(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118733
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/12 20200101AFI20240826BHJP
G06F 111/20 20200101ALN20240826BHJP
G06F 119/20 20200101ALN20240826BHJP
【FI】
G06F30/12
G06F111:20
G06F119:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025178
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 直人
(72)【発明者】
【氏名】白田 聖人
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146DG02
5B146DL01
5B146DL03
5B146EC04
(57)【要約】
【課題】CADデータの容易な再利用を可能にする。
【解決手段】情報処理装置は、ファクトリーオートメーションに備えられる対象物のCADデータであって、複数の要素データを含むCADデータを記憶し、CADデータの複数の要素データのうちから、選択条件に従い1つ以上の要素データを選択し、選択の結果に基づき、CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する情報処理装置であって、
前記FAに備えられる対象物のCADデータであって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部と、
前記CADデータの前記複数の要素データのうちから、選択条件に従い1つ以上の要素データを選択する選択部と、
前記選択の結果に基づき、前記CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートするエクスポート部と、を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記選択条件を設定する設定部を、さらに備え、
前記要素データは、当該要素データの識別子を含み、
前記設定部は、
前記CADデータに含まれる各前記複数の要素データの識別子の一覧を生成する生成部と、
前記一覧を表示可能に画像化する画像化部と、を含み、
前記情報処理装置に対するユーザ操作に基づき前記一覧から識別子を抽出し、当該識別子に対応する要素データの選択を前記選択条件に設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記要素データは、当該要素データと参照関係を有する他の要素データの識別子を示す参照データを含み、
前記エクスポート部は、
選択された各前記1つ以上の要素データについて、前記参照データに基づき当該要素データが参照する他の要素データが前記選択部によって選択されているかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を出力する出力部と、を含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記要素データは、異なる種類の要素データを含み、
前記異なる種類の要素データは、部品データとスクリプトデータとを含み、
前記部品データは、
前記対象物を構成する部品の形状を示すオブジェクトを3次元仮想空間に配置するための形状データを含み、
前記スクリプトデータは、
前記部品データの識別子を含んで記述されるスクリプト命令の命令シーケンスを含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記部品データの参照データは、他の部品データの識別子を含む、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記スクリプトデータの参照データは、前記命令シーケンスに含まれる前記部品データの識別子を含む、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択条件は、
前記スクリプトデータと、当該スクリプトデータの前記参照データの識別子により識別される部品データとを含む要素データの選択を含む、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記選択部によって選択されたスクリプトデータの前記参照データが、当該選択部によって選択されていない部品データの識別子を示すとき、当該参照データが示す識別子を予め定められた識別子に変更する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記エクスポート部によってエクスポートされた要素データをインポートするとき、前記予め定められた識別子を示す参照データを有する前記スクリプトデータを表示可能に画像化する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する方法であって、
プロセッサが、前記FAに備えられる対象物のCADデータであって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部を検索すること、
前記プロセッサが、前記CADデータの前記複数の要素データのうちから、選択条件に従い1つ以上の要素データを選択すること、および、
前記プロセッサが、前記選択の結果に基づき、前記CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートすること、を備える、方法。
【請求項11】
プロセッサによって実行されると、ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する方法を、当該プロセッサに実行させるプログラムあって、
前記方法は、
前記プロセッサが、前記FAに備えられる対象物のCADデータであって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部を検索すること、
前記プロセッサが、前記CADデータの前記複数の要素データのうちから、選択条件に従い1つ以上の要素データを選択すること、および、
前記プロセッサが、前記選択の結果に基づき、前記CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートすること、を備える、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3DCAD(Three Dimensional Computer Aided Design)データに関する情報を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、機械等の設備を、3DCADソフトウェアを用いて設計する技術が知られている。3DCADソフトウェアにおいて、設備は、複数の部品からなるアセンブリとして表現され得る。
【0003】
さらに、近年、3DCADソフトウェアで設計された設備のCAD(Computer Aided Design)データを用いて、FA(Factory Automation:ファクトリーオートメーション)の生産ラインにおける当該設備の挙動をシミュレーションする技術が提供される。
【0004】
CADデータを用いたシミュレーションの技術として、例えば、特開2021-167037号公報(特許文献1)は、シミュレーション装置に取り込まれたCADデータに対して、シミュレーションを実行するための、各種情報の設定に係るユーザ作業の手間を軽減する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FAの生産ラインの異なる設備についてシミュレーションを実施する場合、各設備についてCADデータを準備する必要がある。例えば、1の設備を構成する部品は、他の設備と共通する部品を含むことがあるので、1の設備の部品のCADデータを他の設備のためのCADデータにも利用する、いわゆる「再利用」を容易にする技術を提供して欲しいとの要望がある。
【0007】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、CADデータの容易な再利用を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る情報処理装置は、ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する装置であって、FAに備えられる対象物のCADデータであって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部と、CADデータの複数の要素データのうちから、選択条件に従い1つ以上の要素データを選択する選択部と、選択の結果に基づき、CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートするエクスポート部と、を備える。
【0009】
上述の開示によれば、CADデータから選択条件に従い選択された要素データがエクスポートされるから、選択条件で選択された要素データに限定して、エクスポートして再利用できる。
【0010】
上記の情報処理装置は、選択条件を設定する設定部を、さらに備え、要素データは、当該要素データの識別子を含み、設定部は、CADデータに含まれる各要素データの識別子の一覧を生成する生成部と、一覧を表示可能に画像化する画像化部と、を含み、情報処理装置に対するユーザ操作に基づき一覧から識別子を抽出し、当該識別子に対応する要素データの選択を選択条件に設定する。
【0011】
上述の情報処理装置によれば、ユーザは、要素名の一覧を操作してインポート対象を選択できる。
【0012】
上記の情報処理装置において、要素データは、当該要素データと参照関係を有する他の要素データの識別子を示す参照データを含み、エクスポート部は、選択された各要素データについて、参照データに基づき当該要素データが参照する他の要素データが選択部によって選択されているかを判定する判定部と、判定部の判定結果を出力する出力部と、を含む。
【0013】
上述の情報処理装置によれば、参照する要素データがエクスポート対象かが判定されて、判定の結果が出力される。
【0014】
上記の情報処理装置において、要素データは、異なる種類の要素データを含み、異なる種類の要素データは、部品データとスクリプトデータとを含み、部品データは、対象物を構成する部品の形状を示すオブジェクトを3次元仮想空間に配置するための形状データを含み、スクリプトデータは、部品データの識別子を含んで記述されるスクリプト命令の命令シーケンスを含む。
【0015】
上述の情報処理装置によれば、要素データとして、部品データとスクリプトデータとを扱うことができる。
【0016】
上記の情報処理装置において、部品データの参照データは、他の部品データの識別子を含む。したがって、部品データの参照データに、他の部品データの識別子を含めることができる。
【0017】
