(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118411
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】温度制御機能付き被服
(51)【国際特許分類】
A41D 13/005 20060101AFI20240823BHJP
A41D 1/00 20180101ALI20240823BHJP
【FI】
A41D13/005
A41D1/00 D
A41D1/00 E
A41D1/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179052
(22)【出願日】2023-10-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2023024375
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517312135
【氏名又は名称】株式会社リブレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀井 邦彦
【テーマコード(参考)】
3B030
3B211
【Fターム(参考)】
3B030AA01
3B030AB05
3B030AB06
3B030AB08
3B030AB12
3B211AA01
3B211AB01
3B211AB11
3B211AC01
3B211AC13
(57)【要約】
【課題】通電により発熱または冷熱の温度が制御可能な上着等、上体で身にまとうための被服に対し、着用者にとって使い勝手が良く、かつ制御する温度の確認を簡単に行うことができる温度制御機能付き被服を提供する。
【解決手段】温度制御機能付き被服1は、被服本体5に装着され、通電により温熱を発生させる発熱体と、発熱体で生じる温熱の温度の状態として、高温状態と、高温状態での温熱の温度Tに対し、最も大きい温度差|ΔTn|で乖離した低温状態との間で、複数の段階に分けて制御可能な制御ユニットと、振動可能に形成され、発熱体への通電のオン/オフの切替え操作、及び制御ユニットで熱の温度制御するための操作を行う操作スイッチ10と、を備え、操作スイッチ10は、被服本体5と一体で装着され、高温状態以降、低温状態までのうち、選択された発熱状態に応じた振動モードの下、振動周波数2000Hz以下で振動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の上体で身にまとう被服に装着され、外気温度との対比で高温となる温熱、または低温となる冷熱のいずれかの熱を、通電により発生させる熱発生手段と、
前記熱発生手段で生じる前記熱の温度の状態として、第1の発熱状態と、前記第1の発熱状態での前記熱の温度Tに対し、最も大きい温度差|ΔTn|で乖離した第n(1<n)の発熱状態との間で、複数の段階に分けて制御可能な制御部と、
振動可能に形成され、前記熱発生手段への通電のオン/オフの切替え操作、及び前記制御部で前記熱の温度を制御するための操作を行う操作部と、を備え、
前記操作部は、前記被服と一体で装着可能であること、
前記制御部は、前記操作部で行う振動の態様である振動モードを有し、前記通電のオン操作時と前記通電のオフ操作時とで振動態様を区別して前記操作部を振動させると共に、制御する前記熱の温度に応じて、前記振動モードを、前記第1の発熱状態から前記第nの発熱状態までの各段階に対し、段階毎にそれぞれ異なる態様に可変させて前記操作部を振動させること、
前記操作部は、振動周波数2000Hz以下で振動すること、
前記制御部は、前記通電のオン操作により、前記第1の発熱状態を呈する前記熱発生手段に対し、前記通電のオン操作後、設定された初期状態期間内に、前記熱の温度を制御する操作が前記操作部で実行されない場合、前記第1の発熱状態と前記第nの発熱状態との間で、前記第nの発熱状態との前記温度差|ΔTn|より小さい温度差|ΔTm|で前記温度Tと乖離した第m(1<m<n)の発熱状態へと、前記熱の温度を変化させること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項2】
請求項1に記載する温度制御機能付き被服において、
前記操作部で振動する振動周波数は、500Hz以上、かつ1500Hz以下の範囲内であること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記制御部は、前記通電のオン操作により、前記第1の発熱状態を呈する前記熱発生手段に対し、前記通電のオン操作後、前記初期状態期間内を含め、前記熱の温度を制御する操作が前記操作部で実行される場合、その操作時に、前記操作部が、前記第1の発熱状態以降、前記第nの発熱状態までのうち、選択された前記発熱状態に応じた前記振動モードに基づいて、振動すること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記操作部は、複数種の色で発光可能な表示手段を有し、
前記操作部で前記熱の温度を制御する操作が実行される場合には、その操作時に、前記操作部では、前記表示手段が、選択された前記発熱状態に応じた色で発光すること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記熱発生手段は、前記熱を温熱とした加熱手段であること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記操作部は、耐水性を有したカバー部材により、液密に包囲されてなること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記被服は、上着またはベストであること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項8】
請求項7に記載する温度制御機能付き被服において、
前記操作部は、前記被服に対し、その表側または裏側で、胸部または腕部の少なくとも一方の部位に配置して装着されること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、上着、ベスト等、上体で身にまとうための被服と一体で装着されてなり、この被服を着用する人を温める、または冷やすための温度を制御する温度制御機能付き被服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、防寒用の手袋が開示されている。この手袋は、手袋本体に配線した電熱線の発熱を利用して手を温め、電熱線と接続した電圧調整器により、電熱線に印加する電圧を調整して発熱を制御する。
【0003】
また、通電により発熱させる機能を具備した加温機能付き被服として、特許文献1のような手袋以外にも、上着やズボン等に配した電熱線の発熱を利用して身体を温める製品も開発されている。加温機能付き被服は、例えば、オートバイや自転車の走行時に着用される場合や、登山やスキー、フィッシングのように、アウトドアスポーツを行っているときに着用される場合等のように、低温下での屋外活動時や作業時をはじめ、様々な用途の下で着用される。
【0004】
