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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118883
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】基板洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
H01L21/304 643Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025449
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】篠原 智之
(72)【発明者】
【氏名】船橋 和雅
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157BB23
5F157BB24
5F157BB32
5F157BB39
5F157BB45
5F157CC11
5F157CE07
5F157CE25
5F157CF22
5F157CF92
(57)【要約】
【課題】吸着保持部の清浄性を保つことで高品質の洗浄処理が可能な基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】基板Wを保持しない状態で回転している吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、吸着体洗浄用ノズルが第1の洗浄液を吐出している際に吸着保持部を覆う被覆部材64と、を備えることにより、吸着保持部の汚れが装置内に飛散することが被覆部材64により防止される。すなわち、本発明に係る基板洗浄装置1は、装置内に付着した汚れが基板Wに悪影響を与えることがなく、基板Wの清浄性を十分に担保することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を洗浄する基板洗浄装置であって、
基板の下面の中心部を吸着して前記基板を水平姿勢で保持する吸着保持部と、
前記吸着保持部を回転駆動する回転駆動部と、
前記基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、
前記吸着体洗浄用ノズルが第1の洗浄液を吐出している際に前記吸着保持部を覆う被覆部材を備える
ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板洗浄装置において、
前記被覆部材は、前記吸着保持部の上部および側部を覆う
ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板洗浄装置において、
前記吸着体洗浄用ノズルを前記吸着保持部から離間した待避位置から前記吸着保持部に接近した処理位置に亘って移動させる吸着体洗浄用ノズル駆動部を備え、
前記吸着体洗浄用ノズル駆動部は、前記吸着体洗浄用ノズルと一体に前記被覆部材を移動させる
ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項4】
基板を洗浄する基板洗浄装置であって、
基板の下面の中心部を吸着して前記基板を水平姿勢で保持する吸着保持部と、
前記吸着保持部を中心軸周りに回転駆動させる回転駆動部と、
前記吸着保持部の上方に配置され、前記基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部の上面に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、を備え、
前記吸着保持部は、平面視で前記中心軸を通る仮想線を設定した場合、
前記仮想線を含む一方側の第1の領域と、
前記仮想線を含まない他方側の第2の領域と、を有し、
前記吸着体洗浄用ノズルは、第1の領域に配置され、前記第2の領域へ前記第1の洗浄液を吐出する ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板洗浄装置において、
前記吸着体洗浄用ノズルは、前記吸着保持部に対し放射状に第1の洗浄液を吐出する
ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の基板処理装置において、
前記吸着保持部は、内部から前記上面に向かって延びる前記基板を吸引する支管を備え、
前記支管は、平面視で回転中心から周縁に向かって延びる
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
基板を洗浄する基板洗浄装置であって、
基板の下面の中心部を吸着して前記基板を水平姿勢で保持する吸着保持部と、
前記吸着保持部を回転駆動する回転駆動部と、
前記基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、
前記吸着保持部の回転数が所定値以上のときに第1の洗浄液を吐出させるように前記吸着体洗浄用ノズルを制御する吐出制御部と、を備える
ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板洗浄装置において、
前記所定値は、500rpmである
ことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項9】
基板の上面を洗浄することにより、前記基板の表面を洗浄する第1洗浄処理部と、
前記基板の表面と裏面を反転させる反転部と、
反転された前記基板の上面を洗浄することにより、前記基板の裏面を洗浄する第2洗浄処理部と、
前記第1洗浄処理部、前記反転部、前記第2洗浄処理部との間で前記基板を受け渡す基板ハンドリング機構と、を備え、
前記第1洗浄処理部は、
前記基板の下面の中心部を吸着して前記基板を水平姿勢で保持する吸着保持部と、
前記吸着保持部を回転駆動する第1回転駆動部と、
前記基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、
前記水平姿勢で保持された前記基板の上面に対して第2の洗浄液を吐出する基板洗浄用ノズルと、を備え、
前記第2洗浄処理部は、
前記基板の周縁部を保持する複数の周縁保持部と、
前記複数の周縁保持部を回転駆動する第2回転駆動部と、
前記基板の上面に対して第3の洗浄液を吐出する洗浄液供給部と、を備える、
ことを特徴とする基板洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示用や有機EL(Electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の各種基板を洗浄する基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、吸着保持部で基板を保持する吸着保持式のバキュームチャックを有し、基板の表面(デバイス面)を洗浄する表面洗浄ユニットと、チャックピンで基板を保持するメカ式のチャックを有し、基板の裏面(デバイス面の裏側の面)を洗浄する裏面洗浄ユニットと、基板の裏表を反転させる反転ユニットを備えたスクラブ洗浄処理装置がある(特許文献1参照)。表面洗浄ユニットにより表面が洗浄された基板は、反転ユニットに渡され、そこで、基板が裏返しにされる。その後、基板は裏面洗浄ユニットに渡され、そこで基板の上面が洗浄されることで、基板の裏面(デバイス面の裏側の面)の洗浄が行われる。この様にして、基板の表面と裏面は異なる洗浄ユニットにより洗浄処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-166367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記装置は、基板洗浄処理を続けるうちに表面洗浄ユニットの吸着保持部が累積的に汚染してしまう点について十分な配慮がされていない。表面洗浄ユニットには、未洗浄の基板が渡されることからすれば、吸着保持部には、未洗浄の基板に由来する汚れが付着する。表面洗浄ユニットにおいて、基板の裏面は洗浄されないので、吸着保持部の清浄性は、吸着保持部が次々と未洗浄の基板を吸着保持する間に低下していく。つまり、吸着保持部には基板裏面の汚れが蓄積していき、これが基板に転写されることになる。このような基板裏面の汚れは、裏面洗浄ユニットで除去されるが、汚れの程度が激しいと、基板裏面の清浄性にも影響を及ぼしかねない。
