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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118740
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】マグネットワイヤ接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/2454 20180101AFI20240826BHJP
【FI】
H01R4/2454
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025186
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128912
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】西田 佳史
【テーマコード(参考)】
5E012
【Fターム(参考)】
5E012AA08
5E012AA42
5E012AA43
5E012AA44
(57)【要約】
【課題】マグネットワイヤに電気的に接続されるコンタクトの部品点数を削減でき、マグネットワイヤの接続作業の作業性を向上できる、マグネットワイヤ接続装置を提供する。
【解決手段】マグネットワイヤ接続装置1は、コンタクト11と第1のハウジング12とを備える。コンタクト11は、スリット刃16aを有してマグネットワイヤ100に圧接される圧接部16と、マグネットワイヤ100の挿通溝17aが設けられてマグネットワイヤ100を両側から挟んで保持する保持部17とを有する。圧接部16と保持部17とは一体に設けられる。保持部17は、一対で設けられ、圧接部16の両側に配置される。第1のハウジング12が保持したコンタクト11の一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100が、挿通溝17aに沿って相対変位させられることで、圧接部16のスリット刃16aに挿入され、圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接される。
【選択図】 図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心線とその周囲のエナメル被覆とを含む電線として構成されたマグネットワイヤに対して電気的に接続されるマグネットワイヤ接続装置であって、
前記マグネットワイヤに電気的に接続されるコンタクトと、前記コンタクトを保持する第1のハウジングと、を備え、
前記コンタクトは、前記エナメル被覆を切り破るスリット刃を有して前記マグネットワイヤに圧接される圧接部と、前記マグネットワイヤが挿通される挿通溝が設けられているとともに前記挿通溝に挿通された前記マグネットワイヤを両側から挟むことで当該マグネットワイヤを保持する保持部と、を有し、
前記コンタクトの前記圧接部と前記保持部とは一体に設けられており、
前記保持部は、一対で設けられ、前記圧接部にて前記コンタクトに圧接される前記マグネットワイヤが延びる方向において、前記圧接部の両側にそれぞれ配置され、
前記第1のハウジングが保持している前記コンタクトに一対の前記保持部で保持された前記マグネットワイヤが、前記挿通溝に沿って摺動しながら一対の前記保持部に対して相対変位させられることで、前記圧接部の前記スリット刃に挿入され、前記スリット刃が前記エナメル被覆を切り破って前記マグネットワイヤに食い込み、前記圧接部が前記マグネットワイヤに圧接されることを特徴とする、マグネットワイヤ接続装置。
【請求項2】
請求項1に記載のマグネットワイヤ接続装置であって、
前記保持部は、片持ち状に延びる一対のアーム部を有し、
前記挿通溝は、一対の前記アーム部の間の隙間として形成され、
前記保持部は、一対の前記アーム部が前記マグネットワイヤを両側から挟むことで当該マグネットワイヤを保持することを特徴とする、マグネットワイヤ接続装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のマグネットワイヤ接続装置であって、
前記第1のハウジングと嵌合によって接続される第2のハウジングを更に備え、
前記第1のハウジングは、当該第1のハウジングが保持している前記コンタクトが一対の前記保持部で前記マグネットワイヤを保持した状態で、前記第2のハウジングに対して嵌合によって接続されるように構成され、
前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとが嵌合する際に、一対の前記保持部で保持された前記マグネットワイヤが、前記第2のハウジングによって付勢されて前記挿通溝に対して摺動しながら一対の前記保持部に対して相対変位させられることで、前記圧接部の前記スリット刃に挿入され、前記スリット刃が前記エナメル被覆を切り破って前記マグネットワイヤに食い込み、前記圧接部が前記マグネットワイヤに圧接されることを特徴とする、マグネットワイヤ接続装置。
【請求項4】
請求項3に記載のマグネットワイヤ接続装置であって、
前記第2のハウジングには、当該第2のハウジングと前記第1のハウジングとが嵌合する際に一対の前記保持部で保持された前記マグネットワイヤと当接する当接部が設けられ、
前記当接部は、前記第2のハウジングと前記第1のハウジングとが嵌合する際に、一対の前記保持部に保持された前記マグネットワイヤと当接して付勢することで当該マグネットワイヤを一対の前記保持部に対して相対変位させるように構成されていることを特徴とする、マグネットワイヤ接続装置。
【請求項5】
請求項4に記載のマグネットワイヤ接続装置であって、
前記当接部には、前記マグネットワイヤが嵌り込む嵌め込み溝が設けられていることを特徴とする、マグネットワイヤ接続装置。
【請求項6】
請求項3に記載のマグネットワイヤ接続装置であって、
前記第1のハウジングおよび前記第2のハウジングは、互いに嵌合した状態において、前記保持部に保持された前記マグネットワイヤの先端部を両側から覆うように構成されていることを特徴とする、マグネットワイヤ接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心線とその周囲のエナメル被覆とを含む電線として構成されたマグネットワイヤに対して電気的に接続されるマグネットワイヤ接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器の巻線として、心線とその周囲のエナメル被覆とを含む電線として構成されたマグネットワイヤが用いられている。電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器が他の機器に接続される際には、マグネットワイヤに対して電気的に接続されるマグネットワイヤ接続装置が必要となる。このようなマグネットワイヤに対して電気的に接続されるマグネットワイヤ接続装置として、例えば、特許文献1に開示されたコネクタ1が知られている。
【0003】
特許文献1に開示されたマグネットワイヤ接続装置としてのコネクタ1は、マグネットワイヤとしてのコイル巻線40に対して電気的に接続されるように構成されている。コネクタ1は、絶縁性材料で形成されたハウジング10と、コイル巻線40に対して電気的に接続されるコンタクトとしての金属製の端子部材20および弾性部材30とを備えて構成されている。ハウジング10は、例えば、電動モータのハウジングの一部として構成されている。
【0004】
マグネットワイヤ接続装置としてのコネクタ1とマグネットワイヤとしてのコイル巻線40とが接続される際には、まず、コイル巻線40がハウジング10に挿入されて配置される。ハウジング10には、コイル巻線40の先端部を巻き付けるための柱状部11が設けられている。コイル巻線40がハウジング10に挿入されて配置されると、コイル巻線40の先端部がハウジング10の柱状部11に巻き付けられてハウジング10に保持される。そして、コイル巻線40の先端部が柱状部11で保持された状態で、端子部材20がハウジング10に挿し込まれる。端子部材20には、セレーション23が形成された接触面21が設けられており、端子部材20は、接触面21をコイル巻線40側に向けた姿勢でハウジング10に挿し込まれる。
【0005】
端子部材20がハウジング10に挿し込まれると、次いで、弾性部材30がハウジング10に挿し込まれる。弾性部材30には、ハウジング10に挿し込まれた際に弾性変形して端子部材20を押圧する押圧部32が設けられている。弾性部材30がハウジング10に挿し込まれて弾性変形した押圧部32が端子部材20を押圧することで、端子部材20の接触面21に形成されたセレーション23がコイル巻線40のエナメル被覆を突き破り、端子部材20とコイル巻線40とが電気的に接続される。このようにして、特許文献1に開示されたマグネットワイヤ接続装置としてのコネクタ1は、マグネットワイヤとしてのコイル巻線40に対して電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第7102134号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたマグネットワイヤ接続装置によると、セレーション23が形成された接触面21をコイル巻線40に向けた姿勢で金属製の端子部材20がハウジング10に挿し込まれ、次いで、金属製の弾性部材30がハウジング10に挿し込まれる。そして、弾性部材30の押圧部32が弾性変形して端子部材20を押圧することで、セレーション23がコイル巻線40のエナメル被覆を突き破り、端子部材20がコイル巻線40と電気的に接続される。よって、特許文献1のマグネットワイヤ接続装置によると、マグネットワイヤとしてのコイル巻線に対して電気的に接続されるコンタクトを構成するために、セレーション23が設けられた金属製の端子部材20と、端子部材20とは独立した別部材として設けられて弾性変形によって端子部材20を押圧する金属製の弾性部材30とが必要となる。このため、マグネットワイヤに対して電気的に接続されるコンタクトの部品点数の増加を招いてしまうことになる。
【0008】
また、特許文献1に開示されたマグネットワイヤ接続装置によると、端子部材20と弾性部材30とをハウジング10に挿入してコイル巻線40に電気的に接続させる際には、コイル巻線40を保持した状態でコイル巻線40と端子部材20とを安定して接触させる必要がある。このため、特許文献1のマグネットワイヤ接続装置においては、ハウジング10にコイル巻線40を挿入して配置した状態で、コイル巻線40の先端部をハウジング10の柱状部11に巻き付けてハウジング10に保持する作業が必要となる。すなわち、特許文献1のマグネットワイヤ接続装置においては、コイル巻線40の先端部を柱状部11に巻き付けて保持させるという煩雑で手間を要する作業が必要となる。よって、マグネットワイヤとしてのコイル巻線40に対してマグネットワイヤ接続装置を電気的に接続する作業の作業性の低下を招くことになる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、マグネットワイヤに対して電気的に接続されるコンタクトの部品点数を削減することができ、マグネットワイヤに対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる、マグネットワイヤ接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係るマグネットワイヤ接続装置は、心線とその周囲のエナメル被覆とを含む電線として構成されたマグネットワイヤに対して電気的に接続されるマグネットワイヤ接続装置に関する。そして、本発明のある局面に係るマグネットワイヤ接続装置は、前記マグネットワイヤに電気的に接続されるコンタクトと、前記コンタクトを保持する第1のハウジングと、を備え、前記コンタクトは、前記エナメル被覆を切り破るスリット刃を有して前記マグネットワイヤに圧接される圧接部と、前記マグネットワイヤが挿通される挿通溝が設けられているとともに前記挿通溝に挿通された前記マグネットワイヤを両側から挟むことで当該マグネットワイヤを保持する保持部と、を有し、前記コンタクトの前記圧接部と前記保持部とは一体に設けられており、前記保持部は、一対で設けられ、前記圧接部にて前記コンタクトに圧接される前記マグネットワイヤが延びる方向において、前記圧接部の両側にそれぞれ配置され、前記第1のハウジングが保持している前記コンタクトに一対の前記保持部で保持された前記マグネットワイヤが、前記挿通溝に沿って摺動しながら一対の前記保持部に対して相対変位させられることで、前記圧接部の前記スリット刃に挿入され、前記スリット刃が前記エナメル被覆を切り破って前記マグネットワイヤに食い込み、前記圧接部が前記マグネットワイヤに圧接されることを特徴とする。
【0011】
この構成によると、第1のハウジングに保持されたコンタクトにおける一対の保持部の挿通溝にマグネットワイヤを挿通させて各保持部でマグネットワイヤを挟み込むことで、マグネットワイヤをコンタクトで保持することができる。さらに、マグネットワイヤをコンタクトで保持した状態のまま、マグネットワイヤを挿通溝に沿って摺動させて一対の保持部に対して相対変位させることで、一対の保持部の間に配置された圧接部のスリット刃にマグネットワイヤを挿入できる。そして、スリット刃にマグネットワイヤを挿入することで、スリット刃でエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤにスリット刃を食い込ませて圧接部をマグネットワイヤに圧接することができる。このため、上記の構成によると、マグネットワイヤを一対の保持部に挿通して保持させ、さらに、マグネットワイヤを一対の保持部に対して摺動させながら相対変位させるだけで、マグネットワイヤ接続装置をマグネットワイヤに対して電気的に接続する作業を容易に行うことができる。したがって、マグネットワイヤ接続装置をマグネットワイヤに対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる。すなわち、特許文献1に開示されたようなハウジングの柱状部にマグネットワイヤを巻き付けて保持させるような煩雑で手間を要する作業は不要であり、マグネットワイヤ接続装置をマグネットワイヤに対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる。
【0012】
また、上記の構成によると、コンタクトにおいて、マグネットワイヤに圧接される圧接部と、圧接部の両側に配置されて圧接の際にマグネットワイヤを保持する一対の保持部とが、一体に設けられている。このため、マグネットワイヤを保持してさらにマグネットワイヤを保持した状態のままマグネットワイヤに圧接されるコンタクトを1つの部品で構成することができる。よって、マグネットワイヤに対して電気的に接続されるコンタクトの部品点数を削減することができる。
【0013】
したがって、上記の構成によると、マグネットワイヤに対して電気的に接続されるコンタクトの部品点数を削減することができ、マグネットワイヤに対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる、マグネットワイヤ接続装置を提供することができる。
【0014】
(2)前記保持部は、片持ち状に延びる一対のアーム部を有し、前記挿通溝は、一対の前記アーム部の間の隙間として形成され、前記保持部は、一対の前記アーム部が前記マグネットワイヤを両側から挟むことで当該マグネットワイヤを保持してもよい。
【0015】
この構成によると、マグネットワイヤが挿通される挿通溝を形成するとともに、両側からマグネットワイヤを挟んで保持する保持部の構造を片持ち状に延びる一対のアーム部を設けた簡素な構造で容易に構成することができる。
【0016】
