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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118909
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】建設機械の旋回フレーム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/08 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
E02F9/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025489
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(72)【発明者】
【氏名】見浪 勇人
(57)【要約】
【課題】従来よりも剛性が高められた旋回フレームを提供する。
【解決手段】建設機械1の旋回フレーム4は、幅方向に延びる第1横板16と、前後方向に延び、かつ、後端部が第1横板における幅方向中途部に固定された第1縦板18と、前後方向に延び、かつ、前後方向中途部が第1横板の右端部に固定された第2縦板19と、前後方向に延び、かつ、前後方向中途部が第1横板の左端部に固定された第3縦板20と、幅方向に延び、かつ、幅方向中途部が第3縦板20の前端部に固定されるとともに、右端部が第1縦板18における前後方向中途部に固定された第2ビーム26と、を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の旋回フレームであって、
幅方向に延びる第1横部材と、
前後方向に延び、かつ、後端部が前記第1横部材における幅方向中途部に固定された第1縦部材と、
前後方向に延び、かつ、前後方向中途部が前記第1横部材の幅方向一端部に固定された第2縦部材と、
前後方向に延び、かつ、前後方向中途部が前記第1横部材の幅方向他端部に固定された第3縦部材と、
幅方向に延び、かつ、幅方向中途部が前記第3縦部材の前端部に固定されるとともに、幅方向一端部が前記第1縦部材における前後方向中途部に固定された第2横部材と、
を有することを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
前記第1縦部材及び前記第2縦部材の前側領域に設けられた作業アタッチメント支持部と、
前記第2縦部材及び前記第3縦部材の後側領域に設けられたカウンタウエイト支持部と、
前記第3縦部材における前記カウンタウエイト支持部よりも前側に設けられた第1被搭載物支持部と、
を更に有することを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
前記第2横部材は、キャブを支持するように構成されていることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
第2横部材は、上下方向に延びる後面部と、前記後面部の上端から前側に連続して延びる平面部と、を含み、
前記第3縦部材の前端部は、前記後面部及び前記平面部に固定されていることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項5】
請求項4に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
前記後面部及び前記平面部における前記第3縦部材と固定された部分の反対側の部分には、第1補強部材が取り付けられていることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項6】
請求項3に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
前記キャブには、油圧機器が備えられ、
前記第2縦部材における第3縦部材側の位置には補機が配設される一方、前記第2縦部材における反第3縦部材側の位置には油圧制御機構が配設され、
前記第1縦部材、第2縦部材及び第3縦部材における前記第1横部材と前記第2横部材との間に対応する部分には、貫通孔又は切り欠きが設けられ、
前記貫通孔又は切り欠きには、前記油圧機器と油圧制御機構とを連絡する油圧管が挿通されていることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
前記第3縦部材における前記第1縦部材とは反対側の位置において前後方向に延びる第4縦部材と、
厚み方向が上下方向に延びる姿勢で前記第2横部材と前記第4縦部材とに固定され、かつ、第2被搭載物を下方から支持可能な支持板と、
を備えることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項8】
請求項7に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
前記第3縦部材と、前記第4縦部材と、前記支持板の下面とに固定された第2補強部材を備えていることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項9】
請求項8に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
前記第2補強部材は、板状をなすとともに、その厚み方向が前後方向に延びる姿勢で配設されており、
前記第2補強部材の下面には、厚み方向が上下方向に延びる姿勢の底板が固定されていることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項10】
請求項9に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
