(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118434
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】発光表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 59/122 20230101AFI20240823BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240823BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240823BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240823BHJP
H10K 50/824 20230101ALI20240823BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240823BHJP
H10K 71/13 20230101ALI20240823BHJP
【FI】
H10K59/122
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/30 338
H10K59/124
H10K59/123
H10K50/824
H10K59/131
H10K71/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024011066
(22)【出願日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0022139
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】申 東 熹
(72)【発明者】
【氏名】孫 宣 權
(72)【発明者】
【氏名】盧 相 龍
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB08
3K107CC33
3K107CC45
3K107DD37
3K107DD38
3K107DD39
3K107DD89
3K107DD90
3K107EE03
3K107FF15
3K107GG06
3K107GG08
3K107HH05
5C094AA42
5C094BA03
5C094BA27
5C094DA13
5C094DB01
5C094EA04
5C094FA01
5C094FA02
(57)【要約】
【課題】画素画定膜の下に位置し、一部分が画素画定膜によって露出されているセパレータを含む発光表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、基板;前記基板上に位置し、トランジスタおよび前記トランジスタを覆う平坦化膜を含む駆動素子層;前記平坦化膜の上に位置し、コンタクト用オープニングを含む第2電極;前記平坦化膜の上に位置し逆テーパ構造の側壁面を有するセパレータ;前記第2電極の一部分を露出させる第1オープニング、前記セパレータの一部分を露出させる第2オープニング、および前記第2電極の前記コンタクト用オープニングに対応する第3オープニングを含む画素画定膜;前記画素画定膜の上側に位置する第1電極を含み、前記第1電極は、前記第2電極の前記コンタクト用オープニングおよび前記画素画定膜の前記第3オープニングを通じて、前記駆動素子層の前記トランジスタと電気的に連結されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;
前記基板の上に位置し、トランジスタおよび前記トランジスタを覆う平坦化膜を含む駆動素子層;
前記平坦化膜の上に位置し、コンタクト用オープニングを含む第2電極;
前記平坦化膜の上に位置し逆テーパ構造の側壁面を有するセパレータ;
前記第2電極の一部分を露出させる第1オープニング、前記セパレータの一部分を露出させる第2オープニング、および前記第2電極の前記コンタクト用オープニングに対応する第3オープニングを含む画素画定膜;
前記画素画定膜の上側に位置する第1電極を含み、
前記第1電極は、前記第2電極の前記コンタクト用オープニングおよび前記画素画定膜の前記第3オープニングを通じて前記駆動素子層の前記トランジスタと電気的に連結される、発光表示装置。
【請求項2】
前記セパレータは外側部および内側部を含み、
前記画素画定膜の前記第2オープニングは、前記セパレータにおける前記外側部について、その少なくとも一部分を露出させる、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記第1電極の周縁は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記外側部と一致する、請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記内側部は、側面が全て前記画素画定膜によって覆われている、請求項3に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記内側部は、前記第1電極と平面上にて重畳する、請求項4に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記セパレータは追加部をさらに含み、
前記画素画定膜の前記第2オープニングは前記追加部の少なくとも一部分を露出させる、請求項4に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記第1電極と同一の物質で形成される追加電極をさらに含み、
前記追加電極の周縁のうちの一部は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記追加部と一致する、請求項6に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記追加電極の前記周縁のうちの残りの部分は、前記外側部の一部と平面上一致する、請求項7に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記追加電極における前記周縁を除いた中央部分は、平面上にて、前記画素画定膜と重畳する、請求項8に記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記追加部の両側の側壁面は、いずれも第2オープニングと重畳する、請求項6に記載の発光表示装置。
【請求項11】
基板;
前記基板の上に位置し、駆動トランジスタおよび前記駆動トランジスタを覆う平坦化膜を含む駆動素子層;
前記平坦化膜の上に位置し、前記駆動トランジスタのゲート電極と平面上にて重畳する駆動ゲート電極重畳オープニングを含む第2電極;
前記平坦化膜の上に位置し逆テーパ構造の側壁面を有し、外側部、内側部、および追加部を含むセパレータ;
前記第2電極の一部分を露出させる第1オープニング、前記セパレータのうちの前記外側部および前記追加部の少なくとも一部分を露出させる第2オープニングを含む画素画定膜;
前記画素画定膜の上側に位置する第1電極および追加電極を含み、
前記第1電極の周縁は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記外側部と一致し、
前記追加電極の周縁のうちの一部は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている、発光表示装置。
【請求項12】
前記追加電極の周縁のうちの一部は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記追加部と一致する、請求項11に記載の発光表示装置。
【請求項13】
前記追加電極の前記周縁のうちの残りの部分は、前記外側部の一部と平面上にて一致する、請求項12に記載の発光表示装置。
【請求項14】
前記追加電極における前記周縁を除いた中央部分は、平面上にて、前記画素画定膜と重畳する、請求項11に記載の発光表示装置。
【請求項15】
前記追加部の両側の側壁面は、いずれも第2オープニングと重畳する、請求項11に記載の発光表示装置。
【請求項16】
前記セパレータは、一つの前記外側部に1つ以上の前記追加部が連結されている、請求項11に記載の発光表示装置。
【請求項17】
前記第1電極の周縁は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記外側部と一致する、請求項11に記載の発光表示装置。
【請求項18】
前記内側部は、側面が全て前記画素画定膜によって覆われており、
前記内側部は前記第1電極と平面上重畳する、請求項17に記載の発光表示装置。
【請求項19】
前記第2電極はコンタクト用オープニングをさらに含み、
前記画素画定膜は、前記第2電極の前記コンタクト用オープニングに対応する第3オープニングをさらに含み、
前記第1電極は、前記第2電極の前記コンタクト用オープニングおよび前記画素画定膜の前記第3オープニングを通じて、前記駆動素子層の前記トランジスタと電気的に連結されている、請求項11に記載の発光表示装置。
【請求項20】
前記第2電極には、前記駆動ゲート電極重畳オープニングと、前記コンタクト用オープニングとが一体に形成されている、請求項19に記載の発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、画面を表示する装置であって、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Diode、OLED)などがある。このような表示装置は、携帯電話、ナビゲーション、デジタルカメラ、電子ブック、携帯用ゲーム機、または各種端末器などといった多様な電子機器に使用されている。
【0003】
有機発光表示装置は、自発光(self-luminance)特性を有し、液晶表示装置と異なり別途の光源を必要としないので、厚さと重量を減らすことができる。また、有機発光表示装置は、低い消費電力、高い輝度、および速い応答速度などの高品位特性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許2019-0063929
【特許文献2】韓国公開特許2015-0027486
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態は、画素画定膜の下に位置し、一部分が画素画定膜によって露出されている、セパレータを含む発光表示装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態による発光表示装置は、基板;前記基板の上に位置し、トランジスタおよび前記トランジスタを覆う平坦化膜を含む駆動素子層;前記平坦化膜の上に位置し、コンタクト用オープニング(具体例において、画素電極としての上側の第1電極を駆動素子層中の端子とコンタクトさせるための開口ないし抜き部)を含む第2電極;前記平坦化膜の上に位置し逆テーパ構造の側壁面を有するセパレータ;前記第2電極の一部分を露出させる第1オープニング、前記セパレータの一部分を露出させる第2オープニング、および前記第2電極の前記コンタクト用オープニングに対応する第3オープニングを含む画素画定膜;前記画素画定膜の上側に位置する第1電極(画素電極)を含み、前記第1電極は、前記第2電極の前記コンタクト用オープニングおよび前記画素画定膜の前記第3オープニングを通じて前記駆動素子層の前記トランジスタと電気的に連結される。
【0007】
前記セパレータは外側部および内側部を含み、前記画素画定膜の前記第2オープニングは前記セパレータ中の前記外側部の少なくとも一部分を露出させることができる。
【0008】
前記第1電極の周縁は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記外側部と一致していてよい。
【0009】
前記内側部は、側面が全て前記画素画定膜によって覆われていてもよい。
【0010】
前記内側部は、前記第1電極と平面上にて重畳していてもよい(平面図で見た場合に重なり合っていてもよい)。
【0011】
前記セパレータは追加部をさらに含み、前記画素画定膜の前記第2オープニングは前記追加部の少なくとも一部分を露出させることができる。
【0012】
前記第1電極と同一の物質(材料)で形成される追加電極をさらに含み、前記追加電極の周縁のうちの一部は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記追加部と一致していてもよい。
【0013】
前記追加電極の前記周縁のうちの残りの部分は、前記外側部の一部と平面上にて一致していてもよい。
【0014】
前記追加電極における前記周縁を除いた中央部分は、平面上にて、前記画素画定膜と重畳していてもよい。
【0015】
前記追加部の両側の側壁面は、いずれも第2オープニングと重畳していてもよい。
【0016】
一実施形態による発光表示装置は、基板;前記基板の上に位置し、駆動トランジスタおよび前記駆動トランジスタを覆う平坦化膜を含む駆動素子層;前記平坦化膜の上に位置し、前記駆動トランジスタのゲート電極と平面上にて重畳する駆動ゲート電極重畳オープニングを含む第2電極;前記平坦化膜の上に位置し逆テーパ構造の側壁面を有し、外側部、内側部、および追加部を含むセパレータ;前記第2電極の一部分を露出させる第1オープニング、前記セパレータ中の前記外側部および前記追加部の少なくとも一部分を露出させる第2オープニングを含む画素画定膜;前記画素画定膜の上側に位置する第1電極および追加電極を含み、前記第1電極の周縁は、平面上にて前記第2オープニングによって露出されている前記外側部と一致し、前記追加電極の周縁のうちの一部は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている。
【0017】
前記追加電極の周縁中の一部は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記追加部と一致していてもよい。
【0018】
前記追加電極の前記周縁中の残りは、前記外側部の一部と平面上一致していてもよい。
【0019】
前記追加電極における前記周縁を除いた中央部分は、平面上前記画素画定膜と重畳していてもよい。
【0020】
前記追加部の両側の側壁面は、いずれも第2オープニングと重畳していてもよい。
【0021】
前記セパレータは、一つの前記外側部に1つ以上の前記追加部が連結されうる。
【0022】