(3)前記第1のハウジングと嵌合によって接続される第2のハウジングを更に備え、前記第1のハウジングは、当該第1のハウジングが保持している前記コンタクトが一対の前記保持部で前記マグネットワイヤを保持した状態で、前記第2のハウジングに対して嵌合によって接続されるように構成され、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとが嵌合する際に、一対の前記保持部で保持された前記マグネットワイヤが、前記第2のハウジングによって付勢されて前記挿通溝に対して摺動しながら一対の前記保持部に対して相対変位させられることで、前記圧接部の前記スリット刃に挿入され、前記スリット刃が前記エナメル被覆を切り破って前記マグネットワイヤに食い込み、前記圧接部が前記マグネットワイヤに圧接されてもよい。
【0017】
この構成によると、第1のハウジングが保持しているコンタクトが一対の保持部でマグネットワイヤを保持した状態で、第1のハウジングと第2のハウジングとが嵌合される。そして、第1のハウジングと第2のハウジングとを嵌合させることで、第2のハウジングによってマグネットワイヤを付勢し、マグネットワイヤを挿通溝に沿って摺動させて一対の保持部に対して相対変位させ、一対の保持部の間に配置された圧接部のスリット刃にマグネットワイヤを挿入できる。さらに、スリット刃にマグネットワイヤを挿入することで、スリット刃でエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤにスリット刃を食い込ませて圧接部をマグネットワイヤに圧接することができる。よって、上記の構成によると、第1のハウジングに保持されたコンタクトにおける一対の保持部にマグネットワイヤを挿通して保持させ、さらに、第1のハウジングと第2のハウジングとを嵌合することで、マグネットワイヤ接続装置をマグネットワイヤに対して電気的に接続する作業をさらに容易に行うことができる。したがって、マグネットワイヤ接続装置をマグネットワイヤに対して電気的に接続する作業の作業性をさらに向上させることができる。
【0018】
(4)前記第2のハウジングには、当該第2のハウジングと前記第1のハウジングとが嵌合する際に一対の前記保持部で保持された前記マグネットワイヤと当接する当接部が設けられ、前記当接部は、前記第2のハウジングと前記第1のハウジングとが嵌合する際に、一対の前記保持部に保持された前記マグネットワイヤと当接して付勢することで当該マグネットワイヤを一対の前記保持部に対して相対変位させるように構成されていてもよい。
【0019】
この構成によると、第1のハウジングと第2のハウジングとの嵌合時にマグネットワイヤを付勢する構造を、マグネットワイヤに当接する当接部を第2のハウジングに設けた簡素な構造で容易に構成することができる。
【0020】
(5)前記当接部には、前記マグネットワイヤが嵌り込む嵌め込み溝が設けられていてもよい。
【0021】
この構成によると、第1のハウジングと第2のハウジングとの嵌合時にマグネットワイヤに当接して付勢する当接部にマグネットワイヤが嵌り込む嵌め込み溝が設けられるため、マグネットワイヤを安定して支持した状態で付勢することができる。よって、この構成によると、第1のハウジングと第2のハウジングとの嵌合時にマグネットワイヤを当接部で付勢することでマグネットワイヤを一対の保持部に対して相対変位させて圧接部のスリット刃に挿入する動作を正確に安定して行うことができる。
【0022】
(6)前記第1のハウジングおよび前記第2のハウジングは、互いに嵌合した状態において、前記保持部に保持された前記マグネットワイヤの先端部を両側から覆うように構成されていてもよい。
【0023】
この構成によると、第1のハウジングと第2のハウジングとが嵌合した状態では、保持部に保持されたマグネットワイヤの先端部が両側から挟まれるようにして覆われる。このため、第1のハウジングと第2のハウジングとが嵌合し、マグネットワイヤ接続装置をマグネットワイヤに対して接続した状態において、マグネットワイヤの先端部の破断面がマグネット接続装置の外部へ露出することを防止することができる。マグネットワイヤの先端部の破断面の外部への露出を防止できるため、マグネットワイヤの先端部での短絡が発生してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、マグネットワイヤに対して電気的に接続されるコンタクトの部品点数を削減することができ、マグネットワイヤに対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる、マグネットワイヤ接続装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係るマグネットワイヤ接続装置を示す斜視図である。
図2】マグネットワイヤ接続装置の分解斜視図である。
図3】マグネットワイヤ接続装置におけるコンタクトを拡大して示す斜視図である。
図4図4(A)は、マグネットワイヤ接続装置における第1のハウジングを示す斜視図であり、図4(B)は、第1のハウジングにコンタクトが保持された状態を示す斜視図である。
図5】第1のハウジングにコンタクトが保持された状態を示す斜視図である。
図6図6(A)は、コンタクトにマグネットワイヤが保持された状態を模式的に示す斜視図であり、図6(B)は、コンタクトがマグネットワイヤに圧接された状態を模式的に示す斜視図である。
図7】第1のハウジングに保持されたコンタクトにマグネットワイヤが保持された状態を示す斜視図である。
図8図8(A)および図8(B)は、マグネットワイヤ接続装置における第2のハウジングを示す斜視図である。
図9図8(B)に示す第2のハウジングの一部を拡大して示す図である。
図10図10(A)は、マグネットワイヤ接続装置の正面図であって、第1のハウジングと第2のハウジングとが嵌合によって接続された状態を示す図であり、図10(B)は、図10(A)の一部を拡大して示す図である。
図11図11(A)は、マグネットワイヤ接続装置の断面図であって図10(A)のA-A線矢視位置での断面図であり、図11(B)は、図11(A)の一部を拡大して示す図である。
図12】本発明の第2実施形態に係るマグネットワイヤ接続装置を示す斜視図である。
図13】マグネットワイヤ接続装置の分解斜視図である。
図14】マグネットワイヤ接続装置におけるコンタクトを拡大して示す斜視図である。
図15】マグネットワイヤ接続装置における第1のハウジングにコンタクトが保持された状態を示す斜視図である。
図16図16(A)は、コンタクトにマグネットワイヤが保持された状態を模式的に示す斜視図であり、図16(B)は、コンタクトがマグネットワイヤに圧接された状態を模式的に示す斜視図である。
図17】第1のハウジングに保持されたコンタクトにマグネットワイヤが保持された状態を示す斜視図である。
図18】マグネットワイヤ接続装置における第2のハウジングを示す斜視図である。
図19図19(A)は、マグネットワイヤ接続装置の正面図であって、第1のハウジングと第2のハウジングとが嵌合によって接続された状態を示す図であり、図19(B)は、図19(A)の一部を拡大して示す図である。
図20図20(A)は、マグネットワイヤ接続装置の断面図であって、図19(A)のB-B線矢視位置での断面図であり、図20(B)は、図20(A)の一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、心線とその周囲のエナメル被覆とを含む電線として構成されたマグネットワイヤに対して電気的に接続されるマグネットワイヤ接続装置として、種々の用途に広く適用することができるものである。以下、本発明の第1および第2実施形態に係るマグネットワイヤ接続装置について説明する。
【0027】
なお、以下の説明では、説明の便宜上、図面において両端矢印で示すように、マグネットワイヤ接続装置における上下方向、前後方向、および左右方向を定義する。上下方向は、マグネットワイヤ接続装置における後述の第1のハウジングと第2のハウジングとが嵌合によって接続される方向と平行な方向として構成される。また、上下方向は、マグネットワイヤ接続装置の第1のハウジングに後述のコンタクトが挿入される方向と平行な方向も構成している。前後方向および左右方向は、上下方向に垂直な方向として構成され、前後方向と左右方向とは互いに垂直な方向として構成される。なお、前後方向は、マグネットワイヤ接続装置にマグネットワイヤが接続された状態でマグネットワイヤがマグネットワイヤ接続装置から引き出される方向と平行な方向として構成されている。また、左右方向は、マグネットワイヤ接続装置の第1のハウジングに保持された複数のコンタクトが第1のハウジングにおいて並んで配置される方向と平行な方向として構成されている。
【0028】
[第1実施形態]
(マグネットワイヤ接続装置の概略)
図1は、本発明の第1実施形態に係るマグネットワイヤ接続装置1を示す斜視図である。図2は、マグネットワイヤ接続装置1の分解斜視図である。なお、図1においては、マグネットワイヤ接続装置1に複数のマグネットワイヤ100が接続された状態を示している。また、図1では、マグネットワイヤ100については、マグネットワイヤ接続装置1に接続される端部側の部分を図示している。
【0029】
図1および図2を参照して、マグネットワイヤ接続装置1は、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続される接続装置として構成されている。なお、本実施形態では、マグネットワイヤ接続装置1は、複数のマグネットワイヤ100に対して電気的に接続されるように構成されている。マグネットワイヤ100は、電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器(図示省略)の巻線として設けられ、導体としての心線とその周囲の絶縁体としてのエナメル被覆とを含む電線として構成される。マグネットワイヤ100に接続されたマグネットワイヤ接続装置1は、図示が省略された相手側のコネクタに対して接続される。マグネットワイヤ接続装置1が接続される相手側のコネクタは、マグネットワイヤ100が巻線として用いられている電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器が電気的に接続される他の機器(図示省略)に接続されている。マグネットワイヤ接続装置1と相手側のコネクタとが接続されることで、電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器が他の機器と接続される。
【0030】
マグネットワイヤ接続装置1は、複数のコンタクト11と、複数のコンタクト11を保持する第1のハウジング12と、第1のハウジング12と嵌合によって接続される第2のハウジング13とを備えて構成されている。なお、本実施形態では、マグネットワイヤ接続装置1が6つのコンタクト11を備えて構成された形態を例示している。また、各コンタクト11は、導電性を有する金属材料で形成され、第1のハウジング12および第2のハウジング13は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。
【0031】
複数のコンタクト11のそれぞれは、第1のハウジング12に挿入されて保持される。そして、複数のコンタクト11が第1のハウジング12に保持された状態で、複数のマグネットワイヤ100が複数のコンタクト11に対してそれぞれ保持される。第1のハウジング12に保持された各コンタクト11に各マグネットワイヤ100が保持された状態で、第1のハウジング12が第2のハウジング13に嵌合される。マグネットワイヤ接続装置1においては、後述するように、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合により接続されることで、各マグネットワイヤ100に各コンタクト11が圧接されるように構成されている。第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合して接続され、マグネットワイヤ100とコンタクト11とが圧接されることで、マグネットワイヤ100とマグネットワイヤ接続装置1とが電気的に接続される。
【0032】
マグネットワイヤ接続装置1とマグネットワイヤ100とが電気的に接続されると、第1のハウジング12に対して、マグネットワイヤ100が巻線として設けられる電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器(図示省略)に対して接続される他の機器(図示省略)に接続された相手側のコネクタ(図示省略)が嵌合して接続される。第1のハウジング12と相手側のコネクタとが嵌合により接続されることで、マグネットワイヤ接続装置1と相手側のコネクタとが電気的に接続される。これにより、電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器と他の機器とが、マグネットワイヤ接続装置1と相手側のコネクタとを介して接続される。なお、マグネットワイヤ接続装置1における第2のハウジング13は、マグネットワイヤ100が巻線として設けられる電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器のケーシングの一部として、或いはそのケーシングに組み付けられる部材として設けられる。以下、マグネットワイヤ接続装置1の構成の詳細についてさらに説明する。
【0033】
(コンタクト)
図3は、マグネットワイヤ接続装置1におけるコンタクト11を拡大して示す斜視図である。図4(A)は、マグネットワイヤ接続装置1における第1のハウジング12を示す斜視図であり、図4(B)は、第1のハウジング12にコンタクト11が保持された状態を示す斜視図である。図5は、第1のハウジング12にコンタクト11が保持された状態を示す斜視図である。図6(A)は、コンタクト11にマグネットワイヤ100が保持された状態を模式的に示す斜視図であり、図6(B)は、コンタクト11がマグネットワイヤ100に圧接された状態を模式的に示す斜視図である。なお、図3では、1つのコンタクト11のみを拡大して示している。また、第1のハウジング12にコンタクト11が保持された状態を示す斜視図である図4(B)および図5に関して、図4(B)は、斜め上方から見た状態での斜視図を示しており、図5は、斜め下方から見た状態での斜視図を示している。
【0034】
図1乃至図6を参照して、コンタクト11は、導電性を有する銅などの金属材料で形成され、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続される端子部材として設けられている。コンタクト11は、第1のハウジング12に挿入されて保持された状態で、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続されるように構成されている。また、コンタクト11は、マグネットワイヤ接続装置1が相手側のコネクタと接続される際に相手側のコネクタに備えられる相手側のコンタクト(図示省略)に対しても電気的に接続されるように構成されている。
【0035】
図1乃至図6を参照して、コンタクト11は、本体部14と、相手側接続部15と、複数の圧接部16と、一対の保持部17とを備えて構成されている。本体部14と相手側接続部15と複数の圧接部16と一対の保持部17とは一体に設けられている。一体に形成されるコンタクト11は、例えば、平坦な金属板が打ち抜き加工されることで切り出されたコンタクト11の素材が折り曲げ加工されることで形成される。
【0036】
図3および図6を参照して、本体部14は、コンタクト11において前後方向の中央で上下方向に沿って柱状に延びる中央構造部分として設けられている。上下方向に沿って柱状に延びる本体部14における上端側の部分は、角筒状に形成されており、第1のハウジング12に対して下方から挿入されるように構成されている。なお、コンタクト11は、本体部14の上端側の角筒状の部分から第1のハウジング12における後述の保持穴19aに対して下方から挿入され、本体部14の下端側の部分まで保持穴19aに圧入されることで、第1のハウジング12に保持されるように構成されている(図4および図5を参照)。
【0037】
また、本体部14における角筒状の部分の上端部は、相手側接続部15として構成されている。相手側接続部15は、コンタクト11において、マグネットワイヤ接続装置1が相手側のコネクタと接続される際に相手側のコネクタに備えられる相手側のコンタクトに対して接触して電気的に接続される電気接点部分として構成されている。相手側接続部15は、例えば、オス型の電気接点部分として設けられ、相手側のコンタクトにおけるメス型の電気接点部分に対して嵌合して電気的に接続されるように構成されている。
