(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011858
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】レールの探傷装置
(51)【国際特許分類】
G01N 29/265 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
G01N29/265
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114146
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】佛淵 友彬
(72)【発明者】
【氏名】丹地 弘典
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA07
2G047AC09
2G047BA03
2G047BC09
2G047DB03
2G047DB04
2G047DB10
2G047DB16
2G047EA13
2G047GA06
2G047GE01
2G047GE02
2G047GJ02
(57)【要約】
【課題】載置面上に正立姿勢で載置された敷設前のレールに対しても、レールの頭部の全長に対する超音波探傷を移動走行を自動で行いつつ的確に行うことができるレールの探傷装置を提供する。
【解決手段】レールの探傷装置1は、載置面Fa上に正立姿勢で載置されたレール100の頭部101に対する超音波探傷を行う。レール100の長手方向(矢印yで示す方向)に沿って移動可能にレール100の頭部101に取り付けられ、レール100の頭部101に対して超音波探傷を行う探傷部10と、載置面Fa上をレール100の長手方向に沿って走行して探傷部10をレール100の長手方向に沿って移動させる台車部20とを備えている。台車部20は、載置面Fa上を回転移動する車輪21と、探傷部10に接続され、車輪21に駆動力を付与する駆動部22とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面上に正立姿勢で載置されたレールの頭部に対する超音波探傷を行うレールの探傷装置であって、
前記レールの長手方向に沿って移動可能に前記レールの頭部に取り付けられ、前記レールの頭部に対して超音波探傷を行う探傷部と、前記載置面上を前記レールの長手方向に沿って走行して前記探傷部を前記レールの長手方向に沿って移動させる台車部とを備え、
該台車部は、前記載置面上を回転移動する車輪と、前記探傷部に接続され、前記車輪に駆動力を付与する駆動部とを備えていることを特徴とするレールの探傷装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記探傷部に対し、前記台車部の上下動が前記探傷部へ伝達することを緩和する機構を有して接続されていることを特徴とする請求項1に記載のレールの探傷装置。
【請求項3】
前記探傷部は、前記レールの頭部の頭頂面に接する頭頂用ガイドローラと、前記レールの頭部の左側及び右側の頭側面のそれぞれに接する左側の頭側用ガイドローラ及び右側の頭側用ガイドローラとを備え、
該左側の頭側用ガイドローラは、前記頭部の左側の顎下面に接して前記頭頂用ガイドローラとの間で前記頭部を挟み込む鍔部を備え、前記右側の頭側用ガイドローラは、前記頭部の右側の顎下面に接して前記頭頂用ガイドローラとの間で前記頭部を挟み込む鍔部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレールの探傷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延製造されたレールの超音波探傷を行うレールの探傷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄道の線路やクレーンの線路に用いられるレールは、主に熱間圧延により製造される。圧延製造されたレールは、内部品質を保証するために、敷設前に検査場等にてレールの各部位に対して超音波探傷が行われる。
従来、既に敷設されたレールの超音波探傷を行うものとして、例えば、特許文献1乃至6に示すものが知られている。
特許文献1に示す軌条探傷装置は、軌条の長手方向に沿って移動可能な台車部と、軌条の頭頂部の上面に沿って移動可能な状態で台車部に設けられた探触子ケースと、探触子ケースに形成された空洞部内に格納された超音波探触子とを備えている。
【0003】
また、特許文献2に示すレール検査装置は、走行レール上を走行可能な検査台車に搭載されて、超音波によって走行レールを非破壊探傷するものである。
また、特許文献3に示すレール探傷装置は、超音波パルスをレールに放射して得られた反射エコーからレールの傷を探傷するものである。
