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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118890
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/06 20060101AFI20240826BHJP
   F25D 21/08 20060101ALI20240826BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240826BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
F25D21/06 P
F25D21/08 A
F25D11/00 101C
A47F3/04 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025458
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】後藤 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】臂 裕亮
【テーマコード(参考)】
3B110
3L045
3L046
【Fターム(参考)】
3B110AA03
3B110AA08
3B110BA03
3B110BA08
3B110CA05
3B110GA20
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045MA05
3L045MA07
3L045MA15
3L045NA22
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA04
3L046AA02
3L046BA01
3L046CA06
3L046KA05
3L046MA01
3L046MA02
3L046MA03
3L046MA04
(57)【要約】
【課題】不必要な除霜処理の実行を抑制することができるショーケースを提供する。
【解決手段】ショーケースは、店内に設置される。ショーケースは、扉によって開閉される開口部を有すると共に内部に商品が陳列収納される収納室と、前記収納室内を冷却するための冷却器と、前記冷却器に付着した霜を除去するための除霜処理を実行する制御部とを含む。前記制御部は、所定の単位時間毎に店内温度と店内相対湿度と前記収納室の前記開口部の開放時間とに基づいて前記冷却器の着霜に関する着霜指標値を求め、着霜指標値の積算値が判定閾値以上になると除霜処理を実行するように構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店内に設置されるショーケースであって、
扉によって開閉される開口部を有すると共に内部に商品が陳列収納される収納室と、
前記収納室内を冷却するための冷却器と、
前記冷却器に付着した霜を除去するための除霜処理を実行する制御部と、
を含み、
前記制御部は、所定の単位時間毎に店内温度と店内相対湿度と前記収納室の前記開口部の開放時間とに基づいて前記冷却器の着霜に関する着霜指標値を求め、前記着霜指標値の積算値が判定閾値以上になると前記除霜処理を実行するように構成されている、
ショーケース。
【請求項2】
前記着霜指標値は、前記店内温度及び前記店内相対湿度から求められる店内空気のエンタルピー又は店内空気の露点温度に基づく店内環境指標値と、前記収納室の前記開口部の開放時間に基づく開放時間指標値とを含み、
前記店内環境指標値は、前記店内空気のエンタルピーが大きいほど又は前記店内空気の露点温度が高いほど大きい値として求められ、前記開放時間指標値は、前記収納室の前記開口部の開放時間が長いほど大きい値として求められる、
請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
店内に設置されるショーケースであって、
常時開放された開口部を有すると共に内部に商品が陳列収納される収納室と、
前記収納室内を冷却するための冷却器と、
前記冷却器に付着した霜を除去するための除霜処理を実行する制御部と、
を含み、
前記制御部は、所定の単位時間毎に店内温度と店内相対湿度とに基づいて前記冷却器の着霜に関する着霜指標値を求め、前記着霜指標値の積算値が判定閾値以上になると前記除霜処理を実行するように構成されている、
ショーケース。
【請求項4】
前記着霜指標値は、前記店内温度及び前記店内相対湿度から求められた店内空気のエンタルピー又は店内空気の露点温度に基づく店内環境指標値を含み、
前記店内環境指標値は、前記店内空気のエンタルピーが大きいほど又は前記店内空気の露点温度が高いほど大きい値として求められる、
請求項3に記載のショーケース。
【請求項5】
前記制御部は、前回の除霜処理の開始又は終了から前記所定の単位時間毎に前記着霜指標値を求め、前記判定閾値は、前記前回の除霜処理の開始又は終了からの経過時間の増加に伴って減少するように設定されている、請求項1又は3に記載のショーケース。
【請求項6】
前記制御部は、前回の除霜処理の開始又は終了から所定の除霜処理間隔時間が経過した場合には強制的に前記除霜処理を実行するように構成されている、請求項5に記載のショーケース。
【請求項7】
前記制御部は、前記着霜指標値を時間の次元を持つ値として求め、前記除霜処理間隔時間から前回の除霜処理の開始又は終了からの経過時間を減じた時間を前記判定閾値として用いる、請求項6に記載のショーケース。
【請求項8】
前記除霜処理間隔時間よりも短い除霜処理待機時間が設定可能に構成され、
前記制御部は、前記除霜処理待機時間が設定されている場合、前回の除霜処理の開始又は終了から前記除霜処理待機時間が経過するまでは前記除霜処理を実行しないように構成されている、請求項6に記載のショーケース。
