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特開2024-118928情報出力装置、情報出力方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118928
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】情報出力装置、情報出力方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025532
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】中田 真央
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD19
2F129DD20
2F129DD26
2F129DD27
2F129DD29
2F129DD34
2F129DD39
2F129DD45
2F129DD53
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE62
2F129EE81
2F129EE94
2F129EE95
2F129EE96
2F129FF12
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF52
2F129FF59
2F129FF65
2F129FF71
2F129FF72
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH35
(57)【要約】
【課題】 本発明が解決しようとする課題としては、ユーザが違和感を感じることなく、過剰な経路案内を抑制することが一例として挙げられる。
【解決手段】
情報出力装置1は、通行頻度取得部10と道路情報取得部20と出力制御部30とを備えている。通行頻度取得部10は、移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する。道路情報取得部20は、道路区間における、移動体の通行に寄与する道路情報を取得する。出力制御部30は、移動体、又は移動体と共に移動する端末に対して、道路情報を出力させる。出力制御部30は、第1の道路区間における通行頻度情報に応じて、第1の道路区間における道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する通行頻度取得部と、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報であって、前記道路区間の定常的な状態に関する静的道路情報、及び前記道路区間の非定常的な状況に関する動的道路情報を取得する道路情報取得部と、
第1の前記道路区間の前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更しつつ、前記第1の道路区間における前記静的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して出力させる出力制御部と、を備え、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記動的道路情報が示す前記非定常的な状況の現在のレベルが通常のレベル内である場合には、前記第1の道路区間の前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更しつつ、前記第1の道路区間における前記現在の動的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する前記端末に対して出力させ、前記第1の道路区間における、前記動的道路情報が示す前記現在のレベルが前記通常のレベル外である場合には、前記第1の道路区間の前記通行頻度情報に拘わらず、前記第1の道路区間における前記現在の動的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する前記端末に対して出力させる、情報出力装置。
【請求項2】
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する通行頻度取得部と、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得する道路情報取得部と、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させる出力制御部と、を備え、
前記出力制御部は、第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報出力装置において、
前記道路情報は、前記道路区間の非定常的な状況に関する動的道路情報を含み、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報出力装置において、
前記動的道路情報は、前記道路区間の渋滞に関する情報、霧の濃さに関する情報、風の強さに関する情報、温度・湿度に関する情報、及び雨や雪の影響に関する情報の少なくとも1つを含む、情報出力装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報出力装置において、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記通行頻度情報に応じて出力する前記動的道路情報の種類を変更することで、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載の情報出力装置において、
前記第1の道路区間における前記動的道路情報に係る状況が、所定基準を満たすか否かを判断する判断部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記判断部の判断結果をさらに用いて、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報出力装置において、
前記所定基準を満たすか否かは、前記第1の道路区間における前記動的道路情報に係る状況が、前記第1の道路区間における通常のレベルを超えるか否かを含む、情報出力装置。
【請求項8】
請求項6に記載の情報出力装置において、
前記所定基準は、時間帯別、天候別、及び季節別の少なくとも一つごとに定められている、情報出力装置。
【請求項9】
請求項2から5のいずれか1項に記載の情報出力装置において、
前記道路情報は、前記道路区間の定常的な状態に関する静的道路情報を含み、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報出力装置において、
前記静的道路情報は、前記道路区間の路面の形状に関する情報、事故の発生頻度に関する情報、車線の数に関する情報、及びマンホールの位置に関する情報の少なくとも1つを含む、情報出力装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報出力装置において、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記通行頻度情報に応じて出力する前記静的道路情報の種類を変更することで、前記第1の道路区間における前記静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