【0038】
図3および図6を参照して、コンタクト11における複数の圧接部16のそれぞれは、マグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破るスリット刃16aを有してマグネットワイヤ100に圧接される部分として設けられている。なお、本実施形態のコンタクト11では、複数の圧接部16として4つの圧接部16が設けられている。4つの圧接部16は、前後方向に沿って直列に並んで設けられている。そして、4つの圧接部16は、いずれも本体部14に対して一体に設けられている。なお、前後方向に並ぶ4つの圧接部16のうちの前後方向における中央側の2つの圧接部16のそれぞれは、本体部14の下端部において本体部14に一体に設けられている。また、前後方向に並ぶ4つの圧接部16のうちの前後方向における両端側の2つの圧接部16のそれぞれは、本体部14の下端部側の部分に対して連結部14aを介して一体に連結されている。なお、連結部14aは、一対で設けられ、本体部14の下端側の部分から前後方向の両側にそれぞれ屈曲して延びる細長い板状に設けられている。そして、一対の連結部14aのそれぞれに対して、前後方向に並ぶ4つの圧接部16のうちの前後方向における両端側の2つの圧接部16のそれぞれが連結されている。なお、連結部14aは、コンタクト11が第1のハウジング12に対して保持穴19aにて挿入されて保持される際に第1のハウジング12に圧入される部分としても構成されている。連結部14aには、第1のハウジング12の保持穴19aに挿入される際に保持穴19aの内壁に対して圧入される圧入爪14bが設けられている。
【0039】
4つの圧接部16のそれぞれは、マグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破るスリット刃16aを有している。各圧接部16のスリット刃16aは、隙間を介して略平行に上下方向に沿って延びる一対の刃部を有している。各圧接部16のスリット刃16aにおける一対の刃部の間の隙間として形成されて上下方向に延びるスリットには、マグネットワイヤ100が前後方向に沿って延びた状態で挿通される。なお、各圧接部16のスリット刃16aのスリットは、下端側が外部に対して開放されるように構成されている。マグネットワイヤ100は、スリット刃16aのスリットに対して、下端側の開放された領域から挿入されることで挿通される。そして、各圧接部16のスリット刃16aは、その一対の刃部によって、一対の刃部の間のスリットに挿通されたマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破り、マグネットワイヤ100の心線に食い込むことで、マグネットワイヤ100に圧接されるように構成されている。圧接部16のスリット刃16aがマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト11が、マグネットワイヤ100に対して電気的および機械的に接続される。
【0040】
図3図5および図6を参照して、コンタクト11における保持部17は、マグネットワイヤ100が挿通される挿通溝17aが設けられているとともに、挿通溝17aに挿通されたマグネットワイヤ100を両側から挟むことでマグネットワイヤ100を保持する部分として設けられている。コンタクト11において、保持部17は、一対で設けられている。そして、一対の保持部17は、複数の圧接部16にてコンタクト11に圧接されるマグネットワイヤ100が延びる方向である前後方向において、複数の圧接部16の両側にそれぞれ配置されている。より具体的には、コンタクト11においては、一対の保持部17と4つの圧接部16とが前後方向に沿って並んで配置されている。そして、一対の保持部17のうちの一方が、複数の圧接部16に対して、前後方向における一方側である前方側に配置されている。そして、一対の保持部17のうちの他方が、複数の圧接部16に対して、前後方向における他方側である後方側に配置されている。
【0041】
また、一対の保持部17のそれぞれには、前後方向に沿って延びるマグネットワイヤ100が挿通される挿通溝17aが設けられている。本実施形態では、挿通溝17aは、保持部17において、上下方向に沿って貫通して延びるスリット状の溝として設けられている。また、一対の保持部17のそれぞれは、片持ち状に延びる一対のアーム部17bを有している。各保持部17における一対のアーム部17bのそれぞれは、上下方向に沿って平行に延びるように設けられている。そして、各保持部17における挿通溝17aは、上下方向に沿って平行に延びる一対のアーム部17bの間の隙間として形成されている。各保持部17は、挿通溝17aに挿通されたマグネットワイヤ100を一対のアーム部17bが左右方向の両側から挟むことでマグネットワイヤ100を保持するように構成されている。なお、一対のアーム部17bは、挿通溝17aにマグネットワイヤ100が挿通された状態で僅かに弾性変形して撓むことで、マグネットワイヤ100を弾性力によって左右方向の両側から把持して保持することができるように構成されている。
【0042】
また、保持部17における挿通溝17aは、圧接部16のスリット刃16aのスリットに対して、前後方向から見て少なくとも一部が重なって配置された状態で上下方向に沿って平行に延びるように設けられている。なお、本実施形態では、挿通溝17aは、前後方向から見てスリット刃16aのスリットの全長に亘って重なって配置された状態で上下方向に沿ってスリット刃16aのスリットと平行に延びるように設けられている。また、本実施形態では、挿通溝17aは、挿通溝17aの上下方向の長さが、圧接部16のスリット刃16aのスリットの上下方向の長さよりも長く延びるように設けられている。保持部17における挿通溝17aの下端側の部分は、圧接部16におけるスリット刃16aのスリットの下端側の部分よりも下方に長く突出して延びるように設けられている。そして、コンタクト11は、一対の保持部17の挿通溝17aに挿通されて一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100を、圧接部16のスリット刃16aに挿通されておらずスリット刃16aから外れた状態で、一対の保持部17によって保持できるように構成されている(図6(A)を参照)。さらに、コンタクト11は、一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100を挿通溝17aに沿って上方に摺動させながら圧接部16のスリット刃16aに対応する位置まで相対変位させることで、一対の保持部17によって保持されたマグネットワイヤ100を圧接部16のスリット刃16aに挿入させることができるように構成されている(図6(B)を参照)。
【0043】
また、保持部17における一対のアーム部17bのそれぞれは、結合部17cによって圧接部16に一体に結合されている。なお、保持部17における一対のアーム部17bのそれぞれを圧接部16に一体に結合する結合部17cは、一対で設けられている。一対の結合部17cのそれぞれは、圧接部16の上端側の部分から前後方向に沿って屈曲して延びる細長い板状に設けられている。一対の結合部17cのうちの一方が、保持部17の一対のアーム部17bのうちの一方の上端部と圧接部16の上端側の部分とを結合している。そして、一対の結合部17cのうちの他方が、保持部17の一対のアーム部17bのうちの他方の上端部と圧接部16の上端側の部分とを結合している。このため、コンタクト11においては、圧接部16と保持部17とが一体に設けられている。
【0044】
コンタクト11は、図4(B)および図5に示すように、第1のハウジング12の保持穴19aに挿入されて第1のハウジング12に保持される。そして、第1のハウジング12にコンタクト11が保持された状態で、コンタクト11がマグネットワイヤ100に対して圧接される。マグネットワイヤ100にコンタクト11が圧接される際には、図6(A)を参照して、まず、第1のハウジング12に保持された状態のコンタクト11の一対の保持部17に対してマグネットワイヤ100が保持される。なお、図6(A)では、第1のハウジング12に保持されてマグネットワイヤ100を保持するコンタクト11について、第1のハウジング12の図示を省略した状態で模式的に示している。第1のハウジング12に保持されたコンタクト11にマグネットワイヤ100が保持される際には、マグネットワイヤ100は、各保持部17の挿通溝17aに挿通される。マグネットワイヤ100が挿通溝17aに挿通されると、保持部17の一対のアーム部17bが弾性変形してマグネットワイヤ100を左右方向の両側から挟み込む。保持部17の一対のアーム部17bがマグネットワイヤ100を両側から挟むことで、マグネットワイヤ100が保持部17によって保持される。また、マグネットワイヤ100は、一対の保持部17によって2か所で保持されている。なお、この状態では、一対の保持部17の挿通溝17aに挿通されて一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100は、圧接部16のスリット刃16aに挿通されておらずスリット刃16aから外れた状態で、一対の保持部17によって保持されている。
【0045】
マグネットワイヤ100がコンタクト11に対して一対の保持部17で保持された状態となると、次いで、コンタクト11の圧接部16がマグネットワイヤ100に対して圧接される動作が行われる。圧接部16とマグネットワイヤ100との圧接の際には、図6(B)を参照して、第1のハウジング12が保持しているコンタクト11に一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100が、各保持部17の挿通溝17aに沿って上方に摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられる。なお、図6(B)では、第1のハウジング12に保持されてマグネットワイヤ100に圧接されるコンタクト11について、第1のハウジング12の図示を省略した状態で模式的に示している。マグネットワイヤ100が、各保持部17の挿通溝17aに沿って上方に摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられることで、複数の圧接部16のスリット刃16aにそれぞれ挿入される。そして、保持部17に対して上方に摺動して圧接部16のスリット刃16aにマグネットワイヤ100が挿入されることで、スリット刃16aがマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100の心線に食い込み、圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接される。圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト11がマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される。なお、マグネットワイヤ100が、各保持部17の挿通溝17aに沿って上方に摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられる動作については、後述するように、コンタクト11を保持した第1のハウジング12が第2のハウジング13に嵌合する動作に伴って行われる。
【0046】
(第1のハウジング)
図1図2図4および図5を参照して、第1のハウジング12は、絶縁性を有する樹脂材料で形成され、複数のコンタクト11を保持するハウジング部材として設けられている。そして、第1のハウジング12は、第1のハウジング12が保持しているコンタクト11が一対の保持部17でマグネットワイヤ100を保持した状態で、第2のハウジング13に対して嵌合によって接続されるように構成されている。
【0047】
第1のハウジング12は、外形が略長方形の断面形状で上下方向に沿って筒状に延びる筒状本体部18と、筒状本体部18の下端部を塞ぐように設けられる底部19とを備えた基本形状を有して構成されている。第1のハウジング12は、第2のハウジング13と嵌合によって接続される際には、底部19が設けられた下端部側から第2のハウジング13に対して嵌合するように構成されている。
【0048】
第1のハウジング12の底部19には、複数のコンタクト11のそれぞれが挿入されて保持される複数の保持穴19aが設けられている。保持穴19aは、底部19を上下に貫通する穴として設けられている。コンタクト11が保持穴19aに挿入される際には、コンタクト11は、本体部14の上端側の角筒状の部分から保持穴19aに対して下方から挿入される。そして、コンタクト11は、本体部14の下端側の部分まで保持穴19aに圧入されることで、第1のハウジング12に保持される。
【0049】
なお、底部19を貫通する保持穴19aにおける上端側の領域は、コンタクト11の本体部14の上端側の角筒状の部分に対応する形状の領域として形成されている。そして、保持穴19aにおける下端側の領域は、コンタクト11の本体部14の下端側の部分と連結部14aとに対応する形状の領域として形成されている。また、保持穴19aにおける下端側の領域を区画する内壁は、コンタクト11が保持穴19aに挿入される際に、コンタクト11の連結部14aに設けられた圧入爪14bが圧入されるように構成されている。コンタクト11の連結部14aの圧入爪14bが保持穴19aに圧入されることで、保持穴19aに挿入されたコンタクト11が第1のハウジング12に強固に保持されることになる。なお、保持穴19aに挿入されて保持されたコンタクト11は、複数の圧接部16と一対の保持部17とが第1のハウジング12の底部19から下方に突出して露出した状態で、第1のハウジング12に保持される。
【0050】
第1のハウジング12の筒状本体部18には、左右方向の両側において、係合突起18bが設けられている。第1のハウジング12が第2のハウジング13に対して嵌合して接続される際には、筒状本体部18の左右方向の両側に設けられた係合突起18bが第2のハウジング13の内壁と係合することで、第1のハウジング12と第2のハウジング13とがロックされる。これにより、第1のハウジング12が第2のハウジング13に嵌合した状態で第2のハウジング13から第1のハウジング12が抜けてしまうことが防止されるように構成されている。
【0051】
また、第1のハウジング12は、マグネットワイヤ100が巻線として設けられる電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器(図示省略)に対して接続される他の機器(図示省略)に接続された相手側のコネクタ(図示省略)が嵌合して接続されるように構成されている。第1のハウジング12の筒状本体部18には、その上端部において上方に開口する開口18aが設けられている。第1のハウジング12に相手側のコネクタが嵌合して接続する際には、開口18aに対して相手側のコネクタが挿入されて嵌合する。なお、筒状本体部18における開口18aの内側では、コンタクト11の相手側接続部15が上方に突出して延びた状態で露出している。そして、第1のハウジング12と相手側のコネクタとが嵌合して接続すると、筒状本体部18の開口18aに挿入された相手側のコネクタにおける相手側のコンタクトが、開口18a内で露出したコンタクト11の相手側接続部15と接触して電気的に接続される。
【0052】
