(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118675
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】評価装置及び評価方法
(51)【国際特許分類】
G01N 15/08 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
G01N15/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025090
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】大島 悠輔
(72)【発明者】
【氏名】村中 寿行
(72)【発明者】
【氏名】大坪 京
(72)【発明者】
【氏名】大田原 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 志有
(72)【発明者】
【氏名】冨田 寛
(72)【発明者】
【氏名】馬場 一輝
(57)【要約】
【課題】泡を含む液体に対するフィルタの液中欠陥の捕集性能を評価する評価装置を提供する。
【解決手段】泡と、金属を含む第1粒子と、泡及び第1粒子と異なる第2粒子と、を含む液中欠陥を含む液体を内部に収容可能であり、透明であるカラムと、カラム内の液体に照射光を照射する照射部と、照射光により液中欠陥から放出された散乱光を撮像する撮像部と、撮像された散乱光から液中欠陥の拡散係数を求める解析部と、拡散係数を用いて、液中欠陥の粒子径と、液中欠陥の屈折率と、を算出する計算部と、屈折率を用いて、液中欠陥が、泡又は第2粒子か、第1粒子か、の判断を行う判断部と、を有する評価部と、液体をろ過するフィルタと、フィルタの出口と評価部を接続する第1配管と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡と、金属を含む第1粒子と、前記泡及び前記第1粒子と異なる第2粒子と、を含む液中欠陥を含む液体を内部に収容可能であり、透明であるカラムと、
前記カラム内の前記液体に照射光を照射する照射部と、
前記照射光により前記液中欠陥から放出された散乱光を撮像する撮像部と、
撮像された前記散乱光から前記液中欠陥の拡散係数を求める解析部と、
前記拡散係数を用いて、前記液中欠陥の粒子径と、前記液中欠陥の屈折率と、を算出する計算部と、
前記屈折率を用いて、前記液中欠陥が、前記泡又は前記第2粒子か、前記第1粒子か、の判断を行う判断部と、
を有する評価部と、
前記液体をろ過するフィルタと、
前記フィルタの出口と前記評価部を接続する第1配管と、
を備える評価装置。
【請求項2】
前記判断部は
前記液体の屈折率をn0としたとき、前記液中欠陥の前記屈折率nがn0+(n0-1)より大きい又は1より小さい場合に前記液中欠陥を前記第1粒子Mと判断し、前記液中欠陥の前記屈折率nが1以上又はn0+(n0-1)以下である場合に前記液中欠陥を前記泡又は前記第2粒子Pと判断する、
請求項1記載の評価装置。
【請求項3】
前記液体が貯留される貯槽と、
前記貯槽と前記フィルタの入口を接続する第2配管と、
前記第2配管に設けられ、前記液体を前記貯槽から前記フィルタに送液するポンプと、
前記評価部と前記貯槽を接続する第3配管と、
をさらに備える請求項1記載の評価装置。
【請求項4】
前記液体は、第四級アミンを含む薬液、第四級アミン及び界面活性剤を含む薬液、又は水及び界面活性剤を含む薬液である、
請求項1記載の評価装置。
【請求項5】
前記第四級アミンを含む薬液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)又はトリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液である、
請求項4記載の評価装置。
【請求項6】
前記フィルタのポア径は100nm以下である、
請求項1記載の評価装置。
【請求項7】
泡と、金属を含む第1粒子と、前記泡及び前記第1粒子と異なる第2粒子と、を含む液中欠陥を含む液体をフィルタによりろ過し、
前記フィルタによりろ過された前記液体を、透明であるカラムに送液し、
前記カラム内の前記液体に照射光を照射し、
前記照射により前記液中欠陥から放出された散乱光を撮像し、
撮像された前記散乱光から前記液中欠陥の拡散係数を求め、
前記拡散係数を用いて、前記液中欠陥の粒子径と、前記液中欠陥の屈折率と、を算出し、
前記屈折率を用いて、前記液中欠陥が、前記泡又は前記第2粒子か、前記第1粒子か、の判断を行う、
評価方法。
【請求項8】
前記液体の屈折率をn0としたとき、前記液中欠陥の前記屈折率nがn0+(n0-1)より大きい又は1より小さい場合に前記液中欠陥を前記第1粒子Mと判断し、前記液中欠陥の前記屈折率nが1以上又はn0+(n0-1)以下である場合に前記液中欠陥を前記泡又は前記第2粒子Pと判断する、
