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特開2024-118898情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118898
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240826BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025470
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】517342305
【氏名又は名称】株式会社アスコエパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】安井 秀行
(72)【発明者】
【氏名】高岡 英雄
(72)【発明者】
【氏名】北野 菜穂
(72)【発明者】
【氏名】近藤 誠
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】 より効率的に、必要な手続やサービスを案内する。
【解決手段】 複数の手続またはサービスの中から利用想定者が利用可能者となる手続またはサービスを案内する案内システム管理サーバ11において、複数の手続またはサービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示する提示部51と、提示部51により提示された設問の回答に基づいて、提示された設問に含まれる第1の命題を確定するとともに、第1の命題が確定した場合、自身も確定する第2の命題をさらに確定する命題確定部52と、命題確定部52により確定された第1の命題および第2の命題が手続要件を満たす手続またはサービスを案内する手続案内部53とを備え、提示部51は、確定されていない第3の命題に対応する設問を提示する(ステップS23,24)。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の手続またはサービスの中から利用想定者が利用可能者となる前記手続または前記サービスを案内する情報処理装置において、
複数の前記手続または前記サービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示する提示部と、
前記提示部により提示された前記設問の回答に基づいて、提示された前記設問に含まれる第1の命題を確定するとともに、前記第1の命題が確定した場合、自身も確定する第2の命題をさらに確定する命題確定部と、
前記命題確定部により確定された前記第1の命題および前記第2の命題が手続要件を満たす前記手続または前記サービスを案内する手続案内部と
を備え、
前記提示部は、確定されていない第3の命題に対応する設問を提示する
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置は、
前記第1の命題と前記第2の命題の対応情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記命題確定部は、前記記憶部に記憶されている前記対応情報に基づいて、前記第2の命題を確定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記設問が列記され、列記された前記設問のうち、所定の前記回答により所定の前記手続きの該当基準を満たさなくなる前記命題に対応する前記設問からその所定の前記回答が分岐された設問確認情報を生成する設問確認情報生成部を
さらに備える情報処理装置。
【請求項4】
複数の手続またはサービスの中から利用想定者が利用可能者となる前記手続または前記サービスを案内する情報処理方法において、
複数の前記手続または前記サービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示し、
提示した前記設問の回答に基づいて、提示された前記設問に含まれる第1の命題を確定するとともに、前記第1の命題が確定した場合、自身も確定する第2の命題をさらに確定し、
確定した前記第1の命題および前記第2の命題が手続要件を満たす前記手続または前記サービスを案内し、
前記設問を提示する際、確定されていない第3の命題に対応する前記設問を提示する
情報処理方法。
【請求項5】
複数の手続またはサービスの中から利用想定者が利用可能者となる前記手続または前記サービスを案内するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
複数の前記手続または前記サービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示し、