直方体状をなし、かつ、前記支持板の下面と前記第2補強部材とに固定された第1ブロックを備えていることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【請求項11】
請求項10に記載の建設機械の旋回フレームにおいて、
直方体状をなすとともに、前記支持板の下面に固定された第2ブロックを備え、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックは、上下方向寸法が同一に設定され、かつ、前記第2被搭載物を前記支持板上に固定するための固定部材が挿通可能な上下方向に延びる挿通孔が設けられていることを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ショベル等の建設機械における上部旋回体に備えられた旋回フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ショベル等の建設機械には、下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に設けられるともに旋回フレームを有する上部旋回体とが備えられている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている建設機械の旋回フレームには、幅方向に延びる第1横部材と、前後方向に延び、かつ、後端部が前記第1横部材における幅方向の中途部に固定された第1縦部材と、前後方向に延び、かつ、前後方向中途部が前記第1横部材の幅方向一端部に固定された第2縦部材と、前後方向に延び、かつ、前後方向中途部が前記第1横部材の幅方向他端部に固定された第3縦部材と、が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-129522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建設機械の旋回フレームには、上部旋回体を構成する部材が支持されているが、該部材の重量や配置によっては、例えば、旋回フレームにおける第3縦部材の剛性が不足する場合がある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来よりも剛性が高められた旋回フレームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、第3縦部材を第1横部材及び第2横部材に固定したことを特徴とする。
【0008】
具体的には、建設機械の旋回フレームを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、第1の発明では、幅方向に延びる第1横部材と、前後方向に延び、かつ、後端部が前記第1横部材における幅方向中途部に固定された第1縦部材と、前後方向に延び、かつ、前後方向中途部が前記第1横部材の幅方向一端部に固定された第2縦部材と、前後方向に延び、かつ、前後方向中途部が前記第1横部材の幅方向他端部に固定された第3縦部材と、幅方向に延び、かつ、幅方向中途部が前記第3縦部材の前端部に固定されるとともに、幅方向一端部が前記第1縦部材における前後方向中途部に固定された第2横部材と、を有することを特徴とする。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、前記第1縦部材及び前記第2縦部材の前側領域に設けられた作業アタッチメント支持部と、前記第2縦部材及び前記第3縦部材の後側領域に設けられたカウンタウエイト支持部と、前記第3縦部材における前記カウンタウエイト支持部よりも前側に設けられた第1被搭載物支持部と、を更に有することを特徴とする。
【0011】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記第2横部材は、キャブを支持するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
第4の発明では、第1又は第2の発明において、第2横部材は、上下方向に延びる後面部と、前記後面部の上端から前側に連続して延びる平面部と、を含み、前記第3縦部材の前端部は、前記後面部及び前記平面部に固定されていることを特徴とする。
【0013】
第5の発明では、第4の発明において、前記後面部及び前記平面部における前記第3縦部材と固定された部分の反対側の部分には、第1補強部材が取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
第6の発明では、第3の発明において、前記キャブには、油圧機器が備えられ、前記第2縦部材における第3縦部材側の位置には補機が配設される一方、前記第2縦部材における反第3縦部材側の位置には油圧制御機構が配設され、前記第1縦部材、第2縦部材及び第3縦部材における前記第1横部材と前記第2横部材との間に対応する部分には、貫通孔又は切り欠きが設けられ、前記貫通孔又は切り欠きには、前記油圧機器と油圧制御機構とを連絡する油圧管が挿通されていることを特徴とする。
【0015】
第7の発明では、第1又は第2の発明において、前記第3縦部材における前記第1縦部材とは反対側の位置において前後方向に延びる第4縦部材と、厚み方向が上下方向に延びる姿勢で前記第2横部材と前記第4縦部材とに固定され、かつ、第2被搭載物を下方から支持可能な支持板と、を備えることを特徴とする。
【0016】
第8の発明では、第7の発明において、前記第3縦部材と、前記第4縦部材と、前記支持板の下面とに固定された第2補強部材を備えていることを特徴とする。
【0017】
第9の発明では、第8の発明において、前記第2補強部材は、板状をなすとともに、その厚み方向が前後方向に延びる姿勢で配設されており、前記第2補強部材の下面には、厚み方向が上下方向に延びる姿勢の底板が固定されていることを特徴とする。
