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特開2024-118546照明装置、表示装置及び照明装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118546
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】照明装置、表示装置及び照明装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240826BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240826BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240826BHJP
【FI】
F21S2/00 484
F21S2/00 498
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024885
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 岳志
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 寿史
(72)【発明者】
【氏名】安永 博敏
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB34
2H391AC10
2H391AC13
2H391AC26
2H391CB13
2H391EA02
2H391EA11
2H391EA13
3K244AA01
3K244BA31
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA03
3K244DA13
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA04
3K244GA08
3K244HA03
3K244KA03
3K244KA06
3K244KA08
3K244KA15
(57)【要約】
【課題】高さのギャップの起因する製造上の問題を解決する。
【解決手段】照明装置12は、基板21と、第1導電部27と、第1導電部27とは間隔を空けて配される第2導電部28と、第1導電部27と重畳する第1開口23Aと、第2導電部28と重畳する第2開口23Bと、を有する第1反射層23と、第1開口23Aを通して第1導電部27に接続される発光部品16と、第2開口23Bを通して第2導電部28に接続される非発光部品20と、第2反射層24と、を備え、第2反射層24は、発光部品16の周辺に配される第1反射部24Aと、非発光部品20の周辺に配される第2反射部24Bと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面を有する基板と、
前記基板の前記第1主面上に設けられる第1導電部と、
前記基板の前記第1主面上に設けられ、前記第1導電部とは間隔を空けて配される第2導電部と、
前記基板の前記第1主面上に設けられ、前記第1導電部と重畳する第1開口と、前記第2導電部と重畳する第2開口と、を有する第1反射層と、
前記基板の前記第1主面上に取り付けられ、前記第1開口を通して前記第1導電部に接続される発光部品と、
前記基板の前記第1主面上に取り付けられ、前記第2開口を通して前記第2導電部に接続される非発光部品と、
前記第1反射層上に設けられる第2反射層と、を備え、
前記第2反射層は、前記発光部品の周辺に配される第1反射部と、前記非発光部品の周辺に配される第2反射部と、を含む照明装置。
【請求項2】
前記第2反射部は、前記第2開口に沿って複数が間隔を空けて配されている請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1反射層は、前記第2開口が前記第1開口よりも開口面積が大きい請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記発光部品は、前記基板の前記第1主面上において複数が間隔を空けて配されており、
前記第1反射層は、複数の前記第1開口が前記基板の前記第1主面上において間隔を空けて配されており、
前記第1反射部は、前記基板の前記第1主面上において複数が間隔を空けて配される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第2反射層は、間隔を空けて隣り合う2つの前記第1反射部の間に配される第3反射部を含む請求項4記載の照明装置。
【請求項6】
前記基板は、可撓性を有する請求項2または請求項3記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1反射層の上面を、前記発光部品の周辺にある第1領域と、前記非発光部品の周辺にある第2領域と、に区分したとき、前記第1領域に前記第1反射部が占める第1占有率が、前記第2領域に前記第2反射部が占める第2占有率よりも高い請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
前記基板は、前記発光部品及び前記非発光部品が取り付けられる基板本体と、前記基板本体から側方に延出して折り曲げられる折り曲げ部と、を有しており、
前記折り曲げ部の前記第1主面には、前記第1反射層が設けられるものの、前記第2反射層が非形成とされる請求項6記載の照明装置。
【請求項9】
前記第2反射層上に設けられる第3反射層を備え、
前記第3反射層は、前記第1開口と重畳する第3開口を有し、前記第2反射層のうちの前記第1反射部の少なくとも一部と重畳して配される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記基板の前記第1主面上に設けられ、前記発光部品を封止する封止部を備え、
前記第3反射層は、前記第3開口が前記封止部よりも前記第1主面上の面積が大きい請求項9記載の照明装置。
【請求項11】
前記第1反射部は、前記第1開口に沿って延在する環状をなす請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記基板の前記第1主面上に設けられ、前記発光部品を封止する封止部を備え、
前記封止部は、径寸法が、前記第1反射部の内径よりも大きく、前記第1反射部の外径よりも小さい請求項11記載の照明装置。
【請求項13】
前記非発光部品は、前記発光部品を駆動する駆動部品を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項14】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して表示を行う表示パネルと、を備える表示装置。
【請求項15】
基板の第1主面上に、第1開口と、前記第1開口とは間隔を空けて配される第2開口と、を有する第1反射層を設け、
前記第1反射層上に、前記第1開口の周辺に配される第1反射部と、前記第2開口の周辺に配される第2反射部と、を含む第2反射層を設け、
前記基板の前記第1主面上に、前記第1開口と重畳する第1導電部と、前記第2開口と重畳する第2導電部と、を設け、
前記基板の前記第1主面上に、前記第1開口を通して前記第1導電部に接続される発光部品と、前記第2開口を通して前記第2導電部に接続される非発光部品と、を取り付ける照明装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1導電部及び前記第2導電部を設ける際には、
前記第2反射層上に、前記第1開口と重畳する第4開口と、前記第2開口と重畳する第5開口と、を有するマスクをセットし、
前記マスク上に前記第1導電部及び前記第2導電部の材料を供給し、
前記マスク上に配したスキージを前記マスクに押し当てた状態で前記マスクに沿って移動させることで、前記第1導電部及び前記第2導電部の材料を、前記第4開口及び前記第5開口を通して前記基板の前記第1主面上に塗布する請求項15記載の照明装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、照明装置、表示装置及び照明装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置に用いられるバックライト装置の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載されたバックライト装置は、LED基板を有する。LED基板は、基材上に配線層と第1反射層、第2反射層を有し、第1反射層の開口部にLEDが実装されている。第2反射層はLED周辺のDinからDoutの範囲に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/0163849号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、LED基板にLEDドライバを実装することが希求される場合がある。特許文献1に記載されたLED基板にLEDドライバを実装することを検討した場合、特許文献1では、LEDの周辺には第2反射層が配される構成であるため、LEDの周辺と、LEDドライバの周辺と、で高さにギャップが生じる、という問題が生じる。このような高さにギャップが生じると、製造上の問題が生じることが懸念される。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、高さのギャップの起因する製造上の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わる照明装置は、第1主面を有する基板と、前記基板の前記第1主面上に設けられる第1導電部と、前記基板の前記第1主面上に設けられ、前記第1導電部とは間隔を空けて配される第2導電部と、前記基板の前記第1主面上に設けられ、前記第1導電部と重畳する第1開口と、前記第2導電部と重畳する第2開口と、を有する第1反射層と、前記基板の前記第1主面上に取り付けられ、前記第1開口を通して前記第1導電部に接続される発光部品と、前記基板の前記第1主面上に取り付けられ、前記第2開口を通して前記第2導電部に接続される非発光部品と、前記第1反射層上に設けられる第2反射層と、を備え、前記第2反射層は、前記発光部品の周辺に配される第1反射部と、前記非発光部品の周辺に配される第2反射部と、を含む。