また、特許文献4に示す超音波を用いたレール検査装置は、一人乃至複数人の人手によって鉄道の軌道上に配置することが可能な台車と、台車に設けられた探触子とを備えている。そして、台車は、1つの軌道をなす左右の2本のレールに配される2輪1対の車輪を複数備え、軌道上にて自走能力を有する車両に連結されている。
【0004】
また、特許文献5に示すレール探傷装置は、走行体が走行するレール上を走行可能な探傷台車と、探傷台車の底部に設けられてレールを探傷する探触子とを備えている。
更に、特許文献6に示す天井クレーンのレール探傷用自動走査装置は、天井クレーンが走行するレールの探傷を天井クレーンを用いて走行させることにより自動的に行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-7866号公報
【特許文献2】特開2016-80355号公報
【特許文献3】特開2007-132758号公報
【特許文献4】特開平9-89848号公報
【特許文献5】特開平7-20106号公報
【特許文献6】特開平7-128313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の特許文献1に示す軌条探傷装置、特許文献2に示すレール検査装置、特許文献3に示すレール探傷装置、特許文献4に示すレール検査装置、特許文献5に示すレール探傷装置、及び特許文献6に示すレール探傷用自動走査装置のいずれにあっても、次の課題があった。
すなわち、これら従来の探傷装置等は、いずれも、既に敷設されているレールの超音波探傷を行うものであり、いずれの探傷装置においても敷設済のレール上を走行するようになっている。
このため、特許文献1乃至6に示す探傷装置のいずれも、圧延製造された敷設前のレールの各部位に対して超音波探傷を行うのには適していない。
【0007】
従って、本発明はこの従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、載置面上に正立姿勢で載置された敷設前のレールに対しても、レールの頭部の全長に対する超音波探傷を移動走行を自動で行いつつ的確に行うことができるレールの探傷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るレールの探傷装置は、載置面上に正立姿勢で載置されたレールの頭部に対する超音波探傷を行うレールの探傷装置であって、前記レールの長手方向に沿って移動可能に前記レールの頭部に取り付けられ、前記レールの頭部に対して超音波探傷を行う探傷部と、前記載置面上を前記レールの長手方向に沿って走行して前記探傷部を前記レールの長手方向に沿って移動させる台車部とを備え、該台車部は、前記載置面上を回転移動する車輪と、前記探傷部に接続され、前記車輪に駆動力を付与する駆動部とを備えていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るレールの探傷装置によれば、載置面上に正立姿勢で載置された敷設前のレールに対しても、レールの頭部の全長に対する超音波探傷を移動走行を自動で行いつつ的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るレールの探傷装置の概略側面図である。
【
図5】探傷装置による探傷方法を説明するための図である。
【
図6】探傷装置による探傷方法の他の例を説明するための図である。
【
図7】レールの各部位を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1には、本発明の一実施形態に係るレールの探傷装置の概略側面が示されている。
図1に示すレールの探傷装置1は、床Fの床面(載置面)Fa上に正立姿勢で載置されたレール100の後述する頭部101に対して超音波探傷を行うものである。レール100は、熱間圧延により製造される。
【0012】
ここで、圧延製造されたレール100は、
図7に示すように、左右の幅方向(
図7における矢印xで示す方向)、上下方向(
図7における矢印zで示す方向)、及び長手方向(
図7において紙面に対して直交する方向、
図1における矢印yで示す方向)に延びる。レール100は、頭部101と、腹部102と、足部103とを備えている。足部103は、左右の幅方向に細長く延び、底面103a、左端部103b、及び右端部103cを備えている。腹部102は、足部103の幅方向中央部の上面から上方に向けて細長く延びている。また、頭部101は、腹部102の上部に設けられ、左右の幅方向に直線状に延びる頭頂面101aを備えている。また、頭部101は、頭頂面101aの幅方向左側から下方に延びる左側の頭側面101bと、頭頂面101aの幅方向右側から下方に延びる右側の頭側面101cとを備えている。また、左側の頭側面101bから腹部102の左側面に向けて左側の顎下面101dが設けられ、右側の頭側面101cから腹部102の右側面に向けて右側の顎下面101eが設けられている。
【0013】
