(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118420
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】エアロゾル吸引カートリッジ用のエアロゾル形成部材、充填物及びシール部材
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20240823BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240823BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240823BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240823BHJP
【FI】
A24B15/16
A24D1/20
A24F40/42
A24F40/465
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214411
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2023024633
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(72)【発明者】
【氏名】劉 凱鵬
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB10
4B043BB11
4B043BB22
4B043BC02
4B043BC03
4B045AA50
4B045AB02
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC13
4B162AC22
(57)【要約】
【課題】 エアロゾル形成部材の構成や、充填物の形態や種類を工夫することで、通気性が高く、エアロゾルの発生量の多いエアロゾル形成部材を得ることを目的とする。
【解決手段】 エアロゾル吸引カートリッジ100に使用される充填物13であって、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、シート状、棒状、短冊状または板状の形状をなし、その面内に多数の微細な貫通孔13hが成形されている
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、
前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、シート状、棒状、短冊状または板状の形状をなし、その面内に多数の微細な貫通孔が成形されており、
前記エアロゾル吸引カートリッジに収納されている、
ことを特徴とする、充填物。
【請求項2】
前記貫通孔の内部の側壁が焼成されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の充填物。
【請求項3】
エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、
前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、シート状、棒状、短冊状または板状をなし、その面内に多数の微細な熱融解粒子が担持されており、
前記エアロゾル吸引カートリッジに収納されている、
ことを特徴とする、充填物。
【請求項4】
エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、
前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、細長いひも状の形状をなす、ことを特徴とする、充填物。
【請求項5】
前記エアロゾル吸引カートリッジに収納される際に、その長手方向に螺旋状の体勢で収納される、
ことを特徴とする、請求項4に記載の充填物。
【請求項6】
エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、
前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、粉末状の前記素材が圧縮固形化された状態で、前記エアロゾル吸引カートリッジに収納される、
ことを特徴とする、ことを特徴とする、充填物。
【請求項7】
貫通孔である通気孔を有する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の充填物。
【請求項8】
誘導加熱部材を挿通するための挿通孔を有する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の充填物。
【請求項9】
エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、
前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、ペースト状の形態をなし、
前記エアロゾル吸引カートリッジに、それを構成する円筒の内壁に密着した状態で収納されている、
ことを特徴とする、充填物。
【請求項10】
エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、
前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、単体では繊維状の形状をなし、微粒子核に前記充填物が1本または複数本着装した状態で、前記エアロゾル吸引カートリッジに収納されている、
ことを特徴とする、充填物。
【請求項11】
前記微粒子核は、熱融解粒子、香味成分を封入したカプセルまたは無機微粒子の1種または複数種よりなる、
ことを特徴とする、請求項10に記載の充填物。
【請求項12】
エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、
前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、薄い板状の形状をなし、前記エアロゾル吸引カートリッジの長手方向に積層して前記エアロゾル吸引カートリッジに収納されている、
ことを特徴とする、充填物。
【請求項13】
前記熱融解粒子は、蝋、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、飽和脂肪酸または分子量1000以上のポリエチレングリコールのいずれか一種類以上を含む、
ことを特徴とする、請求項2または請求項11のいずれか一項に記載の充填物。
【請求項14】
エアロゾル吸引カートリッジに使用されるエアロゾル形成部材であって、
前記エアロゾル形成部材は、筒形状の内装部材と、
前記内装部材の筒形状の内部に収納される請求項1から12のいずれか一項に記載の充填物と、
前記充填物の内部に収納され、交番磁界に反応して熱を発生させる誘導加熱部材と、を備えることを特徴とする、エアロゾル形成部材。
【請求項15】
エアロゾル吸引カートリッジに使用されるエアロゾル形成部材であって、
前記エアロゾル形成部材は、筒形状の内装部材と、
前記内装部材の筒形状の内部に収納される請求項1から12のいずれか一項に記載の充填物と、
前記充填物の内部に収納され、交番磁界に反応して熱を発生させる誘導加熱部材と、を備え、
前記誘導加熱部材は、エアロゾル吸引カートリッジを構成するシール部材または支持部材に接続されている、
ことを特徴とする、エアロゾル形成部材。
【請求項16】
エアロゾル吸引カートリッジに使用されるエアロゾル形成部材であって、
前記エアロゾル形成部材に使用される充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成される細長い短冊形状であり、
前記短冊形状は、その長手方向に垂直な断面が長方形状をしており、
前記長方形状の長辺の長さが、異なる2種類以上の長さからなり、
前記長辺の長さが短い短冊形状に対する前記長辺の長さが長い前記短冊形状の前記長辺の長さの比は1.1から1.5であり、前記エアロゾル吸引カートリッジに配設される本数の比は0.5から0.8であり、前記長手方向は、前記エアロゾル吸引カートリッジの長手方向に沿って配設されている、
ことを特徴とする、エアロゾル形成部材。
【請求項17】
第1シール部材と、
全体として細長い円柱形状をしており、加熱することでエアロゾルを発生する素材からなる充填物を有するエアロゾル形成部材と、
前記第1シール部材の反対側に配設される第2シール部材と、
前記エアロゾル形成部材からの気流を通すことのできるフィルタと、が、長手方向に沿って配列されており、
前記エアロゾル形成部材と前記第2シール部材との間には、間隙が形成されており、
前記間隙には、加熱状態または非加熱状態で香味を発生する香料部材が収納され、
前記香料部材は1または2以上の球体から形成されている、
ことを特徴とする、エアロゾル吸引カートリッジ。
【請求項18】
エアロゾル吸引カートリッジに使用されるエアロゾル形成部材であって、
前記エアロゾル形成部材は、筒形状の内装部材と、
前記内装部材の筒形状の内部に収納される、加熱することでエアロゾルを発生する素材からなる充填物と、
前記充填物の内部に収納され、交番磁界に反応して熱を発生させる誘導加熱部材と、
前記内装部材の中心穴を、その高さ方向の全体にわたって区分するシート状の仕切部材と、を備え、
前記誘導加熱部材は、前記仕切部材によって区分された領域にそれぞれ別個に配設されている、
ことを特徴とする、エアロゾル形成部材。
【請求項19】
エアロゾル吸引カートリッジ用のシール部材であって、
円錐または角錐と、円柱または角柱が、底面において接合した一体形状をなし、
前記円錐または角錐の頂点が、エアロゾル形成部材に対向するように配設される、
ことを特徴とする、シール部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗加熱式または誘導加熱式向けのエアロゾル吸引カートリッジ用のエアロゾル形成部材とそれに使用される充填物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火炎を用いることなく、タバコの成分を含むタバコカートリッジを加熱して、気化したタバコ成分を吸引する方式のタバコ製品が広く知られている。また、嗜好の多様化から、タバコ成分を含まない植物の芳香や味わいを、タバコ同様に火炎を用いずに楽しむためのカートリッジ製品を使用したエアロゾル吸引カートリッジも知られ始めている。
【0003】
このようなエアロゾル吸引カートリッジは、充填物が集積されたエアロゾル形成部材を加熱することで、エアロゾルを発生させる。エアロゾル形成部材の加熱方法として、(1)加熱装置内部に設置された加熱ブレードに、エアロゾル吸引カートリッジを挿入して、加熱ブレードを電気的に加熱することで充填物を加熱する方式(抵抗加熱式)と(例えば特許文献1参照)の他に、(2)エアロゾル形成部材の充填物の内部に予め強磁性体を主成分とした部品である誘導加熱部材を配設し、誘導加熱装置で発生させた交番磁界により、誘導加熱部材内部にヒステリシス損及びジュール熱を発生させて加熱(誘導加熱)することで、充填物を加熱する方式(誘導加熱式)が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
ここで、エアロゾル吸引カートリッジは、エアロゾル形成部材の構成や、充填物の形態や種類によって、通気性やエアロゾル発生量が左右され、これがエアロゾル吸引カートリッジの性能や品質に大きく影響することが問題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2015-519915号公報
【特許文献2】特開2021-175399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、エアロゾル形成部材の構成や、充填物の形態や種類を工夫することで、通気性が高く、エアロゾルの発生量の多いエアロゾル形成部材を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、シート状、棒状、短冊状または板状の形状をなし、その面内に多数の微細な貫通孔が成形されており、前記エアロゾル吸引カートリッジに収納されている、ことを特徴とする、充填物。
