IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特開2024-118531情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システム
<>
  • 特開-情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システム 図1
  • 特開-情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システム 図2
  • 特開-情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システム 図3
  • 特開-情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システム 図4
  • 特開-情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118531
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240826BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20240826BHJP
   G08C 15/06 20060101ALI20240826BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240826BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20240826BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240826BHJP
   H04W 48/04 20090101ALI20240826BHJP
【FI】
H04W76/10
G08C15/00 E
G08C15/06 G
H04Q9/00 301Z
H04W4/38
H04W64/00
H04W48/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024855
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】川本 康貴
【テーマコード(参考)】
2F073
5K048
5K067
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AB01
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC07
2F073CD11
2F073DD07
2F073DE01
2F073FF01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
5K048BA34
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB10
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH23
(57)【要約】
【課題】基地局とセンサノードの両方又はいずれに、個別に設定又は変更が必要な情報がある場合でも、オペレータが設置位置に出向かずに設定又は変更することができるようにする。
【解決手段】本発明は、センサネットワークを構成する複数のセンサノードのそれぞれからセンサデータを収集して、情報管理装置に転送する情報収集装置において、情報管理装置によって示された、複数のセンサノードのそれぞれの計測対象の属性を含むセンサ設定情報を記憶するセンサ設定情報記憶手段と、複数のセンサノードのそれぞれとの接続時に、複数のセンサノードのそれぞれに対して、対応するセンサ設定情報を送信するセンサ設定情報設定手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサネットワークを構成する複数のセンサノードのそれぞれからセンサデータを収集して、情報管理装置に転送する情報収集装置において、
前記情報管理装置によって示された、前記複数のセンサノードのそれぞれの計測対象の属性を含むセンサ設定情報を記憶するセンサ設定情報記憶手段と、
前記複数のセンサノードのそれぞれとの接続時に、前記複数のセンサノードのそれぞれに対して、対応する前記センサ設定情報を送信するセンサ設定情報設定手段と
を備えることを特徴とする情報収集装置。
【請求項2】
自装置の位置情報を推定する位置推定手段と、
前記情報管理装置と通信するものであり、前記自装置の位置情報を前記情報管理装置に送信する通信手段と、
前記通信手段を通じて、前記情報管理装置によって転送許可された前記センサノードのセンサデータを、前記情報管理装置に転送するセンサデータ転送手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記情報通信装置によって示された、センサデータ種類に応じた通信設定に関するネットワーク設定情報を記憶するネットワーク設定情報記憶手段と、
