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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011879
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】耐震評価システムおよび耐震評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 7/02 20060101AFI20240118BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20240118BHJP
【FI】
G01M7/02 H
G06F30/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114185
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 貴仁
(72)【発明者】
【氏名】丸山 直伴
(72)【発明者】
【氏名】皆川 祐輔
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146DJ02
5B146DJ14
(57)【要約】
【課題】多自由度系でモデル化される機器の振動モードごとの動的相互作用を考慮した、耐震性の評価のための応答スペクトルを作成できるようにする。
【解決手段】対象機器についての機器評価モデルを用いて耐震性の評価のための応答スペクトルを作成する応答スペクトル作成部を備える。応答スペクトル作成部が応答スペクトルを作成する際に使用する機器評価モデルは、対象機器の設置位置の動剛性を加味したものであり、かつ、対象機器の振動モード情報ごとに異なる質量および剛性を用いて構成される1質点系モデルを有する。そして、応答スペクトル作成部が作成する応答スペクトルは、複数の振動モードの動的相互作用が考慮されたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象機器についての機器評価モデルを用いて、耐震性の評価のための応答スペクトルを作成する応答スペクトル作成部を備え、
前記応答スペクトル作成部が応答スペクトルを作成する際に使用する前記機器評価モデルは、前記対象機器の設置位置の動剛性を加味したものであり、かつ、前記対象機器の振動モード情報ごとに異なる質量および剛性を用いて構成される1質点系モデルを有し、
前記応答スペクトル作成部が作成する応答スペクトルは、複数の振動モードの動的相互作用が考慮されたものである
耐震評価システム。
【請求項2】
前記機器評価モデルは、前記対象機器の振動モード情報ごとに異なる質量および剛性を用いて構成される複数の1質点系モデルを並列に連結したものであり、
前記応答スペクトル作成部が作成する応答スペクトルには、振動モード間の相互作用が考慮される
請求項1に記載の耐震評価システム。
【請求項3】
前記応答スペクトル作成部は、振動モードを再現できる耐震モデルと前記対象機器の設置位置の動剛性を結合した、入力補正モデルを使用して、応答スペクトルを作成する
請求項2に記載の耐震評価システム。
【請求項4】
前記対象機器は、多点支持される機器を対象とし、複数の支持点を剛体要素および多点拘束方程式によって、対象機器の重心位置に設けた集約点に接続して、節点における動剛性を加味し、
前記応答スペクトル作成部が作成する応答スペクトルは、前記複数の支持点からの動的相互作用の影響を1つに集約して考慮される
請求項1に記載の耐震評価システム。
【請求項5】
前記対象機器の耐震モデルデータから固有振動を解析する固有振動解析部と、
前記対象機器の設置位置の動剛性を計算する動剛性計算部と、
前記固有振動解析部が解析した固有振動と、前記動剛性計算部が計算した動剛性に基づいて機器評価モデルの伝達関数を計算する伝達関数計算部と、
前記対象機器の地震応答を解析する地震応答解析部と、
前記伝達関数計算部が計算した伝達関数と前記地震応答解析部が解析した地震応答とに基づいて、最大応答を計算する最大応答計算部と、を備え、
前記最大応答計算部が計算した最大応答に基づいて、前記応答スペクトル作成部が応答スペクトルを作成する
請求項1に記載の耐震評価システム。
【請求項6】
対象機器についての機器評価モデルを用いて伝達関数を計算し、機器評価モデルの伝達関数と地震応答解析の結果との演算処理で、耐震性の評価のための応答スペクトルを作成する耐震評価方法であり、
前記機器評価モデルは、前記対象機器の設置位置の動剛性を加味したものであり、かつ、前記対象機器の振動モード情報ごとに異なる質量および剛性を用いて構成される1質点系モデルを有し、
作成される応答スペクトルは、複数の振動モードの動的相互作用が考慮されたものである
