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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118423
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240823BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240823BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 N
H05K1/02 C
H05K1/09 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220297
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2023-0022416
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奇 明 柱
【テーマコード(参考)】
4E351
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
4E351BB33
4E351DD04
4E351DD05
4E351DD06
4E351DD10
4E351DD11
4E351DD12
4E351DD19
4E351GG20
5E316AA32
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD33
5E316EE31
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG28
5E316HH24
5E316HH32
5E316JJ02
5E316JJ03
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB19
5E338BB25
5E338BB75
5E338CC01
5E338CC04
5E338CC06
5E338EE32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パッケージ全体の厚さを減らし、外形加工及びデスミア工程を削除することができ、工程にかかる時間を短縮することができる回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による回路基板100は、少なくとも一つの配線層ML及び少なくとも一つのビア層VLを埋め込み、対向する第1面ILaと第2面ILbとを有する絶縁層ILと、を有する。第1配線層ML1は、絶縁層ILの第1面ILa上に一部突出し、絶縁層ILに一部が埋め込められ、絶縁層ILの第1面ILaから突出した第1配線層ML1の表面には、表面処理層SFLが配置される。絶縁層ILは、第1面ILaから陥没した凹状のキャビティCVを有し、ビア層VLの一部は、キャビティCVの底面FLを通じて絶縁層ILから露出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの配線層及び少なくとも一つのビア層を埋め込み、対向する第1面と第2面とを有する絶縁層と、
前記絶縁層の前記第1面上に一部突出し、前記絶縁層に一部が埋め込められる第1配線層と、を有し、
前記絶縁層は、前記第1面から陥没した凹状のキャビティを有し、
前記ビア層の一部は、前記キャビティの底面を通じて前記絶縁層から露出することを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記絶縁層の前記第1面から突出した前記第1配線層の表面に配置される表面処理層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記表面処理層は、ニッケル、パラジウム、及び金を含むことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記キャビティは、底面と内側面の表面粗さが同じであることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記絶縁層の前記第2面上に配置されるソルダレジスト層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記キャビティの底面の表面粗さと前記絶縁層の前記第1面の表面粗さとが同じであることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
キャリア基板上にキャビティパターン層を形成する段階と、
前記キャビティパターン層上にキャビティ導電層を形成する段階と、
前記キャビティパターン層と前記キャビティ導電層が埋め込められるように第1絶縁層を形成する段階と、
前記キャリア基板から前記キャビティパターン層を分離し、前記キャビティパターン層及び前記キャビティ導電層をエッチングして前記第1絶縁層にキャビティを形成する段階と、を有することを特徴とする回路基板製造方法。
【請求項8】
前記キャリア基板上の前記キャビティパターン層が形成される領域を除いた領域に第1導電層を形成する段階と、
前記キャビティ形成後、前記第1導電層をエッチングして除去するする段階と、をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の回路基板製造方法。