請求項7記載の評価方法。
【請求項9】
前記カラム内の前記液体を前記フィルタに送液する、
請求項7記載の評価方法。
【請求項10】
前記フィルタのポア径は100nm以下である、
請求項7記載の評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、評価装置及び評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程では、様々な液体(薬液)が用いられる。半導体デバイスの製造工程に用いられる液体には、泡、金属粒子、及びその他の粒子等の、液中欠陥が含まれている。かかる液中欠陥の存在は、半導体デバイスの微細加工を行う上で、デバイスの形状不良を引き起こす。そのため、半導体デバイスの歩留まりが低下してしまう。そこで、半導体製造装置に液体を送液する前に、液体用のフィルタを用いた液体のフィルタリングにより、液中欠陥を除去することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-31835号公報
【特許文献2】特許第6549747号公報
【特許文献3】特許第6687951号公報
【非特許文献1】藤井秀司著 表面技術59(1),33-38,2008「微粒子で安定化された泡」
【非特許文献2】Tabuchi Takuya, ”Real Time Measurement of Exact Size and Refractive Index of Particles in Liquid by Flow Particle Tracking Method”,IEEE Transactions on Semiconductor Manufacturing PP(99)1-1.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の目的は、泡を含む液体に対するフィルタの液中欠陥の捕集性能を評価する評価装置及び評価方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の評価装置は、泡と、金属を含む第1粒子と、泡及び第1粒子と異なる第2粒子と、を含む液中欠陥を含む液体を内部に収容可能であり、透明であるカラムと、カラム内の液体に照射光を照射する照射部と、照射光により液中欠陥から放出された散乱光を撮像する撮像部と、撮像された散乱光から液中欠陥の拡散係数を求める解析部と、拡散係数を用いて、液中欠陥の粒子径と、液中欠陥の屈折率と、を算出する計算部と、屈折率を用いて、液中欠陥が、泡又は第2粒子か、第1粒子か、の判断を行う判断部と、を有する評価部と、液体をろ過するフィルタと、フィルタの出口と評価を接続する第1配管と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】実施形態のフィルタユニットの模式図である。
【
図4】実施形態の評価装置を用いて行った、液中欠陥を含む液体の評価の一例である。
【
図5】実施形態の評価装置を用いて行った、液中欠陥を含む液体の評価の他の一例である。
【
図6】実施形態の評価装置を用いて行った、液中欠陥を含む液体の評価の更に他の一例である。
【
図7】実施例1に関する、実施形態の評価装置を用いて行った、液中欠陥数の、フィルタ通液量依存性の結果である。
【
図8】実施例2に関する、実施形態の評価装置を用いて行った、液中欠陥数の、フィルタ通液量依存性の結果である。
【
図9】実施例3に関する、実施形態の評価装置を用いて行った、液中欠陥数の、フィルタ通液量依存性の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。なお、図面中、同一又は類似の箇所には、同一又は類似の符号を付している。
【0008】
(実施形態)
実施形態の評価装置は、泡と、金属を含む第1粒子と、泡及び第1粒子と異なる第2粒子と、を含む液中欠陥を含む液体を内部に収容可能であり、透明であるカラムと、カラム内の液体に照射光を照射する照射部と、照射光により液中欠陥から放出された散乱光を撮像する撮像部と、撮像された散乱光から液中欠陥の拡散係数を求める解析部と、拡散係数を用いて、液中欠陥の粒子径と、液中欠陥の屈折率と、を算出する計算部と、屈折率を用いて、液中欠陥が、泡又は第2粒子か、第1粒子か、の判断を行う判断部と、を有する評価部と、液体をろ過するフィルタと、フィルタの出口と評価を接続する第1配管と、を備える。
【0009】
実施形態の評価方法は、泡と、金属を含む第1粒子と、泡及び第1粒子と異なる第2粒子と、を含む液中欠陥を含む液体をフィルタによりろ過し、フィルタによりろ過された液体を、透明であるカラムに送液し、カラム内の液体に照射光を照射し、照射により液中欠陥から放出された散乱光を撮像し、撮像された散乱光から液中欠陥の拡散係数を求め、拡散係数を用いて、液中欠陥の粒子径と、液中欠陥の屈折率と、を算出し、屈折率を用いて、液中欠陥が、泡又は第2粒子か、第1粒子か、の判断を行う。
