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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118897
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】制御システム、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025469
(22)【出願日】2023-02-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年11月24日~28日 IGAS 2022 国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展 International Graphic Arts Show 2022 にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桝本 勝巳
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707DS03
3C707ES03
3C707FS01
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS36
3C707KT03
3C707KT06
3C707KX19
3C707NS10
(57)【要約】
【課題】熟練した作業員によらずに、ワンプから用紙束の取り出しを可能とする。
【解決手段】制御システム1は、3Dセンサ6を用いて、用紙束14Aを包んだワンプ4の位置及び形状を表すワーク情報を検出し、検出したワーク情報を用いて、ワンプ4の側面の場所を特定し、アーム2に取り付けられたナイフ8Bが、特定したワンプ4の側面を用紙14の輪郭に沿って移動するようにアーム2を制御し、ナイフ8Bによって開封されたワンプ4から露出した用紙束14Aをアーム2に把持させ、ワンプ4から用紙束14Aを取り出す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
物体の形状を計測する3次元センサを用いて、用紙の束を包んだ包装紙の位置及び形状を表す3次元座標値、並びに、基準線に対する前記包装紙の傾きを検出し、
前記包装紙の3次元座標値及び傾きを用いて、前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面と交差する前記包装紙の面である前記包装紙の側面の場所を特定し、
物体を把持するアームに取り付けられた切断装置が、特定した前記包装紙の側面を用紙の輪郭に沿って移動するように前記アームを制御し、
前記切断装置によって開封された前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームに把持させ、前記包装紙から用紙の束を取り出す
制御システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記包装紙の側面を開封する前に、開封対象である前記包装紙の側面と接触するように前記アームを制御して、前記包装紙を前記包装紙の側面に沿った方向と交差する方向に移動させ、
前記3次元センサを用いて、移動後の前記包装紙の3次元座標値及び傾きを検出して前記包装紙の側面の場所を特定する
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記包装紙に包まれている用紙の属性を表す属性値を取得し、取得した用紙の属性値を用いて、前記アームによって前記包装紙を前記包装紙の側面に沿った方向と交差する方向に移動させる力の大きさを設定する
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
取得した用紙の属性値に用紙の連量若しくは坪量と、用紙のサイズと、前記包装紙に包まれている用紙の枚数とが含まれる
請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
取得した用紙の属性に前記包装紙の材質が更に含まれる
請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面が床に沿って配置された台の積載面と対向するように、前記包装紙が積載されている状態において、前記プロセッサは、前記切断装置によって前記包装紙の側面の中央より上で、かつ、前記包装紙の側面の上端よりも下の範囲を開封するように前記アームを制御する
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記包装紙の側面が開封された後、用紙の上に載っている開封された前記包装紙の断片を除去するように前記アームを制御する
請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームによって把持する前に、前記包装紙から露出した各々の用紙を用紙の画像形成面の上から見た場合における各々の用紙の輪郭の位置が予め定められた範囲内に収まるように、前記アームを用紙に接触させ、用紙の位置を整える制御を行う
請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、固定されて前記包装紙との相対位置が変化しない前記3次元センサを用いて、前記包装紙の3次元座標値及び傾きを検出する
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項10】
コンピュータに、
物体の形状を計測する3次元センサを用いて、用紙の束を包んだ包装紙の位置及び形状を表す3次元座標値、並びに、基準線に対する前記包装紙の傾きを検出し、
前記包装紙の3次元座標値及び傾きを用いて、前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面と交差する前記包装紙の面である前記包装紙の側面の場所を特定し、
物体を把持するアームに取り付けられた切断装置が、特定した前記包装紙の側面を用紙の輪郭に沿って移動するように前記アームを制御し、
前記切断装置によって開封された前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームに把持させ、前記包装紙から用紙の束を取り出す処理を実行させるための