【請求項9】
前記第1導電層上に第1配線層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の回路基板製造方法。
【請求項10】
前記第1導電層上の前記第1配線層が形成されない領域に第2導電層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の回路基板製造方法。
【請求項11】
前記第2導電層を除去して前記第1配線層を少なくとも部分的に露出させる段階をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の回路基板製造方法。
【請求項12】
前記第1絶縁層外部に露出した前記第1配線層の表面に、ENEPIG(Electroless Ni Electroless Pd Immersion Gold)方法を通じて、表面処理層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の回路基板製造方法。
【請求項13】
前記キャビティ導電層を形成する段階、前記第1導電層を形成する段階、及び前記第2導電層を形成する段階は、それぞれニッケルメッキ層を形成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の回路基板製造方法。
【請求項14】
前記第1絶縁層の少なくとも一部を貫通し、少なくとも一部が前記キャビティ導電層と接するように第1ビア層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の回路基板製造方法。
【請求項15】
前記第1絶縁層上に、少なくとも一つの絶縁層、少なくとも一つの配線層、及び少なくとも一つのビア層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項14に記載の回路基板製造方法。
【請求項16】
前記キャビティパターン層を形成する段階は、銅パターン層を形成する段階を含むことを特徴とする請求項7に記載の回路基板製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板及びその製造方法に関し、特に、製造工程にかかる時間を短縮することができる回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板は、絶縁材に銅のような伝導性材料で回路パターンを形成したものであり、携帯電話をはじめとするIT分野の電子機器が小型化されることに伴い、回路基板にキャビティを形成し、キャビティ内にIC、能動素子又は受動素子などの電子部品を実装する方法が提案された。
【0003】
一般的に外形加工工程を通じてキャビティを形成する。
この場合、キャビティ内部に炭化及び異物が発生し、基板が汚染され、収率が低下する危険がある。
また異物を除去するために、デスミア(Desmear)工程が追加的に行われて工程の所要時間が増加する。
そこで、外形加工工程の代わりに回路工程を利用してキャビティを形成することができる方法に対する開発の必要となり、課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-40648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の回路基板における課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、パッケージ全体の厚さを減らし、外形加工及びデスミア工程を削除することができ、工程にかかる時間を短縮することができる回路基板及びその製造方法を提供することにある。
また、キャビティの大きさ及び高さの制御が容易であり、サイズが均一で整合力に優れたキャビティを形成することができ、回路基板の収率が改善され得る回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板は、少なくとも一つの配線層及び少なくとも一つのビア層を埋め込み、対向する第1面と第2面とを有する絶縁層と、前記絶縁層の前記第1面上に一部突出し、前記絶縁層に一部が埋め込められる第1配線層と、を有し、前記絶縁層は、前記第1面から陥没した凹状のキャビティを有し、前記ビア層の一部は、前記キャビティの底面を通じて前記絶縁層から露出することを特徴とする。
【0007】
前記絶縁層の前記第1面から突出した前記第1配線層の表面に配置される表面処理層をさらに有することが好ましい。
前記表面処理層は、ニッケル、パラジウム、及び金を含むことが好ましい。
前記キャビティは、底面と内側面の表面粗さが同じであることが好ましい。
前記絶縁層の前記第2面上に配置されるソルダレジスト層をさらに有することが好ましい。
前記キャビティの底面の表面粗さと前記絶縁層の前記第1面の表面粗さとが同じであることが好ましい。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板製造方法は、キャリア基板上にキャビティパターン層を形成する段階と、前記キャビティパターン層上にキャビティ導電層を形成する段階と、前記キャビティパターン層と前記キャビティ導電層が埋め込められるように第1絶縁層を形成する段階と、前記キャリア基板から前記キャビティパターン層を分離し、前記キャビティパターン層及び前記キャビティ導電層をエッチングして前記第1絶縁層にキャビティを形成する段階と、を有することを特徴とする。