【請求項12】
請求項2から5のいずれか1項に記載の情報出力装置において、
前記出力制御部は、時間帯に関する情報、天候に関する情報、及び季節に関する情報の少なくとも一つをさらに用いて、前記出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
【請求項13】
情報出力装置を実現するコンピュータが、
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得し、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得し、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させ、
第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力方法。
【請求項14】
情報出力装置を実現するコンピュータに、
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する手順、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得する手順、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させる手順、
第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する手順、を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置、情報出力方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、経路案内を実行しながら乗員の行き慣れた経路を通って目的地へ向かう場合であっても、乗員に不快感を与えないようにする、カーナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-119120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている技術は、案内経路の一部区間又は全区間が乗員の行き慣れた経路などの乗員にとって特別な経路である場合に、当該区間の案内モードとして、経路音声案内簡略・省略モードを選択することができる。
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載されている技術では、ある日突然に音声案内(経路に関する情報提供)の抑制が開始されることになり、ユーザが違和感を感じる場合がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、ドライバが違和感を感じることなく、ドライバへの過剰な情報提供を抑制することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する通行頻度取得部と、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報であって、前記道路区間の定常的な状態に関する静的道路情報、及び前記道路区間の非定常的な状況に関する動的道路情報を取得する道路情報取得部と、
第1の前記道路区間の前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更しつつ、前記第1の道路区間における前記静的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して出力させる出力制御部と、を備え、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記動的道路情報が示す前記非定常的な状況の現在のレベルが通常のレベル内である場合には、前記第1の道路区間の前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更しつつ、前記第1の道路区間における前記現在の動的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する前記端末に対して出力させ、前記第1の道路区間における、前記動的道路情報が示す前記現在のレベルが前記通常のレベル外である場合には、前記第1の道路区間の前記通行頻度情報に拘わらず、前記第1の道路区間における前記現在の動的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する前記端末に対して出力させる、情報出力装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する通行頻度取得部と、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得する道路情報取得部と、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させる出力制御部と、を備え、
前記出力制御部は、第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置である。
【0009】
請求項13に記載の発明は、
情報出力装置を実現するコンピュータが、
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得し、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得し、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させ、
第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力方法である。
【0010】
請求項14に記載の発明は、
情報出力装置を実現するコンピュータに、
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する手順、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得する手順、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させる手順、
第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する手順、を実現させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る情報出力装置の機能を示すブロック図である。
図2】ナビ部に出力された経路情報の一例を示す概略図である。
図3】情報出力装置のハードウエア構成例を示す図である。
図4】通行頻度取得部が通行頻度情報を記憶部に記憶させる際のフロー図である。
図5】出力制御部が道路情報を出力させるまでのフロー図である。
図6】第2実施形態に係る情報出力装置の機能を示すブロック図である。
図7】第2実施形態に係る出力制御部が静的道路情報を出力させるまでのフロー図である。
図8】第2実施形態に係る出力制御部が動的道路情報を出力させるまでのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