【0010】
【0011】
図2は、実施形態のフィルタユニット80の模式図である。
【0012】
【0013】
図1、
図2及び
図3を用いて、実施形態の評価装置100について説明を行う。
【0014】
評価装置100は、貯槽2と、送液ポンプ(ポンプ)4と、第1配管12と、第2配管14と、第3配管16と、第4配管18と、第5配管20と、第6配管22と、第7配管24と、第1バルブ32と、第2バルブ34と、第3バルブ36と、第4バルブ38と、第5バルブ40と、第6バルブ42と、評価部50と、フィルタユニット80と、を有する。
【0015】
評価部50は、カラム52と、レンズ54と、照射部56と、撮像部58と、解析部60と、判断部64と、データベース66と、を有する。
【0016】
フィルタユニット80は、容器80aと、フィルタ80bと、蓋80cと、入口82と、第1出口84と、第2出口86と、第3出口88と、を有する。
【0017】
貯槽2は、液体Qを貯留する容器である。
【0018】
液体Qは、例えば、半導体製造プロセスに用いられる薬液である。液体Qは、例えば、第四級アミンを含む薬液、第四級アミン及び界面活性剤を含む薬液、又は水及び界面活性剤を含む薬液であることが好ましい。ただし、液体Qの種類は、特に上記のものに限定されるものではない。
【0019】
また、第四級アミンを含む薬液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)又はトリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液であることが好ましい。
【0020】
液体Qは、泡Bと、金属を含む第1粒子Mと、泡B及び第1粒子Mと異なる第2粒子Pと、を含む。ここで第1粒子Mは、銀、金、酸化水酸化鉄又は酸化クロム等の粒子である。また、ここで第2粒子Pは、例えば、カーボン類、シリカ(石英)又はフッ素樹脂の粒子である。
【0021】
本明細書において、泡Bと、第1粒子Mと、第2粒子Pと、をあわせて液中欠陥と呼ぶ。
【0022】
第2配管14は、貯槽2と、フィルタユニット80の入口82を接続する配管である。
【0023】
送液ポンプ4は、第2配管14に設けられている。送液ポンプ4は、貯槽2内の液体を、フィルタユニット80に送液する。フィルタユニット80に送液される液体Qの流量は、第2配管14に設けられた第1バルブ32により制御可能である。
【0024】
第1配管12は、フィルタユニット80の第1出口(出口)84と、カラム入口52aを接続する配管である。第1配管12は、第1出口84に接続された第1配管12aと、第1配管12aとカラム入口52aを接続する第1配管12bと、を有する。第3バルブ36は、第1配管12aに設けられている。第2バルブ34は、第1配管12bに設けられている。
【0025】
第3配管16は、カラム52のカラム出口52bと、貯槽2を接続する配管である。
【0026】
第4配管18は、フィルタユニット80の第2出口86と、貯槽2を接続する配管である。第4バルブ38は、第4配管18に設けられている。
【0027】
第5配管20は、送液ポンプ4と第1バルブ32の間の第1配管12と、カラム入口52aを接続する配管である。第5バルブ40は、第5配管20に設けられている。
【0028】
第6配管22は、フィルタユニット80の第3出口88と、貯槽2を接続する配管である。第6バルブ42は、第6配管22に設けられている。
【0029】
第7配管24は、第1配管12a、第4配管18及び第6配管22と、貯槽2を接続する配管である。第1配管12a、第4配管18及び第6配管22は、第7配管24を介して、貯槽2に接続されている。
【0030】
フィルタユニット80(
図2)は、ノンカートリッジ方式の、フィルタユニットである。容器80a内に、フィルタ80bが設けられている。蓋80cにより容器80aの蓋がされる。入口82からフィルタユニット80内に送液された液体Qは、フィルタ80bによりろ過され、第1出口84から排出される。第6配管22は液体Q中の泡を抜くための配管である。第6バルブ42を開くことにより、第6配管22を経由して、液体Q中の泡を抜くことができる。また、第1配管12によりフィルタユニット80に送液された液体Qが、第2出口86から排出されることにより、フィルタ80bをろ過させずに液体Qをフィルタユニット80外に排出させることが可能である。なお、ここでは
図2のようなフィルタユニットを例示したが、本発明はこれに限られず、様々な種類のフィルタユニットに適用できる。
【0031】
なお、フィルタユニット80の入口82は、フィルタ80bの入口である。また、フィルタユニット80の第1出口84は、フィルタ80bの出口である。
【0032】
フィルタ80bのポア径は100nm以下であることが好ましい。
【0033】
なお、
