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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118550
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240826BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240826BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20240826BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G02F1/1335
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024892
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】天野 崇
【テーマコード(参考)】
2H291
3D344
5G435
【Fターム(参考)】
2H291FA13X
2H291FA96X
2H291LA03
2H291LA21
2H291LA26
3D344AA19
3D344AA21
3D344AA27
3D344AD01
5G435AA01
5G435BB05
5G435BB12
5G435DD11
5G435FF01
5G435GG43
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】、表示パネルの表示面に透明な材料で構成された突出部材が設けられた表示装置について、突出部材の外周への光の映り込みを抑制した「表示装置」を提供する。
【解決手段】表示入力装置1は、表示パネル3と、表示パネル3の表示面5に対して前方に向かって突出し、透明材料で構成されるノブ部材7と、表示面5とノブ部材7との間に設けられ、第1方向に延在する複数の第1ルーバと、第1方向と交わる第2方向に延在し、複数の第1ルーバと交わるように設けられた複数の第2ルーバとを有する、フィルム状のルーバフィルム部材2とを備え、ルーバフィル部材2によりノブ部材7の外周へ向かう光を抑制する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの表示面に対して前方に向かって突出し、透明材料で構成される突出部材と、
前記表示面と前記突出部材との間に設けられ、第1方向に延在する複数の第1ルーバと、第1方向と交わる第2方向に延在し、前記複数の第1ルーバと交わるように設けられた複数の第2ルーバとを有する、フィルム状のルーバフィルム部材とを備える
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記突出部材は、前記表示パネルの前方に向かって右または左に位置するユーザにより利用されるものであり、
前記第1ルーバは、前記ユーザの位置に向かって傾いた状態で上下方向に延在している
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルには、第1突出部材と、第2突出部材とが設けられ、
前記第1突出部材は、前記表示パネルの前方に向かって左に位置するユーザにより利用されるものであり、前記第1突出部材と前記表示面との間に第1ルーバフィルム部材が設けられ、
前記第2突出部材は、前記表示パネルの前方に向かって右に位置するユーザにより利用されるものであり、前記第2突出部材と前記表示面との間に第2ルーバフィルム部材が設けられ、
前記第1ルーバフィルム部材の前記第1ルーバは、前記第1突出部材を利用するユーザの位置に向かって傾いた状態で上下方向に延在し、
前記第2ルーバフィルム部材の前記第1ルーバは、前記第2突出部材を利用するユーザの位置に向かって傾いた状態で上下方向に延在している
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ルーバフィルム部材は、前記第1ルーバを有する第1ルーバフィルムと、前記第2ルーバを有する第2ルーバフィルムとが積層されて構成されている
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に表示パネルの表示面に透明な材料で構成された突出部材が設けられた表示装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルや有機ELパネル等の映像を表示する機能を有する表示パネルを備える表示装置が広く普及している。この種の表示装置では、表示パネルにタッチパネルが重ねて配置され、更に表示パネルの表示面に透明な部材で構成された突出部材が設けられたものがある。以下、このような突出部材を備える表示装置を、説明の便宜のため「突出部材付表示装置」という。
