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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118782
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】高周波加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
F24C7/02 511Q
F24C7/02 521H
F24C7/02 521Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025274
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】平岩 成一
(72)【発明者】
【氏名】上甲 康之
【テーマコード(参考)】
3L086
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086BC06
3L086BC20
3L086DA24
(57)【要約】
【課題】被加熱物の視認性を向上させる。
【解決手段】高周波加熱調理器100は、被加熱物を収容する加熱室21と、被加熱物を加熱する高周波加熱手段(レンジ加熱ユニット32)と、加熱室の前面側に開閉自在に設けられたドア部13と、を備えている。ドア部は、周辺部にチョーク部112aを有し中央に開口部112bが設けられたドアベース112と、ドアベースの開口部を覆って設けられた金属メッシュ113と、ドア部の金属メッシュよりも庫外側に発光部116と、を有している。発光部の光は、金属メッシュを通って加熱室を照射する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収容する加熱室と、
前記被加熱物を加熱する高周波加熱手段と、
前記加熱室の前面側に開閉自在に設けられたドア部と、を備え、
前記ドア部は、
周辺部にチョーク部を有し中央に開口部が設けられたドアベースと、
前記ドアベースの開口部を覆って設けられた薄膜状の金属メッシュと、
前記金属メッシュよりも庫外側に設けられた発光部と、を有し、
前記発光部の光は、前記金属メッシュを通って前記加熱室を照射する
ことを特徴とする高周波加熱調理器。
【請求項2】
前記発光部の光は、前記金属メッシュの複数の開口部を通って前記加熱室を照射する
ことを特徴とする請求項1に記載の高周波加熱調理器。
【請求項3】
前記発光部は、光を発する発光素子と、前記発光素子の光を前記加熱室に届ける光ガイド部と、を有し、
前記光ガイド部は、前記ドア部の前記金属メッシュよりも庫外側に設けられるとともに、前記発光素子に対向配置された受光面と、前記金属メッシュに対向配置された出光面と、を有し、前記発光素子から照射された光を前記受光面で内部に取り込み、内部で反射させて前記出光面に導き、前記出光面から前記金属メッシュに向けて照射する
ことを特徴とする請求項2に記載の高周波加熱調理器。
【請求項4】
前記ドア部は、操作表示部と、前記操作表示部の表示パネルを収容するパネル収容部と、を有し、
前記発光素子は、前記パネル収容部の内部又は周囲に配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の高周波加熱調理器。
【請求項5】
前記操作表示部は、前記ドア部の左右いずれか一方の部位に配置され、
前記発光素子は、前記パネル収容部の上側に配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載の高周波加熱調理器。
【請求項6】
前記光ガイド部は、前記ドア部の上部に横向きに配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の高周波加熱調理器。
【請求項7】
前記光ガイド部は、前記発光素子から縦向きに配置されており、かつ、下部と比較して上部の方が光の放射量が多い
ことを特徴とする請求項4に記載の高周波加熱調理器。
【請求項8】
前記操作表示部は、前記ドア部の下部に配置され、
前記発光素子は、前記ドアベースに設けられた開口部の左右の少なくとも一方の部位に配置され、
前記光ガイド部は、前記発光素子から縦向きに配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載の高周波加熱調理器。
【請求項9】
前記加熱室の側壁側に別の発光部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の高周波加熱調理器。
【請求項10】
被加熱物を収容する加熱室と、
前記被加熱物を加熱する高周波加熱手段と、
前記加熱室の前面側に開閉自在に設けられたドア部と、
前記加熱室を照らす発光部と、を備え、
前記ドア部は、
周辺部にチョーク部を有し中央に開口部が設けられたドアベースと、
前記ドアベースの開口部を覆って設けられた金属メッシュと、を有し、
前記発光部は、光を発するLED発光素子を有し、
前記金属メッシュの開口率は、前記加熱室に対して視野角が30°傾いた場合において、50%以上である
ことを特徴とする高周波加熱調理器。
【請求項11】
前記LED発光素子は、前記加熱室の側壁側に配置されている
ことを特徴とする請求項10に記載の高周波加熱調理器。
【請求項12】
前記LED発光素子は、前記加熱室の側壁の中央よりも前記ドア部側に配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の高周波加熱調理器。
【請求項13】
前記発光部は、前記LED発光素子の光を前記加熱室に届ける光ガイド部を有し、
前記加熱室は、側壁の前記光ガイド部に対向する位置に開口部が設けられ、
前記光ガイド部の先端は、前記加熱室の側壁より庫外側に配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の高周波加熱調理器。
【請求項14】
前記加熱室は、奥行方向より幅方向に長く形成されており、かつ、アスペクト比が1.15以上である
ことを特徴とする請求項10に記載の高周波加熱調理器。
【請求項15】
前記金属メッシュは、庫外側のみ黒色系の表面処理が施されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項10に記載の高周波加熱調理器。
【請求項16】
前記加熱室の壁面と底面の色は、黒色系である
ことを特徴とする請求項1又は請求項10に記載の高周波加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱室の内部(庫内)に収納された食材(被加熱物)の状態を見え易くするために、LED発光素子(発光ダイオード)を加熱室の天井面や側壁面に配置して、指向性が高い(発光指向性が狭い)LED光を食材に照射する構成の高周波加熱調理器がある(例えば、特許文献1参照)。このような高周波加熱調理器は、指向性が高い(発光指向性が狭い)LED光を食材に照射することで、食材の表面を明るくすることができる。なお、高周波加熱調理器は、比較的長寿命なLED発光素子を光源として用いることで、比較的長期間光源の交換を不要にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-139336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の高周波加熱調理器は、ドア部を構成するドアベースに設けられたパンチング板のパンチング孔を介して庫内の食材をユーザに見せる構成になっている。しかしながら、パンチング板は、例えば500μm以上の比較的厚い金属の板材にパンチング孔を穿って形成した部材である。そのため、従来の高周波加熱調理器は、横方向から庫内を見ると、庫内が見え難くなり、LED光を食材に照射することで食材を見え易くした効果を発揮し難くなることがある。このような従来の高周波加熱調理器は、被加熱物の視認性が低下することがある。
