(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118527
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ラインカッター
(51)【国際特許分類】
B26B 27/00 20060101AFI20240826BHJP
A01K 97/00 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B26B27/00 F
A01K97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024847
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】598139184
【氏名又は名称】福山 明彦
(72)【発明者】
【氏名】福山 明彦
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA05
3C061AA26
3C061EE01
3C061EE07
(57)【要約】
【課題】
本発明は、釣り糸側だけを手で持って刃に当てていくことで釣り糸を切断するラインカッターにおいて、釣り糸の太さが太いものであっても切断可能となるラインカッターを提供することを課題とするものである。
【解決手段】
プレート部と軸棒と丸刃を有し、前記プレート部から前記軸棒が突き出され、その軸棒に前記丸刃が回転自由に前記プレート部に近接して係合され、前記プレート部には丸刃の外径の外側から徐々に外径に近づいて、さらに丸刃の外径の内側に入り込む曲線状のスリットを設けることで解決している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、釣り糸側だけを手で持って刃に当てていくことで釣り糸を切断するラインカッターにおいて、プレート部と軸棒と丸刃を有し、前記プレート部には、前記軸棒を嵌め合いで固定する軸穴を有し、この軸穴から前記軸棒を突き出し、その軸棒に前記丸刃が回転自由に前記プレート部に近接して係合され、前記プレート部には曲線状のスリットを有し、そのスリットは前記丸刃における外径の外側から徐々に外径に近づいて、さらに丸刃の外径の内側に入り込む曲線状のスリットを有することを特徴とするラインカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣りの仕掛けを作る際に釣り糸を一定の長さで繰り返し切断していくラインカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の釣りの仕掛け作りにおいては、釣り糸を一定の同じ長さに切断する必要が生じることが多く、特には枝針仕掛けなどの多点針仕掛けにおいては、仕掛け巻きに収めるために同じ長さで切断することが求められた。
【0003】
このような背景から釣り糸の一方の端部を輪にしてピンに引っ掛けて、釣り糸のもう一方側を手で持って、平刃のカッターナイフに押し当てて、連続して同じ長さに切断する方法があった。
【0004】
しかしながら、例えば釣り糸がナイロンラインの場合、号数が3号程度であれば、前述の方法で容易に切断できるものの、例えば10号を超える太さのナイロンラインなどは切断することが出来なかった。
【0005】
枝針を使う釣りとして、アジ釣りや、キス釣りのように、釣り糸の太さが細いものは従来の平刃に当てるだけのラインカッターを活用することが出来たが、青物などを狙うような喰わせサビキなどの釣りでは釣り糸の太さがナイロンで言えば10号以上となることから従来の平刃に当てて切断する方法では切断できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、釣り糸側だけを手で持って刃に当てていくことで釣り糸を切断するラインカッターにおいて、釣り糸の太さが太いものであっても切断可能となるラインカッターを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するために、すなわち、釣り糸側だけを手で持って刃に当てていくことで釣り糸を切断するラインカッターにおいて、釣り糸の太さが太いものであっても切断可能となるラインカッターを提供するために、プレート部と軸棒と丸刃を有し、このプレート部には、前記軸棒を嵌め合いで固定する軸穴を有し、その軸穴から前記軸棒を突き出し、その軸棒に前記丸刃が回転自由に前記プレート部に近接して係合され、前記プレート部には曲線状のスリットを有し、そのスリットは丸刃における外径の外側から徐々に外径に近づいて、さらに丸刃の外径の内側に入り込む曲線状のスリットを設けることで解決している。
【0008】
このようにすることで、切断したい釣り糸の一方の端部を輪にしてピンに引っ掛けるなどで起点として固定した上で、釣り糸の他方側を手で持って、釣り糸を前記プレート部のスリットに入れていき釣り糸は曲線状のスリットに導かれて徐々に丸刃に押し当てられ、押し当てられた丸刃は釣り糸と同調して回転しながら、さらに釣り糸は丸刃の外径の内側までスリットにより導かれることで太い釣り糸であっても軽い力で切断できるものとして解決している。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、釣り糸側だけを手で持って刃に当てていくことで釣り糸を切断するラインカッターにおいて、釣り糸の太さが太いものであっても切断可能となるラインカッターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係るラインカッターの使用方法の説明用斜視図である。