図1に図示されたフィルタユニット80の形状と、
図2に図示されたフィルタユニット80の形状は、説明を容易にするため、必ずしも一致していない。また、実施形態において好ましく用いられるフィルタ又はフィルタユニットの形態は、
図1及び
図2に図示したものに限定されるものではない。
【0034】
フィルタ80bに液体Qを通液させる際には、第1バルブ32と第3バルブ36を開き、第2バルブ34、第4バルブ38、第5バルブ40及び第6バルブ42を閉じる。貯槽2内の液体Qは、第2配管14及び第1バルブ32を経由して、送液ポンプ4により、フィルタユニット80内に送液される。フィルタユニット80内のフィルタ80bによりろ過された液体Qは、第3バルブ36、第1配管12a及び第7配管24を経由して、貯槽2に戻る。送液ポンプ4を駆動し続けることにより、連続して液体Qをフィルタ80bによりろ過し続けることが可能である。
【0035】
フィルタ80bに液体Qを通液させる前の、液体Q中の液中欠陥数の評価を行う際には、第1バルブ32、第4バルブ38及び第5バルブ40を開き、第2バルブ34、第3バルブ36及び第6バルブ42を閉じる。貯槽2内の液体Qは、フィルタユニット80を通過する際に、第1バルブ32から第4バルブ38を経由する。そのため、貯槽2内の液体Qは、フィルタ80bによりろ過されない。また、液体Qの一部は、第5バルブ40から第5配管20を経由して評価部50に送液される。その後、評価部50に送液された液体Qは、第3配管16を介して貯槽2に戻る。
【0036】
フィルタ80bに液体Qを通液させた後の、液体Q中の液中欠陥数の評価を行う際には、第1バルブ32、第2バルブ34及び第3バルブ36を開き、第4バルブ38、第5バルブ40及び第6バルブ42を閉じる。フィルタ80bによりろ過された液体Qは、第2バルブ34及び第1配管12bを経由して評価部50に送液される。これにより、評価部50を用いて、液体Q中の液中欠陥の評価を行うことができる。
【0037】
評価部50は、FPT(Flow Particle Tracking)法により、液中欠陥の粒子径(幾何径)を取得する。
【0038】
図3(a)は、実施形態の評価部50の模式図である。
【0039】
ここで、X軸と、X軸に垂直に交差するY軸と、X軸及びY軸に垂直に交差するZ軸と、を定義する。Z軸は、鉛直方向と反対の方向である。
【0040】
カラム52は、透明で、液体Qを収納可能な容器である。カラム52内の液体Qの流れは、Z軸方向に流れる層流である。カラム52は、例えば、合成石英又はサファイヤで形成されている。カラム52のカラム入口52aには、第1配管12b及び第5配管20が接続されている。また、カラム52のカラム出口52bには、第3配管16が接続されている。カラム52内の液体Qは、カラム52を通過した後、貯槽2に戻る。その後、液体Qは、再度送液ポンプ4によりフィルタ80bに送液され、フィルタ80bによりろ過される。このようにして、液体Qを評価装置100内で循環させながら、フィルタ80bを用いて液体Qをろ過することが可能である。
【0041】
照射部(光源)56は、例えばレーザ光等の照射光を、カラム52内の液体Qに対して照射する。例えば、カラム52内の液体QがZ軸方向に流れるとき、照射部56は照射光を液体Qに対してX軸方向に照射する。なお、照射光の照射方向は、X軸方向に限定されるものではない。
【0042】
撮像部58は、図示しないCCD(Charge Coupled Device)センサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等を有する。撮像部58は、レンズ54等を用いて、カラム52内の、液体Qを撮像する。そして、液体に含まれる泡B、第1粒子M及び第2粒子Pから放出された散乱光の動画像を取得する。
図3(b)は、撮像部58により取得された第1粒子Mの動画像の模式図の一例である。解析部60は、かかる動画像から、泡B、第1粒子M及び第2粒子Pの拡散係数Dを求める。
【0043】
液中欠陥が、液体Q中をブラウン運動する場合、液中欠陥の散乱光の動画像から、液中欠陥の拡散係数Dを求めることが可能である。拡散係数Dと液中欠陥の粒子径dは、下記の関係式により結ばれている。
【数1】
【0044】
式(1)中、Dは液中欠陥の拡散係数、kBはボルツマン定数、Tは絶対温度、ηは液体Qの粘度(粘性係数)、dは液中欠陥の粒子径である。計算部62は、式(1)を用いて、拡散係数Dから液中欠陥の粒子径dを求めることができる。
【0045】
また、下記の式より、液中欠陥の屈折率を求めることができる。
【数2】
【0046】
式(2)中、Iは散乱光の強度、I0は入射光の強度、cは液中欠陥の個数濃度、rは液中欠陥から撮像部58までの距離、λは入射光の波長、dは液中欠陥の粒子径、mは液体Qに対する液中欠陥の相対屈折率である。相対屈折率mは欠陥の屈折率nを液体Qの屈折率n0で割ったものである(m=n/n0)。液体Qの屈折率n0が既知であれば計算部62は、式(2)を用いて、液中欠陥の屈折率nを求めることができる。