前記第1電極の周縁は、平面上にて、前記第2オープニングによって露出されている前記外側部と一致していてもよい。
【0023】
前記内側部は側面が全て前記画素画定膜によって覆われており、前記内側部は前記第1電極と平面上にて重畳していてもよい。
【0024】
前記第2電極はコンタクト用オープニングをさらに含み、前記画素画定膜は前記第2電極の前記コンタクト用オープニングに対応する第3オープニングをさらに含み、前記第1電極は前記第2電極の前記コンタクト用オープニングおよび前記画素画定膜の前記第3オープニングを通じて前記駆動素子層の前記トランジスタと電気的に連結されうる。
【0025】
前記第2電極に前記駆動ゲート電極重畳オープニングと前記コンタクト用オープニングが一体に形成できる。
【発明の効果】
【0026】
実施形態によれば、画素画定膜によって露出されたセパレータによって、セパレータの上側に積層される導電層が、セパレータを基準にして明確に途切れて分離されうる。セパレータの上に画素画定膜が位置することから、画素画定膜の上側の面が有する疎水性の特性によって、インクジェット工程に提供される発光層が画素画定膜を乗り越えず、画素画定膜で区画される領域内に位置することから、不良が発生しないことになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】一実施形態による発光表示装置の画素の回路図である。
【
図2】一実施形態による発光表示装置の表示領域の平面図である。
【
図3】
図2の一部分を分離して示した平面図である。
【
図4】
図2の一部分を分離して示した平面図である。
【
図5】
図2の一部分を分離して示した平面図である。
【
図6】インクジェット方式で発光層を提供する段階を示した断面図である。
【
図7】
図2の実施形態による発光表示装置の断面図である。
【
図8】他の実施形態による発光表示装置の画素の回路図である。
【
図9】他の実施形態による発光表示装置の表示領域を製造順序によって示した平面図である。
【
図10】他の実施形態による発光表示装置の表示領域を製造順序によって示した平面図である。
【
図11】他の実施形態による発光表示装置の表示領域を製造順序によって示した平面図である。
【
図12】他の実施形態による発光表示装置の表示領域を製造順序によって示した平面図である。
【
図13】他の実施形態による発光表示装置の表示領域を製造順序によって示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々の異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0029】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。
【0030】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。図面において様々の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部層および領域の厚さを誇張して示した。
【0031】
また、層、膜、領域、板、構成要素などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”または“上に”あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に“の上に”または“上に”位置することを意味するのではない。
【0032】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”というとき、これは、特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
また、明細書全体で、“平面上”というとき、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た場合を意味する。
【0034】
また、明細書全体で、“連結される”というとき、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結される場合のみを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結される場合、物理的に連結される場合や電気的に連結される場合、だけでなく、位置や機能によって異なる名称で称されたが、実質的に一体である各部分が互いに連結されることを含むことができる。
【0035】
また、明細書全体で、配線、層、膜、領域、板、構成要素などの部分が“第1方向または第2方向に延長される”というとき、これは当該方向にまっすぐ伸びた直線形状のみを意味するのではなく、第1方向または第2方向に沿って全般的に延長される構造であって、一部分で折り曲げられるか、ジグザグ構造を有するか、曲線構造を含みながら延長される構造も含む。
【0036】
また、明細書で説明された表示装置、表示パネルなどが含まれている電子機器(例えば、携帯電話機、TV、モニター、ノートパソコンなど)や明細書で説明された製造方法によって製造された表示装置、表示パネルなどが含まれている電子機器も本明細書の権利範囲から排除されない。
【0037】
まず、以下では、一実施形態による発光表示装置に含まれる画素の回路構造を、
図1を参照して説明する。
【0038】
図1は、一実施形態による発光表示装置の画素の回路図である。
【0039】
図1では、三つの画素PXa、PXb、PXcの回路図を示している。
【0040】
複数の画素は、第1画素PXa、第2画素PXb、および第3画素PXcを含むことができる。第1画素PXa、第2画素PXb、および第3画素PXcそれぞれは、複数のトランジスタT1、T2、T3、維持キャパシタCst、および発光素子EDa、EDb、EDcを含む。ここで、一つの画素PXa、PXb、PXcは、発光素子EDa、EDb、EDcと、画素駆動部PCa、PCb、PCcとに区分することができる。
図1を参照すれば、画素駆動部PCa、PCb、PCcは、各画素PXa、PXb、PXcで発光素子EDa、EDb、EDcを除いた部分に対応して複数のトランジスタT1、T2、T3および維持キャパシタCstを含むことができる。また、実施形態によっては、発光素子EDa、EDb、EDcの両端に連結されているキャパシタCleda、Cledb、Cledc(以下、発光部キャパシタという)をさらに含むことができ、発光部キャパシタCleda、Cledb、Cledcは画素駆動部に含まれなくてもよく、発光素子EDa、EDb、EDcに含まれてもよい。
【0041】
複数のトランジスタT1、T2、T3は、一つの駆動トランジスタT1(第1トランジスタとも言う)と二つのスイッチングトランジスタT2、T3から形成され、二つのスイッチングトランジスタは入力トランジスタT2(第2トランジスタとも言う)と初期化トランジスタT3(第3トランジスタとも言う)に区分される。各トランジスタT1、T2、T3は、ゲート電極、第1電極、および第2電極をそれぞれ含み、チャンネルを含む半導体層も含んで、ゲート電極の電圧によって半導体層のチャンネルに電流が流れるか遮断される。ここで、第1電極と第2電極は、各トランジスタT1、T2、T3に印加される電圧に応じて、二つの電極のうちの一つがソース電極であり、他の一つがドレイン電極であってもよい。
【0042】
駆動トランジスタT1のゲート電極は、維持キャパシタCstの一端と連結されており、入力トランジスタT2の第2電極(出力側電極)とも連結されている。また、駆動トランジスタT1の第1電極は第1電圧ELVDD(以下、駆動電圧ともいう)を伝達する駆動電圧線172と連結されており、駆動トランジスタT1の第2電極は、発光素子EDa、EDb、EDcのアノード、維持キャパシタCstの他端、初期化トランジスタT3の第1電極、および発光部キャパシタCleda、Cledb、Cledcの一端と連結されている。駆動トランジスタT1は、入力トランジスタT2のスイッチング動作によってデータ電圧DVa、DVb、DVcをゲート電極に伝達を受け、ゲート電極の電圧によって発光素子EDa、EDb、EDcに駆動電流を供給することができる。この時、維持キャパシタCstは、駆動トランジスタT1のゲート電極の電圧を格納し保持する。
【0043】
入力トランジスタT2のゲート電極は、第1スキャン信号SCを伝達する第1スキャン信号線151と連結されている。入力トランジスタT2の第1電極はデータ電圧DVa、DVb、DVcを伝達するデータ線171a、171b、171cと連結されており、入力トランジスタT2の第2電極は維持キャパシタCstの一端および駆動トランジスタT1のゲート電極と連結されている。複数のデータ線171a、171b、171cは互いに異なるデータ電圧DVa、DVb、DVcをそれぞれ伝達し、各画素PXa、PXb、PXcの入力トランジスタT2は互いに異なるデータ線171a、171b、171cに連結されている。各画素PXa、PXb、PXcの入力トランジスタT2のゲート電極は、同一の第1スキャン信号線151に連結されて同一なタイミングの第1スキャン信号SCの入力を受けることができる。同一のタイミングの第1スキャン信号SCによって各画素PXa、PXb、PXcの入力トランジスタT2は同時にターンオンされても、互いに異なるデータ線171a、171b、171cを通じて互いに異なるデータ電圧DVa、DVb、DVcが各画素PXa、PXb、PXcの駆動トランジスタT1のゲート電極および維持キャパシタCstの一端に伝達される。
【0044】
図1の実施形態は、初期化トランジスタT3のゲート電極が入力トランジスタT2のゲート電極と異なるスキャン信号の伝達を受ける実施形態である。
【0045】
初期化トランジスタT3のゲート電極は、第2スキャン信号SSを伝達する第2スキャン信号線151-1と連結されている。初期化トランジスタT3の第1電極は、維持キャパシタCstの他端、駆動トランジスタT1の第2電極、発光素子EDa、EDb、EDcのアノードおよび発光部キャパシタCleda、Cledb、Cledcの一端と連結されており、初期化トランジスタT3の第2電極は、初期化電圧VINTを伝達する初期化電圧線173と連結されている。初期化トランジスタT3は、第2スキャン信号SSによってターンオンされて初期化電圧VINTを発光素子EDa、EDb、EDcのアノード、発光部キャパシタCleda、Cledb、Cledcの一端、および維持キャパシタCstの他端に伝達して発光素子EDa、EDb、EDcのアノードの電圧を初期化させる。
【0046】
初期化電圧線173は、初期化電圧VINTを印加する前に発光素子EDa、EDb、EDcのアノードの電圧を感知する動作を行って感知配線SLとしての役割を果たすこともできる。感知動作を通じてアノードの電圧がターゲット電圧に維持されているか確認することができる。感知動作と初期化電圧VINTを伝達する初期化動作は時間的に区分されて行うことができ、感知動作が行われた後に初期化動作が行われてもよい。
【0047】
図1の実施形態では、初期化トランジスタT3と入力トランジスタT2のターンオン区間が区分されうるのであり、入力トランジスタT2が行う記入動作と初期化トランジスタT3が行う初期化動作(および/または感知動作)が互いに異なるタイミングに行われてもよい。
【0048】
維持キャパシタCstの一端は駆動トランジスタT1のゲート電極および入力トランジスタT2の第2電極と連結されており、他端は初期化トランジスタT3の第1電極、駆動トランジスタT1の第2電極、発光素子EDa、EDb、EDcのアノード、および発光部キャパシタCleda、Cledb、Cledcの一端と連結されている。
【0049】
発光素子EDa、EDb、EDcは、アノードに駆動トランジスタT1の出力電流が伝達され、カソードは駆動低電圧線174を通じて第2電圧ELVSS(以下、駆動低電圧ともいう)の伝達を受け、発光素子EDa、EDb、EDcは駆動トランジスタT1の出力電流によって光を放出して階調を表示する。
【0050】
また、発光素子EDa、EDb、EDcの両端には、発光部キャパシタCleda、Cledb、Cledcが形成されていて発光素子EDa、EDb、EDc両端電圧が一定に維持されるようにして発光素子EDa、EDb、EDcが一定の輝度を表示することができるようにする。
【0051】
以下では、
図1のような回路を有する画素の動作について簡単に説明する。
【0052】
図1では各トランジスタT1、T2、T3がN型トランジスタである実施形態であり、ハイレベルの電圧がゲート電極に印加されるとターンオンされる特徴を有する。しかし、実施形態によっては、各トランジスタT1、T2、T3の全部または一部が、P型トランジスタであるかN型トランジスタであってもよい。
【0053】
発光区間が終了するにつれて一フレームが始まる。ハイレベルの第2スキャン信号SSが供給されて初期化トランジスタT3がターンオンされる。初期化トランジスタT3がターンオンされると、初期化動作および/または感知動作を行うことができる。
【0054】
初期化動作と感知動作が全て行われる実施形態を中心にして説明すれば、以下の通りである。
【0055】
初期化動作が行われる前に、先に感知動作を行うことができる。即ち、初期化トランジスタT3がターンオンされるにつれて初期化電圧線173が感知配線SLの役割を果たして発光素子EDa、EDb、EDcのアノードの電圧を感知する。感知動作を通じてアノードの電圧がターゲット電圧に維持されているか確認することができる。
【0056】
その後、初期化動作を行うことができ、維持キャパシタCstの他端、駆動トランジスタT1の第2電極、および発光素子EDa、EDb、EDcのアノードの電圧が初期化電圧線173から伝達された初期化電圧VINTに変更されるようにして初期化を行う。
【0057】
このように、感知動作と初期化電圧VINTを伝達する初期化動作は時間的に区分されて行われて最小限のトランジスタを使用しながら画素が占める面積を減らしながら画素が多様な動作を行うようにすることができる。その結果、表示パネルの解像度が向上できる。
【0058】
初期化動作と共にまたは別途のタイミングに、第1スキャン信号SCもハイレベルに変更されながら印加されて、入力トランジスタT2がターンオンされ、記入動作が行われる。即ち、ターンオンされた入力トランジスタT2を通じてデータ線171a、171b、171cからのデータ電圧DVa、DVb、DVcが駆動トランジスタT1のゲート電極および維持キャパシタCstの一端に入力され貯蔵される。
【0059】