【0003】
図14は突出部材付表示装置X1の一例を正面から見た図であり、図15図14のA-A断面図である。図14、15で示す突出部材付表示装置X1は、非常に単純化したものである。図14、15で示すように、突出部材付表示装置X1は、表示パネルX2と、表示パネルX2に重ねて配置されたセンサパネルX3と、センサパネルX3の前面に設けられたカバー部材X4と、カバー部材X4に固定された突出部材X5とを備えている。突出部材X5は、その全体が透明材料で構成されており、これにより突出部材X5を通して表示パネルX2の表示面X6が視認できるようになっている。突出部材X5は、ユーザが指で触れて操作されることが想定された部材である。例えば突出部材X5が指でつままれた状態で、指が突出部材X5の外周に沿って回転すると、センサパネルX3の検出結果に基づいてそのことが検出され、操作が有効とされ、何らかのアクションが実行される。
【0004】
なお特許文献1には、表示部11(表示パネル)と、センサパネル(タッチパネル2)とを備え、タッチパネル2の一部が湾曲することによって凸部が形成された入力表示装置S1(表示装置)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020―190832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述した従来の突出部材付表示装置については以下の問題があった。すなわち図15を参照し、表示パネルX2は光を放射することによって、映像を視認可能な状態とする。また突出部材X5は表示パネルX2の表示面X6の前方に設けられている。このため、図15の太い矢印で示すように、表示パネルX2から放射された光の一部は、透明材料で構成された突出部材X5に進入し、突出部材X5の外周で反射し、突出部材X5の外部へ放射される。このとき、このような突出部材X5の外周で反射する光が原因となって、突出部材X5の外周に光の映り込みが生じるという問題があった。このような光の映り込みは、表示面X6の視認性の悪化、および、突出部材X5の透明な部材としての品位(高級感)の悪化の原因となり得る。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、表示パネルの表示面に透明な材料で構成された突出部材が設けられた表示装置について、突出部材の外周への光の映り込みを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明の表示装置は、表示パネルと、表示パネルの表示面に対して前方に向かって突出し、透明材料で構成される突出部材とを備える。更に表示装置は、表示面と突出部材との間に設けられ、第1方向に延在する複数の第1ルーバと、第1方向と交わる第2方向に延在し、複数の第1ルーバと交わるように設けられた複数の第2ルーバとを有する、フィルム状のルーバフィルム部材を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、ルーバフィルム部材によって、表示パネルの表示面から放射される光の発散が抑制され、表示パネルの表示面から放射される光の成分のうち、突出部材の外周に向かう光の成分が低減される。これにより、突出部材の外周への光の映り込みが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る表示入力装置の正面図である。
図2図1のB-B断面図である。
図3】ノブ部材の使用態様を示す図である。
図4】ルーバフィルム部材の斜視図である。
図5】ルーバフィルム部材の正面図である。
図6】ルーバフィルム部材の平面図である。
図7】ルーバフィルム部材の右側面図である。
図8】ルーバフィルム部材が設けられていることによる効果の説明に利用する図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る表示入力装置の正面図である。
図10】表示入力装置が設置された様子を示す図である。
図11図9のC-C断面図である。
図12図11の一部を拡大した図である。
図13図11の一部を拡大した図である。
図14】従来の突出部材付表示装置のノブ付き入力装置の正面図である。