【0047】
判断部64は、計算部62が求めた屈折率nを用いて、液中欠陥が、泡又は第2粒子Pか、第1粒子Mか、の判断を行う。例えば、判断部64には、既知物質の屈折率が保存されたデータベース66が接続されている。例えば、判断部64は、かかる既知物質の屈折率を参照しながら、液中欠陥が、泡又は第2粒子Pか、第1粒子Mか、の判断を行う。
【0048】
図4は、実施形態の評価装置100を用いて行った、液中欠陥を含む液体の評価の一例である。
図4に示したグラフは、横軸が液中欠陥の粒子径d、縦軸が計算部62によって計算された液中欠陥の屈折率nである。
【0049】
図4では、液体Qの屈折率n0を中心として、上下に相似した分布が示されている。違う言い方をすると、計算部62によって、同一の粒子径dに対して液体Qの屈折率n0を中心として2つの屈折率nが得られている。これは、式(2)は相対屈折率mの2次方程式であるためである。そこで、式(2)により得られた相対屈折率mを、既知の屈折率データと比較することにより、実施形態の評価方法は、半定性的な手法となる。
具体的には、測定対象の液体Qの屈折率をn0としたとき、判断部64は、屈折率nがn0+( n0-1)より大きい、又は屈折率nが1より小さい場合に液中欠陥を第1粒子Mと判断することが好ましい。また、測定対象の液体Qの屈折率をn0としたとき、判断部64は、屈折率nが1以上又はn0+( n0-1)以下である場合に液中欠陥を泡又は第2粒子Pと判断することが好ましい。違う言い方をすると、液体Qの屈折率をn0中心として、液体Qの屈折率n0と泡の屈折率1との差分の範囲内にある屈折率nが計算された場合は、液中欠陥を第2粒子Pもしくは泡と判断し、液体Qの屈折率をn0中心として、液体Qの屈折率n0と泡の屈折率1との差分の範囲外にある屈折率nが計算された場合は、液中欠陥を第1粒子Mと判断する。測定対象の液体Qの屈折率n0は、例えば1.2~1.5であるが、これに限られない。
【0050】
なお、データベース66は設けられていなくても良い。そして、判断部64は、単純に上記の屈折率の大小関係を用いて、泡と金属粒子の区別を行ってもかまわない。
【0051】
図5および
図6は、液中欠陥を含む液体の評価のより具体的な例である。
【0052】
屈折率n>n0+(n0-1)の範囲における欠陥検出数の総和をa(1)、屈折率n<1の範囲における欠陥検出数の総和をa(2)としたとき、液中における第1粒子Mの個数は以下式で表すことができる。
(a(1)+a(2))/2=第1粒子Mの個数 (3)
【0053】
また、屈折率nがn0+(n0-1)≧ n ≧1の範囲における測定値の総和をa(3)としたとき、液中における泡Bもしくは第2粒子Pの個数は以下式で表すことができる。
a(3)/2=泡Bもしくは第2粒子Pの個数 (4)
【0054】
また、ある欠陥径dにおけるa(1)、a(2)、a(3)を上式に当てはめることで、欠陥径dにおける第1粒子Mの個数、泡Bもしくは第2粒子Pの個数を求めることも可能である。
【0055】
両式共に各欠陥種における測定値の総和を2で割っているが、これは検出された欠陥ごとに式(2)から得られる屈折率nが2つの解をもつためである。
【0056】
計算部62が求めた欠陥径d、屈折率nから検出された欠陥の分布の様子が
図5および
図6に示されている。
図5はポア径50nmフィルタ通過後のTMAH中欠陥の分布の様子を示している。
図6はポア径50nmフィルタ通過後、さらにポア径10nmフィルタを通過した後のTMAH中欠陥の分布の様子を示している。横軸が欠陥径d、縦軸が屈折率nである。
【0057】
図5および
図6においては、欠陥径d(横軸)を0~100nmの範囲で2.5nmごとに区分するとともに、屈折率n(縦軸)を0~2.6の範囲で0.05ごとに区分して、それぞれの領域における欠陥検出数を示している。分布図において1つ以上の欠陥が検出された領域は、最も濃い塗りで着色して示している。
【0058】
例えば、
図5および
図6から第一粒子M、もしくは泡Bと第二粒子Pの個数を求めることを考える。この場合、TMAHの屈折率は1.337であるため、第一粒子Mの個数は屈折率n>1.674、n<1の範囲における欠陥検出数の総和を2で割った値となる。また泡Bもしくは第二粒子Pの個数は1.674≧n≧1の範囲における欠陥検出数の総和を2で割った値となる。
【0059】
図5より、50nmフィルタの場合は、欠陥径dが30-50nmとなる領域において、1つ以上の欠陥が検出されている。特に、屈折率がn>1.674、n<1となる範囲における欠陥検出数が多くなっている。このことから、金属粒子と泡その他の粒子が多くすり抜けている様子が読み取れる。一方で、
