(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118815
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ホース補助具
(51)【国際特許分類】
F16L 3/02 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
F16L3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025331
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】東 克彦
(72)【発明者】
【氏名】中尾 允哉
(72)【発明者】
【氏名】洲濱 宏佑
(72)【発明者】
【氏名】小林 重隆
(72)【発明者】
【氏名】見坂 卓也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 尚人
【テーマコード(参考)】
3H023
【Fターム(参考)】
3H023AA03
3H023AC23
3H023AD02
(57)【要約】
【課題】収納するための空間を小さくできるホース補助具を提供する。
【解決手段】長さ方向で円弧状に延びる補助具本体2と、長さ方向と直交する厚さ方向Zにおいて、補助具本体2の他方側Zbに設けられる脚部5とを備え、補助具本体2の厚さ方向Zの一方側Zaには、補助具本体2の円弧状に沿うようにホースの外周面を取り付け可能な取付部21が形成され、取付部21は、保管状態において、他のホース補助具1の補助具本体2を受容する本体受容部210と、他のホース補助具1の脚部5を受容する脚受容部212とを備え、本体受容部210は、厚さ方向Zの一方側Zaにおける幅方向Yの長さが、少なくとも補助具本体2の厚さ方向Zの他方側Zbにおける幅方向Yの長さよりも長く、脚受容部212は、厚さ方向Zの一方側Zaにおける幅方向Yの長さが、脚部5における幅方向Yの長さよりも長い。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を流通させるホースの曲げ形状を保持するホース補助具であって、
長さ方向に円弧状に延び、且つ前記長さ方向に直交する厚さ方向で略凹状に構成され、前記長さ方向に前記ホースを沿わすことが可能な補助具本体と、
前記厚さ方向において、前記補助具本体の他方側に設けられる脚部とを備え、
前記補助具本体の前記厚さ方向の一方側には、前記補助具本体の円弧状に沿うように前記ホースの外周面を取り付け可能な取付部が形成され、
前記取付部は、保管状態において、他のホース補助具の前記補助具本体を受容する本体受容部と、前記他のホース補助具の前記脚部を受容する脚受容部とを備え、
前記本体受容部は、前記厚さ方向の一方側における幅方向の長さが、少なくとも前記補助具本体の前記厚さ方向の他方側における前記幅方向の長さよりも長く、
前記脚受容部は、前記厚さ方向の一方側における前記幅方向の長さが、前記脚部における前記幅方向の長さよりも長い、ホース補助具。
【請求項2】
前記脚部には、前記厚さ方向の一方側に凹む凹部が形成されている、請求項1に記載のホース補助具。
【請求項3】
前記補助具本体の前記長さ方向の端部には、前記補助具本体の前記厚さ方向の他方側に鍔部が形成され、
前記凹部は、前記長さ方向に延びる端凹辺部を備え、
前記鍔部と前記端凹辺部とは、構造物に当接可能に構成される、請求項2に記載のホース補助具。
【請求項4】
前記脚受容部は、前記厚さ方向の一方側における前記幅方向の長さが、前記厚さ方向の他方側における前記幅方向の長さよりも長い、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のホース補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を流通させるホースの曲げ形状を保持するホース補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
前記ホースをキンクすることなくスムーズに曲げることができるホース補助具として、従来、特許文献1に記載の曲がり補助具がある。この曲がり補助具は、前記ホースを挿通し得る太さを有する筒体を備える。前記筒体は、全長に亙って一方向に均一に曲がっており、当該曲がり方向に対して垂直方向に、その全長に亙って開口部が形成されている。この開口部の大きさは、筒体の周長5~30%である。さらに、前記筒体には、前記開口部の反対面に、曲がり補助具を支えるための脚部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の通り、特許文献1記載の曲がり補助具において、前記開口部の大きさは、筒体の周長5~30%である。そのため、前記開口部の周長は、前記曲がり補助具の径方向の長さよりも短い。よって、例えば、現場への運搬の際や、倉庫に収納する際には、一の前記曲がり補助具内に対して他の前記曲がり補助具を収めるといったことができず、前記曲がり補助具ごとに収納するための空間が必要であった。
【0005】
そこで、本発明は、収納するための空間を小さくできるホース補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、流体を流通させるホースの曲げ形状を保持するホース補助具であって、長さ方向に円弧状に延び、且つ前記長さ方向に直交する厚さ方向で略凹状に構成され、前記長さ方向に前記ホースを沿わすことが可能な補助具本体と、前記厚さ方向において、前記補助具本体の他方側に設けられる脚部とを備え、前記補助具本体の前記厚さ方向の一方側には、前記補助具本体の円弧状に沿うように前記ホースの外周面を取り付け可能な取付部が形成され、前記取付部は、保管状態において、他のホース補助具の前記補助具本体を受容する本体受容部と、前記他のホース補助具の前記脚部を受容する脚受容部とを備え、前記本体受容部は、前記厚さ方向の一方側における幅方向の長さが、少なくとも前記補助具本体の前記厚さ方向の他方側における前記幅方向の長さよりも長く、前記脚受容部は、前記厚さ方向の一方側における前記幅方向の長さが、前記脚部における前記幅方向の長さよりも長い、ホース補助具である。
