(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118656
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】表示プログラム及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04845 20220101AFI20240826BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20240826BHJP
【FI】
G06F3/04845
G06F3/04817
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025050
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100143960
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 早百合
(72)【発明者】
【氏名】海川 真佑
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA31
5E555BA02
5E555BA73
5E555BB02
5E555BC18
5E555EA03
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示部に表示されたオブジェクトがどのような過程を経て現在のオブジェクトに編集されたかを確認する際のユーザの利便性を従来よりも向上させた、表示プログラム及び表示方法を提供すること。
【解決手段】表示プログラムに従い、コンピュータの制御部は、編集指示を取得したことに応じて(S8:YES)、オブジェクトと、オブジェクトの編集内容と、編集順序を表す順序情報とを関連付けた履歴情報を記憶する(S10)。制御部は、編集指示取得に応じて(S8:YES)、表示部に表示するオブジェクトを更新する(S9)。制御部は、対象期間を指定する条件を取得する(S6)。制御部は、表示部に表示されている一以上のオブジェクトのうち、条件で指定される対象期間内の履歴情報に対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定し、特定された対象オブジェクトを強調表示する(S7)。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、制御部とを備えるコンピュータの前記制御部に、
オブジェクトを編集する編集指示を取得したことに応じて、前記オブジェクトと、前記オブジェクトの編集内容と、編集順序を表す順序情報とを関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶ステップと、
前記編集指示を取得したことに応じて、前記表示部に表示する前記オブジェクトを更新する表示制御ステップと、
複数の前記履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間を指定する条件を取得する条件取得ステップと、
前記表示部に表示されている一以上の前記オブジェクトのうち、前記複数の前記履歴情報のうちの前記条件で指定される前記対象期間内の前記履歴情報に対応する前記オブジェクトを対象オブジェクトとして特定する特定ステップと、
特定された前記対象オブジェクトを強調表示する強調表示ステップと
を実行させるための指示を含む表示プログラム。
【請求項2】
前記順序情報を含み、前記対象期間を特定するのに用いられるチェックポイントを記憶するポイント記憶ステップを更に実行するための指示を含み、
前記条件取得ステップは、前記チェックポイントを指定する情報を含む前記条件を取得し、
前記特定ステップは、前記表示部に表示される前記一以上の前記オブジェクトのうち、前記複数の前記履歴情報のうちの前記条件で指定される前記チェックポイントで区切られる前記対象期間内の前記履歴情報に対応する前記オブジェクトを前記対象オブジェクトとして特定することを特徴とする請求項1に記載の表示プログラム。
【請求項3】
前記順序情報を含み、前記対象期間を特定するのに用いられるチェックポイントを記憶するポイント記憶ステップを更に実行するための指示を含み、
前記条件取得ステップは、前記チェックポイントを指定する情報を含む前記条件を取得し、
前記特定ステップは、複数の前記チェックポイントのうち、前記条件で指定される第一チェックポイントと、前記第一チェックポイントに応じて特定される第二チェックポイントとの間の期間を前記対象期間として、前記表示部に表示される前記一以上の前記オブジェクトのうち、前記対象期間の前記履歴情報に対応する前記オブジェクトを前記対象オブジェクトとして特定することを特徴とする請求項1に記載の表示プログラム。
【請求項4】
前記履歴記憶ステップは、前記オブジェクトと、前記編集内容と、前記順序情報とに加え、ユーザを特定するユーザ情報を関連付けて前記履歴情報として記憶し、
前記ポイント記憶ステップは、前記順序情報に加え、前記ユーザ情報を含む前記チェックポイントを記憶し、
前記特定ステップは、前記表示部に表示される前記一以上の前記オブジェクトのうち、前記複数の前記履歴情報のうちの前記条件で指定される前記チェックポイントで区切られる前記対象期間内、且つ、前記チェックポイントの前記ユーザ情報が含まれる前記履歴情報に対応する前記オブジェクトを前記対象オブジェクトとして特定することを特徴とする請求項2又は3に記載の表示プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータが備える通信部を介して、他のユーザに通知を送信する通知ステップを更に実行するための指示を含み、
前記ポイント記憶ステップは、前記通知が送信されるのに応じて、前記チェックポイントを記憶することを特徴とする請求項4に記載の表示プログラム。
【請求項6】
前記ポイント記憶ステップは、前記他のユーザから、通知を受け取ったことに応じて、前記他のユーザの前記ユーザ情報を含む前記チェックポイントを記憶することを特徴とする請求項4に記載の表示プログラム。
【請求項7】
前記通知ステップは、前記通信部を介して、前記他のユーザに前記通知と、前記通知に応じて記憶される前記チェックポイントとを送信することを特徴とする請求項5に記載の表示プログラム。
【請求項8】
前記表示部に、一以上の前記チェックポイントを一覧表示する一覧表示ステップと、
前記一以上の前記チェックポイントから、指定された前記ユーザ情報を含む前記チェックポイントを抽出して前記表示部に表示する抽出表示ステップと
を更に実行するための指示を含み、
前記条件取得ステップは、前記表示部に表示された前記チェックポイントのうち、前記コンピュータの入力部により指定された前記チェックポイントを含む前記条件を取得することを特徴とする請求項4に記載の表示プログラム。
【請求項9】
前記特定ステップは、前記条件が取得されたことに応じて、複数の前記チェックポイントのうち、前記条件に含まれる前記第一チェックポイントと、前記第一チェックポイントに応じて特定される第二チェックポイントとの間の期間を前記対象期間として、前記対象期間内の前記履歴情報を抽出し、前記表示部に表示される前記一以上の前記オブジェクトのうち、抽出された前記履歴情報に対応する前記オブジェクトを前記対象オブジェクトとして特定することを特徴とする請求項3に記載の表示プログラム。
【請求項10】
前記条件取得ステップは、複数の前記チェックポイントのうちの、前記第一チェックポイントと、前記第一チェックポイントに応じて特定される第二チェックポイントとの間の期間を前記対象期間として、前記対象期間内の前記履歴情報を抽出した履歴データを含む前記条件を取得し、
前記特定ステップは、前記表示部に表示されている前記一以上の前記オブジェクトのうち、前記履歴データに対応する前記オブジェクトを前記対象オブジェクトとして特定することを特徴とする請求項3に記載の表示プログラム。
【請求項11】
前記強調表示ステップは、前記表示部に表示されている前記一以上の前記オブジェクトのうち、前記対象オブジェクトを前記表示部に所定時間強調表示することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の表示プログラム。
【請求項12】
表示部と、制御部とを備えるコンピュータの前記制御部によって実行される表示方法であって、