このような加温機能付き被服では一般的に、発熱を制御する操作スイッチは、身動きする上で着用者の邪魔にならず、外部からも目立たない生地裏側にあるスイッチ配置部や、被服本体のポケット等内に収まるよう、コンパクト化されている。着用者は、操作スイッチ上に呈する色等の表示を視認して、電熱線での発熱温度を確認することができると共に、操作スイッチ上での切替え操作により、呈示する色等の表示態様を変化させて所望の発熱温度に調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような手袋のほか、上着やズボン等に電熱線を配して電気的に発熱させる加温機能付き被服では、以下の問題があった。人が、例えば、上着に加温機能を具備した加温機能付き上着(加温機能付き被服)を着用して、オートバイで走行するような場合、ライダーが、設定されている発熱温度の確認や、発熱温度の調整操作を行うとき、スイッチ上の色等の表示状態を確認するためだけに、その都度、操作スイッチをわざわざポケット等から取り出さなければならない。
【0007】
このとき、ライダーは、加温機能付き上着以外にも、ヘルメットやゴーグル、グローブ等も身に着けた重装備の状態になっていることもある。それ故に、ライダーが、発熱温度の確認や発熱温度の調整操作を行うにあたり、重装備状態の下で、操作スイッチをポケット等から取り出して目視で確認しようとすると、ヘルメットやゴーグル、グローブ等も外さなければならず、手間がかかり面倒であった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、通電により発熱または冷熱の温度が制御可能な上着、ベスト等、上体で身にまとうための被服に対し、着用者にとって使い勝手が良く、かつ制御する温度の確認を簡単に行うことができる温度制御機能付き被服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る温度制御機能付き被服は、以下の構成を有する。
【0010】
(1)着用者の上体で身にまとう被服に装着され、外気温度との対比で高温となる温熱、または低温となる冷熱のいずれかの熱を、通電により発生させる熱発生手段と、前記熱発生手段で生じる前記熱の温度の状態として、第1の発熱状態と、前記第1の発熱状態での前記熱の温度Tに対し、最も大きい温度差|ΔTn|で乖離した第n(1<n)の発熱状態との間で、複数の段階に分けて制御可能な制御部と、振動可能に形成され、前記熱発生手段への通電のオン/オフの切替え操作、及び前記制御部で前記熱の温度を制御するための操作を行う操作部と、を備え、前記操作部は、前記被服と一体で装着可能であること、前記制御部は、前記操作部で行う振動の態様である振動モードを有し、前記通電のオン操作時と前記通電のオフ操作時とで振動態様を区別して前記操作部を振動させると共に、制御する前記熱の温度に応じて、前記振動モードを、前記第1の発熱状態から前記第nの発熱状態までの各段階に対し、段階毎にそれぞれ異なる態様に可変させて前記操作部を振動させること、前記操作部は、振動周波数2000Hz以下で振動すること、前記制御部は、前記通電のオン操作により、前記第1の発熱状態を呈する前記熱発生手段に対し、前記通電のオン操作後、設定された初期状態期間内に、前記熱の温度を制御する操作が前記操作部で実行されない場合、前記第1の発熱状態と前記第nの発熱状態との間で、前記第nの発熱状態との前記温度差|ΔTn|より小さい温度差|ΔTm|で前記温度Tと乖離した第m(1<m<n)の発熱状態へと、前記熱の温度を変化させること、を特徴とする。
(2)(1)に記載する温度制御機能付き被服において、前記操作部で振動する振動周波数は、500Hz以上、かつ1500Hz以下の範囲内であること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する温度制御機能付き被服において、前記制御部は、前記通電のオン操作により、前記第1の発熱状態を呈する前記熱発生手段に対し、前記通電のオン操作後、前記初期状態期間内を含め、前記熱の温度を制御する操作が前記操作部で実行される場合、その操作時に、前記操作部が、前記第1の発熱状態以降、前記第nの発熱状態までのうち、選択された前記発熱状態に応じた前記振動モードに基づいて、振動すること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する温度制御機能付き被服において、前記操作部は、複数種の色で発光可能な表示手段を有し、前記操作部で前記熱の温度を制御する操作が実行される場合には、その操作時に、前記操作部では、前記表示手段が、選択された前記発熱状態に応じた色で発光すること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載する温度制御機能付き被服において、前記熱発生手段は、前記熱を温熱とした加熱手段であること、を特徴とする。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する温度制御機能付き被服において、前記操作部は、耐水性を有したカバー部材により、液密に包囲されてなること、を特徴とする。
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載する温度制御機能付き被服において、前記被服は、上着またはベストであること、を特徴とする。
(8)(7)に記載する温度制御機能付き被服において、前記操作部は、前記被服に対し、その表側または裏側で、胸部または腕部の少なくとも一方の部位に配置して装着されること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成を有する本発明に係る温度制御機能付き被服の作用・効果について説明する。
【0012】
(1)着用者の上体で身にまとう被服に装着され、外気温度との対比で高温となる温熱、または低温となる冷熱のいずれかの熱を、通電により発生させる熱発生手段と、熱発生手段で生じる熱の温度の状態として、第1の発熱状態と、第1の発熱状態での熱の温度Tに対し、最も大きい温度差|ΔTn|で乖離した第n(1<n)の発熱状態との間で、複数の段階に分けて制御可能な制御部と、振動可能に形成され、熱発生手段への通電のオン/オフの切替え操作、及び制御部で熱の温度を制御するための操作を行う操作部と、を備え、操作部は、被服と一体で装着可能であること、制御部は、操作部で行う振動の態様である振動モードを有し、通電のオン操作時と通電のオフ操作時とで振動態様を区別して操作部を振動させると共に、制御する熱の温度に応じて、振動モードを、第1の発熱状態から第nの発熱状態までの各段階に対し、段階毎にそれぞれ異なる態様に可変させて操作部を振動させること、操作部は、振動周波数2000Hz以下で振動すること、制御部は、通電のオン操作により、第1の発熱状態を呈する熱発生手段に対し、通電のオン操作後、設定された初期状態期間内に、熱の温度を制御する操作が操作部で実行されない場合、第1の発熱状態と第nの発熱状態との間で、第nの発熱状態との温度差|ΔTn|より小さい温度差|ΔTm|で温度Tと乖離した第m(1<m<n)の発熱状態へと、熱の温度を変化させること、を特徴とする。
【0013】
この特徴により、熱発生手段が、通電のオン操作開始後、例えば、5分間程度の初期状態期間中に維持される第1の発熱状態(例えば、高温状態等)で温度Tの発熱を行って、冷えた状態にある、本発明に係る温度制御機能付き被服の着用者の身体を温めることができる。その一方、本発明に係る温度制御機能付き被服は、初期状態期間以降、特に着用者による熱発生手段への温度制御を伴わない場合、熱発生手段での発熱温度を、第1の発熱状態(例えば、高温状態等)から第mの発熱状態(例えば、中温状態等)に調整することで、熱発生手段での消費電力が抑制でき、ひいては、電源から電力を、より長い時間供給することができるようになる。
