(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118586
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/46 20060101AFI20240826BHJP
H04M 3/50 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
H04M3/46
H04M3/50
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024946
(22)【出願日】2023-02-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】勝田 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】阿部 健太郎
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA05
5K201BC12
5K201BC30
5K201CC10
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】発信元社員のワークスタイルに応じた端末での社員間通話に貢献する技術を提供する。
【解決手段】各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバを参照して、第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する。そして、取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように電話交換機を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバと、
電話交換機と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置が、
第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、前記管理サーバを参照して第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得部と、
前記電話番号取得部によって取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように前記電話交換機を制御する制御部と、を備える、
制御システム。
【請求項2】
前記制御部が、前記電話交換機を制御して、第1電話端末に電話をかけて応答があった場合に当該第1電話端末と前記電話交換機との間で第1セッションを確立させ、第2電話端末に電話をかけて応答があった場合に当該第2電話端末と前記電話交換機との間で第2セッションを確立させ、確立した第1セッションと第2セッションとをリンクさせて第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立させる、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御装置が、第1の社員宛のオフィスへの不在着信があった場合に、第1の社員に対して不在着信があった旨を通知する不在着信通知部をさらに備え、
前記制御部が、前記電話交換機を制御して、前記通知に対する第1の社員からの応答を受け付けた場合に第1電話端末と前記電話交換機との間で第1セッションを確立させ、前記不在着信の発信元に電話をかけて応答があった場合に前記不在着信の発信元の電話端末である第3電話端末と前記電話交換機との間で第3セッションを確立し、確立した第1セッションと第3セッションとをリンクさせて第1電話端末と第3電話端末との間の通話セッションを確立させる、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記管理サーバが、各社員に関して、1つのワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を複数記憶し、
前記電話番号取得部が、第1の社員のワークスタイルに対応する全ての電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する全ての電話番号とを取得し、
前記制御部が、前記電話交換機を制御して、第1の社員のワークスタイルに対応する全ての電話端末に電話をかけていずれかの電話端末から応答があった場合に当該応答があった電話端末を第1電話端末とみなして、第1電話端末と前記電話交換機との間で第1セッションを確立させ、第2の社員のワークスタイルに対応する全ての電話端末に電話をかけていずれかの電話端末から応答があった場合に当該応答があった電話端末を第2電話端末とみなして、第2電話端末と前記電話交換機との間で第2セッションを確立し、確立した第1セッションと第2セッションとをリンクさせて第1電話端末と第2電話端末との間の電話セッションを確立させる、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバを参照して、第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得ステップと、
前記電話番号取得ステップにおいて取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように電話交換機を制御する制御ステップと、
を含む、制御装置による制御方法。
【請求項6】
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバを参照して、第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得処理と、
前記電話番号取得処理において取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末の間との通話セッションを確立するように電話交換機を制御する制御処理と、
を制御装置としてのコンピュータに実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御方法及び制御プログラムに関する。特に、社員間の電話セッションを確立する制御システム、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
在宅勤務を採用するオフィスやフリーアドレスオフィスなどにおいて採用される勤務状況管理システムがある(例えば、特許文献1)。この勤務状況管理システムでは、社員間通話を行う際に、発信元社員がデバイスに表示された在席状況表示画面上で着信先社員の氏名を選択するだけで、着信先社員の現在連絡に使用できる電話番号に電話をかけられるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【0005】
