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特開2024-11862熱処理炉設備のためのプログラマブルロジックコントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011862
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】熱処理炉設備のためのプログラマブルロジックコントローラ
(51)【国際特許分類】
   F27D 19/00 20060101AFI20240118BHJP
   C21D 11/00 20060101ALI20240118BHJP
   F27B 9/02 20060101ALI20240118BHJP
   F27B 9/40 20060101ALI20240118BHJP
   G05B 19/05 20060101ALN20240118BHJP
【FI】
F27D19/00 A
C21D11/00 104
F27D19/00 D
F27B9/02
F27B9/40
G05B19/05 S
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114152
(22)【出願日】2022-07-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】小山 良介
【テーマコード(参考)】
4K038
4K050
4K056
5H220
【Fターム(参考)】
4K038BA02
4K038CA01
4K038DA02
4K038DA04
4K038EA02
4K038EA04
4K038FA02
4K050AA02
4K050CA12
4K050EA04
4K056AA09
4K056BA02
4K056FA01
4K056FA13
5H220AA01
5H220BB17
5H220CC07
5H220CX02
5H220JJ02
5H220JJ12
5H220JJ34
(57)【要約】
【課題】熱処理炉設備のためのPLCにおける、複数のパターンプログラムのより適切な協調稼働及び連携稼働を実現する。
【解決手段】プログラマブルロジックコントローラは、一つ又は複数のプログラムコントローラ、及び、前記一つ又は複数のプログラムコントローラを管理しつつ熱処理炉設備全体の動作を管理する制御プログラムを稼働させる。プログラムコントローラの各々は、パターンプログラムを独立して動作させ、制御プログラムは、複数のパターンプログラムを並行して走らせる制御協調動作プログラムを含み、更に、プログラムコントローラの各々は、パターンプログラムを動作させるために、パラメータ、及び、パターンプログラムを含む情報を、制御プログラムと遣り取りする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ又は複数のプログラムコントローラ、及び、前記一つ又は複数のプログラムコントローラを管理しつつ熱処理炉設備の全体の動作を管理する制御プログラムを稼働させるプログラマブルロジックコントローラであって、
プログラムコントローラの各々は、パターンプログラムを独立して動作させ、
制御プログラムは、複数のパターンプログラムを並行して走らせる制御協調動作プログラムを含み、
更に、プログラムコントローラの各々は、パターンプログラムを動作させるために、パラメータ、及び、パターンプログラムを含む情報を、制御プログラムと遣り取りする、
プログラマブルロジックコントローラ。
【請求項2】
前記熱処理炉設備が、連続式の複数の熱処理室で構成され、
熱処理室の各々に、プログラムコントローラの各々が対応し、
プログラムコントローラの各々が前記制御プログラムと遣り取りする前記情報が、経過時間、温度、及び、圧力を含む、
請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。
【請求項3】
更に、
前記プログラムコントローラの各々が前記制御プログラムと遣り取りする前記情報が、イベント情報を含む、
請求項2に記載のプログラマブルロジックコントローラ。
【請求項4】
前記熱処理炉設備が、単独の熱処理室で構成され、
前記プログラムコントローラは、温度パターンプログラムを動作させる第1のプログラムコントローラと、圧力パターンプログラムを動作させる第2のプログラムコントローラとを、少なくとも含み、
前記プログラムコントローラの各々が前記制御プログラムと遣り取りする前記情報が、経過時間、温度、及び、圧力を含む、
請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載のプログラマブルロジックコントローラを設けた熱処理炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱処理炉設備のためのプログラマブルロジックコントローラに関し、特に、制御プログラム及びプログラムコントローラを稼働させるプログラマブルロジックコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)の制御の対象である熱処理炉設備として、現状、様々な形態が構築されている。そのような熱処理炉設備として、例えば、セミ連続炉やバッチ炉(プレス式焼入炉など)がある。セミ連続炉は、特許文献1、2に示されるような2~4室程度の少ない室数の連続式の炉であり、仕切扉に仕切られつつ熱処理室が連続する炉設備であって、通常のバッチ炉よりも高い生産性を実現する。バッチ炉は、熱処理室は一つであるが、炉内雰囲気の温度、圧力、成分など様々な条件を変化させながら運転を実現する炉設備である。