【0014】
また、熱発生手段が、初期状態期間以降、第1の発熱状態(例えば、高温状態等)から第mの発熱状態(例えば、中温状態等)に温度調整されたことを、着用者は、操作部による振動を自身の上体に伝播させて確認することができる。そのため、着用者が、操作部を目視で直接確認できない状況下にある場合でも、操作部に生じる振動により、熱発生手段の発熱を、第mの発熱状態に温度調整されたことについて、容易に把握することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る温度制御機能付き被服の着用者に対し、操作部による振動が、身体に伝播している状況では、操作部を振動させる振動周波数が、2000Hz以下となっているため、着用者は、振動している最中、例えば、痛い、痒い等、感覚的な不快感を持たずに、制御された温度の状態を把握することができるようになる。
【0016】
従って、本発明に係る温度制御機能付き被服によれば、上着類、ベスト類等、上体で身にまとう着用者にとって使い勝手が良く、かつ制御する温度の確認を簡単に行うことができる、という優れた効果を奏する。
【0017】
(2)に記載する温度制御機能付き被服において、操作部で振動する振動周波数は、500Hz以上、かつ1500Hz以下の範囲内であること、を特徴とする。
【0018】
この特徴により、操作部による振動が、本発明に係る温度制御機能付き被服の着用者の身体に伝播されたとき、特に老若男女問わず、皮膚の硬さに依らず、皮膚上で敏感に感じ取り易くなり、より確実に皮膚から神経に伝わるようになる。
【0019】
(3)に記載する温度制御機能付き被服において、制御部は、通電のオン操作により、第1の発熱状態を呈する熱発生手段に対し、通電のオン操作後、初期状態期間内を含め、熱の温度を制御する操作が操作部で実行される場合、その操作時に、操作部が、第1の発熱状態以降、第nの発熱状態までのうち、選択された発熱状態に応じた振動モードに基づいて、振動すること、を特徴とする。
【0020】
この特徴により、着用者は、例えば、バイクで走行中、現場で作業中、ジョギングやスポーツ等を楽しんでいる最中等をはじめ、あらゆる場面にある中で、操作部を手にして目視確認できない状況下にあっても、本発明に係る温度制御機能付き被服を身にまとってさえいれば、操作部に生じる振動を身体に伝播させるだけで、熱発生手段で制御する発熱温度を、容易に確認できて把握することができる。
【0021】
(4)に記載する温度制御機能付き被服において、操作部は、複数種の色で発光可能な表示手段を有し、操作部で熱の温度を制御する操作が実行される場合には、その操作時に、操作部では、表示手段が、選択された発熱状態に応じた色で発光すること、を特徴とする。
【0022】
この特徴により、着用者が、操作部を目視で直接確認できる状況下にあれば、操作部に生じる振動と共に、操作部の表示手段による発光により、熱発生手段で制御された発熱温度を、容易に把握することができる。
【0023】
(5)に記載する温度制御機能付き被服において、熱発生手段は、熱を温熱とした加熱手段であること、を特徴とする。
【0024】
この特徴により、本発明に係る温度制御機能付き被服は、例えば、極寒の野外や寒い屋内環境で働く作業者、バイクや自転者で風を切って走行する人、風により体感温度の低下を伴うような人、ウインタースポーツ、キャンプや釣り等を楽しむ人、レクリエーションや観戦等を行っている人等、暖を取れない人に、熱発生手段で発熱した熱を届けることができる。そのため、着用者は、本発明に係る温度制御機能付き被服より快適さを得て、活動することができるようになる。
【0025】
(6)に記載する温度制御機能付き被服において、操作部は、耐水性を有したカバー部材により、液密に包囲されてなること、を特徴とする。
【0026】
この特徴により、着用者が、本発明に係る温度制御機能付き被服を着用中、操作部が、雨雪、河川・海水等の水や、外部からの排気ガス、砂塵等の異物に晒される場合でも、カバー部材が、このような水や異物に起因した操作部の故障、損傷を防止することができる。
【0027】
(7)に記載する温度制御機能付き被服において、被服は、上着またはベストであること、を特徴とする。
【0028】
この特徴により、本発明に係る温度制御機能付き被服は、熱発生手段で温熱を発生する場合、暖房設備がない環境下や、暖房が十分でない環境下等に起因して、身体の中でも、例えば、上半身だけ、背中だけ等のように、特に温めたい特定部分だけを対象にして、熱発生手段で発熱した温熱により、重点的に温めることができる。また、本発明に係る温度制御機能付き被服は、熱発生手段で冷熱を発生する場合、冷房設備がない環境下や、冷房が十分でない環境下等に起因して、身体の中でも、例えば、上半身だけ、背中だけ等のように、特に冷やしたい特定部分だけを、熱発生手段で発熱した冷熱により、重点的に冷やすことができる。
【0029】
(8)に記載する温度制御機能付き被服において、操作部は、被服に対し、その表側または裏側で、胸部または腕部の少なくとも一方の部位に配置して装着されること、を特徴とする。
【0030】
この特徴により、例えば、ヘルメットやゴーグル、グローブ等も身に着けた重装備の状態になっているライダー、現場の作業者等をはじめ、本発明に係る温度制御機能付き被服を着用する人にとって、操作部の操作が行い易い。しかも、操作部による振動が、本発明に係る温度制御機能付き被服の着用者の身体に伝播されたときに、着用者の身体の皮膚上で感じ取り易い。さらに、操作部が、特に着用者の心臓に近接した部位に配置して、被服と一体で装着されていると、着用者は、操作部の振動を敏感に感じ取ることができ、制御された温度の状態を、的確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】実施形態1に係る温度制御機能付き被服の実施例1として、被服本体の胸元部表側に操作スイッチを装着した場合の防寒用上着を概略的に示す説明図である。
【
図2】実施形態1に係る温度制御機能付き被服に構成した発熱体の配置を、例示的に示す模式図であり、(a)は前身項側から見た正面図、(b)は後身項側から見た背面図を、それぞれ示す。
【
図3】実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服の電気系統を、例示的に示す模式図である。
【
図4】実施形態1に係る温度制御機能付き被服の実施例2として、被服本体の胸元部裏側に操作スイッチを装着した場合の防寒用上着を概略的に示す説明図である。
【
図5】実施形態1に係る温度制御機能付き被服の実施例3として、被服本体の上腕部表側に操作スイッチを装着した場合の防寒用上着を概略的に示す説明図である。
【
図6】実施形態1に係る温度制御機能付き被服の実施例4として、被服本体の前腕部表側に操作スイッチを装着した場合の防寒用上着を概略的に示す説明図である。
【
図7】実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服の操作スイッチを示す平面図である。
【
図8】
図7に示す操作スイッチの構成を示すブロック図である。
【
図9】実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服の操作スイッチと被服本体との固着構造の一例を、被服の断面を用いて示す説明図であり、(a)は被服本体の表側に操作スイッチを装着する場合の図、(b)は被服本体の裏側に操作スイッチを装着する場合の図を、それぞれ示す。
【