【0005】
この様な不都合を解消する方法として、吸着保持部を洗浄することが考えられるが、従来では、洗浄の具体的手法が十分に検討されていないので、基板の清浄性を十分に担保することができない等種々の問題が未解決である。
【0006】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、吸着保持部の清浄性を保つことで高品質の洗浄処理が可能な基板洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために次の様な構成をとる。
基板を洗浄する基板洗浄装置であって、基板の下面の中心部を吸着して前記基板を水平姿勢で保持する吸着保持部と、前記吸着保持部を回転駆動する回転駆動部と、前記基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、前記吸着体洗浄用ノズルが第1の洗浄液を吐出している際に前記吸着保持部を覆う被覆部材を備えることを特徴とする基板洗浄装置。
【0008】
[作用・効果](1)に係る発明によれば、吸着保持部の清浄性が保たれ、高品質の洗浄処理が可能な基板洗浄装置を提供することができる。すなわち、本構成に係る基板洗浄装置は、基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、前記吸着体洗浄用ノズルが第1の洗浄液を吐出している際に前記吸着保持部を覆う被覆部材と、を有する。吸着保持部を洗浄する際に、吸着体洗浄用ノズルから吐出され吸着保持部に到達した第1の洗浄液は、装置内に飛散することなく被覆部材に受け止められる。このように構成すれば、吸着保持部の汚れが装置内に飛散して、基板の洗浄に悪影響を及ぼすことがない。
【0009】
本明細書は、(1)に係る発明の他、下記の様な発明も開示している。
【0010】
(2)(1)に記載の基板洗浄装置において、前記被覆部材は、前記吸着保持部の上部および側部を覆うことを特徴とする基板洗浄装置。
【0011】
[作用・効果](2)に係る発明によれば、被覆部材は、吸着保持部の上部および側部を覆うので、吸着保持部に到達した第1の洗浄液は確実に被覆部材に受け止められる。これにより、第1の洗浄液の飛散を確実に防止することができる。
【0012】
(3)(1)または(2)に記載の基板洗浄装置において、前記吸着体洗浄用ノズルを前記吸着保持部から離間した待避位置から前記吸着保持部に接近した処理位置に亘って移動させる吸着体洗浄用ノズル駆動部を備え、前記吸着体洗浄用ノズル駆動部は、前記吸着体洗浄用ノズルと一体に前記被覆部材を移動させることを特徴とする基板洗浄装置。
【0013】
[作用・効果](3)に係る発明によれば、吸着体洗浄用ノズルが吸着保持部から離間した待避位置から吸着保持部に接近した処理位置に亘って移動可能であり、被覆部材は、吸着体洗浄用ノズルと一体に移動する。この様な構成とすれば、被覆部材が基板洗浄の妨げとなることがなく、確実に基板を洗浄できる基板洗浄装置が提供できる。
【0014】
(4)基板を洗浄する基板洗浄装置であって、基板の下面の中心部を吸着して前記基板を水平姿勢で保持する吸着保持部と、前記吸着保持部を中心軸周りに回転駆動する回転駆動部と、前記吸着保持部の上方に配置され、前記基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部の上面に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、を備え、前記吸着保持部は、平面視で前記中心軸を通る仮想線を設定した場合、前記仮想線を含む一方側の第1の領域と、前記仮想線を含まない他方側の第2の領域と、を有し、前記吸着体洗浄用ノズルは、第1の領域に配置され、前記第2の領域へ前記第1の洗浄液を吐出することを特徴とする基板洗浄装置。
【0015】
[作用・効果](4)に係る発明によれば、吸着保持部の清浄性が保たれ、高品質の洗浄処理が可能な基板洗浄装置を提供することができる。すなわち、本構成に係る基板洗浄装置では、前記吸着保持部は、平面視で前記中心軸を通る仮想線を設定した場合、仮想線を含む一方側の第1の領域と、仮想線を含まない他方側の第2の領域と、を有し、吸着体洗浄用ノズルは、第1の領域に配置され、前記第2の領域へ第1の洗浄液を吐出する。この様に構成すれば、吸着保持部の上面の汚れは中心側から周縁部に向けて移動しながら吸着保持部から除去されるので、吸着保持部をより清浄なものとすることができる。周縁部まで到達した汚れは、吸着保持部から確実に除去されるからである。
【0016】
(5)(4)に記載の基板洗浄装置において、前記吸着体洗浄用ノズルは、前記吸着保持部に対し放射状に第1の洗浄液を吐出することを特徴とする基板洗浄装置。
【0017】
[作用・効果](5)に係る発明によれば、吸着体洗浄用ノズルは、吸着保持部に対し放射状に第1の洗浄液を吐出する。この様に構成すれば、吸着保持部の広い範囲に亘って第1の洗浄液を到達させ、吸着保持部をより清浄なものとすることができる。
【0018】
(6)(4)または(5)に記載の基板処理装置において、前記吸着保持部は、内部から前記上面に向かって延びる前記基板を吸引する支管を備え、前記支管は、平面視で前記回転中心から周縁に向かって延びることを特徴とする基板処理装置。
【0019】
[作用・効果](6)に係る発明によれば、記吸着保持部は、内部から前記上面に向かって延びる前記基板を吸引する支管を備え、前記支管は、平面視で前記回転中心から周縁に向かって延びる構成となっている。この様に構成すると、吸着体洗浄用ノズルから吐出された第1の洗浄液の軌跡と、支管がなす角度が小さくなる。そのため、支管に第1の洗浄液が流入することが抑制できる。
【0020】
(7)基板を洗浄する基板洗浄装置であって、基板の下面の中心部を吸着して前記基板を水平姿勢で保持する吸着保持部と、前記吸着保持部を回転駆動する回転駆動部と、前記基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、前記吸着保持部の回転数が所定値以上のときに第1の洗浄液を吐出させるように前記吸着体洗浄用ノズルを制御する吐出制御部と、を備えることを特徴とする基板洗浄装置。
【0021】
[作用・効果](7)に係る発明によれば、吸着保持部の回転数が所定値以上のときに吸着体洗浄用ノズルから第1の洗浄液が吐出される構成となっている。この様に構成すると、吸着保持部に到達した第1の洗浄液は、遠心力により振り切られるので、吸着保持部が有する吸着に関する内部構造に第1の洗浄液が流入してしまうことが抑制できる。
【0022】
(8)(7)に記載の基板洗浄装置において、前記所定値は、500rpmであることを特徴とする基板洗浄装置。