初期化動作および記入動作によって維持キャパシタCstの両端には、それぞれデータ電圧DVa、DVb、DVcと初期化電圧VINTが印加される。初期化トランジスタT3がターンオンされている状態では、駆動トランジスタT1で出力電流が生成されても初期化トランジスタT3および初期化電圧線173を通じて外部に出力できて発光素子EDa、EDb、EDcのアノードに入力されないことになり得る。また、実施形態によっては、ハイレベルの第1スキャン信号SCが供給される記入区間の間に、第1電圧ELVDDをローレベルの電圧で印加するか、第2電圧ELVSSをハイレベルの電圧で印加して発光素子EDa、EDb、EDcに電流が流れないようにすることができる。
【0060】
その後、第1スキャン信号SCがローレベルに変更されると、駆動トランジスタT1に印加されるハイレベルの第1電圧ELVDDおよび維持キャパシタCstに格納(貯蔵)された駆動トランジスタT1のゲート電圧に応じて、駆動トランジスタT1が出力電流を生成して出力する。駆動トランジスタT1の出力電流は発光素子EDa、EDb、EDcに入力されて発光素子EDa、EDb、EDcが光を放出するようになる発光区間が行われる。
【0061】
一方、実施形態によっては、第1スキャン信号SCを伝達する第1スキャン信号線151と第2スキャン信号SSを伝達する第2スキャン信号線151-1が同一の一つのスキャン信号線で形成されて同一なタイミングのスキャン信号の印加を受けることもできる。
【0062】
以上のような回路構造を有する画素を含む発光表示装置の平面構造および断面構造について
図2~
図7を参照して説明する。
【0063】
【0064】
図2は一実施形態による発光表示装置の表示領域の平面図であり、
図3~
図5は
図2の一部分を分離して示した平面図である。
【0065】
図2は全体的な平面構造を示しており、
図3はセパレータSEP、画素画定膜380、および発光層EMLa、EMLb、EMLcの平面構造を示しており、
図4はセパレータSEPの平面構造のみを示しており、
図5は画素画定膜380に形成されたオープニング(開口)の構造を示している。
【0066】
発光表示装置は、
図7の断面図を参照すれば、画素に含まれる画素駆動部PCa、PCb、PCcを下部に形成し、その上に発光素子EDa、EDb、EDcと共にセパレータSEPおよび画素画定膜380を形成することができる。ここで、画素駆動部PCa、PCb、PCcに対応する層は駆動素子層と言い、駆動素子層の上に位置する層を発光素子層と言える。
【0067】
図2にて、画素に含まれる画素駆動部PCa、PCb、PCcは、それぞれ 点線で領域のみが示されており、画素駆動部PCa、PCb、PCcと連結される発光素子EDa、EDb、EDcにおける、カソードCathodeと、各アノードAnodea、Anodeb、Anodecとが示されている。ここで、発光素子EDa、EDb、EDcの各アノードAnodea、Anodeb、Anodecは、セパレータSEPa、SEPb、SEPcによって分離されている。即ち、
図2にて、セパレータSEPa、SEPb、SEPcのパターンの内側に、各アノードAnodea、Anodeb、Anodecが位置する。
【0068】
一方、本実施形態のカソードCathodeは、セパレータSEPa、SEPb、SEPcおよび画素画定膜(
図7の380参照)の下方に位置する。即ち、
図7を参照すれば、
図2の実施形態では、発光素子に含まれる発光層(
図7のEML参照)、アノードおよびカソードのうちで、発光層の下方に位置する電極は、カソードCathodeであり、発光層の上にアノードAnodea、Anodeb、Anodecが位置する。
【0069】
図2で、カソードCathodeは、オープニングOP-cat(以下、コンタクト用オープニングという)を有しており、カソードCathodeは、オープニングOP-catを除いた全領域にわたって形成されている。発光層の上に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecは、カソードCathodeのオープニングOP-catを通じて、画素画定膜380の下方に位置する画素回路部PCa、PCb、PCcから電流の伝達を受ける。
【0070】
また、
図2では、画素画定膜380が、発光層EMLa、EMLb、EMLcと重畳するオープニングOP1a、OP1b、OP1c、および、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの少なくとも一部と重畳するオープニングOP2a、OP2b、OP2cを含む。また、画素画定膜380は、アノードAnodea、Anodeb、Anodecと画素回路部PCa、PCb、PCcを連結するためのオープニングOPcon(以下、アノード連結用オープニングまたは第3オープニングという)を含むことができる。また、画素画定膜380は、アノードAnodea、Anodeb、Anodecと同一の物質で形成され、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの外側に位置する補助電極CE-addに対して、カソードCathodeに印加される電圧と同一の電圧を印加するためのオープニングOP4をさらに含むことができる。ここで、セパレータSEPa、SEPb、SEPcは、画素画定膜380の下に位置し、画素画定膜380に位置するオープニングOP2a、OP2b、OP2cと少なくとも一部重畳していてもよい。オープニングOP1、OPconは、画素画定膜380およびその下方に位置する絶縁膜に位置するオープニングであってもよい。
【0071】
図2を参照して、画素駆動部PCa、PCb、PCcに対応する層は、駆動素子層の構造を中心にして詳細に説明すれば以下の通りである。
【0072】
図2では、表示領域中の一部分を示しており、一つの画素は発光素子と画素駆動部を含む。
図2は、アノードAnodea、Anodeb、Anodec、発光層EMLa、EMLb、EMLc、カソードCathode、セパレータSEPa、SEPb、SEPc、および画素駆動部PCa、PCb、PCcを中心にして示している。ここで、アノードAnodea、Anodeb、Anodec、発光層EMLa、EMLb、EMLc、カソードCathodeは、それぞれが合わさって発光素子を構成することができるのであり、発光素子と画素駆動部PCa、PCb、PCcとは合わさって画素を構成する。また、
図2にて、発光層EMLa、EMLb、EMLcは、画素画定膜(
図7の380参照)に位置するオープニングの内側に位置する発光層EMLa、EMLb、EMLcであってもよく、画素画定膜(
図7の380参照)のオープニングの内側に位置する発光層EMLa、EMLb、EMLcを発光領域と言うことができる。
【0073】
図2にて、隣接するトータルで3つの画素駆動部PCa、PCb、PCcについて、その第2方向DRでの位置が概略的に示されている。
【0074】
図2に位置する3つの画素駆動部PCa、PCb、PCcは、それぞれ第1方向DR1に長く延長される構造を有することができ、3つはそれぞれ光の三原色を表示する画素に対応する画素駆動部PCa、PCb、PCcであってもよい。画素駆動部PCa、PCb、PCcの構造は多様であり、一実施形態によれば
図1と同一の回路構造を有することができる。
【0075】
図2では、さらに、画素駆動部PCa、PCb、PCcと連結されている配線のうちの一部が、追加的に示されている。
図2では第1方向DR1に延長されている第1スキャン信号線151および第2スキャン信号線151-1が示されており、また、第2方向DR2に延長されているデータ線171a、171b、171c、駆動電圧線172、初期化電圧線173、および駆動低電圧線174(以下、第2駆動電圧線という)も示されている。
【0076】
ここで、画素駆動部PCa、PCb、PCcは、第1スキャン信号線151、第2スキャン信号線151-1、駆動電圧線172、初期化電圧線173、および駆動低電圧線174に、共通に連結されうる。また、第1画素駆動部PCaは、第1データ線171aに連結され、第2画素駆動部PCbは第2データ線171bに連結され、第3画素駆動部PCcは第3データ線171cに連結されるのでありうる。
【0077】
画素駆動部PCa、PCb、PCcは、第1スキャン信号線151、第2スキャン信号線151-1、および駆動低電圧線174によって区画される平面領域を三つに分けた各領域に対応できる。実施形態によっては、第1スキャン信号線151と、第2スキャン信号線151-1とが、一つのスキャン線として形成されてもよい。
【0078】
図2および
図3を参照すれば、第1画素駆動部PCaは、オープニングOPcon(以下、アノード連結用オープニングまたは第3オープニングという)と、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catとを通じて、第1アノードAnodeaに連結されていて、第2画素駆動部PCbは、オープニングOPconと、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catとを通じて第2アノードAnodebに連結されており、第3画素駆動部PCcは、オープニングOPconと、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catとを通じて、第3アノードAnodecに連結される。
【0079】
第1発光素子は、第1アノードAnodea、第1発光層EMLa、およびカソードCathodeを含み、第2発光素子は第2アノードAnodeb、第2発光層EMLb、およびカソードCathodeを含み、第3発光素子は第3アノードAnodec、第3発光層EMLc、およびカソードCathodeを含むのでありうる。
【0080】
カソードCathodeは、オープニングOP-catを除いて、全体の表示領域にわたって形成できる。一方、カソードCathodeは、下方に位置する駆動低電圧線174と連結されて、第2電圧ELVSSの伝達を受けることができる。
【0081】
カソードCathodeの上には、セパレータSEPa、SEPb、SEPcおよび画素画定膜380が位置するのであり、明確に図示して説明するために、
図4ではセパレータSEPa、SEPb、SEPcのみを示したのであって、
図5では画素画定膜380に位置するオープニングのみを示した。
【0082】
図3および
図4を参照して、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの構造を詳細に説明すれば、以下の通りである。
【0083】
セパレータSEPa、SEPb、SEPcは、
図7を参照すれば、逆テーパ構造の側壁を有する構造で形成されうる。セパレータSEPa、SEPb、SEPcは、それぞれ平面上に帯状の閉曲線(閉ループの帯状パターン)を成し、セパレータSEPa、SEPb、SEPcを基準にしてアノードが分離できる。セパレータSEPa、SEPb、SEPcのそれぞれは、互いに一定の距離をおくように分離されて配置されうるが、実施形態によっては、セパレータSEPa、SEPb、SEPcのうちの少なくとも一部を互いに共有する構造で形成されうる。セパレータSEPa、SEPb、SEPcのそれぞれは、(1)変形リング状の外側部SEPa1、SEPa2、SEPb1、SEPb2、SEPc1、SEPc2と、(2)これによって囲まれて区画される領域を横切って二つの部分に仕切る直線状などの内側部SEPam、SEPbm、SEPcmとを含むのでありうる。内側部SEPam、SEPbm、SEPcmは、一つのセパレータSEPa、SEPb、SEPcによって区画される領域について、発光層EMLa、EMLb、EMLcが位置して発光領域に対応しうる第1領域(以下、発光領域ともいう)と、上部のアノードAnodea、Anodeb、Anodecに画素回路部PCa、PCb、PCcを連結するための画素画定膜380のオープニングOPconに対応する第2領域(以下、コンタクト領域ともいう)とに区分する。ここで、第1領域は、画素画定膜380のオープニングOP1a、OP1b、OP1cに対応しうる。
【0084】
図4を参照すれば、第1セパレータSEPaは、第1領域の第1外側部SEPa1と、第2領域の第2外側部SEPa2と、第1領域と第2領域との間に位置する内側部SEPamとに区分されうる。平面上にて、第1セパレータSEPaにおける第1外側部SEPa1および第2外側部SEPa2により囲まれて区画される領域に、即ち、第1領域および第2領域にわたって第1アノードAnodeaが位置する。平面上にて、第1セパレータSEPaの第1領域の内側には、第1発光層EMLaが位置する。第1発光層EMLaは、第1アノードAnodeaおよび第1発光層EMLaの下方に位置するカソードCathodeと共に、第1発光素子を構成する。第1発光素子の第1アノードAnodeaは、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catを通じて、第1画素駆動部PCaが電気的に連結され、第1画素駆動部PCaから電流の伝達を受けることができる。
【0085】
第2セパレータSEPbは、第1領域の第1外側部SEPb1と、第2領域の第2外側部SEPb2と、第1領域と第2領域の間に位置する内側部SEPbmとに区分されうる。平面上にて、第2セパレータSEPbにおける第1外側部SEPb1および第2外側部SEPb2により囲まれて区画される領域に、即ち、第1領域および第2領域にわたって第2アノードAnodebが位置する。平面上第2セパレータSEPbの第1領域の内側には第2発光層EMLbが位置する。第2発光層EMLbは、第2アノードAnodebおよび第2発光層EMLbの下方に位置するカソードCathodeと共に、第2発光素子を構成する。第2発光素子の第2アノードAnodebは、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catを通じて、第2画素駆動部PCbが電気的に連結され、第2画素駆動部PCbから電流の伝達を受けることができる。
【0086】
第3セパレータSEPcは、第1領域の第1外側部SEPc1と、第2領域の第2外側部SEPc2と、第1領域と第2領域の間に位置する内側部SEPcmとに区分されうる。平面上にて、第3セパレータSEPcにおける第1外側部SEPc1および第2外側部SEPc2に囲まれて区画される領域に、即ち、第1領域および第2領域にわたって第3アノードAnodecが位置する。平面上第3セパレータSEPcの第1領域の内側には第3発光層EMLcが位置する。第3発光層EMLcは、第3アノードAnodecおよび第3発光層EMLcの下方に位置するカソードCathodeと共に、第1発光素子を構成する。第1発光素子の第3アノードAnodecは、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catを通じて、第3画素駆動部PCcと電気的に連結され、第3画素駆動部PCcから電流の伝達を受けることができる。