【0018】
第10の発明では、第9の発明において、直方体状をなし、かつ、前記支持板の下面と前記第2補強部材とに固定された第1ブロックを備えていることを特徴とする。
【0019】
第11の発明では、第10の発明において、直方体状をなすとともに、前記支持板の下面に固定された第2ブロックを備え、前記第1ブロック及び前記第2ブロックは、上下方向寸法が同一に設定され、かつ、前記第2被搭載物を前記支持板上に固定するための固定部材が挿通可能な上下方向に延びる挿通孔が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1の発明では、第1横部材と第2横部材とを介して第3縦部材が第1縦部材に間接的に連結されるようになるので、第1横部材のみを介して第3縦部材が第1縦部材に間接的に連結される場合に比べて、第3縦部材の剛性が高くなる。これにより、旋回フレームの剛性を従来よりも高めることができる。
【0021】
第2の発明では、作業アタッチメントによる荷重が作業アタッチメント支持部から第1縦部材及び第2縦部材に入力されるとともに、カウンタウエイトによる荷重がカウンタウエイト支持部から第2縦部材及び第3縦部材に入力されることにより、例えば、第3縦部材にねじりモーメントが作用するが、第3縦部材が第1横部材と第2横部材とを介して第1縦部材に間接的に連結されているので、上記ねじりモーメントによって第3縦部材が変形するのを抑制することが可能となる。これにより、第3縦部材に支持されている第1被搭載物が傾いてしまうのを抑えることができる。
【0022】
第3の発明では、キャブを支持する比較的剛性の高い第2横部材に第3縦部材が固定されるようになるので、該第3縦部材の変形を一層抑えることができる。また、キャブを支持する第2横部材を第3縦部材を補強する横部材として利用することで、別途、横部材を備えることによるコスト上昇や重量アップを抑制することができる。
【0023】
第4の発明では、第2横部材の後面部及び平面部に第3縦部材の前端部が固定されることにより、該第3縦部材の断面係数が大きくなる。該断面係数が大きくなると、第3縦部材の剛性が高くなるので、例えば、第3縦部材が第2横部材の後面部のみに固定される場合に比べて、第3縦部材の変形を抑えることができる。
【0024】
第5の発明では、後面部及び平面部における第3縦部材と固定された部分の反対側の部分に第1補強部材が取り付けられることで、第2横部材の断面係数が大きくなる。該断面係数が大きくなると、該第2横部材の剛性が高くなるので、その変形を抑えることが可能となる。これにより、第2横部材に固定された第3縦部材の変形をより一層抑えることができる。
【0025】
第6の発明では、油圧機器と油圧制御機構とを連絡する油圧管が貫通孔又は切り欠きに挿通されるようになる。これにより、例えば、第1被搭載物に取り付けられた補機のメンテンナンス作業時に油圧管が作業の邪魔になるのを抑制することができる。
【0026】
第7の発明では、支持板が第2横部材と第4縦部材とに固定されるようになるので、例えば、支持板が第2横部材のみに固定される場合に比べて、支持板が第2被搭載物の重量により変形するのを抑えることができる。
【0027】
第8の発明では、支持板が第2補強部材を介して第3縦部材にも連結されるようになる。これにより、第2被搭載物を下方から支持する支持板が第2横部材、第3縦部材及び第4縦部材で支えられるようになるので、第2被搭載物の重量により支持板が変形するのをより一層抑えることができる。
【0028】
第9の発明では、第2補強部材の下面に底板が固定されることにより、底板が固定された第2補強部材及び第2補強部材が固定された支持板の断面係数が大きくなる。これにより、第2被搭載物の重量による支持板の変形を抑えることができる。
【0029】
第10の発明では、第1ブロックが支持板と第2補強部材とに固定されることにより、支持板の断面係数が大きくなる。これにより、第2被搭載物の重量による支持板の変形をより一層抑えることができる。
【0030】
第11の発明では、第1ブロック及び第2ブロックの上下方向寸法が同一に設定されているので、各ブロックの挿通孔に挿通される固定部材の共通化を図ることが可能となる。これにより、誤った固定部材を用いて支持板上に第2被搭載物を固定しまう事態が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態に係る旋回フレームを備えた建設機械を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る旋回フレームを示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る旋回フレームを示す平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る旋回フレームの要部を示す拡大斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る旋回フレームの要部を示す拡大平面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る旋回フレームの要部を斜め下方から視た拡大図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る旋回フレームに油圧制御機構及び油圧管が備えられた状態を示す斜視図である。
図8】油圧制御機構及びその周辺を示す図である。
図9】変形例に係る図4相当図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る旋回フレームを示す斜視図である。