【0023】
[作用・効果](8)に係る発明は、(7)の所定値を具体的に示している。所定値が500rpmであれば、特に(7)の効果が生じ易い。
【0024】
(9)基板の上面を洗浄することにより、前記基板の表面を洗浄する第1洗浄処理部と、前記基板の表面と裏面を反転させる反転部と、反転された前記基板の上面を洗浄することにより、前記基板の裏面を洗浄する第2洗浄処理部と、前記第1洗浄処理部、前記反転部、前記第2洗浄処理部との間で前記基板を受け渡す基板ハンドリング機構と、を備え、前記第1洗浄処理部は、前記基板の下面の中心部に吸着して前記基板を保持する吸着保持部と、前記吸着保持部を回転駆動する第1回転駆動部と、前記基板を保持しない状態で回転している前記吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、前記水平姿勢で保持された前記基板の上面に対して第2の洗浄液を吐出する基板洗浄用ノズルと、を備え、前記第2洗浄処理部は、前記基板の周縁部を保持する複数の周縁保持部と、前記複数の周縁保持部を回転駆動する第2回転駆動部と、前記基板の上面に対して第3の洗浄液を吐出する洗浄液供給部と、を備える、ことを特徴とする基板洗浄装置。
【0025】
[作用・効果](9)に係る発明によれば、吸着保持部の清浄性が保たれ、高品質の洗浄処理が可能な基板洗浄装置を提供することができる。すなわち、本構成に係る基板洗浄装置は、基板の表面を洗浄する第1洗浄処理部、基板を反転させる反転部、基板の裏面を洗浄する第2洗浄処理部との間で基板を受け渡す構成であり、第1洗浄処理部に備えられた吸着保持部を第1の洗浄液で洗浄する構成となっている。この様に、第1の洗浄液の吐出方法を最適化することで、装置全体をより清浄なものとすることができる。
【発明の効果】
【0026】
基板を保持しない状態で回転している吸着保持部に対して第1の洗浄液を吐出する吸着体洗浄用ノズルと、吸着体洗浄用ノズルが第1の洗浄液を吐出している際に吸着保持部を覆う被覆部材と、を備えることにより、吸着保持部の汚れが装置内に飛散することが被覆部材により防止される。すなわち、本発明に係る基板洗浄装置は、装置内に付着した汚れが基板に悪影響を与えることがなく、基板の清浄性を十分に担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施例の基板洗浄装置の全体構成を説明する平面図である。
図2】実施例のインデクサブロックを説明する側面図である。
図3】実施例の表面洗浄ユニットを説明する模式図である。
図4】実施例の被覆部材の構成を説明する外観図である。
図5】実施例におけるバキュームチャック洗浄について説明する外観図である。
図6】実施例の被覆部材の具体的構成を示す模式図である。
図7】実施例の裏面洗浄ユニットを説明する模式図である。
図8】実施例の基板洗浄装置の動作を説明するフローチャートである。
図9】実施例の基板処理装置における基板の移動を示す模式図である。
図10】実施例のバキュームチャック洗浄の動作を説明するフローチャートである。
図11】実施例のバキュームチャック洗浄の動作を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の基板洗浄装置について説明する。本発明の基板洗浄装置は、基板の両面に対して洗浄処理を行うことができる装置である。基板には、集積回路が形成された表面(デバイス面)とその裏側の面である裏面とを有する。本発明の基板洗浄装置は、表面(デバイス面),裏面の順に基板Wの洗浄処理を行う構成となっている。
【実施例0029】
<1.全体構成>
図1に示すように、基板洗浄装置1は、インデクサブロック5と、処理ブロック7を有している。処理ブロック7は、基板Wに洗浄処理を行う区画であり、インデクサブロック5は、処理ブロック7に基板Wを送り込むための機構が収容される区画である。
【0030】
処理ブロック7は、インデクサブロック5より基板Wを1枚ずつ受け取って、基板Wの表面、裏面に対して洗浄処理を行う。洗浄処理は、水平姿勢の基板Wに対して行われる。処理ブロック7は、枚葉式の洗浄処理を行う構成であり、表面の洗浄が完了した基板Wを反転させて裏面の洗浄を行う構成となっている。
【0031】
本明細書では、便宜上、インデクサブロック5と、処理ブロック7とが並ぶ方向を、「X方向」と呼ぶ。X方向は水平である。X方向のうち、処理ブロック7からインデクサブロック5に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。X方向と直交する水平方向を、「Y方向」と呼ぶ。「Y方向」の一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方とは反対の方向を「左方」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「Z方向」と呼ぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0032】
<2.インデクサブロック>
インデクサブロック5は、複数枚の基板Wを水平姿勢で所定間隔を空けて鉛直方向に収納するキャリアCを載置するロードポート13を備える。ロードポート13は、幅方向(Y方向)に延びるインデクサブロック5の外壁から突出した構成である。ロードポート13は、基板投入用のロードポートと基板払出用のロードポートに分けられる。基板投入用のロードポート13は、洗浄処理前の基板Wを収納するキャリアCが載置される基板の投入部9を構成する。基板払出用のロードポート13は、洗浄処理後の基板Wを収納するキャリアが載置される基板の払出部11となっている。インデクサブロック5は、洗浄処理前の基板Wを投入部9のロードポート13から搬出して、洗浄処理後の基板Wを払出部11のロードポート13に搬入する。
【0033】
基板Wは、複数枚(例えば25枚)が1つのキャリアC内に水平姿勢で一定の間隔を空けて積層収納されている。基板洗浄装置1に搬入される未処理の基板Wを収納したキャリアCは、まず投入用のロードポート13に載置される。キャリアCは、基板Wの面同士を離間させた状態で収容する水平方向に延びる複数の溝(図示省略)が形成されている。当該溝の各々に基板Wが1枚ずつ挿入される。キャリアCとしては、例えば、密閉型のFOUP(Front Opening Unify Pod)がある。本発明においては、キャリアCとして開放型容器を採用してもよい。
【0034】
インデクサブロック5の内部構造について説明する。図1に示すように、インデクサブロック5は、基板Wを把持して搬送可能なインデクサロボットIRと、インデクサロボットIRがアクセス可能な受け渡し部15を備えている。
【0035】
インデクサロボットIRは、Y方向に往復自在であり、基板Wを搬送するハンドを有している。インデクサロボットIRには、洗浄処理前の基板Wを把持するためのハンド19と、洗浄処理後の基板Wを把持するためのハンド21と、を有している。ハンド19は、インデクサロボットIRの前方に位置する基板投入用のロードポート13にアクセス可能であり、インデクサロボットIRの後方に位置する受け渡し部15にアクセス可能である。従って、ハンド19は、前方に向くこともできるし、後方に向くこともできる。ハンド21は、インデクサロボットIRの前方に位置する基板払出用のロードポート13にアクセス可能であり、インデクサロボットIRの後方に位置する受け渡し部15にアクセス可能である。従って、ハンド21は、ハンド19と同様、前方に向くこともできるし、後方に向くこともできる。