【0007】
前記構成によれば、前記ホースの外周面を前記取付部に取り付けることにより、前記ホースが過度に屈曲することを防止でき、前記保管状態において、前記本体受容部で前記他のホース補助具における前記補助具本体を受容し、前記脚受容部で前記他のホース補助具における前記脚部を受容するように、一のホース補助具を前記他のホース補助具に重ねることができる。
【0008】
また、本発明において、前記脚部には、前記厚さ方向の一方側に凹む凹部が形成されていてもよい。
【0009】
前記構成によれば、前記脚部には、前記厚さ方向の一方側に凹む前記凹部が形成されているため、例えば、門扉用などのレールが設けられた箇所に前記ホース補助具を設置する場合には、前記凹部を前記レールに被せることにより、前記レールを避けて、前記ホース補助具を設置することができる。
【0010】
また、本発明において、前記補助具本体の前記長さ方向の端部には、前記補助具本体の前記厚さ方向の他方側に鍔部が形成され、前記凹部は、前記長さ方向に延びる端凹辺部を備え、前記鍔部と前記端凹辺部とは、構造物に当接可能に構成されていてもよい。
【0011】
前記構成によれば、前記鍔部と前記端凹辺部とは、構造物に当接可能に構成されているため、前記鍔部及び前記端凹辺部を前記構造物に当接させることにより、前記ホース補助具を前記構造物に対して安定して設置できる。
【0012】
また、本発明において、前記脚受容部は、前記厚さ方向の一方側における前記幅方向の長さが、前記厚さ方向の他方側における前記幅方向の長さよりも長くてもよい。
【0013】
前記構成によれば、前記脚受容部は、前記厚さ方向の一方側における前記幅方向の長さが、前記脚部の前記厚さ方向の他方側における前記幅方向の長さよりも長いため、前記脚部を前記脚受容部に入れやすい。
【発明の効果】
【0014】
以上、本発明によれば、一のホース補助具を他のホース補助具に重ねることができるため、前記ホース補助具を収納するための空間を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の第一実施形態に係るホース補助具の斜視図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係るホース補助具の正面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係るホース補助具の側面図である。
【
図4a】
図4aは、同実施形態に係るホース補助具の平面図である。
【
図4b】
図4bは、補助具本体の構成を整理するための表である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係るホース補助具のV-V方向の断面図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係るホース補助具のVI―VI方向の断面図である
【
図7】
図7は、同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【
図8】
図8は、同実施形態に係るホース補助具を複数重ねた状態を示す図である。
【
図9】
図9は、同実施形態に係るホース補助具を複数重ねた状態の長さ方向視における断面図である。
【
図10】
図10は、第二実施形態に係るホース補助具の側面図である。
【
図11】
図11は、同実施形態に係るホース補助具の幅方向視における断面図である。
【
図12a】
図12aは、脚本体部を用いてホース補助具を構造物に設置する場合の同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【
図12b】
図12bは、他方の端辺部と鍔下面とを用いてホース補助具を構造物に設置する場合の同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【
図12c】
図12cは、一対の中央凹辺部を用いてホース補助具を構造物に設置する場合の同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【
図12d】
図12dは、中央凹部を用いてホース補助具を構造物に設置する場合の同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【
図13】
図13は、同実施形態に係るホース補助具であって、弾性部材が取り付けられた状態の側面図を示す。
【
図14】
図14は、第三実施形態に係るホース補助具の側面図である。
【
図15a】
図15aは、凹底辺部に取り付けられている弾性部材を用いてホース補助具を構造物に設置する場合の同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【
図15b】
図15bは、凹部と鍔下面とを用いてホース補助具を構造物に設置する場合の同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【
図16】
図16は、第四実施形態に係るホース補助具の側面図である。
【
図17a】
図17aは、脚本体部よりも厚さ方向の他方側に配置される弾性部材を用いてホース補助具を構造物に設置する場合の同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【
図17b】
図17bは、鍔下面に取り付けられる弾性部材を用いてホース補助具を構造物に設置する場合の同実施形態に係るホース補助具の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第一実施形態に係るホース補助具1について説明する。
【0017】
