(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118568
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20240826BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240826BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240826BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240826BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240826BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240826BHJP
G02F 1/133 20060101ALN20240826BHJP
【FI】
G09G3/20 670B
G09G3/20 621E
G09G3/20 642P
G09G3/36
G09G5/00 X
G09G5/37 320
G09G5/00 550C
G09G3/20 670H
G09G3/20 670E
G09G3/20 660H
G09F9/30 349C
G09F9/00 366Z
G02F1/133 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024918
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 裕二
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
5C094
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
2H193ZA04
2H193ZH09
2H193ZH14
2H193ZH15
2H193ZJ20
2H193ZK02
2H193ZK05
2H193ZK06
2H193ZK09
2H193ZK13
2H193ZK17
2H193ZP11
2H193ZP16
2H193ZR06
5C006AA02
5C006AA21
5C006AB01
5C006AB03
5C006AB05
5C006AF38
5C006AF45
5C006AF53
5C006AF54
5C006AF63
5C006BB16
5C006BF14
5C006BF39
5C006EB01
5C006EC09
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB06
5C080CC01
5C080DD15
5C080DD16
5C080DD21
5C080EE02
5C080EE17
5C080EE19
5C080EE24
5C080EE25
5C080EE26
5C080FF13
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080JJ07
5C080KK20
5C094AA41
5C094BA43
5C094ED15
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB25
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA25
5C182CA35
5C182CA54
5C182CA55
5C182CB44
5C182DA70
5G435AA19
5G435BB12
5G435EE49
(57)【要約】
【課題】表示装置本体の異常を適正に検出することができる表示装置を提供する。
【解決手段】車載メータ1は、TFTディスプレイ10と、異常検出部311とを備える。TFTディスプレイ10は、画像を表示領域に表示する液晶パネル12、及び、液晶パネル12を制御するドライバIC13を含んで構成される。ここで、表示領域は、視認可能領域と、視認不可領域とに区分けされている。視認可能領域は、見返し板で遮蔽されていない領域であり、目視位置から視認可能な領域である。視認不可領域は、見返し板で遮蔽された領域であり、目視位置から視認不可な領域である。受光部20は、視認不可領域に表示される異常検出用画像の表示光を受光する。異常検出部311は、受光部20により受光した受光結果に基づいてTFTディスプレイ10の異常を検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示領域に表示する表示パネル、及び、前記表示パネルを制御する表示制御部を含み、前記表示領域が、遮蔽物で遮蔽された領域であり目視位置から視認不可である視認不可領域と、前記遮蔽物で遮蔽されていない領域であり前記目視位置から視認可能である視認可能領域とに区分けされた表示装置本体と、
前記視認不可領域に表示される異常検出用画像の表示光を受光する受光部と、