図7は、第1のハウジング12に保持されたコンタクト11にマグネットワイヤ100が保持された状態を示す斜視図である。図4(B)、図5および図7を参照して、第1のハウジング12には、複数のコンタクト11がそれぞれ挿入されて保持される。複数のコンタクト11は、第1のハウジング12における複数の保持穴19aにそれぞれ挿入されて保持され、第1のハウジング12において、左右方向に沿って並んだ状態で保持される。そして、第1のハウジング12に保持された複数のコンタクト11は、複数の圧接部16と一対の保持部17とが第1のハウジング12の底部19から下方に突出して露出した状態で、第1のハウジング12に保持される(図5を参照)。このように第1のハウジング12に複数のコンタクト11が保持された状態で、複数のマグネットワイヤ100が複数のコンタクト11にそれぞれ保持される(図6(A)を参照)。各マグネットワイヤ100は、第1のハウジング12の下方で露出した一対の保持部17の挿通溝17aに挿通されて保持されることで、各コンタクト11に保持される。第1のハウジング12に保持された各コンタクト11に保持された各マグネットワイヤ100は、前後方向に沿って延びた状態で各コンタクト11に保持される。なお、各コンタクト11に保持された各マグネットワイヤ100は、各マグネットワイヤ100の前方の先端部100aが、第1のハウジング12の上方から見た状態で底部19に覆われて隠れて見えない位置に位置するように、配置される。すなわち、各コンタクト11に保持された各マグネットワイヤ100は、その前方の先端部100aが、第1のハウジング12の下方から見た状態で底部19の内側に重なって配置される位置に位置するように、配置される。
【0053】
(第2のハウジング)
図8(A)および図8(B)は、マグネットワイヤ接続装置1における第2のハウジング13を示す斜視図である。図9は、図8(B)に示す第2のハウジング13の一部を拡大して示す図である。図1図2図8および図9を参照して、第2のハウジング13は、絶縁性を有する樹脂材料で形成され、第1のハウジング12と嵌合によって接続されるハウジング部材として設けられている。また、第2のハウジング13は、マグネットワイヤ100をそれぞれ保持した複数のコンタクト11を保持した第1のハウジング12が嵌合して接続されるように構成されている。
【0054】
第2のハウジング13は、本体部20と一対の嵌合枠部(21a、21b)とを備えて構成されている。本体部20は、本実施形態では、略直方体状に設けられ、第2のハウジング13に嵌合する第1のハウジング12の下端部と当接して第1のハウジング12を支持するように構成されている。
【0055】
一対の嵌合枠部(21a、21b)は、本体部20の上端側に設けられ、第2のハウジング13に第1のハウジング12が嵌合する際の嵌合間口を構成する一対の枠状の壁部として設けられている。一対の嵌合枠部(21a、21b)のそれぞれは、本体部20の上端側において左右方向の両側にそれぞれ設けられ、上方に向かって延びる壁部として設けられている。具体的には、嵌合枠部21aは、本体部20の上端側において左側の端部側に設けられ、上方に向かって延びる壁部として設けられている。嵌合枠部21bは、本体部20の上端側において右側の端部側に設けられ、上方に向かって延びる壁部として設けられている。嵌合枠部21aおよび嵌合枠部21bは、いずれも、左右方向における中央側から左右方向の外側に凹むように屈曲して形成された状態で、上方に向かって延びるように設けられている。嵌合枠部21aと嵌合枠部21bとの間の領域が、第2のハウジング13に第1のハウジング12が嵌合する際の嵌合間口を区画している。なお、本実施形態では、嵌合枠部21aと嵌合枠部21bとが本体部20の上端側から個別に延びる壁部として設けられているが、この通りでなくてもよい。嵌合枠部21aと嵌合枠部21bとが一体に設けられ、一体の嵌合枠部(21a、21b)が本体部20から上方に向かって枠状に或いは筒状に延びるように設けられていてもよい。
【0056】
第1のハウジング12が第2のハウジング13に嵌合する際には、嵌合枠部21aと嵌合枠部21bとの間の領域の嵌合間口に対して第1のハウジング12が挿入される。嵌合枠部21aと嵌合枠部21bとの間の嵌合間口に第1のハウジング12が挿入されることで、図1に示すように、第1のハウジング12が第2のハウジング13に嵌合して接続される。なお、嵌合枠部21aおよび嵌合枠部21bのそれぞれには、係合穴22が設けられている。第1のハウジング12が一対の嵌合枠部(21a、21b)の間に挿入されて第2のハウジング13に嵌合した際には、第1のハウジング12の筒状本体部18に設けられた係合突起18bが一対の嵌合枠部(21a、21b)の係合穴22に係合する。これにより、第1のハウジング12が第2のハウジング13に嵌合した状態で第2のハウジング13から第1のハウジング12が抜けてしまうことが防止されるように構成されている。
【0057】
図10(A)は、マグネットワイヤ接続装置1の正面図であって、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合によって接続された状態を示す図であり、図10(B)は、図10(A)の一部を拡大して示す図である。なお、図10(B)は、図10(A)において破線で囲まれたX部を拡大して示す図である。図11(A)は、マグネットワイヤ接続装置1の断面図であって図10(A)のA-A線矢視位置での断面図であり、図11(B)は、図11(A)の一部を拡大して示す図である。図8乃至図11を参照して、第2のハウジング13の本体部20の上端面には、第1のハウジング12に保持されたコンタクト11の保持部17および圧接部16の下端側の部分がそれぞれ挿入される保持部挿入溝23および圧接部挿入溝24と、コンタクト11に保持されたマグネットワイヤ100と当接する当接部25とが設けられている。
【0058】
図8図9および図11を参照して、保持部挿入溝23は、第1のハウジング12が第2のハウジング13に嵌合する際に第1のハウジング12に保持された複数のコンタクト11の保持部17の下端側の先端側の部分が挿入される溝として設けられている。保持部挿入溝23は、本体部20の上端面において、左右方向に沿って延びる溝として構成され、コンタクト11における一対の保持部17に対応して一対で設けられている。一対の保持部挿入溝23のうちの一方は、本体部20の上端面における前後方向のうちの一方において左右方向に延びる溝として設けられ、一対の保持部17のうちの一方の下端側の先端側の部分が挿入されるように構成されている。一対の保持部挿入溝23のうちの他方は、本体部20の上端面における前後方向のうちの他方において左右方向に延びる溝として設けられ、一対の保持部17のうちの他方の下端側の先端側の部分が挿入されるように構成されている。なお、保持部挿入溝23は、本体部20の上端面において、第1のハウジング12において左右方向に沿って並んで保持された複数のコンタクト11の保持部17の全てに対応するように、左右方向に亘って長く延びて設けられている。そして、保持部挿入溝23は、第1のハウジング12に保持された複数のコンタクト11の保持部17の全てが挿入されるように構成されている。
【0059】
図8図9および図11を参照して、圧接部挿入溝24は、第1のハウジング12が第2のハウジング13に嵌合する際に第1のハウジング12に保持された複数のコンタクト11の圧接部16の下端側の先端側の部分が挿入される溝として設けられている。圧接部挿入溝24は、本体部20の上端面において、左右方向に沿って延びる溝として構成され、コンタクト11における4つの圧接部16に対応して4つ設けられている。4つの圧接部挿入溝24のそれぞれは、本体部20の上端面において左右方向に沿って互いに平行に延びる溝として設けられ、コンタクト11における4つの圧接部16のそれぞれの下端側の先端側の部分が挿入されるように構成されている。なお、圧接部挿入溝24は、本体部20の上面において、第1のハウジング12において左右方向に沿って並んで保持された複数のコンタクト11の圧接部16の全てに対応するように、左右方向に亘って長く延びて設けられている。そして、圧接部挿入溝24は、第1のハウジング12に保持された複数のコンタクト11の圧接部16の全てが挿入されるように構成されている。
【0060】
図8乃至図11を参照して、当接部25は、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合する際に一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100と当接する部分として設けられている。当接部25は、本体部20の上端面において設けられている。そして、当接部25は、一対の保持部17で保持されて前後方向に沿って延びるマグネットワイヤ100に対応して、本体部20の上端面において前後方向に亘って複数並んで設けられている。当接部25は、本体部20の上端面において、保持部挿入溝23と圧接部挿入溝24との間と、隣り合う圧接部挿入溝24同士の間とにそれぞれ設けられている。このため、本実施形態では、当接部25は、本体部20の上端面において、前後方向に亘って5つ並んで設けられている。
【0061】
また、当接部25は、本体部20の上端面において、第1のハウジング12において左右方向に沿って並んで保持された複数のコンタクト11における一対の保持部17で保持された複数のマグネットワイヤ100の全てに対応するように、左右方向においても複数並んで設けられている。このため、本体部20の上端面において、前後方向に沿って5つ並んで設けられた当接部25の列が、左右方向に沿って複数列に並んで設けられている。なお、本実施形態では、前後方向に沿って5つ並んで設けられた当接部25の列は、第1のハウジング12において左右方向に沿って並んで保持された6つのコンタクト11における一対の保持部17で保持された6本のマグネットワイヤ100の全てに対応するように、左右方向に沿って6列に並んで設けられている。
【0062】
また、当接部25は、第1および第2のハウジング(12、13)が嵌合する際に第1のハウジング12に保持されたコンタクト11の一対の保持部17に保持されたマグネットワイヤ100が嵌り込んで当接し易い形状に形成されている。具体的には、当接部25は、本体部20の上端面において、第1のハウジング12に保持されたコンタクト11に保持されたマグネットワイヤ100が誘い込まれて当接し易いように、テーパ状に凹む形状に形成されている。また、当接部25には、マグネットワイヤ100が嵌り込む嵌め込み溝25aが設けられている。嵌め込み溝25aは、マグネットワイヤ100の径寸法に対応した幅寸法の溝として設けられ、当接部25において、前後方向に沿って延びる溝として設けられている。嵌め込み溝25aは、テーパ状に凹む形状の当接部25における底部に設けられている。
【0063】
また、当接部25は、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合する際に、コンタクト11の一対の保持部17に保持されたマグネットワイヤ100と当接してマグネットワイヤ100を付勢するように構成されている。そして、当接部25は、第1および第2のハウジング(12、13)の嵌合の際に一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100と当接してマグネットワイヤ100を付勢することで、マグネットワイヤ100を保持部17の挿通溝17aに沿って摺動させて一対の保持部17に対して上下方向に沿って相対変位させるように構成されている。マグネットワイヤ100が、当接部25と当接して付勢され、コンタクト11の保持部17の挿通溝17aに沿って上方に摺動して一対の保持部17に対して相対変位させられると、マグネットワイヤ100は、コンタクト11の4つの圧接部16のスリット刃16aのそれぞれに挿入される。そして、保持部17に対して上方に摺動して圧接部16のスリット刃16aにマグネットワイヤ100が挿入されることで、スリット刃16aがマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100の心線に食い込み、圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接される(図6(B)および図11を参照)。圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト11がマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される。
【0064】
上記のように、マグネットワイヤ接続装置1は、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合する際に、コンタクト11の一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100が、第2のハウジング13の当接部25によって付勢されるように構成されている。そして、マグネットワイヤ接続装置1は、マグネットワイヤ100が当接部25で付勢されることで、マグネットワイヤ100が保持部17の挿通溝17aに対して摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられるように構成されている。さらに、マグネットワイヤ接続装置1は、マグネットワイヤ100がコンタクト11の一対の保持部17に対して相対変位させられることで、マグネットワイヤ100がコンタクト11の4つの圧接部16のスリット刃16aに挿入されるように構成されている。そして、マグネットワイヤ接続装置1は、マグネットワイヤ100がスリット刃16aに挿入されることで、スリット刃16aがマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100の心線に食い込み、コンタクト11の圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されるように構成されている。圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト11がマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される。
【0065】
また、図11を参照して、第1のハウジング12および第2のハウジング13は、互いに嵌合した状態では、コンタクト11の保持部17に保持されるとともに圧接部16に圧接されたマグネットワイヤ100の前方の先端部100aを上下方向における両側から挟むようにして覆うように構成されている。すなわち、第1および第2のハウジング(12、13)が嵌合した状態では、マグネットワイヤ100の前方の先端部100aは、前後方向において第1および第2のハウジング(12、13)の内側に配置され、外部に露出せずに第1および第2のハウジング(12、13)の内側に収納された状態となる。このように、マグネットワイヤ接続装置1においては、第1のハウジング12および第2のハウジング13は、互いに嵌合した状態において、コンタクト11の保持部17に保持されたマグネットワイヤ100の先端部100aを両側から挟むようにして覆うように構成されている。
【0066】
(マグネットワイヤとマグネットワイヤ接続装置との接続動作)
次に、上述したマグネットワイヤ接続装置1とマグネットワイヤ100とが接続される際における接続動作について説明する。
【0067】
マグネットワイヤ100とマグネットワイヤ接続装置1とが接続される際には、図4(B)および図5に示すように、まず、複数のコンタクト11のそれぞれが、第1のハウジング12の複数の保持穴19aにそれぞれ挿入されて第1のハウジング12に保持される。そして、図6(A)および図7に示すように、第1のハウジング12に保持された状態の複数のコンタクト11のそれぞれの一対の保持部17に対してマグネットワイヤ100が保持される。第1のハウジング12に保持されたコンタクト11にマグネットワイヤ100が保持される際には、マグネットワイヤ100は、コンタクト11の一対の保持部17の各挿通溝17aに挿通される。マグネットワイヤ100が各保持部17の挿通溝17aに挿通されると、各保持部17の一対のアーム部17bが弾性変形してマグネットワイヤ100を左右方向の両側から挟み込む。各保持部17の一対のアーム部17bがマグネットワイヤ100を両側から挟むことで、マグネットワイヤ100が各保持部17によって保持される。これにより、マグネットワイヤ100が、第1のハウジング12に保持されたコンタクト11に一対の保持部17で保持された状態となる。なお、この状態では、マグネットワイヤ100は、圧接部16のスリット刃16aから外れた状態で、一対の保持部17によって保持されている。