圧延製造されたレール100の長手方向の長さは、25mや50mとなるのが一般的である。
そして、圧延製造されたレール100は、製品として出荷される前に、製品検査に際しての床Fの床面(載置面)Fa上に正立姿勢で載置され、検査の一つとして超音波探傷が行われる。ここで、正立姿勢とは、レール100の頭部101を上方、足部103を下方として、レール100が床面(載置面)Fa上に載置される状態をいう。
図1に示すレールの探傷装置1は、探傷部10と、台車部20とを備えている。
探傷部10は、レール100の長手方向(
図1における矢印yで示す方向)に沿って移動可能にレール100の頭部101に取り付けられる。探傷部10は、レール100の長手方向一端100A(
図5参照)側からレール100の長手方向他端100B(
図5参照)側に向かう方向(矢印A方向)と、その逆方向(矢印B方向)との双方向に移動可能となっている。
【0014】
探傷部10は、レール100の頭部101に対して超音波探傷を行う。具体的に、探傷部10による頭部101の超音波探傷は、頭部101の頭頂面101aに超音波探傷に必要な液体(本実施形態では水)を介して接して頭頂部について行う。また、探傷部10による頭部101の超音波探傷は、頭部101の左側の頭側面101b、及び右側の頭側面101cに超音波探傷に必要な液体を介して接して左側の頭側部、及び右側の頭側部についても行う。
探傷部10は、レール100の頭部101の頭頂面101a上においてレール100の長手方向に沿って移動可能な探傷部フレーム11を備えている。
【0015】
そして、探傷部フレーム11には、
図2に示すように、頭部101の頭頂面101aに液体を介して接する頭頂部用探触子12が取り付けられている。また、探傷部フレーム11には、左側(
図2においては右側)の頭側用ケース13が取り付けられ、この左側の頭側用ケース13には、左側の頭側面101bに液体を介して接する左側の頭側部用探触子14が取り付けられている。更に、探傷部フレーム11には、右側(
図2においては左側)の頭側用ケース15が取り付けられ、この右側の頭側用ケース15には、右側の頭側面101cに液体を介して接する右側の頭側部用探触子16が取り付けられている。これら頭頂部用探触子12、左側の頭側部用探触子14、及び右側の頭側部用探触子16は、図示しない弾性体の弾性力によって頭部101の頭頂面101a、左側の頭側面101b、及び右側の頭側面101cのそれぞれに押し付けられている。
【0016】
頭頂部用探触子12は、頭部101における頭頂部の内部欠陥を超音波探傷する。また、左側の頭側部用探触子14は、頭部101における左側の頭側部の内部欠陥を超音波探傷する。更に、右側の頭側部用探触子16は、頭部101における右側の頭側部の内部欠陥を超音波探傷する。
これら頭頂部用探触子12、左側の頭側部用探触子14、及び右側の頭側部用探触子16は、図示しない搭載コンピュータに接続されている。この搭載コンピュータには、頭頂部用探触子12、左側の頭側部用探触子14、及び右側の頭側部用探触子16からの出力(探傷結果)が入力されるとともに、当該出力(探傷結果)をデータ処理してデータ処理の結果を探傷モニタ40に出力する。探傷モニタ40は、
図1に示すように、探傷部フレーム11上に取り付けられており、データ処理の結果を表示する。
【0017】
また、探傷部フレーム11には、
図1及び
図3に示すように、レール100の頭部101の頭頂面101aに接する頭頂用ガイドローラ17が長手方向に所定間隔を置いて1対備えられている。各頭頂用ガイドローラ17は、レール100の頭部101の頭頂面101aに接して回転可能となっている。これにより、探傷部フレーム11は、各頭頂用ガイドローラ17によりレール100の頭部101の頭頂面101a上を案内されてレール100の長手方向に沿って移動可能となっている。
また、探傷部フレーム11には、
図1及び
図3に示すように、レール100の頭部101の左側(
図3では右側)の頭側面101bに接する左側の頭側用ガイドローラ18が長手方向に所定間隔を置いて1対備えられている。各左側の頭側用ガイドローラ18は、レール100の頭部101の左側の頭側面101bに接して回転可能となっている。これにより、探傷部フレーム11は、各左側の頭側用ガイドローラ18によりレール100の頭部101の左側の頭側面101bに沿って案内されてレール100の長手方向に沿って移動可能となっている。
【0018】
更に、探傷部フレーム11には、
図1及び
図3に示すように、レール100の頭部101の右側(
図3では左側)の頭側面101cに接する右側の頭側用ガイドローラ19が長手方向に所定間隔を置いて1対備えられている。各右側の頭側用ガイドローラ19は、レール100の頭部101の右側の頭側面101cに接して回転可能となっている。これにより、探傷部フレーム11は、各右側の頭側用ガイドローラ19によりレール100の頭部101の右側の頭側面101cに沿って案内されてレール100の長手方向に沿って移動可能となっている。
