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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011856
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】距離センサーモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/284 20060101AFI20240118BHJP
   G01C 5/02 20060101ALI20240118BHJP
   G01C 13/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G01F23/284
G01C5/02
G01C13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114142
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】花井 禎
(72)【発明者】
【氏名】礒田 丈司
(72)【発明者】
【氏名】豊田 直樹
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AB01
2F014FC01
2F014GA10
(57)【要約】
【課題】計測対象までの距離を正確に計測し得る距離センサーモジュールを構成する。
【解決手段】距離センサーモジュールAは、距離センサーSと、筐体Hとを備えている。距離センサーSは、センサー本体部10に接続された送受信部12を有し、送受信部12から送信された検出信号が計測対象で反射された後に送受信部12で受信されることにより、センサー本体部10において計測対象までの距離を計測が可能である。筐体Hは、距離センサーSを収容するセンサー収容部Hsと、センサー収容部Hsを外部の取付対象に取り付ける取付部22とを有し、センサー収容部Hsは、取付部22が取付対象に取り付けられた状態において、重力の作用により送受信部12の検出方向を鉛直下方に向かう姿勢に維持する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
距離センサーと、筐体とを備え、
前記距離センサーは、センサー本体部と、当該センサー本体部に接続された送受信部とを有し、前記送受信部から送信された検出信号が計測対象で反射された後に前記送受信部で受信されることにより、前記センサー本体部において前記計測対象までの距離を計測する非接触型に構成され、
前記筐体は、前記距離センサーを収容するセンサー収容部と、前記センサー収容部を外部の取付対象に取り付ける取付部とを有しており、
前記センサー収容部は、前記取付部が前記取付対象に取り付けられた状態において、重力の作用により前記送受信部の検出方向が鉛直下方に向かう姿勢に維持される距離センサーモジュール。
【請求項2】
前記送受信部は、前記計測対象に対向するように配置されており、前記距離センサーの重心が前記送受信部の中心軸上に位置する請求項1に記載の距離センサーモジュール。
【請求項3】
前記センサー収容部は、予め設定された範囲内での姿勢変化が可能になるように前記距離センサーを収容する請求項1又は2に記載の距離センサーモジュール。
【請求項4】
前記距離センサーが、予め設定された範囲内での姿勢変化した場合に、側面視において、前記センサー収容部の下端から前記距離センサーが露出しないように、前記センサー収容部の下端位置の下方への突出量が設定されている請求項3に記載の距離センサーモジュール。
【請求項5】
前記センサー収容部に対する前記距離センサーの姿勢変化の限界を決める規制部を備えている請求項3に記載の距離センサーモジュール。
【請求項6】
前記センサー収容部に収容された前記距離センサーの姿勢変化を不能に固定する固定部材を備えている請求項3に記載の距離センサーモジュール。
【請求項7】
前記距離センサーは、前記筐体に対して揺動による姿勢変化が可能な態様で前記センサー収容部に収容されており、
前記距離センサーと前記筐体の一方が揺動支点を有すると共に前記距離センサーと前記筐体の他方が前記揺動支点を支持する揺動受け部を有しており、
前記揺動支点及び前記揺動受け部の中心のうち前記距離センサーが有する方は、前記距離センサーの重心の鉛直上方に位置する請求項3に記載の距離センサーモジュール。
【請求項8】
前記取付部が、上方に突出する姿勢で上端ほど小径化する前記揺動支点を有し、
前記距離センサーが、前記揺動支点の上端が当接し且つ下方に開放された凹面である前記揺動受け部を有している請求項7に記載の距離センサーモジュール。
【請求項9】
前記距離センサーが、下方に突出する姿勢で下端ほど小径化する前記揺動支点を有し、
前記取付部が、前記揺動支点の下端が当接し且つ上方に開放された凹面である前記揺動受け部を有している請求項7に記載の距離センサーモジュール。