耐震評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐震評価システムおよび耐震評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2011年に発生した東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所事故を機に、2012年9月に原子力規制委員会(NRA)が発足し、2013年には福島第一原子力発電所の教訓を踏まえた新規制基準が施行された。新規制基準に基づく安全審査では、従来の耐震設計で用いられる質点系モデルでは説明が困難な実機の3次元的な応答性状を把握するため、原子炉建屋を3次元FEMでモデル化した耐震評価モデル(建屋3次元FEMモデル)による影響評価がNRAから求められている。これに対し、建屋3次元FEMモデルによる評価を実施し、地震応答の計算結果が質点系モデルを用いた場合よりも大きい場合には、その影響を設計条件に反映する対応が必要となっている。
【0003】
建屋に設置された機器との連成効果が考慮されていない建屋3次元FEMモデルにおいては、高振動数領域での床や壁の面外方向の局所応答が実際よりも大きく計算される可能性がある。局所応答を含んだ床の振動がそこに設置された機器の耐震設計の地震動条件として考慮されると、強度評価の許容値を超過して設計が成立しなくなる可能性が高くなる。
【0004】
このような課題に対し、特許文献1には、高速でかつ実際に生じる可能性のある応答時刻歴の不確定性を考慮して床応答スペクトルを計算することのできる床応答スペクトル計算装置が記載されている。具体的には、特許文献1には、建屋または建屋-機器連成系の動的解析によって得られる建屋床あるいは配管系等の設置位置における応答加速度時刻歴のパワースペクトル密度を計算する手段と、計算されたパワ―スペクトル密度から床応答スペクトルを計算する手段とを備えた床応答スペクトル計算装置が記載されている。
【0005】
また、特許文献1とは別の技術として、非特許文献1に記載されるように、床の局所応答が大きくなりやすい鉛直方向の耐震設計においては、機器-建屋動的相互作用(ESI)を考慮することによる機器へのエネルギー逸散効果によって床の局所応答が低減されることが、米国電力研究所(EPRI)により報告されている。この報告では、機器設置位置の床の動剛性を機器の耐震評価モデルに組み込むことで、建屋と機器を連成させることなくESIの効果を簡易的に考慮する手法が使用されている。動剛性は、機器設置位置に一定振幅の周期的な加振力Fが作用しているときに得られる応答変位Xの比(F/X)であり、振動数依存の剛性および減衰で表現され、周波数応答解析で求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5-346366号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】2017 TECHNICAL REPORT: High-Frequency Seismic Loading Evaluation for Standard Nuclear Power Plants, EPRI
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に記載される技術は、建屋と機器・配管系の相互作用に着目し、耐震解析において1質点系でモデル化される機器を対象とし、機器設置位置の床の動剛性を機器のモデルに組み込むことで、建屋と機器を連成させることなくESIの効果を簡易的に考慮できるように定式化している。このような1質点系モデルは、機器の質量、剛性、減衰を決定し、振動特性を模擬している。ここでは、主要な振動モードが1つに限定されることを前提として1質点系モデルがモデル化されており、機器の質量には総質量が用いられ、剛性は主要な振動モードの固有振動数と機器の質量の関係から算定される。なお、減衰は機器の設計用減衰定数や試験により得られた減衰比を参考に決められる。
【0009】
また、非特許文献1に記載される技術は、このような1質点系モデルに機器設置位置の動剛性を組み込んだ機器評価モデルを用い、ESIを考慮した応答を算定する。そして、建屋床の質量と機器の質量比を一定とするために機器質量は一定とし、剛性を変化さることで固有振動数を変動させ応答スペクトル作成する。
【0010】
このように従来技術では、有効質量の大きい主要な振動モードが1つに限定されるような機器に対してはESIを考慮できる応答スペクトルを作成することができるが、多自由度系でモデル化されるような機器を対象として、ESIを考慮するための応答スペクトルの作成方法にはなっていない。つまり、従来技術では、多自由度系でモデル化される機器と建屋間の相互作用を正確に考慮することが難しいという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、多自由度系でモデル化される機器の振動モードごとの動的相互作用を考慮した応答スペクトルを作成して耐震性を評価できる耐震評価システムおよび耐震評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、対象機器についての機器評価モデルを用いて応答スペクトルを作成する応答スペクトル作成部を備える。