請求項2に記載の発明は、前記貫通孔の内部の側壁が焼成されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の充填物。
請求項3に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、シート状、棒状、短冊状または板状をなし、その面内に多数の微細な熱融解粒子が担持されており、前記エアロゾル吸引カートリッジに収納されている、ことを特徴とする、充填物。
請求項4に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、細長いひも状の形状をなす、ことを特徴とする、充填物。
請求項5に記載の発明は、前記エアロゾル吸引カートリッジに収納される際に、その長手方向に螺旋状の体勢で収納される、ことを特徴とする、請求項4に記載の充填物。
請求項6に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、粉末状の前記素材が圧縮固形化された状態で、前記エアロゾル吸引カートリッジに収納される、ことを特徴とする、ことを特徴とする、充填物。
請求項7に記載の発明は、貫通孔である通気孔を有する、ことを特徴とする、請求項6に記載の充填物。
請求項8に記載の発明は、誘導加熱部材を挿通するための挿通孔を有する、ことを特徴とする、請求項6に記載の充填物。
請求項9に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、ペースト状の形態をなし、前記エアロゾル吸引カートリッジに、それを構成する円筒の内壁に密着した状態で収納されている、ことを特徴とする、充填物。
請求項10に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、単体では繊維状の形状をなし、微粒子核に前記充填物が1本または複数本着装した状態で、前記エアロゾル吸引カートリッジに収納されている、ことを特徴とする、充填物。
請求項11に記載の発明は、前記微粒子核は、熱融解粒子、香味成分を封入したカプセルまたは無機微粒子の1種または複数種よりなる、ことを特徴とする、請求項10に記載の充填物。
請求項12に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用される充填物であって、前記充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成され、薄い板状の形状をなし、前記エアロゾル吸引カートリッジの長手方向に積層して前記エアロゾル吸引カートリッジに収納されている、ことを特徴とする、充填物。
請求項13に記載の発明は、前記熱融解粒子は、蝋、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、飽和脂肪酸または分子量1000以上のポリエチレングリコールのいずれか一種類以上を含む、ことを特徴とする、請求項2または請求項11のいずれか一項に記載の充填物。
請求項14に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用されるエアロゾル形成部材であって、前記エアロゾル形成部材は、筒形状の内装部材と、前記内装部材の筒形状の内部に収納される請求項1から12のいずれか一項に記載の充填物と、前記充填物の内部に収納され、交番磁界に反応して熱を発生させる誘導加熱部材と、を備えることを特徴とする、エアロゾル形成部材。
請求項15に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用されるエアロゾル形成部材であって、前記エアロゾル形成部材は、筒形状の内装部材と、前記内装部材の筒形状の内部に収納される請求項1から12のいずれか一項に記載の充填物と、前記充填物の内部に収納され、交番磁界に反応して熱を発生させる誘導加熱部材と、を備え、前記誘導加熱部材は、エアロゾル吸引カートリッジを構成するシール部材に接続されている、ことを特徴とする、エアロゾル形成部材。
請求項16に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用されるエアロゾル形成部材であって、前記エアロゾル形成部材に使用される充填物は、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成される細長い短冊形状であり、前記短冊形状は、その長手方向に垂直な断面が長方形状をしており、前記長方形状の長辺の長さが、異なる2種類以上の長さからなり、前記長辺の長さが短い短冊形状に対する前記長辺の長さが長い前記短冊形状の前記長辺の長さの比は1.1から1.5であり、前記エアロゾル吸引カートリッジに配設される本数の比は0.5から0.8であり、前記長手方向は、前記エアロゾル吸引カートリッジの長手方向に沿って配設されている、ことを特徴とする、エアロゾル形成部材。
請求項17に記載の発明は、第1シール部材と、全体として細長い円柱形状をしており、加熱することでエアロゾルを発生する素材からなる充填物を有するエアロゾル形成部材と、前記第1シール部材の反対側に配設される第2シール部材と、前記エアロゾル形成部材からの気流を通すことのできるフィルタと、が、長手方向に沿って配列されており、前記エアロゾル形成部材と前記第2シール部材との間には、間隙が形成されており、前記間隙には、加熱状態または非加熱状態で香味を発生する香料部材が収納され、前記香料部材は1または2以上の球体から形成されている、ことを特徴とする、エアロゾル吸引カートリッジ。
請求項18に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジに使用されるエアロゾル形成部材であって、前記エアロゾル形成部材は、筒形状の内装部材と、前記内装部材の筒形状の内部に収納される、加熱することでエアロゾルを発生する素材からなる充填物と、前記充填物の内部に収納され、交番磁界に反応して熱を発生させる誘導加熱部材と、前記内装部材の中心穴を、その高さ方向の全体にわたって区分するシート状の仕切部材と、を備え、前記誘導加熱部材は、前記仕切部材によって区分された領域にそれぞれ別個に配設されている、ことを特徴とする、エアロゾル形成部材。
請求項19に記載の発明は、エアロゾル吸引カートリッジ用のシール部材であって、円錐または角錐と、円柱または角柱が、底面において接合した一体形状をなし、前記円錐または角錐の頂点が、エアロゾル形成部材に対向するように配設される、ことを特徴とする、シール部材。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、エアロゾル吸引カートリッジのエアロゾル形成部材の構成と、充填物の種類や形態を工夫することで、通気性が高く、エアロゾルの発生量の多いエアロゾル形成部材を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】発明の実施の形態1に係るエアロゾル形成部材の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。
【
図2】発明の実施の形態1に係る充填物の概略の斜視図である。
【
図3】発明の実施の形態1に係るエアロゾル形成部材を使用したエアロゾル吸引カートリッジの概略の側面断面図である。
【
図4】発明の実施の形態2に係るエアロゾル形成部材の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。
【
図5】発明の実施の形態3に係る充填物の概略の斜視図である。
【
図6】発明の実施の形態3に係るエアロゾル形成部材の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。
【
図7】発明の実施の形態4に係る充填物の概略の斜視図である。
【
図8】発明の実施の形態4に係るエアロゾル形成部材の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。
【
図9】発明の実施の形態5に係るエアロゾル形成部材の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。
【
図10】発明の実施の形態5に係るエアロゾル吸引カートリッジの製造方法を示す概略のフロー図である。
【
図11】発明の実施の形態6に係る充填物(a)と微粒子(b)とその着装状態(c)を示す概略図である。
【
図12】発明の実施の形態6に係るエアロゾル形成部材の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。
【
図13】発明の実施の形態7に係る充填物の概略の斜視図である。
【
図14】発明の実施の形態7に係るエアロゾル形成部材の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。
【
図15】発明の実施の形態7に係るエアロゾル形成部材の製造方法を示す概略のフロー図である。
【
図16】発明の実施の形態5の変形例に係るエアロゾル吸引カートリッジの概略の側面断面図である。
【
図17】発明の実施の形態8に係るエアロゾル形成部材の概略の正面断面図である。
【
図18】発明の実施の形態8に係る細長い短冊状の充填物の概略の正面断面図である。
【
図19】発明の実施の形態9に係るエアロゾル吸引カートリッジの概略の側面断面図である。
【
図20】発明の実施の形態10に係るエアロゾル形成部材の概略の正面断面図である。
【
図21】発明の実施の形態10に係るエアロゾル形成部材の製造工程を示す概略の側面図である。
【
図22】本発明の実施の形態10に係るエアロゾル形成基材の製造工程を示す概略の正面図である。
【
図23】発明の別の実施の形態に係るシール部材の概略の側面図(a)と斜視図(b)である。
【
図24】発明の別の実施の形態に係るシール部材を使用したエアロゾル吸引カートリッジの概略の側面断面図である。
【
図25】発明の別の実施の形態に係る誘導加熱部材の概略の平面図である。
【
図26】発明の別の実施の形態に係る誘導加熱部材の概略の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図面において、図面中の各部の構成の大きさ、間隔、数、その他詳細は、視認と理解の助けのために 、実際の物に比べて大幅に誇張、簡略化して表現している。
【0011】
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係るエアロゾル形成部材1の概略の側面断面図と正面断面図であり、
図2はそれに使用される充填物13の概略の斜視図であり、
図3は、エアロゾル形成部材1を使用したエアロゾル吸引カートリッジ100の側面断面図である。ここで、エアロゾル吸引カートリッジ100は、エアロゾル形成部材1と、支持部材15と、フィルタ16と、フィルタ16の反対側の端に配置されるシール部材18とが直線的に配列され、円筒状の外装部材17に収納されて細長い円柱形状に形成されている。
【0012】
エアロゾル吸引カートリッジ100は、全体として細長い円柱形状をしており、加熱することでエアロゾルを発生する素材からなる充填物13を有するエアロゾル形成部材1と、エアロゾル形成部材1が外装部材17の内部で動くことを防止するための支持部材15と、エアロゾル形成部材1からの気流を通すことのできるフィルタ16とが、長手方向に沿って配列されており、シート状の外装部材17で円柱形状に巻かれることで一体的に形成されている。外装部材17は、紙等の柔軟な素材で形成されているが、円筒形状に形成した場合には、その形状を保持できる程度の硬さを有することが好ましい。ここで、「細長い」とは、立体形状において、一方向の長さが他の方向の長さより長いことを意味する。例えば本実施の形態において、「細長い円柱形状(円筒形状)」とは、円柱(円筒)の底面である円の直径より、円柱(円筒)の長手方向である高さ(すなわち底面に垂直な成分)の方が長いことを意味する。以降の実施の形態においても同様である。
【0013】