特許文献1では、システムにアクセスしているデバイスが発信元の電話端末になるため、択一的であるという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明では、発信元社員のワークスタイルに応じた端末での社員間通話に貢献する制御システム、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の視点によれば、
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバと、
電話交換機と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置が、
第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、前記管理サーバを参照して第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得部と、
前記電話番号取得部によって取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように前記電話交換機を制御する制御部と、を備える、
制御システムが提供される。
【0008】
本発明の第2の視点によれば、
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバを参照して、第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得ステップと、
前記電話番号取得ステップにおいて取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように電話交換機を制御する制御ステップと、
を含む、制御装置による制御方法が提供される。
【0009】
本発明の第3の視点によれば、
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバを参照して、第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得処理と、
前記電話番号取得処理において取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように電話交換機を制御する制御処理と、
を制御装置としてのコンピュータに実行させる制御プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の各視点によれば、発信元社員のワークスタイルに応じた端末での社員間通話に貢献する制御システム、制御方法及び制御プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】管理サーバ10に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図3】制御システム100における処理の流れの一例を示す図である。
【
図5】制御装置30による処理の流れを示す図である。
【
図6】制御システム100の構成の一例を示す図である。
【
図7】制御システム100における処理の流れの一例を示す図である。
【
図8】制御装置30としてのコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のとり得る好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の記載に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インターフェイスも同様である。
【0013】
先ず、本発明の一概要について説明する。
図1に示すように、本発明の制御システム100は、管理サーバ10と、電話交換機20と、制御装置30とを備える。
【0014】
管理サーバ10は、各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する。当概要では、第1の社員は在宅勤務を行っており、第1電話端末(個人所有するスマートフォンなど)を使用して通話可能であるものとする。また、第2の社員はオフィス勤務を行っており、第2電話端末(オフィスに設置された固定電話端末)を使用して通話可能であるものとする。
【0015】
制御装置30は、電話番号取得部31と、制御部32と備える。電話番号取得部31は、第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、管理サーバ10を参照して、第1電話端末の電話番号と第2電話端末の電話番号とを取得する。制御部32は、電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように電話交換機20を制御する。
【0016】
本発明によれば、例えば第1の社員がPC(personal computer)を介して第2の社員宛の電話接続要求を行った場合であっても、第1の社員は個人が所有するスマートフォンを使用して通話を行うことができる。
【0017】
[実施形態1]
以下では、実施形態1として上述の制御システム100についてより具体的に説明する。実施形態1の制御システム100は上記概要と同様に管理サーバ10と、電話交換機20と、制御装置30とを備える(
図1参照)。
【0018】
管理サーバ10は、例えば、
図2に示すように、社員毎に、社員名と、フラグと、ワークスタイルと、端末の電話番号とを対応付けた管理テーブルを記憶する。管理テーブルには、各社員が採用し得るワークスタイルが列挙されるとともに、いずれのワークスタイルで仕事を行っているかを示すフラグが立てられる。また、管理テーブルには、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号も登録される。
図2に示す例では、社員名:Aに関して、在宅勤務中であるためワークスタイル:在宅勤務にフラグが立てられており、在宅勤務中に通話可能な電話端末の電話番号:090-0001-0001が登録されている。同様に社員名:Bに関して、オフィス勤務中であるためワークスタイル:オフィス勤務にフラグが立てられており、オフィス勤務中に通話可能な電話端末の内線番号:0002が登録されている。なお、社員名、ワークスタイル及び電話番号は事前に登録される情報であり、フラグは、例えば1日の勤務開始時に立てられて、1日の勤務終了時に消去される。ここで、本願では社員名:Aを第1の社員と称し、社員名:Bを第2の社員と称する。
【0019】
電話交換機20は、いわゆるPBX(Private Branch eXchange)装置であり、構内交換機とも称され得る。