図6より、10nmフィルタの場合は、欠陥径dが30-50nmであって屈折率がn>1.674、n<1となる範囲における欠陥検出数が少なくなっている。このことから、金属粒子が減少している様子が読み取れる。このように、実施形態の評価方法では拡散係数Dから正しい幾何径を求められるFPT測定によって、フィルタの除去性能をより適切に評価できることがわかる。
【0060】
解析部60、計算部62及び判断部64は、例えば、電子回路である。解析部60、計算部62及び判断部64は、例えば、演算回路等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアの組み合わせで構成されるコンピュータである。
【0061】
データベース66は、例えば、半導体メモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。
【0062】
次に、実施形態の評価装置及び評価方法の作用効果を説明する。
【0063】
一般的に、フィルタによる液中欠陥の捕集性能評価においては、ポリスチレンラテックス(Polystyrene Latex:PSL)粒子のような、標準粒子が用いられる。フィルタによる液中欠陥の捕集性能評価においては、かかる標準粒子を用いてフィルタのろ過試験が行われる。ろ過前後の標準粒子の数を、光散乱法による液中パーティクルカウンター(Liquid Particle Counter:LPC)を用いて検出する。除去率が99%である標準粒子の平均粒径は、定格ろ過精度(μm)と称される。
【0064】
光散乱法による液中パーティクルカウンターの検出下限値は40nm程度である。そのため、粒径が30nm以下の粒子に対する定格ろ過精度の評価には、特許文献1(特開2013-31835号公報)に記載された、金ナノ粒子除粒子性能評価が用いられる。金ナノ粒子除粒子性能評価においては、金ナノ粒子を添加した試料液をフィルタに通液させる。ろ過前後の試料液を、誘導結合プラズマ質量分析装置(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:ICP-MS)を用いて評価することにより、試料液中の金属粒子量を評価する。これにより、フィルタの捕集性能評価を行う。
【0065】
ここで、多くの泡が含まれている液体をフィルタに通液させた場合の、フィルタの捕集性能評価を考える。PSL標準粒子を用いた捕集性能評価では、LPCによる泡の検出がおこり、泡と粒子を分離計測することができない。そのため、フィルタの捕集性能評価をおこなうことができない。また、金ナノ粒子を用いた捕集性能評価では、泡による、捕集性能への影響はわからない。そのため、フィルタの捕集性能評価をおこなうことができない。
【0066】
また、PSL標準粒子を用いた捕集性能評価では、フィルタの通液の前後における液中欠陥の数の把握のため、光散乱方式による液中欠陥検知技術が用いられている。しかし、光散乱方式の場合は、液体中の泡も液中欠陥として検出してしまう。そのため、泡を多量に含む液体に対するフィルタ捕集性能を評価することができない。
【0067】
そこで、実施形態の評価装置は、泡と、金属を含む第1粒子と、泡及び第1粒子と異なる第2粒子と、を含む液中欠陥を含む液体を内部に収容可能であり、透明であるカラムと、カラム内の液体に照射光を照射する照射部と、照射光により液中欠陥から放出された散乱光を撮像する撮像部と、撮像された散乱光から液中欠陥の拡散係数を求める解析部と、拡散係数を用いて、液中欠陥の粒子径と、液中欠陥の屈折率と、を算出する計算部と、屈折率を用いて、液中欠陥が、泡及び第2粒子か、第1粒子か、の判断を行う判断部と、を有する評価部と、液体をろ過するフィルタと、フィルタの出口と評価を接続する第1配管と、を備える。
【0068】
かかる評価装置によれば、屈折率の違いを用いて、液中欠陥が、泡又は第2粒子か、第1粒子か、の判断を行うことができる。
【0069】
また、測定対象の液体Qの屈折率をn0としたとき、屈折率nがn0+(n0-1)より大きい、又は屈折率nが1より小さい場合に液中欠陥を第1粒子Mと判断することが好ましく、屈折率nが1以上又はn0+(n0-1)以下である場合に液中欠陥を泡又は第2粒子Pと判断することが好ましい。
【0070】
金属を含む粒子の屈折率は、2.0より大きい、又は0.5より小さい。例えば、銀の屈折率は0.17である。また、金の屈折率は0.34である。また、酸化水酸化鉄の屈折率は2.00である。また、酸化クロム(三価)の屈折率は2.50である。そのため、屈折率が2より大きい、又は0.5より小さい液中欠陥を、金属を含む第1粒子と判断してもよい。
【0071】
また、窒素(泡)の屈折率は1である。また、超純水の屈折率は1.33である。また、フッ素樹脂の屈折率は1.35である。また、シリカ(石英)の屈折率は1.45である。また、ポリスチレンラテックス(PSL)の屈折率は1.59である。そのため、屈折率が0.5以上2以下である液中欠陥を、泡又は第2粒子であると判断してもよい。