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、グリッパの手段によるフレキシブル基板のスタックの処理方法であって、当該グリッパはロボットアームに配置され、かつ、下段指及び対応する上段指を有し、当該方法は前記下段指を基台に静止するスタックの底部基板の下方、及び前記上段指を前記スタックの上部基板の上方に挿入する工程、及び前記下段指と前記上段指の間のスタックを締め付けることによってスタックを把持する工程を含み、全ての前記スタックを前記グリッパの手段によるスタック前部を第1リフトによって懸垂状態に持ち上げ、かつ、前記グリッパを次に従う前記前部のそのままの傾斜方向になす間、前記グリッパをそれが垂直に下向きに向かわせるまで持ち上げる工程、懸垂状態で、前記スタックを前記グリッパの手段によって支持体に移動する工程、前記支持体で、前記スタック前部と反対であるスタック後部が前記支持体と接触する状態になるように、前記スタックを前記グリッパの手段によって下に向かわせる工程、及び、最後に前記グリッパを前記スタックから取り外す前に、下から上の基板方向でスタックを水平に位置しながら、前記グリッパを更に下に向かわせることによって、全てのスタックを上に向かう前記底部基板と共に支持体上に配列する工程を含む方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017-519648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アジア地域のように湿気の多い地域では、湿気による用紙への影響を低減するため、用紙を包装紙に包装した状態で流通させる商慣習が見られる。
【0005】
したがって、印刷機等に用紙を配置する場合、包装紙から用紙の束を取り出す工程が必要になる。しかしながら、用紙は樹脂板等に比べてたわみ易く、また、包装紙を開封するときに中の用紙を傷つける恐れがあるため、これまで熟練した作業員によって用紙の束の取り出しが行われている。
【0006】
本開示は、熟練した作業員によらずに用紙の束の取り出しを可能とする制御システム、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る制御システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、物体の形状を計測する3次元センサを用いて、用紙の束を包んだ包装紙の位置及び形状を表す3次元座標値、並びに、基準線に対する前記包装紙の傾きを検出し、前記包装紙の3次元座標値及び傾きを用いて、前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面と交差する前記包装紙の面である前記包装紙の側面の場所を特定し、物体を把持するアームに取り付けられた切断装置が、特定した前記包装紙の側面を用紙の輪郭に沿って移動するように前記アームを制御し、前記切断装置によって開封された前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームに把持させ、前記包装紙から用紙の束を取り出す。
【0008】
第2態様に係る制御システムは、第1態様に係る制御システムにおいて、前記プロセッサは、前記包装紙の側面を開封する前に、開封対象である前記包装紙の側面と接触するように前記アームを制御して、前記包装紙を前記包装紙の側面に沿った方向と交差する方向に移動させ、前記3次元センサを用いて、移動後の前記包装紙の3次元座標値及び傾きを検出して前記包装紙の側面の場所を特定する。
【0009】
第3態様に係る制御システムは、第2態様に係る制御システムにおいて、前記プロセッサは、前記包装紙に包まれている用紙の属性を表す属性値を取得し、取得した用紙の属性値を用いて、前記アームによって前記包装紙を前記包装紙の側面に沿った方向と交差する方向に移動させる力の大きさを設定する。
【0010】
第4態様に係る制御システムは、第3態様に係る制御システムにおいて、取得した用紙の属性値に用紙の連量若しくは坪量と、用紙のサイズと、前記包装紙に包まれている用紙の枚数とが含まれる。
【0011】
第5態様に係る制御システムは、第4態様に係る制御システムにおいて、取得した用紙の属性に前記包装紙の材質が更に含まれる。
【0012】
第6態様に係る制御システムは、第1態様~第5態様の何れか1つの態様に係る制御システムにおいて、前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面が床に沿って配置された台の積載面と対向するように、前記包装紙が積載されている状態において、前記プロセッサは、前記切断装置によって前記包装紙の側面の中央より上で、かつ、前記包装紙の側面の上端よりも下の範囲を開封するように前記アームを制御する。
【0013】
第7態様に係る制御システムは、第6態様に係る制御システムにおいて、前記プロセッサは、前記包装紙の側面が開封された後、用紙の上に載っている開封された前記包装紙の断片を除去するように前記アームを制御する。
【0014】
第8態様に係る制御システムは、第7態様に係る制御システムにおいて、前記プロセッサは、前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームによって把持する前に、前記包装紙から露出した各々の用紙を用紙の画像形成面の上から見た場合における各々の用紙の輪郭の位置が予め定められた範囲内に収まるように、前記アームを用紙に接触させ、用紙の位置を整える制御を行う。
【0015】
第9態様に係る制御システムは、第1態様~第5態様の何れか1つの態様に係る制御システムにおいて、前記プロセッサは、固定されて前記包装紙との相対位置が変化しない前記3次元センサを用いて、前記包装紙の3次元座標値及び傾きを検出する。
【0016】
第10態様に係る制御プログラムは、コンピュータに、物体の形状を計測する3次元センサを用いて、用紙の束を包んだ包装紙の位置及び形状を表す3次元座標値、並びに、基準線に対する前記包装紙の傾きを検出し、前記包装紙の3次元座標値及び傾きを用いて、前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面と交差する前記包装紙の面である前記包装紙の側面の場所を特定し、物体を把持するアームに取り付けられた切断装置が、特定した前記包装紙の側面を用紙の輪郭に沿って移動するように前記アームを制御し、前記切断装置によって開封された前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームに把持させ、前記包装紙から用紙の束を取り出す処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
第1態様、及び第10態様によれば、熟練した作業員によらずに用紙の束の取り出しを可能とする制御システム、及び制御プログラムを提供することができる、という効果を有する。
【0018】
第2態様によれば、包装紙を移動させない場合と比較して、アームによって用紙の束が把持しやすくなる、という効果を有する。
【0019】
第3態様によれば、どのような種類の用紙を包んでいる包装紙であっても、包装紙を規定距離以上移動させることができる、という効果を有する。
【0020】
第4態様によれば、包装紙が包んでいる用紙の重さから、包装紙を移動させる力の大きさを設定することができる、という効果を有する。
【0021】
第5態様によれば、包装紙同士の摩擦力から、包装紙を移動させる力の大きさを設定することができる、という効果を有する。
【0022】
第6態様によれば、包装紙の側面の中央から下を開封するよりも、アームによって用紙の束が把持しやすくなる、という効果を有する。
【0023】
第7態様によれば、包装紙と包装紙に包まれていた用紙の束が混ざらないように分離することができる、という効果を有する。
【0024】
第8態様によれば、用紙の位置を整えない場合と比較して、アームによって用紙の束が把持しやすくなる、という効果を有する。
【0025】