なお、以下に示す説明において、各装置の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る情報出力装置1の機能を示すブロック図である。図1を用いて、第1実施形態に係る情報出力装置1について説明する。第1実施形態において、情報出力装置1は移動体の外に設けられている。情報出力装置1は、いわゆるクラウドサーバであってもよい。第1実施形態において、移動体は車両3である。
【0015】
情報出力装置1は、通信ネットワーク101を介して、移動体側装置2(後述する)と通信可能な構成となっている。通信ネットワーク101は例えば、4G又は5G回線での通信を含む。情報出力装置1は、通信ネットワーク101を構成するための車外通信部(図示しない)を含んで構成されている。
【0016】
(移動体側装置2)
移動体側装置2は、車両3の内部にある。第1実施形態において、移動体側装置2は、車両3に搭載されている。移動体側装置2は、車両3の外から車両3の中に持ち込まれてもよい。移動体側装置2は、車両3に取り付けられた車載端末であってもよいし、ドライバが携帯するスマートフォン、及びタブレット等の携帯端末であってもよい。移動体側装置2は、通信ネットワーク101を介して、情報出力装置1と通信可能な構成となっている。移動体側装置2は、通信ネットワーク101を構成するための車外通信部(図示しない)を含んで構成されている。第1実施形態において、移動体側装置2は、車両3と共に移動する端末である。
【0017】
第1実施形態において、移動体側装置2は、音声出力部2a、位置センサ部2b、及びナビ部2cを含んでいる。図示されていないが、移動体側装置2は、ディスプレイを含んでいてもよい。
【0018】
第1実施形態において、音声出力部2aは、スピーカー(図示しない)を含んでいる。第1実施形態において、音声出力部2aは、スピーカーを介して機械音声及び効果音の少なくとも一方を出力する。
【0019】
位置センサ部2bは、移動体の位置情報を、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)により取得する。
【0020】
ナビ部2cは、車両3の搭乗者からの入力により、車両3の目的地の位置に関する目的地情報を取得する。
【0021】
(通行頻度取得部10)
情報出力装置1は、通行頻度取得部10と、道路情報取得部20と、出力制御部30と、案内部40とを備えている。通行頻度取得部10は、通行頻度情報を記憶部4から取得する。第1実施形態において、通行頻度情報は記憶部4に記憶されている。
【0022】
通行頻度情報は、車両3が通行する道路区間11(後述する)ごとの通行頻度に関する情報である。通行頻度情報は、所定期間において、車両3が道路区間11をどのくらいの頻度で通行するかに関する情報(例えば、1週間に2回など)を含んでいる。なお、通行頻度は、「高い」・「中くらい」・「低い」のようにレベル分けされていてもよい。
【0023】
第1実施形態において、通行頻度取得部10は、車両3が道路区間11を通行するたびに、車両3の当該道路区間11における通行履歴を記憶部4に記憶させてもよい。
【0024】
(案内部40)
案内部40は、ナビ部2cが取得した目的地情報、及び位置センサ部2bが取得した車両3の位置情報を用いて、車両3の現在地から車両3の目的地までの経路に関する経路情報を生成する。そして、案内部40は、当該経路情報をナビ部2cに出力する。
【0025】
(道路区間11)
図2は、ナビ部2cに出力された経路情報の一例を示す概略図である。図2は車両3のスタート地点Sから目的地Gまでの経路19を概略的に示している。図2のDR1は、車両3の進行方向である。図2において、車両3はスタート地点Sから既に出発しており、移動中である。
【0026】
ナビ部2cに出力される経路19は、ノードNと、ノードN同士をつなぐリンクLで構成されている(図2では全てのノードNとリンクLに符号を割り当てるのを省略している)。
【0027】
地図情報(又は経路情報)として表される経路は、少なくともノードNとリンクLとを用いて表される。第1実施形態において、道路区間11は、リンクLのことを指している。道路区間11は、経路19のうち、ノードNによって区切られている区間である。道路区間11は、隣り合うノードN同士の間の区間である。
【0028】
通行頻度取得部10は、記憶部4から道路区間11ごとの通行頻度情報を取得する。通行頻度取得部10は、例えば、第1の道路区間11aを1週間に5回通行した(又は通行頻度のレベルが高い)という情報を、通行頻度情報として記憶部4から取得する。第1の道路区間11aは、道路区間11のうちのある特定(対象)の道路区間11のことである。通行頻度情報を記憶させるフローについては後述する。
【0029】
図1に戻り、道路情報取得部20は、道路情報を取得する。道路情報は、道路区間11における、車両3の通行に寄与する情報である。道路区間11における、車両3の通行に寄与する情報とは、車両3が道路区間11を通行するにあたって、車両3(車両3のドライバ)にとって役に立つ情報であり、一例として運転の安全性向上などに繋がる情報である。道路情報は、車両3が道路区間11を通行するにあたって、通行のために、ドライバに出力すべき情報である。道路情報の詳細は後述する。
【0030】
(出力制御部30)
出力制御部30は、車両3、又は車両3と共に移動する端末に対して、道路情報を出力させる。出力制御部30が車両3と共に移動する端末に出力させる場合は、例えば、車両3内にあるスマートフォン、及びタブレット等の端末に道路情報を出力させる。出力制御部30が車両3に出力させる場合とは、例えば、出力制御部30が車両3に搭載された移動体側装置2(音声出力部2a)に道路情報を出力させる場合である。
【0031】
出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて、第1の道路区間11aにおける道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。道路情報の出力頻度の変更に関するフローについては後述する。
【0032】
(動的道路情報)
道路情報は、動的道路情報を含む。動的道路情報は、道路区間11の非定常的な状況に関する情報である。道路区間11の非定常的な状況とは、道路区間11のうち、時間経過で変化しやすい状況のことである。動的道路情報は、情報の更新頻度が比較的高いものである(例えば、数分から数時間ごとに更新)。
【0033】
動的道路情報は、渋滞に関する渋滞情報、及び気象に関する気象情報を含んでいる。動的道路情報は、道路区間11の渋滞に関する情報、道路区間11の霧の濃さに関する情報、道路区間11の風の強さに関する情報、道路区間11の温度・湿度に関する情報、及び道路区間11の雨や雪の影響に関する情報(冠水、路面凍結、積雪量)の少なくとも1つを含む。これらに示すように、動的道路情報は時間経過で変化しやすい状況に関する情報である。
【0034】
道路情報取得部20は、外部記憶部5から動的道路情報としての気象情報を取得してもよい。外部記憶部5は、サーバ1の外部に設けられた記憶部(サーバ)である。道路情報取得部20は、プローブカーを介して渋滞情報を取得してもよい。
【0035】
出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて、第1の道路区間11aにおける動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。動的道路情報(道路情報)の出力頻度の変更に関するフローについては後述する。
