(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118454
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】磁気センサを使用してラック内の品目カウントを決定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06M 9/00 20060101AFI20240823BHJP
G06M 1/274 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G06M9/00 Z
G06M1/274
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024022546
(22)【出願日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】18/171,629
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520068870
【氏名又は名称】セブン-イレブン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】7-Eleven, Inc.
【住所又は居所原語表記】3200 Hackberry Road, Irving TX 75063 US
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】シャーミアー アリ ミルザ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー オダニエル レドモンド
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題を解決する。
【解決手段】システムは、タバコの複数のパックを格納する長手方向ラックと、ラックに移動可能に取り付けられるシューと、シューに結合された磁石と、ラックの長手方向に沿って配置された長手方向回路基板とを含む。回路基板は、ラックの長さに沿ったセンサのアレイを含み、センサの各ペア間の間隔は、予め選択された厚さに等しい。各センサは、センサに対する磁石の位置に依存して値を生成する。回路基板は、センサによって生成される値を格納するメモリと、値に基づいてシュー/磁石の位置を決定し、シュー/磁石の位置に基づいてパックのパックカウントを決定するように構成される、プロセッサとをさらに含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラック内のタバコのパックをカウントするためのシステムであって、
前記ラックの前端と後端との間の前記ラックの長さに沿って第1の厚さの複数のタバコのパックを格納する長手方向の前記ラックと、
シューが前記ラックの前記前端と前記後端との間で走行するように、前記ラックに移動可能に取り付けられる前記シューであって、前記タバコのパックは、前記シューの前端に隣接して配置され、前記シューは、タバコの各パックが前記ラックに装填された状態で、前記ラックの前記後端に向かって押し戻される、前記シューと、
前記シューに結合される磁石と、
前記ラックの前記長さに沿って配置される長手方向の回路基板と、を含み、前記回路基板は、
前記回路基板の長さに沿って配置されるセンサのアレイであって、
前記センサの各ペア間の間隔が、予め選択される間隔に対応し、
前記磁石は、前記磁石の長手方向軸が前記長手方向の回路基板に対して平行であるように、前記シューと共に配置され、
前記センサの少なくともサブセットが、前記磁石と関連付けられる磁場の強度に対応する信号を生成し、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記信号は、前記センサに関する前記磁石の位置に少なくとも部分的に基づく、
センサのアレイと、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記信号に対応する値を記憶するメモリと、
前記センサと前記メモリとに通信的に結合されるプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記値をモニタリングするように構成され、
第1のセンサが第1の最大絶対値を生成したことおよび第2のセンサが第2の最大絶対値を生成したことを検出するように構成され、前記第1の最大絶対値および前記第2の最大絶対値は、前記アレイ内の前記センサによって生成される前記値の中からの2つの最大値であり、
前記ラックの前記前端からの前記第1のセンサの第1の距離および前記ラックの前記前端からの前記第2のセンサの第2の距離に少なくとも部分的に基づいて前記ラックの前記長さに沿った前記シューの位置を決定するように構成され、前記シューの前記位置は、前記ラックの前記前端からの前記シューの距離を含み、
前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置に基づいて前記ラックに格納される前記第1の厚さの前記タバコのパックの数を決定するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記信号は、電圧信号であり、前記信号に対応する前記値は、電圧値である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置は、前記長手方向の回路基板の前記長さに沿った前記磁石の位置に対応し、
前記メモリは、
前記センサに対する前記磁石の前記位置に基づく各センサの信号応答と、
前記ラックの前記前端からの各センサの距離と、をさらに記憶する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
第3のセンサが前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを検出することと、
前記第3のセンサが前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを検出することに応答して、前記磁石が前記第3のセンサの上方に位置決めされることを決定することと、
前記ラックの前記前端から前記第3のセンサの第3の距離を前記メモリから取得することと、
前記ラックの前記前端からの前記第3のセンサの前記第3の距離に少なくとも部分的に基づいて前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置を決定することと、によって、
前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置を決定するように構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記磁石が前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを示す、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが前記長手方向の回路基板上で互いに連続して位置決めされることを検出することと、
前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間の前記磁石の位置に関する前記第1のセンサの第1の信号応答に関する第1の勾配を取得することと、
前記第1の勾配の逆数を前記第1の最大絶対値に対応する第1の実際値に乗じることによって前記第1のセンサからの前記磁石の第3の距離を計算することと、
前記第2のセンサと前記第1のセンサとの間の前記磁石の位置に関する前記第2のセンサの第2の信号応答に関する第2の勾配を取得することと、
前記第2の勾配の逆数を前記第2の最大絶対値に対応する第2の実際値に乗じることによって前記第2のセンサからの前記磁石の第4の距離を計算することと、
前記ラックの前記前端からの前記第1のセンサの前記第1の距離に前記第3の距離を加えることによって第1の中間値を計算することと、
前記ラックの前記前端からの前記第2のセンサの前記第2の距離から前記第4の距離を減じることによって第2の中間値を計算することと、
前記第1の中間値および前記第2の中間値を加えることによって第3の中間値を計算することと、
前記第3の中間値を2で除することによって前記ラックの前記前端からの前記磁石の第5の距離を決定することと、
前記ラックの前記前端からの前記磁石の前記第5の距離に少なくとも部分的に基づいて前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置を決定することと、によって、
前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置を決定するようにさらに構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記メモリは、前記シューが前記ラックに加えられる前記第1の厚さの前記タバコのあらゆるパックについて移動する距離を記憶し、
前記プロセッサは、前記ラックの前記前端からの前記シューの前記距離を、前記シューが前記ラックに加えられる前記タバコのあらゆるパックについて移動する前記距離によって除することによって、前記ラックに格納される前記第1の厚さのタバコのパックの数を決定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
第1の数のタバコパックが前記ラックに格納されるという第1の指標を受信することと、
前記第1の指標を受信することに応答して、前記ラックの前記前端からの前記シューの第1の距離を決定することと、
第2の数のタバコパックが前記ラックに格納されるという第2の指標を受信するであって、前記第2の数は、前記第1の数よりも大きい、第2の指標を受信することと、
前記第2の指標を受信することに応答して、前記ラックの前記前端からの前記シューの第2の距離を決定することと、
前記第1の距離から前記第2の距離を減じることによって、前記ラック上の前記シューが前記第1の指標を受信することと前記第2の指標を受信することとの間に走行する距離を計算することと、
前記第1の数のタバコパックから前記第2の数のタバコパックを減じることによって、前記第1の指標を受信することと前記第2の指標を受信することとの間に前記ラックに格納される前記パックの数の変化を計算することと、
前記ラック上の前記シューが走行する前記距離を前記ラックに格納される前記パックの前記数の前記変化によって除することによって、前記シューが前記ラックに加えられるタバコのあらゆるパックについて移動する前記距離を決定することと、によって、
前記シューが前記ラックに加えられるタバコのあらゆるパックについて移動する前記距離を決定する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサの各ペア間の前記予め選択される間隔は、タバコの標準的なパックの厚さに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記アレイ内の前記センサの各センサは、ホール効果センサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記回路基板は、信号ピンのアレイをさらに含み、各センサは、前記信号ピンのうちの1つに電気的に結合され、前記センサによって生成される前記信号を前記信号ピンに出力し、
前記プロセッサは、前記信号ピンの各信号ピンで受信される前記信号をモニタリングすることによって、各センサによって生成される前記値をモニタリングするように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記回路基板は、前記プロセッサに結合される通信インターフェースをさらに含み、
前記プロセッサは、
前記ラックに格納される前記パックの数が閾値以下であると決定し、
前記ラックの識別子と前記ラックに実際に格納されたパックの前記決定された数とを含む警告メッセージを生成し、
前記通信インターフェースを用いて前記警告メッセージを送信する、
ようにさらに構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記シューに取り付けられ、前記磁石を保持するように構成される、磁石キャリアをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ラックに格納されるタバコのパックをカウントするための回路基板であって、
前記ラックの前端と後端との間の前記ラックの長さに沿った第1の厚さの複数のタバコのパックを格納する長手方向の前記ラックと、
シューが前記ラックの前記前端と前記後端との間を走行するように、前記ラックに移動可能に取り付けられる、前記シューであって、前記タバコのパックは、前記シューの前端に隣接して配置され、前記シューは、タバコの各パックが前記ラックに装填された状態で、前記ラックの前記後端に向かって押し戻される、前記シューと、
前記シューに結合される磁石と、
前記ラックの前記長さに沿って配置される長手方向の回路基板と、を含み、前記回路基板は、
前記回路基板の長さに沿って配置されるセンサのアレイであって、
前記回路基板は、前記ラックの前端と後端との間の前記ラックの前記長さに沿って第1の厚さの複数のタバコのパックを格納する前記ラックの長さに沿って配置され、
磁石が、前記ラックの前記前端と前記後端との間の前記ラックの長さに沿って走行し、
前記センサの各ペアの間の間隔が、予め選択される間隔に対応し、
前記磁石は、前記磁石の長手方向軸が前記長手方向も回路基板に対して平行であるように、前記回路基板に関して配置され、
前記センサの少なくともサブセットが、前記磁石と関連付けられる磁場の強度に対応する信号を生成し、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記信号は、前記センサに関する前記磁石の位置に少なくとも部分的に基づく、
前記センサのアレイと、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記信号に対応する値を記憶するメモリと、
前記センサと前記メモリとに通信的に結合されるプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記値をモニタリングするように構成され、
第1のセンサが第1の最大絶対値を生成したことおよび第2のセンサが第2の最大絶対値を生成したことを検出するように構成され、前記第1の最大絶対値および前記第2の最大絶対値は、前記アレイ内の前記センサによって生成される前記値の中の2つの最大の値であり、
前記ラックの前記前端からの前記第1のセンサの第1の距離および前記ラックの前記前端からの前記第2のセンサの第2の距離に少なくとも部分的に基づいて、前記ラックの前記長さに沿った前記磁石の位置を決定するように構成され、前記磁石の前記位置は、前記ラックの前記前端からの前記磁石の距離を含み、
前記ラックの前記長さに沿った前記磁石の前記位置に基づいて前記ラックに格納される前記第1の厚さのタバコのパックの数を決定するように構成される、