前記複数のセンサノードのそれぞれとの接続時に、前記複数のセンサノードのそれぞれに対して、対応する前記センサ設定情報を送信するネットワーク設定情報設定手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報収集装置。
【請求項4】
センサネットワークを構成する情報収集装置により収集された複数のセンサノードのそれぞれからのセンサデータを前記情報収集装置から取得して、管理する情報管理装置において、
前記複数のセンサノードのそれぞれの計測対象の属性を含むセンサ設定情報を取得するセンサ設定情報取得手段と、
前記複数のセンサノードを収容している前記情報収集装置に、対応する前記センサ設定情報を開示するセンサ設定情報開示手段と
を備えることを特徴とする情報管理装置。
【請求項5】
前記複数のセンサノードの位置情報を含むセンサ位置情報を取得するセンサ位置情報取得手段と、
前記情報収集情報の位置情報を前記情報収集装置から取得し、前記センサ位置情報と、前記情報収集装置の位置情報とに基づいて、前記複数のセンサノードについて前記情報収集装置により収容されるか否かを判定する推定手段と、
前記推定手段により前記情報収集装置により収容されるものと判定されるとき、前記情報収集装置に対して転送許可情報を送信する通信手段と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の情報管理装置。
【請求項6】
センサデータ種類に応じた通信設定に関するネットワーク設定情報を取得するネットワーク設定情報取得手段と、
前記複数のセンサノードを収容している前記情報収集装置に、対応する前記ネットワーク設定情報を開示するネットワーク設定情報開示手段と
を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の情報収集装置。
【請求項7】
センサネットワークを構成する複数のセンサノード及び情報収集装置と、
前記情報収集装置により収集された複数のセンサノードのそれぞれからのセンサデータを取得して管理する情報管理装置と
を備える情報管理システムにおいて、
前記情報収集装置は、請求項1に記載の情報収集装置に対応し、
前記情報管理装置は、請求項4に記載の情報管理装置に対応する
ことを特徴とする情報管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システムに関し、例えば、センサネットワークの基地局、サーバ及びセンサネットワークシステムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、体育・保健体育科の授業においてもInformation and Communication Technology(情報通信技術、以下ICT)を活用することが行なわれており、その1つの活用例として、例えば、センサネットワークシステムを用いて、児童の体調管理を行なうものが考えられている。例えば、体育の授業で、児童一人ひとりに無線通信機能を持つセンサを取り付け、児童の心拍数、体温、歩数等の体調データをセンサがセンシングし、複数のセンサのそれぞれのセンサデータを基地局が収集し、ネットワークを介して基地局がサーバに送信するというものである。
【0003】
従来、このようなセンサネットワークシステムを構築する際、基地局設置時に、オペレータが設置場所(例えば学校など)に出向き、オペレータが基地局に必要な情報を設定しなければならず、オペレータにとって煩わしい作業となっている。
【0004】
この問題の一例を挙げる。例えば、児童の体調データをリアルタイム(例えば、遅延1秒以内)で収集するアプリケーションを想定した場合、1台の基地局で収容するセンサの数が多くなりすぎると、データ収集性能が落ちてしまい、アプリケーションの要求を満たさなくなる。この問題を回避するため、基地局設置時に、オペレータが収容するセンサ(例えば、1クラス30人分等)を予め設定している。
【0005】
また、特許文献1と非特許文献1のそれぞれの記載技術を組み合わせることも考えられ、その例を、図5を用いて説明する。
【0006】
特許文献1は、携帯端末を収容するフェムトセル基地局に、契約者の携帯端末情報を事前に設定しておくことで、フェムトセル経由でネットワークへ接続できる携帯端末を制限することが記載されている。また、非特許文献1は、位置情報を元に無線基地局が契約者宅に設置されていることを確認し、契約者との契約に基づいて通信サービスを提供することが記載されている。
【0007】
図5において、まず、サーバ30では、センサ位置情報入力部302が、センサ20と、センサ20の情報を入手したいセンサ利用位置情報とを対にしたセンサ位置情報リストを事前に取得する。
【0008】
その後、センサネットワーク基地局10では、電源投入時に、基地局位置情報推定部101が自局(センサネットワーク基地局10)の位置情報を推定し、サーバ通信部102がその位置情報をサーバ30に与える。