【請求項9】
前記制御部は、前記冷却器の温度が所定の除霜処理開始温度以下である状態が所定時間以上継続した場合に前記除霜処理を実行するように構成されている、請求項6に記載のショーケース。
【請求項10】
除霜処理禁止時間帯が設定可能に構成され、
前記制御部は、前記除霜処理禁止時間帯が設定されている場合、前記冷却器の温度が前記除霜処理開始温度以下である状態が前記所定時間以上継続した時点が前記除霜処理禁止時間帯内である場合、前記除霜処理禁止時間帯が経過した後に前記除霜処理を実行するように構成されている、
請求項9に記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店内には、冷蔵商品や冷凍商品が陳列収納されたショーケースが設置されている。この種のショーケースでは、主に冷却能力を維持するために、冷却器に付着した霜を除去する除霜処理が実行される。例えば、特許文献1に記載されたショーケースは、適当間隔で除霜用ヒータに通電し、除霜用ヒータの発する熱で冷却器の着霜を溶解するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平7-12861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたショーケースにおいて、冷却器に付着した霜を速やかに除去するためには、着霜が発生し易い条件を基準に適当間隔が設定される必要がある。そのため、場合によっては、まだ除霜処理が必要でない状態で除霜処理が実行されるおそれがある。このような不必要な除霜処理の実行は、商品収納室の過剰な温度上昇や過剰な電力消費などを招くため好ましくないという課題があった。
【0005】
なお、このような課題は、除霜用ヒータを用いて除霜処理を行う場合に限られるものではなく、いわゆるホットガス除霜などのような他の方法や装置を用いて除霜処理を行う場合にも生じ得るものである。
【0006】
そこで、本発明は、不必要な除霜処理の実行を抑制することができるショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、店内に設置されるショーケースが提供される。このショーケースは、扉によって開閉される開口部を有すると共に内部に商品が陳列収納される収納室と、収納室内を冷却するための冷却器と、冷却器に付着した霜を除去するための除霜処理を実行する制御部と、を含む。制御部は、所定の単位時間毎に店内温度と店内相対湿度と前記収納室の開口部の開放時間とに基づいて冷却器の着霜に関する着霜指標値を求め、着霜指標値の積算値が判定閾値以上になると除霜処理を実行するように構成されている。
【0008】
本発明の他の側面によると、店内に設置されるショーケースが提供される。このショーケースは、常時開放された開口部を有すると共に内部に商品が陳列収納される収納室と、収納室内を冷却するための冷却器と、冷却器に付着した霜を除去するための除霜処理を実行する制御部と、を含む。制御部は、所定の単位時間毎に店内温度と店内相対湿度とに基づいて前記冷却器の着霜に関する着霜指標値を求め、前記着霜指標値の積算値が判定閾値以上になると前記除霜処理を実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、不必要な除霜処理の実行を抑制することができるショーケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るショーケースの概略断面図である。
図2】第1実施形態に係るショーケースの電気的構成を示すブロック図である。
図3】判定閾値の一例を示す図である。
図4】判定閾値及び着霜指標値の積算値の一例を示す図である。
図5】判定閾値の他の例を示す図である。
図6】制御部が実行する除霜関連処理の一例を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係るショーケースの概略斜視図である。
図8】第2実施形態に係るショーケースの概略断面図である。
図9】第2実施形態に係るショーケースの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
第1実施形態に係るショーケースは、リーチインショーケースと称されることもあるショーケースである。第1実施形態に係るショーケースは、主にコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店内に設置される。図1は、第1実施形態に係るショーケース1の概略断面図であり、図2は、第1実施形態に係るショーケース1の電気的構成を示すブロック図である。なお、図1の左側がショーケース1の前側であり、図1の右側がショーケースの後側である。
【0013】
第1実施形態に係るショーケース1は、断熱性を有する筐体2(図1)と、ショーケース1の全体動作を制御する制御部3(図2)と、を含む。
【0014】
筐体2内には、内部に複数の商品Pが陳列収納される収納室21が設けられている。複数の商品Pは、主に冷蔵商品及び/又は冷凍商品などである。より具体的には、収納室21内には、複数(ここでは4つ)の棚板22が上下方向に互いに間隔をあけて配置されている。複数の棚板22のそれぞれは、収納室21の内部後壁から前方に延びている。そして、複数の商品Pが複数の棚板22のそれぞれに陳列(載置)されている。
【0015】