【0087】
図2および
図3を参照すれば、画素駆動部PCa、PCb、PCcは、平面上にて、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catの内側で、画素画定膜380のオープニングOPconを通じてアノードAnodea、Anodeb、Anodecと連結されている。アノードAnodea、Anodeb、Anodecと、画素駆動部PCa、PCb、PCcとが電気的に連結される箇所は、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側における第2領域に対応しうる。
【0088】
セパレータSEPa、SEPb、SEPcの外側には、アノードAnodea、Anodeb、Anodecと同一の物質で形成されるものの、第2電圧ELVSSの伝達を受けてカソードと同一の電圧の印加を受ける補助電極CE-addが配置されうる。ここで、補助電極CE-addは、画素画定膜380に位置するオープニングOP4を通じて、カソードCathodeと連結されうるのであり、その結果、駆動低電圧線174とも連結されて、第2電圧ELVSSの伝達を受けることができる。一方、実施形態によっては、補助電極CE-addは、他の電圧が印加されるかフローティングされるのであってもよい。
【0089】
以下では、
図3および
図5を中心にして画素画定膜380の構造を詳細に説明する。
【0090】
図2、
図3、
図5では、画素画定膜380に位置するオープニングを示しており、画素画定膜380のオープニングの外側には全て画素画定膜380が位置している。
【0091】
具体的に、画素画定膜380は、第1オープニングOP1a、OP1b、OP1c(以下、発光領域オープニングともいう)、第2オープニングOP2a、OP2b、OP2c(セパレータ露出用オープニングともいう)、第3オープニングOPcon(アノード連結用オープニングともいう)、および第4オープニングOP1(電圧連結用オープニングともいう)を含む。
【0092】
図5を参照すれば、第1オープニングOP1a、OP1b、OP1cは、発光層EMLa、EMLb、EMLcに対応するオープニングであって、発光素子または発光領域に対応するオープニングである。第1オープニングOP1a、OP1b、OP1cは、色別に異なる大きさを有することができ、四角形や多角形、円形または楕円形の平面形状を有するか、角が面取りされた平面形状を有することもできる。
【0093】
第2オープニングOP2a、OP2b、OP2cは、帯状の閉曲線(閉ループの帯状パターン)を成し、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの少なくとも一部分と重畳することで、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの少なくとも一部分を露出させる環濠状のオープニングである。第2オープニングOP2a、OP2b、OP2cによって、セパレータSEPa、SEPb、SEPcにおける、逆テーパ構造を有する一側辺が露出されるのであり、セパレータSEPa、SEPb、SEPcにおける、このように露出された一側辺の逆テーパ面でもって、上側に位置する層(特には、アノードをなす導電層)が上下へと分離されて途切れるようにすることができる(
図7参照)。
【0094】
具体的に、第2オープニングOP2a、OP2b、OP2cは、セパレータSEPa、SEPb、SEPc中にあって、各セパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側の領域を横切るように形成されている内側部SEPam、SEPbm、SEPcmとは重畳しない。即ち、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側部SEPam、SEPbm、SEPcmは、画素画定膜380で覆われている(
図6~7参照)。
【0095】
また、
図3を参照すれば、第2オープニングOP2a、OP2b、OP2cは、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの外側面と重畳しつつ、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの外側面に沿って形成されており、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの外側面が、第2オープニングOP2a、OP2b、OP2cによって露出されている。
【0096】
このような、画素画定膜380の第2オープニングOP2a、OP2b、OP2cと、セパレータSEPa、SEPb、SEPcとの重畳構造によれば、セパレータSEPa、SEPb、SEPcおよび画素画定膜380の上側に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecは、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの外側面を基準にして、その外側にある他の部分の導電層(補助電極CE-add)と分離されている。また、上側に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecの導電層は、画素画定膜380によって覆われているセパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側部SEPam、SEPbm、SEPcmによって分離されることがなく、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側面によっても分離されない。すなわち、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側部SEPam、SEPbm、SEPcmが、画素画定膜380で覆われているので、この上側に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecが、いずれも、第1領域と第2領域とに分離されずに、一体に形成されている。
【0097】
アノードAnodea、Anodeb、Anodecの周縁は、平面上にて、画素画定膜380の第2オープニングOP2によって露出されている外側部SEPa1、SEPa2、SEPb1、SEPb2、SEPc1、SEPc2の外周縁と一致していてもよい。
【0098】
図5を参照すれば、第3オープニングOPconは、アノードAnodea、Anodeb、Anodecと、画素回路部PCa、PCb、PCcとを連結するためのオープニングOPconであって、画素画定膜380およびその下方に位置する絶縁膜に位置するオープニングを含むことができる。
図2および
図3を参照すれば、画素駆動部PCa、PCb、PCcは、平面上にて、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catの内側で、画素画定膜380のオープニングOPconを通じてアノードAnodea、Anodeb、Anodecと連結されている。アノードAnodea、Anodeb、Anodecと画素駆動部PCa、PCb、PCcとが電気的に連結される部分は、セパレータSEPa、SEPb、SEPcは第2領域に対応できる。
【0099】
第4オープニングOP4は、補助電極CE-addとカソードCathodeを連結させるオープニングであって、カソードCathodeに印加される駆動低電圧ELVSSが、アノードAnodea、Anodeb、Anodecと同一の物質で形成された補助電極CE-addにも伝達されるようにする。一方、実施形態によっては、補助電極CE-addは、他の電圧が印加されるかフローティングされてもよい。
【0100】
以上のような構造によれば、セパレータSEPa、SEPb、SEPcは、一部の外側面を除いて画素画定膜380によって覆われている。ここで時、画素画定膜380は、インクジェット工程を適用するために画素画定膜380の上面が疎水性(Hydrophobic)を有し、側面が親水性(Hydrophilic)を有するように処理されうる。
【0101】
以上のような構造によれば、発光層EMLa、EMLb、EMLcをインクジェット方式で形成することができるのであり、これについては
図6を参照して詳細に説明する。
【0102】
図6は、インクジェット方式で発光層を提供する段階を示した断面図である。
【0103】
セパレータSEPa、SEPb、SEPcの上側に位置する画素画定膜380は、上部面が疎水性(Hydrophobic)を有し、側面が親水性(Hydrophilic)を有する。具体的に、画素画定膜380をネガティブ(negative)タイプの有機物質を使用して形成した後、露光工程によって画素画定膜380の上側の面が疎水性(Hydrophobic)を有するようにし、その後、現像工程によって画素画定膜380の側面が、親水性(Hydrophilic)を有するようにすることができる。ここで、画素画定膜380は、ネガティブタイプの有機物質を使用するので、マスクで覆われた部分が除去される特性を有することができる。
【0104】
その後、各発光層EMLa、EMLb、EMLcを形成するためにインクジェット工程にて、当該溶液を発光領域に対応する第1領域に噴射すれば、画素画定膜380の上側の面が疎水性を有することで、
図6にて点線で示したように、溶液inkjが画素画定膜380の上側の面を乗り越えないようにする構造を有することができる。このような工程によれば、各発光層EMLa、EMLb、EMLcを形成するための溶液を十分に提供するようにして、各発光層EMLa、EMLb、EMLcを一定の厚さ以上に厚く形成することで、各発光層EMLa、EMLb、EMLcの特性および寿命を十分に確保することができる。
【0105】
以上のようなインクジェット工程のために、本実施形態では、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの上側に画素画定膜380を形成した。セパレータSEPa、SEPb、SEPcが、画素画定膜380の上部に位置するようになれば、画素画定膜380の上側の面が疎水性(Hydrophobicicity)を有し、側面が親水性(Hydrophilicicity)を有するように処理されるとしても、セパレータSEPa、SEPb、SEPcを形成する工程によって画素画定膜380の上側の面が疎水性(Hydrophobicicity)を有することができなくなることから、溶液があふれるという問題が発生しうる。特に、
図2~
図6を参照すれば、発光領域に対応する第1領域と、コンタクト領域である第2領域との間には、アノードを分離させるセパレータが位置する必要がないことから、溶液が第1領域から第2領域へと容易に乗り越えていきうる。
【0106】
しかし、本実施形態でのように、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの上部に画素画定膜380を形成すれば、画素画定膜380の上側の面が疎水性(Hydrophobicicity)を維持した状態でのインクジェット工程が可能であって、溶液が第2領域へと乗り越えて行かないという長所を有する。
【0107】
以上のようなインクジェット方式で、発光層EMLa、EMLb、EMLcを形成した後、その上にアノード用導電物質を積層すれば、露出されたセパレータSEPa、SEPb、SEPcの外側壁によって、各アノードAnodea、Anodeb、Anodecおよび補助電極CE-addが形成される。
【0108】
このような発光表示装置の積層構造は
図7を参照して説明する。
【0109】
図7は、
図2の実施形態による発光表示装置の断面図である。
【0110】
図7の断面構造にて、発光素子は、画素画定膜380の第1オープニングOP1内に位置する発光層EMLに対応しうるのであり、画素画定膜380の第1オープニングOP1は発光領域ともいう。
【0111】
図7では一つの発光領域、即ち、画素画定膜380の第1オープニングOP1内に位置する一つの発光層EMLが示されており、発光層EMLの上方に位置するアノードAnodeへと、画素駆動部PCa、PCb、PCcのトランジスタ電流がオープニングOPconを通じて伝達される経路、および画素画定膜380の下に位置するセパレータSEPが示されている。
【0112】
図7の断面図上、カソードCathode、セパレータSEP、画素画定膜380、発光層EML、アノードAnodeに対応する層を発光素子層とも言うのであり、発光素子層の下方、即ち、カソードCathodeの下方に位置する平坦化膜181、およびその内部ないし下方(平坦化膜「以下」の箇所)に位置する、トランジスタ、キャパシタを構成する導電層、半導体層、および絶縁層については、駆動素子層とも言うことができる。
【0113】
図7では、駆動素子層の構造は簡略に示し、簡略に一つのトランジスタのみを示しており、基板110から平坦化膜181までの駆動素子層の構造を簡略に説明すれば以下の通りである。
【0114】
基板110は、ガラスなどの、リジッド(rigid)な特性を有し曲げられない材料(物質)を含むのであるか、プラスチックやポリイミド(Polyimid)のように、曲げられるフレキシブルな材料(物質)を含むのでありうる。フレキシブルな基板の場合、ポリイミド(Polyimid)と、その上の無機絶縁物質とで形成されるバリア層の2層構造が繰り返し形成された構造を有することができる。
【0115】
基板110の上には金属を含む下部シールディング層BMLが位置し、下部シールディング層BMLは画素に含まれる画素駆動部PCa、PCb、PCcに位置するトランジスタ中の一つのチャンネルと平面上にて重畳していてもよい。
図7の実施形態では、下部シールディング層BMLと同一の層に、第2電圧ELVSSが印加される駆動低電圧線174が位置する。実施形態によっては、下部シールディング層BMLが省略されてもよいのであり、このとき、駆動低電圧線174は他の導電層に配置されうる。
【0116】
基板110、下部シールディング層BML、および駆動低電圧線174は、バッファー層111によって覆われている。バッファー層111は、半導体層ACTへの不純元素の浸透を遮断する役割を果たし、酸化ケイ素(SiOx)または窒化ケイ素(SiNx)、酸窒化ケイ素(SiONx)などを含む無機絶縁膜であってもよい。