【0009】
これにより、サーバ30では、基地局推定部307が、センサ利用位置情報リストを参照して、入手したいセンサの利用位置情報と、取得したセンサネットワーク基地局10の設置位置とに基づいて、どのセンサネットワーク基地局10にセンサ20が収容されているかを特定して、その特定したセンサネットワーク基地局10にセンサデータの転送を許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009-207106号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】ソフトバンク株式会社,企業ホームページ,インターネット・固定電話,“SoftBank Air 家庭用Wi-fi/ホームルータ”紹介ページ,日本,検索日:2022年12月22日検索,https://www.softbank.jp/internet/air/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上述したようなセンサネットワークにおいて、個別に設定が必要なセンサを利用したい場合がある。
【0013】
例えば、心拍数、体温、歩数(以下、体調情報)を測定する体調モニタリングセンサは、センサノードを装着している人の個人情報(例えば身長、体重、年齢)をセンサに設定することが必要であるが、その個人情報の設定もオペレータが現地で設定している。
【0014】
また「アクセス制御方式としてTDMAを採用しており、どのセンサノードの通信タイミングをどの通信スロット割り当てるかを基地局が実施する必要があるので、基地局が収容するセンサノードのIDを事前に知っておく必要がある」等、通信方式によっては、基地局周辺のセンサやアプリケーションによって基地局の通信設定を変更する必要がある場合もある。
【0015】
さらに、アプリケーションによっては、収容するセンサを時刻によって変更したい場合がある。
【0016】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、基地局(センサノードの情報を収集する装置、以下、「情報収集装置」)とセンサノードの両方又はいずれに、個別に設定又は変更が必要な情報がある場合でも、オペレータが設置位置に出向かずに設定又は変更することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、センサネットワークを構成する複数のセンサノードのそれぞれからセンサデータを収集して、情報管理装置に転送する情報収集装置において、(1)情報管理装置によって示された、複数のセンサノードのそれぞれの計測対象の属性を含むセンサ設定情報を記憶するセンサ設定情報記憶手段と、(2)複数のセンサノードのそれぞれとの接続時に、複数のセンサノードのそれぞれに対して、対応するセンサ設定情報を送信するセンサ設定情報設定手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
第2の本発明は、センサネットワークを構成する情報収集装置により収集された複数のセンサノードのそれぞれからのセンサデータを情報収集装置から取得して、管理する情報管理装置において、(1)複数のセンサノードのそれぞれの計測対象の属性を含むセンサ設定情報を取得するセンサ設定情報取得手段と、(2)複数のセンサノードを収容している情報収集装置に、対応するセンサ設定情報を開示するセンサ設定情報開示手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第3の本発明は、センサネットワークを構成する複数のセンサノード及び情報収集装置と、情報収集装置により収集された複数のセンサノードのそれぞれからのセンサデータを取得して管理する情報管理装置とを備える情報管理システムにおいて、情報収集装置は、第1の発明の情報収集装置に対応し、情報管理装置は、第2の本発明の情報管理装置に対応することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、基地局(情報収集装置)とセンサノードの両方又はいずれに、個別に設定又は変更が必要な情報がある場合でも、オペレータが設置位置に出向かずに設定又は変更することができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態の基地局、ノード、サーバのそれぞれの内部構成を示す内部構成図である。
図2】実施形態に係るセンサネットワークシステムの全体構成を示す全体構成図である。
図3】実施形態のセンサネットワークシステムにおける通信方法を示すシーケンス図である。
図4】実施形態に係るセンサ設定情報の一例を説明する説明図である。
図5】従来のセンサネットワークシステムにおける基地局、ノード、サーバのそれぞれの内部構成を示す内部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(A)実施形態