【0036】
受け渡し部15は、インデクサブロック5の後方に位置し、インデクサブロック5と処理ブロック7との境界に位置している。図2に示すように、受け渡し部15は、基板Wを反転させる第1基板反転ユニット23,基板Wを一時的に留め置く往路用パス部25,復路用パス部27,基板Wを反転させる第2基板反転ユニット29が下から上へこの順にZ方向に配列されて構成される。第1基板反転ユニット23は、本発明の反転部に相当する。
【0037】
第1基板反転ユニット23は、表面(デバイス面)の洗浄を終えた基板Wを180°回転させて基板Wの裏面を上方に向ける構成である。この様にして反転された基板には裏面の洗浄が施される。第2基板反転ユニット29は、表面(デバイス面)に引き続いて裏面の洗浄を終えた基板Wを180°回転させて基板Wの表面(デバイス面)を上方に向ける構成である。
【0038】
往路用パス部25は、表面、裏面とも未処理の基板Wをインデクサブロック5から処理ブロック7に搬入するときに基板Wを仮置きするためのパスである。復路用パス部27は、表面、裏面とも処理済みの基板Wを処理ブロック7からインデクサブロック5へ搬出するときに基板Wを仮置きするためのパスである。
【0039】
<3.処理ブロック>
図1に示すように、処理ブロック7は、Y方向に配列された第1列R1,第2列R2,第3列R3を有している。第1列R1は、各列のうち最も左方に設けられ、第3列R3は、各列のうち最も右方に設けられる。第2列R2は、第1列R1,第3列R3に挟まれた中央部に位置している。後述するように、第1列R1,第3列R3には、基板Wの洗浄処理を行う処理ユニットが配置され、第2列R2には、基板Wを搬送するセンターロボットが配置される。
【0040】
<3.1.第1列>
処理ブロック7の第1列R1は、基板Wの洗浄処理が可能な複数個の処理ユニット31を有している。図2に示すように第1列R1には、4個の処理ユニット31がZ方向に積層されている。第1列R1に配置されている処理ユニット31の各々は、基板Wの表面洗浄を行う表面洗浄ユニットSSである。表面洗浄ユニットSSは、本発明の第1洗浄処理部に相当する。表面洗浄ユニットSSの具体的構成については後述する。
【0041】
<3.2.第2列>
処理ブロック7の第2列には、基板Wを搬送するセンターロボットCRを有している。 センターロボットCRは、X方向、Z方向に往復自在であり、基板Wを搬送するハンドを有している。センターロボットCRには、洗浄処理完了前の基板Wを把持するためのハンド33と、洗浄処理完了後の基板Wを把持するためのハンド35と、を有している。ハンド33は、センターロボットCRの前方に位置する往路用パス部25および第1基板反転ユニット23,左方に位置する第1列R1の処理ユニット、右方に位置する第3列R3の処理ユニットの各々にアクセス可能である。従って、ハンド33は、前方に向くこともできるし、左方、右方に向くこともできる。ハンド35は、センターロボットCRの前方に位置する復路用パス部27および第2基板反転ユニット29,右方に位置する第3列R3の処理ユニットの各々にアクセス可能である。従って、ハンド35は、前方に向くこともできるし、右方に向くこともできる。センターロボットCRは、本発明の基板ハンドリング機構に相当する。
【0042】
<3.3.第3列>
処理ブロック7の第3列R3は、基板Wの洗浄処理が可能な複数個の処理ユニット31を有している。図2に示すように第3列R3には、4個の処理ユニット31がZ方向に積層されている。第3列R3に配置されている処理ユニット31の各々は、基板Wの裏面洗浄を行う裏面洗浄ユニットSSRである。裏面洗浄ユニットSSRは、本発明の第2洗浄処理部に相当する。裏面洗浄ユニットSSRの具体的構成については後述する。
【0043】
<3.4.表面洗浄ユニット>
図3は、表面洗浄ユニットSSを具体的に説明している。表面洗浄ユニットSSは、デバイス面が上を向いた水平姿勢の基板Wに対して動作し、デバイス面の洗浄を行う構成である。
【0044】
以降、表面洗浄ユニットSSの具体的構成について説明する。表面洗浄ユニットSSは、図3に示すように、水平姿勢の基板Wを保持して、基板Wの中心を通る鉛直軸周りに基板Wを回転させるバキュームチャック41を備える。バキュームチャック41は、基板Wに吸着することで基板Wを保持する。バキュームチャック41の上端は、円形となっており、バキュームチャック41上端面に設けられた貫通孔から空気を吸引することで基板Wに吸着する。バキュームチャック41は、本発明の吸着保持部に相当する。
【0045】
バキュームチャック41の下部には、バキュームチャック41を回転させる回転軸43が設けられている。回転軸43は、モータ45により回転駆動される。ポンプ47は、中空の回転軸43を介してバキュームチャック41の上端面から空気を吸引することが可能な吸引ポンプである。回転軸43が回転するとそれに連れてバキュームチャック41および吸着保持されている基板Wが回転する。回転軸43およびモータ45が、本発明の回転駆動部または第1回転駆動部に相当する。
【0046】
基板洗浄用ノズル51は水平方向に延びるアーム53の先端に取り付けられている。基板洗浄用ノズル51には第2の洗浄液を流通させる供給管55が接続されている。供給管55は洗浄液供給源71に連通接続されている。洗浄液供給源71から供給された第2の洗浄液は、基板洗浄用ノズル51から基板Wの上面に向けて吐出される。洗浄液供給源71は、液体を保持するタンクと、液体を基板洗浄用ノズル51に到達させるポンプを有している。第2の洗浄液としては、例えば、純水が用いられる。
【0047】
アーム53は、Z方向に延びる基部を備えている。従って、アーム53は、全体で逆Lの字形状をしている。アーム53の基部は昇降旋回駆動機構59に連結されている。アーム53は昇降旋回駆動機構59により、基板Wから離れた待避位置とバキュームチャック41が支持する基板Wの中心に位置する洗浄液供給位置(処理位置)とに亘って旋回駆動される。アーム53は待避位置と洗浄液供給位置において各々昇降駆動されてノズル51が所定の高さ位置に設定される。待避位置は基板Wから外れた側方位置に設定させている。洗浄液供給位置は基板Wの中心部上方に設定されている。
【0048】
バキュームチャック洗浄用ノズル61は、バキュームチャック41の上部に設けられており、バキュームチャック41の上面に向けて第1の洗浄液を吐出することが可能である。バキュームチャック洗浄用ノズル61は、吐出口を鉛直方向(Z方向)に向けた際には、第1の洗浄液の軌跡が円錐形状を形成するように第1の洗浄液を吐出する。また、吐出口を斜め下方に向けた際には、第1の洗浄液の軌跡が斜円錐形状を形成するように第1の洗浄液を吐出する。第1の洗浄液としては、例えば、純水が用いられる。バキュームチャック洗浄用ノズル61は、本発明の吸着体洗浄用ノズルに相当する。バキュームチャック洗浄用ノズル61の第1の洗浄液吐出方向は、Z方向を基準として傾斜した方向となっている。この傾斜の詳細については後述する。
【0049】
バキュームチャック洗浄用ノズル61は水平方向に延びるアーム63の先端に取り付けられている。バキュームチャック洗浄用ノズル61には第1の洗浄液を流通させる供給管65が接続されている。供給管65は洗浄液供給源71に連通接続されている。洗浄液供給源71から供給された第1の洗浄液は、バキュームチャック洗浄用ノズル61からバキュームチャック41の上面に向けて吐出される。
【0050】