【0009】
前記キャリア基板上の前記キャビティパターン層が形成される領域を除いた領域に第1導電層を形成する段階と、前記キャビティ形成後、前記第1導電層をエッチングして除去するする段階と、をさらに有することが好ましい。
前記第1導電層上に第1配線層を形成する段階をさらに有することが好ましい。
前記第1導電層上の前記第1配線層が形成されない領域に第2導電層を形成する段階をさらに有することが好ましい。
前記第2導電層を除去して前記第1配線層を少なくとも部分的に露出させる段階をさらに有することが好ましい。
前記第1絶縁層外部に露出した前記第1配線層の表面に、ENEPIG(Electroless Ni Electroless Pd Immersion Gold)方法を通じて、表面処理層を形成する段階をさらに有することが好ましい。
前記キャビティ導電層を形成する段階、前記第1導電層を形成する段階、及び前記第2導電層を形成する段階は、それぞれニッケルメッキ層を形成する段階を含むことが好ましい。
前記第1絶縁層の少なくとも一部を貫通し、少なくとも一部が前記キャビティ導電層と接するように第1ビア層を形成する段階をさらに有することが好ましい。
前記第1絶縁層上に、少なくとも一つの絶縁層、少なくとも一つの配線層、及び少なくとも一つのビア層を形成する段階をさらに有することが好ましい。
前記キャビティパターン層を形成する段階は、銅パターン層を形成する段階を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る回路基板及びその製造方法によれば、パッケージ全体の厚さを減らし、外形加工及びデスミア工程を削除することができ、工程にかかる時間を短縮することができる。
また、キャビティの大きさ及び高さの制御が容易であり、サイズが均一で整合力に優れたキャビティを形成することができ、回路基板の収率が改善され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による回路基板の概略構成を示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図3】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図4】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図5】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図6】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図7】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図8】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図9】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図10】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図11】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る回路基板及びその製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0013】
以下、添付した図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。
図面において、本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については、同一の参照符号を付した。
また、添付図面において一部の構成要素は誇張される、省略される、又は概略的に図示されており、各構成要素の大きさは実際の大きさを全面的に反映するのではない。
添付した図面は、本明細書に開示した実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面により本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0014】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、構成要素は上記用語により限定されない。
上記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0015】
明細書全体において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
明細書全体において、ある部分が他の部分と「カップリング(coupling)」されているという時、これは「直接的に又は物理的にカップリング」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を介して「間接的に又は非接触カップリング」されている場合を含む。
また、明細書全体において、「連結される」という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に接続(連結)されることだけを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に接続されること、物理的に接続されることだけでなく、電気的に接続されること、又は位置や機能により相異なる名称で称されたが一体であることを意味し得る。