図10】変形形態に係る温度制御機能付き被服の操作スイッチと被服本体との固着構造の一例を、被服の断面を用いて示す説明図であり、被服本体の表側に操作スイッチを装着する場合の図である。
【
図11】実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服で、初期状態期間内に温度制御操作を実行しない第1の場合について、操作スイッチの操作要領とヒータの発熱制御との関係を示すタイミングチャートである。
【
図12】実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服で、初期状態期間内に温度制御操作を実行する第2の場合について、操作スイッチの操作要領とヒータの発熱制御との関係を示すタイミングチャートである。
【
図13】実施形態2に係る温度制御機能付き被服として、被服本体の胸元部表側に操作スイッチを装着した場合の防寒用ベストを概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る温度制御機能付き被服について、実施形態1,2を図面に基づいて詳細に説明する。本発明に係る温度制御機能付き被服は、例えば、作業服、スキーや登山用服、バイクや自転車等のツーリング用服、レクリエーションやアウトドア用服等、着用者の上体で身にまとう態様となっている。この温度制御機能付き被服は、被服に、外気温度との対比で高温となる温熱、または低温となる冷熱のいずれかの熱を、通電により発生させる機能を付したものである。本発明に係る温度制御機能付き被服の一例として、実施形態1では、通電により温熱を発生させる機能を付した防寒用上着とする場合を、実施形態2では、防寒用ベストとする場合をそれぞれ挙げて、説明する。
【0033】
(実施形態1)
はじめに、実施形態1に係る温度制御機能付き被服1の概要について、簡単に説明する。実施形態1に係る温度制御機能付き被服1として、以下、実施例1~4の防寒用上着3A,3B,3C,3Dを例示的に挙げるが、
図1に示す実施例1の防寒用上着3Aを用いて、温度制御機能付き被服1を説明する。
【0034】
図1は、実施形態1に係る温度制御機能付き被服の実施例1として、被服本体の胸元部表側に操作スイッチを装着した場合の防寒用上着を概略的に示す説明図である。なお、
図1中、左右方向左側を、被服右側Rとし、左右方向右側を、被服左側Lとし、
図2以降の各図についても、この定義に準ずる。
図2は、実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服に構成した発熱体の配置を、例示的に示す模式図であり、(a)は前身項側から見た正面図、(b)は後身項側から見た背面図を、それぞれ示す。
図3は、実施形態1に係る温度制御機能付き被服の電気系統を、例示的に示す模式図である。
【0035】
(実施例1)
図1に示すように、温度制御機能付き被服1は、一例として挙げた実施例1の防寒用上着3Aである。防寒用上着3Aは、
図1~
図3に示すように、例えば、ジャンパー、ジャケット、作業服の上着等、着用者の上体で身にまとう上着である被服本体5(被服)と共に、操作スイッチ10(操作部)と、発熱体20(熱発生手段、加熱手段)と、電源31等を備える。
図3に示すように、操作スイッチ10、発熱体20、及び電源31は、電気的に接続されている。
【0036】
図1~
図3に示すように、被服本体5をなす生地には、発熱体20が、例えば、前身頃2Fの胸部や腹部と、後身頃2Rの肩部や腰部等、所定の部位に敷設されている。発熱体20は、本実施形態では、通電により、外気温度との対比で高温となる温熱を発生可能な加熱手段である。具体的には、発熱体20は、例えば、電熱線への通電で発生するジュール熱を利用した電熱線ヒータ、遠赤外線ヒータ等である。
【0037】
電源31は、発熱体20に電力を供給する一次電池や二次電池等の蓄電池である。電源31は、被服本体5の裏側にあるポケット等からなる電源収容部34に、外側から見えない態様で配設されている。電源収容部34は、電源31やコネクタ33を外部に露出することなく覆っているため、電源31やコネクタ33を、外部での雨や雪、排気ガス等から保護できている。
【0038】
温度制御機能付き被服1が実施例1の防寒用上着3Aである場合、操作スイッチ10は、被服本体5に対し、それをなす生地の表側、かつ被服左側Lで、胸元部5Aのうち、当該防寒用上着3Aの着用者の心臓に近接した部位に配置され、被服本体5と一体に装着されている。
【0039】
(実施例2)
図4は、実施形態1に係る温度制御機能付き被服の実施例2として、被服本体の胸元部裏側に操作スイッチを装着した場合の防寒用上着を概略的に示す説明図である。
図4に示すように、温度制御機能付き被服1は、一例として挙げた実施例2の防寒用上着3Bである。防寒用上着3Bでは、操作スイッチ10は、被服本体5に対し、それをなす生地の裏側、かつ被服右側Rで、胸元部5Aのうち、当該防寒用上着3Aの着用者の右肺に近接した部位に配置され、被服本体5と一体に装着されている。
【0040】
(実施例3)
図5は、実施形態1に係る温度制御機能付き被服の実施例3として、被服本体の上腕部表側に操作スイッチを装着した場合の防寒用上着を概略的に示す説明図である。
図5に示すように、温度制御機能付き被服1は、一例として挙げた実施例3の防寒用上着3Cである。防寒用上着3Cでは、操作スイッチ10は、被服本体5に対し、それをなす生地の表側、かつ被服左側Lで、片と肘の間にある上腕部5Bの中間部位に配置され、被服本体5と一体に装着されている。
【0041】
(実施例4)
図6は、実施形態1に係る温度制御機能付き被服の実施例4として、被服本体の前腕部表側に操作スイッチを装着した場合の防寒用上着を概略的に示す説明図である。
図6に示すように、温度制御機能付き被服1は、一例として挙げた実施例4の防寒用上着3Dである。防寒用上着3Dでは、操作スイッチ10は、被服本体5に対し、それをなす生地の裏側、かつ被服右側Rで、肘と手首の間にある前腕部5Cの中間部位に配置され、被服本体5と一体に装着されている。
【0042】
次に、操作スイッチ10について、説明する。
図7は、実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服の操作スイッチを示す平面図である。操作スイッチ10は、扁平した略直方体の形態で形成されており、本実施形態では、耐水性を有するシリコーン(Silicone)製で無色透明のカバー部材18により、
図7に示すように、スイッチ上面10aを含む外面全体を液密に包囲されてなる。
【0043】
図8は、
図7に示す操作スイッチの構成を示すブロック図である。
図7及び
図8に示すように、操作スイッチ10は、その内部に、制御ユニット11(制御部)、振動ユニット12、表示ユニット13(表示手段)、及び押下操作機能部14を搭載しており、操作スイッチ10内では、振動ユニット12と表示ユニット13と押下操作機能部14が、制御ユニット11と電気的に接続されている。
【0044】
押下操作機能部14は、
図7に示すように、スイッチ上面10aにある押下部15を、指で軽く押すことにより、発熱体20への通電のオン/オフの切替え操作と、制御ユニット11で発熱の温度を制御するための操作を可能とした態様で構成されている。表示ユニット13は、スイッチ上面10aにある表示部16で、複数種の色から選択的に発光可能とした態様で構成されている。
【0045】