【0005】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、被加熱物の視認性を向上させる高周波加熱調理器を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、高周波加熱調理器であって、被加熱物を収容する加熱室と、前記被加熱物を加熱する高周波加熱手段と、前記加熱室の前面側に開閉自在に設けられたドア部と、を備え、前記ドア部は、周辺部にチョーク部を有し中央に開口部が設けられたドアベースと、前記ドアベースの開口部を覆って設けられた金属メッシュと、前記金属メッシュよりも庫外側に設けられた発光部と、を有し、前記発光部の光は、前記金属メッシュを通って前記加熱室を照射する構成とする。
その他の手段は、後記する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る高周波加熱調理器の斜視図である。
図2】実施形態に係る高周波加熱調理器のドア部の分解正面図である。
図3】ドア部を開けた状態の実施形態に係る高周波加熱調理器の斜視図である。
図4】ドア部を開けてオーブン用加熱皿を取り外した状態の実施形態に係る高周波加熱調理器の斜視図である。
図5】実施形態に係る高周波加熱調理器の側断面図である。
図6】実施形態に係る高周波加熱調理器のドア部の分解斜視図である。
図7】実施形態に係る高周波加熱調理器のドア部を鉛直方向に切断して右斜め上方向から見た断面図である。
図8】実施形態に係る高周波加熱調理器のドア部を鉛直方向に切断して斜め右方向から見た断面図である。
図9】実施形態に係る高周波加熱調理器のドア部を鉛直方向に切断して右方向から見た断面図である。
図10】実施形態に係る高周波加熱調理器のドア部を鉛直方向に切断して右斜め上方向から見た発光部付近の断面図である。
図11】比較例の高周波加熱調理器のドア部と実施形態に係る高周波加熱調理器のドア部との違いの説明図である。
図12】実施形態に係る高周波加熱調理器の視野角の説明図である。
図13】左目と右目による視覚認知のイメージの説明図である。
図14】板厚の違いによる見え方の差の説明図である。
図15】視野角と開口率の関係を示すグラフ図である。
図16】第1変形例の高周波加熱調理器のドア部の分解斜視図である。
図17A】第1変形例の高周波加熱調理器のドア部の正面方向から見た内部構成図である。
図17B】第1変形例の高周波加熱調理器のドア部を鉛直方向に切断して右方向から見た断面図である。
図17C】第1変形例の高周波加熱調理器のドア部を鉛直方向に切断して右方向から見た発光部付近の断面図である。
図18】第2変形例の高周波加熱調理器のドア部の分解斜視図である。
図19】第3変形例の高周波加熱調理器のドア部の分解斜視図である。
図20】第4変形例の高周波加熱調理器の本体を水平方向に切断して右斜め上方向から見た断面図である。
図21】第4変形例の高周波加熱調理器の本体を水平方向に切断して上方向から見た断面図である。
図22】第4変形例の高周波加熱調理器の本体を鉛直方向に切断して右後側の斜め下方向から見た断面図である。
図23】第5変形例の高周波加熱調理器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0009】
<高周波加熱調理器全体の構成>
以下、図1から図5を参照して、本実施形態に係る高周波加熱調理器100全体の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る高周波加熱調理器100の斜視図である。図2は、高周波加熱調理器100のドア部13の分解正面図である。図3は、ドア部13を開けた状態の高周波加熱調理器100の斜視図である。図4は、ドア部13を開けて後記するテーブルプレート24a,オーブン用加熱皿24bを取り外した状態の高周波加熱調理器100の斜視図である。図5は、高周波加熱調理器100の側断面図である。
【0010】
ここでは、図4に示すように、高周波加熱調理器100が、加熱手段30として、レンジ加熱ユニット32(高周波加熱手段)に加え、グリル加熱ユニット31、水蒸気発生ユニット33、熱風ユニット34を備えている場合を想定して説明する。ただし、高周波加熱調理器100は、加熱手段30として、レンジ加熱ユニット32(高周波加熱手段)のみを備える構成であってもよい。
【0011】
図1から図5に示すように、高周波加熱調理器100は、本体11の内部に、上下左右と奥に壁を備える加熱室21が設けられている。高周波加熱調理器100は、加熱室21の中に被加熱物(被調理物)を入れ、高周波(マイクロ波)や、ヒータの熱、水蒸気の熱、熱風の熱を用いて被加熱物を加熱調理する。
【0012】
図1に示すように、高周波加熱調理器100の本体11は、外枠12(キャビネット)によって上面と左右側面が覆われている。
【0013】
高周波加熱調理器100の本体11の前面側には、ドア部13が設けられている。ドア部13は、加熱室21の内部に被加熱物を出し入れするために開閉するもので、ドア部13を閉めることで加熱室21を密閉状態にする。ドア部13は、加熱室21を密閉状態にすることで、被加熱物を加熱する時に使用する高周波(マイクロ波)の漏洩を防止し、熱を封じ込め、効率良く加熱することを可能とする。
【0014】
ドア部13の中央部には、透過性の高い覗き窓14(ガラス窓)が設けられている。覗き窓14は、調理中の食品の状態が確認できるようにドア部13に設けられている。覗き窓14は、ヒータ等の発熱による高温に耐えるガラスを使用している。
【0015】
また、ドア部13の上端部付近には、取っ手15が設けられている。取っ手15は、ドア部13の開閉を容易にするもので、手で握りやすい形状になっている。
【0016】
また、ドア部13の前面右側付近には、操作表示部16が設けられている。操作表示部16は、ユーザの操作を受け付けたり、各種の情報をユーザに提示するものである。操作表示部16は、操作部16bから入力されたユーザの操作内容や調理の進行状態を表示する表示部16aと、加熱手段を選択したり、加熱時間等の調理条件を選択したり、自動メニューを入力したりするための操作部16bと、各種の情報を音声でユーザに知らせる音声手段16cと、を有している。
【0017】
操作表示部16の場所は、ドア部13の前面右側付近に限定されず、ドア部の前面下側や前面上側、本体のドア部以外の前面に設けてもよい。
【0018】
高周波加熱調理器100の本体11の左側下部には、後記する水蒸気発生ユニット33で水蒸気を発生させる際に使用される水を貯留する水タンク33bが設けられている。ただし、水タンク33bの位置は、本体11の左側下部から別の場所に変更することができる。
【0019】
図5に示すように、高周波加熱調理器100の内部には、被加熱物を加熱するための加熱手段30が設けられている。図5は、高周波加熱調理器100の横幅方向の中央付近を前後方向に切断して右側から見たときの断面図である。本実施形態では、加熱手段30は、グリル加熱ユニット31と、レンジ加熱ユニット32と、水蒸気発生ユニット33と、熱風ユニット34と、を有しているものとして説明する。グリル加熱ユニット31は、ヒータ31aを発熱させてヒータ31aで被加熱物を加熱する加熱手段である。レンジ加熱ユニット32は、マグネトロン32aより放射される高周波(マイクロ波)で被加熱物を加熱する高周波加熱手段である。水蒸気発生ユニット33は、ボイラー加熱手段33aで水タンク33b(図1参照)に貯留された水を加熱して水蒸気を発生させ、水蒸気で被加熱物を加熱する加熱手段である。水蒸気発生ユニット33は、加熱室21の壁面(図5に示す例では、側壁22)に設けられた複数のスチーム噴出口33cから水蒸気を被加熱物に噴射して被加熱物を加熱する。熱風ユニット34は、熱風ヒータ34aで空気を加熱して熱風を発生させ、熱風で被加熱物を加熱する加熱手段である。
【0020】
加熱室21の内部には、被加熱物を載置するための加熱皿であるテーブルプレート24a,オーブン用加熱皿24bが配置される。テーブルプレート24aは、加熱室21の底面や加熱室21の内部に設けられた凸部の上に配置される加熱皿であり、オーブン用加熱皿24bは、加熱室21の内部に設けられた凸部の上に配置される加熱皿である。
【0021】
高周波加熱調理器100の内部には、高周波加熱調理器100の全体の動作を制御する制御基板90が設けられている。
【0022】
<ドア部の構成>