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0033】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る建設機械1(例えば、油圧ショベル)を示す。該建設機械1には、クローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上を旋回可能に設けられた上部旋回体3とが備えられている。なお、図1では、便宜上、上部旋回体3の後領域を覆うガード部品を省略している。また、特許請求の範囲における「幅方向」は、第1実施形態における「左右方向」に対応する。さらに、第1及び第2実施形態において、「固定」とは、溶接による固定、及び、固定部材(例えば、ボルト等)による固定を含むものとする。
【0034】
上部旋回体3は、図示しない旋回ベアリングを介して下部走行体2に旋回可能に支持された旋回フレーム4を備えている。
【0035】
旋回フレーム4の左前領域には、キャブ5が配設されている。該キャブ5の内部には、図示しない運転席が設けられ、該運転席の周辺には、建設機械1の運転操作等を行うための操作機器や各種計器が備えられている。
【0036】
キャブ5の後方、つまり、旋回フレーム4における左後領域には、略四角柱状をなすとともに、作動油を貯留可能な作動油タンク6が配設されている。
【0037】
作動油タンク6の右後方、つまり、旋回フレーム4における中央後領域には、建設機械1の動力源として機能するエンジン7(第1被搭載物)が配設されている。該エンジン7の出力軸は、図示しないオイルポンプを回転駆動するよう構成されている。
【0038】
エンジン7の右方、つまり、旋回フレーム4における右後領域には、エンジン7の冷却水を冷却するのに用いられるラジエータ8が配設されている。
【0039】
作動油タンク6、エンジン7及びラジエータ8の後方、つまり、旋回フレーム4における後領域には、左右方向に延在するカウンタウエイト9が配設されている。
【0040】
ラジエータ8の前方、つまり、旋回フレーム4における右前領域には、略四角柱状をなすとともに、エンジン7に供給される燃料を貯留する燃料タンク10が配設されている。
【0041】
左右方向においてキャブ5と燃料タンク10との間、つまり、旋回フレーム4における中央前領域には、例えば、掘削作業を行うための作業アタッチメント11が取り付けられている。該作業アタッチメント11は、ブーム11aと、該ブーム11aの先端に取り付けられたアーム(図示しない)と、該アームの先端に取り付けられたバケット(図示しない)と、ブーム11a、アーム及びバケットにそれぞれ設けられた油圧シリンダ(図示しない)と、を備えており、該油圧シリンダを伸縮動作させることで、ブーム11a、アーム及びバケットを起伏自在に動かすことが可能となっている。
【0042】
次に、図2及び図3を用いて、旋回フレーム4の構成について説明する。
【0043】
旋回フレーム4は、図2に示すように、左右方向の中央領域に前後方向に亘って設けられたセンターセクション12と、該センターセクション12の左側に設けられた左サイドデッキ13と、センターセクション12の右側に設けられた右サイドデッキ14とを備えている。
【0044】
センターセクション12は、底板15、第1横板16、第2横板17、第1縦板18、第2縦板19及び第3縦板20を備えている。底板15は、その厚み方向が略上下方向を向く姿勢で配設されている。該底板15上には、第1横板16、第2横板17、第1縦板18、第2縦板19及び第3縦板20が立設され、各下面が底板15の上面に固定されている。
【0045】
第1横板16及び第2横板17の各々は、略矩形板状をなし、かつ、その厚み方向が前後方向に略一致するとともに、長手方向が左右方向に延びるよう配設されている。
【0046】
第2横板17は、第1横板16の後方において該第1横板16と略平行となるよう配設され、第2横板17の左端及び右端の各位置は、第1横板16と略一致している。
【0047】
第1縦板18、第2縦板19及び第3縦板20は、それぞれの長手方向が前後方向に延び、かつ、厚み方向が左右方向に略一致する姿勢で配設されている。
【0048】
第1縦板18は、左右方向視で略山型形状をなし、上端が後方側に行くに従って下方に位置するように形成されている。また、第1縦板18の後端部は、第1横板16の左右方向中途部に固定されている。
【0049】
第2縦板19は、第1縦板18の右方において該第1縦板18と略平行となるように配設され、前後方向中途部が第1横板16の右端に固定されている。また、第2縦板19は、その前側部分が第1縦板18と左右対称の略山型形状をなしている。さらに、第2縦板19の前端は、第1縦板18の前端と略一致するともに、第2縦板19の後端は、第1縦板18の後端よりも後方の位置に設けられている。つまり、第2縦板19は、その長手方向寸法、つまり、前後方向寸法が第1縦板18よりも大きくなっている。
【0050】
第3縦板20は、第1縦板18の左方において該第1縦板18と略平行となるように配設されている。換言すると、第3縦板20は、左右方向において第1縦板18の反対側の位置に配設されている。また、第3縦板20における前後方向中途部が第1横板16の左端に固定されている。
【0051】
さらに、第3縦板20の前端は、第1縦板18及び第2縦板19の前端よりも後方の位置に設けられている。さらに、第3縦板20の後端は、第1縦板18の後端よりも後方の位置であって、第2縦板19の後端と略一致するように構成されている。
【0052】
第1縦板18及び第2縦板19の前側領域には、作業アタッチメント11(図1参照)を支持するための作業アタッチメント支持部21が設けられている。該作業アタッチメント支持部21は、第1縦板18と第2縦板19とを連結するように設けられている。
【0053】
第2縦板19及び第3縦板20の後側領域には、カウンタウエイト9(図1参照)を支持するための左右一対のカウンタウエイト支持部22が設けられている。