本実施の形態におけるエアロゾル吸引カートリッジ100は、直径が4.0mm~7.5mm、より好ましくは5.0mm~7.0mm、(円柱の長手方向の)長さが40mm~80mmに形成される。エアロゾル吸引カートリッジ100の外径を6.5~7.5mmの範囲に設定すれば、誘導加熱装置に設けられたエアロゾル吸引カートリッジ100を差し込む挿入部と適度な力で嵌合するため、エアロゾル吸引カートリッジ1を誘導加熱装置に好適に保持させることを可能にしつつ、エアロゾル吸引カートリッジ100の着脱を容易にすることができる。エアロゾル吸引カートリッジ100の長さを40mm以上に設定すれば、誘導加熱装置に設けられたエアロゾル吸引カートリッジ100を受け入れる挿入部の長さよりも長くなるので、エアロゾル吸引カートリッジ100を誘導加熱装置に差し込んでも、吸口を誘導加熱装置から露出させることができ、使用者がエアロゾルを吸引するのに必要な長さを確保可能となる。
【0014】
エアロゾル形成部材1は、
図1に示すように、円筒形状の内装部材11の内部に収納され、外部の交番磁界に反応して熱を発生させる誘導加熱部材12と、エアロゾル発生源である素材からなる充填物13を備える。また、(円筒の高さ方向の)長さは概ね10~30mmに設定されているのが好ましい。
【0015】
エアロゾル形成部材1の外径は、中心軸に沿って概ね一定の値となっている。この外径の大きさは、例えば4.0mm~7.5mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは5.0mm~7.0mmの範囲である。
【0016】
<充填物13について>
充填物13は、乾燥・粉砕されたタバコ植物または非タバコ植物に、エアロゾルを発生させるエアロゾルフォーマや、微結晶セルロース、風味を追加する添加剤、保存料、粘着剤または増粘剤等を混合し、例えばシート状に成形した上で、所定の幅及び長さを有するように切断されることで形成された素材よりなる。なお、充填物13は多様な形状を有してもよい。例えば、シート状、短冊状、ペースト状、粒状(顆粒状を含む)または粉状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、小片状、これらの混合体など、様々な形態から成り立っていてもよい。
【0017】
なお、充填物13を短冊状で構成した場合、中心軸に直交する断面は略長方形状であり、その断面の長辺と短辺の比は、例えば、1:1~30:1の範囲であることが好ましい。長辺の長さは、0.1mm~7.5mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.1mm~3.0mmの範囲である。短辺の長さは、0.1mm~1.0mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1mm~0.5mmの範囲である。また、充填物13の長さは、エアロゾル形成部材1の高さ方向の長さと略同一、例えば10mm~25mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは10mm~20mmの範囲である。このような充填物13の寸法の一例を挙げると、長辺が1.5mm、短辺が0.3mm、長さが12mmである。
【0018】
また、充填物13を粉末状または粒状にする場合には、上記組成物について、適宜粉砕若しくは分級を行うことが好ましい。粉末状または粒状の充填物13における平均粒子径は、例えば0.1~3.0mmであることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。
【0019】
次に、充填物13として用いられる原料の具体例について説明する。充填物13は、以下に示す原料のうち任意の1つまたは複数の組み合わせで構成される。
【0020】
充填物13は、タバコ植物または非タバコ植物を原料とする。タバコ植物としては、タバコ葉、タバコ茎、膨張タバコ、均質化タバコ等が挙げられる。非タバコ植物としては、タバコ植物以外の植物が挙げられる。非タバコ植物の好ましい部位としては、葉、果肉、種子、根(鱗根、塊根等)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮等)、花(花弁、雄蕊、雌蕊等)、幹、枝等が挙げられる。
【0021】
なお、本明細書でいう「植物」とは動物に対する一群を意味し、草および木等のように、根があって場所が固定されて生きているような生物以外に、微細藻類および海藻等のような藻類、キノコ等の菌類等をも含む。
【0022】
充填物13は、例えば、乾燥・粉砕された非タバコ植物に、エアロゾルを発生させるエアロゾルフォーマ、微結晶セルロース、風味を追加する風味添加剤、保存料、結着剤または増粘剤等を適宜混合し、粉砕若しくは分級して粉末状または粒状にしたり、ペースト状に成形されても良い。また、充填物13は、シート状に成形した上で、所定の幅および長さを有するように切断して短冊状または棒状とされても良い。ここで、また、シートの厚さは、0.1mm~1.0mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1mm~0.5mmの範囲である。また、充填物13は、シート状、短冊状、粒状、粉状、ペースト状、板状、繊維状のうちいずれか一種類でもよいし、これらのうち二種以上を混合したものであってもよい。
【0023】
充填物13がシート状の場合には、その形状は一辺の長さがエアロゾル形成部材1高さ方向の長さと略同じで、他方の辺がそれより長い、長尺の矩形状であることが好ましい。また、シートの厚さは、前述と同様に0.1mm~1.0mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1mm~0.5mmの範囲である。この形態にすることで、後述する捲縮や変形がしやすくなる。ここで、充填物13の長手方向の辺の長さは、誘導加熱部材12とともに捲縮や変形をした状態で、内装部材11の円筒の内部の空間に収納可能な長さであることが好ましく、空間の容積と略同じになる長さであることがさらに好ましい。さらに、捲縮や旋回などの変形をしやすくするために、ある程度の深さを有する線を形成することが好ましい。ここで線の深さは、シートの厚さと同じにして(すなわちシートに貫通孔を形成する)、スリット形状の線を形成しても良いし、シートの厚さ未満として(すなわちシートに非貫通孔を形成する)トレンチ形状の線を形成してもよい。
【0024】
また、非タバコ植物が原材料である場合は、茶葉を使用できる。茶葉は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工法によって異なる茶葉になる。具体的には、たとえば、日本茶、紅茶、ウーロン茶等が挙げられる。
【0025】
エアロゾルフォーマは、例えばグリセリン、プロピレングリコール等が好ましく使用される。
【0026】
次に、微結晶セルロースとは、例えば、繊維性植物のパルプから得られたα-セルロースを酸で部分的に解重合したものとして得られるものであり、セルロースから可溶性部分を取り除き、適宜、不溶性部分を結晶化したものである。
【0027】
微結晶セルロースは、粉体のままでも良いし、水などの溶媒に分散させて懸燭液でも良い。この場合、溶媒ヘの分散は、高速攪拌機や高圧ホモジナイザーなどが使用できる。
【0028】
さらに、必要に応じ充填物13として風味を追加する風味添加剤も用いられる。風味添加剤としては、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス、茶抽出物のカテキンの粉末等が挙げられる。保存料としては食品に使用されるものが好ましく、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
【0029】
結着剤または増粘剤としては、グアーガム等のゴム、ヒドロキシプロピルセルレロースなどのセルロース結合剤、デンプンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0030】
ここで、ペースト状に形成する場合には、粉末状または粒状の組成物に増粘剤や水などを適量添加して混練することで流動性を付与することができる。
【0031】
また、充填物13の表面に粘着性を付与する場合は、粘着性を付与できる手段であれば特に限定されないが、既述の結着剤を少なくとも一部に付着させれば良い。粘着性を付与することで、短冊状または棒状の充填物13と粉末状、粒状またはペースト状の充填物13と組み合わせる場合に、短冊状または棒状の充填物13の表面に粉末状、粒状またはペースト状の充填物13を安定して保持することができる。
【0032】
また、充填物13の内部または表面に、酸化防止剤を含侵または塗布することで、充填物13の成分(特に植物)の酸化による変質や、誘導加熱部材12の錆を防止又は抑制することができるので好ましい。酸化防止剤の種類としては、亜硫酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、L-アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンEなどが好ましい。さらに、前述したカテキンも酸化防止効果を有するので好ましい。カテキンは緑茶の茶葉特有の成分であり、緑茶の茶葉にはエピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレートが含まれる。すなわち、カテキンを含む茶葉(例えば緑茶)を充填物13の成分として使用する場合には、さらにカテキンを添加することで、さらなる酸化防止効果を得ることが可能である。例えば、緑茶の場合、その成分の約80%がカテキン由来であると考えられるので、充填物13に含まれる緑茶の茶葉の重量の80%以上に相当する重量のカテキンを充填物13中に含有させることで、さらなる酸化防止効果を得ることが可能となる。また、緑茶に含まれるカテキンのうち、エピガロカテキンガレートが約60%、エピガロカテキンが約20%、エピカテキンガレートが約13%、エピカテキンが約7%とされる。ここで特に酸化防止機能が高いエピガロカテキンガレートを増量させることが、酸化防止機能の向上にさらに効果的である。充填物13にカテキンを含まない植物を使用する場合には、充填物13中のカテキン特にエピガロカテキンガレートを添加することが効果的である。この場合、充填物13に含まれる植物原料の重量の80%以上の重量のカテキン(特にエピガロカテキンガレート)を添加することで、緑茶を使用した場合と同等以上の酸化防止機能を得ることが可能となる。
【0033】
実施の形態1において、充填物13は多数の貫通孔である開口13hが形成されており、
図1の様に内装部材11の内部に収納された状態で、開口13hによりエアロゾルの経路が形成される。開口13hは、形状は円形状、楕円形状、矩形状、多角形状、スリット状など多様な形状を採りうる。また、開口の大きさは例えば円形状の場合は直径0.1mm以上、矩形状の場合は一辺0.1mm以上であることが、通気性確保の観点から好ましい。また、開口13hの数と面積は、開口13hが形成されている充填物13の一面の面積と、その面内における開口の面積の総和の比(「開口率」という)が30%以上となるように設定することが好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。一方、開口率が高すぎると充填物13内に空隙が多くなり過ぎて、逆にエアロゾルの発生を妨げるので、80%以下であることが好ましく、70%以下であることがさらに好ましい。
【0034】
開口13hは、例えば、充填物13を製造する工程において、充填物13の原材料をシート状に形成してレーザ加工や機械加工で形成することが好ましい。充填物13の形状は、穿孔のしやすさを考えるとシート状の他に、板状、短冊状小片状といった、薄手の形状が好ましい。また、開口13hが形成されたシート状の充填物13を加工して、その他の形状にしてもよい。例えば、シート状の充填物13をコンベアで搬送しながら、ローラーカッターで短冊状に裁断する工程において、針状の突起物を側面に設けたローラーで押圧することで、穿孔することができる。また、短冊状以外の小片状、板状の場合でも同様である。ここで、短冊状への加工工程と穿孔工程の順序はどちらが先行しても良い。
