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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011881
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/68 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B65G47/68 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114187
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】中川 晃一
【テーマコード(参考)】
3F070
【Fターム(参考)】
3F070AA06
3F070BA07
3F070BD05
3F070BE08
3F070BG02
3F070EA24
(57)【要約】
【課題】副搬送路から主搬送路に物品を適切に移すのに有利な搬送システムを提供する。
【解決手段】搬送システム10は、合流箇所Pmを含む主搬送路21において物品90を搬送する主搬送ユニット11と、副搬送路22において物品90を搬送する副搬送ユニット12と、ガイド底部41と、ガイド底部41に隙間無く接続され且つガイド底部41から上方に延びるガイド立設部42とを含む合流ガイド13であって、副搬送ユニット12によって搬送される物品90を、当該物品90の少なくとも一部がガイド底部41に載せられた状態で、ガイド立設部42により水平方向に押し出して、合流箇所Pmで当該物品90の全体を主搬送路21に移す、合流ガイド13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合流箇所を含む主搬送路において物品を搬送する主搬送ユニットと、
副搬送路において物品を搬送する副搬送ユニットと、
ガイド底部と、前記ガイド底部に隙間無く接続され且つ前記ガイド底部から上方に延びるガイド立設部とを含む合流ガイドであって、前記副搬送ユニットによって搬送される物品を、当該物品の少なくとも一部が前記ガイド底部に載せられた状態で、前記ガイド立設部により水平方向に押し出して、前記合流箇所で当該物品の全体を前記主搬送路に移す、合流ガイドと、
を備える搬送システム。
【請求項2】
前記副搬送路は、少なくとも前記合流箇所の直前において、
前記主搬送路と水平方向に隣り合って配置され、
前記主搬送路と同じ高さに配置され又は前記主搬送路よりも高い位置に配置されており、
前記副搬送路から前記合流箇所に到達する物品のタイミングは、前記主搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングからずれており、
前記副搬送ユニットによって搬送される物品は、前記ガイド底部のうちの重なり開始箇所の上方を通過し、
前記重なり開始箇所よりも下流に位置する前記ガイド底部のうちの合流近傍箇所は、前記副搬送路のうちの当該合流近傍箇所に対応する箇所よりも高い位置に配置される、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記副搬送ユニットによって搬送される物品は、水平方向に突出する薄膜状延在部を具備する袋を含み、
前記副搬送ユニットによって搬送される物品は、前記ガイド立設部によって前記薄膜状延在部が押されつつ、前記合流箇所に押し出される、
請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記副搬送ユニットによって搬送される物品は、前記ガイド底部のうちの接触開始箇所において、前記ガイド底部に対する接触を開始し、
前記接触開始箇所において前記ガイド底部に接触している状態の物品の、前記副搬送ユニットによる搬送方向と垂直を成す水平方向である搬送路幅方向に関する中心は、前記副搬送路のうちの当該物品が載せられる箇所の前記搬送路幅方向に関する中心よりも、前記ガイド立設部の近くに配置される、
請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記副搬送ユニットによる物品の搬送方向と垂直を成す水平方向である搬送路幅方向に関する前記副搬送路の大きさは、前記副搬送ユニットによって搬送される物品の前記搬送路幅方向に関する大きさよりも小さい、
請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記副搬送路は、少なくとも前記合流箇所の直前において、前記主搬送路よりも高い位置に配置される、