回路基板。
【請求項14】
前記信号は、電圧信号であり、前記信号に対応する前記値は、電圧値である、請求項13に記載の回路基板。
【請求項15】
前記メモリは、
前記センサに対する前記磁石の前記位置に基づく各センサの信号応答と、
前記ラックの前記前端からの各センサの距離と、をさらに記憶する、
請求項13に記載の回路基板。
【請求項16】
前記プロセッサは、
第3のセンサが前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを検出すること、
前記第3のセンサが前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを検出することに応答して、前記磁石が前記第3のセンサの上方に位置決めされると決定することと、
前記ラックの前記前端からの前記第3のセンサの第3の距離を前記メモリから取得することと、
前記ラックの前記前端からの前記第3のセンサの前記第3の距離に少なくとも部分的に基づいて、前記ラックの前記長さに沿った前記磁石の前記位置を決定することと、によって、
前記ラックの前記長さに沿った前記磁石の前記位置を決定するように構成される、
請求項15に記載の回路基板。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記磁石が前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを示す、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが前記長手方向の回路基板上に互いに連続して位置決めされることを検出することと、
前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間の前記磁石の位置に関する前記第1のセンサの第1の信号応答に関する第1の勾配を取得することと、
前記第1の勾配の逆数を前記第1の最大絶対値に対応する第1の実際値に乗じることによって、前記第1のセンサからの前記磁石の第3の距離を計算することと、
前記第2のセンサと前記第1のセンサとの間の前記磁石の位置に関する前記第2のセンサの第2の信号応答に関する第2の勾配を取得することと、
前記第2の勾配の逆数を前記第2の最大絶対値に対応する第2の実際値に乗じることによって、前記第2のセンサからの前記磁石の第4の距離を計算することと、
前記ラックの前記前端からの前記第1のセンサの前記第1の距離に前記第3の距離を加えることによって、第1の中間値を計算することと、
前記ラックの前記前端からの前記第2のセンサの前記第2の距離から前記第4の距離を減じることによって、第2の中間値を計算することと、
前記第1の中間値および前記第2の中間値を加えることによって、第3の中間値を計算することと、
前記第3の中間値を2で除することによって、前記ラックの前記前端からの前記磁石の第5の距離を決定することと、
前記ラックの前記前端からの前記磁石の前記第5の距離に少なくとも部分的に基づいて、前記ラックの前記長さに沿った前記磁石の前記位置を決定することと、によって、
前記ラックの前記長さに沿った前記磁石の前記位置を決定するようにさらに構成される、
請求項15に記載の回路基板。
【請求項18】
前記メモリは、前記磁石が前記ラックに加えられる前記第1の厚さの前記タバコのあらゆるパックについて移動する距離を記憶し、
前記プロセッサは、前記ラックの前記前端からの前記磁石の前記距離を、前記磁石が前記ラックに加えられる前記タバコのあらゆるパックについて移動する前記距離で除することによって、前記ラックに格納される前記第1の厚さのタバコのパックの数を決定する、
請求項13に記載の回路基板。
【請求項19】
ラックに格納される品目をカウントするためのシステムであって、
前記ラックの前端と後端との間の前記ラックの長さに沿った第1の厚さの複数の品目を格納する長手方向の前記ラックと、
シューが前記ラックの前記前端と前記後端の間を走行するように、前記ラックに移動可能に取り付けられる、前記シューであって、前記品目は、前記シューの前端に隣接して配置され、前記シューは、各品目が前記ラックに装填された状態で、前記ラックの前記後端に向かって押し戻される、前記シューと、
前記シューに結合される磁石と、
前記ラックの長さに沿って配置される長手方向の回路基板と、を含み、前記回路基板は、
前記回路基板の長さに沿って配置されるセンサのアレイであって、
前記センサの各ペア間の間隔が、予め設定される間隔に対応し、
前記磁石は、前記磁石の長手方向軸が前記長手方向の回路基板に対して平行であるように、前記シューと共に配置され、
前記センサの少なくともサブセットが、前記磁石と関連付けられる磁場の強度に対応する信号を生成し、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記信号は、前記センサに関する前記磁石の位置に少なくとも部分的に基づく、
前記センサのアレイと、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記信号に対応する値を記憶するメモリと、
前記センサと前記メモリとに通信的に結合されるプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、
前記センサの前記サブセットによって生成される前記値をモニタリングするように構成され、
第1のセンサが第1の最大絶対値を生成したことおよび第2のセンサが第2の最大絶対値を生成したことを検出するように構成され、前記第1の最大絶対値および前記第2の最大絶対値は、前記アレイ内の前記センサによって生成される前記値の中の2つの最大値であり、
前記ラックの前記前端からの前記第1のセンサの第1の距離および前記ラックの前記前端からの前記第2のセンサの第2の距離に少なくとも部分的に基づいて、前記ラックの前記長さに沿った前記シューの位置を決定するように構成され、前記シューの前記位置は、前記ラックの前記前端からの前記シューの距離を含み、
前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置に基づいて前記ラックに格納される前記第1の厚さの前記品目の数を決定するように構成される、
システム。
【請求項20】
前記信号は、電圧信号であり、前記信号に対応する前記値は、電圧値である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置は、前記長手方向の回路基板の前記長さに沿った前記磁石の位置に対応し、
前記メモリは、
前記センサに対する前記磁石の前記位置に基づく各センサの信号応答と、
前記ラックの前記前端からの各センサの距離と、をさらに記憶する、
請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサは、
第3のセンサが前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを検出することと、
前記第3のセンサが前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを検出することに応答して、前記磁石が前記第3のセンサの上方に位置決めされることを決定することと、
前記ラックの前記前端からの前記第3のセンサの第3の距離を前記メモリから取得することと、
前記ラックの前記前端からの前記第3のセンサの前記第3の距離に少なくとも部分的に基づいて、前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置を決定することと、によって、
前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置を決定するように構成される、
請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記プロセッサは、
前記磁石が前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間に位置決めされることを示す、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが前記長手方向の路基板上に互いに連続して位置決めされることを検出ことと、
前記第1のセンサと前記第2のセンサとの間の前記磁石の位置に関する前期第1のセンサの第1の信号応答に関する第1の勾配を取得することと、
前記第1の勾配の逆数を前記第1の最大絶対値に対応する第1の実際値に乗じることによって、前記第1のセンサからの前記磁石の第3の距離を計算することと、
前記第2のセンサと前記第1のセンサとの間の前記磁石の位置に関する前記第2のセンサの第2の信号応答に関する第2の勾配を取得することと、
前記第2の勾配の逆数を前記第2の最大絶対値に対応する第2の実際値に乗じることによって、前記第2のセンサからの前記磁石の第4の距離を計算することと、
前記第3の距離を前記ラックの前記前端からの前記第1のセンサの前記第1の距離に加えることによって、第1の中間値を計算することと、
前記ラックの前記前端からの前記第2のセンサの前記第2の距離を前記第4の距離から減じることによって、第2の中間値を計算することと、
前記第1の中間値および前記第2の中間値を加えることによって第3の中間値を計算することと、
前記第3の中間値を2で除することによって、前記ラックの前記前端からの前記磁石の第5の距離を決定することと、
前記ラックの前記前端からの前記磁石の前記第5の距離に少なくとも部分的に基づいて、前記ラックの前記長さに沿った前記磁石の前記位置を決定することと、によって、
前記ラックの前記長さに沿った前記シューの前記位置を決定するようにさらに構成される、
請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記メモリは、前記シューが前記ラックに加えられる前記第1の厚さのあらゆる品目について移動する距離を記憶し、
前記プロセッサは、前記ラックの前記前端からの前記シューの前記距離を、前記シューが前記ラックに加えられるあらゆる品目について移動する前記距離で除することによって、前記ラックに格納される前記第1の厚さの前記品目の前記数を決定する、
請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、データ処理に関し、より具体的には、磁気センサを使用してラック内の品目カウントを決定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗棚上の在庫管理は、気が遠くなるタスクである。どれくらいの商品が店舗棚に残っているかに関する不正確なデータは、しばしば、棚空間の利用不足および売上の減少につながる。現在の在庫追跡(トラッキング)手順は、労働集約的で、時間がかかり、エラーに弱い。店舗棚上の商品の効率的かつ正確な追跡が必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
現在のところ、棚/ラックに格納される品目(例えば、タバコのパック)の量/数をカウント(計数)する唯一の方法は、手作業でラックを点検してラックに格納される品目の数をカウントすることである。例えば、タバコラックに格納されるタバコパックの数をカウントするために、店員がラックを開けて、ラックに格納されたタバコパックの数を手作業でカウントする必要がある。典型的な店舗は、幾つかの棚にわたって数百のそのようなラックを有する。よって、幾つかのラック/棚にわたって格納される品目を追跡することは、労働集約的になり、退屈になる。さらに、店舗棚上の在庫を追跡するための現在の方法は、人的エラーを起こしやすい。加えて、商品の量の不正確なおよび/または頻度の少ない検査および記録は、棚空間の不十分な利用および収益の損失につながることがあり、さらに、不正確な在庫追跡および補充につながることがある。よって、従来の技術は、少なくとも部分的にはそれらが人間の操作に依存することの故に、欠陥がある。
【0004】
本開示に開示されるシステムによって実装されるシステムおよび方法は、店舗棚上の在庫を効果的かつ効率的に管理する技術を実装することによって、上述の技術的問題に対する技術的解決策を提供する。開示されるシステムおよび方法は、幾つかの実際的な用途および技術的利点を提供する。例えば、開示されるシステムは、ラックの長さに沿った磁石の位置を検出してラック内のアイテムカウントを決定するために磁気センサを使用するラック設計を使用することによって、店舗棚に配置されるラックに格納される商品についてのカウント情報を決定することの実用的な用途を提供する。例えば、本開示の実施形態は、ラックに格納されるタバコまたは他の商品のパックをカウントするために使用されるインテリジェントラック設計を提供する。ラックは、各タバコパックがシューの前端においてラックに装填された状態で、シューがラックの後端に向かって押し戻されるように、ラックに移動可能に取り付けられたシューと、シューに結合された磁石と、ラックの長手方向に沿って配置される長手方向の回路基板とを含む。回路基板は、ラックの長さに沿ったセンサのアレイを含み、各センサは、センサに関する磁石の位置に基づいて電圧値を生成する。一実施形態では、ラックに格納される任意の数のパックについて、磁石がセンサのうちの1つの真上にあるように、センサの各ペア間の間隔は、ラックに格納されるタバコのパックの厚さに対応する。この場合、センサの各センサは、磁石がセンサの真上にあるときに、最大電圧値を生成する。回路基板は、プロセッサをさらに含み、プロセッサは、センサのアレイのセンサの少なくともサブセットによって生成される電圧値をモニタリングし、センサのアレイの特定のセンサが最大電圧値を生成したことを検出し、最大電圧値を生成するように検出される特定のセンサに対応するパックの特定の数に基づいて、ラックに実際に格納されたタバコのパックの数を決定する、ように構成される。この実施形態は、ラックに格納される標準サイズのタバコまたは別の商品/品目のパックのリアルタイムかつ正確な計数(counting)の技術的利点を提供する。これは、さもなければラックに格納される品目をカウントする人間と関連付けられる人的エラーを回避するのを助ける。さらに、ラックに格納される品目についての商品カウント情報を迅速かつ正確に決定することによって、開示されるシステムおよび方法は、棚在庫の効果的かつ正確なモニタリングを可能にして、必要とされるときに棚が速やかに補充される、それによって、棚空間の不十分な利用を回避することを可能にする。
【0005】
開示されるシステム及び方法は、センサの電圧応答に基づいてセンサのペア間の距離を補間することによって単一ラック設計を使用してラックに格納されるタバコのパックまたは非標準サイズの他の品目をインテリジェント(知的)にカウントする追加的な実用的用途を提供する。このラック設計において、磁石は、磁石の長手方向軸が長手方向回路基板に対して平行であるように、シューと共に配置される長手方向磁石である。センサの少なくともサブセットによって生成される電圧値をモニタリングすることに基づいて、プロセッサは、第1のセンサが第1の絶対電圧値を生成し、第2のセンサが第2の絶対電圧値を生成したことを検出する。プロセッサは、ラックの前端からの第1のセンサの第1の距離およびラックの前端からの第2のセンサの第2の距離に少なくとも部分的に基づいて、ラックの長さに沿ったシュー/磁石の位置を決定し、シューの位置は、ラックの前端からのシューの距離を含む。プロセッサは、ラックの長さに沿ったシューの位置に基づいて、ラックに格納される特定の厚さのタバコのパックの数を決定する。ラックの単一設計を使用してラックに格納され得る異なる厚さの品目をカウントすることによって、開示されるシステムおよび方法は、異なるサイズの品目についてカスタマイズされたラック設計を設計および製造することとさもなければ関連付けられるコストを節約する。