ここで、左側の頭側用ガイドローラ18は、
図3に示すように、レール100の頭部101の左側の頭側面101bに接して回転する回転軸部18aと、回転軸部18aの下端に設けられた鍔部18bとを備えている。鍔部18bは、回転軸部18aから外方に突出する外径を有し、頭部101の左側(
図3では右側)の顎下面101dに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込む。
【0019】
また、右側の頭側用ガイドローラ19は、
図3に示すように、レール100の頭部101の右側の頭側面101cに接して回転する回転軸部19aと、回転軸部19aの下端に設けられた鍔部19bとを備えている。鍔部19bは、回転軸部19aから外方に突出する外径を有し、頭部101の右側(
図3では左側)の顎下面101eに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込む。
次に、台車部20は、床Fの床面(載置面)Fa上をレール100の長手方向に沿って走行して探傷部10をレール100の長手方向に沿って移動させる。台車部20は、レール100の長手方向一端100A(
図5参照)側からレール100の長手方向他端100B(
図5参照)側に向かう方向(矢印A方向)と、その逆方向(矢印B方向)との双方向に走行可能である。
【0020】
この台車部20は、
図1及び
図4に示すように、床Fの床面(載置面)Fa上を回転移動する1対の車輪21と、探傷部10に接続され、各車輪21に駆動力を付与する駆動部22とを備えている。
ここで、駆動部22は、探傷部10の探傷部フレーム11に対し、台車部20の上下動が探傷部10へ伝達することを緩和する機構を有して接続される駆動部フレーム23を備えている。具体的には、駆動部22は、
図1に示す例では、探傷部10の探傷部フレーム11に対し軸部23aにより上下方向(
図1における矢印で示す方向)に回転可能に軸支されている駆動部フレーム23を備えている。
【0021】
駆動部フレーム23は、レール100の上方に配置された長方形状の板状に形成され、軸部23aと反対側の端部には
図1及び
図4に示すように駆動部フレーム23の両幅端部から下方に延びる1対の脚部27が設けられている。
そして、各脚部27の下端部には、回転軸28が回転可能に軸支され、各回転軸28の先端には各車輪21が固定されている。駆動部フレーム23の上下方向位置は、水平となるように調整される。
駆動部フレーム23上には、車輪用駆動モータ24が設置されている。車輪用駆動モータ24のモータ回転軸24aの両端には、1対の第1プーリ29が固定され、また、1対の回転軸28の夫々には、第2プーリ30が固定されている。そして、各第1プーリ29及び各第2プーリ30にはベルト31が掛け渡され、車輪用駆動モータ24のモータ回転軸24aの回転を、第1プーリ29、ベルト31、第2プーリ30、及び回転軸28によって各車輪21に伝達する構成となっている。
【0022】
また、駆動部フレーム23上には、車輪用駆動モータ24の電源25及び車輪用駆動モータ24の駆動を制御する走行制御装置26が配置されている。走行制御装置26には、作業者が操作する操作盤33が接続されている。また、駆動部フレーム23上には、超音波探傷に必要な液体を貯蔵するタンク32が配置されている。超音波探傷に必要な液体としては、水あるいはグリセリンが例示される。
なお、探傷部フレーム23の長手方向一側(
図1における右側)には第1停止センサ51が設けられ、探傷部フレーム23の長手方向他側(
図1における左端側)には第2停止センサ52が設けられている。第1停止センサ51及び第2停止センサ52のそれぞれはレール100の有無の判定が可能な距離センサで構成される。第1停止センサ51及び第2停止センサ52は、走行制御装置26に接続されている。探傷部10がレール100の長手方向一端100A(
図5参照)側からレール100の長手方向他端100B(
図5参照)側に向かって移動し、第1停止センサ51がレール100の長手方向他端100Bを通過してレール100が無い状態を検知する。すると、そのときの検知信号が第1停止センサ51から走行制御装置26に伝送され、走行制御装置26は車輪用駆動モータ24の駆動を停止するよう制御する。一方、探傷部10がレール100の長手方向他端100B(
図6参照)側からレール100の長手方向一端100A(
図6参照)側に向かって移動し、第2停止センサ52がレール100の長手方向一端100Aを通過してレール100が無い状態を検知する。すると、そのときの検知信号が第2停止センサ52から走行制御装置26に伝送され、走行制御装置26は車輪用駆動モータ24の駆動を停止するよう制御する。
【0023】
次に、レールの探傷装置1によるレール100の頭部101の超音波探傷の方法について、
図5を参照して説明する。