アーム63は、Z方向に延びる基部を備えている。従って、アーム63は、全体で逆Lの字形状をしている。アーム63の基部は昇降旋回駆動機構69に連結されている。アーム63は昇降旋回駆動機構69により、バキュームチャック41から離れた待避位置とバキュームチャック41の中心付近に位置する洗浄液供給位置(処理位置)とに亘って旋回駆動される。アーム63は待避位置と洗浄液供給位置において各々昇降駆動されてノズル61が所定の高さ位置に設定される。待避位置はバキュームチャック41から外れた側方位置に設定させている。洗浄液供給位置はバキュームチャック41の中心部上方に設定されている。
【0051】
被覆部材64は、バキュームチャック洗浄用ノズル61に付設される皿状の部材である。被覆部材64の役割は、バキュームチャック洗浄用ノズル61から吐出された第1の洗浄液がバキュームチャック41によって飛散して基板洗浄用ノズル51等が汚染することを防ぐことである。被覆部材64の具体的構成は後述する。
【0052】
供給管65は、洗浄液供給源71に接続されている。洗浄液供給源71は、液体を保持するタンクと、液体をバキュームチャック洗浄用ノズル61に到達させるポンプを有している。なお、バキュームチャック洗浄用ノズル61と一体となっている被覆部材64は、昇降旋回駆動機構69の駆動によってバキュームチャック洗浄用ノズル61と一体に昇降、旋回移動する。昇降旋回駆動機構69は、本発明の吸着体洗浄用ノズル駆動部に相当する。
【0053】
洗浄液吐出制御部74は、洗浄液供給源71を制御する構成であり、液体を吐出するか否かを制御するとともに、いずれのノズルから液体を吐出するかについての制御を行う。洗浄液吐出制御部74は、本発明の吐出制御部に相当する。
【0054】
ガード73は、洗浄処理中の基板Wを囲うように配置された筒状の部材である。詳細には、ガード73は、円筒状の胴部と、胴部の上辺に連接されたテーパ部とを備える。テーパ部は、胴部から離れるほど径が小さくなる略円筒形状をしている。ガード73は、Z方向に昇降可能に構成されている。ガード73は、下降した待機位置と、待機位置より上方の処理位置とに昇降可能である。ガード73を昇降する具体的な構成の説明については省略する。ガード昇降機構75は、ガード73を駆動して昇降させる機構である。
【0055】
被覆部材64は、図4(a)に示すように開口部が下を向いた皿状の部材であり、バキュームチャック洗浄用ノズル61が挿し通された構成となっている。被覆部材64は、バキュームチャック41よりも径が大きな円盤状部材64aを上端部に有している。テーパ状側壁64bは、円盤状部材64aの周縁部に接続された略円筒形状の部材であり、円盤状部材64aの下方に向けて延びている。テーパ状側壁64bは、円盤状部材64aから遠ざかるほど径が大きくなる様なテーパ状の形状をしている。
【0056】
図4(a)における中心点Pは、円盤状部材64aの中心である。当該図に示すように、バキュームチャック洗浄用ノズル61は、中心点Pから離れた円盤状部材64a上の所定位置で被覆部材64に結合されている。バキュームチャック洗浄用ノズル61は、所定位置から更に下方に延びるが、このときのバキュームチャック洗浄用ノズル61は、中心点Pに近づく方向に傾斜して下方に延びる。従って、バキュームチャック洗浄用ノズル61は、第1の洗浄液を中心点Pから斜め下方向であって、半径方向の外側に向かうように吐出する。
【0057】
図4(b)は、バキュームチャック41の洗浄時におけるバキュームチャック41と被覆部材64の位置関係を説明している。図4(b)に示すように、洗浄時において被覆部材64は、バキュームチャック41の上面および側面を覆う位置まで移動される。すなわち、このときの被覆部材64は、円盤状部材64aの中心点Pがバキュームチャック41回転時の中心軸上に位置し、テーパ状側壁64bの下端がバキュームチャック41の上面よりも下側に位置する。この状態で第1の洗浄液がバキュームチャック洗浄用ノズル61の先端から吐出されると、第1の洗浄液は、当該先端を中心とした斜円錐形の洗浄液吐出範囲LQを形成しながら放射状に飛行しバキュームチャック41に到達する。図4(b)を参照すれば、バキュームチャック洗浄用ノズル61は、被覆部材64の中心点Pから斜め下向きの方向であって、吐出口がバキュームチャック41の上面に向かって、左斜め下方向を向くように配置されている。そのため、第1の洗浄液は、バキュームチャック41の上面の左端に到達している。バキュームチャック41は、回転しながら洗浄処理を受けるので、バキュームチャック41の上面の全てを洗浄できる。
【0058】
バキュームチャック41の構成と、第1の洗浄液の吐出方向には、特定の関係があるので、これについて説明する。バキュームチャック41の上端面には、吸着対象の基板Wと当接する当接部41aが設けられている。当接部41aは、バキュームチャック41の上端部からZ方向に突出する突起状の部材である。複数の当接部41aは、所定の間隔を隔ててバキュームチャック41の上端部に離散して設けられている。したがって、基板Wは、バキュームチャック41に設けられた複数の当接部41aに同じ圧力で吸着されることで、確実にバキュームチャック41に保持される。円形のバキュームチャック41上部において、吸着口41cより内側の中心部にも、当接部41aが設けられており、当接部41aは、中心部を含む円形の領域に離散して配置される。中心部の端部には、中心部を囲むように複数の吸引口41cが設けられている。吸引口41cは、バキュームチャック41の上端に設けられた空気の吸い込み口であり、最終的には、ポンプ47に連通している。吸引口41cは、バキュームチャック41の内部に設けられた斜め方向(Z方向に対し傾斜した傾斜方向)に延びる支管41dに連通している。各支管41dは、バキュームチャック41の内部における一点に集中しており、各支管41dは、Z方向に延びる吸引管41eに連通している。吸引管41eは、バキュームチャック41の下部から貫通しており、回転軸43内部においてZ方向に延びる細管43aに連通している。細管43aは、ポンプ47に連通している。
【0059】
図5は、図4(b)の上面図を示している。図5では、説明で必要のない当接部41aと被覆部材64の記載を省略している。中心点Qは、円形のバキュームチャック41の中心点であり、バキュームチャック41の回転中心でもある。中心点Qは、被覆部材64の直下にある。バキュームチャック41に中心点Qを通る仮想線HLを設定した場合を考える。バキュームチャック41の上面は、仮想線HLを含む第1の領域AREA1と、仮想線HLを含まない第2の領域AREA2とに仮想的に分割される。このとき、バキュームチャック洗浄用ノズル61は、第1の領域AREA1の上方に配置されるものとする。バキュームチャック洗浄用ノズル61の先端から吐出された第1の洗浄液は、中心点Qを一端とし、バキュームチャック41の外縁部を他端として広がる斜円錐形の洗浄液吐出範囲LQを形成してバキュームチャック41に到達する。この際、洗浄液吐出範囲LQが、第2の領域AREA2の範囲内に位置するようにバキュームチャック洗浄用ノズル61の角度を設定すれば、バキュームチャック洗浄用ノズル61から吐出された第1の洗浄液は、バキュームチャック41の上面で中心側から周縁側へ流れる。そのため、バキュームチャック41の上面の汚れを中心側から外周側へ移動させながら除去することが可能になり、バキュームチャック41をより清浄なものにすることができる。また、バキュームチャック41を回転させながら第1の洗浄液を放射状に吐出するようにすれば、バキュームチャック41上面における当接部41aの全てに第1の洗浄液が到達する。第1の洗浄液は、バキュームチャック41の上面全域に到達するからである。また、図4(b)の構成では、中心点Qを含んで斜円錐形に広がるように第1の洗浄液が吐出される構成について説明している。このようにすれば、第1の洗浄液の吐出範囲を確実に十分なものとすることができる。