以下の説明において、ホース補助具1の長さの方向を「長さ方向X」と称し、長さ方向Xに直交する方向を「幅方向Y」と称する。また、ホース補助具1の厚さの方向を「厚さ方向Z」と称し、厚さ方向Zは、長さ方向Xと幅方向Yに直交している。なお、厚さ方向Zのうち、
図1における上側を「一方側Za」と規定し、
図1における下側を「他方側Zb」と規定する。
【0018】
説明の便宜上、まず初めに、ホース補助具1の装着対象であって、ホース補助具1により補助されるホースHについて説明する。
【0019】
ホースHは、流体を流通させるためのものである。そのため、ホースHは管状に構成される。ホースHには、例えば、排水や消火の際に水や消火液等の液体を通す排水用又は消防用のホースや、気体を通すためのエアーホースが含まれる。本実施形態では、ホースHが排水用のホースである場合について説明する。なお、排水は、例えば、水害発生時に浸水した地域に溜まった水に対して行われる。ホースHは、内圧が減圧されることにより径方向でひしゃげられ、内圧が加圧されることにより径方向に膨らむように構成される。そのため、ホースHは径方向にひしゃげられ、且つ渦巻状に巻き取られた状態で搬送される。また、現場において、繰り出されたホースHの内部に流体を通すことにより、ホースHが加圧されて膨らむ。
【0020】
ホースHは、可撓性を有する。そのため、例えば、障害物を避けるために、ホースHを過度に曲げたまま通水すると、ホースHには局部的な折れ曲がりが発生する、いわゆるキンク現象が生じる。この場合、ホースH内では、流体の流通が阻害されるという問題が生じる。
【0021】
ホース補助具1は、ホースHの曲げを補助するためのものである。ホース補助具1は、樹脂(具体的には、CFRP)により構成される。本実施形態のホース補助具1は、補助具本体2と、該補助具本体2に設けられている突出部3、鍔部4及び脚部5とを備える。
【0022】
補助具本体2は、長さ方向Xと直交する厚さ方向Zで略凹状に構成されている。
図2に示すように、本実施形態の補助具本体2は、長さ方向視において略半円筒形状である。具体的に、幅方向Yの端部が厚さ方向Zの一方側Zaに配置されるように、補助具本体2は長さ方向視で略半円筒形状に構成されている。また、本実施形態の補助具本体2では、幅方向Yの両端部23,23が厚さ方向Zにおける略同一の位置に配置される。よって、本実施形態の補助具本体2では、内周面20及び外周面22が長さ方向視において、略円弧状の面として構成されている。
【0023】
補助具本体2は、ホースHの曲げを補助するべく、ホースHの外周面に取り付けられる。補助具本体2の内周面20は、幅方向YにおいてホースHの外周面よりも長い。そのため、補助具本体2は、ホースHの外周面に取り付け可能な略半円筒形状である。よって、補助具本体2は、長さ方向Xに開口を有しており、内周面20をホースHの外周面に取り付けることにより、長さ方向XにホースHを沿わすことが可能である。
【0024】
補助具本体2は、ホースHの曲げを補助するために、長さ方向Xに延びる円弧状である。
図3に示すように、本実施形態では、長さ方向Xの両端部24,24が厚さ方向Zの他方側Zbに配置されるように、補助具本体2は、長さ方向Xで円弧状に構成されている。よって、本実施形態のホース補助具1は、ホースHを取り付ける際に、ホースHの曲げ方向の内側に配置される内側用のホース補助具1である。具体的に、本実施形態の補助具本体2では、長さ方向Xの両端部24,24が厚さ方向Zにおける略同一の位置に配置されている。本実施形態の補助具本体2では、内周面20及び外周面22が幅方向視において、長さ方向Xに延びる略円弧状に構成されている。
【0025】
図2,4a,5に示すように、本実施形態の補助具本体2には、幅方向Yの両端部23,23に突出部3が設けられている。この突出部3は、補助具本体2の厚さ方向Zにおける一方側Zaの端部2aから幅方向Yに突出するように設けられている。本実施形態では、補助具本体2の厚さ方向Zにおける一方側Zaの端部2a,2aそれぞれから突出部3が幅方向Yに突出している。突出部3は、長さ方向Xと幅方向Yに広がる板状に構成されている。また、本実施形態の突出部3は、補助具本体2の長さ方向Xの全域に形成されている。そのため、
図1,3に示すように、本実施形態の突出部3は、長さ方向Xに延びる円弧状である。さらに、
図4aに示すように、本実施形態の突出部3は、長さ方向Xの両端部30,30を除く部分において、幅方向Yの長さが略同一である。一方で、本実施形態の突出部3は、長さ方向Xの両端部30,30が長さ方向Xの中央部分31よりも幅方向Yに突出している。なお、長さ方向Xの両端部30,30と中央部分31とを明確にすべく、便宜的に、
図4aでは、長さ方向Xの両端部30,30と中央部分31との境界を二点鎖線で示すとともに、両端部30,30と中央部分31に異なるハッチングを行っている。
【0026】
図1,2,3,5に示すように、本実施形態の補助具本体2には、長さ方向Xの両端部24,24に鍔部4が設けられている。この鍔部4は、略半円筒形状の補助具本体2の長さ方向Xの両端部24,24のうち少なくとも一方の端部24から厚さ方向Zの他方側Zbに設けられている。本実施形態の鍔部4は、補助具本体2の長さ方向Xの両端部24,24から厚さ方向Zの他方側Zbに設けられている。鍔部4は、長さ方向視において環状(具体的には、円環状)に構成されている。本実施形態の鍔部4は、補助具本体2の長さ方向Xの端部24の全域に形成されている。そのため、
図3に示すように、本実施形態の鍔部4は、突出部3と連続している。
【0027】
図2,3に示すように、鍔部4は、幅方向Yに沿って延び且つ長さ方向Xに広がる鍔下面40を備える。鍔下面40は、鍔部4の幅方向Yの中央において、厚さ方向Zの他方端として配置されている。この鍔下面40は、長さ方向Xで中央側に進むにつれて厚さ方向Zの一方側Zaに傾斜している面である。
【0028】