図2に示すように、ドア部13は、内部に、金属メッシュ113を有している。金属メッシュ113は、多開口の薄膜金属板、すなわち、略全面に複数の微細な開口部113aが設けられた金属製の板状の薄膜材である。
【0023】
以下、図6から図10を参照して、ドア部13の構成について説明する。図6は、ドア部13の分解斜視図である。図7は、ドア部13を鉛直方向に切断して右斜め上方向から見た断面図である。図8は、ドア部13を鉛直方向に切断して斜め右方向から見た断面図である。図9は、ドア部13を鉛直方向に切断して右方向から見た断面図である。図10は、ドア部13を鉛直方向に切断して右斜め上方向から見た発光部付近の断面図である。
【0024】
図6に示すように、高周波加熱調理器100のドア部13は、加熱室21側(後側)から順に、内側ガラス111と、ドアベース112と、金属メッシュ113と、カシメ押さえ板114と、取付板115と、ドア枠120と、外側ガラス121と、取っ手15と、を有している。
【0025】
内側ガラス111は、高周波加熱調理器100の内部側(加熱室21側)に配置される板状の部材である。内側ガラス111は、耐熱性を有する透明性なガラス材で形成される。内側ガラス111は、正面視で略矩形の形状を呈している。内側ガラス111は、耐熱性と耐衝撃性を持つために、強化されていることが好ましい。内側ガラス111は、ドアベース112に設けられた開口部112bの内部に配置される。内側ガラス111の外周部分とドアベース112の開口部112bとの隙間は、シリコンシール110(図11参照)で封鎖される。
【0026】
ドアベース112は、ドア部13のベースとなる部材である。ドアベース112は、金属材で形成される。ドアベース112は、正面視で略矩形の形状を呈しており、内側ガラス111よりも大きく、かつ、ドア枠120よりも若干小さなサイズになっている。ドアベース112は、内側ガラス111側の周辺部にチョーク部112aを有し、中央に開口部112bが設けられている。チョーク部112aは、ドア部13の閉鎖時に、本体11の内部の前壁面23(図11参照)に近接して、加熱室21からの電波漏洩を防止する。開口部112bは、正面視で略矩形の形状を呈しており、内側ガラス111よりも小さなサイズになっている。
【0027】
金属メッシュ113は、前記した通り、多開口の薄膜金属板、すなわち、略全面に複数の微細な開口部113aが設けられた金属製の板状の薄膜材である。金属メッシュ113は、正面視で略矩形の形状を呈しており、ドアベース112に設けられた開口部112bよりも若干大きなサイズになっている。金属メッシュ113の厚さは、好ましくは、200μm以下(すなわち、0.2mm以下)であるとよい。本実施形態では、金属メッシュ113の厚さが約100μm(すなわち、0.1mm)であるものとして説明する。金属メッシュ113は、ドア部13からの高周波電波の漏洩を防止するための高分子化合物を基とする透明導電膜と比較して、耐熱性が高く、グリル加熱ユニット31、水蒸気発生ユニット33、熱風ユニット34によるオーブンの熱による溶解のおそれがなく、レンジ加熱ユニット32(高周波加熱手段)による局所的な異常加熱に対しても耐性が高くなる。また、高分子化合物を基とする透明導電膜はピンホールなどの量産工程上の不良を検査工程などで判別することが難しく、直接視認できる金属メッシュ113は検査工程での判別が容易であり、安定的な量産が可能である。
【0028】
カシメ押さえ板114は、金属メッシュ113の外枠部分をドアベース112に押さえつけるための部材である。カシメ押さえ板114は、薄い板状で、かつ、L字型の形状を呈しており、2つの部材で構成されている。2つの部材を一体化して中空な矩形の形状としてもよい。カシメ押さえ板は、金属メッシュ113の外枠部分とほぼ同じサイズになっている。カシメ押さえ板114は、ドアベース112との間に金属メッシュ113を挟んで、カシメによって固定される。カシメ押さえ板114と金属メッシュ113の固定方法はカシメに限定せず、ネジやビス等でドアベース112に固定してもよい。
【0029】
取付板115は、取っ手15をドア枠120に取り付けるための部材である。取付板115は、薄い板状の形状を呈している。取付板115は、取っ手15との間にドア枠120を挟んで、図示せぬネジやビス等で取っ手15に固定される。
【0030】
ドア枠120は、ドア部13の枠体を構成する部材である。ドア枠120は、正面視で略矩形の形状を呈しており、ドアベース112よりも若干大きなサイズになっている。ドア枠120は、中央に開口部が設けられている。ドア枠120は、操作表示部16(図1参照)に対応する部位の内部に、操作表示部16の表示パネル118を収容するための空間であるパネル収容部120aを有している。パネル収容部120aには、表示パネル118、表示パネル118の動作を制御するパネル基板119、表示パネル118とパネル基板119が取り付けられるパネル取付板117等が収容される。
【0031】
外側ガラス121は、高周波加熱調理器100の外部側に配置される板状の部材である。外側ガラス121は、耐熱性を有する透明性なガラス材で形成される。外側ガラス121は、正面視で略矩形の形状を呈している。外側ガラス121は、耐熱性と耐衝撃性を持つために、強化されていることが好ましい。外側ガラス121の中央には、透明な覗き窓14が設けられており、覗き窓14よりも外側の部分は任意の色の塗装剤で塗装が施されている。
【0032】
本実施形態では、カシメ押さえ板114とドア枠120との間の比較的高い位置に、発光部116が配置されている。本実施形態では、発光部116が複数のLED発光素子141を搭載する基板で構成されているものとして説明する。発光部116は、ドアベース112に設けられた開口部112bの上辺とほぼ同じ高さの位置か上辺よりも高い位置に配置されている。このような高周波加熱調理器100は、被加熱物よりも高い位置から被加熱物に向けて光を照射して、覗き窓14を介して被加熱物のユーザから見える部位(特に、下面部分よりも重要度の高い被加熱物の上面部分)を明るく照らす。
【0033】
本実施形態では、発光部116にLED発光素子141が用いられる。LED発光素子141は、指向性が高い(発光指向性が狭い)LED光を照射する。高周波加熱調理器100は、被加熱物のユーザから見える部位に集中してLED光を照射することで、被加熱物のユーザから見える部位を特に明るく照らして、非加熱物の視認性を向上させることができる。なお、高周波加熱調理器100は、好ましくは、被加熱物のユーザから見える部位(特に、下面部分よりも重要度の高い被加熱物の上面部分)に集中してLED光を照射するために、LED発光素子141の照射範囲が金属メッシュ113の中央部に及ばないようにするとよい。
【0034】
ここで、図11を参照して、本実施形態に係る高周波加熱調理器100のドア部13の構成について、比較例の高周波加熱調理器1000のドア部1013と比較して説明する。図11は、比較例の高周波加熱調理器1000のドア部1013と本実施形態に係る高周波加熱調理器100のドア部13との違いの説明図である。
【0035】
図11の左側に示す比較例の高周波加熱調理器1000は、従来技術に相当するドア部1013を有する調理器である。比較例のドア部1013は、ドアベース1112にパンチング板1113が設けられている。パンチング板1113は、例えば500μm以上(0.5mm以上)の厚さの、多開口の金属板である。パンチング板1113は、パンチングによって形成された複数のパンチング孔1113aを有している。比較例の高周波加熱調理器1000は、ドアベース1112に設けられたパンチング板1113のパンチング孔1113aを介して加熱室21の内部(庫内)の食材をユーザに見せる構成になっている。
【0036】
これに対して、図11の右側に示す本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13を有する調理器である。本実施形態のドア部13は、ドアベース112に金属メッシュ113を取り付けた構成になっている。金属メッシュ113は、例えば200μm以下(すなわち、0.2mm以下)の厚さの、多開口の薄膜金属板である。金属メッシュ113は、例えばエッチングによって形成された複数の微細な開口部113aを有している。本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドアベース112に設けられた金属メッシュ113の開口部113aを介して加熱室21の内部(庫内)の食材をユーザに見せる構成になっている。