上記の情報処理装置において、スクリプトデータの参照データは、命令シーケンスに含まれる部品データの識別子を含む。したがって、スクリプトデータの参照データとして、当該スクリプトデータに記載の変数名を含めることができる。
【0018】
上記の情報処理装置において、選択条件は、スクリプトデータと、当該スクリプトデータの参照データの識別子により識別される部品データとを含む要素データの選択を含む。上述の情報処理装置によれば、エクスポート対象として、スクリプトデータと、当該スクリプトデータが参照する部品データが選択される。
【0019】
上記の情報処理装置において、選択部によって選択されたスクリプトデータの参照データが、当該選択部によって選択されていない部品データの識別子を示すとき、当該参照データが示す識別子は予め定められた識別子に変更される。
【0020】
上述の情報処理装置によれば、画像化されるスクリプトデータでは、エクスポート対象でない部品は、その変数名が変更されて、エクスポート対象でないことが報知される。
【0021】
上記の情報処理装置において、エクスポート部によってエクスポートされた要素データがインポートされるとき、予め定められた識別子を示す参照データを有するスクリプトデータを表示可能に画像化する。
【0022】
上述の情報処理装置によれば、エクスポートされたスクリプトデータは、インポートされる時に、変更後の変数名を含むスクリプト命令が表示されることで、ユーザに、当該変数名の対応の部品データのインポートについて注意を喚起することができる。
【0023】
本開示に係る方法は、ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する方法であって、プロセッサが、FAに備えられる対象物のCADデータであって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部を検索すること、プロセッサが、CADデータの複数の要素データのうちから、選択条件に従い1つ以上の要素データを選択すること、および、プロセッサが、選択の結果に基づき、CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートすること、を備える。
【0024】
本開示に係るプログラムは、プロセッサによって実行されると、ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する方法を、当該プロセッサに実行させるプログラムあって、方法は、プロセッサが、FAに備えられる対象物のCADデータであって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部を検索すること、プロセッサが、CADデータの複数の要素データのうちから、選択条件に従い1つ以上の要素データを選択すること、および、プロセッサが、選択の結果に基づき、CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートすること、を備える。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、CADデータの容易な再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施の形態に係るサポート装置100の適用例を示す模式図である。
【
図2】本実施の形態に係る制御プログラム15の開発環境を模式的に示す図である。
【
図3】本実施の形態に係るサポート装置100のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係るCADデータ22の構成例を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係る個別エクスポートを説明する図である。
【
図6】本実施の形態に係る一括エクスポートを説明する図である。
【
図7】本実施の形態に係るサポート装置100の適用例を示す模式図である。
【
図8】本実施の形態に係るCADファイルのインポートを説明する図である。
【
図9】本実施の形態に係る比較インポート処理の画面表示例を示す図である。
【
図10】本実施の形態に係る比較インポート処理の画面表示例を示す図である。
【
図11】本実施の形態に係る比較インポート処理の画面表示例を示す図である。
【
図12】本実施の形態に係る比較インポート処理の画面表示例を示す図である。
【
図13】本実施の形態に係る比較インポート処理の画面表示例を示す図である。
【
図14】本実施の形態に係るインポートされた要素データが有する参照データ233を模式的に示す図である。
【
図15】本実施の形態に係るインポートされた要素データが有する参照データ233を模式的に示す図である。
【
図16】本実施の形態に係るインポートされた要素データが有する参照データ233を模式的に示す図である。
【
図17】本実施の形態に係る個別エクスポートにおけるメッセージの表示例を示す図である。
【
図18】本実施の形態に係る一括エクスポートにおけるメッセージの表示例を示す図である。
【
図19】本実施の形態に係る個別エクスポートの処理のフローチャートである。
【
図20】本実施の形態に係る一括エクスポートの処理のフローチャートである。
【
図21】本実施の形態に係るスクリプトデータ24の表示例を示す図である。
【
図22】本実施の形態に係るスクリプトデータ24の表示例を示す図である。
【
図23】本実施の形態に係る一括エクスポートの他の処理フローチャートである。
【
図24】本実施の形態に係るインポートリストの表示例を示す図である。
【
図25】本実施の形態に係る識別子25の変更を説明する図である。
【
図26】本実施の形態に係る識別子25の変更を説明する図である。
【
図27】本実施の形態に係る識別子25の変更を説明する図である。
【
図28】本実施の形態にかかるロボット統合システムのユニット構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0028】
<A.適用例>
まず、本発明が適用される場面の一例について説明する。本実施の形態に係るサポート装置100は、情報処理装置の一例である。サポート装置100は、FAシステム50のプログラムの開発環境を提供する。このような開発環境は、FAシステム50の制御プログラムを含む各種プログラムを開発するモジュールと、CADデータを含む各種のデータを管理するモジュールを含む各種モジュールによって実現される。プログラムの開発モジュールは、プログラムを作成(エディト、コンパイル、ビルド、デバッグ)する環境、生産ラインに備えられる1つ以上の設備10を制御する制御システムの挙動を推定するシミュレーションの環境等を提供する。CADデータは、対象物(例えば設備10)毎に構成される。
【0029】
生産ラインに備えられる「設備」は、限定されないが、PLC(プログラムブルロジックコントローラ)と協調して動作するアクチュエータ、センサ、ワーク等を含み得る。アクチュエータは、ワークを搬送または加工等するロボットまたはコンベア等が有する駆動機構を構成する。ワークは、最終生成物あるいはその一部、または、中間生成物あるいはその一部等を含む。
【0030】
本実施の形態では、「エクスポート」は、主に、記憶部のCADデータを構成する1つ以上の要素データを外部に出力する処理を示す。当該外部は、他の記憶部または他のCADデータ22を指す。このような記憶部またはCADデータを「エクスポート元」および当該他の記憶部または他のCADデータを「エクスポート先」とも称する。
【0031】
また、「インポート」は、主に、外部からCADデータを構成する1つ以上の要素データを記憶部に取込む(格納する)処理を示す。当該外部は、他の記憶部または他のCADデータ22を指す。このような記憶部またはCADデータを「インポート元」および当該他の記憶部または他のCADデータを「インポート先」とも称する。
【0032】
上記のインポートまたはエクスポートの対象となるCADデータを格納する記憶部は、揮発的または不揮発的にデータを記憶する媒体、磁気的または光学的にデータを記憶する媒体を含む。より具体的には、記憶部はサポート装置100の内部に実装されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体、または、サポート装置100の外部に設けられた記憶媒体を含む。外部の記憶媒体は、例えば、サポート装置100に脱着自在のHDD、SSD、FD(Flexible Disk)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フラッシュカードメモリ等の記憶媒体と、サポート装置100に有線または無線の通信ネットワークを介して接続する記憶媒体を含む。このような記憶媒体では、CADデータはファイルの形式で格納されて、記憶媒体において当該ファイルは例えばドライブまたはフォルダ(ディレクトリ)等で指定される領域に格納される。
【0033】
図1は、本実施の形態に係るサポート装置100の適用例を示す模式図である。サポート装置100は、CADデータ22A、CADデータ22BおよびCADデータ22Cそれぞれを格納する記憶部21A、記憶部21Bおよび記憶部21Cと、CADデータの管理部20とを有する。記憶部21A、記憶部21Bおよび記憶部21Cは、それぞれが物理的に独立した記憶媒体であってもよく、または、記憶領域を異ならせることで同一の記憶媒体において構成されてもよい。以下では、CADデータ22A、CADデータ22BおよびCADデータ22Cについて共通する説明では「CADデータ22」と総称し、また、記憶部21A、記憶部21Bおよび記憶部21Cについて共通する説明では「記憶部21」と総称する。
【0034】
図1のCADデータ22が対象とする設備は、例えばワークを搬送する設備10としているが、対象設備はワークの搬送設備に限定されない。管理部20によるCADデータ22の管理は、例えば、異なる記憶部21の間のCADデータ22の転送を含む。管理部20は、このようなデータ転送を実現するためのモジュールとして、設定部210と、選択部220と、エクスポート部230と、インポート部330と、ユーザインターフェイスを提供するGUI(Graphical User Interface)部240とを含む。設定部210は、後述するリストを生成するリスト生成部212と、後述する画像化部213とを含む。エクスポート部230は、後述する判定部234と、後述する出力部235とを含む。
図1では、主にエクスポートを説明するのでインポート部330のブロックは破線で示される。
【0035】
CADデータ22は、設備を設計するための複数の要素データを含む。「要素データ」は、それぞれが識別子25を有する部品データ23スクリプトデータ24とを含み、スクリプトデータ24と部品データ23とは互いに種類の異なる要素データである。識別子25は、対応の要素を識別するための要素名等のIDを示す。部品データ23は、設備10を構成する各部品に対応する仮想オブジェクト(以下、単に「オブジェクト」と称する)を仮想空間に配置するためのデータである。部品は、典型的には機械部品を含む。このような仮想空間は3次元仮想空間に相当する。部品データ23は、典型的には、当該部品のオブジェクトを仮想空間に配置するための3次元の形状を示すための後述する形状データ231を含む。