図1,3,5に示すように、補助具本体2の外周面22には、ホース補助具1を構造物Aに設置する際に利用される脚部5が設けられている。この脚部5は、補助具本体2の外周面22から厚さ方向Zの他方側Zb(具体的には、厚さ方向Zで補助具本体2に対してホースHを沿わす際の一方側Zaとは反対側)に突出するように設けられている。また、この脚部5は、補助具本体2の幅方向Yの略中央に設けられている。さらに、本実施形態では、補助具本体2の外周面22に複数(具体的には、二つ)の脚部5,5が設けられている。具体的に、二つの脚部5,5は、幅方向Yにおいて離間して配置されている。
図3に示すように、本実施形態の脚部5は、長さ方向Xにおいて、補助具本体2よりも短い。具体的に、脚部5は、補助具本体2の長さ方向Xの両端部24,24よりも長さ方向Xの中央側に配置され、且つ長さ方向Xの両端における外周面22よりも厚さ方向Zの一方側Zaに配置されている。
図5に示すように、本実施形態の脚部5は、厚さ方向Zの他方側Zbに進むにつれて、幅方向Yの長さが短くなるよう構成されている。そのため、本実施形態の脚部5は、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが最も長く、厚さ方向Zの他方端における幅方向Yの長さが最も短い。
【0029】
脚部5は、厚さ方向Zの他方端に配置される脚本体部50を備える。脚本体部50は、長さ方向Xと幅方向Yとに広がる面状に構成されている。
図3,5に示すように、本実施形態の脚本体部50は、長さ方向Xに沿うと共に、幅方向Yに沿って広がる。そのため、
図3に示すように、本実施形態の脚部5は、長さ方向Xの中央において、厚さ方向Zにおける長さが最も長く、長さ方向Xの端側に進むにつれて厚さ方向Zの長さが短くなるように構成されている。
【0030】
上述の通り、補助具本体2は、ホースHの外周面に取り付けられる。そのため、
図4aに示すように、補助具本体2の内周面20には、ホースHの外周面に取り付けるための取付部21が設けられる。
【0031】
取付部21は、幅方向Yの長さがホースHの外径よりも長く構成されている。本実施形態の取付部21は、長さ方向Xの端部24,24それぞれに配置される二つの取付端部21a,21aと、長さ方向Xにおいて二つの取付端部21a,21aの間に配置される取付本体部21bとを備える。なお、取付端部21aと取付本体部21bとを明確にするべく、便宜的に、
図4aでは、取付端部21aと取付本体部21bとの境界を二点鎖線で示すとともに、取付端部21aと取付本体部21bに異なるハッチングを行っている。
【0032】
取付端部21aは、長さ方向視において略円弧状に構成される。
図4aに示すように、取付端部21aは、長さ方向Xの端側における幅方向Yの長さが、長さ方向Xの中央側における幅方向Yの長さよりも長くなるように構成されている。取付端部21aでは、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、ホースHの外径よりも長く、且つ他のホース補助具1が備える補助具本体2の厚さ方向Zにおける他方側Zbの幅方向Yの長さよりも長い。
【0033】
取付本体部21bは、他のホース補助具1が備える補助具本体2を受容する本体受容部210と、他のホース補助具1における脚部5を受容する脚受容部212を備える。
【0034】
図2,5に示すように、本体受容部210は、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが最も長く、厚さ方向Zの他方側Zbに進むにつれて幅方向Yの長さが短くなるように構成されている。本体受容部210は、補助具本体2の内周面20のうち、幅方向Yで対向する一対の幅対向面211,211により幅方向Yの長さが規定される。ここで、幅対向面211は、長さ方向Xと厚さ方向Zに広がる面である。具体的に、幅対向面211は、厚さ方向Zの一方側Zaから他方側Zbに進むにつれて、幅方向Yの中央側に湾曲している。本体受容部210は、少なくとも厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、補助具本体2の厚さ方向Zの他方端における幅方向Yの長さよりも長く構成されている。また、本実施形態では、本体受容部210の厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、二つの脚部5による幅方向Yの長さよりも長い。また、
図4aに示すように、幅対向面211は、長さ方向Xにおいて、取付端部21aに連設している。また、本体受容部210では、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さがホースHの外径よりも長い。よって、取付部21は、ホースHの外周面に取り付け可能である。
【0035】
図2,5に示すように、脚受容部212は、本体受容部210よりも厚さ方向Zの他方側Zbに配置されている。ここで、上述の通り、二つの脚部5は、幅方向Yにおいて離間して配置されている。そのため、脚受容部212は、二つの脚部5を受容可能に構成されている。よって、本実施形態の脚受容部212は、一方の脚受容部212aと他方の脚受容部212bとを備える。また、一方の脚受容部212aと他方の脚受容部212bとの幅方向Yの間には、脚受容連設部213が設けられている。
【0036】
一方の脚受容部212aと他方の脚受容部212bそれぞれは、幅方向Yで対向する一対の脚受容対向面214,214と、幅方向Yで一対の脚受容対向面214,214に亘る脚受容亘面215とを備える。脚受容対向面214は、長さ方向Xと厚さ方向Zに広がる面である。具体的に、
図5に示すように、一対の脚受容対向面214,214は、厚さ方向Zの一方側Zaから他方側Zbに進むにつれて、幅方向Yで近付くように傾斜している。そのため、脚受容部212は、補助具本体2の長さ方向Xの端部24よりも長さ方向Xの中央側に配置されている。脚受容部212は、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが最も長く、厚さ方向Zの他方側に進むにつれて幅方向Yの長さが短くなるように構成されている。