【0068】
マグネットワイヤ100がコンタクト11に対して一対の保持部17で保持されると、次いで、第1のハウジング12と第2のハウジング13との嵌合動作が行われる。すなわち、第1のハウジング12に保持されたコンタクト11がマグネットワイヤ100を保持した状態で、第1のハウジング12と第2のハウジング13との嵌合動作が行われる。第1および第2のハウジング(12、13)の嵌合動作の際には、第1のハウジング12が、第2のハウジング13における一対の嵌合枠部(21a、21b)の間の嵌合間口に挿入される。第1のハウジング12が一対の嵌合枠部(21a、21b)の間の嵌合間口に挿入されることで、図1図10および図11に示すように、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合される。
【0069】
図10および図11を参照して、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合する際には、コンタクト11の一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100が、第2のハウジング13の当接部25と当接して付勢される。また、このとき、当接部25がマグネットワイヤ100と当接するとともに、コンタクト11の各保持部17は第2のハウジング13の各保持部挿入溝23に挿入され、コンタクト11の各圧接部16は第2のハウジング13の各圧接部挿入溝24に挿入される。
【0070】
第1および第2のハウジング(12、13)の嵌合の際に、マグネットワイヤ100が当接部25と当接して当接部25によって付勢されると、マグネットワイヤ100は、保持部17の挿通溝17aに対して摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられる。さらに、マグネットワイヤ100がコンタクト11の一対の保持部17に対して相対変位させられることで、マグネットワイヤ100は、コンタクト11の4つの圧接部16のスリット刃16aに挿入される。そして、マグネットワイヤ100がスリット刃16aに挿入されることで、スリット刃16aがマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100の心線に食い込み、コンタクト11の圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接される。圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト11がマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される。これにより、マグネットワイヤ100とマグネットワイヤ接続装置1との接続動作が完了することになる。
【0071】
(第1実施形態の作用および効果)
第1実施形態のマグネットワイヤ接続装置1によると、第1のハウジング12に保持されたコンタクト11における一対の保持部17の挿通溝17aにマグネットワイヤ100を挿通させて各保持部17でマグネットワイヤ100を挟み込むことで、マグネットワイヤ100をコンタクト11で保持することができる。さらに、マグネットワイヤ100をコンタクト11で保持した状態のまま、マグネットワイヤ100を挿通溝17aに沿って摺動させて一対の保持部17に対して相対変位させることで、一対の保持部17の間に配置された圧接部16のスリット刃16aにマグネットワイヤ100を挿入できる。そして、スリット刃16aにマグネットワイヤ100を挿入することで、スリット刃16aでエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100にスリット刃16aを食い込ませて圧接部16をマグネットワイヤ100に圧接することができる。このため、第1実施形態によると、マグネットワイヤ100を一対の保持部17に挿通して保持させ、さらに、マグネットワイヤ100を一対の保持部17に対して摺動させながら相対変位させるだけで、マグネットワイヤ接続装置1をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業を容易に行うことができる。したがって、マグネットワイヤ接続装置1をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる。すなわち、特許文献1に開示されたようなハウジングの柱状部にマグネットワイヤ100を巻き付けて保持させるような煩雑で手間を要する作業は不要であり、マグネットワイヤ接続装置1をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる。
【0072】
また、マグネットワイヤ接続装置1によると、コンタクト11において、マグネットワイヤ100に圧接される圧接部16と、圧接部16の両側に配置されて圧接の際にマグネットワイヤ100を保持する一対の保持部17とが、一体に設けられている。このため、マグネットワイヤ100を保持してさらにマグネットワイヤ100を保持した状態のままマグネットワイヤ100に圧接されるコンタクト11を1つの部品で構成することができる。よって、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続されるコンタクト11の部品点数を削減することができる。
【0073】
したがって、第1実施形態によると、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続されるコンタクト11の部品点数を削減することができ、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる、マグネットワイヤ接続装置1を提供することができる。
【0074】
また、マグネットワイヤ接続装置1によると、マグネットワイヤ100が挿通される挿通溝17aを形成するとともに、両側からマグネットワイヤ100を挟んで保持する保持部17の構造を片持ち状に延びる一対のアーム部17bを設けた簡素な構造で容易に構成することができる。
【0075】
また、マグネットワイヤ接続装置1によると、第1のハウジング12が保持しているコンタクト11が一対の保持部17でマグネットワイヤ100を保持した状態で、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合される。そして、第1のハウジング12と第2のハウジング13とを嵌合させることで、第2のハウジング13によってマグネットワイヤ100を付勢し、マグネットワイヤ100を挿通溝17aに沿って摺動させて一対の保持部17に対して相対変位させ、一対の保持部17の間に配置された圧接部16のスリット刃16aにマグネットワイヤ100を挿入できる。さらに、スリット刃16aにマグネットワイヤ100を挿入することで、スリット刃16aでエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100にスリット刃16aを食い込ませて圧接部16をマグネットワイヤ100に圧接することができる。よって、第1実施形態によると、第1のハウジング12に保持されたコンタクト11における一対の保持部17にマグネットワイヤ100を挿通して保持させ、さらに、第1のハウジング12と第2のハウジング13とを嵌合することで、マグネットワイヤ接続装置1をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業をさらに容易に行うことができる。したがって、マグネットワイヤ接続装置1をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業の作業性をさらに向上させることができる。
【0076】
また、マグネットワイヤ接続装置1によると、第1のハウジング12と第2のハウジング13との嵌合時にマグネットワイヤ100を付勢する構造を、マグネットワイヤ100に当接する当接部25を第2のハウジング13に設けた簡素な構造で容易に構成することができる。
【0077】
また、マグネットワイヤ接続装置1によると、第1のハウジング12と第2のハウジング13との嵌合時にマグネットワイヤ100に当接して付勢する当接部25にマグネットワイヤ100が嵌り込む嵌め込み溝25aが設けられるため、マグネットワイヤ100を安定して支持した状態で付勢することができる。よって、マグネットワイヤ接続装置1によると、第1のハウジング12と第2のハウジング13との嵌合時にマグネットワイヤ100を当接部25で付勢することでマグネットワイヤ100を一対の保持部17に対して相対変位させて圧接部16のスリット刃16aに挿入する動作を正確に安定して行うことができる。
【0078】
また、マグネットワイヤ接続装置1によると、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合した状態では、保持部17に保持されたマグネットワイヤ100の先端部100aが両側から挟まれるようにして覆われる。このため、第1のハウジング12と第2のハウジング13とが嵌合し、マグネットワイヤ接続装置1をマグネットワイヤ100に対して接続した状態において、マグネットワイヤ100の先端部100aの破断面がマグネット接続装置1の外部へ露出することを防止することができる。マグネットワイヤ100の先端部100aの破断面の外部への露出を防止できるため、マグネットワイヤ100の先端部100aでの短絡が発生してしまうことを防止することができる。
【0079】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るマグネットワイヤ接続装置2について説明する。なお、以下の第2実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と同様の構成あるいは対応する構成については、図面において同一の符号を付して説明している。
【0080】
(マグネットワイヤ接続装置の概略)
図12は、本発明の第2実施形態に係るマグネットワイヤ接続装置2を示す斜視図である。図13は、マグネットワイヤ接続装置2の分解斜視図である。なお、図12においては、マグネットワイヤ接続装置2に複数のマグネットワイヤ100が接続された状態を示している。また、図13では、マグネットワイヤ100については、マグネットワイヤ接続装置2に接続される端部側の部分を図示している。
【0081】
図12および図13を参照して、マグネットワイヤ接続装置2は、複数のマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される接続装置として構成されている。マグネットワイヤ100は、電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器(図示省略)の巻線として設けられ、導体としての心線とその周囲の絶縁体としてのエナメル被覆とを含む電線として構成される。マグネットワイヤ100に接続されたマグネットワイヤ接続装置2は、図示が省略された相手側のコネクタに対して接続される。マグネットワイヤ接続装置2が接続される相手側のコネクタは、マグネットワイヤ100が巻線として用いられている電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器が電気的に接続される他の機器(図示省略)に接続されている。マグネットワイヤ接続装置2と相手側のコネクタとが接続されることで、電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器が他の機器と接続される。
【0082】
マグネットワイヤ接続装置2は、複数のコンタクト26と、複数のコンタクト26を保持する第1のハウジング27と、第1のハウジング27と嵌合によって接続される第2のハウジング28とを備えて構成されている。なお、第2実施形態では、マグネットワイヤ接続装置2が6つのコンタクト26を備えて構成された形態を例示している。また、各コンタクト26は、導電性を有する金属材料で形成され、第1のハウジング27および第2のハウジング28は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。
【0083】
複数のコンタクト26のそれぞれは、第1のハウジング27に挿入されて保持される。そして、複数のコンタクト26が第1のハウジング12に保持された状態で、複数のマグネットワイヤ100が複数のコンタクト11に対してそれぞれ保持される。第1のハウジング27に保持された各コンタクト26に各マグネットワイヤ100が保持された状態で、第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合される。マグネットワイヤ接続装置2においては、後述するように、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合により接続されることで、各マグネットワイヤ100に各コンタクト26が圧接されるように構成されている。第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合して接続され、マグネットワイヤ100とコンタクト26とが圧接されることで、マグネットワイヤ100とマグネットワイヤ接続装置2とが電気的に接続される。
【0084】
マグネットワイヤ接続装置2とマグネットワイヤ100とが電気的に接続されると、第2のハウジング28に対して、マグネットワイヤ100が巻線として設けられる電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器(図示省略)に対して接続される他の機器(図示省略)に接続された相手側のコネクタ(図示省略)が嵌合して接続される。第2のハウジング28と相手側のコネクタとが嵌合により接続されることで、マグネットワイヤ接続装置2と相手側のコネクタとが電気的に接続される。これにより、電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器と他の機器とが、マグネットワイヤ接続装置2と相手側のコネクタとを介して接続される。なお、マグネットワイヤ接続装置2における第1のハウジング27は、マグネットワイヤ100が巻線として設けられる電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器のケーシングの一部として、或いはそのケーシングに組み付けられる部材として設けられる。以下、マグネットワイヤ接続装置2の構成の詳細についてさらに説明する。
【0085】
(コンタクト)
図14は、マグネットワイヤ接続装置2におけるコンタクト26を拡大して示す斜視図である。図15は、マグネットワイヤ接続装置2における第1のハウジング27にコンタクト26が保持された状態を示す斜視図である。図16(A)は、コンタクト26にマグネットワイヤ100が保持された状態を模式的に示す斜視図であり、図16(B)は、コンタクト26がマグネットワイヤ100に圧接された状態を模式的に示す斜視図である。なお、図3では、1つのコンタクト26のみを拡大して示している。
【0086】
図12乃至図16を参照して、コンタクト26は、導電性を有する銅などの金属材料で形成され、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続される端子部材として設けられている。コンタクト26は、第1のハウジング27に挿入されて保持された状態で、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続されるように構成されている。また、コンタクト26は、マグネットワイヤ接続装置2が相手側のコネクタと接続される際に相手側のコネクタに備えられる相手側のコンタクト(図示省略)に対しても電気的に接続されるように構成されている。
【0087】
図12乃至図16を参照して、コンタクト26は、本体部14と、相手側接続部15と、複数の圧接部16と、一対の保持部17とを備えて構成されている。本体部14と相手側接続部15と複数の圧接部16と一対の保持部17とは一体に設けられている。一体に形成されるコンタクト26は、例えば、平坦な金属板が打ち抜き加工されることで切り出されたコンタクト26の素材が折り曲げ加工されることで形成される。
