(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118860
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0832 20230101AFI20240826BHJP
【FI】
G06Q10/0832
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025415
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100178847
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 映美
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 寿広
(72)【発明者】
【氏名】鈴江 泰博
(72)【発明者】
【氏名】三平 淳也
(72)【発明者】
【氏名】山田 理紗子
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】ユーザに適した定温輸送容器を提案することができる。
【解決手段】情報処理装置は、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部と、前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部と、前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部と、
前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部と、
前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記複数種類の定温輸送容器の中に前記要求情報に適合する定温輸送容器がない場合、定温輸送容器のカスタマイズを提案するカスタマイズ提案部、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記要求情報に含まれる前記輸送製品の管理温度および前記輸送時間に基づいて、輸送手段を提案する輸送手段提案部、
をさらに備え、
前記出力部は、提案する前記輸送手段を出力情報として出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記要求情報に適合する前記定温輸送容器の素材を提案する容器素材提案部と、
前記定温輸送容器の内部の荷室に用いられる蓄熱材の種類、前記蓄熱材の数量、前記蓄熱材の配置を提案する蓄熱材提案部と、
をさらに備え、
前記出力部は、提案する前記定温輸送容器の素材、前記蓄熱材の種類、前記蓄熱材の数量、前記蓄熱材の配置を出力情報として出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記定温輸送容器の内部の荷室と前記輸送製品との間に隙間が生じる場合に、緩衝材の素材および前記緩衝材の形状を提案する緩衝材提案部、
をさらに備え、
前記出力部は、提案する前記緩衝材の素材および前記緩衝材の形状を出力情報として出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記出力情報、前記輸送製品のサイズ、および前記輸送製品の数量を仮想空間において出力する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部と、
前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部と、
前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部と、
を備える情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得過程と、
前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択過程と、
前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力過程と、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータが、
環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得ステップと、
前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択ステップと、
前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力ステップと、
を実行するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
温度管理が必要な製品を輸送する際に、定温輸送容器と呼ばれる容器が使用される。例えば、特許文献1には、断熱容器を収容する外箱と、断熱容器における角部で隣接する内壁面を構成する真空断熱パネルと、前記真空断熱パネルの端部に配置された軟質発泡断熱材と、を有する、少なくとも2つの壁面パネルと、前記壁面パネル同士が隣り合う前記角部に配置された、熱可塑性樹脂からなる硬質発泡断熱材と、を備え、前記硬質発泡断熱材は、一体成形体であり、前記角部における隣り合う前記2つの壁面パネルの外側および内側の両面に接触する接触面を有する、定温保管容器について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、定温輸送容器は、ユーザが所望する条件や輸送する製品(輸送製品)によって適不適がある。輸送製品に適する定温輸送容器は、輸送製品ごとに設計、製作することも可能であるが、ユーザが定温輸送容器を手にするまでには長い時間を要すことがあった。また、ユーザが手にした定温輸送容器についてユーザが適合検証する際にも時間や空間の制約があり、定温輸送容器の選択や設計における利便性が十分でないという課題があった。
【0005】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、ユーザに適した定温輸送容器を提案することができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部と、前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部と、前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部と、を備える情報処理装置である。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部と、前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部と、前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部と、を備える情報処理システムである。