オブジェクトを編集する編集指示を取得したことに応じて、前記オブジェクトと、前記オブジェクトの編集内容と、編集順序を表す順序情報とを関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶ステップと、
前記編集指示を取得したことに応じて、前記表示部に表示する前記オブジェクトを更新する表示制御ステップと、
複数の前記履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間を指定する条件を取得する条件取得ステップと、
前記表示部に表示されている一以上の前記オブジェクトのうち、前記複数の前記履歴情報のうちの前記条件で指定される前記対象期間内の前記履歴情報に対応する前記オブジェクトを対象オブジェクトとして特定する特定ステップと、
特定された前記対象オブジェクトを強調表示する強調表示ステップと
を備える表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示プログラム及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の共同作業支援システムは、作成されたファイル内の描画情報のユーザや一般文書内のオブジェクトユーザに対して、任意の連絡手段を用いて、コンタクトできる(例えば、特許文献1参照)。具体的には、システムは、描画情報のユーザの識別情報に対応させて、少なくとも一つの種類の通信メディアにおけるユーザの連絡先情報を記憶する。システムは、描画情報のユーザの識別情報を、描画情報に対応させて表示し、ユーザから、描画情報に対応するユーザへの連絡の指示を受け付ける。通信メディアにおけるユーザの連絡先情報を取得し、取得した連絡先情報に従って、通信メディアを介して、ユーザの計算機とユーザの連絡先とを接続させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の共同作業支援システムでは、表示部に表示されたオブジェクトがどのような過程を経て現在のオブジェクトに編集されたかを確認しにくい。
【0005】
本発明の目的は、表示部に表示されたオブジェクトがどのような過程を経て現在のオブジェクトに編集されたかを確認する際のユーザの利便性を従来よりも向上させた、表示プログラム及び表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る表示プログラムは、表示部と、制御部とを備えるコンピュータの前記制御部に、オブジェクトを編集する編集指示を取得したことに応じて、前記オブジェクトと、前記オブジェクトの編集内容と、編集順序を表す順序情報とを関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶ステップと、前記編集指示を取得したことに応じて、前記表示部に表示する前記オブジェクトを更新する表示制御ステップと、複数の前記履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間を指定する条件を取得する条件取得ステップと、前記表示部に表示されている一以上の前記オブジェクトのうち、前記複数の前記履歴情報のうちの前記条件で指定される前記対象期間内の前記履歴情報に対応する前記オブジェクトを対象オブジェクトとして特定する特定ステップと、特定された前記対象オブジェクトを強調表示する強調表示ステップとを実行させるための指示を含む。第一態様に係る表示プログラムを実行するコンピュータは、表示部に対象オブジェクトを強調表示することで、表示部に表示されている一以上のオブジェクトのうち、対象期間に編集された対象オブジェクトと、対象オブジェクト以外のオブジェクトとを、ユーザが区別しやすくすることに貢献する。故に、表示プログラムの強調表示ステップは、表示部に表示されたオブジェクトがどのような過程を経て現在のオブジェクトに編集されたかを確認する際のユーザの利便性を従来よりも向上することに貢献する。
【0007】
本発明の第二態様に係る表示方法は、表示部と、制御部とを備えるコンピュータの前記制御部によって実行される表示方法であって、オブジェクトを編集する編集指示を取得したことに応じて、前記オブジェクトと、前記オブジェクトの編集内容と、編集順序を表す順序情報とを関連付けた履歴情報を記憶する履歴記憶ステップと、前記編集指示を取得したことに応じて、前記表示部に表示する前記オブジェクトを更新する表示制御ステップと、複数の前記履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間を指定する条件を取得する条件取得ステップと、前記表示部に表示されている一以上の前記オブジェクトのうち、前記複数の前記履歴情報のうちの前記条件で指定される前記対象期間内の前記履歴情報に対応する前記オブジェクトを対象オブジェクトとして特定する特定ステップと、特定された前記対象オブジェクトを強調表示する強調表示ステップとを備える。第二態様に係る表示方法は、表示部に対象オブジェクトを強調表示することで、表示部に表示されている一以上のオブジェクトのうち、対象期間に編集された対象オブジェクトと、対象オブジェクト以外のオブジェクトとを、ユーザが区別しやすくすることに貢献する。故に、表示方法の強調表示ステップは、表示部に表示されたオブジェクトがどのような過程を経て現在のオブジェクトに編集されたかを確認する際のユーザの利便性を従来よりも向上することに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】編集システム1の電気的構成を示す図である。
【
図6】具体例における、ユーザAの端末装置3Aの表示部35の画面遷移と、ユーザBの端末装置3Bの表示部35の画面遷移と、ユーザCの端末装置3Cの表示部35の画面遷移との説明図である。
【
図7】具体例における、ユーザAの端末装置3Aの表示部35の画面遷移と、ユーザBの端末装置3Bの表示部35の画面遷移と、ユーザCの端末装置3Cの表示部35の画面遷移との説明図である。
【
図8】第一変形例の通知送信処理のフローチャートである。
【
図9】第一変形例の通知表示処理のフローチャートである。
【
図10】第二変形例の通知表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、編集システム1は、サーバ2及び三つの端末装置3を有する。サーバ2は、ネットワーク回線4を介してアクセスポイント5と通信可能に接続する。三つの端末装置3は各々、互いに異なるユーザA、B、Cにより使用される。各端末装置3は、周知のタブレット型の端末装置及び多機能携帯電話機(所謂、スマートフォン)等の可搬型の端末装置であり、アクセスポイント5と無線通信可能に接続する。以下、ユーザAが使用する端末装置3を、端末装置3Aともいい、ユーザBが使用する端末装置3を、端末装置3Bともいい、ユーザCが使用する端末装置3を、端末装置3Cともいう。以下の説明では、説明を簡単にするために端末装置3Aから3Cは各々、互いに同じ構成を有している場合について説明するが、端末装置3Aから3Cは各々、互いに異なる構成を有していてもよい。
【0010】
図1に示すように、サーバ2は、CPU6、ROM21、RAM22、フラッシュメモリ23、及び通信部24を有する。CPU6は、サーバ2を制御する。ROM21は、各種プログラムの実行時にCPU6が必要とする情報等を記憶する。RAM22は、CPU6が処理を実行する過程でデータを一時的に記憶する。フラッシュメモリ23は不揮発性の記憶装置である。フラッシュメモリ23は、プログラム記憶エリア25、アカウント記憶エリア26、表示情報記憶エリア27、及び履歴情報記憶エリア28を含む。プログラム記憶エリア25には、CPU6が実行する各種プログラムが記憶される。アカウント記憶エリア26には、アカウント情報が記憶される。アカウント情報は、一のユーザを他のユーザと識別するためのユーザ情報、及び編集システム1にログインする場合に使用されるパスワードを含む。表示情報記憶エリア27には、最新の編集領域71(
図3参照)に表示されたオブジェクトを示す表示情報が記憶される。履歴情報記憶エリア28には、後述の履歴情報が記憶される。通信部24は、サーバ2がネットワーク回線4とアクセスポイント5とを介して端末装置3Aから3Cの各々と通信を行うための通信モジュールである。
【0011】