【0016】
以下、図面を参照して本発明の多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
図1を参照して、本発明の一実施形態による回路基板について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による回路基板の概略構成を示す断面図である。
【0017】
図1を参照すると、本実施形態による回路基板100は、少なくとも一つの配線層ML及び少なくとも一つのビア層VLを埋め込み、対向する第1面ILaと第2面ILbを有する絶縁層IL、及び絶縁層ILの第1面ILa上に一部突出し、絶縁層ILに一部埋め込められる第1配線層ML1を含む。
絶縁層ILは、第1面ILaから陥没した凹状のキャビティCVを有し、ビア層VLの一部は、キャビティCVの底面FLを通じて絶縁層ILから露出する。
絶縁層ILは、少なくとも一つの配線層ML及び少なくとも一つのビア層VLを埋め込むように配置される。
【0018】
絶縁層ILの材料としては、絶縁物質を使用することができ、絶縁物質は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂やポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれら樹脂にシリカなどの無機フィラーとガラス繊維などの補強材が含まれたものを含み得る。
例えば、絶縁層ILの材料としては、ABF(Ajinomoto-Build up Film)を使用することができるが、これに限定されるのではなく、プリプレグ(prepreg)などを利用することもできる。
必要に応じて、絶縁層ILの材料としてPID(Photo Imageable Dielectric)のような感光性絶縁材料を利用することもできる。
【0019】
例えば、絶縁層ILは、第1絶縁層IL1、第1絶縁層IL1上に配置される第2絶縁層IL2、及び第2絶縁層上に配置される第3絶縁層IL3を含む。
第1絶縁層IL1の一面には、キャビティCVが配置される。
キャビティCVは、第1絶縁層IL1の一面である絶縁層ILの第1面ILaから陥没した凹み形状である。
キャビティCVは、回路形成過程でエッチング工程を通じて形成され得、したがって、キャビティCVの底面FLと内側面ISの表面粗さが同じである。
図1を参照すると、絶縁層ILは、第1~第3絶縁層(IL1、IL2、IL3)を含むものとして示しているが、これに限定されるのではなく、絶縁層ILは、示したものより多い層を含むこともでき、より少ない層を含むこともできる。
【0020】
配線層MLは、絶縁層ILの一面上に配置される。
配線層MLは、回路基板100の信号を伝達する。
配線層MLのそれぞれの材料としては、金属物質を使用する。
金属物質には、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、又はこれらの合金などが含まれ得る。
配線層MLは、グラウンドパターン、パワーパターン、信号パターンなどのような設計デザインにより多様な機能を有する。
これらパターンは、それぞれライン(line)、プレーン(plane)、又はパッド(pad)形態を有し得る。
複数の配線層MLの内の最外層に位置する配線層の場合、他の基板又は部品との接続のためのパッドとして機能する。
【0021】
配線層MLは、第1~第4配線層(ML1、ML2、ML3、ML4)を含む。
第1配線層ML1は、絶縁層ILの第1面ILa上に一部突出し、絶縁層ILに一部埋め込められる。
第1配線層ML1は、バンプパッドである。
第1配線層ML1は、他の基板又は部品との接続のためのパッドとして機能する。
第1配線層ML1は、絶縁層ILの第1面ILa上に配置される。
第1配線層ML1は、下部が絶縁層ILに埋め込められ、上部は絶縁層ILの第1面ILaから外部に突出する形状である。
第1配線層ML1は、金属を含み得る。
【0022】
第2配線層ML2は、絶縁層ILの第1面ILaと対応する第1絶縁層IL1の一面と対向する他面上に配置される。
第3配線層ML3は、第2絶縁層IL2の一面上に配置される。
第4絶縁層ML4は、第3絶縁層IL3の一面上に配置される。
第2及び第3配線層(ML2、ML3)は、絶縁層ILに埋め込められる。
回路基板100の最外層に位置する第4配線層ML4は、他の基板又は部品との接続のためのパッドとして機能する。
図1を参照すると、第1~第4配線層(ML1、ML2、ML3、ML4)のみを示しているが、これに限定されるのではなく、示したものより多い数の配線層が配置されることもでき、より少ない数の配線層が配置されることもできる。
【0023】
ビア層VLは第1~第4配線層(ML1、ML2、ML3、ML4)を互いに電気的に接続するように配置される。
ビア層VLのそれぞれのビアは、上面の幅が下面の幅より大きいテーパ形状を有する。
ビア層VLの材料としては、金属物質を使用する。
金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、又はこれらの合金などが含まれ得る。
ビア層VLは、設計デザインにより信号用ビア、グラウンド用ビア、パワー用ビアなどを含む。
【0024】