【0036】
(静的道路情報)
道路情報は、静的道路情報を含む。静的道路情報は、道路区間11の定常的な状態に関する情報である。定常的な状態とは、時間経過で変化しにくい(又は変化するのが遅い)状態のことである。道路区間11の定常的な状態に関する情報は、時間経過で変化しにくい、道路区間11の状態に関する情報である。静的道路情報は、情報の更新頻度が動的道路情報よりも低い(例えば、数日から数か月ごとに更新)。
【0037】
静的道路情報は、道路区間11の路面の形状に関する情報(路面の凹凸など)、道路区間11の事故の発生頻度に関する情報、道路区間11の車線の数に関する情報、及び道路区間11のマンホールの位置に関する情報の少なくとも1つを含む。第1実施形態において、これらの情報は、地図情報により特定される情報である。
【0038】
道路情報取得部20は、外部記憶部5から、静的道路情報としての地図情報を取得してもよい。また、道路情報取得部20は、SNS(Social Networking Service)でのユーザの投稿を情報源として、当該投稿に関する情報を静的道路情報として取得してもよい。例えば、Twitter(登録商標)において、ユーザが「地震で道路にひび割れが発生してる」とひび割れのポイントを写真付きで投稿していた場合、道路情報取得部20は、当該投稿を静的道路情報として取得してもよい。
【0039】
出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて、第1の道路区間11aにおける静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。静的道路情報(道路情報)の出力頻度の変更に関するフローについては後述する。
【0040】
(ハードウエア構成例)
図3は、情報出力装置1のハードウエア構成例を示す図である。情報出力装置1は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0041】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0042】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0043】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0044】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどのリムーバブルメディア、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置であり、記録媒体を有している。ストレージデバイス1040の記録媒体は情報出力装置1の各機能(例えば、通行頻度取得部10、道路情報取得部20、及び出力制御部30)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は情報出力装置1に含まれた記憶部4として機能してもよい。
【0045】
入出力インタフェース1050は、情報出力装置1と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0046】
ネットワークインタフェース1060は、情報出力装置1をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。情報出力装置1は、ネットワークインタフェース1060を介して移動体側装置2と通信してもよい。
【0047】
(第1実施形態の動作例1)
図4は、通行頻度取得部10が通行頻度情報を記憶部4に記憶させる際のフロー図である。ステップS100では、通行頻度取得部10は、位置センサ部2bから得られる車両3の位置情報を用いて、車両3が現在走行している道路区間11がどこであるかを特定する。
【0048】
車両3が現在走行している道路区間11を第2の道路区間11bとする(図2参照)。第2の道路区間11bは、道路区間11のうち、車両3が現在走行している道路区間11である。
【0049】
ステップS110では、通行頻度取得部10は、第2の道路区間11bの所定期間(例えば、6か月)以内の走行回数をカウントする。図2の例の場合、通行頻度取得部10は、経路19のうちの実際に走行した全ての道路区間11における、所定期間以内の当該道路区間11の走行回数をカウントしてもよい。
【0050】
ステップS120では、通行頻度取得部10は、複数の道路区間11のそれぞれにおける、通行頻度のレベルを特定する。通行頻度のレベルを特定する方法は任意である。例えば、所定の範囲が設けられており、所定の範囲に応じてレベルが定められていてもよい。例えば、所定期間(例えば、6か月)以内の走行回数が0回以上5回未満の場合は、レベル1(「低」レベル)、所定期間以内の走行回数が5回以上20回未満の場合は、レベル2(「中」レベル)、及び所定期間以内の走行回数が20回以上の場合は、レベル3(「高」レベル)と設定されていてもよい。なお、通行頻度のレベルは、3段階以上設けられていてもよい。
【0051】
ステップS130では、通行頻度取得部10は、当該道路区間11における、通行頻度のレベルをそれぞれ、通行頻度情報として記憶部4に記憶させる。
【0052】
ステップS140では、通行頻度取得部10は、車両3の走行が終了したか否かを判断する。車両3の走行が終了したと通行頻度取得部10が判断した場合(ステップS140でYES)、処理を終了する。車両3の走行が終了していないと通行頻度取得部10が判断した場合(ステップS140でNO)、ステップS100に戻り処理を繰り返す。
【0053】
なお、通行頻度取得部10が通行頻度情報を記憶部4に記憶させる処理が始まるタイミングは任意であり、例えば、車両3のエンジンを起動した直後であってもよい。
【0054】
このように、車両3の走行が行われる度に、当該走行において通過した道路区間の走行回数がカウントされ、複数の道路区間のそれぞれにおける所定期間内の走行回数に応じて、各道路区間についての通行頻度情報が記憶部4に記憶される。
【0055】
(第1実施形態の動作例2)
図5は、出力制御部30が道路情報を出力させるまでのフロー図である。ステップS200では、道路情報取得部20は、車両3が走行する可能性が高い経路に関する予測経路情報を取得する。第1実施形態において、道路情報取得部20は、案内部40が生成した、目的地までの経路情報を予測経路情報として取得する。
【0056】
ステップS210では、道路情報取得部20は、当該経路情報(予測経路情報)に基づく道路区間11を取得する。経路情報(予測経路情報)に基づく道路区間11とは、経路情報(予測経路情報)に含まれ、車両3がこれから走行する可能性の高い道路区間11である。図2の例において経路情報に基づく道路区間11とは、経路19に含まれる複数の道路区間11である。
【0057】
ステップS220では、道路情報取得部20は、ステップS210で取得した道路区間11に紐づく道路情報(車両3の通行に寄与する情報)を取得する。第1実施形態において、道路情報は、動的道路情報及び静的道路情報を含んでいる。なお、道路情報取得部20は、ステップS210で取得した道路区間11に紐づく道路情報がない場合は、道路情報を取得しなくてもよい。
