(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118415
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240823BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240823BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20240823BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20240823BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H01L23/12 N
H05K1/02 A
H05K1/11 H
H05K3/40 E
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023185811
(22)【出願日】2023-10-30
(31)【優先権主張番号】10-2023-0022143
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 相 鎬
(72)【発明者】
【氏名】李 用 悳
(72)【発明者】
【氏名】金 起 煥
(72)【発明者】
【氏名】朴 昌 華
(72)【発明者】
【氏名】李 鉉 秀
【テーマコード(参考)】
5E316
5E317
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD02
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316GG15
5E316GG18
5E316HH31
5E317AA24
5E317BB12
5E317BB13
5E317BB14
5E317BB15
5E317BB18
5E317CC25
5E317CD32
5E317GG16
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB19
5E338EE31
(57)【要約】
【課題】バンプサイズを確保し、クレビス発生を防止することができる回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による回路基板は、第1絶縁層と、第1絶縁層上に位置する導電層と、第1絶縁層に位置して導電層に連結される第1ビア層と、第1絶縁層下に位置して第1ビア層と連結される第1配線層と、を含み、導電層から第1絶縁層の少なくとも一部分まで伸びる溝(trench)が位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に位置する導電層と、
前記第1絶縁層に位置して前記導電層と連結された第1ビア層と、
前記第1絶縁層下に位置して前記第1ビア層と連結された第1配線層と、を含み、
前記導電層から前記第1絶縁層の少なくとも一部分まで延びる溝(trench)が位置することを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記導電層、前記第1絶縁層のうち前記第1絶縁層の表面と平行な方向に前記溝(trench)に対応する部分、および前記第1ビア層のうち前記第1絶縁層の表面と平行な方向に前記溝(trench)に対応する部分は、バンプ層を構成することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記溝(trench)は、複数個が位置し、
前記複数個の溝(trench)は、前記バンプ層の間に位置し、かつ前記回路基板の周縁に位置することを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記溝(trench)は、
前記第1絶縁層に位置する第1部分と、
前記導電層に位置する第2部分と、を含み、
前記第2部分は前記第1部分から延びていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記溝(trench)は、基板の平面方向に測定される幅が一定であることを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記溝(trench)は、前記第1絶縁層の表面に垂直な方向である高さ方向に沿って前記第1絶縁層の一部分に位置することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第1絶縁層および前記第1配線層の下に位置する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に位置する第2ビア層と、
前記第2絶縁層の下に位置する第2配線層と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第2絶縁層の下に位置し、前記第2配線層の一部を露出する開口部を有するソルダレジスト層をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
キャリア基板上に互いに離隔した複数のバリア部を形成する段階と、