収納室21は、前面に開口部21aを有する。開口部21aは、ショーケース1の前方から収納室21内の商品Pにアクセス可能な大きさを有している。収納室21の開口部21aは、扉23によって開閉される。扉23は、回転式の扉であってもよいし、スライド式の扉であってもよい。扉23は、開口部21aを閉鎖しているときにショーケース1の前方から収納室21内を視認可能なように、少なくとも一部が透明に形成されている。特に限定されないが、扉23は、ほぼ全体が透明な断熱ガラス扉であり得る。顧客等は、扉23を動かして収納室21の開口部21aを開放することで収納室21内の商品Pを取り出すことができる。
【0016】
収納室21内には、空気循環ダクト24が設けられている。空気循環ダクト24は、上部開口端24aと下部開口端24bとを有する。上部開口端24aは、収納室21内の上部の前側において下向きに開口している。下部開口端24bは、収納室21内の下部の前側において上部開口端24aに対向するように上向きに開口している。
【0017】
空気循環ダクト24は、上部開口端24aから収納室21の内部上壁に沿って後方に延びる上部ダクト241と、下部開口端24bから収納室21の内部下壁に沿って後方に延びる下部ダクト242と、収納室21の内部後壁に沿って上下方向に延びて上部ダクト241と下部ダクト242とを接続する後部ダクト243と、を含む。
【0018】
本実施形態において、空気循環ダクト24の下部ダクト242内には、送風機25、冷却器26及び除霜ヒータ27が配設されている。
【0019】
送風機25は、下部開口端24bの近傍に配置されている。送風機25は、電動送風機である。送風機25は、制御部3からの制御信号に基づいて動作し、空気を下部開口端24bから下部ダクト242内に吸い込み、下部ダクト242、後部ダクト243及び上部ダクト241を介して上部開口端24aに向けて送風するように構成されている。
【0020】
冷却器26は、送風機25より後部ダクト243側に配置されている。冷却器26は、下部ダクト242を通過する空気を冷却し、これによって、収納室21内を冷却するように構成されている。本実施形態において、冷却器26は、圧縮機CM、凝縮器CD及び膨張弁EVなど共に冷媒回路(冷凍サイクル)を構成する蒸発器である。冷却器26は、制御部3からの制御信号に基づいて圧縮機CMが動作することにより、冷媒と自身を通過する空気とを熱交換させ、これによって、下部ダクト242を通過する空気を冷却するように構成されている。但し、これに限られるものではない。冷却器26は、下部ダクト242を通過する空気を冷却できればよく、冷却器26自体が制御部3からの制御信号に基づいて動作するように構成されてもよい。
【0021】
そして、図1に矢印で示されるように、冷却器26によって冷却された空気(つまり、冷気)が送風機25よって下部ダクト242、後部ダクト243及び上部ダクト241を流れて上部開口端24aに至り、上部開口端24aから下向きに吹き出され、吹き出された冷気が下部開口端24bから下部ダクト242内に吸い込まれる。このようして冷気が収納室21内を循環することにより、収納室21の内部が冷却されると共に、収納室21の開口部21aの近傍に冷気によるエアカーテンが形成される。
【0022】
除霜ヒータ27は、冷却器26に近接して配置されている。除霜ヒータ27は、電気ヒータである。除霜ヒータ27は、制御部3からの制御信号に基づいて動作し、熱を発して冷却器26に付着した霜を溶解して除去するように構成されている。
【0023】
ショーケース1の制御部3は、CPU、ROMやRAMなどのメモリ、及びI/Oポートなどを含むマイクロコンピュータで構成されている。制御部3は、ROMに記憶された制御プログラム、入力される各種センサの検出信号及び入力される各種設定信号などに基づいて演算等を行い、制御部3に電気的に接続された機器、例えば、送風機25、圧縮機CM(又は冷却器26)及び除霜ヒータ27などに制御信号を出力してこれらの動作を制御するように構成されている。
【0024】
前記各種センサには、ショーケース1の周囲の温度(ここでは、店内温度)を検出する周囲温度センサ31、ショーケース1の周囲の相対湿度(ここでは、店内相対湿度)を検出する周囲湿度センサ32、収納室21内の温度を検出する室内温度センサ33、扉の開閉を検出する扉開閉センサ34、及び、冷却器26の温度(蒸発温度)を検出する冷却器温度センサ35などが含まれる。
【0025】
なお、室内温度センサ33は、庫内温度サーミスタと称されることもあり、冷却器温度センサ35は、除霜サーミスタと称されることもある。また、特に限定されないが、好ましくは、店内の適切な位置に設置された店内温度センサが周囲温度センサ31として、店内の適切な位置に設置された店内湿度センサが周囲湿度センサ32として利用され得る。この場合、周囲温度センサ31としての店内温度センサによって検出された店内温度及び周囲湿度センサ32としての店内湿度センサによって検出された店内相対湿度は、有線通信又は無線通信を介して制御部3に入力される。
【0026】
前記各種設定信号には、収納室21内の温度Tsを設定するための室内温度設定信号、除霜処理待機時間twを設定するための待機時間設定信号、除霜処理間隔時間tiを設定するための間隔時間設定信号、及び、除霜処理禁止時間帯ptzを設定するための禁止時間帯設定信号などが含まれる。
【0027】
ここで、「除霜処理」とは、冷却器26に付着した霜を除去する処理のことをいい、本実施形態においては、除霜ヒータ27が発する熱で冷却器26の着霜を溶解して除去する処理のことである。本実施形態において、除霜処理は、送風機25及び圧縮機CMを停止させること、換言すれば、送風機25及び冷却器26による冷却機能を停止させること、及び、除霜ヒータ27を動作させることを含む。
【0028】