以下では、本発明に係る情報収集装置、情報管理装置及び情報管理システムの実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(A-1)実施形態の構成
図2は、実施形態に係るセンサネットワークシステムの全体構成を示す全体構成図である。
【0024】
図2において、実施形態に係るセンサネットワークシステム1は、センサネットワーク基地局(以下、「基地局」とも呼ぶ。)100、複数のセンサノード(以下、単に「ノード」とも呼ぶ。)200、サーバ300を有する。
【0025】
なお、基地局100は、本発明に係る情報収集装置の一例であり、サーバ300は、本発明に係る情報管理装置の一例であり、本発明に係る情報収集装置、情報管理装置はそれぞれ、これらに限定されない。
【0026】
複数のノード200はそれぞれ、センサと無線通信装置を備えるものである。例えば、ノード200は、無線通信機能を備えるセンサ装置とすることができ、学校の児童又は生徒の体調情報を管理するシステムに、この実施形態のセンサネットワークシステム1を適用する場合には、児童又は生徒にノード200を取り付けて用いられる。なお、センサネットワークシステム1の利用形態は、学校での児童又は生徒の体調情報管理に限らない。
【0027】
複数のノード200と基地局100とは、無線通信システムを構成する。無線通信システムの通信方式は特に限定されないが、ノード200におけるセンサがセンシングしたデータを、ノード200が基地局100に向けて無線送信する。そして、基地局100は、複数のノード200のそれぞれからデータを収集し、ネットワークNTを介して、収集したデータをサーバ300に送信する。これにより、サーバ300は、センサネットワーク(無線通信システム)毎に、複数のノード200のそれぞれのセンシングデータを、ノード200毎に管理することができる。
【0028】
図2では、例えば、学校ごとに、複数のノード200と基地局100とのセンサネットワーク(無線通信システム)を構成する場合を例示している。
【0029】
なお、各ノード200及び基地局100、サーバ300には、ネットワーク上で用いられる固有の識別情報(例えば、MACアドレス、ショートアドレス、IPアドレス等)が割り当てられている。
【0030】
ノード200が、基地局100を宛先とするパケット送信を「上り通信」と呼び、基地局100が、ノード200を宛先とするパケット送信を「下り通信」と呼ぶ。
【0031】
図1は、実施形態の基地局100、ノード200、サーバ300のそれぞれの内部構成を示す内部構成図である。
【0032】
[ノード200]
ノード200は、センサ部201、センサデータ送信部202、ネットワーク設定受信部203、センサ設定受信部204を有する。
【0033】
センサ部201は、例えば、心拍、体温、歩数などのバイタルデータを取得するセンサである。ノード200を取り付けている人間のバイタルデータを、センサ部201が計測する。
【0034】
なお、ここでは、センサ部201がバイタルデータを取得する場合を例示する。しかし、管理対象とする人間の体調管理に必要なデータを取得できれば、バイタルデータに限定されず、加速度データなどを含むものでもよい。
【0035】
センサデータ送信部202は、センサ部201が計測したデータを、基地局100に無線送信する。
【0036】
ネットワーク設定受信部203は、基地局100からネットワーク設定情報を含むパケットを無線受信し、受信したネットワーク設定情報を設定する。ネットワーク設定情報は、自ノード200と基地局100との間の無線通信ネットワークに関する設定情報である。例えば、ネットワーク設定情報は、ノード200が、ビーコンを受信してから自ノード200のデータを送信するまでの期間を含む情報とすることができる。
【0037】
センサ設定受信部204は、ノード200のセンサ部201が取得するセンサデータと、ノード200を装着している人間の個人情報に関する情報とを対応付けるため、基地局100からセンサ設定情報を含むパケットを無線受信し、受信したセンサ設定情報をセンサ部201に設定する。
【0038】
センサ設定情報の設定方法の詳細な説明については後述するが、複数のノード200(センサ部201)と、各ノード200を取り付ける人間の個人情報とを関連付けた情報は、まずはサーバ300に設定され、サーバ300が基地局100に送信して記憶させる。その後、基地局100がノード200にセンサ設定情報を送信し、ノード200では、センサ設定受信部204がセンサ部201にセンサ設定情報を設定する。
【0039】
[センサネットワーク基地局100]
基地局100は、基地局位置情報推定部101、サーバ通信部102、センサデータ転送判定部103、センサデータ収集部104、センサデータ転送部105、ネットワーク設定記憶部106、ネットワーク設定送信部107、センサ設定記憶部108、センサ設定送信部109を備える。
【0040】