【0060】
図6は、バキュームチャック41の洗浄処理の必要性について説明している。図6(a)は、両面が未洗浄の基板Wがバキュームチャック41にセットされる様子を示している。バキュームチャック41が属する表面洗浄ユニットSSは、基板Wの表面(デバイス面)を洗浄する構成であるから、基板Wの上面は、基板Wの表面(デバイス面)に一致する。従って、バキュームチャック41は、基板Wの下面(裏面)に当接して基板Wを吸着保持することになる。
【0061】
図6(b)は、表面洗浄ユニットSSによって基板Wの表面(デバイス面)が洗浄された後の様子を示している。この洗浄処理により、基板Wの表面(デバイス面)における汚れが除去される。しかしながら、基板Wの裏面は、依然として汚れが付着した状態である。図6(c)は、基板Wが裏面洗浄ユニットSSRまで搬送されたときのバキュームチャック41を示している。基板Wにおける裏面の汚れは、裏面洗浄ユニットSSRによって除去されるが、表面洗浄ユニットSSに付属のバキュームチャック41上には基板Wの裏面から転写した汚れが残った状態となる。このような汚れは、基板Wに当接する当接部41aの上端に付着している。この汚れは、バキュームチャック洗浄用ノズル61から吐出される第1の洗浄液により除去される。
【0062】
<3.5.裏面洗浄ユニット>
図7は、裏面洗浄ユニットSSRを具体的に説明している。裏面洗浄ユニットSSRは、デバイス面が下を向いた水平姿勢の基板Wに対して動作し、デバイス面に対する裏面を洗浄する構成である。
【0063】
以降、裏面洗浄ユニットSSRの具体的構成について説明する。裏面洗浄ユニットSSRは、図7に示すように、水平姿勢の基板Wを保持して、基板Wの中心を通る鉛直軸周りに基板Wを回転させる回転体81を備える。回転体81は、回転体81の周縁部に配置される複数の保持ピン82で基板Wを保持するメカ式のチャックである。回転体81は、円盤形状となっており、保持する基板Wとともに回転する。保持ピン82は、Z方向に十分な厚みを有するので、回転体81本体と、保持する基板Wとの間には隙間が生じる。これにより、基板Wのデバイス面が回転体81本体に接触し、デバイス面に物理的なダメージが発生してしまうことがない。保持ピン82は、本発明の周縁保持部に相当する。
【0064】
回転体81の下部には、回転体81を回転させる回転軸83が設けられている。回転軸83は、モータ85により回転駆動される。回転軸83が回転するとそれに連れて回転体81および保持されている基板Wが回転する。回転体81,回転軸83,モータ85は、本発明の第2回転駆動部に相当する。
【0065】
保持ピン開閉機構86は、可動性の保持ピン82を動作させる機構である。保持ピン開閉機構86が保持ピン82を開状態とすると、保持ピン82の各々は、基板Wから離反する。これにより基板Wは、回転体81に対して自由となる。そして、この状態から保持ピン開閉機構86が保持ピン82を閉状態とすると、保持ピン82の各々は、基板Wに接近して当接する。これにより基板Wは、回転体81に保持された状態となる。
【0066】
基板洗浄用ノズル91は、基板Wの上部に設けられており、基板Wの上面に向けて第3の洗浄液を吐出することが可能である。第3の洗浄液としては、純水でよい。基板洗浄用ノズル91は、基板Wに対して第3の洗浄液をZ方向に流下させることにより、基板Wの上面に第3の洗浄液を供給する。基板洗浄用ノズル91は、本発明の洗浄液供給部に相当する。
【0067】
基板洗浄用ノズル91は水平方向に延びるアーム53の先端に取り付けられている。基板洗浄用ノズル91には第3の洗浄液を流通させる供給管95が接続されている。供給管95は洗浄液供給源72に連通接続されている。洗浄液供給源72から供給された第3の洗浄液は、基板洗浄用ノズル91から基板Wの上面に向けて吐出される。洗浄液供給源72は、液体を保持するタンクと、液体を基板洗浄用ノズル91に到達させるポンプを有している。洗浄液供給源72は、上述の洗浄液供給源71と別体でもよいし、洗浄液供給源71が洗浄液供給源72を兼ねた構成とすることもできる。洗浄液吐出制御部76は、洗浄液供給源72を制御する構成であり、基板洗浄用ノズル91から第3の洗浄液を吐出するか否かを制御する。基板洗浄用ノズル91は、本発明の洗浄液供給部に相当する。
【0068】
アーム93は、Z方向に延びる基部を備えている。従って、アーム93は、全体で逆Lの字形状をしている。アーム93の基部は昇降旋回駆動機構99に連結されている。アーム93は昇降旋回駆動機構99により、基板Wから離れた待機位置と基板Wの中心に位置する洗浄液供給位置(処理位置)とに亘って旋回駆動される。アーム93は待機位置と洗浄液供給位置において各々昇降駆動されてノズル91が所定の高さ位置に設定される。待機位置は基板Wから外れた側方位置に設定させている。洗浄液供給位置は基板Wの中心部上方に設定されている。
【0069】
ガード75は、洗浄処理中の基板Wを囲うように配置された筒状の部材である。詳細には、ガード75は、表面洗浄ユニットSSのガード73と同様、円筒状の胴部と、胴部の上辺に連接されたテーパ部とを備える。ガード75は、Z方向に昇降可能に構成されている。ガード75は、下降した待機位置と、待機位置より上方の処理位置とに昇降可能である。ガード75を昇降する具体的な構成の説明については省略する。ガード昇降機構77は、ガード75を駆動して昇降させる機構である。
【0070】
<4.その他の構成>
本実施例の基板洗浄装置は、基板Wの搬送と洗浄処理に関する制御を行う制御部161を備えている(図1参照)。また、図には示していないが制御部161には、制御に関するプログラムやパラメータなどを記憶する記憶部を備えている。制御部161の制御は、例えばCPU(Central Processing Unit)で実現される。制御部161に関する制御としては、例えば、インデクサロボットIR,センターロボットCR,第1基板反転ユニット23,第2基板反転ユニット29,表面洗浄ユニットSS,裏面洗浄ユニットSSRに関する制御がある。特に、上述の洗浄液吐出制御部74,洗浄液吐出制御部76も制御部161が実現する。その他、ノズルの昇降、ノズルの旋回移動、ガードの昇降、保持ピン82の開閉、バキュームチャック41の回転、回転体81の回転等、表面洗浄ユニットSS,裏面洗浄ユニットSSRが有する各動作部についての制御も制御部161が実現する。制御部161の具体的構成については特に限定されず、例えば、単一のCPUで制御部161を実現してもよいし、複数のCPUで制御部161の各機能を分割して実現するようにしてもよい。
【0071】
<5.基板洗浄装置の動作>
続いて、図8のフローチャートを参照しながら基板洗浄装置の動作について説明する。
【0072】
ステップS10:基板の投入
実施例の基板洗浄装置を用いて基板Wの洗浄を行うには、まず未処理の基板Wを収納したキャリアCがロードポート13に載置される。インデクサブロック5におけるインデクサロボットIRは、キャリアCに収納された基板Wを1枚ずつ把持し、基板Wを往路用パス部25に仮置きする。
【0073】
ステップS20:基板を処理ブロックまで搬送
処理ブロック7におけるセンターロボットCRは、往路用パス部25に仮置きされた基板Wを把持して処理ブロック7に取り込む。この様にしてキャリアC内の基板Wは、処理ブロック7まで搬送される。センターロボットCRは、図9の矢印Aに示すように基板Wを往路用パス部25から表面洗浄ユニットSSまで搬送する。このときの基板Wは、水平姿勢であり、上面がデバイス面に一致している。