【0037】
本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、図12から図15に示す技術的概念に沿って各部を構成することによって、比較例の高周波加熱調理器1000よりも、被加熱物の視認性を向上させている。図12は、本実施形態に係る高周波加熱調理器100の視野角の説明図である。図13は、左目と右目による視覚認知のイメージの説明図である。図14は、板厚の違いによる見え方の差の説明図である。図15は、視野角と開口率の関係を示すグラフ図である。
【0038】
本実施形態に係る高周波加熱調理器100では、被加熱物の視認性を向上させるために、ドア部13の視野角は、できるだけ広くすることが望ましい。図12に示す例では、視野角の目標角度を69deg以上にする場合の高周波加熱調理器100の構成を示している。
【0039】
図12に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100では、加熱室21は、奥行方向Dより幅方向Wに長く形成されており、かつ、奥行方向Dに対する幅方向Wのアスペクト比が1.15以上であるとよい。図12に示す例では、奥行方向Dに対する幅方向Wのアスペクト比が1.2になるように、加熱室21が構成されている。
【0040】
図12は、ユーザの両目の距離ELの想定値を80mmとし、ユーザの視認距離RLの想定値を400mmとし、視野角の目標角度の半分の角度θを34.7degとした場合の高周波加熱調理器100の構成例を示している。ここで、ユーザの両目の距離ELは、想定されるユーザの左目と右目との間の距離を表している。また、ユーザの視認距離RLは、ユーザが加熱室21の庫内中心Oを除き見る場合の、高周波加熱調理器100の前面部分からユーザの目までの距離を表している。また、角度θは、ユーザが加熱室21の庫内中心Oを除き見る場合の、視野角の目標角度を69.4degとした場合の半分の角度を表している。
【0041】
図13は、左目と右目による視覚認知のイメージを表している。図13に示すように、開口部が設けられた障害物を介して、左目と右目でユーザが対象物を見る場合に、ユーザは、左目で見える画像と右目で見える画像とを脳で組み合わせて対象物を認知する。
【0042】
図14の左側の図は、比較例の高周波加熱調理器1000における正視と斜視との関係を表している。また、図14の右側の図は、本実施形態に係る高周波加熱調理器100における正視の視野角と斜視の視野角との関係を表している。ここで、「正視」とは、正面方向から対象物(被加熱物)を見ることを意味している。また、ここで、「斜視」とは、斜め方向から対象物(被加熱物)を見ることを意味している。
【0043】
図14の左側の図と右側の図は、ともに、ユーザの両目の距離ELの想定値を80mmとし、ユーザの視認距離RLの想定値を400mmとし、視野角の目標角度の半分の角度θを30degとした場合の正視の視野角と斜視の視野角との関係を表している。
【0044】
図14の左側の図では、パンチング板1113が図13に示す障害物に相当する。図14の左側の図では、パンチング板1113の厚さtは0.5mm(つまり、500μm)になっている。図14の左側の図では、比較例の高周波加熱調理器1000の正視の視野角と斜視の視野角との関係が「1:0.5」の関係になっている。
【0045】
一方、図14の右側の図では、金属メッシュ113が図13に示す障害物に相当する。図14の右側の図では、金属メッシュ113の厚さtは0.1mm(つまり、100μm)になっている。図14の右側の図では、本実施形態に係る高周波加熱調理器100の正視の視野角と斜視の視野角との関係が「1:0.9」の関係になっている。
【0046】
図14の左側の図と右側の図から分かるように、障害物の厚さtが厚くなるほど、斜視の視野角が狭くなる。換言すると、障害物の厚さtが薄くなるほど、斜視の視野角が広くなる。このような観点から、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13の内部に、比較例の高周波加熱調理器1000のパンチング板1113よりも薄い金属メッシュ113を配置し、金属メッシュ113を介して加熱室21の内部を見る構成になっている。このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13の内部に、比較例の高周波加熱調理器1000よりも被加熱物の視認性を向上させることができ。
【0047】
図15は、金属メッシュの各条件や従来のパンチング板の開口率と視野角の関係を示している。開口率は、一定面積当たりの開口部の数を増減させること(つまり、開口部の密度を変更すること)で、設定することができる。一方で、開口率を極端に大きくすると、高周波加熱の電波を減衰する性能が低下する。
【0048】
図15中、曲線L1000は、比較例の高周波加熱調理器1000のパンチング板1113の開口率の変化を示している。曲線L1000は、パンチング板1113の厚さtを0.5mm(つまり、500μm)とし、パンチング孔1113aの直径を0.05mm(つまり、50μm)とする場合において、正面視において55%の開口率で設定すると、視野角が10degから開口率が直線的に低下することを示している。また、曲線L101,L102,L103,L104は、それぞれ、本実施形態に係る高周波加熱調理器100の金属メッシュ113に設定可能な開口率を示している。曲線L101は、本実施形態に係る高周波加熱調理器100の金属メッシュ113の厚さtを0.1mm(つまり、100μm)とし、開口部113aを略正方形の一辺0.5mm(つまり、500μm角)のエッチング板とする場合において、金属メッシュ113の開口率の変化を示している。曲線L102は、金属メッシュ113の線形φを0.14mm(つまり、140μm)とし、40メッシュ/インチとする場合において、金属メッシュ113の開口率の変化を示している。曲線L103は、金属メッシュ113の線形φを0.1mm(つまり、100μm)とし、50メッシュ/インチとする場合において、金属メッシュ113の開口率の変化を示している。曲線L104は、金属メッシュ113の線形φを0.1mm(つまり、100μm)とし、40メッシュ/インチとする場合において、金属メッシュ113の開口率の変化を示している。
【0049】
図15から分かるように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13の内部にパンチング板1113よりも薄い金属メッシュ113を配置しているため、比較例の高周波加熱調理器1000よりも開口率を高く設定することができる。また、断面が略矩形上となるパンチング板やエッチング板と比較して、極細線の編物で構成される金属メッシュは断面が丸形となり視野角が大きくなっても開口率の低下が緩やかである。つまり、使用者が見る角度によって視認性が変化しにくく、高い視認性を維持できる。そのため、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、比較例の高周波加熱調理器1000よりも被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0050】
さらに、金属メッシュ113やパンチング板1113に対して、図10に示すようにドア部13の内側上部にLED発光素子141を設けて、加熱室21内部の被加熱物を照らす際に、LED発光素子141の光は金属メッシュ113やパンチング板1113に対して、斜視していることになり、開口率が低下して障害物の領域が大きくなり、障害物に反射した光が使用者の視界を遮り視認性を悪化させる。視野角が大きくなっても開口率の低下を抑えることで、ドア部13の内側から金属メッシュ113を通して、加熱室21内部の被加熱物を照らす構成において、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0051】