ビア層VLのビアは、それぞれビアホールが金属物質で完全に充填されたものであるか、又は金属物質がビアホールの壁面に沿って形成されたものである。
ビア層VLは、メッキ工程、例えば、AP(Additive Process)、SAP(Semi AP)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などの工程で形成され得る。
ビア層VLは、無電解メッキ層であるシード層とこのようなシード層に基づいて形成される電解メッキ層を含む。
【0025】
ビア層VLは、第1絶縁層IL1内に配置される第1ビア層VL1、第2絶縁層IL2内に配置される第2ビア層VL2、及び第3絶縁層内に配置される第3ビア層VL3を含む。
第1ビア層VL1は、第1絶縁層IL1を貫通して第1配線層ML1と第2配線層ML2とを接続する。
したがって、第1ビア層VL1は、第1配線層ML1と第2配線層ML2を電気的に接続する。
また、第1ビア層VL1に形成されたビアの一部がキャビティCVの底面FLを通じて露出され、したがって、以降キャビティCVに実装される部品と回路基板100が電気的に接続される。
【0026】
第2ビア層VL2は、第2絶縁層IL2を貫通して第2配線層ML2と第3配線層ML3とを接続する。
したがって、第2ビア層VL2は、第2配線層ML2と第3配線層ML3を電気的に接続する。
第3ビア層VL3は、第3絶縁層IL3を貫通して第3配線層ML3と第4配線層ML4とを接続する。
したがって、第3ビア層VL3は、第3配線層ML3と第4配線層ML4を電気的に接続する。
図1を参照すると、第1~第3ビア層(VL1、VL2、VL3)のみを示しているが、これに限定されるのではなく、必要に応じてより多い層又はより少ない層のビア層が配置され得る。
【0027】
表面処理層SFLは、絶縁層ILの第1面ILaから突出した第1配線層ML1の表面に配置される。
表面処理層SFLは、第1配線層ML1の表面に酸化膜が形成されることを防止するために形成される。
例えば、表面処理層SFLは、ENEPIG(Electroless Ni Electroless Pd Immersion Gold)方法を通じて形成されて、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、及び金(Au)を含み得る。
ただし、これに限定されるのではなく、表面処理層SFLは、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、金(Au)、パラジウム(Pd)などをメッキしたり、有機物保護膜(Organic Solder ability Preservative:OSP)をコーティングするなど回路基板分野で公知の表面処理方法で形成され得る。
【0028】
ソルダレジスト層SRLは、不必要な短絡を防止するために配線層MLの一部を覆うように絶縁層ILの第2面ILb上に配置される。
ソルダレジスト層SRLは、第4配線層ML4の一部を露出するように配置される。
ソルダレジスト層SRLは、感光性樹脂材を含み得る。
【0029】
本実施形態による回路基板100によると、既存の外形加工の代わりに回路工程を通じて形成されたキャビティを利用することによって、パッケージ全体の厚さを減らすことができ、キャビティの大きさ及び高さの制御が容易であり、キャビティの底面と内側面の表面粗さが均一なキャビティを実現することができる。
【0030】
以下、図2図11を参照して、本発明の一実施形態による回路基板100の製造方法について説明する。
図2図11は、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
図2を参照すると、キャリア基板CS上に第1導電層CL1を形成する。
【0031】
キャリア基板CSは、コア部CO、コア部COの両側に積層された薄膜金属層MS、及び薄膜金属層MS上に積層された銅箔層TCを含む。
ここで、キャリア基板CS上のキャビティパターン層(CPL、図3図9参照)が形成される領域を除いた領域に第1導電層CL1を形成する。
例えば、キャリア基板CS上にメッキレジストパターンを形成してメッキされる領域を露出させ、露出した領域に無電解/電解メッキ工程を行って第1導電層CL1を形成する。
メッキ工程は、AP(Additive Process)、SAP(Semi AP)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などの工程を含み得る。
第1導電層CL1は、ニッケルを含むが、これに限定されない。
【0032】
図3を参照すると、キャリア基板CS上にキャビティパターン層CPLを形成する。
ここで、キャリア基板CS上の第1導電層CL1が形成される領域を除いた領域にキャビティパターン層CPLを形成する。
キャビティパターン層CPLは、銅を含むがこれに限定されない。
キャビティパターン層CPLの厚さは、第1導電層CL1の厚さよりも厚く形成され、キャビティパターン層CPLの幅方向両側縁は、第1導電層CL1の縁と接する。
【0033】
図4を参照すると、第1導電層CL1上に第1配線層ML1を形成する。
キャビティパターン層CPLと離隔して配置されるように第1配線層ML1を形成する。
【0034】
図5を参照すると、キャビティパターン層CPL上にキャビティ導電層CL3を形成する。
また、第1導電層CL1上の第1配線層ML1が形成されない領域に第2導電層CL2を形成する。