【0020】
制御装置30は、CTI(Computer Telephony Integration)装置として機能し、本発明では特に電話番号取得部31及び制御部32を備える。電話番号取得部31及び制御部32については、制御システム100による処理の流れに沿って具体的に説明する。
【0021】
制御システム100による処理の流れについて具体的な一例を挙げて説明する。前提として、在宅勤務中の第1の社員がPCを用いて仕事を行う中で、携帯電話(090-0001-0001)を使用した第2の社員との通話を希望したものとする。
【0022】
図3に示すように、まず、第1の社員は、PCから制御装置30に対して第2の社員宛の電話接続要求を行う(S01)。ここで、電話接続要求はいわゆるINVITEリクエストではなく、PCから制御装置30に対してネットワークを介して送信されるコマンドである。例えば、第1の社員は、PCにインストールしたアプリケーションを介して制御装置30から
図4に示すような連絡先一覧を取得し、B氏(第2の社員)をクリックすることで第2の社員宛の電話接続要求を行う。
【0023】
電話接続要求を受け付けた制御装置30(電話番号取得部31)は、管理サーバ10を参照して第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号を取得するとともに、第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号を取得する(S02)。
【0024】
続いて制御装置30(制御部32)は、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように電話交換機20を制御する。具体的には、制御部32は、まず第1電話端末の電話番号:090-0001-0001に電話をかけるように電話交換機20に対して指示する(S03)。指示を受けた電話交換機20は、第1電話端末に対して電話回線を介して発呼を行い第1の社員を呼び出す(S04)。第1の社員が応答することにより、電話交換機20と第1電話端末との間で電話セッションが確立される(S05)。なお電話交換機20と第1電話端末との間の電話セッションを第1セッションと称する。ここで電話交換機20は、制御装置30に対して第1セッションが確立した旨を通知する。
【0025】
第1セッションが確立すると、制御部32は、第2電話端末の内線番号:0002に電話をかけるように電話交換機20に対して指示する(S06)。指示を受けた電話交換機20は、第2電話端末に対して内線を介して発呼を行い第2の社員を呼び出す(S07)。第2の社員が応答することにより、電話交換機20と第2電話端末との間で電話セッションが確立される(S08)。なお電話交換機20と第2電話端末との間の電話セッションを第2セッションと称する。ここで電話交換機20は、制御装置30に対して第2セッションが確立した旨を通知する。
【0026】
第2セッションが確立すると、制御部32は、第1セッションと第2セッションとをリンクするように電話交換機20に対して指示する(S09)。指示を受けた電話交換機20がリンクを形成することによって、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションが確立される(S10)。
【0027】
制御システム100による処理の流れについて、上記制御システム100による処理の流れに合わせて説明する。
図5に示すように、制御装置30は、第1の社員のPCから第2の社員宛の電話接続要求を受け付けると(S01、Yes)、管理サーバを参照して第1電話端末の電話番号と第2電話端末の電話番号とを取得する(S02)。そして、制御装置30は、第1電話端末と第2電話端末の間との間で通話セッションを確立するように電話交換機20を制御する。すなわち、制御装置30は、電話交換機20に対して、第1電話端末に対する発呼指示(S03)、第2電話端末に対する発呼指示(S06)、及び、第1セッションと第2セッションとをリンクする指示(S09)を行う。
【0028】
以上のように、実施形態1の制御システム100によれば、発信元社員のワークスタイルに応じた端末での社員間通話を行うことが可能になる。
【0029】
[実施形態2]
外部(例えば顧客)からオフィス宛に電話があったものの、第1の社員が在宅勤務を行っており不在着信になることがある。ここで、第1の社員は不在着信の発信元(顧客)に対して折り返しの電話をかける必要がある。このような状況下において第1の社員(発信元社員)のワークスタイルに応じた端末で不在着信に対して応答する形態を実施形態2として説明する。
【0030】
実施形態2の制御システム100では、
図6に示すように、制御装置30は不在着信通知部33をさらに備える。不在着信通知部33は、第1の社員宛のオフィスへの不在着信があった場合に、第1の社員に対して不在着信があった旨を通知する。不在着信があった旨の通知は、第1電話端末宛のメール、メッセージ、SMS(ショートメッセージサービス)であってもよいし、第1の社員のPC宛のメール、メッセージであってもよい。
【0031】
制御部32は、電話交換機20を制御して、不在着信通知に対する第1の社員からの応答を受け付けた場合に第1電話端末と電話交換機20との間で第1セッションを確立させる。また、制御部32は、電話交換機20を制御して、不在着信の発信元に電話をかけて応答があった場合に不在着信の発信元の電話端末である第3電話端末と電話交換機20との間で第3セッションを確立させる。さらに、制御部32は、電話交換機20を制御して、確立した第1セッションと第3セッションとをリンクさせて第1電話端末と第3電話端末との間の通話セッションを確立させる。
【0032】
具体的には、
図7に示すように、制御装置30は、第3電話端末から第1の社員宛のオフィスへの不在着信があった場合に(S11)、管理サーバ10を参照して第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号を取得する(S12)。そして、制御装置30は、第1電話端末を介して第1の社員に対して不在着信があった旨を通知する(S13)。制御装置30は、不在着信通知に対する第1の社員からの応答を受け付けた場合に、第1電話端末と電話交換機20との間で第1セッションを確立させるように電話交換機20を制御する(S14)。
【0033】
なお、第1の社員に対する不在着信は電話交換機20を介して行ってもよく、この場合には、制御装置30は、電話交換機20に対して第1電話端末宛の発呼指示を行うことになる。また、第1の社員からの応答は、電話回線を介した電話交換機20に対する発信であってもよい。言い換えると、結果として第1電話端末と電話交換機20との間で第1セッションが確立できればよい。
【0034】