【0117】
バッファー層111の上には、シリコン半導体(例えば、多結晶半導体(P-Si))や酸化物半導体から形成された半導体層ACTが位置する。半導体層ACTは画素に含まれる画素駆動部PCa、PCb、PCcに位置する半導体層であって、駆動トランジスタを含むトランジスタのチャンネルとその両側に位置する第1領域および第2領域を含むことができる。ここで、トランジスタのチャンネルは半導体層ACT中のゲート電極GEと重畳する部分であってもよく、第1領域および第2領域はゲート電極GEと重畳しない半導体層ACTの部分であって、二つのうちの一つはソース領域であり、他の一つはドレイン領域であってもよい。即ち、半導体層ACTのチャンネルの両側に位置する第1領域および第2領域は、ゲート電極GEで覆われず、プラズマ処理またはドーピングによって導電層特性を有することから、トランジスタの第1電極および第2電極の役割を果たすことができる。
【0118】
半導体層ACTの上にはゲート絶縁膜141が配置できる。ゲート絶縁膜141は、酸化ケイ素(SiOx)または窒化ケイ素(SiNx)、酸窒化ケイ素(SiONx)などを含む無機絶縁膜であってもよい。
【0119】
ゲート絶縁膜141の上に画素駆動部PCa、PCb、PCcに位置するトランジスタのゲート電極GEを含む第1ゲート導電層が配置されうる。第1ゲート導電層は、画素駆動部PCa、PCb、PCcに位置するトランジスタのゲート電極GE以外にスキャン線が形成されてもよい。一方、第1ゲート導電層は、画素駆動部PCa、PCb、PCcに位置する一キャパシタの一電極を含むことができる。また、
図7では、駆動低電圧線174とカソードCathodeを連結させる補助電極CE-catを含み、補助電極CE-catは第1ゲート導電層で形成されうる。第1ゲート導電層はアルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタニウム(Ti)などの金属や金属合金を含むことができ、単一層または多重層で構成されうる。
【0120】
第1ゲート導電層を形成した後、プラズマ処理またはドーピング工程を行って第1半導体層の露出された領域を導体化させることができる。即ち、ゲート電極GEによって覆われた半導体層ACTは導体化されず、ゲート電極GEによって覆われていない半導体層ACTの部分は、導電層と同一の特性を有することができる。
【0121】
第1ゲート導電層およびゲート絶縁膜141の上には、層間絶縁膜161が配置されうる。第1層間絶縁膜161は酸化ケイ素(SiOx)または窒化ケイ素(SiNx)、酸窒化ケイ素(SiONx)などを含む無機絶縁膜を含むことができ、実施形態によっては、無機絶縁物質を厚く形成することができる。また、実施形態によっては、層間絶縁膜161を有機絶縁膜で形成することができ、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン、およびフェノール樹脂からなる群より選択される一つ以上の物質を含むことができる。
【0122】
層間絶縁膜161の上には平坦化膜181が位置する。平坦化膜181は、画素駆動部PCa、PCb、PCcとアノードAnodea、Anodeb、Anodecを連結させるためのオープニングOPconを含む。
図7では、トランジスタに含まれる半導体層ACTの一部分が後続して形成される連結電極CE-anを通じてアノードAnodea、Anodeb、Anodecと電気的に連結する構造を有する。しかし、実施形態によっては、連結電極CE-anと半導体層ACTとの間に追加的な連結部材を含んでもよい。
【0123】
また、
図7で、駆動素子層に含まれる絶縁膜(バッファー層111、ゲート絶縁膜141、層間絶縁膜161、および平坦化膜181)には、補助電極CE-catを通じて、駆動低電圧線174とカソードCathodeとを電気的に連結させるためのオープニングも形成されている。平坦化膜181は、有機絶縁膜で形成することができ、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン、およびフェノール樹脂からなる群より選択される一つ以上の物質を含むことができる。
【0124】
層間絶縁膜161と平坦化膜181との間には連結電極を含むデータ導電層が配置されてもよいが、
図7では示していない。
【0125】
以上では駆動素子層の構造を説明したが、以下では発光素子層の構造を詳細に説明する。
【0126】
平坦化膜181の上には、カソードCathodeとアノード連結電極CE-anとを含む第1電極層が形成されている。アノード連結電極CE-anは、カソードCathodeのオープニングOP-catの内側に位置することから、カソードCathodeと電気的に分離されている。カソードCathodeの一部分は画素画定膜380の第1オープニングOP1内に位置する発光層EMLと重畳して、発光領域と重畳し、発光素子を構成することができる。アノード連結電極CE-anは、後続する工程でアノードAnodeと電気的に連結される。
【0127】
第1電極層は、透明導電性酸化膜または金属物質を含む単一層またはこれらを含む多重層で構成できる。透明導電性酸化膜は、ITO(Indium Tin Oxide)、ポリ(poly)-ITO、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)、およびITZO(Indium Tin Zinc Oxide)などを含むことができる。金属物質は、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、およびアルミニウム(Al)などを含むことができる。
【0128】
平坦化膜181の上にはセパレータSEPが位置し、セパレータSEP中の少なくとも一部は、第1電極層の一部分と重畳できる。
【0129】
セパレータSEPは、逆テーパ構造を有する側壁を有しており、カソードCathodeの外側に位置する第1領域の第1外側部SEP1と、アノード連結電極CE-anの外側に位置する第2領域の第2外側部SEP2と、カソードCathodeとアノード連結電極CE-anとの間に位置する内側部SEPmとに区分されうる。第1領域の第1外側部SEP1および第2領域の第2外側部SEP2によってアノードAnodeが分離されており、内側部SEPmはアノードAnodeと重畳することからアノードAnodeを分離させない。第1領域は第1外側部SEP1と内側部SEPmとの間の領域であり、第2領域は第2外側部SEP2と内側部SEPmとの間の領域であってもよい。
【0130】
平坦化膜181、第1電極層、およびセパレータSEPの上には、オープニングOP1、OP2、OPconを含む画素画定膜380が形成されている。
【0131】
画素画定膜380の第1オープニングOP1は、発光素子および/または発光領域に対応する部分であって、セパレータSEPによって区画される第1領域に対応しうる。画素画定膜380の第1オープニングOP1を区画する画素画定膜380は、セパレータSEPの第1外側部SEP1と内側部SEPmとに重畳していてもよい。
【0132】
画素画定膜380の第1オープニングOP1は、カソードCathodeの一部分を露出させるのであり、画素画定膜380の第1オープニングOP1には発光層EMLが配置されうる。ここで、発光層EMLはインクジェット方式で形成することができる。
【0133】
画素画定膜380の第2オープニングOP2は、セパレータSEPの第1外側部SEP1および第2外側部SEP2に沿って形成されたオープニングであって、第1外側部SEP1および第2外側部SEP2のテーパ構造の一側面を露出させることから、後続して形成されるアノードAnodeがセパレータSEPを基準にして分離されうるようにする。ここで、画素画定膜380の第2オープニングOP2を区画する画素画定膜380は、セパレータSEPの第1外側部SEP1および第2外側部SEP2と重畳し、外側壁を露出させることができる。
【0134】
画素画定膜380の第3オープニングOPconはアノード連結電極CE-anとアノードAnodeが連結される部分であって、セパレータSEPによって区画される第2領域に対応できる。画素画定膜380の第3オープニングOPconを区画する画素画定膜380は、セパレータSEPの第2外側部SEP2と内側部SEPmと重畳していてもよい。画素画定膜380の第3オープニングOPconは、アノード連結電極CE-anの一部分を露出させて後続して形成されるアノードAnodeと電気的に連結できる。
【0135】
平坦化膜181、露出されたカソードCathode、露出されたアノード連結電極CE-an、露出されたセパレータSEP、および画素画定膜380の上には発光層EML、アノードAnode、および補助電極CE-addが配置されうる。
【0136】
画素画定膜380の第1オープニングOP1の内側には発光層EMLが位置し、カソードCathodeと発光層EMLとの間には第2機能層(図示せず)が配置されうる。また、発光層EMLの上には第1機能層(図示せず)が配置されうる。ここで、第1機能層は正孔注入層および/または正孔伝達層を含むことができ、第2機能層は電子伝達層および/または電子注入層を含むことができる。実施形態によっては、第1機能層および第2機能層は画素画定膜380の上部にも配置されうるのであり、露出されたセパレータSEP(の外側面)を基準にして、その両側が互いに分離されうる。
【0137】
発光層EMLの上であり、画素画定膜380およびオープニングOP1、OP2、OPconの上には、アノードAnodeを含む第2電極層が形成されている。
【0138】
アノードAnodeは露出されたセパレータSEPによって分離されており、アノードAnodeは、画素画定膜380およびオープニングOP1、OPconにも形成され、一部分は発光層EMLの上にも位置する。
【0139】
一方、第2電極層は、画素画定膜380並びにその第2オープニングOP2(OP2a、OP2b、OP2c)、およびセパレータSEPでもって区画された第1領域および第2領域の外側に位置する補助電極CE-addをさらに含むことができる。補助電極CE-addは、第4オープニングOP4によってカソードCathodeと連結されて第2電圧ELVSSが印加されうる。
【0140】
アノードAnodeおよび補助電極CE-addを含む第2電極層は、別途のマスクを用いることなしに成膜(積層)を行いさえすれば、画素画定膜380によって覆われていないセパレータSEPの一部分(第1外側部SEP1および第2外側部SEP2)によって、自動的に途切れて分離された構造が形成される。即ち、露出されたセパレータSEPの逆テーパ構造の側壁によって、セパレータSEPの上側に形成される第2電極層が、別途のエッチング工程なくアノードAnodeおよび補助電極CE-addに分離される。
【0141】
図7を参照すれば、トランジスタの半導体層ACT中の第2電極の役割を果たす部分とアノード連結電極CE-anがゲート絶縁膜141、層間絶縁膜161、および平坦化膜181に位置するオープニングを通じて電気的に連結され、アノード連結電極CE-anは第3オープニングOPconを通じてアノードAnodeに電流が伝達される。アノードAnodeaに伝達された電流は発光層EMLを通過してカソードCathodeに伝達され、発光層EMLを流れる電流によって発光層EMLが光を放出するようになって、発光素子は輝度を示す。実施形態によっては、トランジスタの半導体層ACTとアノードAnodeの間には、アノード連結電極CE-anを含まないか、追加的な連結電極をさらに含むのでありうる。
【0142】
図7は、一実施形態による断面構造であるので、多様な変形構造も可能である。
【0143】
以下では、
図1と異なる回路構造を有する実施形態を、
図8を参照して説明する。
【0144】
図8は、他の実施形態による発光表示装置の画素の回路図である。
【0145】
図8では、
図1と異なり、入力トランジスタT2と初期化トランジスタT3と連結されたスキャン信号線が同一の信号線である。即ち、
図8の実施形態では、第2スキャン信号SSを伝達する第2スキャン信号線151-1を含まず、第1スキャン信号SCを伝達する第1スキャン信号線151が、入力トランジスタT2のゲート電極および初期化トランジスタT3のゲート電極と連結されている。
【0146】
また、
図8の実施形態では、駆動トランジスタT1がこれと重畳する下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcをさらに含むことができる。下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcは、導電物質で形成されており、駆動トランジスタT1の一電極と電気的に連結されている。具体的に、
図8で、下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcは駆動トランジスタT1の第2電極、発光素子EDa、EDb、EDcのアノード、維持キャパシタCstの他端、および初期化トランジスタT3の第1電極と連結されている。
【0147】
その他の構造は、
図1の回路構造と同一であってもよいので説明を省略する。
【0148】
図8のような回路構造を有する画素は、
図9~
図14のような平面構造および断面構造を有することができる。
【0149】
まず、
図8のような回路構造を有する画素PXa、PXb、PXc中の画素回路部の具体的な平面構造を、
図9~
図13を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0150】
図9~
図13は、他の実施形態による発光表示装置の表示領域を製造の順序にしたがって示した平面図である。
【0151】
まず、
図9を参照して、駆動素子層および発光素子層に位置するカソードCathodeまでの平面構造を説明する。駆動素子層とカソードCathodeとの間には平坦化膜181が形成されている。
【0152】
具体的に、下部シールディング層を含む下部シールディング導電層の平面構造を説明すれば以下の通りである。
【0153】
基板110の上には、下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLc、下部維持電極125a、125b、125c、データ線171a、171b、171c、第1駆動電圧線172v、初期化電圧線173、および駆動低電圧線174を含む下部シールディング導電層が形成されている。
【0154】