図4aに示すように、脚受容対向面214は、長さ方向Xにおいて幅対向面211よりも短い。
図5,6に示すように、脚受容亘面215は、長さ方向Xと幅方向Yとに沿って広がる面である。
図4aに示すように、脚受容対向面214と脚受容亘面215とは、長さ方向Xにおいて、取付端部21aに連設している。
【0037】
図2に示すように、一方の脚受容部212aにおいて、脚受容連設部213及び脚受容連設部213から幅方向Yに延びる仮想線と脚受容対向面214とが交わる地点を地点a,bとし、脚受容亘面215の幅方向Yの両端部における地点を地点e,fとした場合に、幅方向Yにおいて地点a,b間の長さは地点e,f間の長さよりも長い。また、他方の脚受容部212bにおいても同様であり、脚受容連設部213及び脚受容連設部213から幅方向Yに延びる仮想線と脚受容対向面214とが交わる地点を地点c,dとし、脚受容亘面215の幅方向Yの両端部における地点を地点g,hとした場合に、幅方向Yにおいて地点c,d間の長さは地点g,h間の長さよりも長い。
【0038】
また、本実施形態の一方の脚受容部212aでは、長さ方向Xの全域で地点a,b間の長さは地点e,f間の長さよりも長い。また、本実施形態の他方の脚受容部212bでは、長さ方向Xの全域で地点c,d間の長さは地点g,h間の長さよりも長い。
【0039】
図2,4aに示すように、脚受容連設部213は、長さ方向Xと幅方向Yとに延びる。
図6に示すように、脚受容連設部213は、長さ方向Xにおいて円弧状に延びる。脚受容連設部213は、長さ方向Xの中央側から長さ方向Xの端部側に進むにつれて、幅方向Yの長さが長くなるように構成されている。脚受容連設部213は、一方の脚受容部212aと他方の脚受容部212bとの間に配置されている。具体的に、脚受容連設部213は、一方の脚受容部212aと他方の脚受容部212bそれぞれの脚受容対向面214に連設している。また、脚受容連設部213は、長さ方向Xにおいて、取付端部21aと連設している。さらに、脚受容連設部213は、厚さ方向Zにおいて、脚受容亘面215よりも一方側Zaに配置されている。
【0040】
脚受容部212では、少なくとも厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、脚部5の厚さ方向Zの他方端における幅方向Yの長さよりも長い。本実施形態では、一方の脚受容部212aと他方の脚受容部212bそれぞれでは、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、二つの脚部5,5それぞれの厚さ方向Zの他方端における幅方向Yの長さよりも長い。
【0041】
続いて、本実施形態のホース補助具1の使用方法について説明する。
【0042】
図7に示すように、本実施形態のホース補助具1は、構造物Aに設置して使用される。ここで、構造物Aとは、例えば、段差などの地面Cに設置されている物が該当する。ここでは、構造物Aが、縁石である場合について説明する。構造物Aは、幅方向Yと長さ方向Xとに広がる上面部A1と、上面部A1に交差し且つ幅方向Yと厚さ方向Zとに広がる起立部A2とを備える。
【0043】
図7に示すように、ホース補助具1を設置する場合には、脚部5を上面部A1に載置する。具体的には、長さ方向Xに沿うと共に、幅方向Yに沿って広がる脚本体部50を上面部A1に載置する。ここで、本実施形態では、補助具本体2の外周面22から厚さ方向Zの他方側Zbに二つの脚部5,5が設けられている。そのため、二つの脚部5,5それぞれの脚本体部50,50を上面部A1に載置する。よって、この場合には、脚本体部50が構造物Aに当接される当接部として構成される。
【0044】
続いて、構造物Aに設置したホース補助具1を構造物Aに固定する。この際には、
図7に示すように、ベルトB1を補助具本体2の内周面20に対して長さ方向Xに配置した後、ベルトB1の端部を例えばアンカーB2で地面Cに固定する。具体的に、ベルトB1は、脚受容部212(
図7にて採番しない)と取付端部21aとを通るように、補助具本体2の内周面に対して長さ方向Xに配置する。よって、ベルトB1の端部がアンカーB2によって地面Cに固定されることにより、脚受容亘面215(
図7にて採番しない)がベルトB1によって上面部A1側に押される。よって、ホース補助具1を構造物Aに対して安定して固定できる。また、本実施形態では、二本のベルトB1,B1によってホース補助具1を構造物Aに固定する。具体的に、二本のベルトB1,B1それぞれを一方の脚受容部212aと他方の脚受容部212bそれぞれに通している。
【0045】
次に、設置したホース補助具1にホースHを取り付ける。ここで、取付端部21aでは、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さがホースHの外径よりも長い。また、本体受容部210では、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さがホースHの外径よりも長い。そのため、ホースHの長さ方向Xをホース補助具1の長さ方向Xに合わせた状態で、取付部21にホースHの外周面に取り付けることができる。ここで、本実施形態の補助具本体2では、内周面20が幅方向視において、長さ方向Xに延びる略円弧状に構成されている。よって、取付部21に対して厚さ方向Zの一方側ZaからホースHの外周面に取り付けた際には、ホースHが円弧状に曲がるように配置される。
【0046】
続いて、本実施形態のホース補助具1を保管する保管状態の場合について説明を行う。
【0047】