図5は、探傷装置による探傷方法を説明するための図である。
先ず、床Fの床面(載置面)Fa上にレール100が正立姿勢で載置されている状態で、
図5(左側の部分)に示すように、作業者は、レールの探傷装置1をレール100の長手方向一端100A側におけるレール探傷のスタート地点にセッティングする。
このレール探傷のスタート地点では、レール100の長手方向一端100A側において、駆動部22の駆動部フレーム23がレール100の上方に位置し、1対の車輪21がレール100の幅方向(
図4における矢印xで示す方向)の両側に位置する。
【0024】
また、レール探傷のスタート地点では、レール100の長手方向一端100A側において、探傷部10の探傷部フレーム11に設けられた頭頂用ガイドローラ17がレール100の頭部101の頭頂面101a上に位置する。また、左側の頭側用ガイドローラ18及び右側の頭側用ガイドローラ19のそれぞれが左側の頭側面101b及び右側の頭側面101cのそれぞれに沿って位置する。この際に、左側の頭側用ガイドローラ18の鍔部18bが頭部101の左側の顎下面101dに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込む。また、右側の頭側用ガイドローラ19の鍔部19bが頭部101の右側の顎下面101eに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込む。
【0025】
ここで、レール100の長手方向の長さは、25mや50mが一般的である。このため、作業者は、レール100の長手方向一端100A側から探傷部フレーム11、頭頂用ガイドローラ17、左側の頭側用ガイドローラ18、及びの右側の頭側用ガイドローラ19を容易に嵌め込むことができる。
更に、レール探傷のスタート地点では、レール100の長手方向一端100A側において、頭頂部用探触子12が頭部101の頭頂面101aに液体を介して接する。また、左側の頭側部用探触子14が左側の頭側面101bに液体を介して接する。また、右側の頭側部用探触子16が右側の頭側面101cに液体を介して接する。頭頂部用探触子12と頭頂面101aとの間、左側の頭側部用探触子14と左側の頭側面101bとの間、及び右側の頭側部用探触子16と右側の頭側面101cとの間にはタンク32から液体が探傷開始から探傷終了にいたるまで常時供給される。
【0026】
また、レール探傷のスタート地点では、レール100の長手方向一端100A側において、第1停止センサ51がレール100有りの状態を検知している。
次いで、作業者は、操作盤33にて走行開始の信号を走行制御装置26に送信する。
すると、探傷装置1の台車部20が、床Fの床面(載置面)Fa上をレール100の長手方向に沿ってレール100の長手方向一端100A側からレール100の長手方向他端100B側に向かう方向(矢印A方向)に走行する。これにともなって、台車部20に接続されている探傷部10が台車部20に牽引されてレール100の長手方向に沿ってレール100の長手方向一端100A側からレール100の長手方向他端100B側に向かう方向(矢印A方向)に移動する。
【0027】
台車部20が走行するに際しては、操作盤33からの走行開始の信号が走行制御装置26に入力され、走行制御装置26は、その入力された信号に基づき車輪用駆動モータ24を駆動させる。車輪用駆動モータ24のモータ回転軸24aは、
図5において時計回りに回転する。これにより、各車輪21が時計回りに回転し、台車部20が、レール100の長手方向一端100A側からレール100の長手方向他端100B側に向かう方向(矢印A方向)に走行する。
そして、探傷部10がレール100の長手方向に沿ってレール100の長手方向一端100A側からレール100の長手方向他端100B側に向かう方向に移動する際に、頭頂部用探触子12は、頭部101における頭頂部の内部欠陥を超音波探傷する。また、左側の頭側部用探触子14は、頭部101における左側の頭側部の内部欠陥を超音波探傷する。更に、右側の頭側部用探触子16は、頭部101における右側の頭側部の内部欠陥を超音波探傷する。
【0028】
これら頭頂部用探触子12、左側の頭側部用探触子14、及び右側の頭側部用探触子16からの出力(探傷結果)は、図示しない搭載コンピュータに入力される。そして、この搭載コンピュータでは、当該出力(探傷結果)をデータ処理してデータ処理の結果を探傷モニタ40に出力する。探傷モニタ40は、データ処理の結果を表示する。
ここで、台車部20の駆動部22は、探傷部10の探傷部フレーム11に対し、台車部20の上下動が探傷部10へ伝達することを緩和する機構を有して接続されている。具体的に、駆動部22は、
図1及び
図5に示す例では、探傷部10の探傷部フレーム11に対し軸部23aにより上下方向(