【0006】
開示されるシステム及び方法は、インテリジェントラック設計に基づいてラックから取り外される品目を検出しかつ対話デバイスで処理された取り外された品目を含むデータ対話をモニタリングするためにマスタコントローラを使用することによって、店舗棚からの商品窃盗を迅速かつ正確に検出する追加的な実用的用途を提供する。本開示の実施形態に従って記載されるように、マスタコントローラは、ラックに格納される品目を含むデータ対話を処理するように構成される対話デバイスおよび(タバコまたは他の品目のパックのような)商品を格納するラックに通信的に結合される。マスタコントローラは、第1の数の品目がラックから取り外されたことを示す第1のメッセージとラックに格納される品目のタイプと関連付けられる統一商品コードとをラックから受信するように構成されるプロセッサを含む。プロセッサは、対話デバイスから受信される通信信号をモニタリングし、通信信号は、対話デバイスで実行されるデータ対話を示す。対話デバイスから受信される通信信号をモニタリングすることに基づいて、プロセッサは、ラックから取り外された第1の数のパックが、予め設定された時間内に対話デバイスによって1つ以上のデータ対話において処理されたかどうかを決定する。ラックから取り外された第1の数のパックが予め設定された時間内に対話デバイスによって1つ以上のデータ対話において処理されなかったことを決定することに応答して、プロセッサは、ラックのラック番号、ラックから取り外された品目の数、およびラックに格納される品目のタイプと関連付けられたUPCを含む、警告メッセージを送信する。加えて、警告メッセージは、品目がラックから取り外された時に対話デバイスを操作するユーザの識別を含んでよい。対話デバイスを操作するユーザの識別と共に潜在的な窃盗の適時の検出および警告は、窃盗に責任を有する当事者を迅速に特定し、盗まれた商品を回収するのに役立つ。さらに、システムは、潜在的な窃盗者が商品を盗もうとするのを阻止することがあり、それはシュリンケージ低減も助ける。
【0007】
本開示のより完全な理解のために、添付の図面および詳細な説明に関連して、以下の簡単な説明を参照する。同様の参照番号は、同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の特定の実施形態による、タバコの複数のパックを格納する例示的なラックを示す。
【
図2A】本開示の特定の実施形態による、タバコの複数のパックを格納するラックの2つの異なる図を示す。
【
図2B】本開示の特定の実施形態による、タバコの複数のパックを格納するラックの2つの異なる図を示す。
【
図3】本開示の特定の実施形態による、
図1に示す回路基板の概略図を示す。
【
図4】本開示の特定の実施形態による、ラックに格納されたタバコのパックの数を決定するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の特定の実施形態による、センサのアレイに関する磁石の例示的な配置を示す。
【
図6】本開示の特定の実施形態による、
図5に示す各磁石に関する電圧応答の例示的なプロットを示す。
【
図7】本開示の特定の実施形態による、ラックに格納された非標準サイズのタバコのパックの数を決定するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図8】本開示の特定の実施形態による、ラックに格納された標準サイズのタバコのパックの数を決定するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図9】本開示の特定の実施形態による、タバコのパックの盗難を検出するためのシステムの概略図を示す。
【
図10】本開示の特定の実施形態による、ラックに格納されたタバコのパックの盗難を検出するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図11】本開示の特定の実施形態による、
図1に示す複数のラックを接続するための例示的なネットワークトポロジを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(システム概要)
図1は、本開示の特定の実施形態による、タバコの複数のパックを格納する例示的なラック100を示す。本開示は、タバコのパックに関して詳細に説明されるが、本開示は、ラックに格納されることがある他の商品(製品)にも当て嵌まる。
【0010】
図1に示すように、ラック100は、シュー106を持つ長手方向トラック112を含み、シュー106は、シュー106がラック100の前端102と後端104との間でトラック112上を前後に移動するように、長手方向トラック112に移動可能に取り付けられる。ラック100は、ラック100の前端102と後端104との間でラック100の長さに沿って(
図2Aおよび
図2Bに示すように)タバコの複数のパック202を格納するように設計される。
図2Aおよび
図2Bは、タバコの複数のパック202を格納するラック100の2つのビュー200aおよび200bをそれぞれ示す。
図2Aおよび
図2Bに示すように。タバコのパック202は、各パック202がラック100に装填された状態で、シュー106がラック100の後端104に向かって押し戻されるように、シュー106の前端108(
図1に示すようなシューの前端108)に隣接して配置される。一般に、ラック100の前端102に向かってシュー106を駆動する機構(図示せず)がシュー106に結合されて、ラック100に格納される最前のパック202aをラック100の前端102付近のラック100の前壁114に押し付けさせる。幾つかの実施形態において、この機構は、ラック100の前端102に向かってシュー106を駆動する、シュー106に結合されるコイルばねを含んでよい。
図1に示すように、パック202がラック100に格納されないときに、シュー106は、前壁114に隣接したラック100の最前端102に位置付けられる。
図2Aおよび
図2Bを参照すると、タバコのパック202がラック100に装填されると、シュー106は、ラック100の後端104に向かってラック112の長さに沿ってトラック112上で押し戻される。
【0011】
典型的な店舗は、一般に、1つ以上の棚内で互いに隣り合って配置される複数のラック100を有し、ラック100の異なるサブセットが、異なるタイプのタバコのパック202を格納することがある。
【0012】
本開示の実施形態は、ラック100内に格納されるタバコのパック202をインテリジェント(知的)にカウント(計数)する技術を論じる。
【0013】
戻って
図1を参照すると、ラック100は、ラック100の長さに沿って配置される長手方向の回路基板120をさらに含む。
図1に示すように、回路基板120は、回路基板120の長さに沿って配置されたセンサ122のアレイを含み、センサ122の各ペア間の間隔は、予め選択された間隔に対応する。一実施形態において、センサ122の各ペア間の間隔は、ラック100に格納されるタバコのパック202の厚さに等しい。例えば、殆どのタバコのパック202の厚さは、23.5mmである。よって、センサ122の各ペアは、23.5mm離間することがある。
【0014】
図1に示すように、ラック100は、磁石キャリア124がシュー106の移動に沿ってラック100の長さに沿って前後に移動するように、シュー106の後端110に隣接して位置付けられるあるいは取り付けられる磁石キャリア124をさらに含んでよい。磁石キャリア124は、回路基板120の上方の予め選択された距離で磁石126を保持するように設計される。磁石キャリア124は、いつでも、磁石126がセンサ122のうちの1つの真上に位置付けられるように寸法決めされる。各センサ122は、センサ122によって検出されるように、磁石126と関連付けられる磁場の強度に対応する電圧信号を生成する。センサ122で検出される磁石126と関連付けられる磁場は、磁石がセンサ122に近づくかあるいは離れるにつれて変化する。よって、特定の実施形態において、センサ122によって生成される電圧信号は、センサ122に関する磁石126の位置に対応する。一例において、センサ122の各々は、ホール効果センサである。本開示の特定の実施形態は、ホール効果センサに関する本発明の態様を記載するが、当業者は、磁場の検出される強度に対応する電圧信号を生成することができる他のタイプのセンサが使用されてよいことを理解することができる。
【0015】
磁石126は、形状とサイズとの幾つかの組み合わせのうちの1つに対応してよい。一実施形態において、磁石126は、磁石の長手方向軸が回路基板120の長手方向軸に対して垂直であるように、磁石キャリア124と共に配置される円筒状の磁石である。この場合、センサ122は、磁石126がセンサ122の真上にまたはセンサ122に他の方法で最も近く位置付けられるときに、最大電圧値を生成する。この場合には、磁石126がセンサ122の真上に位置付けられないときに、センサ122は、電圧信号を生成しないことがあり、あるいは最小電圧値を生成することがある。代替的な実施形態において、磁石126は、磁石126の長手方向軸が回路基板120に対して平行であるように、磁石キャリア124と共に配置される円筒状の磁石である。この場合、磁石126の中心がセンサ122の真上に位置決めされ、磁石126の磁極がセンサ122の両側に位置決めされると、センサ122は、電圧信号を生成しない(例えば、0ミリボルト(mv))。この場合、センサ122は、磁石126(例えば、磁石の中心)が(例えば、前端102または後端104に向かって)ラック100上でセンサ122の一方の側に配置されると、正の電圧値を生成することがあり、磁石126(例えば、磁石の中心)が(例えば、前端102または後端104に向かって)ラック上のセンサ122の他方の側に配置されると、負の電圧値を生成することがある。加えて、センサ122は、磁石126がセンサ122から離れて移動するにつれて、より大きな絶対値を生成することがある。
【0016】
上述したように、センサ122の各ペア間の間隔は、ラック100に格納されるタバコのパック202の厚さに等しい。加えて、磁石キャリア124は、いつでも(例えば、ラック100に格納される任意の数のパック202について)、磁石126がセンサ122のうちの1つの真上に位置決めされるように設計される。例えば、磁石の長手方向軸が回路基板120に対して垂直になるように、磁石126が磁石キャリア124と共に配置される実施形態において、磁石キャリア124は、いつでも、磁石126がセンサ122のうちの1つの真上にあるように設計される。これは、任意の所与の時に、センサ122のうちの1つが最大電圧値を生成することを意味する。代替的な実施形態では、磁石126の長手方向軸が回路基板120に対して平行であるように、磁石126が磁石キャリア124と共に配置されるとき、磁石キャリア124は、いつでも(例えば、ラック100に格納される任意の数のパック202について)、磁石126の中心がセンサ122のうちの1つの真上に位置決めされるように設計される。これは、任意の所与の時に、センサの1つが「0」電圧値を生成するか、あるいは最小電圧値を生成することを意味する。
【0017】
代替的な実施形態では、磁石がシュー106の移動と共にラック100の長さに沿って前後に移動するように、磁石126は、シュー106に結合される(例えば、取り付けられる、あるいは内蔵される)。本開示の実施形態における議論は、磁石126が磁石キャリア124内に配置されるかあるいはシュー106に直接結合されるかにかかわらず当て嵌まることが留意されてよい。例えば、磁石126がシュー106に結合されるとき、磁石126は、いつでも、磁石126がセンサ122のうちの1つの真上に位置決めされるように、シュー106と共に配置されることができる。この実施形態では、磁石126が円筒状の磁石であるとき、磁石126は、磁石の長手方向軸が回路基板120の長手方向軸に対して垂直になるように、シュー106と共に配置されてよい。代替的な実施形態において、磁石126は、磁石126の長手方向軸が回路基板120に対して平行になるように、シュー106と共に配置されてよい。
【0018】
特定の実施形態において、各センサ122は、センサ122の平面が磁石126の磁極における磁界の方向に対して垂直になるように、回路基板120上で方向付けられる。例えば、各センサ122は、センサ122の平面が、磁束が流れる磁石126の平面と同一平面になるように、回路基板120上で方向付けられる。例えば、磁石126が円筒状の磁石であるとき、これは、各センサ122の平面が、磁束が流れる円筒状の磁石の両端の円形平面と同一平面にあることを意味する。
【0019】
一実施形態では、センサ122が複数の測定平面を有することがあり、平面の任意の1つは、磁石126によって生成される磁場を測定するために使用されることがある。そのような場合、センサ122は、センサ126の測定平面のうちの1つが磁石126の磁極における磁界の方向に対して垂直になるように、磁石126に対して方向付けられてよい。
【0020】
代替的な実施形態において、センサ122は、例えば、ミリテスラ(mT)単位の、デジタル磁束密度を出力する。この場合、センサ122によって生成される磁束密度測定値は、センサ122によって検出されるような磁石126と関連付けられる磁界の強度に対応する。本開示は、電圧測定値を出力するセンサ122を使用する実施形態について論じるが、磁束密度測定値を出力するセンサ122が使用されるときには、実施形態のいずれかが当て嵌まることが留意されてよい。
【0021】
図3は、本開示の特定の実施形態による、
図1の回路基板120の概略
図300を示す。
図3に示すように、回路基板120は、(122a~122nとして示される)センサ122のアレイと、信号ピン302のアレイと、プロセッサ304と、メモリ306と、ネットワークインターフェース308とを含む。各センサ122は、信号ピン302のうちの1つに電気的に結合され、センサ122によって生成される(310a~310nとして示される)電圧信号310を信号ピン302に出力する。プロセッサ304は、信号ピン302のアレイ、メモリ306およびネットワークインターフェース308に通信的に結合される。特定の実施形態において、プロセッサ304は、少なくともセンサ122のサブセットによって生成される電圧信号310に対応する電圧値322に基づいて、ラック100に格納されるタバコのパック202の数をインテリジェントにカウントする命令320を実行するように構成される。各センサ122には、回路基板120上のセンサ122の位置に対応する予め選択されたセンサ番号324が割り当てられる。例えば、各センサ122に割り当てられるセンサ番号324は、磁石126がセンサ122の真上にあるときに、ラック100に格納されるパック202の数に等しい。例えば、ラックの前端102からの第1のセンサである回路基板120上の第1のセンサ122aには、ラックに格納されるタバコの1つのパック202を表す番号「1」が割り当てられる。ラック100の後端104に隣接する回路基板120上の最後のセンサ122nには、ラックに格納されるパック202の「n」個を表す番号「n」が割り当てられる。各信号ピン302には、信号ピン302に電気的に結合されるセンサ122と同じ番号が割り当てられる。