「除霜処理待機時間tw」とは、除霜処理の実行を待機させる時間のことをいう。本実施形態では、除霜処理が終了した時点が除霜処理待機時間twの起点とされている。したがって、除霜処理が終了してから除霜処理待機時間twが経過するまでは新たな除霜処理は実施されない。また、「除霜処理間隔時間ti」とは、除霜処理が実行されない状態にあることが許容される期間のことをいう。本実施形態では、除霜処理待機時間twの場合と同様、除霜処理が終了した時点が除霜処理間隔時間tiの起点とされている。したがって、除霜処理の終了から除霜処理間隔時間tiが経過した場合には新たな除霜処理が強制的に実施される。なお、除霜処理待機時間tw<除霜処理間隔時間tiである。特に限定されないが、一例として、除霜処理待機時間twは12時間に設定され、除霜処理間隔時間tiは48時間に設定され得る。
【0029】
「除霜処理禁止時間帯ptz」とは、除霜処理の実施が好ましくない時間帯のことをいい、本実施形態において、除霜処理禁止時間帯ptz内では、比較的長い時間を要する又はその可能性がある除霜処理が禁止される。除霜処理禁止時間帯ptzは、ショーケース1の設置環境などに応じて任意に設定され得る。特に限定されないが、除霜処理禁止時間帯ptzは、店内が顧客で混雑する昼間の所定の時間帯、例えば、午前11時から午後2時に設定され得る。
【0030】
次に、ショーケース1の制御部3による処理の例を説明する。ここでは、除霜処理待機時間tw、除霜処理間隔時間ti及び除霜処理禁止時間帯ptzが設定されているものとする。なお、例えば、除霜処理待機時間twや除霜処理禁止時間帯ptzが設定されない場合、以下の説明における除霜処理待機時間twに関する記載や除霜処理禁止時間帯ptzに関する記載は無視される。
【0031】
(通常処理)
制御部3は、室内温度センサ33によって検出される収納室21内の温度(実温度)Trを監視し、検出される収納室21内の温度(実温度)Trが前記室内温度設定信号によって設定された収納室21内の温度(設定温度)Tsを維持するように、送風機25及び圧縮機CM(又は冷却器26)を制御する。
【0032】
(除霜処理)
制御部3は、前回の除霜処理の終了から除霜処理間隔時間tiが経過した場合には強制的に前記除霜処理を実行する。また、制御部3は、前回の除霜処理の終了から除霜処理待機時間twが経過した後であって、且つ、以下の(a)第1条件、(b)第2条件及び(c)第3条件のいずれかが成立した場合にも前記除霜処理を実行する。具体的には、制御部3は、前記通常処理を停止させ、及び除霜ヒータ27を動作させることによって前記除霜処理を開始する。そして、制御部3は、前記除霜処理の開始後に冷却器温度センサ35によって検出される冷却器26の温度が除霜終了温度(>設定温度Ts)以上になるか、又は前記除霜処理の開始から最大除霜時間が経過すると、除霜ヒータ27を停止させて前記除霜処理を終了する。前記除霜終了温度及び前記最大除霜時間は任意に設定され得る。前記除霜処理が終了すると、制御部3は、前記通常処理を再開する。
【0033】
(a)第1条件
第1条件は、冷却器26の着霜に関する指標値(着霜指標値)の積算値が所定の判定閾値以上になることである。
【0034】
本実施形態において、制御部3は、所定の単位時間(例えば30分)毎に前記店内温度と前記店内相対湿度と収納室21の開口部21aの開放時間とに基づいて冷却器26の着霜に関する着霜指標値を求める。収納室21の開口部21aの開放時間は、扉開閉センサ34の検出信号に基づいて算出される。なお、収納室21の開口部21aの開放時間は、扉開放時間と言い換えられ得る。そして、制御部3は、求められた着霜指標値の積算値が前記判定閾値以上になった場合に前記除霜処理を実行する。
【0035】
例えば、制御部3は、前回の除霜処理の終了から所定のサンプリング周期で前記店内温度及び前記店内相対湿度から店内空気のエンタルピーを求め、求められた店内空気のエンタルピーの前記単位時間での平均値を算出する。また、制御部3は、扉開閉センサ34の検出信号に基づいて前記単位時間における収納室21の開口部21aの開放時間を算出する。算出される開放時間は、個々の扉23の開閉時における収納室21の開口部21aの開放時間の合計である。そして、制御部3は、算出された店内空気のエンタルピーの平均値と算出された収納室21の開口部21aの開放時間とに基づいて前記単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値を求める。例えば、制御部3は、店内空気のエンタルピー及び収納室21の開口部21aの開放時間と、着霜指標値とが関連付けられた第1指標値テーブルを有し、この第1指標値テーブルを利用して前記算出された店内空気のエンタルピーの平均値及び前記算出された収納室21の開口部21aの開放時間に対応する着霜指標値を取得する。
【0036】
あるいは、制御部3は、前記算出された店内空気のエンタルピーの平均値に基づいて店内環境指標値を求める。この店内環境指標値は、店内空気のエンタルピーの平均値が大きいほど大きな値をとる。例えば、制御部3は、店内空気のエンタルピーと店内環境指標値とが関連付けられた第2指標値テーブルを有し、この第2指標値テーブルを利用して前記求められた店内空気のエンタルピーの平均値に対応する店内環境指標値を取得する。
【0037】
また、制御部3は、前記算出された前記単位時間における収納室21の開口部21aの開放時間に基づいて開放時間指標値を求める。この開放時間指標値は、収納室21の開口部21aの開放時間が長いほど大きな値をとる。例えば、制御部3は、収納室21の開口部21aの開放時間と開放時間指標値とが関連付けられた第3指標値テーブルを有し、この第3指標値テーブルを利用して前記算出された開放時間に対応する開放時間指標値を取得する。
【0038】
そして、制御部3は、求められた店内環境指標値と求められた開放時間指標値とを合算して前記単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値とする。
【0039】