また、発光部116からの光が金属メッシュ113やパンチング板1113で反射して視認性が悪化することを防ぐために、好ましくは発光部116の少なくとも一部は本体11を正面から見て金属メッシュ113やパンチング板1113の範囲に含まれると、採用した金属メッシュ113やパンチング板1113の最大開口率で加熱室21を効率よく明るくし、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0052】
ここで、金属メッシュ113の特性について、さらに説明する。人の視覚認知の分解能は視力1.0の人で1分(=1/60°)であり、視点から400mm離れた場合で約0.12mmとなる。そのため、金属メッシュ113の障害物の幅は、好ましくは、0.12mm以下であるとよい。例えば0.08mm(すなわち、80μm)の極細線やつなぎ部の幅が0.1mm(すなわち、100μm)のエッチングの等によって形成された金属メッシュ113の場合、ユーザがドア部13に近づいて加熱室21の内部(庫内)を覗き込むようなことをしなければ、ドア部13の内部に金属メッシュ113があることを認知できない。このような障害物が0.12mm以下の幅の金属メッシュ113は、横から見た場合であっても、LED光によって照射される庫内の被加熱物(食材)を見え易くすることができる。そのため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0053】
視認性が高い金属メッシュ113をドア部13に設けた構成では、使用者が加熱室21内の被加熱物を見るだけではなく、ドア部13に可視光カメラを設けて、可視光カメラによって撮影した画像を、本体表示部や連携した無線端末の表示部に表示してもよい。
【0054】
[高周波加熱調理器の変形例]
高周波加熱調理器100は、様々な変形を行うことができる。以下、高周波加熱調理器100の変形例について説明する。
【0055】
<第1変形例の高周波加熱調理器の構成>
以下、図16から図17Cを参照して、第1変形例の高周波加熱調理器100Aの変形例について説明する。図16は、第1変形例の高周波加熱調理器100Aのドア部13の分解斜視図である。図17Aは、第1変形例の高周波加熱調理器100Aのドア部13の正面方向から見た内部構成図である。図17Bは、第1変形例の高周波加熱調理器100Aのドア部13を鉛直方向に切断して右方向から見た断面図である。図17Cは、第1変形例の高周波加熱調理器100Aのドア部13を鉛直方向に切断して右方向から見た発光部付近の断面図である。
【0056】
図16から図17Cに示すように、第1変形例の高周波加熱調理器100Aは、実施形態に係る高周波加熱調理器100(図6参照)と比較すると、発光部116の代わりに、発光部116Aを備える点で相違する。発光部116Aは、光を発するLED発光素子141と、LED発光素子141の光を加熱室21に届ける光ガイド部143Aと、を有する構成になっている。
【0057】
LED発光素子141と光ガイド部143Aは、ともに、ドア部13の金属メッシュ113よりも庫外側に設けられている。また、LED発光素子141と光ガイド部143Aは、ともに、ドアベース112の開口部112bの上辺と同じ高さの位置か又は上辺よりも高い位置に設けられている。図16に示す例では、LED発光素子141は、ドア枠120のパネル収容部120aの内部に配置されている。つまり、LED発光素子141は、ドアベース112の開口部112bの右辺よりも右側に外れた位置に配置され、左方向に向けてLED光を照射する構成になっている。ただし、LED発光素子141は、ドアベース112の開口部112bの左辺よりも左側に外れた位置に配置され、右方向に向けてLED光を照射する構成になっていてもよい。
【0058】
光ガイド部143Aは、正面視で直線状の形状を呈するように形成された導光管である。光ガイド部143Aは、ドアベース112の開口部112bの上辺の近傍で横方向(左右方向)に延在するように配置されている。光ガイド部143Aは、LED発光素子141に対向配置された受光面と、金属メッシュ113に対向配置された出光面(対向面143s)と、を有する。光ガイド部143Aは、LED発光素子141から照射されたLED光Arを受光面で内部に取り込み、内部で反射させて、出光面(対向面143s)から金属メッシュ113に向けて照射する照射する構成になっている(図17B及び図17C参照)。また、光ガイド部143Aは、光を拡散させる機能を有しており、対向面143sからLED光Arを拡散させる構成になっている(図17B及び図17C参照)。
【0059】
このような光ガイド部143Aを有する高周波加熱調理器100Aは、LED発光素子141から照射されたLED光Arを光ガイド部143Aで拡散して、被加熱物の斜め上側から被加熱物に向けて照射させる。光ガイド部143Aで拡散したLED光Arは、金属メッシュ113の開口部113a及び内側ガラス111を通って、加熱室21の内部(庫内)に到達する。このような高周波加熱調理器100Aは、加熱室21の内部(庫内)を広範囲に照らすことができる。
【0060】
また、高周波加熱調理器100Aは、ドア部13の比較的広い場所にLED発光素子141を配置することができるため、発光部116Aの設計の自由度を向上させることができる。
【0061】
なお、金属メッシュ113の強度は、ドアベース112の強度よりも弱いため、金属メッシュ113をドアベース112に取り付ける際に撓みが発生する可能性がある。指向性が高いLED光Arが金属メッシュ113の撓みに当たると、LED光Arが強く反射して、被加熱物の視認性を低下させてしまう可能性がある。そのため、仮に金属メッシュ113が撓んだ場合であっても、被加熱物の視認性が低下しないようにすることが好ましい。高周波加熱調理器100Aは、光ガイド部143AでLED光Arを拡散させて照射するため、仮に金属メッシュ113が撓んだ場合であっても、LED光Arが強く反射することを抑制することができる。このような高周波加熱調理器100Aは、実施形態に係る高周波加熱調理器100と比較して、被加熱物の視認性が低下することを抑制することができる。
【0062】
また、図17Aに示すように、高周波加熱調理器100Aの内部には、外部装置と通信を行うためのW-LAN基板131や、冷却風Awを発生させる冷却ファン144、前記したパネル基板119、前記した表示パネル118、LED発光素子141を搭載するLED基板142等が配置されている。パネル基板119、表示パネル118、LED基板142等は、加熱室21の近傍に配置されるため、高温になり易い。そのため、高周波加熱調理器100Aは、好ましくは、これらを効率よく冷却する構成であるとよい。第1変形例では、高周波加熱調理器100Aは、冷却ファン144で発生した冷却風Awがパネル基板119、表示パネル118、LED基板142等を通過するように構成されている。このような高周波加熱調理器100Aは、パネル基板119、表示パネル118、LED基板142等を効率よく冷却することができるため、これらが高温になることを抑制することができる。
【0063】
<第2変形例の高周波加熱調理器の構成>
以下、図18を参照して、第2変形例の高周波加熱調理器100Bの変形例について説明する。図18は、第2変形例の高周波加熱調理器100Bのドア部の分解斜視図である。
【0064】
図18に示すように、第2変形例の高周波加熱調理器100Bは、第1変形例の高周波加熱調理器100A(図16参照)と比較すると、発光部116Aの代わりに、発光部116Bを備える点で相違する。
【0065】
発光部116Bは、発光部116A(図16参照)と比較すると、光ガイド部143Aの代わりに光ガイド部143Bを有するとともに、LED発光素子141がパネル取付板117の比較的低い位置に配置される点で相違する。光ガイド部143Bは、正面視でL字状の形状を呈するように形成された導光管である。光ガイド部143Bは、ドアベース112の開口部112bの上辺の近傍で横方向(左右方向)に延在するように配置された部位と、ドアベース112の開口部112bの右辺の近傍で縦方向(上下方向)に延在するように配置された部位と、を有している。光ガイド部143Bは、LED発光素子141のLED光を内部で反射させて、横方向(左右方向)に延在するように配置された部位の金属メッシュ113と対向した対向面143sから照射する。