【0035】
ここで、開口13hがレーザ加工で形成されている場合、貫通孔の内部の側壁がレーザの熱により焼成されて固くなり、形状保持性が向上するのでさらに好ましい。
【0036】
<誘導加熱部材12について>
誘導加熱部材12は、本実施の形態では
図1のように平板状の素材を加工したものである。この平板は、厚さが0.05~0.5mmが好ましく、さらに好ましい厚さは0.1~0.3mmである。長さはエアロゾル形成部材1の高さ方向の長さに比べて略同じが好ましいが、エアロゾルの形成を阻害しない程度、例えばエアロゾル形成部材1の長さと異なっていても良い。具体的には±1~3mm程度が好ましい。なお、誘導加熱部材12は必ずしも平板状である必要はなく、多角形状、棒状、柱状、筒状、粒子状、球状、多孔質状、シート状、L字形状、V字形状その他多彩な形状とその組み合わせの形状とすることも可能である。
【0037】
誘導加熱部材12の素材は、強磁性体を含む金属材料で形成される。強磁性体は、外部磁界を加えると外部磁界と同じ方向の磁性を強く帯び、特に磁石に吸着する性質を持つ素材であり、例えば、強磁性体の材料である鉄、フェライト鉄、フェライト粉末、フェライト粒子、フェライト系やマルテンサイト系ステンレス(例えばSUS430、SUS410)の様な磁性を有するステンレス鋼、ニッケル、ニッケル鉄合金(例えば42アロイ、36インバー)、あるいはコバルト等が挙げられる。強磁性体の比透磁率は、1よりも極めて大きく、例えば、鉄であれば5000程度であり、ニッケルであれば600程度であり、コバルトであれば250程度であり、フェライト系ステンレスであれば1000~1800程度である。
【0038】
磁性体のうち常磁性体は、外部磁界を加えると外部磁界と同じ方向の磁気を弱く帯び、外部磁界をゼロにすると磁気を帯びなくなる材料であり、例えば、アルミニウム、白金およびマンガン等が挙げられる。常磁性体の比透磁率は1よりもわずかに大きく、例えば、アルミニウムであれば1.000021程度であり、白金であれば1.000265程度であり、マンガンであれば1.000830程度である。
【0039】
また、磁性体のうち反磁性体は、外部磁界を加えると外部磁界と反対方向の磁気を帯び、外部磁界をゼロにすると磁気を帯びなくなる材料であり、例えば銅、グラファイト、ビスマス等が挙げられる。反磁性体の比透磁率は、1よりもわずかに小さく、例えば、銅であれば0.999990程度であり、グラファイトであれば0.99980程度であり、ビスマスであれば0.999834程度である。
【0040】
強磁性体は、向きや大きさが時間と共に変化する磁界(交番磁界)内部に置いたとき、電磁誘導により流れる渦電流によるジュール熱が発生するだけでなく、強磁性体内部の磁化の向きが変化するときに発生するエネルギー損失(ヒステリシス損)に起因する熱が発生するため、常磁性体や反磁性体に比べて容易に誘導加熱ができ、エアロゾル吸引カートリッジ100を十分に加熱できる。
【0041】
また、強磁性体がその磁気秩序を失い、常磁性体に転移する温度であるキュリー温度は、例えば、ニッケルであれば358℃程度である。そのため、エアロゾル吸引カートリッジを例えば200℃の高温で加熱する際にも、加熱温度がキュリー温度に達することはなく、強磁性体としての性質を維持でき、エアロゾル吸引カートリッジ100を安定して加熱できる。
【0042】
誘導加熱部材12の素材は、強磁性体の材料である、鉄、フェライト鉄、フェライト粉末、フェライト粒子、フェライト系ステンレス、強磁性鋼、ステンレス鋼、ニッケル、コバルト、またはこれらを組み合わせた金属材料を採用してもよい。例えば、フェライト系ステンレスとニッケルを組み合わせたもの等が挙げられ、より好ましくは、鉄、クロム、アルミを組合せた合金(鉄クロムアルミ合金)である。
【0043】
ここで、鉄及びクロムの温度と磁性の関係性について説明する。鉄は、キュリー温度が約770℃、クロムは、反強磁性体から常磁性体に変わる温度であるネール温度が約35℃である。
【0044】
また、誘導加熱部材12は、強磁性体を主成分として含む金属材料によって構成されてもよく、例えば強磁性体を、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上含む合金である強磁性合金を採用してもよい。例えば、ニッケル合金あるいはニッケル鉄合金等が挙げられる。この場合でも、強磁性体が誘導加熱されることで、エアロゾル吸引カートリッジ100を十分に加熱できる。なお、強磁性体の代わりに、常磁性体および反磁性体を含む金属材料を用いてもよい。この場合でも誘導加熱自体は可能である。ただし、加熱時間の短縮化や消費電力の低減の観点から強磁性体を含む金属材料を用いる方が好ましい。
【0045】
また、誘導加熱部材12は、その一部または全部がシート状の素材が捲縮する形態をとってもよい。例えば、エアロゾル形成部材の高さ方向視(すなわち円柱の正面視)したときに、旋回状すなわち渦巻形状に捲縮してもよい。また、交互に重なった折り畳み形状に捲縮してもよい。さらに、旋回状、折り畳み形状やその他の形状が組み合わされた、不規則形状であってもよい。
【0046】
また、充填物13も同様の視点で見たときに、その一部または全部が薄膜状(シート状)の素材が捲縮する形態をとり、誘導加熱部材12は、その一部または全部が充填物13に接触しながら追従して捲縮した形状を形成してもよい。従って、充填物13も、誘導加熱部材12と同様に、旋回状、折畳形状であったり、旋回状、折畳形状やその他の形状が組み合わされた、不規則形状であったりしてもよい。このような構成の場合、シート状の誘導加熱部材12が充填物13に接触しながら追従しているので、両者の接触面積が大きくなり、加熱効率を向上させてエアロゾル発生が増進される。
【0047】
ここで、誘導加熱部材12は、錆による発熱機能の低下を抑制するために、その表面の一部または全部に防錆層が形成されていることが好ましく、全部に形成されていることがさらに好ましい。
【0048】
ここで、防錆層の種類としては、例えば蝋材膜、リン酸塩皮膜、酸化鉄皮膜が考えられる。これらは誘導加熱部材12が高温状態になった場合でも、人体に有害な物質を発生させないので、防錆層の素材として好ましい。また、そのうちの1種類に限られず、2以上の種類を組み合わせとしても良い。
【0049】
蝋材膜の場合、その素材としては、蜜蝋、ハゼ蝋、サトウキビ蝋、鯨蝋、羊毛蝋のような蝋材料が考えられ、その膜を、誘導加熱部材12の表面に形成する。塗布の方法は、溶融した蝋材料を、例えば通常の刷毛塗したり(刷毛塗法)、誘導加熱部材12を浸漬したり(ディップコーティング法)、吹き付けたり(吹付法)することで塗布できる。膜厚は特に制限はないが、薄すぎると十分な防錆効果が得られなくなり、一方で厚すぎると、充填剤の加熱に影響があり、エアロゾルの発生を阻害する恐れがあるので、適正な厚さに設定することが好ましい。具体的には0.005mm~1mmが好ましく、0.01~0.5mmがさらに好ましい。
【0050】
リン酸塩皮膜は、リン酸鉄、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸マンガンなどのリン酸塩の溶液を用いた化学処理(リン酸塩処理)により、金属の表面に化学的に生成した皮膜であり、金属の腐食を防止する機能を有する。ここで、リン酸塩処理の標準的な工程は、被処理物に対して、(1)アルカリ脱脂、(2)水洗、(3)リン酸塩による化成処理、(4)水洗、(5)乾燥工程を有することが好ましい。リン酸塩による化成処理は、一般に処理する金属をリン酸塩溶液に浸漬して行うが、その他例えばリン酸塩溶液を吹き付けてもよい。リン酸塩皮膜の厚さは、処理時間の長さに伴い変化するが、1μm~20μmが好ましい。
【0051】
リン酸塩処理により、誘導加熱部材12の表面の一部または全部にリン酸塩皮膜を形成することで、誘導加熱部材12の防錆能力の向上が可能となる。
【0052】
また、金属表面に人工的に酸化鉄皮膜を形成することで、錆の発生を防止または抑制することも可能である。ここで酸化鉄皮膜はいわゆる黒錆といわれる四酸化三鉄(Fe3O4)が、安定した不働態膜を形成するので好ましい。四酸化三鉄の膜を形成する標準的な工程は、被処理物に対して、(1)アルカリ脱脂、(2)水洗または湯洗、(3)140~150℃のアルカリ水溶液(苛性ソーダが好ましい)、(4)水洗または湯洗、(5)乾燥工程を有することが好ましい。また、酸化被膜の厚さは概ね1~2μm程度である。
【0053】
支持部材15は、エアロゾル形成部材1の支持部材15側への移動や外装部材17の折れ曲がりを抑制するとともに、エアロゾル形成部材1で発生したエアロゾルを含む気流をフィルタ16側に流通させる。支持部材15は、例えば円柱状に形成され、その高さ方向の軸がエアロゾル吸引カートリッジ100の中心軸に沿うようにエアロゾル形成部材1とフィルタ16との間に配置される。支持部材15は、例えば、直径が4.0mm~7.5mm、中心軸に沿った長さが50mm以下に形成される。なお、支持部材15は、適宜機能および構成に応じて上記とは異なる寸法を有していてもよい。本実施の形態では、樹脂材で形成された支持部材本体に、空気の流路となる挿通孔が形成された形態である。支持部材15を形成する素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ乳酸、シリコーン、金属のようなものが挙げられる。また、紙を捲縮させたものでもよい。
【0054】
フィルタ16は、円柱状に形成されており、高さ方向の長さは、10~50mmに設定されている。フィルタ16の素材は、例えば紙等を用いて形成される。また、紙からなるシート状の部材を巻いて円柱状に設けられてもよいし、微粒子を取り除くセルロースアセテートフィルタ等を含んでいてもよい。また、シリコーンを含む多孔質材料で形成されてもよい。フィルタ16は、エアロゾル形成部材1で生成された水蒸気やエアロゾル中の微粒子の一部を濾過する機能を有する白色のフィルタである。なお、充填物13が非タバコ植物を原料としている場合、フィルタ16は必ずしも必要ではない。
【0055】
次に、シール部材18は、円柱状に形成され、例えば直径が4.0mm~7.5mm、高さ方向の長さが3.0~7.0mmに設定されることが好ましい。シール部材18は、フィルタ16と同様に、例えば紙からなるシート状の部材を巻いて円管状に設けられてもよいし、通気性を有する紙を内装部材11の端に貼り付けてもよい。シール部材18は、カートリッジの外部からエアロゾル形成部材1に向かって空気を通過させる機能を有する。また、シール部材18は、エアロゾル形成部材1で生成された水蒸気やエアロゾルのうち、エアロゾル形成部材1に留まって液化した残留液を吸収することができる。また、エアロゾル形成部材1が、シール部材18側へ移動することを抑制する機能も有する。このシール部材18は、フィルタ16とは異なる色(例えば黒)にすることで、エアロゾル吸引用カートリッジ10の上流側と下流側を簡単に判断可能にすることができる。また、通気性を向上させるために、エアロゾルの通路となる貫通孔を設けても良い。
【0056】
実施の形態1の発明によれば、充填物13に開口が形成されているため、充填物13を通るエアロゾルの流路を確保できるとともに、誘導加熱部材12で発熱した熱が効率よく充填物13全体に対流し、エアロゾル発生量を増加させることが可能となる。
【0057】
なお、内装部材11を使わずに、外装部材17の内壁に直接充填物13を収納してもよい。これにより、製造工程と構造の簡略化が可能になり、製造コストのさらなる削減が可能となる。この場合、支持部材15とフィルタ16は、充填物13を収納する前に予め外装部材に入れても良いし、収納した後に入れても良い。
【0058】
実施の形態2
図4は、実施の形態2に係るエアロゾル形成部材の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。ここで、実施の形態1と共通の構成については、図示と説明を省略する。
【0059】