【0003】
これらの、セミ連続炉、及びバッチ炉のためのPLCでは、同時期に複数のパターンプログラムが稼働することが想定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭62-167089号公報
【特許文献2】特開平6-57403号公報
【特許文献3】特開平9-91032号公報
【特許文献4】特開平9-160608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のPLCとしては特許文献3、4に示されるようなものがあるが、同時期に複数の熱処理条件のパターンプログラムが稼働することが想定されているセミ連続炉及びバッチ炉のためのPLCでは、セミ連続炉及びバッチ炉のより高い性能を引き出すために、複数のパターンプログラムが並行して協調しつつ連携稼働することが求められている。これにより、セミ連続炉においては、空き時間を少なくして生産性をより高めることが必要だからであり、バッチ炉においては、温度や圧力の正確な上昇及び下降を補償することが必要だからである。
【0006】
熱処理炉設備では、温度や圧力などを変化させる制御プログラムを用いて熱処理を行い、製品を生産するが、バッチ炉では一連のパターンプログラムを開始から終了するまで行うのを待つことになるので、生産に非常に長い時間がかかっている。このことについてはセミ連続炉を用いれば、後述するセグメントの変わり目でワークを下流の熱処理室に移動させて次のワークを炉内に装入できるので、生産効率を向上できる。
【0007】
しかし、近年では製品が多様化し、様々な制御プログラムが用いられるため、異なった処理条件(プログラム)のワークが次々に装入されることが多い。一つのセグメントの処理が長時間に及ぶような場合には、下流の熱処理室が長時間、空のまま待機することとなり、全体の効率が悪くなっている。
【0008】
また、温度や圧力などの異なる要素の制御プログラムを同時に進行させる場合、後述するギャランティーソークが一つの要素に働いて時間を延長しても、他の要素はそのまま時間通りプログラムを進行してしまい、全体として要素のプログラムの組み合わせが狂ってしまうという問題もある。
【0009】
本開示は、熱処理炉設備のためのPLCにおける、複数のパターンプログラムのより適切な協調稼働及び連携稼働を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示のプログラマブルロジックコントローラは、一つ又は複数のプログラムコントローラ、及び、前記一つ又は複数のプログラムコントローラを管理しつつ熱処理炉設備全体の動作を管理する制御プログラムを稼働させるプログラマブルロジックコントローラである。プログラムコントローラの各々は、パターンプログラムを独立して動作させ、制御プログラムは、複数のパターンプログラムを並行して走らせる制御協調動作プログラムを含み、更に、プログラムコントローラの各々は、パターンプログラムを動作させるために、パラメータ、及び、パターンプログラムを含む情報を、制御プログラムと遣り取りする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、複数のパターンプログラムをまとめて制御する「制御協調動作プログラム」を導入したことにより、熱処理の制御プログラムのセグメントの動作の途中でもワークを下流に移動させて、その残り時間の続きを行うことができ、生産効率を改善できる。
【0012】
また、ギャランティーソークが一つの要素に働いた場合には、他の要素にもギャランティーソークを働かせることができ、要素のプログラムの組み合わせを狂わせることを無くすことできる、という効果を本発明は奏する。
【0013】
本開示の、熱処理炉設備のためのPLCは、熱処理炉設備の目的に適合的である、複数のパターンプログラムのより適切な協調稼働及び連携稼働を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1Aは、セミ連続炉の模式的な縦断面図である。
図1B図1Bは、セミ連続炉においてワーク(処理品)が搬送される様子を概略示す模式図である。
図2図2は、実施の形態1に係るプログラマブルロジックコントローラ(PLC)の、セミ連続炉における役割を示す模式図である。
図3図3は、実施の形態1及び実施の形態2に係る、PLCの概略の構成例を示す斜視図である。
図4図4は、複数のセグメントを含む温度パターンプログラムの例を示す図である。
図5図5は、セミ連続炉における、実施の形態1に係る制御プログラムとプログラムコントローラとの関係を示す図である。
図6A図6Aは、セミ連続炉の動作の例と、その際の実施の形態1に係るPLCにおける制御プログラムと制御協調動作プログラムとプログラムコントローラとの間での情報の遣り取りを示すプロセスフローの例を示す、図である。
図6B図6Bは、図6Aから続くセミ連続炉の動作の例と、その際の実施の形態1に係るPLCにおける制御プログラムと制御協調動作プログラムとプログラムコントローラとの間での情報の遣り取りを示すプロセスフローの例を示す、図である。
