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特開2024-118707交換装置、交換装置の空調制御方法、プログラム、及び通信システム
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  • 特開-交換装置、交換装置の空調制御方法、プログラム、及び通信システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118707
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】交換装置、交換装置の空調制御方法、プログラム、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/54 20180101AFI20240826BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20240826BHJP
   F24F 11/57 20180101ALI20240826BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/46
F24F11/57
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025139
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】葉迫 悠介
【テーマコード(参考)】
3L260
5K201
【Fターム(参考)】
3L260BA02
3L260BA42
3L260BA64
3L260CA03
3L260CA12
3L260EA07
3L260EA19
3L260FA03
3L260FC33
3L260JA12
3L260JA13
3L260JA15
3L260JA20
3L260JA23
5K201AA03
5K201BA01
5K201BA02
5K201CB11
5K201CC08
5K201CC10
5K201EA08
5K201EC03
5K201ED01
5K201ED08
5K201ED09
(57)【要約】
【課題】
空調装置の制御機能を有して空調装置を効率の良く作動させることができる交換装置を提供する。
【解決手段】
温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、温度センサの検出結果を示す温度情報及び人感センサの検出結果を示す人感情報を生成する少なくとも1つ通信端末に対して、通信回線を介して接続される交換装置であり、通信端末が生成した温度情報及び人感情報を通信回線を介して受信する受信手段と、人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別手段と、人感判別手段によって人物の存在が判別された場合に、温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御手段と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、前記温度センサの検出結果を示す温度情報及び前記人感センサの検出結果を示す人感情報を生成する少なくとも1つ通信端末に対して、通信回線を介して接続される交換装置であって、
前記通信端末が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信する受信手段と、
前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別手段と、
前記人感判別手段によって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御手段と、を有することを特徴とする交換装置。
【請求項2】
前記温度情報が設定温度に相当する温度を示すか否かを判別する温度判別手段を含み、
前記制御手段は、前記人感判別手段によって人物が存在していることが判別された場合に、前記温度情報が前記設定温度に相当する温度を示していないときに前記空調制御指令を生成することを特徴とする請求項1記載の交換装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記人感判別手段によって人物の不在が判別された場合に、前記空調制御指令の生成を停止することを特徴とする請求項1記載の交換装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記人感判別手段によって人物の不在が判別された場合に、前記空調制御指令の生成に代えて前記空調装置に対する空調停止指令を生成することを特徴とする請求項3記載の交換装置。
【請求項5】
前記通信端末の識別情報、検知温度、人物の存在の有無、及び前記設定温度をデータテーブルとして保存するデータ部を有し、
前記データテーブルの前記検知温度は前記受信手段によって受信された前記温度情報が示す温度によって更新され、前記人物の存在の有無は前記人感判別手段の判別結果によって更新されることを特徴とする請求項2記載の交換装置。
【請求項6】
前記通信端末は複数の通信端末からなり、
前記受信手段は、前記複数の通信端末の各々が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信し、
前記人感判別手段は、前記複数の通信端末の各々毎に前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別し、