請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記副搬送ユニットによる物品の搬送速度は、前記主搬送ユニットによる物品の搬送速度と異なっており、前記副搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングが、前記主搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングからずれる、
請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記主搬送路及び前記副搬送路のうちの少なくともいずれか一方は、少なくとも部分的にカーブを描くように延在し、
前記副搬送路のうちの物品が供給される箇所から前記合流箇所までの物品の搬送距離は、前記主搬送路のうちの物品が供給される箇所から前記合流箇所までの物品の搬送距離と異なっており、前記副搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングが、前記主搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングからずれる、
請求項1又は2に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品を搬送するための2つの搬送路が途中で合流し、最終的に単一の搬送路において複数の物品が搬送される搬送システムが知られている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-315955号公報
【特許文献2】特開2005-231779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主搬送路及び副搬送路の各々において搬送される物品を合流させて主搬送路において搬送するために、主搬送路の上方に位置する副搬送路の終端部から主搬送路に向けて物品を落下させることで、当該物品を副搬送路から主搬送路に移す搬送システムが考えられる。
【0005】
このような搬送システムでは、副搬送路の終端部を主搬送路の上方に位置づけるために、副搬送路のうちの終端部よりも上流側の箇所が上り傾斜を持つことが求められる場合がある。そのような上り傾斜部を確保するために、副搬送路が全体として長大化し、広大な設置スペースを副搬送路のために確保することが必要とされる場合がある。また副搬送路からの物品の落下に伴い、ゴミ等の異物も副搬送路から落下して主搬送路及び主搬送路上の物品に付着する懸念がある。
【0006】
また主搬送路及び副搬送路が同じ高さ位置で水平方向に並んで配置され、副搬送路において搬送される物品を水平方向(特に搬送方向と垂直を成す搬送路幅方向)に移動させることで、当該物品を副搬送路から主搬送路に移す別の搬送システムが考えられる。この搬送システムでは、副搬送路において物品が搬送されながら、鉛直方向に立設するガイド板によって、当該物品の一方の側縁部(例えばサイドシール部)が主搬送路に向けて押されることで、当該物品が副搬送路から主搬送路に移される。
【0007】
このような搬送システムでは、ガイド板によってガイドされる物品が、鉛直方向に延在するガイド板と、水平方向に延在する副搬送路との間の隙間に入り込む懸念がある。この場合、物品を副搬送路から主搬送路に適切な姿勢で移すことができなかったり、物品が傷等のダメージを負ったり、ガイド板と副搬送路との間に入り込んだ物品が詰まって後続の物品をブロックしたりしうる。
【0008】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、副搬送路から主搬送路に物品を適切に移すのに有利な搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、合流箇所を含む主搬送路において物品を搬送する主搬送ユニットと、副搬送路において物品を搬送する副搬送ユニットと、ガイド底部と、ガイド底部に隙間無く接続され且つガイド底部から上方に延びるガイド立設部とを含む合流ガイドであって、副搬送ユニットによって搬送される物品を、当該物品の少なくとも一部がガイド底部に載せられた状態で、ガイド立設部により水平方向に押し出して、合流箇所で当該物品の全体を主搬送路に移す、合流ガイドと、を備える搬送システムに関する。
【0010】
副搬送路は、少なくとも合流箇所の直前において、主搬送路と水平方向に隣り合って配置され、主搬送路と同じ高さに配置され又は主搬送路よりも高い位置に配置されており、副搬送路から合流箇所に到達する物品のタイミングは、主搬送ユニットによって搬送される物品が合流箇所に到達するタイミングからずれており、副搬送ユニットによって搬送される物品は、ガイド底部のうちの重なり開始箇所の上方を通過し、重なり開始箇所よりも下流に位置するガイド底部のうちの合流近傍箇所は、副搬送路のうちの当該合流近傍箇所に対応する箇所よりも高い位置に配置されてもよい。