図7A図7Aは、単独炉(バッチ炉)の模式的な縦断面図である。
図7B図7Bは、バッチ炉における、実施の形態2に係る制御プログラムとプログラムコントローラとの関係を示す図である。
図8図8は、複数のセグメントを含むプログラムの例であり、(A)は温度パターンプログラムの例を、(B)は圧力パターンプログラムの例を夫々示す図である。
図9図9は、実施の形態2に係るPLCにおける、プログラムコントローラでの検知プログラムの稼働を模式的に示す図である。
図10図10は、実施の形態2に係るPLCにおける、制御プログラムと、制御協調プログラムと、プログラムコントローラとの間での、情報の遣り取りを示すプロセスフローである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0017】
1.[実施の形態1]
本開示における実施の形態1に係るプログラマブルロジックコントローラ(PLC)8は、仕切扉4に仕切られつつ熱処理室5が連続する炉設備の一つである、セミ連続炉2の炉設備全体を制御するものである。実施の形態1に係るPLC8は、一つ又は複数のプログラムコントローラ32、及び、当該一つ又は複数のプログラムコントローラ32を管理しつつ熱処理炉設備全体の動作を管理する制御プログラム34を稼働させる。
【0018】
この実施の形態1に係るプログラマブルロジックコントローラ8は、(パターン)プログラムで定められた順序や条件などに従って設備や機械の動きを制御する装置であり、マイクロプロセッサを内蔵し、ユーザが変更可能な(パターン)プログラムによって機器を制御するものである(図3参照)。なお、実施の形態2に係るプログラマブルロジックコントローラ8も同様である。
【0019】
更に、本開示のプログラムコントローラ32はソフトウエアにより実現されており、複数存在する熱処理室5の各々に、プログラムコントローラ32の各々が対応する(図5参照)。プログラムコントローラ32の各々は、後で説明するパターンプログラム16を独立して動作させる。
【0020】
制御プログラム34は、熱処理炉設備全体の動作を管理する。同時に、制御プログラム34は、前述の一つ又は複数のプログラムコントローラ32を管理する。更に、制御プログラム34は、後で説明する制御協調動作プログラム36を含む。
【0021】
続いて、セミ連続炉2及びPLC8の構成について、説明する。
【0022】
1.1.[セミ連続炉及びPLCの構成]
図1Aは、実施の形態1に係るPLC8の制御の対象であるセミ連続炉2の模式的な縦断面図である。セミ連続炉2は、複数(図1Aでは、2台)の熱処理室5により構成され、それら複数の熱処理室5は複数の仕切扉4により仕切られている。熱処理室5には、ワーク(処理品)3が熱処理のために搬送により設置される。図1Bは、セミ連続炉2においてワーク3が搬送される様子を概略示す模式図である。
【0023】
なお、ワーク3の熱処理室5間の移動は仕切扉4を開けて行われ、各熱処理室5での熱処理は仕切扉4を閉じて行われるが、それらの動作については、ここでは説明を省略する。
【0024】
図2は、実施の形態1に係るPLC8の、セミ連続炉2における役割を示す模式図である。各熱処理室5においては、図2に示すモジュール型温度調節計14が設けられている。PLC8が管理する各プログラムコントローラ32は、パターンプログラム(16-(1)、16-(2))を動作させ、これにより、各熱処理室5におけるモジュール型温度調節計14を動作させて当該熱処理室5における温度を制御する。モジュール型温度調節計14は、熱処理室5内に設けた温度計(図示せず)から炉温度を入力し熱処理室5内に設けた電気ヒータ(図示せず)等の加熱源に対して出力を行うモジュールである。PLC8に対する操作は、LANケーブル等のイーサネット12により接続するタッチパネル10を介して行われる。タッチパネル10は、PLC8のモニタ(表示部)としても機能する。
【0025】
図3は、熱処理炉設備のための通常のPLC8の、概略の構成例を示す斜視図であり、実施の形態1に係るPLC8も(後で説明する)実施の形態2に係るPLC8も、同様の構成を備える。図3に示すように、PLC8は、ベースユニット30に対して、例えば、電源ユニット22、CPUユニット24、入力ユニット26、及び出力ユニット28が設けられる。
【0026】
図4は、本開示に係るPLC8におけるプログラムコントローラ32が動作させるパターンプログラム16の例を示す図である。図4のパターンプログラム16は、複数のセグメントを含む温度パターンプログラムである。本開示におけるパターンプログラム16とは、温度や圧力を含む、パラメータの経時的パターンであり、(図4に示すように)複数のセグメントにより構成される。図4に示すパターンプログラム16では、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)の夫々が、セグメントに対応し、(1)~(6)全体をここではパターンプログラム16と称する。図4に示すパターンプログラム16は、温度の経時的パターンであるから、温度パターンプログラムである。
【0027】