前記制御手段は、前記複数の通信端末の各々毎に前記人感判別手段によって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて前記複数の通信端末のうちの当該通信端末が配置されたエリアの空調装置に対する前記空調制御指令を生成し、前記複数の通信端末の各々毎に前記人感判別手段によって人物の不在が判別された場合に、前記複数の通信端末のうちの当該通信端末が配置されたエリアの空調装置に対する前記空調制御指令の生成を停止することを特徴とする請求項1記載の交換装置。
【請求項7】
温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、前記温度センサの検出結果を示す温度情報及び前記人感センサの検出結果を示す人感情報を生成する少なくとも1つ通信端末に対して、通信回線を介して接続される交換装置の空調制御方法であって、
前記通信端末が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信する受信ステップと、
前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別ステップと、
前記人感判別ステップによって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御ステップと、を有することを特徴とする空調制御方法。
【請求項8】
温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、前記温度センサの検出結果を示す温度情報及び前記人感センサの検出結果を示す人感情報を生成する少なくとも1つ通信端末に対して、通信回線を介して接続される交換装置に用いられるプログラムであって、
コンピュータを、
前記通信端末が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信する受信手段と、
前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別手段と、
前記人感判別手段によって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
少なくとも1つの通信端末と、前記通信端末に通信回線を介して接続された交換装置とを備えた通信システムであって、
前記通信端末は、温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、前記温度センサの検出結果を示す温度情報及び前記人感センサの検出結果を示す人感情報を生成し、
前記交換装置は、前記通信端末が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信する受信手段と、
前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別手段と、
前記人感判別手段によって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御手段と、を含むことを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置の制御機能を有する交換装置、交換装置の空調制御方法、プログラム、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内の空調に用いるエアコンディショナー(以下、エアコン又は空調装置と称する)には温湿度センサが設けられ、温湿度センサによって検出される温湿度に応じて室内の温湿度が制御されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、湿度センサと温度センサとを備え、室内の湿度と温度とを検出する一方、季節状況を季節状況処理判定部により判断し、現在の季節に応じた湿度と温度との条件を設定し、室内の湿度と温度とが設定した条件となるように湿度制御と温度制御とを行うエアコンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-63398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来のエアコンでは、各種センサはエアコン本体に設けられるか、又は室内の特定の壁に設置される構成が一般的であるため、広い室内で一様の空調状態は得られないという課題があった。また、オフィス等のように人が在席したり、時に不在となったりするような室内では、人が不在のエリアにおいてもエアコンが無駄に作動するという課題もあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、このような課題に着目し、空調装置に対する制御指令機能を有して空調装置を効率の良く作動させて人物が存在するエリアの空調を適切にすることができる交換装置、交換装置の空調制御方法、プログラム、及び通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の交換装置は、温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、前記温度センサの検出結果を示す温度情報及び前記人感センサの検出結果を示す人感情報を生成する少なくとも1つ通信端末に対して、通信回線を介して接続される交換装置であって、前記通信端末が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信する受信手段と、前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別手段と、前記人感判別手段によって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0008】