応答スペクトル作成部が応答スペクトルを作成する際に使用する機器評価モデルは、対象機器の設置位置の動剛性を加味したものであり、かつ、対象機器の振動モード情報ごとに異なる質量および剛性を用いて構成される1質点系モデルを有し、応答スペクトル作成部が作成する応答スペクトルは、複数の振動モードの動的相互作用が考慮されたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、対象機器の振動モードごとに異なっている機器-建屋間の動的相互作用の効果を正確に考慮することができ、実挙動に近い現実的な応答を算定することができ、実挙動に近い耐震評価が可能になる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施の形態例による耐震評価システムの全体構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施の形態例による耐震評価システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施の形態例の建屋における機器が設置される床と機器を表す建屋の断面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態例による耐震評価システムの応答スペクトル作成方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の第1の実施の形態例において想定される建屋床と機器の連成モデルの模式図である。
図6】本発明の第1の実施の形態例において想定される建屋床と機器の連成モデルの模式図である。
図7】本発明の第1の実施の形態例における動剛性を算定するための周波数応答解析図である。
図8】本発明の第1の実施の形態例における機器評価モデルを示す図である。
図9】本発明の第1の実施の形態例において算定される応答スペクトルの模式図である。
図10】本発明の第2の実施の形態例による耐震評価システムの応答スペクトル作成方法を示すフローチャートである。
図11】本発明の第2の実施の形態例において質点系を並列に連結して構築した機器評価モデルの模式図である。
図12】本発明の第3の実施の形態例による耐震評価システムの構成例を示すブロック図である。
図13】本発明の第3の実施の形態例による耐震評価システムの応答スペクトル作成方法を示すフローチャートである。
図14】本発明の第3の実施の形態例による入力補正モデルの模式図である。
図15】本発明の第3の実施の形態例による機器評価モデルの模式図である。
図16】本発明の第4の実施の形態例による建屋床と多点支持される機器・配管系の連成モデルの模式図である。
図17】本発明の第4の実施の形態例において多点支持される機器・配管系の動剛性を算定するための周波数応答解析の入出力を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施の形態例]
以下、本発明の第1の実施の形態例を、図1図9を参照して説明する。
本実施の形態例は、多自由度系でモデル化される機器の振動モードごとの動的相互作用が考慮された応答スペクトルを作成して、耐震評価を行うものである。
【0016】
<応答スペクトル作成システム>
図1は、本実施の形態例の耐震評価システム100の全体構成を示す図である。
本実施の形態例の耐震評価システム100は、データベースとして、建屋・大型機器系耐震モデルデータベース101および対象機器・配管系耐震モデルデータベース102を備える。
そして、耐震評価システム100は、地震応答解析部103、動剛性計算部104、固有振動解析部105、フーリエスペクトル計算部106、伝達関数計算部107、最大応答計算部108、および応答スペクトル作成部109を備える。応答スペクトル作成部109で作成された応答スペクトルは、表示装置110で描画して表示される。なお、図1では表示装置110は耐震評価システム100とは別構成としたが、耐震評価システム100が表示装置110を内蔵してもよい。
【0017】
地震応答解析部103は、建屋・大型機器系耐震モデルデータベース101に蓄積された建屋・大型機器系耐震モデルを用いて地震応答計算を行う。
動剛性計算部104は、建屋・大型機器系耐震モデルデータベース101に蓄積された建屋・大型機器系耐震モデルを用いて、対象機器の設置位置における周波数応答解析により動剛性を算定する。