【0054】
第3縦板20におけるカウンタウエイト支持部22よりも前側、第1横板16及び第2横板17には、エンジン7(図1参照)を支持するためのエンジン支持部23が設けられている。
【0055】
左サイドデッキ13には、図2及び図3に示すように、左外枠24と、第1縦板18から左方に張り出した第1ビーム25及び第2ビーム26と、が備えられている。
【0056】
左外枠24は、左右方向に延びる左前側梁24aと、前後方向に延びる左外側梁24b及び内側梁24cとを備えている。左前側梁24aの左端は、左外側梁24bの前端と固定されるとともに、左前側梁24aの右端は、内側梁24cの前端と固定されている。左外側梁24bは、第3縦板20における第1縦板18とは左右方向反対側の位置において前後方向に延びており、その後端が左右方向に延びる第1連結梁27を介して第3縦板20に連結されている。
【0057】
第1ビーム25は、左外枠24の左前側梁24aの後方において、その長手方向が左右方向に延びるよう配設されている。また、第1ビーム25の左端は、左外側梁24bに固定されている一方、第1ビーム25の右端は、第1縦板18に固定されている。また、第1ビーム25は、内側梁24cの後端に固定されている。
【0058】
第2ビーム26は、第1ビーム25の後方において、その長手方向が左右方向に延びるように配設されている。つまり、第2ビーム26は、第1ビーム25と略平行となるよう配設されている。また、第2ビーム26の左端は、左外側梁24bに固定されている一方、第2ビーム26の右端は、第1縦板18に固定されている。さらに、第2ビーム26の左右方向中途部は、第3縦板20の前端に固定されている。
【0059】
左前側梁24aと左外側梁24bとの固定位置における隅部、及び、左前側梁24aと内側梁24cとの固定位置における隅部には、前側キャブ支持部28aが設けられている。また、第2ビーム26には、左右一対の後側キャブ支持部28bが設けられている。そして、キャブ5(図1参照)は、その前側下部が前側キャブ支持部28aによって下方から支持されるともに、後側下部が後側キャブ支持部28bによって下方から支持されている。
【0060】
右サイドデッキ14には、図2及び図3に示すように、右外枠29と、第2縦板19から右方に張り出した第3ビーム30、第4ビーム31及び第5ビーム32と、が備えられている。
【0061】
右外枠29は、左右方向に延びる右前側梁29aと、前後方向に延びる右外側梁29bとを備えている。右前側梁29aの左端は、第2縦板19に固定される一方、右前側梁29aの右端は、右外側梁29bの前端に固定されている。該右外側梁29bは、第2縦板19における第1縦板18とは左右方向反対側の位置において前後方向に延びており、その後端が左右方向に延びる第2連結梁33を介して第2縦板19に連結されている。
【0062】
第3ビーム30、第4ビーム31及び第5ビーム32は、長手方向が左右方向に延びる姿勢において前後方向に沿って並設されている。また、第3ビーム30、第4ビーム31及び第5ビーム32は、各左端が第2縦板19に固定される一方、各右端が右外側梁29bに固定されている。第1実施形態では、第1横板16の前方、かつ、第2ビーム26と第4ビーム31との左右方向間には、左右方向に延びる第3横板34が配設されている。つまり、第2ビーム26、第4ビーム31及び第3横板34が左右方向に並ぶように配設されている。また、第3横板34の左端は、第1縦板18に固定される一方、第3横板34の右端が、第2縦板19に固定されている。
【0063】
次に、図4図6を用いて、旋回フレーム4における左後領域の詳細構造について説明する。
【0064】
第2ビーム26は、図4に示すように、左右方向に延びるとともに、下方に開口する断面略コ字状をなしている。また、第2ビーム26は、上下方向に延びる後面部26aと、該後面部26aの上端から前側に連続して延びる平面部26bと、該平面部26bの前端から下方に連続して延びる前面部26cと、を備えている。
【0065】
第3縦板20の前端部は、後面部26a及び平面部26bの表面に沿う形状をなしている。これにより、第3縦板20の前端部が、後面部26aのみではなく、後面部26a及び平面部26bに固定されるようになっている。
【0066】
ここで、第1縦板18と第3縦板20とに分割された構造であって、互いに左右方向にオフセットして配置されているため、作業アタッチメント11の起伏動作による該作業アタッチメント11の荷重が作業アタッチメント支持部21から第1縦板18及び第2縦板19の前側領域に入力されるとともに、カウンタウエイト9の荷重がカウンタウエイト支持部22から第2縦板19及び第3縦板20の後側領域に入力されると、例えば、第3縦板20にねじりモーメントが作用するようになる。これに対して、第1実施形態では、第2縦板19は、第1横板16を介して第1縦板18の後端に間接的に連結されているとともに、第2ビーム26を介して第1縦板18の前後方向中途部に間接的に連結されているため、剛性が高められているので、上記ねじりモーメントが第3縦板20に作用した場合であっても、該第3縦板20がねじれるように変形するのを抑制することが可能となっている。
【0067】
また、後面部26a及び平面部26bにおける第3縦板20の前端部が固定された部分の反対側の部分には、第1補強部材35が取り付けられている。該第1補強部材35は、略矩形板状をなし、かつ、その後面が後面部26aの裏面、上面が平面部26bの裏面及び前面が前面部26cの裏面にそれぞれ固定されるようになっている。また、第1補強部材35は、第3縦板20と前後方向に並ぶように配設されている。
【0068】