第9態様によれば、3次元センサをアームに取り付けた場合と比較して、包装紙の3次元座標値及び傾きの検出に要する時間を短縮することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】制御システムの構成例を示す図である。
図2】ワンプの傾き例を示す図である。
図3】グリッパの一例を示す図である。
図4】制御装置の機能構成例を示す図である。
図5】積載台に積載されたワンプの例を示す図である。
図6】制御装置における電気系統の要部構成例を示す図である。
図7】用紙捌き処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】アームによるワンプの移動例を示す図である。
図9】ナイフの移動軌跡の一例を示す図である。
図10】ナイフによるワンプの側面の開封位置の一例を示す図である。
図11】上蓋ワンプが除去された後の用紙束の状態例を示す図である。
図12】グリッパで用紙束を把持しようとしている様子を示す図である。
図13】グリッパによって用紙束を把持した様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0028】
<システム構成>
図1は、例えば印刷に用いられる用紙14を扱う制御システム1の構成例を示す図である。制御システム1は、先端に取り付けられたグリッパ8によって物体を把持するアーム2と、アーム2を制御する制御装置10を含む。
【0029】
印刷に用いられる用紙14は、湿気による品質変化を抑制するため、包装紙4によって包まれた状態で輸送される。したがって、アーム2の作業範囲内に設置された積載台3にも包装紙4に包まれたままの用紙14の束が、用紙14の画像形成面が積載台3の積載面と対向して置かれるような配置で積層される。
【0030】
以降では慣例に従い、用紙14の束を包む包装紙4を「ワンプ4」という。制御システム1で扱う用紙14の形状に制約はないが、一例として、用紙14は長方形にカットされたカット紙とする。したがって、用紙14の束を包むワンプ4の形状は直方体状となる。また、ワンプ4によって包まれた用紙14の束を積載しやすくするため、積載台3の積載面の形状も長方形とする。用紙14の束は複数の用紙14によって構成されることから、以降では用紙14の束を「用紙束14A」と表す。
【0031】
制御装置10はアーム2を制御して、積載台3に積載された用紙束14Aを包むワンプ4をナイフ8B(図3参照)によって開封すると共に、ワンプ4を開封することによってワンプ4から露出した用紙束14Aをグリッパ8で把持して、ワンプ4から用紙束14Aを取り出す。ワンプ4から取り出された用紙束14Aは、アーム2によってジョガー5に移動される。ナイフ8Bはアーム2に取り付けられた切断装置の一例である。
【0032】
ジョガー5とは、例えば印刷、丁合、及び製本等の用紙14を用いた作業工程を行う前に、各々の用紙14の輪郭の位置が揃うように用紙束14Aを整える装置である。
【0033】
アーム2が取り付けられる台座16には支柱7が取り付けられており、支柱7の先端には3Dセンサ6が取り付けられている。
【0034】
3Dセンサ6は、積載台3に積載された用紙束14Aを包むワンプ4の3次元空間における位置を計測する3次元センサの一例である。
【0035】
3次元空間におけるワンプ4の位置は、3次元空間に設定した3次元座標の座標値(以降、「3次元座標値」という)及びワンプ4の傾きによって表される。
【0036】
制御システム1では、3次元空間の予め定めた位置を3次元座標の原点に設定する。一例として、本実施形態では積載台3の積載面における何れか1つの頂点を3次元座標の原点に設定する。この場合、積載台3の積載面と対向する位置から眺めた場合の積載台3の長辺方向をX軸、積載台3の短辺方向をY軸、鉛直方向をZ軸とする。積載台3の積載面は必ずしも床に沿って水平に配置する必要はなく、例えばアーム2がワンプ4を把持しやすいように床に対して角度をつけて配置してもよいが、本実施形態の積載台3の積載面は床に沿って水平に配置されているものとする。
【0037】
3Dセンサ6は、ワンプ4の各々の地点までの距離を測定することによってワンプ4の各々の地点における3次元座標値を検出する。なお、ワンプ4の各々の地点における3次元座標値を検出するということは、ワンプ4の形状を検出することでもある。3Dセンサ6には、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)、TOF(Time-of-Flight)センサ、及びステレオカメラ等、物体までの距離を測定できる各種センサが用いられる。
【0038】
また、3Dセンサ6は、検出したワンプ4の3次元座標値を用いて、ワンプ4の傾きを検出する。ワンプ4の傾きとは、3次元空間内の予め定めた基準線に対するワンプ4の傾きのことである。
【0039】
例えば基準線をX軸とした場合、ワンプ4の傾きは、XY平面におけるX軸と積載台3に積載されたワンプ4の長辺との成す角度θによって表される。すなわち、ワンプ4の傾きとは、ワンプ4がどの程度積載台3の辺に沿って積載されているかといった、積載台3におけるワンプ4の積載状態を表す尺度でもある。
【0040】
なお、上記に示したワンプ4の傾きの表し方は一例である。例えば図2に示すように、傾きの検出対象となっているワンプ4の下に位置する別のワンプ4の長辺を基準線とし、隣り合って積載されているワンプ4の長辺同士がXY平面において成す角度θをワンプ4の傾きとしてもよい。
【0041】
図1では3Dセンサ6を支柱7に取り付けたが、3Dセンサ6の位置は、例えばワンプ4に包まれた用紙14の画像形成面の上、すなわち、ワンプ4の上のように、Z軸方向からワンプ4全体を眺めることができる位置で、かつ、ワンプ4との相対位置が変化しない場所であればよい。一例として、アーム2が設置された部屋の天井に3Dセンサ6を取り付けてもよい。なお、3Dセンサ6をアーム2に取り付けてもよいが、この場合にワンプ4の3次元座標値及び傾きを検出するためには、ワンプ4の形状に沿って3Dセンサ6を移動させるか、又は、ワンプ4全体を見通すことができる位置に3Dセンサ6を移動させてワンプ4の3次元座標値及び傾きを検出することになる。
【0042】
また、アーム2は移動するため、ワンプ4の3次元座標値及び傾きを検出するにはアーム2の位置も考慮する必要がある。したがって、こうした理由からも支柱7や部屋の天井のように位置が変化しない場所に3Dセンサ6を取り付ける場合と比較して、ワンプ4の3次元座標値及び傾きの検出に時間を要する場合がある。
【0043】
図1には2本のアーム2を有する制御システム1の例を示したが、アーム2の本数に制約はない。制御システム1におけるアーム2の本数は1本であっても、3本以上であってもよい。しかしながら、アーム2が一本の場合、用紙束14Aを1つのグリッパ8によって把持することになるため、複数のグリッパ8によって用紙束14Aを把持する場合よりも用紙束14Aの移動が困難になる。したがって、アーム2の本数は複数であることが好ましい。更に言えば、アーム2の本数が増加するにつれて制御システム1のコストが高くなり、かつ、制御も複雑になるため、アーム2の本数は2本が好ましい。
【0044】
<グリッパの構造>