ここで、取付端部21aでは、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、他のホース補助具1が備える補助具本体2の厚さ方向Zにおける他方側Zbの幅方向Yの長さよりも長い。また、本体受容部210は、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、補助具本体2の厚さ方向Zの他方端における幅方向Yの長さよりも長く構成されている。さらに、本実施形態では、本体受容部210の厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、二つの脚部5による幅方向Yの長さよりも長い。よって、
図9に示すように、一のホース補助具1における本体受容部210が、他のホース補助具1における補助具本体2を受容できる。加えて、一方の脚受容部212aと他方の脚受容部212bそれぞれでは、厚さ方向Zの一方端における幅方向Yの長さが、二つの脚部5,5それぞれの厚さ方向Zの他方端における幅方向Yの長さよりも長い。したがって、一のホース補助具1における脚受容部212が、他のホース補助具1における脚部5を受容できる。よって、
図8に示すように、厚さ方向Zにおいて、複数のホース補助具1を重ねることができる。したがって、ホース補助具1を運搬する際や倉庫に収納する際といった保管状態においては、複数のホース補助具1,1を重ねることができ、ホース補助具1を収納する空間を小さくできる。また、複数のホース補助具1,1を重ねることにより、例えば、現場において複数のホース補助具1,1を必要とする場合において、個々のホース補助具1を別々に運搬等する必要がなくなる。
【0048】
以上、本実施形態によれば、ホースHの外周面を取付部21に取り付けることにより、ホースHが過度に屈曲することを防止できると共に、ホースHを適切に曲げることができる。よって、ホースHにいわゆるキンク現象が生じて、流体の流通が阻害されるといった問題が生じることを防止できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、ホース補助具1は、ホースHを取り付ける際に、ホースHの曲げ方向の内側に配置される内側用のホース補助具1である。そのため、ホース補助具1を用いてホースHの曲げを補助する際には、ホース補助具1をホースHの曲げ方向の内側に配置できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、補助具本体2の外周面22に複数(具体的には、二つ)の脚部5,5が設けられている。そして、ホース補助具1を構造物Aの設置する際には、二つの脚部5,5それぞれの脚本体部50,50を上面部A1に載置する。よって、ホース補助具1を構造物Aに対して安定して設置できる。特に、脚本体部50は、長さ方向Xと幅方向Yとに広がる面状に構成されている。したがって、より安定して、ホース補助具1を構造物Aに対して設置できる。
【0051】
続いて、第二実施形態に係るホース補助具1について説明する。なお、第二実施形態では、第一実施形態と同一の構成及び作用については説明を省略し、第一実施形態と異なる構成及び作用について説明する。
【0052】
図10に示すように、第二実施形態では、脚部5に厚さ方向Zの一方側Zaに凹む凹部51が形成されている点で第一実施形態とは異なる。本実施形態の凹部51は、長さ方向Xの中央に配置される中央凹部52と、該中央凹部52よりも長さ方向Xの端側に配置される複数(具体的には、二つ)の端凹部53とを備える。本実施形態の中央凹部52は、幅方向Y視で略「く」の字状に構成されている。そのため、中央凹部52は、長さ方向Xと幅方向Yとに広がる面としての一対の中央凹辺部520,520を備える。一対の中央凹辺部520,520のうち、一方の中央凹辺部520は、長さ方向Xで一方の端側に進むにつれて厚さ方向Zの他方側Zbに傾斜するように延び、他方の中央凹辺部520は、長さ方向Xで他方の端側に進むにつれて厚さ方向Zの他方側Zbに傾斜するように延びている。本実施形態では、一対の中央凹辺部520,520は、長さ方向Xで連設しており且つ互いに直交するように配置されている。また、一対の中央凹辺部520,520それぞれは、長さ方向Xでの長さが略同一である。一対の中央凹辺部520,520は、脚本体部50と長さ方向Xで連設している。
【0053】
本実施形態の端凹部53は、幅方向Y視で略「く」の字状に構成されている。そのため、長さ方向Xと幅方向Yとに広がる面状の一対の端凹辺部530を備える。一対の端凹辺部530,530のうち、一方の端凹辺部530は、長さ方向Xで端側に進むにつれて厚さ方向Zの他方側Zbに傾斜するように延び、他方の端凹辺部530は、長さ方向Xで中央側に進むにつれて厚さ方向Zの他方側Zbに傾斜するように延びている。本実施形態では、一対の中央凹辺部520は、長さ方向Xで連設しており且つ互いに交差するように配置されている。また、本実施形態では、他方の端凹辺部530における長さ方向Xの長さが、一方の端凹辺部530における長さ方向Xの長さよりも長い。一対の端凹辺部530,530は、脚本体部50と連設している。本実施形態の端凹部53は、長さ方向Xにおいて中央凹部52と離間して配置されている。具体的には、他方の端凹辺部530が脚本体部50を介して、一対の中央凹辺部520,520と連設している。さらに、本実施形態の端凹部53は、中央凹部52よりも厚さ方向Zでの凹み具合が短くなるように構成されている。
【0054】
また、
図11に示すように、本実施形態では、脚受容亘面215が厚さ方向Zの一方側Zaに突出するよう構成されている点で、第一実施形態とは異なる。具体的に、上述の通り、第二実施形態では、脚部5に厚さ方向Zの一方側Zaに凹む凹部51(具体的には、中央凹部52と一対の端凹部53,53)が形成されていることにより、凹部51に対応する箇所において、脚受容亘面215が厚さ方向Zの一方側Zaに突出している。
【0055】
続いて、第二実施形態に係るホース補助具1の使用方法について説明する。まず、
図12aに示すように、構造部の上面部A1には、厚さ方向Zの一方側Zaに突出する上面突起部A3(例えば、門扉用のレール)が設けられていた場合には、厚さ方向Zの一方側Zaに凹む中央凹部52が上面突起部A3に被さるように、脚本体部50を上面部A1に載置する。したがって、上面突起部A3を避けるようにして、ホース補助具1を構造物Aに設置できる。この場合には、第一実施形態と同様に、脚本体部50が構造物Aに当接される当接部として構成される。また、