前記受光部により受光した受光結果に基づいて前記表示装置本体の異常を検出する異常検出部と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記視認不可領域は、第1視認不可領域、及び、前記第1視認不可領域とは別の第2視認不可領域を含み、
前記受光部は、前記第1視認不可領域に表示される前記異常検出用画像の表示光を受光する第1受光部、及び、前記第2視認不可領域に表示される前記異常検出用画像の表示光を受光する第2受光部を含み、
前記異常検出部は、前記第1受光部により受光した受光結果、及び、前記第2受光部により受光した受光結果に基づいて前記表示装置本体の異常を検出する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示パネルを制御し、前記異常検出用画像として、前記第1視認不可領域に白色画像と黒色画像とを交互に表示し、かつ、前記第1視認不可領域に表示する色とは異なるように前記第2視認不可領域に白色画像と黒色画像とを交互に表示する請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記視認可能領域に前記異常検出用画像とは異なる視認用画像を表示し、かつ、前記視認不可領域に前記異常検出用画像を表示する請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、液晶ディスプレイの画質を検査する液晶ディスプレイの画質検査装置が記載されている。この画質検査装置は、液晶ディスプレイを表示させる表示制御装置と、表示画面を撮像する撮像装置と、撮像装置の画像信号を処理して画質異常の位置を検出する画像処理装置と、画質検査の制御を行う制御装置とを備える。制御装置は、表示制御装置に液晶ディスプレイを全面白色表示させるか又は全面非表示とするかの指示を交互に出す指示切換手段と、画像処理装置の検出結果から液晶ディスプレイを全面白色表示とした場合の画質異常と全面非表示とした場合の画質異常の位置データを比較し、液晶ディスプレイに付着した異物と液晶ディスプレイの画素欠陥を識別する画質異常識別手段とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の画質検査装置は、画質の異常を識別する際に、液晶ディスプレイを全面白色表示させるか又は全面非表示としているので、例えば、ユーザーが液晶ディスプレイを使用中に当該液晶ディスプレイの異常を検出することは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表示装置本体の異常を適正に検出することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、画像を表示領域に表示する表示パネル、及び、前記表示パネルを制御する表示制御部を含み、前記表示領域が、遮蔽物で遮蔽された領域であり目視位置から視認不可である視認不可領域と、前記遮蔽物で遮蔽されていない領域であり前記目視位置から視認可能である視認可能領域とに区分けされた表示装置本体と、前記視認不可領域に表示される異常検出用画像の表示光を受光する受光部と、前記受光部により受光した受光結果に基づいて前記表示装置本体の異常を検出する異常検出部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る表示装置は、表示パネルの視認不可領域を利用して表示装置本体の異常を検出できるので、表示パネルの視認可能領域に視認用画像を表示した状態でも、表示装置本体の異常を検出でき、この結果、表示装置本体の異常を適正に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車載メータの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る受光部及び表示領域の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22a、22bの出力信号が正常)を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22aの出力信号が異常)を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22bの出力信号が異常)を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22a、22bの出力信号が異常)を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る車載メータの動作例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態の第1変形例に係る車載メータの構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態の第1変形例に係る第1受光部及び表示領域の構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22aの出力信号が正常)を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