本発明の交換装置の空調制御方法は、温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、前記温度センサの検出結果を示す温度情報及び前記人感センサの検出結果を示す人感情報を生成する少なくとも1つ通信端末に対して、通信回線を介して接続される交換装置の空調制御方法であって、前記通信端末が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信する受信ステップと、前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別ステップと、前記人感判別ステップによって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御ステップと、を有することを特徴としている。
【0009】
本発明のプログラムは、温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、前記温度センサの検出結果を示す温度情報及び前記人感センサの検出結果を示す人感情報を生成する少なくとも1つ通信端末に対して、通信回線を介して接続される交換装置に用いられるプログラムであって、コンピュータを、前記通信端末が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信する受信手段と、前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別手段と、前記人感判別手段によって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御手段として機能させることを特徴としている。
【0010】
本発明の通信システムは、少なくとも1つの通信端末と、前記通信端末に通信回線を介して接続された交換装置とを備えた通信システムであって、前記通信端末は、温度を検出する温度センサ及び人物の存在を検出する人感センサを有し、前記温度センサの検出結果を示す温度情報及び前記人感センサの検出結果を示す人感情報を生成し、前記交換装置は、前記通信端末が生成した前記温度情報及び前記人感情報を前記通信回線を介して受信する受信手段と、前記人感情報が人物の存在を示すか否かを判別する人感判別手段と、前記人感判別手段によって人物の存在が判別された場合に、前記温度情報に基づいて空調装置に対する空調制御指令を生成する制御手段と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の交換装置、交換装置の空調制御方法、プログラム、及び通信システムによれば、通信端末に設けられた人感センサ及び温度センサを利用し、人感センサの検知結果の人感情報から人物が存在することが判別された場合に温度センサから得られた温度情報に基づいて空調制御指令を生成するので、その空調制御指令をその通信端末の設置エリアの空調装置に供給することにより空調装置を効率の良く作動させることができ、その結果、人物が存在するエリアの空調調整を適切な状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の交換装置としてのPBXと、そのPBXに接続された電話機とを備えた通信システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】PBX内のメモリ部に形成されるデータテーブルの構造を示す図である。
図3】PBX内の中央制御部による制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明が適用されたPBX(構内交換機)11と、PBX11に接続された複数(m個)の電話機21~2mとを含む通信システムを示している。PBX11と電話機21~2mと間はディジタル通信回線12によって接続されている。PBX11にはPC(パーソナルコンピュータ)13がLAN(ローカルエリアネットワーク)回線14を介して外部接続されている。なお、mは本実施例では2以上の整数であるが、その上限数はPBX11において設定された1つの通信回線12に接続可能な電話機数である。
【0015】
PBX11は、内線電話接続用の内線インターフェース部16と、PC接続用のLANインターフェース部17と、制御部18と、メモリ部19とを含んでいる。内線インターフェース部16は電話機21~2mに通信回線12を介して接続され、電話機21~2m各々とPBX11との間の電話を含む通信を可能にする。通信回線12は本実施例では内線電話回線であるが、内線インターフェース部16がLAN回線を使用する方式であればLAN回線を用いても良い。
【0016】
PC接続用のLANインターフェース部17はLAN回線14に接続されている。内線インターフェース部16とLANインターフェース部17とは制御部18に接続されている。制御部18はマイクロコンピュータからなり、内線同士の呼、接続及び切断、内線と外線との呼、接続及び切断等の通信回線交換制御動作を行う。
【0017】
メモリ部19には制御部18の動作プログラムや後述する各種データが書き込まれる。
【0018】
電話機21~2mは屋内の複数のエリアに配置される内線電話機である。ここで言う「エリア」は1つのフロア内で区分けされた範囲であっても、また1つのフロア全体であっても良い。エリアの数はn(nは2以上の整数)であるとする。1つのエリアに複数の電話機が設けられても良い。
【0019】
また、電話機21~2mは同一の構成を有している。図1では電話機21だけの内部構成が示されている。