加えて、操作スイッチ10は、振動ユニット12により、振動可能に構成されている。振動ユニット12は、被服本体5に装着され操作スイッチ10全体で、振動を発生させる機能を有する。操作スイッチ10は、振動周波数2000Hz以下で振動する。具体的には、操作スイッチ10で振動する振動周波数は、500Hz以上、かつ1500Hz以下の範囲内であり、本実施形態では、1000Hzとなっている。
【0046】
また、操作スイッチ10の振動は、例えば、数十から数百μmまでの範囲内等と、比較的大きな振幅で発生するものであり、被服本体5を着用していても、その手に十分に伝播可能な振幅を呈した振動態様である。なお、操作スイッチ10の振幅は、例示した範囲の大きさに限定されるものではなく、温度制御機能付き被服1の着用者にとって不快と感じない程度の大きさであることが好ましい。また、振動ユニット12は、振幅を可変して調整することができる機能を有していることが好ましい。
【0047】
次に、被服本体5に装着されている操作スイッチ10の取付構造について、一例とする
図9及び
図10を用いて説明する。
図9は、実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服の操作スイッチと被服本体との固着構造の一例を、被服の断面を用いて示す説明図であり、(a)は被服本体の表側に操作スイッチを装着する場合の図、(b)は被服本体の裏側に操作スイッチを装着する場合の図を、それぞれ示す。
【0048】
実施例1,3に係る防寒用上着3A,3Cのように、操作スイッチ10が被服本体5の表側にある場合には、
図9(a)に示すように、例えば、皮製、ゴム製、樹脂製等、剛性の高い材質からなる固定側接合部材17が、生地6の生地表面6aに敷設されている。生地裏面6bは、当該防寒用上着3A,3Cの着用者の身体側(裏側)に配置される。操作スイッチ10は、スイッチ上面10aを生地表面6a側に向けてこの固定側接合部材17上に載置され、カバー部材18により、スイッチ上面10aを含む外面全体を液密に包囲して装着される。かくして、操作スイッチ10が、
図1、
図5、及び
図9(a)に示すように、被服本体5をなす生地6の表側(生地表面6a側)に装着されている。
【0049】
また、実施例2,4に係る防寒用上着3B,3Dのように、操作スイッチ10が被服本体5の裏側にある場合には、
図9(b)に示すように、例えば、皮製、ゴム製、樹脂製等、剛性の高い材質からなる固定側接合部材17が、生地6の生地裏面6bに敷設されている。操作スイッチ10は、スイッチ上面10aを上向きにしてこの固定側接合部材17と当接させた状態で配置され、カバー部材18により、当該操作スイッチ10全体を液密に包囲して装着される。かくして、操作スイッチ10が、
図4、
図6、及び
図9(b)に示すように、被服本体5をなす生地6の裏側(生地裏面6b側)に装着されている。
【0050】
なお、操作スイッチ10が被服本体5の裏側にある場合に、操作スイッチ10が、スイッチ上面10aを下向きにして固定側接合部材17と当接させた状態で配置されても良い。操作スイッチ10が被服本体5の裏側に配置されていると、意匠上、温度制御機能付き被服1の外観が、操作スイッチ10によって損なわれないことや、温度制御機能付き被服1の着用者が動作するときに、操作スイッチ10が外部との接触等で邪魔になってしまうことはない。
【0051】
なお、操作スイッチ10が被服本体5の裏側にあると、防寒用上着3A,3Cの着用者は、操作スイッチ10を視認できない。そのため、
図9(b)に示すように、生地6の生地表面6a上には、目印6cが、操作スイッチ10の配置位置に設けられていると、着用者は、操作スイッチ10の配置位置を、より正確に把握することができるようになる。目印6cは、任意で設け、特段設けない場合でも良い。
【0052】
また、温度制御機能付き被服1において、被服本体5と操作スイッチ10との取付構造として、操作スイッチ10は、被服本体5と着脱可能な構成で一体的に装着されていても良い。
図10は、変形形態に係る温度制御機能付き被服の操作スイッチと被服本体との固着構造の一例を、被服の断面を用いて示す説明図であり、被服本体の表側に操作スイッチを装着する場合の図である。
【0053】
図10に例示するように、固定側接合部材7が、被服本体5をなす生地6の表側(生地表面6a側)に敷設され、生地裏面6bは、当該温度制御機能付き被服1の着用者の身体側(裏側)となっている。固定側接合部材7は、面ファスナのループ部をなして形成されていると共に、帯状の着脱側接合部材8が、面ファスナのフック部をなして形成されている。操作スイッチ10は、固定側接合部材7上に載置された状態の下、固定側接合部材7の面ファスナのループ部と、着脱側接合部材8の面ファスナのループ部とを接着させた接合部9で、互いに結合し保持した状態にすることで、被服本体5と一体的に装着される。
【0054】
次に、温度制御機能付き被服1の操作スイッチ10で行う制御の態様について、説明する。
図8に示すように、操作スイッチ10は、その内部に、制御ユニット11、振動ユニット12、表示ユニット13、及び押下操作機能部14を有している。制御ユニット11は、発熱体20で生じる熱の温度の状態として、第1の発熱状態と、第1の発熱状態での熱の温度Tに対し、最も大きい温度差|ΔTn|で乖離した第n(1<n)の発熱状態との間で、複数の段階に分けて制御可能に構成されている。また、制御ユニット11は、操作スイッチ10で行う振動の態様である振動モードを複数種呈する機能を有している。
【0055】
具体的に説明する。
図11は、実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服で、初期状態期間内に温度制御操作を実行しない第1の場合について、操作スイッチの操作要領とヒータの発熱制御との関係を示すタイミングチャートである。
図12は、実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服で、初期状態期間内に温度制御操作を実行する第2の場合について、操作スイッチの操作要領とヒータの発熱制御との関係を示すタイミングチャートである。
【0056】
制御ユニット11は、例えば、発熱体20への通電時の電流制御、発熱体20に印加する電圧制御、デューティ制御等により、発熱体20での発熱を制御して、発生する温熱の熱量を調整・可変させている。すなわち、制御ユニット11は、発熱体20で発生させる熱の状態として、
図11及び
図12に示すように、高温状態(第1の発熱状態)、中高温状態、中温状態(第mの発熱状態)、そして低温状態(第nの発熱状態)と、本実施形態では、4段階で制御可能となっている。なお、発熱体20の発熱制御は、4段階に限定されるものではなく、種々変更可能である。
【0057】
高温状態は、発熱体20においてフルに出力して発熱可能な100%の状態であり、発熱体20で発熱可能な最も高い温度T(0<T)の温熱となっている。低温状態は、発熱体20において、高温状態と比べ、半分程の出力で発熱可能な50%の状態であり、温度差ΔTn(0<ΔTn)で高温状態の温度Tよりも低い温度T2(0<T2<T)の温熱となっている。
【0058】
中温状態は、発熱体20において、高温状態と低温状態との中間の出力で発熱可能な75%の状態であり、温度差ΔTnよりも小さい温度差ΔTm(0<ΔTm<ΔTn)で、高温状態の温度Tよりも低い、すなわち高温状態より低く、かつ低温状態より高い温度T3(0<T2<T3<T)の温熱となっている。中高温状態は、発熱体20において、高温状態と中温状態との間にある出力で発熱可能な85~90%の状態であり、温度差ΔTnよりも小さい温度差ΔTq(0<ΔTm<ΔTq<ΔTn)で、高温状態の温度Tよりも低い、すなわち高温状態より低く、かつ中温状態よりやや高い温度T4(0<T3<T4<T)の温熱となっている。