下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcは、島型に形成されており、後続する工程で各駆動トランジスタT1のチャンネルを含む半導体層と重畳していてもよい。
【0155】
下部維持電極125a、125b、125cは、下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcに隣接して島型に形成されている。下部維持電極125a、125b、125cは、維持キャパシタCstの一電極の役割を果たす。
【0156】
データ線171a、171b、171cは、第2方向DR2に延長されており、画素PXa、PXb、PXcとそれぞれ連結されて各データ電圧DVa、DVb、DVcを各画素PXa、PXb、PXcに伝達する。
【0157】
第1駆動電圧線172v、初期化電圧線173、および駆動低電圧線174はそれぞれ第2方向DR2に延長されており、それぞれ駆動電圧ELVDD、初期化電圧VINT、および駆動低電圧ELVSSを伝達する。
【0158】
下部シールディング導電層は、バッファー層111によって覆われている。
【0159】
バッファー層111の上には、シリコン半導体(例えば、多結晶半導体(P-Si))や酸化物半導体から形成された半導体層が位置する。半導体層は、駆動トランジスタT1の半導体131a、131b、131c(以下、第1半導体とも言う)、入力トランジスタT2の半導体132a、132b、132c(以下、第2半導体とも言う)、および初期化トランジスタT3の半導体133a、133b、133c(以下、第3半導体とも言う)を含む。第1半導体131a、131b、131cは、下部維持電極125a、125b、125cと重畳する一部分(以下、上部維持電極ともいう)を含む。
【0160】
半導体層はゲート絶縁膜141で覆われている。
【0161】
ゲート絶縁膜141には、オープニングOP01が形成されて、下方に位置する下部シールディング導電層および半導体層中の一部分を露出させる。
【0162】
第1半導体131a、131b、131cの一端はオープニングOP01を通じて第1駆動電圧線172vと連結され、他端はオープニングOP01を通じて下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcと連結される。
【0163】
第2半導体132a、132b、132cの一端はオープニングOP01を通じてデータ線171a、171b、171cと連結され、他端はオープニングOP01を通じて下部維持電極125a、125b、125cと連結される。
【0164】
第3半導体133a、133b、133cの一端はオープニングOP01を通じて初期化電圧線173と連結され、他端はオープニングOP01を通じて下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcと連結される。
【0165】
第1駆動電圧線172v、初期化電圧線173、および駆動低電圧線174と重畳する複数のオープニングOP01をさらに含むことができる。
【0166】
ゲート絶縁膜141の上には、第1ゲート導電層が形成されている。
【0167】
第1ゲート導電層は、第1スキャン信号線151、追加駆動低電圧線174h、駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1c、連結部材CE2a、CE2b、CE2c、CE13a、CE13b、CE13c、CE3、CE3c、CE-dd1、CE-dd2、および補助電極CE-int1、CE-int2、CE-catを含む。
【0168】
第1スキャン信号線151は第1方向DR1に延長されており、第2方向DR2に突出している第2ゲート電極GE2、および第3ゲート電極GE3をさらに含むことができる。第2ゲート電極GE2は第2方向DR2に延長されて第2半導体132a、132b、132cのそれぞれの一部分と重畳し、第3ゲート電極GE3も第2方向DR2に延長されて第3半導体133a、133b、133cのそれぞれの一部分と重畳する。
【0169】
追加駆動低電圧線174hは、第1方向DR1に延長されており、駆動低電圧線174とオープニングOP01を通じて電気的に連結されて駆動低電圧ELVSSを伝達する。
【0170】
駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cの一端は、オープニングOP01を通じて第2半導体132a、132b、132cの一端および下部維持電極125a、125b、125cと連結されている。駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cの他端は、第1方向DR1に延長されて第2方向DR2に折り曲げられて延長されており、第2方向DR2に延長された部分は、下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcおよび第1半導体131a、131b、131cの一部分と重畳する。
【0171】
連結部材CE2a、CE2b、CE2cは、第2半導体132a、132b、132cの一端を、オープニングOP01を通じてデータ線171a、171b、171cと連結させる。
【0172】
連結部材CE13a、CE13b、CE13cは、第1半導体131a、131b、131cの一端と第3半導体133a、133b、133cの一端を、オープニングOP01を通じて下部シールディング層BMLa、BMLb、BMLcと連結させる。
【0173】
連結部材CE3、CE3cは、第3半導体133a、133b、133cの一端を、オープニングOP01を通じて初期化電圧線173と連結させる。
【0174】
連結部材CE-dd1、CE-dd2は、第1半導体131a、131b、131cの一端と第1駆動電圧線172vを、オープニングOP01を通じて連結させる。
【0175】
補助電極CE-int1、CE-int2は複数のオープニングOP01を通じて初期化電圧線173と連結されており、補助電極CE-catは複数のオープニングOP01を通じて駆動低電圧線174と連結されている。
【0176】
第1ゲート導電層は、層間絶縁膜161および平坦化膜181によって覆われている。
【0177】
層間絶縁膜161および平坦化膜181にオープニングOP02が形成されている。
【0178】
オープニングOP02は第3半導体133a、133b、133cの一部分を露出させ、また他のオープニングOP02は補助電極CE-catの一部分を露出させる。
【0179】
図9および
図12を参照すれば、平坦化膜181の上には、オープニングOPt1a、OPt1b、OPt1c、OP-catを含むカソードCathodeが形成されている。カソードCathodeは、層間絶縁膜161および平坦化膜181に位置するオープニングOP02によって補助電極CE-catおよび駆動低電圧線174と電気的に連結されている。ここで、オープニングOP-catは、第1オープニングまたはコンタクト用オープニングとも言うのであり、オープニングOPt1aは、第2オープニングまたは駆動ゲート電極重畳オープニングとも言う。一方、オープニングOPt1b、OPt1cは、第1オープニングおよび第2オープニングを全て含むオープニングであって、それぞれ二つのオープニングに対応する領域に区分されうる。
【0180】
オープニングOPt1a、OPt1b、OPt1cは、駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cと重畳する。オープニングOPt1a、OPt1b、OPt1cはカソードCathodeと駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cが平面上にて重畳しないようにするためのものであって、駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cが、カソードCathodeとの間で寄生キャパシタンスが発生しないようにする。
【0181】
オープニングOPt1b、OPt1cは、それぞれ、層間絶縁膜161および平坦化膜181に位置し、第1半導体131b、131cの一部分を露出させるオープニングOP02(以下、画素回路部オープニングとも言う)とも重畳する。一方、オープニングOPt1aは、画素回路部オープニングOP02と重畳しないのであり、残りの画素回路部オープニングOP02は、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catと重畳する。オープニングOP-catと重畳する画素回路部オープニングOP02は層間絶縁膜161および平坦化膜181に位置し、第3半導体133aの一部分を露出させるオープニングOP02であってもよい。画素回路部オープニングOP02は発光層の上に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecと重畳して下部に位置する画素回路部PCa、PCb、PCcがアノードAnodea、Anodeb、Anodecに電流を伝達することができるようにする。
【0182】
一方、実施形態によっては、
図7のようにカソードCathodeと同一の物質で形成されるアノード連結電極CE-anをさらに含むことができる。アノード連結電極CE-anは、カソードCathodeに形成されるオープニングOPt1b、OPt1cおよび画素回路部オープニングOP02の内側に配置されうる。
【0183】
図10および
図12を参照すれば、カソードCathodeの上には、セパレータSEPが形成されている。
【0184】
セパレータSEPはセパレータSEPa、SEPb、SEPcに区分され、各セパレータSEPa、SEPb、SEPcは外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2、内側部SEPam、SEPbm、SEPcm、および追加部SEPo(SEPa3、SEPb3、SEPc3)を含むことができる。セパレータSEPa、SEPb、SEPcは、逆テーパ構造の側壁を有する構造で形成されうる。セパレータSEPa、SEPb、SEPcは、それぞれ平面上閉曲線を成し、セパレータSEPa、SEPb、SEPcを基準にしてアノードが分離されうる。セパレータSEPa、SEPb、SEPcのそれぞれは、互いに一定の距離をおいて分離されて配置されうるが、実施形態によっては、セパレータSEPa、SEPb、SEPc中の少なくとも一部を互いに共有する構造で形成されてもよい。セパレータSEPa、SEPb、SEPcのそれぞれは、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2が区画する領域を、二つの部分に分離させるように横切る内側部SEPam、SEPbm、SEPcmをさらに含むことができる。内側部SEPam、SEPbm、SEPcmは、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2によって区画される領域を、発光層EMLa、EMLb、EMLcが位置して発光領域に対応しうる第1領域(以下、発光領域とも言う)と、上部のアノードAnodea、Anodeb、Anodecと画素回路部PCa、PCb、PCcとを連結するための画素画定膜380のオープニングOPconに対応する第2領域(以下、コンタクト領域とも言う)とに区分させる。ここで、第1領域は、画素画定膜380のオープニングOP1a、OP1b、OP1cに対応しうる。ここで、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2は、第1領域の第1外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1と第2領域の第2外側部SEPa2、SEPb2、SEPc2に区分されうる。
【0185】
また、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2によって区画される領域の外側には、追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3によって区画される追加領域(以下、第3領域とも言う)が位置し、追加領域は、カソードCathodeに位置するオープニングOPt1a、OPt1b、OPt1c、OP-catに対応しうる。より具体的に、追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3によって区画される追加領域は、オープニングOPt1a、OPt1b、OPt1c中における駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cと重畳する部分と重畳していてもよい。その結果、駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cがアノードAnodea、Anodeb、Anodecとも平面上にて重畳しないようにして寄生キャパシタンスを減少させることができる。
【0186】
図12を参照すれば、カソードCathodeに位置するオープニングOPt1b、OPt1cの周縁は、平面上にて、セパレータSEPb1、SEPb2、SEPb3、SEPc1、SEPc2、SEPc3と重畳するのであり、セパレータSEPb1、SEPb2、SEPc1、SEPc2によって、平面上にて追加領域に対応するオープニングOPt1b-1、OPt1c-1と第2領域に対応するオープニングOPt1b-2、OPt1c-2に区分できる。カソードCathodeに位置するオープニングOPt1aの縁は、平面上セパレータSEPb1、SEPb2、SEPa3と重畳する構造を有することができる。
【0187】
図11および
図12を参照すれば、カソードCathodeおよびセパレータSEPの上には、オープニングOP1a、OP1b、OP1c、OP2、OPconを含む画素画定膜380が形成されている。
【0188】
具体的に、画素画定膜380は、第1オープニングOP1a、OP1b、OP1c(以下、発光領域オープニングとも言う)、第2オープニングOP2(セパレータ露出用オープニングとも言う)、および第3オープニングOPcon(アノード連結用オープニングとも言う)を含む。
【0189】
第1オープニングOP1a、OP1b、OP1cは、発光層EMLa、EMLb、EMLcに対応するオープニングであって、発光素子または発光領域に対応するオープニングである。第1オープニングOP1a、OP1b、OP1cは色別に異なる大きさを有しうるのであり、四角形や多角形、円形または楕円形の平面形状を有するか、角が面取りされた平面形状を有することもありうる。