【0020】
電話機21は、図1に示すように、人感センサ31と、温度センサ32と、メモリ部33と、CPU34と、回線部35とを備えている。人感センサ31と、温度センサ32と、メモリ部33と、CPU34と、回線部35とはバス36によって互いに接続されている。
【0021】
人感センサ31は電話機21近傍における人物の存在を検知する。なお、人感センサ31の検知感度が高いほど人物の検知範囲は広がるが、エリア内における人物の存在を検知すれば良い。温度センサ32は電話機21近傍における温度を検知する。
【0022】
人感センサ31の人物存在検知方法としては、例えば、人が発する赤外線を感知する赤外線方式、電話機21への人の接触を検知するタッチ方式、人物の存在による光量の変化を検知する光量方式等が用いられる。人感センサ31は素子部31aと、検知部31bとからなる。素子部31aは例えば、赤外線方式の場合には赤外線を受光し電気信号に変換する部分である。検知部31bは素子部31aからの電気信号に基づいて人物の存在を示す人感情報を人感検知信号として出力する。検知部31bは素子部31aからの電気信号をレベル変換するものでも良い。
【0023】
温度センサ32には、通常、サーミスタ又はRTD(測温抵抗体)が温度検知素子として用いられている。温度センサ32は素子部32aと、検知部32bとからなる。例えば、素子部32aがサーミスタからなり、検知部32bは温度に応じたサーミスタの抵抗値を電気信号に変換して、それを温度検知信号として出力する部分である。
【0024】
CPU34は人感センサ31からの人感検知信号及び温度センサ32からの温度検知信号を各々入力し、所定のタイミングで人感検知信号が示す人感情報及び温度検知信号が示す温度情報を回線部35を介してPBX11に通知する。所定のタイミングとしては、予め定められた時間間隔、人感検知信号から人物の存在に変化があった時、及び温度検知信号から所定の温度幅以上の温度変化があった時が含まれる。
【0025】
メモリ部33にはCPU34のOS(オペレーションシステム)や処理プログラムが保存されると共に、データが保存される。
【0026】
回線部35は、電話機21を通信回線12に接続して通信回線12を介したPBX11との通信を可能にするための送受信部であり、電話機21の送受話機能を含んでいる。
【0027】
電話機22~2m各々の内部構成は電話機21の内部構成と同一であるので、その説明は省略される。
【0028】
また、PBX11には空調装置41~4nが接続されている。空調装置41~4nは上述したエリア毎に設置されたエアコンである。本実施例では分かり易くするために1つのエリアに空調装置41~4nのいずれか1が設置されているとするが、エリア毎に空調調整可能であれば1つの空調装置でも良い。空調装置41~4nの各々は、外部からその動作を制御することができるようにLAN端子(図示せず)を有し、そのLAN端子はPBX11のLANインターフェース部17とLAN回線15を介して接続されている。
【0029】
PBX11の保守者等のユーザは、PC13を操作してPBX11内のメモリ部19にデータを書き込むことができる。そのデータは電話機21~2mの電話番号をn個のエリア各々に対応させて書き込まれる。n個のエリア各々に互いに異なる「エリア番号」(又はエリアID)が割り当てられているとすると、その書込作業により、「エリア番号」毎にそのエリア番号が割り当てられたエリアに配置された電話機の「電話番号」(通信端末の識別情報)が関連付けられたデータマップが作成される。データマップはそれを用いれば、「電話番号」から「エリア番号」が特定され、その「エリア番号」の空調装置が空調装置41~4nのいずれであるかが分かる形式であれば良い。
【0030】
図2に示すように、データマップには「エリア番号」毎に「電話番号」の他に、「検知温度」、「人物の有無」及び「設定温度」についての各欄が含まれる。「検知温度」及び「人物の有無」は、上記したように電話機21~2m各々で生成され、電話機21~2m各々からPBX11に供給される情報である。「設定温度」は、「エリア番号」毎に任意に設定することができる温度であり、各「エリア番号」が割り当てられたエリアに設置された空調装置が温度調整する際の目標温度となる温度である。
【0031】
次に、上述した構成を有する通信システムの動作について説明する。
【0032】
電話機21~2m各々においては、人感センサ31から出力された人感検知信号がCPU34に供給され、一方、温度センサ32によって検出された温度は温度検出信号としてCPU34に供給される。CPU34は所定のタイミングで人感検知信号から人感情報を獲得し、温度検出信号から温度情報を獲得する。それらの情報は回線部35によって情報信号としてPBX11に送信される。すなわち、人感情報及び温度情報の各々は回線部35から通信回線12を介してPBX11に供給される。
【0033】
供給される人感情報及び温度情報各々の情報信号には情報の種別子が含まれ、また電話機21~2m各々を識別する情報である電話番号が関連付けられる。PBX11では情報の種別子から受信した情報が人感情報であるのか、又は温度情報であるのか判別することができる。また、人感情報及び温度情報各々が電話番号と関連付けられることにより、どのエリアの人感情報又は温度情報であるのか判別することかできる。なお、人感情報と温度情報とは個別にPBX11に供給されても良いし、一緒に供給されても良い。
【0034】
PBX11においては、人感情報及び温度情報各々は内線インターフェース部16で受信され、内線インターフェース部16から制御部18に供給される。
【0035】