【0088】
図14乃至図16を参照して、本体部14は、コンタクト11において前後方向の中央で上下方向に沿って柱状に延びる中央構造部分として設けられている。上下方向に沿って柱状に延びる本体部14における上端側の部分は、角筒状に形成されている。そして、上下方向に延びる本体部14における下端側の部分は、前方、後方、及び左方が壁面で閉鎖されているとともに右方が開放された枠状の形状に形成されている。なお、コンタクト26は、本体部14の下端側の枠状の部分から第1のハウジング27に対して上方から挿入されるように構成されている。また、コンタクト26は、本体部14の下端側の枠状の部分とともに圧接部16および保持部17も第1のハウジング27に対して上方から挿入されるように構成されている。コンタクト26は、本体部14の下端側の枠状の部分と圧接部16と保持部17とが第1のハウジング27における後述の保持穴29aに対して上方から挿入され、本体部14の下端側の枠状の部分が保持穴29aに圧入されることで、第1のハウジング27に保持されるように構成されている。なお、本体部14の下端側の枠状の部分には、圧入爪14bが設けられている(図14および図16を参照)。本体部14の下端側の枠状の部分が第1のハウジング27の保持穴29aに挿入される際に圧入爪14bが保持穴29aの内壁に対して圧入される。本体部14の圧入爪14bが第1のハウジング27の保持穴29aに圧入されることで、コンタクト26が第1のハウジング27に保持される。
【0089】
また、本体部14における上端側の角筒状の部分は、コンタクト26を保持した第1のハウジング27が第2のハウジング28と嵌合する際に、第2のハウジング28に対して下方から挿入されるように構成されている。なお、本体部14における上端側の角筒状の部分は、第2のハウジング28における後述の挿入穴36に対して下方から挿入される。また、本体部14における上端側の角筒状の部分の上端部は、相手側接続部15として構成されている。相手側接続部15は、コンタクト26において、マグネットワイヤ接続装置2が相手側のコネクタと接続される際に相手側のコネクタに備えられる相手側のコンタクトに対して接触して電気的に接続される電気接点部分として構成されている。相手側接続部15は、例えば、オス型の電気接点部分として設けられ、相手側のコンタクトにおけるメス型の電気接点部分に対して嵌合して電気的に接続されるように構成されている。
【0090】
図14乃至図16を参照して、コンタクト26における複数の圧接部16のそれぞれは、マグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破るスリット刃16aを有してマグネットワイヤ100に圧接される部分として設けられている。なお、本実施形態のコンタクト26では、複数の圧接部16として4つの圧接部16が設けられている。4つの圧接部16は、前後方向に沿って直列に並んで設けられている。そして、4つの圧接部16は、いずれも本体部14に対して一体に設けられている。なお、前後方向に並ぶ4つの圧接部16のうちの前後方向における中央側の2つの圧接部16のそれぞれは、本体部14の下端側の部分において本体部14に一体に設けられている。また、前後方向に並ぶ4つの圧接部16のうちの前後方向における両端側の2つの圧接部16のそれぞれは、本体部14の下端側の部分に対して、前後方向に沿って板状に延びる連結部14aを介して一体に連結されている。なお、連結部14aは、一対で設けられ、本体部14の下端側の部分から前後方向の両側に板状に延びている。そして、一対の連結部14aのそれぞれに対して、前後方向に並ぶ4つの圧接部16のうちの前後方向における両端側の2つの圧接部16のそれぞれが連結されている。なお、連結部14aは、コンタクト26が第1のハウジング27に対して保持穴29aにて挿入されて保持される際に第1のハウジング27に挿入される。
【0091】
4つの圧接部16のそれぞれは、マグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破るスリット刃16aを有している。各圧接部16のスリット刃16aは、隙間を介して略平行に上下方向に沿って延びる一対の刃部を有している。各圧接部16のスリット刃16aにおける一対の刃部の間の隙間として形成されたスリットには、マグネットワイヤ100が前後方向に沿って延びた状態で挿通される。なお、各圧接部16のスリット刃16aのスリットは、上端側が外部に対して開放されるように構成されている。マグネットワイヤ100は、スリット刃16aのスリットに対して、上端側の開放された領域から挿入されることで挿通される。そして、各圧接部16のスリット刃16aは、その一対の刃部によって、一対の刃部の間のスリットに挿通されたマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破り、マグネットワイヤ100の心線に食い込むことで、マグネットワイヤ100に圧接されるように構成されている。圧接部16のスリット刃16aがマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト11が、マグネットワイヤ100に対して電気的および機械的に接続される。
【0092】
図14乃至図16を参照して、コンタクト26における保持部17は、マグネットワイヤ100が挿通される挿通溝17aが設けられているとともに、挿通溝17aに挿通されたマグネットワイヤ100を両側から挟むことでマグネットワイヤ100を保持する部分として設けられている。コンタクト26において、保持部17は、一対で設けられている。そして、一対の保持部17は、複数の圧接部16にてコンタクト26に圧接されるマグネットワイヤ100が延びる方向である前後方向において、複数の圧接部16の両側にそれぞれ配置されている。より具体的には、コンタクト26においては、一対の保持部17と4つの圧接部16とが前後方向に沿って並んで配置されている。そして、一対の保持部17のうちの一方が、複数の圧接部16に対して、前後方向における一方側である前方側に配置されている。そして、一対の保持部17のうちの他方が、複数の圧接部16に対して、前後方向における他方側である後方側に配置されている。
【0093】
また、一対の保持部17のそれぞれには、前後方向に沿って延びるマグネットワイヤ100が挿通される挿通溝17aが設けられている。本実施形態では、挿通溝17aは、保持部17において、上下方向に沿って貫通して延びるスリット状の溝として設けられている。また、一対の保持部17のそれぞれは、片持ち状に延びる一対のアーム部17bを有している。各保持部17における一対のアーム部17bのそれぞれは、結合部17cを介して連結部14aに一体に結合されている。そして、各保持部17における一対のアーム部17bのそれぞれは、結合部17cから前後方向に沿って延びた後に屈曲して更に左右方向に突出して片持ち状に延びるように設けられている。各保持部17の一対のアーム部17bのそれぞれにおいて左右方向で突出する端部は、互いに対向するように設けられている。そして、各保持部17における挿通溝17aは、一対のアーム部17bの間の隙間として形成されている。より具体的には、挿通溝17aは、一対のアーム部17bのそれぞれにおいて左右方向で突出して互いに対向する端部同士の間の隙間として形成されている。各保持部17は、挿通溝17aに挿通されたマグネットワイヤ100を一対のアーム部17bが左右方向の両側から挟むことでマグネットワイヤ100を保持するように構成されている。さらに、一対のアーム部17bは、挿通溝17aにマグネットワイヤ100が挿通された状態で僅かに弾性変形して撓むことで、マグネットワイヤ100を弾性力によって左右方向の両側から把持して保持することができるように構成されている。なお、保持部17を構成する一対のアーム部17bは、結合部17cおよび連結部14aを介して本体部14と圧接部16と一体に設けられている。このため、コンタクト26においては、圧接部16と保持部17とは一体に設けられている。
【0094】
また、保持部17における挿通溝17aは、圧接部16のスリット刃16aのスリットに対して、前後方向から見て少なくとも一部が重なって配置された状態で上下方向に沿って平行に延びるように設けられている。また、保持部17における挿通溝17aの上端側の部分は、圧接部16におけるスリット刃16aのスリットの上端側の部分よりも上方に長く突出して延びるように設けられている。そして、コンタクト26は、一対の保持部17の挿通溝17aに挿通されて一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100を、圧接部16のスリット刃16aに挿通されておらずスリット刃16aから外れた状態で、一対の保持部17によって保持できるように構成されている(図16(A)を参照)。さらに、コンタクト26は、一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100を挿通溝17aに沿って下方に摺動させながら圧接部16のスリット刃16aに対応する位置まで相対変位させることで、一対の保持部17によって保持されたマグネットワイヤ100を圧接部16のスリット刃16aに挿入させることができるように構成されている(図16(B)を参照)。
【0095】
図13および図15を参照して、コンタクト26は、第1のハウジング27の保持穴29aに挿入されて第1のハウジング27に保持される。そして、第1のハウジング27にコンタクト26が保持された状態で、コンタクト26がマグネットワイヤ100に対して圧接される。マグネットワイヤ100にコンタクト26が圧接される際には、図16(A)を参照して、まず、第1のハウジング27に保持された状態のコンタクト26の一対の保持部17に対してマグネットワイヤ100が保持される。なお、図16(A)では、第1のハウジング27に保持されてマグネットワイヤ100を保持するコンタクト11について、第1のハウジング27の図示を省略した状態で模式的に示している。第1のハウジング27に保持されたコンタクト26にマグネットワイヤ100が保持される際には、マグネットワイヤ100は、各保持部17の挿通溝17aに挿通される。マグネットワイヤ100が挿通溝17aに挿通されると、保持部17の一対のアーム部17bが弾性変形してマグネットワイヤ100を左右方向の両側から挟み込む。保持部17の一対のアーム部17bがマグネットワイヤ100を両側から挟むことで、マグネットワイヤ100が保持部17によって保持される。また、マグネットワイヤ100は、一対の保持部17によって2か所で保持されている。なお、この状態では、一対の保持部17の挿通溝17aに挿通されて一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100は、圧接部16のスリット刃16aに挿通されておらずスリット刃16aから外れた状態で、一対の保持部17によって保持されている。
【0096】
マグネットワイヤ100がコンタクト26に対して一対の保持部17で保持された状態となると、次いで、コンタクト26の圧接部16がマグネットワイヤ100に対して圧接される動作が行われる。圧接部16とマグネットワイヤ100との圧接の際には、図16(B)を参照して、第1のハウジング27が保持しているコンタクト26に一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100が、各保持部17の挿通溝17aに沿って下方に摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられる。なお、図16(B)では、第1のハウジング27に保持されてマグネットワイヤ100に圧接されるコンタクト26について、第1のハウジング27の図示を省略した状態で模式的に示している。マグネットワイヤ100が、各保持部17の挿通溝17aに沿って下方に摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられることで、複数の圧接部16のスリット刃16aにそれぞれ挿入される。そして、保持部17に対して下方に摺動して圧接部16のスリット刃16aにマグネットワイヤ100が挿入されることで、スリット刃16aがマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100の心線に食い込み、圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接される。圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト26がマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される。なお、マグネットワイヤ100が、各保持部17の挿通溝17aに沿って下方に摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられる動作については、後述するように、コンタクト26を保持した第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合する動作に伴って行われる。
【0097】
(第1のハウジング)
図12図13および図15を参照して、第1のハウジング27は、絶縁性を有する樹脂材料で形成され、複数のコンタクト26を保持するハウジング部材として設けられている。そして、第1のハウジング27は、第1のハウジング27が保持しているコンタクト26が一対の保持部17でマグネットワイヤ100を保持した状態で、第2のハウジング28に対して嵌合によって接続されるように構成されている。
【0098】
第1のハウジング27は、前後方向の長さよりも左右方向の長さの方が長い矩形の外形で板状に延びる板状本体部29と、板状本体部29における左右方向の両端部から上下方向に沿ってそれぞれ延びる一対の側壁部(30a、30b)とを有して構成されている。一対の側壁部(30a、30b)のそれぞれは、板状本体部29と一体に設けられており、板状本体部29から上方に向かって延びる壁部として設けられている。なお、一方の側壁部30aは、板状本体部29の左側の端部から上方に向かって延びる壁部として設けられている。そして、他方の側壁部30bは、板状本体部29の右側の端部から上方に向かって延びる壁部として設けられている。第1のハウジング27は、第2のハウジング28と嵌合によって接続される際には、一対の側壁部(30a、30b)が設けられた上端側から第2のハウジング28に対して嵌合するように構成されている。
【0099】
図13および図15を参照して、第1のハウジング27の板状本体部29には、複数のコンタクト26のそれぞれが挿入されて保持される複数の保持穴29aが設けられている。保持穴29aは、板状本体部29の上端面側に設けられて、コンタクト26の下端側の部分が挿入されて保持される凹み穴として設けられている。保持穴29aは、板状本体部29の上端面で開口するとともに、板状本体部29の上端面から下方に向かって凹む凹み穴穴として設けられている。なお、保持穴29aは、板状本体部29を貫通する貫通穴として設けられていてもよい。コンタクト26が保持穴29aに挿入される際には、コンタクト26は、本体部14の下端側の枠状の部分と圧接部16と保持部17とが、保持穴29aに対して上方から挿入される。そして、コンタクト26は、本体部14の下端側の枠状の部分が保持穴29aに圧入されることで、第1のハウジング27に保持される。
【0100】