【0058】
ステップS230では、出力制御部30は、車両3の予測経路(経路19)について、当該道路区間11(S210で取得した道路区間)に紐づく道路情報があるか否かを判断する。第1実施形態において、ステップS230では、車両3の予測経路について、当該道路区間11に紐づく動的道路情報及び静的道路情報の少なくとも一方があるか否かを、出力制御部30が判断する。当該道路区間11に紐づく動的道路情報及び静的道路情報の双方がないと出力制御部30が判断した場合(ステップS230でNO)、処理を終了する。
【0059】
当該道路区間11に紐づく動的道路情報及び静的道路情報の少なくとも一方があると、出力制御部30が判断した場合(ステップS230でYES)、ステップS240に進む。
【0060】
ステップS240では、出力制御部30は、通行頻度取得部10が記憶部4から取得する通行頻度情報を用いて、車両3が現在走行中、又はこれから走行する可能性の高い道路区間のうちの道路情報(動的道路情報及び静的道路情報の少なくとも一方)が取得された道路区間11(第1の道路区間11aとする)の通行頻度のレベル(通行頻度の程度)はどのくらいかを特定する。
【0061】
第1の道路区間11aの通行頻度のレベルが高い(通行頻度レベル「高」)、すなわち車両3が頻繁に通行する場合(ステップS240で「高」)、ステップS250に進む。第1の道路区間11aの通行頻度のレベルが中くらい(通行頻度レベル「中」)の場合(ステップS240で「中」)、ステップS260に進む。第1の道路区間11aの通行頻度のレベルが低い、すなわち車両3が第1の道路区間11aをあまり通行しない(又は全く通行しない)場合(通行頻度レベル「低」)の場合(ステップS240で「低」)、ステップS270に進む。
【0062】
ステップS250では、出力制御部30は、車両3が第1の道路区間11aを通行中、又は第1の道路区間11aに接近した場合でも、第1の道路区間11aに紐づく道路情報(動的道路情報及び静的道路情報の少なくとも一方)を出力しない。このように、第1の道路区間11aの通行頻度が高い場合(ドライバが行きなれた道の場合)、出力制御部30は、道路情報を出力しない。
【0063】
ステップS260では、出力制御部30は、車両3が第1の道路区間11aを通行中、又は第1の道路区間11aに接近した場合に、第1の道路区間11aに紐づく道路情報を間引いて出力させる。具体的には、例えば第1の道路区間11aが、車線数が減少する道路区間11であるとする。そして、第1の道路区間11aの通行頻度のレベルが低いうち(すなわち第1の道路区間11aを通り慣れていないうち)は、第1の道路区間11aを車両3が通行する度に、「車線数が減少するので気を付けて運転してください」などの車線の数に関する情報を道路情報として出力していたものが、第1の道路区間11aの通行頻度のレベルが中くらいとなった(すなわち第1の道路区間11aをやや行きなれてきた)と判定された場合におけるステップS260では、出力制御部30は、車両3が第1の道路区間11aを通行中、又は第1の道路区間11aに接近した場合に、複数回に1回(例えば2回に1回)のみ道路情報(車線の数に関する情報)を出力するように、出力頻度を変更する。
【0064】
ステップS270では、出力制御部30は、車両3が第1の道路区間11aを通行中、又は第1の道路区間11aに接近した場合に、道路情報をそのまま(間引かずに)出力させる。このように、第1の道路区間11aの通行頻度が低い場合(ドライバが行きなれた道でない場合)、道路情報を間引かずにいつも通り出力する。
【0065】
このように、出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける3段階以上の通行頻度(図5の例の場合、通行頻度レベル「低」・「中」・「大」)をもとに、第1の道路区間11aにおける道路情報の出力頻度を3段階以上(図5の例の場合、道路情報を全く出力しない、道路情報を間引いて出力する、道路情報をいつも通り出力する)で変更する。
【0066】
もちろん、通行頻度及び出力頻度は、それぞれ5段階で設定されていてもよい。例えば、通行頻度が「1:非常に少ない」、「2:少ない」、「3:普通」、「4:多い」、「5:非常に多い」のようにレベル分けされているとすると、出力頻度は、それらに対応して、「1:道路情報を全く出力しない」、「2:道路情報を4回に3回だけ出力する」、「3:道路情報を4回に2回だけ出力する」、「4:道路情報を4回に1回だけ出力する」、「5:道路情報を間引かずに出力する」のように設定されていてもよい。このように分けることで、道路情報の出力頻度を通行頻度に応じて徐々に減らすことができる。
【0067】
なお、出力制御部30は、時間帯(朝・昼・夜・深夜など)に関する情報、天候(雨・雪・雷など)に関する情報、及び季節(春夏秋冬)に関する情報の少なくとも一つをさらに用いて、出力頻度を3段階以上で変更してもよい。
【0068】
具体的には、例えば、道路情報取得部20が第1の道路区間11aに紐づく道路情報(静的道路情報)として、マンホールの位置に関する情報を取得したとする。図5の例では、ステップS240で「中」であった場合、ステップS260に進み、マンホールの位置に関する情報(例:マンホールの位置に関する注意ガイダンス)を間引いて出力するが、例えば、大雨(天候に関する情報)の日の場合、ステップS240で「中」であったとしても、ステップS260には進まずに、道路情報としてのマンホールの位置に関する情報を(間引かずに)出力してもよい(すなわちステップS270に進んでもよい)。
【0069】
また、例えば、ステップS240で「中」であった場合、マンホールの位置に関する注意のガイダンスの減らし方を、雨の日の夜については、晴れの日の昼の減らし方よりも、ゆるやかに減らしていってもよい。
【0070】
あるいは、通行頻度取得部10は、車両3が走行する際の環境である時間帯(朝・昼・夜・深夜など)、天候(雨・雪・雷など)、または季節(春夏秋冬)ごとに区別して、第1の道路区間11aの通行頻度情報を取得可能としておき、出力制御部30は、車両3の現在の走行における環境である時間帯、天候、又は季節に対応する第1の道路区間11aの通行頻度情報を特定し、現在の走行環境に対応する通行頻度のレベルに応じて第1の道路区間11aの道路情報の出力頻度を3段階以上で変更するようにしてもよい。この場合、例えば、昼の時間帯の通行頻度レベルが「大」であるが、夜間の通行頻度レベルが「中」の道路区間については、昼の時間帯に走行した場合には、道路情報は出力されないが、同じ道路区間を夜間に走行した場合には、道路情報は間引かれながら出力されることになる。
【0071】
以上、第1実施形態によれば、情報出力装置1は、通行頻度取得部10と、道路情報取得部20と、出力制御部30とを備えている。第1実施形態において、通行頻度が3段階以上に設定されており(通行頻度のレベルが3段階以上)、段階(レベル)に応じて、徐々に道路情報(ドライバの通行に寄与する情報)の出力頻度を減らすことができる。
【0072】
そのため、ある日突然に道路情報の提供の抑制が開始されるのではなく、徐々に道路情報の出力頻度を減らすことができる。これにより、ドライバが違和感を感じることなく、ドライバへの過剰な情報提供を抑制することができる。
【0073】