【0036】
スクリプトデータ24は、1つ以上の変数名と、1つ以上のスクリプト命令241で記述されるスクリプトシーケンスを含む。スクリプト命令241は、実行されると、変数名によって参照される部品データ23に対応のオブジェクトの挙動を算出する命令を含む。この挙動は、部品データ23に含まれるデータ、例えば形状データ231に基づき算出される。スクリプトデータ24において部品データ23を参照するための変数名は、当該部品データ23の識別子25によって示される。
【0037】
より具体的には、サポート装置100は、シミュレーション実行時に、シミュレータから出力される制御の指令値と形状データ231に基づきスクリプトシーケンスを実行し、オブジェクトの挙動を算出する。サポート装置100は、算出された挙動に基づき、仮想空間に配置されたオブジェクトの、仮想空間上の仮想視点から見たときの挙動を視覚化する画像を生成する。画像は、ディスプレイに表示される。ユーザは、表示画像からシミュレーションに基づく設備10の挙動を把握できる。
【0038】
ユーザは新たな生産ラインを立ち上げる場合、サポート装置100の記憶部21BのCADデータ22Bを利用したシミュレーションを通して、FAシステム50とは異なる新たなFAシステムを設計する。このようなシミュレーションに先立って、ユーザは記憶部21AからCADデータ22AをエクスポートしCADデータ22Bを生成する。
【0039】
より具体的には、管理部20の設定部210は、エクスポート元の記憶部21AからCADデータ22Aのうちの1つ以上の要素データを選択するための選択条件211を設定する。選択部220は、エクスポート元のCADデータ22Aの複数の要素データのうちから、選択条件211に従い1つ以上の要素データを選択する。エクスポート部230は、選択部220の選択の結果に基づき、エクスポート元の記憶部21Aから当該1つ以上の要素データを検索し、検索された要素データをエクスポート先の他の記憶部21Bに出力(格納)する。これにより、CADデータ22Bの要素データとして、CADデータ22Aのうちの選択条件211によって選択された1つ以上の要素データを再利用できる。
【0040】
また、
図1では、記憶部21BのCADデータ22Bを他のFAシステムの設計に利用するシーンでは、インポート部330は、インポート元の記憶部21BからCADデータ22Bの1つ以上の要素データを検索し、検索された要素データをインポート先の他の記憶部21Cに出力(格納)する。これにより、1のFAシステムのCADデータ22Bのうちの1つ以上の要素データを他のFAシステムのCADデータ22Cに再利用できる。
【0041】
本実施の形態では、インポートまたはエクスポートする対象は「3次元表示」に関連する項目を含む。このような項目は、直方体、円柱、部品データ23、仮想ワーク検出センサ、メカニカル機構、カスタムメカニカル機構、パラレルリンク機構、スクリプトデータ24(スクリプト命令、スクリプトシーケンス等を含むスクリプトデータ)、デフォルトファンクション、ユーザファンクション等を含む。以下の説明では、主にCADデータ22(部品データ23またはスクリプトデータ24)のエクスポートまたはインポートを説明する。
【0042】
以下、本実施の形態のより具体的な応用例について説明する。
<B.システムの全体的なモジュール構成>
サポート装置100は、CADデータ22を利用したシミュレータ28を提供する。
図2は、本実施の形態に係る制御プログラム15の開発環境を模式的に示す図である。サポート装置100は、CADデータの管理部20と、シミュレータ28と、状態演算部29と、ビジュアライザ27と、収集部30等の各種モジュールを含む。サポート装置100は、ユーザは、これらモジュールを用いて設備10の制御プログラム15を開発し、開発された制御プログラム15を、FAシステム50の生産ラインに設けられた実機を制御するコントローラ51に転送する。この実機は、設備10の駆動機器55に相当する。コントローラ51は、転送された制御プログラム15を実行することによって駆動機器55を制御する。コントローラ51は、典型的にはPLC(Programmable Logic Controller)を含むが、PLCの名称に限定されず、コントローラは実機を制御する制御装置全般を指す概念である。
【0043】
記憶部21は、設備10のCADデータ22を格納する。CADデータ22の各部品に対応の部品データ23は、形状データ231と後述する属性パラメータ232を有する。形状データは、サイズ(長さ、径、幅、大きさ)、部品が生産ラインなどに取付された場合の向き(傾き)、取付時の仮想空間における座標位置などを含む。また、属性パラメータ232は、制御に関連した属性であって、典型的には、設備10の部品の物理的特性のパラメータを含む。物理的特性のパラメータは、摩擦係数、重さ(質量)、部品の組付け状態に係るパラメータ、例えば位置、ネジ締め付け度合い、組付け精度を含み得る。なお、パラメータの種類はこれらに限定されない。オブジェクト16Dは、主に、メカパラメータに基づき、3次元仮想空間で当該制御対象を表示する場合に用いられる。
【0044】
モデル作成部26は、CADデータ22の部品データ23が示す属性パラメータ232を基本モデルに適用することによりモデルパラメータ16Aを有するモデル16を作成する。モデル16は制御対象の駆動機器55の挙動を算出する物理演算式を含む各種演算式で示され、モデルパラメータ16Aは、当該モデルの演算式に設定されるべきパラメータを表す。
【0045】
シミュレータ28は、コントローラエミュレータ120と、アクチュエータエミュレータ124とを含む。コントローラエミュレータ120とアクチュエータエミュレータ124とは、仮想時刻に従うタイムステップtiに基づく周期で同期して動作する。コントローラエミュレータ120は、コントローラ51の挙動を算出するためのコントローラエミュレーションのためのプログラムである。アクチュエータエミュレータ124は、駆動機器55の挙動を算出するアクチュエータエミュレーションのためのプログラムである。
【0046】
アクチュエータエミュレータ124は、コントローラエミュレータ120からの指令値に基づき、モデルパラメータ16Aが設定されたモデル16の演算式に従って挙動値を算出し、コントローラエミュレータ120は、アクチュエータエミュレータ124からの挙動値に基づき制御プログラム15を実行して指令値をアクチュエータエミュレータ124出力する。このように、コントローラエミュレータ120とアクチュエータエミュレータ124とは同期しながら、タイムステップti毎に指令値と挙動値とを遣り取りする。この遣り取りによって、シミュレータ28は、FAシステム50における実機(駆動機器55)とコントローラ51との間の制御周期に同期した指令値と挙動値との遣り取りを模擬する。
【0047】
このようなシミュレーションの実行時は、状態演算部29は、シミュレータ28から周期なタイムステップti毎に出力される指令値を用いてCADデータ22のスクリプトデータ24(スクリプト命令)を実行する。これにより、状態演算部29は、シミュレータ28により算出された時系列の指令値に基づいたオブジェクトの仮想空間の時系列の挙動(位置、姿勢、形状など)を算出し、挙動データを出力する。挙動データは、仮想空間におけるオブジェクトの位置座標を含む。ビジュアライザ27は、算出された挙動データに基づき、当該オブジェクトを仮想空間で描画して視覚化するための描画データを生成し、ディスプレイ109に出力する。ディスプレイ109は、描画データに従った画像を表示する。これにより、ユーザに、推定された実機の挙動を視覚的に提示することができる。
【0048】
収集部30は、データ収集のための収集プログラムである。収集部30は、シミュレーションを実行時に、アクチュエータエミュレータ124がタイムステップti毎に出力する挙動値D1を収集し、収集された挙動値D1をディスプレイ109にグラフィックに表示する。挙動値D1は、たとえば、駆動機器55の各部分のシミュレーションで算出された位置、回転数、速度、加速度、角速度、角加速度などである。
【0049】
<C.サポート装置100の構成>
サポート装置100は、コンピュータに相当する構成を有する。
図3は、本実施の形態に係るサポート装置100のハードウェア構成例を示す図である。
【0050】
サポート装置100は、主たるコンポーネントとして、オペレーティングシステム(OS:Operating System)および各種プログラムを実行するプロセッサ102と、プロセッサ102でのプログラム実行に必要なデータを格納するための作業領域を提供する主メモリ104と、操作ユニット106と、出力ユニット108と、ネットワークインターフェイス101と、ストレージ111と、光学ドライブ115と、ローカル通信インターフェイス116とを含む。これらコンポーネントは、内部バス118等を介してデータ通信可能に接続される。
【0051】
操作ユニット106は、サポート装置100に対するユーザ操作を受付けるようにキーボードまたはマウス等を含む。出力ユニット108は、ディスプレイ109、各種インジケータおよびプリンタ等の情報を出力するデバイスを含んで構成される。ネットワークインターフェイス101は、サポート装置100を無線または有線のネットワーク80に接続するよう構成される。ローカル通信インターフェイス116は、サポート装置100を外部装置に接続するよう構成される。ネットワークインターフェイス101またはローカル通信インターフェイス116はネットワークカード等の通信回路を含む。ローカル通信インターフェイス116はUSBに接続する回路を含み得る。サポート装置100は、ネットワークインターフェイス101またはローカル通信インターフェイス116を介して、コントローラ51と通信する。
【0052】
光学ドライブ115は、コンピュータ読取可能なプログラムを非一時的に格納する光学記録媒体(例えば、DVD等)を含むコンピュータ読取可能な記録媒体114から、各種プログラムを読取ってストレージ111にインストールする。
【0053】
サポート装置100で実行される各種プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体114を介してインストールされてもよいが、ネットワーク80上の図示しないサーバ装置等からネットワークインターフェイス101を介してダウンロードされてインストールするようにしてもよい。または、このようなプログラムは、USBメモリを含む外部装置から、ローカル通信インターフェイス116を介してインストールされてもよい。
【0054】
ストレージ111は、例えば、HDDまたはSSD等の不揮発性の記憶媒体を含んで構成され、各種データおよびプロセッサ102によって実行されるプログラムを格納する。具体的には、ストレージ111は、実行されると管理部20を実現する管理プログラム121と、モデルパラメータ16Aと、実行されるとシミュレータ28を実現するシミュレーションプログラム126と、実行されるとGUI部240のモジュールを実現するGUIプログラム129と、描画データ137aを用いて設備10の挙動をディスプレイ109に描画させるための視覚化プログラム137と、ペア17と、FBセット138と、CADデータ22とを格納する。