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得過程と、前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択過程と、前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力過程と、を有する情報処理方法である。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、ココンピュータが、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、前記輸送製品のサイズ、前記輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得ステップと、前記要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から前記要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択ステップと、前記選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力ステップと、を実行するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザに適した定温輸送容器を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第4の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係るパッケージ素材の情報および蓄熱材の情報に基づく出力情報の一例を示す概略図である。
【
図9】本実施形態に係るパッケージ素材の情報および蓄熱材の情報に基づく出力情報の他の一例を示す概略図である。
【
図10】本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第5の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<情報処理システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理システムSYSは、端末装置10と、情報処理装置20と、を含んで構成される。端末装置10と、情報処理装置20とは、ネットワークNWと有線または無線で通信可能に接続される。
端末装置10は、各種情報をユーザに出力したり、ユーザからの各種情報の入力を受け付けたりする機能を有する。具体的には、端末装置10は、ユーザによる入力を受け付け、要求情報を取得する。要求情報は、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、輸送製品のサイズ、輸送製品の数量を少なくとも含む情報である。輸送製品の数量は、ユーザが所望する輸送製品の数量である。輸送製品のサイズは、ユーザが所望する輸送製品の製品サイズである。環境温度は、外気温である。輸送製品の管理温度は、輸送製品の輸送中に常に保持すべき温度である。輸送時間は、輸送製品の輸送に要する時間、すなわち、管理温度を維持する時間である。
【0014】
情報処理装置20は、端末装置10から要求情報を取得し、要求情報に応じた定温輸送パッケージを、例えば既製品の中から選択する機能を有する。具体的には、情報処理装置20は、ネットワークNWを介して端末装置10から要求情報を取得する。情報処理装置20は、既製品の中から要求情報に応じた定温輸送パッケージを選択する。情報処理装置20は、選択した定温輸送パッケージの情報を端末装置10に出力する。
ここで、定温輸送パッケージとは、輸送時間中に、輸送製品の温度を管理温度で維持する梱包パッケージである。定温輸送パッケージには、蓄熱材、断熱材、緩衝材等が含まれる。
【0015】
情報処理装置20は、通信部210と、入力部220と、記憶部230と、出力部240と、制御部250と、を含んで構成される。
通信部210は、各種情報を送受信する機能を有する。通信部210は、有線通信あるいは無線通信のいずれの通信方式を用いてもよい。例えば、通信部210は、端末装置から要求情報を受信する。また、通信部210は、受信した要求情報を制御部250へ出力する。
【0016】
入力部220は、入力を受け付ける機能を有する。入力部220は、例えば、情報処理装置20がハードウェアとして備えるマウス、キーボード、タッチパネルなどの入力装置によって入力された情報の入力を受け付ける。
【0017】
記憶部230は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部230は、情報処理装置20がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0018】
記憶部230は、既成容器情報記憶部231を備える。
既成容器情報記憶部231は、既成容器の情報を記憶する。既成容器の情報は、既成の定温輸送パッケージごとに外寸、内寸、管理温度、定温輸送時間等の情報を、識別情報と対応付けて記憶する。
【0019】
出力部240は、各種情報を出力する機能を有する。出力部240は、例えば、情報処理装置20がハードウェアとして備えるディスプレイやタッチパネルなどの表示装置、スピーカなどの音声出力装置によって実現される。出力部240は、出力処理部254からの入力に応じて、例えば画像や音声などを出力する。
【0020】
制御部250は、情報処理装置20の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、情報処理装置20がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0021】
制御部250は、取得部251と、選択部252と、出力処理部254と、を含んで構成される。取得部251は、環境温度取得部2511と、管理温度取得部2512と、輸送時間取得部2513と、製品サイズ取得部2514と、製品数量取得部2515と、を含んで構成される。
【0022】
環境温度取得部2511は、要求情報に含まれる環境温度の情報を取得する。環境温度取得部2511は、取得した環境温度の情報を選択部252に出力する。
【0023】
管理温度取得部2512は、要求情報に含まれる管理温度の情報を取得する。管理温度取得部2512は、取得した管理温度の情報を選択部252に出力する。
【0024】
輸送時間取得部2513は、要求情報に含まれる輸送時間の情報を取得する。輸送時間取得部2513は、取得した輸送時間の情報を選択部252に出力する。
【0025】
製品サイズ取得部2514は、要求情報に含まれる輸送製品のサイズの情報を取得する。製品サイズ取得部2514は、取得した輸送製品のサイズの情報を選択部252に出力する。
【0026】
製品数量取得部2515は、要求情報に含まれる輸送製品の数量の情報を取得する。製品数量取得部2515は、取得した輸送製品の数量の情報を選択部252に出力する。
【0027】