固有振動解析部105は、対象機器・配管系耐震モデルデータベース102に蓄積された対象機器配管系耐震モデルを用いて固有振動解析を行う。
【0018】
フーリエスペクトル計算部106は、地震応答解析部103から得られた時刻歴の地震応答波形を高速フーリエ変換(FFT)する。
伝達関数計算部107は、固有振動解析部105にて得られたモード情報に基づいて構築される機器評価モデルの伝達関数を計算する。
最大応答計算部108は、地震応答のフーリエスペクトルと機器評価モデルの伝達関数を乗算し、逆FFTを行い時刻歴波形に変換したうえで時刻歴最大応答を算定する。
応答スペクトル作成部109は、評価対象機器の各振動モードの最大応答のデータセットから応答スペクトルを作成する。
【0019】
ここで、動剛性計算部104は、建屋・大型機器系の耐震モデルデータの機器設置位置において、例えば単位調和変位入力、荷重出力の周波数応答解析を行い、後述する[数1]式に従い動剛性を計算する。なお、動剛性計算部104は、入出力関係を逆にして動剛性の逆数を計算し、演算処理を加えることによって動剛性を算定してもよい。
【0020】
<ハードウェア構成例>
図2は、耐震評価システム100として作動するコンピュータのハードウェア構成例を示す。
耐震評価システム100(コンピュータ)は、CPU(中央処理ユニット:Central Processing Unit)100a、ROM100b、RAM100c、不揮発性ストレージ100d、ネットワークインタフェース100e、入力装置100f、および出力装置100gを備える。
【0021】
CPU100aは、ROM100bまたは不揮発性ストレージ100dに記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行して、RAM100cに図1に示す各処理部を構成する。不揮発性ストレージ100dは、プログラムや各種データを記憶すると共に、図1に示すデータベース101,102としてのデータを記憶する。
ネットワークインタフェース100eは、外部とのデータの送受信を行う。
入力装置100fおよび出力装置100gは、コンピュータに接続された入力機器および出力機器である。出力装置100gの一つとして、図1に示す表示装置110がある。入力装置100fには、例えばコンピュータに指示を行うキーボードやマウスなどが含まれる。
【0022】
ここで、CPU100aが実行するプログラムにより、図2に示すコンピュータは、図1に示す耐震評価システム100として動作を行う。
なお、本実施の形態例の耐震評価システム100を、CPUの制御で実行されるコンピュータで構成するのは一例であり、耐震評価システム100が行う機能の一部または全部を、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0023】
<応答スペクトル作成方法>
図3は、本実施の形態例の耐震評価システム100で応答スペクトルを作成する建屋の例を示す建屋断面図である。図3の例は、原子炉建屋の断面図であり、建屋の床1には、機器2が設置されている。本実施の形態例では、この床1に設置された機器2を含めた建屋の振動挙動を模擬できる建屋・大型機器系の耐震モデルを用いて、応答スペクトルを作成するものである。
【0024】
図4は、本実施の形態例の耐震評価システム100による応答スペクトル作成方法を示すフローチャートである。
まず、地震応答解析部103が、図3に示すような建屋の振動挙動を模擬できる建屋・大型機器系の耐震モデルを用いて、地震応答解析を行う(ステップS1)。
この地震応答解析により、地震応答解析部103は、機器設置位置の加速度時刻歴波形を算定する(ステップS4)。さらに、フーリエスペクトル計算部106が、機器設置位置の加速度時刻歴波形を高速フーリエ変換(FFT)する(ステップS7)。この高速フーリエ変換により、フーリエスペクトル計算部106は、加速度フーリエスペクトルZ(f)を得る(ステップS10)。
【0025】
また、動剛性計算部104は、図5に示す床の耐震モデル3Bの機器設置位置4Aにおいて、単位調和変位X(f)を入力し、荷重応答F(f)を得る周波数応答解析を行う(ステップS2)。そして、動剛性計算部104は、この周波数応答解析により、機器設置位置の動剛性D(f)を得る(ステップS5)。
【0026】
ここで、図5および図6に示す床の耐震モデル3Bの機器設置位置4Aについて説明すると、図5は、図3に示す建屋の床1と機器2の連成モデルの模式図である。この図3に示す連成モデルでは、床の耐震モデル3Bと機器の耐震モデル3Aを機器設置位置4で接続している。
そして、動剛性計算部104は、図6に示すように、床の耐震モデル3Bの機器設置位置4Aにおいて、単位調和変位X(f)を入力し、荷重応答F(f)を得る周波数応答解析を行う。
【0027】