【0055】
ペア17は、シミュレーション対象の設備10の制御プログラム15と当該設備10のCADデータ22から生成されるモデル16の組合わせを示す。FBセット138は、1つ以上のファンクションブロックのライブラリを構成する。ファンクションブロックは制御プログラム15を構成する単位プログラムに相当する。CADデータ22およびFBセット138は、それぞれ、自己が適用される対象の設備10を識別する対象ID1381および1391が割当てられる。
【0056】
視覚化プログラム137は、実行されると状態演算部29とビジュアライザ27を実現する。ビジュアライザ27は、主メモリ104の仮想空間情報105に基づきディスプレイ109に設備10の挙動を描画するための描画データ137aを生成する。仮想空間情報105は、シミュレータ28から出力されるタイムステップti毎の時系列の指令値(例えば、駆動機器55のモータの角速度等)を用いて状態演算部29が算出する時系列の3次元座標を示す。ビジュアライザ27は、設備10のCADデータ22の部品データ23に基づく画像を、仮想空間情報105に基づき、仮想空間内で立体的に描画するための描画データ137aを生成し、ディスプレイ109に出力する。ディスプレイ109は、描画データ137aに基づくオブジェクトの画像を表示する。これにより、ディスプレイ109では、シミュレーションにより算出された挙動値に従いオブジェクトが表示されて、設備10を構成する部品の動きが再現される。
【0057】
図3には、単一のサポート装置100で開発環境を実現する例を示したが、複数のサポート装置100を連係させて開発環境を実現するようにしてもよい。この場合には、開発環境を実現するために必要な処理の一部をサポート装置100で実行させるとともに、残りの処理をクラウドベースのサーバまたはオンプレミスサーバで実行するようにしてもよい。
【0058】
図3には、プロセッサ102が1または複数のプログラムを実行することで、開発環境が実現される例を示すが、開発環境を実現するために必要な処理および機能の一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの回路を用いて実装するようにしてもよい。
【0059】
<D.CADデータの構成>
図4は、本実施の形態に係るCADデータ22の構成例を示す図である。CADデータ22は、
図4に示すように、設備10を構成する1つ以上部品について1つ以上の部品データ23と、1つ以上のスクリプトデータ24を含む。スクリプトデータ24は、1つ以上のスクリプト命令241を含んで記述(参照)されるスクリプトシーケンスのプログラムに相当する。
【0060】
部品データ23は、形状データ231と、属性パラメータ232と、参照データ233とを含む。参照データ233は参照関係を示す。参照関係は、限定されないが、親子関係と、「仮想ワーク検出センサ」と当該センサが参照する「仮想ワーク」の関係と、「スクリプトシーケンス」と当該スクリプトシーケンスにおいて参照される「スクリプト命令241」の関係とを含む。本実施の形態では、参照データ233が示す参照関係として親子関係を例示する。
【0061】
部品データ23は、属性の部品は「親」または「子」に設定される。仮想空間において、2つの部品に対応の2つのオブジェクトのうちの一方のオブジェクトの移動に応じて他方のオブジェクトが追従する場合、当該一方のオブジェクトの部品データ23は他方のオブジェクトの部品データ23の「親」となり、当該他方のオブジェクトの部品データ23は一方のオブジェクトの部品データ23の「子」となる。「子」の部品データ23の参照データ233は、「親」の部品データ23の識別子25が設定される。なお、「子」に対応のオブジェクトは、1つ以上の「親」オブジェクトを有することができる。「親」の部品データ23を指示する方法は、参照データ233に識別子25を設定する方法に限定されず、例えば「親」の部品データ23を指し示すポインタ型のデータが設定されてもよい。
【0062】
<E.エクスポート>
サポート装置100が実施するエクスポートは、個別エクスポートと一括エクスポートを含む。ユーザは、サポート装置100を操作することにより、エクスポートとして、個別エクスポートまたは一括エクスポートの一方の実施を、サポート装置100に指示する。
【0063】
(e1.個別エクスポート)
図5は、本実施の形態に係る個別エクスポートを説明する図である。個別エクスポートでは、記憶部21のCADデータ22から選択条件211によって指定された1の要素データ(部品データ23またはスクリプトデータ24)が出力される。
【0064】
個別エクスポートでは、サポート装置100は、設定部210のリスト生成部212として、記憶部21AのCADデータ22Aに含まれる複数の要素データの識別子25のリストを生成し、サポート装置100は画像化部213として、当該リストをディスプレイ109に表示可能に画像化する。より具体的には、画像化部213はGUI部240を用いて、ディスプレイ109に、例えば
図5のリスト130の画像を表示させる。リスト130は、識別子25が示す要素名のリストを含む。本実施の形態では、エクスポートまたはインポートにおいて表示される識別子25(要素名)のリストは、参照データ233が示す参照関係に従った、例えば親子の関係を示す階層またはツリー(木)の構造で構成されてもよい。
【0065】
GUI部240は、ディスプレイ109の画面に対するユーザ操作を受付ける。例えば、ユーザはリスト130から要素名131の選択と、処理のオプションリストからオプション132の選択を操作すると、GUI部240は、当該ユーザ操作を受付ける。
【0066】
サポート装置100は、GUI部240を介して受付けたユーザ操作に基づき、リスト130から要素名131を抽出し、当該要素名131の識別子に対応する要素データを選択することの指示を選択条件211に設定する。
【0067】
サポート装置100は、エクスポート部230として、選択条件211の指示に従って、選択条件211が示す識別子25に基づき、記憶部21Aから当該識別子25を有した要素データを検索する。
【0068】
サポート装置100は、ユーザから、検索された要素データを格納するファイルのファイル名134aを指定する操作を受付けると、ファイル名134aのファイル134にエクスポートされた要素データを格納する。ここでは、選択された要素名131は“搬送台1”を示すので、ファイル134は“搬送台1”の部品データ23が格納される。ファイル134は、記憶部21Bを構成する。
【0069】
(e2.個別エクスポートの参照関係の判定)
サポート装置100は、判定部234として参照判定処理を実施する。参照判処理では、サポート装置100は、転送(エクスポートまたはインポート)される要素データの参照関係を判定する。また、サポート装置100は、出力部235として、判定結果に基づくメッセージを、GUI部240に出力させる。
【0070】
例えば、サポート装置100は、転送対象の各部品データ23(例えば、選択部220によって選択された部品データ23)について、当該部品データ23の参照データ233が示す「親」の識別子を、転送対象の他の部品データ23のそれぞれの識別子25と照合し、照合の結果から、「親」の識別子に一致する識別子25を有した部品データ23が転送対象の要素データに含まれる否かを判定する。
【0071】
また、参照判定処理では、サポート装置100は、転送対象の1の部品データ23について、当該部品データ23の参照データ233が示す識別子を、転送対象の他の部品データ23のそれぞれの参照データ233が示す「親」の識別子と照合する。サポート装置100は、照合が一致した他の部品データ23を、当該1の部品データ23を「親」として参照する「子」の部品データであると判定する。
【0072】
図17は、本実施の形態に係る個別エクスポートにおけるメッセージの表示例を示す図である。参照判定処理によって、“ワーク1カバー”の「親」にあたる“ワーク1”の部品データ23が指定されていないと判定されたときは、サポート装置100は、GUI部240として、例えば
図16のメッセージ161をリスト130の画面とともに表示する。メッセージ161は、“ワーク1カバーの親であるワーク1がエクスポート対象になっていない”旨の警告を表す。サポート装置100は、リスト130において要素名“ワーク1カバー”を選択するユーザ操作を受付けたときに、メッセージ161を画面にポップアップしてもよい。
【0073】
(e3.一括エクスポート)
図6は、本実施の形態に係る一括エクスポートを説明する図である。一括エクスポートでは、記憶部21のCADデータ22から選択条件211によって指定された複数の要素データ(部品データ23またはスクリプトデータ24)が出力される。
【0074】
一括エクスポートでは、サポート装置100は、設定部210のリスト生成部212および画像化部213として、記憶部21AのCADデータ22Aに含まれる要素データの識別子25のリストを生成し、例えば
図6のリスト130の画像を表示させる。
【0075】
GUI部240は、複数の要素名の選択と、一括エクスポートの処理のオプション132の選択とのユーザ操作を受付ける。要素名の選択操作は、リスト130の要素名をマーク133で指定する操作を含む。マーク133は、このようなユーザ操作を受付けるUI画像を構成する。
【0076】
サポート装置100は、このようなユーザ操作に基づき、リスト130からマーク133で指示された複数の要素名を抽出し、複数の要素名の識別子25に対応する要素データを選択することの指示を選択条件211に設定する。
【0077】
サポート装置100は、エクスポート部230として、選択条件211の指示に従って、選択条件211が示す複数の要素名131の識別子25それぞれについて、当該識別子25に基づき、記憶部21Aから当該識別子25を有した要素データを検索する。これにより、複数の要素名131に対応の複数の要素データがエクスポートされる。
【0078】
サポート装置100は、ユーザから指定されたファイル名134aのファイル134に、エクスポートされた複数の要素データを格納する。ファイル134は、記憶部21Bを構成する。
【0079】
一括エクスポートにおいて、選択条件211はスクリプトデータ24に基づき設定することができる。より具体的には、マーク133で指定された要素名131の要素データが、スクリプトデータ24である場合、サポート装置100は、設定部210として、当該スクリプトデータ24をパースし、スクリプトデータ24から、スクリプト命令241によって参照されている部品データ23の識別子25を抽出する。サポート装置100は、抽出された識別子25に対応する要素データを選択することの指示を選択条件211に設定する。
【0080】
(e4.一括エクスポートの参照関係の判定)