さらに、道路情報は、道路区間11の非定常的な状況に関する動的道路情報を含み、出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて、第1の道路区間11aにおける動的道路情報の出力頻度を変更する。これにより、例えば、第1の道路区間11aにおける通行頻度のレベルが中くらいの場合、動的道路情報の出力頻度を徐々に減らすことができる。そのため、ユーザが違和感を感じることなく、過剰な動的道路情報の提供を抑制することができる。
【0074】
動的道路情報は、道路区間11の渋滞に関する情報、道路区間11の霧の濃さに関する情報、道路区間11の風の強さに関する情報、道路区間11の温度・湿度に関する情報、及び道路区間11の雨や雪の影響に関する情報の少なくとも1つを含む。これにより、車両3の通行に寄与する(役立つ)情報をドライバに提供することができる。
【0075】
道路情報は、道路区間11の定常的な状態に関する静的道路情報を含み、出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて、第1の道路区間11aにおける静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。これにより、静的道路情報の出力頻度を徐々に減らすことができる。そのため、ユーザが違和感を感じることなく、過剰な静的道路情報の提供を抑制することができる。
【0076】
静的道路情報は、道路区間11の路面の形状に関する情報、事故の発生頻度に関する情報、車線の数に関する情報、及びマンホールの位置に関する情報の少なくとも1つを含む。これにより、車両3の通行に寄与する(役立つ)情報を提供することができる。
【0077】
出力制御部30は、時間帯に関する情報、天候に関する情報、及び季節に関する情報の少なくとも一つをさらに用いて、出力頻度を3段階以上で変更する。これにより、通行頻度のレベルが高い場合であっても、例えば、冬の季節の夜においては気温が低く、路面凍結する可能性があるので、道路情報(マンホールの位置など)の提供を省略しないようにすることができる。いたずらに道路情報を省略すると、必要な情報まで省略しかねない。上記構成を有することで、必要な道路情報は残しつつ、道路情報を効果的に省略することができる。
【0078】
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係る情報出力装置1の機能を示すブロック図である。第2実施形態に係る情報出力装置1は、第1実施形態と異なり、判断部50をさらに備えている。判断部50は、第1の道路区間11aにおける動的道路情報に係る状況が、所定基準を満たすか否かを判断する。
【0079】
(所定基準)
例えば、動的道路情報が雪の影響に関する情報である場合、動的道路情報に係る状況とは、道路区間11の積雪量が30[cm]を超えているという状況を含んでいても良い。仮に上記所定基準が積雪量5[cm]以下の場合、第2実施形態に係る判断部50は、第1の道路区間11aにおける動的道路情報に係る状況が、所定基準を満たしていないと判断してもよい。
【0080】
また、上記所定基準を満たすか否かは、第1の道路区間11aにおける動的道路情報に係る状況が、第1の道路区間11aにおける通常のレベルを超えるか否かを含む。例えば、第1の道路区間11aにおける渋滞の通常のレベルとして、区間の通過所要時間が10~15[分]であり、現在の第1の道路区間11aの通過所要時間が20[分]である場合、判断部50は、第1の道路区間11aにおける動的道路情報に係る状況(通過所要時間:20[分])が、第1の道路区間11aにおける通常のレベル(通過所要時間:10~15[分])を超えたと判断してもよい。なお、第1の道路区間11aにおける種々の通常のレベルは、第1の道路区間11aにおける過去の動的道路情報の統計値に基づいて範囲が設定され、記憶部4に記憶されていてもよい。
【0081】
第2実施形態に係る出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報だけでなく、判断部50の判断結果をさらに用いて、第1の道路区間11aにおける動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。
【0082】
また、上記所定基準は、時間帯別(早朝、朝、昼、夜、深夜など)、天候別(晴れ、曇り、雨、雪など)、及び季節別の少なくとも一つごとに定められていてもよい。時間帯別、天候別、及び季節別に、通常のレベルが記憶部4に記憶されていてもよい。例えば、通常のレベルとして、昼間の風速の基準は5~10[m/s]の範囲内、夜間の風速の基準は0~5[m/s]の範囲内のように、時間帯ごとに通常レベルの基準(所定基準)が異なっていてもよい。判断部50は、現在日時・天候・季節ごとに定められた所定基準を用いて、第1の道路区間11aにおける現在の動的道路情報に係る状況が、通常のレベルを超えるか否かを判断してもよい。
【0083】
第2実施形態の出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける、動的道路情報が示す現在のレベルが通常のレベル内である場合には、第1の道路区間11aの通行頻度情報に応じて、第1の道路区間11aにおける動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更しつつ、第1の道路区間11aにおける現在の動的道路情報を車両3、又は車両3と共に移動する端末に対して出力させてもよい。
【0084】
また、出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける、動的道路情報が示す現在のレベルが通常のレベル外である場合には、第1の道路区間11aの通行頻度情報に拘わらず、第1の道路区間11aにおける現在の動的道路情報を車両3、又は車両3と共に移動する端末に対して出力させてもよい。
【0085】
(第2実施形態の動作例1)
図7は、第2実施形態に係る出力制御部30が静的道路情報を出力させるまでのフロー図である。第2実施形態では、静的道路情報を出力させるフローと動的道路情報を出力させるフローが別々に分かれている。動的道路情報を出力させるフローについては後述する。
【0086】
ステップS200及びステップS210は、第1実施形態と同様である。
【0087】
ステップS221では、道路情報取得部20は、ステップS210で取得した道路区間11に紐づく静的道路情報を取得する。
【0088】
ステップS231では、出力制御部30は、車両3の予測経路について、道路区間11に紐づく静的道路情報があるか否かを判断する。当該道路区間11に紐づく静的道路情報がないと出力制御部30が判断した場合(ステップS231でNO)、処理を終了する。
【0089】
ドライバに提供すべき当該道路区間11に紐づく静的道路情報があると、出力制御部30が判断した場合(ステップS231でYES)、ステップS241に進む。
【0090】
ステップS241では、出力制御部30は、通行頻度取得部10が記憶部4から取得した通行頻度情報を用いて、静的道路情報が取得された道路区間11(第1の道路区間11aとする)の通行頻度のレベルはどのくらいかを特定する。
【0091】
ステップS241の後、通行頻度のレベルによって、ステップS251、ステップS261、及びステップS271に進む。ステップS251、ステップS261、及びステップS271は、ステップS250、ステップS260、及びステップS270と同様である。