【0007】
(2)また、上記照明装置は、上記(1)に加え、前記第2反射部は、前記第2開口に沿って複数が間隔を空けて配されてもよい。
【0008】
(3)また、上記照明装置は、上記(2)に加え、前記第1反射層は、前記第2開口が前記第1開口よりも開口面積が大きくてもよい。
【0009】
(4)また、上記照明装置は、上記(1)から上記(3)のいずれかに加え、前記発光部品は、前記基板の前記第1主面上において複数が間隔を空けて配されており、前記第1反射層は、複数の前記第1開口が前記基板の前記第1主面上において間隔を空けて配されており、前記第1反射部は、前記基板の前記第1主面上において複数が間隔を空けて配されてもよい。
【0010】
(5)また、上記照明装置は、上記(4)に加え、前記第2反射層は、間隔を空けて隣り合う2つの前記第1反射部の間に配される第3反射部を含んでもよい。
【0011】
(6)また、上記照明装置は、上記(2)から上記(5)のいずれかに加え、前記基板は、可撓性を有してもよい。
【0012】
(7)また、上記照明装置は、上記(6)に加え、前記第1反射層の上面を、前記発光部品の周辺にある第1領域と、前記非発光部品の周辺にある第2領域と、に区分したとき、前記第1領域に前記第1反射部が占める第1占有率が、前記第2領域に前記第2反射部が占める第2占有率よりも高くてもよい。
【0013】
(8)また、上記照明装置は、上記(6)または上記(7)に加え、前記基板は、前記発光部品及び前記非発光部品が取り付けられる基板本体と、前記基板本体から側方に延出して折り曲げられる折り曲げ部と、を有しており、前記折り曲げ部の前記第1主面には、前記第1反射層が設けられるものの、前記第2反射層が非形成とされてもよい。
【0014】
(9)また、上記照明装置は、上記(1)から上記(8)のいずれかに加え、前記第2反射層上に設けられる第3反射層を備え、前記第3反射層は、前記第1開口と重畳する第3開口を有し、前記第2反射層のうちの前記第1反射部の少なくとも一部と重畳して配されてもよい。
【0015】
(10)また、上記照明装置は、上記(9)に加え、前記基板の前記第1主面上に設けられ、前記発光部品を封止する封止部を備え、前記第3反射層は、前記第3開口が前記封止部よりも前記第1主面上の面積が大きくてもよい。
【0016】
(11)また、上記照明装置は、上記(1)から上記(10)のいずれかに加え、前記第1反射部は、前記第1開口に沿って延在する環状をなしてもよい。
【0017】
(12)また、上記照明装置は、上記(11)に加え、前記基板の前記第1主面上に設けられ、前記発光部品を封止する封止部を備え、前記封止部は、径寸法が、前記第1反射部の内径よりも大きく、前記第1反射部の外径よりも小さくてもよい。
【0018】
(13)また、上記照明装置は、上記(1)から上記(12)のいずれかに加え、前記非発光部品は、前記発光部品を駆動する駆動部品を含んでもよい。
【0019】
(14)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、上記(1)から上記(13)のいずれかに記載の照明装置と、前記照明装置からの光を利用して表示を行う表示パネルと、を備える。
【0020】
(15)本明細書に記載の技術に関わる照明装置の製造方法は、基板の第1主面上に、第1開口と、前記第1開口とは間隔を空けて配される第2開口と、を有する第1反射層を設け、前記第1反射層上に、前記第1開口の周辺に配される第1反射部と、前記第2開口の周辺に配される第2反射部と、を含む第2反射層を設け、前記基板の前記第1主面上に、前記第1開口と重畳する第1導電部と、前記第2開口と重畳する第2導電部と、を設け、前記基板の前記第1主面上に、前記第1開口を通して前記第1導電部に接続される発光部品と、前記第2開口を通して前記第2導電部に接続される非発光部品と、を取り付ける。
【0021】
(16)また、上記照明装置の製造方法は、上記(15)に加え、前記第1導電部及び前記第2導電部を設ける際には、前記第2反射層上に、前記第1開口と重畳する第4開口と、前記第2開口と重畳する第5開口と、を有するマスクをセットし、前記マスク上に前記第1導電部及び前記第2導電部の材料を供給し、前記マスク上に配したスキージを前記マスクに押し当てた状態で前記マスクに沿って移動させることで、前記第1導電部及び前記第2導電部の材料を、前記第4開口及び前記第5開口を通して前記基板の前記第1主面上に塗布してもよい。
【発明の効果】
【0022】
本明細書に記載の技術によれば、高さのギャップの起因する製造上の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態1に係る液晶表示装置の概略的な側面図
図2】実施形態1に係る液晶表示装置の断面図
図3】実施形態1に係る液晶表示装置に備わるバックライト装置を構成するLED基板の平面図
図4】実施形態1に係るLED基板における図3のiv-iv線断面図
図5】実施形態1に係るLED及び非発光部品をLED基板に取り付ける工程において、第2反射層上にマスクをセットし、マスク上にクリームはんだを供給した状態を示す図4と同じ切断位置の断面図
図6】実施形態1に係るLED及び非発光部品をLED基板に取り付ける工程において、スキージを移動させて第1導電部及び第2導電部を設けた状態を示す図4と同じ切断位置の断面図
図7】実施形態2に係るLED基板の平面図
図8】実施形態2に係るLED基板における図7のviii-viii線断面図
図9】実施形態3に係るLED基板における図4と同じ切断位置の断面図
図10】実施形態4に係るLED基板の平面図
図11】実施形態5に係るLED基板における図4と同じ切断位置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図6によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置(表示装置)10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、図1及び図3に示す上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
【0025】
液晶表示装置10の概略的な構成について、図1を参照して説明する。液晶表示装置10は、図1に示すように、画像を表示する液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11に表示のための光を供給するバックライト装置(照明装置)12と、液晶パネル11及びバックライト装置12に電力や各種信号等を供給するコントロール基板(外部基板)13と、を備える。
【0026】
液晶パネル11、バックライト装置12及びコントロール基板13の構成について、主に図2を参照して説明する。液晶パネル11は、図2に示すように、互いに貼り合わせられる一対の基板11A,11Bと、一対の基板11A,11B間に封入された液晶層と、を有する。一対の基板11A,11Bのうち表側(正面側)が対向基板11Aとされ、裏側(背面側)がアレイ基板11Bとされる。対向基板11Aには、R(赤色),G(緑色),B(青色)等を呈するカラーフィルタや隣り合うカラーフィルタの間を仕切る遮光部(ブラックマトリクス)等が設けられている。アレイ基板11Bには、互いに直交するゲート配線及びソース配線と、ゲート配線及びソース配線に接続されるスイッチング素子(例えばTFT)と、スイッチング素子に接続されていて画素を構成する画素電極と、が少なくとも設けられている。なお、対向基板11A及びアレイ基板11Bの各内面には、それぞれ配向膜が設けられている。また、対向基板11A及びアレイ基板11Bの各外面には、それぞれ偏光板11C,11Dが取り付けられている。
【0027】
液晶パネル11は、主面の中央側部分が、画像が表示される表示領域AAされ、表示領域AAを取り囲む外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。アレイ基板11Bは、対向基板11Aよりも大型となっていてその一部が対向基板11Aに対して側方に突き出す突き出し部11B1となっている。突き出し部11B1は、対向基板11Aにより覆われずに露出している。突き出し部11B1は、全域が非表示領域NAAであり、各種信号を供給するためのソースドライバ(液晶パネル用ドライバ)14及びフレキシブル基板15が実装されている。ソースドライバ14は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなる。ソースドライバ14は、アレイ基板11Bの突き出し部11B1に対してCOG(Chip On Glass)実装されている。ソースドライバ14は、フレキシブル基板15によって伝送される各種信号を処理する。フレキシブル基板15は、絶縁性及び可撓性を有する基材上に多数本の配線パターンを形成した構成とされる。フレキシブル基板15は、全体として折り返し状をなしており、一端側がアレイ基板11Bに、他端側がコントロール基板13に、それぞれ接続されている。コントロール基板13から供給される各種信号は、フレキシブル基板15を介して液晶パネル11に伝送される。
【0028】