提示した前記設問の回答に基づいて、提示された前記設問に含まれる第1の命題を確定するとともに、前記第1の命題が確定した場合、自身も確定する第2の命題をさらに確定し、
確定した前記第1の命題および前記第2の命題が手続要件を満たす前記手続または前記サービスを案内し、
前記設問を提示する際、確定されていない第3の命題に対応する前記設問を提示する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
県庁や市役所等の各種行政サービスを行う機関や、各種サービスを提供する事業者が提供する各種のサービスや手続などは、特定の1組織が提供するものだけでも大量の種類があるが、通常、利用者によって対象となるサービスや手続は異なるものである。具体的には、利用者個人の性別や年齢などの属性や、引っ越しをした、子供が生まれた、親族が亡くなったなどの状況によって、利用対象となるサービスや手続が異なる。
【0003】
例えば、県庁や市役所等の各種行政サービスにおいて、個人情報に係わるセキュリティを高めて、住民および職員の双方にとって、窓口での手続の負担を軽減できるとともに、窓口での時間を短縮でき、住民の利便性の向上、全体の効率化を図ることができる情報処理システムに関する技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2017-33019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の技術を用いることにより、住民は、案内票を見て、自分の手続の内容をわかりやすく確認でき、目的の課の窓口へ行って手続を行うことができる。住民は、複数の窓口での手続を要する場合に、各申請書に基本情報を何回も記入する手間を削減できる。しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、自分が受けるべき手続は、自分で選択する必要があり、多くのサービスや手続の中から、利用者個人の属性や状況に対応する手続やサービス等を探さなければならない。
【0006】
そこで、利用者に対して、属性や状況にかかわる複数の質問を行い、質問に対する回答から、利用対象となるサービスや手続を案内するための案内システムが用いられている。案内システムは、多くの場合、質問を順番に並べたデータ等からなるシナリオで構成されており、必要な手続やサービスを特定するための質問を提示する順番を示すシナリオは、例えば、子どもがいる利用者には子どもに関する質問を行い、引っ越しをした利用者には引っ越し前後の住所を聞くなど、条件分岐を含むツリー構造を有している。
【0007】
このような案内システムのシナリオの中の任意の場所で分岐が発生すると、分岐した先ごとに、それぞれの分岐の条件に応じた質問を並べていかなければならないが、各分岐先の質問や質問の並びには重複部分が生じやすい。また、重複部分が生じることによって、質問の変更などがあったときに、1つの変更に対してシナリオ上の修正箇所が複数になり、修正負担の増加や、修正漏れによるトラブルなどの原因となる。
【0008】
さらに、条件分岐を含んだツリー構造のフローチャートは、分岐の増加に応じて指数関数的に合計のステップ数が増加し、画面に表示したり、紙に印刷するには不向きであり、また、常に手前の分岐条件が前提とされるため、シナリオの先へ進むにつれ前提条件が増加し、それに伴って、変更箇所の確認の難易度が増大する。
【0009】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、各種サービスや手続きを利用したいと考える利用想定者に、より効率的に、必要な手続やサービスを案内することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の情報処理装置は、複数の手続またはサービスの中から利用想定者が利用可能者となる手続またはサービスを案内する情報処理装置において、
複数の手続またはサービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示する提示部と、
提示部により提示された設問の回答に基づいて、提示された設問に含まれる第1の命題を確定するとともに、第1の命題が確定した場合、自身も確定する第2の命題をさらに確定する命題確定部と、
命題確定部により確定された第1の命題および第2の命題が手続要件を満たす手続またはサービスを案内する手続案内部と
を備え、
提示部は、確定されていない第3の命題に対応する設問を提示する。
【0011】
本発明の一側面の情報処理方法は、複数の手続またはサービスの中から利用想定者が利用可能者となる手続またはサービスを案内する情報処理方法において、