選択部252は、取得部251から各種情報が入力されると、既成容器情報記憶部231から既成容器の情報を読み出す。選択部252は、既成容器の情報、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づいて、定温輸送パッケージを選択する。具体的には、選択部252は、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づく輸送製品を梱包可能な定温輸送パッケージを、既成容器の情報で示される既成容器の中から選択する。選択部252は、選択した既成容器の中から、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報の各条件を満たす定温輸送パッケージを選択する。選択部252は、選択した定温輸送パッケージの情報を出力処理部254に出力する。
【0028】
出力処理部254は、定温輸送パッケージの情報が入力されると出力処理を行い、通信部210を介して端末装置10に出力させる。あるいは、出力処理部254は、定温輸送パッケージの情報が入力されると出力処理を行い、出力部240に出力させる。
【0029】
なお、出力部240は、定温輸送パッケージの情報に基づく出力を仮想空間において行ってもよい。この場合、ユーザは、仮想空間において要求情報に応じた定温輸送パッケージを確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。この場合、ユーザは、仮想空間において定温輸送パッケージについて検証することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0030】
次いで、本実施形態に係る定温輸送パッケージの選択処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101において、環境温度取得部2511は、通信部210を介して取得した要求情報から環境温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS102の処理を実行する。
ステップS102において、管理温度取得部2512は、通信部210を介して取得した要求情報から管理温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS103の処理を実行する。
【0031】
ステップS103において、輸送時間取得部2513は、通信部210を介して取得した要求情報から輸送時間の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS104の処理を実行する。
ステップS104において、製品サイズ取得部2514は、要求情報に含まれる輸送製品のサイズの情報を取得する。また、製品数量取得部2515は、要求情報に含まれる輸送製品の数量の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS105の処理を実行する。
【0032】
ステップS105において、選択部252は、既成容器情報記憶部231から既成容器の情報を読み出し、既成容器の情報、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づいて、定温輸送パッケージを選択する。情報処理装置20は、その後ステップS106の処理を実行する。
ステップS106において、出力処理部254は、選択した定温輸送パッケージの情報を出力情報として、出力部240または端末装置10に出力させる。
【0033】
このように、第1の実施形態に係る情報処理装置20は、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、輸送製品のサイズ、輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部251と、要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部252と、選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部240と、を備える。
【0034】
これにより、ユーザに適した定温輸送パッケージを提案することができる。また、既製品の中から
ユーザに適した定温輸送パッケージを選択することができるため、ユーザが定温輸送パッケージを手にするまでの時間を短縮することができる。
【0035】
<第2の実施形態>
次いで、第2の実施形態について説明する。
ここで、第1の実施形態に係る情報処理装置20の構成と、第2の実施形態に係る情報処理装置20の構成とを比較すると、第2の実施形態に係る情報処理装置20が提案部253を備える点が異なる。それ以外の構成は同様であるため、以下の説明では、第2の実施形態で異なる点を中心に説明する。
【0036】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置20の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置20は、通信部210と、入力部220と、記憶部230と、出力部240と、制御部250と、を含んで構成される。記憶部230は、既成容器情報記憶部231を含んで構成される。制御部250は、取得部251と、選択部252と、提案部253と、出力処理部254と、を含んで構成される。取得部251は、環境温度取得部2511と、管理温度取得部2512と、輸送時間取得部2513と、製品サイズ取得部2514と、製品数量取得部2515と、を含んで構成される。提案部253は、カスタマイズ提案部2531を含んで構成される。
【0037】
カスタマイズ提案部2531は、選択部252が要求情報に適した定温輸送パッケージを選択できない場合、すなわち、既成定温輸送パッケージのいずれも要求情報に適さない場合に、定温輸送パッケージのカスタマイズが可能であることをユーザに提案するカスタマイズ情報を生成する。カスタマイズ提案部2531は、生成したカスタマイズ情報を出力処理部254に出力する。
【0038】
出力処理部254は、カスタマイズ情報を出力情報として出力部240または通信部210を介して端末装置10に出力させる。
【0039】
次いで、本実施形態に係る定温輸送パッケージの選択処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS201において、環境温度取得部2511は、通信部210を介して取得した要求情報から環境温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS202の処理を実行する。
ステップS202において、管理温度取得部2512は、通信部210を介して取得した要求情報から管理温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS203の処理を実行する。
【0040】
ステップS203において、輸送時間取得部2513は、通信部210を介して取得した要求情報から輸送時間の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS204の処理を実行する。
ステップS204において、製品サイズ取得部2514は、要求情報に含まれる輸送製品のサイズの情報を取得する。また、製品数量取得部2515は、要求情報に含まれる輸送製品の数量の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS205の処理を実行する。
【0041】