バックライト装置12は、図2に示すように、いわゆる直下型とされ、光を出射する主面(出光主面)が液晶パネル11の裏側の主面と対向している。バックライト装置12のうち、液晶パネル11の表示領域AAに対して平面に視て重畳する中央側部分が光を出射する出光領域EAとされる。バックライト装置12のうち、液晶パネル11の非表示領域NAAに対して平面に視て重畳する外周側部分が光を出射することが殆どない非出光領域NEAとされる。詳しくは、バックライト装置12は、図2に示すように、発光部品(光源)であるLED(Light Emitting Diode)16と、複数のLED16が実装された光源基板であるLED基板17と、LED16から発せられた光に光学作用を付与する光学部材18と、LED基板17及び光学部材18を収容するシャーシ19と、を少なくとも備える。このうち、シャーシ19は、金属製または合成樹脂製とされており、リジッドな平板状をなしている。
【0029】
LED16は、図2に示すように、LED基板17上に表面実装されるとともにその発光面16AがLED基板17側とは反対側(表側、光学部材18側)を向いた、いわゆる頂面発光型とされている。LED16は、その光軸がZ軸方向と一致している。ここで言う「光軸」とは、LED16における発光光のうち、発光強度が最も高い(ピークとなる)光の進行方向と一致する軸のことである。本実施形態では、LED16として、青色の単色光を発する青色LEDが用いられる。青色LEDは、青色光を単色発光するLEDチップを備える。青色LEDとしては、例えばEpistar社の製品である「ES-FEBCPE10E」等を用いることが可能である。青色LEDとして「ES-FEBCPE10E」を用いた場合、発せられる青色光の主発光波長が450nm程度とされ、平面形状が長方形とされるとともにその短辺寸法が0.25mm程度で、長辺寸法が0.53mm程度とされる。LED16は、LED基板17に実装された基板部上にLEDチップを封止材により封止した構成とされてもよい。他にも、LED16を、いわゆるCSP(Chip Scale Package)としてもよい。
【0030】
LED基板17は、図2に示すように、シャーシ19における表側の主面上に配され、シャーシ19によって裏側から支持されている。LED基板17の主面のうちの表側を向いた主面には、複数のLED16が表面実装されており、ここが実装面となっている。LED16は、LED基板17の表側の主面内においてX軸方向及びY軸方向についてそれぞれ間隔を空けた位置に複数ずつがマトリクス状に並んで配列されている。LED基板17の詳しい構成については、後に改めて説明する。
【0031】
光学部材18には、図2に示すように、Z軸方向について互いに積層される5枚が含まれている。5枚の光学部材18は、裏側から順に、拡散板18A、拡散シート18B、波長変換シート18C、2枚のプリズムシート18D,18Eとされる。拡散板18Aは、他の光学部材18B~18Eよりも板厚が厚い、ほぼ透明な樹脂製の基材内に拡散粒子を多数分散して設けた構成とされ、透過する光を拡散させる機能を有する。拡散板18Aは、裏側の主面が、LED16の発光面16Aと対向している。LED16の発光面16Aから発せられた光は、拡散板18Aに含まれる拡散粒子によって拡散されつつ表側に向けて出射される。拡散シート18Bは、ほぼ透明な基材における裏側の主面に、微小な凹部が多数設けられた構成とされる。凹部は、四角錐状(ピラミッド状)をなしており、拡散シート18Bの裏側の主面内においてX軸方向及びY軸方向に沿って複数ずつがマトリクス状に平面充填されている。拡散板18Aからの出射光は、拡散シート18Bにおける凹部の斜面によって屈折されることで、拡散されつつ表側に向けて出射される。
【0032】
波長変換シート18Cは、図2に示すように、透明な基材上に蛍光体を含有する蛍光体層が設けられた構成とされる。波長変換シート18Cの蛍光体層には、青色LEDであるLED16からの青色光(一次光)を励起光として、二次光を発光する蛍光体が含有されている。蛍光体には、二次光として緑色光を発する緑色蛍光体と、二次光として赤色光を発する赤色蛍光体と、が含まれている。これら緑色蛍光体及び赤色蛍光体は、励起波長が蛍光波長よりも短波長とされるダウンコンバージョン型(ダウンシフティング型)であり、例えば量子ドット蛍光体(Quantum Dot Phosphor)、無機蛍光体、有機蛍光体等であってもよい。波長変換シート18Cの出射光は、LED16からの青色光と、緑色蛍光体及び赤色蛍光体により波長変換された緑色光及び赤色光と、を含むので、加法混色により概ね白色を呈する。
【0033】
2枚のプリズムシート18D,18Eは、図2に示すように、互いに直交するプリズムをそれぞれ有している。2枚のプリズムシート18D,18Eのうちの一方は、X軸方向に沿って延在するプリズムをY軸方向に沿って多数並べて設けた構成とされる。2枚のプリズムシート18D,18Eのうちの一方は、プリズムの並び方向であるY軸方向について選択的に集光作用を付与することができる。2枚のプリズムシート18D,18Eのうちの他方は、Y軸方向に沿って延在するプリズムをX軸方向に沿って多数並べて設けた構成とされる。2枚のプリズムシート18D,18Eのうちの他方は、プリズムの並び方向であるX軸方向について選択的に集光作用を付与することができる。このように、波長変換シート18Cからの出射光には、2枚のプリズムシート18D,18EによってX軸方向及びY軸方向について集光作用が付与されるので、バックライト装置12の出射光に係る正面輝度の向上が図られる。2枚のプリズムシート18D,18Eのうち、表側に配されるプリズムシート18Eにおける表側の主面が、バックライト装置12の出光主面を構成する。2枚のプリズムシート18D,18Eは、互いに貼り合わせられていてもよい。なお、プリズムシート18D,18Eとしては、例えば3M社の製品である「BEF(Brightness Enhancement Film)」を用いることができる。
【0034】
コントロール基板13は、図2に示すように、シャーシ19に対して裏側(LED基板17とは反対側)に重なるよう配されている。コントロール基板13は、合成樹脂製(例えば紙フェノール製またはガラスエポキシ樹脂製など)のリジッドな基板上に複数の回路部品13Aが実装された構成とされる。複数の回路部品13Aには、電力を出力するための電源ICやソースドライバ14や後述するLEDドライバを制御するためのドライバ制御IC等が含まれる。コントロール基板13は、フレキシブル基板14やLED基板17が接続されるコネクタ部13Bを有する。コントロール基板13によって液晶パネル11及びバックライト装置12を、ローカルディミング制御したり、HDR(High Dynamic Range)制御したりすることができる。
【0035】
LED基板17の詳しい構成について図2から図4を用いて説明する。LED基板17は、図3に示すように、平面形状が横長の略方形とされる基板本体17Aを有する。なお、液晶パネル11、光学部材18及びシャーシ19の平面形状も、LED基板17の基板本体17Aと同様に横長の略方形とされる。本実施形態では、LED16は、LED基板17の基板本体17Aの表側の主面においてX軸方向について64個ずつ、Y軸方向について32個ずつ、合計2048個が設けられている。X軸方向についてのLED16の配列間隔は、5.37mm程度とされる。Y軸方向についてのLED16の配列間隔は、6.06mm程度とされる。
【0036】
LED基板17は、図2及び図3に示すように、基板本体17Aから側方に延出する折り曲げ部17Bを有する。詳しくは、折り曲げ部17Bは、基板本体17Aの外端のうち、液晶パネル11のアレイ基板11Bの突き出し部11B1と重畳する部分からY軸方向に沿って延出する帯状をなしている。折り曲げ部17Bは、シャーシ19の裏側に向けて折り曲げられることで、折り返し状をなしている。折り曲げ部17Bの延出端部は、シャーシ19の裏側においてコントロール基板13のコネクタ部13Bに差し込まれる。折り曲げ部17Bの延出端部には、コネクタ部13Bに接続される端子が設けられている。
【0037】
LED基板17の基板本体17Aは、図2及び図3に示すように、バックライト装置12における出光領域EAと非出光領域NEAとに跨がるよう配されている。これに対し、折り曲げ部17Bは、その全域が非出光領域NEAに配されている。基板本体17Aのうちの出光領域EAと重畳する範囲には、複数のLED16が取り付けられている。基板本体17Aのうちの非出光領域NEAと重畳する範囲には、LED16のように光を発することがない非発光部品20が取り付けられている。非発光部品20は、基板本体17AにおいてX軸方向について間隔を空けた位置に複数が分散して配されている。非発光部品20には、LEDドライバ(駆動部品)20A、スイッチIC20B、コンデンサ20C及び抵抗20D等が含まれる。複数の非発光部品20は、種類によって平面に視た大きさが異なるものの、いずれも平面に視た大きさがLED16よりも大きい。このうちのLEDドライバ20Aは、コントロール基板13から供給される信号に基づいてLED16を駆動することができる。LEDドライバ20Aとしては、例えばMacroblock社の製品「MBI6334」等を用いることができる。1つの「MBI6334」は、512個のLEDを駆動することができる。従って、本実施形態に係るLED基板17には、4個のLEDドライバ20Aが取り付けられている。LED16は、LEDドライバ20Aによって点灯・非点灯が制御されるとともに、点灯時の発光量が制御される。以上のように、LED基板17の基板本体17AにLEDドライバ20Aを設けるようにすれば、コントロール基板13には、LEDドライバ20Aを設ける必要がなくなる。これにより、コントロール基板13の小型化を図ることができる。
【0038】
LED基板17の詳しい断面構成について主に図4を参照して説明する。LED基板17は、図4に示すように、基板21と、基板21の表側の第1主面21Aに設けられる配線層22と、配線層22の表側に積層される第1反射層23と、第1反射層23の表側に積層される第2反射層24と、を少なくとも有する。また、LED基板17は、基板21の裏側の第2主面21Bに設けられる裏側配線層25と、裏側配線層25の裏側に積層される裏側レジスト層26と、を有する。