【0022】
メモリ306は、センサ122によって生成されかつ信号ピン302で受信される電圧信号に対応する電圧値322を記憶するように構成される。追加的にまたは代替的に、メモリ306は、タバコのパック202を数えるための動作(operations)を含む本開示の実施形態に記載された動作を実装するためにプロセッサ304によって実行される命令320(例えば、ソフトウェアプログラム/コード)を記憶するように構成されてよい。
【0023】
プロセッサ304は、メモリ306に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサ304は、状態マシン、1つ以上の中央処理装置(CPU)チップ、論理ユニット、コア(例えばマルチコアプロセッサ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むが、これらに限定されない、任意の電子回路である。プロセッサ304は、プログラマブル論理デバイス、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、またはこれらの任意の適切な組み合わせであってよい。プロセッサ904は、メモリ306に通信的に結合され、メモリ306と信号通信する。1つ以上のプロセッサ304は、データを処理するように構成され、ハードウェアまたはソフトウェアで実装されてよい。例えば、プロセッサ304は、8ビット、16ビット、32ビット、64ビット、または任意の他の適切なアーキテクチャであってよい。プロセッサ304は、算術演算および論理演算を実行するための算術論理ユニットと、ALUにオペランドを供給し、ALU演算の結果を記憶する、プロセッサレジスタと、ALU、レジスタおよび他のコンポーネント(構成要素)の協調動作を指示することによってメモリから命令を取り出しかつ命令を実行する制御ユニットとを含んでよい。
【0024】
1つ以上のプロセッサ304は、様々な命令320を実装するように構成される。例えば、1つ以上のプロセッサ304は、命令320を実行して、本開示に記載される特定の動作を実装するように構成される。このようにして、プロセッサ304は、本明細書に開示された機能を実装するように設計された特殊目的コンピュータであることがある。1つ以上の実施形態において、プロセッサ304の機能は、論理ユニット、FPGA、ASIC、DSP、または任意の他の適切なハードウェアを使用して実装される。プロセッサ304は、
図1~
図10を参照して説明されるように動作するように構成される。例えば、プロセッサ304は、
図4および
図7にそれぞれ記載されるような方法400および方法700の少なくとも一部を実行するように構成されてよい。
【0025】
メモリ306は、1つ以上のディスク、テープドライブ、またはソリッドステートドライブを含み、そのようなプログラムが実行のために選択されるときにプログラムを記憶し、プログラム実行中に読み出される命令およびデータを記憶するように、オーバーフローデータ記憶装置として使用されることがある。メモリ306は、揮発性または不揮発性であってよく、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、三値コンテンツアドレス指定可能メモリ(TCAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、およびスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)を含んでよい。
【0026】
メモリ306は、とりわけ、センサ122によって生成される電圧値322、センサ番号324、および本明細書に記載する機能性を実装するための命令320を記憶するように動作可能である。以下にさらに詳細に説明するように、メモリ306は、ラック100の前端102からの各センサ(n)122の距離(dn)326、センサ122に対する磁石126の異なる位置についてセンサ122によって生成される電圧値に基づく各センサ122の電圧応答328、および各センサ122の電圧応答328と関連付けられる応答曲線の勾配330をさらに記憶することがある。メモリ306に記憶される命令は、本明細書に開示される機能性を実装するために動作可能な命令、論理、ルール、またはコードの任意の適切なセットを含んでよい。
【0027】
ネットワークインターフェース308は、有線通信および/または無線通信を可能にするように構成される。ネットワークインターフェース308は、回路基板120と他のデバイス、システム、またはドメイン(例えば、マスタコントローラ、クラウドインフラストラクチャなど)との間でデータを通信するように構成される。例えば、ネットワークインターフェース308は、Wi-Fiインターフェース、LANインターフェース、WANインターフェース、モデム、スイッチ、またはルータを含んでよい。プロセッサ304は、ネットワークインターフェース308を使用してデータを送受信するように構成される。ネットワークインターフェース308は、当業者に理解されるように、任意の適切なタイプの通信プロトコルを使用するように構成されてよい。
【0028】
プロセッサ304は、信号ピン302で受信される電圧信号に対応する電圧値を監視し、センサ122によって生成される電圧信号に対応する電圧値に基づいてラック100に格納されるタバコのパック202の数を決定する、ように構成される。
【0029】
(磁石126の長手方向軸が回路基板120に対して垂直であるときの標準サイズのタバコのパック202をカウントすること)
上述のように、ラック100に格納されるパック202の数に依存して、センサ122のうちの1つのみが最大電圧値を生成する。センサ122によって生成される最大電圧値は、磁石126がセンサ122の真上にあるときにセンサ122によって生成される電圧値または電圧値の範囲に対応することがある。上述のように、センサ122の各ペア間の間隔は、ラック100に格納されるタバコのパック202の厚さに等しい。加えて、磁石キャリア124は、いつでも(例えば、ラック100に格納される任意の数のパック202について)、磁石126がセンサ122のうちの1つの真上に位置決めされるように設計される。このセットアップは、ぐれぐらい多くのタバコのパック202がラック100に格納されるかにかかわらず、磁石126をセンサ122のうちの1つの真上に位置決めさせ、それぞれのセンサ122に最大電圧値を生成させる。例えば、第1のパック202がラック100に装填されると、磁石126は、第1のセンサ122aの真上に位置決めされて、センサ122aに最大電圧値を生成させる。ラック100にタバコの各追加パック202が装填されると、シュー106は、ラック100の後端104に向かって後方に移動して、パック202がラック202に完全に装填されるまで、磁石126を回路基板120上の次のセンサ122の真上の位置に移動させて、磁石126をラック100の後端104に隣接する回路基板120上の最後のセンサ122nの真上に位置決めさせる。ラックに格納されるパック202の数にかかわらず、センサ122のうちの1つの直ぐ上に磁石126を位置決めすることが可能である。何故ならば、センサ122の各ペア間の間隔は、ラックに格納されるパック202の厚さに等しいからである。一実施形態では、ラックが空であり、シューが前壁114に隣接して位置決めされるときに、磁石126は、センサ122のいずれの上にも位置決めされず、これは、いずれのセンサも、ラックが空であることを示す有効な電圧値を生成しないことを意味する。
【0030】
図4は、本開示の特定の実施形態による、ラック100に格納されるタバコのパックの数を決定するための例示的な方法400のフローチャートである。方法400は、
図3に示されかつ上述されるように、プロセッサ304によって実行されてよい。
【0031】
動作402で、プロセッサ304は、回路基板120内のセンサ122の少なくともサブセットによって生成される電圧信号310に対応する電圧値322をモニタリング(監視)する。例えば、プロセッサ304は、センサ122に電気的に結合される信号ピン302で受信される電圧信号310をモニタリングしかつ電圧測定デバイス(図示せず)を用いて電圧信号310に対応する電圧値322を測定することによって、センサ122のサブセットによって生成される電圧値322をモニタリングする。例えば、回路基板120は、信号ピン302で受信される電圧信号310を測定する電圧測定デバイス(例えば、電圧計)を含んでよい。
【0032】
センサ122のアレイ内のセンサ122のサブセットのみが、測定可能な電圧信号310を生成することがあることが留意されてよい。例えば、磁石126が、磁石126によって生成される磁場の強度に依存して、特定のセンサ122の上に位置決めされるときに、特定のセンサ122および特定のセンサ122の1つ以上の隣接するセンサ122は、測定可能な電圧信号310を生成することがある。磁場は、残りのセンサ122で低すぎるか、あるいは存在しないことがあり、その結果、残りのセンサ122は、測定可能な電圧信号310を生成しないことがある。
【0033】
動作404で、プロセッサ304は、最大電圧値がセンサ122のうちの1つから検出されるかどうかをチェックする。例えば、プロセッサ304は、いずれか1つの信号ピン302が最大電圧値を受信しているかどうかをチェックするために、信号ピン302をモニタリングしてよい。信号ピン302で最大電圧値を検出した後に、方法400は、動作406に進む。
【0034】
動作406で、信号ピン302で受信される電圧信号310をモニタリングすることに基づいて、プロセッサ304は、特定のセンサ122が最大電圧値を生成したことを検出する。上述したように、センサ122は、磁石126がセンサ122の真上または最も近くに位置決めされるときに、最大電圧値を生成する。
【0035】
動作408で、プロセッサ304は、最大電圧値を生成するために検出される特定のセンサ122に基づいて、ラック100に実際に格納されたタバコのパック202の数を決定する。上述のように、各センサ122には、回路基板120上のセンサ122の位置に基づいてラック100に配置されるパック202の特定の番号(例えば、センサ番号324)が割り当てられ、各センサに対応する特定の番号は、磁石がセンサの上方またはセンサに最も近くにあるときに、ラック100に格納されたパックの数に等しい。加えて、各信号ピン302には、信号ピン302に電気的に結合されるセンサ122と同じ番号が割り当てられる。最大電圧値を有する電圧信号を受信した信号ピン302に基づいて、プロセッサ304は、最大電圧値を生成した特定のセンサ122に対応する特定の番号を決定する。プロセッサは、特定のセンサ122に対応する特定の番号を、ラック100に実際に格納されたパック202の番号として割り当てる。
【0036】
図4を参照して論じた方法は、センサ122の各ペアの間の間隔がラックに格納されるタバコのパックの厚さに等しい限り、任意の厚さのタバコのパック202をカウントするために使用され得ることが留意されてよい。殆どの標準サイズのタバコパックの厚さは、23.5mmである。よって、一実施形態において、センサ122の各ペア間の間隔は、23.5mmに設定されてよく、これは、
図1、
図2Aおよび
図2Bに示すような装置が、標準サイズの殆どのパック202をカウントするために使用されることを可能にする。
【0037】
プロセッサ304は、(例えば、マスタコントローラから)コマンドを受信することに応答して、および/または特定のイベント(例えば、最大電圧値を生成するセンサの変化)を検出することに応答して、予めスケジュールされた時間に、定期的にパックをカウントするように構成されてよいことが留意されてよい。
【0038】
(センサ122のペア間に固定された間隔を持つ非標準サイズのタバコのパック202をカウントすること)
本開示の実施形態は、センサ122の電圧応答に基づいてセンサ122のペア間の距離を補間することによって、任意の厚さのタバコのパック202をインテリジェントにカウントするための技術を記載する。本開示において論じられる技術は、
図1、
図2A、
図2Bおよび
図3に示される単一の装置(ラック100)を使用して、任意の厚さのパック202をカウントすることを可能にする。ラックの単一の設計を使用してラックに格納され得る異なる厚さの品目をカウントすることによって、開示されるシステムおよび方法は、さもなければ異なるサイズのパックのためのカスタマイズされたラック設計を実装することと関連付けられる処理リソースおよびネットワーク帯域幅を節約する。
【0039】
例示および議論を容易にするために、本開示の例示的な実施形態は、センサ122の各ペア間の間隔が20mmであり、各センサの電圧応答範囲が-100mv~+100mvであると仮定して、パックカウントの決定を記載する。しかしながら、当業者は、他の応答範囲を有する他のセンサ間隔およびセンサが使用されてもよいことを理解することができる。例えば、センサの各ペア間の間隔は、(たとえ非標準サイズのタバコパック202がラック100に格納されているとしても)タバコの標準的なパックの厚さである23.5mmであってよい。さらに、回路基板120上に配置されるセンサ122のアレイ内の1つ以上のセンサ122は、異なる電圧応答曲線および異なる応答範囲を有することがあることが留意されてよい。さらに、本開示の実施形態は、ラック100に格納されるタバコのパック202の数をカウントするための技術を記載するが、同じ技術がラック100に格納され得る他の商品をカウントするために使用されてよいことに留意されてよい。
【0040】
ラック100に標準でない厚さのタバコパック202が装填されるとき、磁石126は、回路基板120の長さに沿う任意の位置をとることがある。これは、ラック100に格納される特定の数のパック202について、磁石126が、センサ122のうちの1つの上方またはセンサ122のペア間に位置決めされることがあることを意味する。以下にさらに詳細に説明するように、ラック100に格納されるパック202のカウントを決定することの一部として、プロセッサ304は、1つ以上のセンサ122の電圧応答を使用して、連続するセンサ122のペア間の磁石126の実際の位置を決定する。各センサ122の電圧応答は、センサ122に対する磁石126の異なる位置についてセンサ122によって生成される電圧値を表す。特定の実施形態において、磁石126は、磁石126の長手方向軸が回路基板120に対して平行になるように、磁石キャリア124と共に配置された円筒状の磁石として選択される。
