(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118873
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】帽子
(51)【国際特許分類】
A42B 1/201 20210101AFI20240826BHJP
A42B 1/205 20210101ALI20240826BHJP
A42B 1/00 20210101ALI20240826BHJP
【FI】
A42B1/201 H
A42B1/205 K
A42B1/00 X
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025432
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】390033891
【氏名又は名称】株式会社三宅デザイン事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】小林 信隆
(72)【発明者】
【氏名】河原 遷
(72)【発明者】
【氏名】板倉 裕樹
(57)【要約】
【課題】 鍔部に本体を収納可能な帽子を提供すること。
【解決手段】 本体と、前記本体に連結された上側生地及び下側生地を含む鍔部と、を具備する帽子であって、前記本体が前記上側生地及び前記下側生地の間に収納された収納状態と、前記上側生地及び前記下側生地が重なり合って前記本体が前記鍔部から露出した展開状態と、を取ることができること、を特徴とする帽子。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体に連結された上側生地及び下側生地を含む鍔部と、
を具備する帽子であって、
前記本体が前記上側生地及び前記下側生地の間に収納された収納状態と、前記上側生地及び前記下側生地が重なり合って前記本体が前記鍔部から露出した展開状態と、を取ることができること、
を特徴とする帽子。
【請求項2】
前記鍔部が、前記上側生地の開口縁及び前記下側生地の開口縁同士を着脱自在に接続する開閉部を更に含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の帽子。
【請求項3】
前記開閉部が、前記上側生地の開口縁及び前記下側生地の開口縁同士を着脱自在に接続するスライダ、並びに、前記スライダの対面に配置された引手を含むファスナであること、
を特徴とする請求項1に記載の帽子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帽子に関に関し、特にコンパクトに収納可能な帽子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1(実開昭61-16333号)は、ひさしがポケットを兼ねる帽子を開示している。
特許文献1では、ひさしの上面にバンドをつけて物を挟めるように構成していることから、ひさしは一定量の荷重を支持し得る剛性を備えていると考えられる。したがって、特許文献1では、ひさしに小物類を収納できるにとどまり、帽子自体をコンパクトに収納するという発想はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、コンパクトに収納することができる帽子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
本体と、前記本体に連結された上側生地及び下側生地を含む鍔部と、
を具備する帽子であって、
前記本体が前記上側生地及び前記下側生地の間に収納された収納状態と、前記上側生地及び前記下側生地が重なり合って前記本体が前記鍔部から露出した展開状態と、を取ることができること、
を特徴とする帽子、を提供する。
【0006】
本発明の帽子では、前記鍔部が、前記上側生地の開口縁及び前記下側生地の開口縁同士を着脱自在に接続する開閉部を更に含むこと、が好ましい。
【0007】
また、本発明の帽子では、前記開閉部が、前記上側生地の開口縁及び前記下側生地の開口縁同士を着脱自在に接続するスライダ、並びに、前記スライダの対面に配置された引手を含むファスナであること、が好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、帽子は、着用可能な状態である展開状態のみならず、本体が柔軟な鍔部の内部に収納された収納状態を取ることができる。したがって、帽子をコンパクトに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】収納状態の帽子1を示す上面図、底面図、左側面図、正面図、右側面図、及び背面図である。
【
図2】展開状態の帽子1を示す斜視図、上面図、底面図、左側面図、正面図、右側面図、及び背面図である。
【
図3】帽子1の収納状態から展開状態への遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の代表的な実施形態に係る帽子について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もあり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0011】
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る帽子1を説明する。
図1は収納状態の帽子1を示し、
図2は展開状態の帽子1を示す。
帽子1は、本体3及び鍔部5を有する。以下、これらの構成要素を詳細に説明する。
【0012】
本体3は、着用者の頭部を覆う帽体であり、柔軟性を有する生地で作製される。ここでは、本体3が、6つの略三角形状の生地を繋ぎ合わせることで形成された略ドーム状を呈しているが、これに限られない。また、本体3を形成する生地は、天然素材の生地でも人口素材の生地でもよい。
【0013】
本体3は、縁部の内面側にスベリ31を有してもよい。スベリ31は着用者の額等に接触して、着用者の額の汗を吸収する(