なお、板状本体部29を貫通する保持穴29aは、コンタクト26における本体部14の下端側の枠状の部分、圧接部16、および保持部17の形状に対応した形状に形成されている。また、保持穴29aにおいて本体部14の下端側の枠状の部分に対応する部分の内壁は、コンタクト26が保持穴29aに挿入される際に、コンタクト26の本体部14に設けられた圧入爪14bが圧入されるように構成されている。コンタクト26の本体部14の圧入爪14bが保持穴29aに圧入されることで、保持穴29aに挿入されたコンタクト26が第1のハウジング27に強固に保持されることになる。なお、保持穴29aに挿入されて保持されたコンタクト26は、上方から見て圧接部16および保持部17が隠れることなく圧接部16および保持部17の全体が表れて上方に臨んだ状態で、第1のハウジング27に保持されている。また、保持穴29aに挿入されて保持されたコンタクト26は、本体部14における角筒状に形成された上端側の部分が板状本体部29から上方に突出して露出した状態で、第1のハウジング27に保持されている。
【0101】
また、図13および図15を参照して、板状本体部29の上面には、各保持穴29aに対応して、各保持穴29aから前後方向の両側にそれぞれ延びるワイヤ配置溝29bが設けられている。ワイヤ配置溝29bは、第1のハウジング27に対して保持穴29aにて保持されたコンタクト26に対してマグネットワイヤ100が保持されて圧接される際にマグネットワイヤ100が配置される溝として設けられている。すなわち、第1のハウジング27に対して保持穴29aにてコンタクト26が保持された状態で、マグネットワイヤ100が保持部17で保持され、さらに圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接される際には、マグネットワイヤ100においてコンタクト26から延びる部分は、ワイヤ配置溝29bに配置される。
【0102】
第1のハウジング27の一対の側壁部(30a、30b)のそれぞれには、係合穴31が設けられている。第1のハウジング27が第2のハウジング28に対して嵌合して接続される際には、一対の側壁部(30a、30b)にそれぞれ設けられた係合穴31が第2のハウジング28と係合することで、第1のハウジング27と第2のハウジング28とがロックされる。これにより、第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合した状態で第2のハウジング28から第1のハウジング27が抜けてしまうことが防止されるように構成されている。
【0103】
図17は、第1のハウジング27に保持されたコンタクト26にマグネットワイヤ100が保持された状態を示す斜視図である。図15および図17を参照して、第1のハウジング27には、複数のコンタクト26がそれぞれ挿入されて保持される。複数のコンタクト26は、第1のハウジング27における複数の保持穴29aにそれぞれ挿入されて保持され、第1のハウジング27において、左右方向に沿って並んだ状態で保持される。そして、第1のハウジング27に保持された複数のコンタクト26は、複数の圧接部16と一対の保持部17とが保持穴29aから上方に臨んで全体が表れた状態で、第1のハウジング27に保持される。このように第1のハウジング27に複数のコンタクト26が保持された状態で、複数のマグネットワイヤ100が複数のコンタクト26にそれぞれ保持される(図16(A)および図17を参照)。各マグネットワイヤ100は、第1のハウジング27の保持穴29aから上方に臨んだ一対の保持部17の挿通溝17aに挿通されて保持されることで、各コンタクト26に保持される。第1のハウジング27に保持された各コンタクト26に保持された各マグネットワイヤ100は、前後方向に沿って延びた状態で各コンタクト26に保持される。また、このとき、各コンタクト26に保持された各マグネットワイヤ100において各コンタクト26から前後に延びる部分は、各保持穴29aに対応するワイヤ配置溝29bに配置されている。なお、各コンタクト26に保持された各マグネットワイヤ100は、各マグネットワイヤ100の前方の先端部100aが、第1のハウジング27の上方から見た状態で板状本体部29の前後方向の内側に位置するように、配置される。すなわち、各コンタクト26に保持された各マグネットワイヤ100は、その前方の先端部100aが、第1のハウジング27の上方から見た状態において板状本体部29の前後方向における内側で板状本体部29の上面に重なった位置に位置するように、配置される。
【0104】
(第2のハウジング)
図18は、マグネットワイヤ接続装置2における第2のハウジング28を示す斜視図である。図12図13および図18を参照して、第2のハウジング28は、絶縁性を有する樹脂材料で形成され、第1のハウジング27と嵌合によって接続されるハウジング部材として設けられている。また、第2のハウジング28は、マグネットワイヤ100をそれぞれ保持した複数のコンタクト26を保持した第1のハウジング27が嵌合して接続されるように構成されている。
【0105】
第2のハウジング28は、本体部32と、相手側嵌合部33と、一対の嵌合枠部(34a、34b)とを備えて構成されている。本体部32は、本実施形態では、略直方体状に設けられ、第2のハウジング28に嵌合する第1のハウジング27の板状本体部29の上端部と当接して第1のハウジング27を支持するように構成されている。そして、相手側嵌合部33は、本体部32の上端側に設けられ、一対の嵌合枠部(34a、34b)は、本体部32の下端側に設けられている。
【0106】
第2のハウジング28は、相手側嵌合部33において、マグネットワイヤ100が巻線として設けられる電動モータあるいはレゾルバ等の電気機器(図示省略)に対して接続される他の機器(図示省略)に接続された相手側のコネクタ(図示省略)が嵌合して接続されるように構成されている。図12図13および図18を参照して、相手側嵌合部33は、本体部32の上端側に設けられ、外形が略長方形の断面形状で上下方向に沿って筒状に延びるように設けられている。相手側嵌合部33には、その上端部において上方に開口する開口33aが設けられている。第1のハウジング27に相手側のコネクタが嵌合して接続する際には、開口33aに対して相手側のコネクタが挿入されて嵌合する。
【0107】
なお、第2のハウジング28に第1のハウジング27が嵌合した際には、第1のハウジング27に保持されたコンタクト26の相手側接続部15が、本体部32に設けられた後述の挿入穴36を貫通して本体部32の上方に突出して延びる状態となる。そして、第2のハウジング28に第1のハウジング27が嵌合すると、相手側嵌合部33における開口33aの内側では、コンタクト26の相手側接続部15が上方に突出して延びて露出した状態となる。第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合してコンタクト26の相手側接続部15が相手側嵌合部33の内側で露出した状態で、第2のハウジング28の相手側嵌合部33に相手側のコネクタが嵌合し、第2のハウジング28と相手側のコネクタとが接続される。第2のハウジング28の相手側嵌合部33と相手側のコネクタとが嵌合すると、相手側嵌合部33の開口33aに挿入された相手側のコネクタにおける相手側のコンタクトが、開口33a内で露出したコンタクト26の相手側接続部15と接触して電気的に接続される。
【0108】
図12図13および図18を参照して、一対の嵌合枠部(34a、34b)は、本体部32の下端側に設けられ、第2のハウジング28に第1のハウジング27が嵌合する際の嵌合間口を構成する一対の枠状の壁部として設けられている。一対の嵌合枠部(34a、34b)のそれぞれは、本体部32の下端側において左右方向の両側にそれぞれ設けられ、下方に向かって短く延びる壁部として設けられている。具体的には、嵌合枠部34aは、本体部32の下端側において左側の端部側に設けられ、下方に向かって短く延びる壁部として設けられている。嵌合枠部34bは、本体部32の下端側において右側の端部側に設けられ、下方に向かって短く延びる壁部として設けられている。嵌合枠部34aおよび嵌合枠部34bは、いずれも、左右方向における中央側から左右方向の外側に凹む領域を区画するように形成された状態で、下方に向かって短く延びるように設けられている。嵌合枠部34aと嵌合枠部34bとの間の領域が、第2のハウジング28に第1のハウジング27が嵌合する際の嵌合間口を区画している。なお、本実施形態では、嵌合枠部34aと嵌合枠部34bとが本体部32の下端側から個別に延びる壁部として設けられているが、この通りでなくてもよい。嵌合枠部34aと嵌合枠部34bとが一体に設けられ、一体の嵌合枠部(34a、34b)が本体部32から下方に向かって枠状に或いは筒状に延びるように設けられていてもよい。
【0109】
第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合する際には、嵌合枠部34aと嵌合枠部34bとの間の領域の嵌合間口に対して第1のハウジング27が挿入される。嵌合枠部34aと嵌合枠部34bとの間の嵌合間口に第1のハウジング27が挿入されることで、図12に示すように、第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合して接続される。第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合すると、第1のハウジング27における板状本体部29が、嵌合枠部34aと嵌合枠部34bとの間の領域に収納された状態となる。
【0110】
なお、一対の嵌合枠部(34a、34b)が一体に設けられる本体部32には、一対の嵌合枠部(34a、34b)の間の領域に連通する貫通穴(32a、32b)が設けられている。貫通穴32aは、本体部32における左側の端部側に設けられ、本体部32を上下方向に貫通する穴として設けられている。貫通穴32bは、本体部32における右側の端部側に設けられ、本体部32を上下方向に貫通する穴として設けられている。第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合すると、第1のハウジング27における一対の側壁部(30a、30b)は、貫通穴(32a、32b)に挿入される。より具体的には、第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合すると、側壁部30aが本体部32の貫通穴32aに挿入され、側壁部30bが本体部32の貫通穴32bに挿入された状態となる。よって、第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合した状態では、第1のハウジング27の一対の側壁部(30a、30b)が本体部32の貫通穴(32a、32b)に挿入され、第1のハウジング27の板状本体部29が第2のハウジング28の一対の嵌合枠部(34a、34b)の間の領域に収納される。
【0111】
なお、本体部32の貫通穴(32a、32b)のそれぞれの内壁には、係合突起35が設けられている。第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合して一対の側壁部(30a、30b)が本体部32の貫通穴(32a、32b)にそれぞれ挿入される際には、貫通穴(32a、32b)のそれぞれに設けられた係合突起35が、一対の側壁部(30a、30b)のそれぞれに設けられた係合穴31と係合する。第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合した際には、本体部32の貫通穴(32a、32b)の内壁の係合突起35が一対の側壁部(30a、30b)の係合穴31と係合することで、第1のハウジング27と第2のハウジング28とがロックされる。これにより、第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合した状態で第2のハウジング28から第1のハウジング27が抜けてしまうことが防止されるように構成されている。
【0112】
また、図12図13および図18を参照して、本体部32には、複数のコンタクト26の本体部14が挿入される複数の挿入穴36が設けられている。挿入穴36は、本体部32を上下方向に貫通する穴として設けられている。第1のハウジング27が第2のハウジング28に嵌合する際には、第1のハウジング27の板状本体部29に保持されたコンタクト26の本体部14が、第2のハウジング28の本体部32の挿入穴36に下方から挿入される。そして、コンタクト26は、本体部14における上端側の角筒状の部分が挿入穴36を貫通した状態で挿入穴36に挿入される。このため、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合すると、本体部32の挿入穴36を下方から上方に貫通したコンタクト26の本体部14が、本体部32の上方に突出した状態となる。なお、コンタクト26の本体部14が本体部32の上方に突出した状態では、本体部14の上端側に設けられたコンタクト26の相手側接続部15が、第2のハウジング28の相手側嵌合部33の内側で上方に突出して延びて露出した状態となる。
【0113】
図19(A)は、マグネットワイヤ接続装置2の正面図であって、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合によって接続された状態を示す図であり、図19(B)は、図19(A)の一部を拡大して示す図である。なお、図19(B)は、図19(A)において破線で囲まれたY部を拡大して示す図である。図20(A)は、マグネットワイヤ接続装置2の断面図であって、図19(A)のB-B線矢視位置での断面図であり、図20(B)は、図20(A)の一部を拡大して示す図である。図18乃至図20を参照して、第2のハウジング28の本体部32の下端面には、第1のハウジング27に保持されているコンタクト26に保持されたマグネットワイヤ100と当接する当接部37が設けられている。
【0114】
図18乃至図20を参照して、当接部37は、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合する際にコンタクト26の一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100と当接する部分として設けられている。当接部37は、本体部32の下端面において設けられており、本体部32の下端面から下方に向かって突出するように凸状に形成された部分として設けられている。本実施形態では、当接部37は、本体部32の下端面から下方に向かって略矩形の断面形状で短く柱状に突出するように凸状に形成された部分として設けられている。そして、当接部37は、コンタクト26の一対の保持部17で保持されて前後方向に沿って延びるマグネットワイヤ100に対応して、本体部32の下端面において前後方向に亘って複数並んで設けられている。当接部37は、第1および第2のハウジング(27、28)の嵌合時に本体部32の下端面に対向する第1のハウジング27の保持穴29aに保持されたコンタクト26における保持部17および圧接部16の間と隣り合う圧接部16同士の間とにそれぞれ対応する位置に設けられている。このため、本実施形態では、当接部37は、本体部32の下端面において、前後方向に亘って5つ並んで設けられている。
【0115】
また、当接部37は、本体部32の下端面において、第1のハウジング27において左右方向に沿って並んで保持された複数のコンタクト26における一対の保持部17で保持された複数のマグネットワイヤ100の全てに対応するように、左右方向においても複数並んで設けられている。このため、本体部32の下端面において、前後方向に沿って5つ並んで設けられた当接部37の列が、左右方向に沿って複数列に並んで設けられている。なお、本実施形態では、前後方向に沿って5つ並んで設けられた当接部37の列は、第1のハウジング27において左右方向に沿って並んで保持された6つのコンタクト26における一対の保持部17で保持された6本のマグネットワイヤ100の全てに対応するように、左右方向に沿って6列に並んで設けられている。
【0116】