図12aに示すように、上面突起部A3を一対の中央凹辺部520に当接してもよい。この場合には、上記に加えて、一対の中央凹辺部520も構造物Aに当接される当接部として構成される。
【0056】
次に、
図12bに示すように、端凹部53と鍔部4(具体的には、鍔下面40)とを用いて、ホース補助具1を構造物Aに設置する場合には、他方の端凹辺部530を上面部A1に載置すると共に、鍔下面40を上面部A1に載置する。よって、他方の端凹辺部530と鍔下面40とが、上面部A1に当接する。ここで、他方の端凹辺部530は、長さ方向Xで中央側に進むにつれて厚さ方向Zの他方側Zbに傾斜するように延び、鍔下面40は、長さ方向Xで中央側に進むにつれて厚さ方向Zの一方側Zaに傾斜している。よって、
図12bに示すように、ホース補助具1を傾けた状態で構造物Aに設置する際には、他方の端凹辺部530を上面部A1に載置し、鍔下面40を上面部A1に載置できる。したがって、この場合には、他方の端凹辺部530と鍔下面40とが、構造物Aに当接される当接部として構成される。
【0057】
続いて、
図12cに示すように、幅方向Yと長さ方向Xとに広がる上面部A1と、上面部A1に交差し且つ幅方向Yと厚さ方向Zとに広がる起立部A2とに構成される角部A4を跨ぐようにして、ホース補助具1を構造物Aに設置する際には、互いに直交する一対の中央凹辺部520に上面部A1と起立部A2とを当接させる。よって、
図12cに示すように、ホース補助具1を傾けた状態で構造物Aに設置できる。したがって、この場合には、一対の中央凹辺部520が、構造物Aに当接される当接部として構成される。
【0058】
さらに、
図12dに示すように、構造物Aが長さ方向Xにおいて中央凹部52よりも短い物(例えば、フェンス)である場合には、中央凹部52を構造部に被せることにより、ホース補助具1を構造物Aに設置する。この場合、一対の中央凹辺部520,520が、構造物Aに当接される当接部として構成される。よって、長さ方向Xに沿うように、ホース補助具1を構造物Aに設置できる。
【0059】
以上、第二実施形態のホース補助具1によれば、様々な態様でホース補助具1を構造物Aに設置できるため、現場の状況に合わせて、ホース補助具1を構造物Aに設置できる。
【0060】
なお、
図13に示すように、第二実施形態のホース補助具1に対して、凹部51を埋めると共に脚本体部50よりも厚さ方向Zの他方側Zbに弾性部材D1を設けてもよい。弾性部材D1は、例えば、スポンジや柔らかいゴム、発泡ポリウレタン等などの復元可能に変形可能な材質のものである。例えば、
図13に示すように、本実施形態の弾性部材D1は、脚部5の長さ方向Xのほぼ全域において、脚本体部50に取り付けてもよい。また、弾性部材D1は、長さ方向Xの一部分において、脚本体部50に取り付けてもよい。この場合、弾性部材D1は、凹部51を埋めることなく、脚本体部50にのみ取り付けてもよい。この場合、弾性部材D1が構造物Aに当接される当接部として構成される。よって、当接部が構造物Aに設置された際に、弾性部材D1によって、当接部が幅方向Yや長さ方向Xに動くといったことを防止できる。また、弾性部材D1は変形可能であるため、弾性部材D1を上面部A1や起立部A2に当接させて弾性部材D1を変形させることにより、角部A4(
図12c)に凹部51を被せることもできる。
【0061】
続いて、第三実施形態に係るホース補助具1について説明する。なお、第三実施形態では、第一及び第二実施形態と同一の構成及び作用については説明を省略し、第一及び第二実施形態と異なる構成及び作用について説明する。
【0062】
図14に示すように、第三実施形態では、凹部51の個数と形状とが第二実施形態とは異なる。第三実施形態では、脚部5に対して一つの凹部51が形成されている。また、第三実施形態の凹部51は、略「コ」の字状に構成されている。具体的に、第三実施形態の凹部51は、長さ方向Xに延びる凹底辺部54と、該凹底辺部54と脚本体部50とに連設する一対の脚連設部55,55とを備える。凹底辺部54は、長さ方向Xと幅方向Yとに沿って広がる面である。一対の脚連設部55,55は、長さ方向Xの端側に進むほど厚さ方向Zの他方側Zbに傾斜している。そのため、第三実施形態の凹部51は、厚さ方向Zの他方側Zbに進むにつれて、長さ方向Xで長くなるように構成されている。さらに、一対の脚連設部55,55は、長さ方向Xで対向している。加えて、凹底辺部54と脚連設部55とは交差している。
【0063】
また、第三実施形態では、凹底辺部54に弾性部材D2が取り付けられている。具体的に、厚さ方向Zにおいて脚連設部55よりも短い弾性部材D2が、凹底辺部54の長さ方向Xの全域に取り付けられている。また、鍔下面40には、厚さ方向Zの他方側Zbから弾性部材D2が取り付けられている。なお、長さ方向Xの両側に配置される鍔下面40,40それぞれに、弾性部材D3が取り付けられている。
【0064】
続いて、第三実施形態に係るホース補助具1の使用方法について説明する。まず、
図15aに示すように、凹底辺部54に取り付けられている弾性部材D2を構造物Aの上面部A1に設置する。ここで、長さ方向Xで対向している一対の脚連設部55,55の距離よりも短い構造物Aに対して凹部51を構造物Aに被せることができる。よって、この場合には、凹底辺部54に取り付けられている弾性部材D2が構造物Aに当接する当接部として構成される。また、一対の脚連設部55は、長さ方向Xの端側に進むほど厚さ方向Zの他方側に傾斜している。そのため、第三実施形態の凹部51は、厚さ方向Zの他方側Zbに進むにつれて、長さ方向Xで長くなるように構成されている。よって、凹部51を構造物Aに被せやすく、当接部を構造物Aに当接しやすい。
【0065】
次に、