複数の手続またはサービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示し、
提示した設問の回答に基づいて、提示された設問に含まれる第1の命題を確定するとともに、第1の命題が確定した場合、自身も確定する第2の命題をさらに確定し、
確定した第1の命題および第2の命題が手続要件を満たす手続またはサービスを案内し、
設問を提示する際、確定されていない第3の命題に対応する設問を提示する。
【0012】
本発明の一側面のプログラムは、複数の手続またはサービスの中から利用想定者が利用可能者となる手続またはサービスを案内するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
複数の手続またはサービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示し、
提示した設問の回答に基づいて、提示された設問に含まれる第1の命題を確定するとともに、第1の命題が確定した場合、自身も確定する第2の命題をさらに確定し、
確定した第1の命題および第2の命題が手続要件を満たす手続またはサービスを案内し、
設問を提示する際、確定されていない第3の命題に対応する設問を提示する
処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、各種サービスや手続きを利用したいと考える利用想定者に、より効率的に、必要な手続やサービスを案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施の形態の案内システム1について説明するための図である。
図2図1は、案内システム管理サーバ11の構成を示すブロック図である。
図3図3は、手続要件情報T1のイメージを示す図である
図4図4は、設問群生成処理部41が実行する処理について説明するフローチャートである。
図5図5は、設問群の一例のうちの抜粋を示す図である。
図6図6は、手続案内処理部42が実行する処理について説明するフローチャートである。
図7図7は、表示される設問の一例を示す図である。
図8図8は、設問確認情報生成部43が実行する処理について説明するフローチャートである。
図9図9は、設問確認情報の一例を示す図である。
図10図10は、設問確認情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[一実施の形態]
以下に、本発明の実施の形態に係る案内システムについて説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態の順序、フローチャートにおける処理の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図は、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0016】
図1は、案内システム1の構成例を示すブロック図である。案内システム1は、例えば、県庁や市役所等の各種行政サービスを行う機関や、保険サービスや金融機関などの各種サービスを提供する事業者が、数多くのサービスや手続の中から、各種サービスや手続きを利用したいと考える利用想定者が、利用可能者となるサービスや手続(以下、単に、手続と称する)を案内するためのシステムである。ここでは、役所等において提供される行政サービスに必要な手続を案内する場合を例として説明する。案内システム1は、案内システム管理サーバ11、ネットワーク12、ネットワーク12を介して案内システム管理サーバ11と接続されるユーザ(案内システム1を利用する人であり、利用想定者、または、利用想定者に案内システム1の利用を依頼された人などがこれに対応する)の端末装置13-1~13-n、およびサービス提供者(例えば、市役所の職員)の端末装置14を含んで構成されている。特に区別が必要でない場合、ユーザの端末装置13-1~13-nを、以下、端末装置13と称する。
【0017】
案内システム管理サーバ11は、手続の案内を受ける利用想定者(例えば、市民)に、数多くの手続の中から、利用想定者にとって必要な手続を案内するために提示される各種設問の基となる設問群を生成し、ネットワーク12を介して、例えば、ユーザの端末装置13が有するウェブブラウザ等の機能によって、設問、および手続の案内を提示する。また、案内システム管理サーバ11は、案内システム1が正しくサービスや手続を案内できていることをサービス提供者が確認するための手続設問確認情報を生成し、ネットワーク12を介して、例えば、サービス提供者の端末装置14が有するウェブブラウザ等の機能によって、サービス提供者に提示する。
【0018】