【0041】
特定の実施形態において、各センサ122は、センサ122の平面が磁石126の磁極における磁界の方向に対して垂直になるように回路基板120上で方向付けられる。例えば、各センサ122は、センサ122の平面が、磁束が流れる磁石126の平面と同一平面にあるように、回路基板120上で方向付けられる。例えば、磁石126が円筒状の磁石であるとき、これは、各センサ122の平面が、磁束が流れる円筒状の磁石の両端にある円形平面と同一平面にあることを意味する。
【0042】
一実施形態において、センサ122が複数の測定平面を有することがあり、測定平面のいずれか1つが、磁石126によって生成される磁場を測定するために使用されてよい。そのような場合、センサ122は、センサ126の測定平面のうちの1つが磁石126の磁極における磁界の方向に対して垂直になるように、磁石126に対して方向付けられてよい。
【0043】
代替的な実施形態では、センサ122が、例えば、ミリテスラ(mT)単位の、デジタル磁束密度を出力する。この場合、センサ122によって生成された磁束密度測定値は、センサ122によって検出される磁石126と関連付けられる磁界の強度に対応する。本開示は、電圧測定値を出力するセンサ122を使用する実施形態を論じるが、実施形態のいずれも、磁束密度測定値を出力するセンサ122が使用されるときに当て嵌まることが留意されてよい。例えば、ラック100に格納されるパック202のカウントを決定する一部として、プロセッサ304は、(例えば、電圧応答の代わりに)1つ以上のセンサ122の磁束密度応答を使用して、連続するセンサ122のペア間の磁石126の実際の位置を決定してよい。この場合、全ての電圧測定値は、磁束密度測定値に置き換えられてよい。
【0044】
図5は、本開示の特定の実施形態による、センサ122のアレイに関する磁石126の例示的な構成500を示す。
【0045】
図5に示すように、磁石126は、細長い円筒状の磁石であり、磁石126の長手方向軸502は、回路基板120に対して平行である。例示的な構成500は、回路基板120上に配置された(S1、S2、S3、S4、S5として示される)をセンサ122含む。以下の説明では、センサを参照するために、参照番号「122」および「S1~S5」が互換的に使用されることがあることが留意されてよい。この構成では、センサ122は、磁石126の中心504がセンサ122の上方に位置決めされ、磁石126の磁極506および508がセンサ122の両側に位置決めされるときに、電圧信号を生成しない(例えば、0ミリボルト(mv)値)。センサ122は、磁石126(例えば、磁石126の中心504)が回路基板120上のセンサ122の一方の側(例えば、回路基板120の長さに沿って左側または右側)に位置決めされるときに正の電圧値を生成することがあり、磁石126(例えば、磁石の中心504)が回路基板120上のセンサ122の他方の側(例えば、回路基板120の長さに沿って左側または右側)に位置決めされるときに負の電圧値を生成することがある。例えば、センサ122は、磁石126の中心504が回路基板120の長さに沿って磁石126の左側に位置決めされるときに正の電圧値を生成し、磁石126の中心504が回路基板120の長さに沿って磁石126の右側に位置決めされるときに負の電圧値を生成する。加えて、センサ122は、磁石126がセンサ122の両側でセンサ122から離れるにつれて、より大きな絶対電圧値を生成することがある。
【0046】
図6は、本開示の特定の実施形態による、
図5に示す各磁石に関する電圧応答の例示的なプロット600を示す。X軸は、ラックの前端102からの距離を含むラック100の長さに沿った磁石126の位置を示す。代替的な実施形態において、X軸上の距離は、回路基板120の前端から測定されてよい。回路基板120の前端は、ラック100の前端102と一致する場合もあれば一致しない場合もあることが留意されてよい。いずれにせよ、距離がラックの前端102からまたは回路基板120の前端から測定されるときには、以下の方法が機能する。以下の議論は、距離がラック100の前端102から測定されると仮定する。
【0047】
図6に示すように、センサ122の各ペアは、20mmで離間し、ラックの前端102から、S1が30mm、S2が50mm、S3が70mm、S4が90mm、S5が110mmにある。Y軸は、磁石がラック100の前端102からラック100の後端104へ移動する際の、センサS1~S5の各々に関する(例えば、ミリボルト(mv)単位の)電圧応答を示す。
図6に示すように、各センサ122は、磁石126がセンサ122の上方に位置するときに0mvを生成し、磁石126がセンサ122の左側で特定の距離内に位置決めされるときに正の電圧値を生成し、磁石126がセンサ122の右側で特定の距離内に位置決めされるときに負の電圧値を生成する。例示的なプロット600から分かるように、磁石126が各センサ122の両側で特定の距離を越えて位置決めされるときに、センサ122は、磁石126と関連付けられる磁界を検出せず、よって、0mv電圧を生成する。例示的なプロット600に示されるように、各センサ122の電圧範囲は、-100mv~+100mvである。以下の議論は、磁石の長さが、センサの各ペア間の間隔と同じであると仮定し、この例では、20mmである。この場合、磁石126の中心が特定のセンサ122の上方に位置決めされるときに、隣接するセンサは、最大絶対電圧値の半分またはほぼ半分を生成する。例えば、磁石126の中心504がS2の上方に位置決めされるときに、S2は、0mvを生成し、隣接するセンサS1及びS3は、それぞれ、-50mv(またはほぼ-50mv)および+50mv(またはほぼ+50mv)を生成する。さらに、磁石126の中心が2つの連続するセンサ122の中間点に位置決めされるときに、2つのセンサは、最大絶対電圧値またはほぼ最大絶対電圧値を生成する。例えば、磁石126の中心504がS1とS2のほぼ中間に位置決めされると、S1およびS2は、それぞれ、-100mv(またはほぼ-100mv)および+100mv(またはほぼ+100mv)を生成する。
【0048】
磁石126の他の長さが選択されてよいことに留意されてよい。一実施形態では、センサ122の各ペア間の最大間隔は、磁石126の長さに等しい。
【0049】
ラック100に格納されるパック202の数を決定するために、プロセッサ304は、先ず、ラックの前端102からの磁石の距離(d)を計算することによって、ラック100の長さに沿った磁石126の位置を決定するように構成される。次に、プロセッサ304は、ラック100の前端からの磁石の決定された距離に基づいて、ラックに格納されたパック202の数を計算する。
【0050】
メモリ306は、センサ122に対する磁石126の異なる位置についてセンサ122によって生成される電圧値322に基づいて各センサ122の電圧応答328を記憶することがある。例えば、メモリ306は、
図6に示すように、センサS1~S5の電圧応答328を記憶する。追加的にまたは代替的に、メモリ306は、各センサ122の電圧応答328と関連付けられた応答曲線の勾配330を記憶することがある。例えば、メモリ306は、センサS1~S5と関連付けられた応答曲線のそれぞれの勾配330を記憶する。センサ122の応答曲線と関連付けられる勾配330は、磁石126の中心がセンサ122から離れるように移動するmmの距離毎にセンサによって記録された電圧変化の量を示す。例示的なプロット600から分かるように、各センサS1~S5の応答曲線と関連付けられる勾配は、線形である。センサ122と関連付けられる応答曲線のこの線形特性は、以下では、2つのセンサ122間の磁石の位置を決定するために使用される。加えて、メモリ306は、ラック100の前端からの各センサnの距離(dn)326を記憶してよい。例えば、メモリは、d1=30mm、d2=50mm、d3=70mm、d4=90mm、およびd5=110mmを記憶する。
【0051】
図7は、本開示の特定の実施形態による、ラック100に格納された非標準サイズのタバコのパックの数を決定するための例示的な方法700のフローチャートである。方法700は、
図3に図示されかつ上述されたように、プロセッサ304によって実行されてよい。
【0052】
動作702で、プロセッサ304は、センサ122の少なくともサブセットによって生成される電圧信号310に対応する電圧値322をモニタリングする。例えば、プロセッサ304は、センサ122に電気的に結合された信号ピン302で受信された電圧信号310をモニタリングしかつ電圧測定デバイス(図示せず)を用いて電圧信号310に対応する電圧値322を測定することによって、センサ122のサブセットによって生成される電圧値322をモニタリングする。例えば、回路基板120は、信号ピンで受信される電圧信号310を測定する電圧測定デバイス(例えば、電圧計)を含んでよい。
【0053】
センサ122のアレイ内のセンサ122のサブセットのみが、測定可能な電圧信号310を生成することがあることが留意されてよい。例えば、磁石126が、磁石126によって生成される磁界の強度に依存して、特定のセンサ122の上に位置付けられるときに、特定のセンサ122および特定のセンサ122の1つ以上の隣接するセンサは、測定可能な電圧信号310を生成することがある。磁場は、残りのセンサ122では低すぎるかあるいは存在しないことがあり、その結果、残りのセンサ122は、測定可能な電圧信号310を生成しないことがある。
【0054】
動作704で、プロセッサ304は、第1のセンサ122が第1の最大絶対電圧値を生成し、第2のセンサ122が第2の最大絶対電圧値を生成したことを検出し、第1の最大絶対電圧値および第2の最大絶対電圧値は、アレイ内のセンサ122によって生成された電圧値322の中からの2つの最大電圧値である。例えば、電圧値を生成するセンサ122のサブセットの中から、サブセットの2つのセンサ122は、センサ122のサブセットによって生成された全ての電圧値のうちの最大の2つの電圧値を生成することがある。換言すれば、プロセッサ304は、センサ122のサブセットによって生成された電圧値から2つの最大電圧値を生成したことが検出された2つのセンサ122を選択するように構成される。
【0055】
動作706で、プロセッサ304は、第1のセンサ122および第2のセンサ122が回路基板120上の連続するセンサ122であるかどうかをチェックする。プロセッサ304は、第1及び第2の最大絶対電圧値を受信した信号ピン302に基づいて、この決定を行うことがある。例えば、各信号ピン302は、ピン番号に対応することがある。上述のように、各信号ピン302は、単一のセンサ122に電気的に結合され、そのセンサ122によって生成された電圧信号を受信する。信号ピン302のピン番号は、信号ピン302に電気的に結合されたセンサ122の位置に対応することがある。例えば、信号ピン1は、センサS1に対応することがあり、信号ピン2は、センサS2に対応することがあり、信号ピンnは、センサSnに対応することがある。よって、プロセッサ304は、第1および第2のセンサ122からそれぞれの電圧信号310を受信した信号ピン302のピン番号を検査することによって、回路基板120上の第1および第2のセンサ122の位置を決定することがある。第1および第2のセンサ122に対応する2つの信号ピンのピン番号が連続するときに、プロセッサ304は、第1および第2のセンサ122が回路基板120上に連続して配置されていると決定する。他方、第1および第2のセンサ122に対応する2つの信号ピンのピン番号が連続しないときに、プロセッサ304は、第3のセンサ122が回路基板120上の第1および第2のセンサ122の間に配置されていると決定する。本開示に記載されるラック100の設計に基づいて、2つの最大電圧値を生成する第1および第2のセンサ122の配置に関しては、上述の2つの代替のみが可能であることが留意されてよい。換言すれば、第1のセンサ122及び第2のセンサ122は、回路基板120上に連続的に配置されるか、あるいは単一の第3のセンサ122が第1のセンサ122と第2のセンサ122との間に配置される。
【0056】
プロセッサ304が、第1のセンサ122および第2のセンサ122が連続するセンサではないことと、第3のセンサ122が第1のセンサ122と第2のセンサ122の間に配置されていることを決定するときに、方法700は、動作708に進む。動作708で、プロセッサ304は、第1のセンサ122と第2のセンサ122との間に配置される第3のセンサ122の位置を決定する。上述のように、メモリ306は、ラック100の前端からの各センサ122の距離326を記憶する。プロセッサ304は、ラック100の前端からの第3のセンサ122の距離をメモリ306から取得することによって、第3のセンサ122の位置を決定してよい。例えば、
図5に戻って参照すると、第1のセンサがS2であり、第2のセンサS4である場合、S2とS4との間に配置される第3のセンサはS3である。プロセッサ304は、センサの前端からのセンサS3の距離326をメモリ306から取得する。例えば、
図3に示された例示的なプロット600に戻って参照すると、センサの前端からのS3の距離は70mmである。
【0057】
動作710で、プロセッサ304は、ラック100の前端からの第3のセンサ122の距離に少なくとも部分的に基づいて、ラック100の長さに沿ったシュー106の位置を決定する。上述のように、シュー106の位置は、ラック100の長さに沿った磁石126の位置に対応する。よって、プロセッサ304は、ラック100の長さに沿った磁石126の位置を決定する。ここでの仮定は、第1のセンサ122及び第2のセンサ122が最大の2つの電圧値を生成するときに、磁石126は、それらの間に配置される第3のセンサ122の上方に位置決めされるということである。上述のように、磁石126の中心が特定のセンサ122の上方に位置決めされるときに、隣接するセンサは、最大絶対電圧の半分(またはほぼ半分)を生成する。例えば、磁石126の中心504がS3の上方に位置決めされるときに、S3は、0mv(またはほぼ0mv)を生成し、隣接するセンサS2およびS4は、-50mv(またはほぼ-50mv)および+50mv(またはほぼ+50mv)をそれぞれ生成する。よって、S2およびS4が50mvまたはほぼ50mvの2つの最大絶対電圧値を生成するときには、磁石126の中心がS3の上方に位置決めされると仮定されてよい。この場合、磁石126の位置は、S3の位置と同じである。よって、プロセッサ304は、ラック100の前端からの第3のセンサの距離326を、ラック100の前端からの磁石126の距離(dm)として決定する。例えば、プロセッサ304は、ラック100の前端からのセンサS3の距離(dS3=70mm)を、ラック100の前端102からの磁石の距離(dm)として決定する。
【0058】
一実施形態では、任意の確認ステップとして、プロセッサ304は、第3のセンサ122が0mvまたはほぼ0mvの電圧値を生成することを検出してよい、それは磁石126の中心が第3のセンサ122の上方に位置決めされることの確認として機能する。
【0059】
プロセッサ304が、第1のセンサ122および第2のセンサ122が連続するセンサであると動作706で決定すると、方法700は、動作712に進む。