図18は、本実施の形態に係る一括エクスポートにおけるメッセージの表示例を示す図である。一括エクスポートにおいて、サポート装置100は、判定部234として、選択部220の選択の結果が示すマーク133で指定されたエクスポート対象の各部品データ23について上記の参照判定処理を実施する。「親」にあたる部品データ23がエクスポートされないと判定すると、サポート装置100は、出力部235として、GUI部240を介して例えば
図18のメッセージを表示させる。
【0081】
図18は、表形式のメッセージを示す。
図18の表は、要素名のリスト130の列141と、備考の列140とを含む。例えば“ワーク1”の「親」の部品データ23がエクスポート対象でない、すなわちリスト130においてマーク133で指定されていないと判定された場合、表では、“ワーク1”の部品データ23と親子関係を有する部品データの要素名のうち「親」は“パレット”であり、「子」は“ワーク1カバー”、“ワーク1コネクタ”、および“ワーク付属部品”であることを示す。「親」の“パレット”の部品データ23はエクスポート対象ではないため要素名“パレット”は、予め定められた態様で画像化、例えば赤色142で表示される。「子」の要素名は他の態様で画像化、例えば青色143で表示される。
【0082】
また、サポート装置100は、スクリプトデータ24について参照判定処理を実施する。例えば、リスト130では“スクリプトワーク1”のスクリプトデータ24がマーク133によってエクスポート対象として選択される。サポート装置100は、スクリプトデータ24をパースし、パース結果に基づきスクリプトデータ24から、スクリプト命令とともに記述されている変数名を検出し、検出された変数名によって参照される部品データ23がエクスポート対象であるかを判定する。より具体的には、例えば、サポート装置100は、スクリプトデータ24は“ワーク1”の部品データ23を参照する変数名を検出すると、参照される“ワーク1”の部品データ23はマーク133で指示されたエクスポート対象であるか否かを判定する。
【0083】
このような参照判定処理によって、“ワーク1”の部品データ23はエクスポート対象であると判定されると、サポート装置100は、GUI部240として、列141において要素名“スクリプトワーク1”は例えば青色143で表示する。仮に、検出された“ワーク1”はマーク133で指示されずエクスポート対象でないと判定されると、列141において要素名“スクリプトワーク1”は、青色143とは異なる予め定められた態様で画像化、例えば赤色142で表示される。
【0084】
このように、ディスプレイ109に表示されるメッセージでは、エクスポート対象として選択された要素データと参照関係を有する要素データの要素名を所定色で表示することで、ユーザに参照関係を報知する。また、「親」の部品データ23またはスクリプトデータ24で参照される部品データ23の要素名を赤色142で示すことで、当該要素名の部品データ23がエクスポート対象でないことの注意をユーザに喚起する。
【0085】
<F.インポート>
図7は、本実施の形態に係るサポート装置100の適用例を示す模式図である。
図7では、異なる記憶部21の間のCADデータ22の転送の一例であるインポートのためのモジュールが示される。より具体的には、管理部20は、設定部310と、選択部320と、インポート部330と、上記に述べたGUI部240とを含む。設定部310は、比較部311と、画像化部312とを有する。
【0086】
インポートは、記憶部21Bから記憶部21CにCADデータ22Cを取り込む処理を含む。
図7の記憶部21Bは異なるCADデータ22B-1とCADデータ22B-2を格納する。以下では、CADデータ22B-1およびCADデータ22B-2を、それぞれ、第1CADデータおよび第2CADデータと称する場合がある。
【0087】
第1CADデータおよび第2CADデータは、それぞれ、FAシステム50Aの設備10AおよびFAシステム50Bの設備10Bの設計時に取得されたCADデータ22を示す。FAシステム50Aと50Bは、例えば異なる生産ラインのために設計されて記憶部21Aに格納され、エクスポート部230によって、記憶部21Aから出力されて記憶部21Bに格納される。
【0088】
第1CADデータは、それぞれが識別子25Aを有する複数の要素データを含み、各要素データは部品データ23Aとスクリプトデータ24Aを含む。第2CADデータは、それぞれが識別子25Bを有する複数の要素データを含み、各要素データは部品データ23Bとスクリプトデータ24Bを含む。また、CADデータ22Cは、それぞれが識別子25Cを有する複数の要素データを含み、各要素データは部品データ23Cとスクリプトデータ24Cを含む。部品データ23A、23Bおよび23Cは部品データ23と同様の構成を有し、また、スクリプトデータ24A、24Bおよび24Cはスクリプトデータ24と同様の構成を有するので、これらの説明は繰り返さない。
【0089】
ユーザは新たな生産ラインを立ち上げる場合、サポート装置100の記憶部21CのCADデータ22Cを利用したシミュレーションを通して、FAシステム50Aおよび50Bとは異なる新たなFAシステムを設計する。このようなシミュレーションに先立って、ユーザは記憶部21CからCADデータ22Cをインポートする。このインポートは、記憶部21Bの第1CADデータと第2CADデータの再利用を含む。
【0090】
より具体的には、サポート装置100は、設定部310として、第1CADデータと第2CADデータから要素データを選択するための選択条件214を設定する。サポート装置100は、選択部320として、第1CADデータの複数の要素データと第2CADデータの複数の要素データの両者のうちから、選択条件214に従い少なくとも1つの要素データを選択する。サポート装置100は、インポート部330として、記憶部21Cに、第1CADデータおよび第2CADデータの複数の要素データうちから、上記の選択された少なくとも1つの要素データをインポートする。これにより、記憶部21Cに要素データが取り込まれ、取込まれた要素データから構成されるCADデータ22Cが記憶部21Cに保持される。
【0091】
上記の選択条件214の設定において、サポート装置100は、比較部311として、第1CADデータの複数の要素データと第2CADデータの複数の要素データの両者を比較する。サポート装置100は、画像化部312として、当該比較の結果が示す両者の間で相違した1つ以上の要素データを示す相違情報を画像化する。GUI部240は、画像化された相違情報をディスプレイ109に表示させる。ユーザは、ディスプレイ109に表示される相違情報に基づきサポート装置100を操作し、サポート装置100は、ユーザ操作を受付ける。サポート装置100は、受付けたユーザ操作に基づき当該相違情報が示す1つ以上の要素データのうちから少なくとも1つの要素データを抽出し、当該抽出された要素データを選択することを選択条件214に設定する。これにより、第1CADデータと第2CADデータと間の相違情報が示す1つ以上の要素データのうちから選択された少なくとも1つを、新たなFAシステム設計のためのCADデータ22Cを構成する要素データに再利用できる。
図7では、記憶部21Bに格納されるCADデータは2つとしているが、3つ以上であってもよい。
【0092】
(f1.参照関係のインポート)
サポート装置100が実施するインポートは、後述する一括インポートと個別インポートとを含む。ユーザは、サポート装置100を操作することにより、インポートとして、一括インポートまたは個別インポートの一方の実施を、サポート装置100に指示する。
【0093】
インポートでは、要素データが、親子関係等の参照関係も維持したままインポートされる。
図14~
図16は、本実施の形態に係る記憶部にインポートされた要素データが有する参照データ233を模式的に示す図である。
図14の“ワーク1カバー”の部品データ23の参照データ233は、「親」は“ワーク1”であることを示す。
図15のスクリプトデータ24の参照データ233は、“ワーク1”の部品データ23を参照することを示す。
図16の“仮想ワーク検出センサ”の部品データ23の参照データ233は、「親」は“仮想ワーク”であることを示す。
【0094】
(f2.一括インポート)
一括インポートの一例として、CADデータ22のファイル(以下、CADファイルとも称する)のインポートを例示する。
図8は、本実施の形態に係るCADファイルのインポートを説明する図である。記憶部21Bは第1CADデータと第2CADデータがファイル形式で格納される。
【0095】
より具体的には、サポート装置100はGUI部240を用いて、ディスプレイ109に、例えば
図8のリスト130の画像を表示させる。リスト130は、記憶部21Bに格納される各種ファイルのファイル名リストを含む。GUI部240は、ディスプレイ109の画面に対するユーザ操作を受付ける。例えば、ユーザは処理のオプションリストから、CADファイルのインポートのオプション132を選択する。サポート装置100は、ユーザ操作に基づき、CADファイルの要素データを記憶部21Cにインポートする。
【0096】
サポート装置100は、ファイル名134aを指定する操作を受付け、CADファイルの要素データの識別子のリスト130を表示する。ファイル名134aは、記憶部21CにインポートされたCADファイルのファイル名を示す。サポート装置100は、インポート対象のCADファイルに含まれる各要素データ(部品データ23またはスクリプトデータ24)について、上記に述べた参照判定処理を実施する。これにより、例えば「親」の部品データ23がインポート対象でない、すなわちCADファイルの含まれないと判定されると、サポート装置100は、GUI部240として、例えば「“ワーク1カバー”の“親ワーク1”はインポートされませんでした」のメッセージを、ディスプレイ109に表示させる。
【0097】
(f3.個別インポート)
個別インポートでは、サポート装置100は、比較インポート処理を実施する。比較インポート処理では、サポート装置100は、記憶部21Bに格納される複数のCADデータのうちから第1CADデータと第2CADデータとを選択し、比較部311として、第1CADデータを第2CADデータと比較し、当該比較の結果に基づく1つ以上要素データを記憶部21Cにインポートする。
図9~
図13は、本実施の形態に係る比較インポート処理における画面表示例を示す図である。
【0098】
(表示例1)
図9の画面は並列するウィンドウW1およびウィンドウW2を有する。サポート装置100は、比較部311として、GUI部240を介して、第1CADデータおよび第2CADデータそれぞれに基づくオブジェクト画像を、すなわち設備10Aおよび10Bに対応のオブジェクト画像をウィンドウW1およびW2に表示する。「オブジェクト画像」は、CADデータに含まれる各部品データ23に形状データ231等に基づき、各部品のオブジェクト(画像)が仮想空間に配置された画像を示す。オブジェクト画像では、各部品のオブジェクトが互いに区別可能なように色分けされる。
【0099】
サポート装置100は、GUI部240として、ウィンドウW1またはW2から1つ以上の部品のオブジェクトを選択するユーザ操作を受付ける。サポート装置100は、設定部310として、受付けたユーザ操作に基づき、第1CADデータおよび第2CADデータの要素データのうちから1つ以上の要素データを特定し、特定された1つ以上の要素データを選択することの指示を選択条件214に設定する。