【0039】
基板21は、合成樹脂製(例えばポリイミド製、PET(Polyethylene Terephthalate)製等)のフィルムからなり、可撓性を有する。基板21は、図4に示すように、既述した基板本体17A及び折り曲げ部17Bを有する。配線層22及び裏側配線層25は、いずれも導電性に優れた金属材料(例えば銅等)からなる。配線層22及び裏側配線層25は、基板21の基板本体17A及び折り曲げ部17Bにわたって所定の配索経路となるようパターニングされている。配線層22及び裏側配線層25によって複数のLED16に対してLEDドライバ20A及びスイッチIC20Bで電流を制御、供給することができる。このうちの配線層22は、照射領域EAと重畳して配されていてLED16に接続される第1配線22Aと、非照射領域NEAと重畳して配されていて非発光部品20に接続される第2配線22Bと、を含む。
【0040】
第1反射層23、第2反射層24及び裏側レジスト層26は、いずれも絶縁材料からなるソルダーレジストにより構成されている。このうち、基板21に対して表側に配される第1反射層23及び第2反射層24には、白色を呈していて光反射率が高いソルダーレジストが用いられている。第1反射層23及び第2反射層24に用いられるソルダーレジストとしては、例えば株式会社タムラ製作所の製品である「RPW-300-13TR-1」が挙げられる。第1反射層23及び第2反射層24は、膜厚がいずれも例えば25μm程度とされる。一般に白色のソルダーレジストは、膜厚が大きくなるほど光反射率が高くなる性質を有するため、第1反射層23と第2反射層24が積層された領域は光反射率を高くできる。
【0041】
第1反射層23は、図3及び図4に示すように、基板21における基板本体17A及び折り曲げ部17Bのほぼ全域にわたって設けられている。なお、図3には、第1反射層23及び第2反射層24の各形成範囲が異なる網掛け状にして図示されており、薄い(粗い)網掛けが第1反射層23の形成範囲を示し、濃い(密な)網掛けが第2反射層24を示す。第1反射層23のうち、基板本体17Aにおいて照射領域EAと重畳する部分(後述する第1領域A1)には、LED16と重畳する第1開口23Aが設けられている。第1反射層23のうち、基板本体17Aにおいて非照射領域NEAと重畳する部分(後述する第2領域A2)には、非発光部品20と重畳する第2開口23Bが設けられている。
【0042】
第1開口23Aは、図3及び図4に示すように、重畳するLED16と同様に平面形状が長方形であり、平面に視た大きさがLED16よりも僅かに大きい。第1開口23Aは、LED16の配列と同様に、X軸方向及びY軸方向についてそれぞれ間隔を空けた位置に複数ずつがマトリクス状に並んで配列されている。第1開口23Aの設置数は、LED16の設置数と同じである。第1開口23Aには、配線層22に含まれる第1配線22Aの一部が露出している。第1開口23Aと重畳する位置には、LED16と第1配線22Aとを接続する第1導電部27が設けられている。第1導電部27は、例えばクリームはんだ(ペースト状のはんだ)等からなる。第1導電部27は、第1配線22Aのうち第1開口23Aに露出する部分に載せられる形で対をなして設けられている。対をなす第1導電部27のうちの一方の第1導電部27がLED16の底面に備わるアノード端子に接続され、他方の第1導電部27がLED16の底面に備わるカソード端子に接続される。
【0043】
第2開口23Bは、図3及び図4に示すように、重畳する非発光部品20と同様の平面形状であり、平面に視た大きさが重畳する非発光部品20よりも僅かに大きい。既述した通り、非発光部品20は、LED16よりも平面に視た大きさが大きい。従って、第2開口23Bは、第1開口23Aよりも開口面積が大きい。第2開口23Bは、非発光部品20の配列と同様に、X軸方向について間隔を空けた位置に複数が分散して配されている。第2開口23Bの設置数は、非発光部品20の設置数と同じである。第2開口23Bには、配線層22に含まれる第2配線22Bの一部が露出している。第2開口23Bと重畳する位置には、非発光部品20と第2配線22Bとを接続する第1導電部27が設けられている。第2導電部28は、第1導電部27と同じ材料(例えばクリームはんだ等)からなる。第2導電部28は、第2配線22Bのうち第2開口23Bに露出する部分に載せられる形で複数が設けられている。複数の第2導電部28は、非発光部品20の底面に備わる複数の端子のそれぞれに接続される。
【0044】
第2反射層24は、図3及び図4に示すように、LED16の周辺に配される第1反射部24Aを含む。第1反射部24Aが配されるLED16の周辺には、LED16の発光面16Aから発せられた光や光学部材18等によって反射された光が、LED16から離れた位置に比べると多く存在する。これに対し、第1反射部24Aの下層側には、第1反射層23が積層されているので、第1反射部24Aによる光反射率は、第1反射層23が単層で存在する部分よりも高くなっている。従って、LED16から発せられた光は、LED16の周辺に配されていて第1反射層23に重なる第1反射部24Aによって効率的に反射させることができる。これにより、光の利用効率を向上させることができる。
【0045】
第1反射部24Aは、図3に示すように、第1開口23Aに沿って延在する環状をなしている。具体的には、第1反射部24Aは、平面形状が略円環状をなしており、第1開口23A及びLED16と同心となるよう配されている。第1反射部24Aは、内周縁の平面形状が第1開口23Aの平面形状と同様の長方形とされるのに対し、外周縁の平面形状が円形とされる。第1反射部24Aは、外周縁の直径が例えば3mm程度とされる。第1反射部24Aは、第1開口23A及びLED16と重畳する開口(第5開口)を有する、とも言える。このように、第1反射部24Aは、LED16を全周にわたって取り囲むよう配置されている。LED16から発せられた光や光学部材18等によって反射された光を、LED16を取り囲む環状の第1反射部24Aによって効率的に反射することができる。これにより、光の利用効率をより向上させることができる。
【0046】
第1反射部24Aは、図3に示すように、第1開口23A及びLED16の配列と同様に、X軸方向及びY軸方向についてそれぞれ間隔を空けた位置に複数ずつがマトリクス状に並んで配列されている。複数の第1反射部24Aは、相互に独立した島状をなしており、互いに連なることがない。基板21の第1主面21Aの面内において、概ね格子状の領域には、第1反射層23が単層で形成されており、第2反射層24の第1反射部24Aが非形成とされている。具体的には、格子状をなす第1反射部24Aの非形成部分は、X軸方向についての幅が2.37mm程度とされ、Y軸方向についての幅が3.06mm程度とされる。従って、基板21に応力が作用した場合には、第1反射部24Aの非形成部分によって応力を吸収することができる。これにより、基板21のうちの複数のLED16が取り付けられる部分が第1反射部24Aに起因して撓み難くなる事態を回避し易くなり、基板21のうちの複数のLED16が取り付けられる部分の可撓性(柔軟性)を担保することができる。基板21の基板本体17Aの可撓性が担保されることで、第1反射層23、第2反射層24及び裏側レジスト層26に割れ(クラック)が入り難くなるとともに、各配線層22,25に断線が生じ難くなる。また、仮に、第1反射部が第1反射層23と同様に、ベタ状に配される場合に比べると、使用される第2反射層24の材料の量を節減することができる。
【0047】
第2反射層24は、図3及び図4に示すように、上記した第1反射部24Aに加えて、非発光部品20の周辺に配される第2反射部24Bを含む。ここで、仮に、非発光部品20の周辺に第2反射層24が非形成であると、第1反射層23の上面のうちのLED16の周辺と非発光部品20の周辺との間には、第2反射層24の膜厚分(25μm程度)の高さのギャップが生じることになる。その点、第2反射層24は、LED16の周辺に配される第1反射部24Aに加えて、非発光部品20の周辺に配される第2反射部24Bを含んでいるから、第1反射層23の上面のうちのLED16の周辺と非発光部品20の周辺との間に、高さのギャップが生じ難くなっている。従って、バックライト装置12の製造に際し、基板21の第1主面21A上に第1反射層23及び第2反射層24を設けてから、第1導電部27及び第2導電部28を設ける手順を採る場合、第1導電部27及び第2導電部28を適切に設けることが可能となる。これにより、高さのギャップに起因する製造上の問題が解決される。
【0048】
第2反射部24Bは、図3に示すように、第2開口23Bに沿って複数が間隔を空けて配されている。詳しくは、第2反射部24Bは、非発光部品20の平面に視た外形に沿って複数が並んでいる。第2反射部24Bは、平面形状が円形とされ、その直径が第1反射部24Aの外周縁の直径よりも小さい。第2反射部24Bの直径は、例えば0.5mm程度とされる。隣り合う第2反射部24Bの間の間隔(配列間隔)は、例えば1mm程度とされる。また、非発光部品20の周辺に並ぶ複数の第2反射部24Bは、いずれも非発光部品20及び第2開口23Bに対して間隔を空けた配置とされる。つまり、第2反射部24Bは、第2開口23Bの開口縁において全周にわたって非形成とされる。このように、基板21の第1主面21Aのうち、非発光部品20の周辺には、第1反射層23が単層とされる部分が存在しており、当該部分には、第2反射層24の第2反射部24Bが非形成とされている。従って、基板21に応力が作用した場合には、第2反射部24Bの非形成部分によって応力を吸収することができる。これにより、基板21のうちの非発光部品20が取り付けられる部分が第2反射部24Bに起因して撓み難くなる事態を回避し易くなり、基板21のうちの非発光部品20が取り付けられる部分の可撓性を担保することができる。また、仮に第2反射部が第2開口23Bに沿って延在する環状をなす場合に比べると、使用される第2反射層24の材料の量を節減することができる。本実施形態では、第2開口23Bが第1開口23Aよりも開口面積が大きいことから、使用される第2反射層24の材料の量をより節減することができる。