【0072】
評価装置100は、液体Qが貯留される貯槽2と、貯槽2とフィルタ80bの入口を接続する第2配管14と、第2配管14に設けられ、液体Qを貯槽2からフィルタ80bに送液する送液ポンプ4と、評価部50と貯槽2を接続する第3配管16と、をさらに備えることが好ましい。これにより、わずかなフィルタ捕集性能の違いを、液体Qの循環により明瞭にさせて評価することが可能になる。
【0073】
液体Qは、第四級アミンを含む薬液、第四級アミン及び界面活性剤を含む薬液、又は水及び界面活性剤を含む薬液であることが好ましい。また、第四級アミンを含む薬液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)又はトリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液であることが好ましい。かかる薬液は、半導体プロセスにおいて頻繁に用いられる薬液である。また、かかる薬液は、泡立ちやすく消泡しにくいため、実施形態の評価装置及び評価方法の利点が特に発揮される薬液である。
【0074】
フィルタ80bのポア径は100nm以下であることが好ましい。100nmより大きい粒子径を有する液中欠陥は、ブラウン運動をしない。そのため、実施形態の評価装置及び評価方法により粒子径dを求めることが困難であるためである。
【0075】
実施形態の評価装置及び評価方法によれば、泡を含む液体に対するフィルタの捕集性能評価が可能な、評価装置及び評価方法の提供が可能となる。
【0076】
(実施例)
以下に、実施例1~3を説明する。
【0077】
(実施例1)
図7は、実施例1に関する、実施形態の評価装置100を用いて行った、液中欠陥数の、フィルタ通液量依存性の結果である。実施例1においては、液体Qとして、フッ酸、AD-10(テトラメチルアンモニウム=ヒドロキシドと非イオン系界面活性剤を含む薬液、多摩化学工業株式会社製)及びTMAH(テトラメチルアンモニウム=ヒドロキシド)を用いた。
【0078】
評価装置100の第1バルブ32、第3バルブ36及び第2バルブ34を開いた。また、評価装置100の第5バルブ40、第6バルブ42及び第4バルブ38を閉じた。そして、送液ポンプ4を用いて、フィルタ80bに、貯槽2内の液体を送液した。フィルタ80bによりろ過された液体Qは、第2バルブ34及び第1配管12bを経由して評価部50に送液された。液中欠陥の評価が行われた液体Qは、第3配管16により貯槽2に戻った。その後引き続いて、貯槽2内の液体Qは、送液ポンプ4を用いて、フィルタ80bに送液された。これにより、評価装置100の内部において液体Qを循環させて、液体Q中の液中欠陥の経時変化を測定した。
【0079】
図7に示すように、フッ酸の場合、フィルタ通液量の増加に伴い、液中欠陥の個数が減少し、検出下限値まで減少している。これは、フッ酸に含まれる泡が消泡したことによるものである。
【0080】
一方、AD-10及びTMAHの場合は、フィルタ通液後も泡が残留している。そのため、フッ酸に比べて、フィルタ通液量の増加に伴う欠陥数の減少が、フッ酸の場合に比べて十分でない。
【0081】
第四級アミンは、自身が疎水基と親水基を持つ。そのため、第四級アミンは、気液界面に電気二重層を作ることで、泡の安定化に寄与する。これにより、第四級アミンを含む薬液は、消泡しにくい薬液となる。そのため、第四級アミンを含む薬液は、多量の泡を含む液体Qをフィルタに通液させた場合の、フィルタの捕集性能評価に好ましく用いられることができる。一方、フッ酸は、泡立ちにくい液体Qをフィルタに通液させた場合の、フィルタの捕集性能評価に好ましく用いられることができる。
【0082】
なお、水及び界面活性剤を含む薬液も、泡立ちやすい薬液の一例である。
【0083】
(実施例2)
図8は、実施例2に関する、実施形態の評価装置を用いて行った、液中欠陥数の、フィルタ通液量依存性の結果である。実施例2においては、液体Qとして、フッ酸を用いた。貯槽2内に、フッ酸を12L貯留した。その他の点は、実施例1と同様にして、液体Q中の液中欠陥の経時変化を測定した。なお、フィルタ80bのポア径は15nmであった。
【0084】
黒塗りの四角は、「第1粒子」に分類された、粒子径が20nm以上100nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。黒塗りの三角は、「第1粒子」に分類された、粒子径が20nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。黒塗りの丸は、「泡又は第2粒子」に分類された、粒子径が5nm以上100nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。
【0085】
フィルタ80bへの通液を開始した直後は、液体Qの循環により、液体Qは泡立っている。そのため、液中欠陥の欠陥数は多い。しかし、時間が経過し、フィルタ通液量が増加すると共に、液中欠陥の欠陥数は減少する。