【0011】
副搬送ユニットによって搬送される物品は、水平方向に突出する薄膜状延在部を具備する袋を含み、副搬送ユニットによって搬送される物品は、ガイド立設部によって薄膜状延在部が押されつつ、合流箇所に押し出されてもよい。
【0012】
副搬送ユニットによって搬送される物品は、ガイド底部のうちの接触開始箇所において、ガイド底部に対する接触を開始し、接触開始箇所においてガイド底部に接触している状態の物品の、副搬送ユニットによる搬送方向と垂直を成す水平方向である搬送路幅方向に関する中心は、副搬送路のうちの当該物品が載せられる箇所の搬送路幅方向に関する中心よりも、ガイド立設部の近くに配置されてもよい。
【0013】
副搬送ユニットによる物品の搬送方向と垂直を成す水平方向である搬送路幅方向に関する副搬送路の大きさは、副搬送ユニットによって搬送される物品の搬送路幅方向に関する大きさよりも小さくてもよい。
【0014】
副搬送路は、少なくとも合流箇所の直前において、主搬送路よりも高い位置に配置されてもよい。
【0015】
副搬送ユニットによる物品の搬送速度は、主搬送ユニットによる物品の搬送速度と異なっており、副搬送ユニットによって搬送される物品が合流箇所に到達するタイミングが、主搬送ユニットによって搬送される物品が合流箇所に到達するタイミングからずれてもよい。
【0016】
主搬送路及び副搬送路のうちの少なくともいずれか一方は、少なくとも部分的にカーブを描くように延在し、副搬送路のうちの物品が供給される箇所から合流箇所までの物品の搬送距離は、主搬送路のうちの物品が供給される箇所から合流箇所までの物品の搬送距離と異なっており、副搬送ユニットによって搬送される物品が合流箇所に到達するタイミングが、主搬送ユニットによって搬送される物品が合流箇所に到達するタイミングからずれてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、副搬送路から主搬送路に物品を適切に移すのに有利な搬送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、搬送システムの一例を示す平面図である。
図2図2は、図1の断面線II-IIに沿った搬送システムの断面図である。
図3図3は、図1の断面線III-IIIに沿った搬送システムの断面図である。
図4図4は、図1の断面線IV-IVに沿った搬送システムの断面図である。
図5図5は、図1の断面線V-Vに沿った搬送システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を参照して本開示の一実施形態について例示的に説明する。以下の説明において「上流」及び「下流」の用語は、特に断りがない限り、物品の搬送を基準とする。
【0020】
図1は、搬送システム10の一例を示す平面図である。図2は、図1の断面線II-IIに沿った搬送システム10の断面図である。図3は、図1の断面線III-IIIに沿った搬送システム10の断面図である。図4は、図1の断面線IV-IVに沿った搬送システム10の断面図である。図5は、図1の断面線V-Vに沿った搬送システム10の断面図である。
【0021】
図1図5に示す搬送システム10は、主搬送ユニット11、副搬送ユニット12及び合流ガイド13を備える。
【0022】
主搬送ユニット11は、合流箇所Pmを含む主搬送路21において物品90を搬送する。副搬送ユニット12は、副搬送路22において物品90を搬送する。
【0023】
物品90の具体的な形態は限定されず、任意の物品を主搬送ユニット11及び副搬送ユニット12によって搬送することが可能である。主搬送ユニット11及び副搬送ユニット12は、お互いに同じ種類の物品90を搬送してもよいし、異なる種類の物品90を搬送してもよい。
【0024】
図1図5に示される物品90は、袋Bと、袋Bの内側に封入される内容物とを含む平袋包装製品である。すなわち主搬送ユニット11及び副搬送ユニット12によって搬送される本例の物品90は、水平方向に突出する薄膜状延在部Bsを具備する袋Bを含む。袋Bは、矩形状の平面形状を有し、四辺を構成する頂部(口部)、底部、及び頂部と底部との間で延びる両側部がシール(例えばヒートシール)されて薄膜状延在部Bsを形成する。搬送路21、22に寝かされて載せられる各物品90のうち、一方の側面が搬送路21、22に接触し、他方の側面が上方に向けられて露出される。搬送路21、22に載せられている状態の各物品90の厚み(上下方向Dvの大きさ)は限定されず、例えば10mm~25mmである。