端末装置3は、CPU7、ROM32、RAM33、フラッシュメモリ34、表示部35、入力部36、及び通信部37を有する。CPU7は、端末装置3を制御する。ROM32は、各種プログラムの実行時にCPU7が必要とする情報等を記憶する。RAM33は、CPU7が処理を実行する過程でデータを一時的に記憶する。フラッシュメモリ34は、CPU7が実行する、後述の表示プログラムを含む各種プログラム等を記憶する。表示部35は、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示できる。入力部36は、表示部35の表面に設けられ、表示部35上のペン及び指等の操作体の接触位置を検出し、検出された接触位置に応じた検出信号をCPU7に出力する。通信部37は、端末装置3がネットワーク回線4とアクセスポイント5を介してサーバ2と通信を行うための通信モジュールである。
【0012】
図1に示すように、編集システム1は、複数のユーザAからCが各々の端末装置3Aから3Cを使用し、サーバ2を介して、同時に、又は互いに異なるタイミングで、
図3を参照して後述する、共通の編集領域71内のオブジェクトを編集できる。ユーザは、端末装置3を操作し、共有アプリケーションを起動する。共有アプリケーションの起動により、編集システム1は、ユーザにより指定された端末装置3間で共有化された画面を端末装置3の表示部35に表示できる。
【0013】
端末装置3Aで編集操作が行われた場合を例に、編集システム1で実行される処理の概要を説明する。端末装置3AのCPU7が、入力部36を介してオブジェクトの編集を検出すると、端末装置3AのCPU7は、編集内容に応じて表示部35の画面を更新する。端末装置3AのCPU7は、編集内容に応じた履歴情報をネットワーク回線4及びアクセスポイント5を介してサーバ2に送信し、履歴情報を端末装置3Aの履歴情報記憶エリア39に記憶する。サーバ2のCPU6は、端末装置3Aから履歴情報を受信すると、受信された履歴情報を履歴情報記憶エリア28に記憶し、履歴情報に応じて表示情報記憶エリア27を更新する。CPU6は、端末装置3Aと共に編集領域71の編集を行う他の端末装置3に表示情報及び履歴情報をネットワーク回線4及びアクセスポイント5を介して送信する。端末装置3B、3Cが表示情報及び履歴情報を受信した場合、端末装置3B、3CのCPU7は、受信された表示情報及び履歴情報に応じて、端末装置3Bの表示部35を更新する。これにより、端末装置3A、3B、3Cの各々の表示部35に編集領域71の表示内容が表示され、編集システム1内で共有される。
【0014】
図2から
図7を参照して、端末装置3Aから3Cの各々で実行されるメイン処理を説明する。端末装置3Aから3Cのメイン処理は、各端末装置3において個別に実行されるが、説明を簡単にするため、並列に説明する。CPU7は、ユーザが入力部36を介して入力した、編集システム1にログインするログイン指示を検出した場合、
図1に示すプログラム記憶エリア38から表示プログラムを読み出す。CPU7は、読み出した表示プログラムを実行することにより、
図2に示すメイン処理を開始する。一例として、編集システム1を利用して、ユーザAが提案した動物園のレイアウトを、ユーザAからCが共同編集する具体例を用いる。具体例では、編集領域71は、ユーザAからCによって、編集又は閲覧される。編集領域71が編集、閲覧された期間は、複数の日に渡っており、各ユーザが編集領域71を編集、閲覧した期間は一部重なる。
【0015】
図2に示すように、各端末装置3のCPU7は、編集システム1にログインするログイン処理を行う(S1)。具体的には、CPU7は、ログイン指示に含まれるユーザ情報及びパスワードを含むログイン情報をサーバ2に送信する。サーバ2のCPU6は、受信されたログイン情報と、アカウント記憶エリア26に記憶されたアカウント情報とを照合する。CPU6は、ログインに成功した場合に、ログイン処理を行った端末装置3に、ログイン処理を行った端末装置3に対応付けられた、編集の対象となる編集領域71の表示情報及び履歴情報を送信して、以降の処理を続行する。端末装置3に対応付けられた表示情報が表示情報記憶エリア27に記憶されていない場合、サーバ2のCPU6は編集領域71の編集を新たに開始する処理を行う。CPU6は、ログインが失敗した場合には、ログイン処理を行った端末装置3にエラー情報を送信し、以降の処理を中止する。CPU6は、編集システム1に複数のユーザが同時にログインしている場合でも、ログイン情報に基づいて履歴情報を送信した端末装置3を特定できるように構成される。サーバ2から表示情報及び履歴情報を受信した端末装置3のCPU7は、
図3に示す編集画面70を表示部35に表示する。
【0016】
図3に示すように、編集画面70は、編集領域71、ボタン表示領域72、履歴ボタン73、チェックポイントボタン75、及び表示領域74を含む。編集領域71は、オブジェクトを編集可能な領域である。初期状態の編集領域71には、オブジェクトは配置されない。何れかの端末装置3のユーザの編集操作に応じて、編集領域71にオブジェクトが配置される。
図3に示す例では、編集領域71は、オブジェクトJ1からJ6を含む。オブジェクトJ1からJ6は、ユーザAにより編集された、動物園のライオンのエリアと、虎のエリアと、池との配置案を表す。オブジェクトJ1は、文字「LION」であり、オブジェクトJ2は、オブジェクトJ1を囲む四角である。オブジェクトJ3は、オブジェクトJ1、J2の下方に配置された文字「TIGER」であり、オブジェクトJ4は、オブジェクトJ3を囲む四角である。オブジェクトJ5は、文字「POND」であり、オブジェクトJ6は、オブジェクトJ5を囲み、オブジェクトJ1からJ4の左方に配置された円である。
【0017】
ボタン表示領域72は、編集領域71内に編集対象のオブジェクトの種類を示す編集属性、又は編集内容を指定する場合に選択される複数のボタン81から89を表示する。本実施形態の編集属性は、ストローク、マーカー、文字、図形、及び画像を含む。ストロークは、検出信号で示される位置に延びる直線及び曲線等の線である。マーカーは、着色するための、所定の幅を有する線である。文字は、矩形状の文字ブロック(図示略)内に配置される文字、数字、及び記号等である。図形は、平面図形又は立体図形である。画像は、静止画又は動画である。本実施形態の編集内容は、オブジェクトの追加、削除、移動、色の変更、大きさの変更、及びフォントの変更等を含む。
【0018】
ボタン81は、ストロークを追加する場合に選択される。ボタン82は、オブジェクトを消去する場合に選択される。ボタン83は、マーカーを追加する場合に選択される。ボタン84は、文字を追加する場合に選択される。ボタン85は、図形を追加する場合に選択される。ボタン86は、画像を追加する場合に選択される。ボタン87は、オブジェクトの色を変更する場合に選択される。ボタン88は、ストロークの太さを変更する場合に選択される。ボタン89は、編集領域71を共同編集する他のユーザに通知を送信する場合に選択される。
【0019】
履歴ボタン73、及びチェックポイントボタン75は、編集画面70にて表示領域74に、履歴情報の一覧を表示するか、チェックポイントの一覧を表示するかを切り替える場合に選択される。チェックポイントは、履歴情報記憶エリア39の複数の履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間を指定することに用いられる情報である。本実施形態のチェックポイントは、通知が送信されることに応じて、自動的に生成され、履歴情報記憶エリア39に記憶される。
図3の画面G1は、履歴ボタン73が選択され、履歴情報の一覧が表示領域74に表示された状態を示し、
図3の画面G2は、チェックポイントボタン75が選択され、チェックポイントの一覧が表示領域74に表示された状態を示す。チェックポイントボタン75が選択された場合、表示領域74の上部に選択欄76が表示される。選択欄76は、表示領域74に表示されたチェックポイントの一覧のうち、特定の条件のチェックポイントを抽出して表示する場合に選択される。本実施形態の特定の条件は、チェックポイントを生成する操作を行ったユーザである。
【0020】
CPU7は、ボタン89が選択されたかに基づいて、通知を送信する通知指示が検出されたかを判断する(S2)。通知指示が検出されていない場合(S2:NO)、CPU7は、他の端末装置3から通知を取得したか、又は通知を選択する指示が検出されたかを判断する(S6)。CPU7は、表示領域74に表示されたチェックポイントの何れかが選択された操作が検出された場合に、通知を選択する指示が検出されたと判断する。他の端末装置3から通知を取得しておらず、通知を選択する指示も検出されていない場合(S6:NO)、CPU7は、編集指示が検出されたかを判断する(S8)。
【0021】