各ワーク3は、対応するパターンプログラム16に従って熱処理される。また、後でも説明するように、各熱処理室5に対応する各プログラムコントローラ32は、制御プログラム34を介して受け取るパターンプログラム16に従って、対応する熱処理室5に(搬送等により)配置されるワーク3を熱処理する。
【0028】
1.2.[セミ連続炉及びPLCの動作]
続いて、セミ連続炉2及びPLC8の動作について説明する。図5は、セミ連続炉2における、実施の形態1に係る制御プログラム34とプログラムコントローラ32との関係を示す図である。図1Bにおいても示した通り、ワーク3は、熱処理室5を渡って搬送され得る。
【0029】
ワーク3は、対応するパターンプログラム16に従って熱処理される。そのため、各熱処理室5に対応する各プログラムコントローラ32(即ち、例えば、プロコンA(32a)、プロコンB(32b))は、対応する熱処理室5に入ってくるワーク3のためのパターンプログラム16(16-(1)、16-(2))を、例えば、セグメントの変わり目などにて、制御プログラム34を介して取得する。
【0030】
つまり、図5に示すように、各プログラムコントローラ32(32a、32b)は、ワーク3のためのパターンプログラム16を動作させるため、温度、経過時間、イベント情報等のパラメータや、パターンプログラム16等を含む情報を、制御プログラム34と遣り取りする。ここでのイベントとは、例えば、警報の発出であり、イベント情報とは、例えば、警報を発出するための温度や圧力の閾値である。
【0031】
なお、図5に示すように、制御プログラム34は、複数のパターンプログラムを並行して走らせる制御協調動作プログラム36を含む。制御協調動作プログラム36により、パターンプログラムの稼働の協調が図られる。
【0032】
図6A及び図6Bの左側は、セミ連続炉2の動作の例を示し、同じ図6A及び図6Bの右側は、その際の実施の形態1に係るPLC8における制御プログラム34と制御協調動作プログラム36とプログラムコントローラ32との間での情報の遣り取りを示すプロセスフローの例を示す。
【0033】
図6A及び図6Bの左側に示すセミ連続炉2は、以下の(A)、(B)、(C)、及び(D)の工程で動作する。
(A)第1のワーク(3-(1))が用意される。
(B)第1のワーク(3-(1))が搬送されて第1の熱処理室5aに配置され、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラム(16-(1))の最初のセグメントが開始される。このとき第2のワーク(3-(2))が用意される。
(C)第1のワーク(3-(1))は、パターンプログラム(16-(1))の任意のセグメントの処理が進行中であっても、任意の時間で中断した時点で搬送されて第2の熱処理室5bに配置され、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラム(16-(1))の同セグメントの処理の続きが開始される。このとき第2のワーク(3-(2))が搬送されて第1の熱処理室5aに配置され、第2のワーク(3-(2))のためのパターンプログラム(16-(2))の最初のセグメントが開始される。
(D)第1のワーク(3-(1))が搬送されてセミ連続炉2を出る。このとき第2のワーク(3-(2))は、パターンプログラム(16-(2))の任意のセグメントの処理が進行中であっても、任意の時間で中断した時点で搬送されて第2の熱処理室5bに配置され、第2のワーク(3-(2))のためのパターンプログラム(16-(2))の同セグメントの続きが開始される。
【0034】
(A)、(B)、(C)、及び(D)の工程の前後にて、制御プログラム34、制御協調動作プログラム36、並びに、第1のプログラムコントローラA(32a)及び第2のプログラムコントローラB(32b)は、以下のように情報を遣り取りする。なお、「第1のプログラムコントローラA」(32a)は第1の熱処理室5aのためのプログラムコントローラ32であり、「第2のプログラムコントローラB」(32b)は第2の熱処理室5bのためのプログラムコントローラ32である。
【0035】
まず、(A)の直前に、制御協調動作プログラム36は、第1のプログラムコントローラA(32a)及び第2のプログラムコントローラB(32b)に動作指示(電源ON)を出す。
【0036】
(A)の工程が行われる。即ち、第1のワーク(3-(1))が第1の熱処理室5aの前方に準備される。
【0037】
次に、(B)の直前(第1のワーク(3-(1))が第1の熱処理室5aに搬送されて停止する直前)に、即ち、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラムの最初のセグメントの開始前に、制御プログラム34は、第1のプログラムコントローラA(32a)に対して、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラム(16-(1))と、第1のワーク(3-(1))に関するデータとを送る。
【0038】
同時に、制御プログラム34は、第2のプログラムコントローラB(32b)に対しても、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラム(16-(1))と、第1のワーク(3-(1))に関するデータとを送る。これは、第2のプログラムコントローラB(32b)に、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラム(16-(1))を、第2の熱処理室5bにワーク3が無い状態で同時に動作させ、これにより、第2の熱処理室5bに第1のワーク(3-(1))が搬送されてくる続きの処理に備えるためである。