ステップS205において、選択部252は、既成容器情報記憶部231から既成容器の情報を読み出し、既成容器の情報、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づいて、定温輸送パッケージを選択する。出力処理部254は、選択した定温輸送パッケージの情報に出力処理を行い、出力情報を生成する。情報処理装置20は、その後ステップS206の処理を実行する。
【0042】
ステップS206において、カスタマイズ提案部2531は、要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択されたか否かを判定する。要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択された場合(ステップS206 YES)、情報処理装置20は、ステップS207の処理を実行する。一方、要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択されていない場合(ステップS206 NO)、情報処理装置20は、ステップS208の処理を実行する。
【0043】
ステップS207において、出力処理部254は、出力情報を、出力部240または端末装置10に出力させる。
【0044】
ステップS208において、カスタマイズ提案部2531は、提案輸送パッケージのカスタマイズをユーザに提案するカスタマイズ情報を生成する。出力処理部254は、カスタマイズ情報に出力処理を行い、出力情報を生成する。その後、情報処理装置20は、ステップS207の処理を実行する。
【0045】
このように、第2の実施形態に係る情報処理装置20は、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、輸送製品のサイズ、輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部251と、要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部252と、選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部240と、を備える。
【0046】
これにより、ユーザに適した定温輸送パッケージを提案することができる。また、既製品の中からユーザに適した定温輸送パッケージを選択することができるため、ユーザが定温輸送パッケージを手にするまでの時間を短縮することができる。
【0047】
また、情報処理装置20は、複数の定温輸送容器の中に要求情報に適合する定温輸送パッケージがない場合に、定温輸送パッケージのカスタマイズをユーザに提案するカスタマイズ提案部2531をさらに備える。
【0048】
これにより、既成の定温輸送パッケージの中に要求情報に適合する定温輸送パッケージがない場合であっても、要求情報に適合する定温輸送パッケージにカスタマイズが可能であることをユーザに提示することができる。
【0049】
<第3の実施形態>
次いで、第3の実施形態について説明する。
ここで、第1の実施形態に係る情報処理装置20の構成と、第3の実施形態に係る情報処理装置20の構成とを比較すると、第3の実施形態に係る情報処理装置20が提案部253を備える点が異なる。それ以外の構成は同様であるため、以下の説明では、第3の実施形態で異なる点を中心に説明する。
【0050】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置20の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置20は、通信部210と、入力部220と、記憶部230と、出力部240と、制御部250と、を含んで構成される。記憶部230は、既成容器情報記憶部231と、輸送手段記憶部232と、を含んで構成される。制御部250は、取得部251と、選択部252と、提案部253と、出力処理部254と、を含んで構成される。取得部251は、環境温度取得部2511と、管理温度取得部2512と、輸送時間取得部2513と、製品サイズ取得部2514と、製品数量取得部2515と、目的地情報取得部2516と、を含んで構成される。提案部253は、輸送手段提案部2532を含んで構成される。
【0051】
輸送手段記憶部232は、輸送手段情報を記憶する。輸送手段情報は、出発地および到着地ごとに、一または複数の輸送手段と、移動手段ごとの輸送時間とを対応付けて記憶する。
【0052】
目的地情報取得部2516は、輸送元となる出発地、および輸送先となる到着地の情報を、目的地情報として取得する。目的地情報は、要求情報とともに端末装置10から取得する。
【0053】
選択部252は、取得部251から各種情報が入力されると、既成容器情報記憶部231から既成容器の情報を読み出す。選択部252は、既成容器の情報、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づいて、定温輸送パッケージを選択する。具体的には、選択部252は、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づく輸送製品を梱包可能な定温輸送パッケージを、既成容器の情報で示される既成容器の中から選択する。選択部252は、選択した既成容器の中から、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報の各条件を満たす定温輸送パッケージを選択する。選択部252は、選択した定温輸送パッケージの情報を出力処理部254に出力する。
【0054】
輸送手段提案部2532は、目的地情報に応じた輸送手段および輸送時間の情報を輸送手段記憶部232から読み出す。輸送手段提案部2532は、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づく輸送製品を梱包可能な定温輸送パッケージを、既成容器の情報で示される既成容器の中から選択する。輸送手段提案部2532は、選択した既成容器の中から、環境温度の情報、管理温度の情報を満たし、かつ目的地情報に応じた輸送手段および輸送時間の情報に適合する定温輸送パッケージを選択する。輸送手段提案部2532は、選択した定温輸送パッケージの情報と輸送手段および輸送時間の情報とを出力処理部254に出力する。
【0055】
なお、目的地情報取得部2516が目的地情報を取得する場合、輸送時間取得部2513は、輸送時間の情報を取得しなくてもよい。この場合には、選択部252による定温輸送パッケージを選択せずに、輸送手段提案部2532による定温輸送パッケージの選択および、輸送手段の提案を行えばよい。
【0056】
次いで、本実施形態に係る定温輸送パッケージの選択処理の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301において、環境温度取得部2511は、通信部210を介して取得した要求情報から環境温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS302の処理を実行する。
ステップS302において、管理温度取得部2512は、通信部210を介して取得した要求情報から管理温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS303の処理を実行する。