【0060】
動作712で、第1のセンサ122および第2のセンサ122が回路基板120上の連続するセンサであると決定することに応答して、プロセッサ304は、回路基板上の2つのセンサ122の位置、2つのセンサ122の電圧応答、および2つのセンサによって生成される実際の電圧値322に基づいて、第1のセンサ122と第2のセンサ122との間の磁石126の位置を決定する。ここでの仮定は、2つの連続するセンサ122が2つの最大絶対電圧値を生成するときに、磁石126(例えば、磁石126の中心)が2つの連続するセンサ122の間に位置決めされるということである。例えば、連続的に位置決めされる第1のセンサ及び第2のセンサがそれぞれS2及びS3である場合、これは磁石126の中心がセンサS2及びS3の間に位置決めされていることを示す。
【0061】
磁石126(例えば、磁石126の中心)が第1のセンサ122と第2のセンサ122との間に位置決めされと仮定すると、プロセッサ304は、以下の式(1)に基づいてラック100の前端102からの磁石126(例えば、磁石126の中心)の距離(d
m)を決定してよい
【数1】
ここで、
dm=ラック100の前端102からの磁石の距離であり、
dS1=ラック100の前端102からの第1のセンサ122の距離326であり、
VS2=第1のセンサ122によって生成された実際の電圧値322であり、
SlopeS1=第1のセンサ122の電圧応答328と関連付けられる応答曲線の勾配330であり、
dS2=ラック100の前端102からの第2のセンサ122の距離326であり、
VS2=第2のセンサ122によって生成された実際の電圧値322であり、
SlopeS2=第2のセンサ122の電圧応答328と関連付けられる応答曲線の勾配330である。
【0062】
上述のように、メモリ306は、ラック100の前端からの各センサ122の距離326を記憶する。メモリ306は、各センサ122の電圧応答328と関連付けられる応答曲線の勾配330も記憶する。よって、上記の例において、プロセッサ304は、メモリからdS1、SlopeS1、dS2およびSlopeS2の値を取得して、ラック100の前端からの磁石126の距離(dm)を計算する。上述のように、磁石126の決定される位置は、ラック100の長さに沿ったシュー106の位置に対応する。
【0063】
図6に戻って参照すると、第1のセンサがS2でありかつ第2のセンサがS3であると仮定するdmの例示的な計算において、dS1=50mm、SlopeS1=(-10)mv/mm、dS2=70mm、SlopeS2=(+10)mv/mm、VS1=-100mv、およびVS2=+100mvである場合、dmは、以下の式(a)に従って計算されてよい
【数2】
【0064】
よって、センサの前端からの磁石126の距離は、60mmである。
【0065】
動作714で、プロセッサ304は、ラック100の前端からの磁石126の距離(dm)(例えば、以前の動作712で決定されたdm)に少なくとも部分的に基づいてラックに実際に格納されたタバコのパック202の数を決定する。
【0066】
プロセッサ304は、以下の式(2)に基づいてラックに実際に格納されたパック202の数(N)を決定してよい。
【数3】
ここで、
dm=ラック100の前端102からの磁石126の距離であり、
D=磁石126/シュー106がラック100に装填されたあらゆるパック202について移動する距離である。
【0067】
特定の実施形態では、特定の厚さのパック202について、メモリ306は、磁石126がラック100に装填されたあらゆるパック202について移動する距離(D)332を記憶する。D332の値は、異なる厚さのあらゆるパックまたは商品について異なることが留意されてよい。
【0068】
以前の段落からの例に続いて、dm=60mmおよびD=20mmである場合、ラックに実際に格納されたパックの数(N)は、以下のように計算されることができる。
【数4】
【0069】
特定の実施形態において、D332の値は、較正ステップにおいて決定されてよい。例えば、ラック100を較正するコマンドを受信することに応答して、プロセッサ304は、較正モードを開始してよい。プロセッサ304が較正モードにある間に、ユーザ(例えば、店員)は、特定の厚さの既知の数のパック202をラック100に装填してよい。特定の厚さの特定の数のパック202がラック100に装填される毎に、プロセッサ304は、ラック100に格納されている既知の数のパック202について、ラック100の前端102からの磁石126の距離(dm)を計算する。プロセッサ304は、ラック100に装填されるパック202の少なくとも2つの異なる既知の数と関連付けられるdmの値に基づいて、磁石126がラック100に装填される特定の厚さのあらゆるパック202について移動する距離(D)332を決定することがある。
【0070】
例えば、第1ステップにおいて、プロセッサ304が較正モードにある間に、ユーザは、特定の厚さの1つのパック202をラック100に装填する。これに応答して、プロセッサは、dm=20mmを計算する。第2のステップにおいて、ユーザは、同じ特定の厚さの3つのパック202をラック100に装填する。これに応答して、プロセッサは、dm=60mmを計算する。プロセッサ304は、以下の式(3)に基づいて、磁石126がラック100に装填される特定の厚さのあらゆるパック202について移動する距離(D)332を決定してよい。
【数5】
ここで、
C1=ラック100に格納されたパック202の第1の既知の数であり、
d1=ラック100に格納されたパック202の第1の既知の数に対応するラック100の前端からの磁石126の距離であり、
C2=ラック100に格納されたパック202の第2の既知の数であり、ここで、C2>C1であり、
d2=ラック100に格納されたパック202の第2の既知の数に対応するラック100の前端からの磁石126の距離である。
【0071】
上記の例に続いて、プロセッサ304は、次のようにD332を以下のように計算してよい。
【数6】
【0072】
これは、磁石126がラック100に装填される特定のサイズのあらゆるパック202についてラック100の長さに沿って20mm移動することを意味する。
【0073】
プロセッサ304が特定の厚さのパック202についてD332の値をひとたび決定すると、プロセッサ304は、較正モードから出て、ラック100に実際に記憶された同じ特定の厚さのパック202を計算する際の後続の使用のためにD332の決定された値をメモリ306に記憶する。D332の値は、異なる厚さを有するパック202について異なるので、上述の較正ステップは、較正されていない厚さのパック202をラック100に格納する前に実行される必要がある場合があることが留意されてよい。
【0074】
本方法700は、タバコのパック202の数をカウントすることに関して説明されるが、本方法700は、ラック100に格納されることができる均一な厚さのあらゆる商品/品目をカウントするために使用されてよいことが留意されてよい。
【0075】
(磁石126の長手方向軸が回路基板120に対して平行であるときに標準サイズのタバコのパック202をカウントすること)
図8は、本開示の特定の実施形態による、ラック100に格納された標準サイズのタバコのパックの数を決定するための例示的な方法800のフローチャートである。方法800は、
図3に図示されかつ上述されたように、プロセッサ304によって実行されてよい。
【0076】
動作802で、プロセッサ304は、少なくともセンサ122のサブセットによって生成された電圧信号310に対応する電圧値322をモニタリングする。例えば、プロセッサ304は、センサ122に電気的に結合された信号ピン302で受信された電圧信号310をモニタリングすることによって、ならびに電圧測定デバイス(図示せず)を使用して電圧信号310に対応する電圧値322を測定することによって、センサ122のサブセットによって生成された電圧値322をモニタリングする。例えば、回路基板120は、信号ピン302で受信された電圧信号310を測定する電圧測定デバイス(例えば、電圧計)を含んでよい。
【0077】
センサ122のアレイ内のセンサ122のサブセットのみが、測定可能な電圧信号310を生成することがあることが留意されてよい。例えば、磁石126が、磁石126によって生成される磁界の強度に依存して、特定のセンサ122の上に位置決めされるときに、特定のセンサ122および特定のセンサ122の1つ以上の隣接するセンサは、測定可能な電圧信号310を生成することがある。磁場は、残りのセンサ122で低すぎるか、あるいは存在しないことがあり、その結果、残りのセンサ122は、測定可能な電圧信号310を生成しないことがある。
【0078】
動作804で、プロセッサ304は、2つの最大電圧値322が、センサ122のサブセットによって生成される電圧値322にわたって検出されるかどうかをチェックする。例えば、プロセッサ304は、信号ピン302のうちの2つで2つの最大電圧値322を受信することがある。プロセッサ304が、信号ピン302のうちの2つで2つの最大電圧値322を検出する場合、方法800は、動作806に進む。
【0079】
動作806で、プロセッサ304は、第1のセンサ122が第1の最大絶対電圧値を生成し、第2のセンサ122が第2の最大絶対電圧値を生成したことを検出し、第1の最大絶対電圧値および第2の最大絶対電圧値は、アレイ内のセンサ122によって生成される電圧値322の中からの2つの最大電圧値である。例えば、電圧値を生成するセンサ122のサブセットの中から、サブセットの2つのセンサ122は、センサ122のサブセットによって生成される全ての電圧値322のうちの最大の2つの電圧値を生成することがある。換言すれば、プロセッサ304は、センサ122のサブセットによって生成された電圧値322の中からの2つの最大電圧値を生成したように検出される2つのセンサ122を選択するように構成される。
【0080】
上述のように、センサ122の各ペア間の間隔がラック100に格納されたパック202の厚さに等しいときに、磁石キャリア124は、ラック100に格納された任意の数のパック202について、磁石126の中心がセンサ122のうちの1つの上方に位置決めされるように設計されてよい。同様に上述したように、磁石126の中心504が特定のセンサ122の上方に位置決めされるときに、隣接するセンサは、最大絶対電圧の半分(またはほぼ半分)を生成する。例えば、磁石126の中心504がセンサS3の上方に位置決めされるときに、センサS3は、0mv(またはほぼ0mv)を生成し、隣接するセンサS2及びS4は、-50mv(またはほぼ-50mv)および+50mv(またはほぼ+50mv)をそれぞれ生成する。よって、S2およびS4が、50mvまたはほぼ50mvの2つの最大絶対電圧値を生成するときに、磁石126の中心はS3の上方に位置決めされると仮定されてよい。この場合、磁石126の位置は、S3の位置と同じである。
【0081】
よって、動作808で、第1のセンサ122が第1の最大絶対電圧値を生成し、第2のセンサ122が第2の最大絶対電圧値を生成したことを検出することに応答して、プロセッサ304は、磁石126(例えば、磁石126の中心)が第1のセンサ122と第2のセンサ122との間に配置される第3のセンサ122の上方に位置決めさ、第1のセンサ122、第3のセンサ122および第2のセンサ122は、回路基板120上の連続するセンサ122であると決定する。
【0082】
動作810で、プロセッサ304は、第1のセンサ122と第2のセンサ122との間に配置される第3のセンサ122に対応する特定の数のパック202に基づいて、ラック100に実際に格納されたタバコのパック202の数を決定する。上述のように、各信号ピン302は、ピン番号に対応してよい。さらに、各信号ピン302は、単一のセンサ122に電気的に結合され、そのセンサ122によって生成される電圧信号310を受信する。信号ピン302のピン番号が、信号ピン302に電気的に結合されるセンサ122の位置に対応することがある。例えば、信号ピン1は、センサS1に対応することがあり、信号ピン2は、センサS2に対応することがあり、信号ピンnは、センサSnに対応することがある。よって、プロセッサ304は、第1および第2のセンサ122からそれぞれの電圧信号310を受信した信号ピン302のピン番号を検査することによって、回路基板120上の第1および第2のセンサ122の位置を決定してよい。プロセッサ304は、第1および第2のセンサ122のピン番号に基づいて、第3のセンサ122のピン番号を決定してよい。例えば、第1および第2のセンサ122に対応する信号ピン302のピン番号がそれぞれ2および4であるときに、プロセッサ304は、第3のセンサ122に対応する信号ピン302のピン番号を3として決定してよい。
【0083】
上述のように、各センサ122には、回路基板120上のセンサ122の位置に基づいてラック100内に配置されたパック202の特定の番号が割り当てられ、各センサ122に対応する特定の番号(例えば、センサ番号324)は、磁石126がセンサ122の上方にあるかあるいはセンサ122に最も近いときに、ラック100に格納されるパックの数に等しい。加えて、各信号ピン302には、信号ピン302に電気的に結合されたセンサ122と同じ番号が割り当てられる。よって、第3のセンサ122の信号ピン302のピン番号に基づいて、プロセッサ304は、第3のセンサ122に対応する特定の番号を決定する。プロセッサは、第3のセンサ122に対応する特定の番号を、ラック100に実際に格納されたパック202の数として割り当てる。例えば、第3のセンサ122のピン番号が3であるときに、プロセッサは、ラック100に実際に格納されたパック202の数を3として決定する。
【0084】
1つ以上の実施形態において、プロセッサ304は、ラック100に格納されたパック202の数がパック202の予め設定された閾値数に等しいかあるいはそれを下回るときに、警告メッセージを生成するように構成されてよい。例えば、プロセッサ304は、ラック100に格納されたパック202の数が、ラック100に維持されるべきパック202の予め設定された閾値数と等しいかあるいはそれを下回るかを決定することに応答して、警告メッセージを生成するように構成されてよい。警告メッセージは、ラックの識別子と、ラックに実際に記憶されたパック202の数とを含んでもよい。プロセッサは、ネットワークインターフェース308を使用して警告メッセージをマスタコントローラまたはクラウドインフラストラクチャに送信するように構成されてよい。例えば、在庫管理者または店員は、警告メッセージを見て、ラック100に再装填してよい。
【0085】
(店舗のシュリンケージ低減)
店舗棚からの商品の窃盗は、店舗に実質的な損失を与える重大な問題である。店舗棚から盗まれた商品の迅速かつ的確な検出は、窃盗者を捕まえて、盗まれた商品を回収することを助ける。タバコのパックは、しばしば、タバコラック100へのアクセスを有する店員によって盗まれる。現在、タバコラックからのタバコパックの窃盗を迅速かつ正確に検出できる効果的な技術的解決策は存在しない。
【0086】