【0066】
このような光ガイド部143Bを有する高周波加熱調理器100Bは、第1変形例の高周波加熱調理器100A(図16参照)と比較すると、さらにドア部13の比較的広い場所にLED発光素子141を配置することができるため、発光部116Bの設計の自由度をさらに向上させることができる。
【0067】
<第3変形例の高周波加熱調理器の構成>
以下、図19を参照して、第3変形例の高周波加熱調理器100Cの変形例について説明する。図19は、第3変形例の高周波加熱調理器100Cのドア部の分解斜視図である。
【0068】
図19に示すように、第3変形例の高周波加熱調理器100Cは、第1変形例の高周波加熱調理器100A(図16参照)と比較すると、発光部116Aの代わりに、発光部116Cを備える点で相違する。
【0069】
発光部116Cは、発光部116A(図16参照)と比較すると、光ガイド部143Aの代わりに光ガイド部143Cを有するとともに、LED発光素子141がパネル取付板117の比較的低い位置に配置される点で相違する。光ガイド部143Cは、正面視で直線状の形状を呈するように形成された導光管である。光ガイド部143Cは、ドアベース112の開口部112bの右辺の近傍で縦方向(上下方向)に延在するように配置される。光ガイド部143Cは、LED発光素子141のLED光を内部で反射させて、金属メッシュ113と対向した対向面143sから照射する。
【0070】
このような光ガイド部143Cを有する高周波加熱調理器100Cは、第1変形例の高周波加熱調理器100A(図16参照)と比較すると、さらにドア部13の比較的広い場所にLED発光素子141を配置することができるため、発光部116Cの設計の自由度をさらに向上させることができる。
【0071】
なお、光ガイド部143Cは、下部と比較して上部の方が光の放射量が多い構成であるとよい。このような光ガイド部143Cを有する高周波加熱調理器100Cは、被加熱物のユーザから見える部位(特に、下面部分よりも重要度の高い被加熱物の上面部分)を明るく照らすことができる。そのため、高周波加熱調理器100Cは、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0072】
また、図19に示す例では、高周波加熱調理器100Cは、覗き窓14の右側にのみ発光部116Cを備える構成になっている。しかしながら、高周波加熱調理器100Cは、覗き窓14の左側と右側の両方に発光部116Cを備える構成にしてもよい。これにより、高周波加熱調理器100Cは、庫内全体を明るく照らすことができるため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0073】
<第4変形例の高周波加熱調理器の構成>
以下、図20から図22を参照して、第4変形例の高周波加熱調理器100Dの変形例について説明する。図20は、第4変形例の高周波加熱調理器100Dの本体11を水平方向に切断して右斜め上方向から見た断面図である。図21は、第4変形例の高周波加熱調理器100Dの本体11を水平方向に切断して上方向から見た断面図である。図22は、第4変形例の高周波加熱調理器100Dの本体11を鉛直方向に切断して右後側の斜め下方向から見た断面図である。
【0074】
図20から図22に示すように、第4変形例の高周波加熱調理器100Dは、実施形態に係る高周波加熱調理器100(図6参照)と比較すると、発光部116に加え、又は、発光部116の代わりに、加熱室21の側壁22側に発光部116Dを備える点で相違する。
【0075】
発光部116Dは、光ガイド部143Dを有するとともに、加熱室21の側壁22側に開口部22aが設けられた構成になっている。光ガイド部143Dは、受光側端部と出光側端部とを有しており、受光側端部がLED基板142に搭載されたLED発光素子141に対向するように配置され、出光側端部が開口部22aに対向するように配置される導光管である。光ガイド部143Dは、LED発光素子141のLED光を内部で反射させて、開口部22aを介して出光側端部から下向きにLED光を照射する。
【0076】
LED基板142には、複数のLED発光素子141が搭載されている。光ガイド部143Dの受光側端部は、各LED発光素子141に対応する複数の入力部を有する構成になっている。また、光ガイド部143Dの出光側端部は、各LED発光素子141に対応する複数の出力部を備える。
【0077】
このような光ガイド部143Dを有する高周波加熱調理器100Dは、庫内全体を明るく照らすことができるため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0078】
<第5変形例の高周波加熱調理器の構成>
以下、図23を参照して、第5変形例の高周波加熱調理器100Eの変形例について説明する。図23は、第5変形例の高周波加熱調理器100Eの斜視図である。
【0079】
図23に示すように、第5変形例の高周波加熱調理器100Eは、実施形態に係る高周波加熱調理器100(図6参照)と比較すると、発光部116の代わりに、発光部116Eを備える点で相違する。
【0080】
発光部116Eは、覗き窓14の左側と右側のいずれか一方又は双方に設けられた光源である。図23に示す例では、発光部116Eは、覗き窓14の左側と右側の双方に設けられている。発光部116Eは、加熱室21に向けてLED光を照射する複数のLED発光素子141を有している。発光部116Eは、正面視で直線状の形状を呈するように形成されており、加熱室21に対して斜めに傾斜して配置されている。
【0081】
このような発光部116Eを有する高周波加熱調理器100Eは、左側と右側のいずれか一方又は双方から加熱室21に向けてLED光を照射することができる。
【0082】
高周波加熱調理器100Eは、例えば、覗き窓14の下側に操作表示部16が設けられ、ドア部13の内部において覗き窓14の左側と右側のいずれか一方又は双方に比較的広い場所を確保することができる。そのため、このような場合に、高周波加熱調理器100Eは、発光部116Eを良好に配置することができる。
【0083】
なお、高周波加熱調理器100Eは、好ましくは、覗き窓14の左側と右側の両方に発光部116Eを備えるとよい。これにより、高周波加熱調理器100Eは、庫内全体を明るく照らすことができるため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0084】
また、発光部116Eは、下部と比較して上部の方が光の放射量が多い構成であるとよい。このような発光部116Eを有する高周波加熱調理器100Eは、被加熱物のユーザから見える部位(特に、下面部分よりも重要度の高い被加熱物の上面部分)を明るく照らすことができる。そのため、高周波加熱調理器100Cは、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0085】
<高周波加熱調理器の主な特徴>
(1)図4に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、被加熱物を収容する加熱室21と、被加熱物を加熱するレンジ加熱ユニット32(高周波加熱手段)と、加熱室21の前面側に開閉自在に設けられたドア部13と、を備えている。図6に示すように、ドア部13は、周辺部にチョーク部112aを有し中央に開口部112bが設けられたドアベース112と、ドアベース112の開口部112bを覆って設けられた薄膜状の金属メッシュ113と、ドア部13の金属メッシュ113よりも庫外側に設けられた発光部116と、を有している。発光部116の光は、金属メッシュ113を通って加熱室21を照射する構成になっている。
【0086】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、発光部116の光が薄膜状の金属メッシュ113を通って加熱室21を照射する構成になっている。このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、加熱室21に対して広い視野角を確保することができ、横方向から庫内を見ても庫内が見え易いため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0087】