【0057】
ステップS303において、輸送時間取得部2513は、通信部210を介して取得した要求情報から輸送時間の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS304の処理を実行する。
ステップS304において、製品サイズ取得部2514は、要求情報に含まれる輸送製品のサイズの情報を取得する。また、製品数量取得部2515は、要求情報に含まれる輸送製品の数量の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS305の処理を実行する。
【0058】
ステップS305において、目的地情報取得部2516は、目的地情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS306の処理を実行する。
【0059】
ステップS306において、選択部252は、既成容器情報記憶部231から既成容器の情報を読み出し、既成容器の情報、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づいて、定温輸送パッケージを選択する。情報処理装置20は、その後ステップS307の処理を実行する。
【0060】
ステップS307において、輸送手段提案部2532は、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づく輸送製品を梱包可能な定温輸送パッケージを、既成容器の情報で示される既成容器の中から選択する。輸送手段提案部2532は、選択した既成容器の中から、環境温度の情報、管理温度の情報を満たし、かつ目的地情報に応じた輸送手段および輸送時間の情報に適合する定温輸送パッケージを選択する。輸送手段提案部2532は、選択した定温輸送パッケージの情報と輸送手段および輸送時間の情報とを出力処理部254に出力する。
【0061】
ステップS308において、出力処理部254は、出力情報を、出力部240または端末装置10に出力させる。
【0062】
このように、第3の実施形態に係る情報処理装置20は、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、輸送製品のサイズ、輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部251と、要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部252と、選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部240と、を備える。
【0063】
これにより、ユーザに適した定温輸送パッケージを提案することができる。また、既製品の中からユーザに適した定温輸送パッケージを選択することができるため、ユーザが定温輸送パッケージを手にするまでの時間を短縮することができる。
【0064】
また、輸送製品の管理温度および輸送時間に基づいて、輸送手段を提案する輸送手段提案部2532、をさらに備える。
【0065】
これにより、目的地情報に応じた輸送手段および適合する定温輸送パッケージをユーザに提案することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0066】
<第4の実施形態>
次いで、第4の実施形態について説明する。
ここで、第2の実施形態に係る情報処理装置20の構成と、第4の実施形態に係る情報処理装置20の構成とを比較すると、第4の実施形態に係る情報処理装置20の記憶部230が容器素材情報記憶部233と、蓄熱材情報記憶部234とを備え、提案部253が容器素材提案部2533と、蓄熱材提案部2534と、を備える点が異なる。それ以外の構成は同様であるため、以下の説明では、第4の実施形態で異なる点を中心に説明する。
【0067】
図7は、本発明の第4の実施形態に係る情報処理装置20の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置20は、通信部210と、入力部220と、記憶部230と、出力部240と、制御部250と、を含んで構成される。記憶部230は、既成容器情報記憶部231と、容器素材情報記憶部233と、蓄熱材情報記憶部234と、を含んで構成される。制御部250は、取得部251と、選択部252と、提案部253と、出力処理部254と、を含んで構成される。取得部251は、環境温度取得部2511と、管理温度取得部2512と、輸送時間取得部2513と、製品サイズ取得部2514と、製品数量取得部2515と、を含んで構成される。提案部253は、カスタマイズ提案部2531と、容器素材提案部2533と、蓄熱材提案部2534と、を含んで構成される。
【0068】
容器素材情報記憶部233は、定温輸送パッケージの断熱材、その他素材などのパッケージ素材ごとに、保温時間などの保温性能およびその配置の情報を対応付けて記憶する。
【0069】
蓄熱材情報記憶部234は、蓄熱材ごとに、蓄熱温度、蓄熱時間などの蓄熱性能およびその配置の情報を対応付けて記憶する。
【0070】
カスタマイズ提案部2531は、選択部252が要求情報に適した定温輸送パッケージを選択できない場合、すなわち、既成定温輸送パッケージのいずれも要求情報に適さない場合に、定温輸送パッケージのカスタマイズが可能であることをユーザに提案するカスタマイズ情報を生成する。カスタマイズ提案部2531は、生成したカスタマイズ情報を容器素材提案部2533および出力処理部254に出力する。
【0071】
容器素材提案部2533は、カスタマイズ情報が入力されると、容器素材情報記憶部233からパッケージ素材ごとの保温性能およびその配置の情報を読み出す。容器素材提案部2533は、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報に基づいて、読み出した保温性能およびその配置の情報のうち要求情報を満たすパッケージ素材の情報を抽出する。抽出したパッケージ素材の情報には、断熱材の種類や断熱材の配置、容器素材の種類などの情報が含まれる。容器素材提案部2533は、抽出したパッケージ素材の情報を蓄熱材提案部2534および出力処理部254に出力する。
【0072】
蓄熱材提案部2534は、パッケージ素材の情報が入力されると、蓄熱材情報記憶部234から蓄熱材ごとの蓄熱性能およびその配置の情報を読み出す。蓄熱材提案部2534は、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報に基づいて、読み出した蓄熱性能およびその配置の情報のうち要求情報を満たす蓄熱材の情報を抽出する。抽出した蓄熱材の情報には、蓄熱材の種類、蓄熱材の量、蓄熱材の配置などの情報が含まれる。蓄熱材提案部2534は、抽出した蓄熱材の情報を出力処理部254に出力する。
【0073】
なお、選択部252による定温輸送パッケージを選択せずに、容器素材提案部2533によるパッケージ素材の抽出および蓄熱材提案部2534による断熱材の抽出を行ってもよい。
【0074】
出力処理部254は、パッケージ素材の情報及び蓄熱材の情報に基づいて、提案する定温輸送パッケージを可視化する出力情報を生成する。出力処理部254は、生成した出力情報を出力部240または端末装置10に出力させる。