図3は、アーム2の先端に取り付けられたグリッパ8の一例を示す図である。グリッパ8には、例えば制御装置10からの制御に従って物体を把持する2つの爪9と、ワンプ4を開封するナイフ8Bと、開封されたワンプ4の断片を吸着する吸着部8Aと、が含まれる。
【0045】
2つの爪9のうち一方の爪9Aは、先端が円形に加工された円形状の爪9であり、用紙束14Aを把持しやすくするため、例えばゴムのような弾性体が用紙束14Aの接触面に取り付けられている。2つの爪9のうち他方の爪9Bは、用紙束14Aを下方から支えやすくするため、用紙束14Aとの接触面が平面状に加工されたヘラ状になっている。爪9Bの形状はヘラ状になっていることから、例えば用紙14と用紙14の隙間や、開封されたワンプ4と用紙束14Aとの隙間に爪9Aよりも差し込みやすくなっている。なお、爪9Bにおける用紙束14Aとの接触面にも弾性体が取り付けられている。以降では、爪9A及び爪9Bを区別する必要がない場合、「爪9」と表す。
【0046】
ナイフ8Bは、ワンプ4を開封する他に、例えば開封されたワンプ4と用紙束14Aとの隙間に滑り込ませて用紙束14を持ち上げ、ワンプ4と用紙束14Aとの間に空間を作り、ワンプ4と用紙束14Aとの間に爪9Bを差し込みやすくするような用途にも用いられる。
【0047】
吸着部8Aは、例えば吸気口から空気を吸い込む力を利用してワンプ4の断片を吸着するが、吸着構造に制約はなく、例えば粘着性を有するゲル状のシートを用いてワンプ4の断片を吸着してもよい。なお、グリッパ8は必ずしも吸着部8Aを備える必要はなく、この場合、グリッパ8の爪9で吸着部8Aに相当する部材を把持してワンプ4の断片を吸着すればよい。
【0048】
<制御装置の機能構成>
図4は、制御装置10の機能構成例を示す図である。制御装置10は、位置検出部11、側面特定部12、及び制御部13の各機能部を含む。
【0049】
位置検出部11は、3Dセンサ6を用いて、ワンプ4や、ワンプ4に包まれた用紙束14Aの位置及び形状を表す3次元座標値及び傾きを検出する。
【0050】
側面特定部12は、位置検出部11によって検出された3次元座標値及び傾きを用いて、ワンプ4の側面4Sの場所を特定する。ワンプ4の側面4Sとは、直方体状のワンプ4の面のうち、ワンプ4に包まれた各々の用紙14の画像形成面と交差する面のことである。
【0051】
図5は、積載台3に積載されたワンプ4を示す図である。図5において、Z軸方向に沿った影付きの面、すなわち、XZ平面及びYZ平面に沿ったワンプ4の面がワンプ4の側面4Sに相当する。なお、各々のワンプ4に包まれた用紙14の画像形成面と対向する位置にあるワンプ4の面、すなわち、XY平面に沿ったワンプ4の面のうち、上にある面を「ワンプ4の上面4T」、及び下にある面を「ワンプ4の下面4U」という。
【0052】
制御部13は、グリッパ8のナイフ8Bが、側面特定部12によって特定されたワンプ4の側面4Sをワンプ4に包まれた用紙14の輪郭に沿って移動するようにアーム2を制御することによってワンプ4を開封する。また、制御部13は、グリッパ8のナイフ8Bによって側面4Sが開封されたワンプ4から露出した用紙束14Aをアーム2に把持させ、ワンプ4から用紙束14Aを取り出すようにアーム2を制御する。
【0053】
<コンピュータを用いた制御装置の構成>
こうした処理を行う制御装置10は、コンピュータ20を用いて構成される。図6は、コンピュータ20を用いて構成した制御装置10における電気系統の要部構成例を示す図である。
【0054】
コンピュータ20は、制御装置10が備える図4に示した各機能部の処理を担うプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)21、CPU21の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)22、不揮発性メモリ23、及び入出力インターフェース(I/O)24を備える。CPU21、RAM22、不揮発性メモリ23、及びI/O24はバス25を介して各々接続されている。
【0055】
不揮発性メモリ23は、不揮発性メモリ23に供給される電力が遮断されても記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。不揮発性メモリ23には、例えばコンピュータ20を制御装置10として機能させる制御プログラムが記憶される。
【0056】
不揮発性メモリ23は必ずしもコンピュータ20に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのように、コンピュータ20に着脱可能な可搬型の記憶装置であってもよい。
【0057】
I/O24には、3Dセンサ6及びアーム2が接続されるが、I/O24に接続される装置はこれらに限られない。例えばインターネットやLAN(Local Area Network)といった通信回線を通じて外部装置と通信を行う通信装置のような他の装置をI/O24に接続してもよい。
【0058】
<制御システムの作用>
次に、アーム2を用いてワンプ4から用紙束14Aを取り出す制御システム1の作用について説明する。
【0059】
図7は、ユーザから用紙束14Aの取り出し指示を受け付けた場合に、制御装置10のCPU21によって実行される用紙捌き処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0060】
用紙捌き処理を規定する制御プログラムは、例えば制御装置10の不揮発性メモリ23に予め記憶されている。制御装置10のCPU21は、不揮発性メモリ23から制御プログラムを読み込んで用紙捌き処理を実行する。なお、積載台3にはワンプ4に包まれた用紙束14Aが複数積載されているものとする。
【0061】
まず、ステップS10において、CPU21は3Dセンサ6を制御して、積載台3の一番上に積載されている用紙束14Aを包んだワンプ4の3次元座標値及び傾きを検出する。以降におけるワンプ4とは、積載台3の一番上に積載されている用紙束14Aを包んだワンプ4を指す。積載台3の一番上に積載されている用紙束14Aを包んだワンプ4は、制御システム1による開封対象のワンプ4の一例である。また、ワンプ4の3次元座標値及び傾きを「ワーク情報」という。
【0062】
ステップS20において、CPU21は、ステップS10で取得したワンプ4のワーク情報を用いてワンプ4の位置及び形状を認識し、ワンプ4の側面4Sの場所を特定する。
【0063】
ステップS30において、CPU21は、グリッパ8の爪9がワンプ4の側面4Sと接触するようにアーム2を制御すると共に、ワンプ4の側面4Sに沿った方向と交差する方向、すなわち、XY平面に沿ってワンプ4を水平に押し出すようにアーム2を制御する。なお、爪9を接触させるワンプ4の側面4Sは、ワンプ4の長辺を含む側面4Sであっても、ワンプ4の短辺を含む側面4Sであってもどちらでもよい。
【0064】
CPU21は、複数のアーム2によってワンプ4を押し出す制御を行ってもよいが、1つのアーム2でワンプ4を押し出す方が、ワンプ4を移動させるアーム2の制御に要する時間を短縮することができる。
【0065】
これにより、ワンプ4の一端がワンプ4の下に位置する別のワンプ4からX軸方向又はY軸方向にずれて配置される。