【0092】
なお、第2実施形態に係る出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて、出力する静的道路情報の種類を変更することで、第1の道路区間11aにおける静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更してもよい。
【0093】
静的道路情報の種類とは、第1実施形態で説明した、道路区間11の路面の形状に関する情報(路面の凹凸など)、道路区間11の事故の発生頻度に関する情報、道路区間11の車線の数に関する情報、及び道路区間11のマンホールの位置に関する情報などである。
【0094】
第2実施形態に係る出力制御部30は、例えば、道路区間11の通行頻度が1段階上がった場合、まずは道路区間11のマンホールの位置に関する情報の出力をやめて、他の情報(路面の形状など)については、間引くことなく出力してもよい。このように、出力する情報の種類を徐々に減らしていくことで、静的道路情報の出力頻度を徐々に減らしていくという構成でもよい。
【0095】
(第2実施形態の動作例2)
図8は、第2実施形態に係る出力制御部30が動的道路情報を出力させるまでのフロー図である。ステップS200及びステップS210は、第1実施形態と同様である。
【0096】
ステップS222では、道路情報取得部20は、ステップS210で取得した道路区間11に紐づく動的道路情報を取得する。
【0097】
ステップS232では、出力制御部30は、車両3の予測経路について、道路区間11に紐づく動的道路情報があるか否かを判断する。当該道路区間11に紐づく動的道路情報がないと出力制御部30が判断した場合(ステップS232でNO)、処理を終了する。
【0098】
当該道路区間11に紐づく動的道路情報があると、出力制御部30が判断した場合(ステップS232でYES)、ステップS235に進む。
【0099】
ステップS235では、判断部50が、当該道路区間11に紐づく動的道路情報に係る状況が、当該道路区間11における通常のレベルを超えるか否かを判断する。例えば、当該道路区間11に紐づく動的道路情報(風の強さに関する情報)に係る状況として風速20[m/s]の風が吹いていたとして、当該道路区間11における通常のレベルが、風速5~10[m/s]の範囲内であるとする。この場合、判断部50は、当該道路区間11に紐づく動的道路情報に係る状況が、当該道路区間11における通常のレベルを超えていると判断してもよい。
【0100】
当該道路区間11における通行状態のレベルが、当該道路区間11における通常時の通行状態のレベルを超える場合(ステップS235でYES)、ステップS272に進み、出力制御部30は、「風が強いので気を付けて運転してください」という動的道路情報を間引かずに(省略せずに)出力させる。
【0101】
当該道路区間11における通行状態のレベルが、当該道路区間11における通常時の通行状態のレベルを超えない場合(ステップS235でNO)、ステップS242に進む。
【0102】
ステップS242では、出力制御部30は、通行頻度取得部10が記憶部4から取得する通行頻度情報を用いて、動的道路情報が取得された道路区間11(第1の道路区間11aとする)の通行頻度のレベルはどのくらいかを特定する。ステップS242の後、通行頻度のレベルによって、ステップS252、ステップS262、及びステップS272に進む。
【0103】
ステップS252、ステップS262、及びステップS272はステップS250、ステップS260、及びステップS270と同様である。
【0104】
なお、第2実施形態に係る出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて、出力する動的道路情報の種類を変更することで、第1の道路区間11aにおける動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更してもよい。
【0105】
動的道路情報の種類とは、第1実施形態で説明した、道路区間11の渋滞に関する情報、道路区間11の霧の濃さに関する情報、道路区間11の風の強さに関する情報、道路区間11の温度・湿度に関する情報、及び道路区間11の雨や雪の影響に関する情報などである。
【0106】
第2実施形態に係る出力制御部30は、例えば、道路区間11の通行頻度が1段階上がった場合、まずは道路区間11の温度・湿度に関する情報の出力をやめて、他の情報(渋滞情報など)については、間引くことなく出力してもよい。このように、出力する動的道路情報の種類を徐々に減らしていくことで、動的道路情報の出力頻度を徐々に減らしていくという構成でもよい。
【0107】
なお、静的道路情報を出力させるフローと動的道路情報を出力させるフローは平行に処理されてもよい。
【0108】
以上第2実施形態によれば、情報出力装置1は判断部50をさらに備えている。判断部50は、第1の道路区間11aにおける動的道路情報に係る状況が、所定基準を満たすか否かを判断する。そして、出力制御部30は、判断部50の判断結果をさらに用いて、第1の道路区間11aにおける動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。
【0109】
これにより、例え第1の道路区間11aの通行頻度が高い場合であっても、重要な動的道路情報(所定基準を超えた動的道路情報)を省略せずに、そのまま出力することができる。これにより、ドライバに提供すべき必要な情報までも省略してしまうことを抑制することができる。したがって、効果的にドライバへの過剰な情報提供を抑制することができる。
【0110】
さらに、所定基準を満たすか否かは、第1の道路区間11aにおける動的道路情報に係る状況が、第1の道路区間11aにおける通常のレベルを超えるか否かを含む。現在の状況を通常のレベルのときと対比することで、動的道路情報を出力すべきかを効果的に判断することができる。例えば、ドライバは行きなれた道路区間については、動的道路情報に係る状況の通常のレベルについては把握済みである。例えば、ドライバは行きなれた道路区間については、「この道路はいつも渋滞が酷く、この区間を通過するのに5分から8分を要する。」などと認識している。従って、当該道路区間の現在の渋滞状況が通常のレベルの範囲内であれば、当該道路区間の現在の渋滞状況に関する道路情報は、ドライバへの提供を省略できると判断される。従って、効果的にドライバへの過剰な情報提供を抑制することができる。
【0111】
さらに、所定基準は、時間帯別、天候別、及び季節別の少なくとも一つごとに定められている。これにより、ドライバに提供すべき必要な情報までも省略してしまう事態を、より効果的に抑制することができる。
【0112】
さらに、出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて出力する動的道路情報の種類を変更することで、第1の道路区間11aにおける動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。これにより、ユーザが違和感を感じることなく、過剰な動的道路情報の提供を抑制することができる。
【0113】
さらに、出力制御部30は、第1の道路区間11aにおける通行頻度情報に応じて出力する静的道路情報の種類を変更することで、第1の道路区間11aにおける静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する。これにより、ユーザが違和感を感じることなく、過剰な経路案内を抑制することができる。