【0075】
次いで、定温輸送パッケージを可視化した出力情報の一例について説明する。
図8は、本実施形態に係るパッケージ素材の情報および蓄熱材の情報に基づく出力情報の一例を示す概略図である。
図示する例は、パッケージ素材の情報および蓄熱材の情報に基づいて、出力処理部254が定温輸送パッケージを可視化した出力情報の一例である。
定温保管パッケージAは、断熱容器DZと、断熱容器DZを収容する外箱TPと、を備えている。断熱容器DZは、内箱IBが収容される断熱容器本体DZBと、断熱容器本体DZBを閉塞する蓋部DZTと、を備えている。断熱容器DZの内壁のそれぞれには、真空断熱材VIPが配置される。具体的には、真空断熱材VIPは、断熱容器本体DZBの内側の各側面、断熱容器本体DZBの内側の底面、蓋部DZTの内側の天面にそれぞれ配置される。
【0076】
外箱TPは、断熱容器DZが収容される外箱本体TPBと、外箱本体TPBを閉塞する蓋部TPTと、を備えている。外箱本体TPBおよび蓋部TPTの素材は、特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリオレフィン系樹脂発泡体などの発泡樹脂、プラスチック段ボール、紙製ダンボールなどの段ボールが好ましく、断熱性の観点からポリスチレン系樹脂発泡体、ポリオレフィン系樹脂発泡体などの発泡樹脂がより好ましい。これらの素材は、容器素材提案部2533によって選択される。また、外箱TPは、発泡樹脂と段ボールとを組み合わせて構成してもよい。さらに、外箱TPは、外装材を備えていてもよく、外装材は、例えば、繊維製シート、繊維製シートと合成樹脂の複合素材またはアルミ蒸着されたアルミ蒸着シート等で単一もしくは複合的に構成されている。外箱TPは、断熱容器DZを収容する寸法に形成される。断熱容器DZは、外箱TPの内側に収容される。
【0077】
真空断熱材VIPの内側には、蓄熱材SPおよび内箱IBが収容される。蓄熱材SPは、例えば、各側壁面を構成する4つの側壁パネルと、底面を構成する底面パネルと、天面を構成する天面パネルと、を備えている。各パネルは、それぞれ蓄熱材である。蓄熱材SPは、断熱容器DZ内部の空間を定温に保つために用いられる。ここで、蓄熱材には蓄冷材も含まれる。蓄熱材SPの内側には、輸送製品を載置保管するための内箱IBが配置される。なお、真空断熱材VIPの素材は、特に限定されないが、シリカ粉系の真空断熱材が好ましい。
【0078】
なお、断熱容器DZは、断熱材、真空断熱材、断熱材のように積層されたパネルを用いて形成されてもよい。
【0079】
このように、パッケージ素材の情報および蓄熱材の情報に基づく出力情報により、パッケージ素材、蓄熱材の種類やそれらの配置が視認可能に出力される。
【0080】
図9は、本実施形態に係るパッケージ素材の情報および蓄熱材の情報に基づく出力情報の他の一例を示す概略図である。
定温保管パッケージBは、断熱容器DZと、断熱容器DZを収容する外箱TPと、を備えている。断熱容器DZは、内箱IBが収容される断熱容器本体DZBと、断熱容器本体DZBを閉塞する蓋部DZTと、を備えている。外箱TPは、断熱容器DZが収容される外箱本体TPBと、外箱本体TPBを閉塞する蓋部TPTと、を備えている。蓋部DZTには、4つの蓄熱材SPが配置される。
このように、パッケージ素材の情報および蓄熱材の情報に基づく出力情報により、パッケージ素材、蓄熱材の種類やそれらの配置が視認可能に出力される。
【0081】
次いで、本実施形態に係る定温輸送パッケージの選択処理の一例について説明する。
図10は、本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401において、環境温度取得部2511は、通信部210を介して取得した要求情報から環境温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS402の処理を実行する。
ステップS402において、管理温度取得部2512は、通信部210を介して取得した要求情報から管理温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS403の処理を実行する。
【0082】
ステップS403において、輸送時間取得部2513は、通信部210を介して取得した要求情報から輸送時間の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS404の処理を実行する。
ステップS404において、製品サイズ取得部2514は、要求情報に含まれる輸送製品のサイズの情報を取得する。また、製品数量取得部2515は、要求情報に含まれる輸送製品の数量の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS405の処理を実行する。
【0083】
ステップS405において、選択部252は、既成容器情報記憶部231から既成容器の情報を読み出し、既成容器の情報、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づいて、定温輸送パッケージを選択する。出力処理部254は、選択した定温輸送パッケージの情報に出力処理を行い、出力情報を生成する。情報処理装置20は、その後ステップS406の処理を実行する。
【0084】
ステップS406において、カスタマイズ提案部2531は、要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択されたか否かを判定する。要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択された場合(ステップS406 YES)、情報処理装置20は、ステップS407の処理を実行する。一方、要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択されていない場合(ステップS406 NO)、情報処理装置20は、ステップS408の処理を実行する。
【0085】
ステップS407において、出力処理部254は、出力情報を、出力部240または端末装置10に出力させる。
【0086】
ステップS408において、カスタマイズ提案部2531は、提案輸送パッケージのカスタマイズをユーザに提案するカスタマイズ情報を生成する。出力処理部254は、カスタマイズ情報に出力処理を行い、出力情報を生成する。その後、情報処理装置20は、ステップS409の処理を実行する。
【0087】
ステップS409において、容器素材提案部2533は、カスタマイズ情報が入力されると、容器素材情報記憶部233からパッケージ素材ごとの保温性能およびその配置の情報を読み出し、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報に基づいて、読み出した保温性能およびその配置の情報のうち要求情報を満たすパッケージ素材の情報を抽出する。その後、情報処理装置20は、ステップS410の処理を実行する。
【0088】