【0039】
(B)の工程が行われる。即ち、第1のワーク(3-(1))がパターンプログラム(16-(1))で熱処理がされ、その間に、次の第2のワーク(3-(2))が第1の熱処理室5aの前方に準備される。
【0040】
次に、任意のタイミングで、第1のワーク(3-(1))の処理を中断して第2の熱処理室5bに移動させ、第2のワーク(3-(2))を第1の熱処理室5aに装入する。そして、(C)の直前(第1のワーク(3-(1))が第2の熱処理室5bに搬送され、第2のワーク(3-(2))が第1の熱処理室5aに搬送されて停止する直前)には、つまり、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラム(16-(1))の続きの開始前、且つ、第2のワーク(3-(2))のためのパターンプログラム(16-(2))の最初のセグメントの開始前には、まず第1のプログラムコントローラA(32a)は、制御プログラム34に対して、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラム(16-(1))と、それまで(即ち、(B)の工程まで)に実行中であったセグメントの番号と、第1のワーク(3-(1))に関するデータとを送る。そのデータの中には実行中であったセグメントが中断するまでの経過時間も含まれる。
【0041】
これを受けて制御プログラム34は、第2のプログラムコントローラB(32b)に対して、第1のワーク(3-(1))のためのパターンプログラム(16-(1))と、それまで(即ち、(B)の工程まで)に実行中であったセグメントの番号と、第1のワーク(3-(1))に関するデータとを送る。
【0042】
同時に、制御プログラム34は、第1のプログラムコントローラA(32a)に対しても、第2のワーク(3-(2))のためのパターンプログラム(16-(2))と、第2のワーク(3-(2))に関するデータとを送る。
【0043】
このとき、第1の熱処理室5aと第2の熱処理室5bと間の仕切扉4を開け、第1のワーク(3-(1))を隣室(第2の熱処理室5b)に移動させ、同仕切扉4を閉める、という工程の時間が必要になるが、その間は、時間のカウントは停止される(図では省略している。)。
【0044】
(C)の工程が行われる。即ち、第1の熱処理室5aと第2の熱処理室5bとで、夫々、第1のワーク(3-(1))と第2のワーク(3-(2))に対する熱処理が行われる。第2のプログラムコントローラB(32b)では、第1のワーク(3-(1))について第1の熱処理室5aで実行中であったセグメントの中断時点の経過時間から、残りの処理時間が計算される。第2の熱処理室5bでは、第1のワーク(3-(1))に対して、第1の熱処理室5aで実行中であったセグメントの中断時点から最後のセグメントの終了までの熱処理を実行する。
【0045】
次に、第1のワーク(3-(1))への熱処理が終了すれば、第1のワーク(3-(1))は第2の熱処理室5bから外へ出され、第2のワーク(3-(2))への熱処理が中断されて第2のワーク(3-(2))が第2の熱処理室5bへ移動される。(D)の直前(第2のワーク(3-(2))が第2の熱処理室5bに搬送されて停止する直前)には、つまり、第1のワーク(3-(1))がセミ連続炉2を出る前、且つ、第2のワーク(3-(2))のためのパターンプログラム(16-(2))の続きの開始前には、第1のプログラムコントローラA(32a)は、制御プログラム34に対して、第2のワーク(3-(2))のためのパターンプログラム(16-(2))と、それまで(即ち、(C)の工程まで)に実行中であったセグメントの番号と、第2のワーク(3-(2))に関するデータとを送る。そのデータの中には実行中であったセグメントが中断するまでの経過時間も含まれる。
【0046】
これらを受けて制御プログラム34は、第2のプログラムコントローラB(32b)に対して、第2のワーク(3-(2))のためのパターンプログラム(16-(2))と、それまで(即ち、(C)の工程まで)に実行中であったセグメントの番号と、第2のワーク(3-(2))に関するデータとを送る。
【0047】
(D)の工程が行われる。即ち、第1のワーク(3-(1))は第2の熱処理室5bから外に出されている状態であり、第2のワーク(3-(2))は第2の熱処理室5bで熱処理される。第2のプログラムコントローラB(32b)では、第2のワーク(3-(2))について第1の熱処理室5aで実行中であったセグメントの中断時点の経過時間から、残りの処理時間が計算される。ここで、第2の熱処理室5bでは、第2のワーク(3-(2))に対して、第1の熱処理室5aで実行中であったセグメントの中断時点から最後のセグメントの終了までの熱処理を実行する。
【0048】
制御プログラム34、制御協調動作プログラム36、並びに、第1のプログラムコントローラA(32a)及び第2のプログラムコントローラB(32b)は、以上のように情報を遣り取りする。なお、ここでは便宜上、2つの熱処理室5a、5bを備えるセミ連続炉2について説明したが、熱処理室5が3つ以上であるセミ連続炉2でも、同様にして生産効率を向上させることができる。