端末装置3Aにおいて、編集領域71にオブジェクトが配置されていない状態で、ボタン84が選択された後に、文字「LION」が入力された場合(S8:YES)、端末装置3AのCPU7は、編集指示を取得したことに応じて、表示部35に表示するオブジェクトを更新する(S9)。CPU7は、オブジェクトJ1を編集する編集指示を取得したことに応じて、オブジェクトJ1と、オブジェクトJ1の編集内容と、編集順序を表す順序情報とを関連付けた履歴情報を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S10)。本実施形態の履歴情報は一回の編集操作毎に記憶される。本実施形態のCPU7は、オブジェクトと、編集内容と、順序情報とに加え、編集したユーザを特定するユーザ情報を関連付けて履歴情報として履歴情報記憶エリア39に記憶する。
【0022】
図4に示すように、履歴情報は編集操作に対応する履歴を示し、本実施形態の履歴情報は、履歴ID41、ユーザ情報42、編集日時43、編集位置44、編集属性/オブジェクト45、編集内容46、及び通知47を含む。履歴ID41は、履歴情報の識別情報である。本実施形態の履歴ID41は、アルファベットのRと、記憶順序を示す数字とを組み合わせた文字列である。以降の説明では、履歴ID41を用いて、履歴情報を特定する。例えば、履歴情報R1は、履歴ID41が、「R1」である履歴情報を示す。
【0023】
ユーザ情報42は、端末装置3を使用するユーザを特定できる情報であればよく、ユーザの名前でもよいし、端末装置3の識別情報でもよい。本実施形態のユーザ情報42は、ユーザ名であり、CPU7は、履歴情報R1のユーザ情報を、編集操作がユーザAによって行われたことを示す「ユーザA」に設定する。編集日時43は、一回の編集操作が行われた代表時点を示し、本実施形態の代表時点は、編集操作が完了した時点の時間を示す。CPU7は、履歴情報R1の編集日時に編集操作が完了した日時「2022年7月1日W1」を設定する。
図4において、W1等のアルファベットのWと、記憶順序を示す数字とを組み合わせた文字列は、説明の都合上簡略化された時刻を示す情報である。本実施形態の履歴情報に含まれる順序情報は、編集日時43である。
【0024】
編集位置44は、編集操作によって編集されたオブジェクトの編集領域71(
図3参照)内の代表点の位置を座標データによって示す。座標データの原点は適宜設定されればよく、例えば、編集領域71の左上角に位置する。編集領域71の左右方向はX軸方向に対応する。編集領域71の上下方向はY軸方向に対応する。代表点は、例えば、オブジェクトを内包する矩形の中心及び頂点の何れかである。CPU7は、履歴情報R1の編集位置44に(X1,Y1)を設定する。
【0025】
編集属性/オブジェクト45は、編集対象のオブジェクトの種類とオブジェクトを示す。CPU7は、履歴情報R1の編集属性/オブジェクト45に「文字(LION)」を設定する。編集内容46は、オブジェクトに対して行われた編集内容を示す。CPU7は、履歴情報R1の編集内容46に「追加」を設定する。通知47は、他の端末装置3との間の通知の送信先のユーザ情報を示す。ボタン89が選択された場合に生成されるチェックポイントが記憶される場合、CPU7は、通知47に、通知の送信先のユーザ情報を設定する。編集操作に応じて履歴情報が記憶される場合、CPU7は、通知47に、通知がされていないことを示す「-」を設定する。
【0026】
端末装置3AのCPU7は、履歴情報R1をサーバ2に送信する。本実施形態の編集システム1は、編集領域71毎に履歴情報を履歴情報記憶エリア28に記憶されるように構成される。本実施形態では、履歴情報記憶エリア28に記憶される履歴情報と、履歴情報記憶エリア39に記憶される履歴情報とは互いに同じである。サーバ2は、履歴情報を受信した場合、履歴情報R1を編集領域71の履歴情報として履歴情報記憶エリア28に記憶し、履歴情報R1を送信した端末装置3Aと共同して編集領域71を編集中の他の端末装置3のうち、現在ログイン中の端末装置3に履歴情報R1及び表示情報を送信する。端末装置3BのCPU7は、サーバ2から端末装置3Aの履歴情報R1を受信した場合には、受信された履歴情報R1に基づき、ユーザAにより編集が実行されたと判断され(S8:YES)、履歴情報R1及び表示情報に基づき、ユーザAの編集内容を表示部35に表示する(S9)。端末装置3BのCPU7は、受信された履歴情報を記憶する(S10)。
【0027】
同様な処理により、端末装置3AのCPU7は、オブジェクトJ2からJ6を編集する処理を行い(S8:YES、S9)、オブジェクトJ2からJ6の各々に対応する履歴情報R2からR6を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S10)。
【0028】
CPU7は、編集指示が検出されない場合(S8:NO)、チェックポイントボタン75が選択されたかに基づいて、通知履歴を表示する通知履歴指示が検出されたかを判断する(S11)。通知履歴指示が検出されない場合(S11:NO)、CPU7は、選択欄76が選択されたかに基づいて、ユーザを選択するソート指示が検出されたかを判断する(S13)。ソート指示が検出されない場合(S13:NO)、CPU7は、処理をS2に戻す。
【0029】
端末装置3AのCPU7は、通知指示を検出した場合(S2:YES)、履歴ID41を生成する(S3)。CPU7は、通知先と、現在表示部35に表示されている編集画面70を特定する情報と、通知内容とを取得し、取得された編集画面70を特定する情報、及び通知内容と、S3で生成された履歴IDとを含む通知を、取得された通知先に送信する(S4)。通知は、通知先の端末装置3に直接送信されてもよいし、サーバ2を経由して、通知先の端末装置3に送信されてもよい。CPU7は、順序情報を含み、対象期間を特定するのに用いられるチェックポイントとして、通知履歴を記憶する(S5)。本実施形態のCPU7は、順序情報としての通知日時に加え、送信者情報を、履歴情報記憶エリア39に記憶する。CPU7は、履歴情報R7のユーザ情報42に送信者情報「ユーザA」を設定し、編集日時43に通知日時「2022/7/3 W7」を設定する。CPU7は、履歴情報R7の編集位置44、編集属性/オブジェクト45、及び編集内容46の各々に、オブジェクトの編集がされていないことを示す「-」を設定し、通知47に、送信先のユーザ情報「ユーザB、ユーザC」を設定する。
【0030】
端末装置3Aが通知を送信した後に、端末装置3AでオブジェクトJ8が追加された場合、CPU7は、オブジェクトJ8を編集する処理を行い(S8:YES、S9)、オブジェクトJ8に対応する履歴情報R8を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S10)。
【0031】
端末装置3AでオブジェクトJ8が追加された後に、端末装置3Aから送信された通知に基づき、端末装置3Bがログイン処理を行った場合(S1)、端末装置3BのCPU7は、履歴情報記憶エリア39に複数の履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間を指定する条件を特定する条件を取得し(S6:YES)、通知表示処理を行う(S7)。本実施形態の条件は、複数の履歴情報が記憶された全期間のうちの、S6の通知又は指示に含まれる履歴IDで特定されるチェックポイントで区切られる期間を対象期間とする条件である。履歴情報記憶エリア39に複数の履歴情報が記憶された全期間とは、履歴情報記憶エリア39に記憶された複数の履歴情報においての、記憶順序が最初の履歴情報が記憶された時点から、記憶順序が最後の履歴情報が記憶された時点までの期間である。本実施形態の対象期間は、チェックポイントで区切られた期間である。より具体的には、本実施形態の条件は、対象期間の終点を、S6の履歴IDで特定されるチェックポイントが記憶された時点とし、対象期間の始点を、S6の履歴IDで特定されるチェックポイントよりも前のチェックポイントの有無に応じて設定する条件である。
【0032】
図5に示すように、端末装置3BのCPU7は、通知表示処理が、他の端末装置3から通知を取得したことに応じて実行されたものかを判断する(S20)。端末装置3BのCPU7は、端末装置3Aから通知を取得したことに応じて通知表示処理を実行していると判断し(S20:YES)、通知に応じた履歴情報R7を履歴情報記憶エリア39に記憶し(S21)、通知に紐付く画面を表示する(S22)。通知に紐付く画面は、通知に含まれる編集画面70を特定する情報に基づき表示される画面であり、送信者であるユーザAが通知の操作を行った時に、端末装置3Aが表示していた編集画面70である。
【0033】