基地局位置情報推定部101は、電源投入後、自局(基地局100)の位置情報を推定し、位置情報をサーバ300に送信するため、位置情報をサーバ通信部102に与える。基地局位置情報推定部101は、例えば、GPS(Grobal Positioning System)衛星からの受信信号に基づいて基地局100の位置情報を推定したり、又例えば、ネットワークNTとして携帯電話網を使用するのであれば、携帯電話網の基地局の位置情報を利用して位置情報を推定したりしてよい。また、基地局の設置位置の推定方法としては、サーバ側に基地局の識別子と、基地局を設置した学校を対にした一覧表を持っておき、基地局はサーバへ基地局の識別子を送付し、サーバで前記一覧表と識別子をつきあわせることで基地局の位置情報を推定しても良い。
【0041】
サーバ通信部102は、ネットワークNTを介して、サーバ300と通信する。例えば、サーバ通信部102は、サーバ300においてノード200(センサ部201)の位置と基地局100の位置とを関連付けるため、電源投入後に、基地局位置情報推定部101が取得した位置情報をサーバ300に送信する。また例えば、サーバ通信部102は、基地局100が収容するノード200から収集したセンサデータをサーバ300に送信したり、後述する転送許可リスト、センサ設定情報、ネットワーク設定情報をサーバ300から受信したりする。
【0042】
サーバ300では、事前に、利用されるノード200の利用位置(すなわち、センサの利用位置)に関する情報としてセンサ位置情報を、センサ位置情報入力部302が取得している。サーバ300は、基地局100の位置情報とセンサ位置情報とを比較して、基地局100の位置とセンサ(ノード200)の位置とが所定の範囲内にあるか否かを判定する。そして、基地局100の設置位置がセンサの設置位置とみなせるときには、当該基地局100がセンサのセンサデータを転送してよいことを示す転送許可リストを、サーバ300は基地局100に送信する。例えば、転送許可リストは、基地局100が転送してよいことを示す情報として、ノード200を一意に特定する識別情報を含む。
【0043】
センサデータ収集部104は、ノード200のセンサ部201が計測したセンサデータを無線通信で取得し、そのセンサデータをセンサデータ転送部105に与える。
【0044】
センサデータ転送判定部103は、サーバ通信部102を通じて、サーバ300からの転送許可リストを取得し、転送許可リストを参照して、センサデータ収集部104によって収集されたセンサデータを、転送してよいか否かを判定する。
【0045】
センサデータ転送部105は、センサデータ転送判定部103により転送してよいと判定されたセンサデータをサーバ300に送信するため、センサデータ転送判定部103の判定結果に応じて、転送してよいと判定されたデータをサーバ通信部102に与える。
【0046】
ネットワーク設定記憶部106は、サーバ通信部102を通じて、サーバ300から受信したネットワーク設定情報を記憶する。
【0047】
ネットワーク設定送信部107は、ネットワーク設定記憶部106に記憶されるネットワーク設定情報を、ノード200に無線送信する。
【0048】
センサ設定記憶部108は、サーバ通信部102を通じて、サーバ300から受信したセンサ設定情報を記憶する。
【0049】
センサ設定送信部109は、センサ設定記憶部108に記憶されるセンサ設定情報を、ノード200に無線送信する。
【0050】
[サーバ300]
サーバ300は、基地局通信部301、センサ位置情報入力部302、センサ設定入力部303、センサ設定開示部304、ネットワーク設定入力部305、ネットワーク設定開示部306、基地局推定部307を備える。
【0051】
基地局通信部301は、ネットワークNTを介して、サーバ300と通信する。例えば、基地局通信部301は、基地局100の位置情報、基地局100が収容するノード200のセンサデータを基地局100から受信したり、転送許可リスト、センサ設定情報、ネットワーク設定情報を、対応の基地局100に送信したりする。
【0052】
センサ位置情報入力部302は、ノード200の位置を示すセンサ位置情報を取得する。センサ位置情報は、学校などノード200を利用する際、その利用位置情報を示すリストなどであり、例えば、センサ位置情報は、ノード200を利用する位置を示すセンサ利用位置情報と、使用するノード200を一意に特定するセンサ識別情報とを含む情報とすることができる。
【0053】
基地局推定部307は、基地局通信部301を通じて、基地局100から当該基地局100の位置情報を取得すると、基地局100の位置情報と、センサ位置情報入力部302に取得されたセンサ位置情報とに基づいて、基地局100の位置とセンサ(ノード200)の位置とが所定の範囲内にあるか否かを判定する。そして、基地局100の設置位置がセンサの設置位置とみなせるときには、基地局推定部307は転送許可リストを作成し、基地局通信部301を通じて基地局100に送信する。
【0054】