左右方向において第3縦板20における第1縦板18とは反対側の位置、つまり、第3縦板20の左方の位置には、作動油タンク6を下方から支持可能な支持板36が配設されている。より詳細に説明すると、支持板36は、第2ビーム26と左外側梁24bの固定位置における隅部に配設されており、支持板36の前端が第2ビーム26の後面部26aに固定されるとともに、支持板36の左端が左外側梁24bに固定されるようになっている。また、支持板36は、その厚み方向が上下方向と略一致する姿勢で配設され、かつ、平面視において後側部分が左右方向において左側に位置する左後端部36aと、左右方向において右側に位置する右後端部36bとに二股状に分岐するよう構成されている。さらに、左後端部36aと右後端部36bとの左右方向間には、図6に示すように、作動油タンク6の下面の中央部分に接続された配管6aが配設されている。これにより、支持板36の後側部分と配管6aとが干渉するのを抑制している。
【0069】
支持板36の後側部分の下方には、左右方向に延びる第2補強部材37が配設されている。該第2補強部材37は、略板状をなし、その厚み方向が前後方向と略一致する姿勢で配設されている。また、第2補強部材37は、その左端が左外側梁24bに固定されている。さらに、第2補強部材37は、その上端が支持板36の下面に固定されるとともに、右端が第3縦板20に固定されている。また、第2補強部材37における配管6aに対応する部分は、図6に示すように、下方に凹となる凹部37aが設けられている。これにより、第2補強部材37と配管6aとが干渉するのを抑制している。
【0070】
第2補強部材37の下方には、左右方向に延びる補強用底板38が配設されている。該補強用底板38は、略矩形板状をなし、その厚み方向が上下方向に延びる姿勢で配設されている。また、補強用底板38は、その左端が左外側梁24bに固定されている。さらに、補強用底板38の上面部分が第2補強部材37の下端(下面)に固定されている。
【0071】
第2補強部材37の後方には、略直方体状をなす左右一対の第1ブロック39が配設されている。該第1ブロック39は、左後ブロック39aと右後ブロック39bとを備えている。左後ブロック39aの上面が支持板36の左後端部36aの下面に固定されるとともに、左後ブロック39aの前面が第2補強部材37の後面に固定されている。また、右後ブロック39bの上面が支持板36の右後端部36bの下面に固定されるとともに、右後ブロック39bの前面が第2補強部材37の後面に固定されている。
【0072】
第2補強部材37の前方には、略直方体状をなす左右一対の第2ブロック40が配設されている。該第2ブロック40は、左前ブロック40aと右前ブロック40bとを備えている。左前ブロック40aは、左後ブロック39aの前方であって、該左後ブロック39aと前後方向に重なる位置に配設されている。また、右前ブロック40bは、右後ブロック39bの前方であって、該右後ブロック39bと前後方向に重なる位置に配設されている。左前ブロック40a及び右前ブロック40bの各上面は、支持板36の下面に固定されている。
【0073】
第1ブロック39及び第2ブロック40は、作動油タンク6を支持板36上に固定するための固定部材41が挿通可能な上下方向に延びる第1挿通孔(図示しない)が設けられている。支持板36における上記第1挿通孔に対応する位置には、厚み方向に貫通する第2挿通孔36cが設けられている。そして、支持板36に作動油タンク6を載置した状態において、第1ブロック39及び第2ブロック40の各第1挿通孔及び第2挿通孔36cに下方から固定部材41を挿入し、例えば、先端部分に螺子山が設けられた固定部材41を作動油タンク6の下部に設けられた螺子孔にねじ込むことにより、作動油タンク6が支持板36に固定されるようになっている。
【0074】
また、第1ブロック39及び第2ブロック40は、上下方向寸法が略同一に設定されることで、上記第1挿通孔の長さが略同一となっている。これにより、固定部材41の長さを略同一にすることが可能となるので、同サイズ(同種類)の固定部材41を用いて、作動油タンク6を支持板36に固定することができる。
【0075】
次に、図7及び図8を用いて、旋回フレーム4に備えられる油圧系部品及びエンジン7の前面に取り付けられる補機について説明する。
【0076】
旋回フレーム4には、図7に示すように、油圧制御機構42及び油圧管43が取り付けられている。油圧制御機構42は、エンジン7により回転駆動される図示しないオイルポンプが生成した油圧が入力されるようになっている。また、油圧制御機構42は、油圧管43を介して図示しない油圧機器に接続されている。該油圧機器は、例えば、キャブ5に備えられたコントロールレバー、作業アタッチメント11に備えられた油圧シリンダ、上部旋回体3の旋回動作に用いられる旋回モータ、及び、下部走行体2のクローラの駆動に用いられる走行モータである。
【0077】
第1縦板18、第2縦板19及び第3縦板20における第1横板16と第2ビーム26との間に対応する部分には、それぞれ貫通孔44が設けられている。3つの貫通孔44は、左右方向において重なるよう形成されている。また、各貫通孔44には、油圧管43が挿通されている。これにより、油圧管43を底板15に沿って配設することが可能となる。第1実施形態では、油圧管43は、複数の油圧ホースが結束された状態で各貫通孔44に挿通されている。
【0078】
エンジン7の前面には、図8に示すように、オルタネータ45及びエアコンコンプレッサ46が取り付けられている。オルタネータ45及びエアコンコンプレッサ46は、左右方向において第2縦板19における左方の位置、つまり、第2縦板19における第1縦板18側(第3縦板20側)の位置に配設されている。一方、油圧制御機構42は、左右方向において第2縦板19における右方の位置、つまり、第2縦板19における反第1縦板18側(反第3縦板20側)の位置に配設されている。第1実施形態では、油圧管43は、オルタネータ45及びエアコンコンプレッサ46を避けた位置、つまり、オルタネータ45及びエアコンコンプレッサ46よりも下方の位置に配設されているので、オルタネータ45及びエアコンコンプレッサ46のメンテナンス作業等の際に油圧管43が邪魔になるのを抑制することが可能となる。