通知表示処理が、他の端末装置3から通知を取得したことに応じて実行されていない場合(S20:NO)、又はS22の次に、CPU7は、S6の処理で取得された、他の端末装置3から通知、又は通知を選択する指示に履歴IDが含まれるかを判断する(S23)。履歴IDは、複数の履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間を指定する条件に含まれる。履歴IDが含まれない場合(S23:NO)、CPU7は、以上で通知表示処理を終了し、メイン処理のS2に処理を戻す。CPU7は、履歴IDが含まれないことを示すエラーメッセージを表示してもよい。
【0034】
端末装置3BのCPU7は、S6で取得された通知に、履歴IDとして「R7」が含まれていると判断し(S23:YES)、履歴情報記憶エリア39内の履歴情報R7を検索して(S24)、通知の送信者を「ユーザA」と特定する(S25)。端末装置3BのCPU7は、履歴情報記憶エリア39を参照し、履歴情報R7よりも前に、S25で特定されたユーザAが送信した通知があるかを検索し(S26)、履歴情報R7よりも前に、ユーザAが送信した通知があるかを判断する(S27)。本実施形態のCPU7は、対象期間を指定する条件に従い、S27の判断結果に応じて、履歴情報記憶エリア39の複数の履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間の設定方法を変える。
【0035】
端末装置3BのCPU7は、履歴情報R7よりも前に、ユーザAが送信した通知はないと判断する(S27:NO)。この場合、端末装置3BのCPU7は、履歴情報記憶エリア39に記憶されている複数の履歴情報のうち、履歴情報R7よりも以前を対象期間T1とし、対象期間T1に記憶され、且つ、ユーザ情報42がユーザAである履歴情報の履歴ID41を抽出する(S29)。端末装置3BのCPU7は、履歴情報記憶エリア39に記憶されている複数の履歴情報の履歴ID41のうち、R1からR6を取得する。
【0036】
CPU7は、表示部35に表示されている一以上のオブジェクトのうち、複数の履歴情報のうちの条件で指定される対象期間内の履歴情報に対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する(S29)。本実施形態のCPU7は、表示部35に表示される一以上のオブジェクトのうち、複数の履歴情報のうちの条件で指定されるチェックポイントで区切られる対象期間内、且つ、チェックポイントのユーザ情報が含まれる履歴情報に対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する。
【0037】
具体例において、履歴情報R7よりも前に、ユーザAが送信した通知はないと判断された場合(S27:NO)、端末装置3BのCPU7は、対象期間T1内の履歴情報R1からR6を抽出し(S29)、表示部35に表示される一以上のオブジェクトJ1からJ6及びJ8のうち、S29の処理で履歴ID41が抽出された履歴情報R1からR6に対応するオブジェクトJ1からJ6を対象オブジェクトとして特定する(S30)。
【0038】
端末装置3BのCPU7は、S30で特定された対象オブジェクトJ1からJ6を強調表示する(S31)。強調表示の態様は適宜選択されてよい。強調表示は、点滅表示、オブジェクトの色の変更、オブジェクトの背景の色の変更、オブジェクトの縁取り、オブジェクトの影付け等が含まれる。強調表示の態様は予め設定されていてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。強調表示の態様は、ユーザ情報、及びオブジェクトの属性等に応じて変更されてもよい。
【0039】
図6の画面F1に示すように、本実施形態の強調表示は、オブジェクトの色とは互いに異なる色の縁取りを対象オブジェクトに付加する表示態様である。縁取りの色、オブジェクトとの間隔、及び太さの少なくとも何れかを含む縁取りの種類は、予め設定されていてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。縁取りは、オブジェクトを一周する必要はなく、オブジェクトの周囲の一部のみに付与されてもよい。画面F1では、対象オブジェクトJ1からJ6に付加された縁取りを点の網掛けで示す。端末装置3BのCPU7は、対象オブジェクトJ1からJ6を強調表示している期間、表示領域74に表示されたチェックポイント履歴97も、強調表示する。チェックポイント履歴97は、S6で取得された通知に対応する履歴情報R7を示す。
【0040】
CPU7は、S31で強調表示を開始してから所定時間経過したかを判断する(S32)。所定時間は、適宜設定されればよく、予め定められた値であってもよいし、ユーザによって設定された値であってもよい。所定時間が経過していない場合(S32:NO)、CPU7は処理をS32に戻す。所定時間が経過した場合(S32:YES)、端末装置3BのCPU7は、画面F2に示すように、対象オブジェクトJ1からJ6に付与していた縁取りを解除し、通常の表示に戻す(S33)。端末装置3BのCPU7は、表示領域74に表示されたチェックポイント履歴97の強調表示も解除する。端末装置3BのCPU7は、以上で、通知表示処理を終了し、メイン処理のS2に処理を戻す。
【0041】
端末装置3AでオブジェクトJ9が追加された場合、画面G4に示すように、端末装置3AのCPU7は、オブジェクトJ9を編集する処理を行い(S8:YES、S9)、オブジェクトJ9に対応する履歴情報R9を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S10)。端末装置3BのCPU7は、サーバ2を介して、オブジェクトJ9の履歴情報R9及び表示情報を取得して(S8:YES)、画面F3に示すように、オブジェクトJ9を編集する処理を行い(S8:YES、S9)、オブジェクトJ9に対応する履歴情報R9を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S10)。このように、複数のユーザが同時に同一の編集領域71を編集している場合、S7の処理が行われなければ、他の端末装置3で編集操作が行われたことに応じて、編集領域71が更新される場合にも、編集領域71のオブジェクトが強調表示されない。
【0042】
端末装置3AでオブジェクトJ9が追加された後、端末装置3BでオブジェクトJ10から16が順に追加された場合、画面F4に示すように、端末装置3BのCPU7は、オブジェクトJ10からJ16を編集する処理を順に行い(S8:YES、S9)、オブジェクトJ10からJ16の各々に対応する履歴情報R10からR16を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S10)。オブジェクトJ10は、オブジェクトJ6を囲む正方形状の四角であり、オブジェクトJ11は、オブジェクトJ10の上方に配置された、文字「SQUARE」である。オブジェクトJ12、15は、矢印状に描かれたストロークであり、オブジェクトJ13は、オブジェクトJ1、J3を囲う、半円状に描かれたストロークである。オブジェクトJ14は、オブジェクトJ1、J3の間において、左右方向に延びる線分であり、オブジェクトJ16は、オブジェクトJ10の上方に配置された、文字「CHANGE」である。
【0043】
端末装置3AのCPU7は、サーバ2を介して、オブジェクトJ10からJ16の履歴情報R10からR16及び表示情報を取得して(S8:YES)、画面G5に示すように、オブジェクトJ10からJ16を編集する処理を行い(S8:YES、S9)、オブジェクトJ10からJ16の各々に対応する履歴情報R10からR16を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S10)。
【0044】
端末装置3BでオブジェクトJ10から16が追加された後、端末装置3BからユーザAとユーザCとの各々に通知が送信された場合、端末装置3AのCPU7は、通知を取得し(S6:YES)、通知に紐付く画面を表示後(S20:YES、S21、S22)、履歴IDである「R17」に基づき、通知の送信者としてユーザBを特定する(S23:YES、S24、S25)。端末装置3AのCPU7は、履歴情報R17よりも前にユーザBが送信した通知はないので(S26、S27:NO)、履歴情報R17よりも前の対象期間T3に記憶され、ユーザ情報がユーザBである履歴IDとして、R10からR16を特定する(S29)。端末装置3AのCPU7は、表示部35に表示されているオブジェクトJ1からJ6、J8からJ16のうち、抽出されたR10からR16に対応するオブジェクトJ10からJ16を対象オブジェクトとして特定し(S30)、画面G6に示すように、対象オブジェクトJ10からJ16を所定時間強調表示し(S31、S32)、