前記キャリア基板の表面に垂直な方向である高さ方向を基準として前記複数のバリア部の上部が露出するように前記キャリア基板上に導電層を形成する段階と、
前記導電層上に第1絶縁層を形成する段階と、
前記複数のバリア部および前記導電層から前記キャリア基板を分離する段階と、
前記複数のバリア部を剥離する段階と、
を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記第1絶縁層を形成する段階は、
前記露出した複数のバリア部が埋め込まれるように前記第1絶縁層を形成する段階であることを特徴とする請求項9に記載の回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記第1絶縁層を貫通する第1ビアを形成する段階と、
前記第1ビア内に第1ビア層を形成する段階と、
前記第1絶縁層上に前記第1ビア層と連結される第1配線層を形成する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記複数のバリア部は、ドライフィルムを含むことを特徴とする請求項9に記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記第1絶縁層上に前記第1配線層が埋め込まれるように第2絶縁層を形成する段階と、
前記第2絶縁層を貫通するように第2ビアを形成する段階と、
前記第1配線層と連結されるように前記第2ビア内に第2ビア層を形成する段階と、
前記第2ビア層と連結される第2配線層を形成する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記第2絶縁層および前記第2配線層上に、
前記第2絶縁層を形成する段階と、
前記第2ビアを形成する段階と、
前記第2ビア層を形成する段階と、
前記第2配線層を形成する段階と、
を少なくとも1回さらに含むことを特徴とする請求項13に記載の回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記第2絶縁層上に前記第2配線層の一部を露出する開口部を有するようにソルダレジスト層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近は高性能中央処理装置(CPU)の実現のためにICバンプピッチが継続して減少する傾向にあり、突出型バンプを形成するためにニッケル(Ni)メッキおよび味の素ビルドアップフィルム(登録商標)(Ajinomoto Build-up Film、ABF)のエッチングを行う工程を適用している。しかし、このようなバンプ形成工程は、ガルバニック腐食が発生することによってバンプサイズが確保されず、クレビス(crevice)による不良が発生しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ガルバニック腐食を防止してバンプサイズを確保し、味の素ビルドアップフィルムなどの絶縁物質のエッチングによるクレビス(crevice)発生を防止することができる回路基板およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的思想の範囲内で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に位置する導電層と、前記第1絶縁層に位置して前記導電層と連結された第1ビア層と、前記第1絶縁層下に位置して前記第1ビア層と連結された第1配線層と、を含み、前記導電層から前記第1絶縁層の少なくとも一部分まで延びる溝(trench)が位置することを特徴とする。
【0007】
前記導電層、前記第1絶縁層のうち前記第1絶縁層の表面と平行な方向に前記溝(trench)に対応する部分、および前記第1ビア層のうち前記第1絶縁層の表面と平行な方向に前記溝(trench)に対応する部分は、バンプ層を構成し得る。
前記溝(trench)は、複数個が位置し、前記複数個の溝(trench)は、前記バンプ層の間に位置し、かつ前記回路基板の周縁に位置し得る。
前記溝(trench)は、前記第1絶縁層に位置する第1部分と、前記導電層に位置する第2部分と、を含み、前記第2部分は前記第1部分から延びることが好ましい。
前記溝(trench)は、基板の平面方向に測定される幅が一定になることが好ましい。
前記溝(trench)は、前記第1絶縁層の表面に垂直な方向である高さ方向に沿って前記第1絶縁層の一部分に位置することが好ましい。
前記第1絶縁層および前記第1配線層の下に位置する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に位置する第2ビア層と、前記第2絶縁層の下に位置する第2配線層と、をさらに含み得る。
前記第2絶縁層の下に位置し、前記第2配線層の一部を露出する開口部を有するソルダレジスト層をさらに含み得る。
【0008】
本発明の一態様による回路基板の製造方法は、キャリア基板上に互いに離隔する複数のバリア部を形成する段階と、前記キャリア基板の表面に垂直な方向である高さ方向を基準として前記複数のバリア部の上部が露出するように前記キャリア基板上に導電層を形成する段階と、前記導電層上に第1絶縁層を形成する段階と、前記複数のバリア部および前記導電層から前記キャリア基板を分離する段階と、前記複数のバリア部を剥離する段階と、を含むことを特徴とする。