熱融解粒子14は、エアロゾル形成部材1の充填物13の内部に配設されている粒子状の物体である。ここで、充填物13は、実施の形態1と同様にシート状、板状、短冊状小片状といった、薄手の形状であることが好ましい。充填物13は、積層される形態で内装部材11の内部に収納されており、熱融解粒子14は、積層した充填物13の間に担持された形態であることが好ましく、充填物13に一部または全部が埋没している状態であることがさらに好ましい。また、その形状は球状であることが好ましく、大きさは直径0.1mm以上であることが好ましい。
【0060】
熱融解粒子14は、常温では固体であるが、融点が低く(100℃以下が好ましい)、誘導加熱部材12による加熱温度で溶融して液状になり、さらに気化、発火する物質を使用することが好ましい。例えば蝋、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、飽和脂肪酸または分子量1000以上のポリエチレングリコールのいずれか一種類以上を含むことが好ましい。
【0061】
蝋は、植物系蝋、動物系蝋の様に天然素材から作られるものの他、鉱物系ワックス、石油系ワックス、合成ワックスなどが使用できる。植物系蝋では例えばハゼ蝋、ウルシ蝋、カルナウバ蝋、サトウキビ蝋、パーム蝋、カンデリラ蝋、ホホバ油、米蝋、ヒマワリワックスが挙げられる。動物系蝋では例えば蜜蝋、晒蜜蝋、鯨蝋、マッコウクジラ油、イボタ蝋、羊毛蝋などが挙げられる。鉱物系ワックスでは例えばモンタンワックスが挙げられる。石油系ワックスでは例えばパラフィンワックス、 マイクロワックスなどが挙げられる。
【0062】
また、トリステアリンは融点が73℃、トリパルミチンの融点は66℃であり、トリミリスチンは融点が57℃であり、ステアリン酸は融点が70℃である。また、ポリエチレングリコールはその分子量の増加と共に融点も上昇する傾向にあり、例えば分子量1000では約40℃、1540では45℃、2000では55℃、4000では58℃、6000では62℃、20000では60℃であるので熱融解粒子14の素材として好ましい。
【0063】
誘導加熱部材12による熱のために融解したとき、充填物13において熱融解粒子14が埋没していた部分に空洞が形成されるので、これが開口13hと同様にエアロゾルの流路となる。また、誘導加熱部材12の素材の発火点以上の温度では、熱融解粒子14自体が燃焼して充填物13からエアロゾルを発生させるとともに、充填物13に開口13hと同様のエアロゾルの流路が形成される。
【0064】
また、熱融解粒子14に、後述するカプセルと同様の芳香添加剤を添加することで、エアロゾルに芳香が付与されるのでさらに好ましい。
【0065】
なお、内装部材11を使わずに、外装部材17の内壁に直接充填物13を収納してもよい。これにより、製造工程と構造の簡略化が可能になり、製造コストのさらなる削減が可能となる。この場合、支持部材15とフィルタ16は、充填物13を収納する前に予め外装部材に入れても良いし、収納した後に入れても良い。
【0066】
実施の形態2の発明によれば、充填物13の内部に配設された熱融解粒子14が熱により融解、発火することで開口が形成されるので、充填物13を通るエアロゾルの流路を確保できるとともに、誘導加熱部材12で発熱した熱が効率よく充填物13全体に対流し、エアロゾル発生量を増加させることが可能となる。
【0067】
実施の形態3
図5は、実施の形態3に係る充填物33の概略の斜視図であり、
図6は、エアロゾル形成部材3の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。ここで、他の実施の形態と共通の構成については、図示と説明を省略する。
【0068】
実施の形態3において、充填物33は
図5の様な細長いひも状の形状をしている。ここで充填物33の太さは、細すぎると製図工程中に寸断されてしまい、太すぎると内装部材11に収納しづらくなるので、適正な範囲内、例えば直径で0.1~1.5mmであることが好ましい。
【0069】
充填物33を形成するためには、一度シート状に形成した充填物材料を裁断してひも状に形成する方法や、ペースト状に形成した充填物材料を、押し出し成形でひも状にした後、乾燥させて固形化する方でもよい。
【0070】
ひも状の充填物33は、エアロゾル吸引カートリッジ100に収納される際に、その長手方向に螺旋状の体勢で収納されるのが、収納効率が良く、充填量も安定するので好ましい。また、このとき
図6の様に、充填物33同士がなるべく接触しないよう隙間を設けることで、エアロゾルの流路が確保できるので好ましい。
【0071】
実施の形態3の発明によれば、充填物33がエアロゾル発生源をひも状に形成したものであるので、その取扱いが簡単であり、形状保持性の優れ、製造効率向上によるコスト削減や品質の安定性を向上させることが可能である。
【0072】
また、充填物33同士がなるべく接触しないよう隙間を設けることで、エアロゾルの流路が確保でき、通気性を向上させることが可能となる。
【0073】
また、内装部材11を使わずに、外装部材17に直接充填物33を収納してもよい。これにより、製造工程と構造の簡略化が可能になり、製造コストのさらなる削減が可能となる。
【0074】
なお、充填物33は必ずしも一つながりである必要はなく、数本に分断されたものを使用してもよいし、さらに太さが異なるものを使用してもよい。
【0075】
実施の形態4
図7は、実施の形態4に係る充填物43の概略の斜視図であり、
図8は、エアロゾル形成部材4の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。ここで、他の実施の形態と共通の構成については、図示と説明を省略する。
【0076】
実施の形態4において、充填物43は粉末状の素材が圧縮固形化された形態を有し、形状は内装部材11に収納可能な大きさの円柱状、角柱状であることが好ましい。
また、上面と底面の間には、通気用の貫通孔である通気口43h1が少なくとも1個以上形成されていることが好ましい。また、好ましい開口の大きさや形状、開口率は、実施の形態1の開口13hと同様である。ここで、通気口43h1は、必ずしも上面と底面に垂直である必要はなく、傾斜していてもよい。
【0077】
また、誘導加熱部材12を挿入するための貫通孔である、挿通口43h2が形成されていることが好ましい。挿通口43h2は、
図8のように充填物43を複数連接して内装部材11に挿入したときに、誘導加熱部材12を挿入しやすくするために、上面と底面に対して垂直に向くように形成されていることが好ましい。
【0078】
ここで、本発明において「圧縮固形化」とは、粉末状の素材が、粘着や接着といった化学的な作用によって一体化しているのではなく、粉末の粒子同士の摩擦によって一体化している状態をいい、例えば、所定の形状の金型に原材料の粉末を入れ、圧縮成形機で所定の圧力でプレス加工することで形成される。
【0079】
実施の形態4の充填物43を使用したエアロゾル形成部材4は、例えば
図8のようにいくつかの充填物43を通気口43h1、挿通口43h2の位置を合わせて連接し、内装部材11に挿入する形態となる。
【0080】
なお、挿通口43h2をあえて設けず、圧縮成形時に誘導加熱部材12を粉末とともに圧縮加工することでも充填物43の内部に誘導加熱部材12を配設することが可能となる。
【0081】
実施の形態4の発明によれば、充填物43が粉末状のエアロゾル発生源を圧縮固形化したものであるので、その取扱いが簡単であり、形状保持性の優れ、製造効率向上によるコスト削減や品質の安定性を向上させることが可能である。
【0082】
また、内装部材11を使わずに、外装部材17に直接充填物43を収納してもよい。これにより、製造工程と構造の簡略化が可能になり、製造コストのさらなる削減が可能となる。
【0083】
実施の形態5
図9は、実施の形態5に係るエアロゾル形成部材5の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。ここで、他の実施の形態と共通の構成については、図示と説明を省略する。
【0084】
実施の形態5において、充填物53はペースト状の形態をなし、エアロゾル吸引カートリッジ100を構成する内装部材11の円筒の内壁に密着した状態で収納されている。ここで、充填物13は、
図9(b)の様に正面視したときに中央周辺に空洞が形成されていることが好ましく、それゆえ誘導加熱部材12は正面視したときに中央より外れた位置に配設されていることが好ましい
【0085】
図10は、発明の実施の形態5に係るエアロゾル吸引カートリッジ100の製造方法を示す概略のフロー図である。円筒形状の内装部材11を準備し(a)、その円筒の中心穴に、充填物注入用ノズルNを挿入する(b)。ここで、充填物注入用ノズルNは、充填物注入器(図示略)に接続されている。充填物注入器は、いわゆるディスペンサーであり、流体状の物質を定量吐出する機能を有する装置である。充填物注入器から充填物注入用ノズルNを介して、ペースト状の充填物53を内装部材11の内壁に吐出する。このとき、内装部材11は、その円筒の上底面の中心を軸にして所定の速度で回転する。それと同時に充填物注入用ノズルNを、内装部材11から抜く方向で移動させながら充填物53を吐出させ、ペースト状の充填物を内装部材11の内壁に塗布する(c)。ここで内装部材11の回転速度と、充填物注入用ノズルNの移動速度により、内装部材11内部のペーストの量を調整する。次に、充填物53を収納した内装部材11を、支持部材15とフィルタ16を備えた外装部材17に入れ、誘導加熱部材12を充填物53に挿入してシール部材18をフィルタ16と反対側の端に取付けることで、エアロゾル吸引カートリッジ100が製造できる(d)。ここで、実施の形態5では、シール部材18の所定の位置に予め誘導加熱部材12の一端が接続されている。接続方法は、誘導加熱部材12の一端をシール部材18の表面から内部に差し込んで固定することが好ましい。差し込む場合は、誘導加熱部材12の差し込み側の先端を鋭利な形状(例えば誘導加熱部材12が平板形状の場合、平面視における先端の内角が30°以上60°以下が好ましい)に形成することが好ましく、またシール部材18を耐熱性の素材(シリコーンゴム、金属やプラスチック等)で形成することが好ましい。
【0086】
実施の形態5の発明によれば、充填物53の中央周辺に形成された空洞が発生したエアロゾルの流路となるので、通気性の向上に効果がある。また、シール部材18の所定の位置に誘導加熱部材12が接続されているので、目標の位置に正確に誘導加熱部材12を取付けることができるとともに、製造工程の簡略化が可能となる。
【0087】
また、ペースト状充填物の充填には、充填物注入用ノズルNに限らず、他の手段、例えばブラシ状の器具に充填物53を付着させて、該器具を内装部材11に挿入して充填物53を塗布することも可能となる。
【0088】
また、内装部材11を使わずに、外装部材17の内壁に直接充填物53を塗布してもよい。これにより、製造工程と構造の簡略化が可能になり、製造コストのさらなる削減が可能となる。この場合、支持部材15とフィルタ16は、ペースト状の充填物53を塗布する前に予め外装部材に入れても良いし、塗布した後に入れても良い。
【0089】
また、実施の形態5では、
図16に示した変形例のように、誘導加熱部材12は、支持部材15に接続しても良い。この場合も、支持部材15に誘導加熱部材12の一端を支持部材15の表面から内部に差し込んで固定することが好ましい。この場合も、支持部材15はシール部材18と同様に耐熱性の素材で形成することが好ましい。
【0090】
また、誘導加熱部材12は、支持部材15やシール部材18の、エアロゾル吸引カートリッジ100等の長手方向と平行な成分の全体に亘って差し込まれても良いし、
図10、
図16のように一部にだけ差し込まれてもよい。なお、誘導加熱装置で発生する交番磁界は、専らエアロゾル吸引カートリッジ100が誘導加熱装置に配置されたときに、エアロゾル形成部材1が存在する領域とその近傍に作用する。従って、例えば支持部材15やシール部材18の全体に亘って誘導加熱部材12を差し込んだ場合、誘導加熱部材12の一部には、交番磁界が作用せず発熱をしない部分が存在する。その場合、当該部分は発熱に寄与する部分から吸熱して外部に放熱するので、誘導加熱部材12全体としてキュリー温度を超えにくくなり、結果として発熱する時間が長くなり、エアロゾル発生時間が長くなる。
【0091】