図7の画面G7に示すように、所定時間経過後に対象オブジェクトJ10からJ16の強調表示を解除する(S33)。
【0045】
端末装置3BからユーザA、ユーザCに通知が送信された後、端末装置3AでオブジェクトJ6、J10が削除され、オブジェクトJ20、J21が追加され、オブジェクトJ2、J4が削除され、オブジェクトJ24が追加された場合、画面G8に示すように、端末装置3AのCPU7は、各オブジェクトを編集する処理を行い(S8:YES、S9)、オブジェクトの各々に対応する履歴情報R18からR24を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S10)。オブジェクトJ20は、オブジェクトJ5を囲う正方形状の四角であり、オブジェクトJ21、J24は、文字「OK」である。
【0046】
端末装置3AからユーザB及びユーザCに履歴IDである「R25」を含む通知が送信された場合(S6:YES)、端末装置3CのCPU7は、通知表示処理を行う(S7)。
図5に示すように、端末装置3CのCPU7は、通知を取得し(S6:YES)、通知に紐付く画面を表示後(S20:YES、S21、S22)、履歴IDである「R25」に基づき、通知を送信したユーザAを特定する(S23:YES、S24、S25)。履歴情報R25よりも前にユーザAが送信した通知として、履歴情報R7が記憶されている(S26、S27:YES)。この場合端末装置3CのCPU7は、S23で取得された条件の第一チェックポイントと、第一チェックポイントに応じてS27で特定される第二チェックポイントとの間の期間を対象期間とする。
【0047】
端末装置3CのCPU7は、S24で検索された履歴情報R25を第一チェックポイントとし、S27で取得された履歴情報R7を第二チェックポイントとする。CPU7は、第一チェックポイントよりも前に記憶された、第一チェックポイントと同じユーザ情報のチェックポイントが複数ある場合には、第一チェックポイントから最も近いチェックポイントを第二チェックポイントとする。端末装置3CのCPU7は、複数のチェックポイントのうち、第一チェックポイントと、第一チェックポイントに応じて特定される第二チェックポイントとの間の期間を対象期間T2として、対象期間T2内、且つ、第一チェックポイントのユーザ情報が含まれる履歴情報の履歴IDとして、R8、R9、R18からR24を抽出する(S28)。
【0048】
端末装置3CのCPU7は、表示部35に表示されているオブジェクトJ1、J3、J5、J8、J9、J11からJ16、J20、J21、及びJ24のうち、抽出されたR8、R9、R18からR24に対応するオブジェクトJ8、J9、J20、J21、及びJ24を対象オブジェクトとして特定する(S30)。端末装置3CのCPU7は、画面E1に示すように、対象オブジェクトJ8、J9、J20、J21、及びJ24を所定時間強調表示し(S31、S32)、画面E2に示すように、所定時間経過後に対象オブジェクトJ8、J9、J20、J21、及びJ24強調表示を解除する(S33)。
【0049】
端末装置3AからユーザB及びユーザCに通知が送信された後に、画面G9が表示された端末装置3Aの選択欄76でユーザAが選択された場合(S13:YES)、端末装置3AのCPU7は、表示領域74に表示されている、チェックポイント履歴97から99のうち、ユーザAが送信したチェックポイント履歴97、99をソートして、画面G10に示すように、表示領域74を更新する(S14)。表示領域74には、ユーザAが通知を送信したことにより生成されたチェックポイント履歴97、99が表示され、ユーザBが通知を送信したことによるチェックポイント履歴98は表示されない。CPU7は、処理をS2に戻す。
【0050】
端末装置3Aの表示領域74からチェックポイント履歴97が選択された場合(S6:YES、S20:NO)、端末装置3AのCPU7は、履歴IDである「R7」に基づき、通知の送信者としてユーザAを特定する(S23:YES、S24、S25)。端末装置3AのCPU7は、履歴情報R7よりも前にユーザAが送信した通知はないと判断する(S26、S27:NO)。端末装置3AのCPU7は、履歴情報記憶エリア39に記憶されている複数の履歴情報のうち、履歴情報R7よりも以前に記憶され、且つ、ユーザ情報42がユーザAである履歴情報の履歴ID41として、R1からR6を取得する。端末装置3AのCPU7は、表示部35に表示されているオブジェクトJ1、J3、J5、J8、J9、J11からJ16、J20、J21、及びJ24のうち、抽出された履歴ID41であるR1からR6に対応するオブジェクトJ1、J3、及びJ5を対象オブジェクトとして特定する(S30)。対象オブジェクトは、表示部35に表示されているオブジェクトの中から特定されるので、編集の過程で削除され、表示部35に表示されていないオブジェクトは、対象期間中に編集されていても対象オブジェクトには含まれない。端末装置3AのCPU7は、画面G11に示すように、対象オブジェクトJ1、J3、及びJ5を所定時間強調表示し(S31、S32)、所定時間経過後に対象オブジェクトJ1、J3、及びJ5の強調表示を解除する(S33)。端末装置3は、メイン処理終了の指示を取得した場合に、処理を終了する通知をサーバ2に送信し、メイン処理を終了する。
【0051】
図8及び
図9を参照して、第一変形例のメイン処理で実行される通知送信処理及び通知表示処理を説明する。上記実施形態のメイン処理では、通知を取得及びチェックポイント履歴が選択された場合に、対象オブジェクトを特定するのに用いられる対象期間の履歴IDを抽出していたが、第一変形例のメイン処理では、対象期間を指定する条件としてS3で生成された履歴IDを含む条件を取得し、通知送信時に対象期間の履歴IDを抽出して、フラッシュメモリ34に記憶する。
【0052】
図8に示す第一変形例の通知送信処理は、
図2のメイン処理のS4で実行される処理である。
図8に示すように、通知送信処理では、CPU7は、S26と同様に、S3で生成された履歴IDよりも前に記憶した通知を検索して(S41)、S3で生成された履歴IDよりも前に記憶した通知がある場合には(S42:YES)、S28と同様に、複数のチェックポイントのうち、条件に含まれる第一チェックポイントと、第一チェックポイントに応じて特定される第二チェックポイントとの間の期間を対象期間として、対象期間内の履歴情報を抽出する(S43)。S3で生成された履歴IDよりも前に記憶した通知がない場合には(S42:NO)、CPU7は、S3で生成された履歴IDよりも前、且つ、ユーザ情報が一致する履歴IDを抽出する(S44)。
【0053】
CPU7は、S43、S44で抽出された履歴IDを履歴データとしてS3で生成された履歴IDと対応付けて、フラッシュメモリ34に記憶する(S45)。CPU7は、S3で生成された履歴ID及びS45で記憶された履歴データを、通知と共に送信する(S46)。CPU7は以上で変形例の通知送信処理を終了し、処理をメイン処理に戻す。
【0054】
図9に示す第一変形例の通知表示処理は、
図9のメイン処理のS7で実行される処理である。
図9では、
図5の通知表示処理と同様の処理には同じステップ番号を付与している。
図9に示すように、変形例の通知表示処理は、S23からS30の処理に変えて、S51、S52の処理を行う点で互いに異なる。上記実施形態と同様の処理については説明を省略し、以下、上記実施形態とは異なるS51の処理を説明する。
【0055】
S51では、CPU7は、S6の処理で取得された、他の端末装置3から通知、又は通知を選択する指示に履歴IDと対応付けられた履歴データを取得する(S51)。CPU7は、表示部35に表示されたオブジェクトの内、履歴データに履歴IDが含まれるオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する(S52)。
【0056】
図10を参照して、第二変形例のメイン処理のS4で実行される通知表示処理を説明する。
図10では、
図5の通知表示処理と同様の処理には同じステップ番号を付与している。