本開示の実施形態は、ラック100からのタバコのパック202の窃盗をインテリジェントに検出するための技術を論じる。
【0087】
図9は、本開示の特定の実施形態による、タバコのパックの窃盗を検出するためのシステム900の概略図を示す。
【0088】
図9に示すように、システム900は、ラック100と、対話デバイス920(相互作用デバイス)と、ラック100および対話デバイス920に通信的に結合されたマスタコントローラ902とを含む。マスタコントローラ902は、メモリ908と、ネットワークインターフェース906と、メモリ908およびネットワークインターフェース906に通信的に結合されたプロセッサ904とを含む。
【0089】
プロセッサ904は、メモリ908に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサ904は、状態マシン、1つ以上の中央処理装置(CPU)チップ、論理ユニット、コア(例えばマルチコアプロセッサ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むが、これらに限定されない、任意の電子回路構成である。プロセッサ904は、プログラマブル論理デバイス、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、またはこれらの任意の適切な組み合わせであってよい。プロセッサ904は、メモリ908に通信的に結合され、メモリ908と信号通信する。1つ以上のプロセッサは、データを処理するように構成され、ハードウェアまたはソフトウェアで実装されてよい。例えば、プロセッサ904は、8ビット、16ビット、32ビット、64ビット、または任意の他の適切なアーキテクチャであってよい。プロセッサ904は、算術演算および論理演算を実行するための算術論理ユニット(ALU)と、ALUにオペランドを供給しかつALU演算の結果を記憶するプロセッサレジスタと、ALU、レジスタおよび他のコンポーネントの協調動作を指示することによってメモリから命令を取り出しかつそれらを実行する制御ユニットとを含むことがある。
【0090】
1つ以上のプロセッサ904は、様々な命令910を実装するように構成される。例えば、1つ以上のプロセッサ904は、マスタコントローラ902を実装するために命令910を実行するように構成される。このようにして、プロセッサ904は、本明細書に開示される機能を実装するように設計された特殊目的コンピュータであってよい。1つ以上の実施形態において、マスタコントローラ902は、論理ユニット、FPGA、ASIC、DSP、または任意の他の適切なハードウェアを使用して実装される。マスタコントローラ902は、
図9~
図10を参照して説明したように動作するように構成される。例えば、マスタコントローラ902は、
図10に記載されるような方法1000の少なくとも一部を実行するように構成されてよい。
【0091】
メモリ908は、1つ以上のディスク、テープドライブ、またはソリッドステートドライブを含み、そのようなプログラムが実行のために選択されるときにプログラムを記憶し、プログラム実行中に読み出される命令910およびデータを記憶するために、オーバーフローデータ記憶装置として使用されることがある。メモリ908は、揮発性または不揮発性であってよく、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、三値コンテンツアドレス指定可能メモリ(TCAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、およびスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)を含んでよい。
【0092】
メモリ908は、とりわけ、ラック100(例えば、回路基板120)から受信されるメッセージ912を含むメッセージ912、対話デバイス920から受信されるメッセージ912、およびマスタコントローラ902の機能性を実装するための命令910を格納するように動作可能である。メモリ908に記憶される命令910は、マスタコントローラ902を実行するように動作可能な命令、論理、ルール、またはコードの任意の適切なセットを含んでよい。
【0093】
ネットワークインターフェース906は、有線通信および/または無線通信を可能にするように構成される。ネットワークインターフェース906は、マスタコントローラ902と他のデバイス、システム、またはドメイン(例えば、ラック100の回路基板120、対話デバイス920など)との間でデータを通信するように構成される。例えば、ネットワークインターフェース906は、Wi-Fiインターフェース、LANインターフェース、WANインターフェース、モデム、スイッチ、またはルータを含むことがある。プロセッサ904は、ネットワークインターフェース906を使用してデータを送受信するように構成される。ネットワークインターフェース906は、当業者に理解されるように、任意の適切なタイプの通信プロトコルを使用するように構成されてよい。
【0094】
対話デバイス920は、
図9に示すようなマスタコントローラ902と同様に実装されてよいことが留意されてよい。例えば、対話デバイス920は、プロセッサと、プロセッサによって実行されるときにそれぞれの機能性を実装する命令を記憶するメモリとを含むことがある。
【0095】
対話デバイス920は、販売場所(POS)デバイス/端末を含んでよい。本開示は、「対話デバイス920」および「POSデバイス/端子920」という用語を互換的に使用することがある。POSデバイス920は、ユーザが、クレジットカード、デビットカード、スマートカード、現金自動預払機(ATM)カードおよびその他のタッチレス決済方法のような、様々な決済手段を使用して支払を行うことを可能にするように、食料品店、ガソリンスタンド、ホーム改良店、衣料品店およびレストランを含むが、これらに限定されない、多数の事業体で使用されることがある。POSデバイス920は、クレジットカードまたはATM/デビットカードの背面にある磁気ストライプに記憶されたアカウント情報をキャプチャするカードリーダ922を含むことがある。POSデバイス920は、英数字記号を持つ多数のボタンと「ENTER(入力)」、「CLEAR(消去)」および「CANCEL(取消)」のような幾つかの追加ボタンとを有するキーパッド924を追加的に含んで、ユーザがATM/デビットまたはクレジットカードと関連付けられるPIN、クレジットカードと関連付けられる郵便番号、および/または決済取引を完了するためにユーザによって入力される必要がある他の情報を入力することを可能にする。POSデバイス920は、ユーザと通信するための視覚的インターフェースを提供するディスプレイスクリーン926含んでもよい。決済取引を実行するために、POSデバイス920のユーザは、カードリーダ922を通じてカードをスライドさせる。次に、取引の詳細は、ディスプレイ926上でユーザに表示される。次に、ユーザは、キーパッド924を介して、セキュリティ検証コードまたはPIN番号のような取引に関する追加的な情報を入力することができる。ユーザによって入力される情報は暗号化され、安全な通信チャネルを通じて銀行または他の取引情報交換所(clearinghouse)に送信される。取引がひとたび承認されると、ユーザは、ディスプレイ926を介して通知される。
図9に示されるPOSデバイス920は例示的な目的のためのものにすぎず、当業者は任意のタイプのPOSデバイス/端末が本開示の実施形態において使用されてよいことが、留意されてよい。
【0096】
対話デバイス920は、タバコの1つ以上のパック202を含むデータ対話(インタラクション)を処理するように構成される。タバコの1つ以上のパック202を含むデータ対話は、対話デバイス920によるタバコの1つ以上のパックの販売を処理することを含むことがある。
【0097】
図10は、本開示の特定の実施形態による、ラック100に格納されたタバコのパックの窃盗を検出するための例示的な方法1000のフローチャートである。方法1000は、
図9に示され、上述されたように、マスタコントローラ902によって実行されてよい。
【0098】
動作1002で、マスタコントローラ902は、ラック100から第1の通信信号930(戻って
図9を参照)を受信する。例えば、第1の通信信号930は、ネットワークインターフェース308を使用してラック100と関連付けられる回路基板120のプロセッサ304によって送信され、ネットワークインターフェース906を使用してマスタコントローラ902によって受信される。第1の通信信号930は、第1の数のタバコのパック202がラック100から取り外されたことを示す第1のメッセージを含み、ラック100に格納されたタバコのパック202のタイプと関連付けられる統一商品コード(UPC)をさらに含む。
【0099】
UPCまたはUPCコードは、店舗内の品目を追跡するために世界中で広く使用されているバーコードシンボルである。UPCは、一般に、各品目に一意に割り当てられる12桁で構成される。例えば、タバコのパック202の各々の異なるタイプは、パック202上に一般的に印刷される異なるUPCと関連付けられる。よって、パック202と関連付けられるUPCは、パック202のタイプを一意に識別し、同じタイプの全てのパック202は、同じUPCと関連付けられる。
【0100】
特定の実施形態では、ラック100の回路基板120と関連付けられたプロセッサ304が、タバコの1つ以上のパック202がラック100から取り外されたことを検出するときに、プロセッサ304は、ラック100から取り外されたパック202の数およびラック100から取り外されたパック202と関連付けられるUPCの表示を少なくとも含む第1のメッセージを生成する。ラック100の回路基板120のメモリ306は、ラック100に格納されるパック202と関連付けられるUPCを格納することがある。プロセッサ304は、メモリ306からパック202と関連付けられたUPCを取得し、UPCを第1メッセージに含めることがある。1つ以上の実施形態において、ラック100から取り外されたパック202の数の第1のメッセージに含まれる指標(indication)は、ラック100に実際に格納されたパック202の数を含む。例えば、プロセッサ304は、ラック100に格納されたパック202の数をカウントし、パック202のカウントされた数とパック202と関連付けられたUPCとを含む第1のメッセージを生成し、第1のメッセージを含む第1の通信信号930をマスタコントローラ902に送信するように構成される。プロセッサ304は、磁石126がラックの長さに沿って移動したことを検出することに応答して、ラック100に格納されたパック202の数をカウントするように構成されてよい。プロセッサ304は、センサ122によって生成された電圧値が変化したことを検出することに応答して、磁石126が移動したことを検出することがある。プロセッサ304は、プロセッサ304がラック100に格納されたパック202をカウントするたびに、第1のメッセージを含む第1の通信信号930をマスタコントローラ902に送信するように構成されてよい。追加的にまたは代替的に、プロセッサ304は、予め設定されたスケジュールに基づいておよび/または予め設定されたトリガ(例えば、シュー106/磁石126の移動)に基づいて、周期的に、マスタコントローラ902からコマンドを受信することに応答して、第1の通信信号930をマスタコントローラ902に送信してよい。マスタコントローラ902は、ラック100から受信されるパック202のカウントをメモリ908に記憶するように構成されてよい。ラック100から第1の通信信号930を受信した後に、マスタコントローラ902は、第1のメッセージからパック202の数を抽出し、受信したパック202の数をメモリ908に記憶されたパック202の以前の数と比較するように構成されてよい。比較に基づいて、最新の第1のメッセージで受信されるパック202の数がメモリに記憶されたパック202の以前の数より少ないと決定した後に、マスタコントローラ902は、少なくとも1つのパック202がラック100から取り外されたと決定する。加えて、パックの最新の数をパックの以前の数と比較することに基づいて、マスタコントローラ902は、ラック100から取り外されたパックの数を決定することがある。
【0101】
追加的なまたは代替的な実施形態において、ラック100から取り外されたパック202の数の第1のメッセージに含まれる指標は、ラック100から取り外されたパック202の実際の数を含む。例えば、プロセッサ304は、ラック100に格納されたパック202の最新のカウントからラック100に格納されたパック202の最新のカウントを少なくともメモリ306に記憶するように構成されてよい。プロセッサ304がラック100に格納されたパック202をカウントすると、プロセッサ304は、パックの新しいカウントをメモリ306に記憶されたパックの以前のカウントと比較する。新しいカウントが以前のカウントよりも小さいと決定した後に、プロセッサ304は、1つ以上のパックがラック100から取り外されたと決定し、新しいカウントと以前のカウントとの比較に基づいて取り外されたパックの数をさらに決定する。プロセッサ304は、第1の通信信号930をマスタコントローラ902に送信するために第1のメッセージ内のラック100から取り外されたパックの決定された数を含む。
【0102】
動作1004で、マスタコントローラ902は、対話デバイス920から受信される通信信号940(戻って
図9を参照)をモニタリングする。マスタコントローラ902は、ネットワークインターフェース906を使用して対話デバイス920から通信信号940を受信してよい。一実施形態において、マスタコントローラ902は、(例えば、ラック100から受信される第1の通信信号930に基づいて)第1の数のタバコのパックの202がラック100から取り外されたと決定することに応答して、対話デバイス920から受信される通信信号940をモニタリングし始めてよい。対話デバイス902から受信される通信信号940は、対話デバイス920で実行されるデータ対話を示すことがある。例えば、製品を含む(例えば、タバコの1つ以上のパック202のような商品の販売を含む)データ対話が対話デバイス920で実行されるときに、対話デバイス920は、通信信号940をマスタコントローラ902に送信するように構成されてよい。通信信号940は、対話デバイス920によって処理される1つ以上のデータ対話に関する情報を有するメッセージを含んでよい。例えば、メッセージは、タバコの1つ以上のパック202を含む対話デバイス920によって処理されるデータ対話に関する情報を含んでよい。タバコの1つ以上のパック202を含むデータ対話に関するこの情報は、データ対話の一部として含まれるパックの数と、データ対話に含まれた各パック202と関連付けられたUPCとを含んでよい。例えば、1つ以上のパック202を含むデータ対話は、対話デバイス920によって処理される1つ以上のパックの販売に対応することがある。以下にさらに詳細に説明するように、対話デバイス920から受信される通信信号940をモニタリングすることに基づいて、マスタコントローラ902は、ラック100から取り外されたパック202を含む1つ以上のデータ対話が対話デバイス920によって処理されたかどうかを決定してよい。一実施形態では、対話デバイス920は、タバコのパック202を含むデータ対話に関する通信信号940をマスタコントローラ902に送信するように構成されてよい。