センサ設定入力部303は、センサ設定情報を取得し、そのセンサ設定情報をセンサ設定開示部304に与える。
【0055】
センサ設定開示部304は、センサ設定入力部303からのセンサ設定情報を、基地局通信部301を通じて、ノード200を収容している対応の基地局100に与える。
【0056】
ネットワーク設定入力部305は、ネットワーク設定情報を取得し、そのネットワーク設定情報をネットワーク設定開示部306に与える。
【0057】
ネットワーク設定開示部306は、ネットワーク設定入力部305からのネットワーク設定情報を、基地局通信部301を通じて、ノード200を収容している対応の基地局100に与える。
【0058】
(A-2)実施形態の動作
図3は、実施形態のセンサネットワークシステム1における通信方法(センサ設定情報及びネットワーク設定情報の設定方法)を示すシーケンス図である。
【0059】
なお、図3に示す処理順序は一例であり、運用の仕方によっては図3の処理順序が変わってもよい。
【0060】
まず、オペレータが、センサ位置情報入力部302を操作して、利用者が利用するノード200(センサ)と利用位置情報を含むセンサ位置情報を入力する(ステップS101)。ここでは、ある学校が利用する全てのノード200の識別情報が事前設定されて、全てのノード200の利用位置情報が事前登録されているものとする。
【0061】
また、センサ設定情報とネットワーク設定情報のいずれか又は両方を取得すると、オペレータは、センサ設定入力部303を操作して、センサ設定情報を入力し(ステップS102)、又オペレータは、ネットワーク設定入力部305を操作して、ネットワーク設定情報を入力する(ステップS103)。
【0062】
ここで、センサ設定情報は、複数のノード200のそれぞれの計測対象の属性を含む情報である。
【0063】
例えば、図4に例示するように、センサ設定情報は、ノード200の識別情報と、そのノード200を装着している人間の個人情報に関する情報とを対応付けた情報とすることができる。個人情報に関する情報は、ノード200を装着している人間に関する情報であり、例えば、年齢、身長、体重、性別などの情報とすることができる。また、図4に例示するように、センサ設定情報は、ノード200を使用する時間毎(例えば、授業時間毎)に設定することもできる。
【0064】
例えば、ノード200(センサ)の識別情報がセンサデータに付与されていても、体育の授業で、別の学年若しくは別のクラスの児童の間で、同じノード200を共用するとき、あるノード200を別の児童が装着することがある。また例えば、児童に装着するノード200を事前に決めておいたとしても、突然児童が欠席する等して、ノード200の装着が変わることもある。これらの例のように、サーバ300側でセンサデータを取得しても、そのセンサデータが、どの児童のものに関連するものかを判断することができない。そこで、サーバ300側から各ノード200にセンサ設定情報を設定するため、ノード200の利用時にセンサ設定情報を利用者側(例えば、学校側等)から取得し、センサ設定情報の設定を行なう。
【0065】
ネットワーク設定情報は、センサデータ種類に応じた通信設定に関する情報といえる。
【0066】
例えば、ネットワーク設定情報は、ノード200が、ビーコンを受信してから自ノード200のデータを送信するまでの期間を含む情報とすることができる。例えば、ネットワーク設定情報は、「20台のノード(センサ)から毎秒70バイトのデータを(基地局が)収集する」、「(基地局が)ビーコンを何秒間隔で送信する」などのように、基地局100の収容数、アプリケーション等により基地局100の通信設定を変更する情報とすることができる。
【0067】
なお、センサ位置情報、センサ設定情報、及び又は、ネットワーク設定情報の入力方法は、様々な方法を用いることができ、例えば、上述したようにオペレータが入力するようにしても良いし、又例えば、携帯通信網を通じて、学校側等の利用者側の担当者による操作で入力するようにしても良い。
【0068】
そして、基地局100の電源投入後(ステップS104)、基地局位置情報推定部101が、当該基地局100の位置情報を推定し(ステップS105)、サーバ通信部102が基地局100の位置情報をサーバ300に送信する。
【0069】
サーバ300では、基地局推定部307が、基地局100の位置情報と、センサ位置情報入力部302のセンサ位置情報とを比較して、基地局100の位置とセンサ(ノード200)の位置とが所定の範囲内にあるか否かを判定する。そして、基地局100の設置位置とノード200の利用位置とが同じとなせるとき、基地局推定部307が転送許可リストを基地局100に送信する(ステップS106)。
【0070】
また、センサ設定情報が入力されると、センサ設定情報をノード200に設定するため、センサ設定開示部304が、各ノード200を収容している基地局100に、センサ設定情報を送信する(ステップS107)。つまり、ノード200の位置と基地局100の位置とが関連付けられているので、各ノード200が、どの基地局100に収容されているのかをサーバ300は認識している。したがって、あるノード200に関するセンサ設定情報は、そのノード200を収容している基地局100のアドレス宛に送信する。