【0190】
第2オープニングOP2は閉曲線を成し、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの少なくとも一部分と重畳してセパレータSEPa、SEPb、SEPcの少なくとも一部分を露出させるオープニングであって、
図11および
図12の実施形態ではセパレータSEPa、SEPb、SEPcの全体に対して一体に連結されたオープニングが形成されている。第2オープニングOP2によって、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの逆テーパ構造を有する外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2、および追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3の少なくとも一側辺が露出されているのであり、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの露出された一側辺でもって、上側に位置する導電層が途切れて分離されるようにすることができる。
図11および
図12の実施形態であると、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2は、第2オープニングOP2によって一側辺のみが露出され、追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3は、第2オープニングOP2によって両側辺が全て露出される。一方、第2オープニングOP2は、セパレータSEPa、SEPb、SEPc中の内側部SEPam、SEPbm、SEPcmとは重畳しない。即ち、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側部SEPam、SEPbm、SEPcmは、両側辺も含めて画素画定膜380で覆われている。
【0191】
第2オープニングOP2は、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2の外側面と重畳しているのであって、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2の外側面が、第2オープニングOP2a、OP2b、OP2cによって露出されている。
【0192】
このような画素画定膜380の第2オープニングOP2とセパレータSEPa、SEPb、SEPcの重畳構造によれば、セパレータSEPa、SEPb、SEPcおよび画素画定膜380の上側に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecは、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2の外側面を基準にして、その外側にある他の部分の導電層(補助電極CE-add)と分離されている。また、上側に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecの導電層は、画素画定膜380によって覆われているセパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側部SEPam、SEPbm、SEPcmによって分離されることがなく、外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2の内側面によってによっても分離されない。すなわち、セパレータSEPa、SEPb、SEPcの内側部SEPam、SEPbm、SEPcmが、画素画定膜380で覆われているので、この上側に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecが、いずれも、第1領域と第2領域とに分離されずに、一体に形成されている。一方、第2オープニングOP2によって両速面が全て露出されている追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3によるならば、両側面の全てを基準にして(これら両側面にて)、上側の導電層が途切れて分離される構造を有することができる。
【0193】
一方、第3オープニングOPconは、アノードAnodea、Anodeb、Anodecと画素回路部PCa、PCb、PCcとを連結するためのオープニングOPconであって、画素画定膜380およびその下方に位置する絶縁膜に位置するオープニングを含むことができる。
図9を参照すれば、カソードCathodeに位置するオープニングOP-catおよびオープニングOPt1b、OPt1cの内側にあって、セパレータSEPa、SEPb、SEPcは、第2領域内で、画素画定膜380のオープニングOPconを通じてアノードAnodea、Anodeb、Anodecと連結されうるようにする。
【0194】
一方、
図11および
図12では示されていないが、
図3の実施形態のように補助電極CE-addとカソードCathodeを連結させる第4オープニングOP4がさらに追加されて、カソードCathodeに印加される駆動低電圧ELVSSがアノードAnodea、Anodeb、Anodecと同一の物質で形成された補助電極CE-addにも伝達されるようにすることもできる。
【0195】
図12および
図13を参照すれば、セパレータSEPおよび画素画定膜380の上には、アノードAnodea、Anodeb、Anodecを含むアノード導電層(または第2導電層とも言う)が形成されている。
【0196】
図12は、
図9~
図11と異なり、全体的な構造を示さず、カソードCathode、セパレータSEPa、SEPb、SEPc、画素画定膜380、およびアノード導電層のみを示している。
図12は、カソードCathode、セパレータSEPa、SEPb、SEPc、画素画定膜380、およびアノード導電層の構造をより明確に確認することができるようにするために先行する各層の構造は省略した。一方、
図13は、
図12の一部分を拡大して示した図である。
【0197】
図11のような構造の上にアノード導電層用物質を積層すれば、画素画定膜380のオープニングOP2によって露出されているセパレータSEPa、SEPb、SEPcの逆テーパ構造の側壁によって自動的に分離されたアノードAnodea、Anodeb、Anodecが形成できる。
【0198】
具体的に、
図12および
図13で、画素画定膜380のオープニングOP2と重畳する外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2によって各アノードAnodea、Anodeb、Anodecが形成される。各アノードAnodea、Anodeb、Anodecは、セパレータSEPa、SEPb、SEPcによって区画されるような第1領域と第2領域とに分離されずに一体に形成されており、セパレータSEPa、SEPb、SEPc中の内側部SEPam、SEPbm、SEPcmとは重畳する構造を有する。内側部SEPam、SEPbm、SEPcmは、画素画定膜380によって覆われていることから、上側に位置するアノードAnodea、Anodeb、Anodecに途切れや分離が生じない。
【0199】
アノードAnodea、Anodeb、Anodecの周縁は、平面上にて、画素画定膜380の第2オープニングOP2によって露出されている外側部SEPa1、SEPb1、SEPc1、SEPa2、SEPb2、SEPc2と一致していてもよい。
【0200】
一方、第2領域に位置する各アノードAnodea、Anodeb、Anodecは、画素画定膜380に位置する第3オープニングOPconおよびカソードCathodeに位置するオープニングOP-catおよびオープニングOPt1b、OPt1cを通じて、その下方に位置する画素回路部PCa、PCb、PCcと電気的に連結されている。その結果、画素回路部PCa、PCb、PCcからの電流の伝達を受けることができる。
【0201】
一方、アノード導電層は、追加電極AFEおよび補助電極CE-addをさらに含むことができる。
【0202】
追加電極AFEは、画素画定膜380のオープニングOP2によって露出されているセパレータSEPa、SEPb、SEPcの追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3および外側部SEPb1、SEPc1、SEPb2、SEPc2によって分離された電極であって、追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3などの逆テーパ構造の側壁によって自動的に分離されうる。追加電極AFEは別途の電圧の伝達を受けずにフローティングされていてもよく、実施形態によっては一定の電圧の伝達を受けることもできる。
【0203】
追加電極AFEは、追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3および外側部SEPb1、SEPc1、SEPb2、SEPc2によって囲まれるように区画された追加領域に対応して形成されるのであって、カソードCathodeに位置するオープニングOPt1a、OPt1b、OPt1c、OP-cat中の駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cと重畳する部分と重畳していてもよい。追加領域は、駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cが、カソードCathodeおよびアノードAnodea、Anodeb、Anodecと平面上にて重畳しないようにすることで寄生キャパシタンスを減少させることができる。追加電極AFEが、駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cと平面上にて重畳するのであるが、画素画定膜380が中間に位置することから相対的に距離が遠く、アノードAnodea、Anodeb、Anodecと異なり、電流が印加されないことから駆動トランジスタT1の第1ゲート電極GE1a、GE1b、GE1cに影響を与えないという長所もある。
【0204】
追加電極AFEは、アノードAnodea、Anodeb、Anodecと同一の物質で形成されうるのであり、追加電極AFEの周縁中の一部は、画素画定膜380の第2オープニングOP2によって露出されている追加部SEPa3、SEPb3、SEPc3と平面上一致していてもよく、追加電極AFEの残りの周縁は、画素画定膜380の第2オープニングOP2によって露出されている外側部SEPb1、SEPc1、SEPb2、SEPc2中の一部と平面上一致していてもよい。
【0205】
補助電極CE-addは、画素画定膜380のオープニングOP2およびセパレータSEPa、SEPb、SEPcによって分離されたアノードAnodea、Anodeb、Anodecおよび追加電極AFEの以外の部分で一体に連結された構造を有することができる。実施形態によって補助電極CE-addは別途の電圧の伝達を受けなくてフローティングされていてもよく、実施形態によっては一定の電圧の伝達を受けることもできる。
図3の実施形態のように、画素画定膜380が第4オープニングOP4を有する場合、補助電極CE-addにはカソードCathodeに印加される駆動低電圧ELVSSが印加できる。
【0206】
図12および
図13を参照すれば、セパレータSEPa、SEPb、SEPcのうちの第2セパレータSEPbの外側部SEPb1、SEPb2には二つの追加部SEPa3、SEPb3が連結されており、第1セパレータSEPaの外側部SEPa1、SEPa2には追加部が連結されておらず、第3セパレータSEPcの外側部SEPc1、SEPc2には一つの追加部SEPc3が連結された構造を有する。実施形態によっては、セパレータの外側部は、追加部と連結されないか、一つ以上の追加部と連結されうる。
【0207】
また、第1セパレータSEPa、第2セパレータSEPb、および第3セパレータSEPcは互いに分離されており、分離された部分は、画素画定膜380の第2オープニングOP2と重畳することで第2導電層(むアノード導電層)が途切れて分離されるように構成されている。その結果、隣接するアノードAnodea、Anodeb、Anodecが電気的に分離されうる。
【0208】
以下では、
図14を参照して発光表示装置の断面構造を説明する。
【0209】
【0210】
図9では、カソードCathodeのオープニングOPt1b、OPt1cおよび画素回路部オープニングOP02の内側には別途のアノード連結電極CE-anが形成されていないが、
図14の実施形態ではアノード連結電極CE-anが形成されている実施形態を中心にして説明する。しかし、実施形態によっては、
図9のように、アノード連結電極CE-anなくアノードが画素回路部PCa、PCb、PCcのトランジスタと電気的に連結できる。
【0211】
図14の構造は、
図7の構造と比較するとき、平坦化膜181およびその以下に位置する駆動素子層の構造には差がないことから、その説明を省略する。
【0212】
図14の実施形態による駆動素子層の上に位置する発光素子層の構造を説明すれば、以下の通りである。
【0213】
平坦化膜181の上には、カソードCathodeとアノード連結電極CE-anを含む第1電極層が形成されている。アノード連結電極CE-anは、カソードCathodeのオープニングOP-catの内側に位置してカソードCathodeと電気的に分離されている。カソードCathodeの一部分は画素画定膜380の第1オープニングOP1内に位置する発光層EMLと重畳して、発光領域と重畳し、発光素子を構成することができる。アノード連結電極CE-anは、後続する工程でアノードAnodeと電気的に連結される。
【0214】
平坦化膜181の上にはセパレータSEPが位置し、セパレータSEP中の少なくとも一部は第1電極層の一部分と重畳していてもよい。
【0215】
セパレータSEPは、逆テーパ構造の側壁を有しており、カソードCathodeの外側に位置する第1領域の第1外側部SEP1と、アノード連結電極CE-anの外側に位置する第2領域の第2外側部SEP2と、カソードCathodeとアノード連結電極CE-anの間に位置する内側部SEPmと、追加部SEP3とに区分されうる。第1領域の第1外側部SEP1および第2領域の第2外側部SEP2によって、アノードAnodeが分離されており、内側部SEPmはアノードAnodeと重畳することからアノードAnodeを分離させない。第1領域は第1外側部SEP1と内側部SEPmの間の領域であり、第2領域は第2外側部SEP2と内側部SEPmとの間の領域であってもよい。追加部SEP3と外側部SEP1、SEP2との間には、追加領域が配置されうる。