図10に示すように、第二変形例の通知表示処理では、S21の処理に替えて、S55の処理を行う点で上記実施形態の通知表示処理と異なる。上記実施形態のメイン処理のでは、通知を送信する端末装置3において、通知に履歴IDを付与し(S3)、付与された履歴IDと共に通知を送信していたが(S4)、第二変形例のCPU7は、履歴IDを含まない通知を送信し(S4)、通知に応じた履歴情報を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S5)。他の端末装置3からの通知を受信した端末装置3は、受信された通知に履歴IDを付与し、付与された履歴IDを含み、受信された通知に応じた履歴情報を履歴情報記憶エリア39に記憶する(S55)。第二変形例の場合にも端末装置3は、上記実施形態と同様の処理を実行できる。
【0057】
上記実施形態において、端末装置3、表示部35、入力部36、及び通信部37は各々、本発明のコンピュータ、表示部、入力部、及び通信部の一例である。S10の処理は、本発明の履歴記憶ステップの一例である。S9の処理は、本発明の表示制御ステップの一例である。S6の処理は、本発明の条件取得ステップの一例である。S30の処理は、本発明の特定ステップの一例である。S31からS33の処理は、本発明の強調表示ステップの一例である。S5の処理は、本発明のポイント記憶ステップの一例である。S4の処理は、本発明の通知ステップの一例である。S12の処理は、本発明の一覧表示ステップの一例である。S14の処理は、本発明の抽出表示ステップの一例である。
【0058】
上記実施形態の表示プログラムに従い、表示部35と、CPU7とを備える端末装置3のCPU7は、以下の処理を実行する。CPU7は、オブジェクトを編集する編集指示を取得したことに応じて(S8:YES)、オブジェクトと、オブジェクトの編集内容と、編集順序を表す順序情報とを関連付けた履歴情報を記憶する(S10)。CPU7は、編集指示を取得したことに応じて(S8:YES)、表示部35に表示するオブジェクトを更新する(S9)。CPU7は、複数の履歴情報が記憶された全期間のうちの一部の対象期間を指定する条件を取得する(S6)。CPU7は、表示部35に表示されている一以上のオブジェクトのうち、複数の履歴情報のうちの条件で指定される対象期間内の履歴情報に対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する(S30)。CPU7は、特定された対象オブジェクトを強調表示する(S31)。表示プログラムを実行する端末装置3は、表示部35に対象オブジェクトを強調表示することで、表示部35に表示されている一以上のオブジェクトのうち、対象期間に編集された対象オブジェクトと、対象オブジェクト以外のオブジェクトとを、ユーザが区別しやすくすることに貢献する。故に、表示プログラムの強調表示ステップ(S31)は、表示部35に表示されたオブジェクトがどのような過程を経て現在のオブジェクトに編集されたかを確認する際のユーザの利便性を従来よりも向上することに貢献する。
【0059】
実施形態の表示プログラムに従い、端末装置3のCPU7は、順序情報を含み、対象期間を特定するのに用いられるチェックポイントを記憶する(S5)。CPU7は、チェックポイントを指定する情報を含む条件を取得する(S6)。CPU7は、表示部35に表示される一以上のオブジェクトのうち、複数の履歴情報のうちの条件で指定されるチェックポイントで区切られる対象期間内の履歴情報に対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する(S30)。表示プログラムを実行する端末装置3は、表示部35に対象オブジェクトを強調表示することで、表示部35に表示されている一以上のオブジェクトのうち、チェックポイントで区切られた対象期間に編集された対象オブジェクトと、対象オブジェクト以外のオブジェクトとを、ユーザが区別しやすくすることに貢献する。
【0060】
実施形態の表示プログラムに従い、端末装置3のCPU7は、順序情報を含み、対象期間を特定するのに用いられるチェックポイントを記憶する(S5)。CPU7は、チェックポイントを指定する情報を含む条件を取得する(S6)。CPU7は、複数のチェックポイントのうち、条件で指定される第一チェックポイントと、第一チェックポイントに応じて特定される第二チェックポイントとの間の期間を対象期間として、表示部35に表示される一以上のオブジェクトのうち、対象期間の履歴情報に対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する(S30)。表示プログラムを実行する端末装置3は、表示部35に対象オブジェクトを強調表示することで、表示部35に表示されている一以上のオブジェクトのうち、第一チェックポイントと第二チェックポイントとの間の期間に編集された対象オブジェクトと、対象オブジェクト以外のオブジェクトとを、ユーザが区別しやすくすることに貢献する。
【0061】
CPU7は、S10でオブジェクトと、編集内容と、順序情報とに加え、ユーザを特定するユーザ情報を関連付けて履歴情報として記憶する(S10)。CPU7は、順序情報に加え、ユーザ情報を含むチェックポイントを記憶する(S5)。CPU7は、表示部35に表示される一以上のオブジェクトのうち、複数の履歴情報のうちの条件で指定されるチェックポイントで区切られる対象期間内、且つ、チェックポイントのユーザ情報が含まれる履歴情報に対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する(S30)。表示プログラムを実行する端末装置3は、表示部35に対象オブジェクトを強調表示することで表示部35に表示されている一以上のオブジェクトのうち、チェックポイントで区切られた対象期間に、チェックポイントのユーザにより編集された対象オブジェクトと、対象オブジェクト以外のオブジェクトとを、ユーザが区別しやすくすることに貢献する。表示プログラムは、複数のユーザで、オブジェクトの編集を行う場合に、特定のユーザの編集内容を確認する際のユーザの利便性を向上することに貢献する。
【0062】
CPU7は、端末装置3が備える通信部37を介して、他のユーザに通知を送信する(S4)。CPU7、通知が送信されるのに応じて、チェックポイントを記憶する(S5)。表示プログラムを実行する端末装置3は、他のユーザに通知を送信した場合に、自動でチェックポイントを記憶できる。表示プログラムは、オブジェクトを編集する過程で、チェックポイントを付与するユーザの手間を省くことができる。表示プログラムは、編集システム1内で送信された他のユーザに通知を送信することに応じた期間のオブジェクトを対象オブジェクトとして特定することに貢献する。
【0063】
変形例のCPU7は、他のユーザから、通知を受け取ったことに応じて、他のユーザのユーザ情報を含むチェックポイントを記憶する(S55)。表示プログラムは、オブジェクトを編集する過程で、通知にチェックポイントが含まれない場合にも、受信する端末装置において自動でチェックポイントを記憶でき、チェックポイントを付与するユーザの手間を省くことができる。表示プログラムは、ユーザが他のユーザにより送信された通知に応じた期間のオブジェクトを対象オブジェクトとして特定することに貢献する。
【0064】
CPU7は、通信部37を介して、他のユーザに通知と、通知に応じて記憶されるチェックポイントとを送信する(S4)。表示プログラムは、通知に履歴IDを含ませることができ、送信先の端末装置3が受信する履歴IDと、送信元の端末装置3の履歴情報記憶エリア39に記憶される履歴IDとを確実に同じにすることに貢献する。表示プログラムは、受信側の端末装置3でチェックポイントを付与する処理を省略することに貢献する。
【0065】
CPU7は、表示部35に、一以上のチェックポイントを一覧表示する(S12)。CPU7は、一以上のチェックポイントから、指定されたユーザ情報を含むチェックポイントを抽出して表示部35に表示する(S13:YES、S14)。CPU7は、表示部35に表示されたチェックポイントのうち、端末装置3の入力部36により指定されたチェックポイントを含む条件を取得する(S6)。表示プログラムを実行する端末装置3は、ユーザが入力部36を介して指定したチェックポイントを含む条件を取得することに貢献する。ユーザは、一覧表示されたチェックポイント又は抽出表示されたチェックポイントの中から、強調表示させたい期間を指定するのに用いるチェックポイントを容易に選択できる。
【0066】