【0079】
以上より、第1実施形態によれば、第1横板16と第2ビーム26とを介して第3縦板20が第1縦板18に間接的に連結されるようになるので、第1横板16のみを介して第3縦板20が第1縦板18に間接的に連結される場合に比べて、第3縦板20の剛性が高くなる。これにより、旋回フレーム4の剛性を従来よりも高めることができる。
【0080】
また、作業アタッチメント11による荷重が作業アタッチメント支持部21から第1縦板18及び第2縦板19に入力されるとともに、カウンタウエイト9による荷重がカウンタウエイト支持部22から第2縦板19及び第3縦板20に入力されることにより、例えば、第3縦板20にねじりモーメントが作用するが、第3縦板20が第1横板16と第2ビーム26とを介して第1縦板18に間接的に連結されているので、上記ねじりモーメントによって第3縦板20が変形するのを抑制することが可能となる。これにより、第3縦板20に支持されているエンジン7が傾いてしまうのを抑えることができる。
【0081】
また、キャブ5を支持する比較的剛性の高い第2ビーム26に第3縦板20が固定されるようになるので、該第3縦板20の変形を一層抑えることができる。また、キャブ5を支持する第2ビーム26を第3縦板20を補強する横部材として利用することで、別途、横部材を備えることによるコスト上昇や重量アップを抑制することができる。
【0082】
また、第2ビーム26の後面部26a及び平面部26bに第3縦板20の前端部が固定されることにより、該第3縦板20の断面係数が大きくなる。該断面係数が大きくなると、第3縦板20の剛性が高くなるので、例えば、第3縦板20が第2ビーム26の後面部26aのみに固定される場合に比べて、第3縦板20の変形を抑えることができる。
【0083】
また、後面部26a及び平面部26bにおける第3縦板20と固定された部分の反対側の部分に第1補強部材35が取り付けられることで、第2ビーム26の断面係数が大きくなる。該断面係数が大きくなると、該第2ビーム26の剛性が高くなるので、その変形を抑えることが可能となる。これにより、第2ビーム26に固定された第3縦板20の変形をより一層抑えることができる。
【0084】
また、図示しない油圧機器と油圧制御機構42とを連絡する油圧管43が貫通孔44に挿通されるようになる。これにより、例えば、エンジン7に取り付けられたオルタネータ45及びエアコンコンプレッサ46のメンテンナンス作業時に油圧管43が作業の邪魔になるのを抑制することができる。
【0085】
また、支持板36が第2ビーム26と左外側梁24bとに固定されるようになるので、例えば、支持板36が第2ビーム26のみに固定される場合に比べて、支持板36が作動油タンク6の重量により変形するのを抑えることができる。
【0086】
また、支持板36が第2補強部材37を介して第3縦板20にも連結されるようになる。これにより、作動油タンク6を下方から支持する支持板36が第2ビーム26、第3縦板20及び左外側梁24bで支えられるようになるので、作動油タンク6の重量により支持板36が変形するのをより一層抑えることができる。
【0087】
また、第2補強部材37の下面に補強用底板38が固定されることにより、補強用底板38が固定された第2補強部材37及び第2補強部材37が固定された支持板36の断面係数が大きくなる。これにより、作動油タンク6の重量による支持板36の変形を抑えることができる。
【0088】
また、第1ブロック39が支持板36と第2補強部材37とに固定されることにより、支持板36の断面係数が大きくなる。これにより、作動油タンク6の重量による支持板36の変形をより一層抑えることができる。
【0089】
また、第1ブロック39及び第2ブロック40の上下方向寸法が同一に設定されているので、各ブロックの挿通孔に挿通される固定部材41の共通化を図ることが可能となる。これにより、誤った固定部材を用いて支持板36上に作動油タンク6を固定しまう事態が発生するのを抑制することができる。
【0090】
また、第3縦板20が支持するエンジン7及びカウンタウエイト9の荷重を第1横板16だけではなく第2ビーム26にも伝達させることで、第1横板16に発生する応力を低減することができる。
【0091】
また、第1縦板18と第3縦板20とに分割するとともに、第3縦板20を第1縦板18から左右方向にオフセットして配置していることで、第3縦板20とエンジン7の下面との干渉を回避しつつエンジン7の上下方向の搭載位置を低くすることが可能となるので、次の4つの効果が得られる。1つ目の効果は、エンジン7の重心位置を低くすることができるため、モーメントの距離が短くなり、旋回フレーム4の強度上有利になる。2つ目の効果は、エンジン7を保護するためのガード部品の高さを低くすることができるため、ガード部品の軽量化及びコストダウンを図ることができ、さらに、キャブ5内の後方視界性を向上させることができる。3つ目の効果は、エンジン7の後面に取り付けられるフィルタ等のメンテナンス部品が設置されている位置が低くなることで、地上からのメンテナンス部品へのアクセス性を向上させることができる。4つ目の効果は、建設機械1全体の重心を低くすることができるため、建設機械1の動安定性上有利となる。
【0092】
<第1実施形態の変形例>
なお、第1実施形態では、第3縦板20におけるカウンタウエイト支持部22よりも前側、第1横板16及び第2横板17には、エンジン7を支持するためのエンジン支持部23が設けられていたが、エンジン支持部23の代わりに、他の被搭載物を支持する支持部を設け、該支持部にエンジン7以外の被搭載物(例えば、オイルポンプ駆動用の電気モータ、電気モータ駆動用のバッテリなど)を搭載してもよい。