22aの出力信号が異常)を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態の第2変形例に係る第1受光部及び第2受光部の構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態の第3変形例に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22a、22bの出力信号が正常)を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態の第3変形例に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22aの出力信号が異常)を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態の第3変形例に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22bの出力信号が異常)を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態の第3変形例に係る映像信号と出力信号との関係(受光素子22a、22bの出力信号が異常)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0010】
図面を参照しながら実施形態に係る車載装置としての車載メータ1について説明する。車載メータ1は、車両に搭載され、車速等の車両に関する情報を表示するものであり、本実施形態では、車載メータ本体の異常を検出する機能を備えている。車載メータ1は、
図1に示すように、表示装置本体としてのTFT(Thin Film Transistor)ディスプレイ10と、受光部20と、メータ基板30とを備える。
【0011】
TFTディスプレイ10は、情報を表示する表示デバイスであり、バックライト11と、表示パネルとしての液晶パネル12と、表示制御部としてのドライバIC13とを含んで構成される。
【0012】
バックライト11は、光を照射するものであり、複数の光源等によって構成される。バックライト11の光源には、例えば、LED(light-emitting diode)が用いられる。バックライト11は、液晶パネル12の背面に設けられ、複数のLEDから液晶パネル12の背面に光を照射する。
【0013】
液晶パネル12は、画像を表示するものであり、例えば、TFT-LCD(Thin Film Transistor-Liquid Crystal Display)等によって構成される。液晶パネル12は、
図2に示すように、メータ基板30に搭載され、表示部材121と、TFT基板122とを含んで構成される。表示部材121は、例えば、カラーフィルタ、液晶層等を含んで構成される。TFT基板122は、信号線(ソースライン)、走査線(ゲートライン)、TFT素子、画素電極等を含んで構成される。TFT基板122は、信号線(ソースライン)及び走査線(ゲートライン)を介してTFT素子がオンオフ制御され、当該TFT素子のオンオフ制御により画素電極が制御される。TFT基板122は、画素電極を介して表示部材121の液晶層の液晶分子に電圧を印加し、液晶分子の方向を制御する。TFT基板122は、表示部材121の液晶層の液晶分子の方向を制御することにより、バックライト11から照射される光が表示部材121のカラーフィルタを透過する光の透過量を制御する。液晶パネル12は、TFT基板122により表示部材121のカラーフィルタを透過する光の透過量を制御することで、表示領域Rに画像を表示する。
【0014】
ここで、表示領域Rは、表示部材121により画像を表示することができる領域である。すなわち、表示領域Rは、液晶パネル12の表示面の全体である。表示領域Rは、
図2に示すように、視認可能領域R1と視認不可領域R2とに区分けされている。
【0015】
視認可能領域R1は、障害物としての見返し板Fで遮蔽されていない領域であり、目視位置EPから視認可能な領域である。すなわち、視認可能領域R1は、表示領域Rにおいて、目視位置EPから視認可能に露出した領域である。視認可能領域R1は、矩形状に形成され、表示領域Rの中央に位置している。視認可能領域R1には、運転者が車両を運転する際に、車速等の車両に関する情報を含む視認用画像P1が表示される。なお、見返し板Fは、液晶パネル12の周囲を囲って当該液晶パネル12等を保持する枠形状の部材である。目視位置EPは、運転者が運転席に着座した状態で、当該運転者の視点の位置である。
【0016】
視認不可領域R2は、見返し板Fで遮蔽された領域であり、目視位置EPから視認不可な領域である。すなわち、視認不可領域R2は、表示領域Rにおいて、枠形状の見返し板Fにより覆われた領域である。言い換えれば、視認不可領域R2は、表示領域Rにおいて、目視位置EPから視認可能に露出していない領域である。視認不可領域R2は、視認可能領域R1の外側に位置し、枠形状に形成されている。視認不可領域R2は、第1視認不可領域R2aと、第2視認不可領域R2bとを含む。言い換えれば、第1視認不可領域R2a及び第2視認不可領域R2bは、それぞれ枠形状の視認不可領域R2内に設けられた領域であり、それぞれが別々の領域である。第1視認不可領域R2aは、例えば、