【0114】
以上、図面を参照して実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0115】
第1実施形態において、所定期間内の走行履歴に基づいて今回の予測ルートが生成されてもよい。第1実施形態のステップS200において、道路情報取得部20は、当該予測ルートに関する情報を、予測経路情報として取得してもよい。
【0116】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する通行頻度取得部と、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報であって、前記道路区間の定常的な状態に関する静的道路情報、及び前記道路区間の非定常的な状況に関する動的道路情報を取得する道路情報取得部と、
第1の前記道路区間の前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更しつつ、前記第1の道路区間における前記静的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して出力させる出力制御部と、を備え、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記動的道路情報が示す前記非定常的な状況の現在のレベルが通常のレベル内である場合には、前記第1の道路区間の前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更しつつ、前記第1の道路区間における前記現在の動的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する前記端末に対して出力させ、前記第1の道路区間における、前記動的道路情報が示す前記現在のレベルが前記通常のレベル外である場合には、前記第1の道路区間の前記通行頻度情報に拘わらず、前記第1の道路区間における前記現在の動的道路情報を前記移動体、又は前記移動体と共に移動する前記端末に対して出力させる、情報出力装置。
2. 移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する通行頻度取得部と、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得する道路情報取得部と、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させる出力制御部と、を備え、
前記出力制御部は、第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
3. 2.に記載の情報出力装置において、
前記道路情報は、前記道路区間の非定常的な状況に関する動的道路情報を含み、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
4. 3.に記載の情報出力装置において、
前記動的道路情報は、前記道路区間の渋滞に関する情報、霧の濃さに関する情報、風の強さに関する情報、温度・湿度に関する情報、及び雨や雪の影響に関する情報の少なくとも1つを含む、情報出力装置。
5. 4.に記載の情報出力装置において、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記通行頻度情報に応じて出力する前記動的道路情報の種類を変更することで、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
6. 3.から5.のいずれか1つに記載の情報出力装置において、
前記第1の道路区間における前記動的道路情報に係る状況が、所定基準を満たすか否かを判断する判断部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記判断部の判断結果をさらに用いて、前記第1の道路区間における前記動的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
7. 6.に記載の情報出力装置において、
前記所定基準を満たすか否かは、前記第1の道路区間における前記動的道路情報に係る状況が、前記第1の道路区間における通常のレベルを超えるか否かを含む、情報出力装置。
8. 6.又は7.に記載の情報出力装置において、
前記所定基準は、時間帯別、天候別、及び季節別の少なくとも一つごとに定められている、情報出力装置。
9. 2.から8.のいずれか1つに記載の情報出力装置において、
前記道路情報は、前記道路区間の定常的な状態に関する静的道路情報を含み、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
10. 9.に記載の情報出力装置において、
前記静的道路情報は、前記道路区間の路面の形状に関する情報、事故の発生頻度に関する情報、車線の数に関する情報、及びマンホールの位置に関する情報の少なくとも1つを含む、情報出力装置。
11. 10.に記載の情報出力装置において、
前記出力制御部は、前記第1の道路区間における前記通行頻度情報に応じて出力する前記静的道路情報の種類を変更することで、前記第1の道路区間における前記静的道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
12. 2.から11.のいずれか1つに記載の情報出力装置において、
前記出力制御部は、時間帯に関する情報、天候に関する情報、及び季節に関する情報の少なくとも一つをさらに用いて、前記出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力装置。
13. 情報出力装置を実現するコンピュータが、
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得し、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得し、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させ、
第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する、情報出力方法。
14. 情報出力装置を実現するコンピュータに、
移動体が通行する道路区間ごとの通行頻度に関する通行頻度情報を取得する手順、
前記道路区間における、前記移動体の通行に寄与する道路情報を取得する手順、
前記移動体、又は前記移動体と共に移動する端末に対して、前記道路情報を出力させる手順、
第1の前記道路区間における前記通行頻度情報に応じて、前記第1の道路区間における前記道路情報の出力頻度を3段階以上で変更する手順、を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0117】
1 情報出力装置
2 移動体側装置
3 車両
10 通行頻度取得部
11 道路区間
20 道路情報取得部
30 出力制御部
40 案内部
50 判断部
101 通信ネットワーク
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8