図2は、案内システム管理サーバ11の構成を示すブロック図である。案内システム管理サーバ11は、入力部31、制御部32、記憶部33および出力部34を含んで構成されている。入力部31は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力デバイス、ネットワークインタフェースなどで構成され、制御部32の制御に基づいて情報の入力を受け付ける。
【0019】
制御部32は、CPU(Central Processing Unit)、記憶部位(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発メモリ等)、ハードウェアを含む、その他の要素から実現される。
【0020】
記憶部33は、例えば、RAM(Random Access Memory)やSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)である。記憶部33には、制御部32が実行するアプリケーションプログラムAP、手続要件情報T1、設問群情報T2、および命題確定対応情報T3(いずれも詳細は後述する)などが格納されている。
【0021】
出力部34は、表示部位、印刷部位、ネットワークインタフェースなどで構成され、制御部32の制御に基づいて情報を出力する。
【0022】
案内システム管理サーバ11は、1つの装置により構成されていても、複数の装置により構成され、それぞれ情報が授受可能なようになされていてもよい。
【0023】
制御部32は、記憶部33に記憶されている所定のアプリケーションプログラムPAを実行することで、設問群生成処理部41、手続案内処理部42、および設問確認情報生成部43として機能する。
【0024】
設問群生成処理部41は、記憶部33に記憶されている手続要件情報T1から、グループごとに、そのグループに属する手続の該当基準の命題を確定するための設問(以下、命題に対応した設問と称する)の群を生成する。設問群生成処理部41は、生成した設問群を設問群情報T2(図5を参照して後述する)として記憶部33に記憶する。
【0025】
役所等において提供される行政サービスに必要な手続は、「子育て」、「結婚」、「出産」、「引っ越し」などのようにグループ分けされている。そこでこの例の場合、各グループに属する手続の要件が手続要件情報T1として登録されている。図3は、手続要件情報T1のイメージを示す図である。グループ「子育て」に属する手続は複数あり、その手続ごとに、手続要件としての該当基準が設けられている。該当基準は、命題と条件で定義されている。図3の例では、命題「区市町村外から引っ越してきた」に対しては(YES)であること、かつ命題「未熟児養育医療給付を受給している」に対して(YES)であることが手続「未熟児養育医療給付の申請手続」の手続要件となっている。グループ「結婚」等の手続要件情報T1にも、そのグループに属する手続の該当基準等が含まれている。
【0026】
手続案内処理部42は、設問群生成処理部41により生成された設問群情報T2に基づいて、利用想定者にとって必要な手続を案内するための設問を順に、出力部34およびネットワーク12を介してユーザの端末装置13に供給して表示させる。その際、手続案内処理部42は、先に表示した設問に対する回答により確定した命題に対応する選択肢、または確定した命題のみで構成された設問については提示しないようにする。手続案内処理部42は、このようにして設問をユーザに提示し、その結果得られた回答(先に提示した設問に対する回答にて確定した場合を含む)に基づいて、記憶部33の手続要件情報T1を参照して、該当基準を満たす手続、すなわち、利用想定者が利用可能者となる手続を抽出し、出力部34およびネットワーク12を介してユーザの端末装置13に供給して表示させる。
【0027】
手続案内処理部42は、提示部51、命題確定部52、および手続案内部53から構成されているが、それらについては後述する手続案内処理部42の処理と合わせて説明する。
【0028】
設問確認情報生成部43は、設問群生成処理部41により生成された設問群情報T2のうち、サービス提供者に指定された所定の手続が属するグループの設問群の設問が順番に列記され、そして列記された設問のうち、所定の回答によりその手続の該当基準を満たさなくなる命題に対応する設問からその所定の回答が分岐された設問確認情報(図9,10を参照して後述する)を生成する。設問確認情報生成部43は、生成した設問確認情報を、出力部34およびネットワーク12を介してサービス提供者の端末装置14に供給して表示させる。
【0029】
[設問群生成処理部41が実行する処理]
次に、図4のフローチャートを参照して、設問群生成処理部41が実行する処理について説明する。
【0030】
ステップS1において、設問群生成処理部41は、所定のグループに属する手続に関する該当基準の命題を取得する。