【0009】
前記第1絶縁層を形成する段階は、前記露出した複数のバリア部が埋め込まれるように前記第1絶縁層を形成する段階であり得る。
前記第1絶縁層を貫通する第1ビアを形成する段階と、前記第1ビア内に第1ビア層を形成する段階と、前記第1絶縁層上に前記第1ビア層と連結される第1配線層を形成する段階と、をさらに含み得る。
前記複数のバリア部は、ドライフィルムを含み得る。
前記第1絶縁層上に前記第1配線層が埋め込まれるように第2絶縁層を形成する段階と、前記第2絶縁層を貫通するように第2ビアを形成する段階と、前記第1配線層に連結されるように前記第2ビア内に第2ビア層を形成する段階と、前記第2ビア層に連結される第2配線層を形成する段階と、をさらに含み得る。
前記第2絶縁層および前記第2配線層上に、前記第2絶縁層を形成する段階と、前記第2ビアを形成する段階と、前記第2ビア層を形成する段階と、前記第2配線層を形成する段階と、を少なくとも1回さらに含み得る。
前記第2絶縁層上に前記第2配線層の一部を露出する開口部を有するようにソルダレジスト層を形成する段階をさらに含み得る。
【発明の効果】
【0010】
本発明による回路基板およびその製造方法によれば、キャリア基板上にメッキ層を形成する工程と絶縁物質をエッチングする工程を代替することによってバンプサイズを安定的に確保することができ、クレビス(crevice)を防止することができる。
しかし、本発明の効果が上述した効果に限定されるのではなく、本発明の思想および領域から逸脱しない範囲で多様に拡張され得ることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による回路基板の断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【
図13】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の多様な実施形態について詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0013】
図面において、本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0014】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために、大きさ、厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0015】
図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示された技術的な思想は限定されず、本発明の思想および技術範囲内に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0016】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために使用され得るが、構成要素は上記用語によって限定されない。上記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0017】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって「上」に位置することを意味するものではない。
【0018】
明細書全体において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0019】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0020】
また、明細書全体において、「連結される」という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく、電気的に連結されること、または位置や機能により相異なる名称で称されたが一体であることを意味する。
【0021】
明細書全体において、基板は、平面上に広く、断面上で薄い構造を有し、「基板の平面方向」は、基板の広くて平坦な面に平行な方向であり、「基板の厚さ方向」は、基板の広くて平坦な面に垂直な方向を意味する。
【0022】
以下、図面を参照して本発明の多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
【0023】
図1を参照して、本発明の一実施形態による回路基板について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による回路基板の断面図である。以下に記載する平面方向DRWは、第1絶縁層IL1の表面と平行な方向を意味し、高さ方向DRHは、第1絶縁層IL1の表面に垂直な方向を意味する。
【0024】
図1を参照すると、本実施形態による回路基板10は、第1絶縁層IL1、第1絶縁層IL1に位置する第1ビア層MV1、第1絶縁層IL1の下に位置する第1配線層ML1、第1絶縁層IL1上に位置する導電層CL、導電層CLと第1絶縁層IL1の一部分に位置する溝(trench)RC、第1絶縁層IL1の下に位置する第2絶縁層IL2、第2絶縁層IL2に位置する第2ビア層MV2、第2絶縁層IL2の下に位置する第2配線層ML2、およびソルダレジスト層SRを含む。