図1における矢印で示す方向)に回転可能に軸支されている。これにより、床Fの床面(載置面)Faに凹凸があった場合でも、車輪21を介して台車部20の駆動部22は探傷部10の探傷部フレーム11に対し軸部23aにより上下方向に回転し、その凹凸に追従することができる。床面(載置面)Faに凹凸がある場合とは、例えば、床面Faに排水用の溝の段差があったり、配線用のカバーの段差があったりする場合である。このため、床面(載置面)Faに凹凸があっても、探傷部10(頭頂部用探触子12、左側の頭側部用探触子14、及び右側の頭側部用探触子16)をレール100の頭部101に接触させたまま走移動させることが可能となる。これにより、レール100の頭部101に対して超音波探傷を円滑に行うことができる。台車部20の上下動が探傷部10へ伝達することを緩和する別の機構としては、台車部20と探傷部10との接続部(軸部23aの部分)について、(1)上下移動が可能な弾性体で接続する方法や、(2)探傷部フレーム11に上下方向に長い長穴をあけておき、ここに軸部23aの先端をはめこむ方法、などが挙げられる。
【0029】
また、探傷部10がレール100の長手方向に沿って移動する際に、左側の頭側用ガイドローラ18の鍔部18bが頭部101の左側の顎下面101dに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込んでいる。また、右側の頭側用ガイドローラ19の鍔部19bが頭部101の右側の顎下面101eに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込んでいる。これにより、探傷部10(頭頂部用探触子12、左側の頭側部用探触子14、及び右側の頭側部用探触子16)が頭部101から浮き上がったり傾いたりすることなく、頭部101との接触状態を良好に保つことができる。
そして、探傷装置1の台車部20が更に床Fの床面(載置面)Fa上をレール100の長手方向に沿って走行し、
図5(右側の部分)に示すように、探傷部10の第1停止センサ51がレール100の長手方向他端100Bを通過する。すると、第1停止センサ51はレール100が無い状態を検知する。このとき、第1停止センサ51によるレール100が無い状態の検知信号は、第1停止センサ51から走行制御装置26に伝送され、走行制御装置26は車輪用駆動モータ24の駆動を停止するよう制御する。これにより、台車部20の走行が停止する。
【0030】
これにより、床Fの床面(載置面)Fa上に正立姿勢で載置された敷設前のレール100の頭部101の全長に対する超音波探傷が終了する。
ここで、探傷部10の第1停止センサ51がレール100の長手方向他端100Bを通過したときには、次のことが起こり得る。即ち、探傷部10の長手方向他端側にある頭頂用ガイドローラ17、左側の頭側用ガイドローラ18、及び右側の頭側用ガイドローラ19がレール100の頭部101から外れることがある。しかし、これらガイドローラが頭部101を外れてからの走行距離はわずかである。また、残りの長手方向一端側にある頭頂用ガイドローラ17、左側の頭側用ガイドローラ18、及び右側の頭側用ガイドローラ19は頭部101と接している。このため、探傷部10が頭部101から浮き上がったり傾いたりすることがなく、頭部101との接触状態を良好に保つことができる。
【0031】
次に、レールの探傷装置1によるレール100の頭部101の超音波探傷の方法の他の例について、
図6を参照して説明する。
図6は、探傷装置による探傷方法の他の例を説明するための図である。
図5に示す例では、レール探傷のスタート地点をレール100の長手方向一端100A側にセッティングしているが、
図6に示す例では、レール探傷のスタート地点をレール100の長手方向他端100B側にセッティングしている点で異なる。
先ず、床Fの床面(載置面)Fa上にレール100が正立姿勢で載置されている。この状態で、
図6(右側の部分)に示すように、作業者は、レールの探傷装置1をレール100の長手方向他端100B側におけるレール探傷のスタート地点にセッティングする。
【0032】
このレール探傷のスタート地点では、レール100の長手方向他端100B側において、探傷部10の探傷部フレーム11に設けられた頭頂用ガイドローラ17がレール100の頭部101の頭頂面101a上に位置する。また、左側の頭側用ガイドローラ18及び右側の頭側用ガイドローラ19のそれぞれが左側の頭側面101b及び右側の頭側面101cのそれぞれに沿って位置する。この際に、左側の頭側用ガイドローラ18の鍔部18bが頭部101の左側の顎下面101dに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込む。また、右側の頭側用ガイドローラ19の鍔部19bが頭部101の右側の顎下面101eに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込む。
【0033】