【0049】
1.3.[実施の形態1のまとめ]
本実施の形態に係るプログラマブルロジックコントローラ(PLC)8は、一つ又は複数のプログラムコントローラ32、及び、その一つ又は複数のプログラムコントローラ32を管理しつつ熱処理炉設備全体の動作を管理する制御プログラム34を稼働させる。プログラムコントローラ32の各々は、パターンプログラム16を独立して動作させる。制御プログラム34は、複数のパターンプログラム16を並行して走らせる制御協調動作プログラム36を含む。更に、プログラムコントローラ32の各々は、パターンプログラム16を動作させるために、パラメータ、及び、パターンプログラム16を含む情報を、制御プログラム34と遣り取りする。熱処理炉設備が、連続式の複数の熱処理室5であるセミ連続炉2で構成され、熱処理室5の各々に、プログラムコントローラ32の各々が対応する。プログラムコントローラ32の各々が制御プログラム34と遣り取りする情報が、経過時間、温度、圧力、及び、イベント情報を含む。
【0050】
以上のような本実施の形態に係るプログラマブルロジックコントローラ8を用いることにより、セミ連続炉2のためのPLC8における、複数のパターンプログラム16のより適切な協調稼働及び連携稼働が実現される。
【0051】
2.[実施の形態2]
本開示における実施の形態2に係るプログラマブルロジックコントローラ(PLC)8は、熱処理室60は単独であり、炉内の様々な条件の雰囲気中で運転を実現する炉設備である、バッチ炉52の炉設備全体を制御するものである。実施の形態2に係るプログラマブルロジックコントローラ(PLC)8は、一つ又は複数のプログラムコントローラ32、及び、当該一つ又は複数のプログラムコントローラ32を管理しつつ熱処理炉設備全体の動作を管理する制御プログラム34を稼働させる。実施の形態2に係るプログラマブルロジックコントローラ8は、基本的に実施の形態1に係るプログラマブルロジックコントローラ8と同様の構成及び機能を有する(図3参照)。
【0052】
更に、ここでのプログラムコントローラ32もソフトウエアにより実現されており、一つ存在する熱処理室60に対応する。プログラムコントローラ32は、例えば、炉内の温度パターンプログラムを動作させる第1のプログラムコントローラA(32a)と、炉内の圧力パターンプログラムを動作させる第2のプログラムコントローラB(32b)とを含む。
【0053】
実施の形態2に係るPLC8においても、制御プログラム34は、熱処理炉設備全体の動作を管理する。同時に、制御プログラム34は、前述の一つ又は複数のプログラムコントローラ32を管理する。更に、制御プログラム34は、制御協調動作プログラム36を含む。
【0054】
2.1.[バッチ炉の構成]
図7Aは、実施の形態2に係るPLC8の制御の対象であるバッチ炉52の模式的な縦断面図である。バッチ炉52は、単独の熱処理室60により構成され、ワーク54が熱処理のために搬送により台座59に載置され加熱される。
【0055】
図4と同様に、図8も本開示に係るPLC8におけるプログラムコントローラ32が動作させるパターンプログラム16の例を示す図である。図8のパターンプログラム16は、複数のセグメントを含む、(A)(上部の)温度パターンプログラム(16-(h))及び(B)(下部の)圧力パターンプログラム(16-(p))である。図8に示すパターンプログラム(16-(h)、16-(p))では、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)の夫々が、セグメントに対応する。図8の上部(A)のものは温度の経時的パターンであるから、温度パターンプログラム(16-(h))であり、下部(B)のものは圧力の経時的パターンであるから、圧力パターンプログラム(16-(p))である。
【0056】
ワーク54は、複数のパターンプログラム16、即ち、例えば、温度パターンプログラム(16-(h))と圧力パターンプログラム(16-(p))とに従って熱処理される。後でも説明するように、温度制御と圧力制御とに対応する複数のプログラムコントローラ(32a、32b)の各々は、制御プログラム34を介して受け取る、温度パターンプログラム(16-(h))又は圧力パターンプログラム(16-(p))に従って、熱処理室60に配置されるワーク54を夫々処理する(図7B参照)。
【0057】
2.2.[バッチ炉とPLCの動作]
続いて、バッチ炉52及びPLC8の動作について説明する。
【0058】
図7Bは、バッチ炉52における、実施の形態2に係る制御プログラム34とプログラムコントローラ32との関係を示す図である。
【0059】
ワーク54は、複数のパターンプログラム16、即ち、例えば、温度パターンプログラム(16-(h))と圧力パターンプログラム(16-(p))とに従って熱処理される。そのため、一つの熱処理室60における二つのプログラムコントローラ32(即ち、プロコンA(32a)、プロコンB(32b))の夫々は、温度パターンプログラム(16-(h)又は圧力パターンプログラム(16-(p))を、制御プログラム34を介して取得して動作する。
【0060】
