバ2は、ソリューションの申込を受け付けた場合に、ユーザ情報をプロバイダに送信するようにしてもよい。また、管理サーバ2は、ソリューションの申込履歴(ソリューションIDと、ユーザIDと、申込日時とを対応付ける情報)を記憶する申込履歴記憶部を備えることができる。管理サーバ2は、所定期間(例えば過去1カ月間など)に対応する、当該ソリューションに対応する申込履歴の数をカウントして申込数を算出し、申込数をソリューションの一覧に含めるようにしてもよい。
【0045】
管理サーバ2は、ソリューションについての口コミ評価を管理するようにしてもよい。管理サーバ2は、ユーザ端末1から閲覧したソリューション情報についての口コミ評価(点数、いいねなど)を受信するようにし、受信した口コミ評価を記憶するようにする。管理サーバ2は、口コミ評価の良いソリューションを優先的にユーザに提示することができる。例えば、口コミ評価の集計値の順にソリューション一覧を作成することができる。また、管理サーバ2は、ユーザに複数(2つでもよい。)のソリューション情報を指定させ、指定されたソリューション情報を比較表示するようにしてもよい。
【0046】
管理サーバ2は、ユーザが過去に閲覧した履歴を管理するようにし、閲覧履歴又は申込履歴として記憶されているソリューションをまとめて出力するようにしてもよい。
【0047】
ソリューション情報の導入条件には、業種や所在地の指定を設定することができる。この場合、ユーザの業種や所在地に応じたソリューションをユーザに提示することができる。
【0048】
管理サーバ2は、資本関係のある複数の企業を管理することができる。管理サーバ2は、ユーザと資本関係のあるプロバイダを特定して、特定したプロバイダに係るソリューション情報を抽出してユーザに提供することができる。あるいは、ユーザと資本関係のあるプロバイダのソリューション情報は劣後して表示されるようにしてもよい。
【0049】
ソリューション情報には、ソリューション情報の表示の仕方の指定を含めてもよい。
【0050】
管理サーバ2は、追加料金を支払うプロバイダに係るソリューション情報を優先表示するようにしてもよい。
【0051】
管理サーバ2は、管理サーバ2経由でソリューションの申し込みをしたユーザに対して報奨を与えるようにしてもよい。
【0052】
管理サーバ2は、ユーザとプロバイダとの間でソリューションの成約がされた場合に、成約金額の所定割合をプロバイダに課金する処理を行うようにしてもよい。
【0053】
管理サーバ2は、ユーザとプロバイダとの間でソリューションの成約がされた場合に、その旨を示すメッセージを、情報処理システムの運営者に送信するようにしてもよい。
【0054】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