作業者は、レール100の長手方向他端100B側から探傷部フレーム11、頭頂用ガイドローラ17、左側の頭側用ガイドローラ18、及びの右側の頭側用ガイドローラ19を容易に嵌め込む。
更に、レール探傷のスタート地点では、レール100の長手方向他端100B側において、頭頂部用探触子12が頭部101の頭頂面101aに液体を介して接する。また、左側の頭側部用探触子14が左側の頭側面101bに液体を介して接する。また、右側の頭側部用探触子16が右側の頭側面101cに液体を介して接する。
また、レール探傷のスタート地点では、レール100の長手方向他端100B側において、第2停止センサ52がレール100有りの状態を検知している。
【0034】
次いで、作業者は、操作盤33にて走行開始の信号を走行制御装置26に送信する。
すると、探傷装置1の台車部20が、床Fの床面(載置面)Fa上をレール100の長手方向に沿ってレール100の長手方向他端100B側からレール100の長手方向一端100A側に向かう方向(矢印B方向)に走行する。これにともなって、台車部20に接続されている探傷部10が台車部20に押されてレール100の長手方向に沿ってレール100の長手方向他端100B側からレール100の長手方向一端100A側に向かう方向(矢印B方向)に移動する。
台車部20が走行するに際しては、操作盤33からの走行開始の信号が走行制御装置26に入力され、走行制御装置26は、その入力された信号に基づき車輪用駆動モータ24を駆動させる。車輪用駆動モータ24のモータ回転軸24aは、
図6において反時計回りに回転する。これにより、各車輪21が反時計回りに回転し、台車部20が、レール100の長手方向他端100B側からレール100の長手方向一端100A側に向かう方向(矢印B方向)に走行する。
【0035】
そして、探傷部10がレール100の長手方向に沿ってレール100の長手方向他端100B側からレール100の長手方向一端100Aに向かう方向に移動する際に、頭頂部用探触子12は、頭部101における頭頂部の内部欠陥を超音波探傷する。また、左側の頭側部用探触子14は、頭部101における左側の頭側部の内部欠陥を超音波探傷する。更に、右側の頭側部用探触子16は、頭部101における右側の頭側部の内部欠陥を超音波探傷する。
これら頭頂部用探触子12、左側の頭側部用探触子14、及び右側の頭側部用探触子16からの出力(探傷結果)は、図示しない搭載コンピュータに入力される。そして、この搭載コンピュータでは、当該出力(探傷結果)をデータ処理してデータ処理の結果を探傷モニタ40に出力する。探傷モニタ40は、データ処理の結果を表示する。
【0036】
ここで、台車部20の駆動部22は、前述したように、探傷部10の探傷部フレーム11に対し、台車部20の上下動が探傷部10へ伝達することを緩和する機構を有して接続されている。つまり、駆動部22は、探傷部10の探傷部フレーム11に対し軸部23aにより上下方向(
図1における矢印で示す方向)に回転可能に軸支されている。これにより、床Fの床面(載置面)Faに凹凸があった場合でも、車輪21を介して台車部20の駆動部22は探傷部10の探傷部フレーム11に対し軸部23aにより上下方向に回転し、その凹凸に追従することができる。
また、探傷部10がレール100の長手方向に沿って移動する際に、左側の頭側用ガイドローラ18の鍔部18bが頭部101の左側の顎下面101dに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込んでいる。また、右側の頭側用ガイドローラ19の鍔部19bが頭部101の右側の顎下面101eに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込んでいる。これにより、探傷部10(頭頂部用探触子12、左側の頭側部用探触子14、及び右側の頭側部用探触子16)が頭部101から浮き上がったり傾いたりすることなく、頭部101との接触状態を良好に保つことができる。
【0037】
そして、探傷装置1の台車部20が更に床Fの床面(載置面)Fa上をレール100の長手方向に沿って走行し、
図6(左側の部分)に示すように、探傷部10の第2停止センサ52がレール100の長手方向一端100Aを通過する。すると、第2停止センサ52はレール100が無い状態を検知する。このとき、第2停止センサ52によるレール100が無い状態の検知信号は、第2停止センサ52から走行制御装置26に伝送され、走行制御装置26は車輪用駆動モータ24の駆動を停止するよう制御する。これにより、台車部20の走行が停止する。
これにより、床Fの床面(載置面)Fa上に正立姿勢で載置された敷設前のレール100の頭部101の全長に対する超音波探傷が終了する。
【0038】
このように、本実施形態に係るレールの探傷装置1によれば、レール100の長手方向(矢印yで示す方向)に沿って移動可能にレール100の頭部101に取り付けられ、レール100の頭部101に対して超音波探傷を行う探傷部10を備えている。また、レールの探傷装置1は、床面(載置面)Fa上をレール100の長手方向に沿って走行して探傷部10をレール100の長手方向に沿って移動させる台車部20を備えている。