【0103】
動作1006で、対話デバイス920から受信される通信信号940に基づいて、マスタコントローラ902は、ラック100から取り外された第1の数のタバコのパック202を含むデータ対話が対話デバイス920によって処理されたかどうかを、第1の数のパック202がラック100から取り外された時からの予め設定された時間期間でチェックする。上述のように、対話デバイス920から受信される通信信号940は、対話デバイス920によって処理されるタバコのパック202を含むデータ対話に関する情報を有するメッセージを含んでよい。この情報は、データ対話の一部として含まれるパックの数と、データ対話に含まれた各パック202と関連付けられるUPCとを含むことがある。対話デバイス920によって処理されるデータ対話に関する情報に基づいて、マスタコントローラ902は、ラック100から取り外されたパック202を含む1つ以上のデータ対話が対話デバイス920によって処理されたかどうかを決定することがある。例えば、マスタコントローラ902は、データ対話に含まれる各パックと関連付けられるUPCを、ラック100から取り外された第1の数のパックと関連付けられるUPCと比較することがある。データ対話に含まれたパックと関連付けられたUPCが、ラック100から取り出された第1の数のパックと関連付けられたUPCと一致するときに、マスタコントローラ902は、ラック100から取り外されたパックを含むデータ対話が対話デバイスによって完了したと決定する。マスタコントローラ902が、対話デバイス920で1つ以上のデータ対話に含まれる同数のパックを有するラック100から取り外された第1の数のパックについてUPCマッチを確認することができるときに、マスタコントローラ902は、ラック100から取り外された第1の数のパック202が対話デバイス920でデータ対話において処理されたと決定する。他方、通信信号940が対話デバイス920から受信されないときに、または対話デバイス920によって処理された1つ以上のデータ対話に含まれるパックのUPCがラック100から取り外されたパックと関連付けられるUPCと一致しないときに、マスタコントローラ902は、ラック100から取り外された第1の数のパック202が対話デバイス920でのデータ対話において処理されなかったと決定し、それは第1の数のパック202の潜在的な窃盗を示す。
【0104】
マスタコントローラ902は、ラック100から取り外された第1の数のパック202が、第1の数のパック202がラック100から取り外された時からの予め設定された時間期間内に対話デバイス920でのデータ対話において処理されたかどうかを決定するように構成されてよい。一実施形態において、マスタコントローラ902は、第1の数のパック202がラック100から取り外されたことを(第1の通信信号930に基づいて)決定することに応答してタイマを開始し、タイマは、予め設定された時間期間の後に満了するように設定される。マスタコントローラ902が、タイマの満了前に、ラック100から取り外された第1の数のパック202が対話デバイス920でのデータ対話において処理されたと判決定する場合、マスタコントローラ902は、第1の数のパック202が予め設定された時間期間内に対話デバイス920によって処理されたと決定する。第2の実施形態において、ラック100から第1の通信信号930の一部として受信される第1のメッセージは、第1の数のパック202がラック100から取り外された時間を含むタイムスタンプを含んでよい。マスタコントローラ902が、ラック100から取り外された第1の数のパック202が、タイムスタンプからの予め設定された時間期間内に対話デバイス920でのデータ対話において処理されたと決定する場合、マスタコントローラ902は、第1の数のパック202が予め設定された時間期間内に対話デバイス920によって処理されたと決定する。第3の実施形態において、マスタコントローラ902は、第1の通信信号930がラック100から受信された時間を記録するように構成されてよい。マスタコントローラ902が、ラック100から取り外された第1の数のパック202が記録された時間からの予め設定された時間期間内に対話デバイス920でのデータ対話において処理されたと決定する場合、マスタコントローラ902は、第1の数のパック202が予め設定された時間期間内に対話デバイス920によって処理されたと決定する。
【0105】
マスタコントローラ902が、ラック100から取り外された第1の数のパック202が予め設定された時間期間内に対話デバイス920でのデータ対話において処理されたと(動作1006で)決定する場合、方法1000は、動作1010に進み、動作1010で、マスタコントローラ902は、ラック100から取り外された第1の数のパック202が、対話デバイス920での1つ以上のデータ対話において処理されたことを記録する。
【0106】
マスタコントローラが、ラック100から取り外された第1の数のパック202が予め設定された時間期間内に対話デバイス920でのデータ対話において処理されなかったと(例えば、動作1006で)決定すると、方法1000は、動作1008に進み、動作1008で、マスタコントローラ902は、警告メッセージを(例えば、店舗マネージャまたは資産保護チームのコンピューティングデバイスに)送信する。警告メッセージは、ラック100から取り外されたタバコのパック202が対話デバイス920によって処理されていないという指標、ラック100から取り出されたパック202の第1の数、パック202と関連付けられたUPC、ラック100と関連付けられたラック番号、およびラック100からパック202が取り外された時間を含むタイムスタンプのうちの少なくとも1つを含んでよい。一実施形態において、ラック100から第1の通信信号930の一部として受信される第1のメッセージは、ラックと関連付けられたラック番号を含む。追加的にまたは代替的に、警告メッセージは、第1の数のパック202がラック100から取り外された時に対話デバイス920を操作するユーザ(例えば、店員)の識別を含んでよい。一般に、対話デバイス920を操作するために、ユーザは、ユーザに一意のセキュリティ信任状を入力する必要がある。セキュリティ信任状は、通常、ユーザの識別(identity)と関連付けられる。対話デバイス920は、マスタコントローラ902に送信される通信信号940の一部として対話デバイス920を現在操作しているユーザの識別を送信してよい。対話デバイスを操作するユーザの識別と共に、潜在的な窃盗の時宜を得た検出及び警告は、窃盗に責任を有する当事者を特定し、盗まれた商品を回復するのに役立つ。さらに、システムは、潜在的な窃盗者が商品を盗もうとするのを阻止することがあり、それもシュリンケージ低減(shrinkage reduction)を助ける。
【0107】
方法1000はタバコのパック202に関して説明されるが、方法1000はラック100に格納されることができる均一な厚さの任意の商品/品目に関して使用される場合があることが留意されてよい。
【0108】
図11は、本開示の特定の実施形態による、
図1に示される複数のラックを接続するための例示的なネットワークトポロジ1100を示す。
【0109】
典型的な店舗は、1つ以上の棚に配置された複数のラック100を有する。ネットワークトポロジ1100(network topology)は、マスタコントローラ902と通信する複数のラック100の例示的なネットワーク構成である。
図11に示すように、ネットワークトポロジ1100は、(100a、100b、100c...100nとして示される)複数のラック100と、デイジーチェーンで接続されたマスタコントローラ902とを含む。各ラック100は、インバウンドコネクタ(例えば、回路基板120上の1つ以上の入力ピン)と、アウトバウンドコネクタ(例えば、回路基板120上の1つ以上の出力ピン)とを含む。インバウンドコネクタは、他のデバイス(例えば、他のラック100またはマスタコントローラ902)からデータを受信するために使用されることがあり、アウトバウンドコネクタは、他のデバイス(例えば、他のラック100またはマスタコントローラ902)へデータを送信するために使用されることがある。各ラック100は、それぞれのネットワークインターフェース308を使用してデータを送受信することがある。例えば、インバウンドコネクタで受信されるデータは、ネットワークインターフェース308にルーティング(経路指定)されることがある。さらに、ネットワークインターフェース308は、アウトバウンドコネクタを介してデータを送信することがある。
【0110】
図11に示すように、マスタコントローラ902は、第1のラック100aのインバウンドコネクタに接続される。次いで、第1のラック100aは、そのアウトバウンドコネクタを通じて第2のラック100bのインバウンドコネクタに接続される。この接続シーケンスは、全てのラック100a~100nが接続されるまで繰り返され、最後のラック100nのアウトバウンドコネクタは戻ってマスタコントローラに接続され、リングトポロジ(ring topology)を形成する。図示のように、デイジーチェーン内のデータは、マスタコントローラ902から第1のラック100aへ、1つのラックから次のラックへ直列に流れ、次に、デイジーチェーン内の最後のラック100nからマスタコントローラ902へ戻る。
【0111】
各ラック100は、それぞれのメモリ306にアドレスを記憶する。特定のラック100のアドレスは、マスタコントローラ902が特定のラック100にコマンドを発行し、特定のラック100から来るデータを解釈して関連付けるために使用するものである。アドレスは、単純なシーケンス番号であることがあり、最初は定義されない。システム始動時に(例えば、コールドスタートまたはマスタコントローラ902のリセットで)、マスタコントローラ902は、「アドレス消去(Clear Address)」コマンドを第1のラック100aに渡して、ラック100aにそのアドレスを消去するように指示する。第1のラック100aは、そのアドレスを消去し、次いで、同じコマンドを第2のラック100bに送信/転送する。これは、最後のラック100nが「アドレス消去」コマンドをマスタコントローラ902に送り返すまで、デイジーチェーンの終わりまで続き、それは全てのラックがそれらのアドレスを消去したことをマスタコントローラ902に示す。
【0112】
全てのラック100の全てのアドレスを消去した後に、マスタコントローラ902は、ネットワーク内の全てのラック100へのアドレスの割り当てをもたらすシーケンスを開始する。これはマスタコントローラ902によって第1のラック100aに渡される0x0001(16進数)のアドレス値を持つ「アドレス設定(Set Address)」コマンドで開始する。このコマンドを受信した後に、第1のラック100aは、そのアドレスを0x0001に設定し、その値を1だけ増分し、「アドレス設定」コマンドおよび新しい値を第2のラック100bに渡す。第2のラック100bは、その独自のアドレスを設定し、値を増分し、コマンドを第3のラック100cに渡す。これは、最後のラック100nがそのアドレスを設定し、値を増分し、「アドレス設定」コマンドをマスタコントローラに戻すまで、チェーンを下行し続ける。マスタコントローラ902がこのコマンドおよびそれに戻されたアドレスを見ると、それはそれが取り付けられるラックの数のカウント(例えば、最後に受信されたアドレス値から1を引いた値)を有する。実際には、ラック100が追加されないか、取り外されないか、再設定されないか、あるいは故障を経験しない限り、ラック100は、リセット、パワーサイクルなどの間に、常に同じアドレスを有する。
【0113】
全てのラック100がアドレスをひとたび選択すると、マスタコントローラ902は、ラックに格納されたパック202の現在のカウントのために任意の1つのラックに命令することがある。例えば、マスタコントローラ902は、ラック100のアドレスと共に「現在カウントの取得(Get Current Count)」コマンドを送信してよい。コマンドは、コマンドに含まれる一致するアドレスを持つ標的ラックがコマンドを受信するまで、チェーンを下って渡される。標的ラックは、チェーン内の次のラックに「現在カウント(Current Count)」応答を送信し、応答は、標的ラックに格納されたパック202の最新のカウントと、標的ラックのアドレスとを含む。応答は、チェーンを下行してマスタコントローラ902に渡され、マスタコントローラは、応答を、応答に含まれるアドレスから標的ラックから受信されたものとして解釈する。幾つかの実施形態では、上述のように、チェーン内のラック100は、要求されていない「変更されたカウント(Count Changed)」メッセージ(例えば、
図10の第1メッセージ)をマスタコントローラ902に送信することがある。上述のように、「変更されたカウント」メッセージは、ラックから取り外された1つ以上のパックが対話デバイス920によって処理されたかどうかを決定するために使用されることがある。
【0114】
幾つかの実施形態が本開示において提供されるが、開示されるシステムおよび方法は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、多くの他の特定の形態で具現される場合があることが理解されるべきである。本例は、限定的ではなく、例示的なものと考えられるべきであり、意図は、本明細書に与えられた詳細に限定されない。例えば、様々な要素またはコンポーネントは、別のシステムに組み合わされるかあるいは統合されてよく、あるいは、特定の構成は、省略されることがありあるいは実装されないことができる。
【0115】
加えて、様々な実施形態において個別または別個として記載および図示される技術、システム、サブシステム、および方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術、または方法と組み合わされてよく、あるいは統合されてよい。互いに結合されあるいは直接結合されあるいは通信するように図示されあるいは議論される他の品目は、電気的であれ、機械的であれ、あるいは別の方法であれ、幾つかのインターフェース、デバイス、または中間コンポーネントを通じて間接的に結合されあるいは通信することがある。変更、置換、および改変の他の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書に開示された精神および範囲から逸脱することなく行われることができる。
【0116】
特許庁および本出願に対して発行されるあらゆる特許のあらゆる読者が本明細書に添付される特許請求の範囲を解釈する際に役立つように、本出願人は、「~のための手段」または「~のためのステップ」の語が特定の請求項において明示的に使用されない限り、添付の請求項のいずれも、本明細書の出願日に存在するものとして特許法第112条(f)を発動することを意図しないことに留意する。
【外国語明細書】