【0025】
本実施形態の主搬送ユニット11は、主搬送路21において1列に並べられた複数の物品90を下流に向けて連続的に搬送する。副搬送ユニット12も複数の物品90を下流に向けて連続的に搬送する。副搬送路22には、同時的に1つの物品90のみが載せられてもよいし、2以上の物品90が同時的に載せられてもよい。
【0026】
後述のように副搬送路22において搬送される物品90は、主搬送路21において搬送される物品90と、主搬送路21(特に合流箇所Pm)において合流し、その後、主搬送路21において下流に搬送される。副搬送路22から合流箇所Pmに送られる物品90は、主搬送路21を経て合流箇所Pmに送られてくる物品90間に位置するように、合流箇所Pmに搬送される。
【0027】
主搬送路21のうち合流箇所Pmよりも上流の箇所に載せられる物品90間の距離(特に搬送距離)は、副搬送路22において搬送される物品90の搬送方向サイズ以上の大きさを有する。副搬送路22
【0028】
主搬送ユニット11及び副搬送ユニット12の搬送構造は限定されない。本例の主搬送路21は、図2図5に示すように、無端状の主コンベアベルト23と、主コンベアベルト23を内側から移動可能に支持する主ベルトガイド25と、を有する。同様に、副搬送路22は、無端状の副コンベアベルト24と、副コンベアベルト24を内側から移動可能に支持する副ベルトガイド26と、を有する。主コンベアベルト23及び副コンベアベルト24は、主ベルトガイド25及び副ベルトガイド26のそれぞれを介してベルト駆動源27(図1参照)から伝えられる動力によって走行する。主コンベアベルト23及び副コンベアベルト24のそれぞれに対応づけられるように別々のベルト駆動源27が設けられてもよいし、単一のベルト駆動源27から出力される動力によって主コンベアベルト23及び副コンベアベルト24の両方を走行させてもよい
【0029】
主ベルトガイド25、副ベルトガイド26及びベルト駆動源27は、本体フレーム50によって支持される。本体フレーム50は、フレーム脚部52(図5参照)を介して、設置場所(例えば設置台や地面)に固定される。
【0030】
副搬送ユニット12による物品90の搬送方向Dcと垂直を成す水平方向である搬送路幅方向Dwに関する副搬送路22(特に物品90が載せられる上向き露出面(副ベルトガイド26の上方で走行する副コンベアベルト24の部分))の大きさは、副搬送ユニット12によって搬送される物品90の搬送路幅方向Dwに関する大きさよりも小さい。これによって合流ガイド13による物品90の支持を確実に行うことができる。
【0031】
副搬送路22は、少なくとも合流箇所Pmの直前において、主搬送路21と水平方向に隣り合って配置され、主搬送路21と同じ高さに配置され又は主搬送路21よりも高い位置に配置される。ここで言う「水平方向に隣り合って配置される主搬送路21及び副搬送路22」は、主搬送路21及び副搬送路22が、近くに配置されていれば、互いに密着していることは必要とされず、また主搬送路21及び副搬送路22が同じ高さ位置にあることは必要とされない。
【0032】
図1に示す副搬送路22は、全体にわたって、主搬送路21と水平方向に隣り合って配置される。ただし副搬送路22は、全体にわたって主搬送路21と水平方向に隣り合って配置される必要はなく、副搬送路22のうち合流箇所Pmから離れた上流箇所は、主搬送路21と水平方向に隣り合って配置されていなくてもよい。このように主搬送路21のうち合流箇所Pmから離れた上流箇所と、副搬送路22のうち合流箇所Pmから離れた上流箇所との間の相対位置関係は限定されない。したがって例えば同一の上流側装置(物品供給装置)から主搬送路21及び副搬送路22に物品90が供給されてもよいし、離れた場所に設置された別々の上流側装置から主搬送路21及び副搬送路22のそれぞれに物品90が供給されてもよい。
【0033】
合流ガイド13は、水平方向に延在するガイド底部41と、ガイド底部41に隙間無く接続され且つガイド底部41から上方に延びるガイド立設部42と、を含む。ガイド底部41は物品90を下方から支持する。ガイド立設部42には複数の合流ガイド取付部材51が取り付けられている。合流ガイド13は、複数の合流ガイド取付部材51を介して、本体フレーム50により固定的に支持されている。
【0034】