つまり、図7Bに示すように、各プログラムコントローラ32(32a、32b)は、ワーク3のための温度パターンプログラム(16-(h)又は圧力パターンプログラム(16-(p))を動作させるため、温度、圧力等のパラメータや、パターンプログラム(16-(h)、16-(p))等を含む情報を、制御プログラム34と遣り取りする。
【0061】
また、図7Bにも示すように、制御プログラム34は、複数のパターンプログラムを並行して走らせる制御協調動作プログラム36を含む。制御協調動作プログラム36により、パターンプログラムの稼働の協調が図られる。
【0062】
図9は、実施の形態2に係るPLC8における、二つのプログラムコントローラ32での検知プログラムの稼働を模式的に示す図である。
【0063】
本実施の形態に係るPLC8におけるプログラムコントローラ32は、ギャランティーソークの機能を有する。ギャランティーソークとは、プログラム運転時に、実際の運転がプログラムに追従しない場合に、次段ステップに移行せずに留まる機能である。
【0064】
前述のギャランティーソークは、温度については実温度補償機能と称される。つまり、ソーク(一定温度で一定時間温調する)をギャランティー(保証、補償)することである。例えば、あるステップが100℃で30分とすると、そのステップにギャランティーソークを掛けておくと、そのステップになると100℃になるまで時間進行を止めて、100℃になったら時間進行させる。このことで、100℃が保証されることになる。
【0065】
図9において、第1のプログラムコントローラA(32a)は、第1のパターンプログラム(16-(1))を動作させ、第2のプログラムコントローラB(32b)は、第2のパターンプログラム(16-(2))を動作させているとする。最初の、第1のセグメント(SE1)の終了後、次の、第2のセグメント(SE2)の開始前、約(数/10)秒間にて、夫々のプログラムコントローラ32(32a、32b)は、検知プログラムを走らせる。ここでの「検知プログラム」とは、他のプログラムコントローラからギャランティーソーク中であるという信号が入っていないかを検知するプログラムである。
【0066】
図10は、実施の形態2に係るPLC8における、制御プログラム34と、制御協調動作プログラム36と、プログラムコントローラ32(32a、32b)との間での、情報の遣り取りを示すプロセスフローである。図10に示すプログラムコントローラ32は、温度パターンプログラム(16-(h))を動作させる第1のプログラムコントローラA(32a)と、圧力パターンプログラム(16-(p))を動作させる第2のプログラムコントローラB(32b)である。
【0067】
図10に示すプロセスフローは、概略、温度においてギャランティーソークが発生し、第2のプログラムコントローラB(32b)がそのギャランティーソークを検知する、というフローに関するものである。制御プログラム34、制御協調動作プログラム36、並びに、第1のプログラムコントローラA(32a)及び第2のプログラムコントローラB(32b)は、以下のように情報を遣り取りする。
【0068】
まず、制御協調動作プログラム36は、第1のプログラムコントローラA(32a)及び第2のプログラムコントローラB(32b)に動作指示(電源ON)を出す。
【0069】
ここで温度に関してギャランティーソークが発生した場合、第1のプログラムコントローラA(32a)は、ギャランティーソークの発生を制御プログラム34に通知する。
【0070】
最初のセグメント(第1のセグメント)進行中である、第1のプログラムコントローラA(32a)が動作させている温度パターンプログラム(16-(h))に対して、第1のプログラムコントローラA(32a)は、到達すべき温度に達するまで時間進行を停止させる(即ち、実温度補償を行う)。
【0071】
第2のプログラムコントローラB(32b)は、動作させている圧力パターンプログラム(16-(p))の最初のセグメント(第1のセグメント)終了後、検知プログラムを走らせる。
【0072】
検知プログラムは、制御プログラム34より、第1のプログラムコントローラA(32a)に関してギャランティーソークが発生している、という情報を取得する。同時に、第2のプログラムコントローラB(32b)は、制御プログラム34より、圧力保持の指示を取得する。これに従い、第2のプログラムコントローラB(32b)は、圧力パターンプログラム(16-(p))に対して、圧力保持をさせる。
【0073】
第1のプログラムコントローラA(32a)にて、ギャランティーソークが終了すると、温度パターンプログラム(16-(h))の時間進行停止が解ける。その後、温度パターンプログラム(16-(h))にて最初のセグメント(第1のセグメント)が終了すると、第1のプログラムコントローラA(32a)は検知プログラムを走らせる。
【0074】
検知プログラムが何も検知しなければ、第1のプログラムコントローラA(32a)は、温度パターンプログラム(16-(h))の次のセグメント(第2のセグメント)を開始させる。
【0075】
第1のプログラムコントローラが温度パターンプログラム(16-(h))の第2のセグメントを開始させるという情報を、制御プログラム34より取得して、第2のプログラムコントローラB(32b)も、圧力パターンプログラム(16-(p))の次のセグメント(第2のセグメント)を開始させる。
【0076】