図15図14のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る表示入力装置1(表示装置)の正面図である。図2は、図1のB-B断面図である。図1、2で示す表示入力装置1は、装置の構造を単純化して示すものである。なお説明の便宜のため、図面中に示した各部材の寸法については、実際の寸法とは異なる比率で示されている部分がある。特に後述するルーバフィルム部材2については、誇張して描画されている。以下では、表示入力装置1を基準とした前後方向、左右方向、上下方向を、図1、2の矢印で示したように定義する。特に右方(右)および左方(左)については、表示パネル3の表示面5から前方に向かって右に向かう向きを「右方(右)」と定義し、表示面5から前方に向かって左に向かう向きを「左方(左)」と定義している。
【0012】
表示入力装置1は、例えば車両のダッシュボードの中央部、車両のセンターコンソール、その他の車両の所定の場所に設けられる。ただし表示入力装置1が設けられる場所は例示した場所に限られない。図1、2で示すように表示入力装置1は、液晶ディスプレイや有機ELパネル等の表示パネル3と、この表示パネル3に重ねて配置されたセンサパネル4とを備えている。表示パネル3には映像が表示される表示面5が形成されている。センサパネル4は、静電容量式のタッチパネルである。センサパネル4の方式は自己容量方式または相互容量方式の何れでもよい(当然、他の方式でもよい)。詳細は省略するが、センサパネル4の検出値は、図示しないコンピュータに送信される。コンピュータは、センサパネル4の検出結果に基づいて、ユーザによる各種操作を検出する。
【0013】
図1、2で示すように、センサパネル4の前面には、ガラス、その他の透明材料で構成されたカバー部材6が配置されている。カバー部材6の所定の位置には、ノブ部材7(特許請求の範囲の「突出部材」に相当)が設けられている。ノブ部材7は、カバー部材6に対して接着、その他の手段で固定されている。なお本実施形態では、ノブ部材7はカバー部材6と別体であるが、これらを一体的な部材としてもよい。ノブ部材7は、表示面5に対して、前方に向かって突出した円柱状の部材である。ただしノブ部材7の形状は、本実施形態で例示する形状に限られない。一例としてノブ部材7の形状は、前方に向かうに従って若干径が大きくなる(或いは小さくなる)形状であってもよい。
【0014】
ノブ部材7は、その全体が透明材料で構成されている。このためノブ部材7を通して表示パネル3の表示面5が視認できるようになっている。ノブ部材7を構成する材料は、透明な材料であればよい。材料は例えば、ガラスまたは樹脂である。
【0015】
図3はノブ部材7の使用態様を示す図である。図3で示すようにノブ部材7は、ユーザの手の指でつままれて使用されることが想定されている。単純化した一例として、ノブ部材7は、オーディオ装置(不図示)の音量の調整に使用可能である。例えばユーザは、図3で例示する態様でノブ部材7をつまんだ後、ノブ部材7の外周で指を滑らせつつ、手全体を時計回りY1(図1も併せて参照)に回転させることによって、オーディオ装置の音量を段階的に増大させることができる。この場合、ノブ部材7の外周に接触する指のそれぞれは、外周に沿って時計回りY1に変移する。一方ユーザは、ノブ部材7をつまんだ後、ノブ部材7の外周で指を滑らせつつ、手全体を反時計回りY2(図1も併せて参照)に回転させることによって、オーディオ装置の音量を段階的に低減させることができる。この場合、ノブ部材7の外周に接触する指のそれぞれは、外周に沿って反時計回りY2に変移する。
【0016】
図1、2で示すように表示パネル3とセンサパネル4との間であって、領域A1には、ルーバフィルム部材2が設けられている。図2ではルーバフィルム部材2を誇張して描画しているが、ルーバフィルム部材2は実際には非常に薄い部材である。図1で示すように領域A1は、表示入力装置1を正面視したときにノブ部材7を包含する領域である。以下、ルーバフィルム部材2の構成および意義について詳述する。
【0017】
図4は、ルーバフィルム部材2の一部を説明に適した態様で示す斜視図である。図5は、ルーバフィルム部材2の一部を正面から見た図である。図6は、ルーバフィルム部材2の一部を上方から見た図である。図7は、ルーバフィルム部材2の一部を右方から見た図である。
【0018】