図7は、機器設置位置の動剛性D(f)の虚部7と実部8のグラフである。図7の横軸は振動数、縦軸は振幅である。
動剛性D(f)は、以下の[数1]式のように周波数応答解析において得られたF(f)をX(f)で除すことによって算出でき、周波数依存関数となる。
【0028】
【数1】
【0029】
図4のフローチャートの説明に戻ると、固有振動解析部105は、機器の耐震モデル3A(図5)を用いて対象機器の固有振動解析を行う(ステップS3)。この対象機器の固有振動解析により、固有振動解析部105は、機器の振動モード情報を得る(ステップS6)。ここで必要となる振動モード情報は、固有振動数、モード質量、および有効質量比である。
【0030】
そして、伝達関数計算部107は、機器設置位置の動剛性D(f)と、機器の振動モード情報とから、i次モードに対する機器評価モデルを構築する(ステップS8)。
図8は、i次モードに対する機器評価モデルである。
機器評価モデルは、ステップS6の振動モード情報に基づいて定められる1質点系モデルの下端に動剛性を結合することで構築される。なお、あらかじめ機器の有効質量比が大きい主要な振動モードを選定しておき、その振動モード情報のみを対象にしてもよい。1質点系モデルの質量には、振動モードのモード質量meiが用いられる。
そして、振動モードの固有振動数fei、モード質量meiから、剛性keiが以下の[数2]式により算定される。
【0031】
【数2】
【0032】
また、機器のi次モードの粘性減衰係数ceiに関しては、設計用減衰定数や減衰取得試験等により得られている減衰比hの情報をもとに、以下の[数3]式により算定される。
【0033】
【数3】
【0034】
動剛性D(f)を1質点系モデル下端に結合する場合、床の機器設置位置における周波数依存の剛性K(f)および周波数依存の減衰C(f)としてモデル化すればよい。ここで、これらの剛性や減衰を用いて動剛性D(f)を表すと以下の[数4]式のようになる。
【0035】
【数4】
【0036】
すなわち、動剛性を解析モデルに組み込む場合、[数1]式で得られた動剛性の実部をK(f)とし、虚部を2πfで除すことによりC(f)を定め、それぞればねやダッシュポットとしてモデル化すればよい。
以上のようにして得られる剛性や減衰のパラメータにより定められる機器評価モデルのi次モードの伝達関数Hei(f)を以下の[数5]式に示す。ここで、Ωeiはi次モードにおける振動数比である。
【0037】
【数5】
【0038】
このようにして、伝達関数計算部107で機器評価モデルの伝達関数が計算され(ステップS9)、伝達関数Hei(f)が得られる(ステップS11)。
ここで、振動数比Ωeiは、以下の[数6]式となる。
【0039】
【数6】
【0040】
また、i次モードにおける機器と構造物のインピーダンス比αeiは、以下の[数7]式で定義される。
【0041】
【数7】
【0042】
次に、最大応答計算部108で、機器設置位置の加速度フーリエスペクトルZ(f)と[数5]式のi次モードの機器評価モデルの伝達関数を乗算する処理が行われる(ステップS12)。
さらに、最大応答計算部108では、逆FFTが行われ(ステップS13)、得られた時刻歴応答波形の最大値が抽出(算出)される(ステップS14)。
【0043】
その後、応答スペクトル作成部109は、機器のモード次数iが、対象とする振動数範囲の最大モード次数N以上か否かを判断する(ステップS15)。
ステップS15で対象とする振動数範囲の最大モード次数Nより小さい場合(ステップS15のNO)、応答スペクトル作成部109は、モード次数をi+1に上げ(ステップS16)、ステップS12からの演算処理を繰り返す。
【0044】
また、ステップS15で対象とする振動数範囲の最大モード次数N以上のとき(ステップS15のYES)、応答スペクトル作成部109は、応答スペクトルのデータセットを得る(ステップS17)。応答スペクトル作成部109は、得られたデータセットに基づき、応答スペクトルを作成する。作成された応答スペクトルは、例えば表示装置110にて描画されて表示される。
【0045】
図9は、応答スペクトル作成部109で作成された応答スペクトルの表示例を示す。
図9のグラフは、横軸が固有振動数、縦軸が応答スペクトルであり、固有振動数ごとの応答スペクトル特性9を示している。
以上のように、本発明の第1の実施の形態例によると、多自由度系でモデル化される機器の振動モードごとの動的相互作用を考慮するための応答スペクトルを作成することができる。すなわち、対象機器の振動モードごとに異なっている機器-建屋間の動的相互作用の効果を正確に考慮することができ、実挙動に近い現実的な応答を算定することができ、結果的に実挙動に近い現実的な耐震性の評価が可能になる。
【0046】
[第2の実施の形態例]