【0049】
また、第2反射部24Bは、図3に示すように、基板本体17Aのうちの非照射領域NEAと重畳する範囲(後述する第2領域A2)において、非発光部品20及び第2開口23Bの周辺のみならず、非発光部品20及び第2開口23Bが存在しない範囲にも配されている。第2反射部24Bは、基板本体17Aのうちの非照射領域NEAと重畳する範囲において、X軸方向及びY軸方向についてそれぞれ間隔を空けた位置に複数ずつがマトリクス状に並んで配列されている。このように、基板本体17Aのうちの非照射領域NEAと重畳する範囲には、複数の第2反射部24Bが万遍なく配置されているので、第1反射層23の上面のうちの照射領域EAと重畳する部分と非照射領域NEAと重畳する部分との間に、高さのギャップが生じ難くなっている。従って、バックライト装置12の製造に際し、基板21の第1主面21A上に第1反射層23及び第2反射層24を設けてから、第1導電部27及び第2導電部28を設ける手順を採る場合、第1導電部27及び第2導電部28をより適切に設けることが可能となる。
【0050】
第2反射部24Bは、図3に示すように、第1反射部24Aとの比較において、直径が遙かに小さく、また第2開口23Bの開口縁には存在しない。ここで、第1反射層23の上面を、LED16の周辺にある第1領域A1と、非発光部品20の周辺にある第2領域A2と、に区分したとき、第1領域A1に第1反射部24Aが占める第1占有率が、第2領域A2に第2反射部24Bが占める第2占有率よりも高い。ここで言う「占有率」は、第1反射層23の上面のうちの第2反射層24が配置される配置領域(形成領域)の面積を、上記配置領域と第2反射層24が非配置とされる非配置領域(非形成領域)の面積との和にて除して得られる比率である。この占有率は、第2反射層24の分布密度であるとも言える。なお、第1領域A1は、照射領域EAと重畳する関係であり、第2領域A2は、非照射領域NEAと重畳する関係である。このように、第1占有率が第2占有率よりも高いので、第1領域A1において第1反射層23が第2反射層24によって覆われる面積が、第2領域A2において第1反射層23が第2反射層24によって覆われる面積よりも大きい。従って、第1領域A1では、LED16からの光を第2反射層24の第1反射部24Aによってより効率的に反射することができる。これにより、光の利用効率をより向上させることができる。一方、第2占有率が第1占有率よりも低いので、第2領域A2において第1反射層23が第2反射層24によって覆われずに露出する面積が、第1領域A1において第1反射層23が第2反射層24によって覆われずに露出する面積よりも大きい。従って、基板21のうち、非発光部品20が取り付けられる部分が、第2反射部24Bに起因して撓み難くなる事態をより回避し易くなる。これにより、基板21の可撓性を担保する上で好適となる。
【0051】
第2反射層24は、図3及び図4に示すように、基板21のうちの基板本体17Aには設けられるものの、折り曲げ部17Bには非形成とされる。これにより、基板本体17Aとの比較において、折り曲げ部17Bのより高い可撓性を担保することができる。従って、バックライト装置12の製造に際して、折り曲げ部17Bをシャーシ19の裏側に向けて折り曲げられる際に、第2反射層24に起因して折り曲げが阻害される事態を回避し易くなる。このように、基板21の折り曲げ部17Bの可撓性が担保されることで、第1反射層23、第2反射層24及び裏側レジスト層26に割れが入り難くなるとともに、各配線層22,25に断線が生じ難くなる。
【0052】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてバックライト装置12の製造方法を説明する。バックライト装置12の製造は、バックライト装置12の各構成部品を製造し、製造された各構成部品を組み付けて行われる。具体的には、バックライト装置12の製造に際しては、複数ずつのLED16及び非発光部品20をそれぞれ製造するとともにLED基板17を製造し、複数ずつのLED16及び非発光部品20をLED基板17の基板本体17Aに取り付ける。LED16及び非発光部品20が取り付けられたLED基板17は、シャーシ19内に収容される。シャーシ19には、光学部材18等が収容される。
【0053】
LED16及び非発光部品20をLED基板17に取り付ける工程について図5及び図6を用いて説明する。まず、LED基板17の製造に際しては、基板21の第1主面21Aに、配線層22、第1反射層23及び第2反射層24が順次に設けられ、基板21の第2主面21Bに、裏側配線層25及び裏側レジスト層26が順次に設けられる。基板21に設けられる配線層22、第1反射層23、第2反射層24、裏側配線層25及び裏側レジスト層26の構成は、既述した通りである。
【0054】
製造されたLED基板17には、シルクスクリーン印刷法によって第1導電部27及び第2導電部28が設けられる。ここで、シルクスクリーン印刷法で用いられるマスク50の構成について、図5を用いて説明する。マスク50は、図5に示すように、金属製の板材からなるメタルマスクであり、その板厚が100μm程度とされる。マスク50の板厚は、第1反射層23の膜厚(25μm程度)や第2反射層24の膜厚(25μm程度)よりも大きい。マスク50は、基板21の第1主面21Aに並行する主面を有する。マスク50には、第4開口50A及び第5開口50Bが設けられている。第4開口50Aは、第1反射層23に備わる複数の第1開口23Aのそれぞれと重畳する位置に複数が配されている。1つの第1開口23Aに対して重畳する第4開口50Aの数は、2つであり、LED16の底面に備わる端子の数と一致している。2つずつの第4開口50Aは、第1配線22Aのうち第1開口23Aに露出する部分と重畳する配置とされる。第5開口50Bは、第1反射層23に備わる複数の第2開口23Bのそれぞれと重畳する位置に複数が配されている。1つの第2開口23Bに対して重畳する第5開口50Bの数は、非発光部品20の底面に備わる端子の数と一致している。複数の第5開口50Bは、第2配線22Bのうち第2開口23Bに露出する部分と重畳する配置とされる。
【0055】
上記のような構成のマスク50は、図5に示すように、製造されたLED基板17の基板21の第1主面21A上にセットされる。セットされたマスク50上には、第1導電部27及び第2導電部28の材料であるクリームはんだ52が供給される。そして、マスク50上に配したスキージ51をマスク50に押し当てた状態でマスク50の主面に沿って移動させる。すると、クリームはんだ52は、図6に示すように、第4開口50A及び第5開口50Bを通して基板21の第1主面21A上に塗布される。第4開口50Aを通過したクリームはんだ52は、第1反射層23の第1開口23Aを通して第1配線22Aのうち第1開口23Aに露出する部分に載せられることで、第1導電部27を構成する。第5開口50Bを通過したクリームはんだ52は、第1反射層23の第2開口23Bを通して第2配線22Bのうち第2開口23Bに露出する部分に載せられることで、第2導電部28を構成する。以上のようにして、基板21の第1主面21A上に、第1開口23Aと重畳する第1導電部27と、第2開口23Bと重畳する第2導電部28と、が設けられる。
【0056】
基板21の第1主面21A上にセットされたマスク50の姿勢に関して詳しく説明する。基板21の第1主面21A上にセットされたマスク50は、図5及び図6に示すように、第1開口23Aの周辺(第1領域A1)では第2反射層24の第1反射部24Aによって裏側から支持され、第2開口23Bの周辺(第2領域A2)では第2反射層24の第2反射部24Bによって裏側から支持される。ここで、仮に、第2開口23Bの周辺において第2反射層24が非形成であると、第2開口23Bの周辺ではマスク50が第1反射層23によって裏側から支持されることになる。つまり、第1開口23Aの周辺と、第2開口23Bの周辺と、では、マスク50が支持される高さに第2反射層24の膜厚分のギャップが生じる。このため、セットしたマスク50に歪みや撓み等の変形が生じてしまう。マスク50に歪みや撓み等の変形が生じると、クリームはんだ52が基板21の第1主面21A上において適切な位置に塗布されなくなったり、塗布量が不足したりするおそれがある。
【0057】
その点、第2反射層24は、図5及び図6に示すように、第1開口23Aの周辺に配される第1反射部24Aと、第2開口23Bの周辺に配される第2反射部24Bと、を含んでいるから、第1開口23Aの周辺と、第2開口23Bの周辺と、でマスク50が支持される高さにギャップが生じ難くなっている。従って、第2反射層24上にマスク50をセットしたとき、マスク50は、第1開口23Aの周辺では第1反射部24Aにより支持され、第2開口23Bの周辺では第2反射部24Bにより支持されることで、ほぼフラットな状態に保たれ易くなっている。マスク50は、第1開口23Aの周辺と、第2開口23Bの周辺と、の双方において歪みや撓み等の変形が生じ難くなっている。これにより、第1導電部27及び第2導電部28の材料が第4開口50A及び第5開口50Bを通して基板21の第1主面21A上において適切な位置に塗布され、その塗布量も十分になる。以上により、高さのギャップに起因する製造上の問題が解決される。
【0058】