図3に示すように、制御部18は、内線インターフェース部16から受信情報が供給されると、制御動作を開始する。制御部18は、先ず、受信情報が温度情報であるか否かを判別する(ステップS11)。ステップS11及び後述するステップS13は受信ステップに相当する。情報の種別子から温度情報であると判別されたならば、温度情報が示す温度を得て、その温度をデータマップの対応する「検知温度」の欄に書き込む(ステップS12)。データマップの対応する「検知温度」の欄は、受信情報において温度情報に関連付けられた「電話番号」を得ることにより特定される。また、データマップにおいては、その関連付けられた「電話番号」から「エリア番号」が分かるので、検出温度のエリアを特定することができる。
【0036】
制御部18は、ステップS11で受信情報が温度情報ではない場合には、受信情報が人感情報であるか否かを判別する(ステップS13)。情報の種別子から人感情報であると判別されたならば、人感情報が人物の存在を表すか否かを判別する(ステップS14)。ステップS14は人感判別ステップに相当する。ステップS14の判別結果である人物の有無をデータマップの対応する「人物の有無」の欄に書き込む(ステップS15、S16)。すなわち、人感情報が人物の存在を表す場合には有りと更新し(ステップS15)、人物の不在を表す場合には無しと更新する(ステップS16)。データマップの対応する「人物の有無」の欄は受信情報において人感情報に関連付けられた「電話番号」を得ることにより特定される。
【0037】
制御部18は、ステップS12の実行後、温度情報から得られた検知温度が設定温度に達しているか否かを判別する(ステップS17)。ステップS17の設定温度は、ステップS12で用いた「電話番号」に対応するデータマップの「設定温度」の欄から読み出される。また、この設定温度には許容範囲、例えば、±1度が含まれる。
【0038】
制御部18は、温度情報から得られた検知温度が設定温度に達していないならば、その検知温度のエリアにおける人物の有無を判別する(ステップS18)。ステップS18の人物の有無は、ステップS12で用いた「電話番号」に対応するデータマップの「人物の有無」の欄から読み出される。データマップから人物の存在が確認されたならば、その検知温度のエリアに設置された空調装置(空調装置41~4nのいずれか1の空調装置)に対して設定温度への温度調整するように空調制御指令を送信する(ステップS19)。空調制御指令には、そのエリア、検知温度、設定温度、及び人物の存在を示す情報を含んでも良い。ステップS17~19が制御ステップに相当する。
【0039】
よって、温度情報から得られた検知温度が設定温度でない場合に、その検知温度のエリアにデータマップから人物が存在していると確認されさたならば、温度調整指令が当該エリアの空調装置に送信され、そのエリアの温度が設定温度に調整されることとなる。
【0040】
これに対し、制御部18は、ステップS18においてデータマップから人物の不在が確認されたならば、ステップS19を実施することなく制御動作を終了する。温度情報から得られた検知温度が設定温度に達していない場合であっても、その検知温度のエリアに人物が不在であるならば、そのエリアの空調装置にはそのエリアの温度を設定温度に調整する指令は送信されない。その代わりに、そのエリア、検知温度、設定温度、及び人物の不在を示す情報を送信しても良い。
【0041】
また、制御部18は、そのように人物が不在のエリアの空調装置に対しては消費電力を低減させるために空調停止指令又は省エネ運転指令を送信しても良い。
【0042】
このように本発明によるPBX11においては、電話機21~2m各々に設けられた人感センサ及び温度センサを利用して人物が存在するエリアの空調装置に対して温度情報に基づいて空調制御指令を生成し、人物が不在のエリアの空調装置に対する空調制御指令の生成を停止するので、空調装置41~4nを効率の良く作動させることができる。その結果、人物が存在するエリアの空調調整を適切な状態にすることができる。
【0043】
なお、上記した実施例では、電話機21~2m各々には人感センサ31及び温度センサ32が設けられているが、更に湿度センサを設け、制御部18が空調装置に対して温度制御だけでなく湿度制御を指令するようにしても良い。
【0044】
また、上記した実施例では、PBX11に接続される通信端末として複数の電話機21~2mが示されているが、1つのエリア(又はフロア)に配置された単一の電話機だけがPBX11に接続された構成でも良いことは勿論である。更に、本発明では、通信端末は電話機に限らず、タブレット端末やPCでも良く、通信回線は有線回線に限らず、無線回線でも良い。
【0045】
また、上記した実施例では、複数の空調装置41~4nが設けられているが、単一の空調装置が複数のエリアの空調を個別に調整できるならば複数の空調装置41~4nに代えて単一の空調装置を用いることもできる。
【0046】
また、上記した実施例では、一例として、PBX11と、PBX11にディジタル通信回線12によって接続された複数の電話機21~2mとを含む通信システムを示したが、当該通信システムは、次の通信システムでも良い。通信システムの他の一例は、PBXと、PBXにIP通信回線(一例は、LAN)によって接続された複数のIP電話機(m個)とを含む通信システムであっても良い。
【符号の説明】
【0047】
11 PBX
12 通信回線
13 PC
14 LAN回線
16 内線インターフェース部
17 LANインターフェース部
18 制御部
19 メモリ部
21~2m 電話機
31 人感センサ
31a、32a 素子部
31b、32b 検知部
32 温度センサ
33 メモリ部
34 CPU
35 回線部
36 バス
41~4n 空調装置
図1
図2
図3