(2)図9に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、発光部116の光は、薄膜状の金属メッシュ113に設けられた複数の開口部113a(図6及び図11参照)を通って加熱室21を照射する構成であるとよい。
【0088】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、発光部116の光が薄膜状の金属メッシュ113に設けられた複数の開口部113a(図6及び図11参照)を通って加熱室21を照射する。このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13側から庫内に配置された被加熱物に向けて光を照射することで、被加熱物の覗き窓14から見える部位を明るく照らすため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0089】
(3)図16から図17Cに示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、第1変形例の高周波加熱調理器100Aのように構成にしてもよい。すなわち、発光部116Aは、光を発するLED発光素子141と、LED発光素子141の光を加熱室21に届ける光ガイド部143Aと、を有する構成にしてもよい。この構成において、好ましくは、光ガイド部143Aは、ドア部13の金属メッシュ113よりも庫外側に設けられるとともに、LED発光素子141に対向配置された受光面と、金属メッシュ113に対向配置された出光面(対向面143s)と、を有する。そして、光ガイド部143Aは、LED発光素子141から照射された光を受光面で内部に取り込み、内部で反射させて出光面に導き、出光面(対向面143s)から金属メッシュ113に向けて照射する照射する構成であるとよい。
【0090】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13の比較的広い場所にLED発光素子141を配置することができるため、発光部116の設計の自由度を向上させることができる。
【0091】
(4)図16等に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、第1変形例の高周波加熱調理器100Aのように構成にした場合に、ドア部13は、操作表示部16と、操作表示部16の表示パネル118を収容するパネル収容部120aと、を有し、LED発光素子141は、パネル収容部120aの内部又は周囲に配置されているとよい。
【0092】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、パネル収容部120aの内部又は周囲に配置されたLED発光素子141から照射される光で庫内を照らすことができる。
【0093】
(5)図1に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、操作表示部16は、ドア部13の左右いずれか一方の部位に配置されている。図16に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、第1変形例の高周波加熱調理器100Aのように構成にした場合に、LED発光素子141は、パネル収容部120aの上側に配置されるようにしてもよい。
【0094】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、パネル収容部120aの上側に配置されたLED発光素子141から照射される光で庫内を照らすことができる。
【0095】
(6)図16に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、第1変形例の高周波加熱調理器100Aのように構成にした場合に、LED発光素子141は、ドア部13の上部に横向きに配置されるようにしてもよい。
【0096】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13の上部に横向きに配置されたLED発光素子141から照射される光で庫内を照らすことができる。
【0097】
(7)図19に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、第3変形例の高周波加熱調理器100Cのように、LED発光素子141から縦向きに光ガイド部143Cを配置した場合に、光ガイド部143Cは、下部と比較して上部の方が光の放射量が多い構成であるとよい。
【0098】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、被加熱物の調理状態を見る際に、下面部分よりも重要度の高い被加熱物の上面部分を明るく照らすため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0099】
(8)図23に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、第5変形例の高周波加熱調理器100Eのように構成にした場合に、操作表示部16は、ドア部13の下部に配置され、LED発光素子141は、ドアベース112に設けられた開口部112bの左右の少なくとも一方の部位に配置され、光ガイド部143Bは、LED発光素子141から縦向きに配置されているとよい。
【0100】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13の比較的広い場所にLED発光素子141を配置することができるため、発光部116の設計の自由度を向上させることができる。
【0101】
(9)図20から図22に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、第4変形例の高周波加熱調理器100Dのように構成にしてもよい。すなわち、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、発光部116に加え、加熱室21の側壁22側に発光部116Dを備える構成にしてもよい。
【0102】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、被加熱物が見え易くなるように光を被加熱物に照射することができるため、被加熱物の視認性を向上させ、ドア部13に発光部116を設けないことで重量を低下し、操作性を向上することができる。
【0103】
(10)図4に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、被加熱物を収容する加熱室21と、被加熱物を加熱するレンジ加熱ユニット32(高周波加熱手段)と、加熱室21の前面側に開閉自在に設けられたドア部13と、加熱室21を照らす発光部116と、を備えている。図6に示すように、ドア部13は、周辺部にチョーク部112aを有し中央に開口部112bが設けられたドアベース112と、ドアベース112の開口部112bを覆って設けられた金属メッシュ113と、を有している。発光部116は、光を発するLED発光素子141を有し、図12に示すように、金属メッシュ113の開口率は、加熱室21に対して視野角が30°傾いた場合において、50%以上であるとよい。
【0104】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、加熱室21に対して視野角が30°傾いた場合において、金属メッシュ113の開口率が50%以上である。このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、加熱室21に対して広い視野角を確保することができ、横方向から庫内を見ても庫内が見え易いため、被加熱物の視認性を向上させることができる。しかも、このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、指向性が高い(発光指向性が狭い)LED光を被加熱物に照射するため、被加熱物を見え易くすることができる。また、このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、比較的長寿命なLED発光素子を光源として用いることで、比較的長期間光源の交換を不要にすることができる。