図2(C)参照)。
本体3はまた、本体3の縁部の寸法を調節するための調節機構33を有してもよい(
図2(G)参照)。調節機構33としては例えば面ファスナが挙げられるが、これに限られない。
【0014】
本体3の縁部には鍔部5が連結されている。鍔部5は庇ないしバイザーであり、本体3の縁部に縫合等の手段により取り付けられている。鍔部5は、例えば本体3の縁部の全周の1/3~1/2にわたって取り付けられることが好ましい(例えば
図2(B),(C)参照)が、これに限られない。
【0015】
本実施形態の鍔部5は、柔軟な生地から構成される。すなわち、鍔部5は芯を持たず、容易に変形する。
具体的には、鍔部5は、上側生地(第1生地)51及び下側生地(第2生地)52を含む。これらの生地51,52は、略同一の形状(例えば略三日月状)をなし、本体3の縁部に連結して取り付けられている。したがって、生地51,52は、互いに対向して配置される。それゆえ、生地51,52は、向かい合わせに(あるいは重ね合わせて)配置されることで庇を形成し(
図2参照)、折り畳んだ本体3を挟み込むように配置されることで鍔部5内に本体3を収納する(
図1参照)。
【0016】
生地51,52の開口縁51A,52A同士は、ファスナ53等の開閉部で開閉される。ファスナ53は、帽子1を展開状態(帽子として利用可能な状態)又は収納状態(鍔部5内に本体3を収納した状態)に保持するために用いられる。ファスナ53としては例えばスライドファスナを好適に用いることができる。
【0017】
ファスナ53は、開口縁51A,52A同士を着脱自在に接合(ないしは係合)するスライダ53A、並びに、スライダ53Aに取り付けられた引手53B,53C(第1引手及び第2引手)を含んでもよい。引手53Bは収納状態を形成し又は収納状態を解除するために使用され(
図1及び
図3(A),(B)参照)、また、引手53Cは展開状態を形成し又は展開状態を解除するために使用される(
図2及び
図3(C)~(E)参照)。
【0018】
したがって、帽子1は、本体3が生地51,52の間に収納された収納状態(
図1参照)と、生地51,52が重なり合って本体3が鍔部5から露出した展開状態(
図2参照)と、を取ることができる。
【0019】
ここで、
図3を中心に参照して、帽子1の収納状態から展開状態への形態変化の遷移を説明する。
図3は、帽子1の収納状態から展開状態への遷移の一例を示す。
【0020】
収納状態の帽子1において、ファスナ53により生地51,52同士の接合を解除し、生地51,52を互いに反対方向に動かして開くことにより、鍔部5から本体3を露出させる。すなわち、
図1,
図3(A),(B)に示すように、引手53Cを引いてファスナ53を生地51,52の開口縁51A,52Aに沿ってスライドさせればよい。
【0021】
次いで、折り畳まれた本体3を広げる(
図3(C)参照)。
併せて、生地51,52を表裏逆に重ね合わせ、開口縁51A,52Aをファスナ53で閉じるすなわち、生地51,52のうち一方を本体3とは反対側に折り返すことで、生地51,52を重ね合わせる。この状態において、引手53Bを引いてファスナ53を生地51,52の開口縁51A,52Aに沿ってスライドさせればよい(
図3(D),(E)参照)。
これにより、帽子1を収納状態から展開状態へ簡便に形態変化させることができる。
【0022】
逆に、展開状態から収納状態への形態変化は次のように行われる。
引手53Bを引いてファスナ53をスライドさせ、生地51,52(開口縁51A,52A)の接続を解除する(
図3(E)から(C))。
生地51,52を互いに反対方向に動かして開き、本体3を折り畳み、生地51,52を表裏逆に重ね合わせるようにしつつ両者の間に本体3に挟み込んだうえで、開口縁51A,52Aをファスナ53で閉じる(
図3(B)から(A))。例えば引手53Cを引いてファスナ53をスライドさせる。
これにより、帽子1を展開状態から収納状態へ簡便に変化させることができる。また、収納状態の帽子1はコンパクトに収納可能である。かかる状態変化は鍔部5の柔軟性により可能となる。
【0023】
以上のとおり、収納状態では、帽子1は、コンパクトに収納可能であり、持ち運びや保管に便利で取扱性に優れる。収納状態の帽子1は、略三日月状(ないしは略偏平バナナ状)をなし、従来の帽子にはない斬新な美観を与える。
また、展開状態では、帽子1は、着用者による着用に供することができる。
それゆえ、帽子1は、散歩などの気軽な外出にも、旅行などにも、手軽に携帯することができる。
【0024】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、かかる設計変更した態様も全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0025】
1 帽子
3 本体
5 鍔部
51,52 生地
53 ファスナ
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体に連結された上側生地及び下側生地を含む鍔部と、を具備し、
前記鍔部の後端側が前記本体に連結された状態を維持しながら、前記鍔部の前端側を開閉し、前記上側生地と前記下側生地を表裏逆に重ね合わせるようにしつつ、前記上側生地と前記下側生地との間に前記本体を収納する収納状態と、前記上側生地及び前記下側生地が重なり合って前記本体が前記鍔部から露出した展開状態と、を取ることができること、
を特徴とする帽子。
【請求項2】
前記鍔部が、前記上側生地の開口縁及び前記下側生地の開口縁同士を着脱自在に接続する開閉部を更に含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の帽子。
【請求項3】
前記開閉部が、前記上側生地の開口縁及び前記下側生地の開口縁同士を着脱自在に接続するスライダ、並びに、前記スライダの対面に配置された引手を含むファスナであること、
を特徴とする請求項2に記載の帽子。