図2図4に示す合流ガイド13では、ガイド底部41の延在方向は水平方向に一致し、ガイド立設部42の延在方向は鉛直方向に一致し、ガイド底部41及びガイド立設部42が成す角度は90°である。ただしガイド底部41の延在方向は水平方向に一致していなくてもよく、水平方向に対して斜めを成す方向にガイド底部41の少なくとも一部が延在していてもよい。水平方向に対して斜めを成す方向にガイド底部41の少なくとも一部が延在する場合、ガイド底部41に対する物品90の引っかかりを抑える観点からは、ガイド底部41の当該少なくとも一部は、水平方向に対して下斜め方向に延在することが好ましい。またガイド立設部42の延在方向も鉛直方向に一致していなくてもよく、鉛直方向に対して斜めを成す方向にガイド立設部42の少なくとも一部が延在していてもよい。
【0035】
またガイド底部41及びガイド立設部42が成す角度は限定されないが、60°~120°であることが好ましい。合流ガイド13に対する物品90の引っかかりを抑える観点からは、ガイド底部41及びガイド立設部42が成す角度は60°以上であることが好ましい。一方、合流ガイド13(特にガイド立設部42)による物品90の適切なガイドを確保する観点からは、ガイド底部41及びガイド立設部42が成す角度は120°以下であることが好ましい。
【0036】
副搬送ユニット12によって搬送される物品90は、当該物品90の少なくとも一部がガイド底部41に載せられた状態で、ガイド立設部42により水平方向に押し出されて、合流箇所Pmで当該物品90の全体が主搬送路21に移される。
【0037】
特に図1図5に示す例において、副搬送ユニット12によって搬送される物品90は、ガイド立設部42が袋Bの薄膜状延在部Bsに接触した状態でガイド立設部42によって薄膜状延在部Bsが押されつつ、合流箇所Pmに押し出される。
【0038】
図1に示す合流ガイド13(ガイド底部41及びガイド立設部42)は、少なくとも合流箇所Pmの近傍において主搬送路21に徐々に近づくように、副搬送路22の上方を斜めに横切って延在する。
【0039】
副搬送路22から合流箇所Pmに到達する物品90のタイミングは、主搬送ユニット11によって搬送される物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングからずれている。合流箇所Pmに到達する物品90のタイミングは任意のやり方で調整可能である。例えば、主搬送路21と副搬送路22との間における物品90の搬送速度差及び/又は搬送距離差に基づいて、物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングを調整することが可能である。
【0040】
すなわち副搬送ユニット12による物品90の搬送速度を、主搬送ユニット11による物品90の搬送速度と異ならせることによって、副搬送ユニット12によって搬送される物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングが、主搬送ユニット11によって搬送される物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングからずらされてもよい。この場合、副搬送ユニット12による物品90の搬送速度は、主搬送ユニット11による物品90の搬送速度より遅くても速くてもよく、主搬送ユニット11による物品90の搬送速度が、副搬送ユニット12による物品90の搬送速度よりも速いほうが好ましい場合もある。
【0041】
また主搬送路21及び副搬送路22のうちの少なくともいずれか一方は、少なくとも部分的にカーブ(例えば円弧)を描くように延在してもよい。この場合、副搬送路22のうちの物品90が供給される箇所から合流箇所Pmまでの物品90の搬送距離を、主搬送路21のうちの物品90が供給される箇所から合流箇所Pmまでの物品90の搬送距離と異ならせることが容易である。この場合にも、副搬送ユニット12によって搬送される物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングを、主搬送ユニット11によって搬送される物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングからずらすことができる。
【0042】
図1に示す例では、主搬送路21及び副搬送路22の両方がカーブした搬送路部分を含み、主搬送路21と副搬送路22との間に物品90の搬送距離に差がある。ただし、主搬送路21と副搬送路22との間に物品90の搬送距離に差がなくてもよい。例えば、主搬送路21及び副搬送路22がカーブした搬送路部分を含まず直線路のみを含み、副搬送路22のうちの物品90が供給される箇所から合流箇所Pmまでの物品90の搬送距離が、主搬送路21のうちの物品90が供給される箇所から合流箇所Pmまでの物品90の搬送距離と、ほぼ同じであってもよい。このような場合、主搬送路21と副搬送路22との間における物品90の搬送速度差に基づいて、物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングを調整することが有効である。