【0066】
図8は、アーム2によってワンプ4を移動させる様子を示す図である。図8に示す例では、短辺を含むワンプ4の側面4Sを押し出すことにより、ワンプ4をX軸方向に沿って移動させている。このようにワンプ4の位置を下のワンプ4に対してずらすことによって、ワンプ4の下面4Uの前に爪9Bが入る空間を形成し、グリッパ8の爪9でワンプ4に包まれた用紙束14Aを把持しやすくする。
【0067】
ワンプ4を押し出す制御において、CPU21は、ワンプ4の側面4Sから、下のワンプ4の側面4Sまでのワンプ4の移動方向に沿ったずれ量、すなわち、ワンプ4の移動距離Dが短すぎると、グリッパ8の爪9で用紙束14Aを把持しにくくなる。したがって、CPU21は、ワンプ4の移動距離Dが、用紙束14Aを把持しやすい距離として予め定めた規定距離以上となるような力でワンプ4を押し出すようにアーム2を制御することが好ましい。
【0068】
そのため、CPU21は、ワンプ4に包まれた用紙14の属性を表す属性値を取得して、アーム2によってワンプ4を押し出す力の大きさを設定する。用紙14の属性とは、用紙14の特徴を表す項目であり、属性値とは、用紙14の特徴を表す項目の値である。
【0069】
用紙14には、例えばA1及びA2といった用紙14のサイズ、ワンプ4に包まれた用紙束14Aを構成する用紙14の枚数(「収容枚数」という)、連量、坪量、厚み、及び含水量等の様々な属性が存在する。一方で、ワンプ4を押し出す力の大きさは、ワンプ4に包まれた用紙束14Aの重さの影響を受ける。したがって、CPU21は、ワンプ4に包まれた用紙束14Aの重さの算出に必要な属性値を取得する。具体的には、CPU21は、用紙14の連量若しくは坪量と、用紙14のサイズと、ワンプ4における用紙14の収容枚数とを取得してワンプ4に包まれた用紙束14Aの重さを算出する。
【0070】
更に、ワンプ4を押し出す力の大きさは、ワンプ4の表面の摩擦係数の影響を受ける。したがって、CPU21は、クラフト紙なのか、それともコート紙なのか、また、クラフト紙の場合、未晒クラフト紙なのか、それとも晒クラフト紙なのかといったワンプ4の材質を取得し、材質から得られるワンプ4の摩擦係数を考慮して、アーム2によってワンプ4を押し出す力の大きさを設定する。また、再生紙と非再生紙とでは摩擦係数が異なる場合があるため、CPU21は、ワンプ4が再生紙であるか否かをワンプ4の属性値として取得してもよい。
【0071】
こうしたワンプ4の属性値は、用紙捌き処理を行うユーザが用紙捌き処理を行う前に予め不揮発性メモリ23に記憶しておき、CPU21が不揮発性メモリ23から取得する。しかしながら、ワンプ4の属性値の取得方法はこれに限られない。例えばワンプ4によっては、ワンプ4の属性値を記載したラベルが貼り付けられている場合がある。こうした場合、CPU21は、例えばグリッパ8の爪9で可視カメラ(図示省略)を把持してラベルに記載されているワンプ4の属性値を撮影する制御を行い、撮影した画像に対して公知の文字認識処理を行うことによってワンプ4の属性値を取得してもよい。当然のことながら、グリッパ8に予め可視カメラを取り付けていてもよい。
【0072】
また、ラベルに記載されているワンプ4の属性値がバーコードによって表示されている場合、CPU21は、グリッパ8の爪9でバーコードリーダー(図示省略)を把持してラベルに記載されているバーコードを読み取る制御を行うことによってワンプ4の属性値を取得してもよい。当然のことながら、グリッパ8に予めバーコードリーダーを取り付けていてもよい。
【0073】
図7のステップS30では、XY平面に沿ってワンプ4を水平に押し出すようにアーム2を制御する例について説明した。しかしながら、下のワンプ4に対するワンプ4の位置がずれさえすればよいことから、CPU21は、グリッパ8の爪9によってワンプ4を把持し、XY平面に沿ってワンプ4を水平に引っ張るようにアーム2を制御してもよい。
【0074】
ステップS30によってワンプ4の位置をずらしたことから、ワンプ4のワーク情報はステップS10で取得したワーク情報と異なっている。したがって、ステップS40において、CPU21は3Dセンサ6を制御して、ワンプ4のワーク情報を取得し、ワンプ4の位置及び形状を認識し直す。これにより、ずらしたワンプ4の側面4Sの場所が特定される。
【0075】
ステップS50において、CPU21は、位置をずらしたワンプ4の移動距離Dが規定距離以上であるか否かを判定する。ワンプ4の移動距離Dが規定距離未満である場合にはステップS20に移行し、ステップS20~ステップS50の処理を繰り返し実行する。すなわち、CPU21は、ずらしたワンプ4の側面4Sの場所を再度特定したうえで、ステップS50の判定処理でワンプ4の移動距離Dが規定距離以上であると判定されるまでステップS30及びステップS40の処理を実行する。
【0076】
ステップS50の判定処理でワンプ4の移動距離Dが規定距離以上であると判定された場合、ステップS60に移行する。
【0077】
ステップS60において、CPU21は、グリッパ8のナイフ8Bがワンプ4の側面4Sと対向する位置で用紙14の輪郭に沿って移動するように前記アームを制御することによって、ワンプ4の側面4Sを開封する。
【0078】
刃物を押し付けるとたわんでしまって開封しにくいワンプ4であっても開封しやすいように、グリッパ8のナイフ8Bには超音波カッターを用いることが好ましいが、超音波カッターのように振動子による振動を伴わない単なるナイフを用いてもよい。
【0079】
図9は、ワンプ4の上からZ軸方向に向かってワンプ4の上面4Tを眺めた場合に、アーム2の制御によって移動するグリッパ8のナイフ8Bの移動軌跡の一例を示す図である。図9に示すように、CPU21はアーム2を制御して、ワンプ4を挟んで対向するワンプ4の側面4Sの位置にグリッパ8のナイフ8Bをそれぞれ移動させる。CPU21はアーム2を制御して、各々のグリッパ8のナイフ8Bをワンプ4の側面4Sに接触させながら、ワンプ4の側面4Sと対向する位置で用紙14の輪郭に沿って時計回り又は反時計回りの何れか一方の方向に半周移動させる。これにより、用紙束14Aを包んでいたワンプ4が上下2つのワンプ4の断片に分離される。
【0080】
なお、グリッパ8の爪9によって用紙束14Aが把持できる程度にワンプ4から用紙束14Aが露出すればよいため、必ずしもワンプ4の側面4Sを全周、すなわち4辺の輪郭に亘って開封してワンプ4を上下2つのワンプ4の断片に分離する必要はない。例えばワンプ4の側面4Sを、3辺の輪郭に亘って開封してもよい。ただし、開封するワンプ4の側面4Sをワンプ4の2辺以下の輪郭によって構成される側面4Sとした場合、用紙束14Aを把持した状態でグリッパ8をZ軸に沿って上方向に移動させても、用紙束14Aがワンプ4に引っかかってしまい、ワンプ4から用紙束14Aを取り出せないことがある。したがって、ワンプ4の側面4Sを3辺以上の輪郭に亘ってグリッパ8のナイフ8Bによって開封することが好ましい。
【0081】