本実施形態において、前記判定閾値は、前回の除霜処理の終了からの経過時間の増加に伴って減少する値として設定される。具体的には、例えば、図3に示されるように、前記判定閾値は、前回の除霜処理の終了時点、すなわち、前回の除霜処理の終了からの経過時間が0(ゼロ)のときに最大となり、前回の除霜処理の終了からの経過時間の増加に伴って漸減し、前回の除霜処理の終了からの経過時間が除霜処理間隔時間tiになると最小(0(ゼロ))となるように設定される。但し、これに限られるものではない。前記判定閾値は、前回の除霜処理の終了からの経過時間の増加に伴って段階的に減少してもよい。
【0040】
そして、制御部3は、図4に示されるように、前記単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値(店内環境指標値+開放時間指標値)を積算していき、積算値が前記判定閾値以上になると前記除霜処理を実行する。図4に示される例において、制御部3は、前回の除霜処理の終了から時間X1(=単位時間×N)が経過したときに前記除霜処理を実行する。
【0041】
ここで、制御部3は、冷却器26の着霜に関する着霜指標値の積算値が前記判定閾値以上となった時点が除霜処理禁止時間帯ptz内であるときであってもその時点で前記除霜処理を実行する。この場合、制御部3は、冷却器26の着霜量が少ない状態で、つまり、冷却器26が過着霜状態となって冷却性能が低下する前に前記除霜処理を実行することができるため、前記除霜処理に要する時間が短く、前記除霜処理の実行による影響(例えば収納室21内の温度上昇)が小さくて済むからである。
【0042】
(a1)変形例1
制御部3は、冷却器26の着霜に関する着霜指標値を前回の除霜処理の終了からの経過時間に相当する値、すなわち、時間の次元を持つ値(時間次元値)として求めてもよい。この場合、制御部3は、例えば、以下のようにして、冷却器26の着霜に関する着霜指標値及びその積算値を求める。
【0043】
制御部3は、前記店内温度及び前記店内相対湿度から店内空気のエンタルピーを求め、求められた店内空気のエンタルピーの前記単位時間での平均値を算出し、算出された店内空気のエンタルピーの平均値に基づき、例えば下式(1)により、店内環境指標値を求める(時間次元値に換算する)。
店内環境指標値=(HAVE-C)×Ka…(1)
ここで、HAVEは店内空気のエンタルピーの前記単位時間での平均値、Cは予め設定された定数、Kaは換算係数である。
【0044】
次に、制御部3は、扉開閉センサ34の検出信号に基づいて前記単位時間における収納室21の開口部21aの開放時間を算出し、算出された開放時間に基づき、例えば下式(2)により、開放時間指標値を求める。
開放時間指標値=TOT×Kb…(2)
ここで、TOTは前記単位時間における収納室21の開口部21aの開放時間、Kbは収納室21の開口部21aの開放時間から開放時間指標値を求めるための係数である。
【0045】
そして、制御部3は、例えば下式(3)により、前記単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値の積算値IVを求める。
IV=Σ{(HAVE-C)×Ka+TOT×Kb}…(3)
【0046】
この場合、前記判定閾値は、図5に示されるように、前回の除霜処理の終了からの経過時間が0のときに除霜処理間隔時間ti(最大)となり、前回の除霜処理の終了からの経過時間に伴って漸減し、前回の除霜処理の終了からの経過時間が除霜処理間隔時間tiになると最小(0(ゼロ))となるように設定される。
【0047】
そして、制御部3は、前記単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値の積算値IVが前記判定閾値以上になると前記除霜処理を実行する。ここで、前記判定閾値が図5に示されるように設定された場合、前回の除霜処理の終了からの経過時間がXであるときの前記判定閾値は(除霜処理間隔時間ti-X)になる。したがって、制御部3は、除霜処理間隔時間tiから前回の除霜処理の終了からの経過時間を減じた時間を前記判定閾値として用いることができる。
【0048】
(a2)変形例2
制御部3は、前記店内温度及び前記店内相対湿度から店内空気のエンタルピーを求めることに代えて、前記店内温度及び前記店内相対湿度から店内空気の露点温度を求めてもよい。この場合、制御部3は、求められた店内空気の露点温度の前記単位時間での平均値を算出し、算出された店内空気の露点温度の平均値と前記算出された収納室21の開口部21aの開放時間とに基づいて前記単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値(時間次元値を含む。)を求める。あるいは、制御部3は、前記算出された店内空気の露点温度の平均値に基づいて店内環境指標値を求め、求められた店内環境指標値と前記求められた開放時間指標値とを合算して前記単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値(時間次元値を含む。)とする。なお、店内環境指標値は、店内空気の露点温度が高いほど大きな値をとる。そして、制御部3は、前記単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値の積算値が前記判定閾値以上になると前記除霜処理を実行する。
【0049】
(b)第2条件
第2条件は、冷却器26の温度(冷却器温度センサ35の検出温度)が除霜開始温度(<設定温度Ts)以下に低下し、且つ除霜処理禁止時間帯ptzでないことである。
【0050】
本実施形態において、制御部3は、冷却器26の温度が前記除霜開始温度以下である状態が第1判定時間以上継続した場合、その時点が除霜処理禁止時間帯ptz内でないことを条件に前記除霜処理を実行する。前記除霜開始温度及び前記第1判定時間は任意に設定され得る。