【0086】
粒子径が20nm以上100nm以下の液中欠陥の欠陥数は、1個/ml程度まで減少する。粒子径が20nm以上100nm以下の液中欠陥は、フィルタ80bのポア径より大きい粒子径を有する。
【0087】
これに対して、粒子径が20nm以下の液中欠陥の欠陥数は、フィルタ通液量増加と共に減少する。しかし、フィルタ通液量が60L付近まで増加すると、粒子径が20nm以下の液中欠陥の欠陥数は、1個/ml程度となる。
【0088】
このように、実施形態の評価装置100及び評価方法を用いることにより、フッ酸のように、泡立ちにくい液体Qをフィルタに通液させた場合の、フィルタ捕集効果を評価することが可能である。
【0089】
(実施例3)
図9は、実施例3に関する、実施形態の評価装置を用いて行った、液中欠陥数の、フィルタ通液量依存性の結果である。実施例3においては、液体Qとして、AD-10を用いた。貯槽2内に、AD-10を12L貯留した。また、フィルタ80bのポア径は2nmであった。その他の点は、実施例1及び実施例2と同様にして、液体Q中の液中欠陥の経時変化を測定した。
【0090】
図9(a)において、黒塗りの三角は、「第1粒子」に分類された、粒子径が5nm以上100nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。また、黒塗りの丸は、「泡又は第2粒子」に分類された、粒子径が5nm以上100nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。実施例2(
図6)と比較すると、フィルタ通液量を増加させても、「第1粒子」及び「泡又は第2粒子」の液中欠陥の欠陥数の減少の程度が小さい。「第1粒子」及び「泡又は第2粒子」の液中欠陥の欠陥数は、フィルタ通液量が30L付近でほぼ飽和する。このことは、AD-10のように泡立ちやすい液体を液体Qとして用いる場合には、「泡による、金属を含む粒子の共連れ」と呼ばれる現象が生じるために、フィルタによる第1粒子の捕集が十分に行われていないことを示している。
【0091】
図9(b)において、バツは、「第1粒子」に分類された、粒子径が5nm以上10nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。黒塗りの四角は、「第1粒子」に分類された、粒子径が10nm以上20nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。黒塗りの丸は、「第1粒子」に分類された、粒子径が20nm以上30nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。黒塗りの菱形は、「第1粒子」に分類された、粒子径が30nm以上40nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。黒塗りの三角は、「第1粒子」に分類された、粒子径が40nm以上50nm以下の液中欠陥の欠陥数を示す。
【0092】
粒子径40nm以上50nm以下の液中欠陥の個数は、フィルタ通液量が30L以上になっても、フィルタ通液量増加と共に減少する傾向にある。このような評価は、実施形態の評価装置及び評価方法により、泡又は第2粒子と、第1粒子と、を区別することができるため、可能になった。このように、実施形態の評価装置及び評価方法を用いることにより、泡を含む液体Qを用いた場合であっても、フィルタ性能評価を行うことができる。
【0093】
また、泡を多く含む液体Qを用いた場合において、フィルタによる金属粒子の捕集効率を改善するためには、泡による微小な粒子の共連れを引き起こさないフィルタが好ましいことがわかる。
【0094】
実施形態の評価装置及び評価方法によれば、泡を含む液体に対するフィルタの液中欠陥の捕集性能を評価する評価装置及び評価方法の提供が可能となる。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
2 :貯槽
4 :送液ポンプ
12 :第1配管
14 :第2配管
16 :第3配管
18 :第4配管
20 :第5配管
22 :第6配管
24 :第7配管
32 :第1バルブ
34 :第2バルブ
36 :第3バルブ
38 :第4バルブ
40 :第5バルブ
42 :第6バルブ
50 :評価部
52 :カラム
52a :カラム入口
52b :カラム出口
54 :レンズ
56 :レーザ光照射部
58 :撮像部
60 :解析部
62 :計算部
64 :判断部
66 :データベース
80 :フィルタユニット
80a :容器
80b :フィルタ
80c :蓋
82 :入口
84 :第1出口(出口)
86 :第2出口
88 :第3出口
100 :評価装置
B :泡
L :レンズ
M :第1粒子
P :第2粒子
Q :液体