【0031】
ステップS2において、設問群生成処理部41は、取得した命題それぞれについて、ある命題に対する回答が、自身の回答となり得る他の命題を抽出し、それらを対応付けてその対応関係を命題確定対応情報T3として記憶部33に記憶する。
【0032】
具体的には、命題「小学生がいる」に対応する設問に対する回答(YES)により、命題「子供がいる」および命題「15歳以下の子供がいる」の回答はそれぞれ(YES)に確定する。そのため命題「小学生がいる」:回答(YES)は、命題「子供がいる」:回答(YES)および命題「15歳以下の子供がいる」:回答(YES)に対応付けられる。なお命題「子供がいる」に対する回答が(YES)であっても、命題「小学生がいる」、命題「15歳以下の子供がいる」の回答は確定しないので、命題「子供がいる」:回答(YES)は、命題「小学生がいる」、命題「15歳以下の子供がいる」に対応付けられない。
【0033】
また、命題「引っ越し前の区市町村で後期高齢者医療保険に加入していた」に対応する設問に対する回答(YES)により、命題「年齢が65歳以上である」の回答が(YES)に確定する。そのため命題「引っ越し前の区市町村で後期高齢者医療保険に加入していた」:回答(YES)は、命題「年齢が65歳以上である」:回答(YES)に対応付けられる。
【0034】
また、命題「引っ越し前の区市町村で後期高齢者医療保険に加入していた」に対応する設問に対する回答(YES)、かつ、命題「年齢が75歳以上である」に対応する設問に対する回答(NO)により、命題「一定の障害がある」の回答が(YES)、命題「年齢65歳以上である」の回答が(YES)に確定する。そのため命題「引っ越し前の区市町村で後期高齢者医療保険に加入していた」:回答(YES)かつ命題「年齢が75歳以上である」:回答(NO)は、命題「一定の障害がある」の回答(YES)と、命題「年齢65歳以上である」:回答(YES)に対応付けられる。
【0035】
また命題「引っ越し前の区市町村で後期高齢者医療保険に加入していた」に対応する設問に対する回答(YES)、かつ、命題「障害を有している」に対応する設問に対する回答(NO)により、命題「年齢75歳以上である」の回答は(YES)に確定する。そのため命題「引っ越し前の区市町村で後期高齢者医療保険に加入していた」:回答(YES)、かつ、命題「障害を有している」:回答(NO)は、命題「年齢75歳以上である」:回答(YES)に対応付けられる。
【0036】
このような対応関係が命題確定対応情報T3として記憶される。
【0037】
ステップS3において、設問群生成処理部41は、入力部31から入力されるユーザの操作入力、または、所定のアルゴリズムに基づいて、命題を少なくとも1つ以上含む設問を生成し、生成した設問を配列して、設問群を生成し、それを設問群情報T2として記憶部33に記憶する。その後処理は終了する。上述した処理がグループに属する手続に対して実行され、グループごとに設問群情報T2が生成され記憶部33に記憶される。
【0038】
図5は、グループ「引っ越し」に属する手続を案内するための設問群を例である。
【0039】
ここで、Q.1は、最初に提示される設問である。Q.1は、「町村外から引っ越してきた」、「区市町村内で引っ越してきた」、「区市町村外へ引っ越す」のいずれか一つしか選択することができない単一選択型設問である。Q.1以降の設問は、後述するように、それ先に提示された設問に対する回答によっては提示されない場合があるので、設問番号は、数字以外の記号等で仮に設定されていても、仮の番号が振ってあってもよく、実際の表示の順番に基づいて、表示時に設定されるものである。
【0040】
Q.Aは、「都道府県外からの引っ越しですか」という単一の命題に対するYESかNOを問う単一型設問である。
【0041】
Q.Bは、「妊娠中である」、「子どもがいる」、「ひとり親家庭である」、「障がいがある」のうちの複数の命題を選択可能な複数選択型設問である。また、Q.Cは、「未熟児養育医療給付を受給している」、「特別児童扶養手当を受給している」、「保育施設等の利用を希望する」、「幼稚園への入園を希望する」、「公立小学校または公立中学校に通う子どもがいる」のうちの複数の命題を選択可能な複数選択型設問である。
【0042】
Q.2Fは、「運転免許証を持っている」、「マイナンバーカードを持っている」、「住民基本台帳カードを持っている」、「自動車(バイクなどの二輪車も含む)を持っている」、「不動産を持っている」のうちの複数の命題を選択可能な複数選択型設問である。Q.3Bは、「印鑑登録を希望する」、「印鑑登録証明書の交付を希望する」、「マイナンバーカードの取得を希望する」、「住民票などの証明が必要である」、「戸籍の届出(転籍等)も行う」のうちの複数の命題を選択可能な複数選択型設問である。