【0105】
(11)図20から図22に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、第4変形例の高周波加熱調理器100Dのように構成にしてもよい。すなわち、LED発光素子141は、加熱室21の側壁22側に配置されている構成にしてもよい。
【0106】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、LED発光素子141を好適な任意の場所に配置することができるため、発光部116の設計の自由度を向上させることができる。
【0107】
(12)図20から図22に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、第4変形例の高周波加熱調理器100Dのように構成にした場合に、LED発光素子141は、加熱室21の側壁22の中央よりもドア部13側に配置されているとよい。
【0108】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、加熱室21の側壁22の中央よりもドア部13側から庫内に配置された被加熱物に向けて光を照射することで、被加熱物の覗き窓14から見える部位を明るく照らすため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0109】
(13)図20から図22に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、第4変形例の高周波加熱調理器100Dのように構成にした場合に、発光部116は、LED発光素子141の光を加熱室21に届ける光ガイド部143Dを有し、加熱室21は、側壁22の光ガイド部143Dに対向する位置に開口部22aが設けられ、光ガイド部143Dの先端は、加熱室21の側壁22より庫外側に配置されているとよい。
【0110】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、光ガイド部143Dの先端が加熱室21の側壁22より庫外側に配置されているため、光ガイド部143Dの先端に汚れが付着することを低減することができる。
【0111】
(14)図12に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、加熱室21は、奥行方向Dより幅方向Wに長く形成されており、かつ、アスペクト比が1.15以上であるとよい。
【0112】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、加熱室21に対して広い視野角を確保し易くすることができ、横方向から庫内を見ても庫内が見え易いため、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0113】
(15)図9に示すように、本実施形態に係る高周波加熱調理器100では、金属メッシュ113が加熱室21に対して視野角が30°傾いた場合において金属メッシュ113の開口率が50%以上である構成であるときに、発光部116の光は、金属メッシュ113の複数の開口部113a(図6及び図11参照)を通って加熱室21を照射する構成であるとよい。
【0114】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、発光部116の光が薄膜状の金属メッシュ113に設けられた複数の開口部113a(図6及び図11参照)を通って加熱室21を照射する。このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、ドア部13側から庫内に配置された被加熱物に向けて光を照射することで、被加熱物の覗き窓14から見える部位を明るく照らすため、被加熱物の視認性を向上させることができる。また、このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、図16から図23に示す第1変形例から第5変形例の高周波加熱調理器100A,100B,100C,100D,100Eのような構成にすることができる。
【0115】
(16)本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、金属メッシュ113(図6参照)は、庫外側のみ黒色系の表面処理が施されているとよい。
【0116】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理器100は、金属メッシュ113(図6参照)の庫外側のみ黒色系の表面処理とすることで、金属メッシュ113の庫外側の反射による視認性の悪化を防止し、加熱室21庫内側を金属素材とすることで、金属メッシュ113とドアベース112の電気的接触を確保することと、金属メッシュ113の表面処理のコストを抑制することとを両立することができる。
【0117】
(17)本実施形態に係る高周波加熱調理器100において、加熱室21の壁面と底面の色は、黒色系であるとよい。つまり、庫内の壁面の塗装色や底面ガラス(又は、底面のテーブルプレート)の色は、黒色系であるとよい。壁面や底面の色が明るい色の場合は必要ない部分までよく見えてしまい、「最も見たい食品」以外の視覚情報が多くなってしまい、食品の調理状況が結果的に分かり難くなる。このような観点から、高周波加熱調理器100は、加熱室21の壁面と底面の色を黒色系とすることで、食品の視覚情報だけを目立つようにして、食品の調理状況を分かり易くすることができる。
【0118】
(18)本実施形態に係る加熱室21の視認性を向上した高周波加熱調理器100において、LED発光素子(発光素子)141の色温度は、4000K(ケルビン)以下の暖色系であるとよい。
【0119】
このような本実施形態に係る高周波加熱調理機100は、4000K(ケルビン)以下の暖色系のLED発光素子(発光素子)141によって、高い視認性だけではなく被加熱物を「よりおいしそうに見せる」ことができる。
【0120】
以上の通り、本実施形態に係る高周波加熱調理器100によれば、被加熱物の視認性を向上させることができる。
【0121】
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0122】
11 本体
12 外枠(キャビネット)
13 ドア部
14 覗き窓
16 操作表示部
16a 表示部
16b 操作部
21 加熱室
22 側壁
22a 開口部
23 前壁面
30 加熱手段
31 グリル加熱ユニット
32 レンジ加熱ユニット(高周波加熱手段)
33 水蒸気発生ユニット
34 熱風ユニット
90 制御基板
100,100A,100B,100C,100D,100E,1000 高周波加熱調理器
110 シリコンシール
111 内側ガラス
112,1112 ドアベース
112a チョーク部
112b 開口部
113 金属メッシュ
113a 開口部
114 カシメ押さえ板
115 取付板
116,116A,116B,116C,116D,116E 発光部
117 パネル取付板
118 表示パネル
119 パネル基板
120 ドア枠
120a パネル収容部
121 外側ガラス
141 LED発光素子(発光素子)
142 LED基板
143A,143B,143C,143D 光ガイド部
143s 対向面
144 冷却ファン
1113 パンチング板
1113a パンチング孔
Aw 冷却風
Ar LED光
D 奥行方向
O 庫内中心
EL 距離
RL 視認距離
θ 角度
L101、L102,L103,L104,L1000 曲線
W 幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図12
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図17A
図17B
図17C
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