【0051】
冷却器26の温度が前記除霜開始温度以下である状態が前記第1判定時間以上継続した時点が除霜処理禁止時間帯ptz内である場合、制御部3は、すぐに前記除霜処理を実行せずに、除霜処理禁止時間帯ptzの経過を待ってから前記除霜処理を実行する。この場合、冷却器26の着霜がある程度進んでいる可能性があるため、前記除霜処理に要する時間が比較的長くなり、前記除霜処理の実行による影響が無視できないおそれがあるからである。換言すれば、冷却器26の温度が前記除霜開始温度以下である状態が前記第1判定時間以上継続した時点が除霜処理禁止時間帯ptz内である場合、制御部3は、除霜処理禁止時間帯ptzが経過したときに前記第2条件が成立したものとみなす(みなし成立判定)。
【0052】
なお、除霜処理禁止時間帯ptzが設定されていない場合、制御部3は、冷却器26の温度が前記除霜開始温度以下である状態が第1判定時間以上継続した場合に、前記除霜処理を実行する。
【0053】
(c)第3条件
第3条件は、収納室21内の温度(室内温度センサ33の検出温度)が上昇し、収納室21内の温度と冷却器26の温度との差が所定温度差以上に広がり、且つ除霜処理禁止時間帯ptzでないことである。
【0054】
本実施形態において、制御部3は、(α)収納室21内の温度が設定温度Ts又はその近傍の第1所定温度以下である状態が第2判定時間以上継続した後、(β)収納室21内の温度が第2所定温度(>第1所定温度)以上である状態が第3判定時間以上継続し、且つ(γ)収納室21内の温度と冷却器26の温度の差が所定温度差以上である状態が第4判定時間以上継続した場合、その時点が除霜処理禁止時間帯ptz内でないことを条件に前記除霜処理を実行する。前記第1所定温度、前記第2所定温度、前記第2判定時間、前記第3判定時間、前記第4判定時間及び前記所定温度差は任意に設定され得る。
【0055】
上記(α)、(β)、及び(γ)を満たした時点が除霜処理禁止時間帯ptz内である場合、制御部3は、すぐに前記除霜処理を実行せずに、除霜処理禁止時間帯ptzの経過を待ってから前記除霜処理を実行する。前記第2条件の場合と同様に、冷却器26の着霜がある程度進んでいる可能性があるため、前記除霜処理に要する時間が比較的長くなり、前記除霜処理の実行による影響が無視できないおそれがあるからである。換言すれば、上記(α)、(β)及び(γ)を満たした時点が除霜処理禁止時間帯ptz内である場合、制御部3は、除霜処理禁止時間帯ptzが経過したときに前記第3条件が成立したものとみなす(みなし成立判定)。
【0056】
なお、除霜処理禁止時間帯ptzが設定されていない場合、制御部3は、上記(α)、(β)、及び(γ)を満たした時点で前記除霜処理を実行する。
【0057】
前記第1~第4判定時間は、同じであってもよいし、異なってもよいし、一部のみが同じであってもよい。例えば、前記第1、第2及び第4判定時間が同じに設定される一方、前記第3判定時間が前記第1、第2及び第4判定時間よりも長く設定されてもよい。
【0058】
図6は、制御部3が実行する除霜関連処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、前記除霜処理が終了すると開始される。
【0059】
ステップS1において、制御部3は、単位時間毎の冷却器26の着霜に関する着霜指標値の取得及び積算を開始する。
【0060】
ステップS2において、制御部3は、前記除霜処理(すなわち、前回の除霜処理)が終了してから除霜処理待機時間twが経過したか否かを判定し、除霜処理待機時間twが経過している場合、制御部3は、ステップS3に進む。
【0061】
ステップS3において、制御部3は、前記除霜処理(すなわち、前回の除霜処理)が終了してから除霜処理間隔時間tiが経過したか否かを判定する。除霜処理間隔時間tiが経過していない場合、制御部3は、ステップS4、S5及びS6に進む。他方、除霜処理間隔時間tiが経過している場合、制御部3は、ステップS8に進む。
【0062】
ステップS4において、制御部3は、前記第1条件が成立したか否か判定する第1判定処理を実施し、その後、ステップS7に進む。ステップS5において、制御部3は、前記第2条件が成立したか否かを判定する第2判定処理を実施し、その後、ステップS7に進む。ステップS6において、制御部3は、前記第3条件が成立したか否かを判定する第3判定処理を実施し、その後、ステップS7に進む。
【0063】
ステップS7において、制御部3は、前記第1~第3条件のいずれかが成立している(みなし成立判定を含む。)か否かを判定する。前記第1~第3条件のいずれかが成立している場合、制御部3は、ステップS8に進む。他方、前記第1~第3条件のいずれも成立していない場合、制御部3は、ステップS3に戻る。
【0064】
ステップS8において、制御部3は、前記除霜処理を実行する。
【0065】
以上のとおり、第1実施形態に係るショーケース1において、制御部3は、所定の単位時間毎に店内温度と店内相対湿度と収納室21の開口部21aの開放時間とに基づいて冷却器26の着霜に関する着霜指標値を求め、求められた着霜指標値の積算値が判定閾値以上になると除霜処理を実行するように構成されている。
【0066】
ここで、着霜指標値は、店内温度及び店内相対湿度から求められる店内空気のエンタルピー又は店内空気の露点温度に基づく店内環境指標値であって、店内空気のエンタルピーが大きいほど又は店内空気の露点温度が高いほど大きな値をとる店内環境指標値と、収納室21の開口部21aの開放時間に基づく開放時間指標値であって、開放時間が長いほど大きな値になる開放時間指標値とを含む。
【0067】