図2に示すように、矩形状に形成され、枠形状の視認不可領域R2の角部(目視位置EPから視て右上の角部)に設けられている。第2視認不可領域R2bは、第1視認不可領域R2aとは別の領域であり、例えば、
図2に示すように、第1視認不可領域R2aと同じ矩形状に形成され、枠形状の視認不可領域R2の他の角部(目視位置EPから視て右下の角部)に設けられている。第1視認不可領域R2aと第2視認不可領域R2bとは、視認不可領域R2内において、それぞれが離れて設けられている。第1視認不可領域R2a及び第2視認不可領域R2bには、TFTディスプレイ10の異常を検出するための異常検出用画像P2が表示される。異常検出用画像P2は、視認用画像P1とは異なる画像であり、例えば、
図3に示すように、白色画像と黒色画像とが交互に表示される画像である。異常検出用画像P2は、後述の受光部20により検出され、当該検出結果に基づいて、TFTディスプレイ10の異常が検出される。
【0017】
ドライバIC13は、液晶パネル12を制御するものである。ドライバIC13は、メータ基板30から出力される映像信号に基づいて、液晶パネル12を制御する。ドライバIC13は、ゲートドライバ131と、ソースドライバ132と、タイミングコントローラ133とを含んで構成される。ゲートドライバ131は、TFT基板122の走査線(ゲートライン)を制御するものである。ソースドライバ132は、TFT基板122の信号線(ソースライン)を制御するものである。タイミングコントローラ133は、メータ基板30から出力される映像信号に基づいて、ゲートドライバ131及びソースドライバ132を制御し、液晶パネル12に画像(動画、静止画)を表示するものである。タイミングコントローラ133は、例えば、メータ基板30から出力される映像信号に基づいて、視認用画像P1及び異常検出用画像P2を1枚のフレーム画像内に形成する。そして、タイミングコントローラ133は、液晶パネル12の視認可能領域R1に視認用画像P1を表示し、かつ、液晶パネル12の視認不可領域R2に異常検出用画像P2を表示する。この例では、タイミングコントローラ133は、液晶パネル12の視認可能領域R1に視認用画像P1を表示すると共に、液晶パネル12の第1視認不可領域R2aに異常検出用画像P2aを表示し、さらに、液晶パネル12の第2視認不可領域R2bに異常検出用画像P2bを表示する。異常検出用画像P2a、P2bは、動画像であり、例えば、
図3に示すように、白色画像と黒色画像とが交互に含まれる画像である。タイミングコントローラ133は、液晶パネル12を制御し、第1視認不可領域R2aに白色画像と黒色画像とを交互に表示し、かつ、第1視認不可領域R2aに表示する色とは異なるように第2視認不可領域R2bに白色画像と黒色画像とを交互に表示する。すなわち、タイミングコントローラ133は、第1視認不可領域R2aに白色画像を表示した場合、第2視認不可領域R2bに黒色画像を表示し、第1視認不可領域R2aに黒色画像を表示した場合、第2視認不可領域R2bに白色画像を表示し、それぞれの領域において、白色画像と黒色画像とを交互に連続して表示する。
【0018】
受光部20は、視認不可領域R2に表示される異常検出用画像P2の表示光を受光するものである。受光部20は、第1受光部20aと、第2受光部20bとを含んで構成される。
【0019】
第1受光部20aは、第1視認不可領域R2aに表示される異常検出用画像P2aの表示光を受光するものであり、
図2に示すように、光学系としてのプリズム21aと、受光素子22aとを含んで構成される。プリズム21aは、目視位置EPから視て見返し板Fの裏側に隠れて設けらている。すなわち、プリズム21aは、見返し板Fの目視位置EPとは反対側に設けられている。プリズム21aは、その一端が液晶パネル12と見返し板Fとの間に設けられ、かつ、その一端が液晶パネル12の第1視認不可領域R2aと対向して設けられている。また、プリズム21aは、その他端が受光素子22aまで延在して設けられている。この構成により、プリズム21aは、液晶パネル12の第1視認不可領域R2aに表示される異常検出用画像P2aの表示光を受光素子22aに導くことができる。
【0020】
受光素子22aは、受光した光信号を電気信号に変換するものである。受光素子22aは、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ等である。受光素子22aは、メータ基板30に搭載され、プリズム21aの他端と対向して設けられている。受光素子22aは、プリズム21aを介して、液晶パネル12の第1視認不可領域R2aに表示される異常検出用画像P2aの表示光を受光する。受光素子22aは、例えば、