図4~7で示すように本実施形態に係るルーバフィルム部材2は、第1ルーバフィルム9と、第2ルーバフィルム10とを含んで構成されている。より具体的にはルーバフィルム部材2は、第1ルーバフィルム9と第2ルーバフィルム10とが積層されて構成されている。なお図4~7では、第1ルーバフィルム9および第2ルーバフィルム10について説明の便宜のため、実際の寸法は無視し、ルーバ(羽板)を誇張して描画している。ただし第1ルーバフィルム9および第2ルーバフィルム10はそれぞれフィルム状の部材であり、実際には非常に薄い部材である。つまりルーバフィルム部材2はフィルム状の部材である。また図4では説明の便宜のため、第1ルーバフィルム9と第2ルーバフィルム10とを分離した状態で示しているが、これらは図5~7で示すように密着した状態で重ねて配置される。
【0019】
図4~7で示すように第1ルーバフィルム9は、上下方向(第1方向)に延在し、左右方向に並べて配置された第1ルーバ11を複数備えている。第1ルーバ11は、その表面が上下方向および前後方向を含む仮想面α(左右方向に直交する仮想面α)と平行になるようになるように設置されている。第1ルーバフィルム9において互いに隣接する第1ルーバ11と第1ルーバ11との間には第1スリットS1が形成されている。第1ルーバフィルム9は、前後方向と平行に第1スリットS1が形成されるように設置されている。なお前後方向は、表示パネル3の表示面5の法線方向と一致する。「第1スリットS1が前後方向と平行である」とは、第1スリットS1内で前後方向に伸びる仮想線を伸ばしたときに、第1ルーバ11の表面が、当該仮想線と交わらないことを意味する。
【0020】
図4~7で示すように第2ルーバフィルム10は、第1ルーバフィルム9の後方において第1ルーバフィルム9に重ねて配置される。ただし上述したように図4では、説明の便宜のため第1ルーバフィルム9と第2ルーバフィルム10とを分離した状態で示している。第2ルーバフィルム10は、左右方向(第2方向)に延在し、上下方向に並べて配置された第2ルーバ12を複数備えている。第2ルーバ12は、その表面が前後方向および左右方向を含む仮想面β(上下方向に直交する仮想面β)と平行になるようになるように設置されている。第2ルーバフィルム10において互いに隣接する第2ルーバ12と第2ルーバ12との間には第2スリットS2が形成されている。第2ルーバフィルム10は、前後方向と平行に第2スリットS2が形成されるように設置されている。「第2スリットS2が前後方向と平行である」とは、第2スリットS2内で前後方向に伸びる仮想線を伸ばしたときに、第2ルーバ12の表面が、当該仮想線と交わらないことを意味する。
【0021】
本実施形態では、以上のような構成のルーバフィルム部材2が、表示パネル3の表示面5において、正面視したときに少なくともノブ部材7を包含する領域A1(図1)に設置されている。つまり表示面5とノブ部材7との間にはルーバフィルム部材2が設けられている。これにより以下の効果を有する。図8は、ルーバフィルム部材2が設けられていることの効果の説明に利用する図である。図8の(A)は、図2の部分B1を拡大した図である。図8の(B)は、部分B1を右方から見た様子を説明に適した態様で模式的に示す図である。
【0022】
図15を用いて説明したように、ルーバフィルム部材2が存在しない場合、表示パネル3から放射された光の一部は、透明材料で構成されたノブ部材7に進入し、ノブ部材7の外周(ノブ部材7と外界との境目)で反射し、ノブ部材7の外部へ放射される。このとき、このようなノブ部材7の外周で反射する光が原因となって、ノブ部材7の外周に光の映り込みが生じるという問題があった。このような光の映り込みは、表示面5の視認性の悪化、および、ノブ部材7の透明な部材としての品位(高級感)の悪化の原因となり得る。
【0023】
一方で本実施形態では、図8の(A)、(B)で示すように表示パネル3の表示面5から放射された光は、ルーバフィルム部材2を通る過程で、光の成分のうち「前後方向(表示面5の法線方向)の成分」以外の成分は低減される。つまり、ルーバフィルム部材2によって、表示パネル3の表示面5から放射される光の発散が抑制される。この結果、表示パネル3から放射される光の成分のうち、ノブ部材7に進入した後にその外周に向かう光の成分が低減される。これによりノブ部材7の外周への光の映り込みが抑制され、ひいては表示面5の視認性の悪化、および、ノブ部材7の透明な部材としての品位(高級感)の悪化が抑制される。
【0024】
なお上述した第1実施形態では、領域Aにルーバフィルム部材2が配置された構成であった。この点に関し、表示面5の全域にルーバフィルム部材2が配置される構成でもよい。すなわちルーバフィルム部材2は、その外周への光の映り込みが抑制されるという効果が生じるようにするという観点の下、正面視したときにノブ部材7を覆う領域に配置されていればよい。