さらに、実施の形態5とその変形例では、誘導加熱部材12をシール部材18や支持部材15に接続する形態を示したが、これは実施の形態5のような充填物13がペースト状である場合に限られず、シート状、短冊状、粒状(顆粒状を含む)または粉状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、小片状、これらの混合体など様々な形態の場合にも適用できるし、さらに他の実施の形態に記載の充填物13等にも適用できる。
【0092】
実施の形態6
図11は、実施の形態6に係る充填物(a)と微粒子(b)とその着装状態(c)を示す概略図であり、
図12は、実施の形態6に係るエアロゾル形成部材6の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)である。ここで、他の実施の形態と共通の構成については、図示と説明を省略する。
【0093】
実施の形態6において、充填物63は単体では繊維状の形状をなし、微粒子核64に充填物63が1本または複数本着装した状態で、エアロゾル吸引カートリッジ100に収納されている。ここで、着装とは、単純に粘着や接着により貼りついている状態だけでなく、充填物63同士が絡み合い、
図11(c)の様に微粒子核に取りついている状態を含む。
【0094】
充填物63の好ましい太さは、直径0.01mm以上であり、好ましい長さは1mm以上であるが、微粒子核64に着装することができればこれに限られるものではない。
【0095】
微粒子核64は、熱融解粒子または香味成分を封入したカプセルまたは無機微粒子の1種または複数種よりなる微粒子であり、形状は好ましくは略球状であるが、これ以外の立体的または平面的な複雑な形状でも良い。直径は0.1mm~1mmであることが好ましい。ここで、熱融解粒子は、実施の形態2と同様の素材を使用することができる。ここで、香味成分には、風味添加剤を使用しても良い。
【0096】
また、無機微粒子は、充填物63が加熱される際に、分解しにくいことを念頭においたものであり、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム等の金属塩化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、アルミナ等の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩、リン酸カルシウム等の金属のリン酸塩、チタン酸カリウム、チタン酸マグネシウム等のチタン酸塩も単独で又は併用で用いることができる。さらにこれに限られず、その他の金属との塩をも包含する。更には、ゼオライト、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等の酸化ケイ素も用いることができる。特に、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、アルミナを好ましく用いることができる。また、前記無機物を包含するような天然物を利用することもできる。珪藻土、バーミキュライトなどが挙げられる。
【0097】
図12の様に、充填物63を微粒子核64に装着したものを誘導加熱部材12とともに内装部材11の内部に収納することで、実施の形態6におけるエアロゾル形成部材6を得る。この場合、微粒子核64が略球状を主とした複雑な形状をしているため、微粒子核64の大きさに応じて隙間が形成される。
【0098】
実施の形態6の発明によれば、エアロゾル形成部材6の内部に隙間が形成されるので、エアロゾルの流路が確保でき、通気性を向上させることが可能となる。また、繊維状の充填物63を用いるので、表面積を多く確保することができ、エアロゾルの発生を促進に効果がある。さらに、繊維体同士が絡み合うので、形状安定性に優れ、微粒子核から剥離しにくく、さらに内装部材11の内部で動きづらくなる。また、微粒子核に熱融解粒子や香味成分を封入したカプセルを用いることで、充填物63に成分が浸透し、エアロゾルの発生や香味の充実に効果がある。
【0099】
また、内装部材11を使わずに、外装部材17の内壁に直接充填物63を微粒子核64に装着したものを収納してもよい。これにより、製造工程と構造の簡略化が可能になり、製造コストのさらなる削減が可能となる。この場合、支持部材15とフィルタ16は、充填物63を収納する前に予め外装部材に入れても良いし、収納した後に入れても良い。
【0100】
また、熱融解粒子とカプセルの両方を同時に使用しても良い。
【0101】
実施の形態7
図13は、実施の形態7に係る充填物73の概略の斜視図であり、
図14は、実施の形態7に係るエアロゾル形成部材7の概略の側面断面図(a)と正面断面図(b)であり、
図15はエアロゾル形成部材7の製造方法を示す概略のフロー図である。ここで、他の実施の形態と共通の構成については、図示と説明を省略する。
【0102】
充填物73は、
図13の様に円板状の形状をしていると内装部材11の内側の形状に適合するため好ましいが、薄い板状の形状をなしていればこれに限られるものではない。ここで、「薄い板状の形状」とは、立体形状において、一方向(厚さ方向)が他の方向(縦方向と横方向)より短いことを意味する。
【0103】
図14の様に、充填物73をエアロゾル吸引カートリッジ100の長手方向に積層する形態で誘導加熱部材12とともに内装部材11の内部に収納することで、実施の形態7におけるエアロゾル形成部材7を得る。
【0104】
エアロゾル形成部材7の製造方法としては、
図15に一例を示すように、シート状の充填物シート73mを積層し(
図15(a))、工具のポンチ様の筒形状(円筒形状が好ましい)の加工具Tを、充填物シート73mの面に略垂直方向(矢印の方向)から押圧しながら充填物シート73mの一部を切り出し、加工具Tの内側面に充填物73を成形する(同図(b))。加工具Tの内側から図中の矢印の方向に充填物73を、内装部材11の開口の内側に向けて押し出す(例えばピストン状の道具(図示略)で、加工具Tの後端から押し出す)(同図(c))。充填物73を内装部材11の内部に充填する(同図(d))。ここで、誘導加熱部材12は、任意の段階で挿入してよい。すなわち、(a)の充填物シート73mを積層した状態で既に挿入しておいてもよいし、(c)の加工具Tで充填物73を形成した後の段階で挿入してもよいし、(b)の内装部材11に充填物73を充填した後に挿入してもよい。また、充填物73の直径は、内装部材11の内径以下、好ましくは内径未満とすることで、充填をスムーズに行える。
【0105】
実施の形態7の発明によれば、内装部材11への充填物73の充填を連続的にスムーズに行えるので、生産効率の向上が可能である。また、充填物シート73mの枚数を任意に調整でき、充填する充填物73の量を容易に制御することが可能であるので、通気性を向上させることが可能となる。さらに、任意のタイミングで誘導加熱部材12を挿入することができるので、工程設計の自由度が向上する。また、成分や添加物が異なる充填物シート73mを積層することで、エアロゾルの風味をより複雑で多彩にすることもできる。
【0106】
また、充填物シート73mの枚数と、内装部材11の長さを、エアロゾル形成部材7数個分に調整し、充填物73を充填することで、数個分まとめて製造することができる。
【0107】
また、内装部材11を使わずに、外装部材17の内壁に直接充填物73を収納してもよい。これにより、製造工程と構造の簡略化が可能になり、製造コストのさらなる削減が可能となる。この場合、支持部材15とフィルタ16は、充填物73を収納する前に予め外装部材に入れても良いし、収納した後に入れても良い。
【0108】
実施の形態8
図17は、実施の形態8に係るエアロゾル形成部材8の概略の正面断面図である。他の実施の形態と共通の構成については、適宜図示と説明を省略する。
【0109】
実施の形態8において、充填物13は、
図18に示すように、加熱することでエアロゾルを発生させる素材より形成される細長い短冊形状をしており、長手方向に垂直な断面が長方形状をしている。ここではY方向が長手方向であり、充填物13の長さを示し、X方向が短手方向であり、充填物の幅を示し。Z方向が厚みを示す方向となる。実施の形態8では、充填物13は、長方形状の長辺(X方向)の長さが、異なる2種類以上の長さからなる。
図17では、長辺が長い方を13a、短い方を13bとした、2種類の充填物13を使用した場合を示している。以降、2つの充填物13を区別する場合は、長い方を充填物13a、短い方を13bと表記し、区別する。また、特に区別しない場合は、充填物13と表記する。
【0110】
幅が異なる2種類以上の充填物13を、一つのエアロゾル形成部材8に使用することで、単一の幅の充填物13を使用した場合より、充填物13の隙間を減らすことができて充填率をあげることができるので、エアロゾルの発生効率を高めることが可能となる。ここで、長辺の長さが短い短冊形状である充填物13bに対する、長辺の長さが長い短冊形状である充填物13a長辺の長さの比は1.1から1.5であることが好ましい。また、エアロゾル吸引カートリッジ100に配設される本数の比は0.5から0.8であり、充填物13の長手方向(Y方向)は、エアロゾル吸引カートリッジ10の長手方向に沿って配設されていることが好ましい。
【0111】
なお、実施の形態8では、充填物の幅は2種類であったが、これに限られず、3種類以上のものを用いても良い。さらにペースト状、粒状(顆粒状を含む)または粉状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、小片状等の充填物13も混合させてもよい。
【0112】
実施の形態9
図19は、実施の形態9に係るエアロゾル吸引カートリッジ90の概略の側面断面図である。他の実施の形態と共通の構成については、適宜図示と説明を省略する。
【0113】
実施の形態9において、エアロゾル吸引カートリッジ90は、エアロゾル吸引カートリッジ10と同様に、第1シール部材18aと、全体として細長い円柱形状をしており、加熱することでエアロゾルを発生する素材からなる充填物を有するエアロゾル形成部材1と、第1シール部材18aの反対側に配設される第2シール部材18bと、エアロゾル形成部材1からの気流を通すことのできるフィルタ16とが、エアロゾル吸引カートリッジ90の長手方向に沿って直線的に配列され、円筒状の外装部材17に収納されて細長い円柱形状に形成されている。ここで、第1シール部材18aと第2シール部材18bは、実施の形態1のシール部材18と同様のものを使用可能であり、その素材、形状、大きさについては、第1シール部材18aと第2シール部材18bで同一のものを使用しても良いし、異なっていても良い。
【0114】
エアロゾル吸引カートリッジ90において、エアロゾル形成部材1と第2シール部材18bは間隔をあけて配置されており、その間には、
図19に示すように、間隙が形成されている。間隙には、加熱状態または非加熱状態で香味を発生する香料部材95が収納されている。間隙は、エアロゾル吸引カートリッジ90の長手方向に、所定の長さに亘って形成されているが、エアロゾル吸引カートリッジ90全体の長さは変えずに、間隙を形成した長さの分だけ他の要素、例えばマウスピース16やエアロゾル形成部材1を短くすることが好ましい。間隙の形成される領域は、短すぎると香味部材95を十分に収納できず、長すぎと、他の要素を短くしすぎるので、3~20mmが好ましい。
【0115】
香味部材95は、1または2以上の球体から形成されており、後述するカプセルに風味添加剤を封入したものを用いても良いし、スポンジやセラミック、活性炭、ゼオライト、軽石といった多孔質材料に液状の風味添加剤を吸収させたものを用いても良いし、さらに風味添加剤そのものを球形に固形化したものを用いても良い。さらには、充填物13と同様に、加熱することでエアロゾルを発生する素材を球形に固形化してものを用いても良い。球体の大きさは、直径で0.5~3mmが好ましく、1~2mmがさらに好ましい。このようにすることで、エアロゾルや香味の発生量を増やすことが可能となる。
【0116】
また、エアロゾル形成部材1と第2シール部材18bの間の空間には、香味部材95以外に、強磁性体を含む素材からなる球体(磁性球体)を収納しても良い。この場合、磁性球体が香味部材95を加熱するので、より効率的に香味を発生させることが可能となる。球体の大きさは、香味部材95と同様に、直径で0.5~3mmが好ましく、1~2mmがさらに好ましい。