【0043】
なお主搬送路21と副搬送路22との間における物品90の搬送速度差及び搬送距離差のうちの一方のみに基づいて、物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングが調整されてもよいし、当該搬送速度差及び当該搬送距離差の両方に基づいて、物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングが調整されてもよい。また他の調整要素に基づいて、主搬送路21と副搬送路22との間で物品90が合流箇所Pmに到達するタイミングが調整されてもよい。例えば、搬送速度差及び/又は搬送距離差の代わりに或いは搬送速度差及び/又は搬送距離差に加え、主搬送路21と副搬送路22との間で物品90が供給される箇所の位置を調整することで、物品90が供給される箇所から合流箇所Pmまでの物品90の搬送距離が主搬送路21と副搬送路22との間で変えられてもよい。
【0044】
副搬送ユニット12によって搬送される物品90は、ガイド底部41のうちの重なり開始箇所Pv(図2参照)の上方を通過する。このように副搬送ユニット12によって搬送される物品90及び副搬送路22(特に物品90が直接的に載せられる副コンベアベルト24の搬送面である上方露出面(物品支持面))よりも、ガイド底部41の重なり開始箇所(特に上方露出面)Pvを低くすることで、物品90が、ガイド底部41に引っかかることなく、ガイド底部41上にスムーズに載せられるのに有利である。
【0045】
副搬送ユニット12によって搬送される物品90は、ガイド底部41のうちの重なり開始箇所Pvよりも下流に位置する接触開始箇所Pc(図3参照)において、ガイド底部41に対する接触を開始する。
【0046】
接触開始箇所Pcにおいてガイド底部41に接触している状態の物品90の、副搬送ユニット12による搬送方向Dcと垂直を成す水平方向である搬送路幅方向Dwに関する中心は、副搬送路22のうちの当該物品90が載せられる箇所の搬送路幅方向Dwに関する中心よりも、ガイド立設部42の近くに配置される。すなわち接触開始箇所Pcにおいて、副搬送ユニット12により搬送される物品90の搬送路幅方向Dwの中心は、副搬送路22(特に副コンベアベルト24の上方露出面)の搬送路幅方向Dwの中心から、ガイド立設部42側(すなわち主搬送路21とは反対側)へ水平方向にズレている。これにより、合流ガイド13による物品90の支持及び合流箇所Pmへの物品90の押し出しを確実に行うことが可能である。
【0047】
なお図2図4において、符号「L1」は、副搬送路22(特に物品90が載せられる上向き露出面(副ベルトガイド26の上方で走行する副コンベアベルト24)の搬送路幅方向Dwに関する中心を通る鉛直線である副搬送路幅中心線を示す。また符号「L2」は、副搬送路22において搬送される物品90の搬送路幅方向Dwに関する中心を通る鉛直線である物品幅中心線を示す。
【0048】
重なり開始箇所Pv及び接触開始箇所Pcよりも下流に位置するガイド底部41のうちの合流近傍箇所Pn(図4参照)は、副搬送路22のうちの当該合流近傍箇所Pnに対応する箇所よりも高い位置に配置され、また主搬送路21の合流箇所Pmよりも高い位置に配置される。合流近傍箇所Pnは、主搬送路21の合流箇所Pmに対応する箇所(主搬送路21の搬送路幅方向Dwに関して合流箇所Pmと対応する範囲の箇所)である。本例では、上述のように合流ガイド13が副搬送路22の上方を横切るように延在し、「副搬送路22のうちの合流近傍箇所Pnに対応する箇所」の上方に「ガイド底部41の合流近傍箇所Pn」が位置する。
【0049】
そしてガイド底部41の合流近傍箇所Pnの前後において、ガイド立設部42は、下流に向かうに従って、主搬送路21の合流箇所Pmに徐々に近づく。これにより、副搬送路22を経て送られてきてガイド底部41に載せられている物品90は、主搬送路21の合流箇所Pmに向かう力をガイド立設部42から受け、最終的には、当該物品90を副搬送路22から主搬送路21の合流箇所Pmに向けて確実に移すことができる。
【0050】
なおガイド底部41の合流近傍箇所Pn及び副搬送路22のうちの合流近傍箇所Pnに対応する箇所と、主搬送路21の合流箇所Pmとの間の上下方向Dvの距離(高さ方向距離)は限定されず、例えば5mm程度であってもよい。
【0051】