次に、本発明の第2の実施の形態例を、図10図11を参照して説明する。第2の実施の形態例を説明する図10および図11において、第1の実施の形態例で説明した図1図9に対応する箇所には同一符号を付し、重複説明を省略する。
第2の実施の形態例においては、伝達関数計算部107(図1)での機器評価モデルの構築処理が、第1の実施の形態例とは相違する。耐震評価システム100の構成については、図1に示す耐震評価システム100と同じであり、説明を省略する。
【0047】
<応答スペクトル作成方法>
図10は、本発明の第2の実施の形態例に係る応答スペクトルの作成方法を説明するフローチャートである。
図10のフローチャートにおいて、ステップS1~S7とステップS9~S17の処理は、既に説明した図4のフローチャートの処理と同じなので、説明は省略する。
図10のフローチャートでは、伝達関数計算部107は、機器設置位置の動剛性D(f)と、機器の振動モード情報とを取得し、1次モードに対する機器評価モデルを構築する際に、モード間の相互作用を考慮した機器評価モデルを得るようにしている(ステップS81)。
そして、伝達関数計算部107は、ステップS9で、ステップS81で得られた機器評価モデルの伝達関数を計算する。以後の処理は、図4のフローチャートと同様に処理される。
【0048】
図11は、図10のフローチャートのステップS81における、それぞれの機器の質点系を並列に連結して構築した機器評価モデルの模式図である。
この機器評価モデルでは、機器設置位置の動剛性に対し、各振動モードに対応する1質点系を接続位置4Bで並列に連結することで、慣性によるモード間の相互作用の効果を考慮できる機器評価モデルとしている。
すなわち、Nを最大モード次数としたとき、機器の1次のモード質量me1(1次の固有振動数fe1)、機器の2次のモード質量me2(2次の固有振動数fe2)、・・・、機器のN次のモード質量meN(N次の固有振動数feN)が、接続位置4Bで並列に連結されて、慣性によるモード間の相互作用の効果を考慮できる機器評価モデルになっている。図11において、ke1は機器の1次のモードの剛性、ce1は機器の1次のモードの粘性減衰係数であり、同様に、ke2は機器の2次のモードの剛性、ce2は機器の2次のモードの粘性減衰係数、keNは機器のN次のモードの剛性、ceNは機器のN次のモードの粘性減衰係数である。
ここでは、機器評価モデルとして、床における機器設置位置4Aから各質点までの伝達関数が周波数応答解析により算定され、床における地震応答のフーリエスペクトルZ(f)に各質点の伝達関数を乗算して最大応答が算定される。そして、応答スペクトル作成部109は、振動モード間の相互作用を考慮した応答スペクトルを作成する。
【0049】
本発明の第2の実施の形態例によると、対象機器の振動モードごとに異なっている機器-建屋間の動的相互作用の効果を、より正確に考慮して、実挙動に近い現実的な応答を算定することができる。
【0050】
[第3の実施の形態例]
次に、本発明の第3の実施の形態例を、図12図15を参照して説明する。第3の実施の形態例を説明する図12図15において、第1の実施の形態例で説明した図1図9に対応する箇所には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
<応答スペクトル作成システム>
図12は、本発明の第3の実施の形態例の応答スペクトル作成システム100の構成を示す図である。
本実施の形態例の耐震評価システム100′は、図1に示す第1の実施の形態例の耐震評価システム100の構成に加えて、入力補正モデルの伝達関数計算部111を備える点が相違する。
【0052】
すなわち、図12に示すように、入力補正モデルの伝達関数計算部111は、動剛性計算部104ら得られる機器設置位置の動剛性データと、対象機器・配管系耐震モデルデータベース102から得られる機器・配管系の耐震モデルデータをもとに、入力補正モデルを構築し、動剛性部の伝達関数H(f)を算定する。動剛性部の伝達関数H(f)は、最大応答計算部108に供給される。
【0053】
最大応答計算部108では、フーリエスペクトル計算部106から得られた機器設置位置のフーリエスペクトルZ(f)と、伝達関数計算部111で得られた入力補正モデルの動剛性部の伝達関数H(f)と、機器評価モデルの伝達関数計算部107から得られた動剛性を加味しない機器評価モデルのi次モードの伝達関数Hei(f)を用いて、各モードの最大応答を計算する。最大応答計算部108で計算された各モードの最大応答は、応答スペクトル作成部109に供給される。
【0054】
応答スペクトル作成部109は、各振動モードの最大応答のデータセットから応答スペクトルを作成する。作成された応答スペクトルは、表示装置110にて描画され表示される。
【0055】
<応答スペクトル作成方法>
図13は、本発明の第3の実施の形態例の耐震評価システム100′による応答スペクトル作成方法を示すフローチャートである。