【0117】
実施の形態10
図20は、実施の形態10に係るエアロゾル形成部材10の概略の正面断面図であり、
図21、22は、エアロゾル形成部材10の製造工程を示す概略の側面図と正面図である。ここで、他の実施の形態と共通の構成については、図示と説明を省略する。
【0118】
エアロゾル形成部材10は、他の実施の形態と同様に、円筒形状の内装部材11の内部に収納され、外部の交番磁界に反応して熱を発生させる誘導加熱部材12と、エアロゾル発生源である素材からなる充填物13を備えるが、実施の形態10においては、内装部材11の中心穴を、その高さ方向の全体にわたって区分するシート状の仕切部材14が備えられている。ここで、仕切部材14で区分された領域は、完全に隔離されている必要はなく、後述するように誘導加熱部材12を別個に収納できる程度に区分されていれば、部分的に隙間でつながっていても良い。例えば
図20では仕切部材14は内装部材11の内周面に接しておらず、ある程度(誘導加熱部材12が通り抜けない程度)離隔して配置されている。
【0119】
仕切部材14は、シート状の部材であり、充填物13と同じ素材で形成されていることが好ましい。また、
図20のように、エアロゾル形成部材10の高さ方向に垂直な断面視において、仕切部材14の幅が、内装部材11の内径と同じかわずかに小さく設定されている、具体的には、同じ面視における誘導加熱部材の幅以下の長さだけ小さく設定されていることが好ましい。これにより、誘導加熱部材12が、仕切部材14と内装部材11の隙間から別の領域に移動することを回避することが可能である。
【0120】
さらに、誘導加熱部材12は、仕切部材14によって区分された領域にそれぞれ別個に配設されている。誘導加熱部材12の幅(
図20の面視における長手方向)は、1個配設する場合と同じ長さに設定すると、発熱量が多すぎて使用上支障がある。従って、過剰加熱を防ぐために配設される数に応じて短くすることが好ましい。例えば、2個配設される場合は、1個のときの半分、3個のときは三分の一が好ましい。もちろん、多少の誤差、具体的には±20%以内であればこれらより異なっていてもよい。また、幅を変えずに厚み(
図20の面視における短手方向)を変化させても良いし、誘導加熱部材12の素材の磁気的特性(透磁率、キュリー温度等)を変化させ、発熱量を減らしても良い。
【0121】
<エアロゾル形成部材の製造工程>
次に、
図21、22に基づいて、実施の形態10に係るエアロゾル形成部材10の製造工程と製造装置について説明をする。
【0122】
この工程では、充填物13と2つの誘導加熱部材12と仕切部材14を、包装部材11で円柱状に包摂し、エアロゾル形成部材10の直径に合わせて収束させるが、これは、内部工程として、上述した充填物成形工程の他、エアロゾル発生源である連続体であるシート状の充填物材料13mと、連続体であるリボン状の誘導加熱材料12mと、同じく連続体であるシート状の仕切材料14mを同一方向に直線的に同じ速さで流動させながら、収束させ、連続体であるテープ状の包装紙11で円柱形状に包装する工程と、これを所定の間隔で裁断する工程を含む。
【0123】
エアロゾル形成部材の製造装置は、連続体に形成されたシート状の充填物材料13mと、連続体に形成されたリボン状の形態の誘導加熱材料12mと、連続体に形成されたシート状の仕切材料14mとを、同じ向きに同じ速さで搬送し、充填物材料13mと誘導加熱材料12mを、面同士を対向して積層する搬送手段と、充填物材料13mを収束し、充填物収束体1mを形成するための、上底面及び下底面が開口された筒状の錐台形状の収束部B1と、充填物収束体1mをテープ状の紙の連続体である包装紙11mで包装するための第二収束部B2と、充填物包装体1mを形成するための円筒状の包摂部材Iと、充填物包装体1mを、所定の長さに切断するためのカッター(切断手段)Cとを備える。また、収束部B1と、第二収束部B2と、包摂部材IとカッターCは、
図22のように、同じ向きに直線的に配列されるのが好ましい。ここで、収束部B1の内部における充填物材料13m等の様子が分かるように、点線で示している。
【0124】
また、収束部B1には、誘導加熱材料12mを収束部B1に搬送するにあたってそのガイドとなる補助収束部B3が設置されている。補助収束部B3は、チューブ状すなわち中空管の形態をしており、収束部B1を側面の厚さ方向に貫通して、一端(入口)が外部に、他端(出口)が内部に露出するように配置されている。製造工程において、誘導加熱材料12mは補助収束部B3の内部を通って収束部B1の内部に搬入される。ここで、補助収束部B3は、使用する誘導加熱材料12mと同じ本数設置されることが好ましい。
【0125】
補助収束部B3は、仕切材料14mのシート面(シートを平面視したときの面であり、シートの幅と長手方向からなる面)について、表裏異なるシート面側に搬入されるような位置に設置させる。
図21では、側面視において、2つの誘導加熱材料14mが仕切材料14mの上と下から収束部B1の内部に搬入されるようになっている。以降、2つの誘導加熱材料14mを区別する場合は仕切材料14mの上側から搬入される方を誘導加熱材料12m-a、下側から搬入されるものを誘導加熱材料12m-bと表記し、区別する。また、特に区別しない場合は、誘導加熱材料12mと表記する。
【0126】
また、補助収束部B3は、誘導加熱材料12mの収束部B1の内部における搬入の位置と角度を変更可能に設置されていることが好ましい。
【0127】
エアロゾル形成部材10の製造工程では、充填物13と誘導加熱部材12と仕切部材14を包装部材11で円柱状に包摂し、エアロゾル形成部材10の直径に合わせて収束させるが、これは、内部工程として、上述した充填材形成工程の他、エアロゾル発生源であるシート状の充填物材料13mと、細長いリボン状の誘導加熱材料12mと、シート状の仕切材料14mを同じ向きに直線的に所定の速さで搬送させながら、収束部B1に搬入する搬入工程P0と、これらを収束部で収束させる収束工程P1と、これを包摂部材Iにおいて連続体に形成された細長いテープ状の包装紙11mで円柱形状に包装し、充填物包装体1mを作製する包摂工程P2と、充填物包装体1mを、カッターCで所定の間隔で裁断する切断工程P3を含む。なお、本明細書で説明するエアロゾル形成部材10の製造工程において「同じ向き」というとき、必ずしも搬送の全ての方向(上下、左右、前後)が一致している必要はなく、前後方向(図の左右方向)が一致しており、全体的な方向性として同じ目標に向かって搬送されているような状態も含むものとする。例えば
図21、22においては、充填物材料13mと、誘導加熱材料12mと、仕切材料14mが、それぞれの開始位置から図の右上から左下または右下から左上へ搬送され、収束部B1で合流し、第二収束部B2、包摂部材I、カッターCの方向に向かっている。この場合、収束部B1で合流する前は上下方向の向きが一致していないが、全体的な方向性として同じ目標に向かって進んでいるので、本明細書ではこれも「同じ向き」に搬送されているものとする。
【0128】
包装紙11mと充填物材料13mと誘導加熱材料12mと仕切材料14mは連続体、例えば長い帯状またはリボン状に形成されたものがロール状に巻かれた状態で、各ロールの中心を軸に回転自在状態に製造装置に設置され、それぞれ回転しながら解かれ、同じ向きにS1、S2、S3、S4の速さで搬送される。ここでは、S1、S2、S3、S4とも同じ速さである。
【0129】
搬入工程P0では、上述した充填材形成工程後のシート状の充填物材料13mを、搬送方向に沿って切り込みが入れられて短冊状に形成され(切込みは予め形成されても良いし、工程中に搬送させながらローラーカッターで形成してもよい)、これと誘導加熱材料12mと仕切材料14mを、製造装置の収束部B1に搬入する。ここで、切込みは必ずしも加工に係る工程により形成する必要はなく、収束部B1部において充填物材料13mが捲縮されるときにつく折り目を起点として自動的に形成されてもよい。また、切込みは充填物材料13mを貫通していても良いし、非貫通でも良く、さらに貫通・非貫通が混在していても良い。さらに、切込みは必ずしも形成されなくともよいし、形成されている部分とされていない部分が混在していても良い。
【0130】
ここで、エアロゾル形成部材の製造工程に使用される製造装置では、連続体に形成されたシート状の充填物材料13mとリボン状形態の誘導加熱材料12mとシート状の仕切材料14mとを、同じ向きに同じ速さで搬送し、収束部B1に搬入される前もしくは後に、充填物材料13mと、仕切材料14mと、誘導加熱材料12mを、その面同士を対向して積層し、充填物材料13mと誘導加熱材料12m-aまたは12m-bの間に仕切材料14mを積層することが好ましい。すなわち、誘導加熱材料12mは、充填物材料13mが収束部B1の内壁により収束される前若しくは直後の段階でその上に縦ではなく横に寝かせた状態(すなわち、誘導加熱材料12mと、充填物材料13mを平面視したときの面であり、誘導加熱材料12mと、充填物材料13mの幅と長手方向からなる面同士が接触する状態)で載置され、仕切材料14mと共に、収束部B1の内部で充填物材料13mに収束されることが好ましい。このような構成にすることで、誘導加熱部材12は、仕切部材14によって区分された領域にそれぞれ別個に配設される。また、後の切断工程P3において、誘導加熱材料12mをその厚さ方向に切断するので、幅方向に切断したときに比べてカッターCに対する負荷を減らすことが可能であり、その寿命を延ばすことができる。同時に誘導加熱材料12mにかかる負荷が比較的少なくないので、切断時の位置ずれを少なくすることが可能である。
【0131】
なお、搬入工程P0では、一個目の誘導加熱材料12m-a、仕切材料14m、充填物材料13m、さらに二個目の誘導加熱材料12m―bがこの順番に重ねられる。この順番は、一個目の誘導加熱材料12m-aと二個目の誘導加熱材料12m―bの間に常に仕切材料14mが配置されていれば変更は可能である。
【0132】
収束工程P1では、搬入工程P0で搬入されて充填物材料13mで、誘導加熱材料12m-aと仕切材料14mと誘導加熱材料12m-bを包摂する形態で、製造装置の収束部B1により略円柱状に収束させる。
【0133】
収束部B1は一方向に向かって開口が徐々に小さくなる円筒形状すなわち、上底面及び下底面が開口された筒状の錐台形状をしており、収束工程P1において開口が大きい方から充填物材料13m等が搬入される。開口が小さい方は、包摂部材Iに対向しており、ここから充填物材料13m等は搬出され、包摂工程P2へ移行する。なお、収束部B1の小開口と包摂部材Iの間は、包装紙11mが合流できるように一定の間隔を設けることが好ましい。
【0134】
包摂工程P2では、収束工程P1で収束させた充填物材料13mと誘導加熱材料12m、仕切材料14mを、包摂部材Iの内部でテープ状の紙の連続体である包装紙11mと同じ向きに同じ速さで円筒状の包摂部材Iの内部に搬送し、包装紙11mを接着する工程を経て、円柱状の連続体である充填物包装体1mを形成する。ここで、包摂部材Iは、円管上の物体であり、開口の内径はエアロゾル形成部材10の直径と略同じに設定されている。包摂工程P2における搬送速さS5は、S1等と同じである。また、包摂部材Iの一端には、包装紙11mを包摂部材Iの内部に導入するための第二収束部B2が備えられるのが好ましい。第二収束部B2は収束部B1と同様の形態をしており、テープ状の包装紙11mを収束させて、収束工程P1で形成した誘導加熱材料12m-a、仕切材料14mと12m-bを包摂した充填物材料13mをさらに包摂して、包摂部材Iの内部で充填物包装体1mを形成する。
【0135】
なお、搬入工程P0において、補助収束部B3を用いずに、充填物材料13m、誘導加熱材料12m-a、仕切材料14m、誘導加熱材料12m-bを同時に収束部B1の入口に搬入させても良い。また、包装紙11mは、搬入工程P0において、充填物材料13m、誘導加熱材料12m-a、仕切材料14m、誘導加熱材料12m-bと同時に収束部B1に搬入して収束させても良い。すなわち、包装紙11mのテープ状の面上に、誘導加熱材料12m-a、仕切材料14mと充填物材料13mと誘導加熱材料12m-bとを、その面(幅と長手方向からなる面)同士を対向して積層する構成とることも可能である。