【0025】
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。なお以下の第2実施形態の説明において、第1実施形態の要素と同じ構造的特徴をもち同じ機能を果たす要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0026】
図9は、本実施形態に係る表示入力装置1A(表示装置)の正面図である。図9で示すように表示入力装置1Aには、左右方向の中央に対して左側に設けられた左ノブ部材7L(第1の突出部材)と、右側に設けられた右ノブ部材7R(第2の突出部材)とを備えている。左ノブ部材7Lおよび右ノブ部材7Rの形状および材料は第1実施形態に係るノブ部材7と同じであり、これらは透明材料で構成されている。
【0027】
図10は、表示入力装置1Aが設けられた様子を単純化して模式的に示す図である。図10は車両の車室内を示しており、図10において符号14は運転席を、符号15は助手席を、符号16はダッシュボードをそれぞれ示している。図10で示すように、本実施形態に係る表示入力装置1Aは、ダッシュボード16において運転席14と助手席15との中間部に設けられる。そして左ノブ部材7Lは、運転席14に着座する搭乗者に利用されることが想定されている。つまり左ノブ部材7Lは、表示パネル3の前方に向かって左に位置するユーザにより利用されるものである。また右ノブ部材7Rは、助手席15に着座する搭乗者に利用されることが想定されている。つまり右ノブ部材7Rは、表示パネル3の前方に向かって右に位置するユーザにより利用されるものである。
【0028】
本実施形態では左ノブ部材7Lに対応して左ルーバフィルム部材2L(第1のルーバフィルム部材)が設けられ、右ノブ部材7Rに対応して右ルーバフィルム部材2R(第2のルーバフィルム部材)が設けられる。詳述すると図9で示すように、表示パネル3の表示面5を正面視したときに左ノブ部材7Lを包含する左対応領域ALに左ルーバフィルム部材2Lが設けられる。同様に表示面5を正面視したときに右ノブ部材7Rを包含する右対応領域ARに右ルーバフィルム部材2Rが設けられる。左対応領域ALと右対応領域ARとは互いに重ならない領域である。
【0029】
図11は、図9のC-C断面図である。図9で示すように表示入力装置1Aは、表示パネル3を備える。表示面5の前方には、表示パネル3と重ねて配置されたセンサパネル4が設けられ、センサパネル4の前方にはカバー部材6が設けられる。カバー部材6には左ノブ部材7Lと右ノブ部材7Rとが設けられている。表示パネル3の表示面5とセンサパネル4との間において左対応領域ALには、左ルーバフィルム部材2Lが設けられている。つまり表示面5と左ノブ部材7Lとの間には左ルーバフィルム部材2Lが設けられている。また表示パネル3の表示面5とセンサパネル4との間において右対応領域ARには、右ルーバフィルム部材2Rが設けられている。つまり表示面5と右ノブ部材7Rとの間には右ルーバフィルム部材2Rが設けられている。
【0030】
図12は、図11の部分BLを拡大した図である。ただし図12では、ルーバ(羽板)を誇張して表示している。左ルーバフィルム部材2Lは、左第1ルーバフィルム9Lと、左第2ルーバフィルム10Lとを備えている。左第2ルーバフィルム10Lの構造は、第1実施形態に係る第2ルーバフィルム10の構造と同一である。左第2ルーバフィルム10Lは、左右方向に延在する複数の左第2ルーバ12L(第2ルーバ)を備えている。一方、図12で示すように左第1ルーバフィルム9Lは、複数の左第1ルーバ11L(第1ルーバ)を備える。そして複数の左第1ルーバ11Lのそれぞれは、前方に向かうに従って左に変位するように傾いた状態で上下方向(第1方向)に延在している。つまり左第1ルーバフィルム9Lの左第1ルーバ11Lは、左ノブ部材7Lを利用するユーザ(運転席に着座する搭乗者)の位置に向かって傾いた状態で上下方向に延在している。
【0031】
左ルーバフィルム部材2Lに関する以上の構成により以下の効果を奏する。すなわち左ルーバフィルム部材2Lにより表示面5が放射する光の発散が抑制され、左ノブ部材7Lの外周への光の映り込みが抑制される点は第1実施形態と同様である。更に本実施形態では、左第1ルーバ11Lが左ノブ部材7Lを利用するユーザ(運転席に着座する搭乗者)の位置に向かって傾いている。このため、運転席14に着座する搭乗者が、自身が利用する可能性のある左ノブ部材7Lに対応する左対応領域ALを視認したときに、左ルーバフィルム部材2Lが設けられていることに起因する視認性の悪化が抑制される。