ステップS410において、蓄熱材提案部2534は、パッケージ素材の情報が入力されると、蓄熱材情報記憶部234から蓄熱材ごとの蓄熱性能およびその配置の情報を読み出し、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報に基づいて、読み出した蓄熱性能およびその配置の情報のうち要求情報を満たす蓄熱材の情報を抽出する。出力処理部254は、パッケージ素材の情報及び蓄熱材の情報に基づいて、提案する定温輸送パッケージを可視化する出力情報を生成する。その後、情報処理装置20は、ステップS407の処理を実行する。
【0089】
このように、第4の実施形態に係る情報処理装置20は、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、輸送製品のサイズ、輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部251と、要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部252と、選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部240と、を備える。
【0090】
これにより、ユーザに適した定温輸送パッケージを提案することができる。また、既製品の中からユーザに適した定温輸送パッケージを選択することができるため、ユーザが定温輸送パッケージを手にするまでの時間を短縮することができる。
【0091】
また、要求情報に適合する定温輸送パッケージの素材を提案する容器素材提案部2533と、定温輸送容器の内部の荷室に用いられる蓄熱材の種類、蓄熱材の数量、蓄熱材の配置を提案する蓄熱材提案部2534と、をさらに備える。
【0092】
これにより、既成の定温輸送パッケージが適合しない場合であっても、ユーザに適したパッケージ素材、蓄熱材を用いた定温輸送パッケージを提案することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0093】
<第5の実施形態>
次いで、第5の実施形態について説明する。
ここで、第4の実施形態に係る情報処理装置20の構成と、第5の実施形態に係る情報処理装置20の構成とを比較すると、第5の実施形態に係る情報処理装置20の記憶部230が緩衝材情報記憶部235を備え、提案部253が緩衝材提案部2535、を備える点が異なる。それ以外の構成は同様であるため、以下の説明では、第5の実施形態で異なる点を中心に説明する。
【0094】
図11は、本発明の第5の実施形態に係る情報処理装置20の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置20は、通信部210と、入力部220と、記憶部230と、出力部240と、制御部250と、を含んで構成される。記憶部230は、既成容器情報記憶部231と、容器素材情報記憶部233と、蓄熱材情報記憶部234と、緩衝材情報記憶部235と、を含んで構成される。制御部250は、取得部251と、選択部252と、提案部253と、出力処理部254と、を含んで構成される。取得部251は、環境温度取得部2511と、管理温度取得部2512と、輸送時間取得部2513と、製品サイズ取得部2514と、製品数量取得部2515と、を含んで構成される。提案部253は、カスタマイズ提案部2531と、容器素材提案部2533と、蓄熱材提案部2534と、緩衝材提案部2535と、を含んで構成される。
【0095】
緩衝材情報記憶部235は、緩衝材の情報を記憶する。緩衝材は、定温輸送パッケージの内部の荷室と輸送製品との間に隙間が生じる場合に用いられる。緩衝材の情報は、緩衝材の素材、緩衝材の形状、および緩衝材の配置の情報を対応付けて記憶する。
【0096】
カスタマイズ提案部2531は、選択部252が要求情報に適した定温輸送パッケージを選択できない場合、すなわち、既成定温輸送パッケージのいずれも要求情報に適さない場合に、定温輸送パッケージのカスタマイズが可能であることをユーザに提案するカスタマイズ情報を生成する。カスタマイズ提案部2531は、生成したカスタマイズ情報を容器素材提案部2533および出力処理部254に出力する。
【0097】
容器素材提案部2533は、カスタマイズ情報が入力されると、容器素材情報記憶部233からパッケージ素材ごとの保温性能およびその配置の情報を読み出す。容器素材提案部2533は、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報に基づいて、読み出した保温性能およびその配置の情報のうち要求情報を満たすパッケージ素材の情報を抽出する。抽出したパッケージ素材の情報には、断熱材の種類や断熱材の配置、容器素材の種類などの情報が含まれる。容器素材提案部2533は、抽出したパッケージ素材の情報を蓄熱材提案部2534および出力処理部254に出力する。
【0098】
蓄熱材提案部2534は、パッケージ素材の情報が入力されると、蓄熱材情報記憶部234から蓄熱材ごとの蓄熱性能およびその配置の情報を読み出す。蓄熱材提案部2534は、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報に基づいて、読み出した蓄熱性能およびその配置の情報のうち要求情報を満たす蓄熱材の情報を抽出する。抽出した蓄熱材の情報には、蓄熱材の種類、蓄熱材の量、蓄熱材の配置などの情報が含まれる。蓄熱材提案部2534は、抽出した蓄熱材の情報を緩衝材提案部2535および出力処理部254に出力する。
【0099】
緩衝材提案部2535は、蓄熱材の情報の情報が入力されると、緩衝材情報記憶部235から緩衝材の情報を読み出す。緩衝材提案部2535は、輸送製品のサイズ、輸送製品の数量、蓄熱材の情報、パッケージ情報に基づいて、読み出した緩衝材の情報のうち要求情報を満たし、荷室と輸送製品の隙間を埋める緩衝材の種類、緩衝材の配置、緩衝材の形状、緩衝材の数量を抽出する。緩衝材提案部2535は、抽出した緩衝材の情報を出力処理部254に出力する。
【0100】
出力処理部254は、パッケージ素材の情報、蓄熱材の情報、緩衝材の情報に基づいて、提案する定温輸送パッケージを可視化する出力情報を生成する。出力処理部254は、生成した出力情報を出力部240または端末装置10に出力させる。
【0101】
次いで、本実施形態に係る定温輸送パッケージの選択処理の一例について説明する。
図12は、本実施形態に係る情報処理システムにおける定温輸送パッケージの選択処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS501において、環境温度取得部2511は、通信部210を介して取得した要求情報から環境温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS502の処理を実行する。
ステップS502において、管理温度取得部2512は、通信部210を介して取得した要求情報から管理温度の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS503の処理を実行する。
【0102】
ステップS503において、輸送時間取得部2513は、通信部210を介して取得した要求情報から輸送時間の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS504の処理を実行する。