【0074】
ステップS30:表面洗浄処理
表面洗浄ユニットSSまで搬送された基板Wは、バキュームチャック41に吸着された状態で回転される。この状態で第2の洗浄液が基板洗浄用ノズル51から吐出され、基板Wの表面(デバイス面)の洗浄が開始される。
【0075】
基板Wの表面(デバイス面)の洗浄が完了すると、センターロボットCRは、図9の矢印Bに示すように基板Wを第1基板反転ユニット23まで搬送する。すると表面洗浄ユニットSSには、図6(c)で説明した当接部41aが汚れたバキュームチャック41が残される。
【0076】
ステップS40:バキュームチャック洗浄
本ステップでは、バキュームチャック41が第1の洗浄液により洗浄されて、当接部41aの汚れが除去される。本ステップは、図10におけるステップS41~ステップ47で詳説される。
【0077】
ステップS41:バキュームチャック洗浄、ノズルの移動
図11(a)は、表面洗浄ユニットSSにおいて、基板Wの表面(デバイス面)の洗浄が終了し、センターロボットCRがバキュームチャック41に保持されている基板Wを把持して表面洗浄ユニットSSから搬出した後の状態を示している。この時の基板洗浄用ノズル51は、バキュームチャック41から離れた待避位置にある。基板洗浄用ノズル51をこの位置に留め置けば、センターロボットCRが基板Wを表面洗浄ユニットSSから搬出するときにセンターロボットCRが基板洗浄用ノズル51に干渉することがない。
【0078】
一方、バキュームチャック洗浄用ノズル61は、バキュームチャック41から離れた待避位置に留め置かれている。この様にすれば、基板Wを表面洗浄ユニットSSに搬入、および搬出するときにバキュームチャック洗浄用ノズル61がセンターロボットCRに干渉することがない。また、バキュームチャック洗浄用ノズル61をこの位置に留め置けば、基板Wの表面(デバイス面)の洗浄中において、基板洗浄用ノズル51がバキュームチャック洗浄用ノズル61に干渉することもない。
【0079】
基板Wの洗浄中に於いては、ガード73は、上昇した状態となっているが、基板Wを表面洗浄ユニットSSから搬出する際には、下降される。この様にすることで、ガード73が基板Wを搬送するセンターロボットCRと干渉することがない。図11(a)は、基板Wが搬送された後、これより行われるバキュームチャック41の洗浄に備えて、ガード73が再び上昇されたときの様子を示している。
【0080】
本ステップでは、図11(a)の状態からバキュームチャック洗浄用ノズル61が旋回してバキュームチャック41の中心部に位置した後、下降してバキュームチャック41に接近する。この様にして、本ステップをもってバキュームチャック41とバキュームチャック洗浄用ノズル61は、図4(b)で説明した位置関係となる。バキュームチャック洗浄用ノズル61の旋回および下降は、昇降旋回駆動機構69がアーム63を旋回移動および下降させることで実現される。こうして、バキュームチャック洗浄用ノズル61は、処理位置まで移動される。
【0081】
ステップS42:バキュームチャック洗浄、バキュームチャックの回転開始
バキュームチャック洗浄用ノズル61がバキュームチャック41を洗浄するときに定められた所定の位置まで到達すると、図11(b)に示すように、バキュームチャック41が回転される。このときのバキュームチャック41の回転方向は、基板Wの表面(デバイス面)を洗浄するときの回転方向と同じでよい。
【0082】
ステップS43:バキュームチャック洗浄、回転数が500rpm以上か?
洗浄液吐出制御部74は、バキュームチャック41の回転数が500rpm(rotations per minute)以上であるか否かを判断する。洗浄液吐出制御部74は、バキュームチャック41の回転開始から所定時間が経過したか否かで当該判断を行ってもよいし、モータ45に付属のロータリーエンコーダの値を読み取って当該判断を行ってもよい。当該判断が偽なら、処理は、ステップS43に戻る。当該判断が真なら、処理は、ステップS44に進む。
【0083】
ステップS44:バキュームチャック洗浄、第1の洗浄液の吐出
洗浄液吐出制御部74は、バキュームチャック41の回転数が500rpm以上となった時点で図11(c)に示すようにバキュームチャック洗浄用ノズル61から第1の洗浄液を吐出させる。このように、バキュームチャック41の回転数が500rpmかそれより大きな所定数以上となった時点で第1の洗浄液の吐出を開始するようにすれば、バキュームチャック41に到達した第1の洗浄液がバキュームチャック41より与えられる遠心力により、バキュームチャック41の中心から周縁部に向けて流出する。すなわち、本実施例によれば、第1の洗浄液がバキュームチャック41内部の支管41dに流入してポンプ47等に悪影響を及ぼすことがない。
【0084】
バキュームチャック41に第1の洗浄液が吐出されると、バキュームチャック41の当接部41aに付着した汚れは、第1の洗浄液により洗い流される。この際、被覆部材64がバキュームチャック41を覆う位置にあるので、バキュームチャック41から飛び散った第1の洗浄液は、被覆部材64で受け止められる。これにより、表面洗浄ユニットSSの清浄性は担保される。
【0085】
本ステップの実行中においては、バキュームチャック41は、空気の吸引を行わないことが望ましい。このようにすれば、吸気の吸引に伴って第1の洗浄液もバキュームチャック41から吸引されてしまうことが抑制される。
【0086】
ステップS45:バキュームチャック洗浄、第1の洗浄液吐出の終了
洗浄液吐出制御部74は、第1の洗浄液の吐出開始からバキュームチャック41の洗浄に十分な時間が経過した後、バキュームチャック洗浄用ノズル61による第1の洗浄液の吐出を終了させる。
【0087】
ステップS46:バキュームチャック洗浄、バキュームチャックの回転終了
第1の洗浄液の吐出が終了までバキュームチャック41の回転数が維持される。バキュームチャック41の回転を停止する前に第1の洗浄液の吐出を終了させた場合には、低速で回転するバキュームチャック41の支管41dに第1の洗浄液が到達する恐れがある。しかし、上述の動作を行うように装置を構成すれば、十分にバキュームチャック41に遠心力が付与された状態であるので、第1の洗浄液が支管41dに流入してしまうことがない。
【0088】
ステップS47:バキュームチャック洗浄、ノズルの移動
バキュームチャック41の洗浄が終了すると、バキュームチャック洗浄用ノズル61は上昇して旋回し、図11(a)に示す待避位置に戻る。バキュームチャック洗浄用ノズル61の旋回および上昇は、昇降旋回駆動機構69がアーム63を旋回移動および上昇させることで実現される。バキュームチャック41の洗浄の後、バキュームチャック洗浄用ノズル61を待避位置に戻せば、バキュームチャック洗浄用ノズル61が基板Wを搬送中のセンターロボットCRと干渉することがなくなる。こうして、表面洗浄ユニットSSは、後続の基板Wの受け入れを行うことができるようになる。
【0089】
ステップS50:基板の反転
表面洗浄ユニットSSから搬出された基板Wは、水平姿勢の状態で第1基板反転ユニット23に搬入される(図8図9矢印B参照)。第1基板反転ユニット23は、基板Wを受け取ると、基板Wを180°回転させる。これにより、デバイス面が上面となっていた基板Wは、反転され、デバイス面にとっての裏面が上面となる。反転処理がされた基板Wは、図9矢印Cに示すように裏面洗浄ユニットSSRに搬送される。当該搬送は、センターロボットCRが実現する。