【0100】
(表示例2)
比較インポート処理では、
図10のように、ディスプレイ109の並列するウィンドウW1、W2およびW3において、それぞれ、第1CADデータ、第2CADデータおよびインポート対象の要素データに基づくオブジェクト画像が配置されてもよい。
【0101】
サポート装置100は、
図9で示したように、第1CADデータおよび第2CADデータそれぞれに基づくオブジェクト画像をウィンドウW1およびW2に表示する。サポート装置100は、比較部311として、第1CADデータを第2CADデータと比較し、比較の結果が示す相違する部品データ23を検出する。比較では、サポート装置100は、第1CADデータと第2CADデータとの間で、同じ値の識別子25を有する部品データ23どうしを比較する。
【0102】
サポート装置100は、GUI部240として、相違が検出された部品データ23のオブジェクトをオブジェクト画像において予め定められた態様(点滅、反転表示等)で表示する。
図10のウィンドウW1とW2のオブジェクト画像では、相違が検出された部品データ23のオブジェクト110が予め定められた態様で表示される。
図10では、同じ値の識別子25を有する部品データ23どうしの相違は、形状データ231が示す仮想空間における座標位置の相違であることがすることが示される。なお、相違として、第1CADデータおよび第2CADデータの一方にのみ含まれる要素データが検出されてもよい。
【0103】
ユーザは、表示される相違に基づき、インポート対象を選択する。例えば、サポート装置100は、GUI部240として、ウィンドウW1またはW2から1つ以上の部品のオブジェクトを選択するユーザ操作を受付ける。サポート装置100は、設定部310として、受付けたユーザ操作に基づき、第1CADデータおよび第2CADデータの要素データのうちから1つ以上の要素データを特定し、特定された1つ以上の要素データを選択することの指示を選択条件214に設定する。
【0104】
また、インポート対象を選択するユーザ操作は、ウィンドウW1の第1CADデータまたはウィンドウW2の第2CADデータの一方のCADファイルの選択であってもよい。
図10のウィンドウW3のオブジェクト画像は、ウィンドウW1のCADファイルがインポート対象として選択された、すなわち第1CADデータを構成する全ての要素データが選択されたケースを示す。
【0105】
図9と
図10の表示は、画像化部312の三次元画像化部312aにより実現される。より具体的には、三次元画像化部312aは、第1CADデータの1つ以上の部品データの形状データに基づく1つ以上のオブジェクトが配置された第1の三次元仮想空間と、第2CADデータの1つ以上の部品データの形状データに基づく1つ以上のオブジェクトが配置された第2の三次元仮想空間とを互いに比較可能に配置して三次元に画像化する。画像化された三次元画像は、GUI部240を介してディスプレイ109に表示される。
【0106】
(表示例3)
図10の画面において、相違に当たるオブジェクト110がクリック等の予め定められた操作がされると、サポート装置100は、当該ユーザ操作に応じて、GUI部240を介して、
図11の画面をディスプレイ109に表示させる。
図10と
図11の画面は、ディスプレイ109にマルチ画面で表示されてもよい。
【0107】
図11の画面では、オブジェクト110に対応の部品データ23が有する複数種類の属性のうち、相違が検出された属性112が赤色等の予め定められた表示態様で区別可能に表示される。ユーザは、属性112をクリック操作すると、サポート装置100は、当該ユーザ操作に基づき、インポート対象のオブジェクト110の部品データ23の属性に、属性112の値を反映する。
図11では、オブジェクト110の部品データ23が有する参照データ233が示す「親」の値113も表示される。
【0108】
(表示例4)
図12の画面の並列するウィンドウW1とW2には、それぞれ、第1CADデータに含まれる要素データの識別子25が示す要素名のリスト130と第2CADデータに含まれる要素データの識別子25が示す要素名のリスト130が表示される。また、ウィンドウW1とW2に並列するウィンドウW3には、ユーザ操作に基づき選択されたインポート対象の要素データの識別子25が示す要素名のリスト130が表示される。ユーザは、ウィンドウW1とW2のリスト130から1つ以上の要素名をマーク133で指定すると、サポート装置100は、設定部310として、指定操作に基づきマーク133で指定された要素データの要素名を、ウィンドウW3のリスト130に追加する。サポート装置100は、設定部310として、ウィンドウW3のリスト130の各要素名に対応の要素データを選択する指示を、選択条件214に設定する。
【0109】
図12の表示は、画像化部312のリスト画像化部312bにより実現される。リスト画像化部312bは、第1CADデータの複数の要素データの識別子25のリストと、第2CADデータの複数の要素データの識別子25のリストとを互いに比較可能に配置して画像化する。このようなリストは、参照データ233に基づく、上記に述べた階層またはツリー構造で示されてもよい。リストの画像は、GUI部240を介してディスプレイ109に表示される。
【0110】
(表示例5)
比較インポート処理では、サポート装置100は、比較部311として、第1CADデータと第2CADデータの間で、同じ値の識別子25を有したスクリプトデータ24どうしを比較し、GUI部240を介して、その比較の結果をディスプレイ109に表示させる。
図13の画面には、このようなスクリプトデータ24どうしの比較の結果が表示される。
【0111】
図13の画面のウィンドウW1には第1CADデータのスクリプトデータ24に記述されたスクリプト命令241が表示され、ウィンドウW2には第2CADデータのスクリプトデータ24に記述されたスクリプト命令241が表示される。両方のスクリプトデータ24の間では、第47行と第49行のスクリプト命令241に相違が検出される。相違が検出された行には、マーク139は表示される。
【0112】
ユーザは、ディスプレイ109のボタン135を操作する。サポート装置100は、GUI部240を介して当該ユーザ操作を受付け、受付けたユーザ操作に基づき、相違が検出された行のスクリプト命令241を書き換える。書換えは、行単位の書換えと一括書換を含む。行単位書換えでは、例えば、相違が検出された行のうち選択された行のウィンドウW2のスクリプト命令241は、ウィンドウW1の当該行のスクリプト命令241で書換えられる。一括書換えでは、相違が検出された全ての行の各行について、ウィンドウW2の当該行のスクリプト命令241は、ウィンドウW1の当該行のスクリプト命令241で書換えられる。
【0113】
このような書換後に、ユーザはボタン136を操作する。サポート装置100は、GUI部240を介して当該ユーザ操作を受付け、受付けたユーザ操作に基づき、書換えが実施された後の、ウィンドウW1のスクリプトデータ24をウィンドウW2のスクリプトデータ24と比較し、比較の結果を表示する。
【0114】
図13の表示は、画像化部312のシーケンス画像化部312cにより実現される。シーケンス画像化部312cは、第1CADデータに含まれる第1のスクリプトデータの命令シーケンスと、第2CADデータに含まれるスクリプトデータであって第1のスクリプトデータの識別子25と一致する識別子を有する第2のスクリプトデータの命令シーケンスとを互いに比較可能に配置して画像化する。このような画像化された画面は、GUI部240を介して、ディスプレイ109に表示される。
【0115】
<G.エクスポートのフローチャートと表示例>
プロセッサ102が、管理プログラム121およびGUIプログラム129の命令を実行することで実施される処理を、フローチャートを参照し説明する。
【0116】
(g1.個別エクスポートのフローチャート)
個別エクスポートでは、1個の部品データ23のみをインポートするケースを説明する。
図19は、本実施の形態に係る個別エクスポートの処理のフローチャートである。
図19では、フローチャートに関連付けて出力されるメッセージが示される。
【0117】
プロセッサ102は、選択条件211を設定する(ステップS31)。ここでは、選択条件211によって、例えば“ワーク1”の部品に対応する1個の要素データ(部品データ23)が選択される。プロセッサ102は、記憶部21AのCADデータ22Aから、選択条件211に基づき部品データ23を検索する。プロセッサ102は、検索された部品データ23の参照データ233に基づき、参照判定処理を実施し、“ワーク1”の部品データ23は他の部品データ23を「親」として参照するかを判定する(ステップS33)。
【0118】
他の部品データ23を「親」として参照していないと判定されると(ステップS33でNO)、ステップS37に移行する。他の部品データ23を「親」として参照すると判定されると(ステップS33でYES)、メッセージ151をディスプレイ109に表示させる(ステップS35)。メッセージ151は、例えば、“ワーク1”の「親」は“パレット”であること、および、“ワーク1”の要素データは参照データ233が削除されてエクスポートされることを示す。ステップS35では、プロセッサ102は、検索された“ワーク1”の部品データ23の参照データ233の値の削除処理(例えば“空”に書換える処理)が実施される。
【0119】
プロセッサ102は、“ワーク1”の部品データ23が、「親」として他の部品データ23によって参照されているかを判定する(ステップS37)。より具体的には、プロセッサ102は、参照判定処理において、記憶部21AのCADデータ22を、“ワーク1”の要素データの識別子25に基づき検索し、検索結果に基づき、当該識別子25の値(要素名)を「親」に示す参照データ233を有した他の要素データがあるかを判定する。“ワーク1”の部品データ23が、「親」として他の要素データによって参照されていないと判定されると(ステップS37でNO)、ステップS41に移行する。
【0120】
“ワーク1”の部品データ23が、「親」として他の部品データ23によって参照されていると判定されると(ステップS37でYES)、プロセッサ102は、メッセージ152をディスプレイ109に表示させる(ステップS39)。メッセージ152は、例えば、“ワーク1”は“ワーク1カバー”と“ワーク1コネクタ”によって参照されていること、および、“ワーク1”の要素データのみがエクスポートされることを示す。
【0121】
プロセッサ102は、検索された“ワーク1”の部品データ23を記憶部21Bにエクスポートする(ステップS41)。
【0122】
(g2.一括エクスポートのフローチャート)
図20は、本実施の形態に係る一括エクスポートの処理のフローチャートである。
図20のフローチャートでは、選択条件211に、
図6の画面のリスト130から、ユーザ操作によってマーク133で指示された複数の要素名に対応の部品データ23を選択することの指示が設定される。ここでは、マーク133で指示された部品データ23を、説明のために、対象部品データ23と称する。