ステップS504において、製品サイズ取得部2514は、要求情報に含まれる輸送製品のサイズの情報を取得する。また、製品数量取得部2515は、要求情報に含まれる輸送製品の数量の情報を取得する。情報処理装置20は、その後ステップS505の処理を実行する。
【0103】
ステップS505において、選択部252は、既成容器情報記憶部231から既成容器の情報を読み出し、既成容器の情報、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づいて、定温輸送パッケージを選択する。出力処理部254は、選択した定温輸送パッケージの情報に出力処理を行い、出力情報を生成する。情報処理装置20は、その後ステップS506の処理を実行する。
【0104】
ステップS506において、カスタマイズ提案部2531は、要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択されたか否かを判定する。要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択された場合(ステップS506 YES)、情報処理装置20は、ステップS507の処理を実行する。一方、要求情報に応じた定温輸送パッケージが選択されていない場合(ステップS506 NO)、情報処理装置20は、ステップS408の処理を実行する。
【0105】
ステップS507において、出力処理部254は、出力情報を、出力部240または端末装置10に出力させる。
【0106】
ステップS508において、カスタマイズ提案部2531は、提案輸送パッケージのカスタマイズをユーザに提案するカスタマイズ情報を生成する。出力処理部254は、カスタマイズ情報に出力処理を行い、出力情報を生成する。その後、情報処理装置20は、ステップS509の処理を実行する。
【0107】
ステップS509において、容器素材提案部2533は、カスタマイズ情報が入力されると、容器素材情報記憶部233からパッケージ素材ごとの保温性能およびその配置の情報を読み出し、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報に基づいて、読み出した保温性能およびその配置の情報のうち要求情報を満たすパッケージ素材の情報を抽出する。その後、情報処理装置20は、ステップS510の処理を実行する。
【0108】
ステップS510において、蓄熱材提案部2534は、パッケージ素材の情報が入力されると、蓄熱材情報記憶部234から蓄熱材ごとの蓄熱性能およびその配置の情報を読み出し、環境温度の情報、管理温度の情報、輸送時間の情報に基づいて、読み出した蓄熱性能およびその配置の情報のうち要求情報を満たす蓄熱材の情報を抽出する。出力処理部254は、パッケージ素材の情報及び蓄熱材の情報に基づいて、提案する定温輸送パッケージを可視化する出力情報を生成する。その後、情報処理装置20は、ステップS511の処理を実行する。
【0109】
ステップS511において、緩衝材提案部2535は、パッケージ素材の情報、蓄熱材の情報、輸送製品のサイズの情報、輸送製品の数量の情報に基づいて、荷室と輸送製品との間に隙間が存在するか否かを判定する。輸送製品と荷室との間に隙間が存在する場合(ステップS511 YES)、緩衝材提案部2535は、ステップS512の処理を実行する。一方、輸送製品と荷室との間に隙間が存在しない場合(ステップS511 NO)、緩衝材が不要であることを表す緩衝材の情報を出力処理部254に出力する。出力処理部254は、パッケージ素材の情報、蓄熱材の情報に基づいて、提案する定温輸送パッケージを可視化する出力情報を生成する。その後、情報処理装置20は、ステップS507の処理を実行する。
【0110】
ステップS512において、緩衝材提案部2535は、蓄熱材の情報の情報が入力されると、緩衝材情報記憶部235から緩衝材の情報を読み出し、輸送製品のサイズ、輸送製品の数量、蓄熱材の情報、パッケージ情報に基づいて、読み出した緩衝材の情報のうち要求情報を満たし、荷室と輸送製品の隙間を埋める緩衝材の種類、緩衝材の配置、緩衝材の形状、緩衝材の数量を抽出する。出力処理部254は、パッケージ素材の情報、蓄熱材の情報、緩衝材の情報に基づいて、提案する定温輸送パッケージを可視化する出力情報を生成する。その後、情報処理装置20は、ステップS507の処理を実行する。
【0111】
このように、第5の実施形態に係る情報処理装置20は、環境温度、輸送製品の管理温度、輸送時間、輸送製品のサイズ、輸送製品の数量を少なくとも含む要求情報を取得する取得部251と、要求情報に基づいて、複数種類の定温輸送容器の中から要求情報に適合する少なくとも1種類の定温輸送容器を選択する選択部252と、選択された定温輸送容器の情報を出力情報として出力する出力部240と、を備える。
【0112】
これにより、ユーザに適した定温輸送パッケージを提案することができる。また、既製品の中からユーザに適した定温輸送パッケージを選択することができるため、ユーザが定温輸送パッケージを手にするまでの時間を短縮することができる。
【0113】
また、要求情報に適合する定温輸送パッケージの素材を提案する容器素材提案部2533と、定温輸送容器の内部の荷室に用いられる蓄熱材の種類、蓄熱材の数量、蓄熱材の配置を提案する蓄熱材提案部2534と、をさらに備える。
【0114】
これにより、既成の定温輸送パッケージが適合しない場合であっても、ユーザに適したパッケージ素材、蓄熱材を用いた定温輸送パッケージを提案することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0115】
また、定温輸送容器の内部の荷室と輸送製品との間に隙間が生じる場合に、緩衝材の素材および緩衝材の形状を提案する緩衝材提案部2535、をさらに備える。
【0116】
これにより、荷室内での輸送製品の荷崩れを低減させることができる。また、輸送製品に適した定温輸送パッケージにカスタマイズすることができる。
【0117】
以上、本発明の各実施形態、変形例について説明した。なお、上述した実施形態における情報処理装置20、情報処理システムSYSの備える構成の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。ここでいうコンピュータには、量子コンピュータも含まれる。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0118】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0119】
SYS 情報処理システム
NW ネットワーク
10 端末装置
20 情報処理装置
210 通信部
220 入力部
230 記憶部
231 既成容器情報記憶部
232 輸送手段記憶部
233 容器素材情報記憶部
234 蓄熱材情報記憶部
235 緩衝材情報記憶部
240 出力部
250 制御部
251 取得部
2511 環境温度取得部
2512 管理温度取得部
2513 輸送時間取得部
2514 製品サイズ取得部
2515 製品数量取得部
2516 目的地情報取得部
252 選択部
253 提案部
2531 カスタマイズ提案部
2532 輸送手段提案部
2533 容器素材提案部
2534 蓄熱材提案部
2535 緩衝材提案部
254 出力処理部