【0090】
ステップS60:裏面洗浄処理
裏面洗浄ユニットSSRまで搬送された基板Wは、回転体81に機械的に保持された状態で回転される。この状態で第3の洗浄液が基板洗浄用ノズル91から吐出され、基板Wの裏面の洗浄が開始される。裏面の洗浄が完了すると、センターロボットCRは、図9の矢印Dに示すように基板Wを第2基板反転ユニット29まで搬送する。
【0091】
ステップS70:基板の反転
裏面洗浄ユニットSSRから搬出された基板Wは、水平姿勢の状態で第2基板反転ユニット29に搬入される(図9矢印D参照)。第2基板反転ユニット29は、基板Wを受け取ると、基板Wを180°回転させる。これにより、デバイス面が下面となっていた基板Wは、反転され、デバイス面が上面となる。反転処理がされた基板Wは、図9の矢印Eに示すように復路用パス部27に搬送される。当該搬送は、センターロボットCRが実現する。
【0092】
ステップS80:基板の払い出し
インデクサブロック5におけるインデクサロボットIRは、復路用パス部27に仮置きされた基板Wを把持してインデクサブロック5に取り込む。インデクサロボットIRは、復路用パス部27に仮置きされた基板Wを1枚ずつ把持し、キャリアCに収納する。こうして、実施例の基板洗浄装置における基板洗浄は終了となる。
【0093】
以上のように、本実施例の構成によれば、バキュームチャック41の清浄性が保たれ、高品質の洗浄処理が可能な基板洗浄装置を提供することができる。バキュームチャック41を洗浄する際に、バキュームチャック洗浄用ノズル61から吐出されバキュームチャック41に到達した第1の洗浄液は、装置内に飛散することなく被覆部材64に受け止められる。このように構成すれば、バキュームチャック41の汚れが装置内に飛散して、基板Wの洗浄に悪影響を及ぼすことがない。
【0094】
本実施例のバキュームチャック41は回転中心軸を通る仮想線を設定した場合、仮想線を含む一方側の第1の領域と、仮想線を含まない他方側の第2の領域と、を有している。また、バキュームチャック洗浄用ノズル61は、第1の領域に配置され、前記第2の領域へ第1の洗浄液を吐出する。この様に構成すれば、バキュームチャック41の汚れは中心側から周縁部に向けて移動しながらバキュームチャック41から除去されるので、バキュームチャック41をより清浄なものとすることができる。周縁部まで到達した汚れは、バキュームチャック41から確実に除去されるからである。
【0095】
本実施例の第1の洗浄液は、バキュームチャック41の回転数が所定値以上のときに吸着体洗浄用ノズルから吐出される構成となっている。この様に構成すると、バキュームチャック41に到達した第1の洗浄液は、遠心力により振り切られるので、バキュームチャック41が有する吸着に関する支管41d等の内部構造に第1の洗浄液が流入してしまうことが抑制できる。
【0096】
本構成に係る基板洗浄装置は、基板Wの表面を洗浄する表面洗浄ユニットSS,基板Wを反転させる第1基板反転ユニット23,基板Wの裏面を洗浄する裏面洗浄ユニットSSRとの間で基板Wを受け渡す構成であり、表面洗浄ユニットSSに備えられたバキュームチャック41を第1の洗浄液で洗浄する構成となっている。この様に、第1の洗浄液の吐出方法を最適化することで、装置全体をより清浄なものとすることができる。
【0097】
本発明は、上述の構成に限られず下記の様に変形実施が可能である。
【0098】
<変形例1>
本発明はブラシを有するスクラブ洗浄装置にも適用ができる。
【0099】
<変形例2>
本発明の被覆部材64の形状は、上述の構成に限られない。例えば、被覆部材64におけるテーパ状側壁64bを省略した構成とすることもできる。
【0100】
<変形例3>
上述の実施例では、斜円錐形の洗浄液吐出範囲をもつバキュームチャック洗浄用ノズル61を用いていた。しかし、本発明は上述の構成に限定されない。実施例のバキュームチャック洗浄用ノズル61を洗浄液が吐出される範囲が狭いストレートノズルを使用し、洗浄液をバキュームチャック41の上面に対してバキュームチャック洗浄用ノズル61より狭い吐出範囲で吐出する構成としてもよい。当該構成によれば、バキュームチャック41の回転に伴って、バキュームチャック41の中心部付近に吐出された洗浄液が、基板の外周まで広がる。そのため、バキュームチャック41における当接部41aの全てを洗浄することができる。また、実施例のバキュームチャック洗浄用ノズル61をスリット形状の吐出口を有するノズルとし、バキュームチャック41の上面に対して、半径方向に向かって線状に吐出する構成としてもよい。当該構成によれば、バキュームチャック41の回転に伴ってバキュームチャック41の全体が洗浄される。そのため、バキュームチャック41における当接部41aの全てを洗浄することができる。
【0101】
<変形例4>
実施例においては、第1の洗浄液を吐出するか否かを判断する所定値は500rpmであったが、これを適宜変更することもできる。
【0102】
<変形例5>
実施例の構成は、バキュームチャック洗浄用ノズル61とは別に基板洗浄用ノズル51を備えていたが、本発明はこれに限られず、バキュームチャック洗浄用ノズル61を基板洗浄用ノズル51として機能させる構成としてもよい。この様にすれば、装置の簡略化を図ることができるので、製造コストが抑制された基板洗浄装置を提供できる。
【0103】
<変形例6>
実施例の構成では、バキュームチャック洗浄用ノズル61がバキュームチャック41の左側を洗浄する構成となっていたが(図4(b)参照),本発明はこれに限られず、バキュームチャック洗浄用ノズル61がバキュームチャック41の左方および右方に斜円錐形の洗浄液吐出範囲をもって第1の洗浄液を吐出する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 基板洗浄装置
5 インデクサブロック
7 処理ブロック
9 投入部
11 払出部
13 ロードポート
15 受け渡し部
19 ハンド
21 ハンド
23 第1基板反転ユニット(反転部)
25 往路用パス部
27 復路用パス部
29 第2基板反転ユニット
31 処理ユニット
33 ハンド
35 ハンド
41 バキュームチャック(吸着保持部)
41a 当接部
41c 吸引口
41d 支管
41e 吸引管
43 回転軸
43a 細管
45 モータ
47 ポンプ
51 基板洗浄用ノズル
53 アーム
55 供給管
59 昇降旋回駆動機構
61 バキュームチャック洗浄用ノズル(吸着体洗浄用ノズル)
63 アーム
64 被覆部材
64a 円盤状部材
64b テーパ状側壁
65 供給管
67 ノズル昇降機構
69 昇降旋回駆動機構
71 洗浄液供給源
72 洗浄液供給源
73 ガード
74 洗浄液吐出制御部(吐出制御部)
75 ガード
76 洗浄液吐出制御部
81 回転体
82 保持ピン(周縁保持部)
83 回転軸
85 モータ
86 保持ピン開閉機構
91 基板洗浄用ノズル(洗浄液供給部)
93 アーム
95 供給管
99 昇降旋回駆動機構
161 制御部
C キャリア
CR センターロボット(基板ハンドリング機構)
IR インデクサロボット
R1 第1列
R2 第2列
R3 第3列
SS 表面洗浄ユニット(第1洗浄処理部)
SSR 裏面洗浄ユニット(第2洗浄処理部)
W 基板
図1
図2
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図4
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図11