【0043】
[手続案内処理部42が実行する処理]
次に、図6のフローチャートを参照して、手続案内処理部42が実行する処理について説明する。
【0044】
ステップS21において、提示部51は、記憶部33に記憶されている、ユーザが指定したグループの設問群情報T2を参照し、その先頭の設問を表示させるためのデータを、出力部34およびネットワーク12を介して、ユーザの端末装置13に供給して表示させる。
【0045】
ステップS22において、命題確定部52は、提示部51により表示された設問に対する回答を、ネットワーク12および入力部31を介して取得する。そしてステップS23において、命題確定部52は、取得した設問に対する回答に基づいて、その設問が対応する命題を確定する。
【0046】
例えば、「小学生がいる」に対して(YES)の回答が取得された場合、命題「小学生がいる」は(YES)に確定される。
【0047】
ステップS24において、命題確定部52は、まだ確定していない命題のうち、ステップS22で取得した回答により回答が確定できる命題を、命題確定対応情報T3を参照して特定し、その命題を確定させる。
【0048】
例えば、上述したように、命題確定対応情報T3において、命題「小学生がいる」:回答(YES)は、命題「子供がいる」:回答(YES)および命題「15歳以下の子供がいる」:回答(YES)に対応付けられるので、ステップS22で「小学生がいる」に対する回答(YES)が取得された場合、命題「小学生がいる」は(YES)、命題「子供がいる」は(YES)に確定される。
【0049】
ステップS25において、提示部51は、ステップS23およびステップS24で確定した命題に対応する設問または選択肢が問われないように設問群情報T2を更新する。この更新の処理の詳細は後述する。なお設問群情報T2を複製しておき、複製した設問群情報T2を更新することもできる。
【0050】
ステップS26において、提示部51は、確定していない命題に対応する設問が存在するか否かを判定し、確定していない命題に対応する設問が存在すると判定した場合、ステップS27において、確定していない命題に対応する設問(更新された設問群情報T2)から次の設問を選択し、ユーザの端末装置13に表示させる。その後、処理はステップS22に戻りそれ以降の処理が実行される。
【0051】
ステップS26で、確定してない命題が存在しないと判定された場合、ステップS28において、手続案内部53は、確定した命題に基づいて、該当基準を満たす手続を抽出し、案内する。例えば、後期高齢者医療保険の加入届の該当基準は、「区市町村外から引っ越してきた(YES)」、「都道府県外から引っ越してきた(NO)」、「引っ越し前の区市町村で後期高齢者医療保険に加入していた(YES)」であることから、確定した命題において該当基準をすべて満たす場合、後期高齢者医療保険の加入届が、利用想定者が利用可能者となる手続として案内される。
【0052】
上述した手続案内処理部42が実行する処理について、「引っ越し」に属する手続を案内する場合を例として具体的に説明する。まず、図5に示したグループ「引っ越し」に属する手続を案内する場合の設問群から最初の設問であるQ.1が表示される(ステップS21)。Q.1において、「区市町村内で引っ越してきた」が選択された場合(ステップS22)、命題「区市町村内で引っ越してきた」が(YES)で確定される(ステップS23)。
【0053】
そして、命題確定対応情報T3において、命題「区市町村内で引っ越してきた」:(YES)には、命題「都道府県外からの引っ越しである」:回答(NO)が対応付けられているので、命題「都道府県外からの引っ越しである」が回答(NO)であると確定される(ステップS24)。
【0054】
その結果、図5のQ.Aは、設問群情報T2から消去される(更新される)(ステップS25)。そして図5のQ.BがQ.2として提示される(ステップS27)。
【0055】
Q.2として表示されたQ.Bのうち、少なくとも、「子供がいる」が選択されなかった場合(ステップS22)、命題「子供がいる」が(NO)で確定される(ステップS23)。命題確定対応情報T3において、命題「子どもがいる」:回答(NO)は、命題「未熟児養育医療給付を受給している」:回答(NO)、命題「特別児童扶養手当を受給している」:回答(NO)、命題「保育施設等の利用を希望する」:回答(NO)、命題「幼稚園への入園を希望する」:回答(NO)、命題「公立小学校または公立中学校に通う子どもがいる」:回答(NO)に対応付けられているので、それらの命題は確定され(ステップS24)、図5のQ.Cの設問は消去され(ステップS25)、その設問は提示されない(ステップS27)。
【0056】