第1セッションが確立すると、制御装置30は、第3電話端末に対して電話をかけるように電話交換機20に対して指示する(S15)。指示を受けた電話交換機20は、第3電話端末に対する発呼を行い、顧客を呼び出す(S16)。顧客が応答することにより、電話交換機20と第3電話端末との間の第3セッションが確立される(S17)。
【0035】
第3セッションが確立すると、制御装置30は、第1セッションと第3セッションとをリンクするように電話交換機20に対して指示する(S18)。指示を受けた電話交換機20がリンクを形成することによって、第1電話端末と第3電話端末との間の通話セッションが確立される(S19)。
【0036】
以上のように、実施形態2の制御システム100によれば、第1の社員(発信元社員)のワークスタイルに応じた端末で不在着信に対して応答することが可能になる。
【0037】
[変化形態]
例えば、実施形態1では、第1の社員の在宅勤務に対応する電話番号が1つであるが、複数の電話番号を登録してもよい。この場合に、電話番号取得部31が全ての電話番号を取得し、制御部32が全ての電話端末に電話をかけていずれかの電話端末から応答があった場合に当該応答があった電話端末を第1電話端末とみなせばよい。第2の社員についても同様である。
【0038】
また、本発明は制御装置30としてのコンピュータに実行させる制御プログラムとしても展開可能である。例えば、制御装置30としてのコンピュータは、
図8に示すように、メモリ、CPU(Central Processing Unit)及びインターフェイスなどを備える。インターフェイスは、管理サーバ10及び電話交換機20と接続される。ここで、CPUがメモリから本発明の制御プログラムを読み出して実行することで、電話番号取得部31及び制御部32に相当する処理モジュールが実現される。
【0039】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0040】
(付記1)
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバと、
電話交換機と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置が、
第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、前記管理サーバを参照して第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得部と、
前記電話番号取得部によって取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように前記電話交換機を制御する制御部と、を備える、
制御システム。
【0041】
(付記2)
前記制御部が、前記電話交換機を制御して、第1電話端末に電話をかけて応答があった場合に当該第1電話端末と前記電話交換機との間で第1セッションを確立させ、第2電話端末に電話をかけて応答があった場合に当該第2電話端末と前記電話交換機との間で第2セッションを確立させ、確立した第1セッションと第2セッションとをリンクさせて第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立させる、付記1に記載の制御システム。
【0042】
(付記3)
前記制御装置が、第1の社員宛のオフィスへの不在着信があった場合に、第1の社員に対して不在着信があった旨を通知する不在着信通知部をさらに備え、
前記制御部が、前記電話交換機を制御して、前記通知に対する第1の社員からの応答を受け付けた場合に第1電話端末と前記電話交換機との間で第1セッションを確立させ、前記不在着信の発信元に電話をかけて応答があった場合に前記不在着信の発信元の電話端末である第3電話端末と前記電話交換機との間で第3セッションを確立し、確立した第1セッションと第3セッションとをリンクさせて第1電話端末と第3電話端末との間の通話セッションを確立させる、付記1又は2に記載の制御システム。
【0043】
(付記4)
前記管理サーバが、各社員に関して、1つのワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を複数記憶し、
前記電話番号取得部が、第1の社員のワークスタイルに対応する全ての電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する全ての電話番号とを取得し、
前記制御部が、前記電話交換機を制御して、第1の社員のワークスタイルに対応する全ての電話端末に電話をかけていずれかの電話端末から応答があった場合に当該応答があった電話端末を第1電話端末とみなして、第1電話端末と前記電話交換機との間で第1セッションを確立させ、第2の社員のワークスタイルに対応する全ての電話端末に電話をかけていずれかの電話端末から応答があった場合に当該応答があった電話端末を第2電話端末とみなして、第2電話端末と前記電話交換機との間で第2セッションを確立し、確立した第1セッションと第2セッションとをリンクさせて第1電話端末と第2電話端末との間の電話セッションを確立させる、付記1~3のいずれか1つに記載の制御システム。
【0044】
(付記5)
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバを参照して、第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得ステップと、
前記電話番号取得ステップにおいて取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末との間の通話セッションを確立するように電話交換機を制御する制御ステップと、
を含む、制御装置による制御方法。
【0045】
(付記6)
各社員に関して、複数のワークスタイルの中でいずれのワークスタイルで仕事を行っているかを管理するとともに、各ワークスタイルでの通話可能な電話端末の電話番号を記憶する管理サーバを参照して、第1の社員から第2の社員宛の電話接続要求を受け付けた場合に、第1の社員のワークスタイルに対応する第1電話端末の電話番号と第2の社員のワークスタイルに対応する第2電話端末の電話番号とを取得する電話番号取得処理と、
前記電話番号取得処理において取得した電話番号に基づいて、第1電話端末と第2電話端末の間との通話セッションを確立するように電話交換機を制御する制御処理と、
を制御装置としてのコンピュータに実行させる制御プログラム。
【0046】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0047】
10:管理サーバ
20:電話交換機
30:制御装置
31:電話番号取得部
32:制御部
33:不在着信通知部
100:制御システム