【請求項10】
前記筐体と前記距離センサーとに当接するように配置され、前記取付部の振動が前記距離センサーに伝搬するのを抑制する緩衝部材を更に備えている請求項1に記載の距離センサーモジュール。
【請求項11】
前記筐体と前記距離センサーとに当接し、且つ前記揺動支点を取り囲む領域に配置された緩衝部材を更に有している請求項7に記載の距離センサーモジュール。
【請求項12】
前記距離センサーが、前記検出信号としてミリ波を用いたミリ波レーダセンサーとして構成され、前記距離センサーのうち前記送受信部を覆う部位が絶縁体で形成されている請求項1に記載の距離センサーモジュール。
【請求項13】
距離センサーと、筐体とを備え、
前記距離センサーは、センサー本体部と、当該センサー本体部に接続された送受信部とを有し、前記送受信部から送信された検出信号が計測対象で反射された後に前記送受信部で受信されることにより、前記センサー本体部において前記計測対象までの距離を計測する非接触型に構成され、
前記筐体は、前記距離センサーを収容するセンサー収容部と、前記センサー収容部を外部の取付対象に取り付ける取付部とを有しており、
前記筐体は、前記距離センサーのうち前記送受信部の反対側を吊り下げる形態で姿勢変化自在に前記距離センサーを支持する支持機構を備えており、
前記センサー収容部は、前記取付部が前記取付対象に取り付けられた状態において、重力の作用により前記送受信部の検出方向を鉛直下方に向かう姿勢に維持する距離センサーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離センサーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
距離センサーモジュールとして、特許文献1には、非接触で水路の水面を検出するように、超音波を用いた水面センサーが記載されている。
【0003】
距離センサーモジュールとして、特許文献2にはマンホールの蓋本体の裏面(下面)の無線通信制御部に接続ケーブルを介して接続する水位センサーが記載されている。
【0004】
距離センサーモジュールとして、特許文献3には、水面に光線を射出するようにLEDで成る光源と、水面で反射した光線を受けることにより受光位置の検出が可能なPSDで成る非接触型の光位置検出器とで構成される水位計測装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-52622号公報
【特許文献2】特開2015-10403号公報
【特許文献3】特開2017-207400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、管渠に流れる水の水面をする距離センサーモジュールの設置位置を考えると、特許文献2に示されるようにマンホールの蓋の下面に備えることが簡便である。
【0007】
管渠の水位を計測する距離センサーモジュールは、計測方法の違いにより接触式や非接触式が存在する。接触式として、フロート式、ガイドロープ式、特許文献2に示される圧力式、静電容量式、差圧式等があり、非接触式として電波式や特許文献1に示される超音波式、特許文献3に示される光学式等がある。
【0008】
接触式は比較的安価であるが、水中の異物が接触して変形や損壊を招くことや、異物が付着して正常な計測を行えないこともある。また、この接触式は設置時やメンテナンス時にセンシング部を管渠の水中に設置する必要があり、場合によってはメンテナンスの度に水を抜き、ゼロ点調節を必要とする等手間が掛かり、メンテナンスサイクルも短縮されるものであった。
【0009】
これに対し、非接触式は、接触式のような変形や損壊を招くことがなく、メンテナンスも容易である。その反面、非接触式の距離センサーモジュールは水面に対し所定の角度を維持する調整が必要であり、例えば、水面に対して90度となる方向(鉛直方向)に検出信号を送り出す必要があるものでは、距離センサーモジュールの姿勢を高い精度で設定する必要があった。
【0010】
このような課題に対し、特許文献1,3に記載されるように、距離センサーモジュールとして、超音波や光線等の検出信号を用い、水面で反射された検出信号を検出することで水面までの距離を計測する構成のもので、水面に対する検出信号の送り出し角度を90度でない角度に設定する場合には、設定された角度に基づいて距離を求めるための演算を必要とする。
【0011】
このように、距離センサーモジュールのうち、検出信号を用いて水面を検出するものでは、検出信号の送り出し方向を鉛直下方に設定することが、計測が容易で計測性能を高く維持する点で重要となる。尚、特許文献1~3には、距離センサーモジュールの姿勢を調整することにより計測精度を高める点については記載されていない。
【0012】
マンホールの蓋は、管渠を管理する作業時に開閉されることもあり、例えば、蓋が開放の後に閉じられた場合でも、閉じられた姿勢が傾くなど適正でない場合には、蓋の下面に備えた距離センサーモジュールの姿勢も傾き、計測される水面の位置が不正確になることも懸念される。
【0013】
このような懸念は、計測対象が水に限るものではなく、水以外の流体や、固体であっても生ずるものである。
【0014】
このような理由から、適正でない姿勢でセットされても計測対象までの距離を正確に計測し得る距離センサーモジュールが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る距離センサーモジュールの特徴構成は、距離センサーと、筐体とを備え、前記距離センサーは、センサー本体部と、当該センサー本体部に接続された送受信部とを有し、前記送受信部から送信された検出信号が計測対象で反射された後に前記送受信部で受信されることにより、前記センサー本体部において前記計測対象までの距離を計測する非接触型に構成され、前記筐体は、前記距離センサーを収容するセンサー収容部と、前記センサー収容部を外部の取付対象に取り付ける取付部とを有しており、前記センサー収容部は、前記取付部が前記取付対象に取り付けられた状態において、重力の作用により前記送受信部の検出方向が鉛直下方に向かう姿勢に維持される点にある。
【0016】
この特徴構成によると、筐体が取付部によって取付対象に取り付けられた状態で、重力の作用により送受信部の検出方向が鉛直下方に向かう姿勢に維持される。このため、取付対象の姿勢が変化することがあっても、距離センサーの姿勢を、計測対象に対して最適な姿勢に維持することが可能となる。
従って、適正でない姿勢でセットされても計測対象までの距離を正確に計測し得る距離センサーモジュールが構成された。
【0017】
上記構成に加えた構成として、前記送受信部は、前記計測対象に対向するように配置されており、前記距離センサーの重心が前記送受信部の中心軸上に位置しても良い。
【0018】
これによると、重力の作用によって重心が送受信部の中心軸上に位置するように距離センサーの姿勢を設定することにより、距離センサーの検出信号を鉛直下方に送り出すことが可能となる。
【0019】
上記構成に加えた構成として、前記センサー収容部は、予め設定された範囲内での姿勢変化が可能になるように前記距離センサーを収容しても良い。
【0020】
これによると、距離センサーの姿勢が予め設定された範囲内で変化する限りにおいて、筐体の内面に距離センサーが接触することがなく、自由な姿勢が許容される。
【0021】
上記構成に加えた構成として、前記距離センサーが、予め設定された範囲内での姿勢変化した場合に、側面視において、前記センサー収容部の下端から前記距離センサーが露出しないように、前記センサー収容部の下端位置の下方への突出量が設定されても良い。
【0022】
これによると、距離センサーの傾きが最大に達した場合でも、側面視において縦外壁の下端から距離センサーの一部が下方に突出しないため、例えば、距離センサーモジュールをマンホールの蓋の下面に備え、この蓋を誤って地面に落下させた場合のように蓋の重量による衝撃が作用する状況でもセンサー収容部が距離センサーを保護し、距離センサーを破損することがない。
【0023】
上記構成に加えた構成として、前記センサー収容部に対する前記距離センサーの姿勢変化の限界を決める規制部を備えても良い。
【0024】
これによると、センサー収容部に収容された距離センサーの限界を超えた姿勢変化を招くことがない。
【0025】
上記構成に加えた構成として、前記センサー収容部に収容された前記距離センサーの姿勢変化を不能に固定する固定部材を備えても良い。
【0026】
これによると、センサー収容部に収容された距離センサーの姿勢変化を固定部材が不能にする。このように固定部材を用いることにより、例えば、振動が作用する状況において距離センサーを筐体の内面に強く接触させることもない。
【0027】
上記構成に加えた構成として、前記距離センサーは、前記筐体に対して揺動による姿勢変化が可能な態様で前記センサー収容部に収容されており、前記距離センサーと前記筐体の一方が揺動支点を有すると共に前記距離センサーと前記筐体の他方が前記揺動支点を支持する揺動受け部を有しており、前記揺動支点及び前記揺動受け部の中心のうち前記距離センサーが有する方は、前記距離センサーの重心の鉛直上方に位置しても良い。
【0028】
これによると、筐体の姿勢が適正な姿勢から外れた姿勢にある場合には、揺動支点を揺動受け部が支持した状態で、この揺動支点を中心に距離センサーが揺動することにより、距離センサーの重心の鉛直上方に位置させ、距離センサーから検出信号を鉛直下方に送り出すことが可能となる。
【0029】
上記構成に加えた構成として、前記取付部が、上方に突出する姿勢で上端ほど小径化する前記揺動支点を有し、前記距離センサーが、前記揺動支点の上端が当接し且つ下方に開放された凹面である前記揺動受け部を有しても良い。
【0030】
これによると、上方に延出する姿勢で上端ほど小径化する揺動支点の上端が、揺動受け部において下方に開放する凹面に当接することにより、当接位置を支持点として距離センサーを吊り下げる形態となり、この吊り下げにより距離センサーによる検出信号の送り出し方向を鉛直下方に向けることが可能となる。
【0031】
上記構成に加えた構成として、前記距離センサーが、下方に突出する姿勢で下端ほど小径化する前記揺動支点を有し、前記取付部が、前記揺動支点の下端が当接し且つ上方に開放された凹面である前記揺動受け部を有しても良い。
【0032】
これによると、下方に延出する姿勢で下端ほど小径化する揺動支点の下端が、揺動受け部において上方に開放する凹面に当接することにより、当接位置を支持点として距離センサーを吊り下げる形態となり、この吊り下げにより距離センサーによる検出信号の送り出し方向を鉛直下方に向けることが可能となる。
【0033】
上記構成に加えた構成として、前記筐体と前記距離センサーとに当接するように配置され、前記取付部の振動が前記距離センサーに伝搬するのを抑制する緩衝部材を更に備えても良い。
【0034】
これによると、筐体の取付部から伝わる振動を緩衝部材が吸収し、距離センサーの振動を抑制し精度の高い計測を可能にする。
【0035】
上記構成に加えた構成として、前記筐体と前記距離センサーとに当接し、且つ前記揺動支点を取り囲む領域に配置された緩衝部材を更に有しても良い。
【0036】
これによると、筐体に対して距離センサーの姿勢が、どのような方向に振動した場合でも、緩衝部材が振動を吸収し、揺動支点が配置された部位への塵埃の侵入も阻止する。
【0037】
上記構成に加えた構成として、前記距離センサーが、前記検出信号としてミリ波を用いたミリ波レーダセンサーとして構成され、前記距離センサーのうち前記送受信部を覆う部位が絶縁体で形成されても良い。
【0038】
これによると、送受信部の外面を絶縁体で保護することが可能となり、距離センサーが、検出信号としてミリ波を用いたミリ波レーダセンサーであるため、光線を用いるものと比較して環境の影響を受けることなく計測対象までの距離の計測を行える。
【0039】
本発明に係る距離センサーモジュールの他の特徴構成は、距離センサーと、筐体とを備え、前記距離センサーは、センサー本体部と、当該センサー本体部に接続された送受信部とを有し、前記送受信部から送信された検出信号が計測対象で反射された後に前記送受信部で受信されることにより、前記センサー本体部において前記計測対象までの距離を計測する非接触型に構成され、前記筐体は、前記距離センサーを収容するセンサー収容部と、前記センサー収容部を外部の取付対象に取り付ける取付部とを有しており、前記筐体は、前記距離センサーのうち前記送受信部の反対側を吊り下げる形態で姿勢変化自在に前記距離センサーを支持する支持機構を備えており、前記センサー収容部は、前記取付部が前記取付対象に取り付けられた状態において、重力の作用により前記送受信部の検出方向を鉛直下方に向かう姿勢に維持する点にある。
【0040】
この特徴構成によると、取付部を介して筐体が支持された場合には、筐体の支持機構が距離センサーのうち送受信部の反対側を吊り下げる形態で姿勢変更自在に支持するため、重力の作用により距離センサーの送受信部を鉛直下方に向かわせる姿勢に維持することが可能となる。
これにより、適正でない姿勢でセットされても計測対象までの距離を正確に計測し得る距離センサーモジュールが構成された。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】管渠とマンホールの蓋の配置を示す断面図である。
図2】距離センサーモジュールの斜視図である。
図3】距離センサーモジュールの分解斜視図である。
図4】距離センサーモジュールの縦断側面図である。
図5】ハウジングが傾斜姿勢にあるときの距離センサーモジュールの断面図である。
図6】距離センサーモジュールの横断平面図である。
図7】別実施形態(a)の距離センサーモジュールの断面図である。
図8】別実施形態(b)の距離センサーモジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図2に示すように、距離センサーSと、この距離センサーSを収容する筐体Hとを備えて距離センサーモジュールAが構成されている。
【0043】
距離センサーSは、図4に示す送受信部12の送受信面12Sから計測対象に検出信号(ミリ波)を送り出し、計測対象で反射した検出信号を送受信部12の送受信面12Sで受信することにより計測対象までの距離を計測する非接触型に構成されている。
【0044】
図1に示すように、本実施形態では、距離センサーモジュールAを、管渠1のマンホール2の蓋3(取付対象の一例)の下面に備え、管渠1に流れる水の水位を計測対象としている。すなわち、距離センサーモジュールAは、距離センサーSの送受信部12を水の水面fに対向させ、水の水面fまでの距離を非接触で計測する。尚、この距離センサーモジュールAは管渠1に限らず水路等に流れる水の水面fまでの距離を計測する形態で用いても良い。
【0045】
マンホール2の蓋3の下面に距離センサーモジュールAから距離情報が伝えられる通信ユニット4が備えられている。通信ユニット4は内部にバッテリー(図示せず)を有し、距離センサーモジュールAで検出された水面fまでの距離情報を、無線により管渠1を管理するサーバー等に送信する。
【0046】
この距離センサーモジュールAは、図2図4に示す姿勢で用いられるため、この姿勢に対応して上下位置の関係を説明する。上下の方向とは、図2図4において「Z」の符号を付している方向である。
【0047】
距離センサーモジュールAは、距離センサーSの送受信部12の送受信面12Sから検出信号を鉛直下方に送り出す姿勢を維持するように、姿勢維持部Vを介して距離センサーS(センサー本体部10)を筐体Hに対して吊り下げる形態で支持されている。姿勢維持部Vは、図4に示すように、支点部材23(揺動支点VAの一例)と、凹状面15S(揺動受け部VSの一例)とで構成されている。
【0048】
〔具体的構造:距離センサー〕
図2図6に示すように、距離センサーSは、平面視(Z方向視)で正方形(矩形)で下面に円柱状の突出部11を有するセンサー本体部10と、内部の送受信部12とを有している。センサー本体部10と突出部11とは絶縁体の樹脂で一体形成され、送受信部12の送受信面12Sの外側も樹脂で覆われている。
【0049】
距離センサーSは、平面視で正方形となる形状に限らず、円形や多角形等の形状であって良い。このように距離センサーSが平面視で正方向でない構成でも、図3,6等に示す構成と同様に本体壁部10aから水平方向に外方に支軸14を突出形成することが可能である。
【0050】
尚、図4等の断面図では、送受信部12が距離センサーSの絶縁体の樹脂にインサートされた形態を示しているが、距離センサーSの外壁を中空のケースとして構成し、このケースの内部に送受信部12を収容する構造を採用しても良い。
【0051】
センサー本体部10の内部には、送受信部12を制御して距離情報を取得し、取得した距離情報を通信ユニット4に送るセンサー制御回路(図示せず)を有している。
【0052】
送受信部12は、突出部11の突出側の端面から検出信号として、ミリ波を送り出し、水面fで反射したミリ波を受信することにより水面fまでの距離を計測するミリ波レーダとして機能する。
【0053】
センサー本体部10は、平面視で略中央に重心Wがあり、重心Wの下側に送受信部12を配置することにより、図4に示す姿勢にある場合に、送受信部12の中心軸上(重心ラインWLと重複する)に重心Wが位置している。このような構成から、距離センサーモジュールAは、重心Wより高い位置にある姿勢維持部Vでセンサー本体部10を吊り下げる形態で支持することにより、重力の作用により重心Wと送受信部12とを通る重心ラインWLを、鉛直姿勢に維持する。
【0054】
センサー本体部10は、重心ラインWLと重複する位置に送受信部12が配置される構成、あるいは、重心Wと重複する位置(同じ位置)に送受信部12が配置される構成でも、送受信部12の検出方向を鉛直下方向けることが可能である。このため、重心Wの上側で重心ラインWLと重複する位置に送受信部12を配置した構成、あるいは、重心Wと重複する位置に送受信部12を配置した構成を採用しても良い。
【0055】
図3図4図6に示すように、センサー本体部10は、突出部11と反対側に平坦な上端壁13が形成され、この上端壁13を取り囲むように上方に立ち上がる本体壁部10aが形成されている。本体壁部10aは、センサー本体部10に矩形の各辺に対応して壁部を有し、各辺に対応した壁部から水平方向の外方に支軸14が突設されている。
【0056】
前述したように、距離センサーSの平面視の形状が、円形や多角形である場合を考えると、距離センサーSの平面視の形状が円形である場合には、平面視の円形となる本体壁部10aの円周から水平方向の外方に支軸14が突設され、距離センサーSの平面視の形状が多角形である場合には、平面視の多角形となる本体壁部10aの各辺から水平方向の外方に支軸14が突設されることになる。尚、距離センサーSの平面視の形状が、円形や多角形以外であっても、これらの形状に従って形成される本体壁部10aの外面から外方に支軸14が突設されることになる。
【0057】
支軸14は断面形状が円形であり、これら4つの支軸14のうち、対向する位置の2つの支軸14は同軸芯上に配置されている。同図では直交する2つの軸芯の一方をX方向と称して「X」の符号を付し、軸芯の他方をY方向と称して「Y」の符号を付している。更に、X方向とY方向とに直交する方向を上下方向Zと称して「Z」の符号を付している(図2も参照)。
【0058】
図6に示すように、平面視においてX方向の軸芯と、Y方向の軸芯とは、重心ラインWLにおいて交わるように位置関係が設定されている。
【0059】
距離センサーSは、センサー本体部10の上端壁13より上方に離間した位置に支持プレート15を備えている。この支持プレート15は、上端壁13と平行する姿勢のプレート部15aと、このプレート部15aの外縁の4箇所から外方に延出するアーム部15bと、4つアーム部15bの延出端から上下方向Zに沿って下方に突出する脚部15cとを有する。
【0060】
4つの脚部15cは、上方に開口する孔状部にビス16を挿通し、このビス16をセンサー本体部10に螺合させることにより、支持プレート15と距離センサーSとが連結される。支持プレート15は、図4に示すように、筐体Hの副壁部20aより上方に配置される。このような配置を可能にするため、図3図4に示すように副壁部20aの貫通孔20bに脚部15cを挿通し、副壁部20aの下方に配置された距離センサーSと連結される。
【0061】
図4に示すように、プレート部15aの下面には下方に開放する凹状面15S(揺動受け部VS)が形成されている。凹状面15Sは半球状の内面を有し、最も深い部分(上下方向Zで副壁部20aから最も離間する部分)が重心ラインWLと交差する。
【0062】
〔具体的構造:筐体〕
筐体Hは、平面視で正方形(矩形)の上壁20と、この上壁20の4つの外縁部分から下方に延出する縦外壁21と、上壁20の外周からフランジ状に外方に延出する取付部22とが樹脂により一体形成されている。
【0063】
図3図6に示すように、縦外壁21は、4つの縦壁体21aが角部分で接合された形状であり、下方に開放する筒状に成形されている。この4つの縦壁体21aの内部にセンサー収容部Hsが形成され、このセンサー収容部Hsにセンサー本体部10が、予め設定された範囲内での姿勢変化を可能に収容されている。
【0064】
平面視で上壁20の中央部分には、窪みが形成されており、該窪みの底には平坦な副壁部20aが形成されている。平面視で副壁部20aの中央位置には上方に突出する姿勢で上端ほど小径化する支点部材23(揺動支点VA)が一体的に形成され、副壁部20aにおいて、支点部材23の周囲の4箇所に貫通孔20bが形成されている。尚、支点部材23は、先細り状となるように縦向き姿勢の中心の軸芯を中心とする回転体の形状に形成されている。
【0065】
4つの縦壁体21aの夫々の幅方向の中央位置には、縦向き姿勢のスリット21bが形成されている。4つのスリット21bには、距離センサーモジュールAを組み立てた状態で、センサー本体部10の4つの支軸14が挿通される。この距離センサーモジュールAでは、距離センサーSの傾きが最大に達した場合でも、側面視において(上下方向Zに垂直となる方向視において)縦外壁21の下端(センサー収容部Hsの下端)から距離センサーSの一部が下方に突出しないように、この縦外壁21の下端位置の下方への突出量が設定されている。これにより、例えば距離センサーモジュールAを備えたマンホール2の蓋3を誤って地面に落下させた場合のように蓋3の重量の作用により大きい衝撃が作用する状況でも縦外壁21が距離センサーSを保護する。
【0066】
〔具体的構造:姿勢維持部〕
図4に示すように、姿勢維持部Vは、筐体Hの側に形成された支点部材23(揺動支点VA)と、距離センサーSの側に形成され支持プレート15の下面の凹状面15S(揺動受け部VS)とを有している。
【0067】
この姿勢維持部Vは、支点部材23の上端が、支持プレート15の凹状面15Sに揺動中心で当接することにより、距離センサーSを筐体Hに対して距離センサーSを安定する姿勢で吊り下げる形態で支持する。このように、支点部材23の上端と、支持プレート15の凹状面15Sとが接触する位置を支持点Pとした場合に、この支持点Pを中心(揺動中心)として、筐体Hに対し距離センサーSの揺動が可能となる。図4に示す水平姿勢では、支持点Pは、支持プレート15の凹状面15Sの最も深い部分と接触すると共に、重心ラインWL上にある。
【0068】
姿勢維持部Vは、図5に示すように、筐体Hが、図4の水平姿勢から外れた場合は、支持点Pの位置が凹状面15Sに沿って移動し、この凹状面15Sに当接する支点部材23の揺動中心の位置も変化するが、この場合でも、重心ラインWLが揺動中心と重心Wとを通過する鉛直姿勢に維持されて距離センサーSは水平姿勢に維持される。
【0069】
このように、姿勢維持部Vは、支持点Pを中心にして筐体Hに対する距離センサーSの姿勢変化を可能にすると同時に、距離センサーSに作用する重力により距離センサーSの重心ラインWLを鉛直方向に向かう姿勢で安定させ、結果として送受信部12による検出方向を鉛直下方に向かわせる。
【0070】
〔具体的構造:規制部など〕
図2図3図6に示すように、距離センサーモジュールAは、筐体Hに対する距離センサーSの姿勢変化の限界を決める規制部Rを備えている。規制部Rは、4つの縦壁体21aのうち、X方向に直交する姿勢の一対の縦壁体21aのうちの1つの外面、及び、Y方向に直交する姿勢となる一対の縦壁体21aのうちの1つの外面に規制アーム24を備えている。
【0071】
規制アーム24は、基端の基端孔部24aにビスで成る揺動支軸25が挿通し、この揺動支軸25が縦壁体21aに固定されることで、揺動支軸25を中心に揺動自在に支持される。また、この規制アーム24は、中間部分の湾曲した長孔部24bにビスで成る規制軸26が挿通し、この規制軸26が縦壁体21aに固定されることにより揺動限界を決めている。更に、規制アーム24は、長孔部24bに近接する位置の連動孔24cに支軸14が挿通し、支軸14の上下方向への変位に伴い揺動支軸25を中心に揺動する。
【0072】
この実施形態では、規制部Rが、図2,3,6等に示す規制アーム24だけで機能するものではなく、長孔部24b、規制軸26等を含めて機能するものである。また、規制部Rは、距離センサーSの外面に接触することで揺動限界を決める部材で構成することや、支軸14に接触することで距離センサーSの揺動限界を決める部材で構成されるものでも良い。
【0073】
規制軸26の締め付けによって規制アーム24の揺動を固定するように用いることにより、規制軸26を固定部材として用いることが可能である。このように固定部材を構成することにより、規制アーム24の揺動を不能にし、距離センサーSの姿勢変化を不能にする。尚、固定部材として、長孔部24bに挿通する一対のビスや一対のピンを用いることも可能であり、距離センサーSの外面に接触することで揺動限界を決める部材で固定部材を構成しても良い。
【0074】
規制アーム24は、筐体Hに対し距離センサーSが水平姿勢にある場合、一対の支軸14は図2に示す基準位置にあり、2つの規制アーム24は水平姿勢にある。これに対し、筐体Hに対する距離センサーSの姿勢が水平姿勢を基準に傾斜角をなす状態に変化した場合には、連動孔24cに挿通する支軸14が基準位置から上方または下方に変位するため、規制アーム24が基端孔部24aに挿通する揺動支軸25を中心に揺動する。
【0075】
このような構成から、規制アーム24は、筐体Hに対する距離センサーSの揺動に伴い、揺動支軸25を中心に揺動し、長孔部24bの長手方向の端部に規制軸26が当接することにより揺動が不能となり、距離センサーSの揺動姿勢の限界が決まる。
【0076】
図3図4に示すように、距離センサーモジュールAは、支点部材23の外周より外側で、副壁部20aの上面と、支持プレート15の下面とに挟まれる位置にリング状の緩衝部材17を備えている。緩衝部材17は、ゴムや柔軟に変形する樹脂等が用いられる。
【0077】
このように緩衝部材17を備えているため、距離センサーモジュールAは、例えば、外部から振動や衝撃が伝わった場合には、この緩衝部材17が距離センサーSに作用する振動や衝撃を和らげることが可能である。また、緩衝部材17は距離センサーSの振動を収束させ、距離センサーSが鉛直方向に沿う姿勢で静止するまでの時間を短縮し、振動による不正確なセンシングを抑制する。更に、この緩衝部材17は、支点部材23の先細り状部分と、支持プレート15の凹状面15Sとの間に対する塵埃の侵入を抑制する。
【0078】
〔実施形態の作用効果〕
距離センサーモジュールAは、筐体Hの取付部22をマンホール2の蓋3の下面にビス等で連結固定される。このように距離センサーモジュールAが蓋3の下面に固定される場合には、重心ラインWLが重力の作用により重心Wと送受信部12とを通る重心ラインWLを鉛直姿勢に維持するようにセッティングされる。このセッティングでマンホール2の蓋3が水平姿勢にある場合には、姿勢維持部Vは、支点部材23の上端が支持プレート15の凹状面15Sの中央位置に支持点Pで当接する状態で、距離センサーSの重量を筐体Hで受け止め、筐体Hに対して距離センサーSを安定する姿勢で吊り下げる形態で支持する。
【0079】
これに対し、例えば、マンホール2のメンテナンス後に、マンホール2の蓋3の姿勢が傾くなど適正でない姿勢に変化した場合には、距離センサーモジュールAでは、凹状面15Sの内面に対し、支点部材23の突出側の端部が当接する状態で、重力の作用によって当接位置となる支持点Pを揺動中心として、筐体Hに対し距離センサーSが相対的に揺動し、重心ラインWLが鉛直方向に沿う鉛直姿勢に維持され、距離センサーSが水平姿勢に維持される。その結果、送受信部12の送受信面12Sから送り出される検出信号の方向を鉛直方向に沿わせ、水面fを高い精度で計測する。
【0080】
距離センサーモジュールAは、橋梁や、河川敷などの施設に設置して、河川の水位を計測するように用いることが可能である。このように用いた場合に設置場所の傾斜や設置箇所として水平に伸びた鉄柱などが経年変化で鉄柱や設置箇所そのものが傾いてしまうことがあるものの、距離センサーモジュールAは距離センサーSが自重で揺動することにより対応が可能となる。また、距離センサーモジュールAは、浄化槽の蓋の裏や槽内の天井に取り付けて槽内の水位測定に使用することが可能であり、田圃や水耕栽培の畑の水位測定に使用することも可能である。
【0081】
特に、距離センサーモジュールAは、筐体Hに対する距離センサーSの姿勢が変化する場合でも、距離センサーSがセンサー収容部Hsの内部に収容される状態が維持される。また、筐体Hに対する距離センサーSの姿勢が変化する際に、一対の規制アーム24によって筐体Hに対する距離センサーSの姿勢変化を制限するため、筐体Hに対して距離センサーSが大きく姿勢変化して、縦外壁21の内面に接触する不都合を解消する。
【0082】
距離センサーモジュールAは、距離センサーSの傾きが最大に達した場合でも、側面視において(上下方向Zに垂直となる方向視において)縦外壁21の下端(センサー収容部Hsの下端)から距離センサーSの一部が下方に突出しないように縦外壁21の下端位置の下方への突出量が設定されている。このため、例えば、距離センサーモジュールAを備えたマンホール2の蓋3を誤って地面に落下させた場合のように蓋3の重量により大きい衝撃が作用する状況でも縦外壁21が距離センサーSを保護できる。
【0083】
また、この距離センサーモジュールAでは、例えば、外部から振動や衝撃が伝わった場合のように距離センサーモジュールAが振動する状況でも、緩衝部材17が筐体Hと距離センサーSとの大きな変動を抑制し、誤計測を抑制する。
【0084】
また、プレート部15aの下面には下方に開放する凹状面15S(揺動受け部VS)が形成された構成は、重力の作用方向に開放しているので、水滴やほこりが支点部材23と凹状面15Sの当接箇所に侵入しても水滴やほこりは重力によって排出されて距離センサーSが筐体Hのセンサー収容部Hsの内部での揺動の阻害を抑制できる。
【0085】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
【0086】
(a)図7に示すように、姿勢維持部Vを、支持プレート15の下面から下方に突出する揺動支点VAとしての支点軸体18と、筐体Hの副壁部20aに形成され情報に開放する揺動受け部VSとしての凹状部27とを備えて距離センサーモジュールAを構成する。
【0087】
この別実施形態(a)では、支点軸体18が先細りに成形され、凹状部27は中央部が深くなるように断面形状がV字状で、重心ラインWLを中心とする回転体状に形成されている。これにより、距離センサーSに作用する重力によって支点軸体18の下端部が凹状部27の最も深い部位に当接し、この当接部分が支持点Pとなる。
【0088】
この別実施形態(a)は、実施形態と比較して、支点軸体18と凹状部27(実施形態では凹状面15S)との上下関係は逆の配置になるものの、実施形態と同様に、距離センサーSが姿勢維持部Vを介して筐体Hに対して吊り下げるように支持される。
【0089】
この別実施形態(a)の構成でも、実施形態と同様に、ゴムや柔軟に変形する樹脂等で成る緩衝部材17が、支持プレート15の下面と、副壁部20aとの間に挟み込まれる。尚、この別実施形態(a)は、実施形態と同様に一対の規制アーム24が用いられる。
【0090】
(b)図8に示すように、姿勢維持部Vを、筐体Hの上壁20の下面と、距離センサーSのセンサー本体部10の上端壁13を結ぶ支持機構Tとしてのコイルスプリング30を備えて距離センサーモジュールAを構成する。
【0091】
この別実施形態(b)では、筐体Hが実施形態の副壁部20aを備えず、平坦な上壁20の下面の中央位置に下方に突出する上部支持体31を設け、センサー本体部10の上端壁13の中央位置に下部支持体32を備えている。
【0092】
上部支持体31は下端部分が下方に開放する筒状であり、下部支持体32は上方に開放する筒状であり、上部支持体31の筒状部分にコイルスプリング30の上端を嵌め込み、下部支持体32の筒状部分にコイルスプリング30の下端を嵌め込む形態でコイルスプリング30が備えられる。
【0093】
この別実施形態(b)では、筐体Hに対し、コイルスプリング30によって距離センサーSを吊り下げ状態で支持することにより、筐体Hの姿勢に拘わらず距離センサーSの重心ラインWLが鉛直姿勢に維持される。
【0094】
(c)別実施形態(b)に示されたコイルスプリング30に代えて合成繊維を用いた紐状体や、柔軟に変形するワイヤを支持機構Tとして用いることが可能である。
【0095】
(d)距離センサーSとして、検出信号に超音波を用いるものや、検出信号に赤外線や可視光などの光線を用いることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、距離センサーに利用することができる。
【符号の説明】
【0097】
3 蓋(取付対象)
10 センサー本体部
12 送受信部
15 支持プレート
15S 凹状面(揺動受け部)
17 緩衝部材
18 支点軸体(揺動支点)
22 取付部
23 支点部材(揺動支点)
24 規制アーム(規制部)
27 凹状部(揺動受け部)
30 コイルスプリング(支持機構)
A 距離センサーモジュール
H 筐体
Hs センサー収容部
R 規制部
S 距離センサー
T 支持機構
W 重心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8