上記のようにして第1導電部27及び第2導電部28が設けられたら、基板21の第1主面21A上にLED16及び非発光部品20をマウントする。LED16は、第1反射層23の第1開口23Aと重畳する位置にマウントされるので、底面に備わる2つの端子が2つの第1導電部27に接した状態となる。非発光部品20は、第1反射層23の第2開口23Bと重畳する位置にマウントされるので、底面に備わる複数の端子が複数の第2導電部28に接した状態となる。この状態でLED基板17がリフロー炉内に入れられて加熱されると、LED16の底面に備わる各端子が各第1導電部27にはんだ付けされるとともに、非発光部品20の底面に備わる各端子が各第2導電部28にはんだ付けされる以上により、LED16及び非発光部品20がLED基板17に取り付けられる。
【0059】
以上説明したように本実施形態のバックライト装置(照明装置)12は、第1主面21Aを有する基板21と、基板21の第1主面21A上に設けられる第1導電部27と、基板21の第1主面21A上に設けられ、第1導電部27とは間隔を空けて配される第2導電部28と、基板21の第1主面21A上に設けられ、第1導電部27と重畳する第1開口23Aと、第2導電部28と重畳する第2開口23Bと、を有する第1反射層23と、基板21の第1主面21A上に取り付けられ、第1開口23Aを通して第1導電部27に接続されるLED(発光部品)16と、基板21の第1主面21A上に取り付けられ、第2開口23Bを通して第2導電部28に接続される非発光部品20と、第1反射層23上に設けられる第2反射層24と、を備え、第2反射層24は、LED16の周辺に配される第1反射部24Aと、非発光部品20の周辺に配される第2反射部24Bと、を含む。
【0060】
LED16の周辺には、第1反射層23上に設けられる第2反射層24を構成する第1反射部24Aが設けられているから、LED16から発せられた光を効率的に反射させることができる。これにより、光の利用効率を向上させることができる。第2反射層24は、第1反射部24Aに加えて、非発光部品20の周辺に配される第2反射部24Bを含んでいるから、LED16の周辺と、非発光部品20の周辺と、で高さにギャップが生じ難くなっている。従って、当該バックライト装置12の製造に際し、基板21の第1主面21A上に第1反射層23及び第2反射層24を設けてから、第1導電部27及び第2導電部28を設ける手順を採る場合、第1導電部27及び第2導電部28を適切に設けることが可能となる。これにより、高さのギャップに起因する製造上の問題が解決される。
【0061】
また、第2反射部24Bは、第2開口23Bに沿って複数が間隔を空けて配されている。仮に第2反射部が第2開口23Bに沿って延在する環状をなす場合に比べると、使用される第2反射層24の材料の量を節減することができる。
【0062】
また、第1反射層23は、第2開口23Bが第1開口23Aよりも開口面積が大きい。仮に第2反射部が、第1開口23Aよりも開口面積が大きい第2開口23Bに沿って延在する環状をなす場合に比べると、使用される第2反射層24の材料の量をより節減することができる。
【0063】
また、LED16は、基板21の第1主面21A上において複数が間隔を空けて配されており、第1反射層23は、複数の第1開口23Aが基板21の第1主面21A上において間隔を空けて配されており、第1反射部24Aは、基板21の第1主面21A上において複数が間隔を空けて配される。仮に第1反射部が間隔を空けて隣り合う2つの第1開口23Aの間においてベタ状に配される場合に比べると、使用される第2反射層24の材料の量を節減することができる。
【0064】
また、基板21は、可撓性を有する。第1反射部24Aが基板21の第1主面21A上において複数が間隔を空けて配されていれば、基板21のうち、複数のLED16が取り付けられる部分が、第1反射部24Aに起因して撓み難くなる事態を回避し易くなる。第2反射部24Bが第2開口23Bに沿って複数が間隔を空けて配されていれば、基板21のうち、非発光部品20が取り付けられる部分が、第2反射部24Bに起因して撓み難くなる事態を回避し易くなる。いずれにしても、基板21の可撓性を担保する上で好適となる。
【0065】
また、第1反射層23の上面を、LED16の周辺にある第1領域A1と、非発光部品20の周辺にある第2領域A2と、に区分したとき、第1領域A1に第1反射部24Aが占める第1占有率が、第2領域A2に第2反射部24Bが占める第2占有率よりも高い。第1占有率が第2占有率よりも高いことで、LED16からの光を第1反射部24Aによってより効率的に反射することができる。これにより、光の利用効率をより向上させることができる。第2占有率が第1占有率よりも低いことで、基板21のうち、非発光部品20が取り付けられる部分が、第2反射部24Bに起因して撓み難くなる事態をより回避し易くなり、基板21の可撓性を担保する上で好適となる。
【0066】
また、基板21は、LED16及び非発光部品20が取り付けられる基板本体17Aと、基板本体17Aから側方に延出して折り曲げられる折り曲げ部17Bと、を有しており、折り曲げ部17Bの第1主面21Aには、第1反射層23が設けられるものの、第2反射層24が非形成とされる。基板本体17Aから側方に延出する折り曲げ部17Bを折り曲げるとき、第2反射層24に起因して折り曲げが阻害される事態を回避し易くなる。
【0067】
また、第1反射部24Aは、第1開口23Aに沿って延在する環状をなす。LED16からの光を環状の第1反射部24Aによって効率的に反射することができる。これにより、光の利用効率をより向上させることができる。
【0068】
また、非発光部品20は、LED16を駆動するLEDドライバ(駆動部品)20Aを含む。例えば、当該バックライト装置12に電力や各種信号等を供給するためにコントロール基板(外部基板)13を接続した場合、コントロール基板13にLED16を駆動するLEDドライバ20Aを設ける必要がなくなる。これにより、コントロール基板13の小型化を図ることができる。
【0069】
また、本実施形態に係る液晶表示装置10は、上記記載のバックライト装置12と、バックライト装置12からの光を利用して表示を行う液晶パネル(表示パネル)11と、を備える。このような構成の液晶表示装置10によれば、LED16から発せられた光が第2反射層24を構成する第1反射部24Aによって効率的に反射されて液晶パネル11に照射されるから、表示画像に係る輝度の向上や低消費電力化を図ることができる。
【0070】
また、本実施形態に係るバックライト装置12の製造方法は、基板21の第1主面21A上に、第1開口23Aと、第1開口23Aとは間隔を空けて配される第2開口23Bと、を有する第1反射層23を設け、第1反射層23上に、第1開口23Aの周辺に配される第1反射部24Aと、第2開口23Bの周辺に配される第2反射部24Bと、を含む第2反射層24を設け、基板21の第1主面21A上に、第1開口23Aと重畳する第1導電部27と、第2開口23Bと重畳する第2導電部28と、を設け、基板21の第1主面21A上に、第1開口23Aを通して第1導電部27に接続されるLED16と、第2開口23Bを通して第2導電部28に接続される非発光部品20と、を取り付ける。
【0071】
基板21の第1主面21A上にLED16及び非発光部品20を取り付けると、LED16が第1開口23Aを通して第1導電部27に接続され、非発光部品20が第2開口23Bを通して第2導電部28に接続される。LED16の周辺には、第2反射層24に含まれる第1反射部24Aが配されているから、LED16から発せられた光を効率的に反射させることができる。これにより、光の利用効率を向上させることができる。その上で、非発光部品20の周辺には、第2反射層24に含まれる第2反射部24Bが配されているから、LED16の周辺と、非発光部品20の周辺と、で高さにギャップが生じ難くなっている。従って、上記したように、第1反射層23及び第2反射層24を設けてから、第1導電部27及び第2導電部28を設ける際に、第1導電部27及び第2導電部28を適切に設けることが可能となる。これにより、高さのギャップに起因する製造上の問題が解決される。
【0072】
また、第1導電部27及び第2導電部28を設ける際には、第2反射層24上に、第1開口23Aと重畳する第4開口50Aと、第2開口23Bと重畳する第5開口50Bと、を有するマスク50をセットし、マスク50上に第1導電部27及び第2導電部28の材料を供給し、マスク50上に配したスキージ51をマスク50に押し当てた状態でマスク50に沿って移動させることで、第1導電部27及び第2導電部28の材料を、第4開口50A及び第5開口50Bを通して基板21の第1主面21A上に塗布する。
【0073】
マスク50上に供給された第1導電部27及び第2導電部28の材料は、マスク50に押し当てたスキージ51をマスク50に沿って移動させるのに伴って、マスク50の第4開口50A及び第5開口50Bを通して基板21の第1主面21A上に塗布される。これにより、基板21の第1主面21A上に、第1反射層23の第1開口23Aと重畳する第1導電部27と、第2開口23Bと重畳する第2導電部28と、を設けることができる。
【0074】
ここで、仮に第2反射層24上にセットしたマスク50に歪みや撓み等の変形が生じていると、第1導電部27及び第2導電部28の材料が基板21の第1主面21A上において適切な位置に塗布されなくなったり、塗布量が不足したりするおそれがある。
【0075】
その点、第2反射層24は、第1開口23Aの周辺に配される第1反射部24Aと、第2開口23Bの周辺に配される第2反射部24Bと、を含んでいるから、第1開口23Aの周辺と、第2開口23Bの周辺と、で高さにギャップが生じ難くなっている。従って、第2反射層24上にマスク50をセットしたとき、マスク50は、第1開口23Aの周辺では第1反射部24Aにより支持され、第2開口23Bの周辺では第2反射部24Bにより支持され、第1開口23Aの周辺と、第2開口23Bの周辺と、の双方において歪みや撓み等の変形が生じ難くなっている。これにより、第1導電部27及び第2導電部28の材料が第4開口50A及び第5開口50Bを通して基板21の第1主面21A上において適切な位置に塗布され、その塗布量も十分になる。以上により、高さのギャップに起因する製造上の問題が解決される。