また図5のQ.2Fが、所定の連続した設問番号の設問として表示される(ステップS27)場合において、「マイナンバーカードを持っている」が選択されなかった場合(ステップS22)、命題「マイナンバーカードを持っている」は(NO)で確定され(ステップS23)、そして対応付けられている命題「マイナンバーカードの取得を希望する」は(NO)で確定される(ステップS24)。その場合、その後表示されるQ.3Bから「マイナンバーカードの取得を希望する」の選択肢が消去され(ステップS25)、図7に示すように、「マイナンバーカードの取得を希望する」の選択肢が消去された(Q.18)が表示される(ステップS27)。
【0057】
また、まだ表示されていない択一式の設問において、1つを除く全ての選択肢が(NO)に確定された場合、残りの未確定の選択肢の条件が(YES)に確定され、これを基に、設問群情報T2が更新されるので、その設問は表示されない。また、まだ表示されていない択一式の設問において、1つの選択肢が(YES)に確定された場合、残りの未確定の選択肢の条件が(NO)に確定され、これを基に、設問群情報T2が更新されるので、その設問は表示されない。また、まだ表示されていない択一式の設問において、複数の選択肢が(YES)に確定された場合、または、全ての選択肢が(NO)に確定された場合、回答に矛盾があることが検知されるので、エラーメッセージや再確認を促すためのメッセージなどが表示される。
【0058】
このように、先に表示した設問に対する回答により、まだ提示していない設問に含まれる命題が確定できる場合、対応する選択肢、または確定済みの選択肢のみで構成される設問は、回答済みとして提示されない。
【0059】
[設問確認情報生成部43が実行する処理]
次に、図8のフローチャートを参照して、設問確認情報生成部43が実行する処理について説明する。
【0060】
ステップS41において、設問確認情報生成部43は、サービス提供者により指定された所定の手続が属するグルーブの設問群情報T2を記憶部33から取得する。
【0061】
ステップS42において、設問確認情報生成部43は、所定の手続が属するグルーブの設問群情報T2に示されている設問を、例えば提示される順番に列記する。
【0062】
ステップS43において、設問確認情報生成部43は、命題確定対応情報T3を参照して、列記された設問のうち、所定の回答により、サービス提供者により指定された手続の該当基準を満たさなくなる命題に対応する設問からその回答を分岐させ、設問確認情報を生成する。
【0063】
ステップS44において、設問確認情報生成部43は、生成した設問確認情報を、サービス提供者の端末装置14に供給して表示させる。その後、処理は終了する。
【0064】
上述した設問確認情報生成部43が実行する処理を、手続「未熟児養育医療給付の申請」について、グループ全体の設問の提示によりこの手続きが正しく案内されることを確認する場合を例として説明する。サービス提供者により手続「未熟児養育医療給付の申請」が指定された場合、図9に示すように、手続「未熟児養育医療給付の申請」が属するグループ「引っ越し」の設問群の設問が提示される順番に列記される(ステップS41,42)。
【0065】
そして列記されたグループ「引っ越し」の設問群の設問のうち、所定の回答により手続「未熟児養育医療給付の申請」の該当基準を満たさなくなる命題に対応する設問からその回答を分岐させて、設問確認情報が生成される。
【0066】
手続「未熟児養育医療給付の申請」の該当基準は「区市町村外から引っ越してきた(YES)」と「未熟児養育医療給付を受給している(YES)」である。そして、Q.1は、「町村外から引っ越してきた」、「区市町村内で引っ越してきた」、「区市町村外へ引っ越す」のうちのいずれかを選択させる単一型設問であり、「町村外から引っ越してきた」が選択されなかった場合、すなわち、「区市町村内で引っ越してきた」と「区市町村外へ引っ越す」とのいずれかが選択された場合、手続「未熟児養育医療給付の申請」は案内される手続には該当しない。このことから、図9に示すように、列記された設問のうち、(NO)の回答により該当基準を満たさなくなる命題に対応する設問「区市町村内で引っ越してきた」から(NO)の回答が分岐され、(YES)の回答により該当基準を満たさなくなる命題に対応する設問「区市町村内で引っ越してきた」から(YES)の回答が分岐され、(YES)の回答により該当基準を満たさなくなる命題に対応する設問「区市町村外へ引っ越す」から(YES)の回答が分岐される。
【0067】
Q.Bの「妊娠中である」、「子どもがいる」、「ひとり親家庭である」、「障がいがある」のうちの「子どもがいる」が選択されなかった場合、手続「未熟児養育医療給付の申請」は案内される手続には該当しない。このことから、図9に示すように、列記された設問のうち、(NO)の回答により該当基準を満たさなくなる命題に対応する設問「子どもがいる」から(NO)の回答が分岐される。