図3等に示す映像信号D1に含まれる異常検出用画像P2aとして、白色画像と黒色画像とが交互に表示される画像の表示光を受光する。受光素子22aは、異常検出用画像P2aの表示光(光信号)を受光した場合、当該光信号を電気信号に変換し、変換後の電気信号をメータ基板30に出力する。受光素子22aは、例えば、
図3に示すように、白色画像の表示光を受光した場合、ハイレベルの電気信号をメータ基板30に出力し、黒色画像の表示光を受光した場合、ローレベルの電気信号をメータ基板30に出力する。
【0021】
第2受光部20bは、上述の第1受光部20aと同様に構成されている。すなわち、第2受光部20bは、第2視認不可領域R2bに表示される異常検出用画像P2bの表示光を受光するものであり、
図2に示すように、光学系としてのプリズム21bと、受光素子22bとを含んで構成される。プリズム21bは、目視位置EPから視て見返し板Fの裏側に隠れて設けらている。すなわち、プリズム21bは、見返し板Fの目視位置EPとは反対側に設けられている。プリズム21bは、その一端が液晶パネル12と見返し板Fとの間に設けられ、かつ、その一端が液晶パネル12の第2視認不可領域R2bと対向して設けられている。また、プリズム21bは、その他端が受光素子22bまで延在して設けられている。この構成により、プリズム21bは、液晶パネル12の第2視認不可領域R2bに表示される異常検出用画像P2bの表示光を受光素子22bに導くことができる。
【0022】
受光素子22bは、受光した光信号を電気信号に変換するものである。受光素子22bは、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ等である。受光素子22bは、メータ基板30に搭載され、プリズム21bの他端と対向して設けられている。受光素子22bは、プリズム21bを介して、液晶パネル12の第2視認不可領域R2bに表示される異常検出用画像P2bの表示光を受光する。受光素子22bは、例えば、
図3に示す映像信号D2に含まれる異常検出用画像P2bとして、白色画像と黒色画像とが交互に表示される画像の表示光を受光する。受光素子22bは、異常検出用画像P2bの表示光(光信号)を受光した場合、当該光信号を電気信号に変換し、変換後の電気信号をメータ基板30に出力する。受光素子22bは、例えば、
図3に示すように、白色画像の表示光を受光した場合、ハイレベルの電気信号をメータ基板30に出力し、黒色画像の表示光を受光した場合、ローレベルの電気信号をメータ基板30に出力する。
【0023】
メータ基板30は、TFTディスプレイ10を制御するものである。メータ基板30は、メータCPU31を含んで構成される。メータCPU31は、TFTディスプレイ10に画像(動画、静止画)を表示する制御を実施するものである。メータCPU31は、例えば、映像信号をTFTディスプレイ10のドライバIC13に出力する。映像信号には、車速等の車両に関する情報を含む視認用画像P1、TFTディスプレイ10の異常を検出するための異常検出用画像P2を表示するための信号が含まれる。異常検出用画像P2は、液晶パネル12の第1視認不可領域R2aに表示するための異常検出用画像P2aと、液晶パネル12の第2視認不可領域R2bに表示するための異常検出用画像P2bとを含む。異常検出用画像P2a、P2bは、上述したように、動画像であり、例えば、
図3に示すように、白色画像と黒色画像とが交互に含まれる画像である。メータCPU31は、白色画像と黒色画像とが交互に含まれる異常検出用画像P2a、P2bを、TFTディスプレイ10のドライバIC13に出力する。
【0024】
メータCPU31は、異常検出部311を含んで構成される。異常検出部311は、受光部20により受光した受光結果に基づいてTFTディスプレイ10の異常を検出するものである。異常検出部311は、例えば、第1受光部20aにより受光した受光結果、及び、第2受光部20bにより受光した受光結果に基づいてTFTディスプレイ10の異常を検出する。異常検出部311は、異常検出用画像P2を含む映像信号D1、D2をTFTディスプレイ10のドライバIC13に出力した際に、例えば、
図3に示すように、受光素子22aから、異常検出用画像P2aの表示光を受光したことを表す電気信号が出力され、かつ、受光素子22bから、異常検出用画像P2bの表示光を受光したことを表す電気信号が出力された場合、TFTディスプレイ10が正常であることを検出する。一方で、異常検出部311は、受光素子22a及び受光素子22bの少なくとも一方から、上記電気信号が出力されなかった場合、TFTディスプレイ10が異常であることを検出する。例えば、異常検出部311は、
図4に示すように、異常検出用画像P2を含む映像信号D1、D2をTFTディスプレイ10のドライバIC13に出力した際に、受光素子22bから、異常検出用画像P2bの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されても、受光素子22aから、異常検出用画像P2aの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されなかった場合、TFTディスプレイ10が異常であることを検出する。また、異常検出部311は、