当然のことながら、CPU21は、1本のアーム2又は3本以上のアーム2に取り付けられたグリッパ8のナイフ8Bを用紙14の輪郭に沿って移動させることによってワンプ4の側面4Sを開封してもよい。アーム2が1本の場合、CPU21は、グリッパ8のナイフ8Bがワンプ4の側面4Sを輪郭に沿って1周するようにアーム2を制御する。例えばアーム2が3本の場合、CPU21は、各々のアーム2におけるグリッパ8のナイフ8Bが重複することなくワンプ4の側面4Sを輪郭に沿って1/3周するようにアーム2を制御する。
【0082】
なお、グリッパ8のナイフ8Bの代わりに、グリッパ8の爪9でカッター等の切断装置(図示省略)を把持し、把持した切断装置によってワンプ4の側面4Sを開封してもよい。グリッパ8の爪9で把持した切断装置は、アーム2に取り付けられた切断装置の一例である。
【0083】
このようにワンプ4の側面4Sを開封する場合、CPU21は、グリッパ8のナイフ8Bがワンプ4の側面4Sの中央より上で、かつ、ワンプ4の側面4Sの上端よりも下の範囲を開封するようにアーム2を制御する。
【0084】
図10は、グリッパ8のナイフ8Bによるワンプ4の側面4Sの開封位置の一例を示す図である。図10に示すワンプ4の側面4Sは、XZ平面に沿ったワンプ4の側面4Sをワンプ4の側面4Sと対向する位置からY軸に沿って眺めた図である。
【0085】
例えばワンプ4の側面4Sの下端を表すラインL1の位置でワンプ4の側面4Sを開封したとする。この場合、グリッパ8によって用紙束14Aを把持するには、用紙束14Aの下端に位置する用紙14と、その下にあるワンプ4の断片との隙間に一方の爪9、具体的には、爪9Aよりも隙間に挿入しやすいヘラ状の爪9Bを差し込むことになる。
【0086】
しかしながら、当該隙間に爪9Bを差し込むためには、CPU21は、爪9Bの位置をμm単位以下の精度で制御しなければならない。仮に爪9Bの位置をμm単位以下の精度で制御できたとしても、爪9Bには厚みがあるため、用紙束14Aの下端に位置する用紙14と、その下にあるワンプ4の断片との隙間に爪9Bを差し込むことは困難である。
【0087】
したがって、少なくともラインL1よりも上の位置を開封し、下側のワンプ4の断片にワンプ4の側面4Sを構成していた紙片(以降、「切れ端」という)が残るようにしてやる。下側のワンプ4の断片に切れ端が残っていれば、切れ端の上から爪9Bで切れ端を押さえて切れ端の内側に爪9Bを誘導し、切れ端をガイドにしながら用紙束14Aの下端に位置する用紙14と、その下にあるワンプ4の断片との隙間に爪9Bを差し込むことができる。
【0088】
しかしながら、下側のワンプ4の断片における切れ端の幅が短いと、爪9Bで切れ端を押さえつけにくくなる。したがって、図10においてワンプ4の側面4Sの中央を表すラインL2よりも上を開封して、下側のワンプ4の断片における切れ端の幅が、Z軸方向におけるワンプ4の側面4Sの幅の半分を超えて残るようにする。このようにすれば、ラインL1からラインL2までの位置でワンプ4の側面4Sを開封した場合よりも爪9Bで切れ端を押さえつけやすくなり、切れ端の内側に爪9Bを誘導しやすくなる。
【0089】
しかしながら、下側のワンプ4の断片における切れ端の幅が長くなりすぎると、爪9Bで切れ端を押さえつけても、ワンプ4の張力によってラインL1の位置まで用紙束14Aが露出しなくなることがある。したがって、用紙束14Aの下端に位置する用紙14と、その下にあるワンプ4の断片との隙間に爪9Bを差し込むことが困難になる。
【0090】
以上の理由から、ワンプ4の側面4Sの中央を表すラインL2よりも上で、かつ、ワンプ4の側面4Sの上端を表すラインL4よりも下の範囲に予め設定したラインL3までの範囲を開封することが好ましい。
【0091】
説明の便宜上、ステップS60で開封したワンプ4の下側の断片を「下蓋ワンプ4A」と表し、上側の断片を「上蓋ワンプ4B」と表す。
【0092】
ワンプ4の側面4Sを開封した後、図7のステップS70において、CPU21はアーム2を制御して、上下2つの断片に分離したワンプ4のうち、上蓋ワンプ4Bを吸着部8Aによって吸着して除去する。
【0093】
図11は、上蓋ワンプ4Bを除去した後、XZ平面に沿ったワンプ4の側面4S及び用紙束14Aの側面14Sを、側面4S及び側面14Sと対向する位置からY軸に沿って眺めた場合の用紙束14Aの状態例を示す図である。図11に示すように、用紙束14Aの上方は露出し、用紙束14Aの下方には下蓋ワンプ4Aが残る。
【0094】
なお、ステップS60でワンプ4の側面4Sを開封しきれずに、下蓋ワンプ4Aと上蓋ワンプ4Bの一部がつながったままになることがある。このような場合、上蓋ワンプ4Bを吸着部8Aによって吸着し、アーム2を移動させて上蓋ワンプ4Bをゴミ箱に捨てようとしても、アーム2の移動中に吸着部8Aから上蓋ワンプ4Bがはずれ、上蓋ワンプ4Bを除去できないことがある。
【0095】
したがって、ステップS80において、CPU21は、上蓋ワンプ4Bの除去が完了したか否かを判定する。具体的には、吸引力によって吸着部8Aで上蓋ワンプ4Bを吸着している場合、吸引力を発生させるモーターには、吸着部8Aに何も吸着していない場合と比較して負荷がかかる。したがって、例えば吸着部8Aによって上蓋ワンプ4Bを吸着してからゴミ箱に捨てるまでの間、上蓋ワンプ4Bを吸着している場合に発生する負荷がモーターに継続してかかっていれば、上蓋ワンプ4Bの除去が完了したと判定すればよい。また、CPU21は、3Dセンサ6によって上蓋ワンプ4Bの除去が完了したか否かを判定してもよい。
【0096】
上蓋ワンプ4Bの除去が完了していない場合、3Dセンサ6を用いてワンプ4のワーク情報を取得してステップS60に移行する。この場合、CPU21は、ステップS80の判定処理で上蓋ワンプ4Bの除去が完了したと判定されるまでステップS60~ステップS80の処理を繰り返し実行し、アーム2を制御して、開封しきれなかったワンプ4の側面4Sの箇所を再度開封する。
【0097】
一方、ステップS80の判定処理で上蓋ワンプ4Bの除去が完了したと判定された場合、ステップS90に移行する。
【0098】
上蓋ワンプ4Bの除去に伴い、それまでワンプ4に包まれていた用紙束14Aに除去中の上蓋ワンプ4Bが接触し、用紙束14Aを構成する少なくとも1枚以上の用紙14の位置が、他の用紙14に対してXY平面に沿って水平にずれることがある。他の用紙14に対して用紙14が水平にずれていると、用紙束14Aの側面14Sが面一に整えられている場合と比較して、グリッパ8の爪9で用紙束14Aを把持しにくい場合がある。
【0099】
したがって、ステップS90において、CPU21は、グリッパ8のヘラ状の爪9Bが用紙束14Aの側面14Sと接触するようにアーム2を制御して、用紙束14Aの側面14Sが平坦になるように爪9Bで整え、用紙束14Aの側面14Sを面一にあわせる。用紙束14Aの側面14Sが平坦になるとは、露出した用紙14の画像形成面の上からZ軸方向に沿って用紙束14Aを眺めた場合に、用紙束14Aを構成する各々の用紙14の輪郭の位置が予め定められた範囲内に収まっている状態をいう。
【0100】
ステップS100において、CPU21は3Dセンサ6を制御して、側面14Sを面一にあわせた後の用紙束14Aのワーク情報を取得する。
【0101】