【0076】
<実施形態2>
実施形態2を図7または図8によって説明する。この実施形態2では、第3反射層29を追加した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0077】
本実施形態に係るLED基板117には、図7及び図8に示すように、第2反射層124上に設けられる第3反射層29が備わる。図7では、第3反射層29の形成範囲を白抜き状にして図示し、第1反射部124Aの外形を破線にて図示する。また、図7では、第1反射部124Aのうち、第3反射層29により覆われずに露出した部分を網掛け状にして図示している。第3反射層29は、LED基板117とは別部品として製造される反射シートからなる。第3反射層29は、白色を呈していて光反射率が高い合成樹脂製(例えばPET製)とされる。第3反射層29に用いられる反射シートとしては、例えばSolartron Technology社の製品である「EST100AR2-2」が挙げられる。第3反射層29は、厚さが例えば100μm程度とされる。第3反射層29における裏側の主面には、粘着層が形成されている。第3反射層29に備わる粘着層の厚さは、例えば25μm程度とされる。
【0078】
第3反射層29は、基板121のうちの基板本体117Aの一部に設けられており、折り曲げ部117Bには非形成とされる。具体的には、第3反射層29は、基板本体117Aのうちの照射領域EAと重畳する範囲(第1領域A1)に選択的に設けられ、基板本体117Aのうちの非照射領域NEAと重畳する範囲(第2領域A2)と折り曲げ部117Bの全域とにはそれぞれ非形成とされる。このような範囲に設けられる。第3反射層29は、第1開口123Aと重畳する第3開口29Aを有する。第3開口29Aは、第1開口123A、LED116及び第1反射部124Aの配列と同様に、X軸方向及びY軸方向についてそれぞれ間隔を空けた位置に複数ずつがマトリクス状に並んで配列されている。第3開口29Aは、第1開口123A、LED116及び第1反射部124Aと同心となる位置に配される。第3開口29Aは、平面形状が円形とされる。第3開口29Aの直径R1は、第1開口123Aの長辺寸法L1よりも大きく、第1反射部124Aの外周縁の直径R2よりも小さい。具体的には、第3開口29Aの直径R1は、例えば2mm程度であり、第1反射部124Aの外周縁の直径(3mm程度)R2との差が1mm程度とされる。従って、第3反射層29のうちの第3開口29Aの開口縁を含む円環状部分が、第1反射部124Aの外周縁を含む円環状部分と重畳する関係とされる。つまり、第3反射層29は、第2反射層124のうちの第1反射部124Aの少なくとも一部と重畳して配されている。
【0079】
このようにLED116の周辺に配される第3反射層29の下層側には、第1反射層123及び第2反射層124が積層されているので、第3反射層29による光反射率は、第1反射層123及び第2反射層124のみが積層された部分よりもさらに高くなっている。従って、LED116から発せられた光は、LED116の周辺に配されていて第1反射層123及び第2反射層124に重なる第3反射層29によってより効率的に反射させることができる。これにより、光の利用効率をより向上させることができる。しかも、製造に際して第3反射層29を第2反射層124上に載せる際には、第3開口29Aの直径R1が第1開口123Aの長辺寸法L1よりも大きくされることで、第3開口29A内にLED116を容易に通すことができる。
【0080】
以上説明したように本実施形態によれば、第2反射層124上に設けられる第3反射層29を備え、第3反射層29は、第1開口123Aと重畳する第3開口29Aを有し、第2反射層124のうちの第1反射部124Aの少なくとも一部と重畳して配される。LED116の周辺には、第2反射層124のうちの第1反射部124Aの少なくとも一部と重畳して配される第3反射層29が設けられているから、LED116から発せられた光をより効率的に反射させることができる。これにより、光の利用効率をより向上させることができる。
【0081】
<実施形態3>
実施形態3を図9によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態2から封止部30を追加した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0082】
本実施形態に係るLED基板217には、図9に示すように、LED216を封止する封止部30が設けられている。封止部30は、基板221の第1主面221A上に設けられている。封止部30は、ドーム型をなしており、LED216を全域にわたって表側から覆うよう設けられている。封止部30は、シリコーン樹脂等の合成樹脂製とされ、高い透明性と高い屈折率とを有する。封止部30に用いられるシリコーン樹脂としては、例えば信越化学工業株式会社の製品である「SCR-1011(A/B)」が挙げられる。「SCR-1011(A/B)」は、A液とB液からなる2液タイプの熱硬化型有機シリコーン樹脂である。製造に際しては、LED基板217にLED216等を取り付けた後に、LED216上に熱硬化型有機シリコーン樹脂を滴下し、硬化させることで封止部30が設けられる。このような封止部30によってLED216を封止することで、LED216の保護を図ることができる。また、封止部30のシリコーン樹脂として特に高屈折率の材料を用いることで、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0083】
封止部30は、平面形状が円形とされる。封止部30は、直径(径寸法)R3が、第1反射部224Aの内径R4よりも大きく、第1反射部224Aの直径(外径)R2よりも小さい。具体的には、封止部30の直径R3は、例えば1mm程度とされる。なお、第1反射部224Aの内径R4は、実施形態2にて説明した第1開口123Aの長辺寸法L1とほぼ同値となる。封止部30は、第1反射部224Aの内周縁(内縁部)を含む部分に対して重畳する。一方、封止部30は、第1反射部224Aの外周縁(外縁部)を含む部分に対しては非重畳とされる。第1反射部224Aの全域が封止部30によって覆われることが避けられるので、第1反射部224Aによる反射光が全て封止部30によって屈折されることがない。従って、第1反射部224Aのうちの封止部30とは非重畳となる部分によってLED216からの光を良好に反射することができる。また、第1反射部224Aの内縁部を含む一部については、重畳する封止部30によって保護される。
【0084】
封止部30は、直径R3が、第3反射層229の第3開口229Aの直径R1よりも小さい。つまり、第3反射層229は、第3開口229Aが封止部30よりも第1主面221A上の面積が大きい。ここで、製造に際しては、LED216上に封止部30が設けられた後に、第3反射層229の組み付けが行われる。従って、第3反射層229を第2反射層224上に載せる際には、第3開口229Aが封止部30よりも第1主面221A上の面積が大きくされることで、第3開口229A内に封止部30を容易に通すことができる。これにより、第3反射層229のうちの第3開口229Aの開口縁が封止部30に乗り上げる事態が生じ難くなる。
【0085】
以上説明したように本実施形態によれば、基板221の第1主面221A上に設けられ、LED216を封止する封止部30を備え、封止部30は、径寸法が、第1反射部224Aの内径よりも大きく、第1反射部224Aの外径よりも小さい。LED216を封止部30によって封止することで、LED216の保護を図ることができる。封止部30は、環状をなす第1反射部224Aの内縁部を含む一部に対して重畳し、第1反射部224Aの外縁部を含む一部に対しては非重畳とされる。第1反射部224Aの全域が封止部30によって覆われることが避けられるので、第1反射部224Aによる反射光が全て封止部30によって屈折されることがない。従って、第1反射部224Aのうちの封止部30とは非重畳となる部分によってLED216からの光を良好に反射することができる。また、第1反射部224Aの内縁部を含む一部については、重畳する封止部30によって保護される。
【0086】
また、基板221の第1主面221A上に設けられ、LED216を封止する封止部30を備え、第3反射層229は、第3開口229Aが封止部30よりも第1主面221A上の面積が大きい。LED216を封止部30によって封止することで、LED216の保護を図ることができる。第3反射層229の第3開口229Aに封止部30を容易に通すことができる。従って、例えば、第3反射層229を基板221とは別部品とした場合、第3反射層229を基板221に対して組み付ける際に、第3反射層229のうちの第3開口229Aの開口縁が封止部30に乗り上げる事態が生じ難くなる。
【0087】
<実施形態4>
実施形態4を図10によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1からLED316の配列間隔を変更し、第3反射部24Cを追加した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0088】
本実施形態に係る複数のLED316は、図10に示すように、X軸方向及びY軸方向についての配列間隔が、実施形態1に記載した複数のLED16に係る配列間隔(図3を参照)よりも広い。複数の第1反射部324Aの各直径R2は、実施形態1と同じである。従って、X軸方向及びY軸方向について互いに隣り合う第1反射部324Aの間に空けられる間隔は、実施形態1に比べると広くなっている。
【0089】