【0123】
プロセッサ102は、一括エクスポートの選択条件211を受付けるために、例えば
図6のリスト130をディスプレイに表示させる(ステップS1)。例えば、プロセッサ102は、
図6のリスト130における1の要素名のマーク133での指定操作を受付ける(ステップS3)。プロセッサ102は、指定された要素名を示す識別子25を有した対象部品データ23を記憶部21Aから検索し、検索された対象部品データ23の参照データ233について、参照判定処理を実施する。
【0124】
プロセッサ102は、参照判定処理の結果に基づき、記憶部21AのCADデータ22Aは、対象部品データ23を参照する「子」の他の部品データ23を含むかを判定する(ステップS5)。CADデータ22Aの他の部品データ23が含まれないと判定されると(ステップS5でNO)、ステップS7に移行する。CADデータ22Aの他の部品データ23が含まれると判定されると(ステップS5でYES)、プロセッサ102は、当該他の部品データ23はエクスポート対象であるかを判定する(ステップS13)。すなわち、プロセッサ102は、当該他の部品データ23がステップS3で対象部品データ23として既に指定されたか否かを判定する。
【0125】
当該他の部品データ23はエクスポート対象であると判定されると(ステップS13でYES)、ステップS7に移行する。また、当該他の部品データ23はエクスポート対象でないと判定されると(ステップS13でNO)、プロセッサ102は、ディスプレイ109に、例えば
図18の表を表示させて、表においてエクスポート対象と判定されなかった他の部品データ23の要素名を青色の文字で表示させる(ステップS15)。その後、ステップS7に移行する。
【0126】
プロセッサ102は、参照判定処理の結果に基づき、記憶部21AのCADデータ22Aは、対象部品データ23が「親」として参照する他の部品データ23を含むかを判定する(ステップS7)。CADデータ22Aに「親」である他の部品データ23が含まれないと判定されると(ステップS7でNO)、ステップS9に移行する。CADデータ22Aに他の部品データ23が含まれると判定されると(ステップS7でYES)、プロセッサ102は、当該他の部品データ23はエクスポート対象であるかを判定する(ステップS13)。すなわち、プロセッサ102は、当該他の部品データ23がステップS3で対象部品データ23として既に指定されたか否かを判定する。
【0127】
「親」である当該他の部品データ23はエクスポート対象であると判定されると(ステップS17でYES)、ステップS9に移行する。また、当該他の部品データ23はエクスポート対象でないと判定されると(ステップS9でNO)、プロセッサ102は、ディスプレイ109に、
図18の表を表示させて、表においてエクスポート対象と判定されなかった他の部品データ23の要素名を赤色の文字で表示させる(ステップS19)。その後、ステップS9に移行する。
【0128】
プロセッサ102は、サポート装置100に対するユーザ操作に基づき、対象部品データ23の指定が続くか否かを判定する(ステップS9)。指定の終了が判定されると(ステップS9でNO)、ステップS21に移行するが、指定が続くと判定されると(ステップS9でYES)、ステップS3に戻り、プロセッサ102は次の対象部品データ23の指定を受付け、次の対象部品データ23についてステップS5以降の処理を実施する。
【0129】
プロセッサ102は、各対象部品データ23について、当該対象部品データ23によって「親」として参照される他の部品データ23がエクスポートされないかを判定する(ステップS21)。すなわち、
図18の表に赤色文字の要素名が含まれるかを判定する。
【0130】
「親」として参照される他の部品データ23がエクスポートされないと判定されると(ステップS21でYES)、プロセッサ102は、ディスプレイ109に例えば
図17のメッセージ161を表示させて、参照が削除されることを報知し(ステップS22)、ステップS23に移行する。ステップS22では、プロセッサ102は、参照データ233の削除処理を実施する。
【0131】
「親」として参照される他の部品データ23がエクスポートされると判定されると(ステップS21でNO)、プロセッサ102は、ステップS3で指定された複数の対象部品データ23について、一括エクスポートを実施する(ステップS23)。
【0132】
(g3.スクリプトデータ中の変数名の変更)
図21と
図22は、本実施の形態に係るスクリプトデータ24の表示例を示す図である。エクスポート対象のスクリプトデータ24において参照される変数名に対応した部品データ23がエクスポート対象でない場合、サポート装置100は、エクスポートを実施する場合に、
図22のように、当該変数名を予め定められた変数名158に変更(置換)する。変数名158は、例えば、部品データ23がエクスポート対象でなかったことの注意を喚起するメッセージを含む。
【0133】
図21には、スクリプトデータ24において参照される変数名に対応した部品データ23がエクスポート対象である場合のコード153を示す。コード153は、スクリプトデータ24の命令コードが変数名を用いて記述されたものである。例えば、コード153は、部品“パレット”の部品データ23を参照するための変数名154を有する。対象的に、
図22は、部品“パレット”の部品データ23がエクスポート対象でなかった場合における、コード153を変更した変更後のコード155を示す。コード155では、変数名154は予め定められた変数名158に変更される。サポート装置100は、コード155にコメント57aを変数名158の付近に追加する。コメント57aは、参照されるべき部品データ23はエクスポートされていないのでインポートして追加する必要があることのメッセージを含む。また、サポート装置100は、ディスプレイ109に、コメント57aおよび変数名158が記述される位置にマーク156を表示させる。
【0134】
サポート装置100は、変数名158の変更とメッセージ157の追加を、スクリプトデータ24がエクスポートされるときに実施するとしたが、スクリプトデータ24がインポートされるときに実施するとしてもよい。
【0135】
(g4.スクリプトデータのエクスポートのフローチャート)
図23は、本実施の形態に係る一括エクスポートの他の処理フローチャートである。
図23では、フローチャートに関連付けて変数名の変更を示すメッセージ159が示される。プロセッサ102は、一括エクスポートの選択条件211を受付けるために、例えば
図6のリスト130をディスプレイに表示させる(ステップS51)。例えば、プロセッサ102は、
図6のリスト130を介して受付けたユーザ操作に基づき、エクスポート対象の要素データを選択するための選択条件211を設定する。
【0136】
プロセッサ102は、選択条件211で示された一括エクスポト対象の複数の要素データの中に、スクリプトデータ24が含まれるかを判定する(ステップS53)。複数の要素データにスクリプトデータ24は含まれないと判定すると(ステップS53でNO)、ステップS65に移行する。一方、複数の要素データにスクリプトデータ24が含まれると判定すると(ステップS53でYES)、プロセッサ102はスクリプトデータ24について参照判定処理を実施する(ステップS55、S57およびS59)。この参照判定処理では、プロセッサ102は、スクリプトデータ24をパースし(ステップS55)、パース結果が示す検出された1つ以上の変数名によって参照される部品データ23を特定し(ステップS57)、特定された1つ以上の部品データ23全てがエクスポート対象であるかを判定する(ステップS59)。
【0137】
特定された部品データ23の全てがエクスポート対象であると判定されると(ステップS59でYES)、ステップS65に移行する。特定された部品データ23の全てがエクスポート対象でないと判定されると(ステップS59でNO)、すなわち少なくとも1つの部品データ23がエクスポート対象でないと判定されると、プロセッサ102は、
図21に示したように、当該部品データ23を参照する変数名を予め定められた変数名に変更する(ステップS63)。また、プロセッサ102は、ディスプレイ109に、変更後の変数名を定義し直すことを促すメッセージ159を表示させ(ステップS63)、一括エクスポートを実施する(ステップS65)。
【0138】
(g5.インポートのサポート情報)
図24は、本実施の形態に係るインポートリストの表示例を示す図である。サポート装置100は、CADデータ22をインポートしたとき、当該CADデータ22において削除された参照データ233または変更後の変数名158をユーザが設定する(再設定する)ために、ユーザをサポートする情報を提供する。サポート情報の一例が
図24に示される。
図24のディスプレイ109に表示されるインポートリストは、インポートされた1つ以上の要素データそれぞれについて、当該要素データの識別子25が示す要素名242と、要素名243と、要素名244とを含む。要素名243は、対応の要素名242の要素データの参照先要素データであって、インポート元のCADデータ22につける参照先要素データ(「親」の部品データ23または変数名が示す部品データ23等)の識別子25を示す。要素名244は、対応の要素名242の要素データの参照元要素データであって、インポート元のCADデータ22における参照元要素データ(「子」の部品データ23またはスクリプトデータ24等)の識別子25を示す。
【0139】
インポートリストにおいて、マーク(A1)が付された要素名243の参照先要素データは、エクスポートまたはインポート時に参照データ233が削除されたことを示す。また、マーク(A2)が付された要素名244の参照元要素データはインポート対象でないために、インポートされなかったことを示す。インポ、または、その変数名がスクリプトデータ24において変数名158に変更されたート時に参照データ233が削除された、または、その変数名がスクリプトデータ24において変数名158に変更されたことを示す。
【0140】
(g6.要素データの識別子の変更)
サポート装置100は、インポート部330として、インポート対象の要素データの識別子25を変更し、変更後に要素データのインポートを実施する。
図25~
図27は、本実施の形態に係る識別子25の変更を説明する図である。
図25~
図27では、識別子25は要素名を示す。
【0141】
より具体的には、サポート装置100は、インポート対象の要素データの識別子25に基づき、インポート先の記憶部21C(またはCADデータ22C)から、当該識別子25の要素名に一致する名前を示す識別子25を有した要素データを検索する。サポート装置100は、検索された要素データの識別子25を、インポート対象の要素データの識別子25の要素名とは異なる名前を示すように変更する。
【0142】
サポート装置100は、上記に述べた識別子25の変更を報知するメッセージを、ディスプレイ109に表示させる。