ステップS110において、CPU21は、ステップS100で取得した用紙束14Aのワーク情報を用いて用紙束14Aの位置及び形状を認識し、アーム2を制御して、グリッパ8の爪9でワンプ4から露出した用紙束14Aを把持する。グリッパ8の爪9によって用紙束14を把持する場合、CPU21は、作業内容によって用紙束14を把持する位置を決定する。この場合、用紙束14Aを移動させるときの用紙束14Aのバランスを考慮して、用紙束14Aの角を把持することが好ましいが、例えば用紙束14Aをひっくり返すような作業を行う場合には、例えば用紙束14Aの辺の中央付近を把持することがある。
【0102】
図12は、グリッパ8の爪9で用紙束14Aを把持しようとしている様子を示す図である。既に説明したように、図12は、下蓋ワンプ4Aの切れ端の上から爪9Bで切れ端を押さえて切れ端の内側に爪9Bを誘導しようとしている状態を表している。
【0103】
図12に示すように、一方のアーム2で用紙束14Aを把持した後、CPU21はアーム2を制御して、把持した用紙束14Aを持ち上げる。CPU21は、他方のアーム2の爪9Aと爪9Bの間隔を用紙束14Aの厚さより広げた状態で、爪9Bが爪9Aの下方にくるように他方のアーム2を制御し、用紙束14Aと下蓋ワンプ4Aとの間にできた隙間に他方のアーム2の爪9Bを差し込む。その状態のまま、CPU21は、用紙14の輪郭に沿って他方のアーム2の爪9A及び爪9Bを移動させ、一方のアーム2が把持している地点の対角線上にある用紙束14Aの角を他方のアーム2が把持するようにアーム2を制御する。図13は、グリッパ8によって用紙束14Aを把持した例を示す図である。
【0104】
図7のステップS120において、CPU21は、各々のアーム2のグリッパ8が用紙束14Aを把持したか否かを判定する。各々のグリッパ8が用紙束14Aを把持していない場合、3Dセンサ6を用いて用紙束14Aのワーク情報を取得してステップS90に移行する。この場合、CPU21は、ステップS120の判定処理で各々のグリッパ8の爪9が用紙束14Aを把持したと判定されるまでステップS90~ステップS120の処理を繰り返し実行し、アーム2を制御して、用紙束14Aの整頓及び用紙束14Aの把持を行う。
【0105】
一方、ステップS120の判定処理で各々のグリッパ8の爪9が用紙束14Aを把持したと判定された場合、ステップS130に移行する。
【0106】
用紙束14Aを構成する用紙14は、静電気や用紙14の摩擦によって、隣り合う用紙14と吸着している場合がある。
【0107】
したがって、ステップS130において、CPU21は、各々の用紙14を1枚ずつ分離しやすくするため、グリッパ8に設けられた排気口(図示省略)から用紙束14Aに風を吹き付ける風入れを行う。用紙束14Aへの風入れには空気よりもイオン化した風を用いた方が、用紙14に発生している静電気が除去されやすくなり、用紙14同士の分離度合いが向上する。
【0108】
ステップS140において、CPU21はアーム2を制御して、グリッパ8の爪9で把持した用紙束14Aをジョガー5に移動する。
【0109】
ステップS150において、CPU21はアーム2を制御して、用紙束14Aを取り出した後に残っている下蓋ワンプ4Aを吸着部8Aによって吸着して除去する。
【0110】
ステップS160において、CPU21は、下蓋ワンプ4Aの除去が完了したか否かを判定する。下蓋ワンプ4Aの除去が完了していない場合、3Dセンサ6を用いて下蓋ワンプ4Aのワーク情報を取得してステップS150に移行する。この場合、CPU21は、ステップS160の判定処理で下蓋ワンプ4Aの除去が完了したと判定されるまでステップS150及びステップS160の処理を繰り返し実行し、アーム2を制御して、下蓋ワンプ4Aの除去を行う。
【0111】
ステップS160の判定処理で下蓋ワンプ4Aの除去が完了したと判定された場合、ワンプ4から用紙束14Aの取り出しが完了したことになるため、図7に示す用紙捌き処理を終了する。
【0112】
CPU21は、積載台3に積載された各々のワンプ4に対して図7に示す用紙捌き処理を実行することで、各々のワンプ4から用紙束14Aを取り出し、ワンプ4から取り出した用紙束14Aをジョガー5に移動し、用紙14を用いた次の作業工程を開始する。
【0113】
以上、実施形態を用いて用紙14を扱う制御システム1の一形態について説明したが、開示した制御システム1の形態は一例であり、制御システム1の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。
【0114】
例えば本開示の要旨を逸脱しない範囲で、図7に示した用紙捌き処理における内部の処理順序を変更してもよい。
【0115】
上記の実施形態では、一例として、図7に示した用紙捌き処理をソフトウェア処理で実現する形態について説明した。しかしながら、用紙捌き処理のフローチャートと同等の処理をハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、用紙捌き処理をソフトウェア処理で実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
【0116】
上記の実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU21)や、専用のプロセッサ(例えば GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0117】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記の実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0118】
上記の実施形態では、不揮発性メモリ23に制御プログラムが記憶されている例について説明した。しかしながら、制御プログラムの記憶先は不揮発性メモリ23に限定されない。本開示の制御プログラムは、コンピュータ20で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。
【0119】
例えば制御プログラムをCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びブルーレイディスクのような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、制御プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。不揮発性メモリ23、CD-ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0120】
更に、制御システム1は通信装置を通じて、通信回線に接続された外部装置から制御プログラムをダウンロードし、ダウンロードした制御プログラムを制御装置10の不揮発性メモリ23に記憶してもよい。この場合、制御装置10のCPU21は、外部装置からダウンロードした制御プログラムを不揮発性メモリ23から読み込んで用紙捌き処理を実行する。
【0121】
以下に本実施形態に係る付記を示す。
【0122】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
物体の形状を計測する3次元センサを用いて、用紙の束を包んだ包装紙の位置及び形状を表す3次元座標値、並びに、基準線に対する前記包装紙の傾きを検出し、