このように合流ガイド13のガイド底部41の高さ位置は一定せず、重なり開始箇所Pv(図1の断面線II-II参照)、接触開始箇所Pc(図1の断面線III-III参照)及び合流近傍箇所Pn(図1の断面線IV-IV参照)においてガイド底部41は異なる高さを有する。より具体的には、本例のガイド底部41は、重なり開始箇所Pvと接触開始箇所Pcとの間の中間箇所から合流近傍箇所Pnまでの間、継続的に上向きに傾斜している。
【0052】
上述の本実施形態の搬送システム10によれば、例えば包装機から2列で同じ高さ位置から放出された物品(平袋包装製品)90を、それぞれ主搬送路21及び副搬送路22に載せることができる。
【0053】
主搬送路21及び副搬送路22に載せられた2つの物品90は、主搬送路21及び副搬送路22によって下流に搬送される。
【0054】
そして合流箇所Pmの手前で、副搬送路22において搬送される物品90の一方の側部(例えばサイドシール部)の下面が合流ガイド13のガイド底部41によって支持される。
【0055】
そして副搬送路22において搬送される物品90の一方の側部の下面がガイド底部41により支持された状態で当該物品90は下流に搬送され、合流ガイド13のガイド立設部42が当該一方の側部に接触して当該物品90がガイド立設部42から水平方向に力を受け、その結果、当該物品90が副搬送路22から主搬送路21(特に合流箇所Pm)に徐々に移動させられる。このような物品90の合流は、主搬送ユニット11により搬送される物品90間のスペースに、副搬送路22からの物品90が進入することで行われる。
【0056】
そして合流箇所Pmで合流した物品90は、主搬送路21において1列に並んだ状態で、主搬送ユニット11によって更に下流に搬送される。
【0057】
このように副搬送ユニット12によって副搬送路22から合流箇所Pmに向けて搬送される各物品90は、副搬送路22に載せられた直後(最上流箇所)では、副搬送路22(特に副コンベアベルト24)のみによって下流に搬送される。その後、当該物品90は部分的に主搬送路21に乗り上げてもよく、そのような場合、副搬送路22からだけではなく主搬送路21(特に主コンベアベルト23)からも力を受けて当該物品90は下流に搬送される。その後、当該物品90は、合流箇所Pmに至る直前においては、主として慣性力によって下流に搬送され、合流箇所Pmに進入する。なお当該物品90は、合流箇所Pmに至る直前において、主搬送路21及び/又は副搬送路22から下流への搬送力を受けていてもよい。
【0058】
以上説明したように本実施形態の搬送システム10によれば、副搬送路22から主搬送路21の合流箇所Pmに物品90をガイドする合流ガイド13は、隙間無く接続されるガイド底部41及びガイド立設部42を有する。そのため物品90が「ガイド底部41とガイド立設部42との間の隙間」に入り込むことがなく、副搬送路22から主搬送路21に物品90が適切に移される。
【0059】
したがって本実施形態の搬送システム10によれば、物品90を副搬送路22から主搬送路21に適切な姿勢で移すことができ、物品90が合流ガイド13から傷等のダメージを受けることを有効に回避することができ、副搬送路22における物品90の詰まりを回避して副搬送路22における連続的且つスムーズな物品90の搬送が可能である。
【0060】
[変形例]
主搬送路21及び/又は副搬送路22における物品90の下流への搬送のストップ(ストッパーオン)及び許可(ストッパーオフ)を行うストッパーが設けられてもよい。例えば、主搬送路21及び副搬送路22における物品90の搬送状態(例えば搬送位置)をセンサーによって検出し、制御部が、当該センサーの検出結果に基づいて、ストッパーのオン及びオフを制御してもよい。センサーの検出結果から、主搬送ユニット11により搬送される物品90と、副搬送ユニット12により搬送される物品90とが合流箇所Pmにおいて衝突する可能性があると制御部が判断する場合、制御部は、合流箇所Pmよりも上流において、主搬送路21又は副搬送路22における物品90の下流への搬送をストッパーによって一時的に止めてもよい。その後、制御部は、合流箇所Pmにおいて物品90同士が衝突しないタイミングで、ストッパーをストッパーオフの状態にして、下流への搬送が一時的に止められていた物品90が合流箇所Pmに向けて搬送される。
【0061】
上述の実施形態で搬送される物品90は、シールされた頂部、底部及び両側部を有する袋Bを含むが、自立袋などの他の袋を代わりに含んでいてもよい。ここで言う自立袋は、自立可能な袋を意味し、例えば折り畳み構造の底部を自立袋は含んでいてもよい。また上述の実施形態では袋Bを含む物品90が搬送されるが、搬送システム10は、袋以外の容器を含む物品90を搬送してもよい。
【0062】