【0025】
第1絶縁層IL1は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂などを含む。一例として、第1絶縁層IL1は、味の素ビルドアップフィルム(Ajinomoto Build-up Film、ABF)などを含む。ABFは、味の素ファインテクノカンパニー(Ajinomoto Fine-Techno Company, Inc.)から購入可能な重合体エポキシフィルムである。また、第1絶縁層IL1は、シリカフィラー(silica filler)を含み得る。
【0026】
導電層CLは、第1絶縁層IL1上に位置する。導電層CLは、外部配線と連結され、回路基板の電気的信号を外部電子部品(図示せず)と交換する。導電層CLは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0027】
第1配線層ML1は、第1絶縁層IL1の下に位置し、電気的信号を伝達する。第1配線層ML1の材料としては金属物質を使用する。金属物質は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0028】
第1ビア層MV1は、第1絶縁層IL1に形成される第1ビア内に位置する。第1ビアは、第1絶縁層IL1を貫通する。第1ビア内に形成される第1ビア層MV1は、導電層CLと第1配線層ML1を連結する。第1ビア層MV1は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。第1ビア層MV1の側面はテーパ状に形成される。つまり、第1ビア層MV1の側面は第1絶縁層IL1の表面と平行な面を基準として鈍角を有する。
【0029】
溝RCは、高さ方向DRHに沿って導電層CLに位置して導電層CLを貫通し、第1絶縁層IL1の一部分に位置する。したがって、溝RCは、底面が第1絶縁層IL1の底面よりも高さが高い。
【0030】
溝RCは、断面が基板(回路基板)の高さ方向DRHと平行な長方形の形状である。つまり、溝RCは、基板の平面方向DRWに測定される幅が(高さ方向DRHに沿って)一定になる。
【0031】
溝RCが形成される導電層CLの表面と溝RCが形成される第1絶縁層IL1の表面に対する粗さは殆どない。つまり、溝RCが形成される導電層CLの表面と溝RCが形成される第1絶縁層IL1の表面は平坦になる。
【0032】
溝RCは、導電層CLの側面に位置する第1部分PA1と、第1絶縁層IL1に位置する第2部分PA2とを含む。第2部分PA2は第1部分PA1から延びる部分である。つまり、第1部分PA1と第2部分PA2は一つの工程で一度に形成されるものである。
【0033】
第1絶縁層IL1は、溝RCの側面に位置する絶縁バンプ層ILaと、絶縁バンプ層ILaの下に位置するバンプ下部絶縁層ILbとを含む。
【0034】
第1ビア層MV1は、絶縁バンプ層ILaに位置して、導電層CLと連結される第1部分ビア層MVaと、第1部分ビア層MVaから延びて第1配線層ML1と連結される第2部分ビア層MVbとを含む。第1部分ビア層MVaは、平面方向DRWに沿って第1絶縁層IL1の側面に位置する溝RCの第2部分PA2と重なる。
【0035】
溝RCの間にはバンプ層PLが位置する。バンプ層PLは、絶縁バンプ層ILa、第1部分ビア層MVa、および導電層CLを含む。つまり、平面方向DRWに第1絶縁層IL1のうちの溝RCに対応する部分である絶縁バンプ層ILa、平面方向DRWに第1ビア層VA1のうちの溝RCに対応する部分である第1部分ビア層MVa、および導電層CLは、共にバンプ層PLを構成する。したがって、バンプ層PLの高さは溝RCの高さと同一であるため、導電層CLの高さD1よりも絶縁バンプ層ILaの高さD2だけ高くなる。
【0036】
溝RCは、複数個が形成され、バンプ層PLの間に位置し、かつ回路基板10の周縁にも位置する。
【0037】
第2絶縁層は、第1絶縁層IL1の下に位置する。第2絶縁層IL2は、第1配線層ML1を埋め込んで形成される。第2絶縁層IL2は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂などを含む。一例として、第2絶縁層IL2は、味の素ビルドアップフィルム(Ajinomoto Build-up Film、ABF)などを含む。また、第2絶縁層IL2は、シリカフィラー(silica filler)を含み得る。
【0038】
第2ビア層MV2は、第2絶縁層に形成された第2ビア内に位置する。第2ビアは、第2絶縁層IL2を貫通し、第2ビア内に形成される第2ビア層MV2は、第1配線層ML1と連結される。第2ビア層MV2は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。第2ビア層MV2の側面はテーパ状に形成される。つまり、第2ビア層MV2の側面は第2絶縁層IL2の表面と平行な面を基準として鈍角を有する。
【0039】