図25のメッセージ251は、識別子25について、変更前と後の要素名を対応付けて示す。サポート装置100は、インポート対象の各要素データについて、当該要素データの参照データ233が示す識別子25が上記の変更前の要素名を示す場合、参照関係が維持されるように、当該参照データ233の識別子25を変更後の要素名を示すように変更する。
【0143】
上記のメッセージ251は、
図26または
図27に示すようなメッセージであってもよい。
図26では、メッセージ251は、インポート対象の要素データについて、識別子25の変更がされた要素データの変更後の要素名254と、識別子25の変更がされない要素データの要素名252および要素名253とを含む。
図27では、メッセージ251は、インポート対象の要素データについて、変更前と変更後の要素名255と、識別子25の変更がされない要素データの要素名256とを含む。
【0144】
<H.ロボット統合システム>
サポート装置100は、産業用ロボットと周辺機器を統合したロボット統合システムの設計をするユーザをサポートする。
図28は、本実施の形態にかかるロボット統合システムのユニット構成の一例を示す模式図である。上記に述べた設備10は、
図28のフィールドネットワーク4に接続されるロボットも含み得る。
【0145】
図28のロボット統合システムは、PLC200と、PLC200とフィールドネットワーク4を介して接続されるサーボモータドライバ31a,31bおよびリモートIOターミナル5と、ロボットコントローラ410と、フィールドに設けられたIOデバイス(例えば、光電センサ33a、ストッパ340が備える近接センサ341およびエンコーダ351,352など)とを含む。
【0146】
PLC200は、主たる演算処理を実行する演算ユニット201、1つ以上のIOユニット202および特殊ユニット203を含む。これらのユニットは、システムバス205を介して、データを互いに遣り取りできるように構成されるとともに、電源ユニット204から電源が供給される。演算ユニット201は、ネットワーク3を介してサポート装置100を接続する。
【0147】
IOユニット202は、光電センサ33a、ストッパ340の近接センサ341、エンコーダ351,352などを含むIOデバイスから挙動値を収集する。特殊ユニット203は、アナログデータの入出力、温度制御、特定の通信方式による通信といった、IOユニット202ではサポートしない機能を有する。
【0148】
フィールドネットワーク4には、ロボットコントローラ410、サーボモータドライバ31a,31b、およびリモートIOターミナル5が接続されてもよい。リモートIOターミナル5は、フィールドネットワーク4でのデータ伝送にかかる処理を行うための通信カプラ501と、1つ以上のIOユニット502とを含む。これらのユニットは、リモートIOターミナルバス503を介して、データを互いに遣り取りできるように構成される。
【0149】
駆動機器の一例であるサーボモータドライバ31a,31bは、フィールドネットワーク4を介して演算ユニット201と接続されるとともに、演算ユニット201からの指令値に従ってサーボモータ321,322を駆動する。具体的には、サーボモータドライバ31a,31bは、PLC200から位置指令値、速度指令値、トルク指令値といった指令値を周期的に受ける。演算ユニット201は、これら指令値を、エンコーダ351,352からの検出値(挙動値)に基づき生成する。
【0150】
演算ユニット201は、上記に述べたIOデバイスからの検出値を参照して制御プログラム15を実行することで、ロボット400を動作させる指令値を出力する。ロボットコントローラ410は、ロボット400に設けられるサーボモータ421~423を指令値に従い駆動する。サーボモータ421~423の各々の回転軸にはエンコーダ(図示しない)が配置されている。当該エンコーダは、対応するサーボモータのフィードバック値として、サーボモータの位置(回転角度)、回転速度、累積回転数等の挙動値をロボットコントローラ410へ出力する。
【0151】
本実施の形態に係る管理部20は、
図1のモジュールと
図7のモジュールとの両者を実装可能に構成される、または、両者の内の一方を実装可能なように構成される。管理部20に両者が実装される場合、サポート装置100は、両者の間で資源(例えば、記憶部21)の利用が競合しないように資源の割り付け、または、排他制御を実施することができる。
【0152】
<I.付記>
上述したような本実施の形態は、以下のような技術思想を含む。
[構成1]
ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する情報処理装置(100)であって、
前記FAに備えられる対象物のCADデータ(22、22A、22B)であって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部(21、21A、21B)と、
前記CADデータの前記複数の要素データのうちから、選択条件(211)に従い1つ以上の要素データを選択する選択部(210)と、
前記選択の結果に基づき、前記CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートするエクスポート部(230)と、を備える、情報処理装置。
[構成2]
前記情報処理装置は、
前記選択条件を設定する設定部(210)を、さらに備え、
前記要素データは、当該要素データの識別子(25)を含み、
前記設定部は、
前記CADデータに含まれる各前記複数の要素データの識別子の一覧を生成する生成部(212)と、
前記一覧を表示可能に画像化する画像化部(213)と、を含み、
前記情報処理装置に対するユーザ操作に基づき前記一覧から識別子を抽出し、当該識別子に対応する要素データの選択を前記選択条件に設定する、構成1に記載の情報処理装置。
[構成3]
前記要素データは、当該要素データと参照関係を有する他の要素データの識別子を示す参照データ(233)を含み、
前記エクスポート部は、
選択された各前記1つ以上の要素データについて、前記参照データに基づき当該要素データが参照する他の要素データが前記選択部によって選択されているかを判定する判定部(234)と、
前記判定部の判定結果を出力する出力部(235)と、を含む、構成2に記載の情報処理装置。
[構成4]
前記要素データは、異なる種類の要素データを含み、
前記異なる種類の要素データは、部品データ(23)とスクリプトデータ(24)とを含み、
前記部品データは、
前記対象物を構成する部品の形状を示すオブジェクトを3次元仮想空間に配置するための形状データ(231)を含み、
前記スクリプトデータは、
前記部品データの識別子を含んで記述されるスクリプト命令(241)の命令シーケンスを含む、構成1~3のいずれか1に記載の情報処理装置。
[構成5]
前記部品データの参照データは、他の部品データの識別子を含む、構成4に記載の情報処理装置。
[構成6]
前記スクリプトデータの参照データは、前記命令シーケンスに含まれる前記部品データの識別子を含む、構成4または5に記載の情報処理装置。
[構成7]
前記選択条件は、
前記スクリプトデータと、当該スクリプトデータの前記参照データの識別子により識別される部品データとを含む要素データの選択を含む、構成6に記載の情報処理装置。
[構成8]
前記選択部によって選択されたスクリプトデータの前記参照データが、当該選択部によって選択されていない部品データの識別子を示すとき、当該参照データが示す識別子を予め定められた識別子(158)に変更する、構成7に記載の情報処理装置。
[構成9]
前記エクスポート部によってエクスポートされた要素データをインポートするとき、前記予め定められた識別子を示す参照データを有する前記スクリプトデータを表示可能に画像化する、構成8に記載の情報処理装置。
[構成10]
ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する方法であって、
プロセッサ(102)が、前記FAに備えられる対象物のCADデータ(22、22A、22B)であって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部(21、21A、21B)を検索すること、
前記プロセッサが、前記CADデータの前記複数の要素データのうちから、選択条件(211)に従い1つ以上の要素データを選択すること、および、
前記プロセッサが、前記選択の結果に基づき、前記CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートすること、を備える、方法。
[構成11]
プロセッサ(102)によって実行されると、ファクトリーオートメーション(FA)の設計を支援する方法を、当該プロセッサに実行させるプログラム(121)あって、
前記方法は、
前記プロセッサが、前記FAに備えられる対象物のCADデータ(22、22A、22B)であって、複数の要素データを含むCADデータを記憶する記憶部(21、21A、21B)を検索すること、
前記プロセッサが、前記CADデータの前記複数の要素データのうちから、選択条件(211)に従い1つ以上の要素データを選択すること、および、
前記プロセッサが、前記選択の結果に基づき、前記CADデータから1つ以上の要素データをエクスポートすること、を備える、プログラム。
【0153】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0154】
10,10A,10B 設備、15 制御プログラム、16 モデル、16A モデルパラメータ、17 ペア、20 管理部、21,21A,21B,21C 記憶部、22,22A,22B,22C CADデータ、23,23A,23B,23C 部品データ、24,24A,24B,24C スクリプトデータ、25,25A,25B,25C 識別子、26 モデル作成部、27 ビジュアライザ、28 シミュレータ、29 状態演算部、30 収集部、51 コントローラ、55 駆動機器、57a コメント、100 サポート装置、101 ネットワークインターフェイス、102 プロセッサ、104 主メモリ、105 仮想空間情報、106 操作ユニット、108 出力ユニット、109 ディスプレイ、111 ストレージ、114 記録媒体、115 光学ドライブ、116 ローカル通信インターフェイス、120 コントローラエミュレータ、121 管理プログラム、124 アクチュエータエミュレータ、126 シミュレーションプログラム、129 GUIプログラム、130 リスト、131,242,243,244,252,253,254,255,256 要素名、132 オプション、133,139,156 マーク、135,136 ボタン、137 視覚化プログラム、137a 描画データ、140,141 列、142 赤色、143 青色、151,152,157,159,161,251 メッセージ、154,158 変数名、210,310 設定部、211,214 選択条件、212 リスト生成部、213,312 画像化部、220,320 選択部、230 エクスポート部、231 形状データ、232 属性パラメータ、233 参照データ、234 判定部、235 出力部、240 GUI部、241 スクリプト命令、311 比較部、312 画像化部、312a 三次元画像化部、312b リスト画像化部、312c シーケンス画像化部。