【0216】
平坦化膜181、第1電極層、およびセパレータSEPの上には、オープニングOP1、OP2、OPconを含む画素画定膜380が形成されている。
【0217】
画素画定膜380の第1オープニングOP1は、発光素子および/または発光領域に対応する部分であって、セパレータSEPによって区画される第1領域に対応しうる。画素画定膜380の第1オープニングOP1を区画する画素画定膜380は、セパレータSEPの第1外側部SEP1と内側部SEPmと重畳していてもよい。
【0218】
画素画定膜380の第1オープニングOP1はカソードCathodeの一部分を露出させるのであって、画素画定膜380の第1オープニングOP1には発光層EMLが配置されうる。ここで、発光層EMLはインクジェット方式で形成されうる。
【0219】
画素画定膜380の第2オープニングOP2は、セパレータSEPの外側部SEP1、SEP2および追加部SEP3に沿って形成されたオープニングであって、第1外側部SEP1および第2外側部SEP2のテーパを有する一側面を露出させて後続して形成されるアノードAnodeがセパレータSEPを基準にして分離できるようにする。一方、追加部SEP3を基準にして後続して形成される第2導電層が分離できる。ここで、画素画定膜380の第2オープニングOP2を区画する画素画定膜380はセパレータSEPの第1外側部SEP1および第2外側部SEP2と重畳し、外側壁を露出させることができる。追加部SEP3は、両側壁が全て画素画定膜380の第2オープニングOP2によって露出される。
【0220】
画素画定膜380の第3オープニングOPconはアノード連結電極CE-anとアノードAnodeが連結される部分であって、セパレータSEPによって区画される第2領域に対応できる。画素画定膜380の第3オープニングOPconを区画する画素画定膜380は、セパレータSEPの第2外側部SEP2と内側部SEPmと重畳していてもよい。画素画定膜380の第3オープニングOPconは、アノード連結電極CE-anの一部分を露出させて後続して形成されるアノードAnodeと電気的に連結できる。
【0221】
平坦化膜181、露出されたカソードCathode、露出されたアノード連結電極CE-an、露出されたセパレータSEP、および画素画定膜380の上には、発光層EML、アノードAnode、追加電極AFE、および補助電極CE-addが配置できる。
【0222】
画素画定膜380の第1オープニングOP1の内側には発光層EMLが位置するのであり、カソードCathodeと発光層EMLとの間には第2機能層(図示せず)が配置されうる。また、発光層EMLの上には第1機能層(図示せず)が配置されうる。ここで、第1機能層は正孔注入層および/または正孔伝達層を含むことができ、第2機能層は電子伝達層および/または電子注入層を含むことができる。実施形態によっては、第1機能層および第2機能層は画素画定膜380の上部にも配置されうるのであり、露出されたセパレータSEPを基準にして両側が互いに分離されうる。
【0223】
発光層EMLの上であって、画素画定膜380およびオープニングOP1、OP2、OPconの上には、アノードAnodeを含む第2電極層が形成されている。
【0224】
アノードAnodeは露出されたセパレータSEPによって分離されており、アノードAnodeは、画素画定膜380およびオープニングOP1、OPconにも形成され、一部分は発光層EMLの上にも位置する。
【0225】
一方、第2電極層は、画素画定膜380で覆われていない追加部SEP3の上側の面に位置する追加電極AFEをさらに含むことができる。また、第2電極層は、アノードAnodeおよび追加電極AFEの外側に位置する補助電極CE-addをさらに含むことができる。補助電極Cathode-addは、カソードCathodeと連結されて第2電圧ELVSSが印加されうる。
【0226】
アノードAnode、追加電極AFE、および補助電極CE-addを含む第2電極層は、別途のマスクを用いることなしに成膜・積層しさえすれば、画素画定膜380によって覆われていないセパレータSEPの一部分によって、自動的に途切れて分離された構造が形成される。即ち、露出されたセパレータSEPの逆テーパ構造の側壁によって、セパレータSEPの上側に形成される第2電極層が別途のエッチング工程なくアノードAnodeおよび補助電極CE-addに分離される。
【0227】
図14を参照すれば、トランジスタの半導体層ACT中の第2電極の役割を果たす部分と、アノード連結電極CE-anとが、ゲート絶縁膜141、層間絶縁膜161、および平坦化膜181に位置するオープニングを通じて、電気的に連結されるのであって、アノード連結電極CE-anは、第3オープニングOPconを通じてアノードAnodeへと電流が伝達されるようにする。アノードAnodeaに伝達された電流は、発光層EMLを通過してカソードCathodeに伝達され、発光層EMLを流れる電流に応じて発光層EMLが光を放出するようになることから、発光素子は輝度を示す。実施形態によっては、トランジスタの半導体層ACTとアノードAnodeとの間には、アノード連結電極CE-anを含まないか、追加的な連結電極をさらに含むのでありうる。
【0228】
図14は一実施形態による断面構造であるので、多様な変形構造も可能である。
【0229】
以上ではカソードが下部に位置し、アノードが上部に位置することと示したが、実施形態によっては、カソードが上部に位置し、アノードが下部に配置されうるのであり、このとき、カソードが画素画定膜上のオープニングを通じて下部のトランジスタと連結される構造を有することができる。よって、アノードとカソードの区分の代わりに第1電極と第2電極という表現を使用することができる。
【0230】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の特許請求の範囲で画定している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も、本発明の権利範囲に属するのである。
【0231】
好ましい位置実施形態によると、下記のとおりである。
【0232】
本件の背景及び課題は下記(i)~(vii)のとおりである。
【0233】
(i) 有機発光表示装置(OLED)を製造するにあたり、平坦化膜などの厚い絶縁膜上に、OLED素子の下側電極を配置してから、厚みの大きい画素画定膜(画素区画形成膜;PDL)のパターンにより、画素発光部に相当する画素開口(凹部)を形成し、この中にインクジェット法を用いて、積層膜からなる発光層を形成し、この上に、上側電極を形成するということが行われている。
【0234】
(ii) 一般に、下側電極が、画素開口に対応して配置されて、画素ごとの電極(画素電極)をなし、上側電極が、共通電極として、複数の画素にわたる領域を覆うように配置される。
【0235】
(iii) 画素画定膜(PDL)を形成する際に、逆テーパー状の隔壁を形成する場合もある(特許文献1~2)。
【0236】
(iv) 特に、特許文献1~2では、逆テーパー状の隔壁を、画素画定膜(PDL)を形成するに先立って形成することで、画素画定膜(PDL)が部分的に逆テーパー状の隔壁を覆っている。
【0237】
(v) 特許文献1(KR2019-0063929A)の
図3~4及び6~7並びに関連説明によると、走査線方向に整列された矩形状の画素開口(第1開口部)の間ごとに矩形状のダミー開口(第2開口部)が備えられ、このダミー開口(第2開口部)の一長辺(図での右辺または左辺)の箇所で、上側電極(カソードCAT)が途切れている。これは、表示面中の輝度の不均一を抑制・防止するためものである。([0008]-[0009])。
【0238】
(vi) 特許文献2(KR2015-0027486A)の第1実施形態(
図5~7及び関連説明)などによると、データ線方向に整列された略矩形状の画素開口(サブ領域180, 182)のうちの一方における一辺(一短辺)のみに沿った箇所にて、逆テーパー状の隔壁(140)により、上側電極(第2電極170)を途切れさせている。このような構造は、有機発光素子を分割する(
図4)ことにより、消費電力を減少させるためのもの([0062])と考えられる。
【0239】
(vii) 一方、有機発光表示装置(OLED)の消費電力の低減や輝度の均一性などを一層向上するために、さらなる大きな改良が求められる。
【0240】
そこで、好ましい一実施形態によると、下記A1~A5またはA1~A7のとおりとすることができる。また、さらに下記A8~11のとおりとすることができる。
【0241】
A1 上側電極を画素(色ごとのサブ画素;subpixel)ごとに配置して、周囲の上側電極層から分離されるようにする。すなわち、画素開口に対応する箇所で上側電極を画素電極としうるようにする。
【0242】
A2 また、画素開口の近傍を除く箇所では、上側電極層に、下側電極と同一または類似の電圧を供給することで、一種の共通電極の一部として、輝度バラツキなどの原因を抑えるのに用いることを可能にする。
【0243】
A3 上記A1を実現すべく、第1には、画素画定膜(PDL)のパターンについて、
画素開口(発光領域)に対応する、矩形状などのバルク状の「第1オープニング」(OP1; OP1a, OP1b, OP1c;「コンタクト用オープニング」)と、
これを取り囲むリング帯状の「第2オープニング」(OP2; OP2a, OP2b, OP2c;「駆動ゲート電極重畳オープニング」)とを
備えるようにする。(本願
図5)
【0244】
A4 上記A1を実現すべく、第2には、画素画定膜(PDL)を形成する前に、逆テーパー状の隔壁(「セパレータ」;SEP: SEPa, SEPb, SEPc)のメイン部分(「外側部」;SEPa1, SEPa2など)を、「第2オープニング」(OP2; OP2a, OP2b, OP2c)の内縁に沿って延びるリング状とする。(本願
図4)
【0245】
A5 特には、隔壁(「セパレータ」;SEP: SEPa, SEPb, SEPc)の逆テーパーの側面が露出する箇所を、「第2オープニング」(OP2; OP2a, OP2b, OP2c)の内縁に沿った箇所の全てに、かつこのような箇所にのみ形成するようにする。(本願
図7)
【0246】
A6 画素開口ごとの上側電極(上側電極による画素電極;「第1電極」, 「アノード」Anodea, Anodeb, Anodec)と、下層側に位置する画素回路(特には駆動トランジスタ)とを導通させるための導通部(本願
図5及び7の「OPcon」の近傍;「第2領域」)を、画素開口(「第1オープニング」(OP1)に隣接して、「第2オープニング」(OP2)に囲まれる範囲内に設置することができる。
【0247】
A7 上記A6の導通部を形成するために、画素画定膜(PDL)の対応する箇所に「第3オープニング」(連結用オープニングOPcon)を形成し、この内側に連結電極(CE-an)を配置する。
A8 上記A6の導通部(本願
図5及び7の「OPcon」の近傍;「第2領域」)では、下側電極(「第2電極」Cathode)の電極層が省かれるのであり、これを「コンタクト用オープニング」(
図2のOP-cat)と呼ぶことができる。
【0248】
A9 上記A6の導通部(「OPcon」の近傍;「第2領域」)に位置する連結電極(CE-an)と、画素開口中の「第2電極」(カソードCathode)とを確実に絶縁すべく、これらの間を仕切るように、逆テーパー状の隔壁(「セパレータ」の内側部;SEPam, SEPbm, SEPcm)を形成しておくことができる。
【0249】
A10 上記A2の目的で、「第2オープニング」(OP2)の外側にある上側電極層(「補助電極」CE-add)を、下層側に位置する画素回路中のカソード電圧供給部とを連結させる、第4オープニング(OP4)を、平坦化膜(181)及びその下方の絶縁層に形成しておく。
【0250】
A11 画素画定膜(PDL)の「第2オープニング」(OP2)と、隔壁(「セパレータ」;SEP: SEPa, SEPb, SEPc)によって形成される、上側電極層の途切れ・分離箇所について、部分的に、より確実にするために、2重にすることができる。(
図10~14)
このために、隔壁(「セパレータ」;SEP: SEPa, SEPb, SEPc)に、折れ曲がりC字状の「追加部」(SEPa3, SEPb3, SEPc3)を追加し、「第2オープニング」(OP2)にも対応する部分を追加する。
【符号の説明】
【0251】
SEP、SEPa、SEPb、SEPc:セパレータ
SEP1、SEP2、SEPa1、SEPa2、SEPb1、SEPb2、SEPc1、SEPc2:外側部
SEP3、SEPa3、SEPb3、SEPc3:追加部
SEPm、SEPam、SEPbm、SEPcm:内側部
380:画素画定膜
Cathode:カソード
OP-cat、OP01、OP02、OP1、OP2、OPcon、OP1a、OP1b、OP1c、OP2a、OP2b、OP2c、OP4、OPt1a、OPt1b、OPt1c、OPt1b-1、OPt1c-1、OPt1b-2、OPt1c-2:オープニング
Anode、Anodea、Anodeb、Anodec:アノード
CE-add:補助電極
AFE:追加電極
CE-an:アノード連結電極
CE-int1、CE-int2、CE-cat:補助電極
CM、CE2a、CE2b、CE2c、CE13a、CE13b、CE13c、CE3、CE3c、CE-dd1、CE-dd2:連結部材
PCa、PCb、PCc:画素駆動部
PXa、PXb、PXc:画素
EDa、EDb、EDc:発光素子
EML、EMLa、EMLb、EMLc:発光層
T1、T2、T3:トランジスタ
110:基板
111:バッファー層
141:ゲート絶縁膜
161:層間絶縁膜
181:平坦化膜
BML、BMLa、BMLb、BMLc:下部シールディング層
125a、125b、125c:下部維持電極
ACT:半導体層
131a、131b、131c:第1半導体
132a、132b、132c:第2半導体
133a、133b、133c:第3半導体
151、151-1:スキャン信号線
171a、171b、171c:データ線
172、172v:駆動電圧線
173:初期化電圧線
174、174h:駆動低電圧線
Cleda、Cledb、Cledc:発光部キャパシタ
Cst:維持キャパシタ
GE、GE1a、GE1b、GE1c:ゲート電極
SL:感知配線