本開示は上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0063】
[付記]
本開示は、以下の構成をとることもできる。
【0064】
[項目1]
合流箇所を含む主搬送路において物品を搬送する主搬送ユニットと、
副搬送路において物品を搬送する副搬送ユニットと、
ガイド底部と、前記ガイド底部に隙間無く接続され且つ前記ガイド底部から上方に延びるガイド立設部とを含む合流ガイドであって、前記副搬送ユニットによって搬送される物品を、当該物品の少なくとも一部が前記ガイド底部に載せられた状態で、前記ガイド立設部により水平方向に押し出して、前記合流箇所で当該物品の全体を前記主搬送路に移す、合流ガイドと、
を備える搬送システム。
【0065】
[項目2]
前記副搬送路は、少なくとも前記合流箇所の直前において、
前記主搬送路と水平方向に隣り合って配置され、
前記主搬送路と同じ高さに配置され又は前記主搬送路よりも高い位置に配置されており、
前記副搬送路から前記合流箇所に到達する物品のタイミングは、前記主搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングからずれており、
前記副搬送ユニットによって搬送される物品は、前記ガイド底部のうちの重なり開始箇所の上方を通過し、
前記重なり開始箇所よりも下流に位置する前記ガイド底部のうちの合流近傍箇所は、前記副搬送路のうちの当該合流近傍箇所に対応する箇所よりも高い位置に配置される、
項目1に記載の搬送システム。
【0066】
[項目3]
前記副搬送ユニットによって搬送される物品は、水平方向に突出する薄膜状延在部を具備する袋を含み、
前記副搬送ユニットによって搬送される物品は、前記ガイド立設部によって前記薄膜状延在部が押されつつ、前記合流箇所に押し出される、
項目1又は2に記載の搬送システム。
【0067】
[項目4]
前記副搬送ユニットによって搬送される物品は、前記ガイド底部のうちの接触開始箇所において、前記ガイド底部に対する接触を開始し、
前記接触開始箇所において前記ガイド底部に接触している状態の物品の、前記副搬送ユニットによる搬送方向と垂直を成す水平方向である搬送路幅方向に関する中心は、前記副搬送路のうちの当該物品が載せられる箇所の前記搬送路幅方向に関する中心よりも、前記ガイド立設部の近くに配置される、
項目1~3のいずれかに記載の搬送システム。
【0068】
[項目5]
前記副搬送ユニットによる物品の搬送方向と垂直を成す水平方向である搬送路幅方向に関する前記副搬送路の大きさは、前記副搬送ユニットによって搬送される物品の前記搬送路幅方向に関する大きさよりも小さい、
項目1~4のいずれかに記載の搬送システム。
【0069】
[項目6]
前記副搬送路は、少なくとも前記合流箇所の直前において、前記主搬送路よりも高い位置に配置される、
項目1~5のいずれかに記載の搬送システム。
【0070】
[項目7]
前記副搬送ユニットによる物品の搬送速度は、前記主搬送ユニットによる物品の搬送速度と異なっており、前記副搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングが、前記主搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングからずれる、
項目1~6のいずれかに記載の搬送システム。
【0071】
[項目8]
前記主搬送路及び前記副搬送路のうちの少なくともいずれか一方は、少なくとも部分的にカーブを描くように延在し、
前記副搬送路のうちの物品が供給される箇所から前記合流箇所までの物品の搬送距離は、前記主搬送路のうちの物品が供給される箇所から前記合流箇所までの物品の搬送距離と異なっており、前記副搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングが、前記主搬送ユニットによって搬送される物品が前記合流箇所に到達するタイミングからずれる、
項目1~7のいずれかに記載の搬送システム。
【符号の説明】
【0072】
10 搬送システム、11 主搬送ユニット、12 副搬送ユニット、13 合流ガイド、21 主搬送路、22 副搬送路、23 主コンベアベルト、24 副コンベアベルト、25 主ベルトガイド、26 副ベルトガイド、27 ベルト駆動源、41 ガイド底部、42 ガイド立設部、50 本体フレーム、51 合流ガイド取付部材、52 フレーム脚部、90 物品、B 袋、Bs 薄膜状延在部、Dc 搬送方向、Dv 上下方向、Dw 搬送路幅方向、L1 副搬送路幅中心線、L2 物品幅中心線、Pc 接触開始箇所、Pm 合流箇所、Pn 合流近傍箇所、Pv 重なり開始箇所
図1
図2
図3
図4
図5