【0093】
また、第1実施形態では、第3縦板20の前端部は、第2ビーム26の後面部26a及び平面部26bに固定されていたが、図9に示すように、第3縦板20の前端部を第2ビーム26の後面部26aに固定する一方、平面部26bに固定しないようにしてもよい。
【0094】
また、第1実施形態では、第1縦板18、第2縦板19及び第3縦板20における第1横板16と第2ビーム26との間に対応する部分には、貫通孔44が設けられていたが、貫通孔44の代わりに、油圧管43を挿通させることが可能な切り欠きを設けてもよい。
【0095】
また、第1実施形態では、下方に開口する断面略コ字状をなしていたが、断面略コ字状以外の構造(例えば、断面略ロ字状、板状など)であってもよい。
【0096】
また、第1実施形態では、支持板36は、作動油タンク6が支持するように構成されていたが、作動油タンク6以外の被搭載物を支持するように構成してもよい。
【0097】
<第2実施形態>
次に、図10を用いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態について第1実施形態と共通する部分は、説明を省略する。
【0098】
第1実施形態では、第2横板17が底板15の後端に設けられていたが、第2実施形態では、第2横板17が底板15の後端よりも前方の位置に設けられている。
【0099】
また、第1実施形態では、第1連結梁27、左外枠29、第3ビーム30、第4ビーム31、第5ビーム32、第2連結梁33、第3横板34、支持板36、第2補強部材37及び補強用底板38等が設けられていたが、第2実施形態では、これらは設けられていない。
【0100】
また、第1実施形態では、第2ビーム26が設けられていたが、第2実施形態では、第2ビーム26に代えて、左側支持部材47aと右側支持部材47bとを有する左右一対の支持部材47と、左右方向に延びる第4横板48とが設けられている。左側支持部材47a及び右側支持部材47bは、下方に開口する断面略コ字状をなし、かつ、上側部分に後側キャブ支持部28bが設けられている。左側支持部材47aの左端が左外側梁24bに固定されているとともに、左側支持部材47aの右端が第4横板48に固定されている。また、右側支持部材47bの左端が第4横板48に固定されているとともに、右側支持部材47bの右端が第1縦板18に固定されている。
【0101】
第4横板48の下面は、底板15に固定されている。また、第4横板48の後面における左右方向中途部が第3縦板20の前端部に固定されている。これにより、第3縦板20は、第1横板16を介して第1縦板18に間接的に連結されているとともに、第4横板48及び右側支持部材47bを介して第1縦板18に間接的に連結されている。したがって、第1縦板18が第1横板16のみを介して第1縦板18に間接的に連結されている従来よりも第1縦板18の剛性を高めることができる。
【0102】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態では、第1実施形態における第2ビーム26に代えて、左側支持部材47aと右側支持部材47bとを有する左右一対の支持部材47と、左右方向に延びる第4横板48とが設けられており、左側支持部材47a及び右側支持部材47bは、断面略コ字状をなしていたが、左側支持部材47a及び右側支持部材47bを断面略コ字状以外の構造(例えば、断面略ロ字状、板状など)にしてもよい。
【0103】
<第1実施形態及び第2実施形態の変形例>
第1実施形態及び第2実施形態では、建設機械1として油圧ショベルの例について説明したが、油圧ショベル以外の建設機械に第1実施形態及び第2実施形態に係る旋回フレーム4を適用してもよい。
【0104】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、第1横板16、第1縦板18、第2縦板19及び第3縦板20は板状をなしていたが、板状以外の構造(例えば、断面略コ字状、断面略ロ字状など)であってもよい。
【0105】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、作業アタッチメント支持部21、カウンタウエイト支持部22及びエンジン支持部23が設けられていたが、これらの少なくとも1つを省略することも可能である。
【0106】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、補機として、エンジン7の前面にオルタネータ45及びエアコンコンプレッサ46が配設されている例について説明したが、オルタネータ45及びエアコンコンプレッサ46以外の補機(例えば、ウォータポンプ、燃料ポンプなど)が配設されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、例えば、ショベル等の建設機械における上部旋回体に備えられた旋回フレームに適している。
【符号の説明】
【0108】
1 建設機械
4 旋回フレーム
5 キャブ
6 作動油タンク(第2被搭載物)
16 第1横板(第1横部材)
18 第1縦板(第1縦部材)
19 第2縦板(第2縦部材)
20 第3縦板(第3縦部材)
21 作業アタッチメント支持部
22 カウンタウエイト支持部
23 エンジン支持部(第1被搭載物支持部)
24b 左外側梁(第4縦部材)
26 第2ビーム(第2横部材)
26a 後面部
26b 平面部
35 第1補強部材
36 支持板
37 第2補強部材
38 補強用底板(底板)
39 第1ブロック
40 第2ブロック
41 固定部材
42 油圧制御機構
43 油圧管
44 貫通孔
45 オルタネータ(補機)
46 エアコンコンプレッサ(補機)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10