本発明の第3の実施の形態例では、ステップS82に示すように、機器設置位置の動剛性と対象機器の耐震モデルを用いて入力補正モデルを構築し、入力補正モデルにより、機器への入力となる機器設置位置の加速度フーリエスペクトルZ(f)を補正して相互作用を考慮する点が、第1の実施の形態例と相違する。
【0056】
すなわち、入力補正モデルの伝達関数計算部111は、ステップS82において、ステップS5で得られた機器設置位置の動剛性と、ステップS3で得られた対象機器の耐震モデルデータとを用いて、入力補正モデルを構築する。そして、入力補正モデルの伝達関数計算部111は、入力補正モデルの伝達関数H(f)を計算する(ステップS18)。
【0057】
最大応答計算部108は、ステップS10で得られた機器への入力となる機器設置位置の加速度フーリエスペクトルZ(f)を、ステップS18で得られた入力補正モデルの伝達関数H(f)で補正して、ステップS11で得られた機器評価モデルの伝達関数Hei(f)を乗算する処理を行う(ステップS121)。つまり、ステップS121では、Z(f)×H(f)×Hei(f)の演算処理が行われる。したがって、最大応答を計算する際には、機器評価モデルにおける動剛性を用いないで、入力に相互作用の影響を取り込むようにしている。
その後、ステップS13において、最大応答計算部108で、演算出力(Z(f)×H(f)×Hei(f))の逆FFTが行われる。これ以降の処理は、図4のフローチャートと同じである。
【0058】
図14は、第3の実施の形態例における入力補正モデルの模式図である。
また、図15は、第3の実施の形態例における機器評価モデルを示す。
図14に示す入力補正モデルでは、評価対象機器の耐震モデル3Aの下端と機器設置位置の動剛性D(f)の上端が結合されている。
図13のステップS18において、入力補正モデルの伝達関数計算部111は、入力補正モデルにおける動剛性部(図中の4A-4Bの間)の伝達関数H(f)を周波数応答解析により算定する。そして、入力補正モデルの伝達関数計算部111は、加速度フーリエスペクトルZ(f)と伝達関数H(f)を乗算することで地震入力の補正を行う。
【0059】
図15の機器評価モデルは、機器設置位置の動剛性は加味せず、図13のステップS3の固有振動解析により得られた振動モード情報に基づき、各モード質量と固有振動数および減衰比を用いて定められる1質点系を並列に連結することで構成される。
そして、図13のステップS121にて、機器評価モデルのi次モードの伝達関数Hei(f)と、補正された地震入力(Z(f)×Hc(f))を乗算する演算処理が行われる。図15に示す矢印12は、補正された地震入力(Z(f)×H(f))を示す。
これにより、応答スペクトル作成部109は、各質点の最大応答を算定し、振動モード間の相互作用を考慮した応答スペクトルを作成する。
【0060】
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態例によると、最大応答を計算する際には、機器評価モデルには動剛性を用いず、入力に相互作用の影響を取り込んで計算することができる。したがって、機器評価モデルを得る際には動剛性を使用する必要がない。一方、最大応答の計算時には、動剛性を使って得られた入力補正モデルが乗算され、対象機器の振動モードごとに異なっている機器-建屋間の動的相互作用の効果を正確に考慮した、実挙動に近い現実的な応答を算定することが可能になる。
【0061】
[第4の実施の形態例]
次に、本発明の第4の実施の形態例を、図16図17を参照して説明する。第4の実施の形態例を説明する図16図17において、第1の実施の形態例で説明した図1図9に対応する箇所には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明の第4の実施の形態例においては、基本的な耐震評価システム100の構成および応答スペクトル作成方法については、第1の実施の形態例で説明した図1および図4と同じであるが、ステップS5の機器設置位置の動剛性D(f)の算定方法において、以下に説明する点が相違する。
【0062】
<応答スペクトル作成方法>
すなわち、本発明の第4の実施の形態例においては、動剛性計算部104で行われる図4のステップS5の機器設置位置の動剛性D(f)の算定方法において、多点支持される機器・配管系を想定した動剛性が算定される。
ここでは、具体例として多点支持される配管系モデルを例に説明する。図16に示すように、はり要素13でモデル化される配管系モデルは、配管サポートを模擬したばね要素15を介し、配管節点16から建屋床の耐震モデル上の複数の支持点14に接続される。
【0063】
このような多点支持される配管系モデルの場合、図17に示すように、配管の重心位置に集約点17が設けられ、集約点17と複数の支持点14が、剛体要素や多点拘束方程式を生成する接続要素18を用いて接続される。