【0071】
基地局100では、センサ設定記憶部108が、サーバ300からのセンサ設定情報を記憶する(ステップS108)。これにより、基地局100が収容する複数のノード200のそれぞれのセンサ設定情報を、基地局100は保持することができる。
【0072】
さらに、ネットワーク設定情報が入力されると、ネットワーク設定情報をノード200に設定するため、ネットワーク設定開示部306が、各ノード200を収容している基地局100に、ネットワーク設定情報を送信する(ステップS109)。
【0073】
基地局100では、ネットワーク設定記憶部106が、サーバ300からのネットワーク設定情報を記憶する(ステップS110)。これにより、基地局100が収容する複数のノード200のそれぞれのネットワーク設定情報を、基地局100は保持することができる。
【0074】
次に、センサネットワークを構築するため、複数のノード200のそれぞれは電源をONにして、各ノード200が基地局100に参加要求信号を送信して、所定のJoinシーケンスを行なう(ステップS111)。
【0075】
そうすると、基地局100では、センサ設定送信部109が各ノード200に対して、対応するセンサ設定情報を送信する。すなわち、Joinシーケンスで取得したノード200の識別情報に基づいて、対応するセンサ設定情報を、センサ設定送信部109がセンサ設定記憶部108から読み出し、センサ設定送信部109が、そのセンサ設定情報を、対応のノード200宛に送信する。
【0076】
これを受けて、ノード200では、センサ設定受信部204が、センサ設定情報を受信すると、そのセンサ設定情報をセンサ部201に設定する(ステップS112)。これにより、ノード200を装着している人間の個人情報に関する情報が、センサ部201に設定される。つまり、センサ部201は、ノード200(センサ)の識別情報と、センサデータと、個人情報とを対応付けた情報を送信できる。
【0077】
また、基地局100では、ネットワーク設定送信部107が、各ノード200に対して、対応するネットワーク設定情報を送信する。
【0078】
これを受けて、ノード200において、ネットワーク設定受信部203が、ネットワーク設定情報を受信すると、そのネットワーク設定情報をセンサデータ送信部202に設定する(ステップS113)。これにより、ノード200が基地局100に送信する通信設定を変更することができる。
【0079】
ノード200では、センサ部201がセンシングデータを計測すると、ノード200(センサ)の識別情報と、センシングデータと、個人情報とを含むセンサデータを作成する。そして、センサデータ送信部202は、ネットワーク設定情報により設定された通信設定に従って、センサデータを基地局100に送信する(ステップS114)。
【0080】
基地局100では、センサデータ収集部104がセンサデータを収集すると(ステップS115)、センサデータ転送判定部103が転送許可リストを用いて転送許可を判定する(ステップS116)。そして、サーバ通信部102は、ネットワーク設定情報により設定された通信設定に従って、収集したセンサデータをサーバ300に送信する。
【0081】
サーバ300は、基地局100が収容している各ノード200のセンサデータを記憶して管理する(ステップS117)。
【0082】
(A-3)実施形態の効果
この実施形態によれば、無線通信機能を持つセンサ装置、ネットワークを介して接続できるサーバ、ノード(センサ)とサーバとの間をつなげる基地局からなるセンサネットワークシステムにおいて、個別設定が必要なセンサを利用したい場合やネットワーク設定を基地局の設置位置毎に変更したい場合でも、現地にオペレータを派遣することなく設定変更を実施できる。
【0083】
(B)他の実施形態
アプリケーションによっては、収容するセンサを時刻によって変更したい場合がある。この場合、サーバ300にタイマ機能を持たせて、時刻によって、基地局100のネットワーク設定や、転送許可リスト、センサ設定を変更するようにすれば良い。
【符号の説明】
【0084】
1…センサネットワークシステム、100…センサネットワーク基地局、101…基地局位置情報推定部、102…サーバ通信部、103…センサデータ転送判定部、104…センサデータ収集部、105…センサデータ転送部、106…ネットワーク設定記憶部、107…ネットワーク設定送信部、108…センサ設定記憶部、109…センサ設定送信部、200…ノード、201…センサ部、202…センサデータ送信部、203…ネットワーク設定受信部、204…センサ設定受信部、300…サーバ、301…基地局通信部、302…センサ位置情報入力部、303…センサ設定入力部、304…センサ設定開示部、305…ネットワーク設定入力部、306…ネットワーク設定開示部、307…基地局推定部。

図1
図2
図3
図4
図5