【0059】
制御ユニット11は、押下部15による発熱体20へのオン操作時とオフ操作時とで振動態様を区別して操作部を振動させると共に、制御する温熱の温度に応じて、振動モードを、高温状態から低温状態までの各段階に対し、段階毎にそれぞれ異なる態様に可変させて操作スイッチ10を振動させる。
【0060】
また、制御ユニット11は、
図11に示すように、発熱体20へのオン操作により、高温状態を呈する発熱体20に対し、オン操作後、設定された初期状態期間K内に、熱の温度を制御する操作が操作スイッチ10で実行されない場合、高温状態と低温状態との間で、温度差|ΔTm|で高温状態の温度Tと乖離した中温状態へと、熱の温度を変化させる。加えて、制御ユニット11は、
図12に示すように、発熱体20へのオン操作により、高温状態を呈する発熱体20に対し、オン操作後、設定された初期状態期間K内を含み、熱の温度を制御する操作が操作スイッチ10で実行される場合、その操作時に、操作スイッチ10が、高温状態以降、中高温状態、中温状態、及び低温状態までのうち、選択された発熱状態に応じた振動モードに基づいて、振動する。
【0061】
他方、操作スイッチ10で熱の温度を制御する操作が実行される場合には、その操作時に、操作スイッチ10では、表示ユニット13が、選択された発熱状態に応じた色で発光する。
【0062】
具体的には、本実施形態で
図11及び
図12に例示するように、初期状態期間K内に温度制御操作を実行しない第1の場合、温度制御操作を実行する第2の場合とも、操作スイッチ10では、発熱体20へのオン操作を行う場合、押下部15が1回、2~3秒間程、長押しされると、表示部16が赤色に点滅すると共に、操作スイッチ10が間欠で3回(3Hz)振動する。一方で、発熱体20での通電のオフ操作を行う場合、押下部15が1回、2~3秒間程、長押しされると、表示部16が消灯すると共に、操作スイッチ10が1回振動する。
【0063】
制御ユニット11は、発熱体20へのオン操作を開始した時刻tsから時刻t0までの初期状態期間K(例えば、5分間)、発熱体20を高温状態に維持する。このとき、初期状態期間K内に温度制御操作が実行されない第1の場合には、制御ユニット11は、発熱体20での温度制御を、高温状態から中温状態に調整すると共に、表示部16で青色に点灯すると共に、操作スイッチ10を1回振動させる。
【0064】
また、
図12に示すように、発熱体20へのオン操作を開始した時刻tsから時刻t0までの初期状態期間K内に、温度制御操作が操作スイッチ10で実行される第2の場合には、操作スイッチ10の押下部15が、温度制御機能付き被服1の着用者によって、1秒間、瞬時的な短押しで1回押されると、表示部16が赤色に点灯すると共に、操作スイッチ10が3回振動して、制御ユニット11は、発熱体20での温度制御を、高温状態から中高温状態に調整する。押下部15が、瞬時的な短押しで再び1回押されると、表示部16が白色に点灯すると共に、操作スイッチ10が2回振動して、制御ユニット11は、発熱体20での温度制御を、中高温状態から中温状態に調整する。さらに、押下部15が、瞬時的な短押しで再度1回押されると、表示部16が青色に点灯すると共に、操作スイッチ10が1回振動して、制御ユニット11は、発熱体20での温度制御を、中温状態から低温状態に調整する。
【0065】
図11及び
図12には図示されていないが、初期状態期間K内に温度制御操作を実行しない第1の場合、温度制御操作を実行する第2の場合とも、初期状態期間K以降に、温度制御操作が操作スイッチ10で実行されるときには、昇温操作・降温操作に拘わらず、
図12中、時刻t1、t2、t3時になす振動モードや色表示と同じ要領で、操作スイッチ10の振動と表示部16の色表示が行われる。また、発熱体20の温度制御は、押下部15の操作を行う度に、高温状態から順に、中高温状態、中温状態を経て、低温状態となり、さらに押下部15の操作を続けると、低温状態から再び高温状態に戻る。そして、さらに押下部15の操作を断続的に続けることで、発熱体20の温度制御は、中高温状態、中温状態、低温状態と、高温状態と低温状態との間にある操作サイクルを繰り返して行われる。
【0066】
なお、
図11及び
図12に示したタイミングチャートは、実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能である。
【0067】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る温度制御機能付き被服101の概要について、
図13を用いて簡単に説明する。
図13は、実施形態2に係る温度制御機能付き被服として、被服本体の胸元部表側に操作スイッチを装着した場合の防寒用ベストを概略的に示す説明図である。実施形態1に係る温度制御機能付き被服1は、着用者の上体で身にまとう被服本体5(被服)を、例えば、ジャンパー、ジャケット、作業服の上着等とした。これに対し、実施形態2では、実施形態1に係る温度制御機能付き被服101では、被服本体105(被服)は、ベストである。実施形態2では、実施形態1とは異なる部分を中心に説明し、実施形態1と共通する部分の説明は、同じ符号を用いて簡略、または省略する。
【0068】
具体的に説明する。
図13に例示するように、実施形態2に係る温度制御機能付き被服101は、防寒用ベスト103である。防寒用ベスト103は、例えば、作業着向けのベスト、レジャー向けのベスト等、着用者の上体で身にまとうベスト形態の被服本体105と共に、操作スイッチ10と、発熱体20(
図3参照)と、電源31等を備える。
【0069】
防寒用ベスト103には、操作スイッチ10が、被服本体105に対し、それをなす生地の表側、かつ被服左側Lで、胸元部105Aのうち、当該防寒用ベスト103の着用者の心臓に近接した部位に配置され、被服本体105と一体に装着されている。防寒用ベスト103の用途の一例として、その着用者が、作業用ジャンパーの内側にこの防寒用ベスト103を着て採暖するような場合等に使用される。
【0070】
次に、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101の作用・効果について説明する。
【0071】
本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101は、被服本体5に装着され、外気温度との対比で高温となる温熱を、通電により発生させる発熱体20と、発熱体20で生じる熱の温度の状態として、高温状態と、高温状態での熱の温度Tに対し、最も大きい温度差|ΔTn|で乖離した低温状態との間で、複数の段階に分けて制御可能な制御ユニット11と、振動可能に形成され、発熱体20への通電のオン/オフの切替え操作、及び制御ユニット11で熱の温度を制御するための操作を行う操作スイッチ10と、を備え、操作スイッチ10は、被服本体5と一体で装着可能であること、制御ユニット11は、操作スイッチ10で行う振動の態様である振動モードを有し、オン操作時とオフ操作時とで振動態様を区別して操作部を振動させると共に、制御する熱の温度に応じて、振動モードを、高温状態から中高温状態、中温状態、低温状態までの各段階に対し、段階毎にそれぞれ異なる態様に可変させて操作スイッチ10を振動させること、操作スイッチ10は、振動周波数2000Hz以下で振動すること、制御ユニット11は、オン操作により、高温状態を呈する発熱体20に対し、オン操作後、設定された初期状態期間K内に、熱の温度を制御する操作が操作スイッチ10で実行されない場合、高温状態と低温状態との間で、高温状態との温度差|ΔTn|より小さい温度差|ΔTm|で温度Tと乖離した中温状態へと、熱の温度を変化させること、を特徴とする。