そのため、店内空気の状態及び店内空気の収納室21への進入が考慮され、ショーケース1において適切なタイミングで除霜処理が実施され得る。すなわち、不必要な除霜処理の実行が抑制される。そのため、収納室21の過剰な温度上昇や過剰な電力消費などが抑制され得る。
【0068】
具体的には、本実施形態において、制御部3は、前回の除霜処理の終了から所定の単位時間毎に着霜指標値を求めており、判定閾値は、前回の除霜処理の終了からの経過時間の増加に伴って減少するように設定されている。そのため、前回の除霜処理の終了から短時間で除霜処理が再実施されることや除霜処理が実施されない期間が想定以上に長期化することも抑制される。したがって、不必要な除霜処理の実行がさらに効果的に抑制され得ると共に、冷却器26が過着霜状態となって冷却性能が低下することが回避され得る。
【0069】
また、制御部3は、前回の除霜処理の終了から除霜処理間隔時間tiが経過した場合には強制的に除霜処理を実行するように構成されている。そのため、例えばセンサなどに異常が発生した場合であっても除霜処理が確実に実施され得、冷却器26が過着霜状態となることが抑制される。
【0070】
ここで、制御部3は、着霜指標値を時間の次元を持つ値(すなわち、前回の除霜処理の終了からの経過時間の相当する値)として求め、除霜処理間隔時間tiから前回の除霜処理の終了からの経過時間を減じた時間を判定閾値として用いてもよい。こうすると、制御部3は、前回の除霜処理の終了からの経過時間を監視することで除霜処理を実行するか否かを判定することが可能になり、除霜処理に関する制御が容易になる。
【0071】
また、制御部3は、除霜処理待機時間twが設定されている場合、前回の除霜終了から除霜処理待機時間twが経過するまでは除霜処理を実行しないように構成されている。そのため、除霜処理が短時間で繰り返されることが防止され得る。
【0072】
また、制御部3は、冷却器26の温度が除霜処理開始温度以下である状態が所定時間以上継続した場合に除霜処理を実行するように構成されている。そのため、冷却器26における着霜の発生後、早期に且つ安定して除霜処理が実施され得る。
【0073】
また、制御部3は、除霜処理禁止時間帯ptzが設定されている場合、制御部3は、冷却器26の温度が除霜処理開始温度以下である状態が前記所定時間以上継続した時点が除霜処理禁止時間帯ptz内である場合、除霜処理禁止時間帯ptzが経過した後に除霜処理を実行するように構成されている。そのため、店内が顧客で混雑する時間帯など、除霜処理の実施が好ましくない時間帯を避けて除霜処理が実施され得る。
【0074】
なお、上記では、除霜処理待機時間twの起点、除霜処理間隔時間tiの起点、冷却器26の着霜に関する着霜指標値を求める起点、及び経過時間の起点などが、除霜処理の終了時点とされている。しかし、これに限られるものではない。これらの起点が除霜処理の開始時点とされてもよい。この場合、例えば「前回の除霜処理の終了から」との記載が、「前回の除霜処理の開始から」との記載に書き換えられる。
【0075】
また、上記では、除霜ヒータ27が冷却器26に付着した霜を除去するために用いられている。しかし、これに限られるものではない。例えば、いわゆるホットガス除霜によって冷却器26に付着した霜が除去されてもよい。この場合、制御部3は、例えば前記冷媒回路に設けられた流路切替弁(図示省略)を制御し、圧縮機CMから吐出された高温の冷媒を冷却器26に導いて冷却器26に付着した霜を除去するようにすればよく、除霜ヒータ27が省略され得る。換言すれば、除霜処理は、冷却器26を外部から加熱することで行われてもよいし、冷却器26を内部から加熱することで行われてもよい。
【0076】
また、上記では、除霜処理の(a)第1条件において、サンプリング周期で求められた店内空気のエンタルピー又は露点温度の前記単位時間での平均値が用いられている。しかし、これに限られるものではない。サンプリング周期で求められた店内空気のエンタルピー又は露点温度の前記単位時間での平均値に代えて、サンプリング周期で求められた店内空気のエンタルピー又は露点温度の前記単位時間における最大値が用いられてもよい。
【0077】
また、上記では、収納室21の前面に扉23によって開閉される開口部21aが設けられているが、収納室の上面に扉によって開閉される開口部が設けられてもよい。
【0078】
また、上記では、送風機25、冷却器26(蒸発器)及び除霜ヒータ27が下部ダクト242内に配置され、圧縮機CM、凝縮器CD及び膨張弁EVが収納室21の下側の下部機械室に配置されている。しかし、これに限られるものではない。送風機25、冷却器26(蒸発器)及び除霜ヒータ27が収納室21内に配置されていればよい。例えば、送風機25、冷却器26、除霜ヒータ27及び膨張弁EVが上部ダクト241内に配置され、圧縮機CM及び凝縮器CDが前記下部機械室に配置されてもよい。なお、上述のように、前記ホットガス除霜が行われる場合には除霜ヒータ27が省略され得る。
【0079】
[第2実施形態]
第2実施形態に係るショーケースは、オープンショーケースと称されることもあるショーケースである。第2実施形態に係るショーケースは、第1実施形態に係るショーケース1と同様、主にコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店内に設置される。図7は、第2実施形態に係るショーケース5の概略斜視図であり、図8は、第2実施形態に係るショーケース5の横断面図(長手方向に直交する断面図)であり、図9は、第2実施形態に係るショーケース5の電気的構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、第1実施形態に係るショーケース5と同じ要素については同一の符号が用いられ、また、その説明が適宜省略される。
【0080】
第2実施形態に係るショーケース5は、断熱性を有する筐体6(図7図8)とショーケース5の全体動作を制御する制御部7(図9)と、を含む。