第2反射層324は、第1反射部324A及び第2反射部324Bに加えて、間隔を空けて隣り合う2つの第1反射部324Aの間に配される第3反射部24Cを含んでいる。詳しくは、第3反射部24Cは、基板本体317Aのうちの照射領域EAと重畳する範囲(第1領域A1)に選択的に設けられ、基板本体317Aのうちの非照射領域NEAと重畳する範囲(第2領域A2)と折り曲げ部317Bの全域とにはそれぞれ非形成とされる。第3反射部24Cは、平面形状が円形とされる。第3反射部24Cの直径R5は、第1反射部324Aの直径R2よりも小さい。第3反射部24Cは、X軸方向について隣り合う第1反射部324A(LED316)の中間となる位置で、Y軸方向について隣り合う第1反射部324A(LED316)の中間となる位置に配されている。第3反射部24Cは、X軸方向及びY軸方向についてそれぞれ間隔を空けた位置に複数ずつがマトリクス状に並んで配列されている。複数の第3反射部24Cは、複数の第1反射部324Aと共に千鳥状に配列されている。以上のように、隣り合う2つの第1反射部324Aの間に空けられる間隔が広くなる場合でも、隣り合う2つの第1反射部324Aの間に第3反射部24Cが配されることで、LED316の周辺において高さにギャップが生じ難くなっている。これにより、第1導電部27及び第2導電部28(図4を参照)を適切に設けることが可能となる。
【0090】
以上説明したように本実施形態によれば、第2反射層324は、間隔を空けて隣り合う2つの第1反射部324Aの間に配される第3反射部24Cを含む。隣り合う2つの第1反射部324Aの間に空けられる間隔が広くなる場合でも、隣り合う2つの第1反射部324Aの間に第3反射部24Cが配されることで、LED316の周辺において高さにギャップが生じ難くなっている。これにより、第1導電部27及び第2導電部28を適切に設けることが可能となる。
【0091】
<実施形態5>
実施形態5を図11によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態3から第3反射層29を省略した場合を示す。なお、上記した実施形態3と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0092】
本実施形態に係る封止部430は、図11に示すように、直径(径寸法)R3が、第1反射部424Aの内径R4よりも大きく、第1反射部424Aの直径(外径)R2よりも小さい。本実施形態に係る封止部430によれば、実施形態3と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0093】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0094】
(1)第1反射部24A,124A,224A,324A,424Aの平面形状は、適宜に変更可能である。第1反射部24A,124A,224A,324A,424Aの平面形状を、例えば三角形、四角形または五角形以上の多角形の環状としたり、楕円形や長円形の環状としたりすることが可能である。第1反射部24A,124A,224A,324A,424Aの平面形状を四角形とする場合、第1反射部24A,124A,224A,324A,424Aの外形をLED16,116,216,316の外形の相似形としてもよい。
【0095】
(2)第1反射部24A,124A,224A,324A,424Aは、第1開口23A,123Aを取り囲むことがない非環状の平面形状であってもよい。例えば、第1反射部24A,124A,224A,324A,424Aが、第1開口23A,123Aに沿って間隔を空けて並ぶ形で複数が設けられてもよい。
【0096】
(3)第2反射部24B,324Bの平面形状は、適宜に変更可能である。第2反射部24B,324Bの平面形状を、例えば三角形、四角形または五角形以上の多角形としたり、楕円形や長円形としたりすることが可能である。
【0097】
(4)第2反射部24B,324Bは、LED基板17,117,217の第1主面21A,221A内において平面に視て千鳥状に配列されてもよい。
【0098】
(5)実施形態4に記載の構成において、第3反射部24Cの平面形状は、適宜に変更可能である。第3反射部24Cの平面形状を、例えば三角形、四角形または五角形以上の多角形としたり、楕円形や長円形としたりすることが可能である。
【0099】
(6)第1反射層23,123の第1開口23A,123Aの平面形状は、適宜に変更可能である。第1開口23A,123Aの平面形状を、例えば三角形または五角形以上の多角形としたり、円形や楕円形や長円形としたりすることが可能である。
【0100】
(7)第1反射層23,123の第2開口23Bの平面形状は、適宜に変更可能である。第2開口23Bの平面形状を、例えば三角形または五角形以上の多角形としたり、円形や楕円形や長円形としたりすることが可能である。
【0101】
(8)実施形態2,3に記載の構成において、第3反射層29,229の第3開口29A,229Aの平面形状は、適宜に変更可能である。第3開口29A,229Aの平面形状を、例えば三角形、四角形または五角形以上の多角形としたり、楕円形や長円形としたりすることが可能である。
【0102】
(9)LED16,116,216,316の平面形状は、長方形以外にも、例えば正方形や円形等でもよい。LED16,116,216,316の平面形状が変更されるのに伴って、第1反射層23,123の第1開口23A,123Aや第1反射部24A,124A,224A,324A,424Aの平面形状を変更することも可能である。
【0103】
(10)LED16,116,216,316は、LED基板17,117,217の第1主面21A,221A内において平面に視て千鳥状に配列されてもよい。その場合、第1反射部24A,124A,224A,324A,424A及び第1開口23A,123Aの各配列も、LED16,116,216,316と同様の千鳥状に変更される。
【0104】
(11)LED16,116,216,316として、青色LED以外に、白色光を発する白色LEDを用いることができる。その場合は、光学部材18から波長変換シート18Cを省略することができる。
【0105】
(12)非発光部品20の平面形状は、長方形以外にも、例えば正方形や円形等でもよい。非発光部品20の平面形状が変更されるのに伴って、第1反射層23,123の第2開口23Bの平面形状を変更することも可能である。
【0106】
(13)LED基板17,117,217に係る各構成部品の寸法や配列間隔等の具体的な数値は、上記以外にも適宜に変更可能である。
【0107】
(14)実施形態3,5に記載の構成において、封止部30,430の具体的な平面形状や断面形状は、適宜に変更可能である。
【0108】
(15)実施形態3,5に記載の構成において、封止部30,430に蛍光体(例えば緑色蛍光体及び赤色蛍光体)を含有させることも可能である。その場合、光学部材18から波長変換シート18Cを省略することができる。
【0109】
(16)実施形態3,5に記載の構成において、封止部30,430は、シリコーン樹脂以外にもエポキシ樹脂等の材料により構成されてもよい。
【0110】
(17)波長変換シート18Cや封止部30,430に含有させる蛍光体としては、緑色蛍光体及び赤色蛍光体以外にも、黄色蛍光体としてもよい。
【0111】
(18)LED基板17,117,217の基板21,121,221は、可撓性を殆ど有さないリジッド基板であってもよい。リジッド基板は、ガラス布にエポキシ樹脂を含侵させた材料により構成してもよい。それ以外にも、リジッド基板は、ガラス布とガラス不織布を混ぜ合わせた複合基材にビスマレイミド・トリアジン(BT:Bismaleimide-Triazine)樹脂を含浸させた材料により構成してもよい。また、リジッド基板は、セラミック材料により構成してもよい。なお、基板21,121,221をリジッド基板とした場合、折り曲げ部17B,117B,317Bは省略される。
【0112】
(19)LED基板17,117,217の基板21,121,221を上記した(18)に記載したリジッド基板とした場合でも、複数の第1反射部24A,124A,224A,324A,424Aが間隔を空けて配される構成により、第2反射層24,124,224,324の材料が節減される効果を得ることができる。
【0113】
(20)光学部材18の枚数、種類、積層順等は、適宜に変更可能である。
【0114】
(21)光学部材18に含まれる拡散板18Aや拡散シート18Bの具体的な構成は、適宜に変更可能である
【0115】
(22)光学部材18にダイクロイックフィルタを含ませてもよい。ダイクロイックフィルタは、LED16,116,216,316の発光光である青色光(一次光)を透過し、それ以外の可視光(緑色光及び赤色光(二次光)等)を反射することで、「青透過フィルタ」として機能する。
【0116】
(23)発光部品として、LED16,116,216,316に代えて有機EL(Electro Luminescence)等を用いてもよい。
【0117】
(24)液晶パネル11において、カラーフィルタがアレイ基板11Bに設けられてもよい。
【符号の説明】
【0118】
10…液晶表示装置(表示装置)、11…液晶パネル(表示パネル)、12…バックライト装置(照明装置)、16,116,216,316…LED(発光部品)、17A,117A,317A…基板本体、17B,117B,317B…折り曲げ部、20…非発光部品、20A…LEDドライバ(駆動部品)、21,121,221…基板、21A,221A…第1主面、23,123…第1反射層、23A,123A…第1開口、23B…第2開口、24,124,224,324…第2反射層、24A,124A,224A,324A,424A…第1反射部、24B,324B…第2反射部、24C…第3反射部、27…第1導電部、28…第2導電部、29,229…第3反射層、29A,229A…第3開口、30,430…封止部、50…マスク、50A…第4開口、50B…第5開口、51…スキージ、A1…第1領域、A2…第2領域
図1
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