また、当接部37は、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合する際に、コンタクト26の一対の保持部17に保持されたマグネットワイヤ100と当接してマグネットワイヤ100を付勢するように構成されている。そして、当接部37は、第1および第2のハウジング(27、28)の嵌合の際に一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100と当接してマグネットワイヤ100を付勢することで、マグネットワイヤ100を保持部17の挿通溝17aに沿って摺動させて一対の保持部17に対して上下方向に沿って相対変位させるように構成されている。マグネットワイヤ100が、当接部37と当接して付勢され、コンタクト26の保持部17の挿通溝17aに沿って下方に摺動して一対の保持部17に対して相対変位させられると、マグネットワイヤ100は、コンタクト11の4つの圧接部16のスリット刃16aのそれぞれに挿入される。そして、保持部17に対して下方に摺動して圧接部16のスリット刃16aにマグネットワイヤ100が挿入されることで、スリット刃16aがマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100の心線に食い込み、圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接される(図16(B)および図20を参照)。圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト26がマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される。
【0117】
上記のように、マグネットワイヤ接続装置2は、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合する際に、コンタクト26の一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100が、第2のハウジング28の当接部37によって付勢されるように構成されている。そして、マグネットワイヤ接続装置2は、マグネットワイヤ100が当接部37で付勢されることで、マグネットワイヤ100が保持部17の挿通溝17aに対して摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられるように構成されている。さらに、マグネットワイヤ接続装置2は、マグネットワイヤ100がコンタクト26の一対の保持部17に対して相対変位させられることで、マグネットワイヤ100がコンタクト26の4つの圧接部16のスリット刃16aに挿入されるように構成されている。そして、マグネットワイヤ接続装置2は、マグネットワイヤ100がスリット刃16aに挿入されることで、スリット刃16aがマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100の心線に食い込み、コンタクト26の圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されるように構成されている。圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト26がマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される。
【0118】
また、図20を参照して、第1のハウジング27および第2のハウジング28は、互いに嵌合した状態では、コンタクト26の保持部17に保持されるとともに圧接部16に圧接されたマグネットワイヤ100の前方の先端部100aを上下方向における両側から挟むようにして覆うように構成されている。すなわち、第1および第2のハウジング(27、28)が嵌合した状態では、マグネットワイヤ100の前方の先端部100aは、前後方向において第1および第2のハウジング(27、28)の内側に配置され、外部に露出せずに第1および第2のハウジング(27、28)の内側に収納された状態となる。このように、マグネットワイヤ接続装置2においては、第1のハウジング27および第2のハウジング28は、互いに嵌合した状態において、コンタクト26の保持部17に保持されたマグネットワイヤ100の先端部100aを両側から挟むようにして覆うように構成されている。
【0119】
(マグネットワイヤとマグネットワイヤ接続装置との接続動作)
次に、上述したマグネットワイヤ接続装置2とマグネットワイヤ100とが接続される際における接続動作について説明する。
【0120】
マグネットワイヤ100とマグネットワイヤ接続装置2とが接続される際には、図15に示すように、まず、複数のコンタクト26のそれぞれが、第1のハウジング27の複数の保持穴29aにそれぞれ挿入されて第1のハウジング27に保持される。そして、図16(A)および図17に示すように、第1のハウジング27に保持された状態の複数のコンタクト26のそれぞれの一対の保持部17に対してマグネットワイヤ100が保持される。第1のハウジング27に保持されたコンタクト26にマグネットワイヤ100が保持される際には、マグネットワイヤ100は、コンタクト26の一対の保持部17の各挿通溝17aに挿通される。マグネットワイヤ100が各保持部17の挿通溝17aに挿通されると、各保持部17の一対のアーム部17bが弾性変形してマグネットワイヤ100を左右方向の両側から挟み込む。各保持部17の一対のアーム部17bがマグネットワイヤ100を両側から挟むことで、マグネットワイヤ100が各保持部17によって保持される。これにより、マグネットワイヤ100が、第1のハウジング27に保持されたコンタクト26に一対の保持部17で保持された状態となる。なお、この状態では、マグネットワイヤ100は、圧接部16のスリット刃16aから外れた状態で、一対の保持部17によって保持されている。
【0121】
マグネットワイヤ100がコンタクト26に対して一対の保持部17で保持されると、次いで、第1のハウジング27と第2のハウジング28との嵌合動作が行われる。すなわち、第1のハウジング27に保持されたコンタクト26がマグネットワイヤ100を保持した状態で、第1のハウジング27と第2のハウジング28との嵌合動作が行われる。第1および第2のハウジング(27、28)の嵌合動作の際には、第1のハウジング27が、第2のハウジング28における一対の嵌合枠部(34a、34b)の間の嵌合間口に挿入される。この挿入により、第1のハウジング27の一対の側壁部(30a、30b)が、第2のハウジング28の貫通穴(32a、32b)に挿入され、第1のハウジング27の板状本体部29が第2のハウジング28の一対の嵌合枠部(34a、34b)の間の領域に収納される。さらに、第1のハウジング27に保持されたコンタクト26の本体部14が第2のハウジング28の挿入穴36に挿入されて挿入穴36を貫通する。これにより、図12図19および図20に示すように、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合される。
【0122】
図19および図20を参照して、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合する際には、コンタクト26の一対の保持部17で保持されたマグネットワイヤ100が、第2のハウジング28の当接部37と当接して付勢される。第1および第2のハウジング(27、28)の嵌合の際に、マグネットワイヤ100が当接部37と当接して当接部37によって付勢されると、マグネットワイヤ100は、保持部17の挿通溝17aに対して摺動しながら一対の保持部17に対して相対変位させられる。さらに、マグネットワイヤ100がコンタクト26の一対の保持部17に対して相対変位させられることで、マグネットワイヤ100は、コンタクト26の4つの圧接部16のスリット刃16aに挿入される。そして、マグネットワイヤ100がスリット刃16aに挿入されることで、スリット刃16aがマグネットワイヤ100のエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100の心線に食い込み、コンタクト26の圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接される。圧接部16がマグネットワイヤ100に圧接されることで、コンタクト26がマグネットワイヤ100に対して電気的に接続される。これにより、マグネットワイヤ100とマグネットワイヤ接続装置2との接続動作が完了することになる。
【0123】
(第2実施形態の作用および効果)
第2実施形態のマグネットワイヤ接続装置2によると、第1のハウジング27に保持されたコンタクト26における一対の保持部17の挿通溝17aにマグネットワイヤ100を挿通させて各保持部17でマグネットワイヤ100を挟み込むことで、マグネットワイヤ100をコンタクト26で保持することができる。さらに、マグネットワイヤ100をコンタクト26で保持した状態のまま、マグネットワイヤ100を挿通溝17aに沿って摺動させて一対の保持部17に対して相対変位させることで、一対の保持部17の間に配置された圧接部16のスリット刃16aにマグネットワイヤ100を挿入できる。そして、スリット刃16aにマグネットワイヤ100を挿入することで、スリット刃16aでエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100にスリット刃16aを食い込ませて圧接部16をマグネットワイヤ100に圧接することができる。このため、第2実施形態によると、マグネットワイヤ100を一対の保持部17に挿通して保持させ、さらに、マグネットワイヤ100を一対の保持部17に対して摺動させながら相対変位させるだけで、マグネットワイヤ接続装置2をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業を容易に行うことができる。したがって、マグネットワイヤ接続装置2をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる。すなわち、特許文献1に開示されたようなハウジングの柱状部にマグネットワイヤ100を巻き付けて保持させるような煩雑で手間を要する作業は不要であり、マグネットワイヤ接続装置2をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる。
【0124】
また、マグネットワイヤ接続装置2によると、コンタクト26において、マグネットワイヤ100に圧接される圧接部16と、圧接部16の両側に配置されて圧接の際にマグネットワイヤ100を保持する一対の保持部17とが、一体に設けられている。このため、マグネットワイヤ100を保持してさらにマグネットワイヤ100を保持した状態のままマグネットワイヤ100に圧接されるコンタクト26を1つの部品で構成することができる。よって、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続されるコンタクト26の部品点数を削減することができる。
【0125】
したがって、第2実施形態によると、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続されるコンタクト26の部品点数を削減することができ、マグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業の作業性を向上させることができる、マグネットワイヤ接続装置2を提供することができる。
【0126】
また、マグネットワイヤ接続装置2によると、マグネットワイヤ100が挿通される挿通溝17aを形成するとともに、両側からマグネットワイヤ100を挟んで保持する保持部17の構造を片持ち状に延びる一対のアーム部17bを設けた簡素な構造で容易に構成することができる。
【0127】
また、マグネットワイヤ接続装置2によると、第1のハウジング27が保持しているコンタクト26が一対の保持部17でマグネットワイヤ100を保持した状態で、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合される。そして、第1のハウジング27と第2のハウジング28とを嵌合させることで、第2のハウジング28によってマグネットワイヤ100を付勢し、マグネットワイヤ100を挿通溝17aに沿って摺動させて一対の保持部17に対して相対変位させ、一対の保持部17の間に配置された圧接部16のスリット刃16aにマグネットワイヤ100を挿入できる。さらに、スリット刃16aにマグネットワイヤ100を挿入することで、スリット刃16aでエナメル被覆を切り破ってマグネットワイヤ100にスリット刃16aを食い込ませて圧接部16をマグネットワイヤ100に圧接することができる。よって、第2実施形態によると、第1のハウジング27に保持されたコンタクト26における一対の保持部17にマグネットワイヤ100を挿通して保持させ、さらに、第1のハウジング27と第2のハウジング28とを嵌合することで、マグネットワイヤ接続装置2をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業をさらに容易に行うことができる。したがって、マグネットワイヤ接続装置2をマグネットワイヤ100に対して電気的に接続する作業の作業性をさらに向上させることができる。
【0128】
また、マグネットワイヤ接続装置2によると、第1のハウジング27と第2のハウジング28との嵌合時にマグネットワイヤ100を付勢する構造を、マグネットワイヤ100に当接する当接部37を第2のハウジング28に設けた簡素な構造で容易に構成することができる。
【0129】
また、マグネットワイヤ接続装置2によると、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合した状態では、保持部17に保持されたマグネットワイヤ100の先端部100aが両側から挟まれるようにして覆われる。このため、第1のハウジング27と第2のハウジング28とが嵌合し、マグネットワイヤ接続装置2をマグネットワイヤ100に対して接続した状態において、マグネットワイヤ100の先端部100aの破断面がマグネット接続装置2の外部へ露出することを防止することができる。マグネットワイヤ100の先端部100aの破断面の外部への露出を防止できるため、マグネットワイヤ100の先端部100aでの短絡が発生してしまうことを防止することができる。
【0130】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0131】
(1)前述の実施形態では、コンタクト(11、26)が複数備えられたマグネットワイヤ接続装置の形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。1つのコンタクト(11、26)を有するマグネットワイヤ接続装置の形態が実施されてもよい。また、コンタクト(11、26)が複数備えられたマグネットワイヤ接続装置の場合であっても、コンタクト(11、26)の数は前述の実施形態で例示した6つに限られなくてもよく、コンタクト(11、26)が5つ以下あるいは7つ以上備えられたマグネットワイヤ接続装置の形態が実施されてもよい。
【0132】
(2)前述の実施形態では、コンタクト(11、26)において圧接部16が4つ設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。コンタクト(11、26)において圧接部16が3つ以下あるいは5つ以上設けられた形態が実施されてもよい。
【0133】
(3)前述の実施形態では、コンタクト(11、26)において保持部17が一対のみ設けられる形態を例示したが、この通りでなくてもよい。保持部17は、コンタクト(11、26)において少なくとも一対設けられていればよく、コンタクト(11、26)に複数対の保持部17が設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、心線とその周囲のエナメル被覆とを含む電線として構成されたマグネットワイヤに対して電気的に接続されるマグネットワイヤ接続装置として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0135】
1、2 マグネットワイヤ接続装置
11、26 コンタクト
12 第1のハウジング
13 第2のハウジング
16 圧接部
16a スリット刃
17 保持部
17a 挿通溝
100 マグネットワイヤ
図1
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