第2配線層ML2は、第2絶縁層IL2の下に位置し、第2ビア層MV2に連結されて電気的信号を伝達する。第2配線層ML2の材料としては、金属物質を使用する。金属物質は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0040】
本実施形態では第2絶縁層IL2、第2ビア層MV2、第2配線層ML2がそれぞれ2層ずつ図示されているが、これに限定されるものではなく、図示されたものよりも多数の層が形成されるか、又はより少数の層が形成され得る。第2配線層ML2のうちの最外層に位置する配線層は、他の基板または部品との連結のためのパッドとして機能する。
【0041】
ソルダレジスト層SRは、第2絶縁層IL2の下に位置し、第2配線層ML2を覆う。ソルダレジスト層SRは、第2配線層ML2の一部を露出する開口部OHを有する。ソルダレジスト層SRは、ソルダレジスト(solder resist)などの絶縁物質を含む。
【0042】
以下、
図1と共に
図2~
図13を参照して、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法について説明する。
図2~
図13は、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
【0043】
図2を参照すると、まずキャリア基板CSを準備する。キャリア基板CSは、銅箔積層板などを含む。キャリア基板CS上に複数のバリア部BLを形成する。複数のバリア部BLは、ドライフィルムなどの感光性物質を含む。
【0044】
図3を参照すると、キャリアCS基板上に導電層CLを形成する。キャリア基板CSは、以降の工程で導電層CLと複数のバリア部BLから分離可能な基板である。導電層CLは、複数のバリア部BLの一部が露出する程度の厚さに積層される。具体的に高さ方向DRH、つまり、キャリア基板CSの表面に垂直な方向を基準として複数のバリア部BLの上部が露出する程度の厚さに導電層CLを積層する。
【0045】
図4を参照すると、導電層CL上に第1絶縁層IL1を形成する。第1絶縁層IL1は、露出した複数のバリア部BLが埋め込まれるように積層される。
【0046】
図5を参照すると、第1絶縁層IL1に第1ビアVA1を形成する。第1ビアVA1の形成にはフォトリソグラフィ工程を利用する。この時、第1ビアVA1は積層される方向がより広くなるようにテーパ状に形成される。
【0047】
図6を参照すると、第1ビアVA1内に第1ビア層MV1を形成し、第1絶縁層IL1上に第1ビア層MV1と連結される第1配線層ML1を形成する。
【0048】
図7を参照すると、第1絶縁層IL1上に第2絶縁層IL2を積層する。第2絶縁層IL2は第1配線層ML1が埋め込まれるように積層される。
【0049】
図8を参照すると、第2絶縁層IL2に第2ビアVA2を形成する。第2ビアVA2は第2絶縁層IL2を貫通するように形成される。
【0050】
図9を参照すると、第2絶縁層IL2の第2ビアVA2内に第2ビア層MV2を形成し、第2絶縁層IL2上に第2配線層ML2を形成する。
【0051】
図10を参照すると、第2絶縁層IL2の第2ビアVA2内に第2ビア層MV2を形成し、第2絶縁層IL2上に第2配線層ML2を形成することが繰り返される。本実施形態では第2絶縁層IL2、第2ビア層MV2、第2配線層ML2がそれぞれ2層ずつ形成されるものを図示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図示されたものよりも多数または少数の第2絶縁層IL2、第2ビア層MV2、第2配線層ML2が形成され得る。
【0052】
図11を参照すると、第2絶縁層IL2上に第2配線層ML2の一部を露出する開口部OHを有するソルダレジスト層SRを形成する。開口部OHはエッチングマスクを利用してソルダレジスト層SRに露光、硬化、現像などの工程を行って形成する。
【0053】
図12に示すように、キャリア基板CSの両側から基板部SUBを分離する。
【0054】
図13に示すように、基板部SUBから複数のバリア部BLを剥離する。複数のバリア部BLが剥離された位置に溝RCが形成される。
【0055】
本実施形態による回路基板の製造方法によると、キャリア基板CS上に複数のバリア部BLを先に形成し、複数のバリア部BLが遮蔽の役割を果たした状態で導電層CLを形成した後、以降の工程で複数のバリア部BLを剥離する。したがって、キャリア基板CS上に行われるNiなどのメッキ工程を省略することができるため、ガルバニック腐食を予防することができ、絶縁層をエッチングする工程を経ることもなくバンプ層PLを形成することができる。その結果、クレビスが発生することを防止することができ、バンプ層PL壁面に粗さが形成されることを防止することができる。また、第1絶縁層IL1の一部がバンプ層PLになって導電層CLを厚く形成しなくてもバンプ層PLの厚さを十分に確保することができる。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の説明および図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0057】
CL:導電層
IL1:第1絶縁層
ML1:第1配線層
MV1:第1ビア層
IL2:第2絶縁層
ML2:第2配線層
MV2:第2ビア層
RC:溝(trench)
SR:ソルダレジスト層