図5に示すように、受光素子22aから、異常検出用画像P2aの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されても、受光素子22bから、異常検出用画像P2bの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されなかった場合、TFTディスプレイ10が異常であることを検出する。また、異常検出部311は、
図6に示すように、受光素子22aから、異常検出用画像P2aの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されず、さらに、受光素子22bからも、異常検出用画像P2bの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されなかった場合、TFTディスプレイ10が異常であることを検出する。異常検出部311は、TFTディスプレイ10の異常を検出した場合、TFTディスプレイ10のインジケータを点灯したり、または、液晶パネル12に表示したりすることで運転者に異常を報知する。異常検出部311は、TFTディスプレイ10の異常を検出したことを記憶部に記憶しておいてもよい。
【0025】
次に、車載メータ1の動作例について説明する。
図7は、実施形態に係る車載メータ1の動作例を示すフローチャートである。車載メータ1は、
図7に示すように、液晶パネル12の第1視認不可領域2aに異常検出用画像P2aを表示する(ステップS1)。車載メータ1は、例えば、異常検出用画像P2aとして、第1視認不可領域2aに白色画像と黒色画像とを交互に表示する。車載メータ1は、ステップS1の処理と並行して、液晶パネル12の第2視認不可領域2bに異常検出用画像P2bを表示する(ステップS2)。車載メータ1は、例えば、異常検出用画像P2bとして、第1視認不可領域R2aに表示する色とは異なるように、第2視認不可領域2bに白色画像と黒色画像とを交互に表示する。次に、車載メータ1は、第1受光部20aから受光結果を取得し(ステップS3)、第2受光部20bから受光結果を取得する(ステップS4)。車載メータ1は、受光結果に基づいて、異常検出用画像P2a、P2bを検出したか否かを判定する(ステップS5)。車載メータ1は、例えば、
図3に示すように、白色画像と黒色画像とを表す映像信号D1、D2に合わせて、受光素子22a及び受光素子22bから、白色画像の表示光の受光を表すハイレベルの電気信号と、黒色画像の表示光の受光を表すローレベルの電気信号とを交互に受信した場合(ステップS5;Yes)、TFTディスプレイ10の正常を検出し(ステップS6)、処理を終了する。一方で、車載メータ1は、
図4~
図6に示すように、白色画像と黒色画像とを表す映像信号D1、D2を出力しても、受光素子22a及び受光素子22bの少なくとも一方から、変化のない一定レベルの電気信号を受信した場合(ステップS5;No)、TFTディスプレイ10の異常を検出し(ステップS7)、処理を終了する。
【0026】
以上のように、実施形態に係る車載メータ1は、TFTディスプレイ10と、異常検出部311とを備える。TFTディスプレイ10は、画像を表示領域Rに表示する液晶パネル12、及び、液晶パネル12を制御するドライバIC13を含んで構成される。ここで、表示領域Rは、視認可能領域R1と、視認不可領域R2とに区分けされている。視認可能領域R1は、見返し板Fで遮蔽されていない領域であり、目視位置EPから視認可能な領域である。視認不可領域R2は、見返し板Fで遮蔽された領域であり、目視位置EPから視認不可な領域である。受光部20は、視認不可領域R2に表示される異常検出用画像P2の表示光を受光する。異常検出部311は、受光部20により受光した受光結果に基づいてTFTディスプレイ10の異常を検出する。
【0027】
この構成により、車載メータ1は、液晶パネル12の視認不可領域R2を利用してTFTディスプレイ10の異常を検出できるので、液晶パネル12の視認可能領域R1に視認用画像P1を表示した状態でも、TFTディスプレイ10の異常を検出できる。車載メータ1は、例えば、TFTディスプレイ10の液晶パネル12に異常が発生した為に、受光部20により異常検出用画像P2の表示光を受光できなかった場合、液晶パネル12の異常を検出することができる。この結果、車載メータ1は、TFTディスプレイ10の異常を適正に検出することができる。
【0028】
車載メータ1において、視認不可領域R2は、第1視認不可領域R2a、及び、第1視認不可領域R2aとは別の第2視認不可領域R2bを含む。受光部20は、第1視認不可領域R2aに表示される異常検出用画像P2の表示光を受光する第1受光部20a、及び、第2視認不可領域R2bに表示される異常検出用画像P2の表示光を受光する第2受光部20bを含む。異常検出部311は、第1受光部20aにより受光した受光結果、及び、第2受光部20bにより受光した受光結果に基づいてTFTディスプレイ10の異常を検出する。この構成により、車載メータ1は、2箇所でTFTディスプレイ10の異常を検出することができるので、例えば、2箇所のうち、一方で検出不良が発生しても、他方で異常を検出することができ、これにより、確実に異常を検出することができる。