【
図4】丸刃3hの周辺部分を起点部2側から見た斜視図である。
【
図5】丸刃3hの周辺部分を使用時の操作する手H側から見た斜視図である。
【
図6】丸刃3hの周辺部分を軸棒に垂直方向からみた断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るラインカッターの使用方法の説明用斜視図である。
図2は、
図1の起点部2を示す斜視図である。
図3は、
図1の切断部3を示す斜視図である。
図1、
図2、
図3を用いて本発明に係る実施例の使用方法を説明していくものとする。
【0012】
本実施例の装置は3つの部位から構成されており、一つ目の部位として、釣りの仕掛けを作る装置の土台としてレール1があり、二つ目の部位として、前記レール1の上部にはT溝1aが形成されており、そのレール1のT溝1aに、釣り糸Lの一方端部を引っ掛けて起点とするための起点部2があり、三つ目の部位として、前記釣り糸Lの他方端部を手で握って切断刃に釣り糸L当てていき一定の長さに切断するための切断部3が係合されており、それぞれ、起点部2と切断部3はレール1のT溝1aの範囲でスライドして所定の位置で固定できるものとしている。
【0013】
使用方法は、釣りの仕掛け作りに使う釣り糸Lの端部を環が形成されるように結ぶか、もしくは釣り糸の端部にサルカンを結びつけるなどにより釣り糸の一方端部に環を設け、この環を起点部2のピン2bに引っ掛けるものとし、次に釣り糸Lの他方端部側を操作する手Hで摘まんで、そのまま釣り糸Lを切断部3の切断刃に誘導し切断するものである。
【0014】
次に起点部2について
図2を使って説明していくものとする。起点部2は、レール1上部で起点部2を自由にスライドさせ所定の位置で締め込んで固定する時に握るツマミ2aと、ツマミ2aを貫通して嵌め合いにより係止するピン2bと、レール1のT溝1aに嵌まってスライドするナット2cを有し、ピン2bは前述の釣り糸の端部に形成した環をかけるものとし、ピン2bの一方の先端部は異径とし段付きで細くすることで釣り糸が下がらないようにしている。またピン2bの他方のレール1側の端部は雄ネジが切られており、雌ネジが切られたツマミ2aを貫通して装着され、貫通した雄ネジ部にナット2cを取り付けている。このナット2cは前記レール1のT溝1aに嵌め込まれ前記ツマミ2aで締め付けることでレール1に固定できるものでとしている。
【0015】
次に切断部3について
図3、
図4、
図5、
図6を使って説明していくものとする。切断部3は、L型のアングル部材の一方の平板部分を底板部3aとし、この底板部3aにレール1のT溝1aに嵌め込まれたナット3cに固定するための取り付け穴を設け、この取り付け穴にネジ3bを通して前記ナット3cに締め込んで前記アングル部材をレール1に固定している。
【0016】
また、前記L型のアングル部材の他方の平板部分を切断刃を取り付けるプレート部3dとし、このプレート部3dには、軸棒3gを嵌め合いで固定する軸穴を有し、その軸穴から軸棒3gを突き出し、その軸棒3gに丸刃3hが回転自由にプレート部3dに近接して係合され、プレート部3dには曲線状のスリット3fを有し、そのスリット3fは前記丸刃3hにおける外径の外側から徐々に外径に近づいて、さらには丸刃3hの外径の内側に入り込む曲線状のスリットとしている。
【0017】
このようにすることで、切断したい釣り糸Lの一方の端部を輪にしてピンに引っ掛けるなどで起点として固定した上で、釣り糸Lの他方端部側を操作する手Hで摘まんで、釣り糸Lを前記プレート部3dのスリット3fに入れていくことで釣り糸Lは曲線状のスリット3fに導かれて徐々に丸刃3hに押し当てられ、押し当てられた丸刃3hは釣り糸Lと同調して回転しながら切り込んでいくものとなり、さらに釣り糸Lを操作する手Hで下げていくと、釣り糸Lは丸刃3hにおける外径の内側に入り込むスリット3fに導かれることで丸刃3hは釣り糸Lと同調して回転し切り込んで切断するものである。このように丸刃3hと釣り糸Lを同調して切り込むことで太い釣り糸であっても軽い力で容易に切断できるものとして解決している。
【0018】
図6について説明する。
図6は、丸刃3hの周辺部分を軸棒の垂直方向からみた断面斜視図であり、軸棒3gに丸刃3hが回転自由にプレート部3dに近接して係合しているものであるが、丸刃3hの刃先が露出していると怪我をするなど危険であることから、プレート部3aから刃先が隠れる程度に丸刃3hにおける外径より僅かに大きな径で彫り込んでいる。なお、丸刃3hの回転がスムーズになるようにスラストワッシャー3jで丸刃3hを挟んだ上で、セットカラー3iを軸棒3gに被せて押し当てて丸刃3hは回転自由にプレート3dに近接して係合しているものである。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、釣りの仕掛けを作る際に釣り糸を一定の長さで繰り返し切断していくラインカッターとして提供する事ができる。
【符号の説明】
【0020】
1 レール
1a T溝
2 起点部
2a ツマミ
2b ピン
2c ナット
3 切断部
3a アングル部材
3b 底板部
3c ネジ
3d ナット
3e プレート部
3f 軸穴
3g スリット
3h 軸棒
3i 丸刃
3j セットカラー
3k スラストワッシャー
H 操作する手
L 釣り糸