【0072】
この特徴により、発熱体20が、通電のオン操作開始後、例えば、5分間程度の初期状態期間K中に維持される高温状態で温度Tの発熱を行って、冷えた状態にある温度制御機能付き被服1の着用者の身体を温めることができる。その一方、温度制御機能付き被服1,101は、初期状態期間K以降、特に、着用者による発熱体20への温度制御を伴わない場合、発熱体20での発熱温度を、高温状態から中温状態に調整することで、発熱体20での消費電力が抑制でき、ひいては、電源31から電力を、より長い時間供給することができている。
【0073】
また、発熱体20が、初期状態期間以降、高温状態から中温状態に温度調整されたことを、温度制御機能付き被服1,101の着用者は、操作スイッチ10による1回の振動を自身の上体に伝播させて確認することができる。併せて、着用者は、表示部16による青色点灯によっても確認することができる。そのため、温度制御機能付き被服1,101の着用者が、操作スイッチ10を目視で直接確認できない状況下にある場合でも、操作スイッチ10に生じる振動により、発熱体20での発熱を、中温状態に温度調整されたことについて、容易に把握することができる。特に着用者が、ヘルメットやゴーグル等の装着物を身に着けて操作スイッチ10を目視で確認し難い状況下にある場合等でも、ヘルメット等を外さず、操作スイッチ10に生じる振動により、発熱体20での発熱状態を判別することができる。それ故に、着用者にとって、温度制御機能付き被服1,101の使い勝手は良い。
【0074】
さらに、温度制御機能付き被服1,101の着用者に対し、操作スイッチ10による振動が、身体に伝播している状況では、操作スイッチ10を振動させる振動周波数が、2000Hz以下となっているため、着用者は、振動している最中、例えば、痛い、痒い等、感覚的な不快感を持たずに、制御された温度の状態を把握することができるようになる。
【0075】
従って、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101によれば、上着類やベスト類等、上体で身にまとう着用者にとって使い勝手が良く、かつ制御する温度の確認を簡単に行うことができる、という優れた効果を奏する。
【0076】
また、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101では、操作スイッチ10で振動する振動周波数は、500Hz以上、かつ1500Hz以下の範囲内であること、を特徴とする。
【0077】
この特徴により、操作スイッチ10による振動が、温度制御機能付き被服1,101の着用者の身体に伝播されたとき、特に老若男女問わず、皮膚の硬さに依らず、皮膚上で敏感に感じ取り易くなり、より確実に皮膚から神経に伝わるようになる。
【0078】
また、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101では、制御ユニット11は、オン操作により、高温状態を呈する発熱体20に対し、オン操作後、初期状態期間K内を含め、熱の温度を制御する操作が操作スイッチ10で実行される場合、その操作時に、操作スイッチ10が、高温状態以降、低温状態までのうち、選択された発熱状態に応じた振動モードに基づいて、振動すること、を特徴とする。
【0079】
この特徴により、着用者は、例えば、バイクで走行中、現場で作業中や、ジョギングやスポーツ等を楽しんでいる最中等をはじめ、あらゆる場面にある中で、操作スイッチ10を手にして目視確認できない状況下にあっても、温度制御機能付き被服1,101を身にまとってさえいれば、操作スイッチ10に生じる振動を身体に伝播させるだけで、発熱体20で制御する発熱温度を、容易に確認できて把握することができる。特に、着用者が、温度制御機能付き被服1,101の操作スイッチ10を見ないで、グローブや手袋を付けたまま、操作スイッチ10の押下部15を押下して発熱体20の発熱温度を調整するような場合でも、操作スイッチ10で生じる振動の態様を通じて、制御された発熱体20の発熱状態を把握することができる。
【0080】
また、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101では、操作スイッチ10は、複数種の色で発光可能な表示ユニット13を有し、操作スイッチ10で熱の温度を制御する操作が実行される場合には、その操作時に、操作スイッチ10では、表示ユニット13が、選択された発熱状態に応じた色で発光すること、を特徴とする。
【0081】
この特徴により、着用者が、操作スイッチ10を目視で直接確認できる状況下にあれば、操作スイッチ10に生じる振動と共に、操作スイッチ10の表示部16による発光により、発熱体20で制御された発熱温度を、容易に把握することができる。
【0082】
また、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101では、熱発生手段は、熱を温熱とした発熱体20であること、を特徴とする。
【0083】
この特徴により、温度制御機能付き被服1,101は、例えば、極寒の野外や寒い屋内環境で働く作業者、バイクや自転者で風を切って走行する人、風により体感温度の低下を伴うような人、ウインタースポーツ、キャンプや釣り等を楽しむ人、レクリエーションや観戦等を行っている人等、暖を取れない人に、発熱体20で発熱した温熱を届けることができる。そのため、着用者は、温度制御機能付き被服1,101より快適さを得て、活動することができるようになる。
【0084】
また、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101では、操作スイッチ10は、耐水性を有したカバー部材18により、液密に包囲されてなること、を特徴とする。
【0085】
この特徴により、着用者が温度制御機能付き被服1,101を着用中、操作スイッチ10が、雨雪、河川・海水等の水や、外部からの排気ガス、砂塵等の異物に晒される場合でも、カバー部材18が、これらの水や異物に起因した操作スイッチ10の故障、損傷を防止することができる。
【0086】
また、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101では、被服本体5,105は、例えば、ジャンパー、ジャケット、作業服上着等の上着、またはベストであること、を特徴とする。
【0087】
この特徴により、温度制御機能付き被服1,101は、暖房設備がない環境下や、暖房が十分でない環境下等に起因して、身体の中でも、例えば、上半身だけ、背中だけ等のように、特に温めたい特定部分だけを、発熱体20で発熱した温熱により、重点的に温めることができる。
【0088】
特に温度制御機能付き被服101の場合、被服本体105がベストになっているため、着用者は、袖を有した上着に比べ、身動きし易い。また、着用者は、温度制御機能付き被服101を着用した上に、長袖の上着や、ジャンパー、ジャケット、作業服上着を重ね着することもできる。そのため、着用者のいる場所で、朝夕の時間帯が特に冷える環境下や、非常に低温下にある屋外と、屋外との寒暖の差大きい屋内との間を行き来して作業等を行うような場合、着用者は、温度制御機能付き被服101だけの着脱を行って身体の温度調節を行うことや、被服本体105を着たまま、被服本体105と重ね着した上着だけの着脱を行って身体の温度調節を行うことが、柔軟に対応できるようになる。