【0029】
車載メータ1において、ドライバIC13は、液晶パネル12を制御し、異常検出用画像P2として、第1視認不可領域R2aに白色画像と黒色画像とを交互に表示し、かつ、第1視認不可領域R2aに表示する色とは異なるように第2視認不可領域R2bに白色画像と黒色画像とを交互に表示する。この構成により、車載メータ1は、例えば、TFT基板122の第1視認不可領域R2aを制御する回路と、TFT基板122の第2視認不可領域R2bを制御する回路とがショートした場合、
図6に示すように、受光素子22a及び受光素子22bから、変化のない一定レベルの電気信号を受信する。これにより、車載メータ1は、TFT基板122の回路がショートすることによる異常も検出することができる。
【0030】
車載メータ1において、ドライバIC13は、視認可能領域R1に異常検出用画像P2とは異なる視認用画像P1を表示し、かつ、視認不可領域R2に異常検出用画像P2を表示する。この構成により、車載メータ1は、液晶パネル12の視認可能領域R1に、車速等の車両に関する情報を含む視認用画像P1を表示した状態でも、TFTディスプレイ10の異常を検出できる。すなわち、車載メータ1は、液晶パネル12の視認可能領域R1に表示する視認用画像P1に影響を受けずに、TFTディスプレイ10の異常を検出できる。
【0031】
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、変形例では、実施形態と同等の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8は、実施形態の第1変形例に係る車載メータ1Aの構成例を示すブロック図である。
図9は、実施形態の第1変形例に係る第1受光部20a及び表示領域Rの構成例を示す図である。第1変形例に係る車載メータ1Aは、第2受光部20bを用いずに第1受光部20aだけを用いる点で、車載メータ1とは異なる。車載メータ1Aは、
図8に示すように、TFTディスプレイ10と、第1受光部20aと、メータ基板30とを備える。TFTディスプレイ10は、液晶パネル12の視認不可領域R2が、第2視認不可領域R2bを含まずに第1視認不可領域R2aだけを含んで構成される。第1視認不可領域R2aは、例えば、
図9に示すように、矩形状に形成され、視認不可領域R2の高さ方向の中央に設けられる。第1視認不可領域R2aには、異常検出用画像P2aが表示される。異常検出用画像P2aは、例えば、
図10に示すように、白色画像と黒色画像とが交互に表示される画像である。異常検出部311は、第1受光部20aにより受光した受光結果に基づいてTFTディスプレイ10の異常を検出する。異常検出部311は、例えば、
図10に示すように、白色画像と黒色画像とを表す映像信号D1に合わせて、第1受光部20aから、白色画像の表示光の受光を表すハイレベルの電気信号と、黒色画像の表示光の受光を表すローレベルの電気信号とを交互に受信した場合、TFTディスプレイ10の正常を検出する。一方で、異常検出部311は、
図11に示すように、白色画像と黒色画像とを表す映像信号D1を出力しても、第1受光部20aから、変化のない一定レベルの電気信号を受信した場合、TFTディスプレイ10の異常を検出する。このように、車載メータ1Aは、第2受光部20bを用いずに第1受光部20aだけを用いて、TFTディスプレイ10の異常を検出してもよい。
【0032】
次に、第2変形例に係る第1受光部20c及び第2受光部20dについて説明する。
図12は、実施形態の第2変形例に係る第1受光部20c及び第2受光部20dの構成例を示す図である。
【0033】
第1受光部20cは、第1視認不可領域R2aに表示される異常検出用画像P2aの表示光を受光するものであり、
図12に示すように、受光素子基板23aと、接続部24a、24bと、リード線25と、受光素子22aとを含んで構成される。受光素子基板23aは、目視位置EPから視て見返し板(図示省略)の裏側に隠れて設けらている。すなわち、受光素子基板23aは、見返し板Fの目視位置EPとは反対側に設けられている。受光素子基板23aは、液晶パネル12の第1視認不可領域R2aと対向する位置に受光素子22aが搭載されている。リード線25は、一端が接続部24aを介して受光素子基板23aに接続され、他端が接続部24bを介してメータ基板30に接続されている。この構成により、第1受光部20cは、液晶パネル12の第1視認不可領域R2aに表示される異常検出用画像P2aの表示光を受光素子22aにより受光し、リード線25を介して受光結果をメータ基板30に受光結果を出力することができる。
【0034】
第2受光部20dは、第1受光部20cと同様に構成されている。すなわち、第2受光部20dは、第2視認不可領域R2bに表示される異常検出用画像P2bの表示光を受光するものであり、