これにより、配管系モデルからの慣性荷重を各支持点へ適切に分配することができ、多点支持される系において単一入力を仮定する場合の動的相互作用の効果を考慮することができる。ここでは、支持点間の位相差は省略している。
動剛性については、集約点17において、単位調和変位入力X(f)、荷重出力F(f)の周波数応答解析を行い、[数1]式から動剛性を算定すればよい。
【0064】
以上のように、本発明の第4の実施の形態例によると、複数の支持点からの動的相互作用の影響を1つに集約して考慮される応答スペクトルを作成することができる。これにより複数の支持点を有する配管などの機器であっても、実挙動に近い応答を算定できるようになる。
【0065】
[変形例]
以上、実施の形態例で本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態例に限定されるものではない。
例えば、ここまで説明した各実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、図1および図12に示す構成図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、図4図10図13に示すフローチャートの処理の流れについても一例であり、処理結果が同じであれば、一部の処理順序を変えたり、複数の処理を同時に実行したりしてもよい。
また、図3に示す原子力建屋の耐震性評価を行う点についても一例であり、本発明の耐震評価システムは、様々な建屋の耐震性評価に適用が可能である。
【0066】
また、本発明の耐震評価システムで行われる処理は、プログラム(ソフトウェア)の実行により行われるものであり、例えば既存のコンピュータ(情報処理装置)に、実施の形態例で説明した処理を実行するプログラムを実装することで、本発明の応答スペクトル作成システムとして機能させてもよい。この場合のプログラムの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、ICカード、SDカード光ディスク等の各種記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0067】
1…建屋床、2…機器、3A…機器の耐震モデル、3B…建屋床の耐震モデル、4…機器設置位置、4A…床における機器設置位置、4B…機器における床との接続点、7…機器設置位置の動剛性の虚部、8…機器設置位置の動剛性の実部、9…建屋と機器の動的相互作用を考慮した応答スペクトル、11…機器設置位置の動剛性と簡易モデルの接続点、12…補正された地震入力(Z(f)×H(f))、13…はり要素、14…支持点、15…配管サポートを模擬したばね要素、16…配管節点、17…重心位置の集約点、18…接続要素(剛体要素、多点拘束方程式など)、100,100′…耐震評価システム、101…建屋・大型機器系耐震モデルデータベース、102…対象機器・配管系耐震モデルデータベース、103…地震応答解析部、104…動剛性計算部、105…固有振動解析部、106…地震応答のフーリエスペクトル計算部、107…機器評価モデルの伝達関数計算部、108…最大応答計算部、109…応答スペクトル作成部、110…表示装置、111…入力補正モデルの伝達関数計算部、Z(f)…加速度フーリエスペクトル、D(f)…機器設置位置の動剛性、Hei(f)…i次モードの機器評価モデルの伝達関数、{Hei(f)}…機器評価モデルの伝達関数ベクトル、N…最大モード次数、X(f)…機器設置位置における単位調和変位、F(f)…機器設置位置における荷重応答、f…振動数、fei…機器のi次の固有振動数、fe_max…対象振動数範囲の上限振動数、mei…機器のi次のモード質量、kei…機器のi次のモードの剛性、cei…機器のi次のモードの粘性減衰係数、h…機器の減衰比、Ωei…i次モードにおける振動数比、αei…i次モードにおける機器と構造物のインピーダンス比、K(f)…構造物(建屋の床や壁など)の機器設置位置より得られる周波数依存の剛性、C(f)…構造物(建屋の床や壁など)の機器設置位置より得られる周波数依存の減衰、me1…機器の1次のモード質量、ke1…機器の1次のモードの剛性、ce1…機器の1次のモードの粘性減衰係数、fe1…機器の1次の固有振動数、me2…機器の2次のモード質量、ke2…機器の2次のモードの剛性、ce2…機器の2次のモードの粘性減衰係数、fe2…機器の2次の固有振動数、meN…機器のN次のモード質量、keN…機器のN次のモードの剛性、ceN…機器のN次のモードの粘性減衰係数、feN…機器のN次の固有振動数、H(f)…入力補正モデルの動剛性部の伝達関数
図1
図2
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