これにより、床面(載置面)Fa上に正立姿勢で載置されたレール100の頭部101の全長に対する超音波探傷を的確に行うことができる。敷設済のレールのみならず、載置面上に正立姿勢で載置された敷設前のレールに対しても、レールの頭部の全長に対する超音波探傷を移動走行を自動で行いつつ的確に行うことができる。
【0039】
そして、台車部20は、床面(載置面)Fa上を回転移動する車輪21と、探傷部10に接続され、車輪21に駆動力を付与する駆動部22とを備えている。
これにより、床面(載置面)Fa上を走行する台車部20の車輪21が駆動部22によって駆動力を付与されて回転する。このため、台車部20の自動走行が可能となり、前述のレール100の頭部101の超音波探傷を移動走行を自動で行いつつ行うことができる。
また、本実施形態に係るレールの探傷装置1によれば、駆動部22は、探傷部10に対し上下方向に回転可能に軸支されており、探傷部10に対し、台車部20の上下動が探傷部10へ伝達することを緩和する機構を有して接続されている。
【0040】
これにより、床面(載置面)Faに凹凸があった場合でも、車輪21を介して台車部20の駆動部22は探傷部10に対し上下方向に回転し、その凹凸に追従することができる。このため、床面(載置面)Faに凹凸があっても、探傷部10をレール100の頭部101に接触させたまま走移動させることが可能となる。これにより、レール100の頭部101に対して超音波探傷を円滑に行うことができる。
また、本実施形態に係るレールの探傷装置1によれば、探傷部10は、レール100の頭部101の頭頂面101aに接する頭頂用ガイドローラ17を備えている。また、探傷部10は、頭部101の左側及び右側の頭側面101b,101cのそれぞれに接する左側の頭側用ガイドローラ18及び右側の頭側用ガイドローラ19を備えている。また、左側の頭側用ガイドローラ18は、頭部101の左側の顎下面101dに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込む鍔部18bを備えている。更に、右側の頭側用ガイドローラ19は、頭部101の右側の顎下面101eに接して頭頂用ガイドローラ17との間で頭部101を挟み込む鍔部19bを備えている。
【0041】
これにより、探傷部10がレール100の長手方向に沿って移動する際に、探傷部10が頭部101から浮き上がったり傾いたりすることなく、頭部101との接触状態を良好に保つことができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、前述の説明では、レール100の頭部101の超音波探傷を行うに際し、レールの探傷装置1をレール100の長手方向一端100A側から長手方向他端B側に向けて(矢印A方向)移動させる場合(
図5に示す場合)を説明した。また、超音波探傷の他の例として、レールの探傷装置1をレール100の長手方向他端100B側から長手方向一端100A側に向けて(矢印B方向)に移動させる場合(
図6に示す場合)を説明した。しかし、レールの探傷装置1をレール100の長手方向一端100A側から長手方向他端B側に向けて(矢印A方向)移動させてからその逆の方向(矢印B方向)に移動させて、レール100の頭部101の1回の超音波探傷を行うようにしてもよい。この場合、例えば、探傷装置1の往時の移動で、頭頂部用探触子12により頭部101の頭頂部の超音波探傷を行うとともに、左側の頭側部用探触子14により頭部の左側の頭側部の超音波探傷を行う。また、探傷装置1の復時の移動で、右側の頭側部用探触子16により頭部の左側の頭側部の超音波探傷を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1 レールの探傷装置
10 探傷部
11 探傷部フレーム
12 頭頂部用探触子
13 左側の頭側用ケース
14 左側の頭側部用探触子
15 右側の頭側用ケース
16 右側の頭側部用探触子
17 頭頂用ガイドローラ
18 左側の頭側用ガイドローラ
18a 回転軸部
18b 鍔部
19 右側の頭側用ガイドローラ
19a 回転軸部
19b 鍔部
20 台車部
21 車輪
22 駆動部
23 駆動部フレーム
23a 軸部
24 車輪用駆動モータ
24a モータ回転軸
25 電源
26 走行制御装置
27 脚部
28 回転軸
29 第1プーリ
30 第2プーリ
31 ベルト
32 タンク
33 操作盤
100 レール
101 頭部
101a 頭頂面
101b 左側の頭側面
101c 右側の頭側面
102 腹部
103 足部
103a 底面
103b 左端部
103c 右端部
101d 左側の顎下面
101e 右側の顎下面
F 床
Fa 床面(載置面)