前記包装紙の3次元座標値及び傾きを用いて、前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面と交差する前記包装紙の面である前記包装紙の側面の場所を特定し、
物体を把持するアームに取り付けられた切断装置が、特定した前記包装紙の側面を用紙の輪郭に沿って移動するように前記アームを制御し、
前記切断装置によって開封された前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームに把持させ、前記包装紙から用紙の束を取り出す
制御システム。
【0123】
(((2)))
前記プロセッサは、前記包装紙の側面を開封する前に、開封対象である前記包装紙の側面と接触するように前記アームを制御して、前記包装紙を前記包装紙の側面に沿った方向と交差する方向に移動させ、
前記3次元センサを用いて、移動後の前記包装紙の3次元座標値及び傾きを検出して前記包装紙の側面の場所を特定する
(((1)))に記載の制御システム。
【0124】
(((3)))
前記プロセッサは、前記包装紙に包まれている用紙の属性を表す属性値を取得し、取得した用紙の属性値を用いて、前記アームによって前記包装紙を前記包装紙の側面に沿った方向と交差する方向に移動させる力の大きさを設定する
(((2)))に記載の制御システム。
【0125】
(((4)))
取得した用紙の属性値に用紙の連量若しくは坪量と、用紙のサイズと、前記包装紙に包まれている用紙の枚数とが含まれる
(((3)))に記載の制御システム。
【0126】
(((5)))
取得した用紙の属性に前記包装紙の材質が更に含まれる
(((4)))に記載の制御システム。
【0127】
(((6)))
前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面が床に沿って配置された台の積載面と対向するように、前記包装紙が積載されている状態において、前記プロセッサは、前記切断装置によって前記包装紙の側面の中央より上で、かつ、前記包装紙の側面の上端よりも下の範囲を開封するように前記アームを制御する
(((1)))~(((5)))の何れか1つに記載の制御システム。
【0128】
(((7)))
前記プロセッサは、前記包装紙の側面が開封された後、用紙の上に載っている開封された前記包装紙の断片を除去するように前記アームを制御する
(((1)))~(((6)))の何れか1つに記載の制御システム。
【0129】
(((8)))
前記プロセッサは、前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームによって把持する前に、前記包装紙から露出した各々の用紙を用紙の画像形成面の上から見た場合における各々の用紙の輪郭の位置が予め定められた範囲内に収まるように、前記アームを用紙に接触させ、用紙の位置を整える制御を行う
(((1)))~(((7)))の何れか1つに記載の制御システム。
【0130】
(((9)))
前記プロセッサは、筐体に固定されて位置が変化しない前記3次元センサを用いて、前記包装紙の3次元座標値及び傾きを検出する
(((1)))~(((8)))の何れか1つに記載の制御システム。
【0131】
(((10)))
コンピュータに、
物体の形状を計測する3次元センサを用いて、用紙の束を包んだ包装紙の位置及び形状を表す3次元座標値、並びに、基準線に対する前記包装紙の傾きを検出し、
前記包装紙の3次元座標値及び傾きを用いて、前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面と交差する前記包装紙の面である前記包装紙の側面の場所を特定し、
物体を把持するアームに取り付けられた切断装置が、特定した前記包装紙の側面を用紙の輪郭に沿って移動するように前記アームを制御し、
前記切断装置によって開封された前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームに把持させ、前記包装紙から用紙の束を取り出す処理を実行させるための
制御プログラム。
【0132】
(((11)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
物体の形状を計測する3次元センサを用いて、用紙の束を包んだ包装紙の位置及び形状を表す3次元座標値、並びに、基準線に対する前記包装紙の傾きを検出し、
前記包装紙の3次元座標値及び傾きを用いて、前記包装紙に包まれている用紙の画像形成面と交差する前記包装紙の面である前記包装紙の側面の場所を特定し、
物体を把持するアームに取り付けられた切断装置が、特定した前記包装紙の側面を用紙の輪郭に沿って移動するように前記アームを制御し、
前記切断装置によって開封された前記包装紙から露出した用紙の束を前記アームに把持させ、前記包装紙から用紙の束を取り出す
制御装置。
【0133】
(((1)))、(((10)))、及び(((11)))によれば、熟練した作業員によらずに用紙の束の取り出しを可能とする制御システム、及び制御プログラムを提供することができる、という効果を有する。
【0134】
(((2)))によれば、包装紙を移動させない場合と比較して、アームによって用紙の束が把持しやすくなる、という効果を有する。
【0135】
(((3)))によれば、どのような種類の用紙を包んでいる包装紙であっても、包装紙を規定距離以上移動させることができる、という効果を有する。
【0136】
(((4)))によれば、包装紙が包んでいる用紙の重さから、包装紙を移動させる力の大きさを設定することができる、という効果を有する。
【0137】
(((5)))によれば、包装紙同士の摩擦力から、包装紙を移動させる力の大きさを設定することができる、という効果を有する。
【0138】
(((6)))によれば、包装紙の側面の中央から下を開封するよりも、アームによって用紙の束が把持しやすくなる、という効果を有する。
【0139】
(((7)))によれば、包装紙と包装紙に包まれていた用紙の束が混ざらないように分離することができる、という効果を有する。
【0140】
(((8)))によれば、用紙の位置を整えない場合と比較して、アームによって用紙の束が把持しやすくなる、という効果を有する。
【0141】
(((9)))によれば、3次元センサをアームに取り付けた場合と比較して、包装紙の3次元座標値及び傾きの検出に要する時間を短縮することができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0142】
1 制御システム
2 アーム
3 積載台
4 ワンプ(包装紙)
4A 下蓋ワンプ
4B 上蓋ワンプ
4U ワンプの下面
4S ワンプの側面
4T ワンプの上面
5 ジョガー
6 3Dセンサ
7 支柱
8 グリッパ
8A 吸着部
8B ナイフ
9(9A、9B) 爪
10 制御装置
11 位置検出部
12 側面特定部
13 制御部
14 用紙
14A 用紙束
14S 用紙束の側面
16 台座
20 コンピュータ
21 CPU
22 RAM
23 不揮発性メモリ
24 I/O
25 バス
D 移動距離
L1~L4 ライン
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