CPU7は、S6で条件が取得されたことに応じて、複数のチェックポイントのうち、条件に含まれる第一チェックポイントと、第一チェックポイントに応じて特定される第二チェックポイントとの間の期間を対象期間として、対象期間内の履歴情報を抽出する(S28)。CPU7は、表示部35に表示される一以上のオブジェクトのうち、抽出された履歴情報に対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する(S30)。表示プログラムを実行する端末装置3は、条件が取得されたことに応じて、条件により指定される対象期間内の履歴情報を抽出することで、対象オブジェクトを特定できる。上記実施形態の表示プログラムは、第一変形例の表示プログラムのように対象期間内の履歴情報を抽出した履歴データを記憶する場合に比べ、通知を送信する場合の処理の負荷を軽減し、フラッシュメモリ34の記憶エリアに履歴データを記憶することで圧迫させることを回避することに貢献する。
【0067】
第一変形例のCPU7は、複数のチェックポイントのうちの、第一チェックポイントと、第一チェックポイントに応じて特定される第二チェックポイントとの間の期間を対象期間として、対象期間内の履歴情報を抽出した履歴データを含む条件を取得する(S51)。第一変形例のCPU7は、表示部35に表示されている一以上のオブジェクトのうち、履歴データに対応するオブジェクトを対象オブジェクトとして特定する(S52)。表示プログラムは、条件が履歴データを含まない場合に比べ、対象オブジェクトを特定する処理を簡単にすることに貢献する。
【0068】
CPU7は、表示部35に表示されている一以上のオブジェクトのうち、対象オブジェクトを表示部35に所定時間強調表示する(S31からS33)。表示プログラムを実行する端末装置3は、ユーザが強調表示を通常の表示に戻すための操作を入力する手間を省くことに貢献する。端末装置3は、対象オブジェクトを強調表示する際のユーザの利便性を向上することに貢献する。
【0069】
本発の表示プログラム及び表示方法は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。本発明は種々の態様で実行可能であり、例えば、表示プログラムを記憶した非一時的コンピュータ可読媒体、表示装置、及び表示システム等の形態で実現されてもよい。
【0070】
上記実施形態にて、端末装置3はタブレット端末に限定されず、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、専用端末等でもよい。端末装置3の表示部35は、画像を表示可能であればよく、例えば、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、プラズマチューブアレイディスプレイ、電気泳動等を利用した電子ペーパーディスプレイ等でもよい。端末装置3の入力部36は、タッチパネルの他、キーボード、マウス、及びジョイスティック等でもよい。端末装置3は、複数のユーザで共有されてもよい。メイン処理は、サーバ2と単一の端末装置3とによって構成される編集システム1で実行されてもよいし、サーバ2と通信しない端末装置3で実行されてもよい。通信部37は省略されてもよい。
【0071】
オブジェクトの属性は、ストローク、マーカー、文字、図形、及び画像以外の種類があってもよいし、ストローク、マーカー、文字、図形、及び画像の一部の種類、例えば文字のみがあってもよい。
【0072】
履歴情報を記憶するタイミングは適宜変更されてよく、例えば、複数回の編集操作毎に履歴情報記憶エリア39に記憶されてもよい。履歴情報は、オブジェクトと、オブジェクトの編集内容と、編集順序を表す順序情報とを関連付けた情報であればよく、ユーザ情報を含まなくてもよいし、他の情報を含んでもよい。順序情報は、編集日時の他、履歴ID等の履歴情報の記憶順序を特定可能な情報であってもよい。
【0073】
チェックポイントの生成、記憶方法は適宜変更されてよい。例えば、CPU7は、表示部35にチェックポイント生成ボタンを表示し、生成ボタン押下時にチェックポイントを生成してもよい。CPU7は、上書き保存等の表示部35に表示された所定のボタンが選択された場合に、自動的にチェックポイントを生成してもよい。CPU7は、所定のタイミング(例えば、10分毎、特定の時間等)に応じてチェックポイントを自動生成してもよい。端末装置3は、サーバ2で生成されたチェックポイントを取得してもよい。チェックポイントは、サーバ2のCPU6により生成され、各端末装置3に送信されてもよい。チェックポイントは、履歴情報とは別に記憶されてもよい。
【0074】
メイン処理を実行させるための指示を含む表示プログラムは、端末装置3が有するCPU7が、表示プログラムを実行するまでに、端末装置3の記憶機器に記憶されればよい。従って、表示プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。端末装置3が実行する表示プログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、記憶部等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0075】
メイン処理の各ステップは、CPU7によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。同様に、メイン処理の各ステップは、CPU7によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器によって実行されてもよい。メイン処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。メイン処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。メイン処理に、以下の変更が適宜加えられてもよい。
【0076】
CPU7は、S32、S33を省略し、強調表示を解除する指示を検出した場合に、S31で開始した対象オブジェクトの強調表示を終了してもよい。CPU7は、S11、S12を省略し、チェックポイントのリストを表示しなくてもよい。CPU7は、S13、S14を省略し、チェックポイントを特定の条件でソートして表示しなくてもよい。チェックポイントのソートに用いる特定の条件は、チェックポイントの生成方法に応じて適宜変更されてよい。
【0077】
対象期間を指定する条件、及び対象条件の特定方法は適宜変更されてよい。CPU7は、S25からS28の処理を省略し、S23で取得された履歴IDよりも以前のチェックポイントが記憶されているかによらず、S23で取得された履歴IDのチェックポイントよりも以前の期間を対象期間としてもよい。CPU7は、表示領域74に表示された履歴情報の一覧の中から選択された二つの履歴情報の間の期間を対象期間としてもよい。この場合の履歴情報は、編集操作に応じて生成された情報であってもよいし、ボタンの選択等特定の操作に応じて生成された情報でもよい。CPU7は、表示領域74に表示された履歴情報の一覧の中から選択された一つの履歴情報の前の期間、又は後の期間を対象期間としてもよい。これらの場合、対象期間は、選択された履歴情報を含む期間とされてもよいし、選択された履歴情報を含まない期間とされてもよい。CPU7は、複数の履歴情報が記憶された全期間から条件で指定された期間を除外することで、対象期間を特定してもよい。CPU7は、特定の時刻を含む条件を取得し、取得された時刻で区切られる期間を対象期間としてもよい。
【0078】
対象オブジェクトの特定方法は適宜変更されてよい。CPU7は、S25の処理を省略し、S26で任意のユーザにより送信された通知を検索して、同様の処理を行ってもよい。この場合、S30で特定される対象オブジェクトは、表示部35に表示されているオブジェクトの内、条件で指定される対象期間内の履歴情報に対応する、全てのオブジェクトである。CPU7は、S25の処理で、条件で指定される複数のユーザを特定し、S26で、特定された複数のユーザにより送信された通知を検索してもよい。この場合、S30で特定される対象オブジェクトは、表示部35に表示されているオブジェクトの内、条件で指定される対象期間内の、特定された複数のユーザの編集操作に応じた履歴情報に対応するオブジェクトである。CPU7は、S2からS5を省略し、他の端末装置3に通知を送信不能でもよい。上記実施形態と上記変形例の各々は矛盾が生じない範囲で互いに組み合わされてもよい。本願出願人は、特許請求の範囲において例示された組み合わせに加え、本発明の要旨を逸脱しない範囲、且つ、矛盾が生じない範囲で互いに組み合わされた態様についても特許権を取得する意思を有する。
【符号の説明】
【0079】
1:編集システム、3、3A、3B、3C:端末装置、7:CPU、32:ROM、33:RAM、34:フラッシュメモリ、35:表示部、36:入力部、37:通信部