図15bに示すように、凹部51と鍔下面40とを用いて、ホース補助具1を構造物Aに設置する場合には、脚連設部55を起立部A2に当接し、且つ凹底辺部54の弾性部材D2を上面部A1に載置すると共に、鍔下面40に取り付けられた弾性部材D2を上面部A1に載置する。この場合には、脚連設部55と凹底辺部54の弾性部材と鍔下面40の弾性部材D2とが構造物Aに当接する当接部として構成される。よって、凹底辺部54の弾性部材D2と鍔下面40の弾性部材D3とが上面部A1に載置されることにより、ホース補助具1を傾けた状態で構造物Aに設置する際には、ホース補助具1が幅方向Yや長さ方向Xに動くといったことを防止できる。また、凹底辺部54の弾性部材D2と鍔下面40の弾性部材D3とが変形することにより、凹底辺部54の弾性部材D2と鍔下面40の弾性部材D3とを上面部A1にキッチリと載置できる。
【0066】
続いて、第四実施形態に係るホース補助具1について説明する。なお、第四実施形態では、第一乃至第三実施形態と同一の構成及び作用については説明を省略し、第一乃至第三実施形態と異なる構成及び作用について説明する。
【0067】
図16に示すように、第四実施形態では、複数(具体的には、四つ)の凹部51が形成されている。具体的に、長さ方向Xの略中央よりも一方及び他方の端部側それぞれには二つずつの凹部51が配置されている。また、第四実施形態の凹部51は、第二及び第三実施形態とは異なり、幅方向視で略半円形状に構成されている。
【0068】
第四実施形態では、第二実施形態と同様に、凹部51を埋めると共に脚本体部50よりも厚さ方向Zの他方側Zbに配置される弾性部材D4を備える。本実施形態の弾性部材D4は、脚部5の長さ方向Xのほぼ全域において、脚本体部50に取り付けられている。また、この弾性部材D4には、厚さ方向Zの一方側Zaに凹む弾性凹部56が形成されている。本実施形態の弾性凹部56は、幅方向視で略「く」の字状に構成されている。また、第四実施形態では、第三実施形態と同様に、長さ方向Xの両側に配置される鍔下面40,40それぞれに、弾性部材D3,D3が取り付けられている。
【0069】
続いて、第四実施形態に係るホース補助具1の使用方法について説明する。まず、
図17aに示すように、構造物Aの角部A4に対して弾性部材D4を当接する場合には、弾性部材D4を凹部51側に変形させるように、角部A4に弾性部材D4を当接させる。これより、弾性部材D4を変形させた角部A4を凹部51に食い込ませるようにして、ホース補助具1を構造物Aに設置できる。また、この場合、起立部A2と上面部A1とに弾性部材D4が当接することによって、ホース補助具1が長さ方向Xや幅方向Yに動くといったことを防止できる。なお、この場合、弾性部材D4が構造物Aに当接する当接部として構成される。
【0070】
また、
図17bに示すように、長さ方向Xの両側に配置される鍔下面40,40それぞれに取り付けられている弾性部材D3,D3を用いて、ホース補助具1を構造物Aに設置する。この場合には、鍔下面40に取り付けられている弾性部材D3が補助具本体2の自重によって変形することによって、弾性部材D3を上面部A1に面接触できる。よって、弾性部材D3,D3を上面部A1に二点設置することにより、ホース補助具1を構造物Aに対して安定して設置できる。一方で、この場合には、弾性部材D4及び脚部5は、厚さ方向Zにおいて、上面部A1と接触せずに離間している。なお、弾性部材D3,D3を用いて、ホース補助具1を構造物Aに設置する場合において、弾性部材D4も上面部A1に接触するようにすべく、弾性部材D4の厚さ方向Zの長さを長くしてもよい。
【0071】
なお、図示しないが、例えば
図7と同様に、脚本体部50よりも厚さ方向Zの他方側Zbに配置される弾性部材D4を上面部A1に載置し、或いは
図12cと同様に、弾性凹部56を角部A4に当接してホース補助具1を構造物Aに設置してもよい。さらに、脚本体部50よりも厚さ方向Zの他方側Zbに配置される弾性部材D4と、鍔下面40に取り付けられている弾性部材D3とを上面部A1に載置するようにして、ホース補助具1を構造物Aに設置してもよい。
【0072】
本発明は、第一乃至第四実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0073】
上記実施形態では、ホース補助具1は、補助具本体2と、該補助具本体2に設けられている突出部3、鍔部4及び脚部5とを備えていたが、これに限らず、例えば、ホース補助具1は、補助具本体2と脚部5のみを備えていてもよい。
【0074】
上記実施形態のホース補助具1は、ホースHを取り付ける際に、ホースHの曲げ方向の内側に配置される内側用のホース補助具1であった。しかし、これに限らず、例えば、ホース補助具1は、ホースHを取り付ける際に、ホースHの曲げ方向の外側に配置される外側用のホース補助具1であってもよい。
【0075】
上記実施形態では、補助具本体2の外周面22に複数の脚部5が設けられていた。しかし、これに限らず、例えば、補助具本体2の外周面22に一つの脚部5が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1:ホース補助具、2:補助具本体、20:内周面、21:取付部、21a:取付端部、21b:取付本体部、210:本体受容部、211:幅対向面、212:脚受容部、212a:一方の脚受容部、212b:他方の脚受容部、213:脚受容連設部、214:脚受容対向面、215:脚受容亘面、22:外周面、23:幅方向の端部、24:長さ方向の端部、3:突出部、30:長さ方向の端部、31:長さ方向の中央部分、4:鍔部、40:鍔下面、5:脚部、50:脚本体部、51:凹部、52:中央凹部、520:中央凹辺部、53:端凹部、530:端凹辺部、54:凹底辺部、55:脚連設部、56:弾性凹部、A:構造物、A1:上面部、A2:起立部、A3:上面突起部、A4:角部、B1:ベルト、C:地面、D1:弾性部材、D2:弾性部材、D3:弾性部材、D4:弾性部材、H:ホース、X:長さ方向、Y:幅方向、Z:厚さ方向、Za:一方側、Zb:他方側