【0089】
また、本実施形態1,2に係る温度制御機能付き被服1,101では、操作スイッチ10は、被服本体5に対し、その生地6をなす表側(生地表面6a側)または裏側(生地裏面6b側)で、胸元部5A,105Aまたは、腕部(上腕部5Bまたは前腕部5C)の少なくとも一方の部位に配置して装着されること、を特徴とする。
【0090】
この特徴により、例えば、ヘルメットやゴーグル、グローブ等も身に着けた重装備の状態になっているライダー、現場の作業者等をはじめ、温度制御機能付き被服1,101を着用する人にとって、操作スイッチ10の操作が行い易い。しかも、操作スイッチ10による振動が、温度制御機能付き被服1,101の着用者の身体に伝播されたときに、着用者の身体の皮膚上で感じ取り易い。温度制御機能付き被服1の実施例1に係る防寒用上着3Aや、温度制御機能付き被服101に係る防寒用ベスト103のように、操作スイッチ10が、特に着用者の心臓に近接した部位に配置され、被服本体5,105と一体に装着されていると、着用者は、操作スイッチ10の振動を敏感に感じ取ることができ、制御された温度の状態を、的確に把握することができる。
【0091】
以上において、本発明を実施形態1,2に即して説明したが、本発明は上記実施形態1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
【0092】
(1)例えば、実施形態では、操作スイッチ10よる振動は、身体で感知し易くするために、操作スイッチ10を装着する被服本体5,105の部位に応じて、振動周波数や振幅を変化させても良い。あるいは、着用者が、上体で重ね着している下着やシャツ、セーター等、種々の衣服で、厚着の状態または薄着の状態に応じて、振動する操作スイッチ10の振動周波数や振幅を、変化させても良い。
【0093】
(2)また、実施形態では、電熱線からなる発熱体20を、熱発生手段・加熱手段とした温度制御機能付き被服1を挙げた。しかしながら、本発明に係る加熱手段は、実施形態に限定されるものではなく、例えば、ペルチェ素子の高温側の熱を利用する等、通電により温熱を発生させることができるものであれば良い。
【0094】
(3)また、実施形態では、通電により温熱を発生させる発熱体20を、熱発生手段とした温度制御機能付き被服1を挙げた。しかしながら、熱発生手段は、発生させる熱を温熱に限定されるものではなく、例えば、ペルチェ素子の低温側の冷熱を利用する等、通電により冷熱を発生させても良い。すなわち、本発明に係る温度制御機能付き被服は、冷熱を発生させる熱発生手段を被服の本体に備えたものであっても良い。
【0095】
(4)また、実施形態では、被服本体5において、
図2に図示した発熱体20の敷設経路は、説明上、あくまでも例示に過ぎず、実施形態に限定されるものではなく適宜変更可能であり、熱発生手段、加熱手段は、被服に対し、機能上、必要とされる部分に配設されていることが重要である。
【符号の説明】
【0096】
1,101 温度制御機能付き被服
3A,3B,3C,3D 防寒用上着(温度制御機能付き被服)
5 被服本体(被服)
5A,105A 胸元部(胸部)
5B 上腕部(腕部)
5C 前腕部(腕部)
10 操作スイッチ(操作部)
11 制御ユニット(制御部)
13 表示ユニット(表示手段)
18 カバー部材
20 発熱体(熱発生手段、加熱手段)
103A 防寒用ベスト(温度制御機能付き被服)
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の上体で身にまとう被服に装着され、外気温度との対比で高温となる温熱、または低温となる冷熱のいずれかの熱を、通電により発生させる熱発生手段と、該熱発生手段への通電のオン/オフの切替え操作を行う操作部とを備え、着用者の上体に着る温度制御機能付き被服において、
前記熱発生手段で生じる前記熱の温度の状態として、最も高い前記温熱の温度、または最も低い前記冷熱の温度である第1の発熱状態と、前記第1の発熱状態での前記熱の温度Tに対し、最も大きい温度差|ΔTn|で乖離した第n(1<n)の発熱状態との間で、複数の段階に分けて制御可能な制御部と、
前記操作部は、振動可能な態様であると共に、前記制御部で前記熱の温度を制御するための操作を可能とした態様で形成されていること、
前記操作部は、前記被服と一体で装着可能であり、前記被服に対し、その表側または裏側で、胸部または腕部の少なくとも一方の部位に配置して装着されること、
前記制御部は、前記操作部で行う振動の態様である振動モードを有し、前記通電のオン操作時と前記通電のオフ操作時とで振動態様を区別して前記操作部を振動させると共に、制御する前記熱の温度に応じて、前記振動モードを、前記第1の発熱状態から前記第nの発熱状態までの各段階に対し、段階毎にそれぞれ異なる態様に可変させて前記操作部を振動させること、
前記操作部は、振動周波数2000Hz以下で振動し、装着された前記被服からの振動を着用者の身体で感知し易くするために、着用者の上体で重ね着している衣服に対し、厚着の状態または薄着の状態に応じて、前記制御部で振幅を変化させて振動すること、
前記制御部は、前記通電のオン操作により、前記第1の発熱状態を呈する前記熱発生手段に対し、前記通電のオン操作後、設定された初期状態期間内に、前記熱の温度を制御する操作が前記操作部で実行されない場合、前記第1の発熱状態と前記第nの発熱状態との間で、前記第nの発熱状態との前記温度差|ΔTn|より小さい温度差|ΔTm|で前記温度Tと乖離した第m(1<m<n)の発熱状態へと、前記熱の温度を変化させること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項2】
請求項1に記載する温度制御機能付き被服において、
前記操作部で振動する振動周波数は、500Hz以上、かつ1500Hz以下の範囲内であること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記制御部は、前記通電のオン操作により、前記第1の発熱状態を呈する前記熱発生手段に対し、前記通電のオン操作後、前記初期状態期間内を含め、前記熱の温度を制御する操作が前記操作部で実行される場合、その操作時に、前記操作部が、前記第1の発熱状態以降、前記第nの発熱状態までのうち、選択された前記発熱状態に応じた前記振動モードに基づいて、振動すること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記操作部は、複数種の色で発光可能な表示手段を有し、
前記操作部で前記熱の温度を制御する操作が実行される場合には、その操作時に、前記操作部では、前記表示手段が、選択された前記発熱状態に応じた色で発光すること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記熱発生手段は、前記熱を温熱とした加熱手段であること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記操作部は、耐水性を有したカバー部材により、液密に包囲されてなること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載する温度制御機能付き被服において、
前記被服は、上着またはベストであること、
を特徴とする温度制御機能付き被服。