【0081】
筐体6は、矩形箱型に形成され、2つの長手側面(第1長手側面6a、第2長手側面6b)と2つの短手側面とを有する。筐体6内には、内部に複数の商品(図示省略)が陳列収納される収納室61が設けられている。具体的には、収納室61内の下部にデッキパン62が設置されており、このデッキパン62に複数の商品が陳列(載置)される。
【0082】
収納室61は、上面に開口部61aを有する。但し、第2実施形態に係るショーケース5においては、第1実施形態に係るショーケース1とは異なり、開口部61aを開閉する扉などが設けられていない。つまり、開口部61aは、常時開放されており、顧客等は、開口部61aを介して収納室61内の商品を取り出すことができる。なお、筐体6の上部には、所定高さを有する透明な風防板63が収納室61の開口部61aを囲むように取り付けられている。
【0083】
収納室61内には、空気循環ダクト64が設けられている。空気循環ダクト64は、第1上部開口端64aと第2上部開口端64bとを有する。第1上部開口端64aは、収納室61内の第1長手側面6a側の上部において第2長手側面6bの方を向いて開口している。第2上部開口端64bは、収納室61内の第2長手側面6b側の上部において第1上部開口端64aに対向するように第1長手側面6aの方を向いて開口している。
【0084】
空気循環ダクト64は、第1上部開口端64aから収納室61の第1長手側面6a側の内壁に沿って下方に延びる第1側部ダクト641と、第2上部開口端64bから収納室61の第2長手側面6b側の内壁に沿って下方に延びる第2側部ダクト642と、デッキパン62の下側を水平方向に延びて第1側部ダクト641と第2側部ダクト642とを接続する下部ダクト643と、を含む。
【0085】
空気循環ダクト64の下部ダクト643内には、送風機25、冷却器26及び除霜ヒータ27が配設されている。
【0086】
送風機25は、下部ダクト643内の第1側部ダクト641側に配置されている。冷却器26は、下部ダクト643内における送風機25と第2側部ダクト642との間に配置されている。除霜ヒータ27は、冷却器26に近接して配置されている。なお、図8においては、冷却器26と共に冷媒回路(冷凍サイクル)を構成する圧縮機CM、凝縮器CD及び膨張弁EVなどが省略されている。
【0087】
そして、図8に矢印で示されるように、冷却器26によって冷却された空気(冷気)が送風機25よって下部ダクト643及び第2側部ダクト642を流れて第2上部開口端64bに至り、第2上部開口端64bから略水平方向に吹き出され、吹き出された冷気が第1上部開口端64aから第1側部ダクト641内に吸い込まれ、第1側部ダクト641を流れて下部ダクト643に導かれる。このようして冷気が収納室61内を循環することにより、収納室61の内部が冷却されると共に、収納室61の開口部61aの近傍に冷気によるエアカーテンが形成される。
【0088】
第2実施形態に係るショーケース5の電気的構成(図9)は、扉開閉センサ34が設けられていないことを除き、第1実施形態に係るショーケース1の電気的構成(図2)と同じである。
【0089】
第2実施形態に係るショーケース5の制御部7も、第1実施形態に係るショーケース1の制御部3と同様、前記通常処理及び前記除霜処理を実行する。但し、第2実施形態に係るショーケース5の制御部7は、前記除霜処理(具体的には、上述(a)第1条件)において、制御部7は、前記単位時間毎に前記店内温度と前記店内相対湿度とに基づいて冷却器26の着霜に関する着霜指標値を求める。
【0090】
具体的には、制御部7は、前回の除霜終了から所定のサンプリング周期で前記店内温度及び前記店内相対湿度から店内空気のエンタルピー又は店内空気の露点温度を求め、求められた店内空気のエンタルピー又は店内空気の露点温度の前記単位時間での平均値を算出する。そして、算出された店内空気のエンタルピーの平均値又は算出された店内空気の露点温度の平均値に基づいて店内環境指標値を求め、求められた店内環境指標値を冷却器26の着霜に関する着霜指標値(時間次元値を含む。)とする。
【0091】
そして、制御部7は、冷却器26の着霜に関する指標値の積算値が判定閾値以上になると前記除霜処理を実行する。なお、第2実施形態に係るショーケース5において用いられる判定閾値は、第1実施形態に係るショーケース1における判定閾値と同様、前回の除霜処理の終了からの経過時間に伴って減少する値として設定される。
【0092】
上記以外については、第1実施形態に係るショーケース1と同様であり、第2実施形態に係るショーケース5においても第1実施形態に係るショーケース1と同様の効果が得られる。なお、第2実施形態に係るショーケース5は、収納室61の上面に常時開放の開口部61aが設けられているが、収納室の前面に常時開放の開口部が設けられてもよい。また、収納室61の開口部61aが扉によって開閉されてもよい。この場合、冷却器26の着霜に関する着霜指標値は、第1実施形態に係るショーケース1と同様の方法によって求められ得る。さらに、第1実施形態に係るショーケース1の変形例などのうち適用可能なものについては第2実施形態に係るショーケース5にも適用され得る。
【0093】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0094】
1,5…ショーケース、2,6…筐体、3,7…制御部、21,61…収納室、21a…開口部、23…扉、24,64…空気循環ダクト、25…送風機、26…冷却器、27…除霜ヒータ、31…周囲温度センサ、32…周囲湿度センサ、33…室内温度センサ、34…扉開閉センサ、35…冷却器温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9