【0032】
図13は、図11の領域BRを拡大した図である。ただし図13では、ルーバ(羽板)を誇張して表示している。右ルーバフィルム部材2Rは、右第1ルーバフィルム9Rと、右第2ルーバフィルム10Rとを備えている。右第2ルーバフィルム10Rの構造は、第1実施形態に係る第2ルーバフィルム10の構造と同一である。右第2ルーバフィルム10Rは、左右方向に延在する複数の右第2ルーバ12R(第2ルーバ)を備えている。一方、図13で示すように右第1ルーバフィルム9Rは、複数の右第1ルーバ11R(第1ルーバ)を備える。そして複数の右第1ルーバ11Rのそれぞれは、前方に向かうに従って右に変位するように傾いた状態で上下方向(第1方向)に延在している。つまり右第1ルーバフィルム9Rの右第1ルーバ11Rは、右ノブ部材7Rを利用するユーザ(助手席に着座する搭乗者)の位置に向かって傾いた状態で上下方向に延在している。右ルーバフィルム部材2Rにより奏する効果は、左ルーバフィルム部材2Lにより奏する効果と同様である。すなわち助手席15に着座する搭乗者が、右ノブ部材7Rに対応する右対応領域ARを視認したときの視認性の悪化が抑制される。
【0033】
以上第2実施形態について説明したが、第2実施形態に関して、以下の構成としてもよい。すなわち第2実施形態では、表示入力装置1Aが、左ノブ部材7Lと右ノブ部材7Rとの2つの突出部材を備える構成であった。一方で突出部材の個数は2つに限られない。すなわち突出部材が、表示パネル3の前方に向かって右または左に位置するユーザにより利用されるものであり、第1ルーバ11が、ユーザの位置に向かって傾いた状態で上下方向に延在している構成であればよい。例えば第2実施形態について右ノブ部材7Rおよびこれに対応する右ルーバフィルム部材2Rが表示入力装置1Aに設けられていない構成でもよい。
【0034】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上記各実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0035】
例えば本発明が適用される表示装置は、センサパネルを備える装置に限られない。すなわち本発明は、表示パネルを備え、表示パネルの表示面に透明材料で構成された突出部材が設けられている装置に広く適用可能である。
【0036】
また第1実施形態では、つままれて使用されることが想定されたノブ部材7が突出部材に相当した。同様に第2実施形態では、つままれて使用されることが想定された左ノブ部材7L、右ノブ部材7Rが突出部材に相当した。しかしながら突出部材は、つままれて使用されることが想定された部材に限られない。突出部材は、表示パネルの表示面から前方に向かって突出し、透明材料で構成される部材であればよい。
【0037】
また第1実施形態において、ルーバフィルム部材2は、第1ルーバフィルム9と第2ルーバフィルム10とが積層されて構成されていた。これに関しルーバフィルム部材が、1枚のルーバフィルムにより構成されていてもよい。この場合、1枚のルーバフィルムにより構成されたルーバフィルム部材は、第1方向に延在する複数の第1ルーバと、第1方向と交わる第2方向に延在し、複数の第1ルーバと交わるように設けられた複数の第2ルーバとを備える。以上のことは第2実施形態についても同様である。
【0038】
また第1実施形態において、第1ルーバフィルム9の後方に第2ルーバフィルム10が設けられる構成であった。この点に関し、第2ルーバフィルム10の後方に第1ルーバフィルム9が設けられる構成でもよい。以上のことは第2実施形態についても同様である。
【符号の説明】
【0039】
1、1A 表示入力装置(表示装置)
2 ルーバフィルム部材
2L 左ルーバフィルム部材(第1ルーバフィルム部材)
2R 右ルーバフィルム部材(第2ルーバフィルム部材)
3 表示パネル
5 表示面
7 ノブ部材(突出部材)
7L 左ノブ部材(突出部材)
7R 右ノブ部材(突出部材)
9 第1ルーバフィルム
9L 左第1ルーバフィルム(第1ルーバフィルム)
9R 右第1ルーバフィルム(第1ルーバフィルム)
10 第2ルーバフィルム
10L 左第2ルーバフィルム(第2ルーバフィルム)
10R 右第2ルーバフィルム(第2ルーバフィルム)
11 第1ルーバ
11L 左第1ルーバ(第1ルーバ)
11R 右左第1ルーバ(第1ルーバ)
12 第2ルーバ
12L 左第2ルーバ(第2ルーバ)
12R 右第2ルーバ(第2ルーバ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15