【0136】
切断工程P3では、包摂工程で作成した、充填物包装体1mを、例えばカッターCの様な切断器具を用いて所定の長さ(80~200mm)に切断し、エアロゾル形成部材10の発熱部位の母材である充填物包装体1mを形成する。切断は、カッターCを鉛直上から下に稼働させることで、誘導加熱材料12m-a、誘導加熱材料12m-bを含む充填物包装体1mを加工する。
【0137】
次に、充填物包装体1mをエアロゾル形成部材10の長さに切断することで、エアロゾル形成部材10を形成する。なお、本実施の形態に係るエアロゾル形成部材10の製造方法によると、エアロゾル形成部材10の高さ方向の長さと、誘導加熱部材12の長さは同じになる。
【0138】
<組立工程>
次に、組立工程について説明をする。組立工程は、シール部材18と、エアロゾル形成部材10と、支持部材15とフィルタ16を、この順番で一列に配列し、外装部材17で包むことで、エアロゾル吸引カートリッジ100が完成する。
【0139】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本願発明の範囲は以上の実施の形態に限られるものではなく、これらの実施の形態の組み合わせや一部の構成を置き換えた形態、さらにこれと同視しうる他の形態に対しても及ぶ。なお、エアロゾル形成部材1等、充填物13等とは、実施の形態1だけでなく他の実施の形態におけるエアロゾル形成部材や充填物も適宜包含する趣旨で用いる。
【0140】
本発明の充填物13等は、誘導加熱部材12を収納せずに、抵抗加熱式用のエアロゾル吸引カートリッジとして使用してもよい。
【0141】
また、エアロゾル形成部材1等に含まれる誘導加熱部材12は一個に限られず、複数個含まれていてもよい。これにより、エアロゾル発生効率の向上が可能となる。
【0142】
また、充填物13等は、シート状、短冊状、ペースト状、粒状または粉状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、小片状、これらの混合体など、様々な形態から成り立っていてもよい。
【0143】
これ以外にも、支持部材15やシール部材18は、エアロゾル形成部材1が移動することが無い場合には、必ずしも設置する必要はない。例えば、フィルタ16をエアロゾル形成部材1と隣接させたり、支持部材15のあった場所を空間とし(すなわち、エアロゾル形成部材1とフィルタ16の間が全て空洞となっている)たりしてもよい。これにより、部品点数の削減ができるので、コスト削減に有効である。特に空間を設ける場合は、通気性の向上に有効である。また、シール部材18や支持部材15がなくなることで、エアロゾル形成部材1を長くすることもできるので、使用者の使用感を向上させることが可能となる。
【0144】
さらに、外装部材17は、必ずしも一体的ではなく、2つ以上の外装要素を接合して用いても良い。例えば、シール部材18と、エアロゾル形成部材1と支持部材15を筒状の外装要素に収納し、ここにフィルタ16をシート状の外装要素で巻いて円柱状に形成する形態でもよい。なお、この場合、筒状の外装要素とシート状の外装要素をもって、外装部材17となる。一方で、別に外装部材17を使う必要は必ずしもなく、内装部材11を、エアロゾル吸引カートリッジ100と同程度に長く形成して、内装部材11の円筒の内部にシール部材18、支持部材15及びフィルタ16をエアロゾル形成部材1と一緒に収納することで、エアロゾル吸引カートリッジ100を形成することが可能であり、これによりさらなる製造工程の簡略化と製造コストの低減を図ることが可能である。
【0145】
なお、充填物13等の原材料である茶葉は、実施の形態に挙げたもの以外に、一般に使用されている全ての茶葉を使用できる。また、これら茶葉については飲用後の茶殻を使用しても良い。茶殻などを使用すれば高価な茶葉などを再利用して有効活用できる。
【0146】
また、上記に例示した非タバコ植物の抽出物、所謂エキスや加工品も使用することができる。抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
【0147】
また、充填物13等の原料としてのエアロゾルフォーマは、実施の形態に挙げたもの以外に、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなども使用できる。
【0148】
また、風味添加剤として、メントールおよび非水溶性架橋ポリマー(好ましくはポリビニルポリピロリドン)を含有させても良い。メントールに非水溶性架橋ポリマーを組み合わせることで、メントールの昇華を効果的に抑制でき、メントールの風味を長期間保つことができる。ここで、メントールとは、天然物から得られたものに限られず、合成物でも良い。また、はっか、ミント、ハッカ油、その他のメントールを含むものを使用しても良い。
【0149】
また、風味添加剤は、例えば、フィルタ16の壁部に含浸させることによってフィルタ16に設けられても良い。風味添加剤がフィルタ16に設けられている態様は、このような態様に限られず、例えば、当該風味添加剤が封入されているカプセルをフィルタ16の壁部に埋設することによって、フィルタ16に風味添加剤が設けられているようにしても良い。または、フィルタ16とエアロゾル吸引カートリッジ100との間に風味添加剤が封入されたカプセルが配置されるようにしても良い。風味添加剤がカプセルに封入されている場合、使用者は、カプセルを指で押圧することにより、カプセルを破壊することができ、所望のタイミングで風味添加剤の芳香成分を揮発させることが可能となる。
【0150】
また、風味添加剤は、例えば、マイクロカプセルに封入されている場合、封入されているマイクロカプセルをエアロゾル吸引カートリッジ100に設けても良い。勿論、当該マイクロカプセルを支持部材15に設けても良い。
【0151】
また、充填物13等の原料としての結着剤または増粘剤としては、実施の形態に挙げたものの他、キサンタンガム、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなどのゴム、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、または、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラナギン、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0152】
また、シール部材18は、
図23、24のシール部材28のように、円錐と円柱が、底面において接合した一体形状をなすような形状でもよい。この場合、円錐の頂点が、エアロゾル形成部材1等に対向するように配設される。このようにすることで、シール部材28が円柱形状の場合に比べて、円錐の斜面とエアロゾル形成部材1等、外装部材17とで空間が形成され、通気性を向上させることが可能となる。また、シール部材28の形状は、円錐または角錐と、円柱または角柱が、底面において接合した一体形状であってもよい。なお、この形状以外の点については、シール部材18と同様である。
【0153】
また、誘導加熱部材は、必ずしも実施の形態のように全体的に一様な形状である必要はなく、一部に切欠きや貫通孔、厚さが薄くなっている部分が形成されていても良い。例えば誘導加熱部材が平板形状であったとき、
図25(a)の誘導加熱部材22aの様に、一部を切り欠くことで、その切欠いた部分の周辺の発熱量が低下し、充填物13への加熱も低下する。
図25(a)は、異なる大きさの2種類の切り欠きである、切欠き小22a1と切欠き大22a2が誘導加熱部材22aの長手方向(Y方向)に所定の間隔で形成されている場合が示されている。切欠き小22a1と切欠き大22a2は、切欠きのX方向(誘導加熱部材22aの幅方向)と、Y方向の長さを調整して、誘導加熱部材22aの一部を切り欠く面積に差異を設けることで形成する。切欠き小22a1が形成された部分の周辺を高加熱部H、切欠き大22a2が形成された部分の周辺を低加熱部Lとしたとき、ここでは高加熱部Hと低加熱部Lが交互に規則的にY方向に交互に配置した場合を示している。なお、図中の点線は高加熱部Hと低加熱部Lのおおまかな仮想の境界線であり、誘導加熱部材22aの構成線ではない。また、切欠きの大きさは2種類に限られず、3種類以上であっても良い。また、高加熱部Hには、必ずしも切欠きを設ける必要はない。これにより、充填物13等の加熱を、場所により変化させることができる。
【0154】
次に、同図(b)の誘導加熱部材22bの様に、切欠き22b1の面積は一様で、その形成する数を変化させることで、高加熱部Hと低加熱部Lを設けても良い。ここでは、切欠き22b1が1個の領域と、2個の領域を、Y方向に交互に配列することで、高加熱部Hと低加熱部Lが交互に規則的にY方向に配置した場合を示している。ここでも、低加熱部Lの切り欠き22b1の個数は3個以上でも良いし、高加熱部Hには必ずしも切欠きを設ける必要はない。
【0155】
次に、同図(c)の誘導加熱部材22cの様に、切欠きの代わりに大きさの異なる貫通孔小22c1と貫通孔大22c2を誘導加熱部材22cに形成することでも同様の作用効果が得られる。ここでも、貫通孔の大きさは必ずしも2種類である必要はなく、3種類以上であっても良いし、高加熱部Hには必ずしも貫通孔小22c1を設ける必要はない。
【0156】
次に、同図(d)の誘導加熱部材22dの様に、場所ごとに貫通孔22d1を形成する数を変化させることで、高加熱部Hと低加熱部Lを設けても同様の作用効果が得られる。ここでは、貫通孔22d1が1個の領域と、2個の領域を、Y方向に交互に配列することで、高加熱部Hと低加熱部Lが交互に規則的にY方向に配置した場合を示している。ここでも、低加熱部Lの貫通孔22d1の個数は3個以上でも良いし、高加熱部Hには必ずしも貫通孔22d1を設ける必要はない。
【0157】
次に、同図(e)の誘導加熱部材22eの様に、厚さが厚い高厚部22e1と、厚さが薄い低厚部22e2を誘導加熱部材22eに形成して、その厚さを場所ごとに変化することでも同様の作用効果が得られる。ここで、厚さの変化は、低厚部22e2を形成する場所の素材の厚さを減少させてもいいし、高厚部22e1を形成する場所の素材の厚さを増加させてもいい。ここでは、高厚部22e1と低厚部22e2、Y方向に交互に配列することで、高加熱部Hと低加熱部Lが交互に規則的にY方向に配置した場合を示している。また、低厚部22e2の厚さを減少させた場合には、高厚部22e1の厚さは必ずしも高くする必要はなく、一方で高厚部22e1の厚さを高くした場合には、必ずしも低厚部22e2の厚さを減少させる必要はない。
【0158】
ここで、切欠きや貫通孔や、素材が薄い部分を形成する加工方法は、機械加工、レーザ加工、エッチング、電解研磨等で行うことが好ましい。また、素材が薄い部分を形成する加工方法としては、メッキで積層してもよいし、別途用意した素材の小片を貼付しても良い。
【0159】
図26では、高加熱部Hと低加熱部Lが交互に規則的にX方向に配置した場合を示している。例えば同図(f)は、貫通孔22f1が多く形成されている部分が低加熱部L、少なく形成されている部分は高加熱部Hとなり、X方向に交互に配置されており、同図(g)では、高厚部22g1と低厚部22g2がX方向に交互に配置されている場合を示しているが、これらの場合でも
図25に示した例と同様の作用効果を得ることができる。
【0160】
なお、
図25、26に係る実施の形態において、切欠き、貫通孔、素材の厚さの変化は、それぞれ別個に使用する必要は必ずしもなく、これらを混在して用いても良い。また、高加熱部Hと低加熱部Lは必ずしも規則的である必要はなく、一部または全部が不規則に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0161】
1、2、3、4,5、6、7、8、9、10 エアロゾル形成部材
90、100 エアロゾル吸引カートリッジ
11 内装部材
12 誘導加熱部材
13、23、33、43、53、63、73 充填物
14 熱融解粒子
15 支持部材
16 フィルタ
17 外装部材
18、28 シール部材
64 微粒子核
95 香味部材