例えば、メッキレジストパターンを形成してメッキされる領域を露出させ、露出した領域に無電解/電解メッキ工程を行ってキャビティ導電層CL3及び第2導電層CL2を形成する。
メッキ工程は、AP(Additive Process)、SAP(Semi AP)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などの工程を含み得る。
第2導電層CL2は、第1配線層ML1の一部を囲むように形成される。
第2導電層CL2は、ニッケルを含むがこれに限定されない。
【0035】
図6を参照すると、キャビティパターン層CPLと第1導電層CL1が埋め込められるように第1絶縁層IL1を形成する。
【0036】
図7を参照すると、第1絶縁層IL1上に第2配線層ML2を形成し、第1絶縁層IL1の少なくとも一部を貫通して第1ビア層VL1を形成する。
第1ビア層VL1の一部のビアを第1導電層CL1と接するように形成する。
言い換えると、第2配線層ML2と第1導電層CL1とを接続するように第1ビア層VL1を形成する。
第1ビア層VL1の他の一部のビアを第1配線層ML1と接するように形成する。
言い換えると、第2配線層ML2と第1配線層ML1とを接続するように第1ビア層VL1を形成する。
【0037】
図8を参照すると、第1絶縁層IL1上に少なくとも一つの絶縁層、少なくとも一つの配線層、及び少なくとも一つのビア層を形成してビルドアップ構造を形成する。
例えば、第2配線層ML2を埋め込むように第2絶縁層IL2を形成する。
第2絶縁層IL2上に第3配線層ML3を形成し、第2絶縁層IL2の少なくとも一部を貫通して第2ビア層VL2を形成する。
また、第2絶縁層IL2を埋め込むように第3絶縁層IL3を形成する。
第3絶縁層IL3上に第4配線層ML4を形成し、第3絶縁層IL3の少なくとも一部を貫通して第3ビア層VL3を形成する。
第4配線層ML4は、絶縁層ILの第2面ILb上に配置される。
第3絶縁層IL3の一面上にソルダレジスト層SRLを形成する。
第4配線層ML4の一部を露出するようにソルダレジスト層SRLを形成する。
【0038】
次に、キャリア基板CSの両側から基板部SUBを分離する。
以下、キャリア基板CSから分離された一つの基板部SUBについて説明する。
図9に示すように、基板部SUBで銅箔層TCを除去して、キャリア基板CSからキャビティパターン層CPL及び第1導電層CL1を分離する。
【0039】
図10及び図11を参照すると、キャビティパターン層CPL及びキャビティ導電層CL3をエッチングして除去することによって、キャビティCVを形成する。
例えば、エッチング液を利用してキャビティパターン層CPLを選択的にエッチングする。
以降、他のエッチング液を利用してキャビティ導電層CL3をエッチングする。
キャビティパターン層CPLとキャビティ導電層CL3は、互いに異なるエッチング液により選択的に除去が可能な金属物質を含み、前述のように、例えば、キャビティパターン層CPLは銅を含み、キャビティ導電層CL3はニッケルを含む。
ただし、これに制限されるのではない。
キャビティパターン層CPLとキャビティ導電層CL3は、全てエッチング液を利用したエッチング工程を通じて除去されるため、キャビティCVの底面FLと内側面ISの表面粗さが同じであるようにキャビティCVが形成される。
【0040】
図11を参照すると、第1導電層CL1及び第2導電層CL2をエッチングして除去する。
したがって、第1配線層ML1の第2導電層CL2で囲まれた一部が外部に露出して、第3絶縁層IL3の一面から突出するように第1配線層ML1を形成する。
言い換えると、第2導電層CL2を除去して第1配線層ML1を少なくとも部分的に露出させる。
また、第1ビア層VL1の一部がキャビティCVの底面を通じて絶縁層ILから露出する。
【0041】
図1を参照すると、第1絶縁層IL1外部に露出した第1配線層ML1の表面に表面処理層SFLを形成し、図1と同一の回路基板100を形成する。
例えば、表面処理層SFLは、ENEPIG(Electroless Ni Electroless Pd Immersion Gold)方法を通じて形成される。
【0042】
本発明の実施形態による回路基板100の製造方法によれば、既存の外形加工の代わりに回路工程を通じてキャビティを形成することによって、外形加工及びデスミア(Desmear)工程を削除することができ、工程にかかる時間を短縮することができる。
また、キャビティの大きさ及び高さの制御が容易であり、サイズが均一で整合力に優れたキャビティを形成することができ、外形加工工程で発生する異物や炭化が発生しないため、回路基板の収率が改善される。
【0043】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
100 回路基板
CL1、CL2、CL3 (第1~第3)導電層
CO コア部
CPL キャビティパターン層
CS キャリア基板
CV キャビティ
FL (キャビティの)底面
IL 絶縁層
IL1、IL2、IL3 (第1~第3)絶縁層
IS (キャビティの)内側面
ML 配線層
ML1、ML2、ML3、ML4 (第1~第4)配線層
MS 薄膜金属層
SFL 表面処理層
SRL ソルダレジスト層
TC 銅箔層
VL ビア層
VL1、VL2、VL3 (第1~第3)ビア層

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11