以上のようなフローが順次繰り返されて、パターンプログラム(16-(h)、16-(p))は最後まで進行される。このように、制御協調動作プログラム36によって第1のプログラムコントローラA(32a)にギャランティーソークが働いた場合に第2のプログラムコントローラB(32b)にも状態を保持させることができ、2つのパターンプログラムの組み合わせが狂うことが無くなる。
【0077】
制御プログラム34、制御協調動作プログラム36、並びに、第1のプログラムコントローラA(32a)及び第2のプログラムコントローラB(32b)は、以上のように情報を遣り取りする。
【0078】
2.3.[実施の形態2のまとめ]
本実施の形態に係るプログラマブルロジックコントローラ(PLC)8は、一つ又は複数のプログラムコントローラ32、及び、その一つ又は複数のプログラムコントローラ32を管理しつつ熱処理炉設備全体の動作を管理する制御プログラム34を稼働させる。プログラムコントローラ32の各々は、パターンプログラム16を独立して動作させる。制御プログラム34は、複数のパターンプログラム16を並行して走らせる制御協調動作プログラム36を含む。更に、プログラムコントローラ32の各々は、パターンプログラム16を動作させるために、パラメータ、及び、パターンプログラム16を含む情報を、制御プログラム34と遣り取りする。熱処理炉設備が、単独の熱処理室60であるバッチ炉52で構成され、プログラムコントローラ32は、温度パターンプログラム(16-(h))を動作させる第1のプログラムコントローラA(32a)と、圧力パターンプログラム(16-(p))を動作させる第2のプログラムコントローラB(32b)とを、少なくとも含む。プログラムコントローラ(32a、32b)の各々が制御プログラム34と遣り取りする情報が、経過時間、温度、及び、圧力を含む。
【0079】
以上のような本実施の形態に係るプログラマブルロジックコントローラ8を用いることにより、バッチ炉52のためのPLC8における、複数のパターンプログラム16のより適切な協調稼働及び連携稼働が実現される。
【0080】
3.[他の実施の形態]
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
【0081】
また、実施の形態を説明するために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0082】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
2・・・セミ連続炉、
3、54・・・ワーク(処理品)、
4・・・仕切扉、
5、60・・・熱処理室、
8・・・プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、
10・・・タッチパネル、
12・・・イーサネット、
14・・・モジュール型温度調節計、
16・・・パターンプログラム、
22・・・電源ユニット、
24・・・CPUユニット、
26・・・入力ユニット、
28・・・出力ユニット、
30・・・ベースユニット、
32・・・プログラムコントローラ、
34・・・制御プログラム、
36・・・制御協調動作プログラム、
52・・・バッチ炉、
59・・・台座。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ又は複数のプログラムコントローラ、及び、前記一つ又は複数のプログラムコントローラを管理しつつ熱処理炉設備の全体の動作を管理する制御プログラムを稼働させるプログラマブルロジックコントローラであって、
プログラムコントローラの各々は、パターンプログラムを独立して動作させ、
制御プログラムは、複数のパターンプログラムを並行して協調して走らせる制御協調動作プログラムを含み、
更に、プログラムコントローラの各々は、パターンプログラムを動作させるために、パラメータ、及び、パターンプログラムを含む情報を、制御プログラム及び制御協調動作プログラムと遣り取りする、
プログラマブルロジックコントローラ。
【請求項2】
前記熱処理炉設備が、連続式の複数の熱処理室で構成され、
熱処理室の各々に、プログラムコントローラの各々が対応し、
プログラムコントローラの各々が前記制御プログラム及び前記制御協調動作プログラムと遣り取りする前記情報が、経過時間、温度、及び、圧力を含む、
請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。
【請求項3】
更に、
前記プログラムコントローラの各々が前記制御プログラム及び前記制御協調動作プログラムと遣り取りする前記情報が、イベント情報を含む、
請求項2に記載のプログラマブルロジックコントローラ。
【請求項4】
前記熱処理炉設備が、単独の熱処理室で構成され、
前記プログラムコントローラは、温度パターンプログラムを動作させる第1のプログラムコントローラと、圧力パターンプログラムを動作させる第2のプログラムコントローラとを、少なくとも含み、
前記プログラムコントローラの各々が前記制御プログラム及び前記制御協調動作プログラムと遣り取りする前記情報が、経過時間、温度、及び、圧力を含む、
請求項1に記載のプログラマブルロジックコントローラ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載のプログラマブルロジックコントローラを設けた熱処理炉。