【0068】
このようにして設問確認情報が生成され、生成された設問確認情報はサービス提供者の端末装置14に表示される(ステップS44)。サービス提供者は、設問確認情報を参照することで、提示される設問が、手続「未熟児養育医療給付の申請」の該当基準に対応していることを確認することができる。
【0069】
<他の実施例:関連する設問をまとめて提示する>
上述した設問群生成処理部41が実行する処理の説明において特に言及していなかったが、設問群を生成する際(ステップS3)、例えば家族構成に関する命題に対応する設問関連する命題に対応する設問が続けて提示されるようにすることができる。この場合、各命題に分類を示す情報を付与しておき同じ分類情報が付与された命題に対応する設問が続けて提示されるように設問群情報T2が生成される。
【0070】
<他の実施例:矛盾する回答へのアラーム>
上述した手続案内処理部42が実行する処理において、「子どもがいる」と「ひとり親家庭である」に対して、「ひとり親家庭である」が選択されたのに、「子どもがいる」が選択されなかった場合、正しく選択されていないので、この設問に対する回答が正しいかを、問い合わせるためのメッセージ等が表示されるようにできる。
【0071】
<他の実施例:所定の手続の要否判定>
上述した手続案内処理部42が実行する処理では、指定された所定のグループに属する手続のうち、利用可能者となる手続きを案内する場合を例として説明したが、指定された所定の手続き(利用想定者が利用したい手続)に対して利用できるかを提示することもできる。設問群情報T2はグループに属する手続の命題に基づいて生成されるため、指定された手続と関係ない該当基準の命題が含まれている。そこで設問確認情報生成部43により生成された設問確認情報を参照して、指定された手続に関係する命題に対応する設問を優先的にユーザに問うことができる。また設問の回答にて指定された手続が利用可能であると判定された場合、それ以降の設問の提示を終了させることもできる。
[効果のまとめ]
上述したように、複数の手続またはサービスの中から利用想定者が利用可能者となる手続またはサービスを案内する案内システム管理サーバ11において、
複数の手続またはサービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示する提示部51と、
提示部51により提示された設問の回答に基づいて、提示された設問に含まれる第1の命題を確定するとともに、第1の命題が確定した場合、自身も確定する第2の命題をさらに確定する命題確定部52と、
命題確定部52により確定された第1の命題および第2の命題が手続要件を満たす手続またはサービスを案内する手続案内部53と
を備え、
提示部51は、確定されていない第3の命題に対応する設問を提示する(ステップS23,24)。
このように、複数の手続またはサービスを利用するための命題を問う設問を順番に提示し、提示した設問に対する回答を受けて、他の設問に対応する命題を確定し、確定された命題に対応する設問または選択肢を提示されないようにしたので、質問のシナリオの進行が枝分かれするツリー構造を構築することなく、かつツリー構造と同様に効率的な設問提示を行うことができる。
【0072】
また上述したように、案内システム管理サーバ11は、
第1の命題と第2の命題の対応情報(命題確定対応情報T3)を記憶する記憶部33をさらに有し、
命題確定部52は、記憶部33に記憶されている対応情報に基づいて、前記第2の命題を確定する(ステップS24)。
このようにすることで、提示された設問に対応する命題を確定するとともに、その回答により確定する命題をさらに確定することができる。
【0073】
上述したように、設問が列記され、列記された設問のうち、所定の回答により所定の手続きの該当基準を満たさなくなる命題に対応する設問からその所定の回答が分岐された設問確認情報を生成することができる。
このようにすることにより、サービス提供者は、提示される設問が、手続の該当基準に対応していることを、容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0074】
1…案内システム、 11…案内システム管理サーバ、 12…ネットワーク、 13…端末装置、 14…端末装置、 31…入力部、 32…制御部、 33…記憶部、 34…出力部、 41…設問群生成処理部、 42…手続案内処理部、 43…設問確認情報生成部、 51…提示部、 52…命題確定部、 53…手続案内部
図1
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