図12に示すように、受光素子基板23bと、接続部24a、24bと、リード線25と、受光素子22bとを含んで構成される。受光素子基板23bは、目視位置EPから視て見返し板(図示省略)の裏側に隠れて設けらている。すなわち、受光素子基板23bは、見返し板の目視位置EPとは反対側に設けられている。受光素子基板23bは、液晶パネル12の第2視認不可領域R2bと対向する位置に受光素子22bが搭載されている。リード線25は、一端が接続部24aを介して受光素子基板23bに接続され、他端が接続部24bを介してメータ基板30に接続されている。この構成により、第2受光部20dは、液晶パネル12の第2視認不可領域R2bに表示される異常検出用画像P2bの表示光を受光素子22bにより受光し、リード線25を介して受光結果をメータ基板30に受光結果を出力することができる。
【0035】
次に、実施形態の第3変形例に係る映像信号D1、D2と受光素子22a、22bの出力信号との関係について説明する。
図13~
図16では、車載メータ1は、第1視認不可領域R2aに白色画像と黒色画像とを交互に表示し、かつ、第1視認不可領域R2aに表示する色と同じになるように第2視認不可領域R2bに白色画像と黒色画像とを交互に表示している。
図13は、実施形態の第3変形例に係る映像信号D1、D2と出力信号との関係(受光素子22a、22bの出力信号が正常)を示す図である。異常検出部311は、異常検出用画像P2を含む映像信号D1、D2をTFTディスプレイ10のドライバIC13に出力した際に、例えば、
図13に示すように、受光素子22aから、異常検出用画像P2aの表示光を受光したことを表す電気信号が出力され、かつ、受光素子22bから、異常検出用画像P2bの表示光を受光したことを表す電気信号が出力された場合、TFTディスプレイ10が正常であることを検出する。
【0036】
図14は、実施形態の第3変形例に係る映像信号D1、D2と出力信号との関係(受光素子22aの出力信号が異常)を示す図である。異常検出部311は、
図14に示すように、異常検出用画像P2を含む映像信号D1、D2をTFTディスプレイ10のドライバIC13に出力した際に、受光素子22bから、異常検出用画像P2bの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されても、受光素子22aから、異常検出用画像P2aの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されなかった場合、TFTディスプレイ10が異常であることを検出する。
【0037】
図15は、実施形態の第3変形例に係る映像信号D1、D2と出力信号との関係(受光素子22bの出力信号が異常)を示す図である。異常検出部311は、
図15に示すように、受光素子22aから、異常検出用画像P2aの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されても、受光素子22bから、異常検出用画像P2bの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されなかった場合、TFTディスプレイ10が異常であることを検出する。
【0038】
図16は、実施形態の第3変形例に係る映像信号D1、D2と出力信号との関係(受光素子22a、22bの出力信号が異常)を示す図である。異常検出部311は、
図16に示すように、受光素子22aから、異常検出用画像P2aの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されず、さらに、受光素子22bからも、異常検出用画像P2bの表示光を受光したことを表す電気信号が出力されなかった場合、TFTディスプレイ10が異常であることを検出する。
【0039】
上記説明では、表示装置は、一例として車載メータ1である例について説明したが、これに限定されず、例えば、車載モニタ等のその他の表示デバイスであってもよい。
【0040】
光学系は、一例としてプリズム21a、21bで構成される例について説明したが、これに限定されず、例えば、反射ミラー等で構成してもよい。
【0041】
ドライバIC13は、視認可能領域R1に視認用画像P1を表示しかつ視認不可領域R2に異常検出用画像P2を表示する例について説明したが、これに限定されず、例えば、視認可能領域R1に視認用画像P1を表示せずに、視認不可領域R2に異常検出用画像P2を表示してもよい。
【0042】
表示装置本体は、一例としてTFTディスプレイ10である例について説明したが、これに限定されず、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のその他のディスプレイであってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 車載メータ(表示装置)
10 TFTディスプレイ(表示装置本体)
12 液晶パネル(表示パネル)
13 ドライバIC(表示制御部)
20 受光部
20a 第1受光部
20b 第2受光部
311 異常検出部
F 見返し板(遮蔽物)
EP 目視位置
P1 視認用画像
P2、P2a、P2b 異常検出用画像
R 表示領域
R1 視認可能領域
R2